以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、複合機10A、10B(以下、これらを総称して、「複合機10」と表記することがある。)と、携帯端末50とで構成されている。複合機10及び携帯端末50は、通信ネットワーク101を通じて通信可能に構成されている。通信ネットワーク101は、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
[複合機10]
複合機10は、図2(A)に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、FAX部13と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、CPU(Central Processing Unitの略)31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10は、画像処理装置の一例である。
[プリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録するプリント動作を実行する。記録用紙は、シート或いは被記録媒体の一例である。プリンタ部11の記録方式として、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部13は、FAXプロトコルに準拠した方式で画像データを送受信するFAX送信動作及びFAX受信動作を実行する。プリンタ部11、スキャナ部12、及びFAX部13は、動作部の一例である。
前述の複数の動作のうちのプリント動作及びFAX送信動作は、画像データを出力する出力動作の一例である。なお、複合機10が実行する出力動作はこれらに限定されない。出力動作の他の例として、複合機10は、FAX受信動作で受信した画像データで示される画像を表示させるために、当該画像データを通信部25を通じて携帯端末50に送信するFAXプレビュー送信動作を実行してもよい。また、前述の複数の動作のうちのスキャン動作及びFAX受信動作は、画像データを形成する形成動作の一例である。さらに、FAX送信動作及びFAX受信動作は、FAX部13によって実行される。
また、複合機10は、複数の動作を組み合わせた複合動作を実行可能であってもよい。例えば、スキャン動作で生成した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するコピー動作、スキャン動作で生成した画像データをFAX送信動作でFAX送信するスキャンFAX動作、FAX受信処理でFAX受信した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するFAXプリント動作は、複合動作の一例である。
複合機10A、10Bが実行可能な動作は異なっていてもよい。本実施形態に係る複合機10Aは、プリント動作、FAX送信動作、FAX受信動作、FAXプレビュー送信動作、コピー動作を実行可能である。一方、本実施形態に係る複合機10Bは、プリント動作、スキャン動作、及びコピー動作を実行可能であるとする。また、画像処理装置は、複数の動作を実行可能なものに限定されず、単一の動作のみを実行可能であってもよい。
複合機10のMIB(Management Information Baseの略)には、例えば、当該複合機10を識別する装置IDと、当該複合機10が実行可能な動作を識別する装置動作IDとが定義されていてもよい。装置IDは装置識別情報の一例であり、装置動作IDは動作識別情報の一例である。本実施形態において、複合機10Aは装置ID“MFP−A”で識別され、複合機10Bは装置ID“MFP−B”で識別される。以下、MIBに登録された装置ID及び装置動作IDを、「装置情報」と表記することがある。
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを指定するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって指定可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク等であってよい。オブジェクトは、操作部24の方向キー或いは決定ボタンを押下することによって指定されてもよい。操作部24がタッチパネルである場合、表示部23に表示されたオブジェクトは、表示位置へのタッチによって指定されてもよい。
タッチパネルとして実現される操作部24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、ロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、フリック操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等は、タッチの一例である。
また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。以下、表示部53に表示されたアイコンの位置のタップを、当該アイコンを指定するユーザ操作の一例として説明する。
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50に各種情報を出力し、通信部25を通じて携帯端末50から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。
[CPU31]
CPU31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、制御部の一例を構成する。
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、装置プログラム35とが格納される。なお、装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32“というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10“というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、事象を判断し、判断結果に応じて動作する。しかしながら、本明細書では、判断することを省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムが条件Aに応じて、処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「プログラムは条件Aであるか否かを判断する。プログラムは、肯定判断であることに応じて、処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、データ等を特定し、取得し、抽出し、決定し、或いは選択する。プログラムがデータ等を特定するとは、例えば、複数のデータ等のうちから条件に合致するデータを特定し、当該データ等そのもの或いは当該データ等を識別するための情報を、予め定められた記憶領域に記憶させる処理を指す。データ等を識別するための情報とは、例えば、当該データ等を識別するための識別情報、当該データ等が記憶された配列のインデックス、当該データ等が記憶された記憶領域のポインタ等である。プログラムがデータ等を取得し、抽出し、決定し、或いは選択する処理も同様である。後述する携帯端末50についても同様である。
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13、表示部23、操作部24、及び通信部25等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
データ記憶領域32Bは、図3(A)に示されるように、FAX特定情報と、FAX特定情報に対応付けられたFAXデータとを記憶することができる。以下、図3(A)に示される情報全体を「FAXリスト」と表記することがあり、FAXリストにおいて互いに対応付けられたFAX特定情報及びFAXデータのセットを「FAXレコード」と表記することがある。すなわち、FAXリストは、複数のFAXレコードを含むことができる。図3(A)は、複合機10AのFAXリストの例を示す。
FAXデータは、複合機10AがFAX部13を通じて外部装置からFAX受信した画像データである。FAX特定情報は、複合機10AにFAXデータを個別に特定させるための情報である。FAX特定情報は、例えば、FAXデータを複合機10Aに識別させるためのデータ識別情報であるデータIDと、データIDによって識別されるFAXデータの受信日時と、データIDによって識別されるFAXデータの送信元を特定する送信元電話番号とを含む。
複合機10Aの装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXレコードをFAXリストに追加する。より詳細には、装置プログラム35は、FAX受信動作によって、FAX部13を通じて外部装置からFAXデータ及び送信元電話番号を受信する。また、装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXリスト内で一意なデータIDを生成すると共に、不図示のシステムクロックから受信日時を取得する。そして、装置プログラム35は、これらを含むFAXレコードをFAXリストに追加する。なお、FAX受信動作は、携帯端末50等からの指示によらず、複合機10Aが自動的に実行する。
なお、装置プログラム35は、OS34が提供するアクセスAPIを実行することによって、データ記憶領域32Bに記憶されたデータを読み出し、編集し、或いは削除することができる。アクセスAPIには、アクセスするデータを識別するためのデータIDが引数として指定される。データIDは、アクセスAPIにデータを指定するために用いられる形式の情報である。データIDは、例えば、ファイルパスやURIである。一方、データ記憶領域32Bに記憶されるデータの一部又は全部は、クラウドサーバ等の不図示の外部サーバに記憶されてもよい。すなわち、装置プログラム35は、通信部25を通じて外部サーバに各種データを送信し、通信部25を通じて外部サーバから各種データを受信してもよい。この場合のデータIDは、例えば、外部サーバからデータをダウンロードするためのURLの形式であってもよい。携帯端末50についても同様である。
[携帯端末50]
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及び記憶部62は、制御部の一例である。
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50の表示部53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の操作部54は、表示部53の表示画面に重ねられたタッチパネルであるのが望ましい。
記憶部62のプログラム記憶領域62Aは、OS64と、端末プログラム65とを記憶している。OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。
端末プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させるプログラムである。指定データは、ユーザによって指定された画像データを指す。指定動作は、ユーザによって指定された動作を指す。指定装置は、ユーザによって指定された複合機10を指す。端末プログラム65は、指定データ、指定動作、及び指定装置を指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付けることができる。以下、指定データを識別するデータ識別情報を「指定データID」と表記し、指定動作を識別する動作識別情報を「指定動作ID」と表記し、指定装置を識別する装置識別情報を「指定装置ID」と表記することがある。
また、携帯端末50には、バージョンの異なる複数の端末プログラム65のうちの1つがインストールされている。バージョンの異なる複数の端末プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させるという基本的な機能が共通する。一方、バージョンの異なる複数の端末プログラム65は、サポート動作、ユーザインタフェース、或いは各種情報の記憶の仕方等が相違する。本実施形態では、バージョン1.0、バージョン1.1、及びバージョン1.2の3つの端末プログラム65がリリースされているものとする。なお、各バージョンの端末プログラム65には、共通するプログラムIDが付与されている。また、各バージョンの端末プログラム65の実行ファイルには、共通するファイル名が付与されていてもよい。
サポート動作は、端末プログラム65が後述する実行準備処理を実行可能な動作を指す。換言すれば、サポート動作は、指定動作となり得る動作を指す。本実施形態において、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65のサポート動作は、プリント動作及びスキャン動作である。一方、バージョン1.2の端末プログラム65のサポート動作は、プリント動作、スキャン動作、コピー動作、FAX送信動作、及びFAXプレビュー送信動作である。
OS34は、端末プログラム65をインストールすることができる。具体的には、端末プログラム65をインストールする指示操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、OS34は、端末プログラム65の実行ファイルを通信部55を通じて不図示のサーバから受信する。そして、OS34は、受信した端末プログラム65を携帯端末50にインストールする。なお、端末プログラム65をインストールする処理は、OS34に代わって、不図示のインストーラプログラムによって実行されてもよい。
なお、サーバから受信した端末プログラム65と同一のプログラムIDが付与された旧バージョンの端末プログラム65が携帯端末50にインストール済である場合、OS64は、プログラム記憶領域62Aに既に記憶されている旧バージョンの端末プログラム65の実行ファイルを、受信した新バージョンの端末プログラム65の実行ファイルで上書きするバージョンアップインストールを実行する。また、サーバから受信した端末プログラム65と同一のファイル名が付与された旧バージョンの端末プログラム65が携帯端末50にインストール済である場合、OS64は、バージョンアップインストールを実行してもよい。本実施形態では、一例として、バージョン1.0、1.1を旧バージョンとし、バージョン1.2を新バージョンとする。
データ記憶領域62Bは、図3(B)〜(D)のいずれかに示される指定装置情報を記憶することができる。図3(B)〜(D)に示される指定装置情報は、指定装置を識別する装置IDと、指定装置が実行可能な動作を識別する動作IDとを含む点において共通する。なお、指定装置情報に含まれる動作IDは、サポート動作ID或いは装置動作IDである。一方、図3(B)〜(D)に示される指定装置情報は、装置IDの数、全動作フラグを含むか否か等の点において相違する。
図3(B)は、バージョン1.0の端末プログラム65によってデータ記憶領域62Bに記憶される指定装置情報の一例である。図3(C)は、バージョン1.1の端末プログラム65によってデータ記憶領域62Bに記憶される指定装置情報の一例である。図3(D)は、バージョン1.2の端末プログラム65によってデータ記憶領域62Bに記憶される指定装置情報の一例である。但し、各バージョンの端末プログラム65がデータ記憶領域62Bに記憶させる指定装置情報の形式は、上記の例に限定されない。
図3(B)に示される指定装置情報は、サポート動作IDと装置IDとが一対一に対応付けられている。図3(B)に示されるサポート動作ID“プリント”、“スキャン”は、バージョン1.0の端末プログラム65のサポート動作の動作IDである。すなわち、バージョン1.0の端末プログラム65では、サポート動作毎に異なる指定装置を指定することができる。換言すれば、図3(B)に示される指定装置情報は、複数の指定装置IDを含むことができる。なお、各サポート動作IDに対応付けられる装置IDは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一方、図3(C)及び図3(D)に示される指定装置情報は、装置IDに1以上の装置動作IDが対応付けられている。すなわち、バージョン1.1、1.2の端末プログラム65では、1以上の装置動作IDに対して1つの指定装置のみを指定することができる。換言すれば、図3(C)及び図3(D)に示される指定装置情報は、ただ1つの指定装置IDを含むことができる。
また、図3(D)に示される指定装置情報は、全動作フラグを含む。全動作フラグは、指定装置が実行可能な全ての動作に対応する装置動作IDを指定装置情報が含むか否かを示す全動作取得情報の一例である。より詳細には、前記動作フラグには、指定装置が実行可能な全ての動作に対応する装置動作IDを指定装置情報が含む場合に第3値“ON”が設定され、指定装置が実行可能な全ての動作に対応する装置動作IDを指定装置情報が含まない場合に第4値“OFF”が設定される。
具体的には、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65は、例えば、後述するデバイス選択処理と類似の処理によって、図3(B)或いは図3(C)に示される指定装置情報を、データ記憶領域62Bに記憶させる。但し、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65は、サポート動作IDの1つを含む送信要求情報を、通信部55を通じて指定装置に送信する。そして、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65は、送信要求情報に含まれるサポート動作IDが装置情報に含まれているか否かを示す情報を、送信要求情報の応答として、通信部55を通じて指定装置から受信する。
例えば、バージョン1.0の端末プログラム65は、サポート動作の1つであるプリント動作に対応する指定装置として複合機10Aが選択されたことに応じて、装置動作ID“プリント”の返信を要求する送信要求情報を複合機10Aに送信し、装置動作ID“プリント”を含む情報を複合機10Aから受信する。また、バージョン1.0の端末プログラム65は、サポート動作の1つであるスキャン動作に対応する指定装置として複合機10Bが選択されたことに応じて、装置動作ID“スキャン”の返信を要求する送信要求情報を複合機10Bに送信し、装置動作ID“スキャン”を含む情報を複合機10Bから受信する。なお、複合機10は、装置動作IDを、実行可能な動作に対応する装置動作IDの返信を要求された場合は返信し、実行不可能な動作に対応する装置動作IDの返信を要求された場合は返信しない。
また、バージョン1.1の端末プログラム65は、例えば、指定装置として複合機10Aが選択されたことに応じて、サポート動作であるプリント動作、スキャン動作に対応する装置動作ID“プリント”、“スキャン”の返信を要求する送信要求情報を複合機10Aに送信し、装置動作ID“プリント”、“スキャン”を含む情報を複合機10Aから受信する。なお、バージョン1.1の端末プログラム65は、複数の装置動作IDの返信を要求する1つの送信要求情報を送信してもよいし、各々が1つの装置動作IDの返信を要求する複数の送信要求情報を送信してもよい。
なお、サポート動作IDは端末プログラム65がサポートする動作を識別するのに対して、装置動作IDは複合機10が実行可能な動作を識別するかにおいて相違する。但し、同一の動作を識別するサポート動作ID及び装置動作IDは、同一の値である。すなわち、端末プログラム65は、図3(B)〜(D)に示される指定装置情報を参照する際に、サポート動作IDと装置動作IDとを区別する必要はない。しかしながら、図3(B)〜(D)では、端末プログラム65がサポートする動作を基点として指定装置情報が記憶されたか、複合機10が実行可能な動作を基点として指定装置情報が記憶されたかを明らかにするために、便宜上、サポート動作IDと装置動作IDとを区別して表記する。
また、データ記憶領域62Bは、初回取得情報の一例である初回フラグと、受信済情報の一例である受信済フラグとを記憶する。初回フラグには、バージョン1.2の端末プログラム65がインストールされてから初めて起動されるときに第1値“ON”が設定された状態であり、後述する第1判断処理(S11)が初めて実行された後に第2値“OFF”が設定される。受信済フラグには、後述する第1受信処理(S42)で指定装置から装置情報を受信していないことに対応する第5値“OFF”、或いは第1受信処理で指定装置から装置情報を受信できたことに対応する第6値“ON”が設定される。
なお、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65によってデータ記憶領域62Bに記憶された指定装置情報は、端末プログラム65がバージョンアップインストールされただけでは上書きされない。すなわち、新バージョンの端末プログラム65は、バージョンアップインストールの直後において、旧バージョンの端末プログラム65がデータ記憶領域62Bに記憶させた指定装置情報を参照することができる。また、初回フラグ及び受信済フラグには、端末プログラム65のバージョンアップインストール後、新バージョンの端末プログラム65の初回起動時には、初期値が設定された状態になる。初回フラグの初期値は第1値“ON”であり、受信済フラグの初期値は第5値“OFF”である。
なお、データ記憶領域62Bに記憶される各種フラグに設定される値は、“ON”、“OFF”に限定されない。例えば、各種フラグは、2つの状態のうちの一方を表す場合にデータ記憶領域62Bに記憶され、他方を表す場合にデータ記憶領域62Bから削除されてもよい。この場合の端末プログラム65は、フラグの値を判断する処理において、当該プログラムがデータ記憶領域62Bに記憶されているか否かを判断すればよい。
さらに、データ記憶領域62Bには、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。
[システム100の動作]
図4〜図7を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。なお、本実施形態に係る携帯端末50には、バージョン1.2の端末プログラム65がインストールされているものとする。
まず、携帯端末50のOS64は、メニュー画面を表示部53に表示させる。図8(A)はメニュー画面の一例である。図8(A)に示されるメニュー画面は、複数のプログラムアイコン111、112、113、114、115を含む。プログラムアイコン111〜115は、携帯端末50にインストールされたプログラムに対応する。例えば、プログラムアイコン111は端末プログラム65に対応する。
そして、OS64は、プログラムアイコン111〜115の1つの指定を操作部54を通じて受け付ける。OS64は、プログラムアイコン111の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、端末プログラム65を起動させる。プログラムアイコン111の指定は、端末プログラム65の起動を指示するユーザ操作の一例である。携帯端末50の端末プログラム65は、OS64から起動されたことに応じて、メイン処理を実行する。図4を参照して、メイン処理の詳細を説明する。
[メイン処理]
まず、端末プログラム65は、初回フラグに“ON”、“OFF”のどちらが設定されているかを判断する(S11)。そして、端末プログラム65は、初回フラグに“OFF”が設定されている判断したことに応じて(S11:OFF)、ステップS12〜S15の処理をスキップして、ステップS16以降の処理を実行する。すなわち、ステップS12〜S15の処理は、バージョンアップインストールされた端末プログラム65が最初に起動されたタイミングで実行される。
一方、端末プログラム65は、初回フラグに“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S11:ON)、許諾確認画面を表示部53に表示させる(S12)。そして、端末プログラム65は、許諾確認画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S13)。ステップS11の処理は第1判断処理の一例であり、ステップS12の処理は第2表示処理の一例であり、ステップS13の処理は受付処理の一例である。また、許諾確認画面は、第2画面の一例である。
許諾確認画面は、ソフトウェア使用許諾契約に記載された端末プログラム65の使用条件に同意するか否かを、携帯端末50のユーザに確認するための画面である。図8(B)は、許諾確認画面の一例である。図8(B)に示される許諾確認画面は、「ソフトウェア使用許諾契約に同意しますか?」とのメッセージと、[契約書]アイコン118と、[同意]アイコン119とを含む。[契約書]アイコン118は、ソフトウェア使用許諾契約の本文を表示部53に表示させる指示に対応する。[同意]アイコン119は、使用条件に同意することに対応する同意オブジェクトの一例である。
次に、端末プログラム65は、[契約書]アイコン118を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、図示は省略するが、ソフトウェア使用許諾契約の本文を表示部53に表示させる。また、端末プログラム65は、[同意]アイコン119を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S13:Yes)、初回フラグに“OFF”を設定する(S14)。
また、端末プログラム65は、装置情報更新処理を実行する(S15)。装置情報更新処理は、旧バージョンの端末プログラム65がデータ記憶領域62Bに記憶させた指定装置情報を更新する処理である。図5(A)を参照して、装置情報更新処理の詳細を説明する。なお、装置情報更新処理は、第2表示処理(S12)と並行して実行されるのが望ましい。
[装置情報更新処理]
まず、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されているか否かを判断する(S31)。端末プログラム65がバージョン1.0からバージョン1.2にバージョンアップされた場合、図3(B)に示される指定装置情報が記憶されている。一方、端末プログラム65がバージョン1.1からバージョン1.2にバージョンアップされた場合、図3(C)に示される指定装置情報が記憶されている。一方、端末プログラム65が携帯端末50に新規にインストールされた場合、旧バージョンの端末プログラム65が指定装置情報をデータ記憶領域62Bに記憶させていない場合、指定装置情報は記憶されていない。ステップS31の処理は、第2判断処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていないと判断したことに応じて(S31:0)、ステップS32〜S35の処理をスキップして、装置情報更新処理を終了する。また、端末プログラム65は、複数の装置IDを含む指定装置情報、すなわち図3(B)に示される指定装置情報がデータ記憶領域62Bに記憶されていると判断したことに応じて(S31:複数)、サポート動作ID“プリント”を含む指定装置情報を抽出する(S32)。図3(B)の例では、サポート動作ID“プリント”と、装置ID“MFP−A”とを含む指定装置情報が抽出される。なお、ステップS32で抽出された指定装置情報に含まれるサポート動作IDは、以降の処理において、対応する装置IDで識別される複合機10の装置動作IDとして取り扱われる。ステップS32の処理は、抽出処理の一例である。一方、端末プログラム65は、ただ1つの装置IDを含む指定装置情報、すなわち図3(C)に示される指定装置情報がデータ記憶領域62Bに記憶されていると判断したことに応じて(S31:1)、ステップS32の処理をスキップする。
次に、端末プログラム65は、全動作フラグに“ON”が設定されているか否かを判断する(S33)。また、端末プログラム65は、バージョン1.2の全てのサポート動作IDが指定装置情報に含まれているか否かを判断する(S34)。ステップS33の処理は第3判断処理の一例であり、ステップS34の処理は第4判断処理の一例である。そして、端末プログラム65は、全動作フラグに“ON”が設定されている(S33:ON)、或いは全てのサポート動作IDが指定装置情報に含まれていると判断したことに応じて(S34:Yes)、ステップS35の処理をスキップ、すなわち後述する第1受信処理(S42)を実行せずに、装置情報更新処理を終了する。
一方、端末プログラム65は、全動作フラグに“ON”が設定されておらず(S33:OFF)、且つサポート動作IDのうちの少なくとも1つが指定装置情報に含まれていないと判断したことに応じて(S34:No)、装置情報受信処理を実行する(S35)。装置情報受信処理は、指定装置から装置情報を受信する処理である。図5(B)を参照して、装置情報受信処理の詳細を説明する。
[装置情報受信処理]
端末プログラム65は、指定装置情報に含まれる装置ID“MFP−A”で識別される複合機10Aに、通信部55を通じて送信要求情報を送信する(S41)。バージョン1.2の端末プログラム65が送信する送信要求情報は、MIBに記憶された全ての装置動作IDの送信を要求するための情報である。後述するステップS51で送信される送信要求情報も同様である。そして、端末プログラム65は、送信要求情報の応答として返信された装置情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する(S42:Yes)。ステップS42の処理は、第1受信処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、複合機10Aから受信した装置情報を新たな指定装置情報として、データ記憶領域62Bに記憶させる(S43)。すなわち、端末プログラム65は、ステップS42で受信した装置情報で、データ記憶領域62Bに既に記憶されている指定装置情報を更新する。また、バージョン1.2の端末プログラム65は、更新した指定装置情報の全動作フラグに“ON”を設定する。ステップS43の処理は、更新処理の一例である。
本実施形態において、更新処理を実行後のデータ記憶領域62Bには、図3(D)に示される指定装置情報が記憶されているものとする。そして、端末プログラム65は、受信済フラグに“ON”を設定して(S44)、装置情報受信処理を終了する。一方、端末プログラム65は、送信要求情報を送信してから所定の時間を経過しても装置情報を受信できないことに応じて(S42:No)、受信済フラグに“OFF”を設定して(S45)、装置情報受信処理を終了する。
図4に戻って、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されているか否かを判断する(S16)。そして、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていると判断したことに応じて(S16:Yes)、後述するメイン画面に含めることが可能な動作アイコンのうち、指定装置情報に含まれる装置動作IDに対応する動作アイコンを特定する(S17)。ステップS17の処理は、特定処理の一例である。一方、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていないと判断したことに応じて(S16:No)、サポート動作に対応する全ての動作アイコンをメイン画面に含めると決定する(S18)。
次に、端末プログラム65は、メイン画面を表示部53に表示させる(S19)。図9は、メイン画面の表示例を示す図である。また、端末プログラム65は、メイン画面を表示させてからの経過時間を計測する(S20)。さらに、端末プログラム65は、メイン画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S23)。ステップS19の処理は第1表示処理の一例であり、ステップS23の処理は受付処理の一例である。また、メイン画面は、第1画面の一例である。
図9(A)は、図3(D)に示される指定装置情報がデータ記憶領域62Bに記憶されている場合のメイン画面の一例である。図9(A)に示されるメイン画面は、動作アイコン121、124と、ステータスアイコン125と、装置アイコン126とを含む。動作アイコン121はプリント動作に対応する動作オブジェクトの一例であり、動作アイコン124はFAX送信動作及びFAXプレビュー送信動作の両方に対応する包含オブジェクトの一例である。ステータスアイコン125は、指定装置の状態を示すステータス画面を表示させる指示に対応する。ステータス画面の詳細については、説明を省略する。装置アイコン126は、指定装置を切り替える指示に対応する切替オブジェクトの一例である。また、図9(A)に示される装置アイコン126には、現時点における指定装置ID“MFP−A”が記述されている。
一方、図9(B)は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていない場合のメイン画面の一例である。図9(B)に示されるメイン画面は、図9(B)に示されるメイン画面に加えて、動作アイコン122、123をさらに含む。動作アイコン122はスキャン動作に対応する動作オブジェクトの一例であり、動作アイコン123はプリント動作及びスキャン動作を組み合わせたコピー動作に対応する複合動作オブジェクトの一例である。また、図9(B)に示される装置アイコン126には、現時点で指定装置が指定されていないことを示す“未選択”の文字列が記述されている。
また図示は省略するが、第1受信処理で装置情報が受信できなかった場合(S42:No)、新バージョンの端末プログラム65は、旧バージョンの端末プログラム65が記憶させた指定装置情報に基づいて、メイン画面に含める動作アイコンを特定する(S17)。すなわち、端末プログラム65は、旧バージョンの端末プログラム65が指定装置情報を記憶させたか否か、或いは第1受信処理(S42)で装置情報が受信できたか否かに拘わらず、適切な動作アイコンを含むメイン画面を表示させることができる。
次に、端末プログラム65は、メイン画面を表示させてから所定時間が経過するまでに、操作部54を通じてユーザ操作を受け付けなかったことに応じて(S20:No)、受信済フラグに設定された値を判断する(S21)。そして、端末プログラム65は、受信済フラグに“OFF”が設定されていると判断したことに応じて(S21:OFF)、前述した装置情報受信処理を実行してから(S22)、ステップS16以降の処理を実行する。一方、端末プログラム65は、受信済フラグに“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S21:ON)、計測中の経過時間をリセットして、ステップS20以降の処理を実行する。
すなわち、端末プログラム65は、メイン画面が表示部53に表示されている間において、受信済フラグに“OFF”が設定されていることに応じて、所定の時間間隔毎に第1受信処理(S42)を繰り返し実行する。そして、端末プログラム65は、第1受信処理で指定装置から装置情報を受信したことに応じて、受信した装置情報で指定装置情報を更新すると共に(S43)、新たな指定装置情報を用いてメイン画面に含める動作アイコンを更新する(S16〜S19)。
次に、端末プログラム65は、装置アイコン126の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S20:Yes&S23:装置アイコン)、デバイス選択処理を実行する(S24)。デバイス選択処理は、ユーザに指定装置を指定させる処理である。図6(A)を参照して、デバイス選択処理の詳細を説明する。
[デバイス選択処理]
まず、端末プログラム65は、通信部55を通じて通信可能な複数の複合機10を検索する(S51)。具体的には、端末プログラム65は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocolの略)を用いて、通信部55を通じて通信ネットワーク101に送信要求情報をブロードキャストする。次に、端末プログラム65は、送信要求情報の応答として複合機10が送信した装置情報を、通信部55を通じて複合機10から受信する。本実施形態では、複合機10A、10Bが特定されたものとする。ステップS51の処理は、第2受信処理の一例である。なお、通信可能な複数の複合機10の検索は、周知の他の方法で行ってもよい。
次に、端末プログラム65は、デバイス選択画面を表示部53に表示させる(S52)。図10(A)は、デバイス選択画面の一例である。図10(A)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン131、132を含む。デバイスアイコン131、132は、ステップS51で特定した複合機10A、10Bに対応する。また、デバイスアイコン131、132には、対応する複合機10A、10Bの装置IDが記述されている。そして、端末プログラム65は、デバイス選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S53)。
ステップS51〜S53の処理は、通信部55を通じて通信可能な複数の複合機10A、10Bのうちの1つを操作部54を通じてユーザに選択させる選択受付処理の一例である。なお、複合機10A、10Bのうちを選択するユーザ操作とは、デバイス選択画面に表示されたデバイスアイコンの1つを指定するユーザ操作に対応し、デバイスアイコンの指定の他に「選択する」という操作を必須とするものではない。
次に、端末プログラム65は、例えばデバイスアイコン132の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S53:Yes)、デバイスアイコン132に対応する複合機10Bの装置情報で、データ記憶領域62Bに既に記憶されている指定装置情報を更新する(S54)。デバイスアイコン132を指定するユーザ操作は、複合機10Bを指定装置として指定するユーザ操作の一例である。ステップS54の処理は、第2更新処理の一例である。
再び図4に戻って、端末プログラム65は、デバイス選択処理で更新された指定装置情報を用いて、ステップS16以降の処理を実行する。例えば、デバイスアイコン132が指定されたことに応じて、図10(B)に示されるメイン画面が表示部53に表示される。図10(B)に示されるメイン画面は、動作アイコン121、122、123と、ステータスアイコン125と、複合機10Bの装置ID“MFP−B”が記述された装置アイコン126とを含む。
端末プログラム65は、装置動作ID“プリント”及び装置動作ID“スキャン”の両方が指定装置情報に含まれていることに応じて、図10(B)に示されるように、動作アイコン123をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、装置動作ID“プリント”及び装置動作ID“スキャン”の少なくとも一方が指定装置情報に含まれていないことに応じて、図9(A)に示されるように、動作アイコン123をメイン画面に含めない。プリント動作は第1動作の一例であり、スキャン動作は第2動作の一例であり、装置動作ID“プリント”は第1動作情報の一例であり、装置動作ID“スキャン”は第2動作情報の一例である。
また、端末プログラム65は、装置動作ID“FAX送信”及び装置動作ID“FAXプレビュー送信”の少なくとも一方が指定装置情報に含まれていることに応じて、図9(A)に示されるように、動作アイコン124をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、装置動作ID“FAX送信”及び装置動作ID“FAXプレビュー送信”の両方が指定装置情報に含まれていないことに応じて、図10(B)に示されるように、動作アイコン124をメイン画面に含めない。FAX送信動作は第3動作の一例であり、FAXプレビュー送信動作は第4動作の一例であり、装置動作ID“FAX送信”は第3動作情報の一例であり、装置動作ID“FAXプレビュー送信”は第4動作情報の一例である。
次に、端末プログラム65は、メイン画面に含まれる動作アイコン121〜124の1つの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S20:Yes&S23:動作アイコン)、指定された動作アイコンに対応する装置動作IDを指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させ、且つ指定された動作アイコンに対応する実行準備処理を実行する(S25)。動作アイコンを指定するユーザ操作は、指定動作を指定するユーザ操作の一例である。
実行準備処理は、指定動作を指定装置に実行させるための準備をする処理である。実行準備処理は、例えば、指定データの指定を受け付ける処理、指定動作の実行条件の指定を受け付ける処理、指定動作の実行結果のイメージを確認させる処理等を含む。指定動作の実行条件とは、例えば、プリント動作によって画像が記録される記録用紙の部数、スキャン動作における読取解像度、FAX送信動作におけるFAX送信先の外部装置を特定するFAX番号等を含む。
一例として、端末プログラム65は、動作アイコン121の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、実行準備処理の一例であるプリント準備処理を実行する。他の例として、端末プログラム65は、動作アイコン124の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、実行準備処理の一例であるFAX準備処理を実行する。以下、図9(A)に示される動作アイコン121、124が指定された場合のプリント準備処理及びFAX準備処理の詳細を説明する。
また図示は省略するが、動作アイコン122が指定された場合の実行準備処理は、例えば、スキャン動作の読取解像度の指定、スキャン動作によって生成された画像データの保存先の指定等を受け付ける処理であってもよい。さらに図示は省略するが、動作アイコン123が指定された場合の実行準備処理は、例えば、スキャン動作の読取解像度の指定、プリント動作によって記録用紙に記録される画像のレイアウト(例えば、2in1等)の指定を受け付ける処理であってもよい。
[プリント準備処理]
まず、端末プログラム65は、データ選択画面を表示部53に表示させる(S61)。図11(A)は、データ選択画面の一例である。図11(A)に示されるデータ選択画面は、複数のデータアイコン141、142、143を含む。データアイコン141〜143は、例えば、データフォルダに格納された各種データ、或いはインターネット上の不図示のサーバに記憶された各種データに対応する。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S62)。ステップS62の処理は、受付処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S62:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。データアイコンを指定するユーザ操作は、指定データを指定するユーザ操作の一例である。
次に、端末プログラム65は、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S63)。図11(B)は、プレビュー画面の一例である。図11(B)に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像145と、[プリント]アイコン146とを含む。プレビュー画像145は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させた結果を示す画像である。本実施形態に係るプレビュー画像145は、データ“写真.JPEG”で示される画像を記録用紙に記録したイメージを示す。[プリント]アイコン146は、指定動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。すなわち、[プリント]アイコン146は、指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させる指示に対応する。また、端末プログラム65は、プレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S64)。ステップS64の処理は、受付処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、[プリント]アイコン146の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S64:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S65)。プリント指示情報は、指定データに対するプリント動作を実行させるための情報である。プリント指示情報は、例えば、指定データ或いは指定データを識別する指定データIDと、指定動作ID“プリント”とを含む。ステップS55の処理は、実行指示処理の一例である。一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からプリント指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作をプリンタ部11に実行させる。
[FAX準備処理]
端末プログラム65は、動作選択画面を表示部53に表示させる(S71)。図12(A)は、動作選択画面の一例である。図12(A)に示される動作選択画面は、動作アイコン148、149を含む。動作アイコン148はFAX送信動作に対応する動作オブジェクトの一例であり、動作アイコン149はFAXプレビュー送信動作に対応する動作オブジェクトの一例である。そして、端末プログラム65は、動作選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S72)。ステップS72の処理は、受付処理の一例である。
なお、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“FAX送信”が含まれることに応じて、動作アイコン148を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“FAX送信”が含まれないことに応じて、動作アイコン148を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。同様に、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“FAXプレビュー送信”が含まれることに応じて、動作アイコン149を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“FAXプレビュー送信”が含まれないことに応じて、動作アイコン149を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。
次に、端末プログラム65は、指定可能な態様の動作アイコン148の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S72:FAX送信アイコン)、装置動作ID“FAX送信”を指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。次に、端末プログラム65は、FAX送信画面を表示部53に表示させる(S73)。そして、端末プログラム65は、FAX送信画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S74)。ステップS74の処理は、受付処理の一例である。
図12(B)は、FAX送信画面の一例である。図12(B)に示されるFAX送信画面は、取得元アイコン151、152を含む。取得元アイコン151は、スキャナ部12にスキャン動作を実行させ、スキャン動作で生成された画像データをFAX部13にFAX送信させる指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。取得元アイコン152は、データ記憶領域62Bに記憶されている画像データをFAX部13にFAX送信させる指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。
なお、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“スキャン”が含まれることに応じて、取得元アイコン151を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“スキャン”が含まれないことに応じて、取得元アイコン151を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。一方、端末プログラム65は、取得元アイコン152を常に指定可能な態様にする。さらに、FAX送信画面は、インターネット上のサーバに記憶された画像データを取得する指示に対応する取得元アイコン等をさらに含んでもよい。
次に、端末プログラム65は、指定可能な態様の取得元アイコン151の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S74:スキャンアイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S77)。FAX指示情報は、指定データに対するFAX送信動作を実行させるための情報である。ステップS77の処理は、実行指示処理の一例である。
取得元アイコン151の指定によって送信されるFAX指示情報は、指定動作ID“FAX送信”と、スキャン動作の実行を指示するスキャン指示情報とを含む。すなわち、このFAX指示情報は、スキャナ部12にスキャン動作を実行させ、当該スキャン動作で生成された画像データを指定データとするFAX送信動作をFAX部13に実行させるための情報である。また図示は省略するが、端末プログラム65は、FAX送信先の外部装置を識別するための送信先情報(例えば、FAX番号)を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付け、当該送信先情報をFAX指示情報に含める。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に含まれるスキャン指示情報に従って、スキャナ部12にスキャン動作を実行させる。スキャナ部12は、不図示のコンタクトガラス或いはADF(Auto Document Feederの略)にセットされた原稿に記録された画像を読み取って、当該画像を示す画像データを生成する。また、装置プログラム35は、スキャナ部12によるスキャン動作によって生成された画像データに対するFAX送信動作を、FAX部13に実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、スキャン動作によって生成された画像データをFAX送信する。
また、端末プログラム65は、取得元アイコン152の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S74:ローカルアイコン)、例えば図11(A)に示されるデータ選択画面を表示部53に表示させる(S75)。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S76)。ステップS75、S76の処理は、ステップS61、S62の処理と同様であってもよい。
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S76:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。そして、端末プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S77)。取得元アイコン152の指定によって送信されるFAX指示情報は、指定データ或いは指定データIDと、指定動作ID“FAX送信”と、送信先情報とを含む。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に従って、FAX部13にFAX送信動作を実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、FAX指示情報に含まれる指定データ、或いはFAX指示情報に含まれる指定データIDで識別される指定データをFAX送信する。
また、端末プログラム65は、動作アイコン194の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S72:FAXプレビューアイコン)、複合機10Aに記憶されているFAXリストに含まれる複数のFAX特定情報を、指定装置である複合機10Aから通信部55を通じて受信する(S78)。より詳細には、端末プログラム65は、FAX特定情報の送信を要求する送信要求情報を、通信部55を通じて複合機10Aに送信する。次に、端末プログラム65は、送信要求情報の応答として送信されたFAX特定情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する。そして、端末プログラム65は、受信したFAX特定情報をデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。
次に、端末プログラム65は、FAX選択画面を表示部53に表示させる(S79)。図13(A)は、FAX選択画面の一例である。図13(A)に示されるFAX選択画面は、複数のFAXアイコン155、156を含む。FAXアイコン155、156は、FAXプレビュー送信動作に対応する実行指示オブジェクトの一例である。FAXアイコン155、156は、ステップS78で受信した複数のFAX特定情報それぞれに対応する。また、FAXアイコン155、156には、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号が記述されている。そして、端末プログラム65は、FAX選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S80)。ステップS80の処理は、受付処理の一例である。
次に、端末プログラム65は、例えばFAXアイコン155の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S80:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信指示情報を送信する(S81)。送信指示情報は、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報で特定されるFAXデータ1の送信を指示する実行指示情報の一例である。送信指示情報は、例えば、指定動作ID“FAXプレビュー送信”と、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報に含まれるデータID“001”とを含む。ステップS81の処理は、実行指示処理の一例である。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50から送信指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、送信指示情報に含まれるデータID“001”で識別されるFAXデータ1をFAXリストから読み出し、通信部25を通じて携帯端末50にFAXデータ1を送信する。
次に、端末プログラム65は、通信部55を通じて複合機10AからFAXデータ1を受信する(S82:Yes)。次に、端末プログラム65は、FAXプレビュー画面を表示部53に表示させる(S83)。図13(B)は、FAXプレビュー画面の一例である。図13(B)に示されるFAXプレビュー画面は、FAX画像160と、動作アイコン161、162とを含む。そして、端末プログラム65は、FAXプレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S84)。ステップS84の処理は、受付処理の一例である。
FAX画像160は、ステップS82で受信したFAXデータ1で示される画像である。また、FAX画像160に含まれるFAXヘッダには、例えば、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号等が含まれる。動作アイコン161は、FAXプレビュー画面の表示を終了させる指示に対応する。動作アイコン162は、FAXデータ1に対するプリント動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。なお、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“プリント”が含まれることに応じて、動作アイコン162を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に装置動作ID“プリント”が含まれないことに応じて、動作アイコン162を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。
次に、端末プログラム65は、動作アイコン161の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S84:OKアイコン)、FAXプレビュー画面の表示を終了する。一方、端末プログラム65は、指定可能な態様の動作アイコン162の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S84:プリントアイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S85)。プリント指示情報は、例えば、指定動作ID“プリント”と、指定データであるFAXデータ1或いはFAXデータ1を識別する指定データIDとを含む。ステップS85の処理及びプリント指示情報を受信した複合機10Aの処理は、ステップS65と同様であってもよい。
[実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、端末プログラム65は、バージョンアップインストールされてから初めて起動されるときに、旧バージョンの端末プログラム65から引き継いだ装置IDで示される指定装置から動作情報を取得し直す。すなわち、新バージョンの端末プログラム65は、旧バージョンの端末プログラム65が登録した指定装置情報のうち、装置IDを引き継ぎ、装置動作IDを引き継がない。その結果、新バージョンの端末プログラム65に適切なユーザインタフェースを提供することができる。但し、ステップS12〜S15の処理の実行タイミングは、端末プログラム65の初回起動時に限定されず、端末プログラム65が定めたタイミングで1回だけ実行されればよい。
また、上記の実施形態によれば、指定装置が実行可能な全ての動作に対応する装置動作IDを旧バージョンの端末プログラム65が収集している場合に、第1受信処理が実行されない。さらに、上記の実施形態によれば、全てのサポート動作IDが指定装置情報に含まれている場合に、第1受信処理が実行されない。その結果、携帯端末50と複合機10との間の不必要な通信を削減することができる。携帯端末50と複合機10との間の通信量の削減は、例えば、バージョンアップによってサポート動作がさらに増加した場合に、特に重要になる。
また、上記の実施形態によれば、指定装置情報がデータ記憶領域62Bに記憶されていない場合に、メイン画面に全ての動作アイコン121〜124が表示される。すなわち、旧バージョンの端末プログラムから指定装置情報を引き継いでいない場合に、全てのサポート動作への導線をユーザに提示することができる。
さらに、上記の実施形態によれば、メイン画面の表示中で且つ受信済フラグに“OFF”が設定されていることに応じて、所定の時間間隔毎に第1受信処理が繰り返し実行される。これにより、第1受信処理で装置動作IDを受信する前のメイン画面には、旧バージョンの端末プログラム65が収集した動作IDに対応する動作アイコンが表示される。そして、第1受信処理で装置動作IDを受信したことによって、当該装置動作IDに基づいてメイン画面に含める動作アイコンが最適化される。
なお、受信済フラグに“OFF”が設定されている場合の第1受信処理の実行タイミングは、上記の例に限定されない。例えば、端末プログラム65は、メイン画面の表示を指示するユーザ操作を操作部54を通じて受け付け、且つ受信済フラグに“OFF”が設定されていることに応じて、メイン画面の表示に先立って第1受信処理を実行させ、第1受信処理で新たに受信した装置情報を用いて第1表示処理を実行してもよい。なお、「メイン画面の表示を指示するユーザ操作」とは、例えば、メイン画面の表示指示に対応する遷移アイコン、或いは直近に表示されていた画面の表示指示に対応するバックアイコン等を指定するユーザ操作を指す。
また、上記の実施形態によれば、装置アイコン126の指定によって、新バージョンの端末プログラム65において指定装置をユーザに指定させることができる。そして、指定された指定装置から収集した指定装置情報を用いて第1表示処理が実行されるので、メイン画面に含める動作アイコンが最適化される。
さらに、上記の実施形態において、バージョン1.2の端末プログラム65は、指定装置のMIBに記憶されている全ての装置動作IDを取得するので、端末プログラム65がさらにバージョンアップされた場合に、新バージョンの端末プログラム65に指定装置情報を適切に引き継がせることができる。
なお、各バージョンの端末プログラム65が指定装置情報を生成する具体的な方法は、上記の例に限定されない。一例として、バージョン1.0、1.1の端末プログラム65は、全ての装置動作IDの返信を複合機10に要求し、サポート動作IDと一致する装置動作IDを返信された装置動作IDの中から抽出し、抽出した装置動作IDを含む指定装置情報を生成してもよい。他の例として、バージョン1.2の端末プログラム65は、サポート動作IDと同一の装置動作IDの返信を複合機10に要求し、返信された装置動作IDを含む指定装置情報を生成してもよい。なお、この場合の指定装置情報は、全動作フラグ“ON”を含まない。
また、上記の実施形態の複合機10及び携帯端末50において、記憶部32、62のプログラム記憶領域32A、62Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、複合機10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、複合機10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じて複合機10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。