[実施形態の概要]
第1実施形態に係る通信制御方法は、セルラRANから無線LANへのオフロードを行うための方法である。前記通信制御方法は、前記セルラRANに含まれるセルラ基地局が、前記無線LANに含まれる無線LANアクセスポイントの識別子を含むリストを送信するステップと、セルラ通信部及び無線LAN通信部を有するユーザ端末が、前記リストを受信するステップと、前記セルラ基地局のセルに在圏している前記ユーザ端末が、前記リストに基づいて、前記無線LANアクセスポイントに近接したことを検知した後、前記オフロードに関する動作を行うステップと、を含む。ここで「近接したことを検知」とは、「近接したと認識する」という意味であり、実際には近接していない場合(誤検出の場合)もあり得る。以下においても同様である。
第1実施形態では、前記オフロードに関する動作を行うステップにおいて、前記無線LAN通信部がオフ状態である前記ユーザ端末は、前記リストに基づいて前記無線LANアクセスポイントに近接したことを検知した後、前記無線LAN通信部をオン状態に切り替えて、前記無線LANアクセスポイントをスキャンする。
第1実施形態では、前記動作は、前記無線LANアクセスポイントをスキャンすることを含む。前記通信制御方法は、前記スキャンにより前記無線LANアクセスポイントが発見された場合に、前記無線LANアクセスポイントが発見されたことを示す通知を前記ユーザ端末から前記セルラ基地局に送信するステップをさらに含む。
第1実施形態では、前記通知は、発見された前記無線LANアクセスポイントの識別子を含む。前記通信制御方法は、前記セルラ基地局が、前記通知を受信した場合で、かつ、前記通知に含まれる前記識別子に対応する前記無線LANアクセスポイントがオフ状態である場合に、前記無線LANアクセスポイントを起動する起動ステップをさらに含む。
第1実施形態では、前記送信するステップにおいて、前記セルラ基地局は、自セルラ基地局に関する負荷レベルに基づいて、前記リストを前記ユーザ端末に送信する。
第1実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、自ユーザ端末の状況に基づいて、前記リストを使用するか否かを判断するステップをさらに含む。
第1実施形態では、前記リストは、前記セルラ基地局のセル内に設けられた無線LANアクセスポイントの識別子、又は前記セルを含むトラッキングエリア内に設けられた無線LANアクセスポイントの識別子を含む。
第2実施形態及び第7実施形態に係る通信制御方法は、セルラRANから無線LANへのオフロードを行うための方法である。前記通信制御方法は、前記セルラRANに含まれるセルラ基地局が、前記オフロードのための情報を送信するステップと、セルラ通信部及び無線LAN通信部を有し、前記セルラ基地局のセルに在圏しているユーザ端末が、前記情報を前記セルラ基地局から受信するステップと、前記ユーザ端末が、前記セルラ基地局から受信した前記情報に基づいて、前記オフロードに関する動作を行うステップと、を含む。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記動作を行うステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記無線LAN通信部がオフ状態である場合に、前記セルラ基地局から受信した前記情報に基づいて、前記無線LAN通信部をオン状態に切り替えて、無線LANアクセスポイントをスキャンする。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記送信するステップにおいて、前記セルラ基地局は、自セルラ基地局の負荷レベルが閾値を超えた場合に、前記情報を1又は複数のユーザ端末に送信する。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記通信制御方法は、前記スキャンにより前記無線LANアクセスポイントが発見された場合に、前記無線LANアクセスポイントが発見されたことを示す通知を前記ユーザ端末から前記セルラ基地局に送信するステップをさらに含む。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記情報は、前記無線LAN通信部をオン状態に切り替えるよう指示する情報である。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記情報は、前記無線LANアクセスポイントの位置を示す位置情報を含む。前記動作を行うステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末が前記無線LANアクセスポイントに近接したことを前記位置情報に基づいて検知した場合に、前記動作を行う。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記情報は、前記動作を行うべき条件を示す条件情報を含む。前記動作を行うステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記条件が満たされたことを前記条件情報に基づいて検知した場合に、前記動作を行う。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記情報は、前記動作に適用されるパラメータを含む。
第2実施形態及び第7実施形態では、前記通信制御方法は、前記セルラ基地局が、前記ユーザ端末の状況に基づいて、前記情報を前記ユーザ端末に送信するか否かを判断するステップをさらに含む。
第3実施形態に係る通信制御方法は、セルラ基地局と協調する特定機器が、セルラ周波数帯域内、かつ、特定の期間において、前記特定機器の存在を知らせるための発見用信号をブロードキャストするステップと、前記セルラ基地局に接続するユーザ端末が、前記セルラ周波数帯域内、かつ、前記特定の期間において、前記発見用信号をスキャンするステップと、を含む。
第3実施形態では、前記特定の期間は、前記セルラ基地局により指定される。
第3実施形態では、前記特定機器は、前記セルラ周波数帯域外で通信を行う機器である。
第3実施形態では、前記セルラ基地局は、前記セルラ周波数帯域内の第1の周波数で通信を行う基地局である。前記特定機器は、前記セルラ周波数帯域内の第2の周波数で通信を行う機器である。前記ブロードキャストするステップにおいて、前記特定機器は、前記セルラ周波数帯域内の前記第1の周波数、かつ、前記特定の期間で前記発見用信号をブロードキャストする。前記スキャンするステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記セルラ周波数帯域内の前記第1の周波数、かつ、前記特定の期間で前記発見用信号をスキャンする。
第3実施形態では、前記発見用信号は、前記特定機器の識別子を含む。
第3実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が前記スキャンにより前記発見用信号を検出した場合に、前記発見用信号を検出したことを示す発見通知を前記ユーザ端末から前記セルラ基地局に送信するステップをさらに含む。
第3実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が前記スキャンにより前記発見用信号を検出した後、前記ユーザ端末が前記特定機器に接続した場合に、前記ユーザ端末が前記特定機器に接続したことを示す接続通知を前記特定機器から前記セルラ基地局に送信するステップをさらに含む。
第3実施形態では、前記特定機器は、無線LANアクセスポイントである。
第3実施形態では、前記特定機器は、小セルを管理するセルラ基地局である。
第3実施形態では、前記特定機器は、端末間無線通信をサポートする他のユーザ端末である。
第3実施形態では、前記セルラ周波数帯域は、ライセンスバンドに含まれている。前記特定機器は、アンライセンスバンドで通信を行う他のセルラ基地局である。
第4実施形態に係る通信制御方法は、セルラ基地局に接続するユーザ端末が、ライセンスバンドに含まれるセルラ周波数帯域内で特定機器からブロードキャストされるセルラ参照信号を受信するステップと、前記セルラ参照信号に対する測定結果を示す測定情報を前記ユーザ端末から前記セルラ基地局に報告するステップと、前記セルラ基地局が、前記ユーザ端末から報告された前記測定情報に基づいて、前記特定機器をスキャンするための情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、を含む。前記特定機器は、アンライセンスバンドで通信を行う機器である。
第4実施形態では、前記特定機器には、自特定機器を識別するセル識別子が割り当てられている。前記特定機器が送信する前記セルラ参照信号は、前記セル識別子を含む。
第5実施形態に係る通信制御方法は、アンライセンスバンドで通信を行う特定機器が、セルラ基地局に接続するユーザ端末が送信するセルラ上りリンク信号を検出するステップと、前記特定機器が、前記セルラ上りリンク信号の検出に基づいて、前記特定機器に前記ユーザ端末が近接したことを示す通知を前記セルラ基地局に送信するステップと、前記セルラ基地局が、前記特定機器からの前記通知に基づいて、前記特定機器をスキャンするための情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、を含む。
第5実施形態では、前記通信制御方法は、前記特定機器が、自特定機器に前記ユーザ端末が近接するか否かを判断するステップをさらに含む。前記判断するステップは、前記ユーザ端末が送信するセルラ上りリンク信号に関する信号情報を前記セルラ基地局から取得するステップと、前記信号情報に基づいて、前記ユーザ端末と前記特定機器との間のパスロスを推定するステップと、前記パスロスが閾値未満である場合に、前記特定機器に前記ユーザ端末が近接すると判断するステップと、を含む。
第5実施形態では、前記通信制御方法は、前記特定機器が、前記特定機器と前記セルラ基地局との間の距離と、前記セルラ上りリンク信号の受信電力と、に基づいて、前記特定機器に前記ユーザ端末が近接するか否かを判断するステップをさらに含む。
第6実施形態に係る通信制御方法は、セルラ通信部及び無線LAN通信部を有しており、セルラ基地局に接続するユーザ端末が、前記ユーザ端末の移動速度を導出する導出ステップと、前記移動速度が閾値を超える場合には、前記無線LAN通信部がオン状態であっても、前記ユーザ端末が無線LANアクセスポイントに対するスキャンを停止する停止ステップと、を含む。
第8実施形態に係る通信制御方法は、ユーザ端末が特定機器からセルラ基地局に接続先を切り替える場合に、前記特定機器から前記セルラ基地局への切り替えであることを示す通知情報を前記ユーザ端末から前記セルラ基地局に送信するステップと、前記セルラ基地局が、前記通知情報に基づいて、前記ユーザ端末宛ての送信データを前記セルラ基地局に転送するよう要求する要求情報を前記特定機器に送信するステップと、を含む。前記特定機器は、アンライセンスバンドで通信を行う機器である。
第8実施形態では、前記通知情報は、前記特定機器を識別するための識別子を含む。
第8実施形態では、前記通知情報は、前記ユーザ端末を識別するための識別子を含む。
第9実施形態に係る通信制御方法は、ユーザ端末の接続先を、セルラ基地局のカバレッジ内に設けられた特定機器からセルラ基地局に切り替える場合に、前記特定機器が、前記セルラ基地局についての測定報告を前記ユーザ端末から受信することなく、前記ユーザ端末の接続先を前記セルラ基地局に切り替えると決定するステップと、前記セルラ基地局への切り替えを要求する要求情報を前記特定機器から前記セルラ基地局に送信するステップと、前記特定機器が前記要求情報に対する応答を前記セルラ基地局から受信した場合に、前記セルラ基地局への切り替えを指示する指示情報を前記特定機器から前記ユーザ端末に送信するステップと、を含む。前記特定機器は、アンライセンスバンドで通信を行う機器である。
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成されるセルラ通信システムであるLTEシステムを無線LAN(WLAN)システムと連携させる場合の各実施形態を説明する。
[第1実施形態]
(第1実施形態に係るシステム構成)
図1は、第1実施形態に係るシステム構成図である。図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。EPC20は、コアネットワークに相当する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセルとの無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。UE100は、セルラ通信及びWLAN通信の両通信方式をサポートする端末(デュアル端末)である。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。また、eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介して、EPC20に含まれるMME/S−GW500と接続される。
EPC20は、複数のMME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)500を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
WLANシステムは、WLAN AP(以下、「AP」と称する)300を含む。WLANシステムは、例えばIEEE 802.11諸規格に準拠して構成される。AP300は、セルラ周波数帯とは異なる周波数帯(WLAN周波数帯)でUE100との通信を行う。AP300は、ルータなどを介してEPC20に接続される。第1実施形態では、AP300は、セルラ通信システム(LTEシステム)のオペレータにより運用される。なお、セルラ周波数帯は、ライセンスバンド(免許が必要な周波数帯)に含まれる。これに対し、WLAN周波数帯は、アンライセンスバンド(免許が不要な周波数帯)に含まれる。
次に、UE100、eNB200、及びAP300の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101及び102と、セルラ送受信機(セルラ通信部)111と、WLAN送受信機(WLAN通信部)112と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及びセルラ送受信機111は、セルラ無線信号の送受信に用いられる。セルラ送受信機111は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号をセルラ無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、セルラ送受信機111は、アンテナ101が受信するセルラ無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
アンテナ102及びWLAN送受信機112は、WLAN無線信号の送受信に用いられる。WLAN送受信機112は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号をWLAN無線信号に変換してアンテナ102から送信する。また、WLAN送受信機112は、アンテナ102が受信するWLAN無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの入力を受け付けて、該入力の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、セルラ送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。また、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及びセルラ送受信機210は、セルラ無線信号の送受信に用いられる。セルラ送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号をセルラ無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、セルラ送受信機210は、アンテナ201が受信するセルラ無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW500と接続される。また、ネットワークインターフェイス220は、EPC20を介したAP300との通信に使用される。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、AP300のブロック図である。図4に示すように、AP300は、アンテナ301と、WLAN送受信機311と、ネットワークインターフェイス320と、メモリ330と、プロセッサ340と、を有する。また、メモリ330をプロセッサ340と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ340’としてもよい。
アンテナ301及びWLAN送受信機311は、WLAN無線信号の送受信に用いられる。WLAN送受信機311は、プロセッサ340が出力するベースバンド信号をWLAN無線信号に変換してアンテナ301から送信する。また、WLAN送受信機311は、アンテナ301が受信するWLAN無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ340に出力する。
ネットワークインターフェイス320は、ルータなどを介してEPC20と接続される。また、ネットワークインターフェイス320は、EPC20を介したeNB200との通信に使用される。
メモリ330は、プロセッサ340によって実行されるプログラムと、プロセッサ340による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ340は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ330に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。
図5は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図5に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御メッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は接続状態(RRC connected state)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRC idle state)である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図6は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図6に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。また、下りリンクにおいて、各サブフレームには、セル固有参照信号などの参照信号が分散して配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(第1実施形態に係る動作)
次に、第1実施形態に係る動作を説明する。図7は、第1実施形態に係る動作環境を説明するための図である。
図7に示すように、eNB200のカバレッジ内にAP300(AP300−1乃至AP300−3)が設けられている。第1実施形態では、eNB200は、広範囲に渡るセル(大セル)を管理する。大セルは、LTEシステムにおける一般的なセルであり、マクロセルと称される。
さらに、マクロセルのカバレッジ内に、マクロセルよりもカバレッジの狭い小セルが設けられていてもよい。小セルは、ピコセル又はフェムトセルと称される。小セルは、セルラ周波数帯域内であって、マクロセルが属する周波数とは異なる周波数に属する。小セルは、HeNB400(ピコeNB又はフェムトeNB)により管理されている。
UE100−1乃至UE100−3は、eNB200のセル(マクロセル)に接続しており、eNB200とのセルラ通信を行っている。eNB200が多数のUE100を収容する場合、eNB200の負荷レベルが高くなる。すなわち、eNB200が各UE100に割り当て可能な無線リソース(リソースブロックなど)が少なくなる。
AP300は、セルラ通信システム(本実施形態では、LTEシステム)のオペレータにより運用される。このようなAP300は、Planned APと称される。UE100−4は、AP300−3に接続しており、AP300−3とのWLAN通信を行っている。一方、AP300−1及びAP300−2には、接続するUE100が存在しない。
次に、第1実施形態に係る動作の概要を説明する。第1実施形態は、eNB200の負荷をAP300に分散(オフロード)する実施形態である。
第1に、UE100は、自身が接続可能なAP300(Planned AP)に関するリスト(以下、「APホワイトリスト」と称する)を記憶する。APホワイトリストは、UE100が接続可能なAP300の識別子を含む。APホワイトリストは、そのAP300の周辺位置に関するAP位置情報をさらに含んでもよい。或いは、APホワイトリストは、eNB200のセルの識別子(セル識別子)をさらに含んでもよい。なお、AP300の識別子とは、例えばSSID(Service Set Identifier)又はESSID(Extended Service Set Identifier)である。
APホワイトリストは、UE100が自律的に更新する場合と、eNB200がUE100に設定する場合と、これを組み合わせた場合とがある。UE100がAPホワイトリストを自律的に更新する場合、UE100は、AP300に接続した後、AP300がPlanned APである旨をAP300から通知された場合に、APホワイトリストを更新する。これに対し、eNB200がUE100にAPホワイトリストを設定する場合、eNB200のカバレッジ内に設けられた各AP300に関するAPホワイトリストをUE100がeNB200から受信して記憶する。この場合、APホワイトリストは、eNB200単位(或いはセル単位)で管理されてもよく、トラッキングエリア単位で管理されてもよい。
また、eNB200はUE100にAPホワイトリストを送信する前に、そのUE100にAPホワイトリストを送信するべきかどうかを判断してもよい。例えば単位時間あたりのハンドオーバ回数や位置情報などからUE100が高速で移動していると推定され、eNB200のカバレッジからはずれることが推測される様な場合には、UE100にAPホワイトリストを渡さない。或いは、そのような判断をUE100側で行ってもよい。具体的には、APホワイトリストを記憶しているUE100は、例えば単位時間あたりのハンドオーバ回数や位置情報などから自身が高速で移動していると推定され、eNB200のカバレッジからはずれることが推測される様な場合には、当該APホワイトリストを使用しない。
さらに、eNB200はUE100にAPホワイトリストを送信する前に、そのAPホワイトリストに含まれるAP300の数を調整してもよい。例えば単位時間あたりのハンドオーバ回数や位置情報などからUE100の移動速度を推定し、UE100の移動速度が低いほど、APホワイトリストに含めるAP300の地理的範囲を狭くして、APホワイトリストに含まれるAP300の数を少なくする。或いは、そのような調整をUE100側で行ってもよい。具体的には、APホワイトリストを記憶しているUE100は、例えば単位時間あたりのハンドオーバ回数や位置情報などからUE100の移動速度を推定し、UE100の移動速度が低いほど、APホワイトリストに含まれているAP300のうち、対象とするAP300の地理的範囲を狭くして、対象とするAP300の数を少なくする。
UE100は、自身が送受信するトラフィック量又はトラフィック種別、或いはUE100の無線通信環境などを考慮して、APホワイトリストを使用するか否かを判断してもよい。例えば、UE100は、自身が送受信するトラフィック量が多い場合、又はUE100が送受信するトラフィックのQoSが低い場合に、APホワイトリストを使用する。それ以外の場合には、APホワイトリストを使用しない。
なお、eNB200は、オフロードが不要である場合に、APホワイトリストにAP情報を含めずにUE100に設定してもよい。
第2に、UE100は、自身がeNB200と接続している場合で、かつ、WLAN送受信機112がオフ状態である場合に、自身がAP300に近接したことをAPホワイトリストに基づいて検知する。UE100は、例えばGNSS受信機130により把握されるUE位置情報又はネットワークから得られるUE位置情報をAP位置情報と比較することで、自身がAP300に近接したことを検知できる。ここで「近接したことを検知」とは、上述したように、「近接したと認識する」という意味であり、実際には近接していない場合(誤検出の場合)もあり得る。或いは、UE100は、APホワイトリストにセル識別子が含まれる場合に、接続先のセルのセル識別子とAPホワイトリストに含まれるセル識別子とを比較することで、自身がAP300に近接したことを検知してもよい。
第3に、UE100は、自身がAP300に近接したことを検知した後、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。具体的には、UE100は、AP300からのWLAN信号(ビーコン信号)を受信できるか否かを確認する。UE100は、APホワイトリストに基づいて、近接を検知したAP300の識別子(SSID/ESSID)を含んだビーコン信号を対象としてWLANスキャンを行ってもよい。
従って、AP300に近接するUE100が該AP300を発見できる。その結果、UE100をAP300に接続させることができるため、AP300を効率的に利用し、eNB200の負荷をAP300に分散(オフロード)できる。
次に、第1実施形態に係る動作の具体例を説明する。図8は、第1実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。図8の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS1101)。
図8に示すように、ステップS1102において、eNB200は、APホワイトリストをUE100に送信する。例えば、APホワイトリストは、RRCメッセージを用いて送信される。UE100は、eNB200から受信したAPホワイトリストを記憶する。UE100が自律的にAPホワイトリストを更新する場合には、ステップS1102を不要としてもよい。
ステップS1103において、UE100は、APホワイトリストに基づいて、自身がAP300に近接したか否かを判断する。ここでは、UE100が、AP300に近接したことを検知したと仮定して、説明を進める。
ステップS1104において、UE100は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを開始する。
ステップS1105において、UE100は、AP300からのビーコン信号を受信する。
ステップS1106において、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に基づいて、AP300を発見する。また、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に含まれる識別子(SSID/ESSID)を抽出する。
ステップS1107において、UE100は、AP300が発見されたことを示す発見通知(AP発見通知)をeNB200に送信する。AP発見通知は、発見されたAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
ステップS1108において、eNB200は、UE100から受信したAP発見通知に基づいて、UE100をAP300に接続させるか否か(すなわち、オフロードを行うか否か)を判断する。eNB200は、自身の負荷レベル、UE100が送受信するトラフィック量又はトラフィック種別などを考慮して、かかる判断を行ってもよい。例えば、eNB200は、自身の負荷レベルが高い場合に、UE100をAP300に接続させると判断する。また、eNB200は、UE100が送受信するトラフィック量が多い場合、又はUE100が送受信するトラフィックのQoSが低い場合に、UE100をAP300に接続させると判断する。ここでは、eNB200が、UE100をAP300に接続させると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS1109において、eNB200は、AP300へのUE100の接続を要求する要求情報をAP300に送信する。
ステップS1110において、AP300は、eNB200からの要求情報に対する応答(Ack)をeNB200に送信する。
ステップS1111において、eNB200は、AP300からの応答(Ack)を受信したことに応じて、AP300への接続を指示する接続指示をUE100に送信する。接続指示は、UE100がAP300と送受信すべきトラフィック種別を指定する情報を含んでもよい。
UE100は、eNB200から接続指示を受信した場合に、AP300と接続し、AP300とのWLAN通信を開始する。接続指示がトラフィック種別を指定する情報を含んでいる場合、UE100は、指定されたトラフィック種別をWLAN通信により送受信する。
UE100は、AP300との接続が完了した際に、その旨をeNB200に通知してもよい。或いは、AP300は、UE100が接続した旨をeNB200に通知してもよい。
これに対し、UE100がeNB200にAP発見通知を送信してから所定のタイマ時間が経過するまでの間に、eNB200からの接続指示を受信しない場合、UE100は、タイムアウトと判断して、WLAN送受信機112をオフ状態に切り替えもよい。或いは、AP300へ接続しないよう指示する接続停止指示をeNB200からUE100に送信し、UE100が接続停止指示を受信した場合にWLAN送受信機112をオフ状態に切り替えもよい。
図9は、第1実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
図9に示すように、ステップS1201乃至S1204は、動作パターン1と同様である。ただし、動作パターン2では、ステップS1201において、eNB200は、AP300がオフ状態(スリープ状態)であるか否かを把握してもよい。
UE100がAP300への近接を検知し(ステップS1203)、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えた(ステップS1204)後、ステップS1205において、UE100は、自身がAP300に近接したことを示す近接通知をeNB200に送信する。近接通知は、UE100が近接を検知したAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。なお、ステップS1204は、ステップS1205の後又ステップS1206の後に行われてもよい。近接通知に代えて、AP発見通知(測定報告)を使用してもよい。
ステップS1205aにおいて、eNB200は、UE100からの近接通知に含まれる識別子(SSID/ESSID)に対応するAP300がオフ状態である場合、該AP300を起動する。eNB200は、該AP300がオン状態である場合に、ビーコン信号の送信周期を一定期間において短く設定するよう要求する設定要求をAP300に送信してもよい。
ステップS1206において、eNB200は、WLANスキャンを指示するスキャン指示をUE100に送信する。スキャン指示は、WLANスキャンを行うべきタイミング及び周波数などを指定する情報を含む。WLANスキャンを行うべきタイミングは、AP300がビーコン信号をブロードキャストするタイミングとすることが好ましい。かかるブロードキャストタイミングは、eNB200のタイミングを基準としたオフセットで表現してもよい。UE100は、eNB200から受信したスキャン指示により設定されるタイミング及び周波数などに従ってWLANスキャンを行う。
なお、eNB200は、AP300がビーコン信号をブロードキャストするタイミングを考慮し、セルラ通信の測定周期をUE100へ再設定しても良い。かかる設定は、WLANスキャンのタイミングにおいてセルラ通信の測定を行なわないタイミングとするよう設定することが好ましい。
ステップS1207において、UE100は、AP300からのビーコン信号を受信する。
ステップS1208において、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に基づいて、AP300を発見する。また、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に含まれる識別子(SSID/ESSID)を抽出する。
ステップS1209において、UE100は、AP300が発見されたことを示す発見通知(AP発見通知)をeNB200に送信する。AP発見通知は、発見されたAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。AP発見通知は、AP300からのビーコン信号についての測定情報(受信電力など)を含んでもよい。
以降の動作については、動作パターン1と同様である。ただし、eNB200は、ビーコン信号の送信周期を一定期間において短く設定するようAP300に要求している場合で、かつ、AP300に接続した旨をUE100から通知された時点で該一定期間が満了していない場合には、ビーコン信号の送信周期を元に戻すようAP300に要求してもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態について、上述した第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態はeNB200主導の動作である点で第1実施形態と異なる。
まず、第2実施形態に係る動作の概要を説明する。第2実施形態では、eNB200は、AP300をスキャンするためのトリガ情報を、eNB200に接続している1又は複数のUE100に送信する。eNB200は、eNB200の負荷レベルが高い(閾値を超えた)場合に、トリガ情報を送信してもよい。
第2実施形態に係る動作パターン1では、トリガ情報は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えるよう指示する情報である。eNB200は、選択したUE100に対してトリガ情報を送信する。UE100は、トリガ情報を受信した場合に、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。
第2実施形態に係る動作パターン2では、トリガ情報は、AP300の位置を示すAP位置情報を含む。eNB200は、選択したUE100に対してトリガ情報を送信する。UE100は、トリガ情報を受信し、かつ、AP300に近接したことをAP位置情報に基づいて検知した場合に、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。
第2実施形態に係る動作パターン3では、トリガ情報は、スキャンを行うべき条件を示す条件情報を含む。eNB200は、トリガ情報をブロードキャストで送信する。UE100は、トリガ情報を受信し、かつ、WLANスキャンを行うべき条件が満たされたことを条件情報に基づいて検知した場合に、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。
第2実施形態に係る他の動作パターンでは、トリガ情報は、オフロード嗜好インジケータ(Offload preference indicator)であってもよい。或いは、トリガ情報に加えて、又はトリガ情報に代えて、ネットワーク選択のパラメータを使用してもよい。他の動作パターンについては、第7実施形態及び付記等において説明する。
次に、第2実施形態に係る動作の具体例を説明する。図10は、第2実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。図10の初期状態において、UE100(UE100−1乃至UE100−N)は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS2101)。
図10に示すように、ステップS2102において、eNB200は、AP300へのUE100の接続を要求する要求情報をAP300に送信する。
ステップS2103において、AP300は、eNB200からの要求情報に対する応答(Ack)をeNB200に送信する。eNB200は、応答(Ack)が得られたAP300の識別子(SSID/ESSID)を記憶する。
ステップS2104において、eNB200は、トリガ情報の送信先とすべきUE100を選択する。eNB200は、UE100が送受信するトラフィック量又はトラフィック種別、或いはUE100の無線通信環境などを考慮して、かかる判断を行ってもよい。例えば、eNB200は、UE100が送受信するトラフィック量が多い場合、又はUE100が送受信するトラフィックのQoSが低い場合に、該UE100をトリガ情報の送信先として選択する。或いは、eNB200は、UE100とeNB200との間の距離をパスロス又はタイミングアドバンスなどに基づいて推定し、遠方にいるUE100をトリガ情報の送信先として選択してもよい。或いは、eNB200は、自身とUE100との間の無線品質の情報に基づいてUE100がセルエッジにいるか否かを判断し、セルエッジにいると判断したUE100をトリガ情報の送信先として選択してもよい。
なお、eNB200は、ステップS2104に先立ち、WLANのサポート有無をUE100毎に問い合わせてもよい。或いは、eNB200は、UE100のCapability情報として事前にUE100のWLANのサポート有無を把握していてもよい。この場合、UE100からeNB200に通知されるCapability情報は、UE100のWLANのサポート有無の情報を含む。eNB200は、WLANをサポートしないUE100を選択対象から除外する。
ステップS2105において、eNB200は、選択したUE100に対して、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えるよう指示する情報(WLANオン指示)をトリガ情報として送信する。
ステップS2106において、トリガ情報(WLANオン指示)を受信したUE100は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてスキャンを行う。なお、WLANをサポートしないUE100がトリガ情報を受信した場合には、トリガ情報を無視してもよく、eNB200にその旨を通知してもよい。
ステップS2107において、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に基づいて、AP300を発見する。また、UE100は、AP300から受信したビーコン信号に含まれる識別子(SSID/ESSID)を抽出する。
ステップS2108において、UE100は、AP300が発見されたことを示すAP発見通知をeNB200に送信する。AP発見通知は、発見されたAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
ステップS2109において、eNB200は、UE100から受信したAP発見通知に基づいて、UE100をAP300に接続させるか否か(すなわち、オフロードを行うか否か)を判断する。判断方法については、第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態では、eNB200は、応答(Ack)が得られていないAP300を発見したUE100については、AP300に接続させないと判断する。
ステップS2110において、eNB200は、AP300に接続させると判断したUE100に対して、AP300への接続を指示する接続指示を送信する。接続指示は、UE100がAP300と送受信すべきトラフィック種別を指定する情報を含んでもよい。
UE100は、eNB200から接続指示を受信した場合に、AP300と接続し、AP300とのWLAN通信を開始する。さらに、接続指示がトラフィック種別を指定する情報を含んでいれば、指定されたトラフィック種別をWLAN通信により送受信する。
ステップS2111において、eNB200は、AP300に分散(オフロード)した負荷レベルが閾値を超えるか否か(すなわち、eNB200の負荷レベルが目標値まで低減したか否か)を判断する。オフロードした負荷レベルが閾値未満である場合には、ステップS2104の処理に戻る。
図11は、第2実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
図11に示すように、ステップS2201乃至S2204は、動作パターン1と同様である。
ステップS2205において、eNB200は、選択したUE100に対して、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えるよう指示する情報(WLANオン指示)をトリガ情報として送信する。トリガ情報は、AP位置情報を含む。
ステップS2206及びS2207において、トリガ情報(WLANオン指示)を受信したUE100は、例えば、WLANオン指示に含まれるAP位置情報と、UE位置情報と、に基づいて、自身がAP300に近接するか否かを判断する。かかる判断方法については、第1実施形態と同様である。
AP300に近接すると判断したUE100は、ステップS2208において、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。以降の動作(ステップS2209乃至S2213)については、動作パターン1と同様である。
図12は、第2実施形態に係る動作パターン3のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
図12に示すように、ステップS2301乃至S2303は、動作パターン1と同様である。
ステップS2304において、eNB200は、WLANスキャンを行うべき条件(スキャン実行条件)を決定する。スキャン実行条件は、例えばWLANをサポートしているという条件である。スキャン実行条件は、オペレータポリシーにより定められてもよい。
ステップS2305において、eNB200は、自身に接続する各UE100に対して、スキャン実行条件を含むトリガ情報をブロードキャストで送信する。すなわち、かかるトリガ情報は、条件付きのWLANオン指示とみなすことができる。
トリガ情報を受信したUE100は、ステップS2306において、スキャン実行条件を満たすか否かを判断する。スキャン実行条件を満たすと判断したUE100は、ステップS2307において、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを行う。以降の動作については、動作パターン1と同様である。
なお、第2実施形態では、UE100は、eNB200から受信した情報を使用するべきかどうかを判断してもよい。例えば単位時間あたりのハンドオーバ回数や位置情報などからUE100が高速で移動していると推定され、eNB200のカバレッジからはずれることが推測される様な場合には、eNB200から受信した情報を使用しない。
或いは、UE100は、自身が送受信するトラフィック量又はトラフィック種別、或いはUE100の無線通信環境などを考慮して、eNB200から受信した情報を使用するか否かを判断してもよい。例えば、UE100は、自身が送受信するトラフィック量が多い場合、又はUE100が送受信するトラフィックのQoSが低い場合に、eNB200から受信した情報を使用する。それ以外の場合には、eNB200から受信した情報を使用しない。
[第3実施形態]
第3実施形態について、上述した第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
第3実施形態に係るAP300は、セルラ周波数帯域内で発見用信号(ビーコン信号)を送信可能に構成される。図13は、第3実施形態に係るAP300のブロック図である。図13に示すように、AP300は、WLAN送受信機311に加えて、セルラ送受信機312を有する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
また、第3実施形態では、AP300へのオフロードだけでなく、小セルへのオフロードも可能とする。第3実施形態では、小セルを管理するHeNB400(図7参照)は、マクロセルが属する周波数(第1の周波数)で発見用信号を送信可能に構成される。HeNB400(小セル)が送信する発見用信号は、セル固有参照信号(CRS)の一種であってもよく、通常のCRSよりも高密度、長周期で送信される信号であってもよい。図14は、第3実施形態に係るHeNB400のブロック図である。図14に示すように、HeNB400は、小セル帯域(第2の周波数)用のセルラ送受信機411に加えて、マクロセル帯域(第1の周波数)用のセルラ送受信機412を有する。その他の構成は、eNB200と同様である。
以下においては、AP300及びHeNB400を適宜「特定機器」と称する。第3実施形態では、特定機器は、図15に示すように、セルラ周波数帯域内、かつ、特定の期間において、該特定機器の存在を知らせるための発見用信号をブロードキャストする。eNB200に接続するUE100は、セルラ周波数帯域内、かつ、特定の期間において、セルラ送受信機111により発見用信号をスキャンする。第3実施形態では、特定の期間は、サブフレーム単位で構成されるが、他の時間単位(スロット、シンボルなど)で構成されていてもよい。
すなわち、AP300は、セルラ周波数帯域とは異なるWLAN周波数帯域内でWLAN通信を行うものの、セルラ周波数帯域内で発見用信号(ビーコン信号)をブロードキャストする。また、HeNB400は、小セル帯域内でセルラ通信を行うものの、マクロセル帯域内で発見用信号をブロードキャストする。
これにより、eNB200(マクロセル)に接続するUE100は、eNB200に接続しつつ、特定機器(AP300、HeNB400)からの発見用信号を受信できるため、eNB200と接続中に特定機器を容易に発見できる。その結果、UE100を特定機器に接続させることができる。なお、特定機器は、自身の負荷レベルが高い場合には、発見用信号のブロードキャストを停止してもよい。
特定のサブフレームの情報(サブフレーム番号など)については、UE100が予め記憶していてもよく、eNB200がUE100に通知してもよい。特定のサブフレームをeNB200がUE100に通知する場合、eNB200は、特定のサブフレームをMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)用のサブフレームとしてUE100に認識させてもよい。
eNB200及び特定機器は、同期がとられていることが好ましいが、非同期である場合には特定機器はeNB200との同期をとる必要がある。特定機器は、マクロセル周波数帯で通信を行う機能を有するため、UE100としてeNB200にアクセスすることで、eNB200の下りリンクサブフレームタイミングを検出できる。この場合、特定機器は、eNB200から割り当てられるタイミングアドバンスに基づいてeNB200の下りリンクサブフレームタイミングを検出してもよい。
また、eNB200は、UE100が発見用信号を受信し易くするために、特定のサブフレームにおいて自身の送信、及び/又は、自身に接続するUE100の送信を停止させることが好ましい。
次に、第3実施形態に係る動作について、特定機器がAP300である場合の動作具体例を説明する。図16は、第3実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。図16の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS3101)。
図16に示すように、ステップS3102において、AP300は、セルラ周波数帯域内、かつ、特定のサブフレームにおいて、発見用信号をブロードキャストする。発見用信号は、AP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。eNB200に接続するUE100は、セルラ周波数帯域内、かつ、特定のサブフレームにおいて、発見用信号をスキャンする。
ステップS3103において、UE100は、スキャンによりAP300からの発見用信号を検出(すなわち、AP300を発見)する。また、UE100は、検出した発見用信号に含まれる識別子(SSID/ESSID)を抽出する。
ステップS3104において、UE100は、AP300が発見されたことを示すAP発見通知をeNB200に送信する。AP発見通知は、発見されたAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
ステップS3105において、eNB200は、UE100から受信したAP発見通知に基づいて、UE100をAP300に接続させるか否か(すなわち、オフロードを行うか否か)を判断する。かかる判断方法については、第1実施形態と同様である。ここでは、eNB200が、UE100をAP300に接続させると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS3106において、eNB200は、AP300への接続を指示する接続指示をUE100に送信する。接続指示は、UE100がAP300と送受信すべきトラフィック種別を指定する情報を含んでもよい。なお、この時点ではUE100のWLAN送受信機112がオフ状態であるため、接続指示は、WLANスキャン指示とみなすこともできる。
ステップS3107において、UE100は、eNB200から接続指示を受信したことに応じて、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えて、WLAN周波数帯域でのWLANスキャンを開始する。
ステップS3108において、WLAN周波数帯域でのスキャンによりAP300が発見されない場合、UE100は、AP300のWLAN送受信機311がオフ状態(スリープ状態)であると判断し、WLANオン要求をeNB200に送信する(ステップS3109)。そして、ステップS3110において、eNB200は、UE100からのWLANオン要求に応じて、AP300へ起動指示を送信する。その結果、AP300のWLAN送受信機311がオン状態に切り替わり、WLAN送受信機311からビーコン信号の送信が開始される(ステップS3111)。また、ステップS3113において、AP300は、起動した旨の通知をeNB200に送信する。
ステップS3112において、UE100は、WLAN周波数帯域でのスキャンによりAP300からのビーコン信号を検出(すなわち、AP300を発見)する。
ステップS3114において、UE100は、AP300と接続し、AP300とのWLAN通信を開始する。接続指示がトラフィック種別を指定する情報を含んでいれば、指定されたトラフィック種別をWLAN通信により送受信する。
UE100は、AP300との接続が完了した際に、その旨をeNB200に通知してもよい。或いは、AP300は、UE100が接続した旨をeNB200に通知してもよい。
図17は、第3実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
上述した動作パターン1では、UE100をAP300に接続させるか否かの判断を、UE100がWLAN周波数帯域でAP300を発見する前に行っていた。これに対し、動作パターン2では、図17に示すように、かかる判断(ステップS3212)を、UE100がWLAN周波数帯域でAP300を発見(ステップS3209)した後に行う。
具体的には、ステップS3211において、UE100は、WLAN周波数帯域でAP300が発見されたことを示すAP発見通知をeNB200に送信する。AP発見通知は、発見されたAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
ステップS3212において、eNB200は、UE100から受信したAP発見通知に基づいて、UE100をAP300に接続させるか否か(すなわち、オフロードを行うか否か)を判断する。ここでは、eNB200が、UE100をAP300に接続させると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS3213において、eNB200は、AP300への接続を指示する接続指示をUE100に送信する。接続指示は、UE100がAP300と送受信すべきトラフィック種別を指定する情報を含んでもよい。
ステップS3214において、UE100は、eNB200からの接続指示に応じて、AP300と接続し、AP300とのWLAN通信を開始する。さらに、接続指示がトラフィック種別を指定する情報を含んでいれば、指定されたトラフィック種別をWLAN通信により送受信する。
次に、第3実施形態に係る動作について、特定機器がHeNB400(小セル)である場合の動作具体例を説明する。特定機器がHeNB400である場合、動作パターン1と同様の手順を適用してもよく、動作パターン2と同様の手順を適用してもよい。
ただし、eNB200のカバレッジ内に複数のHeNB400が設けられる場合には、次のようにして発見用信号の送信タイミングを設定することが好ましい。図18は、複数のHeNB400が発見用信号を同一サブフレームで一斉送信する様子を示す。これに対し、図19は、複数のHeNB400が特定のグループ単位でグループ化されており、グループ毎に異なるサブフレームで発見用信号を送信する様子を示す。
eNB200のカバレッジ内に複数のHeNB400が設けられる場合、各HeNB400は、eNB200の周波数帯域(マクロセル周波数帯)で発見用信号を送信する。しかしながら、HeNB400が実際に通信に使用する周波数帯域は同一ではなく、UE100も全ての周波数帯域をサポートしているとは限らない。よって、UE100は、マクロセル周波数帯でHeNB400からの発見用信号を検出しても、そのHeNB400の周波数帯域をサポートしていないのであれば、そのHeNB400に接続できないことになる。
そこで、HeNB400を周波数帯域別にグループ化し、グループ毎に異なるサブフレームで発見用信号を送信するようにする。また、UE100は、自身がサポートする周波数帯域に対応するサブフレームにおいてのみ発見用信号をスキャンする。このようにすれば、UE100は、接続可能なHeNB400のみを発見することができる。
なお、第3実施形態では、特定機器としてAP300及びHeNB400を例示したが、特定機器は、端末間無線通信をサポートするUEであってもよい。端末間無線通信は、D2D(Device to Device)通信と称される。D2D通信は、複数のUEが、EPC20を介さずに直接的に通信を行うものである。D2D通信をセルラ周波数帯域内で行うUEは、HeNB400と同様の位置付けとすることができる。一方、D2D通信をセルラ周波数帯域外で行うUEは、AP300と同様の位置付けとすることができる。また、eNB200のカバレッジ内に特定機器が複数含まれている場合、特定機器ごとにグループ化し、グループ毎に異なるサブフレームで発見用信号を送信するようにしてもよい。
或いは、特定機器は、アンライセンスバンドで通信を行うセルラ基地局であってもよい。
[第4実施形態]
第4実施形態について、上述した第1実施形態乃至第3実施形態との相違点を主として説明する。第4実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第3実施形態と同様である。
上述した第3実施形態では、AP300は、セルラ周波数帯域内で発見用信号としてのビーコン信号を送信していた。これに対し、第4実施形態では、AP300は、セルラ周波数帯域内でビーコン信号を送信するのではなく、セルラ周波数帯域内で通常のセルラ参照信号(例えば、CRS)を送信する。
第4実施形態では、AP300には、AP300を識別するセル識別子が割り当てられている。すなわち、AP300は、WLANシステムに属するものの、セルラ通信システム(LTEシステム)で使用されるセル識別子が割り当てられている。eNB200は、AP300に割り当てられているセル識別子を記憶する。
図20は、第4実施形態に係るシーケンス図である。図20の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS4101)。
図20に示すように、ステップS4102において、AP300は、セルラ周波数帯域内でセルラ参照信号をブロードキャストする。AP300が送信するセルラ参照信号は、AP300に割り当てられたセル識別子を含む。
eNB200に接続するUE100は、セルラ周波数帯域内でAP300からブロードキャストされるセルラ参照信号を受信する。この場合、UE100の視点では、セルラ参照信号の送信元がAP300であることを識別できないため、通常の動作に従ってセルラ参照信号に対する測定(例えば、受信電力の測定)を行い、測定結果を示す測定情報をeNB200に報告する(ステップS4104)。測定情報は、測定対象のセルのセル識別子を含む。
ステップS4105において、eNB200は、UE100から報告された測定情報に基づいて、UE100がAP300からのセルラ参照信号を受信したか否かを判断する。eNB200は、例えば、測定情報に含まれるセル識別子が、AP300に割り当てられたセル識別子と一致することを確認すると、UE100がAP300からのセルラ参照信号を受信したと判断する。
ステップS4106において、eNB200は、UE100をAP300に接続させるか否か(すなわち、オフロードを行うか否か)を判断する。かかる判断方法については、第1実施形態と同様である。以降の動作については、第3実施形態に係る動作パターン1と同様である。
なお、第4実施形態では、AP300に代えて、アンライセンスバンドで通信を行うセルラ基地局を使用してもよい。
[第5実施形態]
第5実施形態について、上述した第1実施形態乃至第4実施形態との相違点を主として説明する。第5実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第3実施形態と同様である。
第5実施形態では、AP300は、eNB200に接続するUE100が送信するセルラ上りリンク信号を検出することにより、AP300にUE100が近接したことを検知する。AP300は、セルラ上りリンク信号の検出に基づいて、AP300にUE100が近接したことを示す通知をeNB200に送信する。eNB200は、AP300からの通知に基づいて、AP300をスキャンするための情報をUE100に送信する。
第5実施形態に係る動作パターン1及び2では、AP300は、UE100が送信するセルラ上りリンク信号に関する信号情報をeNB200から取得し、該信号情報に基づいて、UE100とAP300との間のパスロスを推定する。AP300は、パスロスが閾値未満である場合に、AP300にUE100が近接すると判断する。
第5実施形態に係る動作パターン3では、AP300は、AP300とeNB200との間の距離と、セルラ上りリンク信号の受信電力と、に基づいて、AP300にUE100が近接するか否かを判断する。
図21は、第5実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。図21の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS5101)。
図21に示すように、ステップS5102において、AP300は、ビーコン信号を送信する。
ステップS5103において、UE100は、eNB200へのセルラ上りリンク信号を送信する。セルラ上りリンク信号は、例えば上りリンク参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)であってもよい。
ステップS5104において、AP300は、UE100からのセルラ上りリンク信号を受信し、UE100の存在を検出する。また、AP300は、UE100からのセルラ上りリンク信号の受信電力を測定するとともに、該セルラ上りリンク信号に対応するリソースエレメントを特定する。
ステップS5105において、AP300は、特定したリソースエレメントの情報をeNB200に送信する。AP300は、測定した上りリンク受信電力の情報もeNB200に送信してもよい。
ステップS5106において、eNB200は、AP300から受信したリソースエレメント情報に基づいて、そのリソースエレメントが割り当てられたUE100を特定する。なお、第5実施形態では、eNB200が割当履歴の情報を記憶していることを前提としている。
ステップS5107において、eNB200は、特定したUE100についてのSRS設定情報及び上りリンク送信電力を特定する。
ステップS5108において、eNB200は、特定したSRS設定情報及び上りリンク送信電力の情報をAP300に送信する。
ステップS5109において、AP300は、eNB200から受信したSRS設定情報及び上りリンク送信電力に基づいて、UE100とAP300との間のパスロスを推定する。パスロスは、「UE100の送信電力(ステップS5108で得られた上りリンク送信電力)」から、「AP300の受信電力(ステップS5104で測定された受信電力)」を減算することで求められる。
ステップS5110において、AP300は、推定したパスロスを閾値と比較し、パスロスが閾値未満であるか否かを確認する。ここでは、パスロスが閾値未満であると仮定して、説明を進める。
ステップS5111において、AP300は、UE100がAP300に近接したことを示す通知をeNB200に送信する。
ステップS5112において、eNB200は、UE100をAP300に接続させるか否かを判断する。かかる判断方法については、第1実施形態と同様である。ここでは、UE100をAP300に接続させると判断されたと仮定して、説明を進める。
ステップS5113において、eNB200は、AP300への接続指示(スキャン指示)をUE100に送信する。接続指示は、AP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
ステップS5114において、UE100は、接続指示を受信したことに応じて、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてスキャンを行う。
ステップS5115において、UE100は、スキャンによりAP300を発見する。
ステップS5116において、UE100は、AP300に接続する。
図22は、第5実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。動作パターン2は、AP300における近接検知の方法が動作パターン1とは異なる。
図22に示すように、ステップS5201乃至S5203は動作パターン1と同様である。
ステップS5204において、AP300は、UE100からのセルラ上りリンク信号を受信したことを示す通知をeNB200に送信する。
ステップS5205において、eNB200は、UE100をAP300に接続させるか否かを判断する。ここでは、eNB200は、大まかな判断、例えばオフロードの必要性のみを判断する。ここでは、eNB200が、UE100をAP300に接続させると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS5206において、eNB200は、UE100に割り当てられている物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)に関する情報(送信電力、送信タイミング及びプリアンブルなど)をAP300に送信する。
ステップS5207において、eNB200は、PRACH上でプリアンブル(ステップS5206でAP300に通知したプリアンブル)を送信するようUE100に指示する。
ステップS5208において、UE100は、eNB200からの指示に従い、PRACH上でプリアンブルを送信する。
ステップS5209において、AP300は、eNB200からの情報に基づいて、UE100からのプリアンブルを検出し、受信電力を測定する。
ステップS5210において、AP300は、検出したプリアンブルに基づいて、UE100とAP300との間のパスロスを推定する。パスロスは、「UE100の送信電力(ステップS5206で得られた送信電力)」から、「AP300の受信電力(ステップS5209で測定された受信電力)」を減算することで求められる。
以降の動作については、動作パターン1と同様である。
次に、第5実施形態に係る動作パターン3について説明する。動作パターン3では、AP300は、UE100からのセルラ上りリンク信号を検出した後、eNB200から情報を取得することなく、UE100がAP300に近接するか否かを判断する。具体的には、AP300は、自身がeNB200の遠方に設けられていることを確認した上で、UE100からのセルラ上りリンク信号の受信電力が高い場合には、UE100がAP300に近接すると判断する。
なお、第5実施形態では、AP300に代えて、アンライセンスバンドで通信を行うセルラ基地局を使用してもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態について、上述した第1実施形態乃至第5実施形態との相違点を主として説明する。第5実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第1実施形態と同様である。
上述した第1実施形態乃至第5実施形態は、UE100を極力AP300に接続させる実施形態であった。これに対し、第5実施形態は、特定の状況下でUE100を極力AP300に接続させないようにする。具体的には、図7に示したようにAP300のカバレッジは狭いため、高速に移動するUE100は、AP300のカバレッジを直ぐに通過してしまう。よって、高速に移動するUE100は、WLANスキャンを行わないことが効率的である。
従って、第6実施形態では、eNB200に接続するUE100は、自身の移動速度を導出し、該移動速度が閾値を超える場合には、WLAN送受信機112がオン状態であっても、UE100がWLANスキャンを停止する。
図23は、第6実施形態に係るシーケンス図である。図23の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。
ステップS6101において、UE100は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを開始する。
ステップS6102において、UE100は、自身の移動速度を導出(算出)する。UE100の移動速度は、例えばGNSSにより得られるUE位置情報から導出できる。そして、UE100は、自身の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、UE100が、自身の移動速度が閾値を超えると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS6103において、UE100は、WLANスキャンを停止する。
ステップS6104において、UE100は、自身の移動速度を導出(算出)する。そして、UE100は、自身の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、UE100が、自身の移動速度が閾値以下であると判断したと仮定して、説明を進める。この場合、UE100は、WLANスキャンを再開する。
ステップS6105において、UE100は、AP300からのビーコン信号を受信する。
ステップS6106において、UE100は、スキャンによりAP300からのビーコン信号を検出(すなわち、AP300を発見)する。
なお、第6実施形態では、UE100の移動速度を判断基準としてAP300への接続規制を行っていたが、他の判断基準を使用してもよい。例えば、トラフィック種別を判断基準として、UE100が送受信するトラフィック種別が特定のトラフィック種別(例えば、QoSの高いトラフィック)である場合に、AP300への接続規制を行ってもよい。この場合、AP300へ接続を切り替えることによる通信の中断を防止できる。
[第7実施形態]
第7実施形態について、上述した第1実施形態乃至第6実施形態との相違点を主として説明する。第7実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第1実施形態と同様である。
第7実施形態は、第6実施形態と同様に、特定の状況下でAP300への接続規制を行う。ただし、第7実施形態では、eNB200主導でAP300への接続規制を行う。
第7実施形態に係るeNB200は、eNB200に接続するUE100に対して、WLANスキャンをUE100が行うか否かを制御する制御情報を送信する。
第7実施形態に係る動作パターン1では、eNB200は、スキャンを行うべき条件が満たされた場合には、スキャンを行うよう指示する制御情報を送信し、該条件が満たされない場合には、スキャンを停止するよう指示する制御情報を送信する。
第7実施形態に係る動作パターン2では、eNB200は、スキャンを行うべき条件又はスキャンを停止すべき条件を示す条件情報を制御情報に含める。この場合、UE100は、条件情報に基づいて、スキャンを停止すべきか否かを判断する。
図24は、第7実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。図24の初期状態において、UE100は、eNB200に接続しており、かつ、WLAN送受信機112をオフ状態にしている。
図24に示すように、ステップS7101において、UE100は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを開始する。
ステップS7102において、eNB200は、UE100の移動速度を導出(算出)する。UE100の移動速度は、例えばEPC20で管理されているUE移動速度情報(単位時間当たりのハンドオーバ回数)を使用できる。そして、eNB200は、UE100の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、eNB200が、UE100の移動速度が閾値を超えると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS7103において、eNB200は、スキャンを停止するよう指示する制御情報をUE100に送信する。
ステップS7104において、UE100は、eNB200からの制御情報に従い、WLANスキャンを停止する。
ステップS7105において、eNB200は、UE100の移動速度を導出(算出)する。そして、eNB200は、UE100の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、eNB200が、UE100の移動速度が閾値以下であると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS7106において、eNB200は、スキャンを行うよう指示する制御情報をUE100に送信する。UE100は、eNB200からの制御情報に従い、WLANスキャンを再開する。
ステップS7107において、UE100は、AP300からのビーコン信号を受信する。
ステップS7108において、UE100は、スキャンによりAP300からのビーコン信号を検出(すなわち、AP300を発見)する。
なお、動作パターン1では、UE100の移動速度を判断基準としてAP300への接続規制を行っていたが、他の判断基準を使用してもよい。例えば、トラフィック種別を判断基準として、UE100が特定のトラフィック種別(例えば、QoSの高いトラフィック)の送受信を開始する場合に、AP300への接続規制を行ってもよい。或いは、eNB200の負荷レベルを判断基準として、eNB200の負荷レベルが低い場合に、AP300への接続規制を行ってもよい。或いは、UE100とeNB200との間の無線品質を判断基準として、該無線品質が高い場合に、AP300への接続規制を行ってもよい。
図25は、第7実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
ステップS7201において、eNB200は、スキャンを行うべき条件又はスキャンを停止すべき条件を示す条件情報を含んだ制御情報をUE100に送信する。条件情報で指定される判断基準は、上述したように、UE移動速度、トラフィック種別又は無線品質などである。
ステップS7202において、UE100は、条件情報で示される条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、スキャンを行うべき条件が満たされなかった(又はスキャンを停止すべき条件が満たされた)と仮定して、説明を進める。
ステップS7203において、UE100は、WLANスキャンを停止する。
ステップS7204において、UE100は、条件情報で示される条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、スキャンを行うべき条件が満たされた(又はスキャンを停止すべき条件が満たされなかった)と仮定して、説明を進める。
ステップS7205において、UE100は、WLAN送受信機112をオン状態に切り替えてWLANスキャンを開始する。
ステップS7206において、UE100は、AP300からのビーコン信号を受信する。
ステップS7207において、UE100は、スキャンによりAP300からのビーコン信号を検出(すなわち、AP300を発見)する。
[第8実施形態]
第8実施形態について、上述した第1実施形態乃至第7実施形態との相違点を主として説明する。第8実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第1実施形態と同様である。
第8実施形態は、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替える実施形態である。第8実施形態では、UE100は、AP300からeNB200に接続先を切り替える場合に、AP300からeNB200への切り替えであることを示す通知情報をeNB200に送信する。通知情報は、AP300を識別するための識別子(SSID/ESSID)、及び/又はUE100を識別するための識別子を含む。eNB200は、通知情報に基づいて、UE100宛ての送信データをeNB200に転送するよう要求する要求情報をAP300に送信する。
図26は、第8実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。動作パターン1では、AP300に接続するUE100がAP300のカバレッジ外に移動すると予測される状況下で、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替える。なお、図26の初期状態において、UE100は、AP300に接続(ステップS8101)している。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS8102)。
図26に示すように、ステップS8103において、UE100は、自身の移動速度を導出(算出)する。UE100の移動速度は、例えばGNSSにより得られるUE位置情報から導出できる。そして、UE100は、自身の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、UE100が、自身の移動速度が閾値以下であると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS8104において、UE100は、AP300からeNB200への切り替えを行わないようにする。
ステップS8105において、UE100は、自身の移動速度を導出(算出)する。そして、UE100は、自身の移動速度が閾値を超えるか否かを判断する。ここでは、UE100が、自身の移動速度が閾値を超えると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS8106において、AP300からeNB200への切り替えを決定する。
ステップS8107乃至S8109において、UE100は、eNB200との間でランダムアクセス手順及びRRC接続確立手順を行う。RRC接続確立手順において、UE100は、AP300からeNB200への切り替えであることを示す通知情報(Out−bound info.)をeNB200に送信する。
ステップS8110において、eNB200は、UE100から受信した通知情報に基づいて、UE100宛ての送信データをeNB200に転送するよう要求する要求情報をAP300に送信する。
ステップS8111において、AP300は、eNB200から受信した要求情報に応じて、UE100宛ての送信データをeNB200に転送する。eNB200は、AP300から受信した送信データをUE100に送信する。その結果、AP300からeNB200への切り替えをシームレスに行うことができる。
なお、動作パターン1では、UE100の移動速度を判断基準としてAP300からeNB200への切り替え判断を行っていたが、他の判断基準を使用してもよい。例えば、UE100がAP300から受信するWLAN信号の受信電力(RSSI)を判断基準として、RSSIが閾値を下回った場合に、AP300からeNB200への切り替えを決定してもよい。
図27は、第8実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。動作パターン2では、例えばAP300の負荷レベルが高い状況下で、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替える。ここでは、動作パターン1との相違点を主として説明する。
ステップS8202において、AP300は、自身の負荷レベルに基づいて、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えるか否かを判断する。AP300は、例えば、自身の負荷レベルが閾値を超える場合に、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えると判断する。ここでは、AP300が、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えると判断したと仮定して、説明を進める。
ステップS8203において、AP300は、AP300からeNB200への切り替え指示をUE100に送信する。以降の処理については、動作パターン1と同様である。
なお、動作パターン2では、AP300の負荷レベルを判断基準としてAP300からeNB200への切り替え判断を行っていたが、他の判断基準を使用してもよい。例えば、UE100の移動速度を判断基準としてもよい。
なお、第8実施形態では、AP300に代えて、アンライセンスバンドで通信を行うセルラ基地局を使用してもよい。
[第9実施形態]
第9実施形態について、上述した第1実施形態乃至第8実施形態との相違点を主として説明する。第9実施形態に係るシステム構成及び動作環境は、第1実施形態と同様である。
第9実施形態は、第8実施形態と同様に、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えるための実施形態である。第9実施形態では、AP300は、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替える場合に、eNB200への切り替えを要求する要求情報をeNB200に送信する。そして、AP300は、要求情報に対する応答をeNB200から受信した場合に、eNB200への切り替えを指示する指示情報をUE100に送信する。
図28は、第9実施形態に係るシーケンス図である。図28の初期状態において、UE100は、AP300に接続している。また、eNB200及びAP300は、協調して動作するためのネゴシエーションを行っている(ステップS9101)。ここで、AP300は、自身がeNB200のカバレッジ内に設けられていることを確認する。
図28に示すように、ステップS9102において、AP300は、自身の負荷レベルに基づいて、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えるか否かを判断する。
ここで、AP300はeNB200のカバレッジ内に設けられており、AP300に接続するUE100はeNB200との間の無線品質が所定レベル以上であることが保証される。よって、AP300は、eNB200についての測定報告をUE100から受信することなく、UE100の接続先をeNB200に切り替えると決定することができる。
ここでは、AP300が、UE100の接続先をAP300からeNB200に切り替えると決定したと仮定して、説明を進める。
ステップS9103において、AP300は、eNB200への切り替えを要求する要求情報をeNB200に送信する。
ステップS9104において、eNB200は、AP300からの要求情報に対する応答(Ack)と共に、eNB200への接続手順に使用される情報(コンテンションフリー・プリアンブルなど)をAP300に送信する。
ステップS9105において、AP300は、eNB200から応答(Ack)を受信したことに応じて、AP300からeNB200への切り替え指示をUE100に送信する。切替え指示は、eNB200への接続手順に使用される情報を含む。
ステップS9106において、AP300は、切り替え指示をUE100に送信するとともに、UE100宛ての送信データをeNB200に転送する。
ステップS9107乃至S9109において、UE100は、eNB200との間で接続処理を行う。
なお、第9実施形態では、AP300に代えて、アンライセンスバンドで通信を行うセルラ基地局を使用してもよい。
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した第1実施形態乃至第9実施形態のそれぞれは、個別に実施する場合に限らず、相互に組み合わせて実施してもよい。
上述した各実施形態では、eNB200及びAP300が個別の装置であるケースについて説明したが、eNB200は、AP300の機能を有していてもよい。すなわち、eNB200は、WLAN送受信機を有していてもよい。また、HeNB400がAP300の機能を有していてもよい。
上述した実施形態では、UE100とAP300との間の秘匿通信について特に考慮していないが、かかる秘匿通信を考慮してもよい。eNB200は、AP300に接続させると決定したUE100について、該AP300との秘匿通信に使用される接続設定情報の有無を該UE100に問い合わせる。かかる接続設定情報をユーザ端末が有していない場合、eNB200は、一時的な接続設定情報の発行を接続対象のAP300に要求する。そして、eNB200からの要求に応じてAP300が発行した一時的な接続設定情報を、AP300からeNB200を経由してUE100に通知する。以下において、詳細な手順について説明する。
第1に、eNB200は、UE100に、接続対象のAP300との接続設定(秘匿設定)有無を問い合わせるためのWLAN接続設定確認情報を送信する。WLAN接続設定確認情報は、接続対象のAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
第2に、UE100は、問合せAP300に対する接続設定の有無を示すWLAN接続設定応答をeNB200に返信する。WLAN接続設定応答は、接続対象のAP300の識別子(SSID/ESSID)を含む。
第3に、eNB200は、WLAN接続設定応答にて、接続設定なしの場合、接続対象のAP300に対して、一時的な接続設定の発行を要求する発行要求情報を送信する。発行要求情報は、UE100のWLANのMAC−IDを含む。
第4に、AP300は、eNB200からの発行要求情報に対して、一時的な接続設定情報を生成し、eNB200に通知する。一時的な接続設定情報は、秘匿設定(秘匿タイプ、秘匿キー)の情報を含む。
第5に、eNB200は、AP300からの一時的な接続設定情報にAP300の識別子(SSID/ESSID)を付加してUE100に転送する。eNB200は、上述したスキャン指示に一時的な接続設定情報を含めてもよい。
上述した実施形態では、UE100のWLANサービスの利用可否について特に考慮していないが、WLANサービスの利用可否を考慮してもよい。eNB200は、自セルに接続するUE100について、AP300を利用できるサービスに登録されているか否かをサービス管理サーバに問い合わせる。eNB200は、かかるサービスにUE100が登録されていない場合、サービスに登録するための認証情報をeNB200からUE100に送信してもよい。以下において、詳細な手順について説明する。
第1に、eNB200は、サービス管理サーバに、WLANのネットワークへのサービス登録の有無を問い合わせるためのサービス登録確認情報を送信する。サービス登録確認情報は、UE100の識別子(例えばMAC−ID)を含む。
第2に、サービス管理サーバは、WLANサービスへの登録状況を示すサービス登録情報をeNB200に返信する。サービス登録情報は、UE100の識別子(例えばMAC−ID)を含む。
第3に、eNB200は、サービス管理サーバからのサービス登録情報にて、サービス契約ありの場合、UE100に対して、スキャン指示(WLAN接続要求)を送信する。一方、サービス契約なしの場合、eNB200は、UE100に対してスキャン指示を送信しない。或いは、eNB200は、一時的なサービス提供を決定し、サービス用の一時的なログイン設定のための認証情報、すなわちサービス認証キー(認証ID、パスワード)をUE100に送信する。
上述した実施形態では、セルラ通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のセルラ通信システムであってもよい。
また、ホワイトリストは接続可能なAP300(Planned AP)のリストだと説明したが、これに接続すべきではないAP300のリスト(ブラックリスト)の情報を付記してもよい。
以下において、上述した実施形態の補足事項について付記する。
[付記1]
3GPP/WLANインターワーキング検討事項の主な目的の1つは、3GPPとWLANとの間のインターワーキングを、現在、CNレベルでサポートされている統合を越えて、拡張することである。ユーザ体験全般を改善するために、RANレベルでの更なる改善が必要である。その結果、ネットワークの利用を改善し、UEの不要な電力消費を削減し、2つのネットワーク間をシームレスに移動することができるようになる。付記1では、これらの目的を達成するために必要ないくつかのシナリオを検討する。
上記検討事項に基づいて、本検討事項の初期フェーズは、RANレベルのインターワーキングの必要要件を認識すること、及び、既存の基準を考慮しつつ、ここで検討されるべきシナリオを明確にすることである。以下に検討されるシナリオは、現システムに対する改良点が含まれ、適切なUE挙動を更に分析する必要がある。
3GPP/WLANインターワーキングにおいて、オペレータは、様々な配置のオプションを検討することが可能である。一般的に、WLAN APは様々な場所に設置することができる。カバレッジの拡張のために、WLANは、3GPPアクセスネットワークが利用できない場所に設置されてもよい。しかしながら、3GPP/WLANインターワーキングにおいて、WLAN APが3GPPノードのいずれかと協働設置され(co-located)ているか否かに拘わらず、WLANが3GPPシステム上でオーバーレイ(overlaid)されるシナリオに絞るべきである。
観察:3GPP/WLANインターワーキングは、3GPPシステムのカバレッジ内に配置されているWLANへのオフロードにのみ適用できる。
リリース10において、複数の無線アクセス技術に対する同時ネットワーク接続がMAPCON、IFOM、非シームレスWLANオフロードによって可能となった。これを考慮に入れると、ANDSFフレームワークは、インターシステムルーティングポリシー(ISRP)の導入に伴い、改善された。その結果、オペレータがUEにより送受信されるトラフィックに基づいたポリシーを提供することが可能となった。リリース11では、ANDSFおよびインターシステムルーティングポリシー(ISRP)の拡張によって、オペレータは、各アプリケーションまたはIPフローのために使用されるネットワークリソースをより良く制御できるようになった。例えば、オペレータは、ある閾値を超えたデータ率を要求するIPフローが特定のアクセスを通して送信されることを、ANDSFポリシーによって通知してもよい。
しかし、これらのネットワークの改善では、オフロードの目的であるUEの電力消費の問題に対応できない。オフロードによって、ネットワークは、WLAN APにオフロードすることができない他のUE用の解放リソースを提供される。WLAN APへのオフロードは、3GPP無線やネットワークが混雑した場合にも、有益である。ネットワークから見れば、オフロードに対する大きな利点があるが、常に3GPP無線とWLAN無線の両方の電源をオン状態にする必要性をなくすべきである。なぜなら、特に、WLAN APがより広範囲に設置されている場合、UEで過剰な電力消費が発生するからである。本検討事項は、省電力に対するシナリオを検討するべきである。特に、UEがWLAN APを利用不可能な場合、UEがWLANを連続して探すことを防ぐWLAN発見のための効率的な手段。効率的なWLAN発見メカニズムにおいては、UEが自身のWLANクライアントの電源を常にオン状態にしていることを想定していない。従って、WLANへのオフロードのためのUEの選択については、WLAN発見メカニズムごとに注意深く検討する必要がある。さらに、WLANへのオフロードのための候補UEの選択については、WLAN APまでの相対的な近接度に基づいてなされるべきではなく、バックホール待ち時間によるWLANに適したサービスの適切性に基づいてなされるべきである。
提案1:UEのエネルギー消費を改善するために、WLAN AP発見における効率的な手段を検討しなければならない。
WLANとのインターワーキングのために、オフロードに適したサービスを検討しなければならない。WLAN APにより使用されるバックホールに関する信頼性の欠如と潜在的に増加している待ち時間などにより、VoIPなどいくつかのサービスは、オフロードには適していないと思われる。一方、待ち時間許容型サービスは、オフロードの理想的な候補であると思われる。従って、RAN2は、アクティブなサービスに基づいて、UEの接続性を検討しなければならない。2つのシステム間で効率的なインターワーキングを達成するため、WLANに対するインバウンドモビリティとWLANからのアウトバウンドモビリティとの両方に対するUEの挙動を検討しなければならない。WLANに対するインバウンドモビリティは、3GPPネットワークが1つ以上のUEのアクティブなサービスがWLANにオフロードされるべきであると決定した場合、必要となる。UEのアクティブなサービスはWLANにオフロードされるが、UEは、例えば、インカミングページ(着信)を受信するために、3GPPシステム上で、アイドル状態(IDLE)に維持されると仮定されている。UEがWLANに適さない新サービスを有効にする場合、WLANから3GPPシステムへのアウトバウンドモビリティのために必要な手順を検討しなければならない。さらに、WLANから3GPPシステムへ、すべてのサービスを転送する必要があるか否かを検討しなければならない、またはWLANに対して適用不可能なサービスだけを3GPPシステムに転送するか否かを検討しなければならない。UEが両システムに同時に接続する必要がある場合、UEの電力消費も検討しなければならない。
提案2:信頼性の高いモビリティを提供するために、WLANへのインバウンドモビリティとWLANからのアウトバウンドモビリティに対するUEの挙動を検討しなければならない。
付記1では、本検討事項において解決しなければならないいくつかのシナリオについて言及した。
[付記2]
1. はじめに
どうやってソリューション(ソリューション1、2、3)が必要要件を満たすかについての考察の結果、特に、ANDSF(Access network discovery and selection function)およびRANルールに関するいくつかの不明点があるが、ソリューション2が全ての必要要件を満たすように思われる。付記2では、それらの差異と、トラフィックステアリングの必要要件を満たすためにどのように使用されるかと、について更なる説明を行う。ソリューション2は、ネットワーク選択のパラメータをRANからUEに提供可能であり、かつネットワーク選択のルール(ポリシー)に従ってネットワークの選択権をUEが持つ方式である。ソリューション2の必要要件を満たすことに関する更なる詳細については、付録にて説明する。
2. 考察
2.1. ANDSF対RANルール
ソリューション2に基づくほとんどの懸念事項が、ANDSFポリシーとRANルールとの関係から派生している。例えば、ある懸念事項は、UEの挙動が予測不可能であることから派生し、また、ANDSFポリシーとRANルールとの間の不明瞭な関係により発生する潜在的なピンポン伝送から派生している。以下の諸問題に対する答えは、ANDSFとRANルールとの関係を明確にする手助けになるはずである。
1) ANDSFが利用不可能な場合、RANルールは使用できるだろうか。
ANDSFが利用不可能な場合、RANは、UE間の統一された挙動を保証するルールを提供できるはずである。事前に静的なルールをUEに提供すると、基本的にUE実装の問題であるので、予想不可能な挙動になってしまうだろう。この柔軟性がソリューション2の主な利点の1つである。
2) ANDSFがUEに対して利用可能な場合、UEはどのルールに従うべきだろうか。ANDSFポリシー、RANルール、それとも両方だろうか。
現在は、「ANDSFポリシーがUEに提供された場合でも、UEにより使用される好ましいルールを通知する選択肢をRANは有する。」と言われている。原則的には、ANDSFがUEにとって利用可能であり、UEがANDSFをサポートしている場合、UEはANDSFを使用することを許可されるべきである。しかし、混乱を避けるため、どのルールを使用するかの決定は、RAN次第とする。RANが、UEが、利用可能なANDSFを有していると把握している場合、RANは、UEがANDSFを使用することを許可するべきである。RANがUEにRANルールを使用するべきだと告知した場合、UEがANDSFを使用する許可を与えれば、ANDSFの使用は全てのUE間における一様挙動を妨げるUE実装に委ねられるだろう。従って、RANルールまたはANDSFポリシーのどちらか一方が、RANの決定にしたがって使用され、その両方が使用されることはない。
3) ANDSFが一部のUEにだけ利用可能で全てのUEに利用可能ではない(恐らく、一部のUEはANDSF対応ではない)場合、RANは、ANDSF対応でないUEに対してのみルールを提供できるだろうか。
RANルールまたはANDSFポリシーを与えるか否かはRAN次第である。混乱を避けるため、RANルールは区別なく全てのUEに提供されるべきだと考える。
4) ローミング中のUEに対しても同じルールを適用するべきだろうか。ローミング中のUEは、ローミング中でないUEと同じANDSFを有するだろうか。ローミング中のUEは、ローミング中でないUEと同じように動作する必要はあるだろうか。
繰り返すが、RANルールまたはANDSFを使うか否かの決定は、RANに一任されている。もしUEがRANから提供されたルールに基づいてトラフィックステアリングを実行すれば、ローミング中のUEの挙動は、オペレータにとって予想可能と言えるだろう。それは、負荷バランスにとっても好ましい。
5) UEがRANからRANルールを使用してもよいと通達される場合、UE実装が許可されることはあるだろうか。
RANルールに従うと言ってもUEが自動的にWLANをスキャンするわけではないし、トラフィックをWLANへ向けるわけではない。RANルールは、WLANスキャン最適化の一部として、充電レベル状態について、UEも責任を負うことを仮定している。WLANスキャン最適化の詳細は、今後の検討が必要である。RANからWLANへのトラフィックステアリングにおいて、UEは、RANルールで規定されたDRBに基づいて、方向を切り替えるトラフィックを選択する。WLANからRANへ方向を切り替えられるトラフィックの選択において、UEは、もし利用可能であれば、IFOM使用し、またはUE実装を使用してもよい。
表1には、RANルールとANDSFとの関係(適用されるポリシー/ルールの概要)がまとめられている。
上記明瞭にした点に基づいて、以下の結論に達した。
ソリューション2において、RANは、UEがRANルールまたはANDSFポリシーを使用するか否かを決定する。
提案1: RANが、UEがRANルールを使用するべきだと決定した場合、UEは、ANDSFが利用可能であっても、RANルールだけを使用する。
提案2: RANが、UEがRANルールを使用するべきだと決定した場合、RANからWLANへのトラフィックステアリングは、オフロードのために選択されたデータベアラを定義するトラフィック情報に従う。
提案3: WLANからRANへのトラフィックステアリングにおいて、UEは、トラフィックをUE実装またはIFOM(利用可能な場合)に従って選択してもよい。
2.2. 負荷情報についての明瞭化
先の考察では、RANからWLANへのトラフィックステアリングのトリガとして、RANがUEにその負荷を通知してもよいという提案があった。そのような通知は、オペレータにとって何の利点もない。ロードバランスにおいて、ソリューション2は、所望のオフロードのレベルを変更するため、RANに3GPP RAN RSRP、RSCP、WLAN BSS負荷、およびWLAN RSSIの閾値を調整させる。さらに、アクセスネットワークの選択の精度は、負荷情報など間接的メトリックスよりも直接的メトリックスを使用することで改善もされている。
また、図29に示すように、ソリューション2は、非効率なスキャン、オフロード通知を使ったトラフィックステアリングを防ぐことができる。負荷レベルが上昇すると、RANは、オフロード通知をUEに送信することにより、ネットワークの選択を推奨する。UEは、この通知をトリガとしてネットワークの選択を開始する。このようなオフロードの通知を使用すると、特に、ユーザが節電のためにUEのWLANモジュールの電源をオフ状態にするような場合、WLANの不必要なスキャンが防止される。UEは、オフロード通知を受信する場合、WLANモジュールの電源をオン状態にする。
提案4: ソリューション2において、RANは、RANからWLANへオフロードする意志をUEに伝えるオフロード通知を送信してもよい。
提案5: たとえUEがオフロード通知をRANから受信しても、UEは、UE実装、例えば、バッテリのレベルなどに基づいて、WLANスキャンが好ましいか否かを判別する選択肢を有する。
なお、図29の左側には、トラフィックステアリングを実行する必要がないケースが示される。図29の右側には、オフロード通知を使用してUEがネットワークの選択を開始するケースが示される。
3. 結論
付記2において、特に、不明点に対する説明が更になされ、ソリューション2の改良点を示し、該ソリューションが全ての必要要件を満たすと結論付けた。
4. 付録
4.1. 必要要件充足評価
ANDSFとRANルールとを上記の通り明確化したことにより、ソリューション2が必要要件を満たすか否かを再検討することが興味深いと思われる。
必要要件1:
ソリューション2は、ANDSFまたはRANルールを利用することによって、RAN負荷とWLAN負荷APとの間の適切なバランスを達成する。特に、RANルールは、3GPP/WLAN信号およびWLAN負荷用の閾値を規定し、明確にRANの負荷情報を提供せずに、トラフィックステアリングを制御する。UEがANDSFを利用可能であっても、RANは、ANDSFまたはRANルールが二者間で潜在的に対立しないよう利用されるか否かを判別する。
UEがANDSFを利用不可能な場合、もし、スマートUE実装を用いても、UEにより使用されるポリシーは、異なる場合があるため、オフロードの結果は、不確かな可能性がまだある。RANルールがあれば、UEの挙動は予測可能であり、その結果、予測可能なオフロード制御が可能である。
ソリューション1と違って、ソリューション2では、より正確なオフロード制御を可能とするルールを付与するタイミングをRANが制御できる利点を有する。動的に負荷制御を実施するために、RANは、タイムリーにアクセスネットワークを選択可能にするために必要な閾値を調整する選択肢を有する。
必要要件2:
RAN/WLANの信号品質とWLAN負荷とを反映するルールを規定することによって、ユーザ体験が改善する可能性がある。ユーザ体験およびネットワークの性能の両方が改善するように、RANは閾値を規定し、既存の3GPP測定レポート、RAN状態、UEにより生成される相対的負荷を考慮に入れる。
ソリューション2は、UEに基づいたアクセスネットワーク選択ソリューションであるので、単なるDRBではなく、IPフローをステアリングするようなUE固有のニーズは、より少ないシグナリングで、より簡単に実現されると思われる。
必要要件3:
WLANの利用を改善するためには、ユーザ体験を改善し、バッテリ消費の削減が必要である。この観点から、ソリューション2は、所望の結果を達成するため、UEにバッテリレベル、WLANへの近接、QoSを考慮させることにより、必要要件を満たしている。
ランダム化を適用して、過剰な数のUEがWLANに同時にアクセスすることを防止してもよい。
さらに、RANからのオフロード通知を使用して、不必要なWLANスキャンを防止してもよい。通知が起動された場合のみ、UEはこの手順を開始する。
必要要件4:
特定のRANの条件が満たされた場合のみ、UEがWLANスキャンを行うことを許可するルールを規定することにより、バッテリ消費を削減できる可能性がある。例えば、RSRPが特定の閾値未満の場合のみ、UEにWLANチャンネルをスキャンさせることによって、UEの電力消費は削減される可能性がある。
必要要件5:
もしRANがUEはANDSFを使用しなければならないと決定した場合、ANDSFに基づいてトラフィックステアリングを行ってもよい。もしANDSFが利用不可能であって、RANがUEはRANルールを使用すべきだと決定した場合、RANは、WLANにオフロードするためにはどのトラフィックが最良かを決定してもよい。
必要要件6:
ソリューション2は、既存の3GPPおよびWLANの機能性には影響を及ぼさないので、従来のシステムに影響しない。
必要要件7:
ソリューション2は、既存のWLANスキャン/コネクション機構に従うので、IEEEやWFAに影響しない。
必要要件8:
WLANシステムの区別が可能になるように、RANは、UEに対して、WLANサービスセット識別子からなるホワイトリスト(またはブラックリスト)を提供してもよい。SSID−閾値毎に提供してもよい。
さらに、ソリューション2は、ANDSFのみに基づいて、オフロード用のWLAN専用システムを定義することが可能である。RANポリシーは、既存のANDSFポリシーも利用可能である。
必要要件9:
本必要要件は、特定のUE用の個別のシグナリングを利用することによって達成可能である。
必要要件10:
ランダム化を利用し(例えば、UEは、目標セルにアクセス可能か否かをテストする前にランダムバックオフを実行する)、UEごとの個別のアシスタント情報(例えば、閾値)を提供することによって、ピンポン伝送を防ぐことが可能である。追加の機構が必要か否かは、今後の検討が必要である。
[付記3]
ルールの例:
ANDSFが利用不可能な場合(またはRANによって推奨されていない)
if RAN RSRP < x or offloading indicator == yes
if WLAN RSSI > y and WLAN BSS load < z
offload from RAN to WLAN
else if RAN RSRP > x’
if WLAN RSSI < y’ or WLAN BSS load > z’
offload from WLAN to RAN
else 受信したアシスタント情報をUEのインターワーキング上層に転送する
なお、パラメータx、x’、y、y’、z、z’はネットワークにより提供される。
・“If RAN RSRP < x or offloading indicator == yes” and “if WLAN RSSI > yと、WLAN BSS load < z”との間で分割
if RAN RSRP > x and offloading indicator == no not signaledの場合、動機付けとして、UEはスキャン最適化が許可される(WLANクライアントオフを含む)。そして、スキャン最適化を適用するか否かに拘わらずUEはRAN RSRP測定を行う。
・2つの閾値、「If RAN RSRP < x」および「offloading indicator == yes」を有する理由
もしRANが所望のオフロードを通知しなくても、UEは、WLAN用のスキャンを希望すると思われる。それは、RANが、どれくらいの潜在的なUE(すなわち、RSRP > xのUE)がオフロードされないかを判別する1つの方法である。そうすれば、UEは依然としてWLAN測定をeNBに報告するが、WLANへのオフロードのターゲットにはならないだろう。MDTのようなもの。従って、RANは、将来、「x」の調整の精度を向上することができる。これは、個別のシグナリングにのみ適用できる。
・The reason “if WLAN RSSI < y’ or WLAN BSS load > z’”。この場合、UEは、WLANからRANにオフロードすべきである。
WLANからRANへのオフロードの決定がUE実装またはANDSF次第ということは危険である。ここで重要なことは、UEがトラフィックをWLANからRANへ切り替えるかどうかを判別する際に、RANルールがさらに適用可能であることだ。しかし、WLANからRANに切り替えるトラフィックの選択は、UE実装に基づくものである(つまり、RANルールに適応したUEは、WLANに移動したら、RANルールはUEの間に使用されるべきである。従って、UEが適応するRANルールは、不必要なピンポン伝送用ネットワークの選択を防ぐために、(RANに戻った後)UEが、更新されたパラメータを受信するまで、該RANルールを維持しなければならない。なお、ルール嗜好インジケータは、上記「更新されたパラメータ」に含まれる。
・オフロード嗜好インジケータの必要性
リスト化されたパラメータは、個別のシグナリングまたはブロードキャストのシグナリングにより提供される。(更に詳細には、全てのリスト化されたパラメータが個別のシグナリングにより提供されているのか否か、またはいくつかのパラメータがブロードキャストシグナリングにより提供できるのか否か)。RSRP閾値とWLANに関する閾値がブロードキャスト信号により提供され、一方、残りのパラメータが個別のシグナリングにより提供される状況があれば、RANは、RSRP閾値を大幅に変更するべきではない。その後、オフロード嗜好インジケータは、ネットワークが、WLANに近接するUEだけをWLANに移動させるために有効になる(ネットワークがWLANとUEの位置を知っている場合)。
当然、ネットワークが、更新されたパラメータx、y、zを、オフロード嗜好インジケータではなく、個別のシグナリングで送信するという別の可能性もある。
上記手順をまとめると、UEは、以下の表2に記載したルールに従う。
[相互参照]
米国仮出願第61/754106(2013年1月18日出願)及び米国仮出願第61/864206(2013年8月9日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。