以下、図面を用いて、本件の実施形態を説明する。以下の実施形態では、他局から応答信号を受信するのを待ち、パケットを、再送を開始する時刻を求めるが、再送に限らない。
例えば、上記と同様に求めた時刻を、無線局が他局に対して、パケットを送信する時刻としても良い。
上記課題を解決するためには、送信側無線局は、受信側無線局における送信時間制限を考慮して、受信側無線局からACKが返信されるのを待機する必要がある。
上述したように、受信側無線局は、パケットの送信が禁止される期間(以降、送信禁止期間とする)に、パケットを受信した場合、すぐにACKを返信することが出来ない。よって、受信側無線局は、送信禁止期間の終了後に、送信側無線局に対して、ACKを返信する。
よって、送信側無線局は、受信側無線局の送信時間制限を考慮して、応答信号を待つ場合、受信側無線局の送信禁止期間終了後まで、応答信号を待つことが望ましい。
しかし、送信側無線局は、受信側無線局の通信状況を把握しないため、受信側無線局が送信禁止期間であるかどうか、わからない。
ここで、送信側無線局がパケットを送信した時刻と、受信側無線局が当該パケットを受信した時刻は、ほぼ同時刻とみなすことが出来るとする。
よって、無線局間で確実な受信確認を行うために、送信側無線局は、自身がパケットを送信した時刻を、受信側無線局の送信禁止期間が開始した時刻だとみなし、その時刻から、送信禁止期間の最大長が経過した時刻まで、応答信号を待機すれば良い。
ここで、送信禁止期間の最大長を求める。
まず、送信禁止期間とは、上述したように、最大送信時間終了時刻から、最小休止時間終了時刻までの期間である。最大送信時間と最小休止時間は、予め規定されている一定の時間であるが、それぞれの開始時刻と終了時刻は、無線局の通信状況に依存する。
例えば、最大送信時間2T、最小休止時間Tという規定の元、無線局が、時間Tの間、パケットを送信した場合を考える。
無線局のパケット送信開始時刻を時刻0とする(パケット送信開始時刻=時刻0)と、パケット送信終了時刻は時刻Tである(パケット送信終了時刻=パケット送信開始時刻+パケット送信時間長T)。
以下の説明では、時刻や時間等を区別するために、時間の長さ等を示す場合に、必要に応じて、時間長と表現する。また、時刻と記載のところは、時刻に限定されるわけではなく、今から何分後といったような表現でも良い。
最小休止時間とは、パケット送信終了後に、休止しなければならない時間であるので、パケット送信終了時刻Tが、最小休止時間開始時刻となる(最小休止時間開始時刻=パケット送信終了時刻)。そして、最小休止時間開始時刻Tから最小休止時間Tが経過した時刻が最小休止時間終了時刻となるので、最小休止時間終了時刻は、時刻2Tとなる(最小休止時間終了時刻=最小休止時間開始時刻+最小休止時間長)。
また、最大送信時間とは、パケット送信を開始してから、最小休止時間を設けていなくても、パケットを送信しても良い時間である。よって、最大送信時間開始時刻は、時刻0であり(最大送信時間開始時刻=パケット送信開始時刻)、最大送信時間終了時刻は、時刻2Tとなる(最大送信時間終了時刻=最大送信時間開始時刻+最大送信時間長)。
ここで、送信禁止期間について考える。
上記に示したように、最大送信時間終了時刻は、最大送信時間開始時刻0から、最大送信時間2Tが経過した時刻2Tである。上述のように、無線局は、パケット送信終了後も、最大送信時間の間は、パケットを送信しても良い。
つまり、パケット送信終了時刻Tから、最大送信時間終了時刻2Tまでの間は、パケット送信が禁止されているわけではない。しかし、最大送信時間2Tが経過すると、最小休止時間の間、パケット送信を休止していない場合、無線局は、パケット送信を禁止される。
よって、無線局は、パケット送信を終了してから、少なくても、最小休止時間の間は、パケット送信を休止する必要がある。
上記の例では、最小休止時間終了時刻は、時刻2Tである。
この通り、最大送信時間終了時刻と最小休止時間終了時刻は、同時刻の時刻2Tである。よって、無線局は、送信禁止期間は0となる。つまり、無線局は、パケット送信を終了してから、最小休止時間T以上の間、パケット送信を休止していることがわかる。
次に、最大送信時間2T、最小休止時間Tという規定の元、無線局が、時刻0から、時刻2Tまで、パケットを送信した場合を考える。
同様に計算すると、無線局のパケット送信開始時刻及びパケット送信終了時刻は、それぞれ時刻0、時刻2Tである。そして、最小休止時間開始時刻及び最小休止時間終了時刻は、それぞれ時刻2T、時刻3Tである。また、最大送信時間開始時刻及び最大送信時間終了時刻は、それぞれ時刻0、時刻2Tである。
このとき、最大送信時間終了時刻以降は、最小休止時間長以上、パケット送信を休止していない無線局は、パケット送信が禁止される。このとき、最小休止時間終了時刻は、時刻3Tなので、時刻2Tから時刻3Tまでの間はパケット送信が禁止される。よって、送信禁止期間は、時刻2Tから時刻3Tまでである。
このように、送信禁止期間は、無線局の通信状況に依存することがわかる。
そして、送信禁止期間が最大となるのは、無線局が、最大送信時間終了時刻まで、最小休止時間を設けずに、パケットを送信した場合である。このとき、無線局は、パケット送信終了時刻から最小休止時間が経過するまでの間は、パケット送信を休止しなければならない。よって、最小休止時間開始時刻はパケット送信終了時刻であり、最小休止時間終了時刻は、パケット送信終了時刻から最小休止時間が経過した時刻である。そして、無線局は、最大送信時間終了以降は、最小休止時間を設けないパケット送信は禁止されるので、最大送信時間終了時刻から、最小休止時間終了時刻までは、無線局はパケット送信が禁止される。
つまり、最大送信時間終了時刻とパケット送信終了時刻は同時刻であり、パケット送信終了時刻と最小休止時間開始時刻は同時刻であるので、送信禁止期間は、最小休止時間開始時刻から最小休止時間終了時刻までである。
以上より、送信禁止期間の最大長は、最小休止時間長であることがわかる。
よって、送信禁止期間の最大長は、最小休止時間であることが求まったので、送信側無線局は、パケット送信終了時刻から最小休止時間の最大長が経過した時刻以降までに、受信側無線局からACKを受信しない場合に、当該パケットを再送する。
これによって、送信側無線局は、送信時間制限によって発生しうる不必要な再送をしないので、データ転送効率を向上させることが出来る。さらに、不必要な再送を行うことによって、無駄な無線リソースを消費しないので、無線リソースの浪費を抑制することが出来る。また、送信側無線局では、再送処理を行う回数を減らすことが出来るので、消費電力を抑えることにも繋がる。
また、送信側無線局が再送をする時刻を求めたが、その時刻を新たなパケットを送信開始する時刻としても良い。例えば、上記の例のように、受信側無線局のパケットを受信(オーバーヒアリング)してから、送信禁止期間の最大長が終了後に、送信側無線局がパケットを送信することによって、応答信号を待たなくても、すぐに受信確認をすることができる。
<第1実施形態>
しかし、常に、送信禁止期間の最大長が経過後まで、応答信号を待ってしまうと、受信側無線局において、パケットが受信出来なかった時に、当該パケットが再送されるのは、送信禁止期間の最大長が経過後の送信側無線局が送信失敗と判断したときであるため、当該パケットの再送信に遅延が生じてしまう。
つまり、単純に送信時間制限を考慮して応答信号を待つのみでは不十分なことがわかる。
以下に説明する実施形態では、確実に受信確認を行うのみではなく、再送遅延も生じないように考慮する。
また、各実施形態では、応答信号として、ACKを一例として説明するが、応答信号はACKに限らない。例えば、NACKやSelective ACKでも良い。
ACK以外の応答信号を用いた場合に必要となる無線局、通信システム、及び通信方法の処理変更は、当業者にとって容易である。
さらに、上述したように、再送する時刻ではなく、新たにパケット送信をする時刻とすることも可能である。
以下で説明する送信禁止期間の推定とは、CPU等が、送信禁止期間を算出することを指すのであって、本装置が、知能を有するわけではない。他の知能を示すような言葉も同様である。
第1実施形態に係る無線局は、パケットを受信し、受信したパケットに基づいて、他局に送信したパケットの再送開始時刻を設定し、設定した再送開始時刻までに、送信したパケットに対する応答信号を受信するか否かによって、送信したパケットと同一のパケットの送信を制御する。
また、第1実施形態に係る無線局は、パケットを受信し、受信したパケットに基づいて、パケットの送信元がパケット送信可能な時刻を推定し、送信元にパケットを送信する際は、推定したパケット送信可能な時刻に基づいて、送信元にパケットを送信するようにしても良い。
以下、図1〜図8を用いて、第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
図1は、アドホックネットワークの概要図である。
本件は、アドホックネットワークのような、無線局同士が通信するネットワークに適用可能である。
アドホックネットワークは、複数の無線局のみで構成される。
つまり、アドホックネットワーク内の無線局の接続形態は、アクセスポイントを必要とせずに相互に接続する形態であり、直接届かない無線局間であっても、他局を経由して通信が可能である。
アドホックネットワークにおいて、通信可能な領域内に存在する無線局間は、通信を確立する必要があるため、ブロードキャストと呼ばれる同報通信が行われる。そして、無線通信可能な領域に存在する無線局が、そのブロードキャスト信号に応答することにより、認証や通信の確立に必要な処理を経て、ネットワークが構築される。
このような自律分散型の無線通信ネットワークは、特定の無線局の通信可能な領域内に、多数の無線局が存在することを想定している。このような条件においてブロードキャストを行った場合、通信可能領域内に存在するいずれの無線局も、認証を得れば、ネットワークに参加することが可能である。
また、アドホックネットワーク内の無線局は、パケットを送信する前に、キャリアセンスを行う。キャリアセンスとは、所望する周波数が使用中かどうかを確認するための処理であり、無線局は、使用したい周波数での受信電力を測定し、受信電力が規定値以下である場合に、通信を開始する。一方、所望周波数が使用中であれば、その周波数の使用が終了するまで、パケット送信を延期する。
しかし、当該周波数を所望する無線局が複数ある場合は、当該周波数の使用が終了した瞬間に、複数の無線局がパケット送信を試みると、複数の無線局のパケットが衝突を起こす確率が高い。それゆえ、全ての無線局は、パケット送信をする前に、ランダムな長さの時間だけ待機しなければならない。
これは、バックオフタイマと呼ばれるランダムな時間に設定されたタイマをカウントダウンすることによって実現される。ある無線局のバックオフタイマが0に達して、かつ、所望周波数が空き状態であるとき、その無線局はパケット送信が行える。もし、タイマが切れる前に、所望周波数が使用中になると、無線局は所望周波数の使用が終了するまで、タイマのカウントダウンをストップする。再び所望周波数の使用が終了すれば、タイマのカウントダウンを再開する。この手法により,全ての無線局に対して公平な周波数へのアクセスを保証している。
また、アドホックネットワーク内では、パケットを受信した無線局は、パケットのMACヘッダまで復号を行った後で、宛先の判定を行い、自局宛のパケットで無ければ、自局が保持する経路情報に格納されている無線局の宛先かどうかを判断する。そして、経路情報に格納された無線局の宛先でなければ、パケットを破棄するという処理を行う。
このため、アドホックネットワークのように、同一ネットワークで通信を行う無線局が複数存在する環境では、自局が通信可能な範囲に存在する他局宛のパケットも受信する。これをオーバーヒアリングと呼ぶ。
また、経路情報とは、マルチホップ通信を行う際に、使用する情報であり、パケットが示す宛先と次ホップ先(送信先)とを対応付けた経路情報を記憶している。よって、もし、受信したパケットが示す宛先が当該経路情報に記憶されていれば、パケットが示す宛先に対応する次ホップ先に対して、パケットを送信する。
第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、上記のようなアドホックネットワークで、顕著な効果を発揮する。しかし、本件の適用範囲は、アドホックネットワークに限ったものではない。
図2は、第1実施形態に係る本発明の概要図である。
図2が示すように、無線局21は、無線局22と通信可能な同一ネットワーク上に存在
し、無線局22のパケットをオーバーヒアリングしている。
無線局22は、無線局21ではない第3者にパケットを送信している。
受信開始時刻23は、無線局21がオーバーヒアリングで、無線局22からパケットを受信開始した時刻である。このとき、無線局21は、無線局22から受信したパケットの受信開始時刻を、無線局22の当該パケットの送信開始時刻23と、推定することができる。
最大送信時間24は、予め規定されている時間長である。また、無線局22における最大送信時間24は、後述する最小休止時間を設けずに、無線局22がパケットを送信することが出来る時間である。例えば、ARIB STD-T96に規定される最大送信時間24は、100mSである。
受信終了時刻25は、無線局21がオーバーヒアリングで、無線局22からパケットを受信終了した時刻である。送信開始時刻の推定と同様に、無線局21は、無線局22のパケットの受信終了時刻25を、無線局22の当該パケットの送信終了時刻と、推定する。
最小休止時間26は、最大送信時間24と同様に、予め規定されている時間長である。無線局22の最小休止時間26は、パケット送信を休止しなければならない最小の時間長である。無線局22は、パケット送信を終了してから、少なくても、最小休止時間の間は、パケットの送信を休止する必要がある。例えば、ARIB STD-T96に規定される最小休止時間26は、100mSである。
送信禁止期間27は、最大送信時間24の終了後から、最小休止時間26が終了するまでの期間である。無線局22は、送信禁止期間27の間、パケットを受信することは出来るが、パケットを送信することは出来ない。つまり、送信禁止期間27の間に他局からパケットを受信したとしても、当該パケットを送信した無線局に対してACKを返信することが出来ない。よって、無線局22は、送信禁止期間27の間にパケットを受信した場合は、送信禁止期間27終了後にACKを返信することになる。
第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、上記に示した送信禁止期間27を推定し、その推定結果に基づいた時間の間、ACKを待つことによって、受信確認を行う。
ここで、第1実施形態に係る送信禁止期間27の推定方法について説明する。
上述したように、無線局21は、無線局22のパケットをオーバーヒアリングした結果、パケットの受信開始時刻23と受信終了時刻25から、送信開始時刻と送信終了時刻を推定する。
送信禁止期間27の開始時刻は、最大送信時間24の終了時刻である。このとき、推定したパケット送信開始時刻から、最大送信時間24が経過した時刻が、最大送信時間24の終了時刻となる。そして、最大送信時間24の終了時刻を、送信禁止期間27の開始時刻と推定する。
このように、無線局21は、無線局22の送信禁止期間27の開始時刻(送信禁止期間開始時刻=最大送信時間終了時刻)を推定することが出来る。
送信禁止期間27の終了時刻は、最小休止時間26の終了時刻である。推定したパケット送信終了時刻から、最小休止時間26が経過した時刻が、最小休止時間終了時刻となる。そして、最小休止時間26の終了時刻を、送信禁止期間27の終了時刻とする。
このように、無線局21は、無線局22の送信禁止期間27の終了時刻(送信禁止期間終了時刻=最小休止時間終了時刻)を推定することが出来る。
以上のように、無線局21は、無線局22の送信禁止期間27開始時刻及び終了時刻を推定することが出来る。つまり、無線局21は、無線局22のパケット送信開始時刻、及び送信終了時刻を推定することで、送信禁止期間27を推定する。
そして、無線局21は、上記のように推定した送信禁止期間27を用いて、無線局は、再送開始時刻を設定する。
図3は、第1実施形態に係る応答期限設定の例1を示す図である。
ここで、応答期限とは、応答信号が返信されるのを待つ時刻である。無線局は、応答期限までに、応答信号を受信するか否かによって、送信成功又は送信失敗を判断する。このとき、送信失敗と判断すると、該パケットを再送する。
以下では、応答期限に着目して説明する。しかし、再送開始時刻に着目し、再送開始時刻までに応答信号を受信するか否かによって、受信確認を行うこととしても同じことである。
図3に示すように、無線局31は、パケット33aを、無線局32に送信する。このとき、無線局32は、最大送信時間内である。つまり、無線局32は、最小休止時間の休止時間を設けていなくても、パケットを送信することが出来る。
無線局31は、無線局32の送信禁止期間を推定する。その結果、送信禁止期間外であると判断する。
このとき、無線局32がパケット33aを受信する時刻は、無線局32の最大送信時間内である。よって、無線局32は、パケットを受信すると、ACKをすぐに返信することが出来る。
よって、無線局31は、パケット33aに対するACKの応答期限34を短く設定する。無線局31は、応答期限34までに、パケット33aに対するACKが返信されなかった場合、パケット33aの送信は失敗したと、判断し、パケット33aの同一パケット33bを、無線局32に、再送する。
このときの応答期限34の長さは、無線局31と無線局32間の距離や、無線局31と無線局32間のパケットの往復に要する時間(往復遅延時間)に応じて、設定する。つまり、パケット33aが送信されてから受信されるまでの時間と、それに対するACKが送信されてから受信されるまでの時間を考慮して、設定する。
また、応答期限34の長さは、IEEE 802.11で定められている値(SIFSTime + SlotTime + PHY-RX-START-Delay)でも良い。SIFSTime(Short Inter Frame Space Time)は、パケット送信間隔における最短の待ち時間のことであり、パケットを受信してから、SIFSTime経過後に、ACKが送信される。SlotTimeは、最小サイズのフレームを送信するのにかかる時間(プリアンブルを除く)のことである。PHY-RX-START-Delayは、無線局において、受信と送信の切替処理にかかる時間のことである。
このように、無線局32の最大送信時間内に、無線局31が無線局32にパケットを送信する場合、当該パケットに対する応答期限は、短く設定することが好ましい。
応答期限を短く設定すると、仮に、無線局32がパケットを受信していない場合でも、送信禁止期間の最大長を考慮した場合に比べて、短い時間で当該パケットを再送することが出来る。
また、送信禁止期間外は、図3のような場合だけでなく、他に、無線局32がパケットを最小休止時間以上の間、送信していない場合が考えられる。このような場合も、上述したように、応答期限に設定することが望ましい。
つまり、無線局31が無線局32にパケットを送信する時刻が、送信禁止期間外である場合に、無線局31は、応答期限を往復遅延時間に応じて設定する。
これによって、送信時間制限によって発生しうる不必要な再送を防ぐことが保証出来る。よって、無線リソースの使用効率を向上させることが出来る。さらに、送信禁止期間の最大長に応じて、応答期限を設定する場合に比べて、再送制御の処理をはやくすることができるので、データ転送効率を向上することが出来る。
図4は、第1実施形態に係る応答期限設定の例2を示す図である。
図4に示すように、無線局41は、無線局42に、パケット43aを送信する。このとき、無線局42は、送信禁止期間内である。
無線局41は、無線局42の送信禁止期間を推定する。その結果、送信禁止期間内であると判断する。
また、無線局41は、パケット43aを送信した時刻は、推定した送信禁止期間内であると判断する。
このとき、無線局42は、パケット43aを受信しても、送信禁止期間であるので、すぐにACKを返信することは出来ない。そして、無線局42は、パケット43aに対するACKを、送信禁止期間の終了後に、返信する。
よって、無線局41は、送信禁止期間44の終了時刻に応じて、応答期限45を設定する。
例えば、無線局41は、推定した送信禁止期間44の終了時刻から、往復遅延時間経過後に、応答期限45を設定する。無線局41は、設定した応答期限45までに、パケット43aに対するACKが返信されなかった場合、パケット43aの送信失敗と判断する。そして、無線局41は、無線局42に同一パケット43bを再送する。
このように、第1実施形態に係る無線局、通信システムは、推定した送信禁止期間に応じて、応答信号の応答期限を設定する。よって、送信時間制限によって生じうる不必要な再送処理を行わないので、無線リソースの浪費の防止、及びデータ転送効率の向上をすることが出来る。他にも、不必要な再送処理を行わないことによって、無線局の消費電力の浪費を防ぐことが出来る。
そして、第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、受信したパケットに基づいて送信禁止期間を推定し、送信禁止期間に応じて、応答信号の応答期限を設定することが出来る。よって、予め送信禁止期間の最大長を考慮して応答期限を設定した場合に比べて、再送遅延を短縮することができる。つまり、更なるデータ転送効率の向上が望める。
図18は、推定した送信禁止期間と応答期限の対応表である。
図4に示したように、パケット送信先の無線局が送信禁止期間内にパケットを送信する場合、その応答期限は、下記の式で求められる。
応答期限=送信禁止期間終了時刻+往復遅延時間
また、図3に示したように、パケット送信先の無線局が送信禁止期間外にパケットを送信する場合、その応答期限は、下記の式で求められる。
応答期限=現在時刻+往復遅延時間
さらに、送信禁止期間を推定できなかった場合の応答期限についても考慮する。
同一ネットワークに存在する無線局は、同じ送信時間制限が設けられていて、その送信時間制限を満たす無線局のみが通信可能となっている。つまり、当該無線局が通信を行う他局においても、送信禁止期間がある。
よって、確実に確認応答をするためには、送信側無線局のパケット送信開始時刻から、送信禁止期間の最大長が経過した後に、応答期限を設定する。
つまり、なんらかの理由で、パケット送信先の無線局の送信禁止期間が推定出来ずに、送信禁止期間が不明なときにパケットを送信する場合、その応答期限は、以下の式で求めることが出来る。
応答期限=現在時刻+最小休止時間+往復遅延時間
第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、このような対応表を組み込むことによって、実現することも可能である。
図5は、第1実施形態に係る無線局50のハードウェア構成図及び機能ブロック図である。
図5に示すように、無線局50は、アンテナ51と、RF処理部52と、A/D変換部53と、D/A変換部54と、ベースバンド処理部55と、CPU56と、記憶装置57と、ユーザデータ処理部58とを備える。
アンテナ51は、RF処理部52から出力される無線信号を他局に電波を媒体として発信し、また、他局から電波を媒体として送信される無線信号を受信して、RF処理部52に出力する。
RF(Radio Frequency)処理部52は、D/A変換部54から入力された無線信号を低周波信号から高周波信号に変換してアンテナ51に出力したり、アンテナ51から入力された無線信号を高周波信号から中間周波数信号に変換し、A/D変換部53に出力したりする。
A/D(Analog/Digital)変換部53は、RF処理部52から入力された無線信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、パケットをベースバンド処理部55に出力する。
D/A(Digital/Analog)変換部54は、ベースバンド処理部55から入力されたパケットをデジタル信号からアナログ信号に変換し、無線信号をRF処理部52に出力する。
ベースバンド処理部55は、A/D変換部53から入力されたパケットを復調や復号し、CPU56及びユーザデータ処理部58に出力する。さらに、CPU56から入力されたパケットを符号化や変調を行い、D/A変換部54に入力する。
CPU(Central Processing Unit)56は、各種機能部の制御を行う構成の一例であって、アプリケーションプログラム等を実行することにより、各種機能部の制御や各記憶装置へのデータの読込み・書込み等を行う。
第1実施形態に係る無線局50のCPU56は、以下で説明する時刻測定部561と、禁止期間推定部562と、応答期限計算部563と、再送制御部564と、送信制御部565の機能を実行するように制御する。
時刻測定部561は、ベースバンド処理部55からパケットが入力されると、入力されたパケットの受信開始時刻及び受信終了時刻を測定し、測定結果を禁止期間推定部562に出力する。
禁止期間推定部562は、後述する記憶装置57から送信時間制限(最大送信時間、最小休止時間)を読み出し、読み出した送信時間制限、時刻測定部561から入力された受信開始時刻及び受信終了時刻、及びパケットに付与されている端末IDから受信パケットの送信元無線局の送信禁止期間を推定し、推定結果を禁止期間情報として、記憶装置57に出力する。
なお、送信禁止期間の推定方法は、図2で説明した通りだが、更に、図8の説明においても、後述する。
応答期限計算部563は、ユーザデータ処理部58から送信要求が入力されると、記憶装置57からユーザデータ処理部58からの送信要求に応じたパケット送信先の無線局の送信禁止期間を読み取り、読み取った禁止期間情報から応答期限を計算し、再送制御部564とユーザデータ処理部58に出力する。
なお、応答期限の計算方法については、図3、図4、及び図18の説明のとおりである。
再送制御部564は、応答期限計算部563から入力された応答期限を、当該パケットの応答期限に設定し、応答期限までにACKが返ってこなければ、当該パケットを再送するように再送パケットを送信制御部565に出力する。なお、ACK応答不要のパケットを送信する際は、応答期限の設定は必要ない。
送信制御部565は、自局50がパケットを送信する際に記憶装置57から送信時間制限を読み出し、読み出した送信時間制限に従い、ユーザデータ処理部58から入力されたパケットを、ベースバンド処理部55に出力する。
さらに、再送制御部564から再送パケットが入力された際には、再送パケットを該当する無線局に送信するために、ベースバンド処理部55に出力する。
第1実施形態に係る無線局50の記憶装置57は、送信時間制限記憶部571と、禁止期間記憶部572とを有する。
送信時間制限記憶部571は、最大送信時間や最小休止時間等のパケットを送信時間制限に関する情報を記憶する。さらに、CPU56からの制御信号に応じて、最大送信時間及び最小休止時間等をCPU56に出力する。
ここで、最大送信時間及び最小休止時間は、予め設定されている値である。例えば、ARIB STD-T67では、最大送信時間が5秒、最小休止時間が2秒、又は、最大送信時間が40秒、最小休止時間が2秒という送信時間制限を設けている。
最大送信時間は、当該無線局50が最小休止時間を設けずにパケット送信を出来る時間長であり、最小休止時間は、最大送信時間内に無線局が送信した最終パケットの送信終了時刻からパケット送信を休止させる時間長を示す。
禁止期間記憶部572は、端末IDと、CPU56から入力された禁止期間情報とを記憶する。さらに、CPU56から入力される制御信号の指示によって、記憶している禁止期間情報の中から該当する無線局のID及び禁止期間情報をCPU56に出力する。ここで、禁止期間情報とは、禁止期間が開始する時刻や、禁止期間が終了する時刻等である。必要に応じて、開始時刻と終了時刻の何れかでも良いし、禁止期間を示すことが出来れば、他で代用することも可能である。
ユーザデータ処理部58は、ベースバンド処理部55から入力されたパケットが自局50宛のパケットである場合に受信処理を行い、自局50宛のパケットで無い場合に廃棄処理を行う。
また、自局が保持する経路情報(図示せず)に格納されている無線局の宛先である場合も、廃棄処理をしない。経路情報については、図1の説明において上述した通りである。
さらに、ユーザデータ処理部58は、他局に送信するパケットの作成を行い、送信制御部565に出力する。
また、ユーザデータ処理部58は、アプリケーションから送信要求があった場合に、送信要求をCPU56に出力する。
以上のフローを経ることによって、無線局50は、他局から受信したパケットに基づいて、他局の送信禁止期間を推定することが出来る。無線局50は、推定した送信禁止期間を用いて、応答期限を設定する。
また、送信禁止期間を推定することによって、無線局50は、周辺無線局がパケットを送信しない時間を知ることが出来る。図1において、説明したように、無線局50は、パケットを送信する際は、キャリアセンスを行う。つまり、キャリアセンスを行わずに、無線局50は、周辺無線局が送信禁止期間であるときに、所望周波数は使用されていないと判断し、パケットを送信することも考えられる。これによって、無線局50は、キャリアセンスの処理を省略することが出来るので、省電力、無線リソースの利用効率、及びデータ転送効率等を向上させることが出来るという別の効果ももたらす。
図6は、第1実施形態に係る無線局におけるパケット受信処理・動作を示すフローチャートである。
無線局50が他局からパケットを受信する(S60)と、時刻測定部561は、パケットの受信開始時刻を禁止期間推定部562に出力し、パケットの受信終了時刻を計測し、計測結果(受信終了時刻)を禁止期間推定部562に出力する。(S61)
送信禁止期間推定部562は、時刻測定部561から入力された受信開始時刻及び受信終了時刻と、予め送信時間制限記憶部571において記憶している送信時間制限(最大送信時間及び最小休止時間)とから送信禁止期間を推定する。(S62)
なお、送信禁止期間の具体的な推定処理については、図8の説明において後述する。
送信禁止期間推定部562は、推定した送信禁止期間を禁止期間情報として、禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間を記憶する。(S63)
ユーザデータ処理部58は、ベースバンド処理部55から出力された送信禁止期間推定済みのパケットが自局宛か否かを判断する。(S64)
ステップS62において、当該パケットが自局宛のパケットであった場合、ユーザデータ処理部58は、当該パケットの受信処理を行う。(S65)
例えば、受信処理の一例として、MAC層の処理(パケット種別の識別、受信したパケットがユニキャストパケットならACKを返信する等)や、アプリケーション層の処理(受信したテキスト情報や画像情報を画面に表示したり、音声を再生したりする等)がある。
ステップS64において、当該パケットが自局宛のパケットでなかった場合、ユーザデータ処理部58は、当該パケットを廃棄する。(S66)
第1実施形態に係る無線局は、オーバーヒアリングをする無線局であるので、自局宛でないパケットを受信する。よって、自局宛でないパケットの廃棄処理が必要となる。ここでは、経路情報に含まれる無線局宛のパケットについては、自局宛であると判断することとする。
ユーザデータ処理部68において、当該パケットの受信処理又は廃棄処理が終了すると、無線局における受信処理は終了となる。(S67)
上記のフローを経ることによって、第1実施形態に係る無線局は、受信したパケットに基づいて、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間を推定することが可能になる。よって、第1実施形態に係る無線局は、推定した送信禁止期間を様々な処理に応用することが出来る。
図7は、第1実施形態に係る無線局におけるパケット送信処理・動作を示すフローチャートである。
無線局50は、アプリケーションから送信要求があると、ユーザデータ処理部58は、応答期限計算部563に送信要求を出力する。(S70)
応答期限計算部563は、送信要求があると、禁止期間記憶部572から、パケットを送信先無線局の送信禁止期間を読み出す。(S71)
応答期限計算部563は、読み出した送信禁止期間に応じて、応答期限を設定する。(S72)
なお、応答期限設定方法については、図3及び図4で説明したように、図18の対応表とおりである。
送信制御部565は、ユーザデータ処理部58で生成されたパケットを送信するように制御し、無線局50は、当該パケットを送信する。(S73)
再送制御部564は、設定した応答期限までにACKの返信あるか否かを監視する。(S74)
ステップS74において、ACKを受信なかった場合に、再送制御部564は、送信制御部565に再送するパケットを出力し、送信制御部565が再送を行うように制御することで、無線局50は当該パケットの再送を行い、ステップS74に戻る。(S75)
ステップS74において、応答期限までにACKを受信した場合に当該パケットの送信処理を終了する。(S76)
以上のステップを経ることによって、第1実施形態に係る無線局は、推定した送信禁止期間に応じて応答期限を設定することが出来る。すなわち、第1実施形態に係る無線局は、再送処理における通信効率、無線リソースの利用効率、無線局の省電力を向上することができる。
また、上記では、送信処理を行うときに、送信禁止期間を読み出すとしたが、送信処理中に新たなパケットを受信した場合は、そのパケットに応じて送信禁止期間を推定しても良い。つまり、各無線局から受信した最新のパケットを用いて送信禁止期間を推定することが望ましい。
図8は、第1実施形態係る無線局における禁止期間推定部の処理・動作を示すフローチャートである。
禁止期間推定部562は、時刻測定部561から、パケットの受信開始時刻及び受信終了時刻が入力されると、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間の推定を行う。(S80)
禁止期間推定部562は、受信パケットの送信元アドレスiを当該パケットから読み出す。 (S81)
禁止期間推定部562は、無線局iの最大送信時間開始時刻を、入力された受信開始時刻と推定する(最大送信時間開始時刻=パケット受信開始時刻)。 (S82)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最大送信時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間開始時刻を、ステップS82で計算した無線局iの最大送信時間開始時刻から読み出した最大送信時間長経過した時刻とする(送信禁止期間開始時刻=最大送信時間開始時刻)。(S83)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻を、ステップS80で入力された当該パケットの受信終了時刻から読み出した最小休止時間長経過した時刻とする(送信禁止期間終了時刻=パケット受信終了時刻+最小休止時間長)。(S84)
禁止期間推定部562は、ステップS83で計算した送信禁止期間開始時刻、及びステップS84で計算した送信禁止期間終了時刻を、送信禁止期間として禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間の推定を終了する。(S85)
以上のステップを経ることで、第1実施形態に係る無線局50は、受信したパケットに基づいて、当該パケットを送信した無線局を認識することが出来る。そして、その無線局における送信禁止期間を推定することが出来る。
また、上記のステップS81は、送信禁止期間を予測する前に、送信元アドレスをパケットから抽出するとしたが、パケットを受信し、送信禁止期間を算出したあとに、当該パケットの送信元アドレスを抽出するとしても良い。
第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、パケットのオーバーヒアリングによって、該パケットの送信元無線局の送信禁止期間を推定することが出来るので、他局の通信状況を把握することが出来る。
第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、他局の通信状況に応じて、応答期限をその都度変更することが出来るので、不必要な再送を防ぐことが出来る。
よって、第1実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法によると、再送処理のデータ転送効率の向上、省電力、無線リソースの利用効率の向上等を望むことが出来る。
また、上記の説明では、無線局が受信パケットに基づいて、受信パケットの送信元無線局の送信禁止期間を推定することによって、応答期限を設定した。
しかし、これに限らず、受信したパケットの送信元を特定し、特定した送信元無線局に応じて、応答期限を設定しても良い。例えば、特定した送信元の無線局に、パケットを送信する場合は、送信禁止期間の最大長に応じて応答期限を設定し、それ以外の無線局に送信する場合は、往復遅延時間に応じて、応答期限を設定することとしても良い。この方法であっても、効果は得られる。
さらに、上記の説明では、送信したパケットに対するACKの待ち時間を調整することにより、不必要な再送を防いだ。しかし、最初に、パケットを送信する時間を調整し、そのパケットに対するACKの待ち時間は、一定にしても良い。この方法でも、パケットの不必要な再送を防ぐことが出来る。
そして、上記の説明では、推定した送信禁止期間を再送制御処理に利用したが、再送制御処理に限るわけではなく、推定した送信禁止期間を、他の処理に利用しても良い。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、パケットの受信後、所定時間以内に、パケットの送信元から新たにパケットを受信した場合は、新たに受信したパケットに基づいて、応答期限(再送開始時刻)を設定する。
つまり、第2実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、最大送信時間の間に、複数のパケットを同一無線局から受信した場合、最後に受信したパケットに基づいて、応答期限を設定することを特徴とする。
以下、図9及び図10を用いて第2実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
なお、アドホックネットワークの概要図(図1)、応答期限設定例1及び2(図3及び図4)、無線局のハードウェア構成図及び機能ブロック図(図5)、パケット受信時の処理を示すフローチャート(図6)、パケット送信時の処理を示すフローチャート(図7)は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係る本発明の概要図である。
図9に示すように、無線局92は、最大送信時間の間に、複数パケットを送信する。
このとき、送信禁止期間開始時刻の推定に用いる無線局92のパケットは、最大送信時間内の最初のパケット93である。この最初のパケット93は、無線局92が最小休止時間長以上の間、パケットを送信せずに、その後初めて送信したパケットである。
ここで、何故、無線局92が最小休止時間長以上の間、パケットを送信せずに、その後初めて送信したパケットを、送信禁止期間開始時刻の推定に用いるかを説明する。
無線局92は、パケット93を送信する前に、他のパケット(パケットAとする)を送信したと仮定する。さらに、無線局92がパケットAの送信を終了してから、最小休止時間長が経過する前に、パケット93を送信したとする。
このとき、最大送信時間開始時刻は、パケットAの送信開始時刻である。よって、この仮定の場合、パケット93の送信開始時刻は、最大送信時間の開始時刻とならない。
また、無線局92は、パケットAの送信終了時刻から、最小休止時間以上が経過していた場合、無線局92は、すでに、送信禁止期間を終了していることとなる。
すなわち、第2実施形態において、送信禁止期間の推定に用いるパケットは、最小休止時間以上、パケットを送信していない無線局から、初めて受信したパケットである。
よって、無線局91は、無線局92から、最小休止時間長以上の間、パケットを受信しない場合に、その後初めて受信したパケット93を送信禁止期間の推定に用いる。そして、パケット93の受信開始時刻95から、最大送信時間経過した時刻98を、無線局92の送信禁止期間開始時刻と推定する。
さらに、パケット93の受信終了時刻96から、最小休止時間経過した時刻99を、送信禁止期間終了時刻と推定する。
しかし、無線局92が、最大送信時間長の間に、複数パケットを送信する場合、パケットが送信される度に、送信禁止期間の終了時刻を更新する必要がある。
図9を参照すると、時刻96のあとに、無線局92は再びパケットを送信し、時刻97で当該パケットの送信が終了している。よって、無線局92の送信禁止期間終了時刻は、時刻97から、最小休止時間長経過した時刻100となる。
つまり、無線局91は、最大送信時間内の最後に受信したパケットのパケット受信終了時刻97を測定することで、無線局92の正確な送信禁止期間の終了時刻を推定することが可能になる。
図10は、第2実施形態に係る無線局における禁止期間推定部の処理・動作を示すフローチャートである。
禁止期間推定部562は、時刻測定部561から、パケットの受信開始時刻及び受信終了時刻が入力されると、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間の推定を行う。(S100)
禁止期間推定部562は、受信パケットの送信元アドレスiを当該パケットから読み出す。(S101)
禁止期間推定部562は、無線局iが当該パケットを受信する前の、無線局iのパケット未送信期間が、最小休止時間長より長いか否かを確認する。つまり、無線局50が当該パケットを受信する前に、無線局iから、最小休止時間長以上の期間、パケットを受信していないかを確認する。 (S102)
ステップS102において、パケット未送信期間が最小休止時間長より長い場合、禁止期間推定部562は、無線局iの最大送信時間開始時を、時刻測定部561から入力された受信開始時刻とする。(S103)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最大送信時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間開始時刻を、ステップS103で計算した無線局iの最大送信時間開始時刻から読み出した最大送信時間長経過した時刻とする。(S104)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻をステップS100で入力された受信終了時刻から、読み出した最小休止時間長経過した時刻とする。(S105)
ステップS102において、パケット未送信期間が最小休止時間長より短い場合、禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、送信禁止開始時刻の推定は行わずに、無線局iの送信禁止期間終了時刻をステップS100で入力された受信終了時刻から、読み出した最小休止時間長経過した時刻とする。 (S106)
禁止期間推定部562は、ステップS104で計算した送信禁止期間開始時刻及びステップS105で計算した送信禁止期間終了時刻を、送信禁止期間として禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間の推定を終了する。また、ステップS102において、パケット未送信期間が最小休止時間長より短い場合、ステップS106において計算した送信禁止終了時刻に更新して、送信禁止期間の推定を終了する。(S107)
以上のフローを、無線局がパケットを受信する度に行うことで、最大送信時間の間に複数パケットを送信する無線局に対しても、送信禁止期間を推定することが可能になる。
第2実施形態によると、本件の無線局が、最大送信時間内に複数パケットを送信する無線局の送信禁止期間を推定することが出来るので、さらに、精密度の高い送信禁止期間の推定が可能になる。そして、推定した送信禁止期間に応じた応答期限を設定をすることができるので、データ転送効率の向上、無線リソース利用効率の向上、省電力等が可能になる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、最大送信時間が1パケットの送信時間長と定められている場合に適用可能である。
以下、図11及び図12を用いて第3実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
なお、アドホックネットワークの概要図(図1)、応答期限設定例1及び2(図3及び図4)、無線局のハードウェア構成図及び機能ブロック図(図5)、パケット受信時の処理を示すフローチャート(図6)、パケット送信時の処理を示すフローチャート(図7)は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図11は、第3実施形態に係る本発明の概要図である。
図11に示すように、第3実施形態に係る本発明は、最大送信時間が1パケット長であるので、無線局112は、パケットを一つ送信する毎に、パケットの送信を休止する必要がある。よって、無線局112のパケット送信の最小休止時間がそのまま送信禁止期間となる。
つまり、無線局111は、送信禁止期間の開始時刻をパケット受信終了時刻115と推定し、送信禁止期間の終了時刻をパケット受信終了時刻115から起算して、最小休止時間が終了した時刻116と推定する。
また、この送信禁止期間の開始時刻及び終了時刻を推定するためのパケットは全送信パケットが対象となるため、全パケットに対して毎回送信禁止期間の開始時刻を推定する。
図12は、第3実施形態における無線局の禁止期間推定部の処理・動作を示すフローチャートである。
禁止期間推定部562は、時刻測定部561から、パケットの受信開始時刻及び受信終了時刻が入力されると、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間の推定を行う。(S120)
禁止期間推定部562は、受信パケットの送信元アドレスiを当該パケットから読み出す。(S121)
禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間開始時刻を、当該ステップS120において入力された受信終了時刻とする。(S122)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻をステップS120で入力された受信終了時刻から、読み出した最小休止時間長経過した時刻とする。(S123)
禁止期間推定部562は、ステップS122で計算した送信禁止期間開始時刻及びステップS123で計算した送信禁止期間終了時刻を、送信禁止期間として禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間の推定を終了する。 (S124)
以上のフローを全パケットに対して適用することで、禁止期間推定部562は、他局における送信禁止期間を推定することが可能になる。
第3実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法によると、最大送信時間が1パケット長と予め分かっている場合に、更に容易に送信禁止期間を推定することが出来る。よって、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、無線局において更に省電力することが可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法では、最大送信時間が1パケットの送信時間長、最小休止時間長が送信したパケット長と予め定められている場合に適用可能である。
以下、図13及び図14を用いて第4実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
なお、アドホックネットワークの概要図(図1)、応答期限設定例1及び2(図3及び図4)、無線局のハードウェア構成図及び機能ブロック図(図5)、パケット受信時の処理を示すフローチャート(図6)、パケット送信時の処理を示すフローチャート(図7)は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図13は、第4実施形態に係る本発明の概要図である。
図13に示すように、第4実施形態に係る本発明は、第3実施形態と同様に無線局132はパケットを一つ送信する毎にパケットの送信を休止する必要がある。よって、最小休止時間がそのまま送信禁止期間となる。よって、送信禁止期間の開始時刻は、パケット受信終了時刻135となる。
ここで、第4実施形態では、最小休止時間は、直前に無線局132が送信したパケット長であるため、無線局132における送信禁止期間の終了時刻は、パケット受信終了時刻135から送信パケット長経過後となる。
つまり、送信パケット長はパケット受信終了時刻135からパケット受信開始時刻134を引いた時間となるため、
送信禁止期間終了時刻136
=パケット受信終了時刻135+(パケット受信終了時刻135−パケット受信開始時刻134)
=2×パケット受信終了時刻135−パケット受信開始時刻134
から推定することが出来る。
さらに、第4実施形態の場合、第3実施形態と同様に、送信禁止期間を推定するためのパケットは全送信パケットが対象となるため、全パケットに対して毎回送信禁止期間の開始時刻を推定する必要がある。
図14は、第4実施形態における無線局の禁止期間推定部の処理・動作を示すフローチャートである。
禁止期間推定部562は、時刻測定部561から、パケットの受信開始時刻及び受信終了時刻が入力されると、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間の推定を行う。(S140)
禁止期間推定部562は、受信パケットの送信元アドレスiを当該パケットから読み出す。(S141)
禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間開始時刻を、ステップS140で入力された受信終了時刻とする。(S142)
禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻をステップS140で入力された受信終了時刻から当該パケット長経過した時刻とする。(S143)
禁止期間推定部562は、ステップS142で計算した送信禁止期間開始時刻及びステップS143で計算した送信禁止期間終了時刻を、送信禁止期間として禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間の推定を終了する。 (S144)
また、ステップS143は、図13で示したように、送信禁止期間終了時刻=2×パケット受信終了時刻−パケット受信開始時刻で求めることが出来る。
以上のフローを全パケットに対して適用することで、禁止期間推定部562は、他局における送信禁止期間を推定することが可能になる。
第4実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法によると、最大送信時間が1パケット長であり、最小休止時間が該パケットに応じて可変である場合は、さらに容易に送信禁止期間を推定することが出来る。よって、無線局における省電力が可能となる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法では、受信したパケットに付与されているシーケンス番号と、その前に受信したパケットに付与されているシーケンス番号とが連続する場合のみ、送信禁止期間を推定する。
以下、図15及び図16を用いて第5実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
なお、アドホックネットワークの概要図(図1)、応答期限設定例1及び2(図3及び図4)、無線局のハードウェア構成図及び機能ブロック図(図5)、パケット受信時の処理を示すフローチャート(図6)、パケット送信時の処理を示すフローチャート(図7)は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図15は、第5実施形態に係る本発明の概要図である。
図15が示すように、無線局152から受信したパケットに付与されているシーケンス番号が連続する場合の送信禁止期間の開始時刻及び終了時刻を無線局151が推定する場合の例である。
例えば、無線局151がパケット154をなんらかの理由でオーバーヒアリング出来なかったとする。つまり、第5実施形態の無線局151は、パケット155を受信した以前に受信したパケットは、パケット153だと判断し、無線局152がパケット153を送信してから、最小休止時間長が経過していると判断してしまう。
このように、無線局152が送信したパケット全てをオーバーヒアリング出来なかった場合、送信禁止期間も誤って推定してしまうこととなる。
よって、第5実施形態では、パケットのシーケンス番号が連続している場合のみ、送信禁止期間の推定を行うこととする。
無線局151は、オーバーヒアリング出来たパケット155に付与されているシーケンス番号3と、パケット153に付与されているシーケンス番号1が連続していないので、シーケンス番号2のパケット154が受信(オーバーヒアリング)出来なかったものとし、パケット155における送信禁止期間の推定は行わない。
そして、パケット157のように、パケット157を受信する以前に最小休止時間長以上パケットを受信していない場合であって、さらに、パケット157とパケット157の前に受信したパケット156のシーケンス番号が連続している場合のみ、送信禁止期間の推定を行う。
つまり、図15に示す例の場合、パケット156とパケット157に付与されているシーケンス番号は連続しているので、パケット157の受信開始時刻159から最大送信時間経過した時刻を無線局152の送信禁止期間開始時刻とし、パケット157の受信終了時刻160から最小休止時間経過した時刻を無線局152の送信禁止期間終了時刻とする。
図16は、第5実施形態に係る無線局における禁止期間推定部の処理・動作を示すフローチャートである。
禁止期間推定部562は、時刻測定部561から、パケットの受信開始時刻及び受信終了時刻が入力されると、当該パケットを送信した無線局の送信禁止期間の推定を行う。(S160)
禁止期間推定部562は、受信パケットの送信元アドレスiを当該パケットから読み出す。さらに、受信パケットのシーケンス番号Sidを当該パケットから読み出す。 (S161)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iにおけるパケット未送信期間が、読み出した最小休止時間長より長いかどうか確認する。つまり、無線局iにおいて、当該受信パケットより前に最小休止時間長以上の間、パケットを受信していないかどうか確認する。 (S162)
ステップS162において、無線局iにおけるパケット未送信期間が、読み出した最小休止時間長より長いと判断されると、禁止期間推定部562は、受信パケットのシーケンス番号Sidが、当該パケットの前に受信したパケットのシーケンス番号の次の番号かどうか確認する。さらに、受信パケットにシーケンス番号Sidが今までに無線局iから受信したパケットのシーケンス番号の中で最大値かどうか確認する。(S163)
ステップS163において、受信パケットのシーケンス番号が、当該パケットの前に受信したパケットのシーケンス番号の次の番号であり、今までに無線局iから受信したパケットのシーケンス番号の中で最大値であると判断されると、禁止期間推定部562は、無線局iの最大送信時間開始時刻を、ステップS160で入力された受信開始時刻とする。 (S164)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最大送信時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間開始時刻を、ステップS164で計算した無線局iの最大送信時間開始時刻から読み出した最大送信時間長経過した時刻とする。(S165)
禁止期間推定部562は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻を、ステップS160で入力された当該パケットの受信終了時刻から読み出した最小休止時間長経過した時刻とする。(S166)
ステップS162において、無線局iのパケット未送信期間が最小休止時間より短かった場合は、送信時間制限記憶部571から、無線局iの最小休止時間長を読み出す。そして、禁止期間推定部562は、無線局iの送信禁止期間終了時刻を、ステップS160で入力された当該パケットの受信終了時刻から読み出した最小休止時間長経過した時刻とする。(S167)
禁止期間推定部562は、ステップS165で計算した送信禁止期間開始時刻及びステップS166及びステップS167で計算した送信禁止期間終了時刻を、送信禁止期間として禁止期間記憶部572に出力し、送信禁止期間の推定を終了する。(S168)
また、ステップS163で、受信パケットのシーケンス番号が、当該パケットの前に受信したパケットのシーケンス番号の次の番号ではない、若しくは、受信パケットにシーケンス番号が今までに無線局iから受信したパケットのシーケンス番号の中で最大値ではないと判断された場合は、当該パケットにおける無線局iの送信禁止期間の推定は行わずに、送信禁止期間の推定を終了する。(S168)
以上のステップを経ることで、第5実施形態の無線局は、受信したパケットのシーケンス番号が連続する場合のみ、送信禁止期間を推定するので、より正確な送信禁止期間を推定することができる。
第5実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法によると、例えば、一方の無線局が最小休止時間経過後に最初に送信したパケットを他方の無線局がオーバーヒアリング出来なかった場合に、一方の無線局における送信禁止期間を他方の無線局が誤って推定してしまうことを防ぐことが出来る。
よって、不必要な再送処理を更に防ぐことが出来るので、更にデータ転送効率の向上が可能になる。
<第6実施形態>
第6実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法は、推定した送信禁止期間を記憶するのではなく、設定した応答期限を記憶する点で第1実施形態とは異なる。
以下、図17を用いて第6実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法の説明をする。
なお、アドホックネットワークの概要図(図1)、概要図(図2、図9、図13、図15の何れか)、応答期限設定例1及び2(図3及び図4)、禁止期間推定部のフローチャート(図8、図10、図12、図14、図16の何れか)は、第1実施形態〜第5実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図17は、第1実施形態に係る無線局170のハードウェア構成図及び機能ブロック図である。
図17に示すように、無線局170は、アンテナ171と、RF処理部172と、A/D変換部173と、D/A変換部174と、ベースバンド処理部175と、CPU176と、記憶装置177と、ユーザデータ処理部178とを備える。
ここで、図17におけるアンテナ171と、RF処理部172と、A/D変換部173と、D/A変換部174と、ベースバンド処理部175と、ユーザデータ処理部178は、第1実施形態における図5の説明と同様であるので、説明は省略する。
第6実施形態のCPU176は、以下で説明する時刻測定部1761と、禁止期間推定部1762と、応答期限計算部1763と、再送制御部1764と、送信制御部1761の機能を実行するように制御する。
そして、第4実施形態のCPU176は、応答期限計算部と再送制御部における処理が第1実施形態とは異なる。
時刻測定部1761は、ベースバンド処理部175からパケットが入力されると、入力されたパケットの受信開始時刻及び受信終了時刻を測定し、測定結果を禁止期間推定部1762に出力する。
禁止期間推定部1762は、後述する記憶装置177から送信時間制限を読み出し、読み出した送信時間制限、時刻測定部1761から入力された受信開始時刻及び受信終了時刻、端末IDから受信パケットの送信元端末の送信禁止期間を推定し、推定結果と通信端末のIDを応答期限計算部1764に出力する。
応答期限計算部1763は、禁止期間推定部1762から送信禁止期間の推定結果が入力されると、送信禁止期間の推定結果から応答期限を計算し、通信端末のIDと対応付けて、記憶装置177に出力する。
再送制御部1764は、ユーザデータ処理部178から送信要求が入力されると、記憶装置177から該当する端末の応答期限を読み取り、読み取った応答期限を設定する。
さらに、再送制御部1764は、設定した応答期限が満了するまでにACKが返ってこなければ、当該パケットを再送するように再送データを送信制御部1765に出力する。
送信制御部1765は、自局170がパケットを送信する際に記憶装置177から送信時間制限を読み出し、読み出した送信時間制限に従い、ユーザデータ処理部178から入力されるデータを送信するように制御する。
さらに、再送制御部1764から再送データが入力された際には、再送データを再送するように制御する。
第6実施形態の記憶装置177は、送信時間制限記憶部1771と、応答期限記憶部1772とを含む。
第6実施形態は、禁止期間記憶部ではなく、応答期限記憶部1772を含む点で第1実施形態とは異なる。
応答期限記憶部1772は、端末IDと、CPU176から入力された応答期限情報とを記憶する。さらに、CPU176から入力される制御信号の指示によって、記憶している応答期限情報の中から該当する端末の端末ID及び禁止期間情報をCPU176に出力する。
上述の無線局170によって、推定した送信禁止期間に応じた応答期限を記憶することで、パケットの送信要求があるとすぐに応答期限を設定できるので、通信効率を向上することができる。
第6実施形態に係る無線局、通信システム、及び通信方法によると、受信パケットに基づいた応答期限を記憶することによって、パケット送信の際にすぐに応答期限を設定することが出来る。よって、通信効率を向上することが出来る。