JP6081938B2 - 無停電電源装置 - Google Patents
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Description
本発明は無停電電源装置に関し、特に、冷却ファンを備えた無停電電源装置に関する。
従来より、コンピュータシステム等の重要負荷に交流電力を安定的に供給する電源装置として、無停電電源装置が広く用いられている。無停電電源装置は、一般的に、商用交流電力を直流電力に変換するコンバータと、コンバータで生成された直流電力またはバッテリからの直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するインバータと、インバータで生成された交流電力により駆動され、無停電電源装置の本体部が収容された筺体内を冷却する冷却ファンと、を備える。(たとえば、非特許文献1等参照)。
無停電電源装置は、複数の冷却ファンを用いて筺体内部に格納されている各種電気部品を冷却している。冷却ファンの故障台数があらかじめ定められた数に達すると、無停電電源装置は、重故障の発生として検知し、負荷への交流電力の供給元をインバータからバイパス給電に切り替える。
Mitsubishi Electric Power Products,Inc.のインターネットのホームページ記載の9900B UPSシリーズ。
emersonnetworkpower.comのインターネットのホームページ記載のEMERSON Liebert APMシリーズ。
故障していない残りの冷却ファンで、盤内温度を設定範囲内に保つことが可能な場合(たとえば、無停電電源装置が低負荷時の場合)に、冷却ファンの故障台数に基づき、一律に負荷への交流電力の供給をバイパス給電に切り替えると、無停電電源装置の機能を十分に発揮出来ない、という問題がある。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、盤内温度を考慮した信頼性の高い無停電電源装置を提供することである。
この発明に係る無停電電源装置は、交流入力端子に供給される交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータと、コンバータが出力する直流電力または電力貯蔵装置が出力する直流電力を一定周波数で一定電圧の第1の交流電力に変換し、第1のスイッチを経由して、出力端子へ出力するインバータと、バイパス入力端子に供給される第2の交流電力の出力端子への出力を制御する第2のスイッチと、盤内温度を検知する温度検知器と、インバータが出力する第1の交流電力により駆動され、筺体内を冷却する複数の冷却ファンと、複数の冷却ファンの故障台数と規定値との比較結果に基づき、複数の冷却ファンの動作状況を判定するファン故障検知回路と、ファン故障検知回路の判定結果に基づき、第1のスイッチおよび第2のスイッチの導通状態を制御する電源制御回路と、を備え、ファン故障検知回路は、盤内温度に基づき、規定値を設定する。
この発明に係る無停電電源装置は、交流入力端子に供給される交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータと、コンバータが出力する直流電力または電力貯蔵装置が出力する直流電力を一定周波数で一定電圧の第1の交流電力に変換し、第1のスイッチを経由して、出力端子へ出力するインバータと、バイパス入力端子に供給される第2の交流電源の出力端子への出力を制御する第2のスイッチと、盤内温度を検知する温度検知器と、インバータが出力する第1の交流電力により駆動され、筺体内を冷却する複数の冷却ファンと、複数の冷却ファンの故障台数と規定値との比較結果に基づき、複数の冷却ファンの動作状況を判定するとともに、複数の冷却ファンに故障が発生していない場合、複数の冷却ファンの台数より少ない運転台数を設定するファン運転台数制御回路と、ファン運転台数制御回路の判定結果に基づき、第1のスイッチおよび第2のスイッチの導通状態を制御する電源制御回路と、を備え、ファン運転台数制御回路は、盤内温度に基づき、規定値を設定する。
好ましくは、電源制御回路は、複数の冷却ファンに故障が発生していない場合、第1のスイッチをオンに設定するとともに、第2のスイッチをオフに設定し、複数の冷却ファンの故障台数が1以上、かつ規定値未満である場合、第1のスイッチをオンに設定するとともに、第2のスイッチをオフに設定し、複数の冷却ファンの故障台数が規定値より大きい場合、第1のスイッチをオフに設定するとともに、第2のスイッチをオンに設定する。
好ましくは、電源制御回路は、複数の冷却ファンの故障台数が1以上、かつ規定値未満である場合、さらに警告手段を活性化する。
本発明によれば、負荷への供給電力を考慮した信頼性の高い無停電電源装置を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載ある場合を除き、必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の図面において、同一の参照符号や参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、実施の形態の説明において、同一の参照符号等を付した部分等に対しては、重複説明は繰り返さない場合がある。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る無停電電源装置100の構成を示す回路ブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無停電電源装置100の構成を示す回路ブロック図である。
無停電電源装置100は、本体部を収容した筺体(模式的に、無停電電源装置100を示す一点破線と同一とし、以下、筺体100、と記載する場合もある。)、筺体100に設けられたバイパス入力端子T1、交流入力端子T2、バッテリ端子T3、および出力端子T4を備える。バイパス入力端子T1および交流入力T2の各々は、交流電源から交流電力を受ける。交流電源は、商用交流電源、自家用発電機などである。交流電力は、三相または単相である。バッテリ端子T3は、バッテリ30の正極30aに接続されている。バッテリ30は、無停電電源装置100の筺体とは別の筺体14内に収容されている。出力端子T4には、負荷23が接続される。また、筺体100の外壁には、コンバータ運転/停止指令部1aおよびインバータ運転/停止指令部1bが設けられる。
筐体100内には、主制御回路1、スイッチ2,10,15,18、ヒューズ3,16、リアクトル4,8、コンバータ5、コンデンサ6,9、インバータ7、変流器21、およびSTS(Static transfer Switch)12が設けられている。スイッチ2、ヒューズ3、リアクトル4、コンバータ5、インバータ7、リアクトル8、およびスイッチ10は、この順に、交流入力端子T2と出力端子T4との間に直列接続される。変流器21は、スイッチ10から出力端子T4に流出する負荷電流の値を測定する。
ヒューズ16およびスイッチ15は、この順に、コンバータ5の出力端子とバッテリ端子T3との間に直列接続される。コンデンサ6は、コンバータ5の出力と基準電圧のライン(図示せず)との間に接続される。コンデンサ9は、リアクトル8の出力端子と基準電圧のラインとの間に接続される。スイッチ13およびSTS12は、バイパス入力端子T1と出力端子T4との間に並列接続される。
コンバータ運転/停止指令部1aおよびインバータ運転/停止指令部1bの各々は、無停電電源装置100の使用者によって操作される。コンバータ5を運転させる場合は、コンバータ運転/停止指令部1aのスイッチ(図示せず)がオン(導通状態に設定)され、信号φ1aが「H」レベルにされる。コンバータ5の運転を停止させる場合は、コンバータ運転/停止指令部1aのスイッチ(図示せず)がオフ(非導通状態に設定)され、信号φ1aが「L」レベルにされる。
インバータ7を運転させる場合は、インバータ運転/停止指令部1bのスイッチ(図示せず)がオンされ、信号φ1bが「H」レベルにされる。インバータ7の運転を停止させる場合は、インバータ運転/停止指令部1bのスイッチ(図示せず)がオフされ、信号φ1bが「L」レベルにされる。主制御回路1は、信号φ1aおよび信号φ1bに従って、無停電電源装置100全体を制御する。
スイッチ2は、信号φ1aが「H」レベルの場合にオンされ、信号φ1aが「L」レベルの場合にオフされる。ヒューズ3は、交流入力端子T2からコンバータ5に過大な電流が流れた場合にブローされ、コンバータ5などを保護する。リアクトル4は、コンバータ5で発生したキャリア周波数の信号を遮断し、キャリア周波数の信号が交流電源側に悪影響を及ぼすことを防止する。
コンバータ5は、信号φ1aが「H」レベルの場合に主制御回路1によって制御され、交流電源から交流入力端子T2を介して供給された交流電力を直流電力に変換する。信号φ1aが「L」レベルの場合、コンバータ5の運転は停止される。
ヒューズ16は、コンバータ5およびインバータ7間のノードとバッテリ30との間に過大な電流が流れた場合にブローされ、コンバータ5、インバータ7、バッテリ30などを保護する。スイッチ15は、主制御回路1によって制御され、バッテリ30の充電および放電を行なう場合にオンされ、バッテリ30の交換時などにオフされる。コンデンサ6は、コンバータ5で生成された直流電圧を平滑化する。
インバータ7は、信号φ1bが「H」レベルの場合に主制御回路1によって制御され、コンバータ5によって生成された直流電力、またはバッテリ30から供給された直流電力を交流電力に変換する。インバータ7で生成される交流電力の周波数および位相は、交流電源から供給される交流電力の周波数および位相と同一である。また、インバータ7で生成される交流電力の周波数および電圧は、一定である。信号φ1bが「L」レベルの場合、インバータ7の運転は停止される。リアクトル8およびコンデンサ9は、出力フィルタを構成し、インバータ7で発生したキャリア周波数の信号を遮断し、キャリア周波数の信号が負荷23に悪影響を及ぼすことを防止する。
スイッチ10は、主制御回路1によって制御され、インバータ7によって生成された交流電力を負荷23に供給するインバータ給電モード時にオンされる。また、スイッチ13は、主制御回路1によって制御され、交流電源からバイパス入力端子T1を介して供給される交流電力を負荷23に供給するバイパス給電モード時にオンされる。STS12は、インバータ給電モード時にインバータ7が故障した場合にオンし、交流電源からバイパス入力端子T1を介して供給される交流電力を負荷23へ瞬時に与える。次いで、スイッチ13がオンされ、スイッチ10がオフおよびSTSがオフされ、バイパス給電モードで負荷23に交流電力が供給される。変流器21は、スイッチ10と出力端子T4との間に設けられ、出力端子T4を経由して負荷23へ供給される負荷電流を検知し、無停電電源回路100の動作を制御する。
この無停電電源装置100の起動時および停電時の動作について説明する。
無停電電源装置100の起動時は、まずスイッチ2,15がオンされ、コンバータ5が運転され、コンデンサ6およびバッテリ30の充電が行なわれる。コンデンサ6およびバッテリ30の充電が終了すると、インバータ7が運転される。インバータ7の出力電圧が安定したら、スイッチ10がオンされ、インバータ給電モードで負荷23に交流電力が供給される。交流電源から交流電力が供給されている正常時は、その交流電力がコンバータ5によって直流電力に変換される。コンバータ5で生成された直流電力は、バッテリ30およびインバータ7に供給される。インバータ7は、コンバータ5から供給される直流電力を一定周波数で一定電圧の直流電力に変換して負荷23に供給する。
無停電電源装置100の起動時は、まずスイッチ2,15がオンされ、コンバータ5が運転され、コンデンサ6およびバッテリ30の充電が行なわれる。コンデンサ6およびバッテリ30の充電が終了すると、インバータ7が運転される。インバータ7の出力電圧が安定したら、スイッチ10がオンされ、インバータ給電モードで負荷23に交流電力が供給される。交流電源から交流電力が供給されている正常時は、その交流電力がコンバータ5によって直流電力に変換される。コンバータ5で生成された直流電力は、バッテリ30およびインバータ7に供給される。インバータ7は、コンバータ5から供給される直流電力を一定周波数で一定電圧の直流電力に変換して負荷23に供給する。
交流電源からの交流電力の供給が停止された停電時は、スイッチ2がオフされるとともにコンバータ5の運転が停止され、バッテリ30の直流電力がインバータ7に供給される。インバータ7は、バッテリ30から供給される直流電力を一定周波数で一定電圧の交流電力に変換して負荷23に供給する。このように、停電が発生した場合でも、バッテリ30に直流電力が蓄えられている限り、負荷23の運転を継続することができる。停電が短時間で回復した場合は、再度、スイッチ2をオンし、コンバータ5を運転してインバータ給電モードに戻る。
筺体100内には、さらに、複数のスイッチ18、複数のサーマルリレー24、および複数の冷却ファン17と、ファン故障検知回路25と、電源制御回路20と、筺体100の内部温度(盤内温度、とも記載する)を検知する温度検知器27が設けられている。
各スイッチ18の一端は、リアクトル8の出力端子と接続され、各スイッチ18の他端は、それぞれ、対応するサーマルリレー24の一端と接続される。各サーマルリレー24の他端は、それぞれ、対応する冷却ファン17と接続される。各冷却ファン17には、直列接続されたスイッチ18およびサーマルリレー24を経由して、リアクトル8の出力端子に生成された交流電力が供給される。主制御回路1は、図示しない温度センサによる筺体温度の検知結果に基づきスイッチ18のオン/オフ制御を行い、筺体100内の温度を調整する。
冷却ファン17は、ファンおよびファンを駆動する電動機を含むともに、電動機に故障が発生した場合、故障検知信号S17をファン故障検知回路25へ出力する。ファン故障検知回路25は、各冷却ファン17が出力する故障検知信号S17、および温度検知器27が出力する盤内温度信号S27に基づき、複数の冷却ファン17の動作状況を「正常」、「警報」、および「重故障」のいずれかに該当するかを判定し、電源制御回路20へ出力する。電源制御回路20は、ファン故障検知回路25の判定結果に基づきスイッチ制御信号S20を生成してスイッチ10、およびスイッチ13のオン/オフ制御を行うとともに、図示しない警報ブザーの制御を行う。ここで、「重故障」とは、あらかじめ定められた台数の冷却ファン17が故障した状態を、「正常」とは、複数の冷却ファン17のいずれにも故障が発生していない状態を意味する。
図2は、図1の無停電電源装置100が備えるファン故障検知回路25の動作を説明するフロー図である。
ファン故障検知回路25は、上述の通り、複数ある冷却ファン17がそれぞれ出力する故障検知信号S17と、温度検知器27が出力する盤内温度信号27に基づき、冷却ファン17の動作状況を、「正常」、「警報」、および「重故障」のいずれかに該当するかを判定し、無停電電源装置100の給電モードと警報ブザーの動作を設定する。
筺体100の内部温度(盤内温度)が許容温度範囲の上限値に対して十分小さい場合、盤内温度を許容温度範囲に保つために必要な冷却ファン17の稼働台数は、盤内温度が上限値である場合と比較し、少なくても良い。換言すれば、複数設けられている冷却ファン17に対し、「重故障」と判断すべき冷却ファン17の故障台数(以下、規定値、とも記載する)を、盤内温度が低下するに従い、より大きく設定し得る。
ファン故障検知回路25は、温度検知器27が出力する盤内温度信号S27に基づき、規定値を算出する。この規定値は、盤内温度信号S27の値(盤内温度)が上限値のとき、最小値に設定され、盤内温度が低下するに従い、より小さく設定される。複数台ある冷却ファン17は、各々、電動機に故障が発生しているか否かを、故障検知信号S17でファン故障検知回路25へ通知する。筺体100に設置されている冷却ファン17のいずれも正常である場合(ファン正常通知)、ファン故障検知回路25は、冷却ファン17の冷却機能が「正常」状態にあると判定する。無停電電源装置100は、その判定結果に基づき、インバータ給電モード(スイッチ10はオン、スイッチ13はオフ)を維持する。
筺体100に設置されている冷却ファン17に故障が発生している場合、ファン故障検知回路25は、冷却ファン17の故障台数と規定値を比較する。故障台数が規定値以下である場合(「故障台数>規定値」がNO)、ファン故障検知回路25は、冷却ファン17の冷却機能が「警報」状態にあると判定する。無停電電源装置100は、その判定結果に基づき、インバータ給電モードを維持しつつ、使用者に注意を促すための警報を鳴らす。なお、警報は一例であり、警告ランプの点灯や文字表示等、警告手段の活性化であれば良い。故障台数が規定値より大きい場合(「故障台数>規定値」がYES)、ファン故障検知回路25は、冷却ファン17の冷却機能が「重故障」状態にあると判定する。無停電電源装置100は、その判定結果に基づき、バイパス給電モード(スイッチ10はオフ、スイッチ13はオン)を選択する。
無停電電源装置100の効果を説明する。
従来、重故障と判定される冷却ファンの故障台数は、無停電電源装置が最大定格負荷で運転しているという条件のもとに、設定されているため、無停電電源装置が軽負荷で運転している場合、無停電電源装置の筺体内の温度が許容温度範囲の最大値に上昇する前に重故障判定されていた。重故障判定されると、無停電電源装置は、インバータ給電モードをバイパスモードに変更し、負荷への交流電力の供給源を、インバータ7からバイパス入力端子T1と接続される交流電源へ切り替える。この給電モードへの切り替えは、無停電電源装置の破壊防止と負荷への無停電電源供給を実現するものであるが、瞬停保護に対する無停電電源装置の機能を十分に発揮することが困難であった。
従来、重故障と判定される冷却ファンの故障台数は、無停電電源装置が最大定格負荷で運転しているという条件のもとに、設定されているため、無停電電源装置が軽負荷で運転している場合、無停電電源装置の筺体内の温度が許容温度範囲の最大値に上昇する前に重故障判定されていた。重故障判定されると、無停電電源装置は、インバータ給電モードをバイパスモードに変更し、負荷への交流電力の供給源を、インバータ7からバイパス入力端子T1と接続される交流電源へ切り替える。この給電モードへの切り替えは、無停電電源装置の破壊防止と負荷への無停電電源供給を実現するものであるが、瞬停保護に対する無停電電源装置の機能を十分に発揮することが困難であった。
それに対し、無停電電源装置100によれば、複数設けられている冷却ファン17に対し、「重故障」と判断すべき冷却ファン17の故障台数(規定値)は、盤内温度が低下するに従い、より大きく設定される。重故障判定の判断基準となる冷却ファン17の故障台数(規定値)を、盤内温度に応じて最適化することで、本来不要な重故障判定の発生回数が低減され、無停電電源装置100の信頼性向上および機能発揮を実現することが可能となる。
<実施の形態2>
図3は、本発明の実施の形態2に係る無停電電源装置200の構成を示す回路ブロック図である。
図3は、本発明の実施の形態2に係る無停電電源装置200の構成を示す回路ブロック図である。
図3において、図1と同一の符号が付されたものは、同一の構成または機能を備え、それらの重複説明は省略される。図3の無停電電源装置200は、図1の無停電電源装置100において、ファン故障検知回路25をファン運転台数制御回路26に置換するとともに、ファン運転台数制御回路26は、稼働すべき冷却ファンを選択する冷却ファン選択信号S26に基づき、スイッチ18のオン/オフ制御を行う。
図4は、図3の無停電電源装置200が備えるファン運転台数制御回路26の動作を説明するフロー図である。
ファン運転台数制御回路26は、複数ある冷却ファン17がそれぞれ出力する故障検知信号S17と、温度検知器27が出力する盤内温度信号27に基づき、冷却ファン17の動作状況を、「正常」、「警報」、および「重故障」のいずれかに該当するかを判定し、無停電電源装置200の給電モードと警報ブザーを設定する。
ファン運転台数制御回路26は、温度検知器27が出力する盤内温度信号27に基づき、「重故障」と判断すべき冷却ファン17の故障台数(規定値)を算出する。この規定値は、図1のファン故障検知回路25と同様に、盤内温度信号S27の値(盤内温度)が設定範囲の上限値のとき、最小値に設定され、盤内温度が減少するに従い、より小さく設定される。複数台ある冷却ファン17は、各々、電動機に故障が発生しているか否かを、故障検知信号S17でファン故障検知回路25へ通知する。
筺体200に設置されている冷却ファン17のいずれも正常である場合(ファン正常通知)、ファン運転台数制御回路26は、冷却ファン17の冷却機能が「正常」状態にあると判定する。無停電電源装置200は、その判定結果に基づき、インバータ給電モード(スイッチ10はオン、スイッチ13はオフ)を維持する。さらに、ファン運転台数制御回路26は、規定値より小さい値の範囲で、運転を停止する冷却ファン17の台数を算出する。例えば、冷却ファン17が10台あり、規定値が5である場合、ファン運転台数制御回路26は、冷却ファン選択信号S26に基づき、4台の冷却ファン17の運転を停止し、6台の冷却ファン17を運転させる。
筺体200に設置されている冷却ファン17に故障が発生している場合、ファン運転台数制御回路26は、冷却ファン17の故障台数と規定値を比較する。故障台数が規定値以下である場合(「故障台数>規定値」がNO)、ファン運転台数制御回路26は、冷却ファン17の冷却機能が「警報」状態にあると判定する。無停電電源装置200は、その判定結果に基づき、インバータ給電モードを維持しつつ、使用者に注意を促すために警報手段を活性化する。故障台数が規定値より大きい場合(「故障台数>規定値」がYES)、ファン運転台数制御回路26は、冷却ファン17の冷却機能が「重故障」状態にあると判定する。無停電電源装置200は、その判定結果に基づき、バイパス給電モード(スイッチ10はオフ、スイッチ13はオン)を選択する。
無停電電源装置200の効果を説明する。
無停電電源装置200によれば、複数設けられている冷却ファン17のすべてが正常に動作可能な場合に、「重故障」と判断すべき冷却ファン17の故障台数(規定値)より少ない台数の冷却ファン17の運転を停止させることで、冷却ファン17の長寿命化が実現される。無停電電源装置を構成する部品の中でも、冷却ファンは比較的寿命の短い部品であるため、小型の冷却ファンを多数搭載して冗長性を持たせた無停電電源装置において、冷却ファンの一部を停止させる構成は、特に有効である。
無停電電源装置200によれば、複数設けられている冷却ファン17のすべてが正常に動作可能な場合に、「重故障」と判断すべき冷却ファン17の故障台数(規定値)より少ない台数の冷却ファン17の運転を停止させることで、冷却ファン17の長寿命化が実現される。無停電電源装置を構成する部品の中でも、冷却ファンは比較的寿命の短い部品であるため、小型の冷却ファンを多数搭載して冗長性を持たせた無停電電源装置において、冷却ファンの一部を停止させる構成は、特に有効である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 主制御回路、1a コンバータ運転/停止指令部、1b インバータ運転/停止指令部、2,10,13,15,18 スイッチ、3,16 ヒューズ、4,8 リアクトル、5 コンバータ、6,9 コンデンサ、7 インバータ、14 筺体、17 冷却ファン、20 電源制御回路、21 変流器、23 負荷、24 サーマルリレー、25 ファン故障検知回路、26 ファン運転台数制御回路、27 温度検知器、30 バッテリ、30a 正極、100,200 無停電電源装置(筺体)、S17 故障検知信号、S20 スイッチ制御信号、S26 冷却ファン選択信号、S27 盤内温度信号、T1 バイパス入力端子、T2 交流入力端子、T3 バッテリ端子、T4 出力端子、φ1a,φ1b 信号。
Claims (4)
- 筺体内に設けられた無停電電源装置であって、
交流入力端子に供給される交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータと、
前記コンバータが出力する直流電力または電力貯蔵装置が出力する直流電力を一定周波数で一定電圧の第1の交流電力に変換し、第1のスイッチを経由して、出力端子へ出力するインバータと、
バイパス入力端子に供給される第2の交流電力の前記出力端子への出力を制御する第2のスイッチと、
盤内温度を検知する温度検知器と、
前記インバータが出力する前記第1の交流電力により駆動され、前記筺体内を冷却する複数の冷却ファンと、
前記複数の冷却ファンの故障台数と規定値との比較結果に基づき、前記複数の冷却ファンの動作状況を判定するファン故障検知回路と、
前記ファン故障検知回路の判定結果に基づき、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの導通状態を制御する電源制御回路と、
を備え、
前記ファン故障検知回路は、前記盤内温度に基づき、前記規定値を設定する、無停電電源装置。 - 筺体内に設けられた無停電電源装置であって、
交流入力端子に供給される交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータと、
前記コンバータが出力する直流電力または電力貯蔵装置が出力する直流電力を一定周波数で一定電圧の第1の交流電力に変換し、第1のスイッチを経由して、出力端子へ出力するインバータと、
バイパス入力端子に供給される第2の交流電源の前記出力端子への出力を制御する第2のスイッチと、
盤内温度を検知する温度検知器と、
前記インバータが出力する前記第1の交流電力により駆動され、前記筺体内を冷却する複数の冷却ファンと、
前記複数の冷却ファンの故障台数と規定値との比較結果に基づき、前記複数の冷却ファンの動作状況を判定するとともに、前記複数の冷却ファンに故障が発生していない場合、前記複数の冷却ファンの台数より少ない運転台数を設定するファン運転台数制御回路と、
前記ファン運転台数制御回路の判定結果に基づき、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの導通状態を制御する電源制御回路と、
を備え、
前記ファン運転台数制御回路は、前記盤内温度に基づき、前記規定値を設定する、無停電電源装置。 - 前記電源制御回路は、
前記複数の冷却ファンに故障が発生していない場合、前記第1のスイッチをオンに設定するとともに、前記第2のスイッチをオフに設定し、
前記複数の冷却ファンの故障台数が1以上、かつ前記規定値以下である場合、前記第1のスイッチをオンに設定するとともに、前記第2のスイッチをオフに設定し、
前記複数の冷却ファンの故障台数が前記規定値より大きい場合、前記第1のスイッチをオフに設定するとともに、前記第2のスイッチをオンに設定する、請求項1または請求項2記載の無停電電源装置。 - 前記電源制御回路は、前記複数の冷却ファンの故障台数が1以上、かつ前記規定値以下である場合、さらに警告手段を活性化する、請求項3記載の無停電電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014030579A JP6081938B2 (ja) | 2014-02-20 | 無停電電源装置 |
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JP2014030579A JP6081938B2 (ja) | 2014-02-20 | 無停電電源装置 |
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