JP6091371B2 - スライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

スライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、スライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、さらに詳細には、光を照射すると硬化する光硬化性樹脂などを用いて三次元造形物を作製するような三次元造形装置などに用いて好適なスライスデータを作成するスライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
従来より、可視光または紫外光などの光の照射により硬化する性質を有する光硬化性樹脂を用いた三次元造形装置が知られている。
こうした三次元造形装置では、例えば、以下のような手法により三次元造形物を作製するようにしていた。
即ち、貯留槽に貯留された光硬化性樹脂に対して光を照射することにより、貯留槽に貯留された光硬化性樹脂に浸漬されて三次元造形物の土台となるベース部材表面に、所定の液層厚さ分だけ光硬化性樹脂を硬化して硬化層を形成する。
さらに、所定の液層厚さ分だけベース部材を移動させた後、光硬化性樹脂に対して光を照射し、先に硬化した硬化層上に新たな硬化層を形成する。
こうした硬化層上に新たな硬化層を形成するという動作を順次繰り返して、硬化層を積層することにより三次元造形物を作製するようになされている。
なお、こうした三次元造形装置としては、例えば、特許文献1に詳細な内容が開示されている。
ここで、こうした三次元造形装置において、硬化層を形成する場合には、例えば、ベクトルイメージを描きながら光硬化性樹脂にレーザー光を照射し、光硬化性樹脂を所定の液層厚さで所定の形状に硬化するようにしていた。
具体的には、三次元造形装置においては、プロジェクターから2次元画像を投影したり、あるいは、2次元のXY平面上を移動させるXY駆動装置またはガルバノミラーなどを用いてレーザー光を移動させることによって、光硬化樹脂を硬化させて3次元形状を形成するようにしている。
ここで、1つの硬化層を形成する場合には、例えば、硬化層の形状を表すデータに基づいて、まず、光硬化性樹脂に対して、硬化層の輪郭に沿ってレーザー光を走査して硬化層の輪郭を形成する。その後、当該輪郭内の領域でレーザー光を走査して当該領域内の光硬化性樹脂を硬化して、所定の形状の硬化層を形成するようにしていた。
なお、こうした硬化層の形状を表すデータとは、作製する対象の三次元造形物を所定の間隔で切断した断面を表す断面形状のデータであり、本明細書においては、こうした三次元造形物の断面を表す断面形状のデータを「スライスデータ」と称することとする。
上記したスライスデータは、一般には、3次元CAD(Computer Aided Design)システムによって作成されるデータたる、作製する対象の三次元造形物のポリゴンメッシュから生成される。
そして、スライスデータを生成するためのポリゴンメッシュは全て三角面により構成されており、このポリゴンメッシュからスライスデータを生成して三次元造形装置において造形処理を行うためには、ポリゴンメッシュが完全なソリッドモデルとしての条件を満たしている必要がある。
ここで、「ポリゴンメッシュが完全なソリッドモデルとしての条件を満たしている」とは、ポリゴンメッシュを構成する全ての三角面は互いに辺で接続しており、全ての辺にはそれぞれ三角面が2つ接続している状態を意味する。
ところで、三次元造形装置において実際に運用されているポリゴンメッシュは、上記した完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていない場合がある。
そして、その場合には、スライスデータを生成する前に、作業者が市販されている修正用ソフトウェアなどを用いて、完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていないポリゴンメッシュに対して修正を施し、予め完全なソリッドモデルとしての条件を満たすポリゴンメッシュを作成する必要があった。
しかしながら、作業者がポリゴンメッシュの修正用ソフトウェアで修正作業を施しても、スライスデータを生成できるようにするために必要な修正を施すことは容易ではなく、作業者は高度な修正作業を強いられるという問題点が指摘されていた。
また、市販されている修正用ソフトウェアは極めて高価であり、こうした修正用ソフトウェア自体を購入することも容易ではないという問題点も指摘されていた。
特開平6−246838号公報
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていないポリゴンメッシュに対して高度な修正作業を行うことなしにスライスデータの生成を可能にしたスライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1)ポリゴンメッシュを輪切りにした際の輪郭線を示すポリラインである輪郭ポリ ライン(連続線分)が得られるように、ポリゴンメッシュの位相情報(「ポリ ゴンメッシュの位相情報」とは、ポリゴンメッシュを構成する三角面の接続情 報である。)を変更する、
(2)上記(1)で得られた輪郭ポリラインを、当該輪郭ポリライン内の領域である 内部を正常に塗り潰すことができるように修正する、
という処理を行うようにしたものである。
ここで、上記(1)の処理は、具体的には、全ての辺にそれぞれ三角面が2つ接続するようにする処理である。
また、上記(2)の処理は、輪郭ポリラインが不正に交差している状態を削除する処理である。
これにより、本発明においては、完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていないポリゴンメッシュに対して高度な修正作業を行うことなしに、スライスデータを生成することができるようになる。
従って、本発明によれば、作業者にポリゴンメッシュの高度な修正作業を強いる必要がなく、さらには、高価な修正用ソフトウェアを購入する必要もない。
即ち、本発明によるスライスデータ生成装置は、三次元造形物を切断した断面を表すスライスデータを生成するスライスデータ生成装置において、STLファイルからポリゴンメッシュを読み込んで所定の修正を施した修正したポリゴンメッシュを生成するポリゴンメッシュ生成部と、上記ポリゴンメッシュ生成部により生成された上記修正したポリゴンメッシュをスライスして輪郭ポリラインを取得する輪郭抽出部と、上記輪郭抽出部により取得された上記輪郭ポリラインの内部をビットマップで塗りつぶした塗り潰しデータを生成する塗り潰しデータ生成部とを有し、上記塗り潰しデータ生成部により生成された上記塗り潰しデータを三次元造形装置の光造形で用いられるスライスデータとして上記三次元造形装置へ出力するスライスデータ生成装置であって、上記ポリゴンメッシュ生成部は、上記STLファイルをロードして上記ポリゴンメッシュを読み込み、上記読み込んだポリゴンメッシュについて、境界表現となるように頂点データと面データとを作成するとともに、各面についてそれを構成する3本の稜線の稜線データを作成する第1の手段と、上記第1の手段が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとについて、重複する上記頂点データと重複する上記稜線データとをそれぞれ1つに統合し、上記第1の手段が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとの位相情報を更新して修正する第2の手段と、上記第2の手段が位相情報を更新して修正した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとについて、面が4つ以上接続している稜線について複製を作成して、上記面が4つ以上接続している稜線と上記複製の稜線とのそれぞれに面が2つ接続するように上記面データと上記稜線データとの位相情報を変更することにより、上記第2の手段が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとの位相情報を更新して修正することにより上記修正したポリゴンメッシュを生成するものであって、上記2つ接続する面は上記稜線に接続する1つの面を選択したときに、上記1つの面と上記1つの面の裏側にあるもっとも近い面とする第3の手段とを有し、上記輪郭抽出部は、上記第3の手段により修正された上記修正したポリゴンメッシュについて、上記修正したポリゴンメッシュの各稜線とスライス面との交差点の座標たる交差座標を上記各稜線と関連付けて保持し、上記交差座標が関連付けられている稜線に接続する面の他方の稜線にも上記交差座標が関連付けられている場合に上記2つの交差座標を繋いで1つの切断線分を取得する処理を繰り返し、上記切断線分よりなる輪郭ポリラインを生成する輪郭ポリライン生成手段と、上記輪郭ポリライン生成手段により生成された輪郭ポリラインについて、上記輪郭ポリラインが交差する交差点で別のポリラインに分割して内部に残る線分を削除し、外形の輪郭のみを辿る輪郭ポリラインに合成するポリライン合成手段と、上記ポリライン合成手段で合成された上記輪郭ポリラインをビットマップ出力座標系に当てはめるをマッピング処理を行うマッピング手段とを有し、塗り潰しデータ生成部は、上記マッピング手段によりされたマッピング処理された上記輪郭ポリラインの内部を塗り潰すビットマップデータを生成するようにしたものである。

また、本発明によるスライスデータ生成方法は、三次元造形物を切断した断面を表すスライスデータを生成するスライスデータ生成方法において、STLファイルからポリゴンメッシュを読み込んで所定の修正を施した修正したポリゴンメッシュを生成するポリゴンメッシュ生成工程と、上記ポリゴンメッシュ生成工程により生成された上記修正したポリゴンメッシュをスライスして輪郭ポリラインを取得する輪郭抽出工程と、上記輪郭抽出工程により取得された上記輪郭ポリラインの内部をビットマップで塗りつぶした塗り潰しデータを生成する塗り潰しデータ生成工程とを有し、上記塗り潰しデータ生成工程により生成された上記塗り潰しデータを三次元造形装置の光造形で用いられるスライスデータとして上記三次元造形装置へ出力するスライスデータ生成方法であって、上記ポリゴンメッシュ生成工程は、上記STLファイルをロードして上記ポリゴンメッシュを読み込み、上記読み込んだポリゴンメッシュについて、境界表現となるように頂点データと面データとを作成するとともに、各面についてそれを構成する3本の稜線の稜線データを作成する第1の工程と、上記第1の工程が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとについて、重複する上記頂点データと重複する上記稜線データとをそれぞれ1つに統合し、上記第1の工程が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとの位相情報を更新して修正する第2の工程と、上記第2の工程が位相情報を更新して修正した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとについて、面が4つ以上接続している稜線について複製を作成して、上記面が4つ以上接続している稜線と上記複製の稜線とのそれぞれに面が2つ接続するように上記面データと上記稜線データとの位相情報を変更することにより、上記第2の工程が作成した上記頂点データと上記面データと上記稜線データとの位相情報を更新して修正することにより上記修正したポリゴンメッシュを生成するものであって、上記2つ接続する面は上記稜線に接続する1つの面を選択したときに、上記1つの面と上記1つの面の裏側にあるもっとも近い面とする第3の工程とを有し、上記輪郭抽出工程は、上記第3の工程により修正された上記修正したポリゴンメッシュについて、上記修正したポリゴンメッシュの各稜線とスライス面との交差点の座標たる交差座標を上記各稜線と関連付けて保持し、上記交差座標が関連付けられている稜線に接続する面の他方の稜線にも上記交差座標が関連付けられている場合に上記2つの交差座標を繋いで1つの切断線分を取得する処理を繰り返し、上記切断線分よりなる輪郭ポリラインを生成する輪郭ポリライン生成工程と、上記輪郭ポリライン生成工程により生成された輪郭ポリラインについて、上記輪郭ポリラインが交差する交差点で別のポリラインに分割して内部に残る線分を削除し、外形の輪郭のみを辿る輪郭ポリラインに合成するポリライン合成工程と、上記ポリライン合成工程で合成された上記輪郭ポリラインをビットマップ出力座標系に当てはめるをマッピング処理を行うマッピング工程とを有し、塗り潰しデータ生成工程は、上記マッピング工程によりされたマッピング処理された上記輪郭ポリラインの内部を塗り潰すビットマップデータを生成するようにしたものである。
また、本発明によるプログラムは、上記したスライスデータ生成装置としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
また、本発明によるプログラムは、上記したスライスデータ生成方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
また、本発明によるコンピューター読み取り可能な記録媒体は、上記したプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
本発明は、以上説明したように構成されているので、完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていないポリゴンメッシュに対して高度な修正作業を行うことなしに、スライスデータを生成することができるようになるという優れた効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態の一例によるスライスデータ作成装置のハードウェア構成を表すブロック構成説明図である。 図2は、本発明の実施の形態の一例によるスライスデータ作成装置の機能的構成を表すブロック構成説明図である。 図3は、本発明によるスライスデータの生成から光造形までの処理の流れを概念的に例示する説明図である。 図4は、ポリゴンメッシュの境界表現を説明するための説明図である。 図5(a)(b)は、ノンマニフォールドの修正の処理を説明するための説明図である。 図6(a)(b)は、ポリゴンメッシュの切断線分の接続の方法を説明するための説明図である。 図7は、ポリラインが交差する場合のスキャンコンバージョン処理による塗り潰し結果を示す説明図である。 図8(a)(b)(c)(d)は、ポリラインの合成の処理を説明するための説明図である。 図9(a)(b)(c)は、ワールド座標系と画像座標系との関係を示す説明図である。 図10は、リエントラント型多角形クリッピング(パイプラインクリッピング)の処理を示す説明図である。 図11は、スキャンコンバージョンによるポリラインの塗り潰しの処理を示す説明図である。 図12は、アプリケーションソフトウェアの構造を示す説明図である。 図13は、ポリゴンメッシュ生成部における処理を示すフローチャートである。 図14は、輪郭抽出部における処理を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるスライスデータ作成装置、スライスデータ作成方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
図1には、本発明の実施の形態の一例によるスライスデータ作成装置のハードウェア構成を表すブロック構成説明図が示されている。
即ち、この本発明によるスライスデータ作成装置10は、公知のパーソナルコンピューターや汎用のコンピューターなどで実現されており、その動作を中央処理装置(CPU)12を用いて制御するように構成されている。
そして、このCPU12には、バス14を介して、CPU12の制御のためのプログラムや各種のデータなどを記憶するリードオンリメモリ(ROM)やCPU12のためのワーキングエリアとして用いられる記憶領域などを備えたランダムアクセスメモリ(RAM)などから構成される記憶装置16と、CPU12の制御に基づいて各種の表示を行うCRTや液晶パネルなどの画面を備えた表示装置18と、表示装置18の表示画面上における任意の位置を指定する入力装置たるマウスなどのポインティングデバイス20と、任意の文字を入力するための入力装置たるキーボードなどの文字入力デバイス22と、外部に接続される各種機器の入出力インターフェース回路(I/O)24とが接続されている。
また、このスライスデータ作成装置10においては、ハードディスクなどの外部記憶装置26がI/O24を介して接続されている。
さらに、スライスデータ作成装置10においては、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)などのようなコンピューター読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」と適宜に称する。)28へCPU12の制御に基づき作成された各種データを書き込んで記憶させたり、記憶媒体28に記憶された各種データを記憶装置16へ書き込むためのリードライト装置30がI/O24を介して接続されている。
さらにまた、スライスデータ作成装置10においては、このスライスデータ作成装置10により作成されたスライスデータを用いて三次元造形物を作製する三次元造形装置100がI/O24を介して接続されている。
なお、この三次元造形装置100としては、従来より公知の三次元造形装置を用いることができるので、その詳細な説明は省略することとする。
また、以下の説明においては、スライスデータ作成装置10の理解を容易にするために、記憶装置16にスライスデータ作成装置10によるスライスデータの作成の処理を実行するためのプログラムや当該スライスデータの作成の処理に用いる各種データが予め記憶されているものとする。
なお、スライスデータ作成装置10によるスライスデータの作成の処理を実行するためのプログラムや当該スライスデータの作成の処理に用いる各種データは、通信により外部からスライスデータ作成装置10の記憶装置16のランダムアクセスメモリへ読み込むようにしてもよい。
次に、図2を参照しながら、本発明の実施の形態の一例による三次元造形用スライスデータ作成装置10について、詳細に説明することとする。
この図2には、本発明の実施の形態の一例によるスライスデータ作成装置10の機能的構成を表すブロック構成説明図が示されている。
このスライスデータ作成装置10は、STL(Stereolithography)ファイルからポリゴンメッシュのデータを読み込み、三次元造形装置100による光造形で使用するスライスデータを生成するものである。
なお、一般に、三次元造形装置における光造形の手法としては、ラスター方式とベクター方式とが知られている。
ここで、ラスター方式においては2次元画像を投影するプロジェクター装置が用いられ、また、ベクター方式にはレーザーポインターをXY方向に走査する装置やガルバノミラーでレーザー光を高速に走査する装置が用いられている。
このスライスデータ作成装置10で生成されるスライスデータは、上記したいずれの方式を採用する三次元造形装置における三次元光造形においても利用することができるものである。
具体的には、スライスデータ作成装置10においては、作製する対象の三次元造形物たる三次元モデルの下端から上端までを細かな間隔で輪切りにした複数の輪郭形状を得て、次に、それらの内部を塗りつぶしたビットマップ画像を得る処理が行われることになる。
なお、図3には、上記したスライスデータの生成から光造形までの処理の流れを概念的に例示する説明図が示されている。
スライスデータ作成装置10は、ラピッドプロトタイピングに用いられるSTLファイルからポリゴンメッシュを読み込んで、本発明によるノンマニフォールドの修正の処理などを施したポリゴンメッシュを生成するポリゴンメッシュ生成部42と、ポリゴンメッシュ生成部42で生成したポリゴンメッシュをスライスして輪郭形状を取得する輪郭抽出部44と、輪郭抽出部44にて抽出された輪郭形状の内部をビットマップで塗りつぶす塗り潰しデータ生成部46とを有して構成されており、最終的に塗り潰しデータ生成部46で生成されたデータが三次元造形装置100の光造形で用いられるスライスデータとして、三次元造形装置100へ出力される。
以下、ポリゴンメッシュ生成部42、輪郭抽出部44ならびに塗り潰しデータ生成部46において行われる処理の詳細について説明する。
(1)ポリゴンメッシュ生成部42における処理
ポリゴンメッシュ生成部42においては、STLファイルからポリゴンメッシュの情報を読み込み、読み込んだポリゴンメッシュに対してスライスデータを生成するために必要な調整を行うものであり、以下に図13に示すフローチャートを参照しながらその技術内容を詳細に説明する。
なお、以下の説明の理解を容易にするために、まず、スライスデータを生成するために必要な内部表現方法として、ポリゴンメッシュの境界表現について説明する。
即ち、スライスデータ作成装置10においては、ポリゴンメッシュの情報を図4に示す公知の境界表現で管理するようにしている。
即ち、頂点(V)は3次元座標値(幾何)を持ち、稜線(E)は両端の頂点の情報(位相)を持つ。
また、面(F)は、面を囲む3本の稜線の情報(位相)を持つ。なお、面の稜線データの持つ順序は、面の法線ベクトルの進行方向の右回りになるようにする。
(1−1)STLファイルのロード(読み込み)・・・ステップS1302
ポリゴンメッシュ生成部42においては、まず、STLファイルをロードしてポリゴンメッシュの情報を読み込む。
ここで、STLファイルフォーマット仕様は公知の技術であるので、その詳細な説明は省略するが、STLファイルフォーマット仕様に従って、上記において説明したポリゴンメッシュの境界表現となるように、頂点と面とのデータを作成するとともに、各面についてそれを構成する3本の稜線のデータも作成する。
なお、上記した頂点、面および稜線のデータの作成処理については公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
(1−2)重複頂点と重複稜線の統合・・・ステップS1304
上記(1−1)、即ち、ステップS1302で作成したデータの状態では、隣り合う面と座標値が同じ頂点が重複して存在しているため、それらを1つに統合する処理を行う。それに伴い、各稜線の頂点の情報を更新する。その結果、隣り合う面の境界の稜線も同じ頂点の構成となり重複するので、それらも統合して面と稜線間の位相情報も更新する。
なお、上記した重複頂点と重複稜線の統合の処理については公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
(1−3)ノンマニフォールドの修正・・・ステップS1306
ソリッドモデルで扱われるポリゴンメッシュは二多様体であり、1つの稜線に三角面は必ず2つ接続するが、稀に頂点の座標値が非常に接近している場合などは4つ以上接続してしまう場合がある。
そのような立体は非多様体(ノンマニフォールド)と呼ばれるが、上記(1−2)、即ち、ステップS1304の処理で説明した重複頂点と重複稜線の統合の処理を単純に行うと、そのような状態になることがある。
図5(a)には、2つの四面体が接近して、本来は別の稜線が1つに重なっている例が示されている。
この場合には、輪郭抽出部44の処理に関して後述する輪郭ポリラインの取得が正常に行われないことになる。
即ち、スライス平面と各稜線との交差点を面の接続情報に従ってつなぐ際に、接続進行方向がこの稜線で複数に分岐することになり、ポリラインの取得結果が不定になるためである。つまり、全ての交点を辿れずに、終了してしまう場合がある。
そこで、図5(b)に示すように、面が4つ以上接続している稜線Eがあれば、その複製E’を作り、それぞれの稜線に面が2つ接続するように位相情報を変更する。
その2つの面のペアの選び方は、その稜線に接続する1つの面を選んだとき、その面の裏側にあるもっとも近いものを採用する。
そうすることで、例えば、図5(a)(b)に示す例では、本来の1つの三角柱を構成する面が選ばれ、その面と接続する位相情報が再構築される。
ここで、裏側にあるもっとも近いペアの面を選ぶ方法は、以下に説明する通りである。なお、「n」は稜線に接続している「面の数−1」を示す。従って、図5(a)(b)に示す例では、「n=3」となる。
(I)稜線に接続する各面F〜Fについて、それぞれ稜線に属さない頂点P〜Pを選ぶ。
(II)頂点P〜Pから稜線へ下ろした垂線の足P’〜P’を求める。
(III)
の単位ベクトル
と、面の法線
の逆方向ベクトルとの外積
を求める。
(IV)
から
の右回りに、
の中から最も近い角度にあるベクトルを選ぶ。
ここで、その角度は次のように求められる数値の大きさで評価できる。
dotは、

の内積である。

の外積が
と同じ向きならば1−dotを求め、そうでなければ3+dotを求める。
このように得られた値は、0以上4未満の範囲をとり、0度以上360度未満の角度に比例する、
の右回りを正として
から
への角度の大きさを示す。
例えば、図5に示す例の場合では、
がもっとも近いベクトルに選ばれ、その結果、面Fのペアは面Fに選ばれる。選ばれた2つの面についての位相情報を稜線Eの複製E’に移動する。
図5(b)では稜線が切り離されるイメージを表現するため離して描かれているが、実際には稜線の頂点の座標は移動しない。即ち、頂点の要素は共通のまま、稜線の要素を複製することになる。
そして、面が6つ、8つと接続している場合は、上記した稜線の分離操作を残りの接続面数が2つになるまで繰り返す。
なお、以上の結果では、頂点の要素はそのままで稜線だけが複製されることになり、このような位相情報はソリッドモデルとしては正しいとはいえない。
しかしながら、ここではスライス面と稜線との交点算出とそれらの接続情報を得ることが目的であるので、この情報を用いることにする。
(2)輪郭抽出部44における処理
輪郭抽出部44においては、ポリゴンメッシュ生成部42の処理による境界表現により生成されたポリゴンメッシュを任意のZ座標の平面で切断し、そのときの輪郭形状(輪郭ポリライン)を得る処理を行う。
さらに、輪郭抽出部44においては、ポリラインの内部を適切に塗りつぶすことができるように交差部分などを削除し、最後に出力データの座標系にマッピングする処理を行う。
以下に、図14に示すフローチャートを参照しながら、その技術内容について詳細に説明する。
(2−1)輪郭ポリラインの生成・・・ステップS1402
(2−1−1)稜線と平面との交差点
ポリゴンメッシュの各稜線と、スライス面(法線ベクトルがZ軸に平行な平面)との交差点の座標を求める。その結果は、各稜線と関連付けて保持する。
(2−1−2)交差点を繋いで輪郭ポリラインを生成
輪郭ポリラインの進行方向は、ポリゴンメッシュをZ軸上方から下方に見て右回りに囲むようにする。交差座標が関連付けられている稜線に着目し、その稜線に接続する面の他方の稜線にも交差座標が関連付けられている場合、それら2点の交差点を繋いで1つの切断線分を得る。そのときの交差点を繋ぐ方向は次のように決定する。
・両稜線のZ上方の端点が同じ座標の場合(図6(a)を参照する。)
終点側の稜線の下向きのベクトル
から始点側の稜線の下向きのベクトル
へ回転する方向が、面の法線ベクトル
と同じ向きになるように、始点終点を選ぶ。
・両稜線のZ下方の端点が同じ座標の場合(図6(b)を参照する。)
始点側の稜線の上向きのベクトル
から終点側の綾線の上向きのベクトル
へ回転する方向が、面の法線ベクトル
と同じ向きになるように、始点終点を選ぶ。
これらの処理を、追跡を開始した交点に戻るまで繰り返す。
(2−2)ポリラインの合成・・・ステップS1404
次に、上記の処理により得られた切断面のポリラインを塗り潰す準備をする。
ここで、ラピッドプロトタイピングで用いられるソリッドモデルのポリゴンメッシュは、位相情報に矛盾がないことが理想である。
そのようなモデルを平面で切断した場合の輪郭は完全に閉じた交差のない1つのポリラインになり、その内部を塗り潰すことは公知のスキャンコンバージョン処理などにより容易にできる。
しかしながら,実際にCADシステムなどで運用されるSTLデータでは、微細なポリゴンが密集し座標値が非常に接近している箇所などがあり、ポリラインが自己交差することがある。
また、複数の形状が互いに潜り込んで配置されている場合なども多く、その場合は複数のポリラインが交差することになる。
このような状況で単純なスキャンコンバージョン処理により塗り潰しを行うと、順に線分と交差する度にポリラインの内外を判定するため、本来のモデルの内部を正しく塗り潰すことはできない(図7を参照する。)。
そこで、本発明による「(2−2)ポリラインの合成」、即ち、ステップS1404の処理では、そのような交差点で別のポリラインに分割して内部に残る線分を削除し、モデルの外形の輪郭のみを辿るポリラインに合成する。
(2−2−1)自己交差の解消(図8(a)を参照する。)
まず、1つのポリラインについて、以下の分割合成処理を行う。複数ある場合は、それぞれについて行う。
(I)自己交差点でポリラインを分割
各ポリラインについて、そのポリラインが交差する点である自己交差点で、複数のポリラインに分割(Separate)する。分割されたポリラインは、端点が開いた状態になる。
(II)裏返し・重複部分の判定と削除
ポリラインのある一つの線分に着目し、次の処理を繰り返す。
(i)線分の中点の座標を通るXまたはY方向のスキャンラインを引き、それと交差するすべての線分について交差点の座標を求める。
(ii)スキャンライン上の交差点を座標値の昇順でソートする。
(iii)各交差点での内外判定値を設定する。スキャンラインの方向ベクトルと、交差点の属する線分の方向ベクトルとの外積を求める。そのZ成分がプラス(図8で紙面の裏側から表側方向)の場合は「ON」、マイナス(図8で紙面の表側から裏側方向)の場合は「OFF」を設定する。
(iv)交差点の座標値が小さい方から塗り潰しステータスを設定する。最初のステータス値を「0」とする。交差点の内外判定値が「ON」ならば「1」を加え、「OFF」ならば「1」を引く。
(v)着目線分が属する交差点の内外判定が「OFF」でステータス値が「−1以下」の場合、または内外判定が「ON」でステータス値が「0以下」の場合は、その線分が属するポリラインは裏返しになっており、本来モデルを囲む輪郭線ではないので、これを削除(Delete)する。
また、内外判定が「OFF」でステータス値が「1以上」の場合、または内外判定が「ON」でステータス値が「2以上」の場合は、その線分が属するポリラインは重複分であるので、これを削除する。
これらをまとめると、結局削除すべきポリラインは次のように判定できる。
内外判定=OFF,ステータス=0以外、または、
内外判定=ON,ステータス=1以外
(2−2−2)他のポリラインとの交差の解消(図8(b)を参照する。)
個々の閉じたポリラインについて自己交差を解消した後、他のポリライン同士との交差を解消する。
この場合、自己交差の場合のように裏返しになる部分は発生しないが、重複する部分はありうる。
これも自己交差の場合と同様に、スキャンラインによる判定を行うことができる。
(2−2−3)合成(図8(c)を参照する。)
全ての線分について判定と削除処理が終わったならば、残った開ポリラインをつないで閉じたポリラインを形成する。
(2−3)出力座標系へマッピング・・・ステップS1406
次に、上記した(2−2−3)の処理により合成された輪郭ポリラインを出力するビットマップ出力用画像座標系に当てはめる。
(2−3−1)ワールド座標値を出力画像座標系の値へ変換
ワールド座標値を(X,Y)、ワールド→画像座標スケーリング係数を(s,s)、画像座標原点の平行移動量を(t,t)とおくと、画像座標値を(u,v)は次式で求められる。
図9(b)(c)に示すように、画像座標系にはビットマップ用とベクトル用との2種類ある(なお、図9(a)は、ワールド座標系を示している。)。それぞれに変換行列Hを求めておく。
ここで、ワールド座標系の幅、高さをそれぞれW,H[mm]、ビットマップ用画像座標系の幅、高さをそれぞれwbmp,hbmpとおくと、変換行列Hの各パラメータは以下のとおりとなる。
なお、wbmp,hbmpにはプロジェクターの画像サイズを用いる。
(2−3−2)座標値のレンズ歪補正
プロジェクターを使用して造形する場合は、調査済みの歪み係数を用いて画像座標の変更を行う。また、その画像座標から、対応するワールド座標値を計算する。
本来の画像座標(u,v)と、レンズの放射方向への歪曲後の画像座標(u,v)の関係は次式で表される。
ここで、(u,v)は放射歪の中心座標、r=x+y,x,yは正規化画像座標値、k,kは予め求めておくべき放射方向歪み係数である。
本発明においては、レンズにより歪む座標値を逆に補正することで投影後の座標が本来の値になるようにしたいので、上記した式(2)の逆変換を行う。これには、ニュートン法による3次方程式の解法を用いる。
(2−3−3)画像座標系範囲でクリッピング
三次元モデルの輪郭ポリライン全域が出力画像座標系に収まらない場合は、その境界線でクリップする。図10には公知のリエントラント型多角形クリッピング(パイプラインクリッピング)の処理を示す説明図が示されているが、この図10に示すように、画像座標範囲の上辺、下辺、左辺、右辺それぞれ順にポリラインをクリップしていく。ただしそれらの順序は問わないものとする。
(3)塗り潰しデータの生成部46における処理
塗り潰しデータ生成46においては、上記した処理で得られた輪郭ポリラインの内部を塗り潰すビットマップデータを生成する。
即ち、輪郭ポリラインで囲まれた領域の内部を、公知のスキャンコンバージョンに基づく処理により塗りつぶすビットマップデータを生成するものであるが、以下にその技術内容について詳細に説明する。
(3−1)ピクセルデータベースの作成
図11にはスキャンコンバージョンによるポリラインの塗り潰しの処理を示す説明図が示されているが、図11において、1つの正方形のマスがビットマップ画像の1つのピクセルを表すものとする。
これらピクセルの角が、ポリラインで囲まれた領域内部にあるかそうでないかのデータを設定する。
ピクセルの各エッジに、ポリラインとの交差座標を計算し設定する。そして、ピクセルエッジに沿った横方向/縦方向のスキャンラインを座標値の小さい方から大きい方向へ辿り、交差座標を通る毎にそこに「ON」/「OFF」のステータスを交互に設定する。
「ON」から「OFF」の間にあるピクセルの角は、多角形の内部であるので「IN」(図11中の白抜きの丸)を,そうでないピクセルの角はポリラインの外部なので「OUT」のステータスを設定する.
(3−2)ビットマップの各ピクセルに輝度値を設定
ビットマップの各ピクセルに輝度値の設定については、IN/OUTステータスによって、8bitグレースケールビットマップの各ピクセルの値を、次のように設定していく。
即ち、ピクセルの四つ角のうち少なくとも1つが「IN」ならば、そのピクセルの輝度値を255に、それ以外の場合は0にする。
そして、スライスデータ生成装置10は、塗り潰しデータの生成部46における処理で生成されたデータを光造形用のスライスデータとして三次元造形装置100へ出力する。
なお、以上において説明した本実施の形態の一例による一連の三次元造形用スライスデータ生成処理のプログラムの実装に際しては、プラットフォームに依存しないようにSTL(Standard Template Library)とOpenCVという一般的なライブラリのみを利用し、ユーザーインターフェースと三次元造形装置の制御についてのみプラットフォームに応じた実装を行うようにすることができる(図12を参照する。)。このようにすることで、様々なプラットフォームへの実装が容易になる。
即ち、ソリッドモデルのポリゴンメッシュから三次元造形用スライスデータを計算し取得するソフトウェアに、本発明による手法をプログラムすることもできる。
また、上記においてその詳細な説明は省略したが、作業者の作業を容易にするとともに作業者に安心感を与えるために、三次元造形物の上端から下端までを一定のピッチでスライスした場合の輪郭形状を表示装置18上に表示するようにしてもよい。
そして、この表示結果としては、その内部を正常に塗り潰すことができるように自動で修正された外形のみを表示するようにしてもよい。
以上において説明したように、本発明による手法においては、完全なソリッドモデルとしての条件を満たしていないポリゴンメッシュに対して高度な修正作業を行うことなしにスライスデータを生成することができる。
従って、本発明による手法においては、ポリゴンメッシュを修正するために特別なソフトウェアを用意する必要がなく、作業者は高度なソフトウェア操作のスキルを必要としない。
また、本発明による手法においては、本発明の処理により修正された修正後の輪郭形状を三次元造形前に表示することで、三次元造形が可能であることを作業者に理解させることができ、作業者を安心させることができる。
そして、こうした本発明による手法は、光造形だけでなくラスターで描画を行う様々な製品にも適用可能であり、また、様々なプラットフォームへの移植も容易である。
本発明は、光を照射すると硬化する光硬化性樹脂を用いて三次元造形物を作製する三次元造形装置などのような各種の装置に用いるスライスデータを作成する際に利用することができるものである。
10 スライスデータ作成装置、 12 中央処理装置(CPU)、 14 バス、 16 記憶装置、 18 表示装置、 20 ポインティングデバイス,22 文字入力デバイス、 24 入出力インターフェース回路(I/O)、 26 外部記憶装置、 28 記録媒体、 30 リードライト装置、 42 ポリゴンメッシュ作成部、 44 輪郭抽出部、 46 塗り潰しデータ作成部、 100 三次元造形装置

Claims (5)

  1. 三次元造形物を切断した断面を表すスライスデータを生成するスライスデータ生成装置において、
    STLファイルからポリゴンメッシュを読み込んで所定の修正を施した修正したポリゴンメッシュを生成するポリゴンメッシュ生成部と、
    前記ポリゴンメッシュ生成部により生成された前記修正したポリゴンメッシュをスライスして輪郭ポリラインを取得する輪郭抽出部と、
    前記輪郭抽出部により取得された前記輪郭ポリラインの内部をビットマップで塗りつぶした塗り潰しデータを生成する塗り潰しデータ生成部と
    を有し、前記塗り潰しデータ生成部により生成された前記塗り潰しデータを三次元造形装置の光造形で用いられるスライスデータとして前記三次元造形装置へ出力するスライスデータ生成装置であって、
    前記ポリゴンメッシュ生成部は、
    前記STLファイルをロードして前記ポリゴンメッシュを読み込み、前記読み込んだポリゴンメッシュについて、境界表現となるように頂点データと面データとを作成するとともに、各面についてそれを構成する3本の稜線の稜線データを作成する第1の手段と、
    前記第1の手段が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとについて、重複する前記頂点データと重複する前記稜線データとをそれぞれ1つに統合し、前記第1の手段が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとの位相情報を更新して修正する第2の手段と、
    前記第2の手段が位相情報を更新して修正した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとについて、面が4つ以上接続している稜線について複製を作成して、前記面が4つ以上接続している稜線と前記複製の稜線とのそれぞれに面が2つ接続するように前記面データと前記稜線データとの位相情報を変更することにより、前記第2の手段が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとの位相情報を更新して修正することにより前記修正したポリゴンメッシュを生成するものであって、前記2つ接続する面は前記稜線に接続する1つの面を選択したときに、前記1つの面と前記1つの面の裏側にあるもっとも近い面とする第3の手段と
    を有し、
    前記輪郭抽出部は、前記第3の手段により修正された前記修正したポリゴンメッシュについて、前記修正したポリゴンメッシュの各稜線とスライス面との交差点の座標たる交差座標を前記各稜線と関連付けて保持し、前記交差座標が関連付けられている稜線に接続する面の他方の稜線にも前記交差座標が関連付けられている場合に前記2つの交差座標を繋いで1つの切断線分を取得する処理を繰り返し、前記切断線分よりなる輪郭ポリラインを生成する輪郭ポリライン生成手段と、
    前記輪郭ポリライン生成手段により生成された輪郭ポリラインについて、前記輪郭ポリラインが交差する交差点で別のポリラインに分割して内部に残る線分を削除し、外形の輪郭のみを辿る輪郭ポリラインに合成するポリライン合成手段と、
    前記ポリライン合成手段で合成された前記輪郭ポリラインをビットマップ出力座標系に当てはめるをマッピング処理を行うマッピング手段と
    を有し、
    塗り潰しデータ生成部は、前記マッピング手段によりされたマッピング処理された前記輪郭ポリラインの内部を塗り潰すビットマップデータを生成する
    ことを特徴とするスライスデータ生成装置。
  2. 三次元造形物を切断した断面を表すスライスデータを生成するスライスデータ生成方法において、
    STLファイルからポリゴンメッシュを読み込んで所定の修正を施した修正したポリゴンメッシュを生成するポリゴンメッシュ生成工程と、
    前記ポリゴンメッシュ生成工程により生成された前記修正したポリゴンメッシュをスライスして輪郭ポリラインを取得する輪郭抽出工程と、
    前記輪郭抽出工程により取得された前記輪郭ポリラインの内部をビットマップで塗りつぶした塗り潰しデータを生成する塗り潰しデータ生成工程と
    を有し、前記塗り潰しデータ生成工程により生成された前記塗り潰しデータを三次元造形装置の光造形で用いられるスライスデータとして前記三次元造形装置へ出力するスライスデータ生成方法であって、
    前記ポリゴンメッシュ生成工程は、
    前記STLファイルをロードして前記ポリゴンメッシュを読み込み、前記読み込んだポリゴンメッシュについて、境界表現となるように頂点データと面データとを作成するとともに、各面についてそれを構成する3本の稜線の稜線データを作成する第1の工程と、
    前記第1の工程が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとについて、重複する前記頂点データと重複する前記稜線データとをそれぞれ1つに統合し、前記第1の工程が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとの位相情報を更新して修正する第2の工程と、
    前記第2の工程が位相情報を更新して修正した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとについて、面が4つ以上接続している稜線について複製を作成して、前記面が4つ以上接続している稜線と前記複製の稜線とのそれぞれに面が2つ接続するように前記面データと前記稜線データとの位相情報を変更することにより、前記第2の工程が作成した前記頂点データと前記面データと前記稜線データとの位相情報を更新して修正することにより前記修正したポリゴンメッシュを生成するものであって、前記2つ接続する面は前記稜線に接続する1つの面を選択したときに、前記1つの面と前記1つの面の裏側にあるもっとも近い面とする第3の工程と
    を有し、
    前記輪郭抽出工程は、前記第3の工程により修正された前記修正したポリゴンメッシュについて、前記修正したポリゴンメッシュの各稜線とスライス面との交差点の座標たる交差座標を前記各稜線と関連付けて保持し、前記交差座標が関連付けられている稜線に接続する面の他方の稜線にも前記交差座標が関連付けられている場合に前記2つの交差座標を繋いで1つの切断線分を取得する処理を繰り返し、前記切断線分よりなる輪郭ポリラインを生成する輪郭ポリライン生成工程と、
    前記輪郭ポリライン生成工程により生成された輪郭ポリラインについて、前記輪郭ポリラインが交差する交差点で別のポリラインに分割して内部に残る線分を削除し、外形の輪郭のみを辿る輪郭ポリラインに合成するポリライン合成工程と、
    前記ポリライン合成工程で合成された前記輪郭ポリラインをビットマップ出力座標系に当てはめるをマッピング処理を行うマッピング工程と
    を有し、
    塗り潰しデータ生成工程は、前記マッピング工程によりされたマッピング処理された前記輪郭ポリラインの内部を塗り潰すビットマップデータを生成する
    ことを特徴とするスライスデータ生成方法。
  3. 請求項1に記載のスライスデータ生成装置としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
  4. 請求項2に記載のスライスデータ生成方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
  5. 請求項3または4のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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