JP6096163B2 - 水系リチウム―空気二次電池の負極構造 - Google Patents

水系リチウム―空気二次電池の負極構造 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ電解液を用いる水系リチウム―空気二次電池の負極構造に関する。
二次電池の高エネルギー密度化を狙い、正極活物質として空気中の酸素を利用する金属―空気二次電池が注目されている。その中で、負極活物質として、金属リチウムを用いるリチウム―空気二次電池は、最大の重量エネギー密度を有する二次電池である。リチウム―空気二次電池は、有機電解液やイオン液体等の非水系の溶媒を電解液として用いる非水系リチウム―空気二次電池と水系の電解液を用いる水系リチウム―空気二次電池の2種類のリチウム―空気二次電池が提案されている。水系リチウム―空気二次電池は、水系の電解液を使用することにより、正極側(空気極側)で、非水系電解液中よりも速い放電時に於ける酸素の還元反応と充電時に於ける水の酸化反応が可能であり、高出力化に有利である。 また、電池の不具合による発火の危険性が小さいと言う利点を有する。しかしながら、反面、負極活物質として用いる金属リチウムは、水と反応し、溶解して水素ガスを発生する問題がある。この問題に対して、PolyPlus Battery社のViscoらによって、金属リチウム負極表面を水不透過性のリチウムイオン導電体で保護する技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、水不透過性のリチウムイオン導電体の例として、Li1+x(M,Al,Ga)x(Ge1-yTiy)2-x(PO4)3(ここで、X≦0.8と0≦Y≦1.0とを満たし、MがNd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される元素)および/あるいはLi1+x+yQxTi2-xSiyP3-yO12(ここで0<X≦0.4と0<Y≦0.6とを満たし、QがAlあるいはGaである)で表わされる水不透過性のリチウムイオン導電性ガラスセラミック(以下、LATPとして省略)が示されている。LATPは、リチウムイオン導電率が比較的高く、水に対して化学的に安定であり、更に、熱処理条件を調整することで、粒界にガラス相が形成され、粒界の隙間を封止することが可能で、外部からの水の浸入を防止できる数少ない、リチウムイオン導電性固体電解材料である。しかしながら、LATPは、金属リチウムと直接接触すると、構成元素イオンの一つであるTiイオンが還元されることにより、リチウムイオン導電性が低下する問題を有している。
そのリチウムイオン導電性が低下する問題を解決するために、図1に示したように、金属リチウム負極20とLATP22の間にリチウムイオン導電性を有する反応防止層21を挿入することが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、反応防止層21の例として、活性金属窒化物、活性金属リン化物、活性金属ハロゲン化物、活性金属リン酸窒化物ガラスの無機系固体電解質の使用が示されており、具体的には、Li3N、Li3P、LiI、LiBr、LiCl、LiF、LiPONが例示されている。しかしながら、これらの無機系固体電解質の反応防止層21と金属リチウム負極20との間、及び、反応防止層21とLATP22の間に良好な界面を形成することが難しく、界面抵抗が高いと言う問題がある。蒸着やスパッタ技術等を用いて、金属リチウム負極20/反応防止層(無機系固体電解質)21/LATP22間に初期の良好な界面を形成できたとしても、放電反応時に、負極リチウム金属は、酸化、イオン化し、正極方向へ移動することで体積が変化し、負極リチウム20と無機系固体電解質21の界面に空隙が発生する。しかしながら、反応防止層21として使用する無機系固体電解質は、空隙の発生に応じて、追従して変形することができず、発生した空隙間をリチウムイオンが移動できなくなり、放電反応を継続できなくなると言う問題がある。
特許文献2には、水系リチウム―空気二次電池の反応防止層21として、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒に、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiSbF6 等のリチウム塩を溶解した有機電解液を用いる技術が示されている。この場合、金属リチウム負極20/反応防止層(有機電解液)21/LATP22の界面抵抗は、非常に小さくできる。更に、充放電に伴う負極リチウム20の体積変化に対して、有機電解液は、流動して追従することが可能である。しかしながら反応防止層21として、有機電解液を用いる場合、従来の負極に金属リチウムを用いる、金属リチウム二次電池の場合と同様に、Liデンドライト成長の問題は避けられない。反応防止層21として、有機電解液を用いた場合、放電反応の進行と共にLiデンドライトが成長し、それがLATP22面に到達した場合、LATP22と反応する問題が生ずる。なお、Liデンドライトは、Liの樹状結晶が成長する現象である。
特許文献3には、反応防止層21として、ポリマー電解質を用いることが示されている。ポリマー電解質として、リチウム塩をポリマーに分散させた真性ポリマー電解質と、リチウム塩を溶解した電解液をポリマーに膨潤させたゲル電解質が示されている。真性ポリマー電解質のホストとなるポリマーには、PEO(ポリエチレンオキシド)、PPO(ポリプロピレンオキシド)等が例示されている。ゲル電解質のホストとなるポリマーには、PEO(ポリエチレンオキシド)、PVDF(ポリフッ化ビリニデン)、PVDF-HFP(ポリフッ化ビリニデンとヘキサフロオロプロピレンとの共重合体)等が例示されている。リチウム塩には、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiTFSI(Li(CF3SO22N)、Li(C2F4SO22N、LiBOB(ビスオキサラトホウ酸リチウム)等が例示されている。
ゲル電解質は、特許文献2に示されたような、有機電解液に溶解可能なポリマーを少量添加し、電解液の流動性を低下させたものであり、主成分は有機電解液である。ゲル電解質を反応防止層21として用いた場合、有機電解液を用いた場合と同様に界面抵抗を低減することは可能であるが、Liデンドライト成長の問題が避けられない。
一方、真性ポリマー電解質は、有機溶媒を含まない電解質であり、室温で固体である電解質である。真性ポリマー電解質を反応防止層として用いることで、Liデンドライトの成長抑制効果があることが特許文献2の発明グループによって報告されている(例えば、非特許文献1、2参照)。特許文献2や非特許文献1、2では、真性ポリマーとして、結晶性ポリマーであるPEO(ポリエチレンオキシド)にLiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;Li(CF3SO22N))を分散した真性ポリマー電解質(以下、PEO-LiTFSI電解質と省略)を使用することが示されている。
PEO-LiTFSIは、結晶性を有しており、非架橋のPEO-LiTFSI電解質は、40〜50℃近傍に、融点(Tm)を有している。その為、PEO-LiTFSI電解質を反応防止層として用いた場合、特許文献1の無機系固体電解質の場合と異なり、融点以上の温度でホットプレスを行うことで、金属リチウム負極20/反応防止層(PEO-LiTFSI電解質)21/LATP22の接触性が向上し、界面抵抗を低下させることが可能である。良好な界面を形成する為には、ホットプレス時に、より高い圧力の付与が好ましいが、LATPは機械的に脆弱な為、高い圧力の付与には限界がある。ホットプレス操作によって、金属リチウム負極20/反応防止層(PEO-LiTFSI電解質)21/LATP22間で、良好な界面形成ができたとしても、反応防止層に有機電解液やゲル電解質を用いた場合と比較して、特に金属リチウム負極20と反応防止層(PEO-LiTFSI電解質)21の間の界面抵抗が高く、室温での界面抵抗は1桁以上高い状況にある。更に、室温では、PEO-LiTFSI電解質は固体である為、特許文献1の無機系固体電解質の場合と同様に、充放電に伴う、金属リチウム負極の体積変化に追従することが出来ない問題がある。その為、真性ポリマー電解質を反応防止層として用いる場合、電池を融点(Tm)より上の温度に加熱した状態で動作させる必要がある。加熱により、真性ポリマー電解質は、溶融状態になり、金属リチウム負極の体積変化の追従性が向上し、室温に比べて界面抵抗も大幅に減少させることが可能である。
非特許文献1、2では、PEO-LiTFSI電解質の融点より、やや高い温度の60℃でのLiデンドライトの成長抑制効果が報告されている。60℃では、PEO-LiTFSI電解質は半溶融状態であり、PEOの結晶部が一部残存している状況にあると考えられ、残存した結晶部によってLiデンドライトの成長が抑制されるものと考えられる。
しかしながら、水系Li-空気二次電池の場合、60℃での操作は、電解液として使用する水系電解液中の水の蒸発が発生し易くなり、60℃に昇温、維持するための熱エネルギーが必要となる問題がある。
水系リチウム―空気二次電池は、負極リチウム金属と水電解液が反応することを防止するために、負極を水不透過性のLiイオン導電体で保護した構造を有している。水遮蔽性を有し、Liイオン導電性を有する材料の選択肢は、非常に数が少なく、その中で、現在、最もイオン導電性が高い材料は、LATPである。しかしながら、LATPは還元性のTiイオン成分を含有しており、負極リチウム金属と直接接触させることができず、それらの間に反応防止層を設ける必要があった(図1参照)。
上記[背景技術]で述べたように、これまで反応防止層として、無機系電解質、有機電解質、ゲル電解質、真性ポリマー電解質を用いることが提案されている。しかしながら、無機系電解質と真性ポリマー電解質は、リチウムイオン抵抗が高く、特に金属リチウム負極間及びLATP間の界面抵抗が大きいという問題及び充放電に伴う負極リチウム金属の体積変化に、流動して追従できないという問題がある。一方、有機電解質、ゲル電解質は、室温での界面抵抗が小さく、充放電に伴う負極リチウム金属の体積変化に追従することがある程度可能な反面、負極に金属リチウムを用いる際の技術課題であるLiデンドライト生成の問題を解決することができない。真性ポリマー電解質の場合、融点よりもやや上の温度で操作し、半溶融状態にすることで、ある程度、Liデンドライトを抑制しつつ、Liイオン抵抗(特に界面抵抗)を引き下げ、負極リチウム金属の体積変化にある程度対応することが可能になる。
真性ポリマー電解質の室温での界面抵抗の高さと負極リチウム金属の体積変化への追従性を改善しつつ、Liデンドライト抑制効果を利用するためには、反応防止層21を真性ポリマー電解質とし、金属リチウム負極20及びLATP22との界面に少量の真性ポリマーを溶解しない有機電解液層を設ければ良いと考えられる。しかしながら、真性ポリマー電解質の多くは、有機電解液に対して可溶であり、反応防止層21を膜形状に維持することができない。反応防止層21としては、Liイオン導電性が高いことが好ましく、PEO-LiTFSI電解質は、室温で、機械的に高い強度を有しつつ、Liイオン導電性が最も高い真性ポリマー電解質に属し、反応防止層材料として、現在、最も適した材料であると考えられる。
しかしながら、PEO-LiTFSI電解質は、現在のリチウムイオン二次電池で、最も良く使用される炭酸エステル系の有機電解液に対して可溶であり、真性ポリマー電解質を層状の形状に維持することができない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、真性ポリマー電解質(反応防止層)の室温での界面抵抗の高さと負極リチウム金属の体積変化への追従性を改善しつつ、Liデンドライトの成長を抑制することができる水系リチウム―空気二次電池の負極構造を提供することを課題とする。
課題を解決するためになされた本発明の水系リチウム―空気二次電池の負極構造は、金属リチウム層と、真性ポリマー電解質反応防止層と、固体電解質とを有する水系リチウム―空気二次電池の負極構造であって、前記金属リチウム層と前記真性ポリマー反応防止層の間に前記真性ポリマー電解質反応防止層の溶解を抑制する第1有機電解液層を備えることを特徴とする。
金属リチウム層と真性ポリマー電解質反応防止層の間に真性ポリマー電解質反応防止層を溶解しない第1有機電解液層を備えるので、金属リチウム層の充放電に伴う体積変化に第1有機電解液が流動して追従することができる。その結果、Liデンドライト成長を抑制し且つ金属リチウム層と真性ポリマー電解質反応防止層の間の界面抵抗を低下させることができる。
従来技術に係り、水系金属リチウム―空気二次電池の概念を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る水系金属リチウム―空気二次電池の概念を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る水系金属リチウム―空気二次電池の負極構造の概念を模式的に示す断面図である。 参考形態に係る金属リチウム固体電解質電池の概念を模式的に示す断面図である。 真性ポリマー反応防止層の溶解性評価結果を示す写真である。 真性ポリマー反応防止層のリチウムイオン導電性を評価する装置を模式的に示す図である。 図6に示す装置を使って評価したリチウムイオン導電性評価結果を示すグラフである。 図7の原点付近の拡大図である。 真性ポリマー反応防止層のLiデンドライト成長抑制効果を評価する装置を模式的に示す図である。 図9の装置でリチウム金属箔間に電流密度0.5mA/cm2の一定の電流を付与した場合のリチウム金属箔間の継時変化を示すグラフである。 図9の装置でリチウム金属箔間に電流密度1mA/cm2の一定の電流を付与した場合のリチウム金属箔間の継時変化を示すグラフである。
以下、発明を実施するための形態を図面に基づき詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の負極構造は、図2に示すように、金属リチウム層20と、真性ポリマー電解質反応防止層21と、固体電解質22とを有する水系リチウム―空気二次電池の負極構造であって、金属リチウム層20と真性ポリマー電解質反応防止層21の間に真性ポリマー電解質反応防止層21の溶解を抑制する第1有機電解液層23を備えている。
本実施形態の負極構造は、金属リチウム層20と真性ポリマー電解質反応防止層21の間に真性ポリマー電解質反応防止層21の溶解を抑制する室温で液体状態の第1有機電解液層21を備えているので、金属リチウム層20の充放電に伴う体積変化に第1有機電解液層23が流動して追従することができる。その結果、Liデンドライト成長を抑制し且つ金属リチウム層20と真性ポリマー電解質反応防止層21の間の室温での界面抵抗を低下させることができる。
金属リチウム層20は、例えば、金属リチウムリボン、金属リチウム箔である。金属リチウム箔は、株式会社三徳や本城金属株式会社等から市販されている。
真性ポリマー電解質反応防止層21は、リチウム塩をポリマーに分散させたもので、有機溶媒を含まない電解質であり、室温で固体である。ホストとなるポリマーには、PEO(ポリエチレンオキシド)、PPO(ポリプロピレンオキシド)等を使用することができる。リチウム塩は、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiTFSI(Li(CF3SO22N)、Li(C2F4SO22N、LiBOB(ビスオキサラトホウ酸リチウム)等である。
リチウム塩をポリマーに分散させた真性ポリマー電解質反応防止層21は室温で固体であるので、Liデンドライトの成長を抑制することができる。
真性ポリマー電解質反応防止層21は、PEO(ポリエチレンオキシド)−LiTFSI(リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド)電解質を含むとよい。PEO-LiTFSI電解質は、機械的強度が高く、且つ、最もリチウムイオン導電率が高い真性ポリマー電解質の種類に属し、電解質反応防止層21として、最適であると言える。これにより、後述の第1有機電解液層23が鎖状エーテル溶媒を含む場合、真性ポリマー電解質反応防止層21が第1有機電解液層23に溶解することが一層抑制される。
固体電解質22には、[背景技術]で触れたLATPを用いることができる。
第1有機電解液層23には、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒に、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiSbF6等のリチウム塩を高濃度に溶解した有機電解液を用いることができる。
この有機電解液は室温で液体であるので、充放電に伴う金属リチウム層20の体積変化に追従することができる。その結果、界面抵抗が低くなる。
第1有機電解液層23は、真性ポリマー電解質反応防止層21を溶解し難いものが良い。第1有機電解液層23に真性ポリマー電解質反応防止層21を接触させても、真性ポリマー電解質反応防止層21の機械的強度が保持され、真性ポリマー電解質反応防止層21が本来有している、デンドライト抑制効果が維持されるからである。
真性ポリマー電解質反応防止層21として、PEO-LiTFSI電解質を用いた場合、第1有機電解液層23は、鎖状エーテル溶媒を含むとよい。これにより真性ポリマー電解質反応防止層21の溶解を一層抑制することができる。その具体的な鎖状エーテル溶媒として、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジメトキシプロパン(DMP)、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等を例示できる。
(実施形態2)
本実施形態の負極構造は、図3に示すように、実施形態1に係る負極構造における真性ポリマー反応防止層21と固体電解質22の間に真性ポリマー反応防止層21の溶解を抑制する第2有機電解液層24を備えている。実施形態1の負極構造と同じ構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の負極構造は、真性ポリマー反応防止層21と固体電解質22の間に室温で液体状態の第2有機電解液層24を備えているので、真性ポリマー反応防止層21や固体電解質22の表面粗さに起因する界面接続の悪さが改善され、結果として、界面抵抗を低減することができる。
第2有機電解液層24にもプロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒に、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiSbF6 等のリチウム塩を高濃度に溶解した有機電解液を用いることができる。
第2有機電解液層24は、真性ポリマー電解質反応防止層21を溶解し難いものが良い。第2有機電解液24に真性ポリマー電解質反応防止層21を接触させても、真性ポリマー電解質反応防止層21の機械的強度が保持され、真性ポリマー電解質反応防止層21が本来有している、デンドライト抑制効果が維持されるからである。Liデンドライドの成長が抑制されることで、固体電解質22とLiが反応することを防止することができる。
真性ポリマー電解質反応防止層21として、PEO-LiTFSI電解質を用いた場合、第2有機電解液層24は、鎖状エーテル溶媒を含むとよい。これにより真性ポリマー電解質反応防止層21の溶解を一層抑制することができる。その具体的な鎖状エーテル溶媒として、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジメトキシプロパン(DMP)、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等を例示できる。
(参考形態)
本参考形態の負極構造は、図4に示すように、金属リチウム固体電解質電池に本発明を適用したものである。
すなわち、本参考形態の負極構造は金属リチウム負極20aと高分子電解質30aとの間に高分子電解質30aのLiデンドライト抑制効果を維持しつつ、金属リチウム負極20aと高分子電解質30aとの界面抵抗を低減する有機電解液層23aを備えている。
有機電解液層23aは室温で液体であり、室温で固体の金属リチウム負極20aと高分子電解質30aの界面接続性を改善し、充放電に伴う金属リチウム負極20aの体積変化に流動して追従することができる為、界面抵抗を低減することができる。
有機電解液層23aにもプロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒に、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiSbF6等のリチウム塩を高濃度に溶解した有機電解液を用いることができる。
有機電解液層23aは、高分子電解質30aを溶解し難いものが良い。有機電解液層23aに真性ポリマー電解質を接触させても、高分子電解質30aの機械的強度が保持され、真性ポリマー電解質が本来有している、デンドライト抑制効果が維持されるからである。Liデンドライドの成長が抑制されることで、金属リチウム負極20aと正極10aとの短絡を防止することができる。
高分子電解質30aとして、PEO-LiTFSI電解質を用いた場合、有機電解液層23aは、鎖状エーテル溶媒を含むとよい。これにより高分子電解質30aの溶解を一層抑制することができる。その具体的な鎖状エーテル溶媒として、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジメトキシプロパン(DMP)、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等を例示できる。
(評価試験例1)本発明の真性ポリマー電解質反応防止層の有機電解液層への溶解性評価試験
<本発明のPEO-LiTFSI 電解質反応防止膜の作製>
アセトニトリル(和光純薬製、特級)溶媒55g中に、ポリマー成分としてPEO(ポリエチレンオキシド:SIGMA-ALDRICH製、MW=60万)3.67gと支持電解質成分として、LiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;SIGMA-ALDRICH製)1.33g入れ、室温でよく攪拌し、完全に溶解させる。次に、その溶液中にチタン酸バリウム粉末(Alfa Aesar製)0.56gを入れ、攪拌し、良く分散させる。次に、PEOとLiTFSIが溶解し、チタン酸バリウムが分散した溶液を、水平が確保されたシリコン製のキャスティング容器に直接注ぎ込み、120℃で3時間真空乾燥し、アセトニトリルを完全に除去して、PEO-LiTFSI電解質反応防止膜(厚さt=200μm)を作製した。
<実施例の有機電解液と比較例の有機電解液の調整>
鎖状エーテル系溶媒として、DME(1,2−ジメトキシエタン:キシダ化学製)100mLにLiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;SIGMA-ALDRICH製)28.7gを溶解し、実施例1の有機電解液とした。
炭酸エステル系溶媒として、EC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)が1:1で混合調整された溶媒(キシダ化学製)100mLにLiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;SIGMA-ALDRICH製)28.7gを溶解し、比較例1−1の有機電解液とした。
環状エーテル系溶媒として、THF(テトラヒドロフラン:和光純薬製)100mLにLiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;SIGMA-ALDRICH製)28.7gを溶解し、比較例1−2の有機電解液とした。
<本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜の溶解性評価試験方法>
上記、本発明の有機電解液及び比較例1、2の有機電解液を、白色のスクリューキャップ付きの透明ガラス瓶に入れた。次に、上記本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜(厚さt=200μm)を15mmx10mm サイズに切り取り、上記本発明の有機電解液と、比較例1−1、1−2の有機電解液に室温で浸漬し、PEO-LiTFSI電解質反応防止膜の溶解性を評価した。
<本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜の溶解性評価試験結果>
図5に本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜の溶解性評価試験結果を示した。図5は、本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を室温で10日間浸漬した後のガラス瓶外観写真である。
図5(a)は、比較例1−1の有機電解液に本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を10日間浸漬した後のガラス瓶外観写真である。図5(b)、比較例1−2の有機電解液に本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を10日間浸漬した後のガラス瓶外観写真である。図5(c)は、実施例1の有機電解液に本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を10日間浸漬した後のガラス瓶外観写真である。
図5(a)から、ECとDMCを混合した炭酸エステル系の比較例1−1の有機電解液では、本発明のPEO-LiTFSI電解質膜が消失(但し、ガラス瓶底部には、添加したチタン酸バリウム粉末が沈殿して、白濁化)しており、電解液も透明であることがわかる。このことから、本発明のPEO-LiTFSI電解質膜は、ECとDMCを混合した炭酸エステル系の比較例1−1の有機電解液に完全に溶解したことがわかる。
図5(b)から、環状エーテル系のTHFを用いた比較例1−2の有機電解液では、本発明のPEO-LiTFSI電解質膜は、膜状には残存していないことがわかる。また、THFを用いた比較例1−2の有機電解液は、白濁化しており、THFを用いた比較例1−2の有機電解液に対して、本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜は、完全には溶解しないが、膜形状を維持できないことがわかる。
図5(c)から、鎖状エーテル系のDME電解液を用いた実施例1の有機電解液の場合、本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜は、膜形状を維持しており、実施例1の有機電解液も透明なままであることがわかる。写真撮影後、実施例1のDEM電解液から、本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を取り出して目視観察したところ、PEO-LiTFSI電解質反応防止膜は、表面が多少膨潤していることが確認された。このことから、実施例1のDME電解液はPEO-LiTFSI電解質膜のPEOのアモルファス部に侵入し、膜中に多少吸収されるものの、PEOの結晶部までは溶解させることができず、PEO-LiTFSI電解質膜は、強度を維持して、膜形状を保持していると考えられる。
(評価試験例2)本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜のLiイオン導電性の評価
<本発明のセル構造と比較例のセル構造の構築>
上記<本発明のPEO-LiTFSI電解質反応防止膜の作製>と同様に作製したPEO-LiTFSI電解質反応防止膜を10mmサイズに切り出し、その両面に、<実施例の有機電解液と比較例の有機電解液の調整>で調整した実施例1のDME-LiTFSI電解液をスポイトで滴下した後、リチウム金属箔(本城金属製:10mmxt=200μm)で挟み込み、Li[固体]/ DME-LiTFSI[液体]/PEO-LiTFSI[固体]/DME-LiTFSI[液体]/Li[固体]のセル構造を構築し、実施例2のセル構造とした。
10mmサイズに切り出したPEO-LiTFSI電解質膜をそのままリチウム金属箔(本城金属製:10mmxt=200μm)で挟み込み、Li[固体]/PEO-LiTFSI[固体]/Li[固体]のセル構造を構築し、比較例2のセル構造とした。
<PEO-LiTFSI電解質反応防止膜のLiイオン導電性の評価方法>
図6に示すように、上記のセル構造の両側のリチウム金属箔に銅箔を取り付け、アルミラミネートシートで封止した後、インピーダンス評価装置(ソーラートロン製:SI1260/SI1287)を用いてインピーダンスを評価した。実施例2のセル構造では、25℃での評価を、比較例2のセル構造では、25℃と60℃の温度での評価を行った。
<PEO-LiTFSI電解質反応防止膜のLiイオン導電性の評価結果>
インピーダンス測定結果を図7、8に示す。図8は図7の原点付近を拡大したグラフである。図7、8は、インピーダンス測定結果を、複素平面図(縦軸:インピーダンスの虚数成分;−Zimg[Ωcm]、横軸:インピーダンスの実数成分;Zreal[Ωcm])上にプロット(コール―コールプロット)したものである。
インピーダンス測定結果を、コール―コールプロットすると図7、8のような半円状のインピーダンススペクトルが現れる。その半円状のインピーダンススペクトルからPEO-LiTFSIのバルク抵抗とLi[固体]/PEO-LiTFSI[固体]の界面抵抗を分離評価することが可能である。半円状インピーダンススペクトル曲線と横軸(Zreal軸)との二つの交点間隔が界面抵抗に、原点側の交点と原点との間隔がバルク抵抗になる。
図8における、実施例2のセル構造のインピーダンススペクトル曲線(イ)から25℃でのLi/PEO-LiTFSIの界面抵抗(2面分)が、約350Ωcm2であることがわかる。
一方、図7における比較例2のセル構造のインピーダンススペクトル曲線(ロ)から25℃でのLi/PEO-LiTFSIの界面抵抗(2面分)は、約2,800Ωcm2と非常に大きいことがわかる。
しかしながら、図8における比較例2のセル構造の60℃に加熱した場合のインピーダンススペクトル曲線(ハ)から60℃に加熱することで、約110Ωcm2に大幅に低減することがわかった。このように、室温(25℃)では、Li/PEO-LiTFSIの界面抵抗は、非常に高いが、発明電解液であるDME-LiTFSI電解液を、その界面に添加することで、界面抵抗を大幅に低減できることがわかる。
(評価試験例3)反応防止層のリチウムデンドライト成長抑制効果の評価
<本発明のセル構造と比較例のセル構造の構築>
アセトニトリル(和光純薬製、特級)溶媒55g中に、ポリマー成分としてPEO(ポリエチレンオキシド:SIGMA-ALDRICH製、MW=60万)3.67gと支持電解質成分として、LiTFSI(リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;SIGMA-ALDRICH製)1.33g入れ、室温でよく攪拌し、完全に溶解させる。次に、その溶液中にチタン酸バリウム粉末(AlfaAesar製)0.56gを入れ、攪拌し、良く分散させる。次に、PEOとLiTFSIが溶解し、チタン酸バリウムが分散した溶液を、予め、ポリアミド製の不織布(日本バイリーン製、t=150μm)を設置した水平が確保されたシリコン製のキャスティング容器中に、注ぎ込み、120℃で3時間真空乾燥し、アセトニトリルを完全に除去することで、不織布の細孔中に、PEO-LiTFSI電解質が充填されている不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜(厚さt =150μm)を作製した。
この不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜をφ16 mm(厚さt=150μm)のサイズに打ち抜き、図9に示したように、打ち抜いたサンプルを、ポリイミド製リング状スペーサ(外形φ16mmx内径φ8mm厚さt=50μm)で、挟み込む。2枚の銅箔を集電体とした金属Li箔(本城金属φ15mm、t=200μm)をその両面に設置して電極とし、スプリングにより、加圧保持可能なステンレス製の密閉容器内に設置する。このようにすることで、金属Li電極間の距離は、250μmに保持される。密閉容器内を、上記、実施例1の有機電解液(鎖状エーテル系のDME電解液)で充填し、発明反応防止層の構造であるLi[固体]/DME-LiTFSI[液体]/不織布含浸PEO-LiTFSI[固体]/DME-LiTFSI[液体]/Li[固体]の構造を有する実施例3のセル構造を作製した。
不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜の代わりに、不織布(φ16、t=150μm)のみをポリイミド製リング状スペーサに挟み込み、実施例3のセル構造と同様に、両面に金属Li電極を設置し、密閉容器内に入れる。密閉容器内を、同様に鎖状エーテル系のDME電解液で充填することで、不織布中に、DME-LiTFSI電解液が含浸され、Li[固体]/DME-LiTFSI[液体]/不織布(DME-LiTFSI電解液含浸)/DME-LiTFSI[液体]/Li[固体]の構造を有する比較例3のセル構造を作製した。比較例3のセル構造の場合も、実施例3のセル構造と同様に、金属Li電極間の距離は、250μmに保持されている。
<反応防止層のLiデンドライト成長抑制効果の評価方法>
Liデンドライト成長抑制効果の評価は、実施例3のセル及び比較例3のセルを、28℃の恒温槽に入れ、ポテンショ/ガルバノスタット(BioLogic製、VMP3)を用いて、Li電極間に一定の電流を流し、その際のLi電極間の電位をモニターすることで行った。Li電極間に一定の電流密度を流した場合、片側の電極で、Li→Li++e-のLi溶解反応が起こり、もう片方の電極で、Li++e-→LiのLi析出反応が起こる。その際、Li電極は分極され、Li電極間で電位差が発生するが、Li析出反応側の電極で、デンドライトが成長し、Li溶出反応側の電極の電極と接触した場合、Li電極間の電位差は、急激に低下し、Liデンドライトによる短絡を確認することができる。
<反応防止層のLiデンドライト成長抑制効果の評価結果>
反応防止層のLi短絡性評価結果を図10、11に示す。図10は、電流密度0.5mA/cm2の一定の電流をLi電極間に付与した場合の、Li電極間の電位差(ポテンシャル)の経時変化を、図11は、電流密度1mA/cm2の一定の電流をLi電極間に付与した場合の、Li電極間の電位差(ポテンシャル)の経時変化を、それぞれ示している。
図10、11から、Li電極間に、不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜を挿入した実施例3のセル(図10、11における曲線(イ))は、DME-LiTFSI電解液のみの比較例3のセルと(図10、11における曲線(ロ))比べて、Li電極間の電位はやや低く、安定した電位変化を示すことがわかる。これは、不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜を挿入した実施例3のセルでは、PEO-LiTFSI電解質膜により、厚さ方向での体積変化が阻害されているため、電極の溶解/析出が面内方向で均一に起こっているためと考えられる。
Li電極間の電位差が10mV以上の電位降下を示した時点をLi電極間の短絡時間としてみなし、表1には、各電流密度に於ける、実施例3のセルと比較例3のセルの短絡時間を纏めた。
表1から、不織布含浸PEO-LiTFSI電解質膜を挿入した実施例3のセルに於いても、完全にはLiデンドライトによる短絡を防止できないが、短絡を2〜3倍程度遅延させることができることがわかる。
20・・・・・・金属リチウム層
21・・・・・・真性ポリマー電解質反応防止層
22・・・・・・固体電解質
23・・・・・・第1有機電解液層
24・・・・・・第2有機電解液層

Claims (3)

  1. 金属リチウム層と、真性ポリマー電解質反応防止層と、固体電解質とを有する水系リチウム―空気二次電池の負極構造であって、
    前記金属リチウム層と前記真性ポリマー電解質反応防止層の間に前記真性ポリマー電解質反応防止層に接する第1有機電解液層を備え、
    前記真性ポリマー電解質反応防止層と前記固体電解質の間に前記真性ポリマー電解質反応防止層に接する第2有機電解液層を備え、
    下記の(i)又は(ii)の何れかの特徴を持つ水系リチウム―空気二次電池の負極構造。
    (i)前記第1有機電解液層と前記第2有機電解液層が、前記真性ポリマー電解質反応防止層を溶解しない。
    (ii)前記真性ポリマー電解質反応防止層は、PEO(ポリエチレンオキシド)−LiTFSI(リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド)電解質を含み、前記第1有機電解液層と前記第2有機電解液層が、鎖状エーテルである。
  2. 前記第1有機電解液層は室温で液体状態である請求項1に記載の水系リチウム―空気二次電池の負極構造。
  3. 前記第2有機電解液層は室温で液体状態である請求項に記載の水系リチウム―空気二次電池の負極構造。
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