JP6082917B2 - 発光素子およびトランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子およびトランジスタに関する。
発光素子の一例である有機表示素子は、陽極および陰極、ならびに両電極の間に配置された有機発光層を中心とした有機機能層からなり、有機機能層の材料としては低分子有機化合物や高分子有機化合物が利用される。
有機表示素子は、有機発光層が厚み1μm以下の薄膜で形成されるため低電圧で駆動できること、自発光するため低消費電力が期待されることなど、ディスプレイパネル用として優れた特徴を有する。また、有機化合物を材料とした有機機能層は、インクジェット法などの塗布法による作製が可能である。
有機機能層を塗布法によって作製する場合、隣接する他の色の光を発する画素にインクが浸入しないようにする必要がある。そこで、例えばインクジェット法では、塗布面上に隔壁を形成し、隔壁によって規定された領域内に有機機能材料を含むインクを滴下する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような隔壁は、例えばフォトリソグラフィ法によって形成される。フォトリソグラフィ法で隔壁を形成する方法は、感光性の樹脂膜を形成する工程、前記樹脂膜を露光および現像によりパターニングする工程、および現像した樹脂膜を焼成する工程を有する。隔壁の材料には、滴下インクを保持する機能を高めるために、撥液性の高い樹脂(例えばフッ素含有樹脂)が混合されることがある。
特開2006−004743号公報
しかしながら、隔壁によって規定された領域内でインクが十分に濡れ拡がらず、有機膜が一部形成されない「未濡れ」状態が発生することがある。また、インクジェット法では隔壁での塗布インクの保持が重要であることから隔壁の撥液性を高めたいが、撥液性を高めるほど未濡れに対する安定性が低下する。未濡れは陽極と陰極の間での短絡を引き起こし、有機表示素子の表示品質を低下させる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、未濡れの発生を抑制し、プロセス安定性の高い発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る発光素子は、第1の電極を含む下地層と、長軸と短軸を有する形状からなる開口部を、前記下地層上に規定する隔壁と、前記開口部内に位置し、前記下地層の上面と接する機能層と、前記機能層を介して前記第1の電極と対向する第2の電極と、を有し、前記隔壁は、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、前記隔壁の上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する前記開口部を臨む周面を有し、前記周面の高さhを、前記長軸に沿った方向における前記隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h0以上に位置し、前記機能層の上面が、前記変位点において前記周面と接していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子は、隔壁によって規定された開口部において未濡れの発生を抑制することができる。
実施の形態1に係る有機EL装置1の概略構成を示すブロック図。 有機EL装置1を含むセットの外観の一例を示す外観斜視図。 表示パネル10の部分断面図と正面図 塗布対象領域および隔壁上面の俯瞰図。 (a)隔壁の側面形状の模式図(b)塗布対象領域にインクを塗布した直後の状態を示す模式図 隔壁傾斜部近傍におけるインク端面の後退メカニズムを示す第1の模式図 隔壁傾斜部近傍におけるインク端面の後退メカニズムを示す第2の模式図 隔壁傾斜部近傍におけるインク端面の後退メカニズムを示す第3の模式図 隔壁傾斜部近傍におけるインク端面の後退メカニズムを示す第4の模式図 隔壁傾斜部近傍におけるインク端面の後退メカニズムを示す第5の模式図 隔壁の断面と、形状プロファイルを示す図 実験1における隔壁および機能層の断面形状を示す図 実験2における隔壁および機能層の断面形状を示す図 実験3における隔壁および機能層の断面形状を示す図 実験4における隔壁および機能層の断面形状を示す図 実験5における隔壁および機能層の断面形状を示す図 実験1〜5の結果をまとめた表 未濡れが生じた場合の隔壁および機能層の断面形状を示す図 有機EL表示パネルの製造プロセスを示す図 有機EL表示パネルの製造プロセスを示す図 薄膜トランジスタの製造工程を示す図 薄膜トランジスタの製造工程を示す図 薄膜トランジスタの製造工程を示す図
<本発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係る発光素子は、第1の電極を含む下地層と、長軸と短軸を有する形状からなる開口部を、前記下地層上に規定する隔壁と、前記開口部内に位置し、前記下地層の上面と接する機能層と、前記機能層を介して前記第1の電極と対向する第2の電極と、を有し、前記隔壁は、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、前記隔壁の上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する前記開口部を臨む周面を有し、前記周面の高さhを、前記長軸に沿った方向における前記隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h以上に位置し、前記機能層の上面が、前記変位点の近傍において前記周面と接している。
また、前記変位点が、高さ0.93h以上に位置することとしてもよい。
また、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記機能層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも下方に位置し、前記境界は前記変位点から前記高さ方向において40nm以内に位置することとしてもよい。
また、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記機能層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも前記隔壁の上面に対して離れて位置し、前記境界は前記変位点から、前記長軸に沿った方向において440nm以内に位置することとしてもよい。
また、前記機能層が塗布法により形成されていることとしてもよい。
また、前記隔壁の周面を2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界から前記下地層と前記周面との境界までの間において、連続していることとしてもよい。
本発明の一態様に係るトランジスタは、長軸と短軸を有する形状からなる開口部を規定する隔壁と、前記開口部の下方又は上方に位置するゲート電極と、前記ゲート電極よりも前記開口部に近接した領域に位置するゲート絶縁膜と、前記隔壁の下側に位置し、前記開口部内に少なくとも一部が位置するソース電極およびドレイン電極を有する下地層と、前記開口部内であって、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向する領域に位置し、前記下地層と接する半導体層と、を有し、前記隔壁は、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、前記隔壁の上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する前記開口部を臨む周面を有し、前記周面の高さhを、前記長軸に沿った方向における前記隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h以上に位置し、前記半導体層の上面が、前記変位点の近傍において前記周面と接している。
また、前記変位点が、高さ0.93h以上に位置することとしてもよい。
また、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記半導体層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも下方に位置し、前記境界は前記変位点から前記高さ方向において40nm以内に位置することとしてもよい。
また、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記半導体層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも前記隔壁の上面に対して離れて位置し、前記境界は前記変位点から、前記長軸に沿った方向において440nm以内に位置することとしてもよい。
また、前記半導体層が塗布法により形成されていることとしてもよい。
また、前記隔壁の周面を2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界から前記下地層と前記周面との境界までの間において、連続していることとしてもよい
下、本発明に係る発光素子およびトランジスタについて、実施の形態に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、製造ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、本発明は、請求の範囲だけによって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
<実施の形態1>
(有機EL装置)
図1は、実施の形態1に係る有機EL装置1の概略構成を示すブロック図である。
有機EL装置1は、有機EL表示パネル10と、これに接続された駆動制御部11とを備えてなる。
有機EL表示パネル10は、複数の有機EL素子(発光素子)が、互いに交差する(ここでは直交する)X方向およびY方向にマトリクス状に配設されている。
駆動制御部11は、一例として4つの駆動回路12〜15と制御回路16とで構成されている。駆動回路の数はこれ以外でも良い。
有機EL装置1の利用形態としては、例えば図2に示すようにオーディオ装置と組み合わせたテレビジョンシステムの一部とすることができる。有機EL装置1は液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトを必要としないので薄型化に適しており、システムデザイン設計という観点から優れた特性を発揮する。
(有機EL表示パネル10)
図3(a)は有機EL素子100R,100G,100Bの基本構成を示す、有機EL表示パネル10の部分断面図である。当図は図1の有機EL表示パネル10のA−A’矢視断面図を示している。また図3(b)は、有機EL表示パネル10の部分的な正面図である。
有機EL表示パネル10では図3(b)のように、赤(R)色発光色の有機EL素子100R、緑(G)色発光色の有機EL素子100G、青(B)色発光色の有機EL素子100Bが、隔壁105で規定された各発光領域において、X方向に沿って同順に繰り返し配置されている。有機EL表示パネル10では、各素子100R,100G,100Bがサブピクセルとしての発光領域を構成し、隣接する3つの有機EL素子100R,100G,100Bを1組として1画素(ピクセル)が構成される。なお、X方向における画素と画素との間には、Y方向に連続するバスバー領域100Xが設けられている。
図3(a)に示すように、有機EL表示パネル10は、TFT基板101(以下、単に「基板101」と記載する。)と、その上面に同順に積層された陽極(第1の電極)102と、電極被覆層103と、ホール注入層104とを有する。ホール注入層104の上には、さらに同順に積層された有機発光層106R,106G,106Bのいずれかと、電子輸送層107と、陰極(第2の電極)108と、封止層109とを有する。
このうち陽極102、電極被覆層103、有機発光層106R,106G,106Bは、各有機EL素子100R,100G,100B毎に個別に形成される。ホール注入層104、電子輸送層107、陰極108、封止層109は基板101の基板の上面全体にわたり一様に形成される。有機EL素子100R,100G,100Bは、一例としてトップエミッション型としている。
バスバー領域100Xには補助電極102Aおよび電極被覆層103Aが同順に積層されている。
以下、各構成要素を説明する。
(基板101)
基板101は有機EL表示パネル10のベースとなる部分であり、実施の形態2で述べる基板本体1011とその上に形成されたTFT配線部(不図示)で構成される。基板本体1011は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料をベースとして形成されている。
TFT配線部は、有機EL素子100R,100G,100Bをアクティブマトリクス駆動方式で駆動するための配線(駆動TFTおよびスイッチングTFT等の薄膜トランジスタ、電源線、信号線を含む配線)を有するように形成している。なおTFT配線部の表面は、不図示の層間絶縁膜(平坦化膜等)で被覆されている。
(陽極102)
陽極102は、導電性材料からなる単層、あるいは複数の層が積層されてなる積層体から構成される。例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などを用い形成される。陽極102は前記した層間絶縁膜を貫通するコンタクトホール(不図示)を介し、TFT配線部中のTFTのゲート・ドレイン電極と電気接続されている。
なお、有機EL表示パネル10をトップエミッション型とする場合には、陽極102は高反射性の材料で形成することが好ましい。
(電極被覆層103)
電極被覆層103は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)を用いて形成されており、陽極102の上面を被覆するように配される。
(ホール注入層104)
ホール注入層104は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物からなる層である。このような酸化金属からなるホール注入層104は、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、各有機発光層106R,106G,106Bに対しホールを注入および輸送する機能を有する。
なお、ホール注入層104については、上記のような金属酸化物を以って形成する他に、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などを用いて形成することもできる。
また、ホール注入層104と有機発光層106R,106G,106Bの間にはホール輸送層を形成してもよい。
(隔壁105)
隔壁105は、図3(b)に示すように、基板101の上方におけるホール注入層104の表面に対し、行列(XY)方向にわたって格子状に形成され、いわゆるピクセルバンク構造をなしている。パネルを平面視した際、隔壁105は図3(a)に示すように、複数の開口部(塗布対象領域101R,101G,101B等)が並列して存在するように形成される。これによりX方向で隣接する、異なる発光色の有機EL素子100R,100G,100Bと、バスバー領域100Xとをそれぞれ規定している。
隔壁105の材料は特に限定されないが、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)が好適である。製造時にエッチング処理およびベーク処理などが施されるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などを生じない耐性の高い材料であることが好ましい。また、隔壁で塗布インクの保持を良好に行うために、隔壁は撥液性を有することが好ましい。例えば、表面に撥水性を持たせるため、フッ素処理を施すこともできる。
隔壁105の構造としては、図3(a)に示す単一層としての構造だけでなく、二層以上の層を積層した多層構造とすることもできる。この場合は、有機材料の層同士または無機材料の層同士、或いは無機材料の層と有機材料の層とを積層して構成することができる。
(有機発光層106R,106G,106B)
有機発光層106R,106G,106Bは、本発明における機能膜の一つであって、電圧印加時に陽極102から注入されたホールと、陰極108から注入された電子とが再結合されることにより励起状態が生成されて発光する機能を有する。有機発光層106は、ウェットプロセスに基づき、機能性材料(発光性有機材料)を含むインクを陽極102の上方に塗布し、これを乾燥させて構成される。
具体的な発光性の有機材料としては、例えば、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質を挙げることができる。
(電子輸送層107)
電子輸送層107は、陰極108から注入された電子を効率よく有機発光層106R,106G,106Bへ輸送する機能を有する。例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、あるいはこれらの組み合わせで形成することが好ましい。
(陰極108)
陰極108は、例えば、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)などで形成される。トップエミッション型の有機EL表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが好ましい。光透過性については、透過率が80[%]以上とすることが好ましい。
陰極108は、上記の他に、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属で構成するか、またはそれらのハロゲン化物を含む層と銀を含む層とをこの順で積層して構成することもできる。銀を含む層は、銀単独で形成してもよいし、銀合金で形成してもよい。また、光取出し効率の向上を図るためには、銀を含む層の上から透明度の高い屈折率調整層を設けることもできる。
(封止層109)
封止層109は、有機発光層106などが水分や空気に晒されるのを抑制する機能を有し、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などの材料で形成される。トップエミッション型の有機EL表示パネル10では、光透過性材料で形成することが好ましい。
(バスバー領域100X)
バスバー領域100Xは、隣接する画素間の素子100Bと素子100Rの間に設けられる。これは有機EL表示パネル10全体の素子100R,100G,100Bにおける陰極108の良好な導通性を確保するものであり、陰極108がバスバー(補助電極102A)と電極被覆層103Aを介して電気接続される。
なおバスバー領域100Xを設ける位置に限定はない。例えばX方向に沿って複数画素毎、或いはサブピクセル毎に設けることも可能である。或いはX方向に沿って数十個の素子毎に設けるようにしてもよい。
なお、上述の例では、有機EL表示パネルを下部電極(陽極102)側からEL発光を取り出すボトムエミッション型として説明したが、上部電極(陰極108)側からEL発光を取り出すトップエミッション型であってもよい。
<開口部の形状>
図4に、本発明の有機EL表示パネルにおいて、複数の開口部(塗布対象領域101R,101G,101B)の俯瞰図を示す。図3を用いて説明したとおり、有機EL素子100R,100G,100Bにおいて、インクの塗布対象領域101R,101G,101Bは隔壁105によって規定される。画素形状や開口部の大きさは任意であるが、インクが濡れ拡がり易いという観点から、画素端部に円弧状の曲線を有する形状が好ましい。また、塗布対象領域101R,101G,101Bに対し、領域幅の狭い方向にとった軸20を短軸、領域幅の広い方向にとった軸21を長軸とする。ただし縦横で領域幅が同一である場合は、どちらの方向を短軸あるいは長軸ととってもよい。隔壁105は下地層110上に形成されており、隔壁105には、下地層110に近づくほど開口が小さくなる順テーパー形状の開口部を有する。
以下、テーパー形状の開口部のについて詳細に説明する。
図5(a)は、有機EL装置1の図4に示す領域22を、基板101の上面に垂直且つ長軸を含む面で切断した断面図であって、有機発光層106R,106G,106B、電子輸送層107および陰極108は省略されている。基板101上に、層間絶縁膜、陽極102、電極被覆層103およびホール注入層104を積層した下地層110が形成され、その上に隔壁105が形成されている。なお、下地層110は、層間絶縁膜、陽極102、電極被覆層103およびホール注入層104を積層した構成に限定されず、それら層のうちの一部の層で構成されていても良いし、それら層の一部または全部に加えてそれ以外の層が含まれた構成であっても良い。
図5(b)に、図5(a)で表した断面構造を有する開口部に対してインクジェット法によりインクを滴下した時の様子を示す。塗布対象領域101R,101G,101Bに滴下されたインク30は、隔壁105の撥液性により、開口部内で保持される。
開口部内のインク30は、時間経過とともに乾燥(インク30中の溶媒の蒸発)により体積が減少する。この時、インク30の上面31と開口部を臨む周面105cとの境界(塗布対象領域101R,101G,101Bに滴下されたインク30の上面31のうち隔壁105の表面105aと接触する部分)32は、隔壁105の上面105bから開口部を臨む周面105cへと後退し、その後、周面105cに沿って下地層110側へとさらに後退する。
この境界32の後退過程は、隔壁105の表面105aの状態に強く依存し、「未濡れ」が発生することがある。なお、未濡れが発生する要因は複数考えられる。例えば、隔壁の材料に撥液性の樹脂を用いた場合、現像後や隔壁表面処理後にインク滴下領域の表面上に撥液性樹脂の一部が残渣として残存することがある。例えば隔壁105の表面105aにフォトリソグラフィ後に生じる撥液性の残渣などが分布していると、その残渣によってインク30が撥液されることにより未濡れが引き起こされる場合がある。未濡れは有機発光層106R,106G,106Bの成膜不良の要因となり、電極102,108間の短絡を引き起こすおそれがある。
また、インクジェット法による有機発光層106R,106G,106Bの成膜では、隔壁105の周面105cの形状が有機発光層106R,106G,106Bの膜形状に大きく影響することから、境界32の後退過程のばらつきは膜形状のばらつきにも直結する。
したがって、隔壁105に対する境界32の後退の制御は、インクジェット法による有機発光層106R,106G,106Bの成膜において非常に重要な役割を担う。未濡れを抑制し、安定した膜形状を実現するには、境界32の後退を小さくし、隔壁105の周面105cの比較的高い位置でインク30をピンニングすることが望ましい。
図6〜図10に、境界32の後退過程の概略を示す。インク30の乾燥過程には、インク30の体積の減少に伴なって境界32が後退するConstant Contact Angle(CCA)モードと、インク30の体積が減少しても境界32は後退せずに、インク30の高さが減少するConstant Contact Radius(CCR)モードがある。
塗布直後のインク30は、CCRモードで乾燥する。図6に示すように、CCRモードでは、境界32は位置P1を維持するが、インク30の高さは減少する。インク30の高さが減少すると、隔壁105の表面105aとインク30の上面31とのなす角、すなわちインク30の接触角も減少する。例えば、インク30の高さが減少して、インク30の上面31が位置U1から位置U2まで後退すると、後退接触角θRよりも大きかった接触角θ1が、後退接触角θRと等しい接触角θ2まで減少する。このように、インク30の上面31が位置U2まで後退する間においては、インク30はCCRモードで乾燥する。
接触角θ2が後退接触角θRと等しくなってからは、インク30はCCAモードで乾燥する。CCAモードでは境界32が移動する。平坦面上に存在するインク30の場合、境界32が後退しても接触角は後退接触角θRに保たれるが、周面105cのような傾斜面上に存在するインク30の場合、図7に示すように、境界32が後退すると周面105cの傾きが増加するため、接触角増加分δθだけ接触角は増加する。例えば、境界32が位置P1から位置P2に後退し、インク30の上面31が位置U2から位置U3に後退すると、接触角θ3が再び後退接触角θRを超える。このように、インク30の上面31が位置U2から位置U3まで後退する間においては、インク30はCCAモードで乾燥する。
接触角が再び後退接触角θRを超えると、インク30は再度CCRモードで乾燥する。図8に示すように、このCCRモードでは、接触角θ3が減少し後退接触角θRと等しくなるまで、境界32が位置P2を維持したまま乾燥が継続される。そして、インク30の上面31が位置U3から位置U4まで後退して、再び接触角θ4が後退接触角θRと等しくなる。このように、インク30の上面31が位置U3から位置U4まで後退する間においては、インク30はCCRモードで乾燥する。
接触角θ4が再び後退接触角θRに等しくなると、インク30は再度CCAモードで乾燥する。図9に示すように、このCCAモードでは、境界32が位置P2から位置P3に後退し、インク30の上面31が位置U4から位置U5に後退して、接触角θ5は再び後退接触角θRを超える。このように、インク30の上面31が位置U4から位置U5まで後退する間においては、インク30はCCAモードで乾燥する。
図10に示すように、以降もCCAモードとCCRモードを繰り返しながら境界32は後退し、境界32近傍のインク濃度が臨界濃度に達した時点で位置Pnに境界32は固定される。これによって、インク30の上面31は位置Unに固定され、接触角θnでインクのピンニングが完了する。
上記の原理を鑑みると、インク30の乾燥過程において、CCAモードによってインク30が乾燥する割合が多いほど、境界32の後退が大きくなり、インクのピンニング位置は隔壁105の周面105cの低い位置となる。したがって、インク30のピンニング位置を高く保つためには、CCRモードによる乾燥を促し、CCAモードによる乾燥を抑制することが必要である。そのため、滴下直後のCCRモードから、一度はCCAモードに移行してしまったとしても、再度CCRモードに移行した後は、CCAモードに再度移行させずにCCRモードを保つことが必要となる。
図11に、隔壁105の断面形状の模式図を示す。h0は隔壁105の高さを示し、hは隔壁105の下部に位置する下地層110の上面からの隔壁105の高さを示す。xは開口部の長軸に沿った方向における隔壁105の上面105bと周面105cとの境界からの距離を示す。なお、隔壁105の高さが減少する方向(順テーパー形状を下る方向)をx軸の正(図11においてx軸の矢印が示す方向)と設定した。
グラフ41は、隔壁105の高さhを、xで1回微分した値を示す。グラフ41において、隔壁105の1次微分値の絶対値が大きくなっている領域では、隔壁105の周面105cの接線と下地層110の上面とのなす角度が大きくなっている。
グラフ42は、隔壁105の高さhを、xで2次微分した値を示す。隔壁105の高さの2次微分値は、接触角増加分δθの増減、すなわち隔壁105の周面105cの傾斜角度の変化を意味している。グラフ42において、2次微分した値が0近傍から負に変位している点(以下、変位点と呼ぶ)は、開口部のテーパー形状について、隔壁105の表面105aの傾斜が急になる(隔壁105の周面105cの接線と、下地層110の上面とのなす角度が増大する)方向に推移していることを意味し、傾斜が急になることでCCRモードを維持しやすくなると推定される。
すなわち、傾斜による接触角増加分δθが隔壁105の周面105cの高い位置で大きくなるよう隔壁105の形状を設計することにより、インクのピンニング位置を隔壁105の周面105cの高い位置とし、インク30の未濡れを抑制することができる。ここで、接触角増加分δθの変化を表現する上では、隔壁105の断面における周面105cの傾斜角(1次微分値)の変化、すなわち、2次微分値を用いるのが有効である。2次微分値がゼロから変位する変位点(=δθが増加し始める点)が隔壁105の周面105cの高い位置に存在すれば、前記変位点近傍でインクをピンニングすることができ、未濡れを抑制することができると考えられる。
このような考えに基づき、下記実施例に示す検証を実施し、未濡れ抑制に効果的な隔壁105の形状の設計を行った。
以下に、各隔壁105の形状の詳細を示す。
(実験1)
機能層の材料を有機溶媒に添加して作製したインク(粘度=3.8mPa・s、表面張力=33mN/m)を用いて、インクジェット法により、隔壁で規定された塗布対象領域に塗布を行い、10Pa以下の真空中で乾燥した後、180℃以上のプレート上で焼成し、機能層を成膜した。
図12に、上述の工程により得られた隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。なお、隔壁および機能層の断面テーパープロファイルは、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。
実験1では、隔壁の断面形状の2次微分値の変位点の高さはh=0.55μmであり、隔壁高さh0=0.92μmに対して0.60h0に位置した。前記変位点とピンニング位置の長軸方向の位置ずれ量△xは1.23μm、高さ方向の位置ずれ量△yは0.22μmであり、他の実験と比較してずれ量が大きかった。本実験では、隔壁の周面の傾斜に対して2次微分値の立下りが遅い、すなわち隔壁の周面の高い位置での接触角増加分δθの変化が小さいために、隔壁の周面の形状によるピンニング位置制御が有効に行えず、CCAモードによる機能層の上面と隔壁の周面との境界の後退を伴う蒸発でピンニングが発生したと推察される。その結果、隔壁の周面にピンニング位置が形成されず、未濡れが発生する場合もあった。
(実験2)
機能層は、実験1と同様の工程で成膜した。
図13に、上述の工程により得られた隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。
実験2では、隔壁の断面形状の2次微分値変位点の高さはh=0.99μmであり、隔壁高さh0=1.06μmに対して0.93h0に位置した。前記変位点とピンニング位置の長軸方向の位置ずれ量△xは0.44μm、高さ方向の位置ずれ量△yは0.040μmであった。本実験では、隔壁の周面の前記変位点近傍で安定してピンニング位置が形成され、未濡れは発生しなかった。
(実験3)
機能層は、実験1と同様の工程で成膜した。
図14に、上述の工程により得られた隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。
実験3では、隔壁の断面形状の2次微分値変位点の高さはh=0.99μmであり、隔壁高さh0=1.01μmに対して0.98h0に位置した。前記変位点とピンニング位置の長軸方向の位置ずれ量△xは0.26μm、高さ方向の位置ずれ量△yは0.038μmであった。本実験では、隔壁の周面の前記変位点近傍で安定してピンニング位置が形成され、未濡れは発生しなかった。
(実験4)
機能層は、実験1と同様の工程で成膜した。
図15に、上述の工程により得られた隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。
実験4では、隔壁の断面形状の2次微分値変位点の高さはh=0.88μmであり、隔壁高さh0=0.98μmに対して0.90h0に位置した。前記変位点とピンニング位置の長軸方向の位置ずれ量△xは0μm、高さ方向の位置ずれ量△yは0μmであった。本実験では、隔壁の周面の前記変位点近傍で安定してピンニング位置が形成され、未濡れは発生しなかった。
(実験5)
機能層は、インクジェット法により形成した。正孔注入材料を溶かしたインク(粘度=12.7mPa・s、表面張力=33mN/m)を用い、10Pa以下の真空中で乾燥した後、220℃以上のプレート上で焼成し、成膜した。
図16に、上述の工程により得られた隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。
実験5では、隔壁の断面形状の2次微分値変位点の高さはh=0.88μmであり、隔壁高さh0=0.98μmに対して0.90h0に位置した。前記変位点とピンニング位置の長軸方向の位置ずれ量△xは0μm、高さ方向の位置ずれ量△yは0μmであった。本実験では、隔壁の周面の前記変位点近傍で安定してピンニング位置が形成され、未濡れは発生しなかった。
これらの結果を、図17にまとめて示す。図17から、本発明における隔壁の断面形状を図11に示すような形状とした。開口部のテーパー形状は、下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、隔壁の上面と連続してh0未満の高さhに位置する開口部を臨む周面を有し、周面の高さhを、開口部の長軸に沿った方向における隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が0近傍から負に変位する変位点が、0.9h0以上であることが好ましい。
ここで、隔壁の上面と周面との境界において2次微分値が不連続な挙動を示す場合とは、隔壁の上面と周面との境界における形状が、上面から周面へとなだらかに変位するのではなく、傾斜角度が急激に変化し、角張った形状となることを意味する。すなわち、上面の接線と周面の接線とが、上面と周面との境界において急激に変化する。この場合、有機発光層より上層に形成する陰極や封止層の形成において、前記境界において上層の段切れ、クラック、積層部の密着性低下といった構造欠陥の原因となり、有機EL装置の品質を損なう恐れがあるため、不適である。
そのため、開口部の長軸に沿った方向における隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h0以上に位置することが好ましい。
なお、変位点が複数存在する場合には、最も隔壁の上面に近い位置に位置する変位点が0.9h0以上1.0h0未満であることが好ましい。3回目以降にCCRモード時を維持するよりも、2回目のCCRモード時に、CCRモードを維持できることにより、ピンニング位置を高く保つことが出来るためである。
なお、上記実験1では、2次積分値変位点の値が0.6h0であったにも拘わらず、未濡れが発生しなかった。このように、2次微分値変位点が最適でない場合においても、未濡れが発生しないケースはありえる。しかしながら、図11に示すような好ましい位置にピンニングすることは出来ず、ピンニング位置が非常に低くなるため、未濡れが発生する確率が高く、それを他の技術でカバーするのは非常に困難であり、結局のところ歩留まりが非常に低くなってしまう。特に、近年の画素の微細化により塗布条件が厳しくなった状況では、生産に見合うだけの歩留まりを実現することは難しい。
図18に、条件を満たさずに未濡れが生じた場合の隔壁および機能層の断面テーパープロファイルおよびその勾配の2次微分値を示す。図18に示す例では、隔壁の断面形状の2次微分値変位点の高さはh=0.73μmであり、隔壁高さh0=1.08μmに対して0.68h0に位置した。この例では、隔壁の周面にピンニング位置が形成されず、下地層の上面にピンニングされたため未濡れが発生し、成膜不良となった。
次に、変位点について補足するが、実験結果から得られる2次微分値には多少のばらつきがあるため、2次微分値から得られる変位点についても多少の誤差を許容する必要がある。具体的に説明すると、「0近傍」において、実験2では−6.5×10-5〜6.5×10-5nm -1 の範囲で、実験3では−1.0×10-4〜0nm -1 の範囲で、実験4では−1.3×10-4〜7.0×10-5nm -1 の範囲で、実験5では−1.3×10-4〜7.0×10-5nm -1 の範囲で2次微分値がばらついていた。すなわち、実験2では1.3×10-4 nm -1 の幅でばらつき、実験3では1.0×10-4 nm -1 の幅でばらつき、実験4では2.0×10-4 nm -1 の幅でばらつき、実験5では2.0×10-4 nm -1 の幅でばらついていた。このことから、「0近傍」において、2次微分値が負の方向へ1.0×10-4のnm -1 以上変位する点を変位点と判断しても良い。より許容範囲を広くして、1.3×10-4nm -1 以上変位する点を変位点と判断しても良い。さらに許容範囲を広くして、2.0×10-4nm -1 以上変位する点を変位点と判断しても良い。
なお、隔壁は、いずれもアクリル樹脂を主成分とする材料を使用して形成した。なお、アクリル樹脂を主成分とする材料として、組成が異なる材料も使用したが、材料の組成が異なる場合であっても、変位点が0h0以上となることで、ピンニング位置を高く保ち、未濡れ現象を抑制するという効果には変わりがなかった。
また、機能層のインクとしては、粘度3.8mPa・sから12.7mPa・sのインクを使ったが、機能層のインクが異なっている場合であっても、変位点が0h0以上となることで未濡れ現象を抑制できるという同様の効果を得られることを確認した。
また、図17から、周面の高さを長軸に沿って上面の一端からの距離で2次微分した値が0から負に変位する変位点が、高さ0.93h以上あることが好ましいことが読み取れる。
また、未濡れが観測されなかった系においては、機能層の上面と隔壁の周面との境界が変位点から高さ方向において40nm以内に位置していることが見て取れる。これは、2回目のCCRモードから再度CCAモードに移行せずに変位点のピンニングできていることで、ピンニング位置を高く保つことが出来ているためである。
同様に、未濡れが観測されなかった系においては、機能層の上面と隔壁の周面との境界が、前記境界は前記変位点から、長軸に沿った方向において440nm以内に位置していることも見て取れる。これも、2回目のCCRモードから再度CCAモードに移行せずに変位点のピンニングできていることで、ピンニング位置を高く保つことが出来ているためである。
なお、上述のケースは、2回目のCCRモードの際に、CCAモードに移行せず、機能層がピンニングする場合を例に説明した。しかしながら、ピンニングするまでにCCAモードを経る回数は2回等の具体的な数値に限られるものではない。すなわち、CCRモードを経る回数は2回以上であり、結果として変位点のピンニング位置が高くなればよい。
なお、隔壁の上面と周面との境界において2次微分値が連続していることが好ましいことを述べたが、隔壁の上面と周面との境界だけでなく、上面と周面との境界から下地層と周面との境界までの間の周面形状の2次微分値においても非連続が存在しないことが好ましい。
周面形状の2次微分値に非連続点が存在する場合は、周面の傾斜角度が急激に変化している(すなわち周面の形状が角張った点が存在している)ことを意味し、周面の角度が急激に変化している部分が成す角度によっては、機能層の段切れのリスクが高まってしまう。これに対して、上面と周面の接合部、及び側面形状そのものがなだらかである状態で、かつ、2次微分値が0近傍から負に変位する変位点が高さ0.9h以上に位置することで、段切れのリスクを抑制しながらピンニング位置を高くすることができる。
また、本実施の形態は、隔壁の上面が下地層と平行な面を有していることを図示して説明し、上面と周面を分けて記載した。しかし、隔壁の上面は下地層と平行でなくてもよく、また上面は単なる点であってもよい。例えば、隔壁の上面が下地層表面に対して傾斜している形状であり、「上面」とは隔壁のうち最も高さが高い点を意味するものであってもよい。
第2の電極は、有機発光層上に、有機発光層と接するように配置される。有機発光層と第2の電極の間には、必要に応じて電子輸送層あるいは電子注入層を配置してもよい。この場合、第2の電極は、電子輸送層あるいは電子注入層と接するように配置される。
第2の電極上には、有機発光層の水分や酸素による劣化を抑制するために、封止膜を設けてもよい。
(有機EL表示パネル10の製造方法)
実施の形態1に係る有機EL表示パネル10の製造方法の一例について図19(a)および図20を用いて説明する。当然ながら、この製造方法は一例に過ぎず、隔壁形成工程以外は、その他の公知の方法でも有機EL表示パネル10を製造できる。
先ず、基板本体を準備し(図19(a)のステップS1)、その表面にTFT(薄膜トランジスタ)を含む配線部を形成する(図19(a)のステップS2)。そして、配線部中の駆動TFTのゲート・ドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールを存在させつつ、前記配線部の上に平坦化膜を一様に形成する(図19(a)のステップS3)。これにより基板101を得る。
次に、基板101の上面に、各有機EL素子(発光素子)100R,100B,100G、バスバー領域100Xを形成する各形成予定領域に合わせ、陽極102と透明導電膜(電極被覆層103)とを順に積層形成する。また、バスバー領域100Xには、補助電極102Aと電極被覆層103Aとを順に積層形成する。(図19(a)のステップS4、ステップS5、図20(a))。このとき前記コンタクトホールを介して陽極102と前記配線部のSD電極とを電気接続する。
次に、電極被覆層103を含む基板101の基板上面全体を覆うように、ホール注入層104を積層形成する(図19(a)のステップS6)。
ここで陽極102の形成は、例えばスパッタリング法や真空蒸着法を用いAg薄膜を製膜した後、フォトリソグラフィ法を用いて当該Ag薄膜をパターニングすることにより行う。
また、電極被覆層103の形成は、例えば陽極102の表面に対し、スパッタリング法などを用いITO薄膜を製膜し、当該ITO薄膜をフォトリソグラフィ法などを用いパターニングして行う。
また、ホール注入層104の形成方法として、先ず、電極被覆層103の表面を含む基板101の表面に対し、スパッタリング法などを用いて金属膜を製膜する。その後、形成された金属膜を酸化してホール注入層104を得る。
次に、図20(b)に示すように、例えばスピンコート法などを用い、ホール注入層104の上を覆うように、隔壁材料層1050を形成する。隔壁材料層1050の形成には、感光性レジスト材料、例えば紫外線硬化型樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの絶縁性を有する有機材料を用いることができる。
次に隔壁材料層1050の上方に、隔壁105を形成しようとする箇所に所定パターンの開口部502が設けられたマスク501を配する。ここでは開口部502の幅D0を隔壁105の幅に合わせ、マスクのX方向幅を形成すべき隔壁105のX方向間隙(発光領域およびバスバー領域のX方向幅)に相当するS1またはS2に設定している。
この状態でマスク501の開口部502を通して紫外線(UV)を照射し、露光処理を行う。その後は所定の現像処理とベーク処理を実施することで隔壁105を形成できる(図19(a)のステップS7、図20(c))。
なお、隔壁105の材料に無機材料を用いる場合、隔壁材料層1050の形成方法としては、有機材料を用いる場合と同様に塗布法等を採用できる。前記無機材料のパターニングは、フォトエッチング法に基づき、所定のエッチング液(テトラメチルアンモニウムハイドロキシオキサイド(TMAH)溶液等)を用いてエッチングすることで行う。
この隔壁105の製造方法については、後ほど詳述する。
次に、隔壁105で規定された開口部である各塗布対象領域101R,101G,101Bに、所定のウェットプロセスに基づいて有機発光材料を含むインク液滴を滴下し、塗布する。
インクを塗布した後は、ベーキング処理または室温状態にて溶媒を蒸発乾燥させる。これにより適切に各有機発光層106R,106G,106Bが形成される(図19(a)のステップS8)。
次に、真空蒸着法等に基づき、有機発光層106R,106G,106Bの上面および隔壁105の表面105aにわたり、電子輸送層107、陰極108を順次形成する(図19(a)のステップS9、ステップS10、図20(d))。
その後、陰極108の上面に封止層109を形成することにより、有機EL表示パネル10が完成する(図19(a)のステップS11)。
(隔壁105の製造方法)
隔壁105は、アクリル樹脂をベースとして、感光剤および撥液剤を添加したものを材料として使用し、フォトリソグラフィにより形成した。フォトリソグラフィによる隔壁105の形成では、露光波長や露光量、現像後に2次露光(追加露光)を行うなどによって開口部のテーパー形状を制御することができるが、本実施例では、露光工程は、光源にg−h−i線(g線=436nm、h線=405nm、i線=365nm)を使用し、露光量を50〜500mJの範囲で、適宜露光量を調節しながら所望の隔壁105の形状を形成した。その後の現像工程、焼成工程を経て、高さ1μmの隔壁105を形成した。
隔壁105を形成後、UV−O3処理を隔壁105の表面105aに施し、アニソールに対して50°以上60°以下の接触角となるよう、隔壁105の表面105aの撥液性を制御した。
<実施の形態2>
次に、本発明の別の態様として、図19(b)および図21〜図23を用い、TFTの製造方法(およびTFT基板の製造方法)を例示する。
(TFT基板101の形成方法)
図21(a)に示すように、基板本体1011の主面上にゲート電極1012a,1012bを形成する(図19(b)のステップS21)。ゲート電極1012a,1012bの形成に関しては、上記陽極102の形成方法と同様の方法とすることができる。
次に、図21(b)に示すように、ゲート電極1012a,1012bおよび基板本体1011の上を覆うように、絶縁層1013を積層形成する(図19(b)のステップS22)。
そして、図21(c)に示すように、絶縁層1013の主面上に、ソース電極1014a,1014bおよびドレイン電極1014c,1014d、接続配線1015をそれぞれ形成する(図19(b)のステップS23)。
次に、図22(a)に示すように、ソース電極1014a,1014b、ドレイン電極1014c、1014d、接続配線1015、さらには絶縁層1013の露出部1013a,1013b上を覆うように、隔壁1016を形成するための感光性レジスト材料膜10160を堆積させる(図19(b)のステップS24)。
そして、図22(b)に示すように、フォトリソグラフィ法に基づき、堆積させた感光性レジスト材料膜10160に対し、上方にマスク501を配し、マスク露光およびパターニングを施す(図19(b)のステップS25)。ここで、マスク501には、隔壁1016を形成しようとする部分に窓部501a,501b,501c,501dが開けられている。なお、図22(b)では、図示を省略しているが、マスク501には、窓部501a,501b,501c,501dが開けられた領域以外にも隔壁1016を形成する部分に窓部が設けられている。
上記のようにして、図22(c)に示す隔壁1016を形成することができる(図19(b)のステップS26)。なお、隔壁1016の形成に当たっては、実施の形態1に示したように、露光波長や露光量、現像後に2次露光(追加露光)を行うなどによって開口部のテーパー形状を制御することができる。本実施例では、これらの条件を適宜変更することにより、所望の隔壁1016の形状を形成した。
隔壁1016は、開口部1016a,1016b,1016cを含む複数の開口部を規定する。開口部1016aでは、接続配線1015が囲繞され、開口部1016bでは、ソース電極1014aおよびドレイン電極1014cが囲繞され、開口部1016cでは、その底部でソース電極1014bおよびドレイン電極1014dが囲繞されている。そして、開口部1016b,1016cの各々においては、ソース電極1014a,1014bおよびドレイン電極1014c,1014dが、それぞれ所定の位置関係を以って配置されている。
次に、塗布装置を用いて、図23(a)に示すように、隔壁1016により規定される塗布対象領域(開口部1016b,1016c)に対し、有機半導体層(半導体層)1017a,1017bを形成するための有機半導体インク10170a,10170bを塗布する(図19(b)のステップS27)。
次に、有機半導体インク10170a,10170bを乾燥させることにより(図19(b)のステップS28)、図23(b)に示すように、開口部1016b,1016cに対して、有機半導体層1017a,1017bを各々形成することができる(図19(b)のステップS29)。
最後に、図23(b)に示すように、開口部1016aを含むコンタクト領域など除く全体を覆うように、パッシベーション膜1018を形成することにより(図19(b)のステップS30)、TFT基板101が完成する。
なお、上記TFT基板101は、ボトムゲート構造のトランジスタの例であるが、本実施の一態様に係るトランジスタは、トップゲート構造であっても良い。
(隔壁1016の側面形状)
隔壁1016の側面形状は、下地層の上面(具体的には、ソース電極1014a又はドレイン電極1014cの上面)を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する側面を有し、側面の高さhを、開口部の長軸に沿った方向における隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が0近傍から負に変位する変位点が、0.9h0以上であることが好ましい。
この構成より、機能層のピンニング位置を高く保つことができ、機能層の未濡れを抑制することができる。
そのため、開口部の長軸に沿った方向における隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が0近傍から負に変位する変位点が、0.9h0以上1.0h0未満であることが好ましい。
なお、実施の形態1で述べたように、隔壁の形状を2次微分した値が上面と周面の境界において非連続状態となることは、隔壁1016の上面と側面の境界における、前記上面と前記側面が境界を境にしてそれぞれの傾斜角度が急激に変化することを意味する。この場合、機能層より上層に形成する層の形成において、境界において段切れあるいはボイドの原因となり、薄膜トランジスタの品質を損なう恐れがある。そのため、2次微分した値が上面と周面の境界において連続していることが好ましい。
3.その他の事項
本発明の機能膜の製造方法を有機EL表示パネルの製造方法に適用する場合は、当然ながら有機発光層の製造のみならず、ホール注入層104や正孔輸送層等、ウェットプロセスにて材料を塗布する工程を持つ、その他の機能層の製造にも適用することが可能である。
表示パネル10では、有機発光層106R,106G,106Bの下方に陽極102、有機発光層106R,106G,106Bの上方に陰極108を配設したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば陽極102と陰極108の位置を逆に配設することもできる。陽極102と陰極108の位置を逆に配設する構成でトップエミッション型とする場合、陰極108を反射電極層とし、陽極102を透明電極層とする必要がある。
また上記実施の形態1では、RGB各発光色に対応する各有機発光層106R,106G,106Bを形成したが、表示パネル上にはRGB以外の組み合わせの各色や、単色だけの有機発光層を形成してもよい。
また上記実施の形態1、2では、表示素子やトランジスタに隔壁が使用された形態について述べたが、隔壁の使用用途はこれらに限定されず、照明、デバイスに使用されるものであってもよい。
また、上記実施の形態1では、隔壁105をピクセル隔壁構造としたが、本発明はこれに限定されず、隔壁をライン隔壁構造とすることもできる。ライン隔壁を採用した場合には、隔壁の両端部の形状に本発明を適用することで、同様の効果を期待できる。
本発明の発光素子は、テレビや携帯電話、パーソナルコンピュータなどの電子情報端末のディスプレイ、また照明素子として有用である。
100 有機EL素子(発光素子)
101 基板
102 陽極(第1の電極)
103 電極被覆層
104 ホール注入層
105,1016 隔
106 有機発光層(機能層)
107 電子輸送層
108 陰極(第2の電極)
109 封止層
110 下地層
1011 基板
1012 ゲート電極
1013 絶縁層
1014 ソース電極、ドレイン電極
1017 有機半導体層(半導体層)

Claims (12)

  1. 第1の電極を含む下地層と、
    長軸と短軸を有する形状からなる開口部を、前記下地層上に規定する隔壁と、
    前記開口部内に位置し、前記下地層の上面と接する機能層と、
    前記機能層を介して前記第1の電極と対向する第2の電極と、を有し、
    前記隔壁は、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、前記隔壁の上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する前記開口部を臨む周面を有し、前記周面の高さhを、前記長軸に沿った方向における前記隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h0以上に位置し、
    前記機能層の上面が、前記変位点において前記周面と接していることを特徴とする発光素子。
  2. 前記変位点が、高さ0.93h0以上に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記機能層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも下方に位置し、前記境界は前記変位点から前記高さ方向において40nm以内に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記機能層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも前記隔壁の上面に対して離れて位置し、前記境界は前記変位点から、前記長軸に沿った方向において440nm以内に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子。
  5. 前記機能層が塗布法により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 前記隔壁の周面を2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界から前記下地層と前記周面との境界までの間において、連続していることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子。
  7. 長軸と短軸を有する形状からなる開口部を規定する隔壁と、
    前記開口部の下方又は上方に位置するゲート電極と、
    前記ゲート電極よりも前記開口部に近接した領域に位置するゲート絶縁膜と、
    前記隔壁の下側に位置し、前記開口部内に少なくとも一部が位置するソース電極およびドレイン電極を有する下地層と、
    前記開口部内であって、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向する領域に位置し、前記下地層と接する半導体層と、を有し、
    前記隔壁は、前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記下地層の上面を基準としたときに、高さh0に位置する上面と、前記隔壁の上面と連続して前記h0未満の高さhに位置する前記開口部を臨む周面を有し、前記周面の高さhを、前記長軸に沿った方向における前記隔壁の上面と周面との境界からの距離xで2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界において連続しており、かつ、0近傍から負に変位する変位点が、高さ0.9h0以上に位置し、
    前記半導体層の上面が、前記変位点において前記周面と接していることを特徴とするトランジスタ。
  8. 前記変位点が、高さ0.93h0以上に位置することを特徴とする請求項7に記載のトランジスタ。
  9. 前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記半導体層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも下方に位置し、前記境界は前記変位点から前記高さ方向において40nm以内に位置することを特徴とする請求項7又は8に記載のトランジスタ。
  10. 前記開口部の長軸に沿ってかつ前記下地層の上面に垂直な断面において、前記半導体層の上面と前記周面との境界は、前記変位点よりも前記隔壁の上面に対して離れて位置し、前記境界は前記変位点から、前記長軸に沿った方向において440nm以内に位置することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のトランジスタ。
  11. 前記半導体層が塗布法により形成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のトランジスタ。
  12. 前記隔壁の周面を2次微分した値が、前記隔壁の上面と前記周面との境界から前記下地層と前記周面との境界までの間において、連続していることを特徴する請求項7〜11のいずれかに記載のトランジスタ。
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