以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100と、端末装置として複数の携帯端末300A,300Bと、サーバー500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。携帯端末300A,300Bを代表させて携帯端末300と称する。
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100とサーバー500とが有線LANに接続され、該有線LANにさらに無線LANアクセスポイント700が含まれ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント700と無線LANで接続されている例が挙げられる。
画像処理装置は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればMFPに限定されず、どのような画像処理装置であってもよい。他の例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置などであってもよい。
携帯端末300は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればどのような装置であってもよい。たとえば、タッチパネルを備えた携帯電話機、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)であってもよいし、MFPなどの画像処理装置であってもよい。
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーをファイルとして保存するためのメモリー16と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データーをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためのメモリー33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー35と、上記ネットワークを介した通信を制御するためネットワークコントローラー36とを含む。
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
<サーバーの構成>
図4は、サーバー500のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図4を参照して、サーバー500は上述のように一般的なコンピューター等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU50と、CPU50で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM51と、CPU50でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM52と、ファイルなどを記憶するためのHD(Hard Disk)53と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー54とを含む。
<動作概要>
画像処理システムでは、携帯端末300Aで表示されたメール画面におけるつまむ操作によって、当該メールの宛先に指定されたユーザーの携帯端末300Bで離す操作が行なわれると、宛先に指定されたユーザーで当該メールに添付された情報が共有される。
本例では、サーバー500がメールサーバーとして機能し、MFP100が以降に説明される、つまむ操作に関連した情報のやり取りのためのサーバーとして機能するものとする。
もちろん、サーバー500が両機能を備えてもよいし、MFP100が両機能を備えてもよい。また、携帯端末300Aまたは携帯端末300Bのいずれかにその機能が含まれてもよい。
ここで、つまむ操作および離す操作について説明する。
図5は、「つまむ」操作を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
CPUは、操作パネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
図6は、「離す」操作を説明するための図である。図6を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
CPUは、操作パネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
図7は、画像処理システムでの動作の流れを表わした図である。図7を用いて、画像処理システムでの動作の流れを説明する。
図7を参照して、ステップS11で1つの携帯端末A(たとえば携帯端末300A)においてメールソフトが起動され、ステップS12でその宛先が入力され、ステップS13で情報が添付された後、ステップS14でメール画面上でのつまむ操作が検出されると、ステップS15で入力された宛先を表わす情報である宛先情報、添付された情報(以下、添付情報)を含む情報が携帯端末Aから予め記憶されているサーバーに対して送信される。
なお、以降の説明において、携帯端末Aでのつまむ操作の検出に伴って携帯端末Aからサーバーに送信される情報を「つまむ情報」とも称する。つまむ情報には、上述のように宛先情報および添付情報が含まれ、さらに、つまむ操作が検出された日時を特定する情報や、該メールの送信元を特定する情報や、携帯端末Aに関連付けられているユーザー(たとえばログインユーザー等)を特定する情報などが含まれてもよい。
携帯端末Aから送信された情報を受信したサーバーでは、ステップS21でその情報を解析し、携帯端末Aでのつまむ情報であると解析されると、ステップS22でその情報をMFPに対して送信する。
この情報を受信したMFPは、該情報を解析し、ステップS31で該つまむ情報に含まれる宛先情報に基づいてシェアリングリストを作成する。「シェアリングリスト」とは、情報を共有するユーザーのグループをリスト形式で特定する情報を指す。
そして、ステップS32で該つまむ情報に含まれる添付情報を上記シェアリングリストに関連付けてメモリーの所定領域に格納し、ステップS33で該つまむ情報に含まれる宛先情報に基づいて各宛先に対して情報の送信がなされていることを通知するメールを作成する。ここでのメールの作成方法の一例として、予め記憶しているフォーマットに宛先情報から特定される宛先と添付情報を特定する情報とを組み込む方法が挙げられる。
そして、ステップS34で、その宛先である携帯端末B(たとえば携帯端末300B)に対して通知するメールを送信する。そのとき、好ましくは、図7に示されたように、送信元の携帯端末Aに対しても該メールを送信する。
このメールを受信した携帯端末Bでは、当該メールが画面表示される。ステップS41でその画面において離す操作が検出されると、ステップS42で携帯端末BからMFPに対して添付情報の要求がなされる。このとき、携帯端末BからMFPに対しては当該携帯端末Bを特定する情報や当該携帯端末Bに関連付けられているユーザー(たとえばログインユーザー)を特定する情報が認証情報として送信される。
MFPでは、その要求を受け取ると、ステップS35でその要求に含まれる上記認証情報と上記ステップS31で作成されたシェアリングリストとを用いて認証を行なう。そして、認証成功である場合、つまり、シェアリングリストに登録されたユーザーからの要求であった場合、ステップS36で携帯端末Bに対して上記ステップS32で記憶した添付情報を送信する。
携帯端末BはMFPから添付情報を受信し、ステップS43で画面表示される。
<機能構成>
図8は、上記動作を行なうための、携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に処理される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって処理されてもよい。
図8を参照して、携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作や離す操作を検出するための検出部302と、予めサーバー500へのアクセス情報を記憶し、つまむ操作の検出に応じて上述のつまむ情報をサーバー500に対して送信するための送信部305と、MFP100から情報を受信するための受信部306と、受信した情報に基づく画面を表示部としての操作パネル34に表示するための表示部307と、予めMFP100へのアクセス情報を記憶し、MFP100に対して必要な情報を送信して情報の送信を要求するための要求部308とを含む。
検出部302は、操作パネル34からの操作信号を解析して操作パネル34上で上述のつまむ操作がなされたことを検出すると、メールアプリケーションが実行中されてメール作成画面が表示されるか否かを図示しないアプリケーションを実行するための機能に問い合わせる。そして、メール画面上でのつまむ操作であると検出されると、該メール作成画面において入力されている宛先情報および添付情報を送信部305に渡す。
送信部305は、少なくともそれら情報をつまむ情報として、予め記憶しているサーバー500に送信する。その他、つまむ操作が検出された日時を特定する情報や、該メールの送信元を特定する情報や、携帯端末Aに関連付けられているユーザー(たとえばログインユーザー等)を特定する情報などをつまむ情報として送信してもよい。
なお、このとき、メール画面に添付された情報(ファイル)を表わすアイコンそれぞれについてつまむ操作がなされ、該操作の対象となった情報をつまむ情報として送信するようにしてもよい。この場合、検出部302は、つまむ操作がなされると該操作によって指定されたアイコンを特定し、該アイコンに関連した情報をつまむ情報として送信する添付情報として特定する。
検出部302は、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
検出部302での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図9〜図13は検出部302でのつまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
一例として検出部302は、図9に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図10に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネルにタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
他の例として検出部302は、図11に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図12に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネルにタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
他の例として検出部302は、図13に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
図14は、操作パネル34に表示されたメール画面の具体例を表わす図である。図14に表わされたように、ユーザーがメール画面上にてつまむ操作を実行すると、そのメールの宛先情報と添付情報とがメール画面から抽出されて、つまむ情報としてサーバー500に送信される。または、図14に表わされたように、メール画面の添付情報を表わすアイコンに対してつまむ操作が検出されることで、該アイコンで表わされた添付情報をつまむ情報として送信するようにしてもよい。
受信部306は、ネットワークコントローラー36を介してMFP100から通知メールを受信すると、その情報を表示部307に渡す。表示部307はその情報に基づいて、MFP100からのメールを表示部としての操作パネル34に表示するための処理を実行する。
図15は、通知メールの表示の具体例を表わす図である。図15を参照して、通知メールでは、つまみ情報の送信元である携帯端末300Aのアドレスが送信元として通知され、さらに、つまむ操作がなされたメール画面において添付された情報がシェアー情報として通知される。
検出部302は、操作パネル34からの操作信号を解析して操作パネル34上で上述の離す操作がなされたことを検出すると、メールアプリケーションが実行されて受信メール画面が表示されるか否かを図示しないアプリケーションを実行するための機能に問い合わせる。そして、通知メールを表示する画面上での離す操作であると検出されると、その旨を表わす信号を要求部308に入力する。
要求部308は該信号の入力を受け付けると、予め記憶しているMFP100にシェアー情報として通知された添付情報の送信を要求する。このとき、要求部308は、要求と共に、当該携帯端末300を特定する情報や当該携帯端末300に関連付けられているユーザー(たとえばログインユーザー)を特定する情報を認証情報として送信する。
図16に表わされたように、通知メールの表示画面においてユーザーが離す操作を実行すると、そのメールの送信元であるMFP100に対してシェアー情報として通知された添付情報の要求がなされると共に認証情報が送信される。
図16は、上記動作を行なうための、MFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図16に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に処理される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって処理されてもよい。
図16を参照して、MFP100は、ネットワークコントローラー17を介してサーバー500から携帯端末300Aからのつまむ情報を受信するための第1受信部101と、つまむ情報を解析してシェアリングリストを作成するための第1作成部102と、つまむ情報に含まれている添付情報を作成されたシェアリングリストに関連付けてメモリー16の所定領域に一時的に格納するための格納部103と、予め記憶しているフォーマットを用いて、つまむ情報に含まれている宛先情報に基づいて通知メールを作成するための第2作成部104と、ネットワークコントローラー17を介して通知メールを送信するための第1送信部105と、ネットワークコントローラー17を介して携帯端末300Bからの添付情報の送信要求を受信するための第2受信部106と、送信要求に含まれる認証情報とつまむ情報とを用いて認証を行なうための認証部107と、認証結果に応じて、つまむ情報に含まれる添付情報をネットワークコントローラー17を介して要求元に対して送信するための第2送信部108とを含む。
シェアリングリストとは、複数のユーザーに対して添付情報を送信する際の該複数のユーザーのアクセス情報(アドレス)を規定したリストである。図14の例の場合、送信先として「aaa@co.jp」、「aab@co.jp」、「aac@co.jp」、…が指定されている。この場合、第1作成部102はつまみ情報としてこれらアドレスを宛先情報として取得し、これらアドレス群を規定したリストをシェアリングリストとして作成する。
格納部103は、つまむ情報に含まれている添付情報を、作成されたシェアリングリストに関連付けてメモリー16の所定領域に一時的に格納する。この「一時的」な期間はたとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過しても携帯端末300Bからの要求がなかった場合には、メモリー16の所定領域から削除するようにしてもよい。さらに、メモリー16の所定領域からの削除に替えて、または削除に加えて、要求がなされない旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージを宛先情報に含まれる各宛先に対して送信してもよい。
なお、好ましくは、第1作成部102は作成したシェアリングリストに対して固有の識別情報を付与してメモリー16の所定領域に格納する。このようにすることで、次回から、該識別情報の指定を受け付けるだけで格納されたシェアリングリストに基づいて添付情報の送信先とする宛先情報を特定することができる。なお、この方法に関しては後に説明する。
第2作成部104は、格納された添付情報およびシェアリングリストに基づいて通知メールを作成し、上述の宛先情報に示されるそれぞれの宛先に対して送信する。具体例として、第2作成部104は予め図15に示されるようなメールタイトルやメール本文などを含んだフォーマットを記憶しており、つまむ情報に含まれる送信元を表わす情報や添付情報を特定する情報(ファイル名等)を当該メール本文に組み込み、シェアリングリストに規定されるそれぞれの宛先情報を送信先に組み込み、通知メールを作成する。
認証部107は、携帯端末300Bから添付情報の送信要求を受け取ると、メモリー16の所定領域からシェアリングリストを読み出して、これらを認証する。一例として、該要求に含まれる認証情報としてのたとえばユーザー情報とシェアリングリストで規定される宛先情報とが一致する場合に認証成功とすることができる。
認証成功である場合、第2送信部108はメモリー16の所定領域から添付情報を読み出し、上記要求元である携帯端末300Bに対して送信する。
<動作フロー>
図17は、携帯端末300での動作の具体例を示すフローチャートである。図17のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図8の各機能を発揮させることによって実現される。
図17を参照して、操作パネル34においてつまむ操作が検出されると(ステップS103でYES)、CPU30は操作パネル34にメール作成画面が表示されており、かつ、その画面において宛先の入力および情報(ファイル)の添付が完了しているか否かを確認する。それらが完了している場合(ステップS105でYES)、ステップS107でCPU30は、サーバー500に対してつまむ情報として、そのメール作成画面において入力されている宛先宛先情報および該メールの添付情報を含む情報を送信する。
一方、操作パネル34において離す操作が検出されると(ステップS103でNO、かつステップS109でYES)、CPU30は、通知メールをMFP100から受信した後であるか否かを確認する。好ましくは、該通知メールを表示する画面が操作パネル34に表示されているか否かを確認する。通知メールを受信した後、または通知を表示する画面が表示されていることが確認されると(ステップS111でYES)、ステップS113でCPU30は、MFP100に対して添付情報の送信を要求する。このとき、CPU30は、予め規定されている当該携帯端末300のユーザーを特定する情報などを認証情報として上記要求と共にMFP100に対して送信する。
その後にMFP100から情報を受信すると(ステップS115でYES)、ステップS117でCPU30は、受信した情報を操作パネル34に表示するための処理を実行する。
図18は、MFP100での動作の具体例を示すフローチャートである。図18のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図16の各機能を発揮させることによって実現される。
図18を参照して、携帯端末300Aから送信されたつまむ情報を取得すると(ステップS401でYES)、ステップS403でCPU10は、つまむ情報を解析して共有する情報である添付情報と宛先情報とを読み出す。
ステップS405でCPU10は、読み出された宛先情報からシェアリングリストを作成する。ここでの作成方法は、つまむ情報に含まれる宛先情報をリスト形式に記載する方法であってもよいし、つまむ情報において宛先情報について宛先の種別(TO、CC、BCC)が関連付けられている場合には、宛先の種別と関連付けて宛先情報をリスト形式で記載する方法であってもよい。また、このとき、好ましくはCPU10は、シェアリングリストに固有情報を付与する。
ステップS407でCPU10は、つまむ情報から読み出された添付情報を上記ステップS405で作成されたシェアリングリストに関連付けてメモリー16の所定領域に格納する。
また、ステップS408でCPU10は、つまむ情報に含まれる宛先情報に基づいて各宛先に対して情報の送信がなされていることを通知するメールを作成し、送信する。
その後、携帯端末300Bから添付情報の要求を受け付けると(ステップS409でYES)、ステップS411でCPU10は記憶されているシェアリングリストを読み出し、該要求に含まれる認証情報を用いて認証を行なう。
このときの認証として、上記要求が添付情報を指定して該情報の送信を要求するものである場合、当該添付情報と関連付けて記憶されたシェアリングリストを読み出して、そのシェアリングリストに規定されている宛先と該要求を行なったユーザーとが一致するか否かを認証することが挙げられる。
この認証が成功すると(ステップS413でYES)、ステップS415でCPU10は、当該シェアリングリストと関連付けて記憶されている添付情報を読み出して、要求元である携帯端末300Bに対して送信する。なお、このときの送信方法の他の例については、後に説明する。
または、上記要求が添付情報を指定せずに添付情報の送信を要求するものであってもよい。この場合、上記ステップS411でCPU10は記憶されたシェアリングリストをすべて読み出してそれらに規定されている宛先と該要求を行なったユーザーとが一致するか否かを認証する。そして、認証成功の場合、ステップS415でCPU10は、該要求を行なったユーザーと一致した宛先を含むシェアリングリストと関連付けられている添付情報を読み出して、要求元である携帯端末300Bに対して送信する。
なお、この場合、該要求を行なったユーザーと一致した宛先を含むシェアリングリストが複数存在する場合、それぞれのシェアリングリストと関連付けられた添付情報を読み出して、すべてを要求元である携帯端末300Bに対して送信してもよいし、その一覧を予め携帯端末300Bに対して送信して、その中から選択を受け付けて選択された添付情報のみを送信するようにしてもよい。
<実施の形態の効果>
以上の動作が画像処理システムにおいて実行されることで、共有フォルダーを作成したり、各メンバーのアクセス権を設定したり、といった、煩雑な作業を不要として、操作パネル上のつまむ操作、離す操作といった、直感的で容易な操作によって指定されたユーザーの間で情報を共有することができる。
<変形例1>
上述の動作によって、MFP100ではつまむ情報に含まれた宛先情報に基づいてシェアリングリストが作成される。このシェアリングリストは、携帯端末300Aにおいて添付情報を共有しようとするユーザーが宛先情報として指定されることによって作成されるものである。
しかしながら、このシェアリングリストは、他の情報を共有する際にも用いられてよい。この場合、MFP100は作成されたシェアリングリストに上述のように識別情報を付与して記憶しておき、そのシェアリングリストの指定を受け付けることで、該リストに規定されたユーザーに情報を送信するようにする。
図19は、このようなシェアリングリストの利用方法の一例を説明するための図である。
図19を参照して、図19(A)のように携帯端末300Aの操作パネル34にファイルを表わすアイコンが表示されている状態において当該アイコンを特定する操作(たとえば当該アイコンに対するつまむ操作やタップ操作等)によって、該アイコンで表わされる情報(ファイル)が処理対象のファイルと特定される。
このとき、CPU30は該ファイルに対する処理内容として、当該ファイルを開く処理に加えて、シェアリングリストに規定されたユーザーと当該ファイルを共有する処理を、メニューとして表示する。この表示は、図19(B)に表わされたように、このファイルのアイコン近傍にポップアップ表示されるものであってもよいし、別画面で表示されるものであってもよい。
さらに、図19(B)に示されるようにシェアリングリストを使用して当該ファイルを共有する処理として、使用するシェアリングリストを表示させてもよい。この場合CPU30は、MFP100に問い合わせて記憶されているシェアリングリストの固有情報を取得しておく。このタイミングは、予め規定されたタイミングであってもよいし、一定間隔でなされるものであってもよいし、図19(A)に表わされたようなファイルを表わすアイコンに対する操作がなされた時点であってもよい。
なお、この場合、好ましくは、MFP100は、当該携帯端末300に関連付けられたユーザーのアドレスが宛先情報として含まれているシェアリングリストの固有情報を携帯端末300に対して送信する。または、シェアリングリストに使用権限が設定されている場合、携帯端末300Aから当該携帯端末300Aに関連付けられているユーザーを特定する情報などが認証情報として送信され、MFP100において該認証情報を用いて認証成功した場合に、該当するシェアリングリストの固有情報を携帯端末300Aに対して送信するようにしてもよい。
携帯端末300Aにおいて図19(B)に表わされた画面において用いるシェアリングリストが指定されるとMFP100にその情報がつまむ情報として送信され、以降、MFP100および携帯端末300Bにおいて同様の動作が行なわれることで操作対象とされたファイルが該リストに規定されたユーザーで共有される。つまり、既存のシェアリングリストを指定することで宛先の指定を省略することができる。選択されたシェアリングリストの固有情報は、共有する情報と共にMFP100へ送信される。
図20は、この場合の携帯端末300での動作の具体例を示すフローチャートである。図20では、特に、つまむ操作に関する動作について表わされている。
図20を参照して、操作パネル34においてつまむ操作が検出され(ステップS201でYES)、さらに、つまむ操作の対象とされたファイルに対する処理としてシェアリングリストを使用して該ファイルの共有を行なう処理が選択された場合(ステップS203でYES)、ステップS205でCPU30は、MFP100に対して記憶しているシェアリングリストの固有情報を要求する。ここで、必要に応じてCPU30はMFP100に対して認証情報を送信してもよい。
MFP100からシェアリングリストの固有情報を受信すると、ステップS207でCPU30は、該固有情報を選択可能に表示する。そして、その中から使用するシェアリングリストの選択を受け付けると(ステップS209でYES)、ステップS211でCPU30は、サーバー500に対してつまむ情報として、つまむ操作で特定されたファイルを添付情報、選択されたシェアリングリストを宛先情報として送信する。
なお、以上の例では、メールアプリケーションを実行させることなくファイルの共有を指示する例であるが、上述の例と同様にメール作成画面においてシェアリングリストを利用するようにしてもよい。
その一例として、たとえば、メール作成画面において情報が添付された後に該画面においてつまむ操作が検出されるとMFP100に対してシェアリングリストを要求し、選択されたリストに規定されたユーザーをメールの宛先として自動的に入力するようにしてもよい。
このような動作が行なわれることで、上述のようにしていったんMFP100においてシェアリングリストが作成されると、その後、携帯端末300において当該シェアリングリストを利用して容易に、かつ直感的な操作で情報を共有することができる。
なお、さらに他の例として、MFP100で作成されて記憶されたシェアリングリストを、携帯端末300での操作によって編集するようにしてもよい。
図21は、その場合の携帯端末300での動作の具体例を表わすフローチャートである。
図21を参照して、携帯端末300の操作パネル34においてつまむ操作が検出されると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU30はMFP100に対してシェアリングリストを要求する。このとき、必要に応じてCPU30はMFP100に対して認証情報を送信してもよい。
CPU30はMFP100からシェアリングリストを受信すると、ステップS305で該シェアリングリストを操作パネル34に編集可能に表示する。ここでの編集とは、たとえばシェアリングリストに含まれるアドレスの削除や追加や変更などが挙げられる。
そして、操作パネル34において該シェアリングリストの編集を受け付けると(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU30は、編集後のシェアリングリストの情報をMFP100に対して送信する。
MFP100では受信した編集後のシェアリングリストで記憶されているシェアリングリストを上書きすることで、該シェアリングリストが更新される。
<変形例2>
なお、上の説明では携帯端末300Aにおいてつまむ操作が行なわれることで、携帯端末300Aで指定された情報が共有されるものとしている。しかしながら、共有を指定する装置は携帯端末300に限定されず、他の装置であってよい。
一例としてMFP100である場合、MFP100は図8に表わされた機能と同様の機能を備える。
この場合、MFP100の図示しない原稿台に原稿が搭載された後に、操作パネル15に表示されたスキャン動作の実行を指示するためのアイコンに対してつまむ操作が行なわれると、MFP100は自動的に該原稿をスキャンして画像データーを取得し、その画像データーを添付情報としたメールを作成する。
また、他の例として、ボックスと呼ばれる記憶領域に記憶されたファイルを表わすアイコンが表示された操作パネル15の画面においてつまむ操作が行なわれると、MFP100は対象のファイルを読み出し、そのファイルを添付情報としたメールを作成する。
また、MFP100は記憶しているシェアリングリストを読み出し、該リストに規定されている宛先情報を上記メールの宛先として入力する。なお、シェアリングリストが複数記憶されている場合、選択可能に操作パネル15に表示し、その中から利用するシェアリングリストの選択を受け付けてもよい。また、シェアリングリストが携帯端末300に記憶されている場合、MFP100は上記つまむ操作を受けて、携帯端末300に対してシェアリングリストを要求するようにしてもよい。
<変形例3>
上の例では、シェアリングリストに規定される宛先情報からの要求に応じて指定された情報が送信されるものとしている。
他の例として、シェアリングリストにおいて、ユーザーごとの共有する情報に対する処理権限が規定されてもよい。一例として、宛先としてTOで指定された宛先に対しては情報の書き換えを許可し、CCで指定された宛先に対しては該情報の名前の変更のみを許可し、BCCで指定された宛先に対しては該情報の閲覧のみ許可し書き換えを不許可とする権限を与えることが挙げられる。
この場合MFP100は、予めシェアリングリストに規定される権限と送信方法との対応を記憶しており、指定されたシェアリングリストで規定された権限に応じた送信方法で添付情報を送信する。
一例として、MFP100は、シェアリングリストにおいてTOで指定された宛先に対しては添付情報を書き換え可能として送信し、CCで指定された宛先に対しては名前の書き換えのみ可能として送信し、BCCで指定された宛先に対しては閲覧のみ可能として送信することが挙げられる。さらに、BCCで指定された宛先に対しては、添付情報をたとえばPDF形式に変換して送信したり、ファクシミリ送信したりすることも挙げられる。
なお、同様の権限は、上記変形例1で説明されたシェアリングリストの編集にも応用される。一例として、シェアリングリストにおいてTOで指定された宛先とされたユーザーのみ編集可能とすることが挙げられる。
この場合、シェアリングリストの編集を受け付ける際に、携帯端末300またはMFP100は編集対象のシェアリングリストを用いて編集操作を行なうユーザーのユーザー認証を行なう。そして、TOで指定された宛先とされたユーザーである場合のみ、その編集を受け付けるようにしてもよい。
さらに、上述の動作を携帯端末300やMFP100で実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。