JP6102372B2 - 演奏システム、演奏方法及びプログラム - Google Patents

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本発明は、演奏者がスティック状の操作子を振ることで楽音を発生する演奏システム、演奏方法及びプログラムに関する。
従来、スティック状の操作子に加速度センサを設け、この加速度センサによって操作子の動きを検知して楽音を発生する演奏システムがある(例えば、特許文献1)。この演奏システムに用いられる操作子は、例えばドラムのスティックや太鼓の撥のような形状を有する。演奏者であるユーザがこの操作子を振り下ろす動作を行うと、そのときの動作信号が音源に送られて、ドラムや太鼓などの楽音が発生する。
特許第2663503号公報
上述した演奏システムでは、演奏者が目の前で操作子を振ることで、実存しない仮想的な楽器(これを「エア楽器」と称す)を演奏することができる。
ここで、打楽器の演奏を想定した場合には、ショット動作時に操作子を振り上げたときの角度(振上げ角度)が重要となる。振上げ角度が小さすぎると音が弱くなり、逆に、振上げ角度が大きいと音が強くなる。また、テンポやリズムパターン(音長や強拍・弱拍など)によって、適正な振り上げ角度が変化したり、同じ強さでも適正な振り上げ角度が異なったものとなる場合もある。
したがって、演奏する楽曲のリズムパターンに合わせて操作子を適正な角度で振り上げることが求められる。しかしながら、楽曲によってリズムパターンが違うため、常に適正な角度で振り上げながら演奏することは非常に難しい。
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、楽曲のリズムパターンに合わせて操作子を適正な角度で振り上げて演奏することのできる演奏システム、演奏方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る演奏システムは、表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子と、楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出する振り角度算出手段と、上記振り角度算出手段によって算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させる演奏指示手段とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、演奏対象となる楽曲のリズムパターンに合わせて、操作子の適正角度が操作子の表示部を通じて指示される。したがって、演奏者はその指示に従って操作子を適正角度で振り上げてショット動作することで、楽曲のリズムパターンに合わせた演奏を簡単に行うことができる。
図1は本発明の一実施形態に係る演奏システムの構成を示す図である。 図2は同実施形態の演奏システムにおける演奏装置の回路構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態の演奏システムにおける制御装置の回路構成を示すブロック図である。 図4は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振り上げ角度と表示色との関係を説明するための図である。 図5は同実施形態の演奏システムにおける操作子が適正角度を維持できたときの表示状態を示す図である。 図6は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振上げ角度が適正角度より少しオーバーしたときの表示状態を示す図である。 図7は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振上げ角度が適正角度より少し不足したときの表示状態を示す図である。 図8は同実施形態の演奏システムにおける演奏装置(操作子)のメイン処理を示すフローチャートである。 図9は上記図8のステップA12で実行される状態検知・演奏指示処理を示すフローチャートである。 図10は上記図8のステップA13で実行される発音処理を示すフローチャートである。 図11は上記図9のステップB13で実行される音楽データに対応する演奏指示処理を示すフローチャートである。 図12は上記図11のステップD12で実行される音楽データに対応する振上げ角度算出処理を示すフローチャートである。 図13は上記図11のステップD13で実行される振上げ角度表示処理を示すフローチャートである。 図14は同実施形態の演奏システムにおけるシングルストロークロールの打楽器(ドラム)の譜面の一例を示す図である。 図15は同実施形態の演奏システムにおける一方のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図16は同実施形態の演奏システムにおける一方のスティックで叩いた時の不適切な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図17は同実施形態の演奏システムにおける左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図18は同実施形態の演奏システムにおける別のリズムパターンを左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図19は同実施形態の演奏システムにおける別のリズムパターンを左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図20は上記図19のリズムパターンにアクセントを付けて叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す図である。 図21は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振上げ角度が適性角度に近付いたときに徐々に表示色を切り替えた状態を示す図である。 図22は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振上げ角度が適性角度に近付いたときに徐々に表示色を切り替えた状態であって、アクセント等の音量大きめの場合の演奏指示を示す図である。 図23は同実施形態の演奏システムにおける操作子の振上げ角度が適性角度に近付いたときに徐々に表示色を切り替えた状態であって、非アクセント等の音量小さめの場合の演奏指示を示す図である。 図24は同実施形態の演奏システムにおける濃淡を付けて音量に対応した振上げ角度の演奏指示を行う場合の一例を示す図である。 図25は同実施形態の演奏システムにおける濃淡を付けて音量に対応した振上げ角度の演奏指示を行う場合の一例を示す図である。 図26は同実施形態の演奏システムにおける濃淡を付けて音量に対応した振上げ角度の演奏指示を行う場合の一例を示す図である。 図27は同実施形態の演奏システムにおける濃淡を付けて音量に対応した振上げ角度の演奏指示を行う場合の一例を示す図である。 図28は同実施形態の演奏システムにおける各色のRGBデータの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る演奏システムの構成を示す図である。
本実施形態における演奏システムは、演奏装置10と制御装置20とで構成される。演奏装置10と制御装置20は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により接続される。なお、接続形態は無線に限らず、有線であっても良い。
演奏装置10は、打楽器のショット動作を行うことで所定の楽音を発生させるスティック状の操作子11を備える。この操作子11には、3軸の加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサが取り付けられており、自立姿勢制御技術を用いる事により逐次センサ情報から操作子11の動きを検知可能な構成を有する。演奏者であるユーザは操作子11を手で持ち、仮想的に楽器のパーツが目の前に存在するものと仮定して、そのパーツに向けて操作子11を振り下ろすことで演奏を行う。
図中の12は操作子11のスイッチ部であり、電源スイッチや各種設定スイッチなどが設けられている。また、操作子11の先端部には、多色発光可能なLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部13が設けられている。
なお、図1では、操作子11が1本しか図示されていないが、同様の機能を有する操作子11を複数本(例えば2本)用いて演奏することも可能である。
制御装置20は、操作子11から少し離れたところに置かれ、操作子11との間で情報をやり取りし、操作子11の動きに合わせて楽音を発生するなどの処理を行う。この制御装置20としては、一般的なパソコン(パーソナルコンピュータ)が用いられる。図中の21はキーボード等の入力部、22はLCD等の表示部である。
図2は演奏装置10の回路構成を示すブロック図である。
演奏装置10には、スイッチ部12、表示部13、制御部14、記憶部15、センサ部16、通信部17などが備えられている。図1に示したように、スイッチ部12と表示部13は、スティック状の操作子11に設けられている。
スイッチ部12は、電源のオン/オフなどの各種設定操作を行う場合に用いられる。表示部13は、演奏中に操作子11の適正角度を指示するための表示を行う。具体的には、例えば、LEDや電球で構成することができる。下記のように表示部13は数色の表示を行うので、各色のLEDや電球を内部に備え、適宜切り替えたり、複数色を同時に光らせたり時分割で光らせる等して用いることができるほか、単色の発光源に各色のカラーフィルタを切り替えることにより発光色を調整することができる。また、より詳細に、液晶モニタのような表示部を備えることも可能である。
制御部14は、CPUからなり、記憶部15に記憶されたプログラム15aを読み込むことにより、演奏装置10に関わる各種処理を実行する。この制御部14には、本発明を実現するための機能として、振上げ角度算出機能14aと演奏指示機能14bが備えられている。
振上げ角度算出機能14aは、演奏対象となる楽曲のリズムパターンを含んだ音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応した操作子11の振上げ角度を算出する。演奏指示機能14bは、振上げ角度算出機能14aによって算出された振上げ角度に基づきショット動作時における操作子が適正角度か否かを表示部13に表示させる。
記憶部15は、ROM、RAMなどがからなる。記憶部15は、プログラム15aの他、制御部14の処理に必要な各種情報を記憶する。センサ部16は、3軸の加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサを有し、操作子11の位置、移動方向、移動量などを検知するための振上げ状態検知手段として用いられる。通信部17は、制御装置20との間で所定の近距離無線通信を行う。
図3は制御装置20の回路構成を示すブロック図である。
制御装置20には、入力部21、表示部22、制御部23、記憶部24、通信部25などが備えられている。図1に示したように、入力部21と表示部22は、パソコンのキーボートと表示装置である。入力部21は、演奏の開始指示など、各種入力・指示を行う場合に用いられる。表示部22は、ユーザが選択した楽曲の電子譜面などを表示する楽譜表示部の機能を備えている。この電子譜面にはリズムパターンが記載されている。
制御部23は、CPUからなり、記憶部24に記憶されたプログラム24aを読み込むことにより、制御装置20に関わる各種処理を実行する。記憶部24は、ROM、RAMなどがからなる。記憶部24は、プログラム24aの他、制御部23の処理に必要な各種情報を記憶する。通信部25は、演奏装置10との間で所定の近距離無線通信を行う。
また、本実施形態において、この制御装置20は音源としても用いられ、操作子11からの指示に従って所定の楽音を発生する機能を有する。なお、音源は制御装置20とは別体のMIDI音源等を使用することも可能である。
このような構成の演奏システムにおいて、演奏者であるユーザはこの操作子11を手で持ち、目の前にある仮想的な楽器に対して操作子11を振り下ろすことで演奏を行う。音源は制御装置20側にあり、操作子11のスイッチ部12の操作により、任意の打楽器や楽曲を選択して演奏することができる。例えば、打楽器としてドラムを選択した場合には、ユーザが操作子11を振り下ろしたタイミングで、制御装置20からドラム音が発生することになる。
ここで、ユーザは演奏対象とする楽曲のリズムに合わせて、操作子11を適正な角度で振り上げて叩くといった操作を行う必要がある。しかし、楽曲によってリズムや音の強弱が違うため、楽曲毎に操作子11を適切な角度で振り上げながら演奏することは非常に難しい。
そこで、本実施形態では、操作子11の先端部にLED等の発光体からなる表示部13を設け、この表示部13を通じて操作子11の適正角度をユーザに指示する構成としている。
以下に具体的に説明する。
図4は本システムにおける操作子11の振り上げ角度と表示色との関係を説明するための図である。なお、図面では実際の色を表現できないため、便宜的に色の名前を付記してある。図中のRは赤色、Pは桃色、Wは白色、LBは水色、Bは青色を表している。
操作子11の先端部に設けられた表示部13は、操作子11の振り上げ動作とともに移動する。このため、実際上はユーザには表示部13の軌跡が残像として認識される。従って、ユーザが表示部13の表示色を認識するためには、一定期間、表示色を保つことが望ましい。
このため、図4で「適正角度範囲」として示してある表示範囲(ここでは白で表示される角度の範囲)は、適正な振上げ角度を含み、振上げ角度に対して上下に一定の範囲を持たせてある。ハードウェア構成により、表示部13の形状や想定される楽器、また想定される演奏操作方法等によって、適した角度の範囲は異なるが、本実施形態では、振上げ角度の範囲を5°としている。なお、この適正角度範囲は、想定される楽器や、曲や、リズムや、各音符の特性(音長や強弱等)に応じて、適宜変化させるようにしても良い。
ここで、操作子11の振上げ角度が現在演奏中の楽曲のリズムパターンに合った適正角度範囲内であれば、表示部13は白色(W)で表示される。これに対し、操作子11の振上げ角度が適正角度範囲を超えていれば、表示部13は赤色(R)で表示される。なお、表示部13の軌跡が残像として認識されるので、表示部13が適正角度範囲よりも上方向に移動中のときは赤色(R)よりも若干明るい桃色(P)として認識される。
また、操作子11の振上げ角度が適正角度範囲未満であれば、表示部13は青色(B)で表示される。なお、表示部13の軌跡が残像として認識されるので、表示部13が適正角度範囲よりも下方向に移動中のときは青色(B)よりも若干明るい水色(LB)として認識される。
なお、操作子の移動動作に合わせて、表示部そのものの表示色をより細かく変化させることとしても良い。例えば、停止中は青色(B)、適正角度範囲未満で移動している際は水色(LB)、適正角度範囲で白色(W)、適正角度範囲を超えた場合に桃色(P)、また、極度に適正範囲を超えた場合は赤色(R)で、実際に表示部を発光させるということも可能である。
また、これらの色合いが、徐々に変化するようにすることとしても良い。この場合、各色のLEDや電球を複数同時に光らる方法、各色の電球の発光強度を調整して中間的な色彩を表示させる方法、時分割で複数の電球を表示させて、その各電球の発光時間の比率を適宜調整する方法、表示部を液晶モニタ等のより複雑な表示の可能なデバイスにより構成する方法、などの諸方法により実現することが可能である。
図5は操作子11が適正角度範囲内までの振り上げが行われたときの表示状態を示している。この場合、一番下(振り始め前)から適正角度範囲に到達するまでは、表示部13は青色で表示されていて、適正角度範囲内まで振り上げられたとき(軌跡の一番上)に、適正角度を示す白色が表示される。このように表示を行うことによって、演奏者には、図6のように、一番下(振り始め前)では青色が認識され、振り上げ途中では水色の残像が認識され、振り上げ最高点(一番上)で白が認識される。なお、操作子11を振り上げたとき、青色から水色への変化が残像として認識される。
図6は操作子11の振上げ角度が適正角度より少しオーバーしたときの表示状態を示している。操作子11の振上げ角度がオーバーすると、適正角度を超えた時点で表示部13に赤色が表示される。
図7は操作子11の振上げ角度が適正角度より少し不足したときの表示状態を示している。操作子11の振上げ角度が不足すると、表示部13に白色が表示されず、青色の軌跡のみとなる。
ユーザはこのような表示変化を参考にして、常に操作子11の振り上げ最高点での表示が白色になるようにショット(打撃)を行うことで、安定した演奏を行うことができる。また、演奏者は、振り上げ最高点での色合いによって、今のショットが、振り上げすぎであったのか、振り幅が足りなかったのか、等といった情報が直ちに直感的に得られるので、これに合わせて自己の演奏の傾向等を知ることができるとともに、演奏中に適宜自己の振り幅を矯正することが可能となって、演奏の上達を図ることができる。
次に、本実施形態の演奏システムにおける動作について詳しく説明する。
いま、図1に示したように、演奏者であるユーザが操作子11を手で持ち、この操作子11を打楽器のスティックに見立てて、目の前で振りながらエア楽器の演奏を行う場合を想定する。
演奏する楽曲は操作子11に設けられたスイッチ部12の操作などにより任意に選択でき、その楽曲の選択信号が無線通信により制御装置20に送られる。制御装置20では、スイッチ部12の操作による演奏開始信号を受けて、ユーザが演奏対象として選択した楽曲を流す。または、演奏する楽曲や演奏の開始は、ユーザが制御装置20側のキーボードやマウス等を用いて指示入力しても良い。ユーザは制御装置20から楽曲が流れたときのタイミングで演奏を開始する。
その際、ユーザが演奏対象として選択した楽曲の電子譜面が制御装置20の表示部22に表示される。この電子譜面にはリズムパターンが記載されており、演奏に同期して表示される。したがって、このリズムパターンの表示を目で追うことで、ショット動作のタイミングを計ることができる。
このとき、演奏装置10として用いられる操作子11では、楽曲のリズムパターンに合わせて適正な振上げ角度で演奏されているか否かを指示表示する。具体的には図4乃至図7で説明したように、操作子11の動きを監視し、操作子11の先端部に設けられた表示部13の表示色を変化させて適正な振上げ角度で演奏されているか否かを指示表示する。
この振上げ角度の演奏指示(表示部13の表示色)は、リズムパターンに従って適宜更新される。詳しくは、操作子11を振り上げるタイミングからショットを終える期間を一連の動作として演奏指示が行われる。なお、操作子11を2本用意して、左右でショットする場合には、左右それぞれのショットのタイミングに合わせて、それぞれに独立して演奏指示が行われる。
以下に、演奏装置10(操作子11)側で実行される処理について、(a)メイン処理、(b)状態検知・演奏指示処理、(c)発音処理、(d)演奏指示処理、(e)音楽データに対応する振上げ角度算出処理、(f)振上げ角度表示処理に分けて説明する。
(a)メイン処理
図8は演奏装置10(操作子11)のメイン処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、演奏装置10に設けられた制御部(CPU)14が記憶部15に記憶されたプログラム15aを読み込むことにより実行される。
まず、スイッチ部12の操作により演奏装置10の電源が投入されると、制御部14は、記憶部15のワークエリアをクリアするなどのイニシャライズ処理を実行する(ステップA11)。
なお、イニシャライズ処理として、打面の角度検出等のキャリブレーションも含まれる。このキャリブレーションは、例えば、以下のような3つの処理などのうち、必要に応じたものを適宜用いて実行することができる。
・STEP1:重力方向の検知
ユーザが操作子11を静止させている間に加速度センサの重力方向を検知して、絶対座標を決定する。
・STEP2:打面を叩いた時のスティックの角度を検知
ユーザが打面を叩いた時に加速度センサの波形が急激に変化することを利用して、その瞬間の操作子11の角度を角速度センサの情報を元に検知する。そして、打面に接触している時の操作子11の角度を基準にして振上げ角度を定義する。なお、振上げ角度の算出方法については後述する。
・STEP3:任意の振上げ角度で叩かれた時の音量(衝撃)を検知
ユーザが任意に打面を叩いた時に得られる加速度センサの衝撃と角速度センサの速度から音量を検知し、音量に応じた振上げ角度の相関関係を検知する。この検知結果と標準的な振上げ角度と音量の相関関係とを比較すれば、ユーザが手に力が入っているかを判別することができる。
実際の振上げ角度の上限に関しては、演奏方法により異なるが、本実施形態では90°とする。なお、演奏方法に応じて効果的な値を設定すれば良い。例えば操作子11を回転して叩くような演奏方法では振上げ角度の上限を360°として設定し、何回か回転させるような演奏方法では、360°を越えて設定することでも良い。
このようなイニシャライズ処理の後、ユーザが演奏対象として選択した楽曲の電子譜面が制御装置20の表示部22に表示される。ユーザはこの電子譜面に記載されたリズムパターンに合わせて操作子11を動かして演奏を行うことになる。
ここで、制御部14は、操作子11の動きに対する状態検知・演奏指示を実行する(ステップA12)。この状態検知・演奏指示処理では、制御部14は、操作子11に内蔵された3軸加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサを用いて、操作子11を振り下ろした位置や向きなどの動きを検知する。また、ユーザが操作子11を振り上げたときに、表示部13を通じて適正角度で演奏されているか否かを指示表示するなどの処理を行う。なお、この状態検知・演奏指示処理については、後に図9を参照して説明する。
続いて、制御部14は、発音処理を実行する(ステップA13)。この発音処理では、制御部14は、ユーザが操作子11を振り下ろしたタイミングに合わせて、音源である制御装置20に対して発音指示を行う。詳しくは、後に図10を参照して説明する。
制御部14は、その他の演奏に関わる処理を含め、上記ステップA12からの処理を繰り返し実行する(ステップA14,A15)。電源がオフされると(ステップA15のYes)、制御部14はここでの一連の処理を終了する。
(b)状態検知・演奏指示処理
図9は上記図8のステップA12で実行される状態検知・演奏指示処理を示すフローチャートである。
制御部14は、センサ部16として設けられた3軸加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサの各情報が入力されることにより(ステップB11)、自律姿勢制御アルゴリズムを用いて、操作子11の位置、向きなどの動き(姿勢)を検知する(ステップB12)。
次に、制御部14は、演奏中に制御装置20から送られてくる音楽データに対応する演奏指示処理を実行する(ステップB13)。この音楽データには、ユーザが選択した楽曲のリズムパターンが含まれている。制御部14は、この音楽データに基づいて適正な振上げ角度で演奏されているか否か等の演奏指示の表示を行う。この演奏指示処理については、後に図11を参照して説明する。
(c)発音処理
図10は上記図8のステップA13で実行される発音処理を示すフローチャートである。
制御部14は、センサ部16として設けられた3軸加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサの各情報に基づいて操作子11の動きを検知している。ここで、操作子11について、各センサ値の所定の状態遷移が検出されることにより、静止状態から振り上げ動作後振り下ろし動作が行われたと検知されると、制御部14は、ユーザがエア楽器のパーツに対してショット動作を行ったものと判断し(ステップC11のYes)、音源である制御装置20に対して発音指示を行う(ステップC12)。センサ値の所定の状態遷移としては、例えば、加速度センサが、静止時の値(キャリブレーション値)である状態から上方への加速度を所定時間以上観測し、その後に急激な下方への加速度を検出して振り下ろされたと検知された場合などである。
なお、空間上におけるエア楽器のパーツの位置は、予め初期設定時などに選ばれたドラムセットに応じて設定されているものとする。制御部14では、操作子11が振り下ろされた位置がどのパーツに相当する位置かを判断し、当該位置におけるパーツの楽音を発生するように制御装置20に対して指示する。
これにより、制御装置20から操作子11の動きに合わせて所定の楽音が発生される。例えばエアドラムの演奏の場合、操作子11が振り下されたときに、その移動先がスネアドラムのエリアであれば、スネアドラムの楽音が発生される。同様に、操作子11の移動先がシンバルのエリアであれば、シンバルの楽音が発生されることになる。このときの音量は操作子11の振り上げ角度や、振り下ろし速度などで決まる。振り下ろし速度については、楽曲のテンポやリズムパターンの刻みの細かさ等によって制約を受けるので、結果的に、楽曲のテンポやリズムパターンに応じて、適正な振り上げ角度というものが算出できる。そして、この適正な振り上げ角度よりも操作子11を大きく振れば音量が大きくなり、操作子11を小さく振れば音量が小さくなる。
(d)演奏指示処理
図11は上記図9のステップB13で実行される音楽データに対応する演奏指示処理を示すフローチャートである。
制御部14は、制御装置20から送られて来た音楽データを読み込むと(ステップD11)、その音楽データに対応する振上げ角度を算出する(ステップD12)。ここで算出された振上げ角度が適正角度として演奏者への指示表示の際の基準として用いられる。詳しくは、後に図12を参照して説明する。
制御部14は、上記適正角度と演奏中の操作子11の振上げ角度とを比較して、操作子11の振上げ角度が適正角度範囲内にあるか否かを判断する。制御部14は、その判断結果に応じて表示部13の表示色を制御することで、ユーザに演奏指示(指示表示)を行う(ステップD13)。詳しくは、後に図13を参照して説明する。
(e)音楽データに対応する振上げ角度算出処理
図12は上記図11のステップD12で実行される音楽データに対応する振上げ角度算出処理を示すフローチャートである。
制御部14は、音楽データに含まれる楽曲のリズムパターンから次のショットの音量Vとショット間隔(ショットまでに残された時間)Tを取り出す(ステップE11)。そして、制御部14は、音量Vに応じた標準的な(自由落下に近似)の振上げ角度α0を算出すると共にショット間隔Tに応じた振上げ角度の差分αdを算出する(ステップE12,E13)。
制御部14は、標準的な振上げ角度α0とショット間隔Tに応じた振上げ角度の差分αdを用いて、下記(1)式に従って演奏指示の振上げ角度(つまり、音楽データに対応した適正角度)αfを求める(ステップE14)。
αf=α0−αd …(1)
ここで、ショット間隔Tが十分な場合は、自由落下に近い条件で音量Vに応じた振上げ角度α0を算出する。一方、ショット間隔Tが短くなってきた場合には、自由落下では間に合わなくなり、ユーザが手首に適切な力を入れて、スティックとして用いられる操作子11を高速にスウィングすることになる。したがって、角速度(厳密に言うと操作子11の先端部であるが、角速度で代用可能)が増した分、振上げ角度α0を減算する必要がある。
実際には、操作子11の重量や打面のリバウンドの影響等を受けるため、標準的(代表的)な振上げ角度を計測して標本化(つまり、データテーブル化)しておくことが有効である。この場合、本実施形態における操作子11には角速度センサや加速度センサが取り付けられているので、実際に演奏中に得られた振上げ角度のデータをサンプリングして標本化できる。
具体的に説明すると、被験者が特定の音量を叩いた時の振上げ角度とショット時の音量、ショット間隔を計測し、それぞれの相関関係を関連付けして標本化しておく。リアルタイムに処理可能なシステムにおいては、実際にショットしたデータをフィードバックして標本データを補正することも可能である。演奏する楽曲のリズムパターンやニュアンスなどに応じて適宜学習させることで、より表現力の高い演奏指示(振上げ角度の指示)を行うことができる。
(f)振上げ角度表示処理
図13は上記図11のステップD13で実行される振上げ角度表示処理を示すフローチャートである。
ユーザは演奏対象として選択した楽曲のリズムパターンに合わせて操作子11をショット動作しながら演奏を行っている。ここで、ユーザが楽曲のリズムパターンに合わせて操作子11を振り上げたとき、制御部14は、そのときの振上げ角度を算出する(ステップF11)。
なお、演奏中の操作子11の振上げ角度は、操作子11に姿勢検知センサとして内蔵された加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサによって検知される。これらのセンサを用いて姿勢検知を行う方法については公知であるため、ここでは詳しい説明を省略するものとする。
ここで、制御部14は、上記ステップD12で求めた演奏指示の振上げ角度(適正角度)と現在の操作子11の振上げ角度とを比較し、現在の操作子11が適正角度範囲内にあるか否かを判断する(ステップF12,F13)。現在の操作子11が適正角度範囲内にあれば(ステップF13のNo)、制御部14は、操作子11の表示部13を白色で表示する(ステップF15)。
この状態が図5において操作子11が最高点にある場合である。操作子11の表示部13が白色表示されていることで、ユーザは適正角度で操作子11を振り上げていることを認識できる。この状態で操作子11を振り下ろせば、適正なリズムと音量で楽音を鳴らすことができる。
一方、現在の操作子11が適正角度範囲を超えている場合つまり操作子11が適正角度範囲よりも上にある場合には(ステップF13のYes)、制御部14は、操作子11の表示部13を赤色で表示する(ステップF14)。
この状態が図6において操作子11の振り上げが適正角度をオーバーしてしまった場合である。操作子11の表示部13が赤色表示されていることで、ユーザは操作子11の振り上げ方がオーバー気味であることを認識できる。これにより、次に同じリズムパターンで演奏するときには、操作子11を少し下げた位置でショットすることを心がけることができる。
また、現在の操作子11が適正角度範囲未満の場合つまり操作子11が適正角度範囲よりも下にある場合には(ステップF12のYes)、制御部14は、操作子11の表示部13を青色で表示する(ステップF14)。
この状態が図7において操作子11の振り上げが適正角度に不足してしまった場合である。操作子11の表示部13が青色表示されていることで、ユーザは操作子11の振り上げ方が不足気味であることを認識できる。これにより、次に同じリズムパターンで演奏するときには、操作子11を少し上げた位置でショットすることを心がけることができる。
ここで、演奏指示として適正な振上げ角度を指示する理由について、シングルストロークロールを例にして説明する。
図14はシングルストロークロールの打楽器(ドラム)の譜面の一例を示す図である。「シングルストロークロール」とは、左右のスティックで交互に連打を行う最も基本的な演奏方法である。
図14の例のようなリズムパターンで、シングルストロークロールを一定の音量でテンポよく綺麗に演奏するためには、下記の2点が重要となる。
・一定の安定したタイミング(等間隔)で叩く
・毎回均一なスティックのストローク(軌跡)を維持する
そのためには、スティック(操作子11)の振上げ角度を一定に保つ必要がある。振上げ角度さえ決まれば、後は腕を脱力し、重力に任せて打面にスティックを落とすことで発音することが可能になる。
一般的に高速なシングルストロークロールを演奏するためには、手の力を抜く必要がある。力んでしまうと早く動かない上、打音も鈍い音となり、綺麗な音が出せなくなってしまう。音量を変える時、例えばアクセントを付ける時(大きな音を出す時)も、その音量に応じた適正な振上げ角度を適切なタイミングで叩く前に準備しておく。これにより、無駄な力を入れずに演奏でき、結果的に高速なリズムパターンであってもスムーズかつ綺麗な音色で演奏できる。
次に、リズムパターン(フレーズ)に応じた演奏指示の例について説明する。
図15に4分音符を片方のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す。この例では、適正角度45°としている。なお、適正角度は楽曲によって異なり、上記(e)で説明した方法で算出される。
これに対し、図16に同じ4分音符で振上げ角度が不適切な例を示す。符幹(音符の「ぼう」)の部分が点線の4分音符は正しいタイミングを表している。この例からも分かるように、振上げ角度がバラバラになると、タイミングまでずれやすくなる。
図17に8分音符を左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す。なお、この演奏は、上記図15の4分音符を左右で振り分けて叩くことで実現できる。左右共に適正角度45°である。
図18に4分音符と8分音符を組み合わせたリズムパターン(タンタタ)を左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す。左右共に適正角度45°である。ただし、左側は右側に比べて連打の間隔が長いので、待機している時間がある。この待機の間にタイミングを計り、左側のスティックの振上げ開始ポイントを掴むことがリズムを安定させることになる。
図19に16分音符を左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す。図15と比較して分かるように、速い連打を含む場合はスティックの速度が速くなる。したがって、同じ音量を維持しようとした場合には、スティックの振幅は小さくする。つまり、振上げ角度を小さくする必要がある。
図20には更にアクセントを付けて叩いた時の16分音符を左右のスティックで叩いた時の適正な振上げ角度とそのタイミングの一例を示す。この場合、左右で適正角度が45°とは限らない。一例としたのはテンポやアクセントの位置等によって異なるからである。例えば、遅いテンポは待機している期間が多くなり、速いテンポでは振幅が小さくなるなど、幾つかの要素を組み合わせることによって振上げ角度の演奏指示を実現できる。
このように、打楽器ではスティックの振上げ角度やタイミングの組み合わせを変えることで、様々なリズムパターンを演奏することができる。そして、これらの演奏で適正角度を指示するにあたり、それぞれに適した幾つかのスティックの表示方法が考えられる。
すなわち、上記実施形態では、スティックとして用いられる操作子11が適正角度範囲内にあるとき、適正角度範囲を超えたとき、適正角度範囲に見ないときの3通りで表示部13に表示する色を変えていた。
ここで、シングルストロークロールのように連続して叩く場合には振上げタイミングをそれ程意識しなくても良い。しかし、ゆっくりしたテンポや、図18のように左右で異なるリズムパターンのように、ショット動作を行わない待機期間が重要となるリズムパターンの場合には振上げタイミングや待機期間中の振上げ角度を演奏指示に加えた方が良いことがある。
また、アクセント付の場合には振り上げる速度も重要になる。更には、任意の音量で演奏したい場合は、白色表示されるよりも必要な角度が分かった方が良いことがある。
以下では、それらを解決する方法について説明する。
制御部14は、下記の手法1〜4のいずれかを用いて待機時間中も含めて振上げ角度に関する演奏指示を行う。
(手法1)
操作子11のショット動作を行わない待機期間の間、操作子11の表示部13を色表示せずに消灯する。これにより、ユーザは表示部13に青色が表示された時に操作子11を振上げ、赤色が表示された時に操作子11を振下げることになる。つまり、色表示による演奏指示に従って、リズムパターンに合わせて演奏を行うことができる。この場合、必ずしも適正な振上げ角度を白表示する必要はないが、白表示も行えば、適正な振上げ角度をユーザに認識させることができる。
(手法2)
操作子11の待機期間を含めて、操作子11が次のショットに対して適正角度範囲にあるときは白表示、適正角度範囲を下回った場合は青表示、適正角度範囲を上回った場合は赤表示とする。この場合、ユーザは常に操作子11の表示色が白表示となるように振上げ/振下げ動作を行えば良いことになる。
これにより、上手く叩けている時は常に白表示される。ショット時に振幅が不足した場合は青く表示され、超過した場合は赤く表示される。ある程度演奏パターンを習得したユーザにとっては、ミスをした部分のみ色が変わるため、表示色がシンプルで目障りではなく、分かりやすい。
この手法によると、待機期間中の操作子11の位置も指示することができるので、演奏中の間、常に正確な位置を指示することができる。なお、待機期間中に適正角度範囲を特定する必要がなければ、単に白表示を行うか、もしくは、適正範囲を広げることなどで対応可能である。
(手法3)
上記手法2と同様に、操作子11の待機期間を含めて、操作子11が次のショットに対して適正角度範囲にあるときは白表示、適正角度範囲を下回った場合は青表示、適正角度範囲を上回った場合は赤表示とする。その際、操作子11の振上げ角度が適性角度に近づいたときに徐々に表示色を切り替える。図21、図22、図23に具体例を示す。図中のRは赤色、Pは桃色、Wは白色、LBは水色、Bは青色を表している。
図21の例では、操作子11の振上げ角度が適性角度に近付いたときに徐々に表示色を切り替えた状態を示している。すなわち、操作子11が適性角度よりも上の位置にある状態では表示部13は赤色に表示されている。この状態で操作子11を下に向けて移動させると、適性角度に近付いたときに表示部13が赤色から桃色に変化し、適性角度の範囲に入った時点で表示部13が白色になる。
一方、操作子11が適性角度よりも下の位置にある状態では表示部13は青色に表示されている。この状態で操作子11を上に向けて移動させると、適性角度に近付いたときに表示部13が青色から水色に変化し、適性角度の範囲に入った時点で表示部13が白色になる。
また、図22の例では、アクセント等の音量大きめの場合の演奏指示を示している。この場合、操作子11の適性角度が比較上方の位置にあり、その位置に合わせて表示部13の色が変化する。図23の例では、非アクセント等の音量小さめの場合の演奏指示を示している。この場合、操作子11の適性角度が比較下方の位置にあり、その位置に合わせて表示部13の色が変化する。
この手法によれば、操作子11の振上げ角度が適性角度に近付いることを色変化から認識することができる。したがって、待機期間から操作子11を動かすときに、どこまで振り上げておけば良いかを把握しやすい。
(手法4)
操作子11の振上げ角度毎に表示色を固定する。電子譜面上に表示されている各音符は適正な振上げ角度に応じた色で表示する。これにより、ユーザは音量に応じた振上げ角度を、電子譜面上に表示されている各音符の色別に判断して、操作子11の表示部13がこの各音符の色と同じ色になるように操作子11を動かすことができる。図24、図25、図26、図27に具体例を示す。図中のRは赤色、Wは白色、Bは青色を表している。
図24の例では、青色のグラデーションを用いて音量に対応した振上げ角度の演奏指示を実現している。この例では、音量が小さいほど青色が濃くなり、音量が大きいほど青色が淡くなる。この場合、輝度を変えるだけで、単色で実現することができる。図25の例では、適正角度範囲で別の色を表示している。適正角度範囲で別の色を表示することで、ユーザに適正角度の位置を分かりやすく指示することができる。
図26は、単色ではなく2色で振上げ角度の演奏指示を行った例である。この例では、赤色と青色の2色を使い、上の位置から下の位置に向かって赤色から青色に変化させている。図27は、色数を増やし、振上げ角度に応じた区別を付けやすくした例である。音量と振上げ角度に相関した色表示を行っている。この例では、操作子11の振上げ角度を0°〜90°の範囲で15分割し、それぞれに異なる色を表示している。図28に各色のRGBデータの例を示す。
この手法によれば、操作子11の振上げ角度毎に表示色を固定しておくことで、ユーザは電子譜面の各音符に付された色と同じ色になるように操作子11を振り上げて演奏することができる。
以上のような手法1−4を組み合わせることにより、演奏する楽曲に応じて、ユーザにとって分かりやすい演奏指示を実現することが可能となる。
このように本実施形態の演奏システムによれば、演奏対象となる楽曲のリズムパターンに合わせて、操作子11の適正角度が表示部13を通じて指示される。したがって、演奏者はその指示に従って操作子11を適正角度で振り上げてショット動作することで、楽曲のリズムパターンに合わせた演奏を簡単に行うことができる。
また、ユーザが任意の楽曲を演奏対象として選択すると、その楽曲のリズムパターンに適した操作子11の振上げ角度が算出され、当該楽曲の演奏に同期させて指示される。したがって、楽曲を変えて演奏する場合でも、その指示に従って操作子11を動かすことができ、誰でも簡単に演奏することができる。
なお、上記実施形態では、制御装置20を音源として用い、操作子11からの指令に従って楽音を発生する構成としたが、操作子11に音源の機能に持たせても良い。このような構成とすれば、制御装置20は不要であり、操作子11だけを用いて演奏を楽しむことも可能である。
また、上記実施形態では、演奏装置10として用いられる操作子11側で音楽データに対応した振上げ角度を算出する構成としたが(図11のステップD12参照)、制御装置20側にこの振上げ角度の算出機能を持たせておき、この算出機能で得られた適正角度を当該楽曲の演奏に同期させて操作子11に送るようにしても良い。このような構成とすれば、操作子11側に振上げ角度の算出機能が不要となるので、処理負担を軽減することができる。
また、上記実施形態では、仮想的なエア楽器を演奏する場面での実施例を説明したが、これに限られず、実際のドラムセット等を演奏する場合にも適用することが可能である。この場合においても、ドラムスティック等の操作子に上記実施形態と同様に各種のセンサ等が備えられていれば、実物のドラムセットを演奏する場合であってもエア楽器の場合と同様に本発明を適用することが可能である。
また、本願の説明では一般的に「振上げ」あるいは「振り上げ」との用語を用いて説明を行ったが、より広く「振り上げ」「振り下げ」なども含む概念として「振り角度」と考えて本発明を実施することも可能である。すなわち、スティックを水平にした場合、あるいはショット時の打面位置にスティック先端がある場合(キャリブレーション位置)を基準とする以外にも、振り上げ最高点を基準として、そこから下向きの角度を用いて本発明を実施することとしても良い。さらにまた、例えば、銅鑼や横向きに叩く大太鼓のような楽器の場合は、横方向の振り角度を用いて、同様に本発明を実施することとしても良い。
要するに、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレシキブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子と、
楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出する振り角度算出手段と、
上記振り角度算出手段によって算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させる演奏指示手段と
を具備したことを特徴とする演奏システム。
[2]
上記操作子の振り状態に基づいて振り角度を検知する振り角度検知手段をさらに具備し、
上記演奏指示手段は、上記振り角度検知手段によって検知された振り角度と、上記振り角度算出手段によって算出された振り角度とを比較し、当該比較結果に応じて上記表示部の表示を変化させることを特徴とする[1]記載の演奏システム。
[3]
上記振り角度算出手段は、上記楽曲のリズムパターンからショットの音量とショット間隔の情報を取得し、当該ショットの音量とショット間隔の情報に基づいて上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出することを特徴とする[1]または[2]記載の演奏システム。
[4]
上記演奏指示手段は、
上記操作子の振り角度がショット動作時に上記適正角度の範囲内にある場合に第1の表示色、上記適正角度の範囲を超えている場合に第2の表示色、上記適正角度の範囲未満の場合に第3の表示色を用いて上記表示部に表示させることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の演奏システム。
[5]
上記演奏指示手段は、
上記操作子の振り角度に応じて順次表示部の表示色を変化させることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の演奏システム。
[6]
上記演奏指示手段は、
上記操作子でのショット動作を行っていない待機期間の間、上記表示部を非表示とすることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の演奏システム。
[7]
上記演奏指示手段は、
上記操作子でのショット動作を行っていない待機期間を含めて、上記操作子の振り角度がショット動作時に上記適正角度の範囲にある場合に上記第1の表示色、上記適正角度の範囲を超えている場合に上記第2の表示色、上記適正角度の範囲未満の場合に上記第3の表示色を用いて上記表示部に表示させることを特徴とする[4]記載の演奏システム。
[8]
上記楽曲のリズムパターンを表示する楽譜表示部をさらに具備し、
上記楽譜表示部は、上記リズムパターンを構成する音符毎に上記算出された振り角度に応じた表示色で、上記各音符を表示することを特徴とする[5]記載の演奏システム。
[9]
表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子を用いて演奏を行う演奏方法において、
楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出するステップと、
上記算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させるステップと
を備えたことを特徴とする演奏方法。
[10]
表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子を用いて演奏を行うコンピュータによって実行されるプログラムであって、
上記コンピュータに、
楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出する機能と、
上記算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させる機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
10…演奏装置、11…操作子、12…スイッチ部、13…表示部、14…制御部、14a…振上げ角度算出機能、14b…演奏指示機能、15…記憶部、15a…プログラム、16…センサ部、17…通信部、20…制御装置、21…入力部、22…表示部、23…制御部、24…記憶部、24a…プログラム、25…通信部。

Claims (10)

  1. 表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子と、
    楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出する振り角度算出手段と、
    上記振り角度算出手段によって算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させる演奏指示手段と
    を具備したことを特徴とする演奏システム。
  2. 上記操作子の振り状態に基づいて振り角度を検知する振り角度検知手段をさらに具備し、
    上記演奏指示手段は、上記振り角度検知手段によって検知された振り角度と、上記振り角度算出手段によって算出された振り角度とを比較し、当該比較結果に応じて上記表示部の表示を変化させることを特徴とする請求項1記載の演奏システム。
  3. 上記振り角度算出手段は、上記楽曲のリズムパターンからショットの音量とショット間隔の情報を取得し、当該ショットの音量とショット間隔の情報に基づいて上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出することを特徴とする請求項1または2記載の演奏システム。
  4. 上記演奏指示手段は、
    上記操作子の振り角度がショット動作時に上記適正角度の範囲内にある場合に第1の表示色、上記適正角度の範囲を超えている場合に第2の表示色、上記適正角度の範囲未満の場合に第3の表示色を用いて上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の演奏システム。
  5. 上記演奏指示手段は、
    上記操作子の振り角度に応じて順次表示部の表示色を変化させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の演奏システム。
  6. 上記演奏指示手段は、
    上記操作子でのショット動作を行っていない待機期間の間、上記表示部を非表示とすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の演奏システム。
  7. 上記演奏指示手段は、
    上記操作子でのショット動作を行っていない待機期間を含めて、上記操作子の振り角度がショット動作時に上記適正角度の範囲にある場合に上記第1の表示色、上記適正角度の範囲を超えている場合に上記第2の表示色、上記適正角度の範囲未満の場合に上記第3の表示色を用いて上記表示部に表示させることを特徴とする請求項4記載の演奏システム。
  8. 上記楽曲のリズムパターンを表示する楽譜表示部をさらに具備し、
    上記楽譜表示部は、上記リズムパターンを構成する音符毎に上記算出された振り角度に応じた表示色で、上記各音符を表示することを特徴とする請求項5記載の演奏システム。
  9. 表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子を用いて演奏を行う演奏方法において、
    楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出するステップと、
    上記算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させるステップと
    を備えたことを特徴とする演奏方法。
  10. 表示部を有し、ショット動作を行うことにより楽音を発生させる操作子を用いて演奏を行うコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    上記コンピュータに、
    楽曲のリズムパターンを含む音楽データに基づいて、上記楽曲のリズムパターンに対応する上記操作子の振り角度を算出する機能と、
    上記算出された振り角度に基づきショット動作時における上記操作子が適正角度か否かを上記表示部に表示させる機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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