JP6094147B2 - 電気弦楽器 - Google Patents
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Description
さらに、上記電気弦楽器によれば、可動フレームが楽器本体に対して回転自在に連結されているため、楽器本体から分離することもない。したがって、従来のようなフレームの置忘れや紛失を防止できる。また、電気弦楽器の演奏時にフレームが不意に脱落することも防止できるため、電気弦楽器を容易に取り扱うことが可能となる。
さらに、可動フレームが楽器本体の側面から背面側に回り込むため、電気弦楽器を折りたたんだ状態で弦の調律を行うことも可能となる。
上記のように可動フレームが固定されていれば、演奏者が電気弦楽器を演奏する際に、可動フレームが演奏者の身体の一部分(腕や足、胸部、腹部など)に当っても、可動フレームの回転移動が固定機構によって規制される。したがって、演奏者は安定した状態で電気弦楽器を演奏することができる。
上記電気弦楽器によれば、電気弦楽器を折りたたんだ状態において電気弦楽器をさらに容易に持ち運ぶことができる。
また、本発明の電気弦楽器は、正面側に複数の弦が張られる楽器本体と、該楽器本体の両側面に配置可能な一対のフレームと、を備え、前記一対のフレームの少なくとも一方が、前記楽器本体の長手方向を回転軸として前記楽器本体の側面から背面側に向けて回り込んで他方のフレームに重なり合うように、前記楽器本体に対して回転自在に連結された可動フレームであり、さらに、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転不能に固定する固定機構を備え、該固定機構が、前記一対のフレームを前記楽器本体の両側面に各々配した状態で前記可動フレームを固定し、前記固定機構が、前記楽器本体の表面から該楽器本体の長手方向に窪むと共に前記回転軸の径方向に延在して形成され、前記楽器本体に連結されて前記回転軸から径方向に延在する前記可動フレームの連結端部を挿入可能な係止溝と、前記連結端部を前記係止溝に挿入する方向に付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の電気弦楽器は、正面側に複数の弦が張られる楽器本体と、該楽器本体の両側面に配置可能な一対のフレームと、を備え、前記一対のフレームの少なくとも一方が、前記楽器本体の長手方向を回転軸として前記楽器本体の側面から背面側に向けて回り込んで他方のフレームに重なり合うように、前記楽器本体に対して回転自在に連結された可動フレームであり、さらに、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転不能に固定する固定機構を備え、該固定機構が、前記一対のフレームを前記楽器本体の両側面に各々配した状態で前記可動フレームを固定し、前記固定機構が、前記楽器本体にその長手方向にねじ込まれ、前記楽器本体に連結される前記可動フレームの連結端部を前記楽器本体に押し付ける押付用ねじを備え、該押付用ねじが、前記連結端部に挿通されて、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転自在に連結していることを特徴とする。
さらに、上記構成では、押付用ねじが可動フレームを楽器本体に連結する機能も有するため、電気弦楽器の構成部品点数を削減して、その製造コストを低く抑えることも可能である。
この構成では、磁力吸着部が配された位置まで可動フレームを回転移動させるだけで、可動フレームの連結端部が磁力によって磁力吸着部に吸着されるため、可動フレームを簡単に楽器本体に固定することができる。また、この固定状態から可動フレームを回転移動させるためには、磁力吸着部と連結端部との間に作用する磁力よりも大きな力を可動フレームの回転方向に作用させればよい。したがって、短時間で演奏準備や片付けを行うことが可能となる。
電気弦楽器が電気ギターである場合、演奏者が椅子等に座った状態で電気弦楽器を演奏する際には、一対のフレームの一方を楽器本体の下側に配置して演奏者の足部(太腿)上に載せることがある。
そこで、上記構成のように楽器本体に固定された第二フレームを演奏者の足部に載せれば、楽器本体が第二フレームを介して演奏者の足部上に安定して配される。このため、例え第一フレームが楽器本体に対して不意に回転移動したとしても、演奏を継続することができる。
以下、図1〜7を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る電気ギター(電気弦楽器)1は、細長い楽器本体2と、楽器本体2の正面2a側に張られる複数の弦3と、楽器本体2の左右両側面2c,2dに配置可能な一対のフレーム4,5と、を備えている。
胴部11の正面2aには、各弦3の一端を固定するテールピース13が設けられている。テールピース13は、胴部11の長手方向の中間部分に設けられている。また、胴部11の内部には、弦3の振動を検出して電気信号に変換するピックアップ装置(不図示)が設けられている。ピックアップ装置は、例えば後述する指板14に重ならない範囲で、胴部11の前端部21とテールピース13との間に配される。さらに、胴部11には、トーンコントロールを含むプリアンプや、プリアンプの出力を外部に取り出すジャック(いずれも不図示)等、一般的な電気ギターの各種構成部品も設けられている。
各フレーム4,5の長手方向の両端部は、それぞれ胴部11の前端部21及び後端部22に取り付けられている。
なお、胴部11の第一側面2cは、両側面2c,2dのうち音程が最も低い第一弦3a側に位置する側面(演奏時に上に向く側面)であり、第二側面2dは、音程が最も高い弦3(例えば第六弦3f)側に位置する側面(演奏時に下に向く側面)である。
これにより、図1に示すように、第一フレーム4が第一側面2c(展開位置4A)に配された状態では、一対のフレーム4,5が、アコースティックギターのボディの外形形状と同様の瓢箪(ひょうたん)型の形状を呈する。また、図3に示すように、第一フレーム4が第二側面2d(折りたたみ位置4B)に配された状態では、一対のフレーム4,5が胴部11の厚さ方向に重なり合う。すなわち、第一フレーム4が回転自在であることで、電気ギター1が折りたたみ自在となっている。
図4〜7に示すように、胴部11の後端部22には、胴部11の背面2bから窪むと共に胴部11の幅方向に延びる有底の収容溝31が形成されている。収容溝31の延在方向の両端は、胴部11の両側面2c,2dにそれぞれ開口している。胴部11の後端部22に位置する第一フレーム4の連結端部23は、この収容溝31内に収容される。
そして、本実施形態の回転軸32は、胴部11の後端面2eから長手方向にねじ込まれる連結用ねじ33によって構成されている。連結用ねじ33は、回転軸32をなす雄ねじ部33Aと、雄ねじ部33Aの軸方向一端に設けられたストラップ保持部33Bと、を備えている。
なお、第一フレーム4の他端部(連結端部23)と胴部11の前端部21との連結構造は、回転軸32をなす連結用ねじ33が胴部11の前端面(不図示)から胴部11の長手方向にねじ込まれる点を除いて、上述した第一フレーム4の一端部(連結端部23)と胴部11の後端部22との連結構造と同一である。すなわち、第一フレーム4の他端部は、第一フレーム4の一端部と同様に、胴部11の前端部21に形成された収容溝31(図2,3参照)に収容されると共に、エンドピンを兼用する連結用ねじ33の雄ねじ部33A(回転軸32)に挿通されている。
狭持部材35は、弾性変形可能な金属等の板材に折り曲げ加工を施して形成され、ベース板部36と、ベース板部36の両端からベース板部36の厚さ方向に延出する一対の狭持部37,37と、を備えている。ベース板部36は、固定用ねじ38によって収容溝31の底部31aに固定されている。
なお、図示例では、胴部11の後端部22に狭持部材35を設けた構成が記載されているが、胴部11の前端部21にも同様の狭持部材35が設けられていてよい。
また、第一フレーム4が楽器本体2に対して回転自在に連結されているため、楽器本体2から分離することもない。したがって、フレーム4,5の置忘れや紛失を防止できる。また、電気ギター1の演奏時にフレーム4,5が不意に脱落することも防止できるため、電気ギター1を容易に取り扱うことが可能となる。
さらに、第一フレーム4は固定機構によって折りたたみ位置4Bにも固定されるため、電気ギター1を折りたたんだ状態で容易に持ち運ぶことができる。
さらに、本実施形態では、連結用ねじ33が第一フレーム4用の回転軸32及び電気ギター1のエンドピンを兼用しているため、電気ギター1の構成部品点数の削減を図ることもできる。
また、連結端部23を狭持する一対の狭持部37,37は、弾性変形可能な板材によって一体に形成されることに限らず、例えば別個に形成されてもよい。この場合、一対の狭持部37,37は、互いに対向するように収容溝31の各内側面31b,31cに設けられればよい。また、この場合には、一対の狭持部37,37を配置する自由度が高くなり、例えば、一対の狭持部37,37によって折りたたみ位置4Bや展開位置4Aを除く所定の回転位置(例えば90度の位置)において第一フレーム4を固定することも可能となる。
次に、図8〜10を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態の電気ギター1と比較して、固定機構の構成のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
係止溝41は、収容溝31の内側面(表面)から胴部11の長手方向に窪むと共に、回転軸32の径方向に延在して形成されている。
なお、図示例における収容溝31の内側面31bから窪む係止溝41の深さ寸法は、連結端部23の一部のみが係止溝41内に挿入されるように設定されているが、例えば連結端部23全体が係止溝41内に挿入されるように設定されてもよい。
係止溝41を形成した内側面31bに相対する他方の内側面31cには、回転軸32と同心で回転軸32よりも径寸法の大きい収容孔43が形成されている。コイルばね42は、回転軸32に挿通された状態で収容孔43に挿入されている。また、コイルばね42は、連結端部23よりも胴部11の前端部21側に配され、これによって、連結端部23を胴部11の後端部22側に付勢している。
第一フレーム4が、例えば図10に示すように、展開位置4A以外の回転位置に配されている状態では、連結端部23がコイルばね42の付勢力によって一方の内側面31bに押し付けられる。そして、第一フレーム4が上述した位置から展開位置4Aまで回転移動すると、図8,9に示すように、連結端部23がコイルばね42の付勢力によって係止溝41に挿入される。この挿入状態では、連結端部23及び係止溝41の延在方向が一致しているため、連結端部23の回転移動が規制され、第一フレーム4が楽器本体2に固定される。
また、第二実施形態に係る電気ギターによれば、前述した第一実施形態と同様の効果も奏する。
また、コイルばね42は常に連結端部23を付勢するように配されているが、少なくとも連結端部23を係止溝41に挿入可能な位置において付勢するように配されていればよい。さらに、連結端部23を付勢する付勢手段は、コイルばね42に限らず、例えば板バネやゴム等であってもよい。
さらに、上記第二実施形態の固定機構は、第一実施形態の固定機構と組み合わせてもよい。例えば第一フレーム4を展開位置4Aに固定するように係止溝41及びコイルばね42を設けると共に、第一フレーム4を折りたたみ位置4Bに固定するように狭持部材35を設けてもよい。
次に、図11を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態では、第一、第二実施形態の電気ギター1と比較して、固定機構の構成のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一、第二実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
押付用ねじ51は、胴部11の後端面2eから胴部11の長手方向にねじ込まれるものであり、雄ねじ部51Aと、雄ねじ部51Aの軸方向一端に設けられたストラップ保持部51Bと、軸方向他端に設けられた挿通部51Cとを備えている。なお、ストラップ保持部51Bは、第一、第二実施形態の連結用ねじ33のストラップ保持部33Bと同様のものである。
また、挿通部51Cは、第一、第二実施形態の連結用ねじ33の雄ねじ部33Aと同様に、第一フレーム4の連結端部23に挿通されるものであり、本実施形態における回転軸をなしている。すなわち、本実施形態では、押付用ねじ51によって、第一フレーム4が楽器本体2に対して回転自在に連結されている。
なお、図示例では、胴部11の後端部22に押付用ねじ51を設けた構成が記載されているが、例えば胴部11の前端部21にも同様の押付用ねじ51が設けられていてよい。この場合、押付用ねじ51は胴部11の前端面(不図示)から胴部11の長手方向にねじ込まれればよい。
さらに、本実施形態のギターでは、押付用ねじ51により第一フレーム4の連結端部23を楽器本体2に押し付けるだけで、第一フレーム4を簡単に任意の回転位置(展開位置4A・折りたたみ位置4Bを含む)に固定することが可能である。そして、演奏者の身体に当る第一フレーム4を任意の回転位置で固定できれば、演奏者は所望する様々な姿勢で電気ギターを演奏することが可能となる。すなわち、電気ギターによる演奏の自由度向上を図ることができる。
なお、上記第三実施形態の固定機構は、第一、第二実施形態の固定機構と適宜組み合わせることが可能である。この場合、第一、第二実施形態の構成において、連結用ねじ33の代わりに本実施形態の押付用ねじ51を用いればよい。
例えば、第一フレーム4を楽器本体2に固定する固定機構は、磁力を利用したものであってもよく、例えば、楽器本体2に設けられて、連結端部23を磁力によって吸着固定する磁力吸着部を備えていてもよい。この磁力吸着部が磁石である場合には、連結端部23に鉄等の磁性体あるいは磁石を固定したり、連結端部23あるいは第一フレーム4自体を鉄等の磁性体によって形成すればよい。また、連結端部23に磁石を固定した場合、磁力吸着部は鉄等の磁性体であってもよい。
なお、この固定機構は、上述した三つの実施形態の固定機構と適宜組み合わせ可能である。
さらに、第一フレーム4の連結端部23は、胴部11の収容溝31内に収容されることに限らず、例えば、胴部11の前端面や後端面2eに配されてもよい。
また、一対のフレーム4,5の折りたたみ位置4Bは、楽器本体2の第一側面2cから背面2bに回りこんで第二側面2dに至る任意の回転位置であってよく、例えば背面2b側であってもよい。すなわち、各フレーム4,5の回転角度範囲は、二つのフレーム4,5の回転角度範囲を足し合わせたものが180度となるように設定されていればよく、例えば90度ずつに設定されてもよい。
Claims (8)
- 正面側に複数の弦が張られる楽器本体と、該楽器本体の両側面に配置可能な一対のフレームと、を備え、
前記一対のフレームのうち一方のフレームが、前記楽器本体の長手方向を回転軸として前記楽器本体の側面から背面側に向けて回り込んで他方のフレームに重なり合うように、前記楽器本体に対して回転自在に連結された可動フレームであり、
前記他方のフレームは、前記楽器本体の側面に移動不能に固定されていることを特徴とする電気弦楽器。 - 前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転不能に固定する固定機構を備え、
該固定機構が、前記一対のフレームを前記楽器本体の両側面に各々配した状態で前記可動フレームを固定することを特徴とする請求項1に記載の電気弦楽器。 - 前記固定機構が、前記楽器本体の表面から該楽器本体の長手方向に窪むと共に前記回転軸の径方向に延在して形成され、前記楽器本体に連結されて前記回転軸から径方向に延在する前記可動フレームの連結端部を挿入可能な係止溝と、前記連結端部を前記係止溝に挿入する方向に付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気弦楽器。
- 正面側に複数の弦が張られる楽器本体と、該楽器本体の両側面に配置可能な一対のフレームと、を備え、
前記一対のフレームの少なくとも一方が、前記楽器本体の長手方向を回転軸として前記楽器本体の側面から背面側に向けて回り込んで他方のフレームに重なり合うように、前記楽器本体に対して回転自在に連結された可動フレームであり、
さらに、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転不能に固定する固定機構を備え、
該固定機構が、前記一対のフレームを前記楽器本体の両側面に各々配した状態で前記可動フレームを固定し、
前記固定機構が、前記楽器本体の表面から該楽器本体の長手方向に窪むと共に前記回転軸の径方向に延在して形成され、前記楽器本体に連結されて前記回転軸から径方向に延在する前記可動フレームの連結端部を挿入可能な係止溝と、前記連結端部を前記係止溝に挿入する方向に付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする電気弦楽器。 - 前記固定機構が、前記楽器本体にその長手方向にねじ込まれ、前記楽器本体に連結される前記可動フレームの連結端部を前記楽器本体に押し付ける押付用ねじを備え、
該押付用ねじが、前記連結端部に挿通されて、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転自在に連結していることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の電気弦楽器。 - 正面側に複数の弦が張られる楽器本体と、該楽器本体の両側面に配置可能な一対のフレームと、を備え、
前記一対のフレームの少なくとも一方が、前記楽器本体の長手方向を回転軸として前記楽器本体の側面から背面側に向けて回り込んで他方のフレームに重なり合うように、前記楽器本体に対して回転自在に連結された可動フレームであり、
さらに、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転不能に固定する固定機構を備え、
該固定機構が、前記一対のフレームを前記楽器本体の両側面に各々配した状態で前記可動フレームを固定し、
前記固定機構が、前記楽器本体にその長手方向にねじ込まれ、前記楽器本体に連結される前記可動フレームの連結端部を前記楽器本体に押し付ける押付用ねじを備え、
該押付用ねじが、前記連結端部に挿通されて、前記可動フレームを前記楽器本体に対して回転自在に連結していることを特徴とする電気弦楽器。 - 前記固定機構が、前記一対のフレームを重ね合わせた状態で前記可動フレームを固定することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の電気弦楽器。
- 前記固定機構が、前記楽器本体に設けられて、該楽器本体に連結された前記可動フレームの連結端部を前記楽器本体の長手方向から挟み込んで固定する一対の狭持部を備えることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の電気弦楽器。
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