JP6070443B2 - 排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は間欠曝気法により排水処理を行うセラミック平膜を利用した膜分離活性汚泥処理方式の排水処理方法とその装置に関する。
膜分離活性汚泥方法(以下、MBR法)は、活性汚泥処理法の固液分離処理において、従来の沈殿槽を用いた重力沈殿方式の替わりにMF膜やUF膜を適用した活性汚泥処理の変法である。近年では、中水として再利用や高度処理への採用が増加しつつある。そして、MBR法の普及によりBOD除去はもちろん、窒素、リンの除去が期待されている。
MBR法は、活性汚泥を膜で濾過するため最終沈殿池が不要であり、大腸菌類も除去できるため消毒設備を省略でき、よりコンパクトなシステムを構成でき、高品位な処理水の水質が得られる。しかしながら、膜の目詰まり(ファウリング)対策として、曝気や膜表面での流速確保の必要があるので、従来法に比べ、ランニングコストが高い。
膜ファウリングとは、処理対象に含まれる物質が経時的に膜表面や流路に付着蓄積し、流路が閉塞あるいは狭窄することにより、濾過能力が低下する現象である。
そして、膜処理を継続的に安定して実施するためには、膜ファウリング対策が必要となる。膜ファウリング対策にはその発生抑制と発生後の膜濾過能力の回復があり、いずれも膜洗浄により対処されている。この膜ファウリングの原因物質は高粘性のゲル状物質であり、このような物質が膜表面に付着すると膜の透過性能を著しく低下させることとなる。さらに、各種MBR施設から採取した全てサンプルの膜面付着物の赤外線吸光スペクトル(FT−IR)から、糖由来とタンパク質由来の特徴的な吸光度ピークを確認したことから、膜面に付着する高粘性のゲル状物質は糖やタンパク質を主成分とする物質であり、主に汚泥中の微生物が生産する菌体外ポリマー(EPS)に由来するものであるとしている(非特許文献1)。
鈴木伸和ら,「生物学的アプロ−チによる膜ファウリング抑制技術の開発」,KUBOTA TECNICAL REPORT,2012年,No46,pp.42−47 友平尚男ら,「一槽間欠曝気式膜分離法における膜透過能と窒素除去能に関する研究」,日本水環境学会年会講演集,2002年3月14日,36巻、pp.266 陶村貴ら,「活性汚泥・生物膜ハイブリッドシステムにおける最適曝気時間制御制御による処理機能の高度化」,日本水処理生物学会,別巻,2010,pp.82 J.W.Morgan,「A comparative study of the nature of biopolymers extracted from anaerobic and activated sludges」,Water Res,Vol.24 No.6 Page.743-750 (1990.06)
特開平5−237495号公報 特公平6−65399号公報
MBR法において、上記の膜ファウリングは大きな課題である。その対策として、膜の洗浄が維持管理の必須条件となる。膜の洗浄の代表的な手法として、常時曝気による膜表面洗浄(エアスクラビング)がある。しかし、この曝気に要するエネルギーがMBRの消費電力の8割を占める一因となっており、その改善が必要となる。また、膜分離活性汚泥法の普及によりBOD除去はもちろん窒素、リンの除去が期待されている。
以上のような期待からMBR法の課題に対してファウリング対策、スクラビングエア量の削減や窒素除去を目的とした間欠曝気運転などに関して以下の研究がなされている。
非特許文献1では、各種MBR施設の調査において、膜表面に付着するファウリング物質は活性汚泥中の微生物が生産する代謝産物に由来し、膜の透水性能は活性汚泥中の溶解性有機物質(多糖、タンパク質等)と高い相関があること、そして、低水温条件では膜分離槽内の活性汚泥浮遊物(MLSS)を高く維持することにより、汚泥性状の影響による膜ファウリングは最小限に抑制できたとしている。
しかしながら、実設備では、排水種の変化及び季節変動などによって活性汚泥に含まれる微生物が影響を受けることによって有機性物質を原因とする膜ファウリングが発生しており、根本的な解決に至っていない。
また、非特許文献2によると、単一槽方式のMBR法において、曝気工程を停止と運転を繰返すことにより嫌気、好気をサイクリックに運転した間欠曝気法による排水処理の実験を行い、窒素除去率85%を達成し、膜透過能をほとんど低下させることなく、約1ヶ月間の連続運転が可能であったと報告されている。但し、1日1回膜表面のスポンジによる物理洗浄を必要としており維持管理面での課題である。
さらに、前記のように窒素を除去する排水処理において、硝化脱窒の機能の向上が期待できることから、従来法に代わる方式として、曝気工程を停止と運転を繰返すことにより嫌気・好気をサイクリックに運転する間欠曝気方式が主流となっているが、嫌気、好気時間の設定は経験的である(例えば特許文献1)。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、その課題は、膜ファウリングを低減させて排水処理能力及び省電力効果を高めたMBR法とその装置の提供にある。
そこで、本発明の排水処理方法は、被処理水が定量的に供給される一方で間欠曝気された活性汚泥によって当該被処理水を処理する好気槽と、この好気槽の液相を固液分離処理する分離膜を備えた膜分離槽と、前記好気槽の膜分離槽寄りの内面部に接続された状態で当該好気槽の底部付近の液相を越流方式により前記膜分離槽に移行させる連通配管と、前記好気槽の液相の溶存酸素を測定する水質計測手段と、前記測定された溶存酸素に基づき前記間欠曝気における最適曝気時間の演算を行う制御部とを備えた排水処理装置による排水処理方法であって、前記好気槽の曝気工程と無曝気工程の時間を設定する工程と、前記設定された時間に基づき曝気工程と無曝気工程とを行う間欠曝気工程と、前記曝気工程での好気槽の液相の溶存酸素に基づき最適曝気時間を演算する最適時間演算工程と、前記最適曝気時間演算工程で得られた最適曝気時間で前記曝気工程を実行する最適曝気工程と、前記間欠曝気工程の後に前記好気槽の液相を分離膜によって固液分離する膜分離工程とを有することを特徴とする。
以上の発明によれば、MBR法において、膜ファウリングが低減し、排水処理能力及び省電力効果が向上する。
本発明の実施形態1の排水処理装置の概略構成図。 本発明の実施形態2の排水処理装置の概略構成図。 比較例1の排水処理装置の概略構成図。 比較例2の排水処理装置の概略構成図。 (a)実施例1,2,比較例1,2における好気槽内液相の糖濃度の比較,(b)同実施例,同比較例における糖のエレメント膜表面付着量の比較,(c)同糖のエレメント膜細孔付着量の比較。 同実施例,比較例における好気槽内液相のタンパク質濃度の比較。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本発明は、セラミック膜を適用した膜分離活性汚泥法において、膜ファウリング対策、スクラビングエア量の削減や窒素除去を目的とした上述の技術問題を解決するために、処理システムの構成及びその運転方法について鋭意研究を行った。そして、MBR法において、生物処理に必要とされる酸素量のみを供給するよう最適曝気時間による制御を行った間欠曝気法を採用するとともに、その処理装置の構成ならびに運転方法を工夫することで課題解決の可能性の知見を得て、本発明を完成させた。特に、本発明はセラミック膜の特徴を活かした高い排水処理能力、省電力効果のある膜分離活性汚泥法とその装置を提供するものである。
図1に示した本発明の実施形態1の排水処理装置1Aは、間欠曝気された活性汚泥によって被処理水を処理する好気槽2と、この好気槽2の液相を固液分離処理する分離膜を有する膜ユニット3を備えた膜分離槽4と、好気槽2の液相の溶存酸素を測定する水質計測装置5と、前記測定された溶存酸素量(以下、DOと称する)に基づき前記間欠曝気における最適曝気時間の演算を行う制御部6とを備える。
好気槽2の前段には初沈殿槽7が配置されている。初沈殿槽7内には好気槽2に供給される被処理水に含まれる比較的大きな夾雑物を除去するための担体71が充填されている。夾雑物が除去された被処理水はオーバーフローまたはポンプ移送によって好気槽2に供給される。
好気槽2は、活性汚泥を滞留させ被処理汚水を間欠曝気にて活性汚泥法によって処理する。好気槽2内にはブロアB1から導入された空気を槽2内の活性汚泥に供給するための散気装置21が設置されている。また、好気槽2の膜分離槽4寄りの内面部には好気槽2の底部付近の液相を越流方式により膜分離槽4に移行させる連通配管22が接続されている。この連通配管22を介して膜分離槽4から好気槽2への液の逆流は防止される。また、この連通配管22によって好気槽2の曝気停止時に、初沈沈殿槽7から好気槽2へ流入する被処理水が未処理のまま短絡流によって膜分離槽4へ流入することを防止できる。
膜分離槽4は好気槽2から供された液相の残留アンモニア性窒素を硝化することにより処理水の安定化を図ると共に膜ユニット3によって当該液相を固液分離処理する。膜ユニット3は複数のセラミック平膜を備えている。膜分離槽4の後段には濾過水を貯留する濾過水槽8が配置されている。尚、膜分離槽4には、槽4内の液相を好気槽2に循環的に返送する返送配管42が具備されている。返送配管42には循環ポンプP3が配置されている。
膜ユニット3の二次側には吸引用配管31,逆洗用配管32が接続されている。吸引用配管31は、濾過工程時に開に設定されるバルブV1と、同工程時に膜分離槽4内の液相を膜ユニット3の二次側から吸引して当該液相を濾過するための吸引ポンプP1とを備える。逆洗用配管32は、膜ユニット3の逆洗工程時に開に設定されるバルブV2と、膜ユニット3の逆洗工程時に濾過水槽8内の処理水を濾過工程時とは逆の供給ラインで膜ユニット3の二次側に供給する逆洗ポンプP2とを備える。膜ユニット3の下方にはエアスクラビング用の散気装置41が配置されている。
セラミック平膜の材質としては酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が例示される。膜形状としては平板形状の平膜、モノリス構造を有するモノリス膜等がある。セラミック膜の態様としては、MF膜、UF膜、NF膜等が例示される。
水質計測装置5は溶存酸素計と水温計の機能を有する。本装置5には水処理技術で適用されている周知のDO計測装置を採用すればよい。
また、図2に示した本発明の実施形態2の排水処理装置1Bは、初沈殿槽7から供給された被処理水を嫌気処理する嫌気槽9を排水処理装置1Aの好気槽2の前段に備えた態様となっている。
嫌気槽9内には攪拌機91が設置されている。嫌気槽9の好気槽2寄りの内面部には嫌気槽9の液相を越流方式により好気槽2に移送させる連通配管92が接続されている。
排水処理装置1Bは図1の返送配管42の代わりに返送配管43を備える。返送配管43は膜分離槽4内で活性汚泥が濃縮された液相を嫌気槽9に循環的に返送するための配管である。返送配管43には循環ポンプP3が配置されている。
本発明の間欠曝気における最適曝気時間制御の概要について説明する。
本発明では最適曝気時間制御のためにAutomatic Oxygen Supply Device(以下、AOSDと称す。)システムを利用した(例えば、非特許文献3)。AOSDシステムとは、DO、水温から生物処理における最適な好気時間、嫌気時間を算出し、曝気時間制御を行うものであり、曝気量の削減に効果的である。省エネルギーを図るため曝気量は、活性汚泥の酸素利用速度(Oxygen Respiration Rate。以下、Rrと称す。)に等しいか、あるいはそれをやや上回る速度で酸素を供給する必要がある。ここで、Rr(mg・L-1・h)は、好気処理槽内で、単位時間内に単位容量Lの槽内混合液によって利用される酸素量で示される。
具体的に、前記AOSDシステムは、曝気工程中の微少時間ごとのRrを計算し、その回の曝気工程内での消費酸素量を求め、次のサイクルでの必要曝気時間を計算し、曝気装置の運転停止を制御するものである。そして、そのサイクルとほぼ同様の負荷が、次のサイクルでも流入してくると仮定して曝気時間を次々に変え制御する。さらに、処理場によっては流入負荷が急増または急減する場合を考えて、設定最低DO値以下の場合は曝気時間の延長、設定最高DO以上の場合は曝気時間の短縮を行うプログラムが制御部6に組み込まれている。
通常、曝気槽の総括酸素移動係数(以下、KLaと称する。単位:H-1)を算出するために、被処理水の流入を停止させ、1日を要する作業が必要とされている。しかし、AOSDシステムでは、メタヒューリスティック手法を用いているので現場でのKLaを算出する必要としない利点がある。ここで、メタヒューリスティックとはどのような問題に対しても汎用的に対応できるように設計された、アルゴリズムの基本的な枠組みのことであり、数学的に解決困難な最適解を求めるアルゴリズムが存在しないと思われる問題などに対して有効である。
排水処理装置1A,1Bの制御部6は、好気槽2の液相のDOに基づき生物処理に必要な酸素量を演算する。そして、この算出した酸素量に基づき前記曝気を行うブロアの総曝気量を演算する。この算出された総曝気量に基づき最適曝気時間が定まる。
特に、AOSDシステムを利用した制御部6では最適曝気時間制御における最適曝気時間TAの演算式は、下記にて予め求められる。
すなわち、好気槽2のDO、水温の計測データを入力データとし、流入被処理水濃度を一定条件下で、以下に例示する運転パターン(1)〜(4)で好気槽2を運転し、好気槽2の水質(例えば、T−N、T−P、BOD)水質に基づくメタヒューリスティック手法によって最適曝気時間TAの演算式が導き出される。演算部6はこの演算式による演算機能を備える。
運転パターン(1):連続曝気
運転パターン(2):30分曝気,90分停止
運転パターン(3):60分曝気,60分停止
運転パターン(4):40分曝気,80分停止
実際の排水処理においては、制御部6は前記演算式が適用された遺伝的アルゴリズムに一定時間毎の好気槽2のDO値を供して必要曝気時間TA(hr・日-1)を算出する。
遺伝的プログラミングは1990年にジョン・コザ(John Koza)によって提案された遺伝的アルゴリズムを拡張したもので、進化的アルゴリズムの四つの主要な方法論の一つである。
本発明の最適曝気時間制御方法は、上記のようにAOSDシステムが好適であるが、間欠曝気法における曝気工程において生物処理に必要とされる酸素量(kgO2・日-1)を供給できる制御方法であれば特にAOSDシステムに限定するものではない。
例えば、曝気槽に設置したDO計、水温計などの計測を利用して、Rrを、KLa、好気槽DO濃度(mg・L-1)、飽和DO濃度(mg・L-1)、曝気槽DO変化(mg・L-1・H)等から微分方程式より解を得て、必要酸素量OC(kgO2/日)、必要曝気時間TA(hr・日-1)を順次に算出して最適曝気時間制御を行ってもよい(例えば特許文献2)。
さらには、Rrの算出に利用したDO測定装置で測定されたDO値に代わり、周知の呼吸速度計を適用してRrを直接測定することも可能である。その場合、前記呼吸速度計によって曝気槽のRrを迅速に実測できるので、前記DO計を用いての演算値よりも精度の高い呼吸速度値を求めることが可能となる。
呼吸速度計は一般に、試料水と微生物とをサンプリングし、曝気して生物反応を行わせる測定槽と、測定槽の酸素消費量を検出する酸素センサとから主要部が構成されている。酸素消費量は、測定槽の液相の酸素量から算出されたものでもよく、また、測定槽の液上部の気相の酸素量から算出されたものでもよい。尚、前記測定槽への試料水と微生物とのサンプリングを含めて酸素消費量を求める手段は、手動でも自動でもよい。
また、排水処理装置1A,1Bにおいては、好気槽2と膜分離槽4とは連通配管22にて接続したが、膜分離槽4から好気槽2への液の逆流を防止でき、また、曝気停止時に、好気槽2に流入した被処理水(または嫌気処理水)が未処理のまま短絡流によって膜分離槽4へ流入を防止できる機能であれば、その形状や構造を自由に選択できる。例えば、管形状でなくとも矩形管であってもよく、また、移送ポンプを利用して好気槽2への流入量と等量を膜分離槽4へ移送してもよい。
さらに、排水処理装置1Bにおいて、嫌気槽7と好気槽2とは連通配管92によって接続したが、連通配管92は嫌気槽9から好気槽2への短絡流が防止できれば、形状や構造は任意に選択できる。例えば、管形状でなくとも矩形管であってもよく、また、移送ポンプを利用して嫌気槽7から好気槽2へ定量的に移送するような態様を採ってもよい。
また、好気槽2においては、最適曝気時間のみブロアB1による曝気を行い、曝気停止期間においてはブロアB1を停止させており、攪拌機による攪拌を行っていない。これは、被処理水やファウリング原因物質をはじめとする未分解物質の好気槽2から膜分離槽4への流れ込み防止のためである。
以上の排水処理装置1A,1Bによれば、セラミック膜の特徴を活かした高い排水処理能力、省電力効果のある膜分離活性汚泥法とその装置が提供できる。
排水処理装置1A、1Bの後述の実施例で使用した水質計測器、水質分析方法、膜ファウリング原因物質の測定方法について説明する。
(1)水質計測器
水質計測器:温度測定機能付き蛍光式DO計(HACH製、HQ30d−3m)
酸化還元電気(OPR)及び水素イオン濃度(pH):ガラス電極式のポータブル計測器(東興化学研究所製、TRX−90)によって測定した。
(2)水質分析方法
生物学的酸素要求量(BOD、D−BOD):下水試験方法に基づき測定した。
窒素・リン:自動化学分析装置TRAAC2000(BRAN+LUEBBE製)を用いてJIS法に準拠した比色定量分析法により測定した。測定項目はT−N(全窒素)、DTN(溶存態全窒素)、NO2+3−N(硝酸態窒素+亜硝酸態窒素)、NO2−N(亜硝酸態窒素)、NH4−N(アンモニア態窒素)およびT−P(全リン)、DTP(溶存態全リン)、PO4−P(リン酸態リン)とした。T−N、DTN、T−P、DTPについては、試料にペルオキソ二硫酸カリウム溶液を加え加熱分解(121℃、70min)を行い、窒素化合物は硝酸イオンに、リン化合物はリン酸イオンに分解した後測定した。T−N、T−Pは加熱分解後にガラス繊維濾紙(細孔径:0.6μm、ADVANTEC製)でろ過を行い、DTN、DTPは加熱分解前に同濾紙でろ過を行った。
活性汚泥浮遊物(MLSS):下水試験方法に準じた方法で測定した。
有機性浮遊物質(VSS):下水試験方法に準じた方法で測定した。
(3)膜ファウリング原因物質の測定
(3−1)膜ファウリング原因物質の採取
膜モジュールをリアクターから引き上げ、膜表面付着物を100mlの純水とヘラで除去した。次いで、前記膜表面を700mlの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)に漬けながらブラシで除去した。一晩漬け置きした後、吸引ポンプにより800mlの次亜塩素ナトリウム水溶液(濃度0.1%)で前記膜表面をインライン洗浄した。
(3−2)膜ファウリング原因物質の抽出と測定
膜ファウリング原因物質としてSMP(溶解性微生物産物)とEPS(菌体外ポリマー)を抽出し、各SMP、EPSに含まれる全糖・全タンパク質濃度を測定した。膜ファウリング原因物質の抽出は非特許文献6に記載の加熱法によって行った。
(3−2−1)SMP(溶解性微生物産物)の抽出
サンプル40mlを5分間5000gで遠心分離した。これにより得られた上澄み液を1.2μmのガラス繊維フィルター(ADVANTEC社製の型式GS−25、φ25mm)でろ過して測定試料とした。
(3−2−2)EPS(菌体外ポリマー)の抽出
SMPの抽出で得られた上澄み液を全て捨てた後に純水を40mlになるまで入れ10分間撹拌した。次いで、10分間80℃で加熱した。次いで、10分間7000gで遠心分離した。これにより得られた上澄み液をガラス繊維フィルター(ADVANTEC社製の型式GS−25、φ25mm)でろ過して測定試料とした。
(3−2−3)膜ファウリング原因物質の定量
各SMP、EPSに含まれる全糖・全タンパク質濃度を測定した。
糖の定量:フェノール硫酸法により行った。この方法は、硫酸処理を基本とする糖の定量法でM.Duboisらにより考案され,現在でも広く使われている方法である。
タンパク質の定量:タンパク質の定量分析法としてよく用いられるローリー法(Lowry method, Lowry protein assay)によって行った。
以下に本発明の実施例を示す。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではなく特許請求の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1,2に示した実施例1、実施例2ともに、初沈澱槽7(有効容積4L)に被処理水として生活排水を導入した。そして、この排水に含まれる固形物を担体71によって除去した。好気槽2(有効容積22.5L)から膜分離槽(有効容積7.5L)4への液相は連通配管22を介して越流式で移送した。尚、膜分離槽4で活性汚泥が濃縮された液相は循環ポンプP3によって循環水量4Q(50L・日-1×4)の条件で、実施例1では好気槽2へ、また、実施例2では嫌気槽9へ返送した。また、水理学的滞留時間(HRT)は14.4時間、曝気風量は、1L・min-1×2とし、MLSSは10000mg・L-1に保つよう1週間に1回引き抜いた。
また、膜ユニット3は、公称孔径0.1μの酸化アルミナ製のセラミック平膜を膜エレメントとして、この膜エレメントを縦に2枚並列させて成る膜モジュールと、この下方に配置された散気装置41で構成される。
供試排水には、5℃で貯蔵した実生活排水を用いた。この排水の水質はBOD200mg・L-1、T−N45mg・L-1、T−P5mg・L-1に調整した。BOD容量負荷は0.12mg−BOD・m-3・日-1とした。また、種汚泥として、農業集落排水処理施設の返送汚泥を使用し、2ヶ月の馴致の後、実験を開始した。
尚、膜ファウリングの抑制効果を評価するため、膜ユニットの二次側配管に設置された圧力計PI(図示略。株式会社岡野製作所製,型式DMP202N)によってろ過処理中の膜間差圧の値の経時変化を記録し、これから膜間差圧の上昇速度を算出し膜差圧増加速度とした。
表1に比較例,実施例のMBR処理方式の概要を示した。
Figure 0006070443
[実施例1]
実施例1の処理装置は排水処理装置1Aに基づくものである。
制御部6は、室温20℃の環境下で被処理水供給量が50L・日-1、ブロアB1からの好気槽2内への曝気風量が1L・min-1×2台(散気装置21)に基づき、好気槽2での生物処理に必要とされる酸素量を算出した。制御部6はこの酸素量に基づく制御指令によりブロアB1の運転時間を最適曝気時間に制御して、曝気槽内に必要酸素を供給した。そして、水質計測装置5で計測した好気槽2のDO及び水温のデータを制御部6に供して算出された最適曝気時間TAを次サイクルのブロアB1の運転時間の制御因子として利用した。好気槽2のDO下限設定は0.2〜0.5mg・L-1とし、DOは0.2〜4.5mg・L-1の範囲内となるように曝気量を設定した。MLSSは10000mg・L-1に保つように1週間に1回引き抜いた。
初沈澱槽7で被処理水(前記供試排水)中の夾雑物を除去した後、上記の条件で、以下のように排水処理を行った。先ず、一定の供給量Qで被処理水を好気槽2へ供給し、曝気工程においては水質計測装置5で検出された好気槽2のDO及び水温に基づき制御部6で算出された最適曝気時間により曝気を行った。曝気工程と無曝気工程から成る1サイクルの所要時間は2時間とした。また、膜分離槽4のMLSSの高濃度化回避と脱窒を目的として循環ポンプP3により一定の供給量4Qで膜分離槽4内液を好気槽2の被処理水流入部付近へ返送した。
一方、吸引ポンプP1の運転により膜分離槽4の液相を膜ユニット3によって濾過処理して得られたろ過水を濾過水槽8に移送した。そして、制御部6にて下記の条件で設定されたスケジュールに基づき膜ユニット3の逆洗を行った。この膜逆洗は、吸引ポンプP1を停止すると共に、逆洗ポンプP2を運転することでろ過水槽からろ過水を膜ユニット3に逆流させることで行った。
スクラビングエアは5L・min-1に調整し、フラックスを0.5m-3・m-3・日とした。逆洗条件は膜吸引時間900s、逆洗時間20s、休止時間880sを1サイクルとした。膜ユニット3の膜エレメントの浸漬洗浄は2週間に1度行った。
前記膜エレメントの浸漬洗浄の際には、好気槽2から膜ユニット3を取り出し、膜エレメントの表面付着物をヘラでそぎ落とし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)に一日浸漬させた。その後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)で、SSが確認されなくなるまでインライン洗浄を行った。
実施例1の排水処理装置1Aの試験結果を以下に示す。
BOD除去率99.0%、T-N除去率55.9%、T-P除去率41.1%、膜差圧増加速度=0.9kPa・日-1の結果が得られた。
一方、比較例1に示した従来のMBRでは、BOD除去率99.3%、T-N除去率0%、T-P除去率12.9%、膜差圧増加速度=2.1kPa・日-1であった。
また、ブロアの曝気動力(好気槽2内の散気用のブロアB1とスクラビング用のブロアB2を含め)は、最適曝気時間制御の効果によって実施例1は比較例1に対して75%削減した結果が得られた。
したがって、実施例1で得られた結果から、従来MBR(例えば、比較例1)に更に膜分離槽4と、好気槽2から膜分離槽4への槽内液相を越流式で移送する連通配管22と、膜分離槽4の液相を循環ポンプP3によって好気槽2に返送する返送配管42と、とを備え、かつ、好気槽2を最適曝気時間制御にて運転することで、実施例1のMBR運転方法ならびに装置は、膜ファウリングを低減させて排水処理能力及び省電力効果を高めたMBR法を実現できることが明らかとなった。
[実施例2]
実施例2の処理装置は排水処理装置1Bに基づくものである。
初沈澱槽7の有効容積は4L、嫌気槽9の有効容積は7.5L、好気槽2の有効容積は15.5L、膜分離槽4の有効容積は7.5Lとした。
実施例2では、初沈澱槽7で被処理水(実施例1と同じ供試排水)中の夾雑物を取除いた後に、以下のように排水処理を行った。先ず、一定の供給量Qで被処理水が嫌気槽9に供給する一方で、膜分離槽4内での濾過処理によるMLSSの高濃度化回避と嫌気槽9での脱窒とを目的として、循環ポンプP3により膜分離槽4内の液相が一定量の供給量4Qで嫌気槽9へ返送した。嫌気槽9内の液相は撹拌機91によって混合させた。
一方、嫌気槽9内の被処理水を一定の供給量5Qで好気槽2へ供給した。好気槽2での曝気工程では水質計測装置5で検出された好気槽2のDO及び水温に基づき制御部6で算出した最適曝気時間によって曝気を行った。曝気工程と無曝気工程から成る1サイクルの所要時間は2時間とした。
また、膜分離槽4では実施例1と同じ膜ユニット3の運転条件で吸引ポンプP1を運転して同槽4の液相を実施例1と同仕様の膜ユニット3によって濾過処理してろ過水を得て濾過水槽8に移送した。膜ユニット3の逆洗及び浸漬洗浄は実施例1と同じ方法で行った。
尚、嫌気槽9での脱窒を目的として循環ポンプP3により一定の供給量4Qで膜分離槽4内液を嫌気槽9の被処理水流入部付近へ返送した。その後、嫌気槽9内の液相は連通配管92を介して好気槽2に送液させた。
実施例2の排水処理装置1Bの試験結果を以下に示す。
BOD除去率98.9%、T-N除去率69.9%、T-P除去率52.4%、膜差圧増加速度=0.33kPa・日-1の結果が得られた。
一方、比較例2に示した従来の嫌気好気MBRでは、BOD除去率99.0%、T-N除去率24.8%、T-P除去率19.4%、膜差圧増加速度=1.5kPa・日-1であった。
また、ブロアの曝気動力(好気槽2内の散気用のブロアB1とスクラビング用のブロアB2を含め)は、最適曝気時間制御の効果によって実施例1は比較例1に対して75%削減した結果が得られた。
したがって、実施例2で得られた結果から、膜分離槽4と、好気槽2から膜分離槽4への液相を越流式で移送する連通配管22と、膜分離槽4の液相を循環ポンプP3によって嫌気槽9に返送する返送配管43と、とを従来の嫌気好気MBR(例えば、比較例2)に更に備え、かつ、好気槽2を最適曝気時間制御にて運転することで、実施例2のMBR運転方法ならびに装置は、膜ファウリングを低減させて排水処理能力及び省電力効果を高めたMBR法を実現できることが明らかとなった。
[比較例1]
図3に示した従来のMBR方式に基づく処理装置は、好気槽2内に膜ユニット3を備えている。好気槽2の前段には初沈殿槽7が配置されている。膜ユニット3の下方にはエアスクラビング用の散気装置41が配置されている。エアスクラビング用の空気はブロアB2から導入している。
本比較例では、実施例1と同じ供試排水を初沈殿槽7(有効容積4L)にて充填担体71によってSSを除去した生活排水を好気槽2(有効容積30L)に定量供給した。好気槽2内の活性汚泥に対してブロワB1から導入した空気を散気装置21から供給した。好気槽2内の被処理水の流入側から下流側の位置に膜ユニット3を配置した。膜ユニット3のエアスクラビング用の空気はブロワB2から導入して散気装置41から供給した。以下に本比較例の詳細な運転条件を示した。
室温20℃の環境下で、被処理水供給量50L・日-1、好気槽2内の曝気風量は1L・min-1×2、MLSSは10000mg・L-1に保つよう1週間に1回引き抜いた。
先ず、初沈澱槽7で被処理水中の夾雑物を取除いた後、上記条件により、以下の排水処理を行った。一定量の被処理水を好気槽2へ供給して上記条件の曝気による好気処理を行いながら、吸引ポンプP1の運転により槽2内の液相を実施例1と同仕様の膜ユニット3によって濾過処理してろ過水を得て濾過水槽8に移送した。そして、下記の逆洗条件のスケジュールにより膜ユニット3の逆洗を行った。この逆洗は、吸引ポンプP1を停止すると共に、逆洗ポンプP2を運転することで濾過水槽8からろ過水を膜ユニット3の膜エレメントへ逆流させることで行った。
スクラビングエアは5L・min-1に調整し、フラックスを0.5m3・m-2・日-1とした。逆洗条件は膜吸引時間900s、逆洗時間20s、休止時間880sを1サイクルとした。浸漬洗浄は2週間に1度行った。浸漬洗浄は実施例1と同じ方法で行った。
比較例1の従来のMBRの排水処理装置の試験結果を以下に示す。
BOD除去率99.3%、T-N除去率0%、T-P除去率12.9%、膜差圧増加速度=2.1kPa・日-1の結果が得られた。
[比較例2]
図4に示した比較例2の処理装置は比較例1の処理装置の前段に嫌気槽9を設けたものである。嫌気槽9の有効容積は7.5L、好気槽2の有効容積は22.5Lとした。好気槽2には膜ユニット3によって濃縮された活性汚泥を含む液相を嫌気槽9に循環的に返送する返送配管23が具備されている。返送配管23には循環ポンプP3が配置されている。
本比較例では、初沈澱槽7で被処理水(実施例1と同じ供試排水)中の夾雑物を取除いた後、比較例1と同じ運転条件で排水処理を行った。すなわち、嫌気槽9には一定の供給量Qで被処理水が供給される一方で、脱窒を目的として循環ポンプP3により好気槽2内の液相を一定量の供給量4Qで嫌気槽9へ返送して槽9内の撹拌機91によって混合させた。その後、嫌気槽9内の液相は連通配管92を経由して好気槽2へ送液した。好気槽2では、比較例1と同じ条件の曝気による好気処理を行ながら、比較例1と同じ膜ユニット3の運転条件で吸引ポンプP1の運転によってろ過水を得てろ過水槽8に移送した。膜ユニット3の逆洗も比較例1と同じ運転条件及びスケジュールで行った。
比較例2の従来の嫌気好気MBRの排水処理装置の試験結果を以下に示す。
BOD除去率99.0%、T-N除去率24.8%、T-P除去率19.4%、膜差圧増加速度=1.5kPa・日-1の結果が得られた。
[膜ファウリング物質の分析結果について]
浸漬洗浄の際に、実施例1,2、比較例1,2の膜ユニット2の膜エレメントから膜表面付着物を採取して膜ファウリング物質として糖、タンパク質の濃度を測定した。
(全糖分析結果)
好気槽2の液相のSMP由来の糖濃度は図5(a)に示すように、比較例1≫実施例1,比較例2≫実施例2であった。一方、液相のEPS由来の糖濃度については上記のような差異は見られなかった。したがって、液相のSMP由来の糖は膜ファウリングの特性と傾向が一致しており、膜ファウリングに影響を及ぼすことが明らかになった。
したがって、最適曝気時間制御方法により、液相のSMP由来の糖濃度が低減化させる適切な硝化・脱窒反応の制御を行うことで、膜ファウリングを抑制できることが示唆された。
また、図5(b)に示すように、膜エレメント表面からそぎ落とした膜表面付着物の糖濃度を分析し、糖の膜表面付着量を膜面積あたりで換算した結果を見ると、比較例1と実施例1,比較例2と実施例2にて大きな差異はなく、膜表面付着物は膜ファウリングの直接的な原因ではないと判断した。
さらに、糖の膜細孔付着量を、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による膜洗浄を行った洗浄液中の糖濃度を分析し、糖の細孔付着量を膜面積あたりで換算した。なお、洗浄液に固形分は含まれないので、全てSMP由来とした。図5(c)に示すように、糖の膜細孔付着量は、比較例1≫実施例1,比較例2≫実施例2であった。
そして、SMP由来の糖濃度が液相内で高濃度になるほど、SMP由来の糖の細孔付着量が増加する傾向があるので、液相内の糖濃度を低く保つことが膜ファウリングの抑制に効果があることがわかった。
(全タンパク質分析結果)
SMP由来のタンパク質濃度は、図6に示されたタンパク質濃度の比較から明らかなように、好気槽2の液相、膜表面付着量、細孔付着量ともに、膜ファウリングの特性の傾向と一致しないため、膜ファウリングの直接的な原因になっていないと判断した。
以上のことから、最適曝気時間制御方法の採用により膜ファウリングが抑制された原因は、脱窒反応では、有機物も同時に分解、特に、膜ファウリングの原因とされている高分子の糖・タンパク質等が分解され、ファウリング原因物質となる糖の濃度が低減化することであることが分かった。
比較例1や比較例2のように、単一の好気槽2に膜ユニット3も設置した構造の場合、短絡流の発生により未分解の高分子成分が膜に直接接触する頻度が高いため、膜ファウリングが顕著になるものと判断した。
したがって、実施例1,2のように好気槽2と膜分離槽4とを個別に配置し、さらに、好気槽2と膜分離槽4との間に連通配管22を設置することで、両者の槽の液相が相互に流動にて混合することを防止できる。これにより、膜ファウリングの原因となるSMP由来の糖が未処理のまま膜ユニット3の膜エレメント(セラミック平膜)と接触することなく、さらに、好気槽2の液相での糖の濃度が低減化された後に、膜分離槽4へと液相が移送される。この結果、膜分離槽4の液相と膜ユニット3の膜エレメントと間の糖濃度勾配が小さくなることで、膜エレメントへの糖の物質移動速度が小さくなり、さらに、膜エレメントの膜細孔内への糖の付着が低減するため膜ファウリングを抑制できることが分かった。
また、本発明で適用するセラミック膜及び膜ユニットについては、セラミック膜の寸法・材質・形状、膜モジュ−ルを構成する膜数、膜モジュ−ルの寸法・構成・形状と処理設備への設置数など、処理施設の規模や設置条件に応じて適宜選定して採用可能である。
以上のように実施例1,2の排水処理装置1A,1Bによれば、膜ファウリングが低減し、排水処理能力及び省電力効果が向上することが示された。
1A,1B…排水処理装置
2…好気槽
3…膜ユニット
4…膜分離槽
5…水質計測装置
6…制御部

Claims (5)

  1. 被処理水が定量的に供給される一方で間欠曝気された活性汚泥によって当該被処理水を処理する好気槽と、
    この好気槽の液相を固液分離処理する分離膜を備えた膜分離槽と、
    前記好気槽の膜分離槽寄りの内面部に接続された状態で当該好気槽の底部付近の液相を越流方式により前記膜分離槽に移行させる連通配管と、
    前記好気槽の液相の溶存酸素を測定する水質計測手段と、
    前記測定された溶存酸素に基づき前記間欠曝気における最適曝気時間の演算を行う制御部と
    を備えた排水処理装置による排水処理方法であって、
    前記好気槽の曝気工程と無曝気工程の時間を設定する工程と、
    前記設定された時間に基づき曝気工程と無曝気工程とを行う間欠曝気工程と、
    前記曝気工程での好気槽の液相の溶存酸素に基づき最適曝気時間を演算する最適時間演算工程と、
    前記最適曝気時間演算工程で得られた最適曝気時間で前記曝気工程を実行する最適曝気工程と、
    前記間欠曝気工程の後に前記好気槽の液相を分離膜によって固液分離する膜分離工程と
    を有することを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記最適時間演算工程は、
    前記好気槽の液相の溶存酸素に基づき生物処理に必要な酸素量を演算する酸素量演算工程と、
    この酸素量演算工程で得られた酸素量に基づき前記曝気を行うブロアの総曝気量を演算する曝気量演算工程と
    を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記膜分離工程で固分離処理された処理水を前記間欠曝気工程に供することを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理方法。
  4. 嫌気処理工程を経た被処理水を前記好気槽に供することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  5. 前記膜分離工程で活性汚泥が濃縮された液相を前記嫌気処理工程に供することを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
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