JP6083602B2 - 溶融ポリマ−用精密金属フィルタ−の製造方法 - Google Patents

溶融ポリマ−用精密金属フィルタ−の製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリマ−用精密金属フィルタ−の製造方法に関し、特に被処理流体(溶融ポリマー)の濾過処理工程で発生する不純異物の発生を抑え、高品質の処理製品を可能とする清浄化されたクリ−ンフィルタ−の製造方法に関する。
例えばポリエステル、ポリビニールアルコール(PVA)など種々の樹脂材料、特に熱可塑性樹脂による繊維材料やフィルム状のシート材料は、近年のハイテク先端用の産業資材や生活資材として広く利用されている。その要求特性は、対象製品の用途や目的などに応じた高機能化、高性能化によって、原料ポリマーの要求品質も厳しさを増し、ポリマーの処理段階でいかに高精度化するかが問われており、その一方策として、原料ポリマー中の微小不純物粒子を極限状態にまで限りなく完全除去する濾過技術が求められている。
その清浄化レベルは、ポリマーが例えば電子記録用や光通信用に用いられる高純度薄膜用のフィルム材料の用途では、10μm以下のような極めて微細なレベルの不純物までも対象とされ、その完全除去の為に濾過処理技術や処理設備の改善・改良が試みられている。
また、このような溶融ポリマーはその樹脂材料を例えば200℃以上の温度に加熱溶融した状態で行なわれるため、使用される濾過装置、特に構成濾材にはその温度に耐え得るように金属製やセラミック製等の耐熱材料によるものが用いられる。特にステンレス鋼繊維の不織布焼結体による濾過材料では、形成される空孔の微細化とともに高空隙率を備え、圧力損失を低く抑え得る他、高強度で機械加工も可能など多くの利点があり、多用されてきた。
これら濾材は、その製造装置に適合する種々形状・構造・大きさのフィルター製品に採用されるが、特に金属製フィルターでは、ポリマーとの摩擦に伴う滞留、偏析、また目詰まりなどの問題や、その製造段階では例えば焼結,溶接、熱処理などの複雑多工程を要し、これら処理に伴って濾材には内外を問わず種々の不純異物が形成され、表面上の異物は通常の清掃や超音波による洗浄処理で除去されている。
同様に、使用に伴って目詰まりした場合の処理方法として、濾過処理方向とは逆方向からの逆洗圧によって表面上に堆積した付着異物を洗い流す排出除去も行われ、その処理をより完全にする為に更に超音波洗浄を付与しながら処理することも知られている。(例えば特許文献1,2及び3)
特開2001−198422号公報 特開2009−189999号公報 特開2010−274238号公報
しかしながら、これら従来技術による洗浄処理は、主としてフィルターの使用に伴いその表面上に堆積した比較的軽微な異物が対象で、洗浄処理も濾過とは逆方向からの逆洗によって剥離除去するものであり、本願発明が対象とする金属製フィルターの製造過程で発生する、例えば濾材焼結処理時に使用する種々の焼結用副資材(例えば離型剤など)、切断等の機械加工段階で生じる微小片、溶接や酸洗処理に伴う酸化皮膜などのように、濾材内部に深く残留する特殊異物までは考慮されていない。
これら異物は、従来の一般的な用途(低粘性流体)ではあまり重要視されることなく見過ごされてきたものであるが、特に粘性が高く高機能化が求められる前記溶融ポリマー用途のものでは無視できない問題であり、これまでは、その使用に先立つ慣らし運転において、予め流出の可能性がある異物を前もって除去させた上で本格稼動することで対応しており、その慣らし処理で用いられるポリマーは、そのまま廃棄されるなど歩留り低下の要因とされている。
また、使用するフィルター構造上の問題として、例えば図2のように、上下2枚の円環状の前記濾材を重ね合わせた内縁又は外縁同士を結合し、更に内部に支持用のリテーナーメッシュなどの部材を内装するリーフ状フィルターでは、構造の複雑さによって該不純異物の流出が遮られやすく、前記と同様の課題がある。
本発明は、こうした問題について研究を進め完成したもので、その目的はフィルター製品の特に濾過二次側の濾材内部に残存する不純異物を含めてより高精度にクリーン化した溶融ポリマー用の精密金属フィルターの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、
1)金属製の焼結多孔濾材で構成され、内部の濾過室をなす内周側濾過面と、その外表面の外周側濾過面の間で被処理流体を分離濾過する金属製フィルタ−を準備する準備段階と、
2)該フィルタ−を第一洗浄液中で、その前記外表面側から超音波振動を照射し、前記焼結濾材に付着する不純異物を浮離させる第一洗浄段階と、
3)第一洗浄後の前記フィルタ−を、所定量の第二洗浄液中に配置する排機構を通じて、吸引圧−80KPa以下で、かつ濾過処理方向に減圧させ、該第二洗浄液から露出させる複数回の排水処理による繰り返し圧流によって、該フィルター内に残留する不純異物を系外に排出除去させる第二洗浄段階と
4)清浄化されたフィルターを更に乾燥処理する乾燥段階と、
を備えることを特徴とする溶融ポリマ−用精密金属フィルタ−の製造方法である。
また請求項2に係る発明は、前記第二洗浄液は、前記フィルターの最上の濾過面位置から30mm以下の液面高さの容量に調整されるものであり、請求項3に係る発明は、前記減圧吸引処理が、5〜15回の多数回の繰り返しで行なわれるものであること、請求項4に係る発明は、前記第二洗浄段階が、下記算式による処理係数(Y)が 4〜20の範囲で行われるものであることを各々対象とする溶融ポリマー用精密金属フィルターの製造方法である。
Y=吸引量(L)×吸引流速(L/min)×繰り返し処理回数(回)/1000
更に請求項5に係る発明は、前記フィルタ−は、2枚の円環状の前記焼結濾材同士が、その内縁又は外縁のいずれか一辺で結合され、円環リ−フ状に形成されたもの、請求項6に係る発明は、前記フィルタ−成形品は、前記焼結濾材がその長手軸方向に沿って筒状に伸びる筒状成形品として形成されたもの、更に請求項7に係る発明は、前記焼結濾材は、金属繊維材料及び/又は金属粉末材料で構成され、微細空孔を持つ濾過保証層と、該保証層の少なくともいずれか片面側に積層配置される該保証層より粗大空孔の支持層を一体に焼結形成してなる、濾過精度100μm以下の積層構造体によるものであることを各々特徴とする溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法である。
本発明の精密金属フィルタ−の製造方法に係る請求項1の発明によれば、成形後のフィルター製品を第一次と第二次の二段階の洗浄処理で行い、一次洗浄ではその外表面側からの超音波振動の照射で付着する不純物粒子を浮遊させ、また第二次洗浄処理では、該フィルターの前記濾過室内を所定の高圧流で、かつ洗浄液から少なくともその一部が露出する強制的な減圧吸引を所定圧で、かつ濾過方向に沿って繰り返し行なう圧流によって、内存する不純異物を確実かつ効果的に排出することができ、高クリーン用のフィルター製品として有効に使用できるものである。
また、本発明では、前記二次洗浄が所定の強制減圧によって洗浄液から露出されるもので、フィルタ−に残留しやすい該浄化用液も同時に吸引排除でき、洗浄後の乾燥処理が軽減できる利点もある。その為、請求項2乃至4の発明によればその効果がより促進され、請求項5乃至7の種々形状のフィルター製品に広く採用でき、広く活用できる。
本発明の製造プロセスを説明する工程図である。 円環リーフ状のフィルターについて、その一部を断面で示す斜視図である。 第二次洗浄段階を説明する、洗浄装置の一例を示す平面図である。 本発明の実施例に基づく試験結果の一例であって、図4Aは、前記第二次洗浄段階における繰り返し洗浄処理回数がもたらす、不純異物の除去性能の関係を示す線図、また図4Bは、同様に前記処理係数(Y)の関係による除去性能の関係を各々示すものである。 実施例の試験結果により、排出除去した不純物粒子の分布状態を示す顕微鏡写真であって、図5Aは、第二次洗浄を10回繰り返し行ったときの排出不純異物の状態写真、図5Bは参考として、前記第一洗浄処理のみのフィルターについて、排出された不純異物の状態を示す。
以下、本発明の一形態を添付図面に基づき説明する。本願発明は、かならずしもその説明のもののみに限定されるものではなく、特許請求の範囲を基本として理解され、その範囲内のものを含むものと理解されなければならない。
図1は、本発明の製造プロセスの一形態が示され、その要点として、
1)金属製の多孔質焼結濾材によって構成される前記金属製フィルターを準備する準備段階Aと、
2)該フィルタ−成形品を第一洗浄液中に浸漬して、前記外表面側から超音波振動を照射し、該フィルター成形品の前記焼結濾材に付着する不純異物を浮離させる第一洗浄段階Bと、
3)第一洗浄後の前記フィルタ−を、所定量の第二洗浄液中に配置する排水機構を通じて、吸引圧−80KPa以下で、かつ濾過処理方向に減圧させ、該第二洗浄液から露出させる複数回の排水処理による繰り返し圧流によって、該フィルター内に残留する不純異物を系外に排出除去させる第二洗浄段階Cと
4)清浄化されたフィルターを更に乾燥処理する乾燥段階Dの各段階を備えるフィルターの製造方法である。
前記金属製フィルターの一形態として、ここでは図2にその一部を切除した前記リーフ状フィルター成形品1の斜視図が示される。該フィルター1は、予めドーナツ円環状に打ち抜きされた金属製、例えばステンレス鋼繊維でなる多孔質な焼結濾材2A,2Bと、その濾材間に配置され、該濾材に付加される濾過圧を適宜支持する補強用のリテーナーメッシュ2Cを備え、該濾材2A,2Bの外縁(又は内縁)に沿ってリークなく溶接2Dすることで、その内部に濾材で隔離された濾過室2Eを備え、一体のリーフ状フィルター成形品1が構成される。なお、濾材2A,2Bの内縁側(又は外縁側)の当接面には、該濾材を各々支持しながら、かつ濾過処理液を系外に排出するための通孔2Gを持つハブ部材2Fを備える。このような繊維焼結濾材によるフィルターは、例えば実公平1−23530号、実開平4−70112号などで広く知られている。
この形態で、濾過処理されるポリマーすなわち被処理流体は、同図に見られるように例えばその外表面2a側から矢印A方向に沿って濾材2A,2Bで濾過され、濾過室2Eを経てハブ部材2Fの通孔2Gを通り、系外すなわち次工程に供給されるように流通する。ここでは、該濾材2の各外表面2a側を上流一次側、その裏面の濾過室2E側が下流二次側となる。
フィルター1は、このようなリーフ形状のもの以外にも、例えば前記濾材2を単に所定外径で筒状になるように突合せ形成した筒状フィルター、もしくはその濾過面に軸方向に伸びるプリーツ状のひだを形成した筒状プリーツフィルターなど種々形態のものが採用でき、またその大きさも使用する濾過装置やその処理能力によって任意に設定される。例えば、前記リーフ状のフィルターでは外径が50〜500mm程度のものが多用される。
また、前記濾材2に関し、使用される前記ポリマーの種類や特性、処理条件によってその構成は自由にかつ最適範囲で設計でき、例えばポリエステル樹脂材料などのような高粘性流体の場合は、その濾過処理時における圧力損失を極力抑制するように、種類の異なる多種濾材を多層構造にした積層濾材が多用されている。
その一例として、例えば繊維径が数〜数十μm程度の微細ステンレス鋼繊維による不織布焼結体でなる濾過精度を保証する微細層21と、その両面により粗大な空孔が形成されるプレフィルター層22を配し一体に焼結したものが好ましく、その場合、該濾材の空孔は粗大空孔→微小空孔→粗大空孔の順に構成される。また必要ならば前記濾材1は、その全体を前記金属繊維で構成したもの、乃至金属粉末(ステンレス鋼粉末)によるものなど、公知の金属濾材によるものであってもよい。
したがって、前記積層濾材や濾材厚さを増したフィルター1によるものの場合、その内部に残留する微小異物は例えば中央の微細層21によって遮られることとなり、一方向からだけの洗浄処理では十分な除去が期待できない。その為、本発明ではその外表面側の第一次洗浄処理を、超音波によって濾材表面に付着残留する不純異物の粒子を浮遊させ、かつ該外表面側を洗い流す洗浄を行った後に、更にその裏面である内面側を洗浄流体の強制減圧吸引に伴う繰り返しの圧流によって、系外に排出除去する第二次洗浄処理を加えることで、全体を通じて高クリーン化したフィルター製品とするものである。
前記第一次洗浄処理は、例えば水中で発振するようにセットされた超音波振動面に向けて所定フィルター製品の外周面を全面に亘って洗浄するもので、その振動サイクルは例えば5〜20KHz程度で行われる。その微振動は、該フィルターの細部にわたって周囲の水との間で微小摩擦を生じさせ、空孔内に付着残留する微小不純異物を浮遊離脱させ、その排出を容易にすることができる。その為、まずフィルター1の前記外面側の不純異物が例えば流水によって流出除去される。
そのフィルター1は、次の第二次洗浄処理の為に、図3に例示する洗浄槽10の排出機構11にリークなく取付セットされ、また該排出機構11は、更に配管12及び流量調整用バルブ13を介して洗浄槽10外に設けた貯留タンクT1,T2を介して真空ポンプ14に繋がり、該.ポンプ14の真空減圧吸引によって、洗浄槽10内の洗浄液Sを強制的に排出可能に構成される。
前記フィルター1の前記排出機構11への取り付けは、該フィルターの例えば前記内周ハブ部2Fをその両面からねじ締めすることでリークを防ぎ、該洗浄液Sが一気に排水可能にセットされる。その減圧条件は、例えば該フィルター1の前記濾過室2Eが大気圧状態から−80KPa以下に調整される。それに伴って、前記第二洗浄液Sは、前記バルブ13に付設した液圧計(図示せず)で調整される条件で該フィルター1の濾過室2E内から吸引し、配管12を通ってタンクT1,及びバッファータンクT2に貯留され、最終的にフィルター1は完全に露出する状態にまで減圧排水される。本発明では、その排水処理を複数回繰り返し行なうこととし、こうした処理はコンピューター制御によって自動化可能である。
その第二洗浄液Sの供給処理量は、例えば該フィルター1の最上の濾過面位置までのセット高さHが、30mm以下になるように調整される。その水深セット高さHが30mmを超える場合は、該洗浄液の流通に偏りが生じ、例えばフィルターの中央ハブ部付近に集中しやすく、外方の外縁側ではあまり強い排出が得られ難いとの実験結果で確認されている。その観察は、洗浄液の吸引排水中に墨摘等の異色液の液滴を落として、その流出状態を確認することで行ない判明したことである。
その結果として、特に前記H高さが5〜20mm、より好ましくは上限15mm以下にする場合は、該濾材の全面からほぼ均等に吸引されるという現象が確認されている。このような流出現象が、前記水深Hとどのように関係するのかについては十分に解明されていないが、水深による水圧の差異と液流の方向性がもたらす流体力学的な現象論に基づくものと推測される。
したがって、前記水深範囲で洗浄に必要な供給量を収容できるよう、該洗浄層10の広さと、処理するフィルター1の厚さ方向に見た投影面積との面積比が3倍以上、好ましくは4倍以上になるように、比較的大きな浴槽を用いることが好ましい。そうすることで、該洗浄液Sを前記−80KPa以下の高圧で減圧吸引する場合も、該洗浄液の急激な液面低下がなく、フィルターのほぼ全面を有効に流出させることができ、残留する不純異物が効果的に排出できる。
その減圧に伴う強制吸引は、同時にフィルター1内に残る前記洗浄液も少なからず排出されることから、その後の乾燥処理を短縮でき、濾材の発銹などの問題を軽減し得る。なお前記洗浄液には、前記第一洗浄液と同様に、例えば濾過処理された純水やアルコールなど、クリーン性の非腐食性流体が用いられる。
こうして、洗浄槽10内のフィルタ−1が露出し、洗浄液Sの排出が完了した時点でバルブ13を閉じ、これを1サイクルとしてその複数回の洗浄処理を繰り返し、繰り返しの圧流によって残留異物をより清浄になるように排出することを基本とする。好ましい繰り返し回数は5〜15回とされる。その一例として、後述する実施例で求めた結果を図4A,4Bに見ることができる。
図4Aは、その第二洗浄段階における洗浄回数と、それに伴う排出異物の残留量の変化を示しており、前記吸引圧力を−90KPa(試験A)と、−80KPa(試験B)の2条件で、各々繰り返し回数に伴う排出異物の状況変化を示している。いずれの状況も、5回程度の繰り返しで効果はほぼ半減し、また約15回以上の繰り返しでは比較的変化なく推移していることが分かる。
その効果としては、該第二洗浄段階における下記算式による処理係数(Y)を4〜20の範囲になるようにすることで示すことができる。その係数(Y)は実験によるもので、その値が4未満のものでは不純物粒子の十分な流出が得られ難く、逆に20を超えるほど過処理してもその効果は飽和し、より好ましくは5〜18に調整される。
Y=吸引量(L)×吸引流速(L/min)×繰り返し処理回数(回)/1000
図4Bは、前記処理係数(Y)の変化に伴う前記異物の流出効果との関係を示し、試験Cでは洗浄液の吸引量のみ変えることでY値を変化させたもの、試験Dは、吸引流速のみ変えた場合であり、各々図4Aと同様の傾向が見られている。
こうした洗浄処理を終えたフィルター1は、前記保持機構11から取り外され、次の乾燥処理が行われる。その乾燥処理は、通常の金属製品と同様に例えば100〜300℃程度に所定時間加温する加熱乾燥が容易に採用できる。最後に、例えばダストチェックやバブルポイント、その他の品質事項を測定検査し、フィルター製品として製品化される。
以下、本発明を更に次の実施例により説明する。
本実施例では、被処理流体としてポリエルテル樹脂を温度220〜260℃程度に加熱し溶融状態のポリマー用の濾過処理装置に適合するように、フィルターは外径12インチサイズのリ−フフィルタ−による場合を説明する。
《工程段階A》
前記フィルターは、平均繊維径5μmのステンレス鋼繊維のウエブを用い、これを厚さ0.8mmに加圧して空孔径が5μmでかつ空隙率72%の微細な焼結層を精度保証層とし、更にその下流面側に粒径300μmアンダーのステンレス鋼アトマイズ粒子による支持層を各々配置してその全体厚さを3mmとする合計2層の構造体を一体に焼結した積層濾材で構成しており、該濾材の厚さ方向における形成空孔は、微細、粗大とするものである。
そして、この焼結濾材用シート2枚が準備され、各々前記外径を持つ円環状に打ち抜きされたものを重ね合わせて、外周辺を全長にわたって溶接し構成しており、またその濾材間には、更にリテーナー用の5#の粗大メッシュを組み込みすることで、その相当部分を濾過室とする、外径300mm×厚さ15mmのリーフフィルターを得た。
《工程段階B》
次に、得られたフィルター成形品を水道水を濾過した洗浄液中に浸漬して、その液中で該フィルタ−の濾過上流側の外面側に向けて1200W、15kHzの固定周波数を発振する超音波振動を付与し、該濾材中に含まれ付着残留する不純物粒子を浮遊離脱させ、かつその外面上(一次面側)の残留不純物を洗い流した。
このとき用いた超音波振動子は、幅25mm×長さ165mmの平面を持つ長手状のもので、この面と前記フィルターの濾過面を平行かつ一定距離になるように調整しながら、フィルターの全面が洗浄できるように順次移動回転させながら行った。なお、この一次洗浄に要した処理時間は6分/枚である。
《工程段階C》
その処理後、該フィルタ−を取り出して、図3のように大きさ700×500mm,高さ200mmの所定容積を持つ洗浄槽内の排出機構に取付けセットして、該槽内に前記フィルタ−全体が完全に浸漬するまで第二洗浄液(濾過水)を充満し、その分量が該フィルターの上面から10mmの高さになるように流量調整した。この槽の開口面積とフィルターの前記投影面積との前記比は約5倍である。
その後、前記排出機構を通じて該フィルタ−の濾過室内を大気圧状態から−90KPaと−80KPaの2条件で、かつその一次側から二次側に向けて強制減圧し、その吸引によって該フィルタ−全体が露出するまで前記第二洗浄液を排出させるように、バルブを開放した。
そして、その流出に伴ない流出したフィルター内部の不純物粒子は、前記排出配管12途中にバイパスを設け、その通路にメンブレンシートをセットしてメンブレンシートで捕獲される該粒子の一定時間当りにおける粒子分布量を面積率を求めたもので、測定は該メンブレンシートを取り出して乾燥後、顕微鏡によって任意に選択した3視野について、各々拡大観察し、その視野面積内で捕獲された異物粒子の合計面積を視野面積で除した面積率を平均化したものである。
その面積率の変化が前記図4Aに示されている。
この結果は前記説明のように、二次洗浄を10回以上繰り返すことで90%以上にまで大幅に減少させることができ、特に5回程度の二次洗浄の繰り返しの間での減少率が大きく減少していることが認められる。図5は、この洗浄試験で排出除去された不純物粒子が示され、図5Aは二次洗浄を10回繰り返し行った場合の顕微鏡写真であり、図5Bは、前記一次洗浄をのみ行なった場合の捕獲異物の状態である。この状態からも、本願二次洗浄の効果が確認される。
またこれら捕獲粒子をX線分析で調べたところ、特に切断片,酸化クロム,酸化スケール等の不純物がより多量に確認され、それら粒子は該フィルターの製造段階での切断や加熱処理、洗浄処理段階でのものであることが確認された。
《工程段階D》
こうして吸引減圧されたフィルター成形品は、全体的な脱水によって水分の付着が少なく、ほぼ乾燥状態のものであったが、更に確実を期する為に温度200℃の乾燥炉に入れて30分間の乾燥処理を行った。
前記フィルターについて更に次の算式に基づく処理係数(Y)による影響を検証した。
該係数Yは、前記第二洗浄段階における、洗浄液の吸引量(L)と吸引流速(L/min)及び繰り返し処理回数(回)により、 Y=吸引量(L)×吸引流速(L/min)×繰り返し処理回数(回)/1000で示され、その結果を前記図4Bに示され、前記処理係数(Y)が特に8程度以上でほぼ安定していることが理解される。
次に、前記実施例1に用いたリーフ状フィルターに代えて、次の詳細で述べられる円筒状フィルターを用いた例を説明する。
該円筒フィルターは、前記と同様にステンレス鋼繊維と粉末を積層した積層濾材を用い、これを外径60mmに湾曲させかつ付き合わせ部を溶接して筒状にしたもので、その上端側には封止キャップを配し、また他方の下端側には中央に流通用の開口を持つ円環状のキャップ金具を当接し、各々溶接によって、内部に濾過室を備えた筒状フィルターを成形した。そのフィルターは、外径60mm×長さ150mmの形状寸法を有するものである。
この成形フィルターに対し、前記実施例1と同様に水中に浸漬してその外面側から超音波を付与し、外面側を洗浄する第一次洗浄処理と、さらに別製の洗浄槽内に前記Hが15mmとなる水深位置にセットして、その外面側から内面側に向かう洗浄液10Lを強制的に減圧吸引(条件−90KPa)する第二次洗浄処理を8回繰り返し、前記と同様にその繰り返し圧流により流出した不純異物を顕微鏡で観察して、合計1%程度の清浄化されたフィルター品を得た。その処理係数(Y)は、8〜10の範囲内であった。
以上説明のように、本発明は2種類の洗浄方法によって、従来十分に対応されなかったフィルター内部に残留する金属フィルター固有の不純異物を除去する製造方法によるもので、特に高粘性で高機能化が進む溶融ポリマー用フィルターとして有効である。
1 金属製フィルター
2A,2B 焼結濾材
2E 濾過室
10 第二次洗浄槽
11 排出機構
S 第二洗浄液

Claims (7)

  1. 1)金属製の焼結多孔濾材で構成され、内部の濾過室をなす内周側濾過面と、その外表面の外周側濾過面の間で被処理流体を分離濾過する金属製フィルタ−を準備する準備段階と、
    2)該フィルタ−を第一洗浄液中で、その前記外表面側から超音波振動を照射し、前記焼結濾材に付着する不純異物を浮離させる第一洗浄段階と、
    3)第一洗浄後の前記フィルタ−を、所定量の第二洗浄液中に配置する排機構を通じて、吸引圧−80KPa以下で、かつ濾過処理方向に減圧させ、該第二洗浄液から露出させる複数回の排水処理による繰り返し圧流によって、該フィルター内に残留する不純異物を系外に排出除去させる第二洗浄段階と
    4)清浄化されたフィルターを更に乾燥処理する乾燥段階と、
    を備えることを特徴とする溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
  2. 前記第二洗浄液は、前記フィルターの最上の濾過面位置から30mm以下の液面高さの容量に調整されるものである、請求項1に記載の溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
  3. 前記減圧吸引処理が、5〜15回の多数回繰り返し行なわれるものである請求項1または2に記載の溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
  4. 前記第二洗浄段階が、下記算式による処理係数(Y)が 4〜20 の範囲で行われるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融ポリマ−用精密金属フィルタ−の製造方法。
    Y=吸引量(L)×吸引流速(L/min)×繰り返し処理回数(回)/1000
  5. 前記フィルタ−は、2枚の円環状の前記焼結濾材同士が、その内縁又は外縁のいずれか一辺で結合され、円環リ−フ状に形成されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
  6. 前記フィルタ−は、前記焼結濾材がその長手軸方向に沿って筒状に伸びる筒状成形品として形成されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
  7. 前記焼結濾材は、金属繊維材料及び/又は金属粉末材料で構成され、微細空孔を持つ濾過保証層と、該保証層の少なくともいずれか片面側に積層配置される該保証層より粗大空孔の支持層を一体に焼結形成してなる、濾過精度100μm以下の積層構造体によるものである請求項1〜6のいずれかに記載の溶融ポリマー用精密金属フィルタ−の製造方法。
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