JP6086214B2 - 構造物の液状化被害低減構造 - Google Patents

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本発明は液状化地盤に構築される構造物を対象とする液状化被害低減構造に関する。
周知のように、緩い砂層が堆積しているような軟弱な地盤では地震時に液状化を生じ易く、そのような液状化地盤に構築される建物等の構造物に大きな沈下や傾斜を生じさせる懸念がある。
そのため、従来よりたとえば図9(a)に示すように液状化地盤1に建物等の構造物2を構築する際には、構造物2の基礎2aを杭3により支持して液状化が生じても沈下や傾斜を防止するという対策が取られたり、あるいは(b)に示すように基礎2aの下方の原地盤を締め固めたりセメント系改良材による地盤改良を行って安定な地盤改良部4を形成することによって液状化の発生自体を防止することが行われている。
しかし、(a)に示すように杭3による杭基礎とすることは直接基礎に比べてコスト高であるし、液状化による構造物2の沈下を防止できても周囲地盤が大きく沈下してしまえば相対的に浮き上がってしまって大きな不陸が生じることから地震後の供用に支障を来す場合があり、その点では万全ではない。
また、(b)に示すように構造物2の下方地盤全体を改良することは大掛かりな施工を必要とするので必然的にかなりの工期と工費を要するものとなり、したがって大規模な建物や重要構造物を対象とする場合はともかくとしても住宅や付帯設備棟等の比較的小規模な建物や簡易な構造物に適用することは現実的ではない場合が多い。また、その施工に際しては大型重機を使用せざるを得ないが、小規模な建物や構造物の場合は敷地が狭隘で十分な作業スペースを確保し得ないことも多いことから、大掛かりな液状化防止対策の実施は困難な場合も多い。
そこで、たとえば特許文献1や特許文献2に示されるように、構造物を支持する地盤表層部に地盤改良を行ったり砕石層を形成することにより、液状化を許容しつつ沈下量を低減するという手法も提案されている。
特開2005−23671号公報 特開平11−181794号公報
しかし、特許文献1,2に示される手法による場合も、原地盤である液状化地盤の状況によっては構造物の沈下や傾斜を有効に防止するためには液状化層の大半を改良する必要があるし、特に地下水位が高い場合や液状化層が厚いような場合においてはその施工に際して山留め工や排水工等の補助工法も必要となるので、結局は大掛かりな施工が必要となって簡易に実施し得ない場合も多く、広く普及するに至っていない。
上記事情に鑑み、本発明は液状化地盤に構築される構造物の液状化被害を低減させることが可能であり、特に小規模な構造物に対しても簡易に適用可能な有効適切な液状化被害低減構造を提供することを目的とする。
本発明の液状化被害低減構造は、液状化地盤に構築される構造物を対象として前記液状化地盤が液状化した際における前記構造物の被害を低減させるための構造であって、前記構造物を支持する前記液状化地盤の表層部に透水性材料を充填することにより、前記液状化地盤よりも透水係数の大きい排水層を前記構造物と前記液状化地盤との間に形成してなり、前記構造物の下方における前記排水層の層厚寸法を該構造物の短辺方向の幅寸法の1/8以上に設定するとともに、該排水層を前記構造物の周囲に延出させてその延出幅寸法を30cm以上に設定してなることを特徴とする。
本発明の液状化被害低減構造は、液状化地盤に構築される構造物を対象として前記液状化地盤が液状化した際における前記構造物の被害を低減させるための構造であって、前記構造物を支持する前記液状化地盤の表層部に透水性材料を充填することにより、前記液状化地盤よりも透水係数の大きい排水層を前記構造物と前記液状化地盤との間に形成してなり、前記構造物の外周部における前記排水層の層厚を60cm以上に設定するとともに、他の部分の層厚を外周部における層厚よりも小さく設定し、該排水層を前記構造物の周囲に延出させてその延出幅寸法を30cm以上に設定してなることを特徴とする
さらに、本発明においては、前記排水層を形成するための透水性材料として礫材を用いることが好ましい。
本発明によれば、原地盤と構造物の基礎との間に排水層を設けることにより、その排水層が平常時においては構造物を安定に支持する支持地盤として機能することはもとより、地震時に原地盤である液状化地盤が液状化を生じた際には排水層が過剰間隙水を速やかに地表面に排水して消散せしめる機能を発揮し、以て、構造物の基礎の近傍地盤を早期に安定させて構造物の沈下や傾斜といった液状化被害を有効に防止することが可能である。
本発明の一実施形態を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の原理を説明するための図である。 本発明の有効性を実証するための実験とその結果(間隙水圧の上昇の状況)を示す図である。 同、解析結果(構造物の傾斜の状況)を示す図であって、(a)は排水層の層厚による影響を示す図、(b)は排水層の周囲への延出幅による影響を示す図である。 同、設計のためのシステム設計ブロック図である。 本発明の他の実施形態を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の他の実施形態を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図る。 本発明の他の実施形態を示す図であって、(a),(b),(c)はそれぞれジオテキスタイルの設置パターンを示す断面図である。 従来一般の液状化防止対策工法を示す図であって、(a)は杭基礎による場合、(b)は地盤改良による場合の例を示す断面図である。
本発明の液状化被害低減構造の一実施形態を図1に示す。
これは、原地盤が液状化地盤1である敷地に小規模な構造物2(たとえば戸建て住宅等)を構築する際に、その構造物2の基礎2aの周囲に排水層6を形成したことを主眼とする。
本実施形態においては、液状化地盤1の表層部に対して基礎2a全体をその周囲および下方から取り囲むように排水層6を形成しており、図示しているように基礎2aの下方における層厚寸法を少なくとも基礎2aの短辺方向の幅寸法Bの1/8以上とし、基礎2aの周囲への延出幅寸法を少なくとも30cm以上とすることが好ましい。
この排水層6の透水係数は後述する設計手法によって適切に設定すれば良いが、原地盤である液状化地盤1の透水係数よりも1桁(10倍)程度以上大きいことが好ましい。
そのような排水層6は原地盤である液状化地盤1の表層部に対して各種の透水性材料を所定密度で充填することで容易に形成することができる。その施工に際しては、原地盤の表層部を掘削してそこに透水性材料を撒布して転圧することでも良いし、透水性材料を収容した土嚢袋を敷き並べ積み重ねていくことでも良い。
また、排水層6を形成するための透水性材料としては天然の礫材(砂利)を用いることが現実的であり好適であるが、同等の排水性能が得られるものであれば砕石や各種の人工透水性材料も採用可能である。
さらに、必要であれば排水層6の底部および外周部と原地盤との間に、排水層6の目詰まりを防止するためのフィルタとして機能するジオテキスタイル等の透水性シート材を介装することも好ましい。
本発明における上記の排水層6は、平常時においては構造物2を安定に支持する支持地盤として機能することはもとより、地震時に原地盤である液状化地盤1が液状化を生じた際にはそこで発生する過剰間隙水を速やかに地表面に排水して消散せしめる機能を発揮し、以て、基礎2aの近傍地盤を早期に安定させて構造物2の沈下や傾斜といった液状化被害を有効に防止し得るものである。
すなわち、液状化による構造物2の沈下や傾斜は地震中に急激に生じるのではなく地震後に時間をかけて緩慢に進行することが通常であり、したがって原地盤に液状化が生じても基礎2a周りの液状化を早期に終息させて早期に安定させてしまえば(換言すれば、後述する「ポスト液状化状態」が安定に継続する状態を維持することにより)、液状化後における構造物2の沈下や傾斜の進行を自ずと抑制することが可能である。
そして、そのためには液状化が生じた際に基礎2a周りから過剰間隙水の排水を促進して基礎2a周りから速やかに適切な排水を行えば良いから、本発明はそのための排水層6を基礎2a周りに形成しておくことのみで、構造物2に生じる沈下や傾斜を大幅に低減させることが可能である。
また、地震終息後には構造物2の直下も含めて原地盤全体に液状化層は残り、したがってそれ以降において原地盤全体が緩慢に沈下していくことにはなるが、その際には構造物2も周辺地盤とともに沈下していくから構造物2とその周辺地盤との間に大きな不陸が生じてしまうこともなく、地震後の供用に支障を来すこともない。
なお、従来一般の液状化対策工法として原地盤である液状化地盤の全体から地下水を排水して液状化の発生自体を防止するという工法が知られているが、その場合には原地盤全体から多量の地下水を永続的に排水する必要があり、そのためには原地盤全体に対する大規模な排水設備の構築が必要であるし、大型重機を使用しての大掛かりな施工が不可欠である。
それに対し、本発明は以下に詳述するように従来の液状化対策工法とは原理的に異なるものであって原地盤全体からの積極的な排水は不要であり、液状化時に基礎2a周りの限定された領域から排水を促進することで十分であるから、上記実施形態のように基礎2a周りに小規模の排水層6を設けるだけで十分な効果が得られるものである。
そして、そのために設ける小規模な排水層6も、単に礫材等の透水性材料を原地盤の表層部の基礎2a周りに充填するだけで簡易にかつ安価に施工可能であるし、その施工に際して大型重機も必要としないから、本発明は住宅等の小規模な構造物に対しても支障なく適用可能であって特にそのような小規模構造物を対象とする液状化防止対策として極めて有効である。
本発明の基本原理とその優位性および具体的な設計手法について図2〜5を参照して詳細に説明する。
通常の液状化に対する設計手法では、地盤の過剰間隙水圧比が1に達した状態を完全に液状化した状態(液体になった状態)として、これ以降の状態を考えることはないが、本発明では過剰間隙水圧比が1に達した後にせん断変形により剛性が回復する状態(以下、これを「ポスト液状化状態」という)を呈することに着目し、そのポスト液状化状態を安定に継続させることで構造物に対する支持力を維持し確保するという設計思想に基づくものである。
すなわち、図2に示すように、ポスト液状化状態に達した地盤に対して排水することなくさらにせん断力を作用し続けると、非可逆の塑性体積ひずみ(圧縮側)にダイレクタンシーによる可逆的な塑性体積ひずみ(膨張側)が追いつけず、地盤が完全な液体状態なる。この状態が噴砂や構造物の不同沈下が生じる地盤の破壊に達した状態である。
一方、適切に排水しながら上記のせん断力を作用させると、非可逆の塑性体積ひずみ圧縮側)と可逆的な塑性体積ひずみ(膨張側)が常に釣り合い、ポスト液状化状態が安定に継続するから、本発明はそのような安定なポスト液状化状態を保持することで構造物の支持力を確保するという技術思想に基づき、構造物の沈下や傾斜といった液状化被害を低減するものである。
本発明の有効性を実証するための解析実験とその結果を図3〜図4に示す。
図3に示すように、相対密度35%の液状化層を対象としてその表層部に排水層a(上記実施形態における排水層6に相当)を形成し、その上に模擬構造物b(同、構造物2に相当)を設置し、80秒間の加振を行って排水層aの直下の4点(PP1〜PP4)および側方の2点(PP5〜PP6)において間隙水圧を測定した。排水層aは礫材による礫層とし、層厚は0.3mおよび0.6mの2パターンとした。
その結果、深部の測定点PP1(深度-4.95m)およびPP2(深度-2.85m)においては周辺地盤と同等程度の間隙水圧の上昇が認められたが、浅部の測定点pp3(深度-1.35m)やPP4〜PP6(深度-0.6m)においては周辺地盤に比べて間隙水圧の上昇が十分に抑制され、そこでは実質的に液状化に至っていないことが確認された。
図4は上記の解析実験の場合における模擬構造物bの傾斜の測定結果を示す。対策なし(排水層aなし)の場合には模擬構造物bに最大で0.2radにも達する大きな傾斜が生じるのに対し、排水層aを設けることで最大傾斜は0.02rad程度にまで大幅に抑制され、また,地震後の傾斜の増加は殆ど無く、これにより排水層aを設けることの有効性が実証された。
しかも、そのような効果は排水層aの層厚にはあまり依存せず、(a)に示すように模擬構造物bの下方における排水層aの層厚を模擬構造物bの短辺方向の幅寸法Bの1/8〜1/2の範囲で変化させても、また(b)に示すように模擬構造物bの周囲への延出幅寸法を30cm〜1.2mの範囲で変化させた場合においてもほぼ同様の効果が得られる。このことから、排水層aの層厚は少なくとも模擬構造物bの幅寸法の1/8以上であれば十分であり、模擬構造物bの周囲への延出幅寸法は少なくとも30cm以上あれば十分であることが確認された。
なお、上記実施形態では基礎2aが構造物2の周囲に張り出して設けられているので、排水層6の層厚を基礎2aの短辺方向の幅寸法Bの1/8以上とし、その排水層6を基礎2aの周囲に30cm以上の幅で延出させれば良いが、基礎2aが構造物2の外周に張り出すことなく構造物2の幅寸法と同等である場合には、排水層6の層厚は構造物2の短辺方向の幅寸法の1/8以上とすれば良い。
ところで、上記の原理に基づく本発明においては、液状化後に生じると推定される構造物の沈下量を予め精度良く予測したうえでそのような沈下が生じることを確実に抑制するように排水層の設計を行う必要があるので、具体的には次のような設計手法によることが好ましい。なお、排水量の設計は、本出願人が先に特願2011-166531により提案した手法と同様の方法などで行うことができる。
沈下量の予測にはたとえば特許第4640671号公報に示される手法や特開2007-9558号公報に示される手法が採用可能であるが、ここでは前者によるものとしてそのシステム構成ブロック図を図5に示す。
すなわち、最初にデータ入力部より地震、構造物、地震動データを入力し、解析用モデルを構築する。次に、地盤及び構造物の自重を静的に作用させた解析により、地盤の初期応力状態を求める。この初期応力解析はたとえば有限要素法などの解析手法によって求めることができる。
次に、初期応力解析と同じモデルを用い、想定する地震動に対して、有効応力解析等、地盤の液状化を考慮した手法により地震応答解析を行う。
地震応答解析の結果得られた各地盤要素の最大せん断ひずみγmaxの値より、液状化後の残留体積ひずみεvpと残留せん断ひずみγpの値が次式により得られる。
Figure 0006086214
ここで、e0は初期間隙比、e*minは真の最小間隙比で次式で表される。
Figure 0006086214
上式において、emax、emin はそれぞれ通常の最大・最小密度試験から得られる最大・最小間隙比である。また、R0*、mは砂の種類や密度に依存しない固有の定数で、R0*=2.0、m=0.76である。Mcs.0は有効拘束圧0付近の限界状態面の傾きである。Chは液状化時の地震応答によって生じた非可逆的な体積ひずみポテンシャルが残留体積ひずみと残留せん断ひずみに寄与する割合を示すパラメータで、地表面の傾斜がほとんどない地盤では約0.2である。
地盤要素の液状化後の残留体積ひずみと残留せん断ひずみは地震時の最大せん断ひずみの値より、(1)式,(2)式を用いて地盤要素毎に独立に決定されるため、要素間の変位の適合条件を必ずしも満たしていない。そこで静的自重解析より得られた地盤要素の平均拘束圧σmと水平方向のせん断応力τxyより、弾性論に基づく以下の式を用いて液状化後の地盤の等価な弾性係数を求める。
Figure 0006086214
上式において Geq、Keq、νeq、Eeq はそれぞれ等価なせん断弾性係数、体積弾性係数、ポアソン比、ヤング係数である。
これらの弾性定数を用いて再度自重解析を行い、地盤の変形を算定する。その結果、得られた体積ひずみ・せん断ひずみの値が(1),(2)式の値に収束するまで、地盤応力及び等価弾性定数の値を変化させて繰り返し自重解析を行い。収束計算の結果得られた最終の変形量が求める地盤の液状化後の残留変形すなわち沈下量となる。
以上で求めた沈下量から排水層において必要となる排水量を算定し、その排水量が得られるように排水層の透水係数や面積、層厚その他の諸元を構造物およびその基礎の形状や寸法に対応させて決定すれば良い。
以上で本発明の一実施形態について説明したが、以下に他の実施形態について図6〜図8を参照して説明する。
上記実施形態は基礎2aの下方に設ける排水層6の層厚寸法を全体として一定としたものであるが、以下に示す実施形態は基礎2aの短辺方向の幅寸法Bが大きい場合(たとえば基礎2aの短辺方向の幅寸法Bが4.8m以上の場合)においては、構造物2の傾斜に対して影響の大きい外周部において排水層6の層厚を60cm以上としたうえで、他の部分の層厚はそれよりも小さくすることにより、構造物2の外周部が大きく沈下するようなことを確実に防止し得るような所望の排水性能を確保しつつ、全体として排水層6の所要層厚を削減することを可能としたものである。
図6(a),(b)に示す実施形態は、構造物2としての複数(図示例では3基)のタンクの類を共通の基礎2a上に設置した場合の適用例(基礎2aの短辺方向の幅寸法Bは4.8m以上の場合を想定している)であるが、構造物2の用途や規模、基礎2aの形態については任意であるし、いずれにしても排水層6の各部の層厚は上記実施形態と同様の手法により適切に設計すれば良い。
このような場合の排水層6の各部の層厚についての一例を挙げれば、たとえば図6に示しているように基礎2aの下方においては排水性能が支障なく確保し得るように20〜30cm程度とするとともに基礎2aの周囲においては30cm以上としたうえで、構造物2の外周部近傍においては排水層6を基礎2aの内側および下方にそれぞれ拡大することにより、構造物2の外周部における排水層6の水平方向の層厚を全体として60cm以上とし、基礎2aの底面からその下方への層厚を60cm以上とすることで充分である。
図7(a),(b)に示す実施形態は、構造物2の外周部の排水層6の下方にさらに多数のドレーン7を所定間隔で配列した状態で設けたものであり、これにより外周部における排水性能をさらに向上させることが可能であるし、図6に示したものに比べて礫材等の透水性材料の所要量を削減でき施工もより容易となる。
図8(a),(b),(c)に示す実施形態は、いずれも図6に示したように構造物2の外周部における排水層6の一部をジオテキスタイル8(破線で示す)でくるんだ構成としたものであり、それらジオテキスタイル8がフィルタとして機能して排水層6の目詰まりを防ぎ透水性能を充分に確保し得るばかりでなく、ジオテキスタイル8の張力により透水性材料の変形を抑制することが可能である。
なお、図6〜図8に示す実施形態においても、上記実施形態の場合と同様に排水層6を形成するための透水性材料は礫材を用いることが好ましく、排水層6の透水係数は液状化地盤1よりも少なくとも1桁以上、さらには2オーダー以上大きくすることが好ましい。
また、図6〜図8に示す実施形態においても、基礎2aの周囲の液状化地盤1を単に礫材に置換する形態で容易に施工することが可能であるが、排水層6を形成するための透水性材料としては礫材に限らず砕石や各種の透水性材料が採用可能であるし、それら透水性材料を詰めた土嚢を敷き詰める手法による施工も可能である。勿論、図7に示したドレーン7と図8に示したジオテキスタイル8とを併用してそれらを様々に組み合わせて排水層6を構成することも可能である。
1 液状化地盤
2 構造物
2a 基礎
6 排水層
7 ドレーン
8 ジオテキスタイル

Claims (3)

  1. 液状化地盤に構築される構造物を対象として前記液状化地盤が液状化した際における前記構造物の被害を低減させるための構造物の液状化被害低減構造であって、
    前記構造物を支持する前記液状化地盤の表層部に透水性材料を充填することにより、前記液状化地盤よりも透水係数の大きい排水層を前記構造物と前記液状化地盤との間に形成してなり、
    前記構造物の下方における前記排水層の層厚寸法を該構造物の短辺方向の幅寸法の1/8以上に設定するとともに、該排水層を前記構造物の周囲に延出させてその延出幅寸法を30cm以上に設定してなることを特徴とする構造物の液状化被害低減構造。
  2. 液状化地盤に構築される構造物を対象として前記液状化地盤が液状化した際における前記構造物の被害を低減させるための構造物の液状化被害低減構造であって、
    前記構造物を支持する前記液状化地盤の表層部に透水性材料を充填することにより、前記液状化地盤よりも透水係数の大きい排水層を前記構造物と前記液状化地盤との間に形成してなり、
    前記構造物の外周部における前記排水層の層厚を60cm以上に設定するとともに、他の部分の層厚を外周部における層厚よりも小さく設定し、該排水層を前記構造物の周囲に延出させてその延出幅寸法を30cm以上に設定してなることを特徴とする構造物の液状化被害低減構造。
  3. 請求項1または2記載の構造物の液状化被害低減構造であって、
    前記排水層を形成するための透水性材料として礫材を用いてなることを特徴とする構造物の液状化被害低減構造。
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