JP6094298B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態について図1〜3を参照して説明する。本実施形態では、成膜対象物体が球面形状となっているものを例に挙げて、成膜対象物体へのパターン形成方法を説明する。なお、このような成膜対象物体としては、例えば部品狭小部の圧力や温度を計測する圧力センサや温度センサのセンシング部などを挙げることができる。
まず、表面が平坦面となっている平面基板1を用意する。例えば、平面基板1としてはシリコン基板やガラス基板などを用いることができる。そして、この平面基板1における平坦面上に銅などで構成された犠牲層2を成膜する。このとき、犠牲層2については、一定膜厚で表面が平坦面となるように形成している。
犠牲層2の表面に、パターン形成用マスク材として、所定膜厚の原版パターン膜3を成膜する。原版パターン膜3は、例えば圧力や温度の計測用の機能膜をパターン形成する際のパターン形成用マスクとなる原版パターン3a(図1(e)参照)を形成する為の膜である。
平面基板1の表面に犠牲層2や原版パターン膜3およびレジスト膜4が順に成膜されたものに対して、レジスト膜4側に密着させるようにガラスなどで構成されるフォトマスク5を配置する。フォトマスク5は、パターン形成したい形状のパターンと同形状の遮光パターン5aが形成されたものであり、遮光パターン5a以外の部分においては光を透過し、遮光パターン5aでは光を遮る構造とされている。そして、このようなフォトマスク5を用いて、紫外線(UV)照射による露光工程を行うことで、遮光パターン5a以外の部分においてレジスト膜4に紫外線が照射され、感光される。
フォトマスク5を取り除いたのち、現像工程を行うことで、レジスト膜4のうち紫外線照射が行われた領域を除去する。これにより、紫外線照射が行われていない遮光パターン5aと同じ形状にレジスト膜4が残される。
レジスト膜4をマスクとしたエッチングにより、原版パターン膜3をパターニングする。これにより、原版パターン膜3も遮光パターン5aと同じ形状に残り、これが例えば圧力や温度の計測用の機能膜を形成する際のパターン形成用マスクとなる原版パターン3aとなる。このとき、エッチング剤としては例えば希フッ酸などを用いているが、上記したように、原版パターン膜3と犠牲層2とが互いに大きな選択比を有した材料とされていることから、原版パターン膜3のみがエッチングされ、犠牲層2は殆どエッチングされないようにできる。
原版パターン膜3の残り、つまり原版パターン3aの表面からレジスト膜4をリンスして除去する。これにより、犠牲層2の表面に、所望のパターン形状とされた原版パターン3aのみが残された状態となる。
犠牲層2および原版パターン3aを覆うように透光性の粘着シート6を貼り付ける。粘着シート6には、粘着層が犠牲層2および原版パターン3aに対して密着性良く粘着しつつ、紫外線照射によって粘着強度が低下する材料が用いられる。また、粘着シート6には、犠牲層2をエッチングする際のエッチング剤には溶けず、所望パターンの原版パターン3aを粘着した状態のまま維持できる材料が用いられる。このような材料としては、例えばUV硬化性樹脂で構成されたフィルムなどを挙げることができる。
粘着シート6を犠牲層2および原版パターン3aに貼り付けたままの状態で、粘着シート6の側方から犠牲層2をエッチングする。例えば、犠牲層2を銅で構成する場合には、硝酸第二セリウムアンモニウムをエッチング剤として用いている。このとき、上記したように、原版パターン3aと犠牲層2とが互いに大きな選択比を有した材料とされていることから、犠牲層2のみがエッチングされ、原版パターン3aは殆どエッチングされないようにできる。また、上記したように、粘着シート6についても、粘着力が確保されるため、粘着シート6に原版パターン3aが粘着した状態のまま維持されるようにできる。これにより、図に示したように、粘着シート6に対して原版パターン3aのみがパターン転写された構造が完成し、平面基板1から容易に取り出すことができる。
成膜対象物体10を用意する。ここでは、成膜対象物体10として例えば球面形状の物を用意している。このような成膜対象物体10としては、例えば圧力センサや温度センサなどのセンシング部が挙げられる。また、成膜対象物体10が金属など導体材料の場合には、成膜対象物体10の表面を酸化膜などの絶縁膜でコーティングしている。そして、成膜対象物体10の表面に、スパッタなどによってパターン形成を行いたいパターン材料11を成膜する。例えば、圧力計測用のパターン形成を行う場合にはパターン材料11をクロム(Cr)系の金属膜などとし、温度計測用のパターン形成を行う場合にはパターン材料11を白金(Pt)などとする。
パターン材料11の表面に例えばポジ型の感光性樹脂レジストなどで構成されるレジスト膜(第1レジスト膜)12を形成する。
図2(c)に示す工程において用意した原版パターン3aがパターン転写された粘着シート6をレジスト膜12の表面に貼り付ける。このとき、粘着シート6については、柔軟性に富んでいるため、成膜対象物体10が球面形状のような複雑な曲面であっても、原版パターン3aが貼り付けられた粘着シート6を隙間無くレジスト膜12に貼り付けることが可能となる。そして、原版パターン3aが貼り付けられた粘着シート6をフォトマスクとして用いて、紫外線(UV)照射による露光工程を行うことで、原版パターン3a以外の部分においてレジスト膜12に紫外線が照射され、感光される。また、粘着シート6に例えばUV硬化性樹脂などで構成されたフィルムを用いていることから、紫外線照射により、粘着強度が低下した状態となる。
フォトマスクとして用いた原版パターン3aおよび粘着シート6をレジスト膜12の表面から取り除く。このとき、上記したように粘着シート6の粘着強度が低下した状態になっていることから、粘着シート6および原版パターン3aを容易に取り除くことが可能となる。
現像工程を行うことで、レジスト膜12を原版パターン3aと対応した形に残す。本実施形態のように、レジスト膜12をポジ型としている場合には、レジスト膜12のうち紫外線照射が行われた領域が除去される。これにより、紫外線照射が行われていない原版パターン3aと同じ形状にレジスト膜12が残される。
レジスト膜12をマスクとしたエッチングにより、パターン材料11をパターニングする。これにより、パターン材料11も原版パターン3aと同じ形状に残り、この残された部分によってパターン膜11aが構成される。
パターン材料11の残り、つまりパターン膜11aの表面からレジスト膜12をリンスして除去する。これにより、成膜対象物体10の表面に所望パターンとされたパターン膜11aが形成される。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
2 犠牲層
3 原版パターン膜
3a 原版パターン
4、12 レジスト膜
5 フォトマスク
6 粘着シート
10 成膜対象物体
11 パターン材料
11a パターン膜
Claims (2)
- 成膜対象物体(10)に対してパターン膜(11a)を形成するパターン形成方法であって、
透光性の粘着シート(6)に対して原版パターン(3a)を貼り付けたフォトマスクを用意する工程と、
前記成膜対象物体の表面に、パターン形成を行うパターン材料(11)を成膜すると共に、該パターン材料の表面に第1レジスト膜(12)を成膜する工程と、
前記原版パターンが貼り付けられた前記粘着シートを前記第1レジスト膜の表面に貼り付ける工程と、
前記原版パターンが貼り付けられた前記粘着シートの上から、前記第1レジスト膜を露光する工程と、
前記粘着シートおよび前記原版パターンを前記原版パターンと対応した形以外の部分が露光された前記第1レジスト膜から取り除く工程と、
前記取り除く工程を行った後に、現像を行うことで、前記第1レジスト膜を前記原版パターンと対応した形に残す工程と、
前記原版パターンと対応した形に残された前記第1レジスト膜をマスクとして前記パターン材料をパターニングすることで、前記パターン材料を前記原版パターンの形に残して前記パターン膜を形成する工程と、を含んでおり、
前記フォトマスクを用意する工程では、
平面基板(1)を用意し、該平面基板の上に犠牲層(2)を成膜する工程と、
前記犠牲層(2)の表面に前記原版パターンを形成するための原版パターン膜(3)を成膜すると共に、該原版パターン膜の表面に第2レジスト膜(4)を成膜する工程と、
前記原版パターンと同じ形状の遮光パターン(5a)が形成されたマスク(5)を前記第2レジスト膜に密着させ、該マスクの上から露光を行ったのち現像することで前記第2レジスト膜を前記遮光パターンと同じ形状に残す工程と、
前記遮光パターンと同じ形状とされた前記第2レジスト膜をマスクとして前記原版パターン膜をパターニングすることで、前記原版パターン膜を前記遮光パターンの形に残して前記原版パターンを形成する工程と、
前記原版パターンに前記粘着シートを貼り付ける工程と、
前記粘着シートを前記原版パターンに貼り付けた状態で前記犠牲層をエッチングしたのち、前記粘着シートおよび前記原版パターンを前記平面基板から取り外す工程と、を含んでいることを特徴とするパターン形成方法。 - 前記フォトマスクを用意する工程では、前記粘着シートとして紫外線照射によって粘着強度が低下するものを用い、
前記原版パターンで覆った部分を残す工程では、前記露光を紫外線照射によって行うと共に、前記粘着シートの粘着強度を低下させ、
前記第1レジスト膜から取り除く工程では、粘着強度が低下した前記粘着シートおよび前記原版パターンを前記第1レジスト膜から取り除くことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
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