[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る電子申請支援システムの構成例を示す模式図である。図1に示すように、電子申請支援システム100は、少なくとも一台の利用者端末10と、電子申請支援サーバ40と、により構成されている。つまり、電子申請支援サーバ40は、一台又は複数台の利用者端末10と連携して電子申請支援処理を行うものである。
図1では、電子申請支援サーバ40が三台の利用者端末10のそれぞれと連携して電子申請支援処理を行う場合を例示している。各利用者端末10と、電子申請支援サーバ40と、複数の配信先端末80とは、インターネットなどのネットワーク300を介して接続されている。また、電子申請支援サーバ40と公的機関サーバ200とは、インターネット又は専用回線を介して接続されている。
利用者端末10は、例えば、会社又は社会保険労務士事務所等に設置されたPC(Personal computer)であり、入力操作に応じて申請データを作成するものである。ここで、PCには、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC等が含まれる。申請データは、公的機関サーバ200へ送信する申請書のもとになる情報であり、会社員等の申請対象者ごとに作成されるものである。
利用者端末10は、作成した申請データに会社員等の申請対象者の識別情報を付加して電子申請支援サーバ40へ送信するものである。識別情報は、例えば、会社のコードと社員番号とを組み合わせた情報等である。そして、利用者端末10は、作成した複数の申請データを一括して電子申請支援サーバ40へ送信する機能を有している。
電子申請支援サーバ40は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバである。電子申請支援サーバ40としては、例えば、PaaS(Platform as a Service)型サービスを提供するクラウドを用いることができる。もっとも、電子申請支援サーバ40は、Webサーバ等の物理サーバであってもよい。
電子申請支援サーバ40は、利用者端末10から送信された申請データをもとに、公的機関の電子申請システムに適合する申請書を作成するものである。また、電子申請支援サーバ40は、作成した申請書を公的機関サーバ200へ送信することにより電子申請を行うものである。さらに、電子申請支援サーバ40は、電子申請に応じて公的機関サーバ200で作成された文書を取得し、取得した文書を申請対象者が管理する配信先端末80に提供するものである。
公的機関サーバ200は、電子申請の申請先である公的機関に設けられたサーバであり、電子申請支援サーバ40から送信される申請書に基づいて公文書などの文書を作成するものである。公的機関サーバ200は、1つの申請書に対して、1又は複数の文書を作成するものである。文書は、例えばZipファイルにより構成され、PDFファイル等の複数の文書ファイルを含んでいる。公的機関サーバ200は、複数の申請書を一括で受け付ける機能を有している。
配信先端末80は、各申請対象者それぞれが管理する通信端末であり、申請対象者が所持している通信端末の他、申請対象者に貸与されている通信端末も含む。配信先端末80は、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC等の通信端末である。配信先端末80は、何れも図示しないが、少なくとも、液晶表示パネル等の表示部と、各種のポインティングデバイス等からなる入力部と、CPU等からなる制御部と、を有している。なお、一人の申請対象者が二台以上の配信先端末80を管理していることもある。
図2は、図1の利用者端末10のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3は、図1の電子申請支援サーバ40のハードウェア構成を例示するブロック図である。図2及び図3を参照して、利用者端末10及び電子申請支援サーバ40のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、利用者端末10は、CPU(Central Processing Unit)10Aと、通信インタフェース10Bと、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、を有している。CPU10Aと、通信インタフェース10Bと、表示部11と、入力部12と、記憶部13とは、バス10Mによって接続されている。
図3に示すように、電子申請支援サーバ40は、CPU40Aと、通信インタフェース40Bと、データ記憶部60と、機密ファイル交換ストレージ手段71と、を有している。CPU40Aと、通信インタフェース40Bと、データ記憶部60と、機密ファイル交換ストレージ手段71とは、バス40Mによって接続されている。
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)13Aと、ROM(Read Only Memory)13Bと、HDD(Hard Disk Drive)13Cと、を含んで構成される。RAM13Aは、プログラム又はデータを一時記憶する揮発性の記憶装置である。ROM13Bは、不揮発性の記憶装置であり、例えば、利用者端末10の起動時に実行されるプログラム等が格納されている。HDD13Cは、不揮発性の記憶装置であり、例えば、CPU10Aの動作プログラム及び各種データ等が格納されている。また、HDD13Cには、利用者端末10の基本的な管理及び制御を行うためのソフトウェアであるOS等が格納されている。本実施の形態において、CPU10Aが電子申請支援処理を実現するための第一電子申請支援プログラムは、HDD13Cに格納されている。
表示部11は、例えば液晶ディスプレイからなり、各種の情報を表示するものである。入力部12は、キーボード又はマウスなどのポインティングデバイスからなり、外部からの入力操作の内容を示す操作信号をCPU10Aへ出力するものである。CPU10Aは、入力部12から出力される操作信号に応じて動作するものである。CPU10Aは、HDD13Cに格納された第一電子申請支援プログラムを実行することにより、CPU40Aと連携して、電子申請支援処理を行うものである。通信インタフェース10Bは、利用者端末10が、電子申請支援サーバ40等の外部機器と通信するためのインタフェースである。
データ記憶部60には、少なくとも、CPU40Aが電子申請支援処理を実現するための第二電子申請支援プログラムと、複数の第一変換定義ファイルと、複数の第二変換定義ファイルと、が格納されている。機密ファイル交換ストレージ手段71は、ネットワーク300等を介して情報を送受信する機能を有しており、電子申請支援システム100からの電子申請に応じて公的機関サーバ200から送信される文書等の情報を格納するものである。また、機密ファイル交換ストレージ手段71は、格納した情報を削除する機能を有している。より具体的に、機密ファイル交換ストレージ手段71は、取得手段34B又は認証処理手段72から削除指令を受信し、削除指令に対応する情報を削除する機能を有している。
CPU40Aは、データ記憶部60に格納された第二電子申請支援プログラムを実行することにより、CPU10Aと連携して、電子申請支援処理を行うものである。通信インタフェース40Bは、電子申請支援サーバ40が、利用者端末10、公的機関サーバ200、及び配信先端末80等の外部機器と通信するためのインタフェースである。
図4は、図1の電子申請支援システム100の機能的な構成を示すブロック図である。図5は、利用者端末10の表示装置10Cに、文書を文書ファイル単位で一覧表示させた一例を示す説明図である。図6は、利用者端末10の表示装置10C上での文書ファイルの選択処理を示す説明図である。
図4に示すように、利用者端末10は、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、データ作成処理部20と、通信ライブラリ部30と、を有している。データ作成処理部20は、画面提供手段21と、申請データ作成手段22と、識別情報付加手段23と、を有している。通信ライブラリ部30は、申請データ送信手段31と、署名処理手段32と、問合せ処理手段33と、選択送信手段34と、を有している。選択送信手段34は、関連づけ手段34Aと、取得手段34Bと、選択処理手段34Cと、アドレス選定手段34Dと、を有している。
電子申請支援サーバ40は、電子申請処理部50と、データ記憶部60と、機密情報処理部70と、を有している。電子申請処理部50は、データ変換処理手段51と、申請書送信手段52と、問合せ中継手段53と、文書取得処理手段54と、文書提供手段55と、を有している。データ変換処理手段51は、第一変換手段51Aと、第二変換手段51Bと、を有している。文書提供手段55は、所在情報作成手段55Aと、メール送信手段55Bと、を有している。機密情報処理部70は、機密ファイル交換ストレージ手段71と、認証処理手段72と、を有している。
以下、図4を参照して、利用者端末10及び電子申請支援サーバ40の機能的構成を具体的に説明する。
(利用者端末10)
画面提供手段21は、入力部12への入力操作に応じて、申請データ作成用の入力設定画面を表示部11に表示させるものである。また、画面提供手段21は、入力部12への入力操作に応じて、入力設定画面の切替処理を行うものである。
申請データ作成手段22は、入力部12への入力操作に基づき、画面提供手段21と連携して申請データを作成するものである。申請データは、複数の項目と、特定の項目に対応する項目情報とを含み、例えばXML形式又はCSV形式等のデータ形式によって作成される。ここで、レイアウトには、項目の順番などが含まれる。記述方法には、項目名及び項目情報等の記述方法が含まれる。
ここで、申請データ作成手段22は、外部の連携システムから提供されるようにしてもよい。すなわち、電子申請支援システム100は、様々な連携システムから提供された申請データ作成手段22と連携して電子申請を行うことができる。この場合、各連携システムの申請データ作成手段22は、各々において設定された独自のレイアウト等によって申請データを作成する。
識別情報付加手段23は、申請データ作成手段22において作成された申請データに、申請対象者の識別情報を付加するものである。そして、識別情報付加手段23は、識別情報を付加した申請データを申請データ送信手段31へ出力するものである。申請データ送信手段31は、識別情報付加手段23から出力された申請データを暗号化してデータ変換処理手段51へ送信するものである。
ここで、電子申請支援システム100は、複数の申請対象者についての電子申請を一括で行うことができる。すなわち、識別情報付加手段23は、申請データ作成手段22において作成された複数の申請対象者の申請データそれぞれに識別情報を付加した後、複数の申請データを一括で申請データ送信手段31に送信する機能を有している。そして、申請データ送信手段31は、識別情報付加手段23から送信された複数の申請データを暗号化すると共に、一括でデータ変換処理手段51へ送信する機能を有している。
署名処理手段32は、データ変換処理手段51から返送された申請書を復号して電子署名情報を付加することにより、署名申請書を作成するものである。また、署名処理手段32は、作成した署名申請書を暗号化して申請書送信手段52へ送信するものである。
ここで、署名処理手段32は、利用者端末10にカードリーダ(図示せず)が接続されている場合、カードリーダに挿入されたICカードに記録された電子証明書に基づいて、申請書に電子署名情報を付加することができる。すなわち、署名処理手段32は、カードリーダがICカードから読み込んだ電子証明書を取得し、取得した電子証明書を用いて申請書に電子署名情報を付加するIC署名付加機能を有している。
また、署名処理手段32は、各認証局から取得したファイル形式の電子証明書が記憶部13等に格納されている場合、ファイル形式の電子証明書に基づいて、申請書に電子署名情報を付加することができる。すなわち、署名処理手段32は、記憶部13等からファイル形式の電子証明書を取得し、取得した電子証明書を用いて申請書に電子署名情報を付加するファイル署名付加機能を有している。
利用者端末10が、会社に設置されたPCであり、電子申請支援システム100を用いて会社から電子申請を行う場合、電子証明書は、各認証局から会社に対して発行される。この場合、署名処理手段32は、電子証明書を用いて、会社の電子署名情報を申請書に付加することにより、申請書が会社によって作成された正当なものあることを保証する。
利用者端末10が、社会保険労務士事務所のPCであり、電子申請支援システム100を用いて社会保険労務士事務所から、顧問先の会社等の電子申請を行う場合、電子証明書は、各認証局から社会保険労務士事務所に対して発行される。この場合、署名処理手段32は、電子証明書を用いて、社会保険労務士事務所の電子署名情報を申請書に付加することにより、申請書が社会保険労務士事務所によって作成された正当なものあることを保証する。なお、社会保険労務士事務所から電子申請を行う場合、会社等からの委任状を申請書に添付することにより、各会社等の電子署名は省略することができる。
上記のように、電子申請支援システム100は、複数の申請対象者についての電子申請を一括で行う場合であっても、署名処理手段32が、会社等のまとまった単位での電子署名情報を、複数の申請対象者それぞれの申請書に自動的に付加することができる。このため、電子申請支援システム100によれば、電子署名を行う際に生じる手間及び時間を削減することができる。
問合せ処理手段33は、申請書送信手段52から転送される受付情報を記憶部13に記憶させると共に、公的機関サーバ200に対し、受付情報を用いて申請状況の問合せを行うものである。すなわち、問合せ処理手段33は、申請書送信手段52から転送される受付情報を含む問合せ信号を問合せ中継手段53へ送信することにより、公的機関サーバ200への問合せを実行する。
問合せ処理手段33は、入力部12を介しての利用者の指示に応じて、問合せ中継手段53経由で公的機関サーバ200への問合せを行うようにしてもよい。また、問合せ処理手段33は、設定時間ごとに、問合せ中継手段53経由で公的機関サーバ200への問合せを行うようにしてもよい。この場合、問合せ処理手段33は、電子申請の内容等に応じて設定時間を変更できるようにするとよい。
ここで、公的機関サーバ200は、問合せ処理手段33からの問合せ通知に応じて、現在のステータスの情報を含む状況報告通知を返信するように構成されている。公的機関サーバ200は、問合せ処理手段33から問合せを受けたとき、問合せ通知の受付情報に対応する文書の作成が完了していれば、文書の作成完了を示す情報を含む状況報告通知を返信するものである。公的機関サーバ200は、複数の申請対象者の電子申請を一括で受け付けた場合、複数の申請対象者に対応する全ての文書の作成が完了したときに、文書の作成完了を示す情報を含む状況報告通知を返信するものである。
そして、問合せ処理手段33は、公的機関サーバ200から文書の作成完了を示す状況報告通知が返信された場合、受付情報を含む文書取得指令を文書取得処理手段54に通知するものである。複数の申請対象者についての電子申請を一括で行った場合、問合せ処理手段33は、各申請対象者それぞれの申請書に対応する受付情報を含む文書取得指令を送信する。
関連づけ手段34Aは、問合せ処理手段33が記憶部13に記憶させた受付情報を、アドレステーブル内の識別情報に関連づけるものである。関連づけ手段34Aは、署名処理手段32から複数の署名申請書が一括で送信されることにより、申請書送信手段52から複数の署名申請書が一括で公的機関サーバ200へ送信した場合、複数の署名申請書のそれぞれに対応する受付情報を、アドレステーブル内の識別情報のそれぞれに関連づけるものである。アドレステーブルは、複数の申請対象者の各々の識別情報とメールアドレスとが関連づけられたテーブル情報である。アドレステーブルは、記憶部13に予め格納されており、申請対象者及びメールアドレスの増減変更に応じて書き換えることができる。
より具体的に、関連づけ手段34Aは、送信した著名申請書に付加されている識別情報と同一の識別情報をアドレステーブル内から抽出し、抽出した識別情報に関連づけられているメールアドレスに、公的機関サーバ200から返信された受付情報を紐付けるものである。もっとも、関連づけ手段34Aは、アドレステーブル内から抽出した識別情報に、公的機関サーバ200から返信された受付情報を紐付けるようにしてもよい。なお、著名申請書に付加されている識別情報は、識別情報付加手段23が申請データに付加したものである。
取得手段34Bは、文書取得処理手段54から文書を機密ファイル交換ストレージ手段71にアップロードしたことを示す文書格納通知を受けたとき、機密ファイル交換ストレージ手段71から文書をダウンロードして復号するものである。申請書送信手段52が、複数の申請対象者の署名申請書を公的機関サーバ200へ一括で送信した場合、取得手段34Bは、一括申請に対応する複数の文書を機密ファイル交換ストレージ手段71から一括でダウンロードする機能を有している。また、取得手段34Bは、機密ファイル交換ストレージ手段71に削除指令を送信し、機密ファイル交換ストレージ手段71に、ダウンロード済みの文書を削除させるものである。
ここで、公的機関の電子申請システムで作成される文書には、複数の文書ファイルが同封されている。例えば、電子政府の総合窓口におけるe−Gov電子申請システムでは、公文書として、PDFファイル等の文書ファイルを複数内包するZipファイルが作成される。そして、公文書には、事業主が受け取る文書ファイルと、例えば従業員などの個人が受け取る文書ファイルとが混在している。そこで、電子申請支援システム100は、利用者端末10において、公的機関サーバ200から取得した文書を、一旦文書ファイル単位で分割して表示させ、個人へ配信する文書ファイルを選択できるようになっている。
すなわち、選択処理手段34Cは、記憶部13から文書ファイル選択用の選択処理画面の情報を読み出すと共に、文書の内容を選択処理画面上に割り当てて表示部11に表示させるものである。これにより、表示部11には、複数の文書ファイルを含んで構成される文書の内容が、文書ファイル単位で一覧表示される。
より具体的に、選択処理手段34Cは、図5及び図6に例示するように、取得手段34Bが取得した文書を文書ファイル単位で表示部11の表示装置10Cに一覧表示させるものである。表示装置10Cは、例えばPCからなる利用者端末10のモニタ等である。図5及び図6では、申請対象者A〜Cについての電子申請に応じて作成された文書が、文書ファイル単位で一覧表示されている。また、図5及び図6では、申請対象者A〜Cについての同一手続に応じた文書を例示している。このため、申請対象者A〜Cのそれぞれに対応する文書は、何れも、文書ファイルX〜Zを含んで構成されている。もっとも、文書に含まれる文書ファイルの数は、手続の種類などに応じて変動する。また、図5及び図6は、説明のために簡略化したものであり、選択処理画面の態様は、これに限定されるものではない。例えば、図5及び図6では、一画面に申請対象者A〜Cの3人に関する情報が表示されているが、一画面に表示させる申請者の数は、種々の要因により変動する。
ここで、同一手続に関する文書は、同種の文書ファイルを含んで構成されており、各個人へ配信する文書ファイルは、同一手続に関する文書において共通していることが多い。そこで、選択処理手段34Cは、取得手段34Bが複数の申請対象者の同一手続に関する文書を一括で取得した場合、一人の申請対象者の文書に対する選択操作を受け付けたときに、受け付けた選択操作の内容を、残りの申請対象者の文書に対して反映させる機能を有している。
具体的には、図5のように一覧表示された選択処理画面において、利用者が、例えば、申請対象者Aに対応する文書ファイルX〜Zのうちから文書ファイルYを選択すると、選択処理手段34Cは、申請対象者B及び申請対象者Cに対応する文書についても、文書ファイルYを選択する処理を実行する。つまり、図6に示すように、利用者が、申請対象者Aに対応する文書ファイルYのチェック欄にチェックを入れると、選択処理手段34Cは、すべての申請対象者A〜Cのチェック欄にチェックマーク等を表示させ、ユーザの選択操作を受け付ける。もっとも、図5の状態において、利用者が、申請対象者B又は申請対象者Cに対応する文書ファイルを選択した場合も、同様に、選択処理手段34Cは、選択操作の内容を、他の申請対象者に対応する文書ファイルに反映させる。すなわち、選択処理画面において、利用者が、一人の申請対象者に対応する文書ファイルを選択すると、選択処理手段34Cは、同一の手続について一括申請された他の全ての申請対象者の同じ文書ファイルを、一括で選択処理する。
利用者が入力部12を操作し、表示部11の選択処理画面上において、配信対象の文書ファイルを選択すると、選択処理手段34Cは、利用者による文書ファイルの選択操作を受け付ける。次に、利用者が入力部12を操作して、選択処理画面上において配信を指示すると、選択処理手段34Cは、配信対象として選択された文書ファイルを、配信先端末80への配信する配信用文書として整理する。そして、選択処理手段34Cは、配信用文書を暗号化して、機密ファイル交換ストレージ手段71へアップロードする。本実施の形態において、選択処理手段34Cは、利用者によって選択された文書ファイルを、後述するアクセス情報にアクセスした配信先端末80へ提供する配信用文書として、機密ファイル交換ストレージ手段71にアップロードする機能を有している。
例えば、選択処理画面の情報が、文書の配信を指示するための配信ボタンの情報を含むように構成し、選択処理手段34Cが、利用者の入力操作に応じて、選択処理画面上に配信ボタンを表示させるようにするとよい。そして、選択処理手段34Cは、利用者による入力部12の操作によって配信ボタンがクリック等されたときに、選択された文書ファイルを配信用文書として暗号化し、機密ファイル交換ストレージ手段71へアップロードするようにするとよい。
アドレス選定手段34Dは、選択処理手段34Cが配信用文書を機密ファイル交換ストレージ手段71へアップロードすると、記憶部13に記憶されている受付情報に対応する申請対象者のメールアドレスをアドレステーブルから選定するものである。すなわち、アドレス選定手段34Dは、受付情報をアドレステーブルに照らすことにより、文書を提供する申請対象者のメールアドレスを選定するものである。
アドレス選定手段34Dは、関連づけ手段34Aによって、受付情報がアドレステーブル内のメールアドレスに紐付けられている場合、受付情報に紐付けられたメールアドレスをアドレステーブルから選定する。また、アドレス選定手段34Dは、関連づけ手段34Aによって、受付情報がアドレステーブル内の識別情報に紐付けられている場合、受付情報に紐付けられた識別情報に関連づけられたメールアドレスを選定する。
また、アドレス選定手段34Dは、選定したメールアドレス及び受付情報を含む所在情報送信指令を文書提供手段55へ送信するものである。所在情報送信指令は、文書の所在に関連する情報を含む電子メールの送信を指示する信号を含むものである。以降では、文書の所在に関連する情報のことを所在情報ともいう。アドレス選定手段34Dは、所在情報送信指令を送信する際、選定したメールアドレスを暗号化する機能を有している。
記憶部13には、申請データ作成用の入力設定画面の情報、文書の中から文書ファイルを選択させるための選択処理画面の情報、画面提供プログラム、申請データ作成プログラム、及び第一電子申請支援プログラム等が記憶されている。画面提供プログラムは、コンピュータとしてのCPU10Aを、画面提供手段21として機能させるためのプログラムである。申請データ作成プログラムは、コンピュータとしてのCPU10Aを、申請データ作成手段22として機能させるためのプログラムである。第一電子申請支援プログラムは、コンピュータとしてのCPU10Aを、識別情報付加手段23、申請データ送信手段31、署名処理手段32、問合せ処理手段33、選択送信手段34として機能させるためのプログラムである。なお、電子申請支援システム100は、データ作成処理部20及び通信ライブラリ部30の各機能のうちの少なくとも1つを、回路デバイスなどのハードウェアによって実現するようにしてもよい。
(電子申請支援サーバ40)
データ変換処理手段51は、申請データ送信手段31から送信される申請データを復号して、申請先である公的機関の電子申請システムに適合する形式に変換するものである。
ここで、外部の連携システムの申請データ作成手段22を用いる場合、申請データ作成手段22は、独自のレイアウト等からなる申請データを作成する。よって、データ作成処理部20から申請データ送信手段31を介して送信される申請データは、レイアウト等が統一されていない。
また、公的機関の電子申請システムは、電子申請の手続の種類ごとに異なる様式の申請書を採用している。ここでの様式には、データ形式が含まれる。そして、公的機関の電子申請システムでは、電子申請の手続ごとに要求される情報が変更されたり、申請書の様式が変更されたりすることがある。例えば、e−Gov電子申請システムでは、年に3回〜4回程度の法改正が行われ、申請書の様式変更及び形式的な細部の変更などが行われる。加えて、公的機関の電子申請システムでは、電子申請が可能な手続が増加することもある。さらに、複数の異なる公的機関サーバ200へ電子申請を行うことを想定すると、電子申請において要求される様式は、公的機関の電子申請システムごとに異なっている。
そこで、本実施の形態のデータ変換処理手段51は、申請データのレイアウト等を変換する第一変換手段51Aと、申請データの様式等を変換する第二変換手段51Bと、を有している。
第一変換手段51Aは、第一変換手段51Aは、ネットワーク300を介して取得した異なる種類の申請データを、統一のレイアウト、統一のデータ形式、及び統一の記述方法からなる統一申請データに変換するものである。統一のレイアウト、統一のデータ形式、及び統一の記述方法は、第一変換手段51Aでの変換用に予め設定されたものである。また、第一変換手段51Aは、申請データ送信手段31から送信される申請データをデータ記憶部60に一時記憶させるものである。
より具体的に、第一変換手段51Aは、申請データ送信手段31から送信される申請データを復号し、復号した申請データをもとに、複数の第一変換定義ファイルを用いて統一申請データを作成するものである。複数の第一変換定義ファイルは、後述する第二電子申請支援プログラムに対する変換パラメータを含むものであり、データ記憶部60に記憶されている。
複数の第一変換定義ファイルは、複数の種類の申請データのそれぞれに対応するものである。つまり、複数の第一変換定義ファイルは、申請データ作成手段22を提供する複数の連携システムのそれぞれに対応するものである。また、複数の第一変換定義ファイルは、電子申請の手続の種類の各々に対応するものである。
例えば、申請データの項目名のうちの一部が、連携システムごとに異なる場合がある。つまり、一例として「社員名」「職員名」「従業員名」などは、実質的に同一の項目名であり、申請データの作成段階では問題とならないため、各連携システムが独自の項目名を採用する場合がある。しかしながら、申請書を作成する段階では、例えば「社員名」に統一するといった処理が必要になる。
また、例えば、項目情報の記述方法が、連携システムごとに異なる場合がある。つまり、一例として「申請日」などの項目に対応する項目情報が、「2016年6月24日」という日付を示すものとして、連携システムごとに「20160624」「2016624」「160624」「h280624」といった異なる記述方法を採用している場合がある。項目情報の記述方法の違いも、申請データの作成段階では問題とならないが、申請書を作成する段階では、例えば「20160624」に統一するといった処理が必要になる。
このように、連携システムの申請データ作成手段22では、独自のレイアウト等の申請データが作成される。このため、第一変換手段51Aは、取得した申請データから連携システムを識別し、識別した連携システムに対応する第一変換定義ファイルをデータ記憶部60から読み出して変換処理を行うように構成されている。このため、電子申請支援サーバ40は、電子申請支援システム100と連携可能な連携システムに対し、個別に対応することができる。
また、申請データは、電子申請の手続の種類ごとに作成されるものであり、手続の種類ごと異なる情報を含んでいる。このため、複数の第一変換定義ファイルは、上記の通り、電子申請の手続の種類の各々に対応するように構成されている。このため、電子申請支援サーバ40は、電子申請の各手続に対し、個別に対応することができる。
すなわち、第一変換手段51Aは、申請データの種類を識別する機能を有し、識別した種類に応じた第一変換定義ファイルを用いて統一申請データを作成するものである。そして、電子申請支援サーバ40において、第一変換定義ファイルは、ネットワーク300等を通じて書き換えることができるため、連携システムの増減変更に対し柔軟に対応することができる。また、申請書に要求される情報が追加され又は削られたような場合にも、第一変換定義ファイルを書き換えることにより対応することができる。
第二変換手段51Bは、第一変換手段51Aおいて作成された統一申請データを変換して、公的機関の電子申請システムに適合する申請書を作成するものである。より具体的に、第二変換手段51Bは、統一申請データの様式及びデータ形式を変換して申請書を作成するものである。
ここで、公的機関の電子申請システムには、電子申請が可能な複数の手続が存在し、申請書の様式等は、電子申請の手続の種類ごとに設けられている。よって、第二変換手段51Bは、統一申請データの手続の種類の各々に対応する複数の第二変換定義ファイルを用いて申請書を作成するように構成されている。複数の第二変換定義ファイルは、データ記憶部60に格納されている。複数の第二変換定義ファイルは、電子申請の手続の各々に対応するものであり、後述する第二電子申請支援プログラムに対する変換パラメータを含むものである。
すなわち、第二変換手段51Bは、統一申請データの手続の種類を識別する機能を有し、識別した手続の種類に応じた第二変換定義ファイルを用いて申請書を作成するものである。そして、電子申請支援サーバ40において、第二変換定義ファイルは、ネットワーク300等を通じて書き換えることができるため、申請書の様式等の変更に対し柔軟に対応することができる。
また、第二変換手段51Bは、作成した申請書を、データ記憶部60に一時記憶させるものである。そして、第二変換手段51Bは、申請書を一時記憶させたことを示す記憶信号を申請書送信手段52へ送信するものである。もっとも、第二変換手段51Bは、作成した申請書を申請書送信手段52へ送信するようにしてもよい。
申請書送信手段52は、第二変換手段51Bから記憶信号を受信したときに、データ記憶部60から申請書を読み出し、読み出した申請書を暗号化して署名処理手段32へ返送するものである。なお、申請書が第二変換手段51Bから申請書送信手段52へ直接送信される構成の場合、申請書送信手段52は、送信された申請書を暗号化して署名処理手段32へ返送することになる。さらに、第二変換手段51Bは、申請書を署名処理手段32へ返送した後、データ記憶部60に一時記憶されている申請データ及び申請書を削除するように構成されている。
ここで、第一変換定義ファイルに含まれる情報と第二変換定義ファイルに含まれる情報とは、互いに依存していない。このため、複数の第一変換定義ファイル及び複数の第二変換定義ファイルの一部を書き換えることにより、電子申請に関する申請書の様式等の変更の程度、及び連携システムの増減変更の程度に応じた柔軟な対応を実現することができる。
例えば、連携システムの申請データのレイアウト等が変わった場合、又は連携システムが増加した場合等においては、第一変換定義ファイルを書き換えることにより対応することができる。また、申請書の様式等が変更された場合、又は電子申請が可能な手続が増えることにより申請書様式が増加した場合等においては、第二変換定義ファイルを書き換えることにより対応することができる。申請書に要求される情報が増えたような場合は、第一変換定義ファイル及び第二変換定義ファイルの一部を書き換えることにより対応することができる。例えば、マイナンバー制度の施行に伴って、マイナンバーの記載が義務化されるようなケースである。
申請書送信手段52は、署名処理手段32から送信された署名申請書をデータ記憶部60に一時記憶させるものである。また、申請書送信手段52は、署名処理手段32から送信された署名申請書を復号し、復号した署名申請書を公的機関サーバ200へ送信するものである。申請書送信手段52は、署名処理手段32から複数の署名申請書が一括で送信された場合、複数の署名申請書を一括で公的機関サーバ200へ送信するように構成されている。そして、申請書送信手段52は、署名申請書を公的機関サーバ200へ送信した後、一時記憶されている署名申請書を削除するように構成されている。
さらに、申請書送信手段52は、署名申請書の送信に応じて公的機関サーバ200から返信される受付情報を取得すると共に、取得した受付情報を問合せ処理手段33へ転送するものである。受付情報は、任意の数字もしくはアルファベット等の符号又はこれらの組み合わせによって構成される。例えば、e−Gov電子申請システムからは、受付情報として、送信番号と到達番号とが送信される。
問合せ中継手段53は、問合せ処理手段33と公的機関サーバ200との通信を中継するものである。すなわち、問合せ中継手段53は、問合せ処理手段33から送信される問合せ通知を公的機関サーバ200へ転送し、公的機関サーバ200から送信される状況報告通知を問合せ処理手段33へ転送するものである。
文書取得処理手段54は、問合せ処理手段33から文書取得指令が通知されたとき、公的機関サーバ200から受付情報に対応する文書を取得するものである。その際、文書取得処理手段54は、取得した文書をデータ記憶部60に一時記憶させるものである。問合せ処理手段33から、一括申請に関する文書取得指令が通知された場合、文書取得処理手段54は、文書取得指令に含まれる受付情報それぞれに対応する文書を、公的機関サーバ200から一括で取得するように構成されている。
また、文書取得処理手段54は、取得した文書を暗号化して機密ファイル交換ストレージ手段71にアップロードするものである。機密ファイル交換ストレージ手段71にアップロードが完了すると、文書取得処理手段54は、一時記憶されている文書を削除するものである。さらに、文書取得処理手段54は、文書をアップロードしたことを示す文書格納通知を取得手段34Bに送信するものである。
所在情報作成手段55Aは、アドレス選定手段34Dから送信される所在情報送信指令に応じて、所在情報を作成するものである。本実施の形態において、所在情報作成手段55Aは、文書の所在に関するURL(Uniform Resource Locator)の情報であるアクセス情報と、アクセス情報に紐付けられたパスワードと、を含む所在情報を作成する。アクセス情報は、認証用画面にアクセスするためのURLの情報であり、アクセス情報に紐付けられたパスワードは、認証用画面において入力が要求されるパスワードである。
アクセス情報は、例えば、有効期限が30日に設定され、かつアクセス回数が1回に制限されたURLの情報であるワンタイムURLであってもよい。アクセス情報に紐付けられたパスワードは、一度限り有効なワンタイムパスワードであってもよい。もっとも、アクセス情報としてのワンタイムURLの有効期限は、30日より短く設定してもよく、30日より長く設定してもよい。さらに、アクセス情報は、アクセス回数が2回以上に制限されたURLの情報であってもよい。
メール送信手段55Bは、アドレス選定手段34Dにおいて選定されたメールアドレス宛てに、所在情報作成手段55Aにおいて作成された所在情報を含む電子メールを送信するものである。
認証処理手段72は、文書の所在に関するURLにWebブラウザでアクセスした配信先端末80の表示部に、認証用画面を表示させるものである。認証用画面は、Basic認証に基づくものであり、認証処理手段72は、Basic認証による認証処理を行うものである。すなわち、認証処理手段72は、配信先端末80において文書の所在に関するURLがクリック等されたときに、データ記憶部60から認証用画面の情報を読み出して、認証用画面を表示させるものである。
認証処理手段72は、認証用画面において、アクセス情報に紐付けられたパスワード及び予め設定された認証情報の入力を要求するものである。認証情報は、電子申請支援システム100において設定された固有のID等であり、申請対象者には、予め提示されているものである。認証処理手段72は、認証用画面において、アクセス情報に紐付けられたパスワード及び認証情報が入力された場合に、機密ファイル交換ストレージ手段71からの配信用文書のダウンロードを許可するものである。このように、電子申請支援システム100は、アクセスに必要な情報の複雑度を高めることで、セキュリティの強化を図っている。ダウンロードが許可された配信先端末80は、機密ファイル交換ストレージ手段71から特定の配信用文書をダウンロードすることができる。
認証処理手段72は、配信先端末80が配信用文書をダウンロードした後、例えば24時間に設定される保存時間が経過したときに、機密ファイル交換ストレージ手段71へ削除指令を送信し、機密ファイル交換ストレージ手段71内の配信用文書を削除させるものである。また、認証処理手段72は、配信用文書がダウンロードされないまま、例えば30日に設定される保存期間が経過したときに、機密ファイル交換ストレージ手段71へ削除指令を送信し、機密ファイル交換ストレージ手段71内の配信用文書を削除させるものである。
ここで、アドレステーブルは、複数の申請対象者の各々の識別情報と2つのメールアドレスとが関連づけられたテーブル情報であってもよい。そして、アドレス選定手段34Dは、識別情報に対応する申請対象者の2つのメールアドレスをアドレステーブルから選定するようにしてもよい。そして、メール送信手段55Bは、アドレス選定手段34Dにおいて選定された一方のメールアドレスに、文書の所在に関するURLの情報を含む電子メールを送信し、アドレス選定手段34Dにおいて選定された他方のメールアドレスに、パスワードを含む電子メールを送信するようにしてもよい。
このようにすれば、一人の申請対象者が二台の配信先端末80を管理している場合、一方の配信先端末80に文書の所在に関するURLの情報を含む電子メールを送信し、他方の配信先端末80にパスワードを含む電子メールを送信する、といった情報の振り分けが可能となる。すなわち、メール送信手段55Bは、一方の配信先端末80の認証用画面上において、他方の配信先端末80に送信したパスワードの入力を要求することができる。したがって、このような構成を採った電子申請支援システム100によれば、セキュリティ性をより高めることができる。
データ記憶部60には、上述したように、複数の第一変換定義ファイル、複数の第二変換定義ファイル、アドレステーブル、及び認証用画面の情報などが記憶されている。また、データ記憶部43には、第二電子申請支援プログラムが記憶されている。第二電子申請支援プログラムは、コンピュータとしてのCPU40Aを、データ変換処理手段51、申請書送信手段52、問合せ中継手段53、文書取得処理手段54、文書提供手段55、及び認証処理手段72として機能させるためのプログラムである。なお、電子申請支援システム100は、電子申請処理部50の各機能のうちの少なくとも1つを、回路デバイスなどのハードウェアによって実現するようにしてもよい。
(申請処理方法)
図7は、図1の電子申請支援システム100の動作のうち、電子申請に関する申請処理の動作を示すフローチャートである。図8は、図1の電子申請支援システム100による申請処理の形態を例示する模式図である。図7及び図8に基づき、電子申請支援システム100による電子申請支援方法のうちの申請処理方法について説明する。
ここでは、図8に基づき、電子申請支援サーバ40が三台の利用者端末10のそれぞれと連携して電子申請を行う場合の申請処理方法を説明する。三台の利用者端末10は、それぞれ、異なる連携システムのデータ作成処理部20A〜20Cのうちの何れかを有しているものとする。そして、データ作成処理部20A〜20Cは、それぞれ、異なる種類の申請データを作成するものとする。データ作成処理部20A〜20Cの機能構成は、図4のデータ作成処理部20と同様である。
入力部12は、申請データの作成開始を指示する入力操作を受け付けると、受け付けた操作内容を示す操作信号を、画面提供手段21及び申請データ作成手段22へ出力する。画面提供手段21は、入力部12からの操作信号に応じて、申請データ作成用の入力設定画面を表示部11に表示させる(ステップS101)。
そして、申請データ作成手段22は、入力設定画面に応じた利用者の入力操作に基づき、画面提供手段21と連携して申請データを作成する。すなわち、図8に示すように、データ作成処理部20Aは、XML形式の申請データを作成し、データ作成処理部20B及び20Cは、CSV形式の申請データを作成する。ここで、データ作成処理部20Bが作成する申請データと、データ作成処理部20Cが作成する申請データとは、同じデータ形式であるが、項目の順番などが異なっており、全体としては異なっている(ステップS102)。
次いで、識別情報付加手段23は、申請データ作成手段22において作成された申請データに、申請対象者の識別情報を付加する(ステップS103)。そして、識別情報付加手段23は、識別情報を付加した申請データを暗号化して電子申請支援サーバ40の第一変換手段51Aへ送信する(ステップS104)。
次に、第一変換手段51Aは、申請データ作成手段22から送信された申請データを復号する。その際、第一変換手段51Aは、申請データをデータ記憶部60に一時記憶させる。そして、第一変換手段51Aは、復号した申請データを、統一のレイアウト、統一のデータ形式、及び統一の記述方法からなる統一申請データに変換する。
図8の例では、説明のため、第一変換手段51Aがデータ記憶部60から読み出す複数の第一変換定義ファイルとして、第一変換定義ファイル61A_1〜61A_n、61B_1〜61B_n、61C_1〜61C_nを示している。データ作成処理部20A〜20Bは、それぞれ異なる連携システムから提供されているものとする。第一変換定義ファイル61A_1〜61A_nは、データ作成処理部20Aに対応し、第一変換定義ファイル61B_1〜61B_nは、データ作成処理部20Bに対応し、第一変換定義ファイル61C_1〜61C_nは、データ作成処理部20Cに対応するものとする。また、第一変換定義ファイル61A_1〜61A_n、第一変換定義ファイル61B_1〜61B_n、及び第一変換定義ファイル61C_1〜61C_nは、それぞれ、異なる電子申請の手続に対応するものとする。
すなわち、第一変換手段51Aは、データ作成処理部20Aから送信される申請データを、当該申請データの手続の種類に応じて、第一変換定義ファイル61A_1〜61A_nのうちの何れかを用いて統一申請データに変換する。第一変換手段51Aは、データ作成処理部20Bから送信される申請データを、当該申請データの手続の種類に応じて、第一変換定義ファイル61B_1〜61B_nのうちの何れかを用いて統一申請データに変換する。第一変換手段51Aは、データ作成処理部20Cから送信される申請データを、当該申請データの手続の種類に応じて、第一変換定義ファイル61C_1〜61C_nのうちの何れかを用いて統一申請データに変換する(ステップS105)。
続いて、第二変換手段51Bは、複数の第二変換定義ファイルを用いて統一申請データを変換し、申請書を作成する。
ここで、図8の例では、説明のため、第二変換手段51Bがデータ記憶部60から読み出す複数の第二変換定義ファイルとして、第二変換定義ファイル62_1〜62_nを示している。第二変換定義ファイル62_1〜62_nは、公的機関の電子申請システムに申請できる手続の種類ごとに設けられたものである。第二変換手段51Bは、第一変換手段51Aから送信される統一申請データの手続の種類に応じて、第二変換定義ファイル62_1〜62_nのうちの何れかを一つ選択し、選択した第二変換定義ファイル62_k(k=1、2、・・・、n)を用いて変換処理を実行する。これにより、第二変換手段51Bは、電子申請の手続の種類に応じた申請書を作成する(ステップS106)。
次いで、第二変換手段51Bは、作成した申請書をデータ記憶部60に一時記憶させると共に、申請書送信手段52へ記憶信号を送信する。申請書送信手段52は、第二変換手段51Bから送信された記憶信号に対応する申請書をデータ記憶部60から取得し、取得した申請書を暗号化して、通信ライブラリ部30の署名処理手段32へ返送する。そして、第二変換手段51Bは、一時記憶されている申請データ及び申請書を削除する(ステップS107)。
次に、署名処理手段32は、第二変換手段51Bから返送された申請書を復号し、復号した申請書に電子署名情報を付加して署名申請書を作成する(ステップS108)。そして、署名処理手段32は、作成した署名申請書を暗号化して申請書送信手段52に送信する(ステップS109)。
次いで、申請書送信手段52は、署名処理手段32から送信された署名申請書をデータ記憶部60に一時記憶させる。また、申請書送信手段52は、署名申請書を復号して、公的機関の電子申請システムに送信する。そして、申請書送信手段52は、一時記憶されている署名申請書を削除する(ステップS110)。
さらに、申請書送信手段52は、署名申請書の送信に応じて公的機関サーバ200から送信される受付情報を取得すると共に、取得した受付情報を問合せ処理手段33へ転送する(ステップS111)。問合せ処理手段33は、申請書送信手段52から送信された受付情報を記憶部13に記憶させる(ステップS112)。続いて、関連づけ手段34Aは、記憶部13に記憶された受付情報をアドレステーブル内の識別情報に関連づける(ステップS113)。
(文書取得方法)
図9は、図1の電子申請支援システム100の動作のうち、文書取得処理の動作を示すフローチャートである。図9をもとに、電子申請支援システム100による電子申請支援方法のうちの文書取得方法について説明する。
問合せ処理手段33は、入力部12を介しての利用者の操作に応じて、又は公的機関サーバ200への申請から一定時間が経過したときに、問合せ中継手段53を介して、公的機関サーバ200に申請状況の問合せを行う(ステップS201)。問合せ処理手段33は、公的機関サーバ200から、文書の作成完了を示す状況報告通知が返信されるまで待機する(ステップS202/No)。そして、問合せ処理手段33は、文書の作成完了を示す状況報告通知が公的機関サーバ200から返信されたとき(ステップS202/Yes)、文書取得処理手段54に文書取得指令を通知する(ステップS203)。
文書取得処理手段54は、問合せ処理手段33から文書取得指令が通知されたとき、公的機関サーバ200から、文書取得指令に含まれる受付情報に対応する文書を取得する。その際、文書取得処理手段54は、取得した文書をデータ記憶部60に一時記憶させる(ステップS204)。次いで、文書取得処理手段54は、取得した文書を暗号化して、機密ファイル交換ストレージ手段71にアップロードする。そして、文書取得処理手段54は、一次記憶されている文書を削除する(ステップS205)。また、文書取得処理手段54は、文書をアップロードしたことを示す文書格納通知を取得手段34Bに送信する(ステップS206)。
取得手段34Bは、文書取得処理手段54から文書格納通知を受信したとき、機密ファイル交換ストレージ手段71から文書をダウンロードして復号する(ステップS207)。そして、取得手段34Bは、機密ファイル交換ストレージ手段71に文書を削除させる。すなわち、取得手段34Bは、機密ファイル交換ストレージ手段71に削除指令を送信し、機密ファイル交換ストレージ手段71が削除指令に応じて、ダウンロード済みの文書を削除する(ステップS208)。
(文書配信方法)
図10は、図1の電子申請支援システム100の動作のうち、公文書配信処理の動作を示すフローチャートである。図11は、図1の電子申請支援システム100による文書配信処理の形態を例示する模式図である。図10及び図11に基づき、電子申請支援システム100による電子申請支援方法のうちの文書配信方法について説明する。ここでは、図11に基づき、一人の申請対象者が二台の配信先端末80A及び80Bを管理している状況において、配信先端末80AにワンタイムURLを含む電子メールを送信し、配信先端末80Bにワンタイムパスワードを含む電子メールを送信することを想定して説明する。
選択処理手段34Cは、取得手段34Bが取得した文書を、文書ファイル単位で表示部11の選択処理画面上に一覧表示させる(ステップS301)。次いで、選択処理手段34Cは、入力部12を介しての文書ファイルの選択操作を受け付ける。すなわち、図11に示すように、利用者端末10を管理する利用者は、選択処理画面上において、複数の文書ファイルを含む文書の中から申請対象者に提供する文書ファイルを選択することができる(ステップS302)。
次いで、利用者が、入力部12を介して配信を指示すると、選択処理手段34Cは、選択された文書ファイルを配信用文書として暗号化し、機密ファイル交換ストレージ手段71へアップロードする(ステップS303)。アドレス選定手段34Dは、申請書送信手段52から転送された受付情報を、アドレステーブルに照らすことにより、受付情報に対応する申請対象者の2つのメールアドレスをアドレステーブルから選定する(ステップS304)。そして、アドレス選定手段34Dは、選定したメールアドレス及び受付情報を含む所在情報送信指令を所在情報作成手段55Aへ送信する(ステップS305)。
次に、所在情報作成手段55Aは、所在情報として、認証用画面にアクセスするためのワンタイムURLと、ワンタイムURLに紐付けられたワンタイムパスワードとを作成する(ステップS306)。そして、メール送信手段55Bは、所在情報を含む電子メールを、アドレス選定手段34Dにおいて選定された2つのメールアドレス宛てに送信する。すなわち、メール送信手段55Bは、アドレス選定手段34Dにおいて選定された一方のメールアドレスに対応する配信先端末80Aに、ワンタイムURLを含む電子メールを送信する。また、メール送信手段55Bは、アドレス選定手段34Dにおいて選定された他方のメールアドレスに対応する配信先端末80Bに、ワンタイムパスワードを含む電子メールを送信する(ステップS307)。
そして、認証処理手段72は、ワンタイムURLへのアクセスがあるまで待機する(ステップS308/No)。申請対象者が、配信先端末80AからワンタイムURLにアクセスすると(ステップS308/Yes)、認証処理手段72は、配信先端末80Aの表示部に認証用画面を表示させる(ステップS309)。
次いで、認証処理手段72は、認証用画面において、配信先端末80Bに送信されたワンタイムパスワードの入力と、電子申請支援システム100の固有のID等の認証情報の入力とを要求する。認証処理手段72は、認証用画面において、ワンタイムパスワード及び認証情報が入力されると、ワンタイムパスワード及び認証情報を照合することにより、入力された情報が正しいか否かを判定する(ステップS310)。
認証処理手段72は、入力されたワンタイムパスワード及び認証情報が正しければ(ステップS310/Yes)、配信先端末80Aに、配信用文書のダウンロードを許可する。すなわち、認証処理手段72は、配信先端末80Aの表示部に、配信用文書のダウンロードを許可する旨の許可情報を表示させる(ステップS311)。例えば、認証処理手段72は、配信先端末80の表示部に、許可情報としてダウンロードボタンを表示させる。そして、申請対象者が、ダウンロードボタンをマウスの操作又はタッチ操作等によって押下すると、配信先端末80Aに、復号された配信用文書がインターネット経由でダウンロードされる。認証処理手段72は、配信先端末80Aが配信用文書をダウンロードした後、保存時間が経過したときに、機密ファイル交換ストレージ手段71へ削除指令を送信する。そして、機密ファイル交換ストレージ手段71は、削除指令に応じて配信用文書を削除する(ステップS312)。
一方、認証処理手段72は、入力されたワンタイムパスワード及び認証情報が間違っていれば(ステップS310/No)、配信先端末80Aへの配信用文書のダウンロードを拒否する。すなわち、認証処理手段72は、配信先端末80Aの表示部に、配信用文書のダウンロードを許可しない旨の拒否情報を表示させる。本実施の形態において、認証処理手段72は、拒否情報として、認証用画面を再度表示させる(ステップS312)。
なお、認証処理手段72は、ワンタイムURLへのアクセスがない場合等において、配信用文書がダウンロードされないまま保存期間が経過したとき、機密ファイル交換ストレージ手段71へ削除指令を送信する。機密ファイル交換ストレージ手段71は、認証処理手段72からの削除指令に応じて、配信用文書を削除する。
上記ステップS312では、認証処理手段72が、拒否情報として認証用画面を再度表示させる場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、認証処理手段72は、配信先端末80Aの表示部に、拒否情報として、所在情報の再送を要求する再送要求ボタンを表示させるようにしてもよい。そして、申請対象者が、再送要求ボタンを押下すると、ステップS306に戻るようにしてもよい。すなわち、認証処理手段72が、文書提供手段55に対し、所在情報の再送を要求する所在情報再送要求を通知するようにしてもよい。
以上のように、電子申請支援サーバ40は、申請データを統一申請データに変換した上で、統一申請データを申請書に変換することから、連携システムの増減があれば第一変換手段51Aによる処理内容を調整し、電子申請システムに微細な変更があれば第二変換手段51Bによる処理内容を調整するといったように、二段階の変換処理の内容を個別に調整することができる。より具体的に、電子申請支援サーバ40は、互いに依存しない第一変換定義ファイル61と第二変換定義ファイル62とを用いて、二段階の変換処理を実行するため、電子申請システムの法改正の程度、及び連携システムの増減変更の程度に応じた柔軟な対応を実現することができる。したがって、電子申請支援サーバ40によれば、電子申請に関する申請書の様式等の変更、及び連携システムの増減変更があった場合の開発効率を向上させると共に、開発コストを削減することができる。
すなわち、従来は、申請先の法改正が行われる度に、ソフトウェア等を開発して利用者に配布していたが、電子申請支援サーバ40は、申請先の法改正の程度に応じて、第一変換定義ファイル61及び第二変換定義ファイル62の一部を書き換えることができるため、手間をかけずにコストを削減することができる。
また、従来は、連携システムが増加した場合、連携システムの申請データのレイアウトが変わった場合等であっても、ソフトウェア等の全体が開発されていたが、電子申請支援サーバ40は、第一変換定義ファイル61のみを書き換えることにより、こうしたケースにおける開発効率の向上及びコストの削減を図ることができる。すなわち、電子申請支援サーバ40によれば、関連各社における連携システム間のギャップを吸収し、連携システムの増加変更に対して柔軟に対応することができる。
さらに、従来は、電子申請システムの申請様式が変更された場合、又は電子申請が可能な手続が増えた場合等であっても、ソフトウェア等の全体が開発されていたが、電子申請支援サーバ40は、第二変換定義ファイル62のみを書き換えることにより、こうしたケースにおける開発効率の向上及びコストの削減を図ることができる。
もっとも、申請書に要求される情報が増えたような場合でも、電子申請支援サーバ40は、第一変換定義ファイル61と第二変換定義ファイル62とが互いに依存していないことから、各々に対して個別に書き換えを行うことができるため、開発効率を高めると共に、コストを削減することができる。
また、電子申請支援システム100は、利用者端末10において申請データを作成し、電子申請支援サーバ40において申請書を作成して公的機関サーバ200へ送信する。つまり、電子申請支援システム100は、申請データを作成する側と、申請書を作成して申請する側とを切り離しているため、ソフトウェア等のモジュールの開発を別個に行うことができる。よって、電子申請支援システム100によれば、モジュールの開発時における試験の工数を削減することができるため、対応スピードを早めることができる。
さらに、電子申請支援システム100は、申請データを申請書に変換するための各変換定義ファイルを、クラウドサーバ等からなる電子申請支援サーバ40に格納しているため、申請書の様式等の変更及び連携システムの増減変更があった場合にも、利用者側へモジュールを配布する必要がない。このため、電子申請支援システム100によれば、申請書の様式等の変更及び連携システムの増減変更への対応コストを削減することができる。
また、特許文献1の技術では、人為的に電子署名情報を付加する必要があるが、電子申請支援システム100は、電子署名情報を自動的に付加することができるため、利用者の利便性の向上を図ることができる。
ここで、ICカードによる電子署名が要求される場合は、カードリーダを接続する利用者端末10側で署名処理を行う必要がある。この点、電子申請支援システム100は、電子申請支援サーバ40において、電子申請システムに適合する申請書を作成した段階で、作成した申請書を一旦利用者端末10に戻して電子署名情報を付加するようになっている。このため、電子申請支援システム100によれば、要求される種々の署名形式に対応することができる。
もっとも、公的機関の電子申請システムは、手続ごとに要求する署名形式が異なっており、ファイル形式の電子証明書を用いて申請書に電子署名情報を付加することができる場合もある。よって、ファイル形式の電子証明書に基づく電子署名によって対応することができる場合、署名処理手段32は、電子申請処理部50の内部構成として設けるようにしてもよい。すなわち、第二電子申請支援プログラムは、コンピュータとしてのCPU40Aを、署名処理手段32として機能させるものであってもよい。このような構成を採った電子申請支援システム100は、電子申請支援サーバ40で作成した申請書を、利用者端末10へ戻さずに、電子申請支援サーバ40で電子署名情報を付加して公的機関サーバ200へ送信することができる。
加えて、電子申請支援システム100は、データ作成処理部20から申請データを出力した後の各処理を全て自動で行うことができる。このため、電子申請支援システム100によれば、マイナンバー等の機密性の高い機微な情報を安全に処理することができる。
また、電子申請支援システム100は、申請データに申請対象者の識別情報を付加した上で申請書を作成して電子申請を行い、識別情報に対応する申請対象者のメールアドレスをアドレステーブルから選定して文書の所在に関連する情報を送信する。よって、電子申請支援システム100によれば、人為的な処理を削減することができるため、電子申請に応じて公的機関から送信される文書を、セキュリティ性の高い環境下で各申請対象者に効率よく提供することができる。
すなわち、公的機関サーバ200から文書を取得した場合、従来の電子申請支援システムであれば、申請対象者のメールアドレスと文書との対応づけを人為的に行う必要がある。この点、電子申請支援システム100は、申請データを作成する段階で付加した識別情報をもとに、複数の申請者のメールアドレスを選定し、選定したメールアドレスへ自動的に所在情報を送信することができる。したがって、電子申請支援システム100は、申請対象者のメールアドレスを選定する際に、個人名又は住所の個人情報を用いる必要がなく、かつ人為的な処理を介在させる必要がないため、個人情報の漏洩を防ぐと共に、個人への文書配信作業の効率化を図ることができる。
また、電子申請支援システム100は、複数の申請対象者の同一手続に関する文書を一括で取得した場合、一人の申請対象者の文書に対する選択操作を受け付けたときに、受け付けた選択操作の内容を、残りの申請対象者の文書に対して反映させる機能を有している。このため、電子申請支援システム100によれば、利用者の手間を省くことができる。
また、電子申請支援システム100は、電子メールによってアクセス情報を送信すると共に、認証用画面において認証情報及びパスワードの入力を要求し、アクセスに必要な情報の複雑度を高めているため、セキュリティを強化することができる。加えて、電子申請支援システム100は、アクセス情報としてワンタイムURLを採用し、アクセス情報に紐付けられたパスワードとしてワンタイムパスワードを採用することにより、セキュリティ性を高めることができる。さらに、電子申請支援システム100が、アクセス情報とパスワードとを異なるメールアドレスに送信するようにすれば、セキュリティ性をさらに向上させることができる。
加えて、通信ライブラリ部30の各手段、電子申請処理部50の各手段、及び認証処理手段72は、所定の処理後において、一時記憶されている各データを削除し、機密情報を含む各データを必要以上に保存しないように構成されている。よって、電子申請支援システム100によれば、情報漏洩のリスクを低減させると共に、メモリ資源の有効活用を図ることができる。
ここで、上述した実施の形態は、電子申請支援サーバ、電子申請支援方法、及び電子申請支援プログラムにおける好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、電子申請支援サーバ40が、電子申請処理部50、データ記憶部60、及び機密情報処理部70を有する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、利用者端末10が、電子申請処理部50、データ記憶部60、及び機密情報処理部70のうちの少なくとも一つを有するようにしてもよい。また、利用者端末10が、電子申請処理部50の各手段及び認証処理手段72のうちの少なくとも一つを有するようにしてもよい。すなわち、第一電子申請支援プログラムと第二電子申請支援プログラムとは、部分的に組み替えて構成するようにしてもよい。なお、利用者端末10が、電子申請処理部50、データ記憶部60、及び機密情報処理部70の全てを有するように構成した場合は、記憶部13に、第一電子申請支援プログラムと第二電子申請支援プログラムとを組み合わせて構成された電子申請支援プログラムが格納される。
また、図1及び図8では、三台の利用者端末10が電子申請支援サーバ40と連携する場合を例示しているが、これに限らず、電子申請支援サーバ40は、一台、二台、又は四台以上の利用者端末10と連携して電子申請支援処理を行うようにしてもよい。加えて、図8では、一台の利用者端末10に一つの連携システムが格納されている場合を例示したが、これに限らず、一台の利用者端末10に複数の連携システムが格納されていてもよい。
さらに、上記実施の形態では、認証処理手段72が、Basic認証による認証処理を行う場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、認証用画面は、Digest認証又はFORM認証に基づくものであってもよく、認証処理手段72は、Digest認証又はFORM認証による認証処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、公的機関の電子申請システムとして、e−Gov電子申請システムを例示したが、これに限らず、電子申請支援システム100は、法務省の不動産登記に関する電子申請システム、又は国税電子申告・納税システムであるe−Tax等の多様な公的機関が運用する電子申請システムに適用することができる。