以下に、本願に係るコンテンツ利用管理装置、コンテンツ利用管理方法およびコンテンツ利用管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るコンテンツ利用管理装置、コンテンツ利用管理方法およびコンテンツ利用管理プログラムが限定されるものではない。
〔1.コンテンツ利用管理装置の構成〕
まず、実施形態に係るコンテンツ利用管理装置について説明する。図1Aは、実施形態に係るコンテンツ利用管理装置の構成を示す図である。以下においては、コンテンツ利用管理装置の一例として、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントとコンテンツ管理装置とが通信ネットワークを介して相互に接続されるコンテンツ利用管理システムを説明する。
図1Aに示すように、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、無線LANアクセスポイント21、22と、コンテンツ管理装置3と、を備える。なお、無線LANアクセスポイント21、22を区別する必要がない場合には、これらを総称して「無線LANアクセスポイント2」と表記する。また、無線LANアクセスポイント2の数は、2つに限られず、1つまたは3つ以上であってもよい。
無線LANアクセスポイント21、22とコンテンツ管理装置3とは通信ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
無線LANアクセスポイント2は、無線LAN通信部を備えており、かかる無線LAN通信部によって、無線端末51〜5nと相互に無線通信可能である。なお、無線端末51〜5nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「無線端末5」と表記する。
かかる無線LANアクセスポイント2は、商業や医業などのサービスを提供する空間(以下、商業空間と記載する)を通信エリアとすることができる。商業空間としては、例えば、小売店、飲食店、美容院・理容院、病院、ホテル、複合レジャー施設などの店舗の他、コンサートやスポーツなどが行われるイベント会場などがある。
コンテンツ管理装置3は、複数のコンテンツ情報をコンテンツDBに記憶しており、通信ネットワーク4を介してコンテンツの利用要求があった場合に、要求に応じたコンテンツ情報およびライセンス情報を要求元の装置へ送信する。なお、コンテンツDBに蓄積されるコンテンツ情報は、無線LANアクセスポイント2の通信エリアの空間(以下、設置空間と記載する場合がある)固有のローカル情報ではなく、例えば、映画、ドラマ、音楽、雑誌、書籍、ゲーム等のデジタルコンテンツである。
〔2.コンテンツ利用管理方法〕
ここで、コンテンツ利用管理システム1によるコンテンツ利用管理方法の一例について説明する。図1Bは、実施形態に係るコンテンツ利用管理方法の説明図である。
図1Bに示すように、無線LANアクセスポイント21は、端末情報をコンテンツ管理装置3へ周期的に送信する(ステップS1)。コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント21から周期的に送信される端末情報を記憶する(ステップS2)。
端末情報は、無線LANアクセスポイント2の無線通信エリア内に存在する無線端末5の識別情報(以下、端末IDと記載する)および電波強度情報を含む。端末IDは、例えば、無線端末5の無線LAN通信部のMACアドレス(Media Access Control address)であり、電波強度情報は、例えば、無線LANアクセスポイント2で受信される無線信号の電波強度である。
次に、無線LANアクセスポイント21の無線通信エリア内に進入した無線端末51は、無線信号を無線LANアクセスポイント21へ送信し(ステップS3)、無線LANアクセスポイント21は、無線端末51から送信される無線信号を検出する(ステップS4)。
無線LANアクセスポイント21は、無線端末51へコンテンツ提供サービスへのレコメンドを行う(ステップS5)。かかるレコメンドは、例えば、コンテンツ管理装置3へのリンク情報を提供することによって行う。無線端末51のユーザは、かかるリンク情報に基づいて無線端末51からコンテンツ管理装置3へアクセスすることで、コンテンツ管理装置3が提供するコンテンツのリストを取得する。
無線端末51のユーザが無線端末51の操作部を操作してリストからコンテンツを選択すると(ステップS6)、無線端末51からコンテンツ管理装置3を宛先としたコンテンツ利用要求が無線LANアクセスポイント21へ送信される(ステップS7)。かかるコンテンツ利用要求は無線LANアクセスポイント21によってコンテンツ管理装置3へ転送される。
コンテンツ管理装置3は、コンテンツ利用要求を受信すると、転送元無線LANアクセスポイントと電波強度情報とがコンテンツ利用条件を満たすか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、コンテンツ管理装置3は、転送元無線LANアクセスポイントが特定の無線LANアクセスポイント2であり、かつ、電波強度情報が所定値以上であるか否かを判定する。
なお、転送元無線LANアクセスポイントは、無線端末5のコンテンツ利用要求をコンテンツ管理装置3へ転送した無線LANアクセスポイント2である。また、特定の無線LANアクセスポイント2は、コンテンツ管理装置3において、コンテンツ提供サービスに参加する無線LANアクセスポイントとして設定された無線LANアクセスポイント2である。
コンテンツ利用要求は、無線LANアクセスポイント21によって転送される際に、無線LANアクセスポイント21の識別情報(以下、AP−IDと記載する)が付加される。コンテンツ管理装置3は、コンテンツ利用要求に含まれるAP−IDに基づいて転送元無線LANアクセスポイントを判定する。また、コンテンツ管理装置3は、上述したように、無線LANアクセスポイント21から電波強度情報を含む端末情報を周期的に受信しており、かかる電波強度情報が所定値以上であるか否かを判定する。
転送元無線LANアクセスポイントと電波強度情報とがコンテンツ利用条件を満たす場合、コンテンツ管理装置3は、ライセンス条件を満たすか否かを判定する。コンテンツ管理装置3は、ライセンス条件を満たす場合に、コンテンツ利用要求に対してライセンス情報を生成する(ステップS9)。ライセンス条件とは、例えば、無線通信エリア内での無線端末5の滞在時間に関する条件であり、無線LANアクセスポイント21の無線通信エリア内での無線端末51の滞在時間が所定時間内であれば、ライセンス条件を満たすと判定される。
一方、コンテンツ利用条件やライセンス条件を満たさない場合、コンテンツ管理装置3は、エラー情報を通知する。エラー情報には、例えば、コンテンツ提供サービスが提供できる近隣の店舗の情報などが含まれる。
コンテンツ管理装置3によって生成されるライセンス情報は、コンテンツ利用要求に対応するコンテンツの利用に必要な情報であり、例えば、利用期限や利用可能な無線端末5などを規定する条件情報と、暗号化されたコンテンツ情報を復号する復号キー情報とを含む。
コンテンツ管理装置3は、コンテンツ利用要求に対応するコンテンツ情報およびライセンス情報を無線端末51へ送信する(ステップS10)。かかる情報は、無線LANアクセスポイント21によって転送され、無線端末51で受信される。
無線端末51には、コンテンツを利用するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされており、無線端末51の制御部は、コンテンツ管理装置3から受信したコンテンツ情報およびライセンス情報に基づき、コンテンツの再生を開始する(ステップS11)。
無線端末51の制御部は、コンテンツの再生を開始した後、定期的にコンテンツ利用確認要求をコンテンツ管理装置3へ送信する(ステップS12)。かかるコンテンツ利用確認要求は、無線LANアクセスポイント21によって転送され、コンテンツ管理装置3で受信される。
コンテンツ管理装置3は、コンテンツ利用確認要求を受信すると、ステップS8と同様に、転送元無線LANアクセスポイントと電波強度情報を判定する(ステップS13)。コンテンツ管理装置3は、かかる判定結果に基づいたコンテンツ利用確認応答を要求元の無線端末51へ送信する(ステップS14)。
例えば、転送元無線LANアクセスポイントが特定の無線LANアクセスポイント2であり、かつ、電波強度情報が所定値以上であれば、コンテンツ管理装置3は、継続利用の許可を示すコンテンツ利用確認応答を送信する。一方、転送元無線LANアクセスポイントが特定の無線LANアクセスポイント2ではない場合、または、電波強度情報が所定値未満である場合、コンテンツ管理装置3は、継続利用の禁止を示すコンテンツ利用確認応答を送信する。
無線端末51の制御部は、コンテンツ管理装置3から受信したコンテンツ利用確認応答に基づいて、コンテンツの継続再生の可否を判定する(ステップS15)。無線端末51の制御部は、継続利用の許可を示すコンテンツ利用確認応答を受信した場合、コンテンツの再生を継続する。また、無線端末51の制御部は、継続利用の禁止を示すコンテンツ利用確認応答を受信した場合、コンテンツの再生を中止する。
なお、無線端末51の制御部は、継続利用の許可を示すコンテンツ利用確認応答を受信している場合であっても、ライセンス情報に基づき、ライセンスが満了したと判定すると、コンテンツの再生を中止する。
このように、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線端末5が特定の無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツ利用要求を行い、かつ、かかる無線端末5の電波強度情報が所定値以上の場合に、ライセンス情報を生成する。
したがって、無線端末5のユーザは、特定の無線LANアクセスポイント2が設置されている空間において、例えば、映画、ドラマ、音楽、雑誌、マンガ、書籍、ゲーム等のデジタルコンテンツを利用することができる。そのため、無線LANアクセスポイント2の設置場所、すなわち、無線LANアクセスポイント2の通信エリアとなる場所に付加価値を与えることができる。
例えば、病院や美容院などの空間に特定の無線LANアクセスポイント2を設置することで、無線端末5のユーザは、待ち時間などにコンテンツを利用することができ、時間つぶしを行うことができる。一方、病院や美容院などの設置店舗側は、雑誌や本などを配置する場所が不要となり、また、雑誌や本などの購入費用も削減することができる。
また、コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント2から送信された無線端末5の電波強度情報に基づいて、ライセンス情報を生成する。そのため、例えば、特定の無線LANアクセスポイント2の無線通信エリアが、所望の空間を超えるような場合であっても、無線端末5の電波強度情報が所定値以上の場合に、ライセンス情報を生成するため、所望の空間に存在する無線端末5に限り、コンテンツの利用を許可できる。
さらに、コンテンツ管理装置3は、ライセンス情報で規定される利用期限に到達していない場合であっても、特定の無線LANアクセスポイント2の無線通信エリア外に無線端末5が移動した場合、ライセンス情報を失効させ、コンテンツの利用を中止する。そのため、無線端末5のユーザが、ライセンス情報を取得するためだけに特定の無線LANアクセスポイント2の無線通信エリア内に立ち寄るようなことを抑制することができる。
〔3.無線LANアクセスポイントの構成〕
次に、無線LANアクセスポイント2の構成について具体的に説明する。図2は、実施形態に係る無線LANアクセスポイント2の構成例を示す図である。図2に示すように、無線LANアクセスポイント2は、無線LAN通信部10と、WAN通信部11と、通信処理部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
無線LAN通信部10(無線LAN通信手段の一例に相当)は、例えば、飲食店の店舗空間(商業空間)がその通信エリアとなるように設置される。かかる無線LAN通信部10は、無線LAN通信を行う通信インタフェースであり、無線LAN通信機能を搭載した無線端末5との間で情報の送受信を行う。なお、無線LANとして、例えば、IEEE802.11によって規定される無線LANなどがあるが、かかる規格の無線LANに限定されるものではない。
WAN通信部11は、通信ネットワーク4に接続され、通信ネットワーク4を介してコンテンツ管理装置3との間で情報の送受信を行う。かかるWAN通信部11は、通信ネットワーク4との接続を有線または無線で行う。
通信処理部12は、無線LAN通信部10、WAN通信部11および制御部14との間で、データの送受信を行う。例えば、通信処理部12は、LAN側の装置とWAN側の装置とを相互接続する中継手段としての機能を有しており、無線LAN通信部10とWAN通信部11との間の情報のやり取りを行う。また、通信処理部12は、無線LAN通信部10と制御部14との間の情報のやり取りや、WAN通信部11と制御部14との間の情報のやり取りを行う。
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置であり、後述する存在端末データなどを記憶する。
制御部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶部に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
かかる制御部14は、端末情報取得部15と、端末情報送信部16と、情報通知部17とを備えており、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部14の内部構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
端末情報取得部15は、無線LAN通信部10から、その通信エリア内に存在する無線端末5の端末IDおよび電波強度情報を取得する。無線LAN通信部10は、無線端末5から送信される無線信号に基づき、無線端末5の端末IDおよび電波強度情報を取得する。
端末IDは、MACアドレスなどの無線端末5固有の識別情報(例えば、無線端末5の無線LAN通信部のMACアドレス)であり、無線端末5によって無線信号に付加されて無線端末5から送信される。
電波強度情報は、無線LANアクセスポイント2で受信される無線信号の電波強度である。なお、電波強度情報は、無線端末5において取得された電波受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)であってもよい。この場合、電波強度情報を含む無線信号が無線端末5から無線LANアクセスポイント2へ送信される。
無線端末5の無線信号は、例えば、無線LANアクセスポイント2との間のサーチ処理、認証処理、アソシエーション処理、接続確立後の通信処理などの種々の処理で送信される。例えば、サーチ処理では、プローブ要求やビーコン信号に対する応答が無線端末5から無線信号として送信され、例えば、アソシエーション処理では、アソシエーション要求が無線端末5から無線信号として送信される。
端末情報取得部15は、無線LAN通信部10から取得した無線端末5の端末IDおよび電波強度情報を記憶部13の存在端末データに設定する。存在端末データは、無線LANアクセスポイント2の通信エリア(以下、AP通信エリアと記載する場合がある)に存在する無線端末5の情報であり、無線端末5から送信される情報に基づいて、記憶部13に記憶される。図3は、存在端末データの一例を示す図である。
図3に示すように、存在端末データには、「端末ID」毎に、「電波強度」などの各情報を対応付けた情報が含まれる。「端末ID」は、無線LAN通信部10から取得した無線端末5の端末IDであり、例えば、MACアドレスである。なお、図3に示す例では、便宜上「10001」等の情報を記載している。
「電波強度」は、例えば、無線LAN通信部10から取得した無線端末5の電波強度情報であり、図3に示す例では、電波強度の単位を「dBm」で表しているが、その他の単位で設定することもできる。なお、端末情報取得部15は、無線端末5の端末IDおよび電波強度情報を取得する度に、存在端末データを更新する。したがって、存在端末データに設定される電波強度情報は最新の情報である。
端末情報送信部16は、端末情報取得部15によって取得された端末IDおよび電波強度情報を含む端末情報を記憶部13から、定期的または所定のタイミングで繰り返し読み出して、コンテンツ管理装置3へ送信する。
例えば、端末情報送信部16は、無線端末5の最新の電波強度情報を検出する毎に、検出した最新の端末情報をコンテンツ管理装置3へ送信することができ、また、所定周期で、存在端末データに設定された端末情報をまとめてコンテンツ管理装置3へ送信することもできる。
情報通知部17は、コンテンツ管理装置3へのリンク情報を無線LAN通信部10から無線端末5へ送信する。具体的には、記憶部13には、コンテンツ管理装置3へのリンク情報を含むレコメンド情報が記憶されており、情報通知部17は、記憶部13からレコメンド情報を読み出し、通信処理部12を介して無線LAN通信部10から無線端末5へ送信する。
情報通知部17による無線端末5への通知は、所定の条件に基づいて行われる。例えば、情報通知部17は、記憶部13に記憶されている存在端末データに基づき、無線端末5が無線LAN通信部10の通信エリアに進入したと判定した場合、また、その後、定期的にレコメンド情報を無線端末5へ送信する。
なお、情報通知部17は、コンテンツ管理装置3へ通信処理部12によって転送される無線端末5の信号(以下、転送信号と記載する場合がある)からリンク情報が選択されたことを検出した場合には、定期的なレコメンド情報を停止することができる。また、情報通知部17は、転送信号からコンテンツ管理装置3が提供するコンテンツの利用状況を判定し、利用していない期間が所定期間以上となった場合に、その後定期的にレコメンド情報を無線端末5へ送信することもできる。
なお、情報通知部17は、転送信号からではなく、コンテンツ管理装置3から、例えば、無線端末5によるコンテンツの利用状況や後述する追加情報を取得し、かかる情報に基づいて、レコメンド情報を無線端末5へ送信することもできる。
無線端末5は、無線LANアクセスポイント2からレコメンド情報を受信すると、表示部にレコメンド情報をポップアップ表示する。図4は、無線端末5に表示されるレコメンド情報の一例を示す図である。図4に示すように、無線端末5の表示部に表示されるレコメンド情報には、コンテンツ管理装置3が提供するコンテンツの種別の情報、および、コンテンツ管理装置3へのリンク情報などが含まれる。
無線端末5のユーザは、表示部に表示されているリンク情報「コンテンツページへ移動⇒」を無線端末5の操作部を操作して選択することで、無線端末5からコンテンツ管理装置3に対しコンテンツページ送信要求が行われる。かかる要求は、無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツ管理装置3へ送信される。
コンテンツ管理装置3は、コンテンツページ送信要求を受信すると、後述するように、無線LANアクセスポイント2に応じたコンテンツページを生成し、無線端末5へ送信する。コンテンツページは、コンテンツを選択するためのページであり、無線端末5の表示部に表示される。これにより、無線端末5のユーザは、コンテンツ管理装置3からコンテンツを取得することができる。
〔4.コンテンツ管理装置の構成〕
次に、コンテンツ管理装置3の構成について具体的に説明する。図5は、実施形態に係るコンテンツ管理装置3の構成例を示す図である。図5に示すように、コンテンツ管理装置3は、WAN通信部21と、AP情報DB22と、コンテンツDB23と、ライセンス条件情報DB24と、制御部25とを備える。
WAN通信部21は、通信ネットワーク4に接続され、通信ネットワーク4を介して無線LANアクセスポイント2との間で情報の送受信を行う。かかるWAN通信部21は、通信ネットワーク4との接続を有線または無線で行う。
AP情報DB22、コンテンツDB23およびライセンス条件情報DB24は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。AP情報DB22は、例えば、端末情報テーブルを記憶しコンテンツDB23は、例えば、コンテンツ情報テーブルおよびコンテンツ設定テーブルを記憶し、ライセンス条件情報DB24は、例えば、ライセンス条件テーブルを記憶する。
制御部25は、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部25は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶部に記憶されているプログラム(コンテンツ利用管理プログラムを含む)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
かかる制御部25は、受信部31と、ページ生成部32と、送信部33と、ライセンス部34と、ライセンス失効部35とを備えており、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部25の内部構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
なお、受信部31は、「強度情報取得手段」、「利用要求受信手段」の一例に相当する。また、ライセンス部34は、「端末情報取得手段」、「ライセンス生成手段」、「状態検出手段」、「第1の条件変更手段」および「第2の条件変更手段」の一例に相当する。また、ライセンス失効部35は、「ライセンス失効手段」の一例に相当する。
(受信部について)
受信部31は、WAN通信部21を介して無線LANアクセスポイント2や無線端末5から送信される要求や情報を受信する。例えば、受信部31は、無線LANアクセスポイント2から端末情報を受信し、また、無線端末5から無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツページ送信要求、コンテンツ利用要求、コンテンツ利用確認要求、コンテンツ延長確認要求などを受信する。
受信部31は、無線LANアクセスポイント2から端末情報を受信した場合、AP情報DB22の端末情報テーブルに受信した端末情報を設定する。図6は、端末情報テーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、端末情報テーブルには、「店舗ID」毎に、1以上の「AP−ID」が対応付けられ、「AP−ID」毎に、「端末ID」、「チェックイン時刻」、「チェックアウト時刻」、「電波強度」、「追加情報」などの情報を対応付けた情報が含まれる。
「店舗ID」は、無線LANアクセスポイント2の設置場所の識別情報であり、設置場所である商業空間毎に割り当てられる。かかる商業空間には、2以上の無線LANアクセスポイント2を設置でき、無線LANアクセスポイント2のAP通信エリア毎に、異なるコンテンツを提供することも可能である。
「AP−ID」は、対応する「店舗ID」の店舗に設置された無線LANアクセスポイント2の識別情報である。例えば、図6に示す例では、店舗ID「301」の店舗に、AP−ID「201」および「202」の無線LANアクセスポイント2が設置されていることを示している。
「端末ID」は、AP通信エリア内に存在する無線端末5の端末IDである。例えば、図6に示す例では、AP−ID「201」の無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に、端末ID「10001」、「10004」、「10013」、「10021」などの無線端末5が存在していることを示している。
「電波強度」は、AP通信エリア内に存在する無線端末5の電波強度の情報である。図6に示す例では、便宜上、各端末IDに対応して最新の電波強度の情報が示されているが、無線端末5がAP通信エリアへ進入(以下、チェックインと記載する)したときからの電波強度の情報が端末情報テーブルに設定される。また、図6に示す例では、図3に示す例と同様に、電波強度の単位を「dBm」で表しているが、その他の単位で設定することもできる。
受信部31は、無線LANアクセスポイント2から端末情報を受信した場合、端末情報に含まれる「AP−ID」に対応付けて、端末情報に含まれる端末IDおよび電波強度情報を端末情報テーブルに設定する。
「チェックイン時刻」は、AP通信エリアへの無線端末5の進入時刻である。かかる進入時刻と現時刻とを比較することによって通信エリア内での無線端末5の滞在時間を検出することができる。
「チェックアウト時刻」は、AP通信エリアへ進入した無線端末5がその後通信エリアから退出した時刻である。図6に示す例では、通信エリアから退出した無線端末5の情報は含まれていないが、通信エリアに進入した無線端末5が通信エリアから退出した場合には、受信部31によって、その退出時刻がチェックアウト時刻として端末情報テーブルに設定される。
例えば、受信部31は、AP通信エリアへ進入した無線端末5の電波強度情報を受信しなくなって所定時間経過した時刻を、その無線端末5の「チェックアウト時刻」とする。
また、端末情報テーブルに設定される「追加情報」は、無線端末5のユーザに与えられるコンテンツ提供サービスの時間延長やグレードアップの情報である。かかる「追加情報」は、無線LANアクセスポイント2の設置場所における無線端末5のユーザの行動に応じた情報である。「追加情報」は、例えば、無線LANアクセスポイント2に通信可能に接続された端末装置(以下、店舗端末と記載する)や無線端末5から無線LANアクセスポイント2経由で送信される。
例えば、無線LANアクセスポイント2が喫茶店や飲食店に設置される場合、かかる設置店舗において無線端末5のユーザが購入した商品の金額に応じたポイント情報と無線端末5の端末IDを含む情報が追加情報として店舗端末からコンテンツ管理装置3へ送信される。
また、例えば、無線LANアクセスポイント2が病院や美容院などに設置される場合、無線端末5のユーザの待ち時間に応じたポイント情報を店舗端末によって設定することができる。また、例えば、無線LANアクセスポイント2の設置店舗に対し、無線端末5のユーザの来店頻度や来店回数に応じたポイント情報を店舗端末によって設定することができる。そして、設定されたポイント情報と端末IDを含む情報が追加情報として店舗端末からコンテンツ管理装置3へ送信される。
なお、店舗端末から追加情報をコンテンツ管理装置3へ送信するのではなく、無線端末5から追加情報をコンテンツ管理装置3へ送信することもできる。例えば、追加情報を含むQRコード(登録商標)を付加したレシートを店舗側装置によって無線端末5のユーザに提供する。そして、レシートが提供されたユーザは、無線端末5からQRコード(登録商標)に基づいたコンテンツ管理装置3へアクセスする。これにより、追加情報がコンテンツ管理装置3へ送信される。
受信部31は、店舗端末や無線端末5から無線LANアクセスポイント2経由で送信されるポイント情報を端末情報テーブルの「追加情報」に加算する。なお、「追加情報」の初期値は、「0」であるが、例えば、店舗端末からの要求に応じて無線LANアクセスポイント2毎に一斉に予め規定したポイント情報を加算することもできる。
なお、「チェックアウト時刻」が設定された「端末ID」、「チェックイン時刻」、「チェックアウト時刻」、「電波強度」、「追加情報」の組は、端末情報取得部15によって履歴情報として管理される。かかる履歴情報によって、制御部25は、各無線端末5のチェックイン回数やチェックイン頻度などの情報を把握することもでき、かかる情報に基づき、追加情報を設定することもできる。
(ページ生成部について)
ページ生成部32は、受信部31がコンテンツページ送信要求を受信した場合に、かかる要求を中継した無線LANアクセスポイント2に応じたコンテンツページを生成する。ページ生成部32によって生成されたコンテンツページは、送信部33によって要求元の無線端末5へ送信され、無線端末5の表示部に表示される。コンテンツページは、コンテンツ管理装置3が提供するコンテンツを選択するために無線端末5に表示させる情報である。
ページ生成部32によるコンテンツページの生成は、コンテンツDB23に記憶されたコンテンツ情報テーブルおよびコンテンツ設定テーブルに基づいて行われる。図7は、コンテンツ情報テーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、コンテンツ情報テーブルには、「店舗ID」毎に、「店舗名」および1以上の「AP−ID」が対応付けられ、「AP−ID」毎に、「利用可能コンテンツ」の情報を対応付けた情報が含まれる。「利用可能コンテンツ」は、「映画」、「音楽」、「雑誌」、「マンガ」、「ゲーム」のコンテンツ区分に分けられており、各コンテンツ区分に利用レベルの情報が設定される。
各コンテンツ区分に設定される利用レベルは、「0」が利用不可を示し、「1」〜「3」が利用レベルを示す。利用レベル「1」、「2」、「3」の順にユーザが利用できるコンテンツの数が多くなる。
例えば、図7に示すAP−ID「202」に対しては、コンテンツ区分「音楽」、「雑誌」、「マンガ」、「ゲーム」が利用可に設定され、コンテンツ区分「映画」が利用不可に設定されている。また、コンテンツ区分「音楽」、「ゲーム」は、利用レベル「1」に設定され、コンテンツ区分「雑誌」、「マンガ」は、利用レベル「2」に設定されている。
ページ生成部32は、無線端末5からのコンテンツページ送信要求を中継した無線LANアクセスポイント2に対して設定された利用可能コンテンツに基づき、選択可能なコンテンツ区分が設定されたコンテンツページ(以下、区分選択ページと記載する)を生成する。
例えば、コンテンツ情報テーブルが図7に示す状態であり、コンテンツページ送信要求がAP−ID「202」の無線LANアクセスポイント2を介して受信部31で受信されとする。この場合、例えば図9(a)に示すように、ページ生成部32は、「音楽」、「雑誌」、「マンガ」、「ゲーム」のコンテンツ区分が設定された区分選択ページを生成する。図9(a)は、ページ生成部32によって生成される区分選択ページの表示例を示す図である。
無線端末5のユーザが区分選択ページに表示されたコンテンツ区分のうち所望のコンテンツ区分を操作部の操作により選択すると、選択されたコンテンツ区分の情報を含む選択情報が無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツ管理装置3の受信部31で受信される。
ページ生成部32は、受信部31で受信される選択情報、コンテンツDB23に記憶されたコンテンツ情報テーブルおよびコンテンツ設定テーブルに基づいて、利用するコンテンツを指定するコンテンツページ(以下、コンテンツ選択ページと記載する)を生成する。
ここで、コンテンツ選択ページの生成に用いられるコンテンツ設定テーブルについて説明する。図8は、コンテンツ設定テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、コンテンツ設定テーブルには、「コンテンツID」毎に、「コンテンツ名」、「コンテンツ区分」、「コンテンツの格納位置」、「利用レベル」などの情報を対応付けた情報が含まれる。「コンテンツID」は、コンテンツ固有の識別情報であり、コンテンツ毎に割り当てられる。
「コンテンツ名」、「コンテンツ区分」、「コンテンツの格納位置」および「利用レベル」は、コンテンツの名称、区分、格納位置および利用レベルである。「コンテンツの区分」には、例えば、映画、音楽、雑誌、マンガ、ゲームのいずれかが設定される。
ページ生成部32は、受信部31で受信される無線端末5からの選択情報で指定されるコンテンツ区分の利用レベルをコンテンツ情報テーブルから読み出し、かかる利用レベルに設定されたコンテンツのコンテンツ名などをコンテンツ設定テーブルから読み出す。そして、ページ生成部32は、読み出したコンテンツ名を表示するコンテンツ選択ページを生成する。
例えば、コンテンツ情報テーブルが図7に示す状態であり、コンテンツ設定テーブルが図8に示す状態であるとする。また、コンテンツ区分「雑誌」の選択情報がAP−ID「202」の無線LANアクセスポイント2を介して受信部31で受信されたとする。
この場合、AP−ID「202」に対応する「雑誌」の利用レベルは、「2」であり、ページ生成部32は、コンテンツ設定テーブルに設定されたコンテンツのうち、コンテンツ区分「雑誌」に属し、かつ、利用レベルとして「2」を含むコンテンツを選択する。例えば、コンテンツID「50001」のコンテンツ名「週刊○○」のコンテンツは、利用レベルとして「2」を含むため、ページ生成部32によって選択される。
そして、ページ生成部32は、選択したコンテンツのコンテンツ名リスト、例えば図9(b)に示すように、コンテンツ名「週刊○○」、「週刊☆☆」、「月刊□□」を含むコンテンツ選択ページを生成する。図9(b)は、ページ生成部32によって生成されるコンテンツ選択ページの表示例を示す図である。
かかるコンテンツ選択ページは、無線端末5のユーザによってコンテンツが選択された場合に、選択されたコンテンツに対応するコンテンツIDを含む情報がコンテンツ管理装置3へ送信されるように記述される。例えば、図9(b)に示すコンテンツ選択ページが無線端末5に表示されている状態で、かかる無線端末5のユーザが操作部を操作して「週刊○○」のコンテンツを選択すると、コンテンツID「50001」のコンテンツ利用要求が無線端末5から送信される。
このようにページ生成部32は、コンテンツページ送信要求や選択情報を転送した無線LANアクセスポイント2に応じた区分選択ページやコンテンツ選択ページを生成する。
なお、コンテンツ情報テーブルの各コンテンツ区分に設定される利用レベルは、種々の変更が可能であり、「0」、「1」のみでもよく、5段階以上であってもよい。また、コンテンツ情報テーブルの各コンテンツ区分に利用レベルを設定することに代えて、利用できる各コンテンツのコンテンツIDを設定することもできる。また、利用レベルと共に、コンテンツIDの設定も可能である。
(ライセンス部について)
ライセンス部34は、無線端末5からのコンテンツ利用要求に応じたコンテンツのライセンス情報を、AP情報DB22に記憶された端末情報テーブルおよびライセンス条件情報DB24に記憶されたライセンス条件テーブルに基づいて生成する。
具体的には、ライセンス部34は、無線端末5からのコンテンツ利用要求が受信部31で受信された場合、かかる要求元の無線端末5の識別情報がAP情報DB22に記憶された端末情報テーブルに設定されているか否かを判定する。
端末情報テーブルに識別情報が設定されていない無線端末5からのコンテンツ利用要求を受信部31で受信した場合、特定の無線LANアクセスポイント2を経由したコンテンツ利用要求ではないため、ライセンス部34は、エラー情報を要求元の無線端末5へ送信する。
一方、端末情報テーブルに識別情報が設定されている無線端末5からのコンテンツ利用要求を受信部31で受信した場合、ライセンス部34は、端末情報テーブルからコンテンツ利用要求を行った無線端末5の電波強度情報を取得する。
そして、ライセンス部34は、取得した電波強度情報が所定値以上であるか否かを判定し、電波強度情報が第1閾値以上である場合に、コンテンツ利用条件を満たすと判定し、コンテンツ利用要求の対象となるコンテンツのライセンス情報の生成処理を開始する。
例えば、AP情報DB22に記憶された端末情報テーブルが図6に示す状態であるとし、第1閾値が「−50(dBm)」とする。そして、AP−ID「201」のAP通信エリア内に存在する端末ID「10001」の無線端末5および端末ID「10021」の無線端末5からコンテンツ利用要求が行われたとする。
この場合、ライセンス部34は、端末ID「10001」の無線端末5の電波強度情報「−45(dBm)」と、端末ID「10021」の無線端末5の電波強度情報「−55(dBm)」を取得する。端末ID「10001」の無線端末5の電波強度情報は、第1閾値以上であり、端末ID「10021」の無線端末5の電波強度情報は、第1閾値未満である。
したがって、ライセンス部34は、端末ID「10001」の無線端末5から行われたコンテンツ利用要求の対象となるコンテンツのライセンス情報の生成処理を開始する。一方、ライセンス部34は、端末ID「10021」の無線端末5から行われたコンテンツ利用要求の対象となるコンテンツのライセンス情報を生成しないことを決定する。
ライセンス部34は、ライセンス情報の生成処理を開始すると、ライセンス条件情報DB24に記憶されたライセンス条件テーブルのライセンス条件を満たすか否かを判定し、ライセンス条件を満たす場合、ライセンス情報を生成する。図10は、ライセンス条件テーブルの一例を示す図である。
図10に示すように、ライセンス条件テーブルには、「店舗ID」毎に、1以上の「AP−ID」が対応付けられ、「AP−ID」毎に、「ライセンス条件」の情報を対応付けた情報が含まれる。「ライセンス条件」には、「種別」、「条件1」、「条件2」などの情報を対応付けた情報が含まれる。
「種別」は、ライセンス条件の種別を示す情報であり、「条件1」および「条件2」は、ライセンス条件の内容を示す情報である。図10に示すライセンス条件テーブルでは、無線端末5がAP通信エリアへ進入(以下、チェックインと記載する)したときからの時間(滞在時間)の条件が設定されるが、時間条件以外に、例えば、無線端末5が利用できるコンテンツの数などの条件も設定することができる。
ライセンス部34は、「種別」が「1」に設定されている場合、「条件1」のライセンス条件でライセンス情報を生成し、「種別」が「2」に設定されている場合、「条件2」のライセンス条件でライセンス情報を生成する。
ライセンス条件テーブルにおける「種別」は、例えば、店舗端末などの店舗側装置からの要求に基づいて設定される。店舗側装置は、例えば、無線LANアクセスポイント2の設置空間の状態に基づいて、ライセンス条件テーブルにおける「種別」を変更する要求をコンテンツ管理装置3へ送信する。ライセンス部34は、店舗側装置の要求に応じてライセンス条件テーブルにおける「種別」を変更する。
例えば、無線LANアクセスポイント2を乗り物に設置し、かかる乗り物が事故等での停車や遅延が発生した場合に、乗り物側の装置から「種別」を変更する要求が送信される。かかる要求に応じてライセンス部34は「種別」を「1」から「2」へ変更する。これにより、コンテンツの利用時間が延長されることから、ユーザの不満を低減することができる。
ライセンス条件として、固定条件と、変動条件とがある。固定条件は、予め設定された時間をコンテンツの利用時間とするライセンス条件である。また、変動条件は、無線LANアクセスポイント2の設置空間の状態に応じた期間をコンテンツの利用時間とするライセンス条件である。
さらに、固定条件は、加算条件を含む場合があり、この場合、例えば、初期値として、一定時間が設定され、無線端末5に設定されるポイント情報(追加情報)に応じた時間が加算される。すなわち、無線端末5に設定されるポイント情報が「0」の場合には、初期値がコンテンツの利用時間として設定され、無線端末5に設定されるポイント情報が「1」以上の場合には、ポイント情報に加算単位値を乗算した時間が初期値に加算されてコンテンツの利用時間として設定される。
例えば、図10に示すライセンス条件テーブルでは、例えば、AP−ID「201」に対応する「種別」には「1」が設定され、「条件1」には、固定条件として、初期値「1時間」、加算単位値「10分」が設定されている。また、AP−ID「204」に対応する「種別」には「2」が設定され、「条件2」には、固定条件として、「12時間」が設定されている。
変動条件は、例えば、無線LANアクセスポイント2の設置空間の混雑度合いに応じた期間をコンテンツの利用時間とする条件であり、図10に示す例では、AP−ID「203」に対応する「条件1」に設定されている。混雑度合いは、例えば、AP通信エリア内に存在する無線端末5の数または滞在時間に基づき算出される。
例えば、ライセンス部34は、AP通信エリア内に存在する無線端末5が多い場合には、コンテンツの利用時間を短くし、無線端末5が少ない場合には、コンテンツの利用時間を長くする。これにより、例えば、店舗内が混雑している場合には、コンテンツの利用時間を低減し、コンテンツ利用による混雑を回避することができる。
また、ライセンス部34は、AP通信エリア内に存在する無線端末5の平均滞在時間が長い場合には、コンテンツの利用時間を短くし、無線端末5の平均滞在時間が短い場合には、コンテンツの利用時間を長くする。これによっても、コンテンツ利用による混雑を回避することができる。
なお、AP通信エリア内に存在する無線端末5の平均滞在時間および数に基づいて、コンテンツの利用時間を変動させてもよい。これにより、店舗内の混雑度合いをより精度よく算出することができる。
また、AP通信エリアが例えば病院の待合所や美容院である場合、AP通信エリア内に存在する無線端末5の数が多い場合や平均滞在時間が長い場合には、コンテンツの利用時間を長くし、無線端末5の数が少ない場合や平均滞在時間が短い場合には、コンテンツの利用時間を短くする。
これにより、無線LANアクセスポイント2の設置空間での待ち時間が長いような場合であっても、それに応じてコンテンツの利用時間を長くすることができ、待ち時間による不愉快さなどを低減することができる。
なお、ライセンス部34は、AP情報DB22に記憶された端末情報テーブルに基づき、AP通信エリア内の無線端末5の数や滞在時間を容易に検出することができる。また、変動条件は、AP通信エリア内の混雑度合いに限らず、無線LANアクセスポイント2の設置空間のその他の状態に応じた期間をコンテンツの利用時間とすることもできる。
ここで、端末情報テーブルが図6に示す状態であり、ライセンス条件テーブルが図10に示す状態であるとする。そして、AP−ID「201」の無線LANアクセスポイント2経由で、端末ID「10013」の無線端末5からコンテンツ利用要求があったとする。
この場合、ライセンス部34は、ライセンス条件テーブルにおいてAP−ID「201」に対応する種別が「1」であるため、「条件1」のライセンス条件を取得する。また、ライセンス部34は、端末ID「10013」の無線端末5の「チェックイン時刻」および「追加情報」を端末情報テーブルから読み出す。
「条件1」のライセンス条件は、初期値「1時間」および加算単位値「10分」であり、無線端末5の「追加情報」は「3」であることから、加算単位値「10分」に追加情報「3」を乗算して結果を初期値「1時間」に加算する。その結果、端末ID「10013」の無線端末5におけるコンテンツの利用時間は「1時間30分」となる。
また、「チェックイン時刻」は「4/1 12:21:34」であることから、ライセンス部34は、「チェックイン時刻」に「コンテンツの利用時間」を加算して、「4/1 13:51:34」をライセンス期限(利用期限)とするライセンス情報を生成する。
ただし、ライセンス期限を越えている場合、ライセンス部34は、ライセンス条件を満たさないと判定し、ライセンス情報の生成を行わない。すなわち、ライセンス部34は無線端末5がチェックインしてからの時間がライセンス条件に規定された時間を超えている場合、かかる無線端末5へはライセンス情報は生成は行われない。
ライセンス情報を生成すると、ライセンス部34は、コンテンツ利用要求の対象となるコンテンツ情報をコンテンツDB23から抽出する。そして、コンテンツ利用要求の対象となるコンテンツ情報およびライセンス情報が送信部33から要求元の無線端末5へ送信される。
コンテンツ情報は、暗号化されたコンテンツデータを含み、ライセンス情報は、条件情報と、復号キー情報とを含む。条件情報は、利用期限などのコンテンツの利用条件を規定する情報であり、復号キー情報は、暗号化されたコンテンツデータを復号するための情報である。
なお、送信部33は、コンテンツ情報とライセンス情報とを同時に無線端末5へ送信する。この場合、送信部33は、コンテンツ情報とライセンス情報とを結合したデータを送信することができる。また、コンテンツ情報とライセンス情報とを別々に無線端末5へ送信することもできる。
このように、ライセンス部34は、無線端末5からのコンテンツ利用要求を中継した無線LANアクセスポイント2に対して設定されたライセンス条件を満たす場合、このライセンス条件に基づいて、コンテンツ利用要求の対象となるコンテンツのライセンス情報を生成する。
コンテンツ利用要求に対応するコンテンツ情報とライセンス情報とを受信した無線端末5の制御部は、コンテンツ情報に含まれる暗号化コンテンツデータを、ライセンス情報に含まれる復号キーに基づき復号化し、ライセンス情報に含まれる条件情報に基づき再生する。なお、無線端末5の制御部は、条件情報が利用期限に到達している場合には、コンテンツの利用は禁止される。
無線端末5の制御部は、コンテンツの再生等によりユーザによるコンテンツ利用が行われている途中で、ライセンス情報が満了した場合、コンテンツ延長確認要求をコンテンツ管理装置3へ送信する。コンテンツ延長確認要求が受信部31によって受信されると、ライセンス部34は、要求元の無線端末5に対してさらにライセンス情報を発行することができるか否かを判定する。ライセンス情報を発行することができないと判定すると、ライセンス部34は、要求元の無線端末5に対してエラー情報を送信する。
一方、ライセンス情報を発行できると判定した場合に、ライセンス部34はライセンス情報を新たに生成し、かかるライセンス情報が送信部33によって無線端末5へ送信される。これにより、無線端末5では利用途中で利用期限に到達しライセンス情報が満了したコンテンツを引き続き再生等することが可能となり、無線端末5のユーザは、引き続きコンテンツの利用が可能となる。
例えば、無線端末5がライセンス情報を取得した後、かかる無線端末5にポイント情報が設定され、ライセンス条件テーブルの対応する条件に加算単位値の情報が設定されている場合、ライセンス部34は、初回のライセンス情報の生成と同様の手順で新たなライセンス情報を生成する。
また、ライセンス部34は、無線端末5がライセンス情報を取得した後、かかる無線端末5にポイント情報が加算されていない場合であっても、無線端末5のユーザが代金の支払いを条件として、ライセンス情報を生成することもできる。この場合、特定の無線LANアクセスポイント2からのコンテンツ延長確認要求ではない場合であっても、ライセンス部34は、ライセンス情報を生成することもできる。
また、無線端末5のユーザは、コンテンツを利用した無線LANアクセスポイント2の設置店舗から、異なる無線LANアクセスポイント2の設置店舗へ移動した場合であっても、コンテンツ区分および利用レベルが一致しているコンテンツであれば、コンテンツ延長確認要求やコンテンツ送信要求に基づいて、引き続き利用することができる。
(ライセンス失効部について)
次に、ライセンス失効部35について説明する。無線端末5の制御部は、コンテンツの再生等によりユーザによるコンテンツ利用が行われている場合、定期的(例えば、5分毎)にコンテンツ利用確認要求をコンテンツ管理装置3へ送信する。
コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツ利用確認要求を受信すると、ライセンス失効部35によって、ライセンス情報を失効させるか否かを決定する。ライセンス失効部35は、コンテンツ利用確認要求を受信部31が受信すると、コンテンツ利用確認要求の要求元となる無線端末5の電波強度情報をAP情報DB22に記憶された端末情報テーブルから取得する。
そして、ライセンス失効部35は、取得した電波強度情報が第2閾値以上であるか否かを判定し、電波強度情報が第2閾値以上である場合に、コンテンツ利用確認要求の要求元となる無線端末5に対して、継続利用の許可を示すコンテンツ利用確認応答を送信する。かかる情報を受信した無線端末5の制御部は、引き続きコンテンツの再生等を行いユーザによるコンテンツ利用を継続させる。
一方、ライセンス失効部35は、取得した電波強度情報が第2閾値未満である場合に、コンテンツ利用確認要求の要求元となる無線端末5に対して、継続利用の禁止を示すコンテンツ利用確認応答を送信する。かかる情報を受信した無線端末5の制御部は、コンテンツの再生等を中止し、ユーザによるコンテンツ利用を中止させる。
なお、第2閾値は、第1閾値と同一値にすることもできるが、第1閾値よりも小さい値とすることが望ましい。このようにすることで、例えば、コンテンツの再生を開始した後、すぐにコンテンツの再生が中止されるといった問題を低減することができ、より安定したコンテンツの再生が可能となる。
また、ライセンス失効部35は、所定時間継続して第2閾値未満となった場合や第2閾値未満となる割合が所定値以上となった場合に限り、継続利用の禁止を示すコンテンツ利用確認応答を送信することもできる。このようにすることによっても、より安定したコンテンツの再生が可能となる。以下、同様である。
〔5.無線LANアクセスポイントの処理フロー〕
次に、実施形態に係る無線LANアクセスポイント2の情報処理について、図11を参照して説明する。図11は、実施形態に係る無線LANアクセスポイント2における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、無線LANアクセスポイント2の制御部14によって繰り返し実行される処理である。
図11に示すように、無線LANアクセスポイント2の制御部14は、端末情報記憶処理を実行する(ステップS20)。かかる処理において、制御部14は、無線端末5から受信した無線信号に含まれる端末情報を記憶部13の存在端末データに設定する。
次に、制御部14は、端末情報の送信契機であるか否かを判定する(ステップS21)。端末情報の送信契機であると判定すると(ステップS21;Yes)、制御部14は、記憶部13の存在端末データから端末情報を読み出して、コンテンツ管理装置3へ送信する(ステップS22)。
ステップS22の処理が終了した場合、または、ステップS21において、端末情報の送信契機ではないと判定した場合(ステップS21;No)、制御部14は、情報中継要求があるか否かを判定する(ステップS23)。例えば、無線端末5からコンテンツ管理装置3を宛先とする信号やコンテンツ管理装置3から無線端末5を宛先とする信号を受信した場合に、制御部14は、情報中継要求があると判定する。
情報中継要求があると判定すると(ステップS23;Yes)、制御部14は、中継処理を行う(ステップS24)。例えば、制御部14は、無線端末5からコンテンツ管理装置3を宛先とする信号をコンテンツ管理装置3へ転送し、コンテンツ管理装置3から無線端末5を宛先とする信号を無線端末5へ転送する。なお、制御部14は、無線端末5からコンテンツ管理装置3を宛先とする信号にAP−IDの情報を含めてコンテンツ管理装置3へ転送する。これにより、コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント2によって中継された信号であることを把握することができる。
ステップS24の処理が終了した場合、または、ステップS23において、情報中継要求がないと判定した場合(ステップS23;No)、制御部14は処理を終了する。制御部14は、例えば、ステップS20の処理、ステップS21、S22の処理、および、ステップS23、S24の処理をそれぞれ併行して実行することができる。
〔6.コンテンツ管理装置の処理フロー〕
次に、実施形態に係るコンテンツ管理装置3の情報処理について、図12を参照して説明する。図12は、実施形態に係るコンテンツ管理装置3における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、コンテンツ管理装置3の制御部25によって繰り返し実行される処理である。
図12に示すように、コンテンツ管理装置3の制御部25は、無線LANアクセスポイント2から端末情報を受信したか否かを判定する(ステップS30)。制御部25は、端末情報を受信したと判定した場合(ステップS30;Yes)、無線LANアクセスポイント2から端末情報を受信したAP情報DB22の端末情報テーブルに設定する(ステップS31)。
ステップS31の処理が終了した場合、または、ステップS30において、端末情報を受信していないと判定した場合(ステップS30;No)、制御部25は、コンテンツページ送信要求を受信したか否かを判定する(ステップS32)。コンテンツページ送信要求を受信したと判定すると(ステップS32;Yes)、制御部25は、コンテンツページの生成処理を行う(ステップS33)。コンテンツページの生成処理は、上述したようにページ生成部32によって実行される。なお、かかる処理において、コンテンツページ送信要求の転送元無線LANアクセスポイントがコンテンツ情報テーブルに設定されていないと判定した場合、制御部25は、エラー情報を要求元の無線端末5へ送信する。
ステップS33の処理が終了した場合、または、ステップS32において、コンテンツページ送信要求を受信していないと判定した場合(ステップS32;No)、制御部25は、コンテンツ利用要求を受信したか否かを判定する(ステップS34)。コンテンツ利用要求を受信したと判定すると(ステップS34;Yes)、制御部25は、コンテンツ利用要求に対応するコンテンツのライセンス情報の生成処理を行う(ステップS35)。ライセンス情報の生成処理は上述したようにライセンス部34によって実行される。なお、例えば、コンテンツ利用条件を満たさない場合、制御部25は、エラー情報を要求元の無線端末5へ送信する。
ステップS35の処理が終了した場合、または、ステップS34において、コンテンツ利用要求を受信していないと判定した場合(ステップS34;No)、制御部25は、コンテンツ利用確認要求を受信したか否かを判定する(ステップS36)。コンテンツ利用確認要求を受信したと判定すると(ステップS36;Yes)、制御部25は、コンテンツ利用確認要求に対応するコンテンツのライセンス情報の失効処理を行う(ステップS37)。ライセンス情報の失効処理は上述したようにライセンス失効部35によって実行される。
ステップS37の処理が終了した場合、または、ステップS36において、コンテンツ利用確認要求を受信していないと判定した場合(ステップS36;No)、制御部25は、コンテンツ延長確認要求を受信したか否かを判定する(ステップS38)。コンテンツ延長確認要求を受信したと判定すると(ステップS38;Yes)、制御部25は、コンテンツ延長確認要求に対応するコンテンツのライセンス情報の再生成処理を行う(ステップS39)。ライセンス情報の再生成処理は上述したようにライセンス部34によって実行される。なお、例えば、コンテンツ利用条件を満たさない場合、制御部25は、エラー情報を要求元の無線端末5へ送信する。
ステップS39の処理が終了した場合、または、ステップS38において、コンテンツ延長確認要求を受信していない場合(ステップS38;No)、制御部25は処理を終了する。
〔7.変形例〕
上述した実施形態では、コンテンツ管理装置3の制御部25において、電波強度情報が第2閾値以上であるか否かを判定するようにしたが、無線LANアクセスポイント2の制御部14において、電波強度情報が第2閾値以上であるか否かを判定してもよい。この場合、無線LANアクセスポイント2の制御部14は、その判定結果をコンテンツ管理装置3へ送信し、コンテンツ管理装置3の制御部25が無線LANアクセスポイント2から送信される判定結果に基づいて、ライセンス情報を失効させるか否かを決定する。
また、上述した実施形態では、無線端末5からコンテンツ利用確認要求を定期的にコンテンツ管理装置3へ送信するようにしたが、無線端末5が取得した電波受信強度が所定値以下となった場合に、無線端末5がコンテンツ利用確認要求の送信を開始してもよい。このようにすることで、例えば、無線端末5の消費電力を低減することができる。
また、上述した実施形態では、コンテンツ管理装置3において、ライセンス情報の失効処理を行うようにしたが、無線LANアクセスポイント2においてライセンス情報の失効処理を行うようにしてもよい。この場合、無線LANアクセスポイント2の制御部14は、電波強度情報が第2閾値未満となった無線端末5に対してライセンスの失効処理を行う。かかる処理について、図13を参照して具体的に説明する。図13は、実施形態に係る別のコンテンツ利用管理方法の説明図である。
図13に示すように、無線端末5の制御部は、コンテンツ管理装置3から送信されるコンテンツ情報およびライセンス情報を受信すると(ステップS40)、受信したコンテンツ情報およびライセンス情報に基づき、コンテンツの再生を開始する(ステップS41)。無線端末5からは繰り返し無線信号が送信されており(ステップS43、S45)、無線LANアクセスポイント2の制御部14は、無線端末5から繰り返し送信される無線信号から無線端末5の電波強度情報を判定する(ステップS44、S46)。
無線LANアクセスポイント2の制御部14は、電波強度情報が第2閾値未満となった無線端末5に対して、ライセンス情報の失効を要求するライセンス失効情報を送信する(ステップS47)。ライセンス失効情報を受信した無線端末5の制御部は、コンテンツの再生等を中止し、ユーザによるコンテンツ利用を中止させる(ステップS48)。
このように、無線LANアクセスポイント2の制御部14がライセンスの失効処理を行うことで、通信ネットワーク4を介したコンテンツ管理装置3による処理に比べて迅速な処理を実行することが可能となる。
なお、コンテンツ管理装置3や無線LANアクセスポイント2によるライセンスの失効処理に代えて、無線端末5のみによってライセンスの失効処理を行うこともできる。例えば、無線端末5の制御部は、無線LANアクセスポイント2から送信される無線信号から電波受信強度を検出し、かかる電波受信強度が第2閾値未満となった場合に、ライセンス情報を失効させることもできる。
また、上述の実施形態においては、同じ無線LANアクセスポイント2であれば、コンテンツ区分にかかわらず、同一のライセンス条件であるものとして説明したが、さらに、コンテンツ区分毎にライセンス条件を設定することもできる。この場合、コンテンツ区分毎のライセンス条件は、例えば、店舗の混雑具合に応じて変動させることができる。
また、ライセンス条件に無線端末5の1台あたりのコンテンツの利用上限数を設定することもできる。制御部25は、かかる利用上限数を、例えば、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5の数に応じて変更することもできる。この場合、制御部25は、例えば、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5の数が多いほど、利用上限数を減少させる。
また、上述では、ライセンス条件テーブルに規定するライセンス条件の一例として、無線端末5がチェックインしたときからの時間の条件を説明したが、コンテンツ送信要求を受信してからの時間の条件をライセンス条件とすることもできる。
また、上述した実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線LANアクセスポイント2の通信エリアに対応してライセンス情報を生成するものであるが、図14に示すように、NFC(Near Field Communication)装置の通信エリアに対応してライセンス情報を生成してもよい。図14は、NFC装置6、7を用いたコンテンツ利用管理システムの一例を示す図である。
NFC装置の通信エリアは、1メートル〜数センチ程度の通信エリアであり、NFCとしては、例えば、Felica、ISO/IEC14443(MIDARE)などがある。なお、NFC装置による通信は、電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線通信、可視光通信、音波などを用いることもできる。
図14に示すコンテンツ利用管理システム1Aでは、NFC装置6が通信ネットワーク4に接続されており、NFC装置6の通信エリア内に存在する無線端末5の端末情報がNFC装置6からコンテンツ管理装置3へ送信される。
NFC装置6は、無線LANアクセスポイント2と通信エリアの大きさが異なるが、その他の処理は同じであり、劇場、スタジアム、航空機や新幹線など座席、ホテルの客室やカラオケルームなどに設置することができる。このようにすることで、ユーザを特定できる場所や狭い空間に応じたコンテンツの提供やライセンス情報の生成を行うことができる。
また、図14に示すコンテンツ利用管理システム1Aでは、NFC装置7は、無線LANアクセスポイント2Aと有線または無線で通信を行い、通信エリア内に存在する無線端末5の端末情報を、無線LANアクセスポイント2Aを介してコンテンツ管理装置3へ送信する。コンテンツ管理装置3は、NFC装置7から送信される無線端末5の端末情報を蓄積する。
その後、コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント2Aを介して無線端末5から送信されるコンテンツ利用要求を受信すると、蓄積している無線端末5の電波強度情報に基づいて、要求に応じたコンテンツ情報およびライセンス情報を無線LANアクセスポイント2A経由で要求元の装置へ送信する。なお、コンテンツ利用要求は、無線端末5に有線通信手段を備えている場合には、かかるに有線通信手段を介して行うこともできる。
NFC装置7は、通信エリアが狭いため、上述のように狭い空間に有効であり、一方で、コンテンツ情報およびライセンス情報は比較的高速な無線LANアクセスポイント2A経由で取得できるため、NFC装置7の通信速度が遅い場合であっても、無線端末5のユーザは快適にコンテンツを楽しむことができる。
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1(コンテンツ利用管理の一例に相当)は、無線LANアクセスポイント2(無線通信手段の一例に相当)およびコンテンツ管理装置3を備える。無線LANアクセスポイント2においては、端末情報送信部16が、無線LAN通信部10の通信エリア内に存在する無線端末5の電波強度情報をコンテンツ管理装置3へ送信する。また、コンテンツ管理装置3においては、受信部31(強度情報取得手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2から送信される無線端末5の電波強度情報を取得してAP情報DB22(端末情報記憶手段の一例に相当)に記憶し、受信部31(利用要求受信手段の一例に相当)が、無線端末5から無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツの利用要求を受信し、ライセンス部34(端末情報取得手段およびライセンス生成手段の一例に相当)が、コンテンツの利用要求が受信部31で受信された場合に、無線端末5の電波強度情報をAP情報DB22から取得し、かかる電波強度情報が所定値以上である場合に、コンテンツのライセンス情報を生成し、送信部33(情報送信手段の一例に相当)が、ライセンス部34によって生成されたライセンス情報を無線端末5へ送信する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線端末5が特定の無線LANアクセスポイント2を介してコンテンツ利用要求を行い、かつ、かかる無線端末5の電波強度情報が所定値以上の場合に、ライセンス情報を生成する。したがって、無線端末5のユーザは、特定の無線LANアクセスポイント2が設置されている空間において、例えば、映画、ドラマ、音楽、雑誌、マンガ、書籍、ゲーム等のデジタルコンテンツを利用することができる。そのため、無線LANアクセスポイント2の設置場所に付加価値を与えることができる。
例えば、病院や美容院などの空間に特定の無線LANアクセスポイント2を設置することで、無線端末5のユーザは、待ち時間などにコンテンツを利用することができ、時間つぶしを行うことができる。一方、病院や美容院などの設置店舗側は、雑誌や本などを配置する場所が不要となり、また、雑誌や本などの購入費用も削減することができる。
さらに、コンテンツ管理装置3は、無線LANアクセスポイント2から送信された無線端末5の電波強度情報に基づいて、ライセンス情報を生成する。そのため、例えば、特定の無線LANアクセスポイント2の無線通信エリアが、所望の空間を超えるような場合であっても、無線端末5の電波強度情報が所定値以上の場合に、ライセンス情報を生成するため、所望の空間に存在する無線端末5に限り、コンテンツの利用を許可できる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、コンテンツ管理装置3において、ライセンス条件情報DB24(ライセンス条件記憶手段の一例に相当)が、コンテンツのライセンス条件の情報を記憶し、ライセンス部34が、取得した電波強度情報が所定値以上、かつ、ライセンス条件情報DB24に記憶されたライセンス条件を満たす場合に、ライセンス情報を生成する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、例えば、ライセンス条件を利用時間とすることで、無制限のコンテンツ利用を制限することができる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、コンテンツ管理装置3において、ライセンス部34(状態検出手段および第1の条件変更手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2の通信エリアに対応する空間の状態を検出し、かかる検出結果に応じてライセンス条件を変更する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線LANアクセスポイント2の設置場所により付加価値を与えることができる。例えば、ライセンス条件を利用時間とすることで、無線LANアクセスポイント2の設置空間の状態に応じてコンテンツの利用時間を変更することができ、コンテンツ利用によって生じる混雑を回避できる。また、例えば、無線LANアクセスポイント2を設置した乗り物が事故等での停車や遅延が発生した場合にコンテンツの利用時間を延長することで、ユーザの不満を低減することができる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、ライセンス部34(第1の条件変更手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5の数に基づきライセンス条件を変更する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、例えば、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5が多い場合には、コンテンツの利用時間を短くすることができ、コンテンツ利用によって生じる混雑を回避できる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、ライセンス部34(第1の条件変更手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5の滞在時間に基づきライセンス条件を変更する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、例えば、無線LANアクセスポイント2の通信エリア内に存在する無線端末5の平均滞在時間が長い場合には、コンテンツの利用時間を短くでき、コンテンツ利用によって生じる混雑を回避できる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、コンテンツ管理装置3において、受信部31(ユーザ情報取得手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント2の通信エリアに対応する場所における無線端末5のユーザの行動に応じた情報を取得し、ライセンス部34(第2の条件変更手段の一例に相当)が、受信部31で取得されたユーザの情報に応じてライセンス条件を変更する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、例えば、無線LANアクセスポイント2の設置場所における無線端末5のユーザの行動に応じてコンテンツの利用時間を延長することが可能となり、無線LANアクセスポイント2の設置場所でのユーザの行動を促進することができる。ユーザの行動の情報として、例えば、商品の購入、来店頻度などがある。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、無線LANアクセスポイント2を複数備え、ライセンス条件情報DB24が、無線LANアクセスポイント2毎に、無線LANアクセスポイント2を特定する情報とライセンス条件の情報とを関連付けて記憶しており、ライセンス部34(ライセンス生成手段の一例に相当)が、ライセンス条件情報DB24に記憶されたライセンス条件に基づき、無線LANアクセスポイント2の通信エリアに応じたライセンス情報を生成する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線LANアクセスポイント2の設置場所に応じたコンテンツの提供を行うことができ、無線LANアクセスポイント2の設置場所の付加価値をより高めることができる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、コンテンツ管理装置3において、ライセンス失効部35(ライセンス失効手段の一例に相当)が、ライセンス情報を送信した無線端末5の電波強度情報が所定値以下となった場合に、ライセンス情報を失効させる。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、無線端末5のユーザに対して、無線LANアクセスポイント2の無線通信エリア内でのみコンテンツを利用させることができる。したがって、無線端末5のユーザが、ライセンス情報を取得するためだけに特定の無線LANアクセスポイント2の無線通信エリア内に立ち寄るようなことを抑制することができる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、ライセンス失効部35が、無線端末5からのコンテンツ延長確認要求(クエリの一例に相当)を取得した場合に、AP情報DB22に記憶された無線端末5の電波強度情報が所定値以下となったか否かを判定し、電波強度情報が所定値以下となったと判定した場合に、ライセンス情報を失効させる失効情報を無線端末5へ送信する。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、電波強度情報が所定値以下の無線端末5でのライセンスの失効を効果的に行うことができる。
また、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1は、無線LANアクセスポイント2において、制御部14(ライセンス失効手段の一例に相当)が、ライセンス情報が送信された無線端末5の電波強度情報が所定値以下となった場合に、ライセンス情報を失効させる。
これにより、実施形態に係るコンテンツ利用管理システム1では、電波強度情報が所定値以下の無線端末5でのライセンスの失効を効果的に行うことができる。また、通信ネットワーク4を介したコンテンツ管理装置3による処理に比べて迅速な処理を実行することが可能となる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。