JP6070339B2 - 音解析装置、音解析システムおよびプログラム - Google Patents
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Description
また特許文献2には、無指向性の第1のマイクロフォンで音の到来を検知し、水平方向に指向性を持つ第2のマイクロフォンを回転架台で1回転させて第2のマイクロフォンの出力が最大となる方位をコンパスで求めるようにした音源方向探知装置が開示されている。
請求項3の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、音取得手段により取得された音の音源の位置をより精度良く把握することができる音解析システムを提供することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、本構成を採用しない場合に比較して、音取得手段により取得された音の音源の位置をより精度良く把握することができる機能をコンピュータにより実現できる。
<システム構成例>
図1は、本実施形態による音解析システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の音解析システム1は、音取得装置の一例である音取得端末100を互いに異なる位置に複数配することで構成される音取得端末群10と、音解析装置の一例であるホスト装置20とを備えて構成される。音取得端末100とホスト装置20とは、予め定められた通信回線を介して接続されている。この通信回線は、有線通信回線でも無線通信回線でも良い。無線通信回線を使用する場合、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、UWB(Ultra Wideband)等の既存の方式による回線を用いることができる。
図示するように音取得端末100は、音源から発した音を取得し音信号とする音取得手段として3つのマイクロフォン111、112、113(第1マイクロフォン111、第2マイクロフォン112、第3マイクロフォン113)と、増幅器114、115、116とを備える。また、音取得端末100は、取得した音を解析する音解析部117と、取得した音について音に関する情報をホスト装置20に送信するためのデータ送受信部118と、音取得端末100を回転させる回転手段119と、電源部120とを備える。
またデータ送受信部118は、回転手段119により音取得端末100を回転させるための制御信号を回転制御部24から受信する。
図3は、音取得端末100と音源との位置関係を説明した図である。
図3では、複数の音取得端末100として、音取得端末100aと音取得端末100bの2個が配される。また音源として音源Sを図示している。上述したように音取得端末100aは、正三角形の頂点位置に配されるマイクロフォン111a、112a、113aを備える。また同様に音取得端末100bは、正三角形の頂点位置に配されるマイクロフォン111b、112b、113bを備える。なお図3では、回転手段119についても併せて図示している。音取得端末100a、100bは、回転手段119により実線で示した矢印方向にそれぞれ独立に回転が可能である。
本実施の形態では、この到達時間の差を利用して2つのマイクロフォンの組と音源Sとの角度を求め、そしてこの角度を基にして音源Sの位置を求める。
以下、この事項について詳しく説明を行う。
なおここでは、マイクロフォン111a、112a、113a、およびマイクロフォン111b、112b、113bのうち、音取得端末100aのマイクロフォン111a、112aの組と音源Sとの角度について説明を行う。ただし同一の音取得端末から選択される他の2つのマイクロフォンの組についても同様のことが言える。即ち、音取得端末100aのマイクロフォン112a、113aの組、およびマイクロフォン113a、111aの組についても同様である。さらに音取得端末100bにおけるマイクロフォンの組である、マイクロフォン111b、112bの組、マイクロフォン112b、113bの組、およびマイクロフォン113b、111bの組についても同様である。
次に図4を使用して角度αを求める方法について説明を行う。
ここで、音源Sから発した音は、音源Sから同心円状に広がる。ただし音は有限の速度である音速で広がるため音がマイクロフォン111aに到達した時間とマイクロフォン112aに到達した時間とは異なり、音の行路差δに対応した到達時間の差(時間差Δt)が生じる。そしてマイクロフォン111aとマイクロフォン112aとの間の距離をD、マイクロフォン111aとマイクロフォン112aとを結ぶ線分の中点Mと音源Sの間の距離をLとするとこれらの間には次の(1)式が成立する。
そして音源Sの位置は、図3に示すように、音取得端末100aに対する音源Sの方向を示す直線と音取得端末100bに対する音源Sの方向を示す直線との交点となる。よって図3に示す例では、音源Sの位置は、マイクロフォン111a、112aの位置、角度α、マイクロフォン113b、111bの位置、角度βがわかれば求めることができる。
図5は、2つのマイクロフォンの距離が8cmだったときに生じる時間差Δtと角度α(β)との関係を説明した図である。図5では、横軸を時間差Δtとし、縦軸を角度α(β)としている。
図中、領域Aは、マイクロフォン111、112の組により角度α(β)が75°〜105°になる範囲である。同様に領域Bは、マイクロフォン112、113の組により角度α(β)が75°〜105°になる範囲であり、領域Cは、マイクロフォン113、111の組により角度α(β)が75°〜105°になる範囲である。そしてこの領域A、B、C以外の範囲に音源Sが存在したときは、角度α(β)を精度良く求めにくくなる。
図7において、「○」で示した領域は、この領域に音源Sが存在したときに、音取得端末100a、100bの双方について、それぞれの角度α、角度βが75°〜105°となる領域である。また「△」で示した領域は、この領域に音源Sが存在したときに、音取得端末100a、100bの何れか一方で、角度α、角度βが75°〜105°となる(角度α、βの何れか一方が、60°〜75°、105°〜120°となる)領域である。さらに「×」で示した領域は、この領域に音源Sが存在したときに、音取得端末100a、100bの両方で、角度α、角度βが75°〜105°から外れる(角度α、βがともに60°〜75°、105°〜120°となる)領域である。
そして「×」で示した領域に音源Sが存在したときは、音源Sの位置を精度良く求めにくくなる。
そこで本実施の形態では、音取得端末100a、100bを使用し、角度α、角度βを求めたときに、音源Sの方向を示す角度α、角度βが、予め定められた範囲である75°〜105°から共に外れたときは、音取得端末100a、100bの少なくとも一方を回転手段119(図2参照)により回転させ、角度α、角度βの少なくとも一方を75°〜105°となるようにする。
以下、図3と図8を用いて音解析システム1の動作について説明を行う。
次にデータ解析部23は、角度αおよび角度βの何れか一方が、75°〜105°の範囲内にあるかを判定する(ステップ108)。
なお上述した例では、ステップ110において、回転制御部24は、音取得端末100a、100bの何れか一方を回転させていたが、これに限られるものではなく、音取得端末100a、100bの両方を回転させてもよい。これにより角度α、βを双方とも75°〜105°の範囲内に入るように(例えば、90°となるように)することができ、音源Sを図7で示した「○」の領域内とすることができる。
また回転手段119は、マイクロフォン111、112、113を水平面に沿って回転させていたが、これに限られるものではなく、水平面に対し傾斜した面に沿って回転させてもよい。
また上述した例では、音取得端末は、音取得端末100a、100bの2つであったが、3つ以上としてもよい。
なお本実施形態におけるホスト装置20が行なう処理は、図2で上述したようにソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
よってホスト装置20が行なう処理は、コンピュータに、音源Sから発した音を取得するマイクロフォンが3個以上配される音取得端末100を互いに異なる位置に複数配することで構成される音取得端末群10から、音に関する情報を取得する機能と、取得された音に関する情報を基に得られる音源Sの音取得端末100に対する方向が、予め定められた範囲から外れたときに、方向が予め定められた範囲内となるように音取得端末100を回転させる制御を行う機能と、音取得端末100毎に得られた音源Sの音取得端末100に対する方向から音源Sの位置を導出する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
(実施例1)
図1、図2で説明した音解析システム1を使用して、複数の音源の位置を測定する実験を行った。
このとき図3で説明した配置で、音取得端末100a、100bを設置した。具体的には、一辺8cmの正三角形の頂点位置にマイクロフォン111a、112a、113aを配した音取得端末100aと、同様の位置関係でマイクロフォン111b、112b、113bを配した音取得端末100bとをテーブルの上に2.5m離して設置した。
回転手段119および回転制御部24を備えないことを除き、実施例1と同様の音解析システムを用いて、それぞれの音源S1〜S9について位置を、100回ずつ測定した。つまりこの場合、音源S1〜S9が図7で示した「×」の領域に存在していたときでも、音取得端末100a、100bは、回転することはない。そして図8で説明したステップ107で受信した角度α、βをそのまま使用することで音源S1〜S9のそれぞれの位置を求める。
実験の結果を図9および図10に示す。
図9は、実施例1の結果を示した図である。また図10は、比較例1の結果を示した図である。
図9および図10では、テーブルの位置を中央部の矩形形状で図示している。また音取得端末100a、100bがそれぞれテーブル上に設置されていることを図示している。また音源S1〜S9は、実際には円形形状で図示した箇所の中心部にそれぞれ位置する。そして円形の面積が大きいほど導出された音源の位置の測定誤差が大きかったことを意味する。なお測定誤差は、ここでは導出された音源位置の平均値と実際の音源の位置との差とした。またそれぞれの円形の近くに記載されている数字は、測定誤差の数値であり、単位は、メートル(m)である。
一方、他の音源については、図9と図10とで差は、ほとんどない。これはこれらの音源が、図7で説明した「○」または「△」の領域に位置し、実施例1でも音取得端末100a、100bの回転が行われなかったためと考えられる。
Claims (4)
- 音源から発した音を取得する音取得手段が3個以上配される音取得端末を互いに異なる位置に複数配することで構成される音取得端末群から、音に関する情報を取得する音情報取得手段と、
前記音取得端末毎に得た、前記音取得手段のうち最も音源からの距離が近い2つの音取得手段同士を結ぶ仮想直線と当該2つの音取得手段の中間点および音源を結ぶ仮想直線とがなす角度が、全て予め定められた角度範囲から外れたときに、少なくとも1つの音取得端末について、当該角度が当該予め定められた角度範囲内となるように当該音取得端末を回転させる制御を行う回転制御手段と、
前記音取得端末毎に得られた音源の当該音取得端末に対する方向から音源の位置を導出する音源位置導出手段と、
を備えることを特徴とする音解析装置。 - 前記回転制御手段は、
前記音取得端末群のうち最も前記角度範囲から外れた角度となる音取得端末について、当該角度が当該角度範囲内となるように当該音取得端末を回転させる制御を行う請求項1に記載の音解析装置。 - 音源から発した音を取得する音取得手段が3個以上配される音取得端末を、互いに異なる位置に複数配することで構成される音取得端末群と、
複数の前記音取得端末の少なくとも1つを回転させる回転手段と、
前記音取得手段のうち最も音源からの距離が近い2つの音取得手段同士を結ぶ仮想直線と当該2つの音取得手段の中間点および音源を結ぶ仮想直線とがなす角度を、当該音取得端末毎に導出する方向導出手段と、
前記音取得端末毎に得た角度が全て予め定められた角度範囲から外れたときに、少なくとも1つの音取得端末について、当該角度が当該予め定められた角度範囲内となるように当該音取得端末を前記回転手段により回転させる制御を行う回転制御手段と、
前記音取得端末毎に得られた音源の当該音取得端末に対する方向から音源の位置を導出する音源位置導出手段と、
を備えることを特徴とする音解析システム。 - コンピュータに、
音源から発した音を取得する音取得手段が3個以上配される音取得端末を互いに異なる位置に複数配することで構成される音取得端末群から、音に関する情報を取得する機能と、
前記音取得端末毎に得た、前記音取得手段のうち最も音源からの距離が近い2つの音取得手段同士を結ぶ仮想直線と当該2つの音取得手段の中間点および音源を結ぶ仮想直線とがなす角度が、全て予め定められた角度範囲から外れたときに、少なくとも1つの音取得端末について、当該角度が当該予め定められた角度範囲内となるように当該音取得端末を回転させる制御を行う機能と、
前記音取得端末毎に得られた音源の当該音取得端末に対する方向から音源の位置を導出する機能と、
を実現させるプログラム。
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