JP6068964B2 - 人の状態推定装置およびそれを備えた輸送機器 - Google Patents

人の状態推定装置およびそれを備えた輸送機器 Download PDF

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本発明は、人の状態推定装置およびそれを備えた輸送機器に関する。
特許文献1乃至3は、生体情報に基づいて人の内的状態を推定する技術を開示する。
特許文献1は、人の集中度を評価する集中度評価装置を開示する。集中度評価装置は、まず、人が基準となる視覚情報を視認したときの眼球運動、頭部運動および視野変動を測定する。これらの測定結果に基づいて反射性眼球運動(例えば、前庭動眼反射や視運動反射)のモデルを計算する。次に、人が任意の視覚情報を視認したときの眼球運動、頭部運動および視野変動を測定する。そして、これらの測定結果を予め計算されたモデルと比較することによって、人の集中度を推定する。
特許文献2は、人が眠気を自覚する前の予兆を検出する眠気予兆検出装置を開示する。眠気予兆検出装置は、頭部運動と眼球運動を測定する。眼球運動の測定結果に基づいて眼球回転角速度を特定する。また、頭部運動の測定結果に基づいて理想眼球運動角速度を計算する。理想眼球運動角速度は、眼球運動が頭部運動を補償するときの眼球の理想的な角速度である。そして、特定された眼球回転角速度と計算された理想眼球運動角速度とに基づいて、前庭動眼反射を検出する。この前庭動眼反射によって、眠気の予兆を判定する。
特許文献3は、知覚・運動系の精神作業負荷と知覚・中枢系の精神作業負荷をそれぞれ推定する精神作業負荷検出装置を開示する。精神作業負荷検出装置は、サッカードを計測し、かつ、スピーカからランダムに音を発生させながら、脳波を検出する。検出された脳波を解析することによって、目の動きに応じた脳波と事象(音の発生)に応じた脳波に分ける。前者の脳波は、サッカードの終了時点から所定時間経過後におけるラムダ反応である。後者の脳波は、音の終了時点から所定時間経過後における聴覚P300である。そして、ラムダ反応および聴覚P300が時間の経過に伴って増加しているか、減少しているかを判定する。この判定結果によって、精神作業の種類および負荷を推定する。
特開2008−79737号公報 国際公開第2010/032424号 特開2009−297129号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、特許文献1、2の技術では、前庭動眼反射等のモデルや理想眼球運動角速度を予め計算しておき、これらの仮想的な計算結果と現実の生体情報の測定結果とに基づいて集中度や眠気の予兆を推定するので、演算処理が複雑かつ膨大となる。
また、特許文献3の技術では、脳波の電位は数μVから数十μVと非常に小さく、かつ、ノイズの影響を受けやすいので、生体情報を適切に検出すること自体が比較的に困難である。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易に計測できる生体情報に基づいて人の内的状態を簡易に推定することができる人の状態推定装置およびそれを備えた輸送機器を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、眼球運動を計測する眼球運動計測部と、頭部運動を計測する頭部運動計測部と、前記眼球運動計測部の計測結果に基づいて眼球運動のタイミングを特定する眼球運動タイミング特定部と、前記頭部運動計測部の計測結果に基づいて頭部運動のタイミングを特定する頭部運動タイミング特定部と、前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングとを比較することによってこれらのタイミングの順序を判定し、この判定結果に基づいて人の内的状態を推定するタイミング比較・推定部と、を備える人の状態推定装置である。
[作用・効果]本発明によれば、眼球運動計測部および頭部運動計測部は、眼球運動および頭部運動をそれぞれ測定する。眼球運動タイミング特定部と頭部運動タイミング特定部は、眼球運動および頭部運動の各タイミングを特定する。タイミング比較・推定部は、眼球運動のタイミングと頭部運動のタイミングのいずれが先であるかを判定する。この判定結果は人の内的状態を示す指標であるので、人の内的状態を好適に推定できる。このように、比較的に簡易に測定可能な生体情報である眼球運動および頭部運動の計測結果を使用するとともに、眼球運動および頭部運動の各タイミングの前後関係を判定するという簡素な処理を行うことによって、人の内的状態を推定できる。
上述した発明において、前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記頭部運動のタイミングが前記眼球運動のタイミングよりも先である確率、及び、前記眼球運動のタイミングが前記頭部運動のタイミングよりも先である確率の少なくともいずれかに基づいて、人の内的状態を推定することが好ましい。複数の判定結果に基づく確率によって内的状態を推定するので、推定精度の信頼性を高めることができる。
また、上述した発明において、前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングの時間差に基づいて人の内的状態を推定することが好ましい。これによれば、タイミング比較・推定部は、眼球運動および頭部運動の各タイミングのずれ量を考慮して内的状態を推定できるので、内的状態をより詳細に推定できる。
また、上述した発明において、前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記時間差の平均値に基づいて人の内的状態を推定することが好ましい。複数の判定結果に基づく時間差の平均値によって内的状態を推定するので、推定精度の信頼性を高めることができる。
また、上述した発明において、前記眼球運動計測部および前記頭部運動計測部の各計測結果の少なくともいずれかに基づいて、1の眼球運動と1の頭部運動によって構成される視認行動における視認行動量を算出する視認行動量算出部をさらに備え、前記視認行動は、頭部運動の移動量、眼球運動の移動量、および、頭部運動および眼球運動の各移動量の和のいずれかであり、前記タイミング比較・推定部は、視認行動量が所定の範囲内である視認行動を構成する眼球運動および頭部運動のみに関して、タイミングを比較することが好ましい。これによれば、タイミングの順序を判定する眼球運動および頭部運動を、所定の範囲内の視認行動量を伴う視認行動における眼球運動および頭部運動に限定できる。この結果、内的状態が反映され易い判定結果のみを取得でき、内的状態の推定精度を効果的に向上させることができる。
また、上述した発明において、前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングとに基づいて、同じ視認行動を構成する眼球運動と頭部運動とを関連付ける関連付部をさらに備えていることが好ましい。関連付部は、視認行動が同じである眼球運動と眼球運動の対を特定する。タイミング比較・推定部は、関連付けされた眼球運動および頭部運動の各タイミングを比較する。よって、内的状態の推定精度を一層向上させることができる。
また、上述した発明において、前記眼球運動タイミング特定部は、サッカード眼球運動を選別し、選別された眼球運動のタイミングのみを特定することが好ましい。眼球運動タイミング特定部は、視対象を捉えるときの眼球運動を好適に抽出できる。タイミング比較・推定部は、選別された眼球運動のみに関して、タイミングを比較する。よって、内的状態が好適に反映された判定結果のみ得ることができ、内的状態の推定精度を効果的に向上させることができる。
また、上述した発明において、前記サッカード眼球運動を、眼球の移動量が所定の値以上であり、かつ、眼球の角速度が所定の角速度以上である眼球運動と規定することが好ましい。眼球運動タイミング特定部は、眼球の移動量が所定の値以上であり、かつ、眼球の角速度が所定の角速度以上であるという条件を満たす眼球運動を抽出する。これにより、サッカード眼球運動を好適に選別することができる。
また、上述した発明において、前記頭部運動タイミング特定部は、最大角加速度が所定の角加速度以上である頭部運動を選別し、選別された頭部運動のタイミングのみを特定することが好ましい。頭部運動タイミング特定部は、視対象を捉えるときの頭部運動を好適に抽出できる。タイミング比較・推定部は、選別された頭部運動のタイミングのみに関して、タイミングを比較する。よって、内的状態が好適に反映された判定結果のみを得ることができ、内的状態の推定精度を効果的に向上させることができる。
また、上述した発明において、情報を出力する情報出力部をさらに備え、前記タイミング比較・推定部は推定された人の内的状態に応じて前記情報出力部に情報を出力させることが好ましい。これによれば、内的状態に応じて適切な情報を提示することができる。
また、本発明は、請求項1から10のいずれかに記載の人の状態推定装置を備える輸送機器である。
[作用・効果]本発明によれば、人の状態推定装置によって、輸送機器を運転、操縦する人等の内的状態を好適に推定することができる。
また、上述した発明において、前記人の状態推定装置は、推定された人の内的状態に応じて輸送機器の制御パラメータを変更させることが好ましい。これによれば、輸送機器を運転、操縦する人等の内的状態に応じて輸送機器の操縦性を適切に調整できる。
なお、本明細書は、次のような鞍乗型車両に係る発明も開示している。
(1)請求項1から10のいずれかに記載の人の状態推定装置を備える鞍乗型車両。
前記(1)に記載の発明によれば、人の状態推定装置によって、ライダーの内的状態を好適に推定することができる。
(2)車体と、ヘルメットに取り付けられ、ライダーの眼球運動を計測する眼球運動計測部と、前記ヘルメットに取り付けられ、ライダーの頭部運動を計測する頭部運動計測部と、前記眼球運動計測部の計測結果に基づいて眼球運動のタイミングを特定する眼球運動タイミング特定部と、前記頭部運動計測部の計測結果に基づいて頭部運動のタイミングを特定する頭部運動タイミング特定部と、前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングの順序を判定し、この判定結果に基づいてライダーの内的状態を推定するタイミング比較・推定部と、を備える鞍乗型車両。
前記(2)に記載の発明によれば、ライダーが装着するヘルメットに眼球運動計測部および頭部運動計測部を取り付けることによって、眼球運動計測部および頭部運動計測部を好適に配置できる。このように、鞍乗型車両に対しては、人の状態推定装置を好適に適用することができる。
この発明に係る人の状態推定システムおよびそれを備えた輸送機器によれば、簡易に測定可能な生体情報である眼球運動および頭部運動の計測結果に基づき、眼球運動および頭部運動の各タイミングの順序を判定するという簡素な処理を行うことによって、人の内的状態を推定できる。
本実施例に係る鞍乗型車両の概略構成を示す側面図である。 鞍乗型車両に乗車するライダーの視野を模式的に示す図である。 視認行動を模式的に示す図である。 視認行動を模式的に示す図である。 実施例1における内的状態推定装置の機能ブロック図である。 実施例1における内的状態推定装置の処理手順を示すフローチャートである。 眼球運動の角速度と時間との関係を示す図である。 頭部運動の角加速度と時間との関係を示す図である。 眼球運動のタイミングと頭部運動のタイミングを示す図である。 実施例2における内的状態推定装置の機能ブロック図である。 実施例2における内的状態推定装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施例3における内的状態推定装置の機能ブロック図である。 実施例4における内的状態推定装置の処理手順を示すフローチャートである。 互いに関連する眼球運動と頭部運動を特定する手法の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。実施例1では、輸送機器として鞍乗型車両1を例に採って説明する。以下の説明において、前後、左右、上下とは、鞍乗型車両1に乗車したライダーにとっての「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」を意味する。
1.鞍乗型車両1の概略構成
図1は、本実施例に係る鞍乗型車両1の概略構成を示す側面図である。鞍乗型車両1の車体2は、メインフレーム3を有する。メインフレーム3の前端上部にはヘッドパイプ4が支持されている。ヘッドパイプ4にはステアリングシャフト5が挿通されている。ステアリングシャフト5の上端部にはハンドル6が連結されている。ステアリングシャフト5の下端部には一対のフロントフォーク7が連結されている。フロントフォーク7の下端部には前輪8が回転可能に取り付けられている。ハンドル6を操舵すると、ステアリングシャフト5およびフロントフォーク7が一体に回転し、前輪8の向きが変わる。フロントフォーク7は伸縮可能であり、前輪8の振動を吸収する。フロントフォーク7の下端部には前輪8の回転を制動するためのブレーキ9が取り付けられている。ブレーキ9は、ブレーキレバー(図示省略)の操作によって作動する。
メインフレーム3の上部には、燃料タンク10とシート11とが支持されている。燃料タンク10の下方には、エンジン12と変速機13とが配置されている。これらエンジン12および変速機13も、メインフレーム3に支持されている。変速機13は、エンジン12で発生した動力を出力するドライブ軸13aを備えている。ドライブ軸13aにはドライブスプロケット14が連結されている。メインフレーム3の下部後側にはスイングアーム15が揺動可能に支持されている。スイングアーム15の後端部には、ドリブンスプロケット16および後輪17が回転可能に支持されている。チェーン18は、ドライブスプロケット14の動力をドリブンスプロケット16に伝達する。これにより、エンジン12で発生した動力は、後輪17に伝達される。
シート11の下部には、車体2を制御するECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)19が配置されている。ECU19は、制御パラメータによって車体2の各部の動作を制御する。
さらに、シート11の下部には、演算処理装置21(マイクロプロセッサ)、記憶部22および無線通信機28が配置されている。ハンドル6の前方には、表示部23が配置されている。さらに、鞍乗型車両1は、ハンドル6に取り付けられている抵抗力調整部24aと、シート11に取り付けられている振動発生部24bとを備えている。抵抗力調整部24aは、アクセルグリップ6aの回転に対する抵抗力(反力)を可変する。アクセルグリップ6aはライダーによって操作される。なお、図示の便宜上、アクセルグリップ6aは左側に配置されているが、右側に配置されていてもよい。振動発生部24bは、ライダーが着座するシート11を振動させる。
ライダーが着用するヘルメット31には、アイカメラ25、ジャイロセンサ26、音声出力部27および無線通信機29が取り付けられている。アイカメラ25は、ヘルメット31の前面に形成される開口部の下部に配置されている。音声出力部27はヘルメット31の側部内側に配置されている。
上述した演算処理装置21、記憶部22、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24b、アイカメラ25、ジャイロセンサ26、音声出力部27および無線通信機28、29は、内的状態推定装置20(図5参照)を構成する。内的状態推定装置20は、本発明における人の状態推定装置に相当する。
2.内的状態を推定する手法
まず、本実施例1で採用する内的状態を推定する方法を説明する。
図2は、鞍乗型車両1に乗車するライダーの視野を模式的に示す図である。視野の広さは内的状態によって変わる。ここで、内的状態とは、注意レベル(状態)、覚醒レベル(状態)、集中レベル(集中度)、余裕度、情報処理パフォーマンス等を意味する。さらに、内的状態は、精神的な状態に限られず、肉体的な状態(疲労度)も意味する。以下では、内的状態の例示として「注意レベル」を適宜に用いて説明する。
注意レベルが低下するほど、視野は狭くなる傾向がある。すなわち、視野狭窄が生じる傾向がある。図2では、注意レベルが高いライダーの視野Aと、注意レベルが低いライダーの視野Bとを模式的に示している。視野Bは視野Aに比べて狭い。
眼球運動は視野の中にある刺激を頼りに生じる。視対象(Oa乃至Oc)が視野内に存在しているときには、眼球を視対象に向けて移動させることができる。逆に、視対象が視野外に存在しているときには、眼球を視対象に向けて移動させることができない。この場合、頭部運動によって視対象が視野内に入った後に初めて、眼球を視対象に移動させることができる。このように、視野内に視対象が存在しているか否かによって、人が視対象を捉える行動(以下、「視認行動」という)が異なる。視認行動は眼球運動および頭部運動の少なくともいずれかを含む。
図3、図4を参照する。図3、図4は、視認行動を模式的に示す図である。図3、図4では、時間の経過に伴って(a)、(b)、(c)の順に状態が変化するものとする。
図3では、(a)−(b)に示すように、まず、眼球Eのみが移動する。その後、(b)−(c)に示すように、頭部Hが眼球運動に追従するように移動する。このように眼球運動のタイミングが頭部運動のタイミングよりも時間的に先である視認行動を「眼球先行型視認行動」または「眼球先行型」と呼ぶ。
図4では、(a)−(b)に示すように、まず、頭部Hのみが移動する。その後、(b)−(c)に示すように、眼球Eが移動する。このように、頭部運動のタイミングが眼球運動のタイミングよりも先である視認行動を「頭部先行型視認行動」または「頭部先行型」と呼ぶ。
本発明者らは、眼球先行型視認行動は、視対象が視野内に存在しているときに発生し易く、頭部先行型視認行動は、視対象が視野内に存在していないときに発生し易いと考えた。さらに、視野が狭いほど(すなわち、ライダーの注意レベルが低いほど)、頭部先行型の視認行動が多くなると考えた。言い換えれば、視認行動が頭部先行型か眼球先行型かによって、ライダーの注意レベルを推定可能であると考えた。
このような知見に基づいて、内的状態推定装置20は、眼球運動のタイミングと頭部運動のタイミングのずれ(時間的な順序)を利用して、ライダーの内的状態を推定するように構成される。
3.内的状態推定装置20の機能的構成
図5は、内的状態を推定する内的状態推定装置20の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図5では、便宜上、無線通信機28、29の図示を省略する。
アイカメラ25はライダーの眼球運動を計測する。アイカメラ25の計測結果は、無線通信機28、29を介して演算処理装置21に送られる。アイカメラ25は、本発明における眼球運動計測部に相当する。
ジャイロセンサ26は、ライダーの頭部運動を測定する。なお、ヘルメット31の運動をライダーの頭部運動とみなしている。ジャイロセンサ26の計測結果は、無線通信機28、29を介して演算処理装置21に送られる。ジャイロセンサ26は、本発明における頭部運動計測部に相当する。
演算処理装置21は、各測定結果に基づいて、ライダーの内的状態を推定する。演算処理装置21は、機能的に、眼球運動タイミング特定部33、頭部運動タイミング特定部34、タイミング比較・推定部35および出力選択部36に分けられる。
眼球運動タイミング特定部33は、アイカメラ25の計測結果に基づいて眼球運動のタイミングを特定する。
頭部運動タイミング特定部34は、ジャイロセンサ26の計測結果に基づいて頭部運動のタイミングを特定する。
タイミング比較・推定部35は、眼球運動のタイミングおよび頭部運動のタイミングを比較し、いずれのタイミングが先であるかを判定する。この判定結果によって、視認行動が眼球先行型および頭部先行型のいずれであるかが判明する。さらに、タイミング比較・推定部35は判定結果(以下、適宜に「順序情報」という)を記憶部22に記憶させるとともに、順序情報を出力選択部36に送る。
出力選択部36は、ライダーに情報を提示するか否か、および、車体2の制御パラメータを変更するかをそれぞれ順序情報に基づいて選択する。ここで、ライダーに提示する情報の内容は、ライダーの内的状態の推定結果や、ライダーへのアドバイス、注意喚起等である。
順序情報に基づいてライダーに情報を提示することを選択した場合には、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27の少なくともいずれかに命令を出力する。なお、音声出力部27に送る命令は、無線通信機28、29を介して伝達される。車体2の制御パラメータを変更することを選択した場合には、ECU19に命令を出力する。
表示部23は、出力選択部36からの命令に基づいて、文字や画像などの視覚情報を出力する。表示部23は、例えばディスプレイモニタや、スマートフォンなどの携帯情報端末である。表示部23は、本発明における情報出力部に相当する。
抵抗力調整部24aは、出力選択部36からの命令に基づいて、アクセルグリップ6aの回転抵抗を可変する。振動発生部24bは、出力選択部36からの命令に基づいて、振動を発生させる。グリップ6aの抵抗力およびシート11の振動は、それぞれライダーに感知される。すなわち、抵抗力および振動はそれぞれ触覚情報である。なお、抵抗力の大きさ、振動の回数やリズム等には、予め、ライダーに提示する情報の内容が対応付けられている。このため、ライダーは抵抗力や振動を感知することによって情報の内容を認識できる。抵抗力調整部24aおよび振動発生部24bは、本発明における情報出力部に相当する。
音声出力部27は、出力選択部36からの命令に基づいて、音声情報(聴覚情報)を出力する。音声出力部27は、例えばヘッドホンやスピーカである。音声出力部27は、本発明における情報出力部に相当する。
出力選択部36がECU19に命令を出力した場合、ECU19は車体2の制御パラメータを変更する。これにより、車体2の各部の動作を調節できる。たとえば、スロットルの応答感度、マニュアル/オートマチックトランスミッションの切り替え、フロントフォーク7の特性、後輪17のサスペンションの特性、前輪8のブレーキ9および後輪17のブレーキの配分、ABSの有無等が例示される。また、これら一群の制御パラメータで構成されるモードが予め設定されている場合には、このモードを変更することによって各種の制御パラメータを一括して変更してもよい。
4.動作説明
次に、実施例1に係る鞍乗型車両1の動作を説明する。以下では、内的状態推定装置20の処理の手順を中心に説明する。
図6は、内的状態推定装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS1、S2> 眼球運動および頭部運動の計測
アイカメラ25は眼球運動を測定する。測定結果は、眼球の角度の時系列データ(各時刻における眼球の回転角度に関する情報)である。
ジャイロセンサ26は頭部運動を測定する。測定結果は、頭部の角速度および角度に関する時系列データ(各時刻における頭部の角速度および角度に関する情報)である。
ここで、アイカメラ25およびジャイロセンサ26は同時計測を行う。これにより、各時系列データの時刻を容易に同期させることができる。
<ステップS3> 眼球運動のタイミングの特定
眼球運動タイミング特定部33は、アイカメラ25の測定結果に基づいて眼球運動のタイミングを特定する。本実施例では、所定の条件を満たす眼球運動を選別し、選別された眼球運動のタイミングを特定する。以下では、眼球運動を抽出する処理と、眼球運動のタイミングを特定する処理とに分けて説明する。
眼球運動を抽出する処理では、サッカード眼球運動(Saccade、Saccadic eye movement)を選別する。サッカード眼球運動は、「急速眼球運動」とも呼ばれ、眼球を素早く移動させる眼球運動である。
本実施例では、サッカード眼球運動を、眼球の移動量が所定の値De以上であり、かつ、眼球の角速度が所定の角速度Re以上である眼球運動と定義し、これらの条件を全て満たす眼球運動を抽出する。ここで、眼球の移動量は、1回の眼球運動において眼球が回転する角度であり、振幅とも呼ばれる。本実施例では、眼球の移動量を、眼球の角速度が所定の角速度Reを超えている期間における移動量とする。所定の値Deは、例えば3.5[degree]である。角速度Reは、例えば30[degree/sec]である。
図7を参照して、眼球運動を抽出する処理を例示する。図7において、横軸は時間であり、縦軸は眼球の角速度である。図7では、説明の便宜上、任意の一方向に対する眼球の角速度を示している。なお、眼球の角速度は、アイカメラ25の測定結果を時間で微分することによって得られる。
図7は、複数の眼球運動e1乃至e7を示している。このうち、眼球の角速度が所定の角速度Re以上である眼球運動は眼球運動e5のみである。よって、その他の眼球運動e1乃至e4、e6、e7を抽出しない(除外する)。眼球運動e5に関しては、眼球の移動量を求める。ここでは、眼球の角速度が所定の角速度Reを超えている時刻t1から時刻t2までの期間で眼球の角速度を積分することにより、眼球の移動量を得る。そして、得られた眼球の移動量が所定の値De以上であれば眼球運動e5を抽出し、そうでなければ眼球運動e5を抽出しない。
次に、眼球運動のタイミングを特定する処理を説明する。本実施例では、眼球運動のタイミングを眼球運動の開始時刻とする。また、開始時刻を、角速度が所定の角速度Reを超えている期間の始期とする。図7に示す眼球運動e5の場合、そのタイミングは時刻t1であると特定される。
<ステップS4> 頭部運動のタイミングの特定
頭部運動タイミング特定部34は、ジャイロセンサ26の測定結果に基づいて頭部運動タイミングを特定する。
本実施例では、頭部運動タイミング特定部34は、頭部の角加速度の最大値が所定の角加速度Ah以上である頭部運動を選別し、選別された頭部運動のタイミングを求める。ここで、頭部運動のタイミングを頭部運動の開始時刻とし、開始時刻を頭部の角加速度が所定の閾値Th以上である期間の始期とする。閾値Thは、例えば、0[degree/sec]である。
図8を参照して、頭部運動のタイミングを特定する処理を例示する。図8において、横軸は時間であり、縦軸は頭部の角加速度である。図8では、説明の便宜上、任意の一方向に対する頭部の角加速度を示している。
図8は、複数の頭部運動h1乃至h6を示している。このうち、頭部運動h6のみが所定の角加速度Ah以上の区間を含んでいる。この頭部運動h6において角加速度が閾値Thを超えている期間は、時刻t3から時刻t4までである。よって、時刻t3を頭部運動h6のタイミングとして特定する。なお、その他の頭部運動h1乃至h5は抽出されず、それらのタイミングも特定されない。
<ステップS5> タイミングの順序の判定
タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングを比較し、それらの順序を判定する。
図9を参照する。図9は、眼球運動のタイミングと頭部運動のタイミングを示す図である。図9は、図7、図8を重ね合わせたものである。各タイミングが図9に示す関係にある場合、眼球運動のタイミング(開始時刻t1)が頭部運動のタイミング(開始時刻t3)よりも先であると判定する。これにより、視認行動が眼球先行型であることが判明する。
上述したとおり、この順序情報は、ライダーの内的状態を示す評価指標である。例えば、眼球先行型を示す順序情報は、ライダーの注意レベルが比較的に高いこと(または、そのように推定できること)を意味する。他方、頭部先行型を示す順序情報は、ライダーの注意レベルが比較的に低いことを意味する。
タイミング比較・推定部35は、順序情報を記憶部22に記憶させるとともに、出力選択部36に順序情報を出力する。
<ステップS6> ライダーへの情報提示または制御パラメータの変更
出力選択部36は、順序情報に基づいて情報の提示および制御パラメータの変更に関して選択し、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24b、音声出力部27およびECU19に適宜に命令を出力する。選択の結果、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24b、音声出力部27およびECU19の全部または一部に命令が出力される場合のみならず、いずれにも命令が出力されない場合もある。
出力選択部36が表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27の少なくともいずれかに命令を出力した場合、ライダーの内的状態の推定結果や、ライダーへのアドバイス等に関する情報を提示する。例えば、表示部23は、ライダーの内的状態の推定結果を示す数値やグラフなどを表示してもよい。抵抗力調整部24aは、アクセルグリップ6aの回転に対する抵抗力を可変してもよい。振動発生部24bは、シート11を振動させてもよい。音声出力部27は、「そろそろ休憩しましょう」等の音声を出力してもよい。
出力選択部36がECU19に命令を出力した場合、ECU19は鞍乗型車両1の制御パラメータを変更する。この制御パラメータの変更によって、鞍乗型車両1の操縦性(操縦のしやすさ)を強制的に調整する。例えば、鞍乗型車両1の操縦性を簡易化して、ライダーの負担を低減させてもよい。また、予め初心者モードや習熟者モードが設定されている場合には、それらのモードを切り替えてもよい。
そして、ステップS1に戻り、上述した一連の処理を繰り返す。
このように、本実施例1によれば、視認行動が眼球先行型であるか頭部先行型であるかによってライダーの内的状態を推測できるという知見に基づき、比較的に簡易に測定できる眼球運動および頭部運動のみを生体情報として採用している。これにより、アイカメラ25およびジャイロセンサ26のような簡易なセンサで、眼球運動および頭部運動を測定することができる。さらに、タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングの順序を判定するといった比較的に簡素な処理によって、ライダーの内的状態が反映された順序情報を得ることができる。このように、本実施例1によれば、簡易に計測できる生体情報に基づいてライダーの内的状態を簡易に推定することができる。
また、鞍乗型車両1の場合には、ライダーが装着するヘルメット31にアイカメラ25およびジャイロセンサ26を容易に取り付けることができる。よって、内的状態推定装置20を鞍乗型車両1に好適に適用することができる。
また、本実施例では、眼球運動タイミング特定部33と頭部運動タイミング特定部34を備えているので、眼球運動および頭部運動の各タイミングの時間的順序を精度よく判定することができる。
また、眼球運動及び頭部運動の各タイミングをそれぞれ、ある瞬間(開始時刻)とするので、各タイミングの順序を簡易かつ正確に判定できる。
また、眼球運動タイミング特定部33は、サッカード眼球運動を選別する。これによって、視対象を捉えるときの眼球運動を好適に抽出できる。そして、順序を判定する対象を、抽出された眼球運動を含む視認行動のみに限定する。よって、内的状態が好適に反映された順序情報のみ得ることができる。よって、ライダーの内的状態の推定精度を効果的に向上させることができる。
さらに、頭部運動タイミング特定部34は、所定の角加速度Ah以上の角加速度を有する頭部運動を抽出するので、視対象を捉えるときの頭部運動を好適に選別できる。そして、順序を判定する対象を、抽出された頭部運動を含む視認行動のみに限定する。よって、内的状態が好適に反映された順序情報を効果的に得ることができる。
また、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27を備えているので、ライダーの内的状態に応じてライダーに適切な情報を提供し、ライダーに内的状態や休憩のタイミングを気付かせることができる。
また、表示部23は視覚を通じてライダーに情報を提示できるので、短時間に多くの情報をライダーに伝達できる。また、音声出力部27は聴覚を通じてライダーに情報を提示できるので、ライダーは表示部23等に視線を移すこと無く、音声出力部27から情報を得ることができる。さらに、抵抗力調整部24aや振動発生部24bは触覚を通じてライダーに情報を提示できる。この場合、ライダーは表示部23等に視線を移したり、音声出力部27等に耳を澄ますことを要しない。すなわち、ライダーは周囲の車両等を見続けながら、かつ、周囲の車両の音を聞き続けながら、抵抗力調整部24aや振動発生部24bから情報を得ることができる。
また、演算処理装置21はECU19と連携して鞍乗型車両1の制御パラメータを変更させるので、ライダーの内的状態に応じて鞍乗型車両1の操縦性を適切に調整できる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。本実施例2は、実施例1と略同様の構成を備えた鞍乗型車両1であり、内的状態推定装置20の処理が実施例1と異なる。そこで、実施例2に係る鞍乗型車両1の概略構成の説明を省略し、内的状態推定装置20の構成について説明する。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
1.内的状態を推定する手法
まず、本実施例2で採用する内的状態を推定する方法を説明する。
図2を再び参照する。眼球運動は視野の中にある刺激を頼りに生じる。例えば、視野B内に存在する視対象Obに関しては、ライダーの注意レベルに関係なく、ライダーは視対象Obを認知している。したがって、注意レベルの高いライダーにとっても注意レベルの低いライダーにとっても、視対象Obを捉える視認行動は眼球先行型となり易い。すなわち、ライダーの内的状態が異なっていても、その違いは視認行動に現れにくい。
視野Aの外側に存在する視対象Ocに関しては、ライダーの注意レベルに関係なく、ライダーは認知していない。したがって、注意レベルの高いライダーにとっても、注意レベルの低いライダーにとっても、視対象Ocを捉える視認行動は頭部先行型となる可能性が高い。すなわち、ライダーの内的状態が異なっていても、その違いが視認行動に現れにくい。
これに対して、視野Bの外側であって視野Aの内側に存在する視対象Oaに関しては、注意レベルの低いライダーは視対象Oaを認知できない。この場合、頭部が移動し、視野B内に視対象Oaが存在するようになった後に初めて、眼球が移動する。すなわち、視認行動は頭部先行型となる可能性が高い。これに対して、注意レベルが高いライダーは視対象Oaを認知しているので、視認行動は眼球先行型になり易い。このように、ライダーの内的状態の違いが、視対象Oaを捉える視認行動に現れやすい。
このような考察から、ライダーの注意レベルに応じて視野内となったり視野外となる領域に存在する視対象を捉える視認行動のみに関して順序を判定すれば、ライダーの内的状態の違いが顕在化した順序情報を得ることができると言える。
このような知見のもと、実施例2の内的状態推定装置20は、視対象を捉えるときの眼球の移動量、頭部の移動量、またはこれらの和を視認行動量と規定し、視認行動量が所定範囲である視認行動のみに関して、眼球運動および頭部運動の各タイミングの順序を判定するように構成される。
2.内的状態推定装置20の構成
図10は、実施例2における内的状態推定装置20の構成を示す機能ブロック図である。演算処理装置21は、さらに、視認行動量算出部37と視認行動量特定部38を有している。
視認行動量算出部37は、アイカメラ25の測定結果およびジャイロセンサ26の測定結果の少なくともいずれかに基づいて視認行動量を算出し、視認行動量特定部38に出力する。
本実施例2では、視認行動量を頭部の移動量とする。この場合、視認行動量算出部37は、ジャイロセンサ26の測定結果のみに基づいて、頭部運動の移動量を視認行動量として求める。
なお、視認行動量を頭部の移動量と眼球の移動量の和とする場合には、視認行動量判定部38は、アイカメラ25およびジャイロセンサ26の各測定結果に基づいて、視認行動量を求める。同様に、視認行動量を眼球の移動量とする場合には、視認行動量判定部38は、アイカメラ25の測定結果に基づいて視認行動量を求める。
視認行動量判定部38は、視認行動量が所定の範囲内であるか否かを判定する。所定の範囲は、例えば30[degree]から45[degree]の範囲である。
タイミング比較・推定部35は、視認行動量が所定の範囲内である視認行動を構成する眼球運動および頭部運動のみに関して、タイミングを比較する。タイミング比較・推定部35は、得られた順序情報を記憶部22に記憶させる。さらに、記憶部22に蓄積された複数の順序情報に基づいて、眼球先行型の確率または頭部先行型の発生確率の少なくともいずれかを求める。
3.動作説明
次に、実施例2の動作に関して、内的状態推定装置20の処理の手順を中心に説明する。図11は、内的状態推定装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS11、S12> 眼球運動および頭部運動の計測
アイカメラ25およびジャイロセンサ26はそれぞれ、眼球運動および頭部運動を計測する。
<ステップS13、S14> 眼球運動および頭部運動のタイミングの特定
眼球運動タイミング特定部33および頭部運動タイミング特定部34はそれぞれ、眼球運動および頭部運動の各タイミングを特定する。
<ステップS15> 視認行動量の算出
視認行動量算出部37は、ジャイロセンサ26の計測結果に基づいて、頭部の移動量を視認行動量として求める。本実施例では、頭部の移動量を、頭部の角加速度が閾値Thを超えている期間において頭部が回転する角度とする。
<ステップS16> 視認行動量が所定範囲内か?
視認行動量判定部38は、算出された視認行動量が所定の範囲内であるかを判定する。その結果、所定の範囲内にあると判定された場合には、ステップS17に進む。そうでない場合には、ステップS20に進む。
<ステップS17> タイミングの順序の判定
タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングを比較し、それらの順序を判定する。そして、得られた順序情報を記憶部22に記憶させる。さらに、タイミング比較・推定部35は、記憶部22に蓄積された複数の順序情報を読み出して、確率を求める。
本実施例では、頭部先行型の発生確率Phを求める。頭部先行型の発生確率Phは、順序情報の総数に対する頭部先行型を示す順序情報の数の割合である。発生確率Phが高いほど、ライダーの注意レベルが低いと推定される。
<ステップS18> 頭部先行型の確率が閾値以上か?
出力選択部36は、頭部先行型の発生確率Phが所定の閾値Tp以上であるか否かを判定する。閾値Tpは、例えば0.5である。その結果、閾値Tp以上であると判定した場合には、ステップS19に進む。そうでない場合には、ステップS11に戻る。
<ステップS19> ライダーへの情報提示
出力選択部36は、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27に命令を送る。表示部23は所定の視覚情報を表示し、抵抗力調整部24aはアクセルグリップ6aに所定の反力を発生し、振動発生部24bは所定の振動を発生し、音声出力部27は所定の音声ガイダンスを出力する。そして、ステップS11に戻る。
<ステップS20> タイミングの破棄
タイミング比較・推定部35は、視認行動量が所定の範囲から外れていると判定された視認行動を構成する眼球運動および頭部運動に関して、タイミングを比較することなく、それらのタイミングを破棄する。そして、ステップS11に戻る。
このように、実施例2によれば、実施例1と同様に、簡易に検出できる生体情報に対して簡易な処理を行うことにより、ライダーの内的状態を推定することができる。
また、実施例2では、タイミング比較・推定部35は、視認行動量が所定の範囲内である視認行動のみを対象として、眼球運動と頭部運動の各タイミングの順序を判定する。このため、ライダーの内的状態が反映され易い順序情報のみを取得するので、ライダーの内的状態の推定精度を効果的に向上させることができる。
また、タイミング比較・推定部35は、複数の順序情報に基づいて頭部先行型の発生確率Phを求めるので、内的状態の推定精度の信頼性を高めることができる。
また、視認行動量算出部37を備えているので、視認行動量を好適に特定することができる。
また、視認行動量判定部38を備えているので、視認行動量が所定の範囲内である視認行動量を容易に選別できる。
また、出力選択部36は、頭部先行型の発生確率Phが閾値Tp以上であるときのみライダーに情報を提示し、そうでないときには情報提示を行わない。このように、不必要に情報提示を行わないので、ライダーの注意レベルを損なうことを回避できる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。本実施例3は、実施例1と略同様の構成を備えた鞍乗型車両1であり、内的状態推定装置20の処理が実施例1と異なる。すなわち、実施例3の内的状態推定装置20は、眼球運動および頭部運動の各タイミングの時間差を判定するように構成される。そこで、実施例3に係る鞍乗型車両1の概略構成の説明を省略し、内的状態推定装置20の構成について説明する。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
1.内的状態推定装置20の構成
図12は、実施例3における内的状態推定装置20の構成を示す機能ブロック図である。図示するように、演算処理装置21は、さらに関連付部39を有している。
関連付部39は、眼球運動および頭部運動の各タイミングに基づいて、同じ視認行動を構成する1の眼球運動と1の頭部運動とを関連付ける。すなわち、1つの視認行動に含まれている眼球運動および頭部運動の対を特定する。本明細書では、同じ視認行動を構成する眼球運動と頭部運動を、適宜に「互いに関連する眼球運動および頭部運動」と記載する。
視認行動量算出部37は、関連付部39によって関連付けされた頭部運動と眼球運動(すなわち、視認行動)の視認行動量を算出する。
タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングの時間差を算出する。この時間差に関する情報(以下、「時間差情報」という)は、各タイミングの順序に応じて正負の値をとる。すなわち、時間差情報は、各タイミングのずれ量および順序に関する情報を含む。得られた時間差情報は記憶部22に記憶させる。さらに、記憶部22に蓄積された複数の時間差情報に基づいて、時間差の平均値を求める。
2.動作説明
次に、実施例3の動作に関して、内的状態推定装置20の処理の手順を中心に説明する。図13は、内的状態推定装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS21、S22> 眼球運動および頭部運動の測定
アイカメラ25およびジャイロセンサ26はそれぞれ、眼球運動および頭部運動を計測する。
<ステップS23、S24> 眼球運動および頭部運動のタイミングの特定
眼球運動タイミング特定部33は、眼球運動のタイミングを特定する。頭部運動タイミング特定部34は、頭部運動のタイミングを特定する。
<ステップS25> 眼球運動と頭部運動の関連付け
関連付部39は、互いに関連する眼球運動と頭部運動の対を特定する。この処理では、基本的に、頭部運動のタイミングに最も近いタイミングの眼球運動を、頭部運動に関連付ける。この処理によって、眼球運動と頭部運動を共通の時間軸上に重ね合わせたときに、1の頭部運動と1の眼球運動とが時間的に近接している場合のみならず、3以上の頭部運動/眼球運動が時間的に近接している場合であっても、的確に頭部運動と眼球運動の対を特定できる。以下では、この手法について詳細に説明する。
図14を参照する。図14は、互いに関連する眼球運動と頭部運動を特定する手法の説明図である。
図14では、1つの頭部運動h11と2つの眼球運動e11、e12を示す。頭部運動h11の開始時刻、終了時刻は、ths、thfである。眼球運動e11の開始時刻、終了時刻は、tes1、tef1である。眼球運動e12の開始時刻、終了時刻は、tes2、tef2である。
この場合、開始時刻thsと終了時刻tef1の時間差Δtaと、開始時刻thsと開始時刻tes2の時間差Δtbとを比較する。その結果、時間差Δtaが時間差Δtbより短い場合、眼球運動e11を頭部運動h11に関連付ける。そうでない場合には、眼球運動e12を頭部運動h11に関連付ける。このような手法によれば、発生期間が頭部運動の開始時刻に最も近い眼球運動を、頭部運動と関連づけることができる。
また、以下の手法を採用してもよい。すなわち、開始時刻thsと開始時刻tes1の時間差Δtcと、時間差Δtbとを比較する。その結果、時間差Δtcが時間差Δtbより短い場合、眼球運動e11を頭部運動h11に関連付ける。そうでない場合には、眼球運動e12を頭部運動h11に関連付ける。このような手法によれば、開始時刻が頭部運動の開始時刻に最も近い眼球運動を、頭部運動と関連づけることができる。
なお、上述した各手法において、頭部運動h11と関連づけられなかった眼球運動は、単独で発生した眼球運動として扱われ、順序を判定する対象から除かれる。
<ステップS26> 視認行動量の算出
視認行動量算出部37は、関連付けされた頭部運動と眼球運動によって構成される視認行動の視認行動量を算出する。
<ステップS27> 視認行動量が所定の範囲内か?
視認行動量判定部38は、算出された視認行動量が所定の範囲内であるかを判定する。その結果、所定の範囲内にあると判定された場合には、ステップS28に進む。そうでない場合には、ステップS33に進む。
<ステップS28> タイミングの時間差の判定
タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングを比較し、それらの時間差を判定する。そして、得られた時間差情報を記憶部22に記憶させる。さらに、タイミング比較・推定部35は、記憶部22に蓄積された複数の時間差情報を読み出して、時間差の平均値taを求める。
本実施例では、時間差は、頭部先行型の場合には正の値をとり、眼球先行型の場合には負の値をとるものとする。この場合、時間差が大きくなるに従って、ライダーの注意レベルが低くなると推定される。
<ステップS29、S30> 時間差の平均値が閾値以上か?
出力選択部36は、所定の閾値Tth、Ttl(Tth>Ttl)と平均値taを比較する。そして、平均値taが閾値Ttl未満であれば、ステップS21に戻る。平均値taが閾値Ttl以上で閾値Tth未満であれば、ステップS32に進む。平均値taが閾値Tth以上であれば、ステップS31に進む。
<ステップS31> 制御パラメータの変更
出力選択部36は、制御パラメータを変更することを決定し、その命令をECU19に送る。ECU19は車体2の制御パラメータを変更する。そして、ステップS21に戻る。
<ステップS32> ライダーへの情報提示
出力選択部36は、ライダーに情報を提示することを決定し、その命令を表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27に送る。表示部23は所定の情報を表示し、抵抗力調整部24aは所定の抵抗力をアクセルグリップ6aに発生し、振動発生部24bは所定の振動を発生し、音声出力部27は所定の音声案内を出力する。そして、ステップS21に戻る。
<ステップS33> タイミングの破棄
視認行動量判定部38は、眼球運動および頭部運動の各タイミングを比較することなく、破棄する。そして、ステップS21に戻る。
このように、実施例3によれば、実施例1と同様に、簡易に検出できる生体情報に基づいてライダーの内的状態を簡易に推定することができる。
また、実施例3では、タイミング比較・推定部35は、眼球運動および頭部運動の各タイミングの時間差を算出する。時間差(時間差情報)は順序情報に比べてライダーの内的状態をより詳しく示す評価指標である。したがって、内的状態をより詳細に推定できる。
さらに、タイミング比較・推定部35は、複数の時間差情報に基づいて時間差の平均値taを求めるので、内的状態の推定精度の信頼性を高めることができる。
また、関連付部39を備えているので、短期間に3以上の頭部運動/眼球運動の発生がした場合であっても、互いに関連する頭部運動と眼球運動を適切に特定できる。
また、出力選択部36は、時間差の平均値taに応じて3通りの動作の間で切り替えるので、ライダーをきめ細かく支援することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、眼球運動をアイカメラ25によって計測していたが、これに限られない。他のセンサを適宜に選択してもよいし、それに応じて測定法を適宜に変更してもよい。たとえば、生体電極や布電極を用いて眼電位(Electro oculogram)を計測することによって、眼球運動を計測してもよい。
あるいは、眼球および頭部の両方をカメラで撮影し、得られた画像を処理することによって眼球運動および頭部運動を計測してもよい。この構成では、カメラが、本発明における眼球運動計測部および頭部運動計測部に相当する。
(2)上述した各実施例では、ジャイロセンサ26をヘルメット31に取り付けたが、これに限られない。ライダーの頭部に直接的に取り付けてもよい。
(3)上述した各実施例では、眼球運動の計測では、眼球運動の回転方向を特に説明しなかったが、適宜に選択することができる。すなわち、任意の1軸周りの回転を計測してもよいし、2軸または3軸周りの回転を計測してもよい。頭部運動の計測でも同様である。
(4)上述した各実施例では、サッカード眼球運動を、眼球の移動量と角速度で定義したが、これに限られない。サッカード眼球運動の定義については、適宜に変更してもよい。例えば、角速度、頭部運動の移動方向に対する眼球の移動方向等を用いてサッカード眼球運動を定義してもよい。また、内的状態推定装置20を適用する輸送機器の種類や輸送機器の操縦条件または運転条件に応じて、サッカード眼球運動の定義を選択変更してもよい。
(5)上述した各実施例では、眼球運動タイミング特定部33は、サッカード眼球運動を選別したが、これに限られない。選別する眼球運動の種類は適宜に変更することができる。
(6)上述した各実施例では、頭部運動タイミング特定部34は、頭部の角加速度の最大値が所定の角加速度Ah以上である頭部運動を選別したが、これに限られない。選別する頭部運動の種類は適宜に変更することができる。この際、頭部運動の角速度、移動量等を用いて特定の頭部運動を選別してもよい。
(7)上述した各実施例では、眼球運動のタイミングを開始時刻としたが、これに限られない。例えば、眼球運動のタイミングを眼球運動の終了時刻やピーク時刻としてもよい。ここで、ピーク時刻は眼球の角速度が最大となる時刻と規定してもよいし、眼球の角加速度が最大となる時刻と規定してもよい。また、眼球運動のタイミングは、時刻ではなく、期間であってもよい。例えば、眼球運動のタイミングを眼球運動の発生期間としてもよいし、眼球運動の開始時刻からピーク時刻までの立ち上がり期間としてもよい。同様に、頭部運動のタイミングについても適宜に変更することができる。
(8)上述した各実施例では、眼球運動の開始時刻を、角速度が所定の角速度Reを超えている期間の始期としたが、これに限られない。「眼球の開始時刻」の規定を適宜に変更してもよい。
同様に、上述した各実施例では、眼球の移動量を、眼球の角速度が所定の角速度Reを超えている期間における移動量と規定したが、これに限られない。眼球の移動量の規定を適宜に変更してもよい。
同様に、頭部運動の開始時刻や頭部運動の移動量についても、適宜に変更することができる。
(9)上述した実施例2では、頭部先行型の発生確率Phを求めたが、これに限られない。複数の順序情報に対して統計的な処理を行うことによって他の指標を算出してもよい。
(10)上述した実施例3では、時間差の平均値taを求めたが、これに限られない。複数の時間差情報に基づいて算出される他の指標によって内的状態を推定してもよい。あるいは、単一の時間差(時間差情報)によって内的状態を推定してもよい。
(11)上述した実施例3では、頭部運動と関連づけられなかった眼球運動は、順序を判定する対象から除いたが、これに限られない。単独で発生した眼球運動を、眼球先行型と判定するように変更してもよい。
(12)上述した実施例3では、関連付部39は、頭部運動を基準として頭部運動に関連する眼球運動を選択したが、これに限られない。すなわち、眼球運動を基準として眼球運動に関連する頭部運動を選択するように変更してもよい。
(13)上述した各実施例では、演算処理装置21はECU19と別個に設けられていたが、これに限られない。演算処理装置21はECU19である構成に変更してもよい。すなわち、演算処理装置21における各種の各処理を、ECU19が行うように変更してもよい。
(14)上述した各実施例では、情報出力部は、視覚情報、聴覚情報および触覚情報等の各種の感覚情報をライダーに提示するものであったが、これに限られない。一部の感覚情報のみを提示するように、情報出力部を変更してもよい。
(15)上述した各実施例では、内的状態推定装置20は、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27を備えていたが、これに限られない。例えば、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27の一部を省略してもよいし、全部を省略してもよい。
また、表示部23、抵抗力調整部24a、振動発生部24bおよび音声出力部27については、それぞれ以下のように変更してもよい。
表示部23を、例えば、ヘッドマウントディスプレイ等に変更してもよい。
音声出力部27を、例えば、骨伝導スピーカや骨伝導イヤホンに変更してもよい。
抵抗力調整部24aを、例えば、ライダーが操作する可動部に対する抵抗力(反力)を調整する抵抗力調整部に変更してもよい。鞍乗型車両1の可動部としては、手で操作するレバーや足で操作するペダル等が例示される。
振動発生部24bを、例えば、ライダーが触る接触部を振動させる振動発生部に変更してもよい。鞍乗型車両1の接触部としては、手で握るグリップ(アクセルグリップ6aを含む)や足を乗せるペダル等が例示される。
なお、上述した表示部23等に関する各変形例においては、表示部23等の配置を適宜に変更してもよい。
(16)上述した各実施例では、鞍乗型車両1は、単一の前輪8と単一の後輪17を備えていたが、これに限られない。例えば、2つの前輪または後輪を有する三輪の鞍乗型車両に変更してもよいし、2つの前輪と2つの後輪を有する四輪の鞍乗型車両に変更してもよい。また、鞍乗型車両以外の車両に変更してもよい。例えば、三輪自動車、四輪自動車に変更してもよい。また、車両に限られず、スノーモービル等に変更してもよい。さらに、これら陸上用の輸送機器に限られず、船舶、ボート等の海上用の輸送機器であってもよいし、ヘリコプターや飛行機などの航空機であってもよい。これらの輸送機器のいずれに対しても、各実施例で説明した内的状態推定装置20を好適に適用できる。
(17)上述した実施例および上記(1)から(16)で説明した各変形実施例については、さらに各構成を他の変形実施例の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
1 … 鞍乗型車両(輸送機器)
2 … 車体
19 … ECU
20 … 内的状態推定装置(人の状態推定装置)
21 … 演算処理装置
23 … 表示部(情報出力部)
24a … 抵抗力調整部(情報出力部)
24b … 振動発生部(情報出力部)
25 … アイカメラ(眼球運動計測部)
26 … ジャイロセンサ(頭部運動計測部)
27 … 音声出力部(情報出力部)
31 … ヘルメット
33 … 眼球運動タイミング特定部
34 … 頭部運動タイミング特定部
35 … タイミング比較・推定部
36 … 出力選択部
37 … 視認行動量算出部
39 … 関連付部
De … 所定の値
Re … 所定の角速度
Ah … 所定の角加速度

Claims (12)

  1. 眼球運動を計測する眼球運動計測部と、
    頭部運動を計測する頭部運動計測部と、
    前記眼球運動計測部の計測結果に基づいて眼球運動のタイミングを特定する眼球運動タイミング特定部と、
    前記頭部運動計測部の計測結果に基づいて頭部運動のタイミングを特定する頭部運動タイミング特定部と、
    前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングとを比較することによってこれらのタイミングの順序を判定し、この判定結果に基づいて人の内的状態を推定するタイミング比較・推定部と、
    を備える人の状態推定装置。
  2. 請求項1に記載の人の状態推定装置において、
    前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記頭部運動のタイミングが前記眼球運動のタイミングよりも先である確率、及び、前記眼球運動のタイミングが前記頭部運動のタイミングよりも先である確率の少なくともいずれかに基づいて、人の内的状態を推定する人の状態推定装置。
  3. 請求項1または2に記載の人の状態推定装置において、
    前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングの時間差に基づいて人の内的状態を推定する人の状態推定装置。
  4. 請求項3に記載の人の状態推定装置において、
    前記タイミング比較・推定部は、さらに、前記時間差の平均値に基づいて人の内的状態を推定する人の状態推定装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の人の状態推定装置において、
    前記眼球運動計測部および前記頭部運動計測部の各計測結果の少なくともいずれかに基づいて、1の眼球運動と1の頭部運動によって構成される視認行動における視認行動量を算出する視認行動量算出部をさらに備え、
    前記視認行動は、頭部運動の移動量、眼球運動の移動量、および、頭部運動および眼球運動の各移動量の和のいずれかであり、
    前記タイミング比較・推定部は、視認行動量が所定の範囲内である視認行動を構成する眼球運動および頭部運動のみに関して、タイミングを比較する人の状態推定装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の人の状態推定装置において、
    前記眼球運動のタイミングと前記頭部運動のタイミングとに基づいて、同じ視認行動を構成する眼球運動と頭部運動とを関連付ける関連付部をさらに備えている人の状態推定装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の人の状態推定装置において、
    前記眼球運動タイミング特定部は、サッカード眼球運動を選別し、選別された眼球運動のタイミングのみを特定する人の状態推定装置。
  8. 請求項7に記載の人の状態推定装置において、
    前記サッカード眼球運動を、眼球の移動量が所定の値以上であり、かつ、眼球の角速度が所定の角速度以上である眼球運動と規定する人の状態推定装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の人の状態推定装置において、
    前記頭部運動タイミング特定部は、最大角加速度が所定の角加速度以上である頭部運動を選別し、選別された頭部運動のタイミングのみを特定する人の状態推定装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の人の状態推定装置において、
    情報を出力する情報出力部をさらに備え、
    前記タイミング比較・推定部は推定された人の内的状態に応じて前記情報出力部に情報を出力させる人の状態推定装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の人の状態推定装置を備える輸送機器。
  12. 請求項11の輸送機器において、
    前記人の状態推定装置は、推定された人の内的状態に応じて輸送機器の制御パラメータを変更させる輸送機器。
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