JP6079029B2 - 光学素子の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
ば、密着複層型の回折光学素子である位相フレネルレンズの成形加工を行う場合、円盤状
のガラス基板と該ガラス基板に近接させた成形型との間隙に第1の樹脂材を充填し、回折
格子を有する第1の樹脂層を成形する。さらに、第1の樹脂層の上に滴下された屈折率の
異なる第2の樹脂材に対して成形型を押圧させ、第2の樹脂層を成形する。これにより、
密着複層型の回折光学素子を成形することができる。
脂層と第2の樹脂層との境界部に気泡が混入するおそれがあった。
また、前記気泡は、前記成形材料が前記凹凸パターンを乗り越えて広がる際に空気を巻き込むことで発生する気泡である。
また、前記限界速度は、前記凹凸パターンの凹凸が高いほど、低くなる。
また、前記限界速度は、前記第1部材の前記表面に供給する前記成形材料の粘度が低いほど、高くなる。
格子形状であることが好ましい。
の回折光学素子であってもよい。
しい。
1実施形態として回折レンズ1が図2に示されている。なお、以下の第1および第2実施
形態で述べる回折光学素子は、カメラの交換レンズや、顕微鏡、望遠鏡等の光学機器に用
いられるものである。
樹脂部材4とを有して構成される。レンズ基材2は、透明のガラス材料を用いて円盤状に
成形され、レンズ基材2の表面(樹脂部材4と接合する方の面)には、複数の輪帯が同心
円状に並ぶ回折格子5が形成されている。樹脂部材4は、透明の樹脂材料を用いて円盤状
に成形される。なお、第1実施形態において、説明容易化のため、断面図のハッチングを
適宜省略している。
を参照しながら説明する。まず、回折レンズ1の成形加工を行うための条件出しを行う(
ステップST101)。そして、先のステップST101で求めた加工条件により、回折
レンズ1の成形加工を行う(ステップST102)。
。次に、作製したレンズ基材2を図示しないステージ上に載置する。そして、レンズ基材
2の上に樹脂部材4を重ねて密着させるように成形し接合させる。樹脂部材4を成形する
際、図1(a)に示すように、レンズ基材2の表面中央部に樹脂部材4を成形するための
紫外線硬化特性を有する未硬化の(液状の)樹脂材4aを塗布し、樹脂材4aが塗布され
たレンズ基材2の表面に成形型(金型)10を上方から近づけて、樹脂材4aを略円盤状
に押し広げる。この状態で、レンズ基材2の裏面側から樹脂材4aに向けて紫外線を所定
の照射量だけ照射し、未硬化の樹脂材4aを硬化させた後、離型する。なお、成形型10
の表面(転写面)は平面となるように形成される。また、成形型10の表面(転写面)は
、球面や非球面であってもよく、樹脂部材4の形状に応じて決定される。
、当該樹脂部材4がレンズ基材2の表面に接合される。なお、樹脂部材4に用いられる成
形材料(樹脂材4a)として紫外線硬化樹脂が用いられる。このようにして、レンズ基材
2の上に樹脂部材4が成形された回折レンズ1が製造される。
加工条件の一つに、成形型10をレンズ基材2に近づける接近速度がある。本実施形態で
は、この接近速度を、所定の気泡発生速度よりも低い速度となるように、成形型10とレ
ンズ基材2との間の距離が短くなるほど、段階的にまたは連続的に低くするように設定す
る。
レンズ)の成形においても気泡の対策が必要である。しかし、複合非球面レンズで発生す
る気泡は、樹脂材とレンズ基材、若しくは、樹脂材と成形型(金型)とが接触する際に空
気を巻き込むことが原因である場合が多い。一方、回折格子等の微細な凹凸パターンの上
に樹脂材を積層する場合には、前述の接触時に発生する気泡に加え、樹脂材が微細な凹凸
パターンを乗り越えながら広がる際に空気を巻き込むことで発生する気泡も見られるのが
特徴である。本実施形態の目的は、微細な凹凸パターン(回折格子5)の上に樹脂材4a
を積層する際に特徴的に見られる気泡の発生を防止することである。
成形面(レンズ基材2の表面)の中心部付近では殆ど発生しないが、成形面の周辺部にお
いて密集した状態で発生するのが特徴である。この現象について詳しく考察したところ、
樹脂材4aが回折格子5を乗り越えて広がる速度(すなわち、樹脂材4aの広がり速度)
がある限界速度を超えた場合に、気泡が発生することが分かった。従来の成形加工では、
成形型10とレンズ基材2との接近速度(すなわち、樹脂材4aに対する押し広げ速度)
は一定である。この場合、樹脂材4aが薄く広がるほど樹脂材4aの(最外周部の)の広
がり速度は大きくなる。
た場合、次の(1)式の関係が導出される。ただし、樹脂材4aの体積をVとし、成形型
10によって押し広げられた樹脂材4aの(最外周部の)広がり半径をrとし、樹脂材4
aの広がり速度(半径方向速度)をvrとし、成形型10とレンズ基材2との接近速度、
すなわち、樹脂材4aに対する押し広げ速度をvhとする。
ないように、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhを制御する。気泡の発生を抑えること
のみに注目すれば、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhを十分に低くすることにより、
結果として樹脂材4aの広がり速度vrも低くなって気泡は発生しないが、生産性の観点
からは速度をできるだけ速くすることが求められる。これら二つの要求を満足するために
は、次の(2)式を満足する範囲で、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhをできるだけ
高くすることが有効である。なお、気泡が発生する樹脂材4aの広がり限界速度をvrL
とする。
子5)と成形型10の上下関係が逆の場合にも同様に成り立つ。すなわち、樹脂部材4を
成形する際、上述の実施形態に限らず、図1(b)に示すように、レンズ基材2の表面中
央部に未硬化の樹脂材4aを供給するように、レンズ基材2の表面に成形型(金型)10
を下方から近づけて、樹脂材4aを略円盤状に押し広げるようにしてもよい。
方法として、樹脂材4aの広がり半径rに拘らず、樹脂材4aの広がり速度vrが限界速
度vrLよりも低い近傍の(もしくは同じ)速度で一定となるように、すなわち、(1)
式から換算される押し広げ速度vhでの限界速度(すなわち、前述した所定の気泡発生速
度)よりも低い近傍の(もしくは同じ)速度となるように、樹脂材4aに対する押し広げ
速度vhを連続的に変化させる方法がある。また、樹脂材4aの広がり速度vrが限界速
度vrLよりも低い範囲で、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhを直線的もしくは曲線
的に変化させてもよい。また、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhを連続的に変化させ
るのではなく、樹脂材4aの広がり半径rに応じて途中で段階的に変化させる方法でもよ
い。いずれの方法を用いる場合でも、樹脂材4aが薄く広がるほど、すなわち、成形型1
0とレンズ基材2との間の距離が短くなるほど、樹脂材4aに対する押し広げ速度vhを
低く設定するという点は共通である。
る。図4(a)に示すように、凹凸パターンの深さ(回折格子5の高さd)が小さいほど
、樹脂材4aが空気を巻き込みにくくなるので、樹脂材4aの広がり限界速度vrLは高
くなる。また、図5(a)に示すように、回折格子5の角度θが樹脂材4aの広がる方向
に大きく傾斜しているほど、樹脂材4aが空気を巻き込みにくくなるので、樹脂材4aの
広がり限界速度vrLは高くなる。なお、回折格子5の角度θは、図6に示すように大小
関係が定義される回折格子5の光軸に対する傾斜角である。また、図7(a)に示すよう
に、樹脂材4aの粘度ρが低いほど、樹脂材4aが空気を巻き込みにくくなるので、樹脂
材4aの広がり限界速度vrLは高くなる。
子5の高さをdとし、回折格子5の角度をθとし、樹脂材4aの粘度をρとし、定数をA
とする。また、f(d)、R(θ)、g(ρ)はそれぞれ、d、θ、ρの増加に伴って単
調に増加する関数である。
式のように表される。この(4)式を満足するように押し広げ速度vhを制御すれば、気
泡の発生を抑えることができる。
ズ基材2の凹凸パターン(回折格子5)と成形型10の上下関係が逆の場合にも同様に成
り立つ。
として、まず、同心円状の回折格子5が形成された直径74mmのレンズ基材2の中央部に
、アクリル系樹脂からなる樹脂材4aを0.84mlだけ塗布した。なお、回折格子5は、
格子高さが20μm、格子本数が116本、最大格子ピッチが1.3mm、最小格子ピッチ
が0.15mmで、中心部から周辺部へ向かうに従って格子ピッチが細かくなるように形成
される。また、回折格子5の断面形状は図4(a)に示すような鋸刃形状である。次に、
成形型(平面金型)10を一定速度(0.24mm/sec)でレンズ基材2に近づけて、樹
脂材4aを直径73mmの円形の領域まで押し広げた。その状態で樹脂材4aの押し広げ面
(レンズ基材2との境界面)を観察したところ、図8に示すように、半径19mmの円Cよ
り内側の領域に気泡の発生は見られなかったが、半径19mmの円Cより外側の領域に多数
の気泡Bが密集した状態で発生していた。
vh)を(1)式に代入し、樹脂材4aの広がり半径(半径位置)rと樹脂材4aの広が
り速度(樹脂広がり速度)vrとの関係を調べた結果を、図9の曲線D1に示す。第1の
実験条件では、樹脂材4aの広がり速度vrが半径19mmの位置で限界速度vrLに達し
たと考えられる。図9に示すグラフより、第1の実験条件の場合の限界速度vrLは約3
mm/secであることが分かった。
は、第1の実験条件と同じ条件で樹脂材4aを押し広げた。その状態で樹脂材4aの押し
広げ面(レンズ基材2との境界面)を観察したところ、図2に示すように、全ての領域に
おいて気泡の発生は見られなかった。押し広げ速度vhが0.02mm/secの場合におけ
る樹脂材4aの広がり半径(半径位置)rと樹脂材4aの広がり速度(樹脂広がり速度)
vrとの関係を、図9の曲線D2に示す。第2の実験条件では、第1の実験で求めた限界
速度vrL(=3mm/sec)を超えずに、樹脂材4aを最後まで押し広げたので、気泡の
発生を防ぐことができたと考えられる。
度(0.24mm/sec)とし、半径18mmの円より外側の領域における押し広げ速度vh
を内側と異なる一定速度(0.02mm/sec)とした他は、第1の実験条件と同じ条件で
樹脂材4aを押し広げた。その状態で樹脂材4aの押し広げ面(レンズ基材2との境界面
)を観察したところ、図2に示すように、全ての領域において気泡の発生は見られなかっ
た。第3の実験条件でも、第1の実験で求めた限界速度vrL(=3mm/sec)を超えず
に、樹脂材4aを最後まで押し広げたので、気泡の発生を防ぐことができたと考えられる
。
一定速度(2.9mm/sec)となるように、(1)式を利用して樹脂材4aに対する押し
広げ速度vhを連続的に変化させながら、樹脂材4aを押し広げた。なお、その他の条件
は第1の実験条件と同じ条件とした。その状態で樹脂材4aの押し広げ面(レンズ基材2
との境界面)を観察したところ、図2に示すように、全ての領域において気泡の発生は見
られなかった。第4の実験条件でも、第1の実験で求めた限界速度vrL(=3mm/sec
)よりも低い一定の広がり速度vr(=2.9mm/sec)を保ちつつ、樹脂材4aを最後
まで押し広げたので、気泡の発生を防ぐことができたと考えられる。
ける際、略円盤状に押し広げられる成形材料(樹脂材4a)の広がり速度(半径方向速度
)vrがある限界速度vrLを超えた場合に、レンズ基材2と樹脂部材4との境界部に気
泡が発生することを見出した。成形型10の接近速度(押し広げ速度vh)が一定の場合
、樹脂材4aの広がり速度vrは、上述したように、略円盤状に押し広げられる樹脂材4
aの(最外周部の)広がり半径rが大きくなるほど速くなる。すなわち、樹脂材4aの広
がり半径rが大きくなるほど、樹脂材4aの広がり速度vrが速くなって気泡が発生しや
すくなる。気泡の発生を防止するには、樹脂材4aの広がり速度vrが限界速度vrLよ
りも低くなるように、成形型10の接近速度を低く設定すればよいが、成形型10の接近
速度が一定の場合、樹脂材4aの最大半径位置での広がり速度vrが限界速度vrLより
も低くなるように設定する必要があるため、成形加工に要する時間が不必要に長くなり、
生産性が低下する。
との間の距離が比較的長い段階では、成形型10の接近速度(押し広げ速度vh)を、樹
脂材4aの広がり速度vrが限界速度を超えない範囲に抑えつつ、相対的に高い速度に設
定する。そして、樹脂材4aの広がり半径rが大きくなるほど、すなわち成形型10とレ
ンズ基材2との間の距離が短くなるほど、樹脂材4aの広がり速度vrが限界速度vrL
を超えないように、成形型10の接近速度を相対的に低い速度に設定する。
が混入するのを防止することが可能となる。また、成形型10の接近速度を、前述の(1
)式から換算される押し広げ速度vhでの限界速度(気泡発生速度)の近傍の速度となる
ように、段階的にまたは連続的に低くするように設定すれば、生産性をより低下させるこ
となく、回折レンズ1に気泡が混入するのを防止することが可能となる。なお、樹脂材4
aの広がり限界速度vrLは、実験的に求めるようにしてもよく、(3)式等を利用した
シミュレーションを行って求めるようにしてもよい。
に限られるものではない。例えば図10(a)に示すように、レンズ基材12の表面に形
成される回折格子15の断面形状が矩形状であってもよく、レンズ基材の表面に凹凸パタ
ーンが形成されていればよい。なおこの場合、上述の第1実施形態と同様に、レンズ基材
12の表面中央部に未硬化の樹脂材14aを塗布し、レンズ基材12の表面に成形型10
を上方から近づけて、樹脂材14aを略円盤状に押し広げることができる。また、図10
(b)に示すように、レンズ基材12の表面中央部に未硬化の樹脂材14aを供給するよ
うに、レンズ基材12の表面に成形型10を下方から近づけて、樹脂材14aを略円盤状
に押し広げるようにしてもよい。
に形成されているが、これに限られるものではなく、レンズ基材および樹脂部材の少なく
ともいずれかの面が球面もしくは非球面であってもよい。
れているが、これに限られるものではなく、透明の樹脂材料を用いて成形されてもよい。
として、密着複層型の回折光学素子である位相フレネルレンズ(以下、PFレンズ21と
称する)が図11に示されている。第2実施形態に係るPFレンズ21は、ガラス基板2
2と、ガラス基板22の上に成形された第1の樹脂層24と、第1の樹脂層24の上に重
ねて成形された第2の樹脂層26とを有して構成される。ガラス基板22は、透明のガラ
ス材料を用いて円盤状に成形され、ガラス基板22の一方の面(第1の樹脂層24と接合
する方の面)には、シランカップリング剤からなるプライマー層23が形成されている。
一方の面(第2の樹脂層26と接合する方の面)には、複数の輪帯が同心円状に並ぶ回折
格子25が形成されている。第2の樹脂層26は、第1の樹脂層24と屈折率が異なる透
明の樹脂材料を用いて円盤状に成形される。なお、第2実施形態において、説明容易化の
ため、回折格子25の輪帯の数を少なく記載しているが、実際の輪帯数は使用可能な程度
に十分多いものとする。また、第2実施形態において、説明容易化のため、適宜断面図の
ハッチングを省略している。
形態における製造フローは、第1実施形態における製造フローと同様であるので、第1実
施形態と同じ図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、PFレンズ21
の成形加工を行うための条件出しを行う(ステップST101)。そして、先のステップ
ST101で求めた加工条件により、PFレンズ21の成形加工を行う(ステップST1
02)。
を成形し接合させる。第1の樹脂層24を成形する際、図12(a)に示すように、ガラ
ス基板22の一方の面にシランカップリング剤/エチルアルコール/水(酢酸でやや酸性
にした水)の混合液をスピンコートにより全面的に塗布し、ベーキングしてプライマー層
23を形成する。プライマー層23を形成したガラス基板22の一方の面に所定の格子形
状を有する第1の成形型(金型)31を近接させ、図12(b)に示すように、その間隙
に第1の樹脂層24を成形するための紫外線硬化特性を有する未硬化の(液状の)樹脂材
24aを充填する。この状態で、ガラス基板22の他方の面から樹脂材24aに向けて紫
外線を所定の照射量だけ照射し、未硬化の樹脂材24aを硬化させた後、離型する。
有する第1の樹脂層24が成形されるとともに、当該第1の樹脂層24がプライマー層2
3を介してガラス基板22の一方の面に接合される。なお、第1の樹脂層24に用いられ
る樹脂材料(樹脂材24a)は紫外線硬化樹脂である。
させる。第2の樹脂層26を成形する際、図12(c)に示すように、第1の樹脂層24
の一方の面(表面)上に第2の樹脂層26を成形するための紫外線硬化特性を有する未硬
化の(液状の)樹脂材26aを滴下し、図12(d)に示すように、樹脂材26aが滴下
された第1の樹脂層24の一方の面(表面)に第2の成形型(金型)32を近づけて樹脂
材26aを押し広げた後、1層目と同様に樹脂材26aを紫外線硬化させて離型する。な
お、第2の成形型32の表面(転写面)は平面となるように形成される。また、第2の成
形型32の表面(転写面)は、球面や非球面であってもよく、第2の樹脂層26の形状に
応じて決定される。
ように第2の樹脂層26が成形されるとともに、当該第2の樹脂層26が第1の樹脂層2
4の一方の面(表面)に接合される。なお、第2の樹脂層26に用いられる樹脂材料(樹
脂材26a)は紫外線硬化樹脂である。このようにして、ガラス基板22の上に2つの樹
脂層24,26が成形されたPFレンズ21が製造される。
の加工条件の一つに、第2の成形型32を第1の樹脂層24に近づける接近速度がある。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の方法で、第2の成形型32と第1の樹脂層24
との接近速度を、所定の気泡発生速度よりも低い速度となるように、第2の成形型32と
第1の樹脂層24との間の距離が短くなるほど、段階的にまたは連続的に低くするように
設定する。
く、PFレンズ21に気泡が混入するのを防止することが可能となる。
れに限られるものではなく、第1実施形態と同様に、回折格子の断面形状が矩形状であっ
てもよく、第1の樹脂層24の一方の面(表面)に凹凸パターンが形成されていればよい
。
22および第1の樹脂層24の上方からそれぞれ近づけているが、これに限られるもので
はなく、第1実施形態と同様に上下関係を逆にして、第1および第2の成形型31,32
をガラス基板22および第1の樹脂層24の下方からそれぞれ近づけるようにしてもよい
。
の樹脂層26がそれぞれ円盤状に形成されているが、これに限られるものではなく、ガラ
ス基板、第1の樹脂層、および第2の樹脂層の少なくともいずれかの面(一方もしくは他
方の面)が球面もしくは非球面であってもよい。
に限られるものではなく、例えば、樹脂製の基板であってもよく、透明な材料を用いた基
板であればよい。
はない。例えば、図13に示すように、接着剤49を用いて第2のガラス基板48を第2
の樹脂層26の上に重ねて接着(接合)するようにしてもよい。すなわち、2つのガラス
基板22,48の間に2つの樹脂層24,26が成形されたPFレンズ41であってもよ
い。また、2つのガラス基板22,48の間に2つの樹脂層24,26が成形されたPF
レンズ41を製造する場合、第2の成形型32の代わりに、成形型としてプライマー層が
形成された第2のガラス基板48を樹脂材26aに当接させて第2の樹脂層26を成形す
るようにしてもよい。このようにすれば、第2の成形型32を用いずに、第2の樹脂層2
6の成形と第2の樹脂層26に対する第2のガラス基板48の接合を同時に行うことがで
き、PFレンズ41の製造工程を簡略化することができる。
Fレンズ21,41を例に説明したが、これに限られるものではなく、一般的なフレネル
レンズ等の光学素子であっても、本発明を適用可能である。
4 樹脂部材(第2部材) 5 回折格子
10 成形型
21 PFレンズ 22 ガラス基板
24 第1の樹脂層(第1部材) 25 回折格子
26 第2の樹脂層(第2部材)
31 第1の成形型 32 第2の成形型
41 PFレンズ(変形例) 48 第2のガラス基板
Claims (10)
- 表面に中心側と外周側とで形状の異なる凹凸パターンが形成された第1部材の前記表面における、前記凹凸パターンの中央部に成形材料を供給し、前記成形材料が供給された前記第1部材の前記表面に成形型を近づけて前記成形材料を押し広げ、前記押し広げた前記成形材料を硬化させることにより、前記成形材料を硬化させてなる第2部材を前記第1部材に重ねて密着させるように成形する光学素子の製造方法であって、
前記成形型により押し広げる際の前記成形材料の外周部の広がり速度を、前記凹凸パターンにおいて異なる前記形状に応じて決定された、前記第1部材と前記第2部材との境界部に気泡が発生し得る下限の限界速度よりも低い速度となるように設定することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記成形材料の外周部の広がり速度を、前記限界速度の近傍で前記限界速度よりも低い速度となるように、段階的にまたは連続的に設定することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記凹凸パターンが輪帯状に形成され、
前記限界速度は、前記凹凸パターンを構成する凹凸における前記凹凸パターンの外周側を向く側面が前記成形材料の広がる方向に沿って傾斜するほど、高くなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。 - 前記気泡は、前記成形材料が前記凹凸パターンを乗り越えて広がる際に空気を巻き込むことで発生する気泡であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記限界速度は、前記凹凸パターンの凹凸が高いほど、低くなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記限界速度は、前記第1部材の前記表面に供給する前記成形材料の粘度が低いほど、高くなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記凹凸パターンの形状は、回折光学素子を構成する回折格子形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記光学素子は、前記第1部材と前記第2部材とが密着されてなる密着複層型の回折光学素子であることを特徴とする請求項7に記載の光学素子の製造方法。
- 前記成形材料として紫外線硬化型樹脂を用いることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 表面に中心側と外周側とで形状の異なる凹凸パターンが形成された第1部材の前記表面における、前記凹凸パターンの中央部に成形材料を供給し、前記成形材料が供給された前記第1部材の前記表面に成形型を近づけて前記成形材料を押し広げ、前記押し広げた前記成形材料を硬化させることにより、前記成形材料を硬化させてなる第2部材を前記第1部材に重ねて密着させるように成形する光学素子の製造装置であって、
前記成形型により押し広げる際の前記成形材料の外周部の広がり速度が、前記凹凸パターンにおいて異なる前記形状に応じて決定された、前記第1部材と前記第2部材との境界部に気泡が発生し得る下限の限界速度よりも低い速度となるように設定されることを特徴とする光学素子の製造装置。
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