(商品等提供システム)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品等提供システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る商品等提供システムの全体構成を示す概念図である。なお、本実施形態では、ユーザーが使用するユーザー端末を通じ、ユーザーに対して服飾品(衣類や靴、帽子、アクセサリーなど)の試着を実行可能として商品を提供する場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る商品等提供システムは、通信経路を相互に接続して構築される通信ネットワーク5から、ユーザーが使用するユーザー端末を通じ、ユーザーに対して商品又はサービス(以下、商品等と称する。)を提供するシステムであり、通信ネットワーク5上に、ユーザー端末1と、ユーザー3D情報管理サーバ2と、服飾マッチングサーバ8と、商品等情報配信サーバ6と、リコメンドサーバ9とを備えている。
通信ネットワーク5は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。この通信ネットワーク5には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
無線基地局3は、中継装置4を通じて通信ネットワーク5に接続され、ユーザー端末1との間で無線通信接続を確立し、ユーザー端末1による通話やデータ通信を提供する装置である。中継装置4は、通信ネットワーク5に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置であり、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局3と、通信ネットワーク5との間における中継処理を行う。
ユーザー3D情報管理サーバ2は、通信ネットワーク5上に配置され、3Dモデリング情報に関するユーザー管理、データ収集管理を行うサーバ装置である。ここで、3Dモデリング情報は、ユーザーの身体的特徴が再現されたオブジェクトデータである。ここで、身体的特徴とは、身体的特徴には部分的又は全体的な身体的特徴が含まれ、「部分的」な身体的な特徴としては、例えば手や顔、足などの身体の一部の外的な形状や大きさ、色、乾燥状態の他、温度や水分、脂肪分などの内的な状態も含まれる。一方、「全体的」な身体的特徴としては、身長や体型、同一スケールにおける身体各部のサイズ及び形状、身体各部のサイズや形状の比率などの外的な特徴の他、体重や体脂肪率、健康状態などの内的な特徴も含まれる。
そして、3Dモデリング情報には、これらの身体的特徴(例えば身長、体重の他、胸囲、胴囲、腰囲、肩幅、上半身の長さ、下半身の長さなど詳細な情報)が含まれている。さらに、骨格、筋肉、皮下脂肪などで構成される身体全体の形態学的・数量的特性の他、内的な身体的特徴を含めてもよい。また、ユーザー3D情報管理サーバ2には、Webサーバが含まれ、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネットなどのIP網を通じて、これらの情報を送信する。
ユーザー端末1及び1aは、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機であってもよい。本実施形態において、ユーザー端末1aは、有線通信を利用したパーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターであり、ユーザー端末1は、無線通信を利用した、携帯可能なスマートフォン、又は携帯電話機である。ユーザー端末1では、基地局等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMA方式、第3、4世代方式の他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このユーザー端末1は、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS(Global Positioning System)等による位置情報取得機能等、種々の機能が搭載される。
また、このユーザー端末1及び1aは、通信ネットワーク5にアクセスして、データの送受信を行うブラウザ機能も備えている。このブラウザ機能は、Webページを閲覧するためのアプリケーションソフトであり、通信ネットワーク5からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能である。なお、以下の説明において、ユーザー端末1とユーザー端末1aを区別しない場合は、単にユーザー端末1と称するものとする。
商品等情報配信サーバ6は、通信ネットワーク上に分散配置され、商品又はサービスに関する商品等情報を配信する商品を販売するメーカー、及び店舗が管理するサーバ装置である。ここで、商品とは、例えば、衣類や靴、帽子、アクセサリーなどの服飾品、レジャー用品等の物品が含まれ、サービスとしては、これらの衣類や服飾品のオーダーメイドサービスの他、ヘルスチェックやダイエットのコーチングサービス、医療や福祉等に関するサービスも含まれる。なお、本実施形態の商品等情報配信サーバ6は、ユーザーに対して服飾品などの商品を提供するメーカーが管理するサーバであるものとする。このような商品等情報配信サーバ6には、服飾品の商品に関するデータ(商品識別情報、値段、サイズ情報、商品画像情報(2次元画像)、サイズを設定する際にベースとなる身体情報など)を蓄積しており、これらの情報を服飾マッチングサーバ8に送信する。
服飾マッチングサーバ8は、3次元仮想空間情報を共有する3次元仮想空間を提供するとともに、3次元仮想空間内において、3Dモデリング情報に対して商品の試着を実行可能とするコンテンツサーバであり、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報配信を行ったり、アプリケーションを実行することにより3次元仮想空間を構築するサーバコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアで構成され、Webブラウザや専用アプリケーションなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネット5を通じて、これらの情報を送信する。なお、この服飾マッチングサーバ8は、商品等情報配信サーバ6から商品等に関する情報を取得するとともに、ユーザー端末1から3Dモデリング情報データを取得している。
リコメンドサーバ9は、服飾マッチングサーバ8による商品等提供に応じた履歴情報(購入履歴、試着実行履歴等)を分析して、会員に対しておすすめの商品を広告情報として配信するサーバ装置である。
(各装置の内部構造)
次いで、上述した商品等提供システムを構成する各装置の内部構造について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)商品等情報配信サーバ6及び服飾マッチングサーバ8
商品等情報配信サーバ6には、図2に示すように、通信インターフェース61と、制御部62と、商品データベース63とを備えている。
商品データベース63は、商品に関する情報を蓄積するデータベースであり、商品に関する情報としては、例えば、ジャケット、スカート、セータ、靴、バッグ、アクセサリーといった商品カテゴリ毎に、商品情報、及び商品画像を格納している。商品情報には、商品カテゴリ名、商品名、商品番号、色、サイズ、被服素材情報、パターン情報、服型、注文番号、値段等が含まれる。
通信インターフェース61は、通信ネットワーク5を通じてユーザー端末1及び他のサーバ装置との間でデータの送受信を行うインターフェースである。この通信インターフェース61を通じて、例えば、商品等に関する情報が服飾マッチングサーバ8に送信され、服飾マッチングサーバ8又はリコメンドサーバ9から、ユーザー評価や購入履歴情報などが受信される。
制御部62は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御を行っている。
本実施形態において、制御部62は、商品の販売管理、在庫管理等を行い、商品データベース63内の商品等に関する情報を更新処理する。また、制御部62は、リコメンドサーバ9から利用履歴情報等を取得する。
一方、服飾マッチングサーバ8には、通信インターフェース81と、仮想空間生成部85と、ユーザー管理部83と、試着処理部82と、分析結果取得部84と、表示情報生成部86とを有している。通信インターフェース81は、通信ネットワーク5を通じてユーザー端末1及び他のサーバ装置との間でデータの送受信を行うインターフェースである。この通信インターフェース81を通じて、例えば、商品等に関する情報が服飾マッチングサーバ8から受信され、ユーザー端末1から3Dモデリング情報のデータや試着実行時の操作信号などが受信される。
ユーザー管理部83は、ユーザーのIDやパスワード等の個人情報、ユーザーに対して配信サービスを行うために必要な通信条件等を管理するモジュールであり、本実施形態では、会員データベース833と、会員登録部832と、認証部831とを備えている。
会員データベース833は、ユーザー端末1に関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態では、ユーザー端末1を識別するユーザーID(ユーザー端末1のIPアドレス等)に、ユーザーに関する情報(端末のメールアドレス、電話番号の他、年齢、性別などの基本個人情報)などが関連付けて記録されている。また、このユーザーIDには、3Dモデリング情報記憶部823に蓄積された3Dモデリング情報データが関連付けて蓄積されている。
認証部831は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、通信ネットワーク5を通じてユーザー端末1又はユーザー端末1のIPアドレス等の識別子を取得し、会員データベース833を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認するモジュールである。
また、ユーザー管理部83では、販売されている商品に対するユーザー評価情報を取得する機能を有している。ここで、ユーザー評価情報には、コメント欄に入力された口コミ、感想の入力データや購入後に返品処理又は交換処理された返品・交換情報(返品理由を含む)などが含まれる。
会員登録部832は、本システムを利用するユーザーの会員登録を処理するモジュールであり、ユーザー端末1からのアクセスを受け付けて会員登録を行う。具体的に、会員登録部832は、先ず、ユーザー端末1を特定するための識別情報として、ユーザー端末1のIPアドレス、MACアドレスなどを取得して会員データベース833に記録するとともに、その後、ユーザーからの個人情報入力があった場合には、そのユーザーIDに、ユーザーが所持するユーザー端末1に関する情報(ユーザー端末1のメールアドレス、電話番号、ユーザーの氏名、年齢、性別などの個人情報など)を会員データベース833に関連付けて記録する。
分析結果取得部84は、リコメンドサーバ9によって分析された分析結果の情報を取得するモジュールであり、この分析結果のうち、おすすめ情報を仮想空間生成部85に、分析結果のうち、評価情報を評価情報蓄積部863に入力する。
仮想空間生成部85は、3Dモデリング情報の画像及び商品の画像を仮想的な空間に配置させるための仮想空間を作成するモジュール群であり、本実施形態では、仮想空間データベース856と、基本仮想空間生成部851と、セレクトショップ生成部852とを備えている。
仮想空間データベース856は、仮想空間データを記憶するデータベースであり、仮想空間データは、店舗などの配置が書き込まれたマップデータ及びこのマップデータ上に配置される店舗を指定する店舗指定データ等を含む。また、仮想空間データベース856には、各店舗で設定された店舗データを各店舗の分だけ記憶する。この店舗データは、店舗の名称を示す店舗名称データ、その店舗の外観の画像を指定する店舗画像指定データ、店舗の種類データ(店舗、自分セレクトショップ、入室可能か否か等)、入室可能な店舗の場合には内部レイアウトデータを含んでいる。さらに、店舗データには、各店舗を識別する識別情報に商品データベース862が紐付けられている。
基本仮想空間生成部851は、分析データ取得前における通常の仮想空間を生成するモジュールであり、仮想空間データベース856の各データに基づいてマップデータ上に仮想店舗を配置する。この仮想店舗は、仮想空間内の住所データに紐付けされている。なお、店舗の内部レイアウトや商品の配列は、管理者又は商品等情報配信サーバ6の担当者が設定可能となっている。
セレクトショップ生成部852は、分析結果取得部84が取得した分析データに基づいて、各ユーザー固有の仮想店舗を生成するモジュールであり、本実施形態では、仮想店舗生成部853と、内部レイアウト決定部854と、商品抽出部855とを備えている。
仮想店舗生成部853は、ユーザー固有の仮想店舗を生成するモジュールであり、仮想空間データベース856内における空き住所に仮想店舗を割り当てるとともに、マップ上にユーザー固有のマイセレクトショップを作成する。なお、仮想店舗の外観などはユーザー操作によって選択可能となっている。
内部レイアウト決定部854は、仮想店舗生成部853で生成した仮想店舗内の内部レイアウトを決定するモジュールであり、店舗内の壁の色、模様や、商品の配置などはユーザー操作によって選択可能となっている。商品抽出部855は、マイセレクトショップ内に配置させる商品を抽出するモジュールであり、本実施形態では、分析結果取得部84から取得した分析結果情報のおすすめ情報に基づいて、ユーザーに向けたおすすめの商品を商品データベース内から抽出する。
ここで、抽出される商品としては、販売実績による売れ筋商品や、季節に応じた商品、アウトレット品やセール品など商品劣化に応じた商品、ユーザーの体型変化に応じた商品、購入した商品と同属性の商品などが抽出される。そして、商品抽出部855は、抽出された商品等に関する情報を、マイセレクトショップを識別する識別情報に関連付けて、仮想空間データベース856に蓄積する。なお、基本仮想空間生成部851及びセレクトショップ生成部852で生成された仮想空間及び仮想店舗内の表示情報は、表示情報生成部86に送信される。
また、服飾マッチングサーバ8内には、商品等情報配信サーバ6から取得した商品等情報に基づいて、商品等の3D情報を生成するモジュール群として商品等3D情報生成部861と、商品データベース862と、評価情報蓄積部863を備えている。
商品等3D情報生成部861は、商品等情報配信サーバ6から取得した商品等情報に基づいて、仮想空間上で表示可能な商品等3D情報を生成するモジュールである。具体的に、商品等3D情報生成部861は、商品のサイズ、寸法などの情報や取得した2次元画像等に基づいて、商品の3次元的な形状及び大きさを算出し、その算出した形状及び大きさ、さらには、商品の素材などに基づいて3D情報を生成する。なお、この商品等3D情報の生成は、ユーザー操作によって生成されてもよく、商品等の形状及びサイズに関する情報や画像解析に基づいて自動で生成されてもよい。
商品データベース862は、商品データベース63と同様、ジャケット、スカート、セータ、靴、バッグ、アクセサリーといった商品カテゴリ毎に、商品情報及び商品画像(2次元画像)とともに、商品等3D情報生成部861によって生成された商品等3D情報を格納している。また、商品データベース862には、商品等がオブジェクトデータに装着された場合に、そのオブジェクトデータの身体情報に応じて商品の形状が変化する形状変化用データが蓄積されて、LCD165上では、形状変化用データによって商品の形状が変化した状態が表示可能となっている。なお、商品等の3D画像は、360度全周から表示可能となっている。
評価情報蓄積部863は、リコメンドサーバ9の評価情報収集部911が収集した評価情報に基づいて解析された解析結果を、商品データベース862内の商品等情報に関連付けて蓄積する記憶装置である。評価情報蓄積部863では、商品を識別する識別情報に解析結果を関連付けて記憶している。
試着処理部82は、ユーザー操作に基づいて、仮想空間内で3Dモデリング情報に商品を仮想的に試着させるモジュール群であって、3Dモデリング情報記憶部823と、試着商品選択部822と、比較部821とを備えている。
3Dモデリング情報記憶部823は、ユーザー端末1のユーザー3D情報生成部169bによって生成された3Dモデリング情報を蓄積する記憶装置である。本実施形態において、3Dモデリング情報は、例えば身長、体重の他、胸囲、胴囲、腰囲、肩幅、上半身の長さ、下半身の長さなど、詳細な身体情報が紐付けられており、身体情報に基づいて、画面上に表示されるアバターやマネキン情報の表示形態を変化させている。なお、この3Dモデリング情報には、さらに、骨格、筋肉、皮下脂肪などで構成される身体全体の形態学的・数量的特性の他、内的な身体的特徴を含めてもよい。
試着商品選択部822は、通信インターフェース81を介してユーザー操作を受け付け、選択された商品IDに基づいて、該当する商品情報を商品データベース862から抽出するモジュールである。ここで、抽出される商品情報としては、商品名、価格、サイズ情報、及び3Dモデリング情報に着せ替えられる商品の3次元画像などが含まれる。
比較部821は、試着商品選択部822から抽出された商品等3D情報と、3Dモデリング情報記憶部823から抽出された3Dモデリング情報(商品等3D情報)とを比較するモジュールである。具体的に、比較部821は、ユーザー自身の身体的特徴を反映させたいわゆるアバターやマネキン情報と呼ばれる3Dモデリング情報と、商品やサービスに関するオブジェクトを3次元情報として再現した商品等3D情報とを比較して、商品がユーザーの身体的特徴が再現されたマネキン情報(3Dモデリング情報)に対して、フィットするか、或いは、サイズが大きいか、小さいかなどを判断する。この際、比較部821では、評価情報蓄積部863に蓄積された解析結果を反映させて比較を行う。この解析結果を反映させた比較とは、例えば、選択された商品等に評価に対する解析結果がある場合、その解析結果に応じて商品等3D情報の形状及びサイズの値を調整するものである。
また、比較部821は、比較の対象となった商品等3D情報を、3Dモデリング情報に合成し、仮想空間上で表示可能な比較結果3D情報を生成する3D情報合成部821aを有している。3D情報合成部821aは、例えば、商品等3D情報が衣類やアクセサリーに関するものであるときには、ユーザーのアバター(3Dモデリング情報)に衣類の3D情報を仮想空間上で着せるような処理を行う。この際、3D情報合成部821aは、ユーザーのアバター表面に、衣類やアクセサリーを配置し、両者の動きや変形を同期させるようなモデリング処理が行われる。そして、比較結果や比較結果3D情報は、表示情報生成部86に出力される。
表示情報生成部86は、LCD165に表示される表示情報を生成するモジュールであり、仮想空間生成部85によって生成された仮想空間内に、試着処理部82で3Dモデリング情報に商品が試着された表示画像の配置を決定して表示情報を生成し、ユーザー端末1に配信する。
この表示情報生成部86では、3次元空間内に視野範囲を定める仮想的なカメラを配置し、その仮想的なカメラが撮像したオブジェクトを二次元平面として表示する。詳述すると、表示情報生成部86は、先ず、3次元の店舗空間を仮想的に構成し、この店舗空間内の3次元座標上に存在する店舗、3Dモデリング情報、商品、及びカメラの座標位置を制御して3次元を構成させる。さらに、表示情報生成部86は、構成された3次元空間のデータから、撮影画面の視野範囲に応じた二次元画像を演算処理して、撮影画面に3次元空間を二次元的に表示する。
本実施形態においては、各店舗が配置された仮想空間を所定方向から撮影した画面を生成するとともに、当該仮想空間内に、3Dモデリング情報をオブジェクトとして表示する。さらに、オブジェクトが店舗に入店した場合には、店舗内の内部レイアウトを背景として表示するとともに、オブジェクトを中心として表示する。そして、比較部821で試着処理が実行された場合には、選択した商品に応じた部位に商品を合成して、図1に示すように、商品を試着したオブジェクトを画面上に表示させる。これらのデータは、通信インターフェース81を介して、ユーザー端末1に配信され、ユーザー端末1のブラウザ部169aに基づいてLCD165上に比較結果や比較結果3D情報が出力される。
(2)ユーザー端末1
ユーザー端末1には、図3に示すように、入力インターフェース12、出力インターフェース13、撮影部16、ROM153、通信インターフェース11、及びCPU169を備えている。
入力インターフェース12は、マウスや、キーボード等のユーザー操作を入力するデバイスである。出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどのLCD165が含まれている。
通信インターフェース11は、通話やデータ通信が可能な通信インターフェースであり、通信ネットワークを介してパケットデータの送受信を行い、各店舗S商品マスタ情報D1を取得する。撮影部16は、ユーザー端末1に取り付けられた、ユーザーの身体の一部又は全部を撮影する撮像装置であって、レンズと、CCDである固定撮像素子から構成され、入射された被写体像を表す光がCCDの受光面に結像され、カメラ信号処理回路及びA/D変換器等を介してCPU169に画像データが送信される。この画像データには、動画及び静止画が含まれ、動画データは、多数の連続画像がフレームとなったストリーミング形式で、CPU169に転送される。
RAM152は、CPU169のワーキングメモリ等として使用され、CPU169による演算結果を一時的に格納する。ROM153にはCPU169用のプログラムが記録され、CPU169からの要求に応じて、プログラムの実行命令を順次出力する。
CPU169は、本発明に係るプログラムの他、一般のOSやブラウザソフト、画像再生アプリケーションなどのアプリケーションを実行するモジュールである。本実施形態において、CPU169上には、ユーザー3D情報生成部169bとブラウザ部169aを備えている。ユーザー3D情報生成部169bは、ユーザーの身体的特徴に関する身体情報を取得する情報取得部を含み、情報取得部が取得した身体的特徴が再現されたオブジェクトデータを、仮想空間上で表示可能な3Dモデリング情報として生成するモジュールである。なお、このユーザー3D情報生成部169bによる具体的な処理については後述する。
ブラウザ部169aは、ブラウザソフトを実行することによって構築され、Webページを閲覧するためのモジュールであり、インターネットからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。本実施形態において、ブラウザ部169aは、作成された3Dモデリング情報と、商品又はサービスに関する商品等情報に基づいて生成された商品等3D情報との比較結果を、服飾マッチングサーバ8から取得してLCD165に出力する比較結果出力部169cを有している。
ここで、比較結果出力部169cによって出力される比較結果とは、例えば、服がユーザーの身体に対してジャストサイズであるか、比較的余裕をもって装着できるサイズであるか、現実では着ることができないサイズであるかなどが表示される。また、このような比較結果は、例えば、身体の部位毎に比較を行って比較結果を出力することもできる。また、「比較結果を出力」とは、ユーザー3D情報と商品等3D情報との一致・不一致について、プリントアウトや、文字情報などのメッセージ、音声、映像など種々の信号やデータを出力することが含まれる。
さらに、比較結果出力部169cは、3D情報合成部821aが生成した比較結果3D情報を比較結果に含めて出力する機能を有している。すなわち、比較結果出力部169cは、オブジェクトデータに商品が装着された状態の表示情報をLCD165上に表示する。この際、比較結果出力部169cは、比較結果に応じて、オブジェクトに試着された商品の形状を変化させている。また、比較結果出力部169cは、オブジェクトを360度全周から表示可能であり、また、オブジェクトの一部を拡大表示することも可能となっている。
また、ブラウザ部169aには、比較結果出力部169cが出力した比較結果に対する評価を、ユーザーによる操作に基づいて入力する比較結果評価部169dとを備えている。比較結果に対する評価とは、購入された商品やサービスに対する評価であり、購入された商品やサービスに対する評価であり、特に、ユーザー3D情報と商品等3D情報との一致・不一致に関する情報が含まれる。例えば、商品を購入したユーザーから入力された口コミ又は返品/交換理由等であって、その評価には、その商品等の一部又は全部のサイズが比較結果と相違があったなどの否定的な評価の他、比較結果と一致していたなどの肯定的な評価であってもよい。
ここで、否定的な評価がされる場合や、返品/商品交換される場合とは、例えば、最初の比較結果出力部169cによる比較結果では、ジャストサイズである結果が表示されたが、実際に購入して着た場合に、全体又は一部分に比較結果とは異なるサイズの相違があった場合である。この場合には、口コミや返品/交換理由で腕部分のサイズが異なっていたなどのテキスト情報等が入力される。比較結果評価部169dでは、この口コミ又は返品理由のテキスト情報等を評価情報としてリコメンドサーバ9に対して送信する。
(3)リコメンドサーバ9
リコメンドサーバ9は、図4に示すように、通信インターフェース95と、データ取得部91と、データ分析部92と、データ蓄積部93と、データ配信部94とを備えている。
通信インターフェース95は、通信ネットワーク5を通じて、服飾マッチングサーバ8及びユーザー3D情報管理サーバ2との間でデータの送受信を行うインターフェースである。データ取得部91は、各サーバ装置から分析するべき各種データを取得するモジュールであり、本実施形態では、利用履歴取得部913と、ユーザー情報取得部912と、評価情報収集部911とを備えている。
利用履歴取得部913は、服飾マッチングサーバ8の試着処理部82において処理された利用履歴情報を取得するモジュールである。この利用履歴情報には、試着して商品を購入した商品等に関する情報や、購入しない場合でも仮想試着処理を実行した商品等に関する情報などが含まれる。ユーザー情報取得部912は、ユーザー3D情報管理サーバ2から各ユーザーのユーザー情報を取得するモジュールである。このユーザー情報には、年齢、性別、身体情報等が含まれている。
評価情報収集部911は、ユーザー端末1の比較結果評価部169dによる評価に関する評価情報を、各ユーザー端末1から収集するモジュールである。ここで、ユーザー評価情報には、購入された商品やサービスに対する評価であり、特に、ユーザー3D情報と商品等3D情報との一致・不一致に関する情報が含まれ、その評価には、その商品等の一部又は全部のサイズが比較結果と相違があったなどの否定的な評価の他、比較結果と一致していたなどの肯定的な評価も含まれる他、商品やサービスに関する口コミ又は返品/交換理由の商品・サービス全般に関する一般的な評価を含めてもよい。例えば、コメント欄に入力された口コミ、感想の入力データや購入後に返品処理又は交換処理された返品・交換情報(返品理由を含む)などをユーザー評価情報に含めることができる。
データ蓄積部93は、データ取得部91が取得した各種のデータを蓄積するモジュールであり、商品等に関する情報と、ユーザー情報と、評価情報とが商品を識別するIDに基づいて関連付けた蓄積されている。
データ分析部92は、データ蓄積部93に蓄積された各種データを集計し、解析するモジュールである。ここでの分析としては、各種のデータを組み合わせて種々の分析を行うことができる。例えば、利用履歴情報のうち試着又は購入された商品情報と、試着又は購入したユーザーの身体情報、その商品に関する購入動機や満足度、さらには、口コミ、返品・交換理由などの評価情報を含めて分析することができる。これにより、各商品がどのようなユーザーに購買され、満足度が高い商品であるのか、又は返品・交換された商品であるのかを解析でき、その結果、商品のサイズマッチング及びデザインマッチングの精度を向上させることができる。
特に、評価の悪い口コミ、又は返品・交換された商品に対する返品/交換理由を解析し、その中で、比較結果出力部169cによる比較結果と現実空間内で実際に商品等を着た場合との相違がある場合には、その評価情報を収集し解析することで、商品の一部又は全部のサイズ(寸法)を訂正でき、次回以降の比較精度を向上させることができる。
さらに、実際に購入された商品に関連付けられたユーザーの属性(年齢、性別、等)及び身体情報を分析することで、ユーザーの嗜好や、流行、サイズデータなどのボリュームゾーン(商品やサービスが最も売れる価格帯やサイズ帯など)を分析結果として取得する。これにより、各ユーザーに向けたリコメンド商品の精度を向上させることができる。
さらに、データ分析部92は、ある商品のうち、最も売れているサイズ帯などのボリュームゾーンを分析する機能も備えている。さらに、データ分析部92は、全ユーザーを対象としたボリュームゾーンのみならず、年齢別、性別、及び競争の中で購買が見込めそうなゾーンなど細かく分類して分析することも可能となっている。
さらに、データ分析部92は、購入した商品のユーザー情報を分析して、各ユーザーの嗜好に合う音楽CDやDVDなど、試着される商品とは異なるジャンルの商品又はサービスについても分析する。そして、これらの分析結果は、データ蓄積部93に蓄積されるとともに、データ配信部94に送信される。
データ配信部94は、データ分析部92による分析結果を他のサーバに配信するモジュールであり、リコメンド配信部94aと体型データ配信部94bとを有している。リコメンド配信部94aは、ユーザーの嗜好にマッチする商品をおすすめ情報として服飾マッチングサーバ8に配信するモジュールである。ここで、各ユーザーに対するおすすめ情報とは、購入した商品と同属性の商品、ユーザーの体型変化に応じた商品の他、販売実績による売れ筋商品や、季節に応じた商品、アウトレット品やセール品など商品劣化に応じた商品などの情報である。さらに、このリコメンド配信部94aは、オークションサイトに出品されている商品の情報などもおすすめ情報として配信することもでき、また、ユーザーに対して、オークションへの出品を促す情報(最近の類似品の落札額など)も、上記おすすめ情報に含めて配信してもよい。
リコメンド配信部94aから服飾マッチングサーバ8におすすめ情報が配信されると、セレクトショップ生成部852は、これらの情報に基づいて商品を抽出して、仮想店舗内に商品を配置する。なお、これらの商品等に関する情報は、ユーザー端末1に直接配信してもよい。
体型データ配信部94bは、商品等情報配信サーバ6の管理者等に対して、ユーザーの身体情報を配信するモジュールである。この際、体型データ配信部94bは、その身体情報を有するユーザーの個人情報が特定されないように所定の情報(ユーザー名及び住所等)を削除した形で配信する。配信される体型データは、商品やサービスが最も売れるサイズ帯などのボリュームゾーンのみならず、年齢別、性別、及び競争の中で購買が見込めそうなゾーンなど細かく分類された情報を配信可能となっている。なお、この配信は有償であってもよく、無償であってもよい。
さらに、データ配信部94では、評価情報収集部911が収集した評価情報に基づいて解析された解析結果(商品等のサイズ修正など)を、服飾マッチングサーバ8に送信する。なお、ユーザー3D情報管理サーバ2の内部構成については、3Dモデリング作成支援機能を説明する際に説明する。
(商品等提供方法)
以上の構成を有する商品等提供システムを動作させることで、本発明の商品等提供方法を実施することができる。図5は、第2実施形態に係る方法を示すシーケンス図である。
この商品等提供方法は、通信経路を相互に接続して構築される通信ネットワークから、ユーザーが使用するユーザー端末を通じ、ユーザーに対して商品又はサービスを提供する方法である。具体的には、図5に示すように、商品等情報配信サーバ6は、自社の商品等に関する情報を服飾マッチングサーバ8に送信する(S101)。服飾マッチングサーバ8では、商品等3D情報生成部861では、通信ネットワーク5上に分散配置された商品等情報配信サーバ6から、商品又はサービスに関する商品等情報を取得する。
そして、商品等3D情報生成部861は、商品等情報配信サーバ6から取得した商品等情報に基づいて、商品等3D情報生成部861が、仮想空間上で表示可能な商品等3D情報を生成する(S102)。商品等情報配信サーバ6から取得した商品等に関する情報及び生成した商品等3D情報は、商品データベース862に蓄積される。
また、ユーザー端末1では、CPU169のユーザー3D情報生成部169bは、3Dモデリング作成支援処理を実行する(S103)。具体的に、ユーザー3D情報生成部169bは、ユーザーの身体的特徴に関する身体情報を取得するとともに、身体的特徴が再現されたオブジェクトデータを、仮想空間上で表示可能な3Dモデリング情報として生成する。その後、ユーザー端末1は、ブラウザ部169aによって、服飾マッチングサーバ8にアクセスする(S104)。
服飾マッチングサーバ8は、ブラウザ部169aによるアクセスを受け、サーバ側の認証部831がアクセスしてきたユーザー端末1のID等を認証し、正当なアクセス権を確認することができる場合にはアクセスを許可する(S105)。一方、会員と認めることができない場合にはエラー表示をしてアクセスを拒否する。
その後、ユーザー端末1は、作成した3Dモデリング情報のデータを服飾マッチングサーバ8に送信する(S106)。服飾マッチングサーバ8では、取得した3Dモデリング情報のデータを3Dモデリング情報記憶部823に記憶する(S107)。
ユーザー端末1から試着実行の操作信号を取得すると、仮想空間内において3Dモデリング情報のデータを用いた試着処理が実行される(S108)。具体的に、比較部821では、比較部821が、3Dモデリング情報と商品等3D情報とを比較する。この際、3D情報合成部821aは、比較の対象となった商品等3D情報を、3Dモデリング情報に合成し、仮想空間上で表示可能な比較結果3D情報を生成する。
これらの比較結果及び比較結果3D情報は、ユーザー端末1に送信され、ユーザー端末1の比較結果出力部169cは、3D情報合成部821aが生成した比較結果3D情報を比較結果に含めてLCD165上に表示する。
その後、ユーザー操作によって、例えば、商品が購入されて購入処理が実行されたり(S109)、商品に対する評価処理が行われる(S110)。なお、商品購入操作があった場合には、通信ネットワーク上の決済サーバと通信処理を行って決済処理を実行する。その後、仮想試着処理、購入処理、及び評価処理によって操作された各種データは、利用履歴情報としてリコメンドサーバ9に送信される(S111)。なお、この利用履歴情報には、ユーザー端末1の比較結果評価部169dで処理された比較結果に対する評価情報も含まれる。
リコメンドサーバ9のデータ取得部91は、各種データを取得する(S112)。この各種データの取得には、例えば、評価情報収集部911において、ユーザー端末1の比較結果評価部169dによる評価に関する評価情報を各ユーザー端末1から収集する処理が含まれる。その後、データ取得部91によって取得された各種データは、データ蓄積部93に蓄積されるとともに、データ分析部92よってデータ分析が行われる(S113)。
このデータ分析には、例えば、評価情報収集部911で収集した評価情報を集計し、解析する処理が含まれる。その後、リコメンド配信部94aは、分析された分析結果のうち、リコメンドデータを服飾マッチングサーバ8に配信する(S114)。服飾マッチングサーバ8では、分析結果取得部84がリコメンドデータを取得して、セレクトショップ生成部852において、ユーザーの嗜好に合った商品を纏めたマイセレクトショップが作成される(S115)。
一方、体型データ配信部94bは、分析された分析結果のうち、体型データを商品等情報配信サーバ6に配信する(S116)。商品等情報配信サーバ6の制御部62は、この体型データを取得して(S117)、体型データに基づいて次回の商品開発を行う。
また、データ配信部94で、評価情報に基づいて解析された解析処理を服飾マッチングサーバ8に送信する(S118)。服飾マッチングサーバ8では、解析結果を受信し、解析結果を商品等情報に関連付けて評価情報蓄積部863に蓄積する(S119)。そして、比較部821では、評価情報蓄積部863に蓄積された解析結果を反映させて次回以降の比較を行う。
(3Dモデリング作成支援機能)
次いで、ユーザー端末1及びユーザー3D情報管理サーバ2において実行される3Dモデリング作成支援機能について説明する。図6は、本実施形態に係る3Dモデリング情報作成支援機能により表示される表示画面を示す説明図である。
本実施形態において、3Dモデリング情報の作成は、上述した携帯可能なユーザー端末1において実行される。ここで、ユーザー端末1は、図6に示すように、矩形状の本体100を有しており、この本体100には、グラフィックを表示する表示部である液晶ディスプレイ(LCD)165が備えられ、このLCD165の画面内に3次元的に表示されたオブジェクトである3Dモデリング情報501が表示される。この3Dモデリング情報501とは、いわゆるマネキン情報とも呼ばれ、ユーザーの体型情報、すなわち外的・内的な身体的特徴が反映され、3次元形状で表示されたオブジェクトである。この3Dモデリング情報501は、3次元空間内を撮影する仮想的なカメラによって360度全周から立体的な表示が可能となっている。
また、ユーザー端末1には、3Dモデリング情報501を操作する操作信号の入力デバイスとして、タッチパネル300が備えられている。タッチパネル300は、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する表示部であるLCD165と、LCD165に表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサーとが重畳されて構成され、LCD165に表示された3Dモデリング情報501の表示位置に対応した座標位置を、タッチ操作によって特定可能となっている。なお、ユーザー端末1は、ボタンスイッチや方向キー等の操作ボタンが備えられており、この操作ボタンを用いても、操作信号を入力できるようになっている。
(各装置の内部構造)
次いで、上述した3Dモデリング情報作成支援を構成する各装置の内部構造について説明する。図7は、本実施形態に係る3Dモデリング情報作成支援機能に係るCPUの内部構造を示すブロック図である。図8(a)〜(h)は、本実施形態に係る情報処理部及び解析部の内部構成を示すブロック図である。また、図9は、実施形態に係る管理サーバの内部構成を示すブロック図である。
(1)ユーザー端末1におけるCPU169内の内部構成
先ず、CPU169上で仮想的に構築される3Dモデリング情報支援作成機能モジュール群の内部構造について説明する。
先ず、3Dモデリング情報を作成する場合、ユーザー端末1には、外部機器が接続されている。外部機器とは、外部撮像機器18と、体組成測定機器19とが含まれる。外部撮像機器18は、ユーザー端末1に取り付けられた撮影部16以外の撮像装置であり、通常の撮像装置の他、衣類等を透過した状態の画像データを撮影する赤外線カメラや、後方散乱X線カメラなどが含まれる。これらの外部撮像機器18は、例えば、各ユーザーが所持するものであってもよく、また、例えば、本サービスを提供するサービス提供者が運営する店舗に設置されてもよい。
体組成測定機器19とは、体重計や、体組成計など各種の体組成情報(体重、体脂肪率、BMI(体格指数:BodyMathIndex)、基礎代謝レベル、骨格筋レベル、骨レベル、内臓脂肪レベル、水分量、身体年齢など)を測定する測定機器である。これら外部撮像機器18及び体組成測定機器19は、無線通信又は有線通信によってユーザー端末1と接続可能であり、測定された体組成情報及び画像データを送信している。
そして、CPU169には、3Dモデリング情報作成支援機能モジュール群として、情報取得部182と、解析部181と、3Dモデリング生成部184と、表示情報生成部185とが構築される。
情報取得部182は、ユーザーの身体的特徴に関する身体情報を取得するモジュールであって、本実施形態では、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴に関する身体情報を取得する。この情報取得部182において、取得される「身体情報」とは、測定器を用いて身体部分や体温など実測された身体的な特徴に関する情報の他、ユーザーが入力手段を用いて入力した情報、撮影されることで取得される静止画や動画などの撮影データが含まれる。そして、情報取得部182には、撮影データ取得部182aと、実測値入力部182bと、パターン選択部182cとを有している。
一方、解析部181は、身体情報に含まれるユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴を相互に補完して、身体の所定部位に関する推測値、及び部分的又は全体的な身体的特徴との相関情報を算定するモジュールであり、解析部181には、画像解析部181aとを有している。ここで、「身体の所定部位」とは、観測や計測の対象となる部位であり、ウエストやバスト、肩幅、首回りなど身体のいずれかの部位を含む。また、「部分的又は全体的な身体的特徴を相互に補完」とは、取得された複数の部分的・全体的な情報の条件(単位や縮尺など)を統一することにより、推定値などを用いて不足している情報を補って、情報間の連続性を確保することを意味する。例えば、部分的に撮影した身体部分をつなぎ合わせて全身写真を作成する際に、撮影された身体部分の縮尺を統一したり、部分的に撮影した身体部分を、全身写真に当てはめられるように、その縮尺を合わせたりなどが挙げられる。
さらに、「相関情報」とは、部分的又は全体的な身体的特徴の相互の関係性を意味し、例えば、腕の太さとウエストのサイズとの相関など外的な関連性の他、腕の太さと体重や体脂肪率との相関など、外的と内的との関連性も含まれる。なお、解析部181によって、算定された身体の所定部位に関する推測値、及び部分的又は全体的な身体的特徴との相関情報は、体型データ蓄積部153cに蓄積されるとともに、通信インターフェース11を介してユーザー3D情報管理サーバ2に送信される。体型データ蓄積部153cは、解析部181によって算定された推測値及び相関情報を蓄積する記憶装置である。
3Dモデリング生成部184は、体型データ蓄積部153cに蓄積された推測値及び相関情報に基づいて、3Dモデリング情報を生成するモジュールである。表示情報生成部185は、LCD165に表示される表示情報を生成するモジュールであり、推測値及び相関情報を算定する処理中における各画像を表示させたり、3Dモデリング生成部184で作成された3Dモデリング情報501を画面上に表示させたりする。本実施形態において、表示情報生成部185では、3次元空間内に視野範囲を定める仮想的なカメラを配置し、その仮想的なカメラが撮像した3Dモデリング情報501を二次元平面としてウインドウに表示する。
具体的に、表示情報生成部185は、先ず、3次元空間を仮想的に構成し、この3次元空間内の3次元座標上に存在する3Dモデリング情報501やカメラの座標位置を制御して3次元を構成させる。さらに、表示情報生成部185は、構成された3次元空間のデータを取得し、撮影画面の視野範囲に応じた二次元画像を演算処理して、撮影画面に3次元空間を二次元的に表示する。本実施形態においてLCD165には、3Dモデリング情報501を中心として、3Dモデリング情報を360度全周から撮影したような画像が表示され、自分の体型が反映された3Dモデリングを客観的に視認することができるようになっている。
(情報取得部182及び解析部181の具体的な処理内容)
本実施形態において、情報取得部182と解析部181は、3Dモデリング情報を作成するための各モードに応じて上記の各機能モジュールが選択され実行するようになっている。以下、モード毎における各機能モジュールの具体的な処理内容を説明する。図8(a)〜(h)は、各モードにおける解析部181及び情報取得部182の内部構成を示すブロック図である。
(モード1)
先ず、ユーザーが自分の身体的特徴を入力することで推測値及び相関情報を算定するモード1について説明する。モード1では、図8(a)に示すように、情報取得部182には、実測値入力部182bを備えている。
実測値入力部182bは、ユーザー操作に基づいて、当該ユーザーの身体的特徴の実測値の入力を受け付けるモジュールである。ここで、実測値入力部182bに対して実測値として入力される身体的特徴としては、部分的、全体的、外的、内的な特徴が含まれ、上述したように、例えば手や顔、足などの身体の一部の外的な形状や大きさ、色、乾燥状態の他、温度や水分、脂肪分長や体型、同一スケールにおける身体各部のサイズ及び形状、身体各部のサイズや形状の比率などの外的な特徴や、体組成測定機器19から取得した体重や体脂肪率、健康状態などの内的な特徴の入力を受け付ける。
この際、実測値入力部182bは、表示情報生成部185を制御して、入力すべき身体的特徴の実測値を入力すべき入力欄をLCD165に表示させる。そして、実測値入力部182bは、ユーザー自身が入力した身体的特徴の実測値を、入力インターフェース12を介して取得する。その後、解析部181は、実測値入力部182bにより入力された実測値に基づいて推測値及び相関情報を算定する。
(モード2)
次いで、パターンデータを選択し、その上で実測値を入力して補正することで推測値及び相関情報を算定するモード2について説明する。モード2では、図8(b)に示すように、情報取得部182内において、実測値入力部182bとパターン選択部182cを備えている。また、ここでは、複数のパターンデータを蓄積するパターン記憶部153aが用いられる。
パターン記憶部153aには、身体的特徴の類型をパターンデータとして記憶されている。ここで、パターンデータとしては、標準となる人物の身体情報と、当該身体情報に基づいて表示されるマネキン(サンプル3Dモデリング)の画像情報とが関連付けて蓄積されている。この標準となる人物の身体情報としては、例えば、年齢別、身長別、性別、国籍別、体型別(痩せ型、普通型、肥満型)などの各区分によって分けられ、これらの区分を組み合わせた身体情報と表示情報とが蓄積されている。
そして、モード2が実行されると、先ず、パターン選択部182cは、表示情報生成部185を制御して、パターン記憶部153aから、標準となるマネキン(サンプル3Dモデリング)のパターンデータを抽出して、複数の3Dモデリング画像を画面上に複数表示させる。そして、パターン選択部182cは、ユーザー操作に基づいて、パターン記憶部153aから任意のパターンデータを読み出す。一方、実測値入力部182bは、上述したように、ユーザー操作に基づいて、当該ユーザーにおける身体的特徴の実測値の入力を受け付けて身体情報を取得する。そして、解析部181には、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、実測値入力部182bが取得した身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
(モード3)
次いで、パターンデータを選択するとともに、ユーザー自身のいずれかのパーツ(手、足、頭など)を撮影した画像に基づいて、身体情報を補正して推測値及び相関情報を算定するモード3について説明する。このモード3では、図8(c)に示すように、情報取得部182内にはパターン選択部182cと撮影データ取得部182aを有し、解析部181には画像解析部181aを有している。また、ここでは、画像処理記憶部153bに蓄積されたデータを用いている。
画像処理記憶部153bは、画像解析部181aにおいて画像処理されるための各種データ及びプログラムを蓄積する記憶装置であり、本実施形態では、カメラの特性(レンズの歪み、焦点距離)に基づいたレンズ歪補正を行うためのレンズ歪補正用のパラメータ、画素毎の勾配強度を算出するプログラム、勾配の方向からエッジの局所的方向からエッジを抽出するプログラム、及びエッジに基づいて画像内の輪郭を特定プログラムなど各種画像認識処理に必要な各種データや、3D画像作成に必要なソフトウェア等が蓄積されている。
モード3が実行されると、先ず、パターン選択部182cは、上述したように、操作信号から選択されたパターンデータを決定する。一方、撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザーの部分的な身体的特徴を撮影させるように指示を表示させる。この際、撮影データ取得部182aでは、いずれの部分的な身体的特徴(手、足、又は顔など)を撮影するかを指示してもよく、ユーザーに選択させてもよい。撮影された画像は、画像解析部181aに入力される。
画像解析部181aは、撮影部16が撮影した画像を解析して、部分的な身体的特徴に関する身体情報を算出するモジュールである。この画像解析部181aでは、画像処理記憶部153bに蓄積された画像認識処理を行うための各種データ及びプログラムを用いることで、撮影された画像から身体情報の形状を特定する。さらに、画像解析部181aでは、身体情報の寸法情報を特定する。身体情報の寸法情報を特定する方法としては、例えば、画面中に表示される部分的な身体情報が占める割合によって推定してもよい。そして、解析部181には、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、画像解析部181aで解析された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
(モード4)
次いで、パターンデータを選択するとともに、ユーザー自身の部分的な身体的特徴及び寸法が既知である比較対象物を撮影した画像から身体情報を補正することで推測値及び相関情報を算定するモード4について説明する。すなわち、モード4では、図8(d)に示すように、モード3の処理において撮影された部分的な身体的特徴の寸法情報を、同時に撮影された比較対象物に基づいて特定するものである。ここで、「寸法が既知である比較対象物」とは、その寸法が判断できる物品であって、例えば、煙草の箱やライター、クレジットカードなどサイズが一定で、身近にある一般的な物品の他、スマートフォンや携帯電話、タブレットPC、デジタルカメラなど機種が含まれる。既知情報蓄積部153eには、寸法が既知である比較対象物に関する寸法情報(物品の形状及び寸法情報)を記憶している。
モード4が実行されると、先ず、パターン選択部182cは、上述したように、操作信号から選択されたパターンデータを決定する。一方、撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザーの部分的な身体的特徴と比較対象物とを含めて撮影することを指示する。この際、解析部181では、いずれの比較対象物を撮影するか選択させてもよく、ユーザーに選択させてもよい。さらに、撮影データ取得部182aでは、画面上の所定位置に比較対象物が配置されるガイド用の表示情報を表示させることもできる。例えば、画面上の中心に円形の枠を表示させ、メッセージとして「手の平に硬貨を置き、枠内に硬貨が位置するように撮影して下さい。」と表示させる。なお、解析部181では、モード3と同様に、部分的な身体的特徴についての指示も行う。
画像解析部181aでは、撮影部16によって撮影された画像データを取得して、画像認識機能によって画像データを解析して部分的な身体的特徴の形状を特定する。画像解析部181aで解析された画像は、既知情報取得部182dに送信される。既知情報取得部182dは、撮影部16が撮影した画像内に比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物を抽出し、抽出された比較対象物の寸法情報を取得するモジュールであり、画像解析部181aから取得した画像に基づいて、既知情報蓄積部153eを参照し、比較対象物の寸法情報を取得する。その後、比較対象物の寸法情報は、解析部181に送信される。
解析部181は、既知情報取得部182dが取得した寸法情報と、画像内における比較対象物及びユーザーの身体との対比結果とに基づいて、推測値及び相関情報を算定する。具体的に、解析部181は、既知情報取得部182dによって取得された寸法情報と、画面上における比較対象物の寸法情報との比率を求め、その比率に基づいて、画像内に表示された部分的な身体的特徴の寸法情報を特定する。そして、解析部181には、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、画像解析部181aで解析された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
(モード5)
次いで、パターンデータを選択するとともに、ユーザー自身を動画で撮影して身体情報を補正することで推測値及び相関情報を算定するモード5について説明する。モード5では、図8(e)に示すように、情報取得部182には、パターン選択部182cと撮影データ取得部182aとを有し、解析部181は画像解析部181aを有している。
この場合、先ず、パターン選択部182cは、上述したように、操作信号から選択されたパターンデータを決定する。また、撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザー全体を動画で撮影するように指示を出力する。この際、撮影部16を所定の位置に固定して、ユーザーを撮影部16の前で1回転させるように指示を出す。
その後、画像解析部181aは、撮影部16によって撮影された動画データを取得し、画像認識機能によって動画データを解析してユーザーの全体的な身体的特徴に関する身体情報を算出する。具体的には、動画データのうち、所定の角度(正面、側面など)から撮影された1又は複数のコマ画像によってユーザーの形状を3次元的に特定する。この際、ユーザーの形状は、例えば、画像内に含まれる顔、目、肩、腰などの部位を基準点として認識することで行う。
さらに、画像解析部181aでは、特定されたユーザーの全体的な身体情報の寸法情報を特定する。この処理としては、例えば、画面上に表示されている身体の占める割合などから特定してもよく、上記基準点にいずれかに基づいて寸法情報を特定してもよい。そして、解析部181には、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、画像解析部181aで解析された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
(モード6)
次いで、ユーザー自身を動画で撮影することのみで推測値及び相関情報を算定するモード6について説明する。モード6では、図8(f)に示すように、情報取得部182には、撮影データ取得部182aを有し、解析部181は画像解析部181aを有している。
先ず、撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザー全体を動画で撮影するように指示を出力する。この際、撮影部16を所定の位置に固定して、ユーザーを撮影部16の前で1回転させるように指示を出す。その後、画像解析部181aは、撮影部16によって撮影された動画データを取得し、上記のモード5のように、画像認識機能によって動画データを解析してユーザーの全体的な身体的特徴に関する身体情報を算出する。
さらに、画像解析部181aでは、ユーザーの全体的な身体情報の寸法情報を特定する。この処理としては、例えば、画面上に表示されている身体の占める割合などから特定してもよく、上記基準点にいずれかに基づいて寸法情報を特定してもよい。そして、解析部181は、画像解析部181aにより解析された、ユーザーの全体的な身体情報に基づいて推測値及び相関情報を算定する。
(モード7)
次いで、ユーザー自身を撮影する際、カメラのピントから被写体までの距離を測定することで、推測値及び相関情報を算定するモード7について説明する。モード7では、図8(g)に示すように、解析部181では、画像解析部181aを有し、情報取得部182は撮影データ取得部182aを有している。
先ず、撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザーの部分的又は全体的な身体情報を静止画として撮影するように指示を出力する。その後、画像解析部181aは、撮影部16によって撮影された画像データを取得し、画像を解析して、部分的又は全体的な身体的特徴に関する身体情報を算出する。この際、ユーザーの形状は、例えば、画像内に含まれる顔、肩、腰などの部位を基準点として認識することで行う。
画像解析部181aには、撮影部16から被写体までの距離を測定する撮影距離算出部181cを有している。撮影距離算出部181cでは、撮影部16においてピント合わせを行った際の調整値を取得し、その調整値から撮影部16から被写体までの距離を測定するようになっている。そして、画像解析部181aでは、撮影部16から被写体までの距離に基づいて、ユーザーの部分的又は全体的な身体情報の寸法情報を特定する。そして、解析部181は、画像解析部181aにより解析された、ユーザーの全体的な身体情報に基づいて推測値及び相関情報を算定する。
(モード8)
ユーザー自身を撮影した静止画のみから身体情報を取得することで推測値及び相関情報を算定するモード8について説明する。モード8では、図8(h)に示すように、情報取得部182は撮影データ取得部182aを有し、解析部181では画像解析部181aを有している。
撮影データ取得部182aでは、上述したように、表示情報生成部185を制御して、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴が撮影された静止画を取得する。画像解析部181aでは、撮影部16によって撮影された静止画の画像データを取得し、画像を解析して、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴に関する身体情報を算出する。この際、ユーザーの形状は、全体的な身体的特徴が撮影されている場合には、画像内に含まれる顔、目、肩、腰などの部位を基準点として認識する。
画像解析部181aでは、ユーザーの全体的な身体情報の寸法情報を特定する。この処理としては、例えば、画面上に表示されている身体の占める割合などから特定してもよく、上記基準点にいずれかに基づいて寸法情報を特定してもよい。解析部181は、画像解析部181aにより解析された、ユーザーの全体的な身体情報に基づいて推測値及び相関情報を算定する。
なお、上述した各モードは、一例であり、それぞれの機能を組み替えて用いてもよい。例えば、モード5やモード6において動画撮影する場合に、ユーザーの部分的な身体的特徴や比較対象物を撮影することもできる。また、モード3及び4において、パターンを選択することなく、ユーザーの部分的な身体的特徴や比較対象物を撮影することのみで、推測値及び相関情報を算定してもよい。さらには、各モードの処理を適宜組み合わせて、推測値及び相関情報の精度を向上させてもよい。
さらに、上述したモードにおいて、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴を撮影する場合には、例えば、鏡を用いて撮影させて、鏡越しに撮影された撮影データからユーザーの身体情報を取得するようにしてもよい。次いで、このような鏡を用いた処理方法について説明する。
(鏡を用いた撮影モード)
鏡を用いた撮影モードでは、モード4と同様に、情報取得部182は、撮影データ取得部182aと、パターン選択部182cと、既知情報取得部182dとを有している。一方、解析部181では、画像解析部181aを有している。なお、撮影部16はここでは静止画を撮影するものとする。
先ず、パターン選択部182cは、表示情報生成部185を制御して、パターンデータを画面上に複数表示させる。そして、パターン選択部182cは、操作信号から選択されたパターンデータを決定する。撮影データ取得部182aでは、表示情報生成部185を制御して、ユーザーの全体を鏡越しに撮影させるように指示を表示させる。この際、解析部181では、ユーザーの部分的な身体的特徴と比較対象物とを含めて撮影することを指示する。
ここで、比較対象物は、撮影部16を有するユーザー端末1である。さらに、撮影データ取得部182aでは、画面上の所定位置にユーザーが適切な位置に配置されるようにガイド用の表示情報(人型をした枠)を表示させたり、比較対象物であるユーザー端末1の配置場所を示すガイド用の枠を表示させてもよい。なお、この人型の枠を表示させる場合には、例えば、パターン選択部182cによって選択されたパターンデータに基づいて表示形態を変化させることもでき、また、実測値入力部182bを通じて入力された身体情報(身長、体重などの簡易情報でよい。)に基づいて表示形態を変化させることもできる。
画像解析部181aでは、撮影部16によって撮影された画像データを取得して、画像認識機能によって画像データを解析して全体的な身体的特徴の形状を特定する。既知情報取得部182dは、撮影部16が撮影した画像内に比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物を抽出し、抽出された比較対象物の寸法情報を取得する。
解析部181は、既知情報取得部182dが取得した寸法情報と、画像内における比較対象物及びユーザーの身体との対比結果とに基づいて、推測値及び相関情報を算定する。具体的に、解析部181は、既知情報取得部182dによって取得された寸法情報と、画面上における比較対象物の寸法情報との比率を求め、その比率に基づいて、画像内に表示された部分的な身体的特徴の寸法情報を特定する。そして、解析部181は、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、画像解析部181aで解析された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
なお、ここでは、パターンデータの選択を受け付けて、パターンデータに対して、画像解析部181aで解析された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定したが、例えば、パターンデータの選択を受け付けず、鏡越しで撮影されたユーザーの全体像の寸法情報や形状から直接、推測値及び相関情報を作成してもよい。さらに、上述した説明では、画像データに基づいて画像解析したが、動画データを用いて画像解析することもできる。
また、CPU169には、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正するデータ補正部183を有している。ここで、データ補正部183は、ユーザー3D情報管理サーバ2によって生成された補正用データに基づいて補正する場合と、ユーザー操作主導により補正する場合とが含まれる。
・補正用データに基づいて補正する場合
先ず、補正用データに基づいて補正する場合について説明する。ユーザー端末1には、集計された推測値及び相関情報に基づいて生成された補正用データを蓄積する補正用データ蓄積部153dを有している。なお、この補正用データとは、各ユーザー端末1の解析部181によって解析された推測値及び相関情報がユーザー3D情報管理サーバ2側で集計され、ユーザー3D情報管理サーバ2側において、集計された推測値及び相関情報に基づいて生成されたデータである。この補正用データは、所定間隔毎にユーザー3D情報管理サーバ2から取得している。そして、データ補正部183は、上述した各モードに応じ、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正用データに基づいて補正する。
・ユーザー操作主導により補正する場合
次いで、ユーザー操作主導により補正する場合について説明する。ここで、ユーザー操作には、直接ユーザーが身長、胸囲、胴囲、又は腰囲などを測定してその測定値を直接入力する場合と、外部機器から測定された測定値が入力される場合とがある。
直接ユーザー操作によって測定値が入力された場合には、実測値入力部182bにおいてその入力された測定値を受け付け、その情報がデータ補正部183に送信される。そして、データ補正部183は、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を、受け付けた入力情報に基づいて補正する。なお、実測値入力部182bでは、身体の部位毎に入力を受け付け可能となっている。したがって、購入した商品を着たときに、例えば、身体の一部に違和感がある場合、その部位のみ修正させることができる。
・外部機器を用いた補正
一方、外部機器から入力されたデータに基づいて補正を行う場合には、外部撮像機器18によって撮影された画像データに基づいて補正を行う場合と、体組成測定機器19で測定された体組成情報に基づいて補正を行う場合とがある。
(a)外部撮像機器18を用いた補正処理
外部撮像機器18によって撮影された画像データに基づいて補正を行う場合には、例えば、以下のような補正処理がある。
例えば、外部撮像機器18として赤外線カメラを用いられた場合には、赤外線カメラで撮影され、衣類部分が透過された画像が実測値入力部182bに入力される。また、例えば、外部撮像機器18として後方散乱X線装置を用いられた場合には、検査対象物からの反射の大小を測定し、衣類部分が透過された画像が実測値入力部182bに入力される。
実測値入力部182bで取得したこれらの透過画像は画像解析部181aに入力され、画像解析されることで、当該衣類部分が透過された画像から身体情報(形状及び寸法情報)を特定される。そして、身体情報はデータ補正部183に入力され、データ補正部183では、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を、透過された画像から解析された身体情報(形状及び寸法情報)に基づいて補正する。
このように外部撮像機器18から取得された画像データは、解析部181に入力され、上述した画像解析処理によって、衣類部分が透過された状態で身体情報が認識される。このように、衣類部分が透過され、体型のシルエットを明確にすることで、正確な体型に基づいて3Dモデリング情報を作成することができる。
(b)体組成測定機器を用いた補正
体組成測定機器から入力されたデータに基づく補正処理としては、例えば、以下のような補正処理がある。例えば、体重と体脂肪率、BMI、及び内臓脂肪レベルから、身体のどの部分の脂肪が増減したかを推定して、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正することもできる。また、他の処理方法としては、基礎代謝量、骨格筋レベル、骨レベル、及び身体年齢情報から加齢による身体の増減(身長が縮む、及び肩幅が狭くなる等)を推定し、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正することもできる。さらに、他の処理方法としては、水分量、身体年齢情報から年齢による肌のたるみの増減(頬のたるみ、しわ等)を推定し、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正することもできる。なお、このような体組成情報との相関情報は、予め体型データ蓄積部153cに蓄積されているものとする。
このように測定した体組成情報に連動して、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正(メンテナンス)することで、3Dモデリング情報を現在の自己の体型と合致した体型とすることができる。これにより、ユーザーは、リアルタイムに3Dモデリング情報の体型変化を客観的に認識することができるので、ヘルスケアと美容に対する意識向上も期待できる。
ここで、CPU169は、体組成測定機器19から取得した体組成情報を、日付情報とともにROM153内に蓄積しておき、過去と現在との体型の差などを表示することもできる。また、CPU169は、所定期間、体組成測定機器19と接続されなかった場合には、身体情報を更新する時期であることを知らせる情報を画面上にポップアップ表示させることもできる。この際、CPU169は、体組成測定機器19などを所持していないユーザーに対しては、体重、胸囲、胴囲、腰囲などの入力を受け付ける入力欄を表示させる。そしてユーザー自身が入力した入力情報を取得し、その入力情報に基づいて、3Dモデリング情報の身体情報を補正する。
なお、更新時期を知らせる通知は、ユーザーによってオン/オフの切り替えが可能であり、また、お知らせするタイミングもユーザーによって設定(月に一度、又は隔月に一度など)することができる。なお、上述したCPU169による補正処理は、ユーザーの選択操作によっていずれの方法で補正するかは選択可能であり、また、補正処理を行わないことも可能である。
さらに、CPU169では、体組成測定機器19で測定した体組成情報に基づいて、ユーザーの未来の体型又は顔の変化を予測して画面上に表示させる未来予測機能を有している。この未来予測機能は、体組成情報に基づいて、体型データ蓄積部153cに蓄積された身体情報を参照して、所定年後におけるユーザーの顔や全身の変化を予測して画面上に表示する。具体的に、顔の変化としては、肌のたるみ(頬のたるみ、しわ等)を予測して3Dモデリング情報の顔画像を変化させる。一方、全身の変化として、筋肉量の低下による身体の肌たるみ、筋肉量及び骨密度の低下による姿勢変化などを予測して3Dモデリング情報の全体画像を変化させる。
(2)ユーザー3D情報管理サーバ2の内部構成
次いで、ユーザー3D情報管理サーバ2の内部構成について説明する。ユーザー3D情報管理サーバ2は、単一のサーバ装置の他、Webサーバやデータベースサーバなど複数のサーバ群から構成することができ、本実施形態では、図9に示すように、通信インターフェース21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。
記憶部23は、本システムに関する各種の情報を蓄積するデータベース群であり、ここでは、会員データベース231と、パターン記憶部232と、体型データ蓄積部233と、画像処理記憶部234と、補正用データ蓄積部235とを備えている。会員データベース231は、ユーザー端末1に関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態では、ユーザー端末1を識別するユーザーID(ユーザー端末1のIPアドレス等)に、ユーザーに関する情報(端末のメールアドレス、電話番号の他、年齢、性別などの基本個人情報)などが関連付けて記録されている。また、このユーザーIDには、ユーザーの身体情報が関連付けて蓄積されている。
パターン記憶部232には、身体的特徴の類型をパターンデータとして記憶されている。体型データ蓄積部233は、ユーザー端末1から取得した各データを蓄積する記憶装置であり、各ユーザー端末1で算定された推測値及び相関情報の他、撮影データ取得部182aで取得された画像、実測値入力部182bで取得した実測値、既知情報取得部182dで取得された既知情報、さらには、ユーザー情報(性別、年齢等)を取得して蓄積している。補正用データ蓄積部235は、体型データ蓄積部233に蓄積され、集計された推測値及び相関情報に基づいて分析処理されて生成された補正用データを蓄積する記憶装置である。画像処理記憶部234とは、上述した画像処理記憶部153bと同様なデータ構成となっている。
通信インターフェース21は、通信ネットワーク5を通じて、ユーザー端末1や各サーバ装置との間でデータの送受信を行う通信インターフェースである。本実施形態において通信インターフェース21は、通信ネットワーク5を介して、ユーザー端末1で作成された3Dモデリング情報の身体情報などを受信するとともに、各ユーザーの身体情報を集計・分析した結果、更新された各種の身体情報などを配信するようになっている。
制御部22は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。そして、本実施形態において、制御部22には、認証部221と、会員登録部222と、履歴情報取得部224と、分析部223とを備えている。
認証部221は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、通信ネットワーク5を通じてユーザー端末1又はユーザー端末1のIPアドレス等の識別子を取得し、会員データベース231を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認するモジュールである。
会員登録部222は、本システムを利用するユーザーの会員登録を処理するモジュールであり、ユーザー端末1からのアクセスを受け付けて会員登録を行う。具体的に、会員登録部222は、先ず、ユーザー端末1を特定するための識別情報として、ユーザー端末1のIPアドレス、MACアドレスなどを取得して会員データベース231に記録するとともに、その後、ユーザーからの個人情報入力があった場合には、そのユーザーIDに、ユーザーが所持するユーザー端末1に関する情報(ユーザー端末1のメールアドレス、電話番号、ユーザーの氏名、年齢、性別などの個人情報など)を会員データベース231に関連付けて記録する。なお、これらの認証部221及び会員登録部222の機能は、服飾マッチングサーバ8のユーザー管理部83において実行してもい。また、ユーザー3D情報管理サーバ2内で蓄積された記憶部23内の各データは、服飾マッチングサーバ8、商品等情報配信サーバ6、及びリコメンドサーバ9に配信可能となっているものとする。
履歴情報取得部224は、各ユーザー端末1において処理された各データを取得するモジュールであり、本実施形態では、算定された推測値及び相関情報の他、撮影データ取得部182aで取得された画像、実測値入力部182bで取得した実測値、既知情報取得部182dで取得された既知情報などの情報を取得し、これらの情報を体型データ蓄積部233に入力する。
分析部223は、体型データ蓄積部233に蓄積されたデータを分析するモジュールであり、補正用データ生成部223aと、パターン生成部223bとを有している。補正用データ生成部223aは、体型データ蓄積部233に蓄積され、集計された推測値及び相関情報に基づいて補正用データを生成するモジュールであり、例えば、身体の部分的な身体的特徴の形状及び寸法情報と、身体全体の身体情報との関連性を分析した、補正用データを作成する。これら作成された補正用データは、補正用データ蓄積部235に記憶されるとともに、各ユーザー端末1に配信される。
また、パターン生成部223bは、パターン記憶部232に蓄積する3Dモデリングに関する情報を作成するモジュールである。パターン生成部223bは、体型データ蓄積部233に蓄積されたユーザー情報に基づいて3Dモデリングのパターンを作成する。ここで作成されるパターンとしては、例えば、人物の身体情報を、年齢別、身長別、性別、国籍別、体型別(痩せ型、普通型、肥満型)などの各区分によって分類する。このように分類された分析結果は、パターン記憶部232に入力されるとともに、各ユーザー端末1に配信される。なお、補正用データ及びパターンデータのユーザー端末1に対するデータ配信タイミングとしては、所定間隔であってもよく、また、各データベース内が更新される度に行ってもよい。なお、制御部22は、3Dモデリング情報から3Dプリンタで出力可能な3Dプリンタデータを生成してユーザーに対して提供してもよい。
(3Dモデリング情報作成支援方法)
以上の構成を有する3Dモデリング情報作成支援機能を動作させることで、ユーザーの身体的特徴が再現されたオブジェクトデータである3Dモデリング情報を生成する3Dモデリング情報作成支援方法を実施することができる。図10は、本実施形態に係る方法を示すフローチャート図である。なお、ここでは、予め、ユーザー端末1のROM153には、プログラムがインストールされるとともに、各データベース153a〜153e内に所定のデータが記録されているものとする。
先ず、ユーザー3D情報管理サーバ2では、常時、制御部22では、ユーザー端末1に対して配信すべきデータがあるか否かを判断している(S201)。ここで、配信すべきか否かの条件とは、例えば、ユーザー端末1が本アプリケーションをインストールした場合や、例えば、記憶部23内の各データベースにおいてデータ更新があったり、更新タイミングが到達されたなどが含まれる。配信すべきデータがない場合には(S201における“N”)、サーバ装置はユーザー端末からの履歴情報を取得するまで待機する。一方、配信すべきデータがある場合には(S201における“Y”)、制御部22は、各データベース内における各種データをユーザー端末1に送信する。
ユーザー端末1では、各種データを受信すると(S301)、ROM153内の各データベース153a〜153d内に各種データを新規に登録したり、更新処理したりする。その後、ユーザー端末1のCPU169において、本プログラムが実行された場合には(S302)、先ず、画面上に3Dモデリング情報作成メニューを表示させる。ユーザー操作によって、3Dモデリング情報作成メニューが選択されると(S303)、3Dモデリング情報作成処理が行われる。CPU169では、上記モード1〜モード8や鏡を介して撮影するモードなど各モードの選択画面を表示させ、いずれかのモードの選択を、入力インターフェース12を通じて受け付ける(S304)。
モードが決定された後、情報取得部182は、ユーザーによって選択されたモードに応じて、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴に関する身体情報を取得する(S305)。そして、解析部181は、身体情報に含まれるユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴を相互に補完して、身体の所定部位に関する推測値、及び部分的又は全体的な身体的特徴との相関情報を算定する(S306)。
ここで、例えば、選択されたモードに、ユーザー操作に基づいて、当該ユーザーの身体的特徴における実測値の入力を受け付ける処理が含まれている場合には、実測値入力部182bによって実測値の入力を受け付けるとともに、解析部181では、入力された実測値に基づいて推測値及び相関情報を算定する。この際、端末1に補正用データが蓄積されている場合には、データ補正部183は、補正用データに基づいて算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正する。
さらには、選択されたモードに、パターンデータを用いる場合には、ユーザー操作に基づいて、パターン選択部182cが任意のパターンデータをパターン記憶部153aから読み出すとともに、解析部181では、選択されたパターンデータに対して、取得された身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定する。
また、選択されたモードに、撮影データを用いる場合には、撮影部16により、ユーザーの身体の一部又は全部を撮影し、解析部181では、撮影した画像を解析して身体情報を算出する。算出された身体情報に基づいて、推測値及び相関情報を算定する。
なお、撮影された画像内に、寸法が既知である比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物を抽出して、比較対象物に関する寸法情報が記憶された既知情報蓄積部153eから、抽出された比較対象物の寸法情報を取得するとともに、解析部181では、取得された寸法情報と、画像内における比較対象物及びユーザーの身体との対比結果とに基づいて、推測値及び相関情報を算定する。
これらのように解析部181で算定された推測値及び相関情報は、体型データ蓄積部153cに蓄積されるとともに、3Dモデリング生成部184によってユーザーの身体的特徴が再現されたオブジェクトデータである3Dモデリング情報が生成され、表示情報生成部185の制御によってLCD165上に表示される(S307)。
ユーザーは、この画面上に表示された3Dモデリング情報501を視認して、画面上に表示された補正アイコンか保存アイコンのいずれかを選択する。ここで、ユーザー操作によって保存アイコンが選択された場合(S308における“N”)、作成された3Dモデリング情報データがROM153に上書き保存される(S309)。
一方、ユーザー操作によって補正アイコンが選択された場合(S308における“Y”)、CPU169は、補正方法を選択する画面を表示させる。なお、本実施形態において、3Dモデリング情報501を補正する方法としては、入力インターフェース12を通じて入力された体型入力情報に基づいて補正する方法と、外部機器を用いて取得したデータに基づいて補正を行う方法とがある。さらには、上述した各モードに応じた処理を行ってもよい。
CPU169では、補正処理方法の選択を受け付けると、ユーザーからの操作に応じて各情報を取得して、推定値及び相関情報を再度算定して補正処理を行い、3Dモデリング情報を再表示する(S304〜S307)。この補正処理は、ユーザー操作に応じて保存ボタンが選択されるまで(S308における“N”)、繰り返される。
ユーザー操作に応じて保存ボタンが選択されると(S308における“N”)、3Dモデリング情報のデータがROM153に記憶される(S309)。この際、CPU169では、3Dモデリング情報を作成した際の操作履歴情報(算定した推定値及び相関情報、画像、入力された身体情報等)をユーザー3D情報管理サーバ2に配信する(S310)。
ユーザー3D情報管理サーバ2の履歴情報取得部224において、これらの履歴情報(算定された推測値及び相関情報等)を取得すると(S203)、これらの情報を体型データ蓄積部233に蓄積して、算定された推測値及び相関情報を集計する。その後、分析部223の補正用データ生成部223a及びパターン生成部223bでは、蓄積された各データに基づいて分析を行い(S204)、集計された推測値及び相関情報に基づいて補正用データを生成したり、パターンデータを新規作成又は更新したりする。これらの情報は、補正用データ蓄積部235又はパターン記憶部232に蓄積される。
制御部22では、その後、所定のタイミングで配信すべきデータの有無を判断しており(S201)、分析部223によって分析され、作成・更新された補正用データ又はパターンデータがある場合には、配信すべきデータがあると判断し(S201における“Y”)、各種更新された情報をユーザー端末1に配信する(S202)。
このように、ユーザー端末1において実行される推定値及び相関情報の内容は、常にユーザー3D情報管理サーバ2に抽出されてデータ分析される。そして、ユーザー3D情報管理サーバ2でデータ分析されて、各データベース内のデータは更新され、その更新されたデータは、ユーザー端末1に配信されて、次回の3Dモデリング情報作成処理に反映される。
(商品等提供プログラム)
上述した本実施形態係る商品等提供システム及び商品等提供方法は、所定の言語で記述された商品等提供プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本プログラムは、通信経路を相互に接続して構築される通信ネットワークから、ユーザーが使用するユーザー端末を通じ、ユーザーに対して商品又はサービスを提供する商品等提供プログラムであって、コンピューターに、
(1)ユーザー端末において、ユーザーの身体的特徴に関する身体情報を取得させる身体情報取得ステップと、
(2)身体的特徴が再現されたオブジェクトデータを、仮想空間上で表示可能な3Dモデリング情報として生成するユーザー3D情報生成ステップと、
(3)通信ネットワーク上に分散配置された商品等情報配信サーバから、商品又はサービスに関する商品等情報を取得する商品等情報取得ステップと、
(4)商品等情報配信サーバから取得した商品等情報に基づいて、仮想空間上で表示可能な商品等3D情報を生成する商品等3D情報生成ステップと、
(5)3Dモデリング情報と商品等3D情報とを比較する比較ステップと、
比較結果を出力する比較結果出力ステップと
を有する処理を実行させる。
そして、このような商品等提供プログラムを、ユーザー端末やWebサーバ等のコンピューターやICチップにインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを容易に構築することができる。この商品等提供プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。
このような商品等提供プログラムは、パーソナルコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD−ROMやDVD−ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、この商品等提供プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステムや方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、仮想空間において、ユーザー自身の身体的特徴を反映させたいわゆるアバターやマネキン情報と呼ばれる3Dモデリング情報と、商品やサービスに関するオブジェクトを3次元情報として再現した商品等3D情報とを比較し、ユーザー端末でその比較結果が出力される。このため、本実施形態によれば、衣服に関する商品が、ユーザーの身体的特徴が再現された3Dモデリング情報に対して、フィットするか、或いは、サイズが大きいか、小さいかなどの比較結果が出力され、その結果、その商品等が自分に合うか否かを容易に確認することができる。
また、本実施形態によれば、3D情報合成部821aは、比較の対象となった商品等3D情報を3Dモデリング情報に合成して、仮想空間上で表示可能な比較結果3D情報を生成し、比較結果出力部169cは、この比較結果3D情報を比較結果に含めて出力しているので、仮想空間においてユーザーの身体に服飾品などを着せた場合の整合性やコーディネイトイメージを視認することができ、よりその商品等が自分に合うか否かを容易に確認することができる。
また、本実施形態によれば、比較結果評価部169dでは、比較結果出力部169cが出力した比較結果に対する評価をユーザーによる操作を受け付け、評価情報収集部911では、この評価に関する評価情報を各ユーザー端末から収集している。これにより、実際にユーザーが測定したリアルな情報を取得することができる。そして、データ分析部92は、収集した評価情報を集計し、解析し、服飾マッチングサーバ8では、その解析結果を商品等情報に関連付けて蓄積するとともに、比較部821は、評価情報蓄積部863に蓄積された解析結果を反映させて比較を行うので、仮想空間上における比較と現実空間との比較との差分をなくすように比較結果を反映することができる。その結果、次回からの比較の精度を高め、商品等情報の信憑性を高めることができる。
また、本実施形態の3Dモデリング作成機能によれば、ユーザーの部分的又は全体的な身体的特徴に関する身体情報に基づいて、身体の所定部位に関する推測値及び、取得された身体的特徴(身体情報)との相関情報を蓄積し、集計することができる。集計された情報は、いわゆるビックデータとして利用が可能であり、ビックデータを解析することによって、ユーザーが部分的又は全体的な身体情報を入力するだけで、身体の所定部位に関する推測値を精度よく算出できるようになることが期待される。
本実施形態において、情報取得部182は、ユーザーの身体の一部又は全部を撮影する撮影部16から画像データを取得し、画像解析部181aは、撮影部が撮影した画像を解析して身体情報を算出しているので、写真撮影という簡単な操作で身体的特徴を入力することができるため、操作を簡略化することができる。
さらに、本実施形態において、データ蓄積部に蓄積され、集計された推測値及び相関情報に基づいて補正用データを生成する補正用データ生成部223aと、補正用データに基づいて、解析部181において算出されたユーザーの身体の所定部位に関する推測値を補正するデータ補正部183を有しているので、多数のユーザーから収集した推測値や実測値、相関情報に基づいてビックデータを構築し、このビックデータに基づいて推測値算出の方式を修正して補正用データを生成し、この補正用データを介してビックデータにから得られた情報を反映させることによって、次回からの推測値算出の精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、ユーザー操作に基づいて、当該ユーザーの身体的特徴の実測値を入力する実測値入力部182bをさらに備え、解析部181は、実測値入力部182bにより入力された実測値に基づいて推測値及び相関情報を算定するので、実際にユーザーが測定したリアルな情報を取得することができ、推測値と実測値との差分をなくすように相関情報を修正することで、蓄積されるビックデータの信憑性を高めることができ、次回からの推測値の算出に反映させ、その精度を高めることができる。
本実施形態では、パターン記憶部153aにおいて、身体的特徴の類型をパターンデータとして記憶しており、パターン選択部182cでは、ユーザー操作に基づいて、パターン記憶部153aから任意のパターンデータを読み出し、解析部181では、パターン選択部182cで選択されたパターンデータに対して、情報取得部182が取得した身体情報を当てはめることにより、推測値及び相関情報を算定しているので、ユーザーが自分自身に近い身体的特徴の類型を選択し、そのパターンデータに、部分的な身体情報を当てはめることによって、推測値や相関情報を算定するにあたり、誤差が生じる範囲を縮小することができ、推測値及び相関情報の精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、既知情報蓄積部153eにおいて、寸法が既知である比較対象物に関する寸法情報を記憶しており、既知情報取得部182dでは、撮影部16が撮影した画像内に比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物を抽出し、抽出された比較対象物の寸法情報を取得している。そして、解析部181では、既知情報取得部182dが取得した寸法情報と、画像内における比較対象物及びユーザーの身体との対比結果とに基づいて、推測値及び相関情報を算定しているので、寸法が既知である比較対象物と比較することによって、実測値に近い身体情報を取得することができ、推測値や相関情報を算定するにあたり、誤差が生じる範囲をさらに縮小することができ、推測値及び相関情報の精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、ユーザーが鏡に映った自身の姿を、スマートフォンなどでいわゆる「自分撮り」させ、その自分撮りさせた画像に基づいて推測値及び相関情報を算定していることで、ユーザーの全身と、機種などから寸法を判断できる比較対象物としてのスマートフォンとが、同一の画像内に同一条件で映り込むため、より正確に推測値や相関情報を算定することができる。