JP6077012B2 - 気象予測方法及び装置、並びに電力系統制御方法及び装置 - Google Patents

気象予測方法及び装置、並びに電力系統制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は系統連系する太陽光発電と負荷機器の電力を監視制御することに係り、特に気象予測に基づいて監視制御を行うための気象予測方法及び装置、並びに電力系統制御方法及び装置に関する。
電力系統には、電力の生成と消費を行う機器、および特性を変化させる機器などが接続されている。このうち電力の生成を行う発電機器についてみると、従来は集中型に設置される大規模発電所が多かったが、近年、自然エネルギーを入力して発電する太陽光発電、風力発電などの発電機器が普及し始めている。しかし、これらの発電装置は分散的に配置されることが多く、また自然エネルギーに依存して発電量が変動する。その結果、電力系統の末端にある配電系統の電圧変動などを引き起こす要因となり、電力の品質を劣化させる原因となっている。
例えば太陽光発電(太陽光発電:photovoltaics)による発電量は、入射する日射量に大きく依存する。日射量は、太陽と地球の位置関係、大気外日射量、地表の大気、着目地点の緯度経度、着目地点の方位角と仰角、などに依存する。さらに地表に届く日射量は、大気内の気象の影響を大きく受けて、例えば雲の流れによる日射の遮断により大きく変動する。そして雲の流れは、上空の風の向きと方向に大きく依存する。実験によれば、雲の流れにより日射量は一秒以下の単位で変動することがある。このように日射量は多くの連鎖的な因果関係を持ち、その結果として太陽光発電量が変動する。
太陽光発電機器が電力系統に連系して、電力系統に向けた潮流を持つとき、電圧の変動が起きる。このような電圧変動の対策として電圧安定化を行うには、電圧変動を抑えるための電圧制御機器が使われることがある。例えばステップ式自動電圧調整機SVR(Step Voltage Regulator)、静止型無効電力補償装置SVC(Static Var Compensator)などがある。これらの電圧制御機器は、センサを用いて測定する現在の系統の状態(系統電圧あるいは無効電力)に基づいて制御が行われる。
特許文献1は、上空の雲の動きに基づいて将来の雲の分布を予測して、それに基づいて太陽光発電電力を予測するシステムを開示している。上記のような日射量の予測に基づいて、電圧安定化を行う制御方法として、特許文献2は、太陽光発電と蓄電池を備える需要家を対象にして、発電量が多くなると予測される前に蓄電池を放電させて空き容量を多く、また発電量が小さいと予測される場合は蓄電池を充電させるように充放電の計画を立てる方法を開示している。
特開2007−184354号公報 特開2009−284586号公報
以上述べたように、多くの電力変動要因を内包する太陽光発電が電力系統に多数設置されてくると、地域内の系統安定化を実現することが必然の課題となってくる。この場合の太陽光発電の変動要因を遡れば、太陽光発電の発電量の変動であり、太陽光発電に入射する日射量の変動であり、日射量の短期変動を引き起こす雲の流れである。これらは連鎖的な因果関係にあるので、以下の説明では、日射量、雲、風の変動を区別なく使うことがある。このような短期変動の要因を持つ太陽光発電を電力系統に連系したときには、電力品質の向上を図ることが課題となる。そして、具体的な管理装置を用いた制御システムを実現することが課題とする。
この課題に対し、特許文献1は、天空をカメラ撮影することで採取した画像データから雲の流れを抽出して、短期の日射量変動を予測するシステムである。しかし一般にカメラ撮影した画像は、画面内で均一の明るさであることは無い、これは一つにはレンズ特性などの光学的要因により周辺が暗くなりやすい。また地球を取り巻く大気の影響などから撮影対象とする天空の明るさは均一でない。また太陽が際立って明るいため、最も観察したい太陽周辺の撮影画像は信号飽和(ハレーション)が起きやすく、雲の形状を精度よく撮影することが困難である。さらに、カメラの解像度(画素数)が少ない場合には、雲の形状の解像度も低下する。このように、天空画像を対象にした信号処理は誤差を含みやすいので、予測精度が低下する。
特許文献2は、事前に日射量の変動を予測して、予測結果に基づいて蓄電池の充放電を制御するシステムである。そして単独の太陽光発電を対象にして、発電の変動量を補償することを目的に蓄電池を利用している。この動作は、変動の緩やかな凹凸を補うことで、低域カットの周波数フィルタとして機能し、基本的に高周波成分は除去できずに通過することになる。また変動が起きてから補償動作を行うので、動作の遅れがあるときは補償の誤差として高周波成分が残ることになる。また太陽光発電量の凹凸を補償して平滑化するのに必要な蓄電池容量は、太陽光発電の規模が大きくなるにつれて変動を補償するに必要な蓄電池容量が大きくなり、装置コストが上がることになる。
上記の二つの従来技術を組み合わせて、短期の日射量変動の予測に基づく蓄電池の充放電制御の計画を立てることができる。しかし前記したように、予測信号には誤差要因が多く含まれている。また、補償動作自体は事後の動作であるから、変動抑圧の課題を十分解決できない。
本発明に係る気象予測方法及び装置、並びに電力系統制御方法及び装置では、自然エネルギーによる発電装置(太陽光発電など)が分散配置されて電力系統に連系するとき、電力系統にもたらす電圧変動を抑圧することを課題として、その解決手段の一助を提供するものである。
以上のことから本発明の気象予測装置においては、電力系統の複数地点で時系列的に得た日射量関連信号についてその時系列的変動分を求める第1の手段と、仮設定した雲の風向と風速のときに、雲が注目点に到達するまでの時間に応じて複数の時系列的変動分の時間補正を行う第2の手段と、時間補正した複数の時系列的変動分について尤度計算を実施する第3の手段と、雲の風向と風速の仮設定値を順次変更してその都度の尤度を求め、尤度が最も大きくなるときの雲の風向と風速に関する情報を出力する第4の手段とを備えることを特徴とする。
さらに本発明の電力系統制御装置は、複数の太陽光発電と、電力機器を設備している電力系統の制御のための電力系統制御装置であって、気象予測装置の第5の手段で求めた注目点における気象の予測信号を用いて電力機器を操作し、電力系統を安定化させる第7の手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、N地点の日射量(あるいは日射量に相当する信号)の計測信号を用いて、短期の日射量(太陽光発電発電量)の変動を予測する。そして予測信号に基づいて、実際の変動に先だって電圧制御機器を動作させることで安定化を実現する。ここで日射量の予測を、統計学における尤度に基づいて算出する。
これにより、N地点で測定する日射量の測定単位に関わらず精度の高い予測が行える効果がある。尤度計算を用いることで、入力するN個の日射量の計測単位は誤差を許容することができて、言い換えれば日射量に相当する明るさに関わる信号を計測すれば良く、システム構成を簡略に安価に実現できる効果がある。
本発明の実施例として、電圧安定化の手段として例えば蓄電池を利用する場合は、日射予測信号を用いる電圧安定化の事前制御を行うことで、蓄電池容量を小さく抑えることができる効果がある。これは言い換えれば、単位容量当たりの電圧安定化の効果を向上させることに同じである。蓄電池は、いわゆるEV(Electric Vehicle、電気自動車)に備わる蓄電池であって良く、日射量予測信号を用いた充放電計画を立てて利用できる。
気象予測装置を内包する電力系統制御装置の全体構成を示す図。 典型的な電力系統構成例を示す図。 典型的な需要家配置例を示す図。 電力系統制御装置内の気象予測装置部分の詳細構成を示す図。 N個の日射計と雲の流れの関係を示す図。 (1)式により算出される雲の遮断率Cと日射量の関係を示した図。 日射量から風向と風速を求める処理の基本的な考え方を示す図。 気象予測を計算機により実現する場合の信号処理手順を示すフロー図。 前処理の処理ステップS5の具体的な例を示す図。 風向と風速の推定処理を実行する処理ステップS6の具体的な例を示す図。 注目点における日射量を予測する処理ステップS7の具体的な例を示す図。 処理ステップS61における処理内容を模式的に示す図。 図7のブロックB4内の処理内容を模式的に示した図。 最終的に求められた風向WDと風速WVの最適組み合わせを示す図。 日射量予測に基づいて電力変動を抑制する考え方を説明するための図。 分散型DMSを配置した電力系統の一例を示す図。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。なお以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
本発明に係る気象予測方法及び装置、並びに電力系統制御方法及び装置の実施例の説明を、典型的な電力系統構成、典型的な需要家配置を例にして行うことにする。図2はこのための典型的な電力系統構成例を示しており、図3はこのための典型的な需要家配置例を示している。
図2は、日本国内に数多く設置されている配電系統として樹枝状配電系統の一例をあげている。この図でSSは配電変電所であり、その出口から配電遮断器CBF(CBF1、CBF2)を介して各フィーダ(高圧配電線)FH(FH1、FH2)が接続されている。フィーダFHの各所には柱上変圧器PTr(PTr1a、PTr1b)が設置され、柱上変圧器PTrの二次側には低圧配電線FL(FL1、FL2)が接続されており、一般需要家Hは低圧配電線FLを介して電力を受電する。
図2は典型的な電力系統ということで配電系統の例をあげたが、これは階層的に構成された上位の系統である送電系統であってもよい。系統構成はこれ以外に各種のものであってもよく、メッシュ型のトポロジーのものでもよい。また図示の一般需要家Hは、太陽光発電を備えているものとするが、太陽光発電は送電系統に連係されたメガソーラシステム、フィーダ(高圧配電線)FHに接続された大口需要家の設備であってもよい。
図3は、図2の需要家Hの地理的な位置関係を示した図であり、需要家H1から需要家Hnまでのn戸の需要家の配置位置事例を示している。ここでは需要家の位置は、需要家H5をX−Y座標の原点とする位置情報として把握されているものとする。需要家Hが配置された面的な広がりを有する領域R内での日射量の変動などが観測、監視の対象となり、その予測結果に応じてこの領域内外の各種装置が制御されて、電力系統の安定化を図っていく。
図1は、気象予測装置を内包する電力系統制御装置10の全体構成を示す図である。電力系統制御装置10は計算機などを用いてソフト処理されるが、この内部機能をブロック的に示すと、N個の地点の日射量Iを入力して雲の流れの要因となる風向と風速Wを推定する手段102、日射量Iの短期予想信号105を得る手段104、電圧安定化のための制御信号107を生成する手段106等に大別して表すことができる。なお気象予測装置は、図1の風向と風速Wを推定する手段102であり、さらには日射量の予測手段104をも含む。これ等機能の詳細説明の前に概略機能を説明しておく。
図1の実施例では、風向と風速Wの推定のために日射量Iを使用しているが、これは日射量Iと同じ変動傾向を示す他の状態量に置換可能である。他の状態量は例えば、太陽光発電の結果得られた太陽光発電量であり、あるいは日射量とは異なる明るさに関わる信号を利用できる。このため、これらを含めた上位の概念的には日射量関連信号ということができる。
図1の実施例で入力する日射量Iは、単位面積および単位時間あたりのW(ワット)あるいはJ(ジュール)で計測される。しかし後述するように本発明は日射量Iの計測単位を限定しなくても良い特徴を持ち、そのため日射量とは異なる明るさに関わる信号を利用できる。しかし以下の説明では、煩雑さを避けるため日射量Iという言葉を使うことにする。
まずN個の地点の日射量Iを入力して、風向風速算出手段102は雲の流れを作り出す風向と風速を算出する。日射量の予測手段104は、風向と風速の信号Wと、入力済みのN個の地点の日射量Iを使って日射量の予測信号105を作る。制御手段106は、日射量予測信号105に基づいて、太陽光発電量の予測およびその発電量による系統電圧の変動が予測できることから、その対策を事前に準備する。但し出力する制御信号107は、対象とする電圧安定化の機器を限定するものではない。対象とする機器に応じて制御信号の生成アルゴリズムは異なる場合がある。なお図示していないが、N個の地点の日射量Iは適宜な通信手段で伝達され、一時的にメモリ蓄積しておくものとする。これにより現在時刻より以前の適宜な時点に遡って日射量データを取り出せる。
以下順次、これ等の内部動作について詳細に説明する。
これら一連の処理のために、気象予測装置を内包する電力系統制御装置10では、図3の需要家Hの配置位置におけるN個の日射量Iを取り込む。このため各需要家Hには太陽光発電とともに日射量計測手段が設置されている。なお日射量計測手段の設置位置は、図3の領域R内のどこでもよいが、電力系統制御装置10の内部処理では太陽光発電を備える需要家個々の設置位置における日射量を予測することになるので、説明の都合上各需要家Hに日射量計測手段が設置されているものとしている。
図4は、図1の風向と風速Wを推定する手段102を含む入力部分の詳細構成を示している。この部分が電力系統制御装置10内の気象予測装置部分に相当している。この図4において、日射量計測地点の個数Nは、図3の領域Rで示す地域内にある太陽光発電設備の個数である。この個数Nは固定では無くて地域によって異なって良く、また太陽光発電機器の追加削除などによって変動しても良い。
図4の風向と風速の予測手段102の入力は、N個の地点で計測した日射量データI(それぞれの日射量の値をI1からInで示す)である。N個の地点の日射量データI1からInは、一時的にメモリ108に蓄積される。メモリ108に蓄積した日射量データI1からInは、適宜な順番で並べて取り込み時刻を示す時系列信号として扱う。なお風向風速算出手段102による風向と風速の算出において、風向と風速Wは、日射量の変動をもたらした雲の流れの向きと方向である。これは、雲の流れを作っている風の、風向と風速と言い換えることができる。
なお日射量の計測手段101としては、例えば日射を受けることによる温度上昇を温度センサで計測してから日射量に換算して出力するものがある。そのほか、半導体プロセスで作られたセンサがある。本発明は日射量の計測手段を限定しないが、いずれの計測手段も若干ながら、感度ばらつき、環境温度の影響、長期の特性劣化などがある。
図5にN個の日射計(ここではN=9)と雲の流れの関係を図示する。図5の事例では雲はX−Y座標の第1象現に存在し、結果的には原点に向かって移動したとする。この時の風向と風速を日射量のデータから推定し、その後に原点位置にある注目点H5の日射量S5を予測するものとする。そのために最初に風向と風速を日射量のデータから推定する。
計測される日射量は、測定地点と太陽の位置関係などに依存して変化する。また短期的には測定地点の上空に雲があるとき、雲による日射量の遮断により日射量が変動する。風向と風速の推定では、雲による日射の遮断に着目する。本発明ではこのとき、日射量の単位を、便宜的に雲の遮断率に換算する。日射をI、ある期間内の日射の最大値をImaxとして、雲の遮断率Cを(1)式により算出する。
[数1]
C=A−(I/Imax) (1)
ここでAは遮断率Cの最低値を決める定数であり、例えばA=1とすれば、Cは0〜1の大きさに正規化される。(1)式による雲の遮断率Cによれば、Cの値が大きいほど雲による日射の遮断が大きいことであり、逆に、Cが小さいほど雲が無い、ということになる。以下の説明では、日射Iの時系列信号と雲Cの時系列信号、あるいは日射と雲、の双方の言葉を都合に応じて使うことにする。
図6は、(1)式により算出される雲の遮断率Cと日射量の関係を示した図である。横軸に日射量の平均値、縦軸に遮断率C(振幅値)を示している。この表記によれば、天候に応じて分布領域が明確に相違していることが分かる。晴天の場合、横軸の日射量は大きいが、(1)式の雲の遮断率としては(天候が変動しないために)小さい値となる。雨天、曇天の場合、横軸の日射量は小さいが、(1)式の雲の遮断率としては(天候が変動しないために)小さい値となる。これに対し、晴れ時々曇りのように天候の変動を繰り返す場合には、日射量が広い範囲に分布し、かつ雲の遮断率が大きい領域に分布することになる。このことからも明らかなように、(1)式は、天候の変動を捉える指標ということができる。
図7は、日射量から風向と風速を求める処理の基本的な考え方を示している。この図でまずブロックB2は、ブロックB1の監視領域R内の各所で検知した日射量の時間推移を示している。ブロックB1の天候状態のときの日射量がブロックB2の時刻t0の値であり、ブロックB2のグラフはその後の時間経過による雲の移動により順次日射量が減少し、その後回復した状況を示している。但し、この事例では雲の風向と風速により、地点1、地点3、地点2、地点Nの順番で日射量の減少、回復時点が推移したものとする。
図7のブロックB3には、ブロックB2の日射量変動の時の(1)式の値の時系列的変化を示している。なお、地点1の日射量I1の計測データから換算した雲遮断率Cの時系列信号をC1(t)とする。同様にC2(t)、・・・、CN(t)とおく。雲遮断率Cの時系列信号は、日射量が減少したときに大きな値を示し、かつ日射量減少期間が長いほど大きな値を維持する時間が長いことになる。この最大値が発生する時刻を順に追いかけると、地点1、地点3、地点2、地点Nの順になっており、この日射量の減少時点の推移により雲の風向と風速が判断可能である。
さらに最大値が発生する時刻について検討する。まず仮にN個の地点が極めて近接地点ならば、計測したN地点の時系列信号は(計測誤差を除いて)一致する。これに対し、N地点が異なる(離れている)ときは、風向と風速に依存して雲の到達時刻は異なる。ブロックB3には雲の到達時刻(雲遮断率最大時刻)がt1からtNで示されている。この事例では、N地点の雲の到達時刻の差分(時差d1・・・dN)が算出できるものとする。具体的には、ある規準点からの距離(Δx、Δy)を、風向に基づいて座標回転を行うことで風向に沿った規準点からの距離を算出し、その距離を風速で割り算をすることで、規準点から雲が到達するまでに掛かる時間として時差dが求められる。なおこの計算で用いる風向と風速が本来の求める対象である。このときに、N個の地点で個々に計測された時系列信号の時刻t1・・・tNを補正することを時差補正と呼ぶ。(2)式に時差補正の考え方を示す。
[数2]
t1=t+d1
t2=t+d2
・・・
tN=t+dN (2)
そして、C1(t1)、C2(t2)、・・・、CN(tN)を、時差補正した雲Cの時系列信号とする。時差補正が正しければ、N個の地点の時差補正した時系列信号は一致することが期待される。図7のブロックB5は、N個の地点の時差補正により同一時刻にN個の地点の雲の遮断率Cが最大になっている状態を示している。ブロックB3の実際に観測された状態から、ブロックB5の同時最大値状態を求めることは、このときにおける風速と風向を求めることを意味している。ブロックB4は、ブロックB5の結果を得るための処理を表している。
この場合に、実際に雲のある上空の風向と風速を計測することは困難であるが、風向と風速の仮条件を設定しながら時差補正を行うことは計算上の作業であるから容易である。地点間の時差は、仮設定した風速で距離を割ることで算出できる。一方、日射量Iは計測できることを前提としているから、N個の時差補正した時系列信号が最も一致するときの、風向と風速が正しいとする。
次に、N個の時系列信号が「一致」することの判断基準を示す。従来から、異なる時系列信号の一致を評価するために相互相関係数を求める手法が知られている。しかし相関計算は二つの信号を対象にしていて、N個の信号を同時に対象にできない。例えばN個の信号から二つの信号を取り出して相互相関係数を求めて、最も大きな相関を持つ信号の組み合わせに着目する手法がある。しかしこの組み合わせは全部でN(N−1)/2個になる。相互相関係数の大きさにもとづく判定は、N個の時系列信号の測定単位が均一であることが求められる。そうでなければ、N(N−1)/2個の相互相関係数の大きさの比較に誤りが生じる。しかし前記したように日射計で測定する日射量はセンサ特性のばらつきが避けられない。長期的に精度の高い日射計を用意しようとすれば、センサ自体および維持管理にコストがかかる。
本発明においては、前記した雲(あるいは日射)の時系列信号を確率密度と見なして、尤度を用いて判断することを特徴とする。この処理は、図7のブロックB4において実行される。尤度L(Likelihood)は統計学のなかで定義されている評価値である。基本的には、確率密度p1、p2、・・・pNがあるとき(3)式で定義される。
[数3]
L=p1×p2×・・・×pN (3)
そして、尤度Lが最も大きくなるときの確率密度の組み合わせが最も実現しやすい(最も尤もらしい)と解釈する。例えば、N個の確率密度が正規分布であるならば、尤度Lが最も大きくなるとき、N個の平均値が一致(ピークが一致)している。こうして尤度は「最も尤もらしい」条件を見出すために利用されている。
尤度を風向、風速の推定に使用する考え方についてさらに詳細に説明する。本来の確率密度の場合は、横軸に変数、縦軸に確率値をとる。この場合にプロット面積は、確率の総和だから当然1になる。
一方、雲(日射)の時系列信号Cは、図7のブロックB3に示すように横軸に時間、縦軸に正規化値(雲の遮断率Cあるいは日射量)をとる。この場合に雲(あるいは日射)のプロット面積は1にはならないが、前記した尤度の定義式においてプロット面積は明示的に利用しないので問題にはならない。あるいは、ある期間内の信号面積が1になるように正規化しておけば対応が分かりやすくなる。こうして、雲Cの時系列信号に関する、ある時刻tの尤度L(t)は次の(4)式で表わされる。なお日射量を使って計算しても良い。
[数4]
尤度L(t)=C1(t1)×C2(t2)×・・・×CN(tN) (4)
そして、尤度Lが最も大きくなる時差の組み合わせを見出す。その時差を仮定したときの風向と風速が求める答になる。風向、風速算出の具体的な処理手順は後述するが、その前に一連の手順完了により風向、風速を求めた後の事後処理について説明しておく。
上記手順で見出した尤度が最大になる条件(つまり風向と風速)を即座に出力することは好ましくない場合がある。例えば、計算対象とした時間帯のなかで風向と風速が変化するときには結果に誤りが生じることがある。そこで誤検出を防止するには、ある程度の時間のなかで統計的な処理を行えば良い。例えば、風向と風速の統計的な分布を見て最も頻度が高かった風向と風速を正しいと判断して出力する。あるいはカルマンフィルタのような確率システムを対象にしたフィルタ処理の機能を取り込んでも良い。誤差が大きいと判断するときは、それ以前の風向と風速を継続して利用すれば良い。
一例として、上記(4)式は時刻tにおける尤度L(t)としているが、これをある時間幅のなかで累積(積分)することで誤検出の軽減を図ることができる。この時間幅は任意であるが、例えば典型的な雲が移動に掛かる時間を目処にして数秒から数十秒の期間Δtを設定して、時刻tから(t+Δt)までに含まれるサンプルデータを用いて上記(4)式を累積して、その結果を時刻tにおける尤度L(t)と新たに置くことができる。つまり時刻tから(t+Δt)までの累積計算を和を表す記号SUMで表わせば新たな尤度L(t)を(5)式で表すことができる。
[数5]
L(t)=SUM(C1(t1)×C2(t2)×・・・×CN(tN)) (5)
さらに結果を、時刻tから(t+Δt)までのサンプル個数で割り算して単位を戻しても良いが、そのまま利用しても良い。
ところで上記の尤度計算は掛け算の形をもっているので、要素の一つでも0が含まれると全体が0になってしまう。前記したように遮断率Cは、晴天になるほど小さな値をとるように定義したが、晴天時に遮断率が0になるのは上記の理由で都合が悪い。そこで例えばCの最低値が1になるように定数A=2と設定するとCは1〜2の範囲に正規化されて問題は解消される。
本発明の特徴は、N個の日射量(N個の時系列信号)の計測単位の均一性を要求しないことである。これは常にN個の信号の積算を行って算出した尤度Lについて大きさを比較するためである。前記した遮断率Cは、ある程度の期間内で大きさの正規化を行う例を示した。これよりN地点で計測する日射量(あるいは雲)の測定単位にばらつきが許容される。日射計では無くて任意の明るさセンサの測定データで良い。また長期的な特性変動、汚れの付着などがあっても、日射量の短期的な変動に比べて十分長い変化であれば問題ないことになる。これは実用的な装置を構成するうえで大きなメリットになる。
本発明の別の特徴は、風向の分解能が高いことである。従来技術のN地点間の相関を用いるならば、Nの個数で風向の分解能が決まることになる。これに対して本発明は、任意の分解能で風向と風速を仮設定して、N個の時系列信号の時差補正を行う。このため、風向はNの個数に限定を受けない。
図8に気象予測を計算機により実現する場合の信号処理手順をフロー図にして整理している。このフロー図には、図1の風向と風速の算出手段102と、日射量の予測手段104における具体的な処理内容が記述されている。ここまでの一連の処理により日射量Iの短期予測が行われるが、そのために尤度が最も大きくような風向と風速を繰り返し手順で求めることを示している。本発明における特徴的な手順について以下に整理する。
最初の処理ステップS1、S2では気象予測処理開始前の各種の準備段階処理を実施する。準備段階での処理ステップS1では初期条件を設定しておく。例えば監視領域Rの場所(緯度経度の情報)、年月日などの時刻合わせ、各日射量計測点の位置情報、過去の計測結果の保持確認などがこれに相当する。
準備段階での処理ステップS2では予測条件を設定しておく。例えば予測の信号処理を行う時刻(時間間隔)、日射量予測を行う対象需要家の設定などがこれにあたる。なお、予測時間間隔の設定に当たり、この設定は気象変化の度合いに依存する。もしも一日中風向と風速が安定しており変化が少ないことが事前に分かるのであれば、例えば朝方に一度行えばよい。あるいは、晴天、曇天、あるいは雨天であって日射量が極めて安定しているならば、そもそも日射量の変動を予測する必要はないので、以下の手順を実行することなく抜け出しても良い。そうでない場合は、適宜な時間間隔として例えば10分、30分、1時間程度での周期的な処理を行うのが良い。
処理ステップS3では、計測データとして日射量Iを領域R内の各点で計測する。この各点での計測は、可能な範囲で同期して行われるのが望ましいが、同期して行われない場合には計測時刻の情報が含まれることが必須要件である。処理ステップS4では、現在時刻が設定した予測計算周期で定まる時刻であることを判定し、予測計算時刻であるときには次の処理ステップS5に移る。
処理ステップS5では、データの前処理を実行する。以後の処理は計測信号を対象にする信号処理である。このため前処理では、含まれているノイズの除去、あるいは計測機器に依存する周波数特性の補正などを適宜に行うことが望ましい。また何らかの必要に応じて、計測データの補正、正規化を行って良い。本発明の前処理では、日射量データIを前記した(1)式により雲遮断率Cのデータに変換しておくことが有効である。
なお、図9には具体的な前処理の処理ステップS5の例を記述している。ここでは、対象とする日射量計測データの入力(処理ステップS51)、日射量計測データの欠損データの補完(処理ステップS52)、日射量計測データの異常データの除去(処理ステップS53)、ノイズ除去、サブサンプリング、平滑化などのフィルタ処理(処理ステップS54)、日射量計測データの大きさの正規化(処理ステップS55)、日射量計測データの出力(処理ステップS56)などを逐次実行する。これら前処理の処理ステップはその一部のみが実施されてもよく、追加されてもよく、またこの順番で実行されなくともよい。なお、(1)式の処理は、処理ステップS55の正規化処理の中で行われる。
処理ステップS6では、風向と風速の推定処理を実行する。この部分は、図1の風向風速算出102の処理に該当し、この詳細な処理フローが図10に示されている。図10の各処理フローにより実行される演算の結果事例が図12に示されているので、以下の説明は図10と図12を対比しながら行うことにする。
図10の風向風速推定処理の最初の処理ステップS61では、計測した日射量の時系列信号を確率密度関数と見たてる。ここでの処理はいわゆる前処理にあたり、1回の予測処理に際し1度だけ実施される。前処理の結果を受けて、以後の処理ステップS62から処理ステップS64が繰り返し演算される。
これ等の一連の処理では、雲の抽出を行う。一般に時系列信号の信号処理を行うとき、窓関数を利用する方法が知られている。一方、雲信号は周期信号では無くて、それぞれ独立した雲の波形である。したがって、時系列信号のなかから一致をみる雲を一つだけ抽出することで良い。
例えば、対象とする時刻を中心にした前後の一定の時間幅のなかにおいて、ピーク値を備えて、ピーク時刻の前後にピーク値の2分の1以下の谷間を備える波形を雲として抽出する。このように、独立した雲を抽出する手順を備えるならば、必ずしも窓関数を利用しなくて良い。抽出した結果に、最大値、あるいは面積に関する正規化を行っても良い。
図12(a)は、処理ステップS61における処理内容を模式的に示している。ここでの処理は、図7のブロックB1からブロックB3までの処理内容と同じである。要するに(1)式により雲の遮蔽率Cを時系列的に計算して、雲による日射量変動の信号を確率密度関数と見立てたものである。
なお、処理ステップS61における前処理を実施するにあたり、日射量Iの正規化処理は必須ではない。この理由は、日射量の大きさが緯度経度、季節などで変更すること、センサの劣化などを補償すること、雲による日射量の遮蔽に着目するためには縦軸が日射量とは逆向きのほうが理解しやすいといったことが背景にある。
先に説明した(1)式の処理の結果、ブロックB3に示すように個々の雲に対応する凸波形が得られる。この凸波形は晴れ時々曇りの天候のときに、曇りになった状態で生じる。1日中晴天であれば、雲は独立した凸波形にはならないが、この晴天状態では太陽光発電電力の変動も少なくなるので推定精度が必要にならない。本発明では、晴れ時々曇りの場合に太陽光発電電力の変動を生じることを監視しているので、ブロックB3の状態を把握することに意味がある。
図12(b)は、図7のブロックB4内の処理内容を模式的に示したものであり、この図で処理ステップS62から処理ステップS64までの繰り返し処理の内容を説明する。
繰り返し処理の最初の処理ステップS62では、風向と風速の仮設定を行って測定地点間の時差を算出する。ここで仮設定とは、図12(b)のブロックB41において監視領域の風向WDと風速WVを仮に定めることであり、例えば風向WDについて、0度から360度の範囲を1度ずつ可変に変化させる。風速WVについて、1m/sから20m/sの範囲を1m/sずつ可変に変化させる。従って風向WDの360通りと、風速WVの20通りについて、この組み合わせとして360×20の組み合わせを順次設定することになる。この仮設定を行うためのステップ幅の大きさは、当然ながら細かいほど精度は向上するが計算機の演算負荷は増すので、適宜に設定する。そして仮設定した風向と風速に基づいてN地点の時差を算出する。これは、N地点の2次元座標を、風向の持つ角度で角度補正して距離を求めて、その距離を風速で割れば良い。
算出した時差に基づく時差補正は、具体的には、メモリに書き込んだ時系列信号の読み出しアドレスを補正することで実現できる。
上記の時差補正した時系列信号を用いて時刻tにおける尤度を算出する。繰り返しの演算手順を使って、風向と風速の仮条件を変化させながら、尤度が最大になる仮条件を保存し、そうでなければ廃棄する。その結果、繰り返しの演算手順の終了時点で、尤度が最大になる条件(つまり風向と風速)が求められる。
図12(b)のブロックB44は、仮設定した風向WDと風速WVのときの条件で時差補正した時の雲の複数地点の遮断率の時系列信号C(t)と、尤度L(t)の一例を示している。図示の例では、風向WDと風速WVの仮設定条件が最適ではなくて、ブロックB43示すような時刻一致にはならなかった例を示している。ブロックB41の仮設定条件とブロックB44のそのときの尤度計算を、風向WDの360通りと風速WVの20通りの組み合わせとして、360×20の組み合わせを順次実行し、この中から最も時刻一致したと考えられる条件がブロックB43として最終的に抽出される。
再度図10に戻り、処理ステップS63では時差が求まった時に確率密度関数C(t)の横軸位置(時間軸)を補正する。この機能は図12(b)のブロックB44の確率密度関数C(t)のそれぞれの時間軸をずらしたことを意味している。また処理ステップS64では(4)式を実行して尤度L(t)を求めたことを表している。最終的に処理ステップS65では尤度最大の時の風向WDと風速WVの組み合わせを最適値として抽出し、処理ステップS66で出力する。
なおここでは詳細を述べないが、組み合わせ条件に依存する最大値を見出す問題は、従来から多くの最適化手法が開発されている。例えばタブー法などの探索的手法、あるいはMCMC法(マルコフ連鎖モンテカルロ)などの統計的手法、などが知られている。全ての組み合わせをテストする方法に比べて高速化のメリットがある。本発明においては、風速と風向の組み合わせについて上記の高速化手法を適用することが出来る。適用の有無、手法の選択などは任意である。
図12(c)は、最終的に求められた風向WDと風速WVの最適組み合わせを示している。この風向と風速Wから次の段階では日射量予測を行う。図7のブロックB1のX−Y座標の第1象限に存在した雲の風向WDと風速WVが定まったことで、次にはこの雲が時差を持って例えば原点にある需要家H5に到達して、その発電量に影響を与える時刻、並びに日射量を予測する。
上記手順で、尤度が最大になる条件(つまり風向と風速)が見いだせる。しかしながら、その結果を正しいとして即座に出力することは好ましくないことがある。例えば、計算対象とした時間帯のなかで風向と風速に変化がある場合には、結果に誤りが生じることがある。このような誤検出を防止するには、ある程度の時間幅のなかで検出した風向と風速の統計的な分布を見ることで、頻度の高い風向と風速を正しいとして出力する。逆に、統計的な分布として分散が大きい場合は、風向と風速に変化があったと判断して、その時間帯の結果を出力しなくても良い。気象庁が公開している天気予報における予測確率に相当するように、検出結果の風向と風速に正しさの確率を付加して出力しても良い。
再度図8に戻り、その処理ステップS7では以上の処理で求めた風向と風速から注目点における日射量を予測する。この詳細な処理フローが図11に示されている。図11を用いて次に、日射量予測信号の作り方を示す。
日射予測信号を作る一つの方法として、風上にある日射計の測定信号が、上記方法で得られた風向と風速(つまり時差)で注目点(自分の位置)まで移動してくるとする。この計算は、風上にある一つの日射計、あるいは複数の日射計の測定信号を利用できる。この計算は、前記した風向と風速を求めるなかの、時差を仮設定して日射あるいは雲の時系列信号を生成する手順を再利用できる。前記の手順は時差を仮設定していたが、ここでは決定すみの時差を用いて日射あるいは雲の時系列信号を生成する。
図11では、以上のことからまず処理ステップS71において風向と風速の推定結果を入力し、処理ステップS71では雲の流れに基づいて風上となる地点の日射量を選択する。例えば図5において需要家H5を注目点として日射量予測を行うのであれば、この時の風上にあたる需要家H6の日射量の時系列データを選択する。
処理ステップS73では、需要家H5と需要家H6の位置情報からこの間の距離を求め、また風速に基づいて到達までの時間差を算出する。処理ステップS74では、風上地点(需要家H6)の日射量の時系列信号を当該地点間の時差に基づいてシフトし、処理ステップS75ではシフトした日射量の時系列信号を注目点の日射量とする。最後に処理ステップS76では求めた注目点の日射量を出力する。
なお、N個の地点の日射量測定信号を入力として、注目点の日射量を出力とする時系列モデルを作ることもできる。例えば自己回帰移動平均モデルARMA、ARMAX(Auto Regressive Moving Average)など多くの手法が提案されており、それらの構成を利用できる。
従来の相関演算によって風上の日射計を選ぶ方法の場合は、N方向の中からもっとも相関高い日射計を一つ選ぶ手順である。したがってNより大きい分解能がない。それに対して本発明は時差に置き換えて、あるいは時系列モデルを利用して風向を選ぶため、N個の方向に限定されず、分解能が高まる特徴がある。
最後に図8の処理では、処理ステップS8で一連の予測結果を出力する。処理ステップS3から処理ステップS8の一連の処理はあらかじめ設定された時間周期に従い、10分、30分、1時間などの周期で繰り返し実施される。処理ステップS9の終了処理は一般には、メンテナンスなどの目的での停止を表している。
次に図1の制御手段106における具体的な処理内容について説明する。ここで予測信号に基づいて電力系統の安定化制御を実行するにあたり、数ある電力機器の何を使用し、かつどのように制御するのかが重要である。このためには求めた日射量予測信号の性格について熟知しておく必要があり、結果として本発明の実施例では予測信号に基づく蓄電池の充放電制御をおこなうのが良いと考えている。なお、予測信号に基づいて他の電力機器を操作することも可能であり、この例を後述する。最初の事例では蓄電池を用いるときの特徴について説明する。
まず、日射量予測信号の性格について整理しておく。図6に、実際に測定した日射量データを用いて、横軸に平均値、縦軸に変動幅を取り30秒間隔の数値をプロットした結果を示す。晴天の平均値は高く、曇天の平均値は低く、日射量の振幅も小さいので、その変動は比較的に低周波成分なので低速に動作する電圧安定化機器を利用できる。一方、晴れときどき曇りでは、振幅が大きく分布して、雲の流れによって生じる周波数成分は高くなるので、低速な機器では対応困難になる。
これ等の性格を踏まえ、日射量の予測制御は数秒から数分の期間の、比較的精度の高い、日射量の予測を得ることを目的としている。この予測期間を活用して制御を行うためには、使用する電力機器の応答が予測期間に収まることが望ましい。使用する電力機器として例えばSVRは、電圧制御機器として広く利用されているが、機械的な切り替えを行うため、切り替え時間は長く掛かり、装置が大規模になりコスト高になる。この点蓄電池は、充電を行うことで電力の負荷として働き、放電を行うことで電力発電として働く。その動作は秒単位よりも短くすることが出来る。
このことから本発明の実施例では、短期の日射予測を利用した電圧安定化として、例えば蓄電池を利用した安定化アルゴリズムと装置構成を実現するのが良いと考えている。
日射量予測信号の性格についてさらに整理、検討すると、晴れときどき曇りの高周波数成分は雲の流れが原因要因である。また雲は、時間経過に従って移動していくので、異なる場所にある太陽光発電は異なるタイミングで発電することになる。これらの太陽光発電の波形が重畳することで、ならし効果が起きる。
一般に太陽光発電に関する「ならし効果」とは、個々の電圧変動が鈍って緩やかな変動になることを言う。ならし効果の要因は、系統インピーダンスによる高周波成分の低下があるが配電系統では効果は小さい。比較的狭い配電系統の範囲では時間がずれた太陽光発電の波形重畳が主要因になる。ならし効果自体は電力系統で発生する現象なので、その効果を制御できるわけではないが、結果として、ならし効果を向上させるための工夫は可能である。
ここで同じ面積の二つの時間変化する波形を考えて、一方は矩形波であり、他方は幅広く滑らかな波形であるとする。これらの波形に高周波成分が重畳することを考えてみる。前者の矩形波に高周波成分が重なって平滑になるには位相の合わせ込みが必要であるのに対して、後者の幅広く滑らかな波形に高周波成分が重なって位相がずれても波形が重なりやすい。つまり高周波成分が含まれる発電波形は平滑化しにくいのでならし効果が起きにくい。本発明では、前記したように雲の流れ(日射)の予測信号を利用して波形補正することでならし効果を向上させる。
まず太陽光発電波形を矩形波に見立てて説明する。太陽光発電波形は、晴れと曇りの間で急激に出力が増減することから、この変動は矩形波に近いと考えることができる。矩形波をフーリエ変換により正弦波の組み合わせに展開して、周波数の低い順番に0次、1次、2次・・・とする。0次成分は直流なので対象外とする。ここでは矩形波を、最も低い周波数成分である1次の正弦波に置き換えることを考える。
この場合に、いわゆる信号処理の分野では、メモリ蓄積しておいた信号を利用して波形補正を行うことがある。しかし電力技術の分野では、制御対象は大きなエネルギーを持つ電力の流れであるからメモリ蓄積できるような対象ではない。電力スイッチング回路などを用いて実時間に波形補正を行うことになる。入力信号を見てから波形補正するならば、補正結果は入力信号よりも遅く反映される。入力信号よりも早く変化する波形に補正するには、その信号変化を予測することが不可欠である。
図13は日射量予測に基づいて電力変動を抑制する考え方を説明するための図である。同図において(a)は雲による日射変動を矩形波で表したものであり、横軸に時間、縦軸に日射量をとって表している。ここでは時刻t3を基準とする前後π/2の期間(t2−t4間)で雲が晴れ、日射量Iが2.0の大きさまで増大したものとする。但し、時刻t0は現在時点であり、時刻t1以降に日射量変動することが日射量の予測信号により得られているものとする。
同図(b)は本発明の予測信号に基づく波形整形の一例を示している。時刻t2−t4間の日射量増大により、このままだと期間(t2−t4間)での電圧は、矩形波形Vのように矩形変化し上昇する。そこで本発明では、矩形波形Vのフーリエ変換により求めた1次の正弦波V1に着目する。1次の正弦波V1は、矩形波Vよりも早く立ち上がり(時刻t1)、早く立ち下がる(時刻t3)。
正弦波V1の立ち上がりと立ち下がりの時刻を事前に知ることが出来れば、入力する矩形波を1次の正弦波の波形に補正を行うことができる。本発明では、日射量予測により矩形波とその時刻が事前に得られるので、正弦波V1の立ち上がりと立ち下がりの時刻を事前に知ることが出来る。時刻t1の立ち上がり時刻は、時刻t2よりもπ/2前の時刻であり、時刻t3の立ち下がり時刻は、時刻t3よりもπ/2前の時刻である。
この結果を利用した蓄電池による実制御においては、1次正弦波V1の立ち上がり時刻t1から蓄電池の放電を開始し、蓄電池を次の(予想される将来の)充電動作に備えたフル放電状態に近づけておく。このときに電力系統の電圧は高めに推移することになるが、日射量増大時の電圧上昇が抑制され、期間全体としては電圧変動にならし効果が期待できる。
矩形波Vの立ち上がり時刻t2から、蓄電池の充電を開始する。この期間では日射量増大による電圧上昇が生じているが、蓄電池の充電動作により電圧の上昇が極力抑制された形になる。この充電動作は、矩形波Vの立ち下がり時刻t4まで継続実施される。
t4時刻では蓄電池はフル充電に近い状態となっており、このときは再度放電を実施する。このときに電力系統の電圧は高めに推移することになるが、この分は日射量増大時の電圧上昇抑制に貢献した結果であり、時刻t1から時刻t5までの期間全体としては電圧変動にならし効果が期待できる。
この結果、矩形波Vと1次正弦波V1の位相は一致して、両者の差分(誤差)は、位相がずれている場合に比べて最も小さくなる。この誤差が、波形整形に必要な蓄電池の充放電容量に相当する。つまり、予測信号を用いて波形整形することで、必要となる蓄電池容量を削減することができる。
上記の波形補正の応用事例として同図(c)に示すように、さらに幅広くて振幅の低い、つまり低周波正弦波を横に伸ばしたような波形に補正することができる。波形の立ち上がりをさらに早く(時刻t0)して幅を広げることにより、波形の面積を維持しながら振幅を抑えることができて、ならし効果を向上させることができる。ただし、(c)の例では、蓄電池の充放電の容量は若干増加するので、この事前開始の時刻の設定は、蓄電池容量と予測信号の特性に基づいて決めることになる。例えば蓄電池容量に余裕があり、予測信号が早く精度が高く得られるならば、事前の充放電制御を早く始めることで、波形幅が広く波形高が低くなるように補正するのがよい。
同図(d)は予測制御を実行せず、結果として生じた日射量の増大あるいは、電力系統の電圧上昇を把握して追従的に蓄電池制御した場合の応答結果を参考事例として示している。この場合にも電圧上昇は抑えられるが、蓄電池容量が大きくなることを避けられない。
以下の例では、蓄電池を用いた波形補正について更に詳細に説明する。一般に、太陽光発電はPCS(Power Conditioning System)に接続して使われる。PCSには、日射量によって変動する太陽光発電パネルの発電効率が最も高くなるように制御する機能がある。また太陽光発電パネルが発電する直流成分を、電力系統と同じ周波数の交流に変換する。
PCSのこれらの機能は、半導体素子を用いたスイッチング回路(スイッチングコンバータ)で実現している。本発明の実施形態の一つとして、蓄電池を用いて太陽光発電パネル発電波形を補正する機能を、PCSが分担する。波形補正は、日射予測信号に基づいて蓄電池の充放電計画を立てたうえで、スイッチングコンバータによる電力の流れの制御によって実現する。
前記したように制御の目的は、太陽光発電機器の発電出力から高周波成分を除去するように波形を整形することである。この結果、連系する電力系統においては、太陽光発電の発電波形は幅広く滑らかに分布することになり、複数の発電波形が時差を持って波形重畳するとき、ならし効果を向上させることができる。本発明は、太陽光発電の変動の凹凸を埋めて平滑化するものではなく、高周波成分を除去してならし効果を向上させることを目的としているので、充放電制御に必要な容量は前者に比べて小さくできる効果がある。
ところで蓄電池には多くの種類があり本発明はこれを限定するものではないが、蓄電池の原理による特性の違いが知られているので、実運用に際してはこの点を考慮すべきである。例えば、鉛蓄電池は化学反応を利用するので応答は比較的遅い。リチウム電池は鉛蓄電池に比べれば小型軽量であるが高価である。電気二重層のコンデンサは化学反応を伴わないので高速な応答特性を持つが、蓄積容量は比較的小さい。また化学反応を伴う畜電池ではSOC(State of Charge)と呼ばれる特性が知られている。畜電池の蓄積容量の上限と下限のなかに設けた蓄積容量の状態のことである。充放電をSOCの範囲内で行うことで寿命劣化を抑えられる。SOCについては具体的に言及しないが、必要に応じてSOCを考慮した制御が出来ることは言うまでもない。
太陽光発電とPCSの組み合わせを例にとって説明したが、太陽光発電を伴わない独立した安定化装置として電力系統に連系し、系統の電圧変動を観察しながら制御する構成であっても良い。
太陽光発電パネルの発電と蓄電池の充放電は、いずれも直流で行われるので両者の接続は直流で行っても良い。いずれの電力も電力系統に連系するためにはスイッチングコンバータによって交流周波数(50/60Hz)に変換されるので、両者を交流で接続する形態であっても良い。計画した電力の流れになるようにスイッチングコンバータの帰還制御を行うことで蓄電池の充放電を行うことができる。このように直流交流の区別、動作電圧、充放電計画の実現回路などは設計技術によって容易に実現できるので、詳細の説明は省くことにする。
太陽光発電を代表とする分散電源から電力系統への電力供給を、有効電力と無効電力の組み合わせで行うことができることは言うまでもない。本発明内容と組み合わせて実施して良い。ただし、配電系統において無効電力は電圧降下の効果があるものの、有効なエネルギーとして使い難い問題がある。それに対して本発明は、有効電力供給を前提にしながら電圧安定化の効果を実現する。
上記は太陽光発電とPCSがある個所に蓄電池を配置する構成を示したが、太陽光発電のない個所に電圧安定化を目的として蓄電池を配置しても良い。そのときは、蓄電池の充放電のための専用のスイッチングコンバータを備える。充放電の制御信号を生成する装置は、同じ個所に設置しても良く、あるいは何らかの通信路を介して遠隔地に設置しても良い。蓄電池の予測制御に用いる日射量の予測信号は、異なる手法で生成された信号を利用しても良い。
なお気象条件として日射量の変動を対象にして説明したが、蓄電池を用いた電圧安定化の手法と装置構成は変動要因を限定するものではない。たとえば風力発電における発電量の変動がなんらかの手段で短期的に予測できる場合にも、同様に予測信号を用いた事前の充放電制御によって発電波形を補正することで、小さな充放電容量で高い電圧安定化の効果を得ることができる。
以上詳細に説明した本発明の実施例の考え方について整理して説明しておく。本発明の実施例では、短期の日射予測を利用した電圧安定化として、蓄電池を利用した安定化アルゴリズムと装置構成を実現することを特徴の一つとする。安定化の一つの方法は、変動自体をキャンセルするように逆向きの信号を加算することである。
具体的には、事前に蓄電池に、逆向きの信号を生成するだけのエネルギーを貯め込んでおいて、対象の信号を観察しながら充放電を制御することで変動をキャンセルする。変動を事前に予測出来る場合は、事前に充放電制御の計画を立てることができる。変動波形を周波数成分で見れば、変動をキャンセルする方法は、変動波形に含まれる周波数成分をなるべく多く除去することに相当する。しかるに、制御装置特性などから位相ずれが発生するならば、キャンセルが十分に行われず差分が残る。この残り物は高周波成分である。
変動をキャンセルする本発明方法の特徴は、以下のようである。まず変動波形に含まれる周波数成分をなるべく多く除去することにする。変動のエネルギーと同じエネルギーを吸収しなければならないので容量が大きくなる。充放電の容量と回数は大きくなるのでメンテ費用が掛かる。キャンセル信号の位相がずれると、高周波の誤差が出る。
電力系統に太陽光発電が分散して配置される場合、雲の流れによる日射の遮断は、場所によって時刻がずれて発生することになる。これに伴い太陽光発電が大量に導入されるとき、時間がずれた発電量の変動波形が多く発生することになる。これらの変動波形が電力系統において重畳することで十分に滑らかになるのであれば、電圧安定化になる。
滑らかさを向上させるためには、個々の変動波形をキャンセルするよりも、むしろ、重畳した変動波形が滑らかになるように補正を行う。これを実現するため、個々の変動波形に含まれる高周波成分を除去する。
変動波形を周波数成分で見れば、変動を滑らかにする方法は、変動波形に含まれる低い周波数成分だけを残して、高周波成分をなるべく多く除去することに相当する。変動波形の周波数成分は、低周波成分ほどエネルギーが大きいので、高周波成分だけを除去することは充放電の容量が少なくて済むことになる。
入力信号が矩形波形であり、含まれる高周波成分を除去するようなフィルタ特性を実現することを考える。原理説明のため、受動素子である抵抗(R)とキャパシタンス(C)を組み合わせて作るRC回路を作るならば、応答波形は指数関数になり、高域除去のフィルタ特性になることが知られている。入力の矩形波形と出力の応答波形の差分は、RC回路のキャパシタンスによる充放電により吸収している。この差分の波形はエッジを持ち、高周波成分が残っている。少ない充放電の容量で高域除去の効果を高めるには、入力の矩形波形と同じ周期の正弦波にすることである。これは、入力波形を周波数展開して、最も低い周期成分を出力波形として選ぶことと同じである。
本発明は、短期の日射予測を用いて、蓄電池(キャパシタンス)の充放電を抑えながら、高周波成分を除去することを実現する。ここで短期とは、雲の流れによる日射量の変化を対象にした時間であり、実用的には秒から分の単位で計る時間である。
本発明は、短期の予測を用いることで、電圧安定化の制御に掛かるコストを低減することを特徴とする。制御コストの低減とは、例えば充放電の容量を減らすことであり、これは充放電回路の規模を小さくすることができることであり、これは装置コストの低減になる。また、蓄電池の寿命を延ばす効果もあり、保守管理のコストの低減になる。
なお従来から、気象庁の天気予報などを参考にした、翌日の運転計画の作成などが行われている。しかし、雲の流れによる日射量の変動のような短期予測は、行われていない。従来から、SVRなどを用いて電圧安定化のための電圧制御が行われている。しかし、雲の流れによる日射量の変動のような短期の制御は、SVRの装置構成の特性から困難である。従来から、蓄電池(キャパシタンス)を用いた電圧安定化の装置構成がある。しかし、制御コストの低減を目的とした、短期予測に基づく事前制御は行われていない。
次に、配電系統などの電力系統において、本発明装置をどのように配置構成して機能せしめるのが良いか、具体的な事例を提案する。ここでは、分散型DMSを構成する事例を紹介する。
配電系統の安定化を実現する管理手段としてDMS(配電系統の管理システム、 Distribution Management System)が知られている。ここでは、狭い領域を対象にして配電系統に分散配置する構成および装置を分散型DMSと呼ぶことにする。ただし当然ながら名称と機能を限定するものではない。以下、分散型DMSを利用した場合を例にとり、本発明の実施形態を説明する。
分散型DMSを配置した電力系統の一例を図14に示す。図の例では電力系統(高圧配電線)FHあるいは(低圧配電線)FLの例えば電信柱上に分散型DMSおよび電力制御機器として例えばSVR(Step Voltage Regulator)が設置されている。また電力系統FHあるいはFLには需要家H(図の例ではH1からH3)が接続されており、需要家Hの太陽光発電における発電量P1、P2、P3が通信回線を用いて分散型DMSの制御装置10に通知される。なお、需要家Hの太陽光発電における発電量P1、P2、P3は当該地点で計測された日射量の情報であってもよく、制御装置10において日射量が推定され、電圧の制御信号が求められる。
図14の事例は、現在の配電系統の構成に最も近い状態で分散型DMSを配置することを想定している。つまり、需要家の太陽光発電は日射量の計測手段を備えておらず、かつ電圧制御の有効な制御手段は電信柱上あるいは変電所に設けられたSVRである。このため、この実施例では日射量の代替情報(日射量関連信号)として太陽光発電における発電量を使用し、蓄電池に代えてSVRのタップを予測信号に基づいて制御している。従って、将来的に日射量計測計、蓄電設備などの設備が整ってくれば図1のように監視制御することが可能である。
以下気象予測装置を内包する電力系統制御装置10の機能を、分散型DMSに搭載して運用する時の各種応用事例について説明する。
図14の事例では、電力制御機器がSVRであるため、通信回線を用いて分散型DMSの制御装置10からSVRに対してタップ切り替え制御信号が伝送される。なおタップ制御が図13で述べたように予測信号に基づいて実施されることは言うまでもない。
図14に示すように分散型DMSは、狭域内の配電系統の状態を観察しながら電力品質の維持管理を行うことを目的とする。配電系統の状態に加えて、地域内で連系する需要家の負荷・機器などを管理しても良い。また隣接して配置される分散型DMS同士で通信することで、協調的な動作を行っても良い。本発明の分散型DMSの機能として、太陽光発電による電圧変動の抑圧動作、日射量の予測信号を利用した電圧変動の抑圧動作、日射量の予測信号の生成、について特徴を説明する。
前記した入力信号の波形整形は、入力信号に関わる予測信号が入手可能である場合には、さらに効果的に動作させることが出来る。ここで入力信号は太陽光発電出力であり、入力信号に関わる予測信号は日射量であるとする。ただし日射量の変動は雲の流れに依存することから、予測信号は雲の流れと言い換えることが出来る。
なお分散型DMSに明るさセンサを搭載し、近隣の分散型DMS間で測定データを授受すれば、N地点の日射量に相当する信号が採取可能である。あるいは、分散型DMSが各需要家のPCSから太陽光発電量が入手可能である場合は、太陽光発電量から日射量を換算できる。本発明の気象予測手段は日射量の正しい計測単位を要求していないので、太陽光発電の発電効率、季節による日射量変化などが不明であったとしても、日射量に相当する信号として利用可能である。そして前記した手順に基づいて、風向と風速の算出を行い、日射量の短期予測信号を算出する。
分散型DMSが複数の需要家の太陽光発電の発電量を観測できるとき、これらの組み合わせとして電圧安定化するように、太陽光発電の波形補正することができる。近接する需要家では、雲の流れによって発生する太陽光発電波形の時差(位相ずれ)は比較的短いことが期待される。その時差を事前に予測することで最も効果的に発電波形が重畳するように波形補正の計画を立てることができる。
さらに分散型DMSが、需要家が備える負荷機器(例えばSVR)を制御できる場合は、電圧安定化するように負荷機器を制御させて良い。従来は広域において太陽光発電機器が多数あるとき、そのランダムな動作によって発電波形が重畳して平滑化される効果が知られていた。しかし本発明によれば、狭域の少数の太陽光発電機器の連携によって最もならし効果が向上するように、機器制御を行うことができる。制御対象とする機器としては、発電する太陽光発電、充放電する蓄電池、負荷となる機器、などを組み合わせることが可能である。結果として最もならし効果が向上するように動作計画を立てれば良い。
また需要家の太陽光発電は、需要家内の機器で消費する、余剰電力を系統に供給する、全量を系統に供給する、などの使い方がある。具体的には、配線の構成、および太陽光発電機器の制御を行うPCS(Power Conditioner System)の動作内容などに依存するが、ここでは分かりやすさのために、太陽光発電量を全て系統に供給する場合を説明する。ここで、需要家の太陽光発電機器から系統に向けて電力を供給(売電)するとき、電力の流れ(逆潮流)を作るために電圧変動が引き起こされることに着目する。
分散型DMSが管理対象とする地域内にはN軒の需要家があり、そのうちのM軒(M<N)に太陽光発電が備わっているとする。M軒の太陽光発電は、日射量に比例して発電を行い、簡単のため、太陽光発電量は全て系統に供給(売電)しているとする。地表の日射量は、短期的には雲(言い換えると雲の影)の流れに依存して変化する。地域内に分散するM軒の太陽光発電の短期変動は、日射量(つまり雲の流れ)に依存した時差をもって変動する。この変動は、電力系統の様々な状態値によって記述できるが、ここでは電圧変動とする。従来から、電圧変動を抑えるために、SVR、SVCなどの電圧制御機器が利用されている。日射量の予測信号を利用してこれらの動作速度を考慮した制御計画を立てることができる。
一例として矩形波(ONとOFF)が入力信号であるとする。その信号の周波数成分は、知られているように正弦波の組み合わせに置き換えられる。ここで複数の矩形波がランダムに重畳して重なり波形のON時間が長くなるにつれて低周波成分が増加する。さらに矩形波が重なり、ONが連続するときには直流成分のみになる。上記を日射量(太陽光発電発電量)に当てはめるならば、入力信号は1軒の太陽光発電であり、複数の波形の重畳はM軒の太陽光発電である。晴れ時々曇りは、適当な時間間隔で矩形波が並ぶときであり高周波成分を持つ。一方、曇天あるいは雨天時は直流成分になる。
本発明は分散型DMSによる電圧変動の抑圧方式と装置を提供する。その原理を説明する前に、電力系統自体が備える「ならし効果」と呼ばれる性質を利用する。ならし効果は、波形の重畳によって周波数成分が低周波側へシフトする。
なお日射量データの採取方法として、以下のように行うことも可能である。まず本発明では日射量データを利用して風の向きと速度を予測する。このため複数地点の日射量データの採取を行う。前述したように本発明の特徴として日射量の大きさが揃っている必要がない。これより、様々なセンサで採取した日射量に相当するデータを利用できる。例えば前記した地域管理装置DMSに日射量に相当するセンサを備え付ける方法がある。
また太陽光発電量から日射量を換算する方法がある。太陽光発電のパネルは半導体を利用しているので、温度特性、寿命特性などを持つ。しかし短期間に限るなどの条件を付ければ、日射量と発電量は線形な関係にあると見なせることが多い。そこで、例えば前記した地域管理装置DMsが太陽光発電量を集約できならば、地点と発電量の情報から日射量を換算できる。図14ではこの理由により発電量の情報を集めている。
また気象庁は様々な気象に関わる情報を公開している。衛星写真、天気予報、天気図、観測所にて測定した気象データなどがある。本発明は、これらの情報を取り込んで利用しても良い。
ところで近年はネットワークの発達により、気象庁のような公の機関に限ること無く、多くの個人の情報が公開されている。これらの情報から、気象データを抽出して利用することができる。例えば、携帯電話のカメラ、あるいは監視カメラで採取した画像データに背景が含まれているとき、影の有無などから気象データを抽出できることがある。
街路灯は明るさセンサを内蔵して、夜になって暗くなれば自動点灯し、朝になって明るくなれば自動消灯する。街路灯は地域に分散配置されていることから、街路灯に備わっている明るさセンサの情報を採取できるならば、日射量データとして利用できる。
また風向と風速に基づいて、電力系統を再構成することもならし効果を最大化する上で有効である。例えば本発明の気象予測の結果を用いて、ならし効果が最も現れやすいような系統構成を事前に変更する。太陽光発電の設置個所は任意に変更できないが、一般に系統構成は事故対策などを目的にあるていどの構成を変更できる場合が多い。
そこで、変更可能な系統構成データを事前に用意しておいて、本発明の気象予測の結果を用いて、日射変動による太陽光発電波形のならし効果が最も効果的に現れる系統構成を算出して、その結果に基づいて、例えば、開閉器(スイッチャ)を利用して、系統の再構成を行う。晴天、曇天、雨天の日は実施する必要は低い。晴れ時々曇りの日に実施することで効果が大きくなる。
あるいは蓄電池の代わりに電気自動車を利用することが考えられる。蓄電池を用いた安定化制御の例を前記したが、固定的に設置する蓄電池の代わりに、例えば電気自動車(EV)に搭載された蓄電池を利用できる。基本的な蓄電池としての機能は同じであるが、電池の種別、制御装置の構成、容量、用途、などに相違がある。移動可能であるから不在のことがある。また移動に備えて満充電に近い状態を定常とすることがある。しかし備わっている蓄電池を使って前記した本発明の手順に沿って電圧安定化に利用できる。
I:日射量,102:風向と風速の算出手段,W:風向と風速(雲の流れ),104:日射量の予測手段,105:日射量予測信号,106:制御手段,107:制御信号,108:メモリ

Claims (15)

  1. 電力系統の複数地点で時系列的に得た日射量関連信号についてその時系列的変動分を求める第1の手段と、前記日射量関連信号の時系列的変動分が同じ傾向を示す時刻を電力系統の前記複数地点ごとに求め、前記複数地点ごとの前記日射量関連信号の時系列的変動分を時間に対する確率密度関数として求め、風向と風速を仮設定し、仮設定した風向と風速のときに、雲が前記複数地点の地点間を移動するに要する時間に応じて前記複数地点ごとに求めた前記時間に対する確率密度関数の前記時刻との間の時間補正を行う第2の手段と、前記時間補正を考慮して求めた前記複数地点ごとの前記時間に対する確率密度関数について尤度計算を実施する第3の手段と、前記風向と風速の仮設定値を順次変更してその都度の尤度を求め、尤度が最も大きくなるときの風向と風速に関する情報を出力する第4の手段と、前記第4の手段で求めた尤度が最も大きくなるときの風向と風速に関する情報から、注目点における気象の予測信号を得る第5の手段を備えることを特徴とする気象予測装置。
  2. 請求項1記載の気象予測装置において、
    第3の手段の尤度計算では、前記時間補正した複数の前記確率密度関数の各時刻の積を求めることを特徴とする気象予測装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の気象予測装置において、
    前記第5の手段で求めた気象の予測信号を統計的に判断する第6の手段を備え、確からしい場合はその時点の予測信号を出力し、確からしさに欠ける場合はその時点より前の気象の予測信号を出力することを特徴とする気象予測装置。
  4. 電力系統の複数地点で時系列的に得た日射量関連信号についてその時系列的変動分を求め、前記日射量関連信号の時系列的変動分が同じ傾向を示す時刻を電力系統の前記複数地点ごとに求め、前記複数地点ごとの前記日射量関連信号の時系列的変動分を時間に対する確率密度関数として求め、風向と風速を仮設定し、仮設定した風向と風速のときに、雲が前記複数地点の地点間を移動するに要する時間に応じて前記複数地点ごとに求めた前記時間に対する確率密度関数の前記時刻との間の時間補正を行い、前記時間補正を考慮して求めた前記複数地点ごとの前記時間に対する確率密度関数について尤度計算を実施し、前記風向と風速の仮設定値を順次変更してその都度の尤度を求め、尤度が最も大きくなるときの風向と風速に関する情報を得、前記尤度が最も大きくなるときの風向と風速に関する情報から、注目点における気象の予測信号を得ることを特徴とする気象予測方法
  5. 請求項4記載の気象予測方法において、
    前記尤度計算では、前記時間補正した複数の前記確率密度関数の各時刻の積を求めることを特徴とする気象予測方法。
  6. 請求項4または請求項5記載の気象予測方法において、
    前記気象の予測信号を統計的に判断し、確からしい場合はその時点の予測信号を出力し、確からしさに欠ける場合はその時点より前の気象の予測信号を出力することを特徴とする気象予測方法。
  7. 複数の太陽光発電と、電力機器を設備している電力系統の制御のための電力系統制御装置であって、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気象予測装置を含む電力系統制御装置において、
    前記第5の手段で求めた前記注目点における気象の予測信号を用いて前記電力機器を制御し、電力系統を安定化させる第7の手段を備えることを特徴とする電力系統制御装置。
  8. 請求項7記載の電力系統制御装置において、
    前記電力機器は、電力系統に接続された蓄電池であって、前記第7の手段は気象の予測信号で定まる晴れの期間の前後を含む期間において蓄電池の充放電制御を実施することを特徴とする電力系統制御装置。
  9. 請求項8記載の電力系統制御装置において、
    前記第7の手段は、気象の予測信号で定まる晴れの期間に充電制御を実行し、当該期間の前後を含む期間において蓄電池の放電制御を実施することを特徴とする電力系統制御装置。
  10. 請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の電力系統制御装置において、
    前記気象の予測信号に基づいて、気象の変動による太陽光発電の発電量の変動が起きる時刻に先立って発電量の波型補正を行い、発電波形の高周波成分を除去することを特徴とする電力系統制御装置。
  11. 請求項7記載の電力系統制御装置において、
    前記電力機器は、電力系統に接続されたタップ付変圧器であって、前記第7の手段は気象の予測信号で定まる気象変動に先立ち前記タップ付変圧器のタップ位置制御を実施することを特徴とする電力系統制御装置。
  12. 請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の電力系統制御装置において、
    前記日射量関連信号は、前記太陽光発電の発電量の信号であることを特徴とする電力系統制御装置。
  13. 請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の電力系統制御装置において、
    電力系統制御装置は、電力系統の一部に備えられた配電系統の管理システムであることを特徴とする電力系統制御装置。
  14. 複数の太陽光発電と、電力機器を設備している電力系統の制御のための電力系統制御方法であって、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の気象予測方法を含む電力系統制御方法において、
    前記注目点における気象の予測信号を用いて電気電力機器を操作し、電力系統を安定化させることを特徴とする電力系統制御方法。
  15. 請求項14記載の電力系統制御方法において、
    前記電力機器は、電力系統に接続された蓄電池であって、前記気象の予測信号で定まる晴れの期間の前後を含む期間において蓄電池の充放電制御を実施することを特徴とする電力系統制御方法。
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