以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(第1の実施例)
図1から図25は、本発明の第1の実施例に係るものである。
観察システム1は、図1に示すように、被検体内に挿入可能であるとともに、当該被検体内の生体組織等の被写体を撮像して撮像信号を出力するように構成された内視鏡2と、内視鏡2の内部に挿通配置されたライトガイド7を介して当該被写体の観察に用いられる照明光を供給するように構成された光源装置3と、内視鏡2から出力される撮像信号に応じた映像信号等を生成して出力するように構成されたプロセッサ4と、プロセッサ4から出力される映像信号に応じた観察画像等を表示するように構成された表示装置5と、術者等のユーザの入力操作に応じた指示等をプロセッサ4に対して行うことが可能なスイッチ及び/またはボタン等を備えた入力装置6と、を有している。図1は、第1の実施例に係る観察システムの要部の構成を示す図である。
内視鏡2は、被検体内に挿入可能な細長形状に形成された挿入部2aと、挿入部2aの基端側に設けられた操作部2bと、を有している。また、内視鏡2は、例えば、撮像部21から出力される撮像信号等の種々の信号の伝送に用いられる信号線が内蔵されたユニバーサルケーブル(不図示)を介し、プロセッサ4に着脱可能に接続されるように構成されている。また、内視鏡2は、ライトガイド7の少なくとも一部が内蔵されたライトガイドケーブル(不図示)を介し、光源装置3に着脱可能に接続されるように構成されている。
挿入部2aの先端部2cには、被検体内の生体組織等の被写体を撮像するための撮像部21と、ライトガイド7の出射端部と、ライトガイド7により伝送された照明光を被写体へ照射する照明光学系22と、が設けられている。
撮像部21は、照明光学系22を経て出射される照明光により照明された被写体からの戻り光を撮像して撮像信号を出力するように構成されている。具体的には、撮像部21は、被写体から発せられる戻り光を結像するように構成された対物光学系21aと、当該戻り光を受光して撮像するための複数の画素を対物光学系21aの結像位置に合わせてマトリクス状に配設して構成された撮像素子21bと、を有している。
撮像素子21bは、例えば、CCDまたはCMOS等のイメージセンサを具備し、対物光学系21aにより結像された戻り光を撮像することにより撮像信号を生成し、当該生成した撮像信号をプロセッサ4へ出力するように構成されている。
操作部2bは、ユーザが把持して操作することが可能な形状を具備して構成されている。また、操作部2bには、ユーザの入力操作に応じた指示をプロセッサ4に対して行うことが可能な1つ以上のスイッチを具備して構成されたスコープスイッチ23が設けられている。
また、操作部2bの内部には、内視鏡2に固有のID番号等を示す情報を含む内視鏡情報が格納されたスコープメモリ24が設けられている。なお、スコープメモリ24に格納された内視鏡情報は、内視鏡2とプロセッサ4とが電気的に接続され、かつ、プロセッサ4の電源がオンされた際に、プロセッサ4の制御部47(後述)により読み出される。
光源装置3は、光源制御部31と、光源ユニット32と、合波器33と、集光レンズ34と、を有して構成されている。
光源制御部31は、例えば、光源ユニット32の各光源を駆動するための駆動回路等を具備して構成されている。また、光源制御部31は、プロセッサ4から出力される照明制御信号及び発光光量比制御信号に応じて光源ユニット32の各光源を駆動するための光源駆動信号を生成して出力するように構成されている。
光源ユニット32は、青色光源32a及び32bと、緑色光源32c及び32dと、赤色光源32e及び32fと、を有して構成されている。
光源ユニット32の各光源は、光源制御部31から出力される光源駆動信号に応じたタイミングで個別に発光または消光するように構成されている。また、光源ユニット32の各光源は、光源制御部31から出力される光源駆動信号に応じた発光光量で発光するように構成されている。
青色光源32aは、例えば、青色LED等を具備し、400nmから440nmまでのいずれかに中心波長が設定された青色光であるBS光を発するように構成されている。具体的には、青色光源32aは、例えば、中心波長が415nmに設定されたBS光を発するように構成されている。すなわち、BS光は、生体組織の表層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数が後述のBL光に比べて高くなるような特性を具備している。なお、青色光源32aの発光光量は、BS光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
青色光源32bは、例えば、青色LED等を具備し、450nmから490nmまでのいずれかに中心波長が設定された青色光であるBL光を発するように構成されている。具体的には、青色光源32bは、例えば、中心波長が475nmに設定されたBL光を発するように構成されている。すなわち、BL光は、生体組織の表層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数がBS光に比べて低くなるような特性を具備している。なお、青色光源32bの発光光量は、BL光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
緑色光源32cは、例えば、緑色LED等を具備し、500nmから530nmまでのいずれかに中心波長が設定された緑色光であるGS光を発するように構成されている。具体的には、緑色光源32cは、例えば、中心波長が520nmに設定されたGS光を発するように構成されている。すなわち、GS光は、生体組織の深層よりも表層側の中層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数が後述のGL光に比べて低くなるような特性を具備している。なお、緑色光源32cの発光光量は、GS光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
緑色光源32dは、例えば、緑色LED等を具備し、540nmから580nmまでのいずれかに中心波長が設定された緑色光であるGL光を発するように構成されている。具体的には、緑色光源32dは、例えば、中心波長が540nmに設定されたGL光を発するように構成されている。すなわち、GL光は、生体組織の深層よりも表層側の中層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数がGS光に比べて高くなるような特性を具備している。なお、緑色光源32dの発光光量は、GL光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
赤色光源32eは、例えば、赤色LED等を具備し、590nmから610nmまでのいずれかに中心波長が設定された赤色光であるRS光を発するように構成されている。具体的には、赤色光源32eは、例えば、中心波長が600nmに設定されたRS光を発するように構成されている。すなわち、RS光は、生体組織の深層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数が後述のRL光に比べて高くなるような特性を具備している。なお、赤色光源32eの発光光量は、RS光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
赤色光源32fは、例えば、赤色LED等を具備し、620nmから700nmまでのいずれかに中心波長が設定された赤色光であるRL光を発するように構成されている。具体的には、赤色光源32fは、例えば、中心波長が630nmに設定されたRL光を発するように構成されている。すなわち、RL光は、生体組織の深層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数がRS光に比べて低くなるような特性を具備している。なお、赤色光源32fの発光光量は、RL光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
合波器33は、光源ユニット32から発せられる光を合波して集光レンズ34へ出射するように構成されている。
集光レンズ34は、合波器33を経て出射される光を集光してライトガイド7の入射端部へ入射させるように構成されている。
プロセッサ4は、前処理部41と、A/D変換部42と、ホワイトバランス処理部(以降、WB処理部と略記する)43と、鮮鋭度強調部44と、階調変換部45と、表示制御部46と、制御部47と、を有して構成されている。
前処理部41は、例えば、信号処理回路を具備して構成されている。また、前処理部41は、内視鏡2の撮像部21から出力される撮像信号に対して増幅及びノイズ除去等の所定の信号処理を施してA/D変換部42へ出力するように構成されている。
A/D変換部42は、例えば、A/D変換回路を具備して構成されている。また、A/D変換部42は、前処理部41から出力される撮像信号に対してA/D変換等の処理を施すことにより画像データを生成し、当該生成した画像データをWB処理部43へ出力するように構成されている。
WB処理部43は、例えば、ホワイトバランス処理回路を具備して構成されている。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、A/D変換部42から出力される画像データに対してホワイトバランス処理を施すとともに、当該ホワイトバランス処理を施した画像データを鮮鋭度強調部44へ出力するように構成されている。
鮮鋭度強調部44は、例えば、鮮鋭度強調処理回路を具備して構成されている。また、鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、WB処理部43から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるための強調処理に相当する空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力するように構成されている。換言すると、鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、WB処理部43から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物の鮮鋭度を強調して表示させるための鮮鋭度強調処理を施すとともに、当該鮮鋭度強調処理を施した画像データを階調変換部45へ出力するように構成されている。
階調変換部45は、例えば、階調変換回路を具備して構成されている。また、階調変換部45は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調部44から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるための強調処理に相当する階調変換処理を施すとともに、当該階調変換処理を施した画像データを表示制御部46へ出力するように構成されている。換言すると、階調変換部45は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調部44から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物のコントラストを強調して表示させるためのコントラスト強調処理を施すとともに、当該コントラスト強調処理を施した画像データを表示制御部46へ出力するように構成されている。
表示制御部46は、例えば、表示制御回路を具備して構成されている。また、表示制御部46は、制御部47の制御に応じ、階調変換部45から出力される画像データを表示装置5のRチャンネル、Gチャンネル及びBチャンネルに割り当てることにより映像信号を生成し、当該生成した映像信号を表示装置5へ出力するように構成されている。
制御部47は、例えば、FPGAまたはCPU等により構成された制御回路を具備している。また、制御部47は、鮮鋭度強調部44による空間フィルタ処理に利用可能な複数の空間フィルタ、及び、階調変換部45による階調変換処理に利用可能な複数の階調変換関数等の情報が予め格納されたメモリ47aを有している。また、制御部47は、内視鏡2とプロセッサ4とが電気的に接続され、かつ、プロセッサ4の電源がオンされた際に、スコープメモリ24に格納された内視鏡情報を読み込むように構成されている。
制御部47は、時分割の照明パターン等の所定の照明パターンで被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力するように構成されている。また、制御部47は、入力装置6及び/またはスコープスイッチ23に設けられた鮮鋭度強調スイッチ(不図示)において選択された所望の鮮鋭度に応じ、光源ユニット32の各光源の発光光量の光量比を設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力するように構成されている。
制御部47は、所定のホワイトバランス係数を用いたホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行うように構成されている。なお、前述の所定のホワイトバランス係数は、例えば、白色の基準被写体を撮像して得られる画像データを白色の観察画像として表示装置5に表示させる(視認させる)ために用いられる値として、メモリ47aに予め格納されているものとする。
制御部47は、入力装置6及び/またはスコープスイッチ23に設けられた鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された所望の鮮鋭度に応じた空間フィルタをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行うように構成されている。
制御部47は、入力装置6及び/またはスコープスイッチ23に設けられたコントラスト強調スイッチ(不図示)において選択された所望のコントラストに応じた階調変換関数をメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ階調変換関数を用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行うように構成されている。
制御部47は、階調変換部45から出力される各画像データを、所定の照明パターンで照明された被写体から発せられる戻り光に応じた色チャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行うように構成されている。
続いて、本実施例に係る観察システム1の具体的な動作等について、以下に説明する。なお、以降においては、特に言及の無い限り、鮮鋭度強調スイッチにおける所望の鮮鋭度(強調度合い)として、「オフ」、「弱」、「中」及び「強」の4つのうちの1つの鮮鋭度を選択可能な場合を例に挙げて説明する。また、以降においては、特に言及の無い限り、コントラスト強調スイッチにおける所望のコントラスト(強調度合い)として、「ノーマル」及び「ハイ」の2つのうちの1つのコントラストを選択可能な場合を例に挙げて説明する。
まず、ユーザは、観察システム1の各部を接続して電源を投入した後、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた照明スイッチ(不図示)をオフからオンへ切り替える操作を行うことにより、光源装置3から内視鏡2へ照明光を供給させるための指示を制御部47に対して行う。また、ユーザは、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」を選択する操作を行うことにより、生体組織に含まれる構造物を強調表示させないようにするための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、プロセッサ4の電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされていることを検出した際に、時分割の照明パターンIP1で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。具体的には、制御部47は、プロセッサ4の電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされたことを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bを同時に発光させる照明期間PAと、緑色光源32c及び32dを同時に発光させる照明期間PBと、赤色光源32e及び32fを同時に発光させる照明期間PCと、をこの順番で周期的に繰り返すような照明パターンIP1で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、照明パターンIP1における各照明期間の順番は、PA→PB→PCの順でなくともよい。
また、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、光源ユニット32の各光源の発光光量を相互に同一の発光光量EAに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
光源制御部31は、制御部47から出力される照明制御信号に応じ、照明期間PAにおいて、緑色光源32c及び32dと赤色光源32e及び32fとを消光させつつ青色光源32a及び32bを同時に発光させ、照明期間PBにおいて、青色光源32a及び32bと赤色光源32e及び32fとを消光させつつ緑色光源32c及び32dを同時に発光させ、照明期間PCにおいて、青色光源32a及び32bと緑色光源32c及び32dとを消光させつつ赤色光源32e及び32fを同時に発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
また、光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、光源ユニット32の各光源を発光光量EAで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図2に示すような、発光光量EAで発せられたBS光と、発光光量EAで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LAが発せられ、当該戻り光LAを撮像して得られる画像データILAがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図2に示すような、発光光量EAで発せられたGS光と、発光光量EAで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LBが発せられ、当該戻り光LBを撮像して得られる画像データILBがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図2に示すような、発光光量EAで発せられたRS光と、発光光量EAで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LCが発せられ、当該戻り光LCを撮像して得られる画像データILCがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、A/D変換部42から順次出力される各画像データに対し、所定のホワイトバランス係数を用いたホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図3に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFAをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図3のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が中域に存在するような山形の特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILA、ILB及びILCのそれぞれに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
なお、本実施例においては、空間フィルタSFAが、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるためのフィルタ特性を有していない。そのため、本実施例の鮮鋭度強調部44は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際には、WB処理部43から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理を施さないものとする。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、図4に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFAをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。
なお、本実施例においては、階調変換関数TFAが、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるための入出力特性を有していない。そのため、本実施例の階調変換部45は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている際には、鮮鋭度強調部44から出力される画像データに対し、生体組織に含まれる1つ以上の構造物を強調表示させるための階調変換処理を施さないものとする。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILAを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILBを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILCを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、生体組織に含まれる構造物を、強調処理が適用されていない自然な状態と略同等の視認性で観察可能な観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、内視鏡2の挿入部2aを被検体内に挿入してゆくことにより、当該被検体内に存在する観察対象の生体組織を撮像可能な位置に先端部2cを配置する。そして、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離に応じて鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度を適宜選択することにより、当該観察対象の生体組織に含まれる所望の構造物を強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
具体的には、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が遠景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管を強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量と、緑色光源32c及び32dの発光光量と、を相互に同一の発光光量EAに設定し、赤色光源32eの発光光量を当該発光光量EAよりも大きな発光光量EBに設定し、赤色光源32fの発光光量を当該発光光量EAよりも小さな発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「弱」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における赤色光源32e及び32fの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、青色光源32a及び32bと、緑色光源32c及び32dと、を発光光量EAで発光させ、赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、かつ、赤色光源32fを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図5に示すような、発光光量EAで発せられたBS光と、発光光量EAで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LAが発せられ、当該戻り光LAを撮像して得られる画像データILAがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図5に示すような、発光光量EAで発せられたGS光と、発光光量EAで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LBが発せられ、当該戻り光LBを撮像して得られる画像データILBがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図5に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LFが発せられ、当該戻り光LFを撮像して得られる画像データILFがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、図6に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFBをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図6のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFAと同一であり、かつ、空間周波数全域における強調量が空間フィルタSFA以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILA、ILB及びILFのそれぞれに対して空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILAを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILBを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILFを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管が強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が中景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、をそれぞれ強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量を相互に同一の発光光量EAに設定し、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における緑色光源32c及び32dの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、青色光源32a及び32bを発光光量EAで発光させ、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、かつ、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図7に示すような、発光光量EAで発せられたBS光と、発光光量EAで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LAが発せられ、当該戻り光LAを撮像して得られる画像データILAがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図7に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LEが発せられ、当該戻り光LEを撮像して得られる画像データILEがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図7に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LFが発せられ、当該戻り光LFを撮像して得られる画像データILFがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、図8に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFCをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図8のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFA及びSFBと同一であり、かつ、空間周波数全域における強調量が空間フィルタSFB以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILA、ILE及びILFのそれぞれに対して空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILAを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILEを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILFを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、がそれぞれ強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、の視認性が鮮鋭度「オフ」よりもそれぞれ向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が近景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、をそれぞれ強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「強」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における青色光源32a及び32bの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、かつ、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図9に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LDが発せられ、当該戻り光LDを撮像して得られる画像データILDがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図9に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LEが発せられ、当該戻り光LEを撮像して得られる画像データILEがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図9に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LFが発せられ、当該戻り光LFを撮像して得られる画像データILFがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、図10に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFDをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFDを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図10のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFA〜SFCと同一であり、かつ、空間周波数全域における強調量が空間フィルタSFC以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILD、ILE及びILFのそれぞれに対して空間フィルタSFDを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILDを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILEを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILFを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、がそれぞれ強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、の視認性が鮮鋭度「オフ」よりもそれぞれ向上した観察画像が表示装置5に表示される。
なお、本実施例の制御部47は、例えば、鮮鋭度「オフ」における各光源の発光光量を図9のように設定した場合に、鮮鋭度「弱」における各光源の発光光量を図11のように設定し、鮮鋭度「中」における各光源の発光光量を図12のように設定し、鮮鋭度「強」における各光源の発光光量を図13のように設定してもよい。
具体的には、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び緑色光源32dの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、青色光源32b及び緑色光源32cの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定し、赤色光源32eの発光光量を当該発光光量EBよりも大きな発光光量EDに設定し、赤色光源32fの発光光量を当該発光光量ECよりも小さな発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「弱」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における赤色光源32eの発光光量EB及び赤色光源32fの発光光量ECを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、青色光源32a及び緑色光源32dを発光光量EBで発光させ、青色光源32b及び緑色光源32cを発光光量ECで発光させ、赤色光源32eを発光光量EDで発光させ、かつ、赤色光源32fを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図11に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図11に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図11に示すような、発光光量EDで発せられたRS光と、発光光量EEで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「弱」における各光源の発光光量が図11のように設定された場合には、空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
一方、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32aの発光光量を発光光量EBに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量ECに設定し、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EDに設定し、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における緑色光源32cの発光光量EC及び緑色光源32dの発光光量EBを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、青色光源32aを発光光量EBで発光させ、青色光源32bを発光光量ECで発光させ、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EDで発光させ、かつ、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図12に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図12に示すような、発光光量EEで発せられたGS光と、発光光量EDで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図12に示すような、発光光量EDで発せられたRS光と、発光光量EEで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「中」における各光源の発光光量が図12のように設定された場合には、空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
一方、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EDに設定し、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「強」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における青色光源32aの発光光量EB及び青色光源32bの発光光量ECを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EDで発光させ、かつ、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図13に示すような、発光光量EDで発せられたBS光と、発光光量EEで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図13に示すような、発光光量EEで発せられたGS光と、発光光量EDで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図13に示すような、発光光量EDで発せられたRS光と、発光光量EEで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「強」における各光源の発光光量が図13のように設定された場合には、空間フィルタSFDを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
なお、本実施例においては、例えば、光源ユニット32各光源の発光光量が図5に示すような発光光量に設定された際に、画像データILA及びILBに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理が施され、かつ、画像データILFに対して空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理が施されるようにしてもよい。また、本実施例においては、例えば、光源ユニット32各光源の発光光量が図7に示すような発光光量に設定された際に、画像データILAに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理が施され、画像データILEに対して空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理が施され、かつ、画像データILFに対して空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理が施されるようにしてもよい。また、本実施例においては、例えば、光源ユニット32各光源の発光光量が図9に示すような発光光量に設定された際に、画像データILDに対して空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理が施され、画像データILEに対して空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理が施され、かつ、画像データILFに対して空間フィルタSFDを用いた空間フィルタ処理が施されるようにしてもよい。すなわち、本実施例によれば、光源装置3から供給される照明光の発光光量比が鮮鋭度「オフ」における発光光量比から変更された際に、当該変更された発光光量比に対応する画像データに適用される空間フィルタのフィルタ特性のみが、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じて変更されるようにしてもよい。
一方、本実施例においては、鮮鋭度「オフ」以外における各光源の発光光量と空間フィルタのフィルタ特性との組み合わせを、図5〜図10に示したものの代わりに、例えば、図14〜図19に示すようなものとしてもよい。このような場合に行われる具体的な動作等について、以下に説明する。なお、以降においては、簡単のため、既述の動作等を適用可能な部分に関する具体的な説明を適宜省略するものとする。また、図14〜図19に係る説明においては、鮮鋭度強調スイッチにおける所望の鮮鋭度(強調度合い)として、「オフ」、「遠景用」、「中景用」及び「近景用」の4つのうちの1つの鮮鋭度を選択可能な場合を例に挙げて説明する。
ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が遠景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管を強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量と、緑色光源32c及び32dの発光光量と、を相互に同一の発光光量EAに設定し、赤色光源32eの発光光量を発光光量EBに設定し、赤色光源32fの発光光量を発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「遠景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における赤色光源32e及び32fの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されている際に、青色光源32a及び32bと、緑色光源32c及び32dと、を発光光量EAで発光させ、赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、かつ、赤色光源32fを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図14に示すような、発光光量EAで発せられたBS光と、発光光量EAで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LAが発せられ、当該戻り光LAを撮像して得られる画像データILAがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図14に示すような、発光光量EAで発せられたGS光と、発光光量EAで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LBが発せられ、当該戻り光LBを撮像して得られる画像データILBがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図14に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LFが発せられ、当該戻り光LFを撮像して得られる画像データILFがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、図15に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFEをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFEを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図15のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFAよりも低域側にシフトしており、かつ、低域〜中域の空間周波数における強調量が空間フィルタSFA以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILA、ILB及びILFのそれぞれに対して空間フィルタSFEを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILAを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILBを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILFを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管が強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が中景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管を強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量と、赤色光源32e及び32fの発光光量と、を相互に同一の発光光量EAに設定し、緑色光源32dの発光光量を発光光量EBに設定し、緑色光源32cの発光光量を発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における緑色光源32c及び32dの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されている際に、青色光源32a及び32bと、赤色光源32e及び32fと、を発光光量EAで発光させ、緑色光源32dを発光光量EBで発光させ、かつ、緑色光源32cを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図16に示すような、発光光量EAで発せられたBS光と、発光光量EAで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LAが発せられ、当該戻り光LAを撮像して得られる画像データILAがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図16に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LEが発せられ、当該戻り光LEを撮像して得られる画像データILEがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図16に示すような、発光光量EAで発せられたRS光と、発光光量EAで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LCが発せられ、当該戻り光LCを撮像して得られる画像データILCがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、図17に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFFをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFFを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図17のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFAと同一であり、かつ、空間周波数の略全域における強調量が空間フィルタSFA以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILA、ILE及びILCのそれぞれに対して空間フィルタSFFを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILAを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILEを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILCを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の中層に存在する血管が強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の中層に存在する血管の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が近景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造を強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、緑色光源32c及び32dの発光光量と、赤色光源32e及び32fの発光光量と、を相互に同一の発光光量EAに設定し、青色光源32aの発光光量を発光光量EBに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量ECに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「近景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における青色光源32a及び32bの2つの発光光量EAを加算して(発光光量EAを2倍して)得られる値と、発光光量EB及びECを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されている際に、緑色光源32c及び32dと、赤色光源32e及び32fと、を発光光量EAで発光させ、青色光源32aを発光光量EBで発光させ、かつ、青色光源32bを発光光量ECで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図18に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LDが発せられ、当該戻り光LDを撮像して得られる画像データILDがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図18に示すような、発光光量EAで発せられたGS光と、発光光量EAで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LBが発せられ、当該戻り光LBを撮像して得られる画像データILBがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図18に示すような、発光光量EAで発せられたRS光と、発光光量EAで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LCが発せられ、当該戻り光LCを撮像して得られる画像データILCがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、図19に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFGをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFGを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図19のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFAよりも高域側にシフトしており、かつ、中域〜高域の空間周波数における強調量が空間フィルタSFA以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILD、ILB及びILCのそれぞれに対して空間フィルタSFGを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILDを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILBを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILCを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
なお、本実施例の制御部47は、例えば、鮮鋭度「オフ」における各光源の発光光量を図9のように設定した場合に、鮮鋭度「遠景用」における各光源の発光光量を図20のように設定し、鮮鋭度「中景用」における各光源の発光光量を図21のように設定し、鮮鋭度「近景用」における各光源の発光光量を図22のように設定してもよい。
具体的には、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び緑色光源32dの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、青色光源32b及び緑色光源32cの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定し、赤色光源32eの発光光量を発光光量EDに設定し、赤色光源32fの発光光量を発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「遠景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における赤色光源32eの発光光量EB及び赤色光源32fの発光光量ECを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「遠景用」が選択されている際に、青色光源32a及び緑色光源32dを発光光量EBで発光させ、青色光源32b及び緑色光源32cを発光光量ECで発光させ、赤色光源32eを発光光量EDで発光させ、かつ、赤色光源32fを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図20に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図20に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図20に示すような、発光光量EDで発せられたRS光と、発光光量EEで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「遠景用」における各光源の発光光量が図20のように設定された場合には、空間フィルタSFEを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
一方、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、青色光源32b及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定し、緑色光源32dの発光光量を発光光量EDに設定し、緑色光源32cの発光光量を発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における緑色光源32dの発光光量EB及び緑色光源32cの発光光量ECを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中景用」が選択されている際に、青色光源32a及び赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、青色光源32b及び赤色光源32fを発光光量ECで発光させ、緑色光源32dを発光光量EDで発光させ、かつ、緑色光源32cを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図21に示すような、発光光量EBで発せられたBS光と、発光光量ECで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図21に示すような、発光光量EEで発せられたGS光と、発光光量EDで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図21に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「中景用」における各光源の発光光量が図21のように設定された場合には、空間フィルタSFFを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
一方、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されていることを検出した際に、例えば、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を相互に同一の発光光量EBに設定し、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を相互に同一の発光光量ECに設定し、青色光源32aの発光光量を発光光量EDに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量EEに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「近景用」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における青色光源32aの発光光量EB及び青色光源32bの発光光量ECを加算して得られる値と、発光光量ED及びEEを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「近景用」が選択されている際に、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EBで発光させ、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量ECで発光させ、青色光源32aを発光光量EDで発光させ、かつ、青色光源32bを発光光量EEで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図22に示すような、発光光量EDで発せられたBS光と、発光光量EEで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図22に示すような、発光光量ECで発せられたGS光と、発光光量EBで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図22に示すような、発光光量EBで発せられたRS光と、発光光量ECで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給される。
なお、鮮鋭度「近景用」における各光源の発光光量が図22のように設定された場合には、空間フィルタSFGを用いた空間フィルタ処理が鮮鋭度強調部44において行われるようにすればよい。
ここで、例えば、光源ユニット32の各光源の発光光量比を図2のように一定の比率に固定したまま、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理を行うような状況を鑑みた場合には、当該選択された鮮鋭度次第では、空間周波数に対する強調量の変化率が比較的大きな空間フィルタを用いて空間フィルタ処理を行う必要があるため、色ノイズ等のアーティファクトが高頻度で発生してしまう、という問題点が生じる。
これに対し、本実施例においては、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、光源ユニット32の各光源の発光光量比と、鮮鋭度強調部44の空間フィルタ処理に用いられる空間フィルタと、を併せて変更しているため、(例えば空間フィルタSFB〜SFGのような、)空間周波数に対する強調量の変化率が比較的小さな空間フィルタを用いて空間フィルタ処理を行った場合であっても、生体組織に含まれる血管等の構造物を十分に強調表示させることができる。従って、本実施例によれば、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理に起因する色ノイズ等のアーティファクトの発生頻度を低頻度に抑制することができ、すなわち、当該構造物を強調表示する際の強調度合いに応じて生じる画質の低下を抑制することができる。
また、本実施例によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、光源ユニット32の各光源における発光光量の調整を行っているため、当該鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度の切り替えに伴って生じ得る観察画像の明るさ及び/または色調の変動を極力抑制することができる。
なお、以上に述べた実施例に係る構成等を適宜変形することにより、例えば、青色光源32a及び32bと、緑色光源32c及び32dと、赤色光源32e及び32fと、を同時に発光させるような照明パターンで被写体を照明した場合であっても、略同様の作用効果を得ることができる。
一方、本実施例に係る動作を変形することにより、コントラスト強調スイッチ(不図示)において選択された所望のコントラストに応じ、光源ユニット32の各光源の発光光量比と、階調変換部45の階調変換処理に用いられる階調変換関数と、を併せて変更するような動作を行うようにしてもよい。このような変形例に係る動作について、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている場合を例に挙げて説明する。
具体的には、制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、光源ユニット32の各光源の発光光量を相互に同一の発光光量EFに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている際に、光源ユニット32の各光源を発光光量EFで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図23に示すような、発光光量EFで発せられたBS光と、発光光量EFで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LGが発せられ、当該戻り光LGを撮像して得られる画像データILGがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図23に示すような、発光光量EFで発せられたGS光と、発光光量EFで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LHが発せられ、当該戻り光LHを撮像して得られる画像データILHがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図23に示すような、発光光量EFで発せられたRS光と、発光光量EFで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LIが発せられ、当該戻り光LIを撮像して得られる画像データILIがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、A/D変換部42から順次出力される各画像データに対し、所定のホワイトバランス係数を用いたホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図3に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFAをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILG、ILH及びILIのそれぞれに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、図4に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFAをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。なお、図4の入出力特性は、階調変換処理を行わない場合(図4内の点線で示す場合)に比べ、画像データ全域の輝度値を増加させるような特性として示される。
階調変換部45は、制御部47の制御に応じ、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている際に、鮮鋭度強調部44から出力される画像データILG、ILH及びILIのそれぞれに対して階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を施すとともに、当該階調変換処理を施した画像データを表示制御部46へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILGを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILHを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILIを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている際に、生体組織に含まれる構造物を、強調処理が適用されていない自然な状態と略同等の視認性で観察可能な観察画像が表示装置5に表示される。
一方、制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいて、「ノーマル」よりも高いコントラストであるコントラスト「ハイ」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eの発光光量を発光光量EFよりも大きな発光光量EGに設定し、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fの発光光量を当該発光光量EFよりも小さな発光光量EHに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、コントラスト「ハイ」における発光光量を設定する際に、コントラスト「ノーマル」における2つの同色の光源の発光光量EFを加算して(発光光量EFを2倍して)得られる値と、当該2つの同色の光源の発光光量EG及びEHを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ハイ」が選択されている際に、青色光源32a、緑色光源32d及び赤色光源32eを発光光量EGで発光させ、かつ、青色光源32b、緑色光源32c及び赤色光源32fを発光光量EHで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PAにおいて、例えば、図24に示すような、発光光量EGで発せられたBS光と、発光光量EHで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LJが発せられ、当該戻り光LJを撮像して得られる画像データILJがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PBにおいて、例えば、図24に示すような、発光光量EHで発せられたGS光と、発光光量EGで発せられたGL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該GS光及び当該GL光を含む戻り光LKが発せられ、当該戻り光LKを撮像して得られる画像データILKがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP1の照明期間PCにおいて、例えば、図24に示すような、発光光量EGで発せられたRS光と、発光光量EHで発せられたRL光と、を含む照明光が光源装置3から供給され、当該照明光により照明された被写体から当該RS光及び当該RL光を含む戻り光LLが発せられ、当該戻り光LLを撮像して得られる画像データILLがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ハイ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図25に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFBをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFBを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。なお、図25の入出力特性は、階調変換処理を行わない場合(図25内の点線で示す場合)に比べ、画像データ内の暗い領域の輝度値を減少させ、かつ、当該画像データ内の明るい領域の輝度値を増加させるような特性として示される。
階調変換部45は、制御部47の制御に応じ、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ハイ」が選択されている際に、鮮鋭度強調部44から出力される画像データILJ、ILK及びILLのそれぞれに対して階調変換関数TFBを用いた階調変換処理を施すとともに、当該階調変換処理を施した画像データを表示制御部46へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILJを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILKを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILLを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ハイ」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、がそれぞれ強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ハイ」が選択されている際に、観察対象の生体組織の深層に存在する太径の血管と、当該観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、の視認性がコントラスト「ノーマル」よりもそれぞれ向上した観察画像が表示装置5に表示される。
ここで、例えば、光源ユニット32の各光源の発光光量比を図23のように一定の比率に固定したまま、コントラスト強調スイッチにおいて選択されたコントラストの高さに応じ、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための階調変換処理を行うような状況を鑑みた場合には、当該選択されたコントラストの高さ次第では、比較的急峻な入出力特性を具備する階調変換関数を用いて階調変換処理を行う必要があるため、階調つぶれ等のアーティファクトが高頻度で発生してしまう、という問題点が生じる。
これに対し、本変形例においては、コントラスト強調スイッチにおいて選択されたコントラストの高さに応じ、光源ユニット32の各光源の発光光量比と、階調変換部45の階調変換処理に用いられる階調変換関数と、を併せて変更しているため、(例えば階調変換関数TFBのような、)比較的緩やかな入出力特性を具備する階調変換関数を用いて階調変換処理を行った場合であっても、生体組織に含まれる血管等の構造物を十分に強調表示させることができる。従って、本実施例によれば、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための階調変換処理に起因する階調つぶれ等のアーティファクトの発生頻度を低頻度に抑制することができ、すなわち、当該構造物を強調表示する際の強調度合いに応じて生じる画質の低下を抑制することができる。
また、本変形例によれば、コントラスト強調スイッチにおいて選択されたコントラストの高さに応じ、光源ユニット32の各光源における発光光量の調整を行っているため、当該コントラスト強調スイッチにおけるコントラストの高さの切り替えに伴って生じ得る観察画像の明るさ及び/または色調の変動を極力抑制することができる。
なお、以上に述べた変形例に係る構成等を適宜変形することにより、例えば、青色光源32a及び32bと、緑色光源32c及び32dと、赤色光源32e及び32fと、を同時に発光させるような照明パターンで被写体を照明した場合であっても、略同様の作用効果を得ることができる。
(第2の実施例)
図26から図31は、本発明の第2の実施例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施例と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
観察システム1Aは、図26に示すように、観察システム1の光源装置3の代わりに光源装置3Aを有して構成されている。図26は、第2の実施例に係る観察システムの要部の構成を示す図である。
光源装置3Aは、光源装置3の光源ユニット32の代わりに光源ユニット32Aを有して構成されている。
光源ユニット32Aは、青色光源32a及び32bと、緑色光源32gと、赤色光源32hと、を有して構成されている。
緑色光源32gは、例えば、青色半導体レーザ及び緑色蛍光体等を具備し、500nmから580nmまでの波長を含む緑色光であるG光を発するように構成されている。なお、緑色光源32gの発光光量は、G光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
赤色光源32hは、例えば、近紫外半導体レーザ及び赤色蛍光体等を具備し、590nmから700nmまでの波長を含む赤色光であるR光を発するように構成されている。なお、赤色光源32hの発光光量は、R光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
続いて、本実施例に係る観察システム1Aの具体的な動作等について、以下に説明する。なお、以降においては、簡単のため、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている場合を例に挙げて説明する。
まず、ユーザは、観察システム1Aの各部を接続して電源を投入した後、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた照明スイッチ(不図示)をオフからオンへ切り替える操作を行うことにより、光源装置3Aから内視鏡2へ照明光を供給させるための指示を制御部47に対して行う。また、ユーザは、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」を選択する操作を行うことにより、生体組織に含まれる構造物を強調表示させないようにするための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、プロセッサ4の電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされていることを検出した際に、時分割の照明パターンIP2で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。具体的には、制御部47は、プロセッサ4の電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされたことを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bを同時に発光させる照明期間PDと、緑色光源32gを発光させる照明期間PEと、赤色光源32hを発光させる照明期間PFと、をこの順番で周期的に繰り返すような照明パターンIP2で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、照明パターンIP2における各照明期間の順番は、PD→PE→PFの順でなくともよい。
また、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量を相互に同一の発光光量EIに設定し、緑色光源32gの発光光量を発光光量EJに設定し、赤色光源32hの発光光量を発光光量EKに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
光源制御部31は、制御部47から出力される照明制御信号に応じ、照明期間PDにおいて、緑色光源32g及び赤色光源32hを消光させつつ青色光源32a及び32bを同時に発光させ、照明期間PEにおいて、青色光源32a、青色光源32b及び赤色光源32hを消光させつつ緑色光源32gを発光させ、照明期間PFにおいて、青色光源32a、青色光源32b及び緑色光源32gを消光させつつ赤色光源32hを発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
また、光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、青色光源32a及び32bを発光光量EIで発光させ、緑色光源32gを発光光量EJで発光させ、かつ、赤色光源32hを発光光量EKで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PDにおいて、例えば、図27に示すような、発光光量EIで発せられたBS光と、発光光量EIで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LMが発せられ、当該戻り光LMを撮像して得られる画像データILMがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PEにおいて、例えば、図27に示すような、発光光量EJで発せられたG光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該G光に応じた戻り光LNが発せられ、当該戻り光LNを撮像して得られる画像データILNがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PFにおいて、例えば、図27に示すような、発光光量EKで発せられたR光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該R光に応じた戻り光LOが発せられ、当該戻り光LOを撮像して得られる画像データILOがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、画像データILMに対してホワイトバランス係数WBAを適用し、画像データILNに対してホワイトバランス係数WGAを適用し、画像データILOに対してホワイトバランス係数WRAを適用するようなホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。なお、ホワイトバランス係数WBA、WGA及びWRAは、例えば、図27に示したような発光光量の照明光により照明された白色の基準被写体を撮像して得られる画像データILM、ILN及びILOの輝度比を1:1:1にするような値として、メモリ47aに予め格納されているものとする。
WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、A/D変換部42から出力される画像データILMに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WBAを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、A/D変換部42から出力される画像データILNに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WGAを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、A/D変換部42から出力される画像データILOに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WRAを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図3に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFAをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILM、ILN及びILOのそれぞれに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、図4に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFAをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILMを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILNを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILOを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、生体組織に含まれる構造物を、強調処理が適用されていない自然な状態と略同等の視認性で観察可能な観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、内視鏡2の挿入部2aを被検体内に挿入してゆくことにより、当該被検体内に存在する観察対象の生体組織を撮像可能な位置に先端部2cを配置する。そして、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離に応じて鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度を適宜選択することにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造を所望の強調度合いで強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
具体的には、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が遠景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「オフ」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量を発光光量EIよりも大きな発光光量ELに設定し、緑色光源32gの発光光量を発光光量EJよりも大きな発光光量EMに設定し、赤色光源32hの発光光量を発光光量EKよりも小さな発光光量ENに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「弱」における発光光量を設定する際に、以下の数式(1)に示す関係式を満たすようにするための調整を行うものとする。
EI+EI+EJ+EK=EL+EL+EM+EN …(1)
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、青色光源32a及び32bを発光光量ELで発光させ、緑色光源32gを発光光量EMで発光させ、赤色光源32hを発光光量ENで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PDにおいて、例えば、図28に示すような、発光光量ELで発せられたBS光と、発光光量ELで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LPが発せられ、当該戻り光LPを撮像して得られる画像データILPがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PEにおいて、例えば、図28に示すような、発光光量EMで発せられたG光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該G光に応じた戻り光LQが発せられ、当該戻り光LQを撮像して得られる画像データILQがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PFにおいて、例えば、図28に示すような、発光光量ENで発せられたR光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該R光に応じた戻り光LRが発せられ、当該戻り光LRを撮像して得られる画像データILRがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、画像データILPに対してホワイトバランス係数WBBを適用し、画像データILQに対してホワイトバランス係数WGBを適用し、画像データILRに対してホワイトバランス係数WRBを適用するようなホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。なお、ホワイトバランス係数WBB、WGB及びWRBは、例えば、以下の数式(2)〜(4)に示すような、鮮鋭度「オフ」の発光光量を鮮鋭度「弱」の発光光量で除して得られる発光光量比の値を、鮮鋭度「オフ」のホワイトバランス係数WBA、WGA及びWRAにそれぞれ乗じた値として予め算出されるものとする。
WBB=WBA×(EI+EI)/(EL+EL)=WBA×(EI/EL) …(2)
WGB=WGA×(EJ/EM) …(3)
WRB=WRA×(EK/EN) …(4)
WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILPに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WBBを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILQに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WGBを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILRに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WRBを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、図6に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFBをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILP、ILQ及びILRのそれぞれに対して空間フィルタSFBを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILPを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILQを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、が鮮鋭度「オフ」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の中層に存在する血管と、当該生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造と、の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が中景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「弱」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量を発光光量ELよりも大きな発光光量EOに設定し、緑色光源32gの発光光量を発光光量EJに設定し、赤色光源32hの発光光量を発光光量ENに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中」における発光光量を設定する際に、以下の数式(5)に示す関係式を満たすようにするための調整を行うものとする。
EL+EL+EM+EN=EO+EO+EJ+EN …(5)
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、青色光源32a及び32bを発光光量EOで発光させ、緑色光源32gを発光光量EJで発光させ、赤色光源32hを発光光量ENで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PDにおいて、例えば、図29に示すような、発光光量EOで発せられたBS光と、発光光量EOで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LSが発せられ、当該戻り光LSを撮像して得られる画像データILSがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PEにおいて、例えば、図29に示すような、発光光量EJで発せられたG光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該G光に応じた戻り光LNが発せられ、当該戻り光LNを撮像して得られる画像データILNがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PFにおいて、例えば、図29に示すような、発光光量ENで発せられたR光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該R光に応じた戻り光LRが発せられ、当該戻り光LRを撮像して得られる画像データILRがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、画像データILSに対してホワイトバランス係数WBCを適用し、画像データILNに対してホワイトバランス係数WGCを適用し、画像データILRに対してホワイトバランス係数WRCを適用するようなホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。なお、ホワイトバランス係数WBC、WGC及びWRCは、例えば、以下の数式(6)〜(8)に示すような、鮮鋭度「オフ」の発光光量を鮮鋭度「中」の発光光量で除して得られる発光光量比の値を、鮮鋭度「オフ」のホワイトバランス係数WBA、WGA及びWRAにそれぞれ乗じた値として予め算出されるものとする。
WBC=WBA×(EI+EI)/(EO+EO)=WBA×(EI/EO) …(6)
WGC=WGA×(EJ/EJ)=WGA …(7)
WRC=WRA×(EK/EN) …(8)
WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILSに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WBCを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILNに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WGCを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILRに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WRCを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、図8に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFCをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILS、ILN及びILRのそれぞれに対して空間フィルタSFCを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILSを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILNを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「弱」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「弱」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が近景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「中」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32aの発光光量を発光光量EOよりも大きな発光光量EPに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量ELに設定し、緑色光源32gの発光光量を発光光量EJに設定し、赤色光源32hの発光光量を発光光量ENに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「強」における発光光量を設定する際に、以下の数式(9)に示す関係式を満たすようにするための調整を行うものとする。
EO+EO+EJ+EN=EP+EL+EJ+EN …(9)
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、青色光源32aを発光光量EPで発光させ、青色光源32bを発光光量ELで発光させ、緑色光源32gを発光光量EJで発光させ、赤色光源32hを発光光量ENで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PDにおいて、例えば、図30に示すような、発光光量EPで発せられたBS光と、発光光量ELで発せられたBL光と、を含む照明光が光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光及び当該BL光を含む戻り光LTが発せられ、当該戻り光LTを撮像して得られる画像データILTがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PEにおいて、例えば、図30に示すような、発光光量EJで発せられたG光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該G光に応じた戻り光LNが発せられ、当該戻り光LNを撮像して得られる画像データILNがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP2の照明期間PFにおいて、例えば、図30に示すような、発光光量ENで発せられたR光が照明光として光源装置3Aから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該R光に応じた戻り光LRが発せられ、当該戻り光LRを撮像して得られる画像データILRがA/D変換部42からWB処理部43へ出力される。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、画像データILTに対してホワイトバランス係数WBDを適用し、画像データILNに対してホワイトバランス係数WGDを適用し、画像データILRに対してホワイトバランス係数WRDを適用するようなホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。なお、ホワイトバランス係数WBD、WGD及びWRDは、例えば、以下の数式(10)〜(12)に示すような、鮮鋭度「オフ」の発光光量を鮮鋭度「強」の発光光量で除して得られる発光光量比の値を、鮮鋭度「オフ」のホワイトバランス係数WBA、WGA及びWRAにそれぞれ乗じた値として予め算出されるものとする。
WBD=WBA×(EI+EI)/(EP+EL) …(10)
WGD=WGA×(EJ/EJ)=WGA …(11)
WRD=WRA×(EK/EN) …(12)
WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILTに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WBDを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILNに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WGDを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。また、WB処理部43は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、A/D変換部42から出力される画像データILRに含まれる各画素の輝度値にホワイトバランス係数WRDを乗じて鮮鋭度強調部44へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、図31に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFHをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFHを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図31のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFAよりも高域側にシフトしており、かつ、中域〜高域の空間周波数における強調量が空間フィルタSFG(及びSFA)以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILT、ILN及びILRのそれぞれに対して空間フィルタSFHを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILTを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILNを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「中」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「中」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
以上に述べたような本実施例の構成及び動作等によれば、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理に起因する色ノイズ等のアーティファクトの発生頻度を低頻度に抑制することができ、すなわち、当該構造物を強調表示する際の強調度合いに応じて生じる画質の低下を抑制することができる。
また、本実施例によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、光源ユニット32Aの各光源における発光光量の調整を行っているため、当該鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度の切り替えに伴って生じ得る観察画像の明るさ及び/または色調の変動を極力抑制することができる。
(第3の実施例)
図32から図36は、本発明の第3の実施例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1及び第2の実施例のうちの少なくともいずれか一方と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1及び第2の実施例のいずれともと異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
観察システム1Bは、図32に示すように、観察システム1の内視鏡2の代わりに内視鏡2Bを有し、観察システム1の光源装置3の代わりに光源装置3Bを有し、観察システム1のプロセッサ4の代わりにプロセッサ4Bを有して構成されている。図32は、第3の実施例に係る観察システムの要部の構成を示す図である。
内視鏡2Bは、内視鏡2の撮像部21の代わりに撮像部21Bを有して構成されている。
撮像部21Bは、撮像部21の撮像素子21bの代わりに、被写体から発せられる戻り光を受光して撮像するための複数の画素が対物光学系21aの結像位置に合わせてマトリクス状に配置されているとともに、当該複数の画素の前面に原色カラーフィルタ81fを配設して構成された撮像素子81bを有して構成されている。
撮像素子81bは、例えば、CCDまたはCMOS等のイメージセンサを具備し、原色カラーフィルタ81fを通過した戻り光を撮像することにより撮像信号を生成し、当該生成した撮像信号をプロセッサ4Bへ出力するように構成されている。
原色カラーフィルタ81fは、赤色域〜近赤外域の透過率が他の波長帯域の透過率よりも相対的に高くなるように形成されたRフィルタと、緑色域の透過率が他の波長帯域の透過率よりも相対的に高くなるように形成されたGフィルタと、青色域の透過率が他の波長帯域の透過率よりも相対的に高くなるように形成されたBフィルタと、を撮像素子81bの各画素に対応する位置にベイヤ配列でモザイク状に配置することにより形成されている。
光源装置3Bは、光源装置3の光源ユニット32の代わりに光源ユニット32Bを有して構成されている。
光源ユニット32Bは、青色光源32a及び32bと、広帯域光源32iと、を有して構成されている。
広帯域光源32iは、例えば、青色LED及び当該青色LEDに励起され黄色の蛍光を発する蛍光体等を具備し、500nmから700nmまでの波長を含む広帯域光であるGR光を発するように構成されている。なお、広帯域光源32iの発光光量は、GR光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
プロセッサ4Bは、プロセッサ4におけるA/D変換部42とWB処理部43との間に、色分離処理部82を設けて構成されている。
色分離処理部82は、例えば、色分離処理を行うことが可能な演算処理回路を具備して構成されている。また、色分離処理部82は、A/D変換部42から出力される画像データから、原色カラーフィルタ81fのBフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる青色成分の画像データと、原色カラーフィルタ81fのGフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる緑色成分の画像データと、原色カラーフィルタ81fのRフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる赤色成分の画像データと、をそれぞれ分離するための色分離処理を行うように構成されている。また、色分離処理部82は、前述の色分離処理により得られた各色成分の画像データをWB処理部43へ出力するように構成されている。
続いて、本実施例に係る観察システム1Bの具体的な動作等について、以下に説明する。なお、以降においては、簡単のため、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている場合を例に挙げて説明する。
まず、ユーザは、観察システム1Bの各部を接続して電源を投入した後、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた照明スイッチ(不図示)をオフからオンへ切り替える操作を行うことにより、光源装置3Bから内視鏡2Bへ照明光を供給させるための指示を制御部47に対して行う。また、ユーザは、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」を選択する操作を行うことにより、生体組織に含まれる構造物を強調表示させないようにするための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、プロセッサ4Bの電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされていることを検出した際に、同時照射の照明パターンIP3で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。具体的には、制御部47は、プロセッサ4Bの電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされたことを検出した際に、青色光源32aと、青色光源32bと、広帯域光源32iと、を同時に発光させるような照明パターンIP3で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
また、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32a及び32bの発光光量を相互に同一の発光光量EQに設定し、広帯域光源32iの発光光量を発光光量ERに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
光源制御部31は、制御部47から出力される照明制御信号に応じ、青色光源32aと、青色光源32bと、広帯域光源32iと、を同時に発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
また、光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、青色光源32a及び32bを発光光量EQで発光させ、かつ、広帯域光源32iを発光光量ERで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、例えば、図33に示すような、発光光量EQで発せられたBS光と、発光光量EQで発せられたBL光と、発光光量ERで発せられたGR光と、を含む照明光が光源装置3Bから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光、当該BL光及び当該GR光を含む戻り光LUが発せられ、当該戻り光LUを撮像して得られる画像データILUがA/D変換部42から色分離処理部82へ出力される。
色分離処理部82は、A/D変換部42から出力される画像データILUから、原色カラーフィルタ81fのBフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる青色成分の画像データILUBと、原色カラーフィルタ81fのGフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる緑色成分の画像データILUGと、原色カラーフィルタ81fのRフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる赤色成分の画像データILURと、をそれぞれ分離するための色分離処理を行う。また、色分離処理部82は、前述の色分離処理により得られた各画像データILUB、ILUG及びILURをWB処理部43へ出力する。
制御部47は、色分離処理部82から順次出力される各画像データに対し、所定のホワイトバランス係数を用いたホワイトバランス処理を行わせるための制御をWB処理部43に対して行う。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図3に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFAをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILUB、ILUG及びILURのそれぞれに対して空間フィルタSFAを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、図4に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFAをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILUBを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILUGを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILURを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、生体組織に含まれる構造物を、強調処理が適用されていない自然な状態と略同等の視認性で観察可能な観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、内視鏡2Bの挿入部2aを被検体内に挿入してゆくことにより、当該被検体内に存在する観察対象の生体組織を撮像可能な位置に先端部2cを配置する。そして、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離に応じて鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度を適宜選択することにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管を所望の強調度合いで強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
具体的には、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が遠景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位が鮮鋭度「オフ」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32aの発光光量を発光光量EQよりも大きな発光光量ESに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量EQよりも小さな発光光量ETに設定し、広帯域光源32iの発光光量を発光光量ERに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「弱」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における青色光源32a及び32bの2つの発光光量EQを加算して(発光光量EQを2倍して)得られる値と、発光光量ES及びETを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、青色光源32aを発光光量ESで発光させ、青色光源32bを発光光量ETで発光させ、かつ、広帯域光源32iを発光光量ERで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、例えば、図34に示すような、発光光量ESで発せられたBS光と、発光光量ETで発せられたBL光と、発光光量ERで発せられたGR光と、を含む照明光が光源装置3Bから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光、当該BL光及び当該GR光を含む戻り光LVが発せられ、当該戻り光LVを撮像して得られる画像データILVがA/D変換部42から色分離処理部82へ出力される。
色分離処理部82は、A/D変換部42から出力される画像データILVから、原色カラーフィルタ81fのBフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる青色成分の画像データILVBと、原色カラーフィルタ81fのGフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる緑色成分の画像データILVGと、原色カラーフィルタ81fのRフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる赤色成分の画像データILVRと、をそれぞれ分離するための色分離処理を行う。また、色分離処理部82は、前述の色分離処理により得られた各画像データILVB、ILVG及びILVRをWB処理部43へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、図15に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFEをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFEを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILVB、ILVG及びILVRのそれぞれに対して空間フィルタSFEを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILVBを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILVGを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILVRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位が鮮鋭度「オフ」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が中景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位が鮮鋭度「弱」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32aの発光光量を発光光量ESよりも大きな発光光量EUに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量ETよりも小さな発光光量EVに設定し、広帯域光源32iの発光光量を発光光量ERに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「弱」における青色光源32aの発光光量ES及び青色光源32bの発光光量ETを加算して得られる値と、発光光量EU及びEVを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、青色光源32aを発光光量EUで発光させ、青色光源32bを発光光量EVで発光させ、かつ、広帯域光源32iを発光光量ERで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、例えば、図35に示すような、発光光量EUで発せられたBS光と、発光光量EVで発せられたBL光と、発光光量ERで発せられたGR光と、を含む照明光が光源装置3Bから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光、当該BL光及び当該GR光を含む戻り光LWが発せられ、当該戻り光LWを撮像して得られる画像データILWがA/D変換部42から色分離処理部82へ出力される。
色分離処理部82は、A/D変換部42から出力される画像データILWから、原色カラーフィルタ81fのBフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる青色成分の画像データILWBと、原色カラーフィルタ81fのGフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる緑色成分の画像データILWGと、原色カラーフィルタ81fのRフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる赤色成分の画像データILWRと、をそれぞれ分離するための色分離処理を行う。また、色分離処理部82は、前述の色分離処理により得られた各画像データILWB、ILWG及びILWRをWB処理部43へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、図17に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFFをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFFを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILWB、ILWG及びILWRのそれぞれに対して空間フィルタSFFを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILWBを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILWGを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILWRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位が鮮鋭度「弱」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層において毛細血管が高密度に分布する部位の視認性が鮮鋭度「弱」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が近景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管が鮮鋭度「中」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、青色光源32aの発光光量を発光光量EUよりも大きな発光光量EWに設定し、青色光源32bの発光光量を発光光量EVよりも小さな発光光量EXに設定し、広帯域光源32iの発光光量を発光光量ERに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「強」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「中」における青色光源32aの発光光量EU及び青色光源32bの発光光量EVを加算して得られる値と、発光光量EW及びEXを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、青色光源32aを発光光量EWで発光させ、青色光源32bを発光光量EXで発光させ、かつ、広帯域光源32iを発光光量ERで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、例えば、図36に示すような、発光光量EWで発せられたBS光と、発光光量EXで発せられたBL光と、発光光量ERで発せられたGR光と、を含む照明光が光源装置3Bから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該BS光、当該BL光及び当該GR光を含む戻り光LXが発せられ、当該戻り光LXを撮像して得られる画像データILXがA/D変換部42から色分離処理部82へ出力される。
色分離処理部82は、A/D変換部42から出力される画像データILXから、原色カラーフィルタ81fのBフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる青色成分の画像データILXBと、原色カラーフィルタ81fのGフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる緑色成分の画像データILXGと、原色カラーフィルタ81fのRフィルタを通過した戻り光を撮像して得られる赤色成分の画像データILXRと、をそれぞれ分離するための色分離処理を行う。また、色分離処理部82は、前述の色分離処理により得られた各画像データILXB、ILXG及びILXRをWB処理部43へ出力する。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、図19に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFGをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFGを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、WB処理部43から出力される画像データILXB、ILXG及びILXRのそれぞれに対して空間フィルタSFGを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILXBを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILXGを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILXRを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管が鮮鋭度「中」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管の視認性が鮮鋭度「中」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
以上に述べたような本実施例の構成及び動作等によれば、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理に起因する色ノイズ等のアーティファクトの発生頻度を低頻度に抑制することができ、すなわち、当該構造物を強調表示する際の強調度合いに応じて生じる画質の低下を抑制することができる。
また、本実施例によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、光源ユニット32Bの各光源における発光光量の調整を行っているため、当該鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度の切り替えに伴って生じ得る観察画像の明るさ及び/または色調の変動を極力抑制することができる。
(第4の実施例)
図37から図45は、本発明の第4の実施例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1〜第3の実施例のうちの少なくともいずれか1つと同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1〜第3の実施例のいずれともと異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
観察システム1Cは、図37に示すように、観察システム1の光源装置3の代わりに光源装置3Cを有し、観察システム1のプロセッサ4の代わりにプロセッサ4Cを有して構成されている。図37は、第4の実施例に係る観察システムの要部の構成を示す図である。
光源装置3Cは、光源装置3の光源ユニット32の代わりに光源ユニット32Cを有して構成されている。
光源ユニット32Cは、光源装置3の各光源の代わりに3つの狭帯域光源32p、32q及び32rを有して構成されている。
狭帯域光源32pは、例えば、青色LED等を具備し、415nmに中心波長が設定された青色の狭帯域光であるNBS光を発するように構成されている。すなわち、NBS光は、生体組織の表層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数が後述のNBL光に比べて高くなるような特性を具備している。なお、狭帯域光源32pの発光光量は、NBS光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
狭帯域光源32qは、例えば、青色LED等を具備し、450nmに中心波長が設定された青色の狭帯域光であるNBL光を発するように構成されている。すなわち、NBL光は、生体組織の表層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数がNBS光に比べて低くなるような特性を具備している。なお、狭帯域光源32qの発光光量は、NBL光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
狭帯域光源32rは、例えば、緑色LED等を具備し、540nmに中心波長が設定された緑色の狭帯域光であるNG光を発するように構成されている。すなわち、NG光は、生体組織の深層よりも表層側の中層において散乱及び/または反射するとともに、血液に対する吸光係数が比較的高くなるような特性を具備している。なお、狭帯域光源32rの発光光量は、NG光の波長帯域に含まれる各波長の光の強度を積算して得られる総光量として規定されるものとする。
プロセッサ4Cは、プロセッサ4におけるWB処理部43の代わりに、カラーバランス処理部(以降、CB処理部と略記する)43Cを有して構成されている。
CB処理部43Cは、制御部47の制御に応じ、A/D変換部42から出力される画像データに対してカラーバランス処理を施すとともに、当該カラーバランス処理を施した画像データを鮮鋭度強調部44へ出力するように構成されている。
続いて、本実施例に係る観察システム1Cの具体的な動作等について、以下に説明する。なお、以降においては、簡単のため、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されている場合を例に挙げて説明する。
まず、ユーザは、観察システム1Cの各部を接続して電源を投入した後、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた照明スイッチ(不図示)をオフからオンへ切り替える操作を行うことにより、光源装置3Cから内視鏡2へ照明光を供給させるための指示を制御部47に対して行う。また、ユーザは、例えば、スコープスイッチ23及び/または入力装置6に設けられた鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」を選択する操作を行うことにより、生体組織に含まれる構造物を強調表示させないようにするための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、プロセッサ4Cの電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされていることを検出した際に、時分割の照明パターンIP4で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。具体的には、制御部47は、プロセッサ4Cの電源がオンされ、かつ、照明スイッチがオンされたことを検出した際に、例えば、狭帯域光源32pを発光させる照明期間PGと、狭帯域光源32qを発光させる照明期間PHと、狭帯域光源32rを発光させる照明期間PIと、をこの順番で周期的に繰り返すような照明パターンIP4で被写体を照明するための照明制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、照明パターンIP4における各照明期間の順番は、PG→PH→PIの順でなくともよい。
また、制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、狭帯域光源32p、32q及び32rの発光光量を相互に同一の発光光量Eaに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。
光源制御部31は、制御部47から出力される照明制御信号に応じ、照明期間PGにおいて、狭帯域光源32q及び32rを消光させつつ狭帯域光源32pを発光させ、照明期間PHにおいて、狭帯域光源32p及び32rを消光させつつ狭帯域光源32qを発光させ、照明期間PIにおいて、狭帯域光源32p及び32qを消光させつつ狭帯域光源32rを発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
また、光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、光源ユニット32Cの各狭帯域光源を発光光量Eaで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PGにおいて、例えば、図38に示すような、発光光量Eaで発せられたNBS光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBS光に応じた戻り光Laが発せられ、当該戻り光Laを撮像して得られる画像データILaがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PHにおいて、例えば、図38に示すような、発光光量Eaで発せられたNBL光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBL光に応じた戻り光Lbが発せられ、当該戻り光Lbを撮像して得られる画像データILbがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PIにおいて、例えば、図38に示すような、発光光量Eaで発せられたNG光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NG光に応じた戻り光Lcが発せられ、当該戻り光Lcを撮像して得られる画像データILcがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
制御部47は、所定のカラーバランス係数を用いたカラーバランス処理を行わせるための制御をCB処理部43Cに対して行う。なお、前述の所定のカラーバランス係数は、例えば、所定の基準被写体を撮像して得られる画像データを所定の色調の観察画像として表示装置5に表示させる(視認させる)ために用いられる値として、メモリ47aに予め格納されているものとする。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されていることを検出した際に、例えば、図39に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFIをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFIを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図39のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が低域に存在するような山形の特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、CB処理部43Cから出力される画像データILa、ILb及びILcのそれぞれに対して空間フィルタSFIを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、コントラスト強調スイッチにおいてコントラスト「ノーマル」が選択されていることを検出した際に、例えば、図4に示すような入出力特性を有する階調変換関数TFAをメモリ47aから読み込むとともに、鮮鋭度強調部44から順次出力される各画像データに対し、当該読み込んだ階調変換関数TFAを用いた階調変換処理を行わせるための制御を階調変換部45に対して行う。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILaを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILbを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILcを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「オフ」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の状態を確認可能な観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、内視鏡2の挿入部2aを被検体内に挿入してゆくことにより、当該被検体内に存在する観察対象の生体組織を撮像可能な位置に先端部2cを配置する。そして、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離に応じて鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度を適宜選択することにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造を所望の強調度合いで強調表示させるための指示を制御部47に対して行う。
具体的には、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が遠景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「オフ」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、狭帯域光源32pの発光光量を発光光量Eaよりも大きな発光光量Ebに設定し、狭帯域光源32qの発光光量を発光光量Eaよりも小さな発光光量Ecに設定し、狭帯域光源32rの発光光量を発光光量Eaに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「弱」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における狭帯域光源32p及び32qの2つの発光光量Eaを加算して(発光光量Eaを2倍して)得られる値と、発光光量Eb及びEcを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、狭帯域光源32pを発光光量Ebで発光させ、狭帯域光源32qを発光光量Ecで発光させ、狭帯域光源32rを発光光量Eaで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PGにおいて、例えば、図40に示すような、発光光量Ebで発せられたNBS光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBS光に応じた戻り光Ldが発せられ、当該戻り光Ldを撮像して得られる画像データILdがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PHにおいて、例えば、図40に示すような、発光光量Ecで発せられたNBL光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBL光に応じた戻り光Leが発せられ、当該戻り光Leを撮像して得られる画像データILeがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PIにおいて、例えば、図40に示すような、発光光量Eaで発せられたNG光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NG光に応じた戻り光Lcが発せられ、当該戻り光Lcを撮像して得られる画像データILcがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されていることを検出した際に、例えば、図41に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFJをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFJを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図41のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が中域に存在し、かつ、当該最大強調量付近の空間周波数における強調量が空間フィルタSFI以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、CB処理部43Cから出力される画像データILd、ILe及びILcのそれぞれに対して空間フィルタSFJを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILdを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILeを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILcを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「オフ」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「弱」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「オフ」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が中景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「弱」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、狭帯域光源32pの発光光量を発光光量Ebよりも大きな発光光量Edに設定し、狭帯域光源32qの発光光量を発光光量Ecよりも小さな発光光量Eeに設定し、狭帯域光源32rの発光光量を発光光量Eaに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「中」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における狭帯域光源32p及び32qの2つの発光光量Eaを加算して(発光光量Eaを2倍して)得られる値と、発光光量Ed及びEeを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、狭帯域光源32pを発光光量Edで発光させ、狭帯域光源32qを発光光量Eeで発光させ、狭帯域光源32rを発光光量Eaで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PGにおいて、例えば、図42に示すような、発光光量Edで発せられたNBS光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBS光に応じた戻り光Lfが発せられ、当該戻り光Lfを撮像して得られる画像データILfがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PHにおいて、例えば、図42に示すような、発光光量Eeで発せられたNBL光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBL光に応じた戻り光Lgが発せられ、当該戻り光Lgを撮像して得られる画像データILgがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PIにおいて、例えば、図42に示すような、発光光量Eaで発せられたNG光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NG光に応じた戻り光Lcが発せられ、当該戻り光Lcを撮像して得られる画像データILcがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されていることを検出した際に、例えば、図43に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFKをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFKを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図43のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が高域に存在し、かつ、当該最大強調量付近の空間周波数における強調量が空間フィルタSFJ以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、CB処理部43Cから出力される画像データILf、ILg及びILcのそれぞれに対して空間フィルタSFKを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILfを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILgを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILcを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「弱」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「中」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「弱」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
一方、ユーザは、例えば、先端部2cと観察対象の生体組織との間の観察距離が近景に属する場合に、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」を選択する操作を行うことにより、当該観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「中」に比べて視認し易くなるような強調度合いで強調表示を行わせるための指示を制御部47に対して行う。
制御部47は、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、狭帯域光源32pの発光光量を発光光量Edに設定し、狭帯域光源32qの発光光量を発光光量Eeに設定し、狭帯域光源32rの発光光量を発光光量Eaよりも小さな発光光量Efに設定するための発光光量比制御信号を生成して光源制御部31へ出力する。なお、制御部47は、鮮鋭度「強」における発光光量を設定する際に、鮮鋭度「オフ」における狭帯域光源32p及び32qの2つの発光光量Eaを加算して(発光光量Eaを2倍して)得られる値と、発光光量Ed及びEeを加算して得られる値と、を等しくするための調整を行うものとする。
光源制御部31は、制御部47から出力される発光光量比制御信号に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、狭帯域光源32pを発光光量Edで発光させ、狭帯域光源32qを発光光量Eeで発光させ、狭帯域光源32rを発光光量Efで発光させるための光源駆動信号を生成して出力する。
そして、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PGにおいて、例えば、図44に示すような、発光光量Edで発せられたNBS光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBS光に応じた戻り光Lfが発せられ、当該戻り光Lfを撮像して得られる画像データILfがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PHにおいて、例えば、図44に示すような、発光光量Eeで発せられたNBL光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NBL光に応じた戻り光Lgが発せられ、当該戻り光Lgを撮像して得られる画像データILgがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
また、前述のような制御部47及び光源制御部31の動作によれば、照明パターンIP4の照明期間PIにおいて、例えば、図44に示すような、発光光量Efで発せられたNG光が照明光として光源装置3Cから供給され、当該照明光により照明された被写体から当該NG光に応じた戻り光Lhが発せられ、当該戻り光Lhを撮像して得られる画像データILhがA/D変換部42からCB処理部43Cへ出力される。
制御部47は、例えば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されていることを検出した際に、例えば、図45に示すようなフィルタ特性を有するように設計された空間フィルタSFLをメモリ47aから読み込むとともに、当該読み込んだ空間フィルタSFKを用いた空間フィルタ処理を行わせるための制御を鮮鋭度強調部44に対して行う。なお、図45のフィルタ特性は、最大強調量で強調される空間周波数が空間フィルタSFKよりもさらに高域に存在し、かつ、当該最大強調量付近の空間周波数における強調量が空間フィルタSFK以上であるような特性として示される。
鮮鋭度強調部44は、制御部47の制御に応じ、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、CB処理部43Cから出力される画像データILf、ILg及びILhのそれぞれに対して空間フィルタSFLを用いた空間フィルタ処理を施すとともに、当該空間フィルタ処理を施した画像データを階調変換部45へ出力する。
制御部47は、階調変換部45から出力される画像データILfを表示装置5のBチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILgを表示装置5のGチャンネルに割り当てさせ、階調変換部45から出力される画像データILhを表示装置5のRチャンネルに割り当てさせるための制御を表示制御部46に対して行う。
そして、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造が鮮鋭度「中」に比べて強調された観察画像が表示装置5に表示される。換言すると、以上に述べたような制御部47等の動作によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて鮮鋭度「強」が選択されている際に、観察対象の生体組織の表層に存在する毛細血管及び粘膜構造の視認性が鮮鋭度「中」よりも向上した観察画像が表示装置5に表示される。
以上に述べたような本実施例の構成及び動作等によれば、生体組織に含まれる血管等の構造物を強調表示させるための空間フィルタ処理に起因する色ノイズ等のアーティファクトの発生頻度を低頻度に抑制することができ、すなわち、当該構造物を強調表示する際の強調度合いに応じて生じる画質の低下を抑制することができる。
また、本実施例によれば、鮮鋭度強調スイッチにおいて選択された鮮鋭度に応じ、光源ユニット32Cの各光源における発光光量の調整を行っているため、当該鮮鋭度強調スイッチにおける鮮鋭度の切り替えに伴って生じ得る観察画像の明るさ及び/または色調の変動を極力抑制することができる。
なお、本発明は、上述した各実施例及び変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
本出願は、2015年3月25日に日本国に出願された特願2015−62812号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。