JP6102582B2 - X線撮影方法、x線撮影装置及びx線画像システム - Google Patents

X線撮影方法、x線撮影装置及びx線画像システム Download PDF

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本発明は、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影方法、X線撮影装置及びX線画像システムに関する。
照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が配列され、これらの放射線検出素子によって生成された電気信号を画像信号として読み取るX線検出器(Flat Panel Detector:FPD)を備えるX線撮影装置としては、例えば、X線検出器にX線を照射するX線源や、複数の回折格子等を備えたタルボ(Talbot)干渉計やタルボ・ロー(Talbot-Lau)干渉計を用いたX線撮影装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計は、一定の周期でスリットが設けられた第1格子を可干渉性(コヒーレント)の光が透過すると光の進行方向に一定周期でその格子像を結ぶタルボ効果を利用するものである。タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計は、第1格子の格子像を結ぶ位置に第2格子を配置し、この第2格子の格子方向を第1格子の方向に対してわずかに傾けることでモアレ縞を形成させる。第2格子の前に物体を配置するとモアレが乱れることから、第1格子の前に被写体を配置して干渉性X線を照射し、得られたモアレ縞の画像(モアレ画像という)を演算することによって被写体の再構成画像を得ることが可能である。
再構成画像としては、少なくともX線の吸収画像や微分位相画像、小角散乱画像の3種類の画像を生成することができることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、X線検出器を1枚の放射線検出素子アレイにより構成すると、大面積化に伴い、歩留まり低下や配線数の増加等が問題となる。そこで、小面積の放射線検出素子アレイを複数並べて基板上に配列することにより構成されたタイリング方式のX線検出器が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
タイリング方式のX線検出器では、放射線検出素子アレイの接合部には画素が存在しないか、又は、開口率の小さい画素が存在しX線利用効率が低下する。そのため、接合部に対応する被写体の画像情報が欠落する。この対策として、接合部に対応する欠陥画素の位置を画像欠陥の情報として登録しておき、周囲の正常画素の画像データを用いて補正するのが一般的である(例えば、特許文献5参照)。
特開2011−45655号公報 国際公開第2011/033798号パンフレット 国際公開第2012/029340号パンフレット 特開2009−118943号公報 特開2006−223891号公報
タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計のX線撮影装置で得られるモアレ画像に基づいて生成される微分位相画像は、被写体のX線屈折率の局所変化を画像化したものである。微分位相画像では、吸収画像や小角散乱画像では描出が困難な、軟骨と関節液の境界部、軟骨と骨の境界部などを描出することができる。しかしながら、これらの境界部は、線状の微細な構造であるため、空間的な信号幅(回折格子のスリット周期方向の信号幅)は100μm前後と狭い。X線検出器の画素サイズは100μm前後であるので、上述の境界部と上述のスリット周期方向と直交する接合部とが重なった場合、境界部の欠落した信号値を周囲の正常画素の信号値に基づいて推測することは困難である。
本発明の課題は、複数の放射線検出素子アレイを配列して構成されたX線検出器を備えたタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計において、撮影時に放射線検出素子アレイの接合部と関心領域とが重なることによる診断画像への影響を抑制することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
被写体を載置するための被写体台と、
照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置におけるX線撮影方法であって、
X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置する配置工程と、
前記X線源により前記被写体にX線を照射してX線撮影を行う撮影工程と、
を含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記配置工程において、X線照射方向から見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置することが不可能な場合は、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置する。
請求項3に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
被写体を載置するための被写体台と、
照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
前記X線撮影装置において、前記被写体台には、前記被写体の関心領域を載置するための関心領域載置部が設けられ、X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と、前記関心領域載置部とが重ならないように配置されている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記被写体台には、更に、前記関心領域載置部よりも大きい関心領域を載置するための第2の関心領域載置部が設けられ、X線照射方向に見て、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と、前記第2の関心領域載置部とが重ならないように配置されている。
請求項5に記載の発明のX線画像システムは、
請求項3又は4に記載のX線撮影装置と、
前記X線撮影装置により得られた画像の前記接合部に対応する画素の信号値を当該画素の周辺画素の信号値を用いて補正する補正手段と、を有する。
請求項6に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
被写体を載置するための被写体台と、
照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
前記X線源と前記X線検出器を用いて、本番の撮影前に前記被写体をプレ撮影し、得られた画像を解析して前記被写体の関心領域の位置を特定し、この特定された関心領域の位置に基づいて、X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体の関心領域とが重ならないように前記X線検出器又は前記被写体台を配置する制御部と、
を備える。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
前記制御部は、X線照射方向から見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置することが不可能な場合は、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように前記X線検出器又は前記被写体台を配置する。
請求項8に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
被写体を載置するための被写体台と、
照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイを有するX線検出器と、
を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
前記放射線検出素子アレイ内には、複数の信号線を束ねて構成された信号線部が配設されており、前記信号線部の方向と、前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように配置されている。
請求項9に記載の発明のX線画像システムは、
請求項8に記載のX線撮影装置と、
前記X線撮影装置により得られた画像の前記信号線部に隣接する画素の信号値を当該画素の周辺画素の信号値を用いて補正する補正手段と、
を備える。
本発明によれば、複数の放射線検出素子アレイを配列して構成されたX線検出器を備えたタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計において、撮影時に放射線検出素子アレイの接合部と関心領域とが重なることによる診断画像への影響を抑制することができる。
本実施形態に係るX線撮影装置の側面図である。 マルチスリットの平面図である。 被写体保持部材を固定するための保持部材固定用ピンが設けられた被写体台の一例を示す図である。 被写体台上に被写体保持部材を固定した例を示す図である。 被写体台上に形成された関心領域載置部を示す図である。 X線検出器の上面を模式的に示した図である。 X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部がX線検出器の何れの接合部にも重ならないように配置して撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す図である。 X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部がスリット周期方向と同方向の接合部に重なるように配置して撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す図である。 X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部がスリット周期方向と直交する方向の接合部に重なるように配置して撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す図である。 X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部が接合部の十字部に重なるように配置して撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す図である。 X線照射方向から見て、関心領域載置部とX線検出器の接合部とが重ならないように配置された例を示す図である。 X線照射方向から見て、関心領域載置部と、スリット周期方向と同方向の接合部とが重なって配置された例を示す図である。 X線照射方向から見て、関心領域載置部と、スリット周期方向と直交する方向の接合部とが重なって配置された例を示す図である。 X線照射方向から見て、関心領域載置部と、接合部の十字部とが重なって配置された例を示す図である。 図1の本体部の機能的構成を示すブロック図である。 図1のコントローラーの機能的構成を示すブロック図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 X線撮影装置によるX線撮影時の処理を示すフローチャートである。 コントローラーによる再構成画像作成処理を示すフローチャートである。 5ステップの撮影により得られるモアレ画像を示す図である。 各ステップのモアレ画像の注目画素のX線相対強度を示すグラフである。 第2の実施形態におけるX線撮影装置を示す図である。 第2の実施形態におけるX線撮影装置において実行される撮影制御処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるX線撮影装置を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるX線検出器の構成例を示す図である。 関心領域の画像に欠落が生じるX線検出器の構成例を示す図である。 第4の実施形態におけるX線検出器の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
<X線画像システムの構成>
図1に、本実施形態に係るX線画像システムを示す。X線画像システムは、X線撮影装置1とコントローラー5を備える。X線撮影装置1はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行い、コントローラー5は当該X線撮影により得られたモアレ画像を用いて被写体の再構成画像を作成する。
X線撮影装置1は、図1に示すように、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16、保持部17、本体部18等を備える。
X線撮影装置1は縦型であり、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、この順序に重力方向であるz方向に配置される。X線源11の焦点とマルチスリット12間の距離をd1(mm)、X線源11の焦点とX線検出器16間の距離をd2(mm)、マルチスリット12と第1格子14間の距離をd3(mm)、第1格子14と第2格子15間の距離をd4(mm)で表す。
距離d1は好ましくは5〜500(mm)であり、さらに好ましくは5〜300(mm)である。
距離d2は、一般的に撮影室の高さは3(m)程度又はそれ以下であることから、少なくとも3000(mm)以下であることが好ましい。なかでも、距離d2は400〜3000(mm)が好ましく、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
X線源11の焦点と第1格子14間の距離(d1+d3)は、好ましくは300〜3000(mm)であり、さらに好ましくは400〜1800(mm)である。
X線源11の焦点と第2格子15間の距離(d1+d3+d4)は、好ましくは400〜3000(mm)であり、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
それぞれの距離は、X線源11から照射されるX線の波長から、第2格子15上に第1格子14による格子像(自己像)が重なる最適な距離を算出し、設定すればよい。
X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、同一の保持部17に一体的に保持され、z方向における位置関係が固定されている。保持部17はアーム状に形成され、本体部18に設けられた駆動部18aによりz方向に移動可能に本体部18に取り付けられている。
X線源11は、緩衝部材17aを介して保持されている。緩衝部材17aは、衝撃や振動を吸収できる材料であれば何れの材料を用いてもよいが、例えばエラストマー等が挙げられる。X線源11はX線の照射によって発熱するため、X線源11側の緩衝部材17aは加えて断熱素材であることが好ましい。
X線源11はX線管を備え、当該X線管によりX線を発生させて重力方向(z方向)にX線を照射する。X線管としては、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線管や回転陽極X線管を用いることができる。陽極としては、タングステンやモリブデンを用いることができる。
X線の焦点径は、0.03〜3(mm)が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1(mm)である。
マルチスリット12は回折格子であり、図2に示すようにx方向に複数のスリットが所定間隔で設けられている。マルチスリット12はシリコンやガラスといったX線の吸収率が低い材質の基板上に、タングステン、鉛、金といったX線の遮蔽力が大きい、つまりX線の吸収率が高い材質により形成される。例えば、フォトリソグラフィーによりレジスト層がスリット状にマスクされ、UVが照射されてスリットのパターンがレジスト層に転写される。露光によって当該パターンと同じ形状のスリット構造が得られ、電鋳法によりスリット構造間に金属が埋め込まれて、マルチスリット12が形成される。
マルチスリット12のスリット周期は1〜60(μm)である。スリット周期は、図2に示すように隣接するスリット間の距離を1周期とする。スリットの幅(x方向の長さ)はスリット周期の1〜60(%)の長さであり、さらに好ましくは10〜40(%)である。スリットの高さ(z方向の長さ)は1〜500(μm)であり、好ましくは1〜150(μm)である。
マルチスリット12のスリット周期をw(μm)、第1格子14のスリット周期をw(μm)とすると、スリット周期wは下記式により求めることができる。
=w・(d3+d4)/d4
当該式を満たすように周期wを決定することにより、マルチスリット12及び第1格子14の各スリットを通過したX線により形成される自己像が、それぞれ第2格子15上で重なり合い、いわばピントが合った状態とすることができる。
図1に示すように、マルチスリット12に隣接して、マルチスリット12をz方向と直交するx方向に移動させる駆動部12aが設けられる。駆動部12aとしては、例えばウォーム減速機等の比較的大きな減速比系の駆動機構を単体で又は組合せて用いることができる。
被写体台13は、被写体を載置するための台である。被写体台13においては、予め被写体の関心領域を載置する領域(関心領域載置部131、132。図4参照)が設けられている。関心領域とは、被写体の中で診断上特に重要な部分である。なお、本実施形態においては、被写体部位(撮影部位)のサイズに応じて、2種類のサイズの関心領域載置部131、132が設けられている。関心領域載置部131のサイズ<関心領域載置部132である。関心領域載置部132は、第2の関心領域載置部に対応する。
例えば、図3Aに示すように、被写体台13には、図3Bに示すような被写体保持部材30を固定するための保持部材固定用ピン13aが設けられている。被写体保持部材30には、保持部材固定用ピン13aを通すための孔が設けられており、この孔に保持部材固定用ピン13aを通して固定することで、被写体を被写体保持部材30に載せたときに被写体の関心領域が被写体台13の関心領域載置部131又は関心領域載置部132内に載置されるように構成されている。図3Bにおいては、手指用の被写体保持部材30を示しているが、例えば、膝用等、被写体部位に応じた被写体保持部材30が用意されている。
または、被写体台13の上面に、図4に示すように、関心領域載置部131、132の領域を示すマーカーを設けることとしてもよい。
なお、X線撮影装置1のような1次元スリットを用いたタルボ・ロー干渉計やタルボ干渉計では、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向(ここでは、x方向。わずかにずれた方向も含む)にのみ微分位相信号が現れる。よって、軟骨と関節液の境界部、軟骨と骨の境界部等を関心領域とする場合、これら境界部の微分位相信号が得られるように、境界面を第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向(y方向)に平行に配置したポジショニングで撮影が行われる。
第1格子14は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第1格子14は、マルチスリット12と同様にUVを用いたフォトリソグラフィーによって形成することもできるし、いわゆるICP法によりシリコン基板に微細細線で深掘加工を行い、シリコンのみで格子構造を形成することとしてもよい。第1格子14のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の20〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
第1格子14として位相型を用いる場合、スリットの高さはスリット周期を形成する2種の素材、つまりX線透過部とX線遮蔽部の素材による位相差がπ/8〜15×π/8となる高さとする。好ましくは、π/4〜3×π/4となる高さである。第1格子14として吸収型を用いる場合、スリットの高さはX線遮蔽部によりX線が十分吸収される高さとする。
第1格子14が位相型である場合、第1格子14と第2格子15間の距離d4は、次の条件をほぼ満たすことが必要である。
d4=(m+1/2)・w /λ
なお、mは整数であり、λはX線の波長である。
第2格子15は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第2格子15もフォトリソグラフィーにより形成することができる。第2格子15のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の30〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
本実施形態では第1格子14及び第2格子15は、それぞれの格子面がz方向に対し垂直(x−y平面内で平行)であり、第1格子14のスリットの方向と第2格子15のスリットの方向とは、x−y平面内で所定角度だけ(わずかに)傾けて配置されているが、両者を平行な配置としても良い。
上記マルチスリット12、第1格子14、第2格子15は、例えば下記のように構成することができる。
X線源11のX線管の焦点径;300(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルター:アルミ1.6(mm)
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 : 240(mm)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1110(mm)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1370(mm)
マルチスリット12のサイズ:10(mm四方)、スリット周期:22.8(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.3(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
X線検出器16は、FPD(Flat Panel Detector)等であり、照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置され、当該放射線検出素子により生成された電気信号を画像信号として読み取る。
X線検出器16の画素サイズは10〜300(μm)であり、さらに好ましくは50〜200(μm)である。
図5は、X線検出器16の上面を模式的に示した図である。図5に示すように、X線検出器16は、複数枚(ここでは、4枚)の放射線検出素子アレイ16a〜16dを配列して接合して(貼り合わせて)構成された、所謂タイリング方式のX線検出器である。個々の放射線検出素子アレイ16a〜16dは、例えば、それぞれCsIやGdS等のシンチレータープレートの下に、放射線検出素子(例えば、フォトダイオード等の光電変換素子)がTFT(薄膜トランジスタ)とともに2次元状に配置されて構成されている。放射線検出素子アレイ16a〜16dに配置された各放射線検出素子は、各画素を構成する。X線検出器16に入射したX線が放射線検出素子アレイ16a〜16dのシンチレータープレートに吸収されると、シンチレータープレートが発光する。この発光した光により、放射線検出素子アレイ16a〜16dの各光電変換素子に電荷が蓄積され、蓄積された電荷は画像信号として読み出される。なお、放射線検出素子アレイ16a〜16dは、CMOS(Complementary MOS)型の放射線検出素子アレイとしてもよい。
X線検出器16における第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向(x方向)と平行な接合部を接合部161、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する接合部を接合部162とする。
ここで、X線撮影装置1において得られるモアレ画像を再構成して生成される再構成画像のうち、微分位相画像は、吸収画像や小角散乱画像では描出が困難な、軟骨と関節液の境界部、軟骨と骨の境界部などを描出することができる。これらの境界部は、線状の微細な構造であり、例えば、リウマチの診断等に非常に重要である。即ち、上記の境界部は、関心領域として、その長手方向が第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交するように(y方向となるように)被写体台13に配置して撮影される。しかし、微分位相画像におけるこれらの境界部の空間的な信号幅(第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向の信号幅)は100μm前後と狭い。
図6Aに、X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部(関心領域)が接合部161と接合部162の何れにも重ならないように配置して(図7Aに示すように配置して)指関節を撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す。矢印で示す部分が軟骨と関節液との境界部である。
図6Bに、X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部が接合部161に重なるように配置して(図7Bに示すように配置して)指関節を撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す。
図6Cに、X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部が接合部162に重なるように配置して(図7Cに示すように配置して)指関節を撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す。
図6Dに、X線照射方向から見て、指関節の軟骨と関節液の境界部が接合部161と接合部162とが交わる十字部に重なるように配置して(図7Dに示すように配置して)指関節を撮影することにより得られた微分位相画像の一例を示す。
接合部161、162においては画素が存在しないため、図6B〜図6Dに示すように、撮影時にX線照射方向から見て接合部161、162に重なった被写体部分については、微分位相画像において画像情報が欠落してしまう。
即ち、図7Aに示すように、X線照射方向から見て被写体台13の関心領域載置部131と接合部161、162の双方とが重ならないように配置されている場合、撮影により得られる微分位相画像の関心領域において、接合部161、162に起因した被写体の画像情報の欠落は発生しない。
図7Bに示すように、関心領域載置部131と接合部161とが重なって配置されている場合、撮影により得られる微分位相画像の関心領域において、接合部161に重なる部分の被写体の画像情報が欠落する。ただし、図6Bに示すように、この配置の場合、線状の微細な関心領域に直交する方向に画像情報の欠落が生じるため、関心領域についての情報の欠落は少なく、関心領域の欠落した信号値を周囲画素の信号値により推測することは可能である。
図7Cに示すように、関心領域載置部131と接合部162とが重なって配置されている場合、撮影により得られる微分位相画像の関心領域において、接合部162に重なる部分の画像情報が欠落する。この配置の場合、図6Cに示すように、線状の微細な関心領域に沿って広い範囲で画像情報の欠落が生じるため、欠落した関心領域の信号値を周囲画素の信号値により精度良く推測することは不可能である。特に、図7Dに示すように、関心領域載置部131と、接合部161と接合部162が交わる十字部とが重なって配置されている場合、十字部の上下左右の画素の画像情報が欠落してしまうため、十字部の信号の再現は不可能である。
そこで、X線撮影装置1においては、図7Aに示すように、X線照射方向から見て、被写体台13の関心領域載置部131と接合部161、162の何れもが重ならないようにX線検出器16が配置されている。関心領域載置部132は、サイズが大きく、X線照射方向から見て、関心領域載置部132が接合部161、162の何れもが重ならないようにX線検出器16を配置することは不可能である。そのため、図7Bに示すように、X線照射方向から見て、被写体台13の関心領域載置部132と接合部161とは重なるが、少なくとも被写体台13の関心領域載置部132と接合部162とが重ならないようにX線検出器16が配置されている。
本体部18は、図8に示すように、制御部181、操作部182、表示部183、通信部184、記憶部185を備えて構成されている。
制御部181は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部185に記憶されているプログラムとの協働により、各種処理を実行する。制御部181は、X線源11、駆動部12a、駆動部18a、X線検出器16等の各部に接続されており、例えば、コントローラー5から入力される撮影条件の設定情報に従って、X線源11からのX線照射のタイミングやX線検出器16による画像信号の読取タイミング等を制御する。
操作部182は、曝射スイッチ等を備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部181に出力する。
表示部183は制御部181の表示制御に従って、ディスプレイに操作画面やX線撮影装置1の動作状況等を表示する。
通信部184は通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のコントローラー5と通信する。例えば、通信部184はX線検出器16によって読み取られ、記憶部185に記憶されたモアレ画像をコントローラー5に送信する。
記憶部185は、制御部181により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。また、記憶部185はX線検出器16によって得られたモアレ画像を記憶する。
コントローラー5は、オペレーターによる操作に従ってX線撮影装置1の撮影動作を制御する。また、コントローラー5は、X線撮影装置1により得られたモアレ画像を用いて診断用の再構成画像を作成する。
コントローラー5は、図9に示すように、制御部51、操作部52、表示部53、通信部54、記憶部55を備えて構成されている。
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory
)等から構成され、記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により、後述する再構成画像作成処理をはじめとする各種処理を実行する。
操作部52は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部51に出力する。表示部53のディスプレイと一体に構成されたタッチパネルを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部51に出力する構成としてもよい。
表示部53は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部51の表示制御に従って、操作画面、X線撮影装置1の動作状況、作成された診断用の再構成画像等を表示する。
通信部54は、通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のX線撮影装置1やX線検出器16と有線又は無線により通信する。例えば、通信部54は、X線撮影装置1に撮影条件や制御信号を送信したり、X線撮影装置1又はX線検出器16からモアレ画像を受信したりする。
記憶部55は、制御部51により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。例えば、記憶部55は、図示しないRIS(Radiology Information System)やHIS(Hospital Information System)等により予約されたオーダーを示す撮影オーダー情報を記憶している。撮影オーダー情報は、患者名、撮影部位(被写体部位)等の情報である。記憶部55は、X線検出器16によって得られたモアレ画像、モアレ画像に基づき作成された診断用の再構成画像を撮影オーダー情報に対応付けて記憶する。
また、記憶部55は、X線検出器16に対応するゲイン補正データ、欠陥画素マップ等を予め記憶する。欠陥画素マップは、X線検出器16の欠陥画素(画素がないものも含む)の位置情報(座標)である。欠陥画素マップには、接合部161、162の位置が欠陥画素の位置として設定されている。
コントローラー5においては、操作部52の操作により撮影オーダー情報の一覧表示が指示されると、制御部51により、記憶部55から撮影オーダー情報が読み出されて表示部53に表示される。操作部52により撮影オーダー情報が指定されると、指定された撮影オーダー情報に応じた撮影条件の設定情報やX線源11のウォームアップの指示等が通信部54によりX線撮影装置1に送信される。なお、撮影オーダー情報の指定状態は、再構成画像が当該撮影オーダー情報に対応付けられて記憶されるまで維持される。
X線撮影装置1においては、通信部184によりコントローラー5から撮影条件の設定情報等が受信されると、X線撮影準備が実行される。
<X線画像システムの動作>
上記X線撮影装置1のタルボ・ロー干渉計によるX線撮影方法を説明する。
図10に示すように、X線源11から照射されたX線が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像といい、自己像が形成される現象をタルボ効果という。自己像を結ぶ位置に第2格子15が自己像と概ね平行に配置され、第2格子15を透過したX線によりモアレ画像(図10においてMで示す)が得られる。X線源11と第1格子14間に被写体(図10においてHで示す)が存在すると、被写体によってX線の位相がずれるため、図10に示すようにモアレ画像上のモアレ縞は被写体の辺縁を境界に乱れる。このモアレ縞の乱れを、モアレ画像を処理することによって検出し、被写体像を画像化することができる。これがタルボ干渉計の原理である。
X線撮影装置1では、X線源11と第1格子14との間のX線源11に近い位置に、マルチスリット12が配置され、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影が行われる。タルボ干渉計はX線源11が理想的な点線源であることを前提としているが、実際の撮影にはある程度焦点径が大きい焦点が用いられるため、マルチスリット12によってあたかも点線源が複数連なってX線が照射されているかのように多光源化する。これがタルボ・ロー干渉計によるX線撮影法であり、焦点径がある程度大きい場合にも、タルボ干渉計と同様のタルボ効果を得ることができる。
図11は、X線撮影装置1における撮影の流れを示すフローチャートである。なお、図11において、ステップS1〜S3は、撮影技師等のオペレーターにより行われるステップである。ステップS4〜S5は、X線撮影装置1の制御部181が各部を制御することにより実行されるステップである。
まず、オペレーターは、撮影部位に基づいて、被写体の関心領域が関心領域載置部131に収まるサイズか否かを判断する(ステップS1)。即ち、X線照射方向から見て、X線検出器16における放射線検出素子アレイの接合部161及び162と被写体台13上に載置する被写体の関心領域とが重ならないように配置することが可能であるか否かを判断する。
被写体の関心領域が関心領域載置部131に収まるサイズであると判断した場合(ステップS1;YES)、オペレーターは、被写体の関心領域を関心領域載置部131に載置することにより、X線照射方向から見て、被写体の関心領域とX線検出器16の接合部161及び162とが重ならないように被写体台13に被写体を配置する(ステップS2)。
被写体の関心領域が関心領域載置部131に収まるサイズではないと判断した場合(ステップS1;NO)、オペレーターは、被写体の関心領域を関心領域載置部132に載置することにより、X線照射方向から見て、被写体の関心領域と、少なくともX線検出器16の接合部162とが重ならないように被写体台13に被写体を配置する(ステップS3)。
次いで、オペレーターにより操作部182の曝射スイッチが操作されると(ステップS4;YES)、X線撮影装置1において複数ステップの撮影が実行され、複数のモアレ画像が生成される(ステップS5)。
ステップS5においては、被写体台13に被写体を載置した状態(被写体有り)でのX線撮影と被写体台13に被写体を載置しない状態(被写体無し)でのX線撮影が行われ、複数の被写体有りのモアレ画像と被写体無しのモアレ画像が生成される。具体的に、各X線撮影においては、まず、マルチスリット12が停止した状態でX線源11によるX線の照射が開始される。X線検出器16ではリセット後、X線照射のタイミングに合わせて電荷が蓄積され、X線の照射停止のタイミングに合わせて蓄積された電荷が画像信号として読み取られる。これが1ステップ分の撮影である。1ステップ分の撮影が終了するタイミングで駆動部12aによるマルチスリット12の移動が開始され、所定量移動すると停止され、次のステップの撮影が行われる。このようにして、マルチスリット12の移動と停止が所定のステップ数分だけ繰り返され、マルチスリット12が停止したときにX線の照射と画像信号の読み取りが行われる。
なお、ステップ数は2〜20、さらに好ましくは3〜10である。視認性の高い再構成画像を短時間で得るという観点からすれば、5ステップが好ましい(参照文献1:K.Hibino, B.F.Oreb and D.I.Farrant, Phase shifting for nonsinusoidal wave forms with phase-shift errors, J.Opt.Soc.Am.A, Vol.12, 761-768(1995)、参照文献2:A.Momose, W.Yashiro, Y. Takeda, Y.Suzuki and T.Hattori, Phase Tomography by X-ray Talbot Interferometetry for biological imaging, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.45, 5254-5262(2006))。ここでは、5ステップの撮影を行うこととして説明する。
例えば、マルチスリット12のスリット周期を22.8(μm)とし、5ステップの撮影を10秒で行うとする。マルチスリット12がそのスリット周期の1/5に該当する4.56(μm)移動し停止する毎に撮影が行われる。撮影時間でいえば曝射スイッチON後、2、4、6、8、10秒後にそれぞれ撮影が行われる。
各ステップの撮影が終了すると、本体部18からコントローラー5に、各ステップのモアレ画像が送信される(ステップS6)。本体部18からコントローラー5に対しては各ステップの撮影が終了する毎に1枚ずつ送信することとしてもよいし、各ステップの撮影が終了し、全てのモアレ画像が得られた後、まとめて送信することとしてもよい。
コントローラー5においては、通信部54により本体部18からのモアレ画像が受信されると、再構成画像作成処理が実行される。
図12は、制御部51により実行される再構成画像作成処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すように、まずモアレ画像の解析が行われ(ステップS11)、再構成画像の作成に使用できるか否かが判断される(ステップS12)。理想的な送り精度によりマルチスリット12を一定の送り量で移動できた場合、図13に示すように、5ステップの撮影でマルチスリット12のスリット周期1周期分のモアレ画像5枚が得られる。各ステップのモアレ画像は0.2周期という一定周期間隔毎に縞走査をした結果であるので、各モアレ画像の任意の1画素に注目すると、その信号値を正規化して得られるX線相対強度は、図14に示すようにサインカーブを描く。よって、コントローラー5は得られた各ステップのモアレ画像のある画素に注目してX線相対強度を求める。各モアレ画像から求められたX線相対強度が、図14に示すようなサインカーブを形成すれば、一定周期間隔のモアレ画像が得られているので、再構成画像の作成に使用できると判断することができる。
各ステップのモアレ画像の中にサインカーブを形成できないモアレ画像がある場合、再構成画像の作成に使用できないと判断され(ステップS12;NO)、撮影のタイミングを変更して再撮影するよう指示する制御情報がコントローラー5からX線撮影装置1に送信される(ステップS13)。例えば、図14に示すように、3ステップ目は本来0.4周期のところ、周期がずれて0.35周期のモアレ画像が得られた場合であれば、駆動部12aの送り精度の低下が原因と考えられる。よって、0.05周期分だけ撮影のタイミングを早めて3ステップ目のみ再撮影を行うよう指示すればよい。或いは、5ステップ全てについて再撮影し、3ステップ目のみ0.05周期分の撮影時間を早めるように指示してもよい。5ステップ全てのモアレ画像が所定量ずつサインカーブからずれている場合、駆動部12aの起動から停止までの間隔を増やすか、或いは減らすように指示してもよい。X線撮影装置1では、当該制御情報に従って撮影のタイミングが調整され、図11に示す撮影の流れが再度実行される。
一方、再構成画像の作成にモアレ画像を使用できると判断された場合(ステップS12;YES)、被写体有りのモアレ画像と被写体無しのモアレ画像に、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理、X線強度変動補正等の補正処理が施される(ステップS14)。ここで、欠陥画素補正処理では、記憶部55に記憶されている欠陥画素マップで指定されている欠陥画素のそれぞれに対応する画素の信号値を、周囲の正常画素の信号値の平均レベルの信号値に置き換える。周囲とは、例えば、欠陥画素と上下方向又は左右方向に隣接する4画素、或いは斜め方向に隣接する画素を含めた8画素等である。上述のように、記憶部55に記憶されている欠陥画素マップには、接合部161、162の位置が欠陥画素の位置として設定されているので、画像中の接合部161、162に相当する位置の画素の信号値が周囲の正常画素の信号値の平均レベルの信号値に補正される。
次いで、補正後の被写体有りのモアレ画像と被写体無しのモアレ画像に基づいて、3種類の再構成画像(吸収画像、微分位相画像、小角散乱画像)が生成される。3種類の再構成画像は、例えば、特許文献3に記載のように、公知の手法により生成することができる。
まず、補正後の被写体有りのモアレ画像に基づいて、被写体有りの3種類の再構成画像(吸収画像、微分位相画像、小角散乱画像)が生成される。また、補正後の被写体無しのモアレ画像に基づいて、被写体無しの3種類の再構成画像(吸収画像、微分位相画像、小角散乱画像)が生成される。
具体的には、複数のモアレ画像のモアレ縞を加算することにより吸収画像が生成される。また、縞走査法の原理を用いてモアレ縞の位相が計算され、微分位相画像が生成される。また、縞走査法の原理を用いてモアレ縞のVisibilityが計算され(Visibility=振幅÷平均値)、小角散乱画像が生成される。
そして、生成された被写体有りの再構成画像に対し、同種の被写体無しの再構成画像を用いて(例えば、被写体有りの微分位相画像に対し、被写体無しの微分位相画像を用いて)、モアレ縞の位相の除去と、画像ムラを除去するための補正処理が行われ、最終的な診断用の3種類の再構成画像が生成される。
以上説明したように、第1の実施形態のX線画像システムによれば、X線撮影装置1において、被写体台13には、被写体の関心領域を載置するための関心領域載置部131が設けられ、X線照射方向に見て、X線検出器16における放射線検出素子アレイ16a〜16dの接合部161、162と、関心領域載置部131とが重ならないように配置されている。
従って、放射線検出素子アレイ16a〜16dの接合部161、162に被写体の関心領域が重なって撮影されることにより関心領域の画像情報が欠落してしまうことを防ぐことができ、撮影時に放射線検出素子アレイの接合部と関心領域とが重なることによる診断画像への影響を抑制することができる。
また、被写体台13には、更に、関心領域載置部131よりも大きい関心領域を載置するための関心領域載置部132が設けられ、X線照射方向に見て、少なくとも第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部162と、関心領域載置部132とが重ならないように配置されている。
従って、線状の微細な構造の関心領域の場合に、関心領域の広い範囲が接合部と重なってしまうことを防止することができるので、診断画像への影響を低減することができる。
また、コントローラー5の制御部51は、X線撮影装置1により得られたモアレ画像の接合部161、162に対応する画素の信号値を当該画素の周辺画素の信号値を用いて補正するので、接合部161、162による画像情報の欠落を補うことができ、診断画像への影響を低減することができる。
[第2の実施形態]
<X線画像システムの構成>
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
図15に、第2の実施形態のX線画像システムの全体構成例を示す。図15に示すように、第2の実施形態におけるX線画像システムは、X線撮影装置2と、コントローラー5とを備える。
X線撮影装置2は、X線撮影装置1と略同様の構成をもつ、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う装置である。X線撮影装置2は、図15に示すように、X線検出器16をx方向に駆動するための駆動部16e、X線検出器16をy方向に駆動するための駆動部16fが設けられている。駆動部16e、16fの駆動方式は、ボールねじ方式、リニアモーター方式等いずれの方式でもよい。駆動部16e、16fは、制御部181に接続されており、制御部181からの制御に従ってX線検出器16を移動させる。
なお、X線撮影装置2の被写体台13には、関心領域載置部131、関心領域載置部132は特に設けられていない。
X線撮影装置2のその他の構成は、第1の実施形態で説明したX線撮影装置1と同じであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明は援用する。また、コントローラー5の構成は、第1の実施形態で説明したものと同じであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明は援用する。
<X線画像システムの動作>
以下、第2の実施形態におけるX線画像システムにおける動作について説明する。
図16は、X線撮影装置2の制御部181において実行される撮影制御処理の流れを示すフローチャートである。
被写体台13に被写体が載置され、オペレーターにより曝射スイッチがON操作されると(ステップS21;YES)、X線源11によりX線が照射され、プレ撮影が行われる(ステップS22)。プレ撮影は、本番の撮影前に被写体の関心領域の位置を特定するための撮影である。プレ撮影では、複数ステップの撮影は行われず、1回のみの撮影が行われる。
次いで、プレ撮影により得られた画像の解析が行われ、当該画像における関心領域の位置が特定される(ステップS23)。例えば、記憶部185に、撮影部位毎のテンプレート、及び各撮影部位の関心領域のテンプレートを予め記憶しておき、テンプレートマッチング法等の画像処理技術を用いてプレ撮影により得られた画像から関心領域の位置を特定する。
次いで、特定された関心領域の位置に基づいて、X線照射方向から見て、被写体台13上の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16を配置可能であるか否かが判断される(ステップS24)。例えば、被写体台13に載置されている関心領域のサイズが予め定められたサイズ以内である場合、被写体台13上の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16を配置可能であると判断される。被写体台13に載置されている関心領域のサイズが予め定められたサイズより大きい場合、被写体台13上の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16を配置することは不可能であると判断される。
被写体台の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16を配置可能であると判断された場合(ステップS24;YES)、駆動部16e及び駆動部16fによりX線検出器16が移動され、被写体の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16が配置され(ステップS25)、処理はステップS27に移行する。
被写体の関心領域とX線検出器16の接合部161、162とが重ならないようにX線検出器16を配置不可能であると判断された場合(ステップS24;NO)、駆動部16e及び駆動部16fによりX線検出器16が移動され、被写体の関心領域と、少なくともX線検出器16の162とが重ならないようにX線検出器16が配置され(ステップS26)、処理はステップS27に移行する。
ステップS27においては、複数ステップの撮影が実行され、複数のモアレ画像が生成される(ステップS27)。複数ステップの撮影については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
各ステップの撮影が終了すると、通信部184により本体部18からコントローラー5に各ステップのモアレ画像が送信される(ステップS28)。本体部18からコントローラー5に対しては各ステップの撮影が終了する毎に1枚ずつ送信することとしてもよいし、各ステップの撮影が終了し、全てのモアレ画像が得られた後、まとめて送信することとしてもよい。
コントローラー5においては、通信部54により本体部18からのモアレ画像が受信されると、再構成画像作成処理が実行される。再構成画像作成処理については、第1の実施形態で図12を用いて説明したものと同様であるので説明を援用する。
以上説明したように、第2の実施形態のX線画像システムによれば、X線撮影装置1の制御部181は、X線源11とX線検出器16を用いて、本番の撮影前に被写体をプレ撮影し、得られた画像を解析して被写体の関心領域の位置を特定し、この特定された関心領域の位置に基づいて、X線照射方向に見て、X線検出器16における放射線検出素子アレイの接合部161、162と被写体の関心領域とが重ならないようにX線検出器16の配置を制御する。
従って、放射線検出素子アレイ16a〜16dの接合部161、162に被写体の関心領域が重なって撮影されることにより関心領域の画像情報が欠落してしまうことを防ぐことができ、撮影時に放射線検出素子アレイの接合部と関心領域とが重なることによる診断画像への影響を抑制することができる。
また、制御部181は、接合部161、162の双方と被写体の関心領域とが重ならないようにX線検出器16を配置することが不可能な場合には、X線照射方向に見て、少なくとも第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部162と関心領域とが重ならないようにX線検出器16の配置を制御する。
従って、線状の微細な構造の関心領域の場合に、関心領域の広い範囲が接合部と重なってしまうことを防止することができるので、診断画像への影響を低減することができる。
なお、上記第2の実施形態においては、被写体の関心領域と接合部161、162とが重ならないように配置するために、X線検出器16を移動させることとして説明したが、被写体台13を移動させることとしてもよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図17に、第3の実施形態のX線画像システムの全体構成例を示す。図17に示すように、第3の実施形態におけるX線画像システムは、X線撮影装置3と、コントローラー5とを備える。
X線撮影装置3は、X線撮影装置1と略同様の構成をもつ、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う装置である。X線撮影装置3は、図17に示すように、X線検出器19を備えて構成されている。
X線検出器19は、図18に示すように、1枚の放射線検出素子アレイにより構成されている。X線検出器19の放射線検出素子アレイ内には、複数の信号線部L1〜Ln(nは正の整数)が配設されている。信号線部L1〜Lnのそれぞれは、周囲の複数画素(複数の画素ライン)分の複数の信号線をまとめて束ねた構造である。一般的な、画素と信号線とが1ラインずつ交互になっている放射線検出素子アレイとは異なる構成である。
X線検出器19において、信号線部L1〜Lnに隣接する画素の放射線検出素子は、信号線部の影響により他の画素のものよりも開口率が小さくなっている。そのため、信号線部L1〜Lnに隣接する画素ではX線利用効率が低下し、その画素の部分は画像上でスジとなる。即ち、その部分の被写体の画像情報は欠落する。そこで、これらの画素の位置は、欠陥画素の位置としてコントローラー5の記憶部55に記憶されている。
なお、X線撮影装置3の被写体台13には、関心領域載置部131、関心領域載置部132は特に設けられていない。
X線撮影装置3のその他の構成は、第1の実施形態で説明したX線撮影装置1と同じであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明は援用する。また、コントローラー5のその他の構成は、第1の実施形態で説明したものと同じであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明は援用する。
上述のように、タルボ・ロー干渉計やタルボ干渉計では、線状の微細な構造の関心領域は、その長手方向を第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向(y方向)に平行に配置して撮影が行われる。そのため、図19に示すように、X線検出器19の信号線部L1〜Lnの方向が第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向(y方向)に一致するように配設されている場合、X線照射方向からみて、関心領域の広い範囲が何れかの信号線部と重なり、関心領域の広い範囲の画像情報が欠落してしまうことがある。この場合、欠落した関心領域の信号値を周囲画素の信号値により推測することは困難である。一方、図18に示すように、信号線部L1〜Lnが第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と平行(x方向)に配設されている場合、関心領域に直交する方向に画像情報の欠落が生じるため、関心領域についての情報の欠落は少なく、関心領域の欠落した信号値を周囲画素の信号値により推測することは可能である。
そこで、関心領域と信号線部とが広い範囲で重なることによる診断画像への影響を抑制するため、X線検出器19は、信号線部L1〜Lnの方向と、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように(本実施形態では、信号線部の方向と第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向とが平行となるように)配置されている。
第3の実施形態におけるX線画像システムにおける動作としては、まず、X線撮影装置3において、被写体台13に被写体が載置されると、図11に示す撮影フローのステップS4〜S6が実行される。各ステップの処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。コントローラー5においては、通信部54により本体部18からモアレ画像が受信されると、図12に示す再構成画像作成処理が実行される。再構成画像作成処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるが、信号線部L1〜Lnに隣接する、開口率の小さな放射線検出素子からなる画素の位置は、欠陥画素の位置としてコントローラー5の記憶部55に記憶されているため、コントローラー5において実行される図12に示す再構成画像作成処理のステップS14において、周囲の正常画素の平均レベルの信号値に補正される。
以上説明したように、第3の実施形態のX線画像システムによれば、X線検出器19の放射線検出素子アレイ内には、複数の信号線を束ねて構成された信号線部L1〜Lnが配設されており、信号線部L1〜Lnの方向と、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように配置されている。
従って、関心領域の広い範囲が信号線部L1〜Lnと重なることによる診断画像への影響を低減することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態のX線画像システムの全体構成例は、図1に示す第1の実施形態のX線撮影装置1と同様であり、X線検出器の構造のみが異なる。
図20は、第4の実施形態におけるX線検出器16Aの上面を模式的に示した図である。図20に示すように、X線検出器16Aは、図5に示した第1の実施形態のX線検出器16と同様に、放射線検出素子アレイ16a〜16dが接合されて構成されている。X線検出器16Aは、X線照射方向からみて、X線検出器16Aにおける第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と平行な接合部161、及び第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する接合部162が関心領域載置部131に重ならないように配置されている。また、接合部162は、関心領域載置部132に重ならないように配置されている。その理由と効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
また、X線検出器16Aの放射線検出素子アレイ16a〜16d内には、第3の実施形態で説明した放射線検出素子アレイと同様に、それぞれ複数の信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lnd(nは正の整数)が配設されている。それぞれの信号線部は、周囲の複数画素(複数の画素ライン)分の複数の信号線をまとめて束ねた構造である。各信号線部に隣接する画素の放射線検出素子は、第3の実施形態と同様に、信号線部の影響により他の画素のものよりも開口率が小さくなっている。そのため、これらの画素のX線利用効率が低下し、その画素の部分は画像上でスジとなる。そこで、これらの画素の位置は、欠陥画素の位置としてコントローラー5の記憶部55に記憶されている。
上述のように、タルボ・ロー干渉計やタルボ干渉計では、線状の微細な構造の関心領域は、その長手方向を第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向(y方向)に平行に配置して撮影が行われる。そのため、X線検出器16Aの信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lndの方向が第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向(y方向)に一致している場合、X線照射方向からみて、関心領域の広い範囲が信号線部の何れかと重なり、関心領域の広い範囲の画像情報が欠落してしまうことがある。この場合、欠落した関心領域の信号値を周囲画素の信号値により推測することは困難である。一方、信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lndの方向が第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と平行(x方向)に配設されている場合、関心領域に直交する方向に画像情報の欠落が生じるため、関心領域についての情報の欠落は少なく、関心領域の欠落した信号値を周囲画素の信号値により推測することは可能である。
そこで、関心領域と信号線部とが広い範囲で重なることによる診断画像への影響を抑制するため、X線検出器19は、信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lndの方向と、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように(本実施形態では、信号線部の方向と第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向とが平行となるように)配置されている。
第4の実施形態のX線撮影装置のその他の構成は、第1の実施形態で説明したX線撮影装置1と同じであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明は援用する。
第4の実施形態におけるX線画像システムにおける動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lndに隣接する、開口率の小さな放射線検出素子からなる画素の位置は、欠陥画素の位置としてコントローラー5の記憶部55に記憶されているため、コントローラー5において実行される図12に示す再構成画像作成処理のステップS14において、周囲の正常画素の平均レベルの信号値に補正される。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、複数の放射線検出素子アレイ16a〜16bが接合されて構成されたX線検出器16Aのそれぞれの放射線検出素子アレイ内には、複数の信号線を束ねて構成された信号線部が配設されており、信号線部L1a〜Lna、L1b〜Lnb、L1c〜Lnc、L1d〜Lndの方向と、第1格子14及び第2格子15のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように配置されている。その他のX線撮影装置は、第1の実施形態と同様の構成である。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、関心領域の広い範囲が信号線部と重なることによる診断画像への影響を低減することができる。
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明してきたが、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、マルチスリット12を第1格子14及び第2格子15に対して移動させる方式のタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置を例にとり説明したが、本発明は、タルボ干渉計を用いたX線撮影装置、及び第1格子14及び/又は第2格子15を移動させる方式のタルボ・ロー干渉計においても適用可能である。
また、上記第1、2、4の実施形態においては、放射線検出器を構成する放射線検出素子アレイの個数を4つとしたが、特にこれに限定されるものではない。また、接合部の数についても特に限定されない。
その他、X線画像システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 X線撮影装置
11 X線源
12 マルチスリット
12a 駆動部
13 被写体台
14 第1格子
15 第2格子
16 X線検出器
17 保持部
17a 緩衝部材
18 本体部
181 制御部
182 操作部
183 表示部
184 通信部
185 記憶部
5 コントローラー
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 通信部
55 記憶部
2、3 X線撮影装置
16A、19 X線検出器

Claims (9)

  1. X線を照射するX線源と、
    複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
    被写体を載置するための被写体台と、
    照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
    を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置におけるX線撮影方法であって、
    X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置する配置工程と、
    前記X線源により前記被写体にX線を照射してX線撮影を行う撮影工程と、
    を含むX線撮影方法。
  2. 前記配置工程において、X線照射方向から見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置することが不可能な場合は、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置する請求項1に記載のX線撮影方法。
  3. X線を照射するX線源と、
    複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
    被写体を載置するための被写体台と、
    照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
    を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
    前記X線撮影装置において、前記被写体台には、前記被写体の関心領域を載置するための関心領域載置部が設けられ、X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と、前記関心領域載置部とが重ならないように配置されているX線撮影装置。
  4. 前記被写体台には、更に、前記関心領域載置部よりも大きい関心領域を載置するための第2の関心領域載置部が設けられ、X線照射方向に見て、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と、前記第2の関心領域載置部とが重ならないように配置されている請求項3に記載のX線撮影装置。
  5. 請求項3又は4に記載のX線撮影装置と、
    前記X線撮影装置により得られた画像の前記接合部に対応する画素の信号値を当該画素の周辺画素の信号値を用いて補正する補正手段と、を有するX線画像システム。
  6. X線を照射するX線源と、
    複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
    被写体を載置するための被写体台と、
    照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイが複数個配列されて構成されたX線検出器と、
    を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
    前記X線源と前記X線検出器を用いて、本番の撮影前に前記被写体をプレ撮影し、得られた画像を解析して前記被写体の関心領域の位置を特定し、この特定された関心領域の位置に基づいて、X線照射方向に見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体の関心領域とが重ならないように前記X線検出器又は前記被写体台を配置する制御部と、
    を備えるX線撮影装置。
  7. 前記制御部は、X線照射方向から見て、前記X線検出器における前記放射線検出素子アレイの接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように配置することが不可能な場合は、前記接合部のうち、少なくとも前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向に延在する接合部と前記被写体台上の被写体の関心領域とが重ならないように前記X線検出器又は前記被写体台を配置する請求項6に記載のX線撮影装置。
  8. X線を照射するX線源と、
    複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、
    被写体を載置するための被写体台と、
    照射されたX線に応じて電気信号を生成する放射線検出素子が2次元状に配置された放射線検出素子アレイを有するX線検出器と、
    を備えるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置であって、
    前記放射線検出素子アレイ内には、複数の信号線を束ねて構成された信号線部が配設されており、前記信号線部の方向と、前記第1格子及び前記第2格子のスリット周期方向と直交する方向とが一致しないように配置されているX線撮影装置。
  9. 請求項8に記載のX線撮影装置と、
    前記X線撮影装置により得られた画像の前記信号線部に隣接する画素の信号値を当該画素の周辺画素の信号値を用いて補正する補正手段と、
    を備えるX線画像システム。
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