JP6083704B2 - トンネルfetのデバイスシミュレーション方法及びシステム並びにトンネルfetのコンパクトモデル設計方法及びコンパクトモデル - Google Patents

トンネルfetのデバイスシミュレーション方法及びシステム並びにトンネルfetのコンパクトモデル設計方法及びコンパクトモデル Download PDF

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Description

本発明は、トンネルFETのデバイスシミュレーション方法及びシステム並びにトンネルFETのコンパクトモデル設計方法及びコンパクトモデルに関するものである。
トンネルFET(TFET)はCMOSを越える低消費電力回路を実現するためのキーデバイスとして注目されている。特開2012−182368号公報(特許文献1)には、トンネルFETの構成の一例が開示されている。また特開2009−302419号公報(特許文献2)には、MOSFETのシミュレーション方法及び装置が開示されている。
特開2012−182368号公報 特開2009−302419号公報
トンネルFETのデバイス設計では、構造や材料パラメータの影響を取り込んだ設計ツールが必要とされている。しかしながら回路設計では従来と全く異なる動作の同素子を用いてどのように回路を組むといった課題があり、回路設計検討のためにコンパクトモデルが必要とされている。
本発明の目的は、トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートするデバイスシミュレーション方法及びシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、キャリアの発生量を求めることによりトンネルFETをモデリングするトンネルFETのモデリング・システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルのモデリング方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルを提供することにある。
本発明は、デバイスシミュレータ上に非局所バンド間トンネルモデルに基づく物理モデルを構築し、実用的レベルの電気特性が得られることを発明者が確認したことを基礎とするものである。
本出願の第1の発明は、トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートするデバイスシミュレーション方法であり、トレースステップと、非局所電界定義ステップと、キャリア発生量演算ステップとを実施することにより、トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートする。トレースステップでは、トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離とバンドギャップEを求める。非局所電界定義ステップでは、トレースステップにより得たトンネル距離LとバンドギャップEとから非局所電界Enonl(=E/L)を定義する。そしてキャリア発生量演算ステップでは、バンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを下記の式
G=A・Enonlp・exp(−B/Enonl)
(但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータ)に基づいて演算する。
本発明では、トンネル距離を正しく見積るため、デバイスシミュレータの中でバンドエネルギをトレースし、トレースから得られたトンネル距離とデバイスシミュレータから与えられるバンドギャップから非局所電界を定義する。そして非局所電界を上記式に入れ、バンド間トンネルによる発生量Gを計算する。実際のトレースは、シミュレーションが断面のシミュレーションであれば2次元、立体のシミュレーションであれば3次元空間で行われる。これによりトンネルFETのようにトンネルパスが急峻に曲がっている場合にも高い精度でシミュレートすることが可能である。
なおキャリア発生量演算ステップにおいて、トンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを下記の式
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]
(但し、A、B及びp は半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータ)に基づいて演算することができる。
バンドエネルギとしては、伝導帯Ec及び価電子帯Evの一方を用いることができる。
トレースステップでは、メッシュ仮定ステップと、第1の選択ステップと、第2の選択ステップと、繰り返しステップと、トンネル距離決定ステップとによりトンネル距離を決定する。メッシュ仮定ステップでは、解析対象構造を複数のメッシュ点を有する複数のメッシュにより区切る。第1の選択ステップでは、複数のメッシュの一つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する。そして第2の選択ステップでは、選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する。さらに繰り返しステップでは、選択したメッシュ点のエネルギが伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで第2の選択ステップを繰り返す。最後に、トンネル距離決定ステップでは、始点となるメッシュ点、選択したメッシュ点及び終点となるメッシュ点のうち隣接する二つのメッシュ点間の距離を積算した距離をトンネル距離とする。このように積算した距離を用いると、トンネルFETのようにトンネルパスが急峻に曲がっている場合にも高い精度でシミュレートすることが可能になる。
なおトンネル距離決定ステップでは、始点となるメッシュ点と終点となるメッシュ点との間の距離をトンネル距離とすることもできる。このようにすると精度は落ちるが、トンネル距離の演算が簡単になる。
なおトレースステップでは、始点における伝導帯と価電子帯との間のエネルギ差をバンドギャップEとして求めることができる。
本発明のトンネルFETのモデリング方法では、上記デバイスシミュレーション方法により複数のメッシュの複数のメッシュ点の全てについて、キャリアの発生量を求めることにより、トンネルFET全体のモデリングを可能にする。
本発明は、トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートするデバイスシミュレーション・システムとしても把握することができる。本発明のデバイスシミュレーション・システムは、トレース部と、非局所電界定義部と、キャリア発生量演算部とから構成される。トレース部は、トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離を求める。非局所電界定義部は、トレース部により得たトンネル距離Lとデバイスシミュレータから与えられるバンドギャップEとから非局所電界Enonl(=E/L)を定義する。キャリア発生量演算部は、バンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
G=A・Enonlp・exp(−B/Enonl)
(但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータであり)に基づいて演算する。
非局所電界定義部を用いずに、キャリア発生量演算部は、トンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]
(但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータ)に基づいて演算することができる。
トレース部は、メッシュ仮定部と、第1の選択部と、第2の選択部と、繰り返し部と、トンネル距離決定部とを備えた構成とすることができる。メッシュ仮定部は、解析対象構造を複数のメッシュ点を有する複数のメッシュにより区切る。第1の選択部は、複数のメッシュの一つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する。第2の選択部は、さらに選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する。繰り返し部は、選択したメッシュ点のエネルギが伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで第2の選択ステップを繰り返す。そしてトンネル距離決定部は、始点となるメッシュ点、選択したメッシュ点及び終点となるメッシュ点のうち隣接する二つのメッシュ点間の距離を積算した距離をトンネル距離とするように構成するのが好ましい。なおトレース部のトンネル距離決定部は、始点となるメッシュ点と終点となるメッシュ点との間の距離をトンネル距離とするように構成してもよい。
トンネルFETのモデリング・システムは、上記デバイスシミュレーション・システムにより複数のメッシュの複数のメッシュ点の全てについて、キャリアの発生量を求めることによりトンネルFETをモデリングする。
トンネルFETは、ソースドレイン電圧に対し、非対称な特性を示すなど、回路上の課題がある。トンネルFETを生かした回路を実現するためには、早期に回路設計ツールでトンネルFETを扱えるようにする必要がある。そこで、回路シミュレータに用いるトンネルFETのコンパクトモデルを開発する必要性が出てきた。このような必要性に答えるために、本出願の第2の発明は、トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデル及びその設計方法を提供する。上記デバイスシミュレーション方法及びシステムで採用したのと同様に、コンパクトモデルには、急峻なバンドの変化を取り入れ、トンネルパスの非局所性を考慮する。本発明のコンパクトモデルではこの非局所電界バンド間トンネルモデルを、簡単な計算で実現するために、非局所なトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分での垂直方向のパスと、そこからチャネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つに分離する近似を導入している。
そこでコンパクトモデルのモデリング方法では、第1乃至第5のステップより得られた電流値がソース・ゲート間電圧に対する出力電流となるようにトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルを設計する。第1のステップでは、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスのソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、ソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位(静電ポテンシャルに相当)をMOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式により演算する。第2のステップでは、水平方向のパスのソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、容量を用いたミッドギャップ電位近似式により演算する。第3のステップでは、ミッドギャップ電位の第1の曲がりと第2の曲がりを用いて、非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離LとバンドギャップEとを求める。第4のステップでは、各位置におけるトンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する。そして第5のステップでは、各位置におけるキャリアの発生量を数値積分して電流値を求める。本発明によれば、垂直及び水平成分のバンドエネルギ分布を、電極電圧から計算でき、そこからトンネルに必要な距離を求めることが可能なコンパクトモデルを設計できる。
なお第5のステップでは、トンネル距離LとバンドギャップEと基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]
(但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータ)に基づいて演算することができる。
本発明のトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルは、第1及び第2の記憶部と、第1乃至第3の演算部とから構成される。第1の記憶部は、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、MOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式による関数として記憶する。第2の記憶部は、水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の第2の曲がりを、容量を用いたミッドギャップ電位近似式による関数として記憶する。第1の演算部は、ミッドギャップ電位の第1の曲がりと第2の曲がりを用いて、非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを求める。第2の演算部は、各位置におけるトンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する。そして第3の演算部は、各位置におけるキャリアの発生量を数値積分して電流値を求める。このコンパクトモデルでは、関数を用いるため高速な計算ができるという利点がある。
本発明の別のコンパクトモデルは、プロファイル記憶部と、第1乃至第3の演算部とを備えている。プロファイル記憶部は、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位のエネルギ分布をMOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式による関数とし、且つ水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位を水平方向のバンドエネルギの分布のフィッティング関数を数値シミュレーション結果に合わせた関数として記憶することにより、非局所電界バンド間トンネルのミッドギャップ電位のプロファイルとして記憶する。そして第1の演算部は、このプロファイルから非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを演算する。第2の演算部は、トンネル距離LとバンドギャップEに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する。そして第3の演算部は、各位置におけるキャリアの発生量を数値積分して電流値を求める。本発明のコンパクトモデルによれば、プロファイル記憶部を用いることにより、ミッドギャップ電位のプロファイルをより正確に求めることができ、かつ関数にフィッティングさせるため高速に計算が可能になるという利点がある。
本発明の更に別のコンパクトモデルも、ミッドギャップ電位プロファイル記憶部と、第1乃至第3の演算部とを備えている。このコンパクトモデルでは、ミッドギャップ電位プロファイル記憶部が、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位として、MOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式により演算したものを用い、且つ水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位として、数値シミュレーション結果を用いて定めたものを非局所電界バンド間トンネルのミッドギャップ電位プロファイルを記憶する。第1の演算部は、プロファイルから非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離LとバンドギャップEを演算する.第2の演算部は、トンネル距離LとバンドギャップEに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する。そして第3の演算部は、各位置におけるキャリアの発生量を数値積分して電流値を求める。本発明のコンパクトモデルによれば、ミッドギャップ電位プロファイル記憶部を用いることにより、ミッドギャップ電位のプロファイルを最も正確に求めることができるという利点がある。
なお第2の演算部は、トンネル距離LとバンドギャップEと基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]
(但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータであり、Enonlpは非局所電界であり)に基づいて演算することができる。
トンネルFETの構造と動作原理を説明するために用いる図である。 (A)及び(B)は、PN接合(左)とTFET(右)のトンネルパスの違いを示す図である。 トンネル距離を用いて非局所電界を定義することを説明するために用いる図である。 本発明のデバイスシミュレーション・システムをコンピュータを用いて実現する場合の実施の形態の構成を示すブロック図である。 図4の実施の形態をコンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータにインストールするコンピュータソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。 図5のフローチャートのステップST2の詳細を示すフローチャートである。 トレースを説明するために用いる図である。 トレースを説明するために用いる図である。 伝導体(Ec)をトレースする場合のソフトウエアのフローチャートである。 価電子帯(Ev)をトレースする場合のソフトウエアのフローチャートである。 局所(local)及び非局所(nonlocal)電界モデルを用いたデバイスシミュレーションの結果と実測値(マーク)の比較を示す図である。 (A)はVg=−1Vにおける局所モデルによる発生率を示し、(B)は非局所モデルによる発生率を示す図である。 計算オプションを説明するために用いる図である。 計算オプションの違いによるId−Vg特性の比較を示す図である。 トンネルパスの体積効果を説明するために用いる図である。 順方向と逆方向トレースによるId−Vg特性を、体積効果を考慮しない場合と考慮した場合で比較して示す図である。 非局所なトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分での垂直方向のパスと、そこからチャネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向の2つに分離することを示す図である。 本発明のコンパクトモデル及びコンパクトモデルのモデリング方法をコンピュータを用いて実現した実施の形態の構成を示すブロック図である。 コンピュータにインストールするソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。 ミッドギャップ電位を説明するための図である。 ソースとゲートとの容量比で計算したポテンシャル(線)と、デバイスシミュレータで計算したポテンシャル(マーク)の比較を示す図である。 デバイスシミュレーション・システムで非局所モデルを用いて計算した、N型TFETのId−Vg特性を示す図である。 コンパクトモデルで計算したN型TFETのId−Vg特性を示す図である。 コンパクトモデルの結果と実測を比較する図である。 コンパクトモデルを用いて計算したトンネルFETのインバーター特性を示す図である。 本発明の他のコンパクトモデルの実施の形態の構成を示すブロック図である。 図26の構成をコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのフローチャートである。 プロファイル記憶部に記憶するバンドプロファイルを異なる方法により求める実施の形態で用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。 数値計算により水平方向のバンドエネルギの分布(ポテンシャル)を用いる場合の概念を説明するための図である。 プロファイル記憶部に記憶するバンドプロファイルを異なる方法により求める実施の形態で用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。
[デバイスシミュレーション・システム(第1の発明)]
最初に、図面を参照して本発明のデバイスシミュレーション・システム及びデバイスシミュレーション方法の実施の形態を説明する。トンネルFETはトランジスタのオン・オフ動作に、ゲートソースオーバーラップ領域で起きるバンド間トンネル現象を利用している。図1はN型のTFETの模式図である。トンネルFETは、通常のCMOSと異なり、ソースに逆極性のP+層を設けている。エネルギバンド図に示すように、ゲート電圧でチャネルのバンド位置を下げると、ソース端で価電子帯(Ev)と伝導帯(Ec)が近づき、バンド間トンネルが発生する。この原理により従来のMOSFETより急峻なスイッチング特性が得られ、CMOSを越える低消費電力LSIを実現できる。
従来のデバイスシミュレーション・システムではバンド間トンネルによるキャリアの発生量を局所電界の関数として表わす局所モデルを用いている。従来のデバイスシミュレーション・システムは、PN接合のリーク電流を求めるために開発されたためであり、PN接合にかかる電界はほぼ直線で、トンネル距離の逆数を局所電界と見立てても問題ないため、従来は局所モデルを用いている。しかしながらトンネルFETでは、図2(A)に示すPN接合の場合の電界とは異なって、図2(B)に示すように、ゲートソースオーバーラップ部分に垂直の大きな電界がかかると共に、チャネル方向にも強い電界が生じ、電界強度もトンネルパスの範囲で大きく変化する。
そこで本発明では、トンネル距離を正しく見積るため、デバイスシミュレーション・システムの中でバンドエネルギ(伝導帯Ecまたは価電子帯Ev)をトレースし、得られたトンネル距離LとバンドギャップEから非局所電界Enonlを定義する(図3)。なおこのトレースについては、公知文献1(K. Fukuda, T. Mori, W. Mizubayashi, Y. Morita, A.Tanabe, M. Masahara, T. Yasuda, S. Migita, and H.Ota, “TCAD-based Modeling of Tunnel FETs,” Int. Symp. “Develop. Core Tech. Green Nanoelectronics”, Mar. 2012.)に詳細に記載されている。本願明細書においても簡単に説明する。本発明では、この非局所電界Enonlを通常のKaneの表式に入れ、バンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを計算する。実際のトレースは、シミュレーションが断面のシミュレーションであれば2次元、立体のシミュレーションであれば3次元空間で行われる。これによりトンネルFETのようにトンネルパスが急峻に曲がっている場合にも対処できる。
図4は、本発明のデバイスシミュレーション・システムをコンピュータを用いて実現する場合の実施の形態の構成を示すブロック図である。また図5は、図4の実施の形態をコンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータにインストールするコンピュータソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートであり、図6は図5のフローチャートのステップST2の詳細を示すフローチャートである。本発明のデバイスシミュレーション・システムは、コンピュータ内にトレース部1と、非局所電界定義部3と、キャリア発生量演算部5とをソフトウエアによって構築して、トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートする。全てのメッシュ点についてのシミュレート結果は、演算結果記憶部7に保存される。
トレース部1は、図3に示すように、トンネルFETのバンドエネルギ(伝導帯Ecまたは価電子帯Ev)をトレースしてトンネル距離Lを求める。トレース部1は、メッシュ仮定部11と、第1の選択部13と、第2の選択部15と、繰り返し部17と、トンネル距離決定部19とを備えている。メッシュ仮定部11は、図7に示すように、トンネルFETの解析対象構造を、複数のメッシュ点(メッシュの交点)PSを有する複数のメッシュMにより区切る。第1の選択部13は、第1の選択ステップとして、図8に示すように、複数のメッシュMの一つのメッシュ点PSを始点p0として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点piを選択する(図5のステップST1,ST2及び図6のステップST21及びST22)。なおメッシュ点は、その位置のEc(伝導帯エネルギ)とEv(価電子帯エネルギ)の両方の値を持っている。そして図8のLiは位置p0とpiとの距離である。第2の選択部15も、図8に示すように,第2の選択ステップとして、さらに選択したメッシュ点PSを始点p0として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点piを選択する。図8のLiはトンネル距離の一部である。繰り返し部17は、選択したメッシュ点のエネルギが伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで第2の選択ステップを繰り返す(図6のステップST21乃至ST23)。そしてトンネル距離決定部19は、始点となるメッシュ点PS、選択したメッシュ点P及び終点となるメッシュ点PS´のうち隣接する二つのメッシュ点間の距離Liを積算した距離をトンネル距離Lとするように構成されている。ちなみに、図9は伝導体(Ec)をトレースする場合のソフトウエアのフローチャートの一例であり、図10は価電子帯(Ev)をトレースする場合のソフトウエアのフローチャートの一例である。
なお図7に破線で示すように、トレース部1のトンネル距離決定部19は、始点となるメッシュ点と終点となるメッシュ点との間の距離をトンネル距離とするように構成してもよい。
非局所電界定義部3は、トレース部1により得たトンネル距離Lとデバイスシミュレータから与えられるバンドギャップEとから非局所電界Enonl(=E/L)を定義する(図3及び図5のステップST3)。キャリア発生量演算部5は、バンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを下記のKaneの式に基づいて演算する(ステップST4)。
G=A・Enonlp・exp(−B/Enonl)
但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである。ちなみに公知文献2(Kuo-Hsing Kao; Verhulst, A.S.; Vandenberghe, W.G.; Soree, B.; Groeseneken, G.; De Meyer, K., "Direct and Indirect Band-to-Band Tunneling in Germanium-Based TFETs," Electron Devices, IEEE Transactions on , vol.59, no.2, pp.292,301, Feb. 2012)中の式(1)が、上記Kaneの式に該当する。なお公知文献3(IEEETED1983_Semiconductor_Device_Simulation(Fichtner).pdf Fichtner, W.; Rose, D.J.; Bank, R.E., "Semiconductor device simulation," Electron Devices, IEEE Transactions on , vol.30, no.9, pp.1018,1030, Sep1983)に開示された式(15),(16)の式が電子正孔の連続式であるが、これらの式は、デバイスシミュレータにおけるキャリアの発生量Gを示す項を含んでいる。
本実施の形態のトンネルFETのモデリング・システムは、上記デバイスシミュレーション・システムにより複数のメッシュの複数のメッシュ点の全てについて、キャリアの発生量Gを求めることによりトンネルFETをモデリングする(図5のステップST5)。
キャリア発生量演算部5は、非局所電界Enonlと、トンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]により求めることができる。但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである。
上記実施の形態のモデリング・システムを用いて非局所電界を用いたP型TFETのId−Vg特性をモデリングした結果を図11の曲線Aとして示し、局所電界を用いたP型TFETのId−Vg特性をモデリングした結果を図11の曲線Bとして示し、P型TFETのId−Vg特性の実測値(公知文献3:T. Mori, K. Fukuda, A. Tanabe, T. Maeda, W.Mizubayashi, S. O’uchi, Y. Liu, M. Masahara, T.Yasuda, and H. Ota, “Impacts of EOT scaling on SOI Tunnel FETs and Demonstration of 33mV/decade Subthreshold Slope,” Int. Symp. “Develop. Core Tech. Green Nanoelectronics”, Mar. 2012.よび公知文献4:S. Migita, and H. Ota, “Fabrication of Silicon Tunnel-FETs Using Epitaxial NiSi2 Schottky Source Junctions and Dopant Segregation Technique,” Int. Symp. “Develop. Core Tech. Green Nanoelectronics”, Mar. 2012.)と比較した。図11から判るように、局所モデル(曲線B)では実測値と大きく乖離しているのに対し、非局所モデル(曲線A)は充分な精度で予測ができている。なおP型のため本特性はゲート電圧が負の領域であり、ゲート電圧が正の領域で見られる電流は、ドレイン端のGate Induced Drain Leakage(GIDL)である。本実施の形態のモデリング・システムルではGIDLも予測可能である。
次に非局所モデルを用いたモデリング・システムと局所モデルを用いたモデリング・システムの違いを理解するために、Vgs=−1Vでのキャリアの発生レートを比較した。図12(A)は局所モデルを用いたモデリング・システムでは、ソース上端に強い発生が起きるが、ここは電界こそ強いものの、バンドギャップ分の距離が無いため、実際にはトンネルが起きない箇所である。このように局所型バンド間トンネルモデルではMOS界面で大きなエラーを生じる可能性がある。それに対し、図12(B)の非局所モデルを用いた本実施の形態のモデリング・システムでは充分にバンドギャップ分の変化がある箇所だけに発生が起きている。このように本実施の形態の非局所モデルを用いたモデリング・システムでモデリングしたトンネルFETは、バンド間トンネルにとって重要な側面を捉えている。なお本実施の形態の非局所モデルを採用したモデリング・システムの一部は、3次元TCADシステムHyENEXSS(登録商標)(ver5.5, Selete, 2011.)に組み込むことが可能であり、多次元の汎用構造に対して利用可能である。
次に本実施の形態のモデリング/システムをデバイスシミュレータに組み込む際には、下記の計算オプションを選択することができる。
(a)トレースによってトンネルパスが得られた後、トンネル距離としてトレースに沿った距離を用いるか、トレースの始点と終点を結んだ直線距離を用いる。
(b)トンネル後のキャリア発生量をトレース始点に発生するか、正孔と電子を始点と終点に別々に発生させる。
(c)トレース方向を逆にとるとどうなるか。
以上の計算オプションの概念を図13に示す。
実際にデバイスシミュレータにこれらのオプションを組み込みId−Vg特性を比較した結果を図14に示す。オプション(a)で最短距離をとった場合はゲート電圧正負の両方において電流の増加が見られる(■)。オプション(b)の発生位置を正孔と電子で分けた場合(▲)には、破線で示したreferenceの計算と同じ結果となった。またオプション(c)で逆方向のトレースを行った場合(■)はゲート電圧が負の領域では電流が減り、正の場合は微増となった。
オプション(c)で見られた差異はトンネルパスが非等方的であることから起きる体積効果であると考えられる。図15に示すようにトンネルは場所によって、体積が広がる方向や、体積が狭まる方向に起きる場合がある。この場合、実効的な終状態の状態密度が変わるため、トンネル量もそれに比例して変化すると考えられる。これはPN接合の2次元・3次元のエッジ部分でも影響があるはずであるが、一般のデバイスシミュレータでは考慮していないのが通常である。さらにトンネルFETのようなMOS界面と強い関連のあるデバイスでは特に重要と考えられる。
体積効果を考慮した計算結果を、考慮前の結果と比較した(図16)。破線は体積効果を考慮する前の方法で順方向と逆方向のトレースを行った場合、マークで示したのは体積効果を考慮する方法での同様の結果である。体積効果を考慮するとトレース方向によらずほぼ同じ結果が得られた。
[コンパクトモデル(第2の発明)]
以下回路シミュレータに用いることができる本出願の第2の発明のトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルについて説明する。第1の発明の実施の形態の上記デバイスシミュレーション・システムで採用したのと同様に、コンパクトモデルには、急峻なバンドの変化を取り入れ、トンネルパスの非局所性を考慮する。本発明のコンパクトモデルではこの非局所電界バンド間トンネルモデルを、簡単な計算で実現するために、図17に示すように、非局所なトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分での垂直方向のパスP1と、そこからチャネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスP2の2つに分離する近似を導入している。
図18は、本発明のコンパクトモデル及びコンパクトモデルのモデリング方法を、コンピュータを用いて実現した実施の形態の構成を示すブロック図であり、図19はコンピュータにインストールするソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。
本実施の形態のトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルは、第1の曲がり記憶部(第1の記憶部)21と、第2の曲がり記憶部(第2の記憶部)22と、トンネル距離演算部23(第3の演算部)と、キャリア発生量演算部24(第4の演算部)と電流値演算部25(第5の演算部)とから構成される。第1の曲がり記憶部21は、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、MOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式の関数として記憶する(図19のステップST101及びST102)。図20のΨ1が、垂直方向のパスP1におけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がり(第1の曲がり)の関数を図示したものである。垂直方向のミッドギャップ電位Ψ1の曲がりを示す関数であるミッドギャップ電位近似式の一例としては、公知文献5(Jin He; Chan, M.; Xing Zhang; Yangyuan Wang, "A Physics-Based Analytic Solution to the MOSFET Surface Potential From Accumulation to Strong-Inversion Region," Electron Devices, IEEE Transactions on , vol.53, no.9, pp.2008,2016, Sept. 2006)に示された式(1)がある。なおミッドギャップ電位近似式は、この文献に記載のものに限定されるものではない。
第2の曲がり記憶部22は、水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位Ψ2(図20)の第2の曲がりを、容量を用いたミッドギャップ電位近似式による関数として記憶する(図19のステップST103)。
容量を用いた近似式としては、例えば以下のものを用いることができる。
Ψ(x)=[V・C(x)+V・C]/[C(x)+V・C
但し、Vはソース電圧、Vはゲート電圧である。
またC(x)=εsemi/xであり、εsemiは半導体の誘電率、xはソースからの距離である。さらにC=εsemi/Tinsであり、εsemiはゲート誘電膜の誘電率であり、Tinsはゲート誘電膜の厚みである。
トンネル距離演算部23は、ミッドギャップ電位Ψの第1の曲がりΨ1と第2の曲がりΨ2を用いて、非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを演算する(図19のステップST104)。なおミッドギャップ電位Ψ(Ψ1+Ψ2)の式から±1/2Eしたものが、伝導帯Ec及び価電子帯Evの位置である。したがって図20に示す始点SPを始点とする場合の価電子帯Evと同じエネルギになる伝導帯Ecの位置EPを特定して、トンネル距離Lを求めることができる。したがってトンネル距離演算部23は、ミッドギャップ電位Ψの第1の曲がりΨ1の関数と第2の曲がりΨ2の関数とからミッドギャップ電位Ψを求めて、始点SPに対する終点(EP)の位置を求めて、トンネル距離Lを演算する。
キャリア発生量演算部24は、各位置におけるトンネル距離LとバンドギャップEとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する(図19のステップST105)。バンドギャップEは、デバイスシミュレータ・システムから取得する。なおキャリア発生量演算部24は、トンネル距離LとバンドギャップEと基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式に基づいて演算することができる。
G=A・Enonlp・exp[−L/(E/B)]
但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータであり、Enonlはデバイスシミュレーション・システムから取得した非局所電界である。
そして電流値演算部(第3の演算部)25は、キャリアが発生する範囲における各位置におけるキャリアの発生量Gを数値積分して電流値を求める(図19のステップST106及びステップST107)。具体的には、各位置におけるキャリアの発生量Gを数値積分してトンネルパスに沿った総発生量を求める。そして総発生量に素電荷q0と、トンネルパスの面積を掛けることで、トンネルFETの電流を求めることができる。本発明によれば、垂直及び水平成分のバンドエネルギ分布を、電極電圧から計算でき、そこからトンネルに必要な距離を求めることが可能なコンパクトモデルを提供できる。
なお垂直方向のバンドは、ゲート・酸化膜・ソースからなる単純なMOS構造であるため、MOSの理論から電圧に対するバンドの曲がりを得ることができる。また水平方向のバンドは、界面上の各点のポテンシャルを、ソースからの容量と、ゲートからの容量の比で分かれると仮定して求めることができる。図21は、このような仮定で計算した横方向のポテンシャルを、デバイスシミュレーション・システムで計算したポテンシャルとの比較を示して、充分な一致を確認した結果を示している。
本実施の形態のコンパクトモデルにより垂直及び水平成分のバンドエネルギ分布を、電極電圧から計算できるようになり、そこからトンネルに必要な距離を求めることが可能になった。つまりこれらの仮定によって、デバイスシミュレーション・システムの非局所モデルのエッセンスをコンパクトモデルに取り込むことが可能になった。
本実施の形態のコンパクトモデルを用いて、N型TFETのId−Vg特性を計算し、TCADと比較した。図22はデバイスシミュレーション・システム(デバイスシミュレータ)で非局所モデルを用いて計算した、N型TFETのId−Vg特性、図23はそれをコンパクトモデルで計算したものである。これらの図を見ると、ドレイン電圧を含め、デバイスシミュレーション・システムの結果をよく再現しており、本コンパクトモデルで導入した仮定が適切であることがわかる。
本実施の形態のコンパクトモデルは、あくまで物理を反映して構築した物理モデルであるため、モデルパラメータも物理的な意味のあるパラメータで構成している。表1は、モデルパラメータの例を示している。これらのモデルパラメータは、物理的な観点で、様々な構造や材料のTFETの回路性能を予測できるということを意味している。
実際に使うコンパクトモデルにするためには、今回のモデリング以外に図25のような効果を取り込む必要がある。
上記実施の形態では、トランジェント解析を行うには容量モデルが必須となるため、トンネルFETの構造を考慮し、ゲート容量モデルを開発した。
実測及びデバイスシミュレーション・システム(デバイスシミュレータ)とCg−Vg特性を比較したところ、ドレイン電圧依存を含めてデバイスシミュレーション・システムの物理計算ともよく一致していることが確認できた(図24)。チャネルがドレインと同極性であり、ソースのみが異極性の不純物を用いているため、容量の内訳としてはゲート・ドレイン間容量が支配的である。
以上の物理モデルをVerilog−A言語で記述し、市販のSPICE系回路シミュレータで、簡単な回路解析の例として、N型及びP型TFETを用いたインバーターの動作解析を行った結果を図25に示す。シリコンの物理パラメータではトンネル電流が小さいため、容量に対して駆動電流が不足、ナノ秒レベルでは波形にオーバーシュートが見られた。マイクロ秒レベルでは正常な波形が得られた。このような回路性能が予測できれば、同素子のアプリケーションの検討や、新しい材料例えばゲルマニウムチャネルを用いたときの影響を、素子開発の前に検討できる利点が得られる。
図26は、本発明の他のコンパクトモデルの実施の形態の構成を示すブロック図であり、図27は、この実施の形態をコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのフローチャートである。このコンパクトモデルは、プロファイル記憶部31と、第1乃至第3の演算部33乃至35とを備えている。プロファイル記憶部31を用意するために、トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位を、垂直方向のバンドエネルギ分布として、MOSの理論式の関数として求める(ST202)。また水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位を水平方向のバンドエネルギの分布として、この分布のフィッティング関数を数値シミュレーション結果に合わせたものを用いる。そのためこの場合には、バンドエネルギの分布は数値シミュレーションにより予め計算しておく。そしてプロファイル記憶部31には、垂直方向のバンドエネルギ分布をMOSの理論式の関数(バンドプロファイル)として記憶し、水平方向のバンドエネルギの分布を、この分布のフィッティング関数を数値シミュレーション結果に合わせた関数(バンドプロファイル)として記憶する。
トンネル距離演算部33は、プロファイル記憶部31に記憶したバンドプロファイルから非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを演算する(ステップST206)。そしてキャリア発生量演算部34は、演算したトンネル距離Lとデバイスシミュレーション・システムから得たバンドギャップEに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する(ステップST205)。キャリアの発生量Gの演算式は、最初の実施の形態で用いた式と同じである。そして電流値演算部35は、キャリアが発生する範囲における各位置におけるキャリアの発生量をバンドプロファイルに沿って数値積分(積算)して電流値を求める(図27のステップST206及びステップST207)。本実施の形態のコンパクトモデルによれば、プロファイル記憶部31を用いることにより、より精度の高いコンパクトモデルを提供することができる。
図28は、プロファイル記憶部31に記憶するバンドプロファイルを異なる方法により求める実施の形態で用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。このアルゴリズムは、図27に示したアルゴリズムのステップST203に相当するステップ303が異なる点を除いて、図27のアルゴリズムと同じである。そこで図28のフローチャートには、図27のフローチャートに示した符号の数に100の数を加えた符号を付して、説明を省略する。本実施の形態では、ステップST303において、水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位を示す水平方向のバンドエネルギの分布(ポテンシャル)として、数値計算の結果を用いる。図29は、数値計算により水平方向のバンドエネルギの分布(ポテンシャル)を用いる場合の概念を説明するための図である。すなわちソースとゲートの電位を境界条件として、酸化膜及びチャンネルにメッシュを張って、数値計算でラプラス方程式[▽(ε▽Ψ)=0]を解くことで、ソースからのギャップ電位を求めることができる。その他のステップST301,ST302,ST304,ST305乃至ST307は、図27のステップST201,ST202,ST204,ST205乃至ST207と同じである。
なお図30に示すアルゴリズのように、バンドエネルギ分布を数値計算により求めてバンドプロファイルとしてプロファイル記憶部31に記憶するようにしてもよいのは勿論である(ステップST401)。なお図30のアルゴリズムにおいてステップST404乃至ST407は、図27のアルゴリズムのステップST204乃至ST207と同じである。
本発明によれば、トンネルFETのようにトンネルパスが急峻に曲がっている場合にも高い精度でシミュレートすることが可能である。また本発明のコンパクトモデルによれば、非局所モデルをコンパクトモデルに取り入れることにより、トンネルFETの素子から回路の一貫した研究開発が可能になった。
1 トレース部
3 非局所電界定義部
5 キャリア発生量演算部
7 演算結果記憶部
11 メッシュ仮定部
13 第1の選択部
15 第2の選択部
17 繰り返し部
19 トンネル距離決定部
21 第1の曲がり記憶部
22 第2の曲がり記憶部
23 トンネル距離演算部
24 キャリア発生量演算部
25 電流値演算部
31 プロファイル記憶部
33 トンネル距離演算部
34 キャリア発生量演算部
35 電流値演算部

Claims (20)

  1. トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートするデバイスシミュレーション方法であって、
    前記トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離Lを求めるトレースステップと、
    前記トレースステップにより得たトンネル距離LとバンドギャップEGとから非局所電界Enonl(=EG/L)を定義する非局所電界定義ステップと、
    バンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを下記の式
    G=A・Enonlp・exp(−B/Enonl)
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである)に基づいて演算するキャリア発生量演算ステップとからなるデバイスシミュレーション方法。
  2. トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をデバイスシミュレータを用いてシミュレートするデバイスシミュレーション方法であって、
    前記トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離Lを求めるトレースステップと、
    前記トレースステップにより得たトンネル距離LとバンドギャップEGとから非局所電界Enonl(=EG/L)を定義する非局所電界定義ステップと、
    非局所電界Enonlと、前記トンネル距離Lと前記バンドギャップEGとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを下記の式
    G=A・Enonlp・exp[−L/(EG/B)]
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである)に基づいて演算するキャリア発生量演算ステップとからなるデバイスシミュレーション方法。
  3. 前記バンドエネルギは、伝導帯Ec及び価電子帯Evの一方である請求項1または2に記載のデバイスシミュレーション方法。
  4. 前記トレースステップでは、
    解析対象構造を複数のメッシュ点を有する複数のメッシュにより区切るメッシュ仮定ステップと、
    前記複数のメッシュの1つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第1の選択ステップと、
    さらに選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第2の選択ステップと、
    前記選択したメッシュ点のエネルギが前記伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで前記第2の選択ステップを繰り返す繰り返しステップと、
    前記始点となるメッシュ点、前記選択したメッシュ点及び前記終点となるメッシュ点のうち隣接する二つのメッシュ点間の距離を積算した距離を前記トンネル距離とするトンネル距離決定ステップとを実行する請求項3に記載のデバイスシミュレーション方法。
  5. 前記トレースステップでは、
    前記伝導帯及び価電子帯の一方に対して複数のメッシュ点を有するメッシュを仮定するメッシュ仮定ステップと、
    前記複数のメッシュの一つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第1の選択ステップと、
    さらに選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第2の選択ステップと、
    前記選択したメッシュ点のエネルギが前記伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで前記第2の選択ステップを繰り返す繰り返しステップと、
    前記始点となるメッシュ点と前記終点となるメッシュ点との間の距離を前記トンネル距離とするトンネル距離決定ステップとを実行する請求項3に記載のデバイスシミュレーション方法。
  6. 前記トレースステップでは、前記始点における前記伝導帯と前記価電子帯との間のエネルギ差を前記バンドギャップEGとして求める請求項4または5に記載のデバイスシミュレーション方法。
  7. 前記請求項4乃至6のいずれか1項に記載のデバイスシミュレーション方法により前記複数のメッシュの前記複数のメッシュ点の全てについて、前記キャリアの発生量を求めることにより前記トンネルFETをモデリングすることを特徴するトンネルFETのモデリング方法。
  8. トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をシミュレートするデバイスシミュレーション・システムであって、
    前記トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離LとバンドギャップEGを求めるトレース部と、
    前記トレース部により得たトンネル距離LとバンドギャップEGとから非局所電界Enonl(=EG/L)を定義する非局所電界定義部と、
    バンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
    G=A・Enonlp・exp(−B/Enonl)
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである)に基づいて演算するキャリア発生量演算部とからなるデバイスシミュレーション・システム
  9. トンネルFETのバンド間トンネルによるキャリアの発生量をデバイスシミュレータを用いてシミュレートするデバイスシミュレーション・システムであって、
    前記トンネルFETのバンドエネルギをトレースしてトンネル距離LとバンドギャップEGを求めるトレース部と、
    前記トレース部により得たトンネル距離LとバンドギャップEGとから非局所電界Enonl(=EG/L)を定義する非局所電界定義部と、
    非局所電界Enonlと、前記トンネル距離Lと前記バンドギャップEGとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
    G=A・Enonlp・exp[−L/(EG/B)]
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータである)に基づいて演算するキャリア発生量演算部とからなるデバイスシミュレーション・システム。
  10. 前記バンドエネルギは、伝導帯Ec及び価電子帯Evの一方である請求項8または9に記載のデバイスシミュレーション・システム。
  11. 前記トレース部は、
    解析対象構造を複数のメッシュ点を有する複数のメッシュにより区切るメッシュ仮定部と、
    前記複数のメッシュの一つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第1の選択部と、
    さらに選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第2の選択部と、
    前記選択したメッシュ点のエネルギが前記伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで前記第2の選択ステップを繰り返す繰り返し部と、
    前記始点となるメッシュ点、前記選択したメッシュ点及び前記終点となるメッシュ点のうち隣接する二つのメッシュ点間の距離を積算した距離を前記トンネル距離とするトンネル距離決定部とを備えている請求項10に記載のデバイスシミュレーション・システム。
  12. 前記トレース部は、
    前記伝導帯及び価電子帯の一方に対して複数のメッシュ点を有するメッシュを仮定するメッシュ仮定部と、
    前記メッシュの一つのメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第1の選択部と、
    さらに選択したメッシュ点を始点として該始点の周囲のメッシュ点のうち最もエネルギの傾きが大きくなるメッシュ点を選択する第2の選択部と、
    前記選択したメッシュ点のエネルギが前記伝導帯及び価電子帯の他方のエネルギと同じになるメッシュ点を終点として得るまで前記第2の選択ステップを繰り返す繰り返し部と、
    前記始点となるメッシュ点と前記終点となるメッシュ点との間の距離を前記トンネル距離とするトンネル距離決定部とを備えている請求項10に記載のデバイスシミュレーション・システム。
  13. 前記トレース部では、前記始点における前記伝導帯と前記価電子帯との間のエネルギ差を前記バンドギャップEGとして求める請求項11または12に記載のデバイスシミュレーション・システム。
  14. 前記請求項11乃至13のいずれか1項に記載のデバイスシミュレーション・システムにより前記複数のメッシュの前記複数のメッシュ点の全てについて、前記キャリアの発生量を求めることにより前記トンネルFETをモデリングすることを特徴するトンネルFETのモデリング・システム。
  15. トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルのモデリング方法であって、
    前記トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、前記垂直方向のパスのソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、ソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位(静電ポテンシャルに相当)をMOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式の関数として記憶する第1のステップと、
    前記水平方向のパスのソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、容量を用いたミッドギャップ電位近似式の関数として記憶する第2のステップと、
    前記ミッドギャップ電位の前記第1の曲がりと前記第2の曲がりを用いて、前記非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを求める第3のステップと、
    前記各位置における前記トンネル距離LとバンドギャップEGとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する第4のステップと、
    前記各位置における前記キャリアの発生量を数値積分して電流値を求める第5のステップとを実施し、
    前記第5のステップにより得られた電流値がソース・ゲート間電圧に対する出力電流となるようにトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルを設計することを特徴とするトンネルFETのコンパクトモデルのモデリング方法。
  16. 前記第5のステップでは、前記トンネル距離Lと前記バンドギャップEGと基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
    G=A・Enonlp・exp[−L/(EG/B)]
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータであり、Enonlpは非局所電界である)に基づいて演算する請求項15に記載のトンネルFETのコンパクトモデルのモデリング方法。
  17. トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルであって、
    前記トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、前記垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の曲がりを、MOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式による関数として記憶する第1の記憶部と、
    前記水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位の第2の曲がりを、容量を用いたミッドギャップ電位近似式による関数として記憶する第2の記憶部と、
    前記ミッドギャップ電位の前記第1の曲がりと前記第2の曲がりを用いて、前記非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを求める第1の演算部と、
    前記各位置における前記トンネル距離LとバンドギャップEGとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する第2の演算部と、
    前記各位置における前記キャリアの発生量を数値積分して電流値を求める第3の演算部とを備えていることを特徴とするトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデル。
  18. トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルであって、
    前記トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、前記垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位のエネルギ分布をMOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式による関数とし、且つ前記水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位を水平方向のバンドエネルギの分布のフィッティング関数を数値シミュレーション結果に合わせた関数として記憶することにより、前記非局所電界バンド間トンネルのミッドギャップ電位のプロファイルとして記憶するプロファイル記憶部と、
    前記プロファイルから前記非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを演算する第1の演算部と、
    前記トンネル距離LとバンドギャップEGに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する第2の演算部と、
    前記各位置における前記キャリアの発生量を数値積分して電流値を求める第3の演算部とを備えていることを特徴とするトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデル。
  19. トンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデルであって、
    前記トンネルFETのトンネルパスをソースゲートオーバーラップ部分において、垂直方向のパスとチャンネル界面に沿ってドレインに向かう水平方向のパスの2つのパスに分離して、前記垂直方向のパスにおけるソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位として、MOSの理論式に基づくミッドギャップ電位近似式により演算したものを用い、且つ前記水平方向のソース・ゲート間電圧に対するミッドギャップ電位として、数値シミュレーション結果を用いて定めたものを前記非局所電界バンド間トンネルのミッドギャップ電位のプロファイルとして記憶するプロファイル記憶部と、
    前記プロファイルから前記非局所電界バンド間トンネルの各位置毎にトンネル距離Lを演算する第1の演算部と、
    前記トンネル距離LとバンドギャップEGに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量Gを演算する第2の演算部と、
    前記各位置における前記キャリアの発生量を数値積分して電流値を求める第3の演算部とを備えていることを特徴とするトンネルFETの非局所電界バンド間トンネルのコンパクトモデル。
  20. 前記第2の演算部は、前記トンネル距離Lと前記バンドギャップEGとに基づいてバンド間トンネルによるキャリアの発生量を下記の式
    G=A・Enonlp・exp[−L/(EG/B)]
    (但し、A、B及びpは半導体の材料により定まるKaneの式のパラメータであり、Enonlpは非局所電界である)に基づいて演算する請求項17,18または19に記載のトンネルFETのコンパクトモデル。
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