本発明は、これから、図面を参照して詳細に説明され、図面は、当業者が本発明を実践することを可能にするための本発明の例示的な例として提供される。特筆すべきことに、図面および下の例は、本発明の範囲を単一の実施形態に限定することを意図されたものではなく、説明される要素または図示の要素の一部またはすべての交換によって他の実施形態が可能である。さらに、本発明のある種の要素は、既知の構成要素を使用して部分的にまたは完全に実施され得、そのような既知の構成要素の、本発明の理解に必要な部分だけが、説明され、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本発明を不明瞭にしないようにするために省略される。ソフトウェアで実施されるものとして説明される実施形態は、これに制限されてはならず、そうではないと本明細書で指定されない限り、ハードウェアで実施される実施形態、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せを含み、かつ、その逆を含むことができる。本明細書では、単一の構成要素を示す実施形態は、限定的と考えられてはならず、むしろ、本発明は、そうではないと本明細書で指定されない限り、複数の同一の構成要素を含む他の実施形態を包含し、かつ、その逆を包含することが意図されている。さらに、本出願人は、本明細書または特許請求の範囲の任意の用語が、そのようなものとして明示的に示されない限り、まれな意味または特殊な意味に帰せられることを意図していない。さらに、本発明は、例として本明細書で言及される既知の構成要素に対する現在と将来との既知の同等物を包含する。
ある種の全般的な態様によれば、本発明は、CPE環境内の雑音源のリストならびに雑音源の対応するシグネチャと通信チャネルに対するその影響とを維持する、CPEに組み込まれた雑音分析エンジンを提供する。諸実施形態では、シグネチャは、DSL回線に影響する雑音の雑音空間全体を表すことを試みて3つの次元に従う雑音の分類を含む。3つの多少直交する次元によって決定される空間内ですべての雑音を表すことによって、定義されたさまざまなカテゴリのうちの1つに含まれると考えられる実質的にすべての雑音タイプの分類が可能になると期待される。
本発明は、本明細書で従来の電話回線を介するDSL通信への特に有用な応用に関連して説明されるが、本発明は、この応用に限定されない。そうではなく、本発明の原理は、たとえば、Multi−Media over COAX(別名、MoCA)、HPNA(HPNA 3.1 over COAXならびに家庭内より対線を介するHPNA 3.1を含む)、IEEE P1901(家庭内電力線を介するPLC)、Home Plug(HPAVとHPAV2と「green PLC」とを含む)、およびITU−T G.hn(より対線と、電力線と、ベースバンド同軸ケーブルと、RF同軸ケーブルとを含む)を含む、同軸ケーブルシステムなどのさまざまなタイプの有線伝送システムに拡張され得る。
さらに、本発明は、本明細書で、特に有用な応用例で、CPEに組み込まれ、ダウンストリーム信号を分析するものとして説明されるが、本発明は、COで実施され、アップストリーム信号を分析することもできる。
本発明の諸実施形態で選択される3つの次元は、DSLで使用されるDMT変調方式にとって非常に自然であり、このDMT変調方式は、マルチキャリアシステム(したがって、周波数間隔のある粒度を有する)およびあるボーレート(したがって、時間単位のある粒度)として動作する。3つの次元は、周波数と時間と永続性とである。
周波数次元:狭帯域対広帯域の性質。DSLは、マルチキャリアシステムなので、干渉する雑音タイプをその帯域幅に依存して分類することが、非常に自然である。諸実施形態では、4.3215kHz帯域幅の減らされた個数の隣接トーンに影響する雑音は、狭帯域として特性を表され、4.3215kHz帯域幅の多くの個数の隣接トーンに影響する雑音は、広帯域として特性を表される。
時間次元:連続対インパルス性の性質。連続雑音源対インパルス性雑音源は、250マイクロ秒の時間の単位のDMTシンボルのスケールに関して定義される。雑音は、1秒ウィンドウにわたって連続と考えられ、この1秒ウィンドウは、統計的平均がDMTシステムで信頼できる形で実行され得る時間期間に対応する。言い替えると、連続雑音は、定常的な形で約1秒の連続ウィンドウのすべてまたはほぼすべてのシンボルに影響し、定常統計平均に有意に反映されるものとして定義される(たとえば、SNR測定値は、現在、2048個の連続するDMTシンボルまたは1/2秒にわたって実行され、この期間にわたって、SNR平均値の出力は、定常プロセスを表すと期待される)。インパルス性雑音は、単一のインスタンス(すなわち、パルス)が、1秒ウィンドウにわたって、分離されたDMTシンボルまたは制限された一連の連続するもしくは不連続のDMTシンボルに影響すると期待されるので、非定常雑音源である。したがって、分離されたインパルス事象またはインパルスのトレインは、それが1秒ウィンドウにわたって制限された個数のDMTシンボルに影響するのみである場合に、非定常であり、連続しないと考えられる。
永続性次元:永久的雑音、間欠的雑音、または徐々に変化する雑音。永久的雑音タイプは、選択された観察の長いウィンドウ、たとえば15分期間にわたって存在し、ほぼ一定であるものとして定義される。間欠的雑音は、オン/オフ特性を有し、時間のあるウィンドウにわたって存在し、このウィンドウは、2秒から15分まで存続し得る。徐々に変化する雑音は、特性が観察の15分ウィンドウにわたって時間に伴って徐々に変化する雑音タイプである。
諸実施形態では、2つのメインプリミティブ(たとえば、ショータイム回線雑音(showtime Line Noise)プリミティブおよびインパルス雑音ヒットカウント(Impulse Noise hit count))が、さまざまな雑音タイプをその時間と周波数との性質に従って上で定義されたカテゴリに分類するのに使用される。この2つのプリミティブの経時的な絶え間ない監視は、雑音タイプの永続性を見分けるのを助ける。
上にリストされた3つの次元のさまざまな組合せに従って雑音源(すなわち、干渉源(interferer))の特性を表すことまたは分類することの全般的態様が、これから、DSLシステム内の特定の応用に関連してより詳細に説明される。
周波数次元:狭帯域干渉源対広帯域干渉源
DSLは、マルチキャリアシステムなので、4.3125kHzの公称搬送波間間隔に関して、その帯域幅に依存する干渉する雑音タイプを分類することが、非常に自然である。諸実施形態では、広帯域妨害源(disturber)と狭帯域妨害源との間で弁別するために選択される選り抜きのプリミティブが、ショータイム回線雑音プリミティブである。
狭帯域干渉源
狭帯域干渉源は、最大64個の連続するトーンに制限されるものとして定義される(すなわち、帯域幅は256kHz未満)。256kHz広帯域内には、単一の狭帯域(NB)ピークまたはピークのパケットがある可能性がある。諸実施形態では、NBIの帯域幅は、背景雑音の3dB(TBC)上の開始終了周波数と計算される。
連続対インパルス性
狭帯域干渉源は、ショータイム回線雑音プリミティブに対する影響を有するので、反復パルス性雑音注入(準連続)が、狭帯域妨害源対広帯域妨害源の判定に使用されるLN雑音プリミティブの劣化の形でシグネチャを残す可能性もある場合であっても、性質において連続(インパルス性ではなく)と考えられる。
永久的、間欠的、対徐々に変化
狭帯域干渉源は、永続性次元で3つのカテゴリのうちの1つの中で見出され得る。
永久的:AM無線(連続/永久的)伝送は、時間の期間にわたって安定した電力を有すると期待され、任意の特定の地理的区域内の所与の周波数のリストに関連付けられる。
間欠的:ハム無線伝送は、オン/オフパターンを有すると期待され、任意の特定の地理的区域内の所与の周波数領域のリストに関連付けられる。
徐々に変化:パルス性雑音として発し、指定されない周波数特性が、ループへの雑音の結合の変動に基づいて変化し得る電力特性を有する狭帯域妨害源として現れる可能性がある、準連続コモンモード雑音。
広帯域干渉源
狭帯域干渉源とは異なって、広帯域干渉源は、2つの条件すなわち、干渉源の帯域幅が256kHzを超え、そのpsdが期待される背景雑音よりあるしきい値(たとえば、6dB)だけ高い場合、または、帯域幅が256kHzを超え、そのpsdがたとえば−140dBm/Hzより12dB高い場合(背景雑音基準が使用可能ではない場合)、のうちの1つがあてはまる場合に宣言される。
諸実施形態では、広帯域干渉源は、背景雑音または基準雑音より開始終了周波数3dB(TBC)だけ高いものとして計算された帯域幅によって特性を表される。一例として、期待される広帯域干渉源カテゴリは、異質DSLサービス(非自己FEXT)と、広帯域CM雑音(たとえば、HP−AV)と、同期化された自己FEXTとである。
永久的、間欠的、対徐々に変化、
広帯域干渉源は、永続性次元の3つのカテゴリのいずれかに含まれる可能性があり、上でリストされた広帯域干渉源の3つのカテゴリに関する次の期待がある。異質DSLサービス(非自己FEXT)および同期化された自己FEXTは、干渉が常時オンサービスでないかどうかに依存して、「永久的」または「間欠的」のカテゴリに含まれる。広帯域CM雑音は、「間欠的」カテゴリと「徐々に変化」カテゴリとに含まれる可能性がある。
時間次元:連続干渉源対インパルス性干渉源
連続干渉源
連続的雑音源は、1秒ウィンドウ以上のスケールで連続と定義され、これは、DMTシステム内の定常雑音源を仮定して、統計的平均が有意である時間期間に対応する。言い替えると、連続雑音源は、定常的な形で約1秒の連続ウィンドウのすべてまたはほぼすべてのシンボルに影響するものとして定義される。たとえば、SNR測定は、現在、2048個の連続するDMTシンボルまたは1/2秒にわたって実行される。出力は、1秒測定持続時間にわたる定常プロセスを表すと期待される。連続雑音源を監視するために、好まれるプリミティブは、それから雑音psdを導出できる、回線雑音プリミティブなどの1秒期間にわたるビンあたりの平均である。
インパルス性干渉源
インパルス性雑音は、単一のインスタンス(パルス)にわたって考慮される時に、非定常雑音源である。インパルス性雑音源は、一般に、分離されたDMTシンボルまたは制限された一連の連続するもしくは不連続なDMTシンボルに影響する。したがって、分離されたインパルス事象は、非定常と考えられる。インパルスの集合として考慮される時に、インパルス雑音源は、定常と考えられ得る。そこから、いくつかの統計的特性(psdなど)を導出することができる。
インパルス性および連続のカテゴリ
インパルス性雑音源を監視するために、好まれるプリミティブは、分離されたインパルス雑音ヒットが非定常に見えるので、1秒ウィンドウにわたって平均をとられた回線雑音プリミティブが、有意な出力を作ると期待されないので、インパルス雑音ディテクタによってトリガされるシンボルあたりのヒットカウントである。しかし、インパルスの集合にわたって考慮される時に、すべてがインパルスによって影響されるシンボルに対して導出されたn個の生の同期シンボルエラーにわたるビンあたりの平均は、たとえば、定常雑音のpsdに対する等価雑音psdをもたらすことができる。
時間軸に沿って、インパルス性雑音対連続雑音の分類は、下の表1に示されているようにそのバースト持続時間に従って実行され得る。
諸実施形態では、長い持続時間(たとえば、4msを超え1秒未満)のインパルスと制限された持続時間(たとえば、1秒を超える)の連続雑音との間で区別するための境界は、回線参照雑音(Line Referred Noise)プリミティブが信頼できる出力を提供する持続時間に対応するように選択される。SNRが、2048個のシンボル(128個のシンボルの16個のセットの平均値)にわたって計算されるので、信頼でき有意なLN出力を提供する雑音バーストの最小持続時間は、ワーストケースで1秒である。その結果、諸実施形態では、LN出力を与える1秒の連続持続時間のすべての雑音バーストが、連続と考えられ、LN出力を与えない1秒未満のバーストは、性質においてインパルス性と考えられる。
永続性次元:永久的、間欠的、または徐々に変化する干渉源
永久的干渉源
永久的雑音源は、長い時間期間にわたって存在し、ほぼ一定であると定義される。長い時間期間に関連する時間スケールは、G.Ploamパラメータが現在報告されつつある15分期間になるように選択された。この期間にわたって、変動は、その統計に関してほとんどないと期待される(たとえば、3dB未満の電力変動)。諸実施形態では、15分ウィンドウにわたってオンまたはオフのままになる間欠的雑音は、15分ウィンドウにわたって永久的と考えられ、永久的カテゴリに遷移する。
間欠的干渉源
間欠的雑音は、1秒以上程度の測定可能な時間期間の間にオンまたはオフのままになる連続的またはインパルス性の性質の雑音タイプである。これらの雑音タイプについて、3つの持続時間すなわち、(1)個々の雑音バーストの持続時間(主に、雑音が性質においてインパルス性である場合に適用可能)と、(2)反復の周期(雑音が反復インパルス雑音タイプである場合に限って適用可能)と、(3)オン/オフ周期(インパルス性雑音と連続雑音との両方に適用可能)とが重要である。
間欠的干渉源の雑音バーストの持続時間
表1に示されているように、雑音の個々のバーストの持続時間は、次のように任意に分類され得る。1秒未満の短い持続時間のバーストについて、本発明の諸実施形態は、DSL応用のINP評価に関して提案されたインパルス雑音源の伝統的分類すなわち、SEIN、PEIN、SHINEに従う。1秒を超えるバースト持続時間では、提案される雑音分類は、雑音バーストが継続的に現れるので、定常雑音ディテクタの特性に基づく(すなわち、SNRまたはLNプリミティブ)。「短または長」と表されたものなどの制限された持続時間の連続雑音バーストは、間欠的と考えられるが、性質においてそれでも連続的である。
間欠的干渉源の雑音バーストの反復:周期的対非周期的
すべての雑音バーストタイプは、あるタイムベースにわたって再帰している可能性がある。2タイプの反復すなわち、「非周期的」反復または「周期的」反復が区別され得る。
周期的雑音の例が、REIN雑音である。REIN雑音は、通常、延ばされた時間期間(永久的)または制限された持続時間(間欠的)にわたる永久的な形での単一のインパルス雑音(SEIN)の反復である。通常、反復レートは、たとえば100Hz(10ms周期)である。
PEINおよびSHINEの個々の事象も、同一のまたはより低い反復レートを有する反復である可能性がある。任意に、本発明の諸実施形態は、周期的雑音が必ず1Hzの最低周波数レートを有すると考える。任意のより低い反復レート(周期的である場合であっても)は、雑音分類を非周期的と考えさせる。
ある時間枠にわたる周期的雑音の発生は、周期的雑音の間欠的外見を構成する。そのような雑音について検出されるべき重要なパターンは、周期的雑音のオン/オフパターンである。したがって、反復インパルス雑音も、それが性質において連続的でない場合であっても、間欠的と形容され、「短または長」と表される。
非周期的雑音は、短いまたは長い持続時間(SEINから長まで)の、それ自体を周期的には繰り返さない雑音事象であり、あるいは、周期的反復レートが存在する場合に、複数の連続する雑音事象の周期は、1秒を超えて離れ、雑音事象が、独立と考えられ得るようになっている。時間において分離されたインパルスは、非周期的事象のカテゴリに含まれる。
諸実施形態では、これらの非周期的雑音事象について、その非周期性で重要なオン−オフパターンは、単純に、ある期間にわたる所与のタイプのヒットの個数である(デフォルト期間は、15分または提案される、より短い1分期間とすることができる)。
間欠的干渉源のオン/オフ周期
間欠的雑音のオン/オフ周期は、定義により、15分よりはるかに短くなると期待される。諸実施形態では、15分ウィンドウにわたって続く間欠的雑音は、15分ウィンドウにわたって永久的と考えられ、永久的カテゴリに遷移する。
反復周期的インパルス性雑音源または非周期的連続インパルス性雑音源について、オン/オフ周期は、個々の雑音バーストがそれにわたって連続的に収集される測定される周期である。収集された雑音バーストの持続時間に依存して、オン/オフ周期の2つの定義が考案される。
第1に、通常は12秒以下程度(どの場合でも1分未満)の雑音バーストについて、最短オン/オフ周期は、雑音バーストが1分持続時間に部分的に影響するのみである場合であっても、固定された1分期間に対して定義される。この1分ウィンドウ中の雑音バーストのヒットの個数が、その通常の持続時間と一緒にカウントされる。諸実施形態では、ヒットなしの1分カウンタは、オフウィンドウと考えられる。1の最小ヒットを有する1分カウンタは、オンウィンドウと考えられる。
第2に、超長連続非周期的雑音源(>1分)について、オン−オフ周期は、バースト持続時間自体と一致することができる。すなわち、超長連続非周期的雑音バーストのヒットの個数は、バーストの通常の持続時間と一緒に、対応する15分カウンタ内で報告される。
徐々に変化する干渉源
徐々に変化する雑音は、DSL回線に徐々に影響する雑音源である。雑音の徐々の変化は、期待されるしきい値交差に対して測定される。徐々に変化する雑音タイプについて、2つの時間インジケータすなわち、(1)徐々の変化のレートと、(2)開始−終了(オン/オフ)周期とが重要である。
徐々の変化のレート
諸実施形態では、徐々に変化する雑音の徐々の変化のレートは、低速増加(しきい値交差あたり>30秒)/中速増加(しきい値交差あたり3〜30秒)/高速増加(しきい値あたり<3秒の増加)に対応する3つのレートのうちの1つとして定量化される。より高速の増加は、オン/オフ間欠的雑音のカテゴリに含まれる。より低速の増加は、永久的雑音のカテゴリに含まれ、これについて、雑音の特性は、15分ウィンドウにわたって準一定に見える。図1aから図1cは、間欠的雑音源と永久的雑音源との間の例の境界と一緒に下の表に要約されてもいる、3タイプの徐々に変化する雑音を示す。
開始−終了(オン/オフ)周期
徐々に変化する雑音のオン/オフ持続時間は、15分ウィンドウよりはるかに短くなると期待される。諸実施形態では、15分ウィンドウにわたって続く徐々に変化する雑音は、15分ウィンドウにわたって永久的と考えられ、永久的雑音カテゴリに遷移する。3秒より高速であるレートで徐々に変化する徐々に変化する雑音は、間欠的オン/オフと考えられる。
徐々に変化する雑音源が、短い時間期間にわたって、より頻繁でないまたはより反復的でない可能性があることを考慮すると、間欠的雑音源に予約された2つの定義ではなく、オン/オフ周期の単一の定義が考案され、この場合に、オン/オフ周期は、徐々に変化する雑音自体の持続時間と一致する。複数回発生する場合に、徐々に変化する雑音源のヒットの個数は、雑音の徐々の変化の周期の通常の持続時間と一緒に、対応する15分カウンタで報告される。1分カウンタが、1分連続ウィンドウにわたる再帰する徐々に変化する雑音の最終的なヒットを記録する。
永続性クラス変化
永久的雑音タイプは、15分期間にわたって一定になると定義される。変動は、その統計に関してほとんど期待されない(たとえば、3dB未満の電力変動)。永久的雑音源が連続15分ウィンドウ内でのその存在に関してどのように分類され得るのかの例の実施形態が、図2に示されている。
図2に示されているように、2つの連続する15分ウィンドウ内に存在する雑音202は、明らかに、第2のウィンドウの後に永久的として分類される。図2は、さらに、あるウィンドウ内の間欠的雑音源が、永久的雑音源にどのように遷移し得るのかを示す。図2の間欠的雑音源204、206、および208は、第1の15分ウィンドウの後に間欠的として分類される。しかし、雑音源208は、第2の15分ウィンドウにわたって永久的と考えられ、第2の15分ウィンドウの後に永久的カテゴリに遷移する。
追跡されるさまざまな雑音ならびに帯域幅と時間と永続性との3つの次元によるその分類を詳細に説明したので、本発明の全般的な実施形態による雑音監視アプリケーションで雑音を検出し、分類し、特性を表すための雑音分析エンジンが、これから、図3に関連して説明される。そのようなエンジンは、たとえばDSLモデムに組み込まれ得、当業者は、これらの説明によって教示された後に、本発明の雑音分析機能性を実行するためにそのようなモデムのファームウェア/ソフトウェアをどのように適合させるべきかを理解することができる。
図3に示されているように、本発明の諸実施形態による包括的な雑音監視アプリケーションは、最低レベルのスレッド0から最高レベルのスレッド5までの6つの論理スレッドを含む。その目標および目的は、下で説明される。流れ図で使用される用語L0、L1、L2は、次のように定義される。L0は、SNRヒストグラム、INMヒストグラムなど、ファームウェアによって取り出される低水準DSLプリミティブを指す。L1は、たとえばL0データの単一の観察にわたる雑音の構成を提供する、L0プリミティブの分析の結果を指す。L2は、L0データの複数の観察にわたって観察される徐々の変化の雑音に関する情報を提供する、L0プリミティブと関連するL1データとのセットの分析の結果を指す。
スレッド0は、反復スレッドであり、その唯一の目標は、分析がそれに対して実行されるべき生のL0データをCPE(たとえば、DSLモデム)から取り出すことである。検出がそれに対して実行されるデータの取出のこのスレッドの例の特性は、次の通りである。データ収集は、要件で指定された最小の時間粒度、たとえば、1秒レートまたは同期シンボルレート(毎秒16個)で実行される。このスレッドは、スレッド1の検出プロセスがそれに対して最小の時間粒度で実行される(たとえば、SNRヒストグラム、INMヒストグラム)主L0データを収集する。このスレッドは、スレッド3データ収集プロセスがスレッド4推定のために実行される副L0データをも収集する。
スレッド0は、毎秒1回のレートで、またはスレッド1に系統的に渡され、もしくはスレッド3データ収集スレッドにオンデマンドで渡される状況についてより高速で、要求された状況をポーリングする状態機械として実施され得る。ポーリングレートは、1つおきの同期シンボル、またはたとえば部分的SNR計算について128シンボルおきとすることができる。L0データの任意の系統的後処理は、スレッド0プロセスの一部と考えられる。
スレッド1は、スレッド0によって毎秒に収集されたデータに対して系統的に実行される検出および分類スレッドからなる。諸実施形態では、スレッド1は、通常、1秒レートで走行する。スレッド1の目的は、さまざまな事前定義の雑音クラス(NB対WBとインパルス性対連続と)の存在を検出することである。それぞれが1つの雑音クラスに固有のさまざまなディテクタが、使用され得、その出力は、雑音をクラスに分類するために組み合わされ得る。
スレッド1は、それぞれがさまざまな事前に識別された雑音クラスに合わせて調整され、分析される現在の1秒L0データ内の各雑音クラスの存在または不在に対応する肯定結果または否定結果を提供する、独立型のアルゴリズム的プロセスのセットとして実施され得る。さらに、各出力に関連する信頼性メトリックが、導出され得る。
諸実施形態では、スレッド1で検出される独立の雑音の個数が、後続スレッドで行われる並列処理の個数を決定する。スレッド2は、スレッド1によって毎秒分析されるデータに対して系統的に実行される検出および分類スレッドからなる。スレッド2の目的は、スレッド1によって検出された雑音クラスのさまざまなタイプが、M3つのタイプすなわち、永久的、徐々に変化する、または間欠的のうちの1つであるかどうかを推定することである。諸実施形態では、この判定は、スレッド1で識別された雑音源のそれぞれについて行われる。
L2検出タイプスレッドであるスレッド2は、スレッド1で検出された雑音の永続性を判定するために、別の時点に収集された基準データセットに対する論理比較を利用する。それに対して現在のデータセットが比較される基準データは、タイプに基づいて異なるものとすることができる。たとえば、永久的雑音タイプは、以前の1秒データと以前の15分データレコードとを基準として使用する。徐々に変化する雑音タイプは、以前の1秒のデータと、最後のしきい値データと、次のしきい値データとを使用する。間欠的雑音タイプは、以前の1秒データを使用する。
スレッド2は、それぞれが識別された3つのクラスタイプに合わせて調整され、スレッド1で検出された雑音の各クラスの徐々の変化または否に対応する相互に排他的な出力を提供しなければならない独立型のアルゴリズム的プロセスと論理プロセスとのセットとして実施され得る。さらに、3つの分類された徐々の変化タイプのそれぞれに関連する信頼メトリックが、導出され得る。
諸実施形態では、スレッド2が、雑音の出現を追跡する責任を負うので、スレッド2は、その消滅をも追跡する。スレッド2は、適当なトリガすなわち、「開始」トリガと、「終了」トリガと、「連続」トリガとをスレッド3に提供する。
スレッド3は、下位スレッド1と2とで検出された雑音の各タイプ(永久的、間欠的、徐々に変化)とクラス(NB対WBと連続対インパルス性と)とに特殊化されたL0データ収集スレッドからなる。このデータ収集は、時間の決定されたウィンドウにわたって、スレッド0によって実行されたL0データ収集を補完する。諸実施形態では、スレッド3データ収集のトリガは、スレッド2で決定されたトリガする事象「開始」、「終了」、「連続」によって非同期に開始される。スレッド3L0データ収集のレートは、このデータがそれに関して収集されるスレッド4プロセスの目的に基づいて、可変である。
スレッド3の目的は、下で説明されるように、スレッド4による雑音の影響の後続のシグネチャ検出を可能にする追加データを収集することと、3つのタイプのそれぞれについて、雑音自体の特性を表すこととである。
間欠的雑音タイプについて、データ収集は、時間の事前定義の連続ウィンドウにわたって、受信器での動作に対する間欠的雑音の出現の影響を判定する(スレッド4によって)のを助ける追加データセットを備える。このウィンドウは、時間において制限され(たとえば、10秒)、または雑音の存在にわたって拡張され得、データ収集は、連続的(たとえば、毎秒、または分析ウィンドウの開始時および終了時に)とすることができる。
徐々に変化する雑音タイプについて、データ収集は、雑音特性が所定のしきい値の固定されたセットからの所与のしきい値をまたぐたびに収集される追加データセットを備える。このウィンドウは、おそらくは、雑音がその徐々の変化で交差することができるしきい値の個数によって、サイズにおいて制限される。データ収集のレートは、雑音の徐々の変化の速度によって決定される。
永久的雑音タイプについて、追加のデータ収集が、スレッド4で15分持続時間にわたって永久的雑音を形容するために収集され得る。データ収集のレートは、低速になると期待される。
スレッド3は、間欠的雑音タイプについて毎秒1回の非同期レートで、または永久的雑音タイプおよび徐々に変化する雑音タイプについてより低い頻度でもしくはオンデマンドで、追加の要求された状況をポーリングする状態機械として実施され得る。諸実施形態では、スレッド3は、タイプ「開始」と「終了」と「連続」とのスレッド2検出トリガによってトリガされる。スレッド3は、徐々に変化する雑音タイプまたは間欠的雑音タイプのトリガ開始事象とトリガ終了事象との間の時間を計算し、記録する。
事前要件(pre-requirement)として、雑音タイプ(永久的、間欠的、徐々に変化)ごとに、およびスレッド1で検出された雑音クラスごとに、さまざまな雑音の影響の特性を表す関連パラメータの網羅的リストが、好ましくは、ログインされるべき候補レコードとして、およびスレッド1で検出された雑音クラスのシグネチャをさらに洗練するのを助けることができる任意の望ましいL0データ情報として、リストされる。そのような関連パラメータの例は、検出される雑音の存在中に発生するカウンタ(深刻エラー秒(Severe Error Seconds)、エラー秒(Error Seconds)、CRC、FECなど)、またはその存在中に回線安定性の劣化について立証するSNRマージン状況である。スレッド4の重要なタスクは、各雑音の存在の持続時間にわたって各雑音に個別に帰せられるCV、FEC、ES、SES、FEC_Sの量を報告する、各雑音に関連する個々のカウンタに投入することである。
スレッド4は、データセットが完成した後に、スレッド3によって収集されたデータに対して実行される推定スレッドからなる。スレッド4は、オフラインスレッドとして実施され得、あるいは、部分的データが使用可能にされる時にインラインで開始することができる。スレッド4の目的は、雑音クラスごとに検出されるさまざまな雑音タイプのシグネチャを推定することである。
間欠的雑音について、シグネチャ推定は、雑音がオンにされた後に、増補されたL0データセットから雑音の影響の特性を導出することに存する。提案される分析のタイプは、その間にオン雑音が定常であると期待される制限された時間ウィンドウに対するL1分析に類似する。これは、雑音の出現がモデム挙動に刻印する安定性と容量との削減のシグネチャの導出につながる。
徐々に変化する雑音について、シグネチャ推定は、増補されたL0データセットと対応するタイムスタンプとから、雑音が徐々の変化として宣言されるための最小しきい値と交差した後に雑音の影響と雑音の徐々の変化のレートとの特性を導出することに存する。提案される分析のタイプは、固定されたウィンドウに対するL2分析に類似する。これは、雑音の徐々の変化のレートの粗い分類すなわち高速と低速と中速と一緒の、雑音の出現がモデム挙動に刻印する安定性と容量との削減のシグネチャの導出につながる。
永久的雑音について、スレッド3で収集されたデータに対する追加処理が、15分ウィンドウにわたって永久的雑音を形容するために実行され得る。
すべての雑音タイプ(永久的と、徐々に変化と、間欠的と)について、増補されたL0データは、スレッド1で検出された、質を高められた雑音シグネチャの導出を可能にする。たとえば、スレッド4は、1つのタイプに関係する雑音の特性を区別するために異なるタイプにまたがるさまざまな雑音の情報を、またはすべての雑音のシグネチャを別々によりよく導出するために他の雑音クラスの存在の影響を減算することをも使用する。検出された雑音の主シグネチャの例は、分類の3つの次元に沿った情報を含む。周波数次元について、シグネチャ情報は、帯域幅と、中心周波数と、平均/ピークpsdレベルとを含む。永続性次元について、シグネチャ情報は、持続時間/ヒットを含む。時間領域について、シグネチャ情報は、バースト長(連続/shine/短/長/REIN)を含む。
副シグネチャ情報の例は、マージン低下の影響(たとえば、帯域あたり、帯域内、合計)、カウンタ(たとえば、SES、ES、CRC、FEC−S)、および容量の影響などの安定性と容量との影響推定値を含む。補足シグネチャデータの例は、最小PSD配列、最大PSD配列、平均PSD配列、適用可能な時の時間領域特性、および統計的なより高次のモーメント配列(たとえば、平均、分散、ひずみ度、尖度)などの配列シグネチャを含む。
質を高められた雑音シグネチャデータの例は、REIN雑音について、インパルスに関連するPSDを報告する能力、インパルス雑音の統計に関する情報(ガウシアンまたは決定論的)、または分離されたインパルスが混ぜ入れることのできるカテゴリを含む。DSLシステムのボーレート(4kHz)よりはるかに高いレートでの反復インパルストレインから生じる広帯域雑音源について、質を高められた雑音シグネチャは、パルストレインの基礎になる周波数と、パルスがガウシアン波形または決定論的波形のどちらであるのかとを含むことができる。
スレッド4は、それぞれが識別された3つの雑音クラスとおそらくはサブクラスとに合わせて調整され、その出力が各雑音の雑音シグネチャと影響とのレコードを提供する、独立型のアルゴリズム的プロセスと論理プロセスとのセットとして実施され得る。諸実施形態では、生成される各雑音シグネチャレコードは、各雑音の再帰する発生を追跡し、これに関して報告するために、格納され、スレッド5で使用される。
スレッド5は、スレッド4によって収集されたデータに対して実行されるデータ出力生成およびフォーマッティングスレッドからなる。諸実施形態では、スレッド5の目的は、雑音クラスごとに検出された雑音タイプごとに1分と15分とのカウンタレポートに投入するための関連データを導出することである。
カウンタ情報生成の他に、スレッド5は、スレッド4シグネチャを分類し、シグネチャが事前に格納されたシグネチャレコードと一致するか否かを判定することができる。既存レコードに対するシグネチャ一致が見つかる場合には、対応するカウンタが増分される。諸実施形態では、スレッド5は、シグネチャ照合プロセスに使用される24時間レコードデータベースをも管理する。各24時間シグネチャレコードは、オプションで、さらなる処理のために24時間おきにクラウドに転送され得る。24時間おきに、シグネチャレコードは、リセットされ得、新しいシグネチャレコードが、次の24時間ウィンドウ内の雑音の出現時に生成され得る。スレッド5は、独立の雑音レコードの大きさに対する影響を有する合成雑音源を報告するために、データベース内の個々の雑音要素を連結することができる。
スレッド5は、雑音が挙動において変化する場合に、15分境界にわたる雑音タイプ(永久的、間欠的、徐々に変化)の遷移をも管理する。スレッド5は、15分ウィンドウ内でシステムレポートを作り、このシステムレポートは、高/中/低深刻度と、雑音の重要なクラスすなわちNB、WB、インパルス性雑音ごとの期待される自然な背景雑音環境からの逸脱として雑音環境を分類する。スレッド5は、15分レポートまたは24時間レポートと一緒に提供される雑音psdレベルなどの非カウンタ出力情報をもフォーマットする。スレッド5は、雑音源の出現と消滅との検出に基づいて非同期に走行する論理プロセスのセットとして実施され得る。しかし、スレッド5は、対応するカウンタに投入するために毎分または毎15分に1回の最小値でも走行すると期待される。
出力データレコード
ある種の対応によれば、本発明の諸実施形態による雑音分析エンジンの目的の1つは、DSL接続に影響する集計雑音のさまざまな成分を識別し、それらをさまざまなタイプのカテゴリに分類し(狭帯域対広帯域、連続対インパルス性)、各タイプの独立の源の個数を判定することである。このエンジンは、複数のCPEに影響する雑音がそれにまたがって相関され得る、または特定の雑音源に関連付けられ得る雑音ごとのシグネチャ詳細をも提供する。この雑音分析エンジンのもう1つの目的は、時間にわたって各独立の雑音源の変動を追跡し、特定の定義されたタイムスタンプに関してDSL回線安定性に対するそれらの経時的な影響を記録することである。
したがって、2タイプの出力データレコードすなわち、雑音構成自体に関する1タイプと、経時的な各雑音の存在および影響に関するもう1つのタイプとが、作成され得る。出力レコードの両方のタイプは、複数のCPEに影響する源の雑音相関または、実際の雑音源とそのような雑音シグネチャの出現を引き起こしつつある特定の機器との特性をさらに表すこととを実行するのに最終的に利用され得る。
雑音構成レコード
DSL受信器に影響する集計雑音の説明が、これに続く。この分類の目的は、G.996.2でAnnex B.B1.1.3(SELT−UERプリミティブ分析に続くループトポロジの記述に関係する)で提案された目的に類似する。ループトポロジについて、ループ構造の記述が、各ループセグメントの物理長の識別と共に、提案される。ループトポロジは、所与の規約のセットを使用して、ループセグメントのリストとして報告される。同様に、提案される雑音構成分析出力は、それぞれ狭帯域対広帯域とインパルス性対連続と、として識別される雑音成分のリストからなる。
このリストの各雑音成分は、さらに、永続性のインジケータ(たとえば、永久的、間欠的、徐々に変化)と、周波数内容のインジケータ(たとえば、中心周波数、帯域幅(開始周波数と終了周波数と))と、電力レベルのインジケータ(たとえば、電力レベルまたはpsdレベル(ピークまたは公称))と、雑音が性質においてインパルス性である場合にインパルスの特性の表現(たとえば、観察の期間にわたるインパルスの個数と一緒に、インパルスのタイプすなわち、周期的/非周期的、REINの場合にインパルスの周波数および持続時間、非周期的(SEIN、PEIN、SHINE、SHORT、…)の場合にインパルスの長さ)とに関するある規約に従うサブパラメータを用いて記述される。
オプションで、このリストの各雑音成分は、さらに、雑音がその存在に起因してDSL回線に課す性能低下のメトリックに関係するサブパラメータを用いて特性を表され得る。これらのパラメータは、雑音が連続的である場合に容量に対する影響(たとえば、MBps単位)または雑音がインパルス性である場合に要求されるINPに関する等価レート損失と関連するスループットレート損失と、雑音が連続的である場合にマージン減少に対する影響(たとえば、dB単位)または雑音がインパルス性であるかその間欠的発生が不安定性を生じる場合の安定性に対する影響(たとえば、RS/秒またはCRC最小レート)とを含むことができる。
雑音追跡レコード
所与の時点での雑音構成分析は、DSL回線に影響する雑音源の個数とタイプとの詳細を提供するが、時間の経過に伴う雑音とその影響との存在の追跡およびロギングも、必要である。
G.997.1(G.ploam)に記載された現在の回線性能監視パラメータは、主に、コード違反(CV:Code Violation)と順方向誤り訂正(FEC)とに関するリンクの安定性ならびにそれらに関するエラー秒(ES、SES)カウンタの特性を表す回線性能監視パラメータに関するパラメータの限定されたセットのみを報告する。回線に影響する可能性がある雑音源の特性を経時的に定量化することを試みる唯一のパラメータは、生インパルス雑音監視パラメータに関するパラメータである。さらに、回線性能監視パラメータは、15分カウンタと24時間カウンタとに累積され、これは、すばやい雑音変化の監視について粒度をほとんど提供しない。
したがって、回線監視パラメータの現在のセットの定義の拡張が、以下のように本発明の諸実施形態によって提供される。
第1に、雑音構成分析の一部として識別された雑音成分のアクティビティを記述する追加の回線監視パラメータが、提供される。これらの追加のパラメータは、観察のウィンドウ(15分、24時間)を介して、アクティブ狭帯域干渉源の個数およびタイプと、アクティブ広帯域干渉源の個数およびタイプと、アクティブインパルス雑音源の個数およびタイプとなどの情報を報告する。
これらのパラメータは、DSL回線安定性に関する既存の包括的パラメータ(CV、FEC、ES、…)と比較して、雑音源自体を具体的にリストし、詳細に説明することが意図されている。各干渉源のタイプは、永続性、周波数内容、電力レベル、その他など、上でリストした雑音構成レコード内で詳細に示されるサブパラメータによって特性を表され得る。
第2に、15分よりはるかに短い粒度を用いて雑音源の存在の実際の持続時間を報告するために、拡張が提供される。このレポートは、複数の形のうちの1つで提供され得る。
たとえば、その間に対応する雑音タイプがアクティブになった1分カウンタが、提供され得る。15分カウンタを構成する各1分カウントは、対応する1分インターバル中に雑音が再出現した回数に関して報告する(1つのカウントは、雑音バーストの連続持続時間になる)。これは、毎分ヒットカウンタである。
代替案では、1分カウンタは、各1分インターバルにわたる、その間に雑音源がアクティブと宣言された秒の数を報告し、これによって、1分インターバルにわたってすべてのバーストを一緒に集計することができ、これは、毎分持続時間カウンタである。
集計15分カウンタは、15分インターバルにわたる実際の雑音バーストヒットのカウントと一緒に、15分期間にわたって、雑音がアクティブと宣言された秒の総数を報告することができる。15分総持続時間カウンタと15分総ヒットカウンタ。
最後に、各雑音存在の表示のより微細な粒度は、DSL回線安定性に関する各雑音とパラメータとの影響の経時的なよりよい相間を可能にし(CV、FEC、ES、…)、15分ウィンドウにわたって、各雑音は、コード違反(CV)と、順方向誤り訂正(FEC)と、それに関連するエラー秒(ES、SES)カウンタとに関する、リンクの安定性の特性を表す回線性能監視パラメータに主に関係する、それ自体のG.ploam様カウンタに関連する。これらのカウンタは、各雑音の存在の持続時間にわたって各雑音に個別に帰せられるCV、FEC、ES、SES、FEC_Sの量を報告する。既存のG.Ploamカウンタに対してこれらの15分の個々のカウンタを投影することによって、雑音源のどれが15分ウィンドウにわたる不安定性の支配的な源であるのかと、どの雑音が回線安定性に実際には影響していないのかとを正確に指摘する能力が与えられる。
例の雑音データレコード
以下は、本発明の雑音分析エンジンの実施形態に従って狭帯域雑音源と広帯域雑音源とインパルス性雑音源とのさまざまなタイプ(永久的と間欠的と徐々に変化と)について作られた出力データレコードの例である。
連続狭帯域妨害源は、永久的と、間欠的と、徐々に変化とになることができる。
通常の永久的狭帯域妨害源は、たとえば、AM無線送信器である。連続パルス性雑音は、雑音源が永久的である時に、狭帯域干渉をも生成する可能性がある。AM無線とCM NBIとを区別するために、可能な弁別要因は、AM送信器が任意の地理的領域内で既知の周波数で動作するという事実に存在する。ロギングの例の目的は、AM無線の日中/夜間結合変動(たとえば、天候に関係する)を監視し、それらがユーザの容量にどのように影響するのかを査定することである。データロギング出力は、連続NBI妨害源の個数と、NBIごとに、電力、周波数、および容量損失推定値のベクトルとを有する15分レコードの一部とすることができる。
雑音の特性を詳細に追跡することの一部として、以下の情報が、24時間ウィンドウにわたる取出のために使用可能である。
通常の間欠的狭帯域妨害源は、ハム無線送信器である。コモンモード(CM)雑音源がそれ自体をオンまたはオフに切り替える場合に、未定義タイプのCM雑音源が、間欠的狭帯域干渉源として出現する可能性もある。ハム無線とCM NBIとを区別するために、可能な弁別要因が、ハムバンドが任意の地理的領域で周知であるという事実に存在する。ロギングの例の目的は、ハム無線の人間のアクティビティの追跡と、電離圏の伝搬変動に起因する妨害を保持する記録と、安定性に対するハムまたは間欠的NBIの影響の診断とを含む。当初の出現時に可能な間欠的NBIまたはハム無線雑音源ごとに提案される10秒ウィンドウにわたって収集される入力データは、出現に対する推定値と、15分ウィンドウにわたるヒットの個数とを含む。
間欠的NBIの15分レコードの例が、下で与えられる。永久的レコードと比較して、以下のサブパラメータ、持続時間と、安定性影響(通常、可能な間欠的NBIまたはハム無線の出現の後の提案される10秒ウィンドウにわたって収集されたデータに対して計算される)と、15分ウィンドウにわたる雑音のヒットカウントと、毎分ヒット数を1分ごとに報告する1分カウンタと、が追加される。
通常の徐々に変化する狭帯域妨害源は、未定義タイプのコモンモード雑音源である。コモンモード雑音源は、CM源がループからのアンバランスの点のより近くにまたはこれから離れて移動する場合に、漸進的に結合する可能性がある。ロギングの例の目的は、徐々に変化するCM雑音源の追跡を含む。
データは、明確に定義された瞬間に、監視されるプリミティブ(たとえば、回線参照雑音)がしきい値と交差する時に必ず、収集される。たとえば、狭帯域干渉源について、データ収集のために予想され得るしきい値は、合計6個の正の交差と合計6個の負の交差の合計12個の3dB交差について、背景雑音[0dB…18dB]の上のピーク電力の増加の各3dBとすることができる。
徐々に変化するNBIの15分レコードの例が、下で与えられる。間欠的レコードと比較して、以下のサブパラメータ、持続時間(最初のしきい値交差から最後のしきい値交差まで)と、雑音の徐々の変化にわたるピーク電力増加と、ピーク容量影響推定値と、が追加されまたは変更された。
以下の情報、雑音がそのピーク電力に達する時の最大PSD(たとえば、最大雑音PSD)と、雑音がオフである時の背景雑音PSDと、徐々に変化する雑音の徐々の変化のレートの表示を与える、選択されたしきい値に交差する時のタイムインターバルベクトルと、も望まれる場合に取出のために使用可能にされ得る。これが、次の例に示されている。
通常の永久的広帯域妨害源は、異種DSLサービスと、自己FEXTと、Home−Plug AVなどのコモンモード雑音源とである。ロギングの例の目的は、1)自己FEXTおよびまたは異種DM妨害源の間の区別と、2)CMアンバランスの正しいシグネチャを介するCM雑音源の区別と、3)異常なループアンバランスの判定と、4)広帯域雑音の徐々の変化の報告とを含む。
NBIレコードと同様に、WBIのロギングは、WB雑音ごとに、次の例に示されているように、電力、周波数範囲、容量損失推定値、識別子タイプのベクトルを含む。
WB雑音ごとの特性を詳細に追跡することの一部として、周波数範囲にわたる15分あたりの最大雑音PSDの推定(すなわち、3000トーン*ビンあたりSNRデータまで)が行われる。すべてのトーンについて、毎周波数毎24時間の最大雑音PSDおよび最小雑音PSD(すなわち、3000トーン*ビンあたりSNRデータまで)の1つの推定も、行われる。
通常の間欠的広帯域妨害源は、常時オンDSLサービスではない。CM雑音源がそれ自体をオンまたはオフに切り替える(たとえば、Home Plug AV)場合に、未定義タイプのコモンモード雑音源も、間欠的広帯域干渉源として出現する可能性がある。ロギングの例の目的は、DSLサービスアクティビティ変動および犠牲回線への影響の追跡と、クラウドでのパターン認識のための日中/夜間の妨害を保持する記録と、妨害がオン/オフに切り替えられる(たとえば、ポンプ、エレベータ、…)時の安定性に対するCM雑音影響の診断とを含む。
NBIに関して、出力データレコードは、「短または長」の持続時間のバースト性の間欠的WB雑音ごとに、電力と、周波数範囲(おそらくはDS1、DS2、DS3に制限される)と、容量損失推定値と、出現時の安定性損失推定値と、15分カウンタの1分ごとの1分ウィンドウにわたるヒット数とのベクトルを備える。例のレコードは、次の通りである。
徐々に変化するNBI雑音源と徐々に変化するWBI雑音源とのデータレコードは、類似する。徐々に変化するWBIごとに、最大電力と、周波数位置と、ピークでの容量損失推定値と、出現時の安定性損失推定値と、15分ウィンドウにわたるヒット数と、徐々の変化のレート(低速、中速、高速)とのベクトルが提供される。例のレコードは、次の通りである。
雑音特性を実際の雑音源に関連付けるパターン照合プロセスの一部として、次の情報、雑音がオフの時のそのピーク電力[最大雑音PSD]背景雑音PSDに雑音が達する時の最大PSDと、選択されたしきい値が交差される時の時間ベクトルと、が望まれる場合に、15分ウィンドウまたは24時間ウィンドウにわたって取出のために使用可能である。例は、次の通りである。
広帯域雑音(間欠的、永久的、または徐々に変化)について、以下などの追加のシグネチャ特性表現が、使用可能にされ得る。
2タイプの永久的インパルス性雑音シナリオが、考慮される。第1のタイプは、50Hz/60Hz主電源にリンクされたREIN雑音および/または1Hzを超える発生の頻度を有する擬似連続バーストを生成するPEIN雑音源もしくはSHINE雑音源を含む。第2のタイプは、経時的に連続的に発生する1秒未満の持続時間の分離されたインパルスを含む。
通常の永久的インパルス性雑音は、常時オン機器によって作られる50Hz/60Hz主電源周波数にリンクされたREINである。代替案では、1Hzを超える発生の頻度を有する擬似連続バーストを生成するPEIN雑音源またはshine雑音源が、永久的反復インパルス性干渉源と考えられる。一例は、分離されたバーストまたは、電気機械スイッチ、モータ、および電力配電網に接続された配電用開閉装置の動作によって引き起こされるEFT(電気的高速過渡現象(electrical fast transient))である。通常のバーストは、300msの反復を有する短い時間期間(15ms〜0.75ms)の間の高周波(5kHz〜100kHz)の多数の再帰するインパルスからなる。
永久的反復雑音源の存在の判定は、INMヒストグラムに基づく諸実施形態で行われる。目的は、日中/夜間のインパルス雑音アクティビティを監視することである。逆FFTを介して、ピーク/ワーストケース連続存在と、関連するピークインパルスPSDおよびTDシグネチャとを判定する。
データロギング出力レコードの例は、下に示されているように、インパルスタイプと、周波数と、長さと、安定性影響判断基準と、INP推定値と、15分ウィンドウにわたるヒット数とのベクトルを用いて構成され得る。
雑音の特性を詳細に追跡することの一部として、以下の情報が、使用可能にされ得る。
経時的に連続的に発生する1秒未満の分離されたインパルスは、持続時間と到着時間間隔との分離されたインパルス発生のヒストグラム内で15分期間にわたってカウントされる。関連するデータロギング出力は、検討される15分ウィンドウにわたる「永久的」分離された雑音源に対応する、分離されたインパルスの毎分ヒットの総数と共に、15分レコードの一部とされ得る。「間欠的」分離された雑音源の可能な存在を考慮に入れるために、検討される15分ウィンドウにわたって報告される毎分「永久的」分離されたインパルス雑音源カウントは、毎分報告される最小毎分「間欠的雑音源」カウントヒットと一致する(下のセクションを参照されたい)。分離されたインパルスについて15分ウィンドウにわたって提供されるヒストグラム出力データと一緒に、自然な背景雑音インパルス環境に関してインパルス雑音環境の逸脱を定性的に示す、高/中/低の深刻度レベルを有する出力レコード。
2タイプの間欠的インパルス性雑音シナリオが、検討される。第1のタイプは、50Hz/60Hz主電源にリンクされたREIN雑音および/またはオン−オフ機器タイプによって作られる時に必ず1Hzを超える発生の頻度を有する擬似連続バーストを生成するPEIN雑音源もしくはSHINE雑音源を含む。第2のタイプは、決定された時間の期間にわたって間欠的に発生する1秒未満の分離されたインパルスを含む。
REIN雑音タイプと反復擬似連続バースト雑音タイプとについて、監視の例の目的は、反復雑音源が1秒を超える任意の持続時間の間に存在するウィンドウを検出することと、オンウィンドウにわたる安定性メトリックの査定と一緒に、インパルス雑音タイプごとにオンウィンドウが有効である回数を報告することとである。
分析出力レコードの例は、次のフィールド、インパルスのバーストの持続時間と、安定性影響(可能な間欠的インパルス性雑音の存在のウィンドウにわたって平均をとられるか累積される)と、15分ウィンドウにわたる雑音のヒットカウントと、1分ごとに毎分ヒット数を報告する1分ヒットカウンタと、1分ごとに毎分の雑音の存在の秒数を報告する1分持続時間カウンタと、が付加された永久的データレコードに似ている。
分離されたインパルスタイプについて、監視の例の目的は、所与のタイプ(SEIN、PEIN、SHINE)と非REINタイプとのインパルス雑音ヒットの増やされた個数を見分けるために分離されたインパルスの個数を1分ウィンドウにわたってカウントすることと、1分のオンウィンドウにわたる安定性メトリックの査定と一緒に雑音がオンである分の数を報告することとである。
徐々に変化する反復インパルス性雑音源は、通常、インパルス性の性質のコモンモード雑音源によって引き起こされ、このコモンモード雑音源は、ケーブルのアンバランスの点の近くに移動し、その後、離れて移動するはずである(たとえば、エンジン)。徐々に変化する雑音の弁別要因は、振幅とすることができる。反復雑音事象の振幅が、現在は直接には追跡されないので、また、インパルスが、有限の分解能のインパルス雑音ディテクタによって取り込まれつつあるので、徐々に変化する反復インパルス性雑音源は、オン/オフ間欠的インパルス性雑音源として出現すると期待される。
したがって、徐々に変化する反復インパルス性雑音源は、別々に追跡されるのではなく、間欠的反復インパルス性雑音のカテゴリに含まれる。しかし、徐々に変化する雑音の特定のレコードが、将来に、振幅以外の弁別要因に基づいて、徐々に変化するNB干渉源または徐々に変化するWB干渉源に類似する形で考案される可能性がある。
雑音分析エンジンの例の実施態様
包括的な雑音分析エンジンと、DSL通信システムでのその潜在的な応用とを説明したので、本発明の諸実施形態によるDSLモデム内の雑音分析エンジンの例の実施態様が、これから提供される。
諸実施形態では、本発明による雑音分析エンジンは、本発明によって適合された、米国カリフォルニア州フリーモントのIkanos Communications,Inc.によって提供されるものなど、SmartCPE診断スイートなどの雑音監視機能性によって従来のDSLモデムを補足することによって実施される。当業者は、本開示によって教示された後に、これらおよび他の従来のDSL診断プログラムのソフトウェア/ファームウェアを適合させることによって本発明の雑音分析エンジンをどのように実施すべきかを理解するであろう。
図4に示されているように、本発明のこれらの実施形態による雑音分析エンジン402は、2つの別個の分析エンジンすなわち、回線雑音分析エンジン(LNAE)404とインパルス雑音分析エンジン(INAE)406とを含む。LNAE404とINAE406との両方が、DSLモデムのDSLディジタル信号プロセッサ(DSP)450からのデータ供給に頼る。LNAE404とINAE406とのさらなる実施態様の詳細が、下で提供される。
雑音分析エンジン402の例の全体的なプロセス流れ図が、図5に示されている。
図5に示されているように、LNAE404とINAE406との両方がDSP450からのデータ供給に頼り、これらが、カウンタ、ビンあたりの状況、その他などのいくつかの共通のパラメータを共有するという事実に起因して、データ収集ステップであるスレッド0は、2つのエンジンの両方のために実行される。スレッド0に続くのが、インパルス雑音分析エンジン406のスレッド1からスレッド4までを含むプロセス502である。次に来るのは、回線雑音分析エンジン404のスレッド1からスレッド4までを含むプロセス504である。本発明の諸実施形態が、LNAEプロセス504の前にINAEプロセス502を実行する理由は、インパルス雑音の存在下で、INAEからLNAEへ供給される正しい判断が、後者が誤検出を回避するのを助けるからである。この態様は、下で、雑音ファインダと雑音モニタ生成モジュールとに関連する回線参照雑音プリミティブとインパルス雑音プリミティブとの生成に関する説明に関連してさらに説明される。
最後に、処理の終わりにあるのは、データロギングユニットであり、このデータロギングユニットは、スレッド0に似て、両方のエンジン404、406によって共有される。
回線雑音分析エンジン処理
回線雑音分析エンジンの処理の例の実施形態は、図6に示されているように、スレッド0と、スレッド1と、スレッド2と、スレッド3と、スレッド4と、スレッド5とからなる。
スレッド0は、DSL DSP450からプリミティブを取り出し、雑音環境を監視し、回線参照雑音をスレッド1に、ビンあたりの状況とカウンタとをスレッド3に供給する。スレッド1と2との主な目的は、回線上のすべての雑音の存在と出現と消滅とを識別し、周波数軸(狭帯域または広帯域)と永続軸(永久的、徐々に変化、または間欠的)とに沿って雑音を分類することである。雑音シグネチャと呼ばれる雑音の完全な特性は、スレッド4で与えられ、ここで、高度なDSPアルゴリズムが、下位スレッドからの結果と、DSPからの複数のプリミティブと、ある先見的知識とに基づいて開発される。雑音シグネチャは、表示およびアーカイビングのために、スレッド5すなわちデータロギングユニットにエクスポートされる。
スレッド0は、雑音分析のために上位スレッドにL0プリミティブを提供する。スレッド0は、2つの目的すなわち、DSPからL0プリミティブデータを収集し、収集されたデータを後処理するために働く。後のセクションで詳細に説明されるように、回線プリミティブは、モデムがショータイムであり、DSLリンクが雑音監視セッションで機能している間、またはモデムが、DSLリンクが雑音ファインダセッションでダウンしている間にリスニングである間に生成され得る。異なるタイプのデータが、このスレッドで取り込まれ、その非網羅的な例は、次の通りである。
主データと呼ばれる回線参照雑音(LN)は、スレッド1によって、広帯域雑音または狭帯域雑音を検出するのに使用される。LNは、一般に、2048個のシンボルにわたって平均をとられて、1/2秒おきに計算される。128個のシンボルを使用する中間平均雑音も、短い持続時間の雑音を分析するために使用可能である。LNデータは、校正され、スレッド0で回線に戻って参照されなければならない。
副データと呼ばれるビンあたりのデータ(SNRマージン、biおよびgiなど)とカウンタ(CRC、FEC、SESなど)とは、スレッド3によって収集され、雑音シグネチャ推定のためにスレッド4に渡される。これらのデータは、オンデマンドですべての秒に取り出され得る。
ERBすなわちIU−T G.Vector標準規格に従ってフォーマットされた同期エラーは、スレッド4でXlogとFextのない回線雑音とを推定するのに使用される。ERBは、すべての同期シンボルに生成されるので、ERBの取出は、他のプリミティブよりはるかに高速である。4のバッファ深さを用いると、4つの同期シンボルに対応するERBが、250msおきにダンプされ得る。DSPから収集された生のERBデータは、符号化される。したがって、ERBデコーダは、正規化された同期エラーサンプルが上位スレッドによって直接に使用され得るように、スレッド0の内部にある。
スレッド0でのデータ収集および後処理が、好ましくは、モデムが雑音モニタセッション内でショータイムである間に、または雑音ファインダセッション内で回線をリスンしている間に、継続的に実行されることに留意されたい。
スレッド1の1つの目的は、雑音の帯域幅(狭帯域対広帯域)とその電力とに基づいて周波数次元に沿って雑音を分類することである。
諸実施形態では、狭帯域雑音は、その帯域幅が、4.3125kHzのトーン間隔を有する64個の連続トーンに対応する276kHzを超えない雑音と定義される。狭帯域雑音の帯域幅は、雑音PSDがたとえばその背景雑音より3dB上にある周波数範囲として判定される。狭帯域雑音は、その帯域幅内に1つまたは複数のピークを有する可能性がある。2つの隣接するピークの間の距離が16kHzを超える場合には、それらは、2つの独立の狭帯域干渉(NBI)として扱われる。通常の狭帯域雑音は、AM、ハム、およびある種のコモンモード(CM)干渉を含む。
広帯域雑音は、雑音が、次の判断基準すなわち(1)その帯域幅が、276kHzを超え、その帯域幅内で、そのPSDが、背景雑音より6dB上であり、または(2)背景雑音が使用可能ではない場合に、その帯域幅が、276kHzを超え、その帯域幅内で、そのPSDが、事前定義の基準雑音レベル(たとえば、−140dBm/Hz)の上12dBである、のいずれか1つを満足する場合に宣言される。通常の広帯域雑音は、漏話(自己Fext、異種Fext)とある種のCM干渉とを含む。
本発明の諸実施形態は、ダウンストリーム帯域あたり16個までの狭帯域雑音と複数の広帯域雑音との検出を考慮する。すべての検出される雑音は、相互に排他的であり、上位スレッドによって独立に処理される。狭帯域雑音は、任意のダウンストリーム帯域内に存在することができ、広帯域雑音は、DS1帯域、DS2帯域、またはDS3帯域のいずれかに関係する。
スレッド2から始めて、すべての処理は、雑音ごとのベースである、すなわち、スレッド1からの各識別された雑音は、独立に分析される。スレッド2は、永続性次元に沿った3タイプの雑音すなわち間欠的と、徐々に変化と、永久的との間で弁別するためのものである。
永久的雑音は、いつも存在し、15分ウィンドウにわたる統計においてほとんど変動を示さない。間欠的雑音は、1秒を超える雑音バースト持続時間(1秒未満のケースは、INM仕様でカバーされる)と共に、15分よりはるかに短いオン−オフ周期を有する。徐々に変化する雑音は、永久的雑音と間欠的雑音との間にある。これは、徐々に変化するレートと呼ばれる変数によって特性を表され、この徐々に変化するレートは、連続するしきい値交差を通過するのに要する時間によって判定される。高速の徐々に変化する雑音は、しきい値交差あたり3秒未満によって定義され、中速の徐々に変化する雑音は、しきい値交差あたり3から30秒によって定義され、低速の徐々に変化する雑音は、しきい値交差あたり30秒超によって定義される。
スレッド3は、雑音シグネチャ推定のために、スレッド4に必要なデータを提供する。収集されるデータタイプとストレージ構造とは、前のスレッドで識別される雑音タイプに依存する。
永久的雑音について、次のデータ、トーンPSDあたりの最大/最小雑音が、そのダイナミックレンジをチェックするために収集され;安定性査定のためのCRC/FEC/SES;必要な場合に漏話伝達関数Xlogを計算するためのERB、が15分時間フレームにわたって取り込まれる。
間欠的雑音について、次のデータ、その周波数範囲(NBについて64トーン、またはWBについてDS1/DS2/DS3)にわたる回線参照雑音の値と、その周波数範囲にわたるbi/giの値と、カウンタ(CRC/FEC/SES)と、Xlogが必要な場合にERBと、が雑音の到着または離脱に起因する遷移を取り込むために10秒まで、または雑音の存在全体の持続時間の間などの決定された持続時間の間に毎秒取り込まれる。
徐々に変化する雑音について、次のデータ、その周波数範囲(NBについて64トーン、またはWBについてDS1/DS2/DS3)にわたる回線参照雑音の値と、その周波数範囲にわたるbi/giの値と、カウンタ(CRC/FEC/SES)と、Xlogが必要な場合にERBと、が12エントリまで、しきい値交差ごとに取り込まれる。
識別された雑音は、スレッド4で特性を表される。雑音シグネチャエスティメータは、次のタスクを実行する。まず、雑音シグネチャエスティメータは、周波数範囲、ピーク電力、最大/最小/平均雑音PSD、徐々に変化するレート(徐々に変化する雑音について)などの全般的な雑音特徴を抽出する。次に、雑音シグネチャエスティメータは、雑音シグネチャを推定する。NBIについて、これは、次を含む:雑音が永久的である場合に、AM無線とコモンモード(CM)NBIとの間で弁別し、雑音が間欠的である場合に、ハム無線とCM NBIとの間で弁別し、雑音が徐々の変化である場合に、これは、CM NBIとすることができる。WBIについて、これは、次を含む:雑音が永久的である場合に、自己Fextと、異種Fextと、CM干渉(CMI)との間で弁別し、雑音が間欠的である場合に、さまざまなDSLタイプとCM雑音との間で弁別し、雑音が徐々の変化である場合に、これは、CM雑音とすることができる。
次に、雑音シグネチャエスティメータは、雑音分離を実行する。これは、RFIなしのLN、漏話なしのLN、CMIなしのLNなど、他の成分を除去することによって個々の雑音PSDを導出することを含む。最後に、雑音シグネチャエスティメータは、容量損失の査定と、安定性メトリックの導出と、雑音の副シグネチャ特性(たとえば、反復インパルストレインまたはガウシアンプロセス、インパルストレインの周波数、特性パルスの持続時間)の導出とを含む追加のタスクを実行する。
スレッド5は、雑音シグネチャをログ記録し、クラウドに送られるLNAE出力データを生成する。スレッド5は、次のように、雑音タイプごとに15分データレポートを形成する。
15分時間枠にわたって識別されたすべての永久的雑音について、スレッド5は、雑音タイプと、周波数範囲と、ピーク電力および位置(狭帯域雑音について)と、最大/最小/平均雑音PSDと、カウンタおよび安定性影響と、容量影響とをログ記録する。
間欠的雑音ごとに、スレッド5は、雑音タイプと、周波数範囲と、持続時間と、ヒットの個数と、ピーク電力および位置(狭帯域雑音について)と、安定性影響と、容量影響とを報告する。
徐々に変化する雑音ごとに、スレッド5は、雑音タイプと、周波数範囲と、持続時間と、ヒットの個数と、ピーク電力および位置(狭帯域雑音について)と、徐々の変化のレートと、安定性影響と、容量影響とを登録する。
雑音の永久性の判定が、ログ記録されたデータが送出される前に、このスレッド内で行われることに留意されたい。また、このスレッドは、明確に示された雑音を事前に定義された雑音シグネチャプールと照合する。一致を見つけることができない場合には、新しい雑音タイプが登録される。また、同一の雑音妨害源によって作成されるので同時に発生する、さまざまな特性の個々の雑音要素を連結することによって、合成雑音のカテゴリが、スレッド5で作成され、たとえば、HPAV送信器などの電力線通信システムは、そのハンドシェークおよびデータ通信セッションの過程にわたって、スレッド5が既存データベース内のさまざまな要素的な雑音成分をありそうな源に関連付けることを可能にする明確に定義された時間領域と周波数領域とのシグネチャを作る。データベース内の到着時刻およびそのような雑音の出現の特定のシーケンスとその持続時間とを、既存のタイミングプロトコルとそのシグネチャ関連周波数領域特性(たとえば、帯域制限されたPSD、電力、および持続時間)とに相関させることによって、スレッド4は、合成雑音源のパターンを判定し、雑音源自体のありそうな特性を提供する。
インパルス雑音分析処理
インパルス雑音分析エンジン(INAE)406に関する処理の例の実施形態が、図7に示されている。
図7に示されているように、インパルス雑音分析エンジン406の処理は、同様に、スレッド0と、スレッド1と、スレッド2と、スレッド3と、スレッド4と、スレッド5とからなる。各スレッドは、データ可用性(スレッド0)、プロセス(スレッド1と2と4と5と)、およびデータ収集(スレッド3)などの特定のアクションを表す。スレッドは、特に独立のタスクではない。本発明の実施形態は、関連する処理が必ずスレッド0データの2セットの到着の間に行われると仮定する。たとえば、データの新しいセットがスレッド0で到着する時に、そのセットは、自動的に即座にスレッド1と2と3とによって処理される。スレッド4の処理は、即座に必要ではなく、2〜3秒だけ延期され得る。
諸実施形態では、インパルス雑音分析エンジンの処理は、回線雑音分析エンジン処理とは独立である。他の諸実施形態では、長雑音源または短雑音源としてクラスなどの特性を表すことができるようにするために、いくつかのモジュールが、お互いと相互作用することができる。
スレッド0は、DSP450からの入力としてのデータの可用性を表す。INMデータは、すべての秒に使用可能である。INMデータは、インパルス長(IL)ヒストグラムと到着間間隔(IAT)ヒストグラムならびにG993.2 Amendment 2によって定義される他のカウンタである。ERBは、ITU−T G.Vector標準規格によりすべての同期シンボルで使用可能なエラーデータである。配列長は、周波数デシメーションFsub係数に依存する。これらのカウンタは、CRC、FEC、その他などのG.Ploamカウンタを表す。これは、必要な場合にSNR、マージン、Biなどを含むこともできる。データは、すべての秒に使用可能である。LNは、ショータイム回線参照雑音を表し、すべての秒に使用可能である。
スレッド1のプロセスは、単純に、インパルス性雑音の存在または否を検出する。このプロセスは、すべての秒に走行する。このモジュールで検討される雑音のタイプは、次の通りである。SEIN:ILヒストグラムに基づき、2ms(8つの連続するDMTシンボル)より短い非周期的雑音(少数のヒット(<5))。PEIN:ILヒストグラムに基づき、SEINより長く、4ms(16個の連続するDMTシンボル)より短い非周期的雑音(少数のヒット(<5))。SHINE:ILヒストグラムに基づき、PEINより長く、1s(4000個の連続するDMTシンボル)より短い非周期的雑音(少数のヒット(<5))。短存在または長存在:3000(TBD)より長い秒ウィンドウ内のインパルスによって影響される複数のシンボル。REIN:ILヒストグラムに基づき、4ms(16個の連続するDMTシンボル)より短い連続する持続時間の間の多数のヒット(>5)。
雑音ディテクタが、雑音の1つの源に制限される必要がないことに留意されたい。
スレッド1で検出される雑音ごとに、スレッド2は、その雑音が間欠的または永久的のどちらであるのかを分類する。雑音は、15分ウィンドウの始めに存在しなかった場合に間欠的と考えられる。雑音は、15分ウィンドウの始めに存在した場合に永久的と考えられる。雑音存在がスレッド1で検出されない時には、スレッド2は、前の観察ウィンドウ内で、雑音が検出されたかどうか、すなわち、雑音が消えたかどうかを分類する。雑音が消滅する時には、その現象は、間欠的雑音として分類される。
雑音が、間欠的(出現するまたは消滅する)または永久的として形容される時に、生データが、ある時間期間の間に収集される。スレッド3は、1秒より長い時間ウィンドウにまたがってデータを収集するプロセスを表す。データ収集の時間ウィンドウは、収集されるデータの性質に従って変化する。INM標準規格パラメータに関係するデータ収集の持続時間。SEIN、PEIN、またはSHINEとして検出された雑音について、INMは、1秒の間に収集される。短について、INMは、5秒まで収集される。長について、INMは、5秒の間に収集される。REINについて、INMは、規則的に10秒の間に収集される。IAT機構が開始されるので、10秒の時間ウィンドウは、512回まで更新される。
カウンタに関係するデータ収集の持続時間は、上で説明されたINM標準規格パラメータに類似する。ERB配列のデータ収集は、すべての同期シンボルで行われる。間欠的雑音について、データは、雑音の出現から始めて、雑音のフェードで終わって収集される。永久的雑音について、データは、15分ウィンドウの始めに収集され、15分ウィンドウの終わりに終了する。ショータイム回線雑音に関して、配列は、短雑音が500ミリ秒を超えて検出される時に限って収集される。スレッド3のデータ収集は、特にスレッド4から独立してはいない。
スレッド3で走行されるデータ収集に基づいて、スレッド4は、処理タスクと異なる雑音に関するシグネチャの抽出とを表す。スレッド4処理は、部分的にデータベクトルだけが収集される時に開始され得るが、完全なデータ収集の後に終了される。
永久的雑音について、抽出されるシグネチャは、次の通りである。まず、シグネチャは、15分ウィンドウ中のカウンタ累積を含む。雑音の特性(タイプ、周波数、持続時間)とINPパラメータとに基づいて、分析上界は、期待されるCRCカウンタと期待されるFECカウンタとを増分的に推定する。永久的雑音が、REINとして検出される時には、周波数ならびに持続時間が推定される。ERBがインパルス雑音を担持するものとして検出されたか否か(独立のINディテクタに基づく)に基づいて、インパルス雑音ならびに背景雑音のタイプごとの雑音PSDが推定される。
間欠的雑音について、抽出されるシグネチャは、次の通りである。まず、シグネチャは、10秒ウィンドウ中または雑音の存在にわたるカウンタ累積を含む。雑音の特性(タイプ、周波数、持続時間)とINPパラメータとに基づいて、分析上界は、期待されるCRCカウンタと期待されるFECカウンタとを増分的に推定する。SEIN出現、PEIN出現、SHINE出現のそれぞれについて、SEINカウンタ、PEINカウンタ、SHINEカウンタが、それ相応に増分される。間欠的雑音が、REINとして検出される時には、周波数ならびに持続時間が推定される。REIN PSDは、ERBプロセスを介して推定され得る(REINが十分に長い期間の間存在する場合)。SHINE雑音が検出される場合に、雑音PSDは、ショータイムLNが有効である(2000DMTシンボルより長いSHINEなどの判定されるべき判断基準)場合に、ショータイムLNによって表され得る。短存在が検出される場合に、5秒データにまたがる処理は、雑音が実際に短または長のどちらであるのかを判定する。雑音が短であると判定される場合には、短カウンタが増分される。短PSDの推定値が、ショータイムLNの関連する5つのインスタンスから抽出され得る。長が検出される(4秒より長い短)と判定される場合には、余分な処理は、このレベルでは行われない。メッセージが、それ相応に長を処理する責任を負う回線雑音分析エンジン処理に送られる。
スレッド4から入手されたシグネチャ抽出に基づいて、15分ウィンドウごとのデータログが抽出される。このスレッドは、いくつかの間欠的雑音が同一の性質を有するかどうかを、そのシグネチャに基づいて判定する。そうである場合には、特定の同一の雑音の発生の回数が、増分される。その結果、ログデータは、同一の雑音に関する重複した情報を担持してはならない。
間欠的雑音について、データログフィールドは、SEIN雑音のタイプごとのSEINカウンタと、PEIN雑音のタイプごとのPEINカウンタと、SHINE雑音のタイプごとのSHINEカウンタと、短雑音のタイプごとの短カウンタと、SHINE雑音源について、PSD推定値(3kトーン)と、短雑音源について、PSD推定値(3kトーン)と、検出されたREIN雑音ごとに、周波数および持続時間と、SEIN、PEIN、SHINE、短、およびREINについて、15分間の1分ウィンドウ(15個の1分ウィンドウ)ごとの実際のCRCおよびFECの集計カウンタと、SEIN、PEIN、SHINE、短、およびREINについて、15分間の1分ウィンドウ(15個の1分ウィンドウ)ごとの期待されるCRCおよびFECの集計カウンタとである。
永久的雑音について、データログフィールドは、検出されたREIN雑音ごとに、周波数および持続時間と、REINについて、15分間の1分ウィンドウ(15個の1分ウィンドウ)ごとの実際のCRCおよびFECの集計カウンタと、REINについて、15分間の1分ウィンドウ(15個の1分ウィンドウ)ごとの期待されるCRCおよびFECの集計カウンタとである。
LNAE402の詳細な機能ブロック
本発明の実施形態による回線雑音分析エンジン(LNAE)402によって実行される処理を説明したので、LNAEの機能ブロックが、これからより詳細に説明される。図4に示されているように、これらのブロックは、データ収集408と、データ分析410と、データロギング412とを含む。
データ収集ブロック408は、2レベルのデータ収集すなわち、主にデータの回線参照雑音配列を取り出す、スレッド0に対応する低水準データ収集と、雑音シグネチャ認識のためにカウンタ、ビンあたりの状況、ERBなどの追加情報を収集する、高水準のまたは副のデータ収集はスレッド3で発生することを含む。
スレッド0の実施態様は、データ収集ブロック408と共に2つの機能ブロックすなわちL0生データ取出とL0データ後処理とからなる。
L0生データ取出は、どのプリミティブが要求されるのかと、それらがDSP450によってどのように生成されるのかと、DSP450へのインターフェースがどのように実施されるのかとに依存して、毎秒またはより高速で継続的に実行される。回線参照雑音は、2048個のシンボルにわたってすなわち1/2秒おきに平均をとられる、ビン配列あたりのSNRに基づいて計算される。ビンあたりの状況およびカウンタは、毎秒アクセスされ得る。既知の送信されたシンボルパターンに対して入手され、データフローに定期的に挿入され、ITU−T G.Vector標準規格でERBデータと呼ばれるトーンあたりの生のスライス化されたエラーデータは、一般に、64msに対応するすべての同期シンボルで使用可能である。
ブロック408によって実行されるスレッド3データ収集は、シグネチャ推定のためのDSP450からの追加情報を含む。実際には、主データと副データとの両方が、すべての処理サイクルの始めに使用可能であり、したがって、各上位スレッドは、いつでもさらなる処理に必要なデータを選択することができる。スレッド3処理について、ブロック408は、次のデータを収集する。カウンタCRC/FEC/SES − これらのカウンタ値のいずれかの増加は、雑音環境変化を示し、したがって、回線安定性変化に伴う雑音の出現および消滅事象の安定性査定との関連付けとに使用され得る。ビンあたりの状況(bi、gi、マージンなど) − 影響を受けるトーンでのBSアクティビティは、基礎になる雑音の特性を表すのに使用され得る。エラーサンプル(ERB) − ERBの後処理すなわち復号は、スレッド0で行われるが、エラーサンプルは、スレッド4まで使用されず、スレッド4では、エラーは、同期シンボルSNRを計算し、既知の直交シーケンスと相互相関される場合にFEXTチャネルとFEXTなしSNRとを推定し、雑音特徴を識別するために統計平均/分散/ひずみ度/尖度を計算するのに使用され得る。
LNAE406の1つの重要な機能は、ブロック410によって実行される、明確に示された雑音環境の完全な特性表現を達成するために回線参照雑音を分析することである。諸実施形態では、データ分析410は、3つの主要なタスクすなわち、帯域検出と、雑音分類と、シグネチャ推定とを実行する。信号処理アルゴリズムは、これらの機能ブロックの開発に大きく関わる。
スレッド1の1つの目的は、周波数軸に沿って雑音を分類することである。回線参照雑音によって提供される情報に基づいて、本発明の諸実施形態は、広帯域雑音の個数と、狭帯域雑音の個数と、そのピークPSDと、中心周波数と、帯域幅とを検出する。この目標を達成するために、ブロック410内の信号処理アルゴリズムは、次の問題、狭帯域および広帯域ディスクリミネータ(discriminator)と、帯域幅推定と、狭帯域信号のピークまたはピークのパケットの検出と、複数NB/WB検出(たとえば、16個の狭帯域雑音と3個の広帯域雑音と)と、に対処する。
ブロック410内の例の狭帯域ディテクタは、次のタスク、ピーク検出と、背景雑音評価と、帯域幅推定と、を実行する。ピーク検出は、各サブバンドで計算されるピーク対平均比(PMR:peak-to-mean ratio)に基づくものとすることができる。詳細な処理は、次のように説明される。まず、受信帯域全体をN個のサブバンドに均等に分割する。次に、サブバンドごとに、最大またはピークの雑音PSDと平均雑音PSDとを計算する。次に、次式に従ってピーク対平均比の値を計算する。
最後に、PMRの値が事前定義のしきい値を超える場合に、ピークが宣言される。このように見つけられたピークの一部が、ある単一のピークが2つの連続するウィンドウ内に存在する可能性があるという事実に起因して重複している場合があることに留意されたい。したがって、ピークを合併するために、余分なステップが必要である。
代替のNB検出能力が、PSDプリミティブの代替であるプリミティブとNB雑音の特定の特性とに基づいて可能である。そのようなプリミティブの、「クラウンレシオ(crownratio)」プリミティブと呼ばれる例は、回線雑音参照サンプルの係数のべきの、この係数の分散に対する比率と定義される。そのようなプリミティブは、その統計がDSL DMTシステムの周期にわたって準定常に出現する狭帯域周波数信号の正しい弁別を可能にする。
すべてのピークの検出に続いて、ブロック410の実施形態は、次に、これらのピークに関連する周波数範囲または帯域幅を識別する。帯域幅の推定は、各ピークに対応する背景雑音の知識を必要とする。背景雑音を計算するために、各検出されたピークの基準帯域が定義される。各基準帯域の中心には、対応するピークがある。背景雑音は、次のように説明される反復プロセスを介して入手される。まず、基準帯域にわたる平均雑音レベルである現在の雑音を計算する。次に、現在の雑音を以前の雑音と比較し、この差が、事前定義のしきい値未満である場合には、現在の雑音が、この特定のピークの背景雑音として保存される。そうでない場合には、次のステップに進む。その雑音PSDが現在の雑音より大きい周波数(基準帯域上の)について、その雑音PSDを現在の雑音に置換し、以前の雑音を現在の雑音に置換する。その後、ステップ初期ステップに戻る。この反復方法の収束速度は、かなり高速であり、通常、5回以内の反復で収束する。
ピークと対応する背景雑音との知識を用意して、ブロック410の諸実施形態は、ダウンストリーム帯域全体にわたって各狭帯域雑音を識別することができる。狭帯域雑音の帯域幅は、雑音PSDがその背景雑音より3dB上である周波数範囲として判定される。
狭帯域ディテクタの最終ステップは、各検出された帯域が実際に狭帯域であるかどうかを検証することである。その帯域幅が276kHzを超える(前の仕様で定義されるように)場合には、その帯域は、出力リストから除去される。ディテクタ出力は、次のパラメータからなる。ピーク周波数(PF)と、ピーク電力レベル(PP)と、帯域幅(BW)と。
本明細書で説明される狭帯域検出アルゴリズムが、(接近して配置された)ピークのパケットをも検出できることに留意されたい。2つのピークの間の最小距離は、検出され得る、DSP上で回線参照雑音に適用されるサブサンプリングレートによって制限される。現在、回線参照雑音は、8つにサブサンプリングされ、最小周波数差をもたらすことは、識別され得る、4.3125*8=345kHzであり、これは、狭帯域検出には粗すぎる。改善された精度は、サブサンプリングレートを下げることによって達成され得る。さらに、ディテクタの性能が、評価される必要がある。より微細なサンプリンググリッドを用いると、本発明の実施形態は、誤ったアラームおよび見逃された検出のレートを分析するために、検出理論を適用することができる。
ブロック410内の例の広帯域ディテクタが、これから説明される。広帯域雑音の検出は、狭帯域雑音の検出と独立である、すなわち、1つまたは少数の狭帯域雑音が、広帯域雑音の周波数範囲内に存在することができる。広帯域検出は、主に、上で指定された広帯域雑音の定義に基づく。背景雑音が未知なので、本発明の諸実施形態は、基準雑音レベルとして−140dBm/Hzを使用する。次に、276kHzを超えてまたがり、すべての周波数点の雑音PSDが基準より12dB上である周波数範囲が存在する場合に、広帯域雑音が宣言される。それがどのDS帯に存在するのかに依存して、広帯域雑音は、DS1、DS2、またはDS3のいずれかとすることができる。
ブロック410の実施形態では、広帯域ディテクタの出力は、次の要素、帯域位置(DS1/2/3)(BL)と、平均電力レベル(AP)と、中心周波数(CF)と、開始/終了周波数と、当該の帯域にわたる平均雑音PSDと、を含む構造である。
WB雑音について、中心周波数は、WB雑音を等しい電力の2つのセクションに分割する周波数点と定義される。このパラメータを導入することの根本的理由は、同一の平均電力を有するが、周波数に対して異なる重みを有する2つの雑音を区別することである。
上で説明された例の広帯域ディテクタは、背景雑音として−140dBm/Hzを使用するのではなく、広帯域雑音検出に洗練された背景基準雑音レベルを使用することができ、本発明の諸実施形態は、回線参照雑音から真の基準を導出することができる。WBしきい値Thd_wbは、実際の雑音レベルに依存し、この実際の雑音レベルは、モデム雑音フロアに依存する可能性があり、モデムがショータイムである時またはそうでない時で異なる可能性がある。雑音ファインダについて、−137dBm/Hzの固定された値があるが、雑音モニタについて、このプロセスは、a)各DS帯の最小PSD、b)DS帯全体のグローバル最小PSDを見つけるためにDS帯全体を検索する。しきい値は、次のようにセットされる。DS1について、Thd_wb=PSDmin_ds1+3、DS2について、Thd_wb=PSDmin_ds2+3、DS3について、Thd_wb=PSDmin_ds+3。
ここで、数3は、3dB帯域幅定義に対応する。PSDmin_ds1およびPSDmin_ds2は、それぞれDS1とDS2との最小雑音PSDであり、PSDmin_ds=min(PSDmin_ds1,PSDmin_ds2,PSDmin_ds3)である。
さらに、背景雑音基準に対するPSDレベルに基づくこと以外の、代替の信号処理アルゴリズムが、広帯域信号を検出するのに活用され得る。
スレッド1処理に関連して、ブロック410は、狭帯域(NB)雑音と広帯域(WB)雑音とを検出する。この処理は、WB検出から始まり、NB検出がこれに続く。WB検出がNB検出の前に開始される理由は、ある種のWB雑音(たとえば、コモンモード雑音)が、WB雑音の存在の知識がなければ簡単にNB信号として扱われ、それらがWB信号内に存在することが既に知られている場合には除去され得る複数のピークを示すことであり、検出判断基準は、特定の帯域内のWB信号の存在の知識に基づいて、WB雑音に埋め込まれたNBの誤検出を回避するためにNBの検出のために調整され得る。
NB干渉源またはWB干渉源と呼ばれるものの判断は、任意であり、それを超えるとNBがWBと宣言される雑音の帯域幅の境界に依存する。NBとWBとを区別する際の盲点を除去するために、次の境界定義が提案される。
狭帯域雑音は、その帯域幅がBw以下(たとえば、Bw=276kHz)である信号と定義される。その帯域幅がBwを超えるすべての信号は、広帯域雑音と呼ばれる。雑音が変動に起因して時々カテゴリを変化させる(たとえば、NBからWBへまたはWBからNBへ)のを防ぐために、我々は、経時的に雑音ごとにΔB(たとえば、ΔB=Bw/2)変動を許容する。すなわち、雑音がNBとして検出される時に、一般に、その雑音は、その寿命にわたってNBのままになる。その帯域幅が多少Bwを超えるが、それがBw+ΔB未満である限り、その雑音は、それでも同一のNBである。同一のことが、WB雑音にあてはまる。
ブロック410によって実行されるスレッド2処理(すなわち、雑音クラシファイヤ)が、これから、図8aから図8dに関連して説明される。このスレッドへの入力は、スレッド1で識別された個々の雑音である。雑音ごとに、ブロック410は、これを、それが開始する時および終了する時と、その大きさが15分ウィンドウにまたがってどのように変化するのかとに基づいて、永続性回線に沿って3つのカテゴリ(永久的と徐々に変化と間欠的と)の1つに分類する。
ブロック410を実行した初期スレッド2処理の例が図8aに示されている。図示されているように、この処理は、識別された雑音が既存の雑音または新しい雑音のどちらであるのかを判定することを含む(ステップ802)。既存の雑音について(ステップ804)、それがアクティブ雑音またはアクティブに戻った休眠雑音のどちらであるのかを判定し、その持続時間を追跡する。新しい雑音について(ステップ806)、開始状況と特徴(周波数範囲、雑音PSDなど)とを記録する。ステップ808は、雑音の消滅を検出し、記録する。ステップ810は、すべてのアクティブ雑音についてカウンタ値(CRC/FEC/SES)を更新する。
図8aに示された処理が、間欠的(INTM)雑音と永久的(PERM)雑音とのみの検出に関することに留意されたい。徐々に変化する雑音の弁別は、異なって実施される。
詳細な情報が、狭帯域雑音と広帯域雑音との両方についてブロック410の諸実施形態によって実行される照合プロセスについて、これから提供される。
図8bに示されているように、照合は、ステップ812で、検出されたNB雑音が新しい雑音であるかどうかを判定することから始まる。上でスレッド1処理に関連して詳細に示したように、次の3つのディスクリミネータすなわち、ピーク周波数(PF)と、ピーク電力レベル(PP)と、帯域幅(BW)とが、異なるNB雑音の間で区別するためにブロック410によって使用される。
一実施形態では、一致する雑音がデータベースから見つけられたことを宣言するために、検出された雑音は、3つすべての条件すなわちCond1=(|PFd−PFt|<ThdF)、cond2=(|PPd−PPt|/PPt<ThdP)、cond3=(|BWd−BWt|/BWt<ThdB)のうちの1つまたは複数を満足しなければならず、ここで、PFd、PPd、およびBWdは、検出された雑音のパラメータであり、PFt、PPt、およびBWtは、ターゲット雑音に関し、ThdF、ThdP、およびThdBは、対応するしきい値である。
通常のNB雑音、たとえばRFIについて、ピーク周波数は、異なるNB信号を弁別するための主要な特性であり、条件2および3は、多少緩和され得る。現在、周波数しきい値は、69kHzにセットされ、これは、2つのNBの間の最小距離であり、fsub=8のサブサンプリング値あたりの大きさに起因して識別され得る。ピーク電力および帯域幅のしきい値は、20%と50%とにセットされる。BWの照合プロセスのどちらかといえばゆるいしきい値の理由は、サブサンプリング値fsubに関連する。
図8bのステップ814は、本発明の実施形態による例のWB雑音照合プロセスを示す。広帯域雑音ディスクリミネータの実施態様を用いて、複数のWB雑音が、同一のDS帯上で区別され得る。次の3つのパラメータすなわち、帯域位置(DS1/2/3)(BL)と、平均電力レベル(AP)と、中心周波数(CF)とが、異なるWB雑音の特性を表すのに使用される。
中心周波数は、WB雑音を等しい電力の2つのセクションに分割する周波数点と定義される。このパラメータを導入する根本的理由は、同一の平均電力を有するが、周波数に対して異なる重みを有する2つの雑音を区別することである。
一致するWB雑音を見つけるために、検出された雑音は、次の条件すなわち、Cond1=(BLd==BLt)と、Cond2=(|APd−APt|/Apt<ThdP)と、Cond3=(|CFd−CFt|<ThdF)との3つすべてを満足しなければならず、ここで、BLd、APd、およびCFdは、検出された雑音のパラメータであり、BLt、Apt、およびCFtは、ターゲット雑音に関し、ThdPおよびThdFは、対応するしきい値である。NBのケースに似て、電力しきい値は、20%にセットされる。広帯域雑音ディスクリミネータの完了時に、周波数しきい値は、現在のfsubについて69kHzにセットされる。
図8bから図8dは、本発明の諸実施形態でブロック410によって実行される合同NBおよびWB雑音照合プロセスをさらに示す。
合同WBおよびNB照合プロセスの概念の背後にある根本的理由は、次の観察から生じる。まず、何度も、狭帯域信号は、広帯域信号の出現を伴って現れる。これらのWB(たとえば、周波数選択的に結合する伝達関数を介して異なるモードに変換されたコモンモード信号)は、RFIに似たNB雑音を作成し、ほとんどの場合にそのようなものとして検出される。また、WB信号が消滅する時にも、そのWB信号がNB信号を作成する。NB雑音とWB雑音との合同知識がなければ、誤NB検出が発生する。同様に、誤NB検出は、インパルス雑音の存在下で、部分的にフィルタリングされたインパルスが、NBまたはWBの存在の検出のために評価される回線参照雑音プリミティブに反映される時に必ず、発生し得る。他の場合に、同一の雑音が、それが検出のしきい値のすぐそばにあるという事実に起因して、頻繁に出現と消滅とを交番する場合がある。
これらのすべてを考慮に入れて、次のシナリオが、既存の雑音に関する合同雑音分類および照合プロセスの諸実施形態で、図8bから図8dに示されたステップ814から820で考慮される。これらは、次のように、より詳細に説明される。
出現するまたは消滅するWB/NB雑音について、部分的な1秒をカウントし、これを持続時間の一部にし、遷移内で最初のN1秒と最後のN2秒とをカウントする(時々、雑音がその最大電力に達しまたは完全に消滅するのに、2〜3秒を要するという事実に起因する)。次に、WBの出現時と消滅時との新しいNB雑音をフィルタリングで除去する。インパルスが検出される場合には、NB雑音検出のしきい値を増やす。検出の一貫性を達成するために、NB/WB電力を、その以前のPSDと比較する。具体的には、新しいNB/WBが出現する時に、これをその以前の第2のPSDと比較し、差が3dB未満である場合には、新しいシグネチャを追加せずにこれを無視し、その一方で、NB/WBが消滅する時には、これをその以前のPSDと比較し、差が3dB未満である場合には、消えたものとしてそのNB/WBにフラグを立てることなく、そのNB/WBを保持する。
一実施形態では、合同分類の実施態様は、図8bから図8dに示された5つのメインステップからなる。ステップ812では、検出されたNB雑音をチェックし、既存のNB雑音を更新し、新しいNB雑音にフラグを立てる。ステップ814では、検出されたWB雑音をチェックし、既存のWB雑音を更新し、出現するWB雑音と消滅するWB雑音とに関連する新しいNB雑音を除去し、新しいWB雑音のシグネチャを作成する。ステップ816では、消えたNB雑音をチェックする。ステップ816では、消えたWB雑音をチェックする。ステップ820では、新しいNB雑音のシグネチャを作成する。
ブロック410によって実行されるスレッド4(すなわち、雑音シグネチャエスティメータ)処理の諸態様が、これから説明される。スレッド1およびスレッド2で生成された情報は、スレッド3で収集されたデータと一緒に、スレッド4で、識別された雑音のシグネチャを推定するのに活用される。エスティメータは、以下のタスクを実行する。
まず、下位スレッドからの入力に基づいて、エスティメータは、各個々の雑音の基本的な特徴を取り込むか再取込し、この特徴は、雑音電力変動を追跡するための各雑音のライフスパン内の最大/最小/平均雑音PSDと、間欠的雑音または徐々に変化する雑音のオン/オフ雑音PSDと、徐々に変化する雑音の徐々に変化するレートと、雑音の一意性の特性を表すのに使用され得る雑音周波数範囲、ピーク位置、ピークPSD、平均PSDなどとを含む。
上の雑音シグネチャが識別された後に、エスティメータは、集計された雑音PSDから雑音コンポーネントのうちのいくつかを除去し、または背景雑音を導出することすら可能にする。たとえば、自己Fext支配環境では、本発明の諸実施形態は、ERBデータが使用可能である場合に、Fextなしの回線雑音を入手することができる。雑音推定分離を達成することは、本発明が、各個々の雑音の容量影響を推定することをも可能にする。より具体的には、各雑音に関連する容量損失を計算し、したがって、システムのシャノン容量を推定することが可能である。各雑音に関連する容量損失は、たとえば、次のように計算され得る。
ここで、f0およびf1は、帯域の開始トーンと終了トーンとに対応し、基準は、検出に使用される背景雑音基準から入手され、fsubは、現在の実施態様では8と等しく、4は、4kHzシンボルレートを表し、最後に、この計算では3dB毎ビットが仮定される。
次に、エスティメータは、各雑音に関連する安定性メトリックを導出する。このメトリックは、カウンタ(CRCとFECとSESと)の統計と、おそらくはBS関連情報とを含む。さらに、CRC限界が、DSPから入手された実際の値との比較のために、SNRから導出され得る。
上で述べたタスクに加えて、雑音シグネチャエスティメータは、検出された雑音のタイプを判定する。雑音タイプは、その帯域幅と、永続性(または連続性)と、他の特徴とに関する。狭帯域雑音について、永久的雑音についてAM無線とコモンモード(CM)狭帯域干渉(NBI)との間で、間欠的雑音についてハム無線とCM NBIとの間で、徐々に変化する雑音についてCM NBIと他の雑音カテゴリとの間で、弁別することが必要である。
広帯域雑音について、同様の技法が、永久的雑音について自己Fextと異種DSLとCM広帯域干渉(WBI)との間で、間欠的雑音についてDSLサービスとCM WBIとの間で、徐々に変化する雑音についてCM WBIと他の雑音カテゴリとの間で、弁別するために必要である。
雑音タイプの判定が、非常に複雑になり得ることは明白である。しかし、いくつかの通常の雑音の特性を活用することが、有用なヒントを提供し、したがって、特定の雑音源タイプ識別において有効である。たとえば、CM NBIは、一般に、接近して配置されたピークのパケットに関連し、AM周波数およびハム周波数は、米国アマチュア無線放送連盟(ARRL)によって定義される無線帯内になくてはならない。
諸実施形態では、データロギングブロック412は、15分レポートを生成し、これをCO(すなわち、クラウド)に送る。ロギングが始まる前に、ブロック412は、正しい雑音クラスがレポート内に出現することを保証するために、雑音の永続性に基づいて雑音を分類する。雑音が永久的であることの判定は、雑音が常時15分ウィンドウ内に存在するかどうかに基づく。データ報告の後に、すべてのカウンタが、次のレコードウィンドウの準備をするためにリセットされる。すべての雑音について、そのクラスまたはタイプに関わりなく、次の情報、雑音クラス(永久的、間欠的、または徐々に変化)と、雑音タイプ(AM、ハム、CM、Fextなど)と、現在の状況(アクティブまたは休眠)と、周波数帯(NBまたはWB)と、周波数範囲と、NBについてピーク周波数およびピーク雑音PSD、WBについて平均雑音PSDと、ヒットおよび毎分ヒットと、持続時間および毎分持続時間と、この雑音に起因する容量損失と、CRC、FEC、およびSESのカウンタ値に関する安定性影響と、マージン削減(全体的なマージン、帯域あたりのマージン、または雑音帯域あたりのBWマージン削減)に関する安定性影響と、雑音のライフスパンにわたる最大雑音PSD、最小雑音PSD、および平均雑音PSDと、がクラウドに送られる。
さらに、いくつかの雑音固有特徴、たとえば徐々に変化する雑音の徐々の変化のレートが、レポート内に記録される。
INAE404の詳細な機能ブロック
上で、本発明の諸実施形態によるインパルス雑音分析エンジン(LNAE)404によって実行される処理を説明したので、INAEの機能ブロックが、これから、より詳細に説明される。図4に示されているように、これらのブロックは、データ収集414と、データ分析416と、データロギング418とを含む。
諸実施形態では、ブロック414によるスレッド1処理に送られる唯一のデータは、INM標準パラメータ(INMEQおよびINMIAT、INMAME、Offset、Step、…)ならびにCRC/FECカウンタである。ITU G993.2 Amendment 2により、これらは、次のように説明される。
INMAME:観察ウィンドウ内のDMTシンボル数カウンタ。
[INMAINPEQ0…INMAINPEQ16] 観察ウィンドウ内で観察されたIN持続時間の個数(DMTシンボル内)を要約する、17個の値の配列。値の範囲は、[0:16]であり、16は、INが16DMTシンボルより長いことを意味する。
到着間間隔(IAT):インパルスクラスタの始めから次のクラスタの始めまでのデータシンボルの個数として生成される。同期シンボルが、2つのインパルスクラスタの間で発生する場合に、それらの同期シンボルは、IATでカウントされてはならない。異常が、到着間間隔の複数の範囲について生成される。これらの異常のカウンタは、IATヒストグラムを表す。INM標準化されたパラメータのヒストグラムに対する代替のプリミティブも、インパルス検出のすべての秒にスレッド1による消費のためにスレッド0によって生成され得る。そのような代替のプリミティブの例は、サイズ4000のビット配列またはバイト配列であり、この配列の各ビットまたは各バイトは、1つまたは複数のインパルスが、1つの単一の秒インターバル内にスキャンされる4000個のデータシンボルの各DMTシンボル上で検出されたか否かを表す。
主要なデータ処理は、INMプロセス機能が呼び出される前にはブロック414によって実行されない。それでも、データをそのままで送るのではなく、プロセスが1秒あたりのウィンドウを介して行われる時に、各データの1秒あたりのデルタが、ブロック414によって計算され、入手されたデータが、スレッド1と前方とへ渡される。
ブロック416によって実行されるスレッド1(すなわち、検出)処理が、これから説明される。
スレッド1は、秒のスケールでINMEQから検出された雑音の個数、ならびに、雑音ごとに基本的な特性すなわち、クラス(すなわち、REIN、PEIN、SHINE、FAなど)と、周期的である場合に、推定された周波数および観察のウィンドウのスケールでの長さと、非周期的である場合に、持続時間とを提供する。
次のようにインパルスの性質を判定する、1つの検出アルゴリズムが、スレッド1で実施される。図9は、INMIAEQヒストグラム(INMプロセスのスレッド1)からインパルス雑音を検出する例のアルゴリズムを示す流れ図である。線形手法が選択された。ステップ906では、各ビンが、連続的に読み取られる(変数k)。ビンが、0と等しくない場合には、連続シンボルカウンタの数を増やし、ビン値を保存し、次のビンに移る。0の値が見つかる場合には、ステップ902で、連続するシンボルカウンタの数をチェックする。後者が0と等しくない場合には、n個のインパルスまたは複数のインパルスが存在する。連続するシンボルカウンタの数の値(1、2、3、4、または>4)に基づいて、特定のプロセスが、ステップ904で準備を整えられる。たとえば、連続するシンボルカウンタの数が1と等しい場合には、1つのインパルスだけが存在し、インパルスの長さは、非ゼロビンの保存された値である。
ブロック416によって実行されるスレッド2(すなわち、永続性)処理が、これから説明される。
諸実施形態では、ブロック416によるスレッド2処理は、INMシグネチャデータベースを管理することを含む。インパルス雑音データベースは、リンクリスト構造に基づく。図10aは、本発明の諸実施形態による例の手法を説明する。
スレッド1で検出された雑音は、1つずつ処理される。ディテクタ出力に基づいて、スレッド2アルゴリズムは、雑音が既にデータベースに存在するかどうかをチェックする。このプロセスの目的は、雑音の最初の発生時にデータベース内に新しい雑音シグネチャを作成し、または、雑音シグネチャが既に存在する場合にこれを更新することである。処理1002に示されているように、新しい雑音が検出されるたびに、構造が、リンクリストデータベースに追加され、デフォルトで、間欠的雑音(クラス)である。雑音が既に存在する(永久的の間欠的)時には、異なるフィールドが、それ相応に更新される。
アクティブフラグが、雑音構造ごとに使用される。雑音は、現在のウィンドウ内で検出される時に、アクティブと宣言される。したがって、雑音は、検出されない場合にはインアクティブである。データベースに含まれる雑音は、アクティブまたはインアクティブになることができる。これは、時間のどの瞬間にも、そのアクティブフラグ雑音オンを有する雑音が、現在検出されている雑音であることを意味する。雑音が再出現する時に、雑音構造は、0と等しいアクティブフラグ(インアクティブ状況)を有してデータベース内に既に存在する。その雑音は現在検出されているので、アクティブフラグは、0から1に変更される。
図10aおよび図10bのステップ1004および1006に示された追加処理は、データベースが正しい情報を用いて更新されることを保証するために実行される。
雑音がアクティブである時に、本発明の諸実施形態は、Nb_HitsとDurationとならびにPerMinHits/perMinDurationを更新する。REINの長さおよび周波数も、1秒より長いスケールで調整され得る。
REIN雑音の特定のケースについて、雑音が、必ず1秒ウィンドウの中央に出現するので、INMEQに基づく最初の検出は、正確なREINの長さと周波数とを提供しない。そのゆえに、不正確なパラメータを有する雑音構造が、雑音存在の最初の秒の間にデータベース内に作成される。後続の1秒ウィンドウ中に、ディテクタは、以前の記録されたデータと一致しない正確なパラメータを提供する。したがって、1秒雑音(今回は正確)が、データベース内で作成され、アクティブであるが、以前の雑音は、それ以上検出されない(不正確なパラメータのゆえに)ので、状況をアクティブからインアクティブに変化させる。この特定の文脈では、不正確な雑音が、データベースから除去され、正確な雑音のパラメータが、それ相応に調整される。
雑音が消える時に、同一の問題に出会う。上のケースと同様に、新しいが不正確な雑音が、データベース内に作成され得る。前と同様に、雑音が消え、新しい不正確な雑音が作成される時に、我々は、新しい雑音をデータベースに保存するのではなく、消える雑音のパラメータをそれ相応に再調整する。
データベースに関する雑音の出現と消えることとの副作用を解決し、複数のREIN雑音が存在する時に所与のインパルス雑音をデータベースからの別の雑音に誤って照合する可能性を解決するために、1秒あたりのINシグネチャ追跡状態機械が、所定の位置に配置される。例示的な例として、2つのREIN雑音が、同時に存在し、類似する長さ(1つのDMTシンボルと3つのDMTシンボルとなど)を有する時に、インパルス雑音ディテクタは、時々、短い時間の期間(1秒または2秒)の間の2つではなく1つの雑音だけを調べることができる。INMEQヒストグラムは、それ相応に投入され、スレッド1ディテクタは、2つではなく1つの雑音が存在すると宣言するのみである。ブロック416による永続性処理は、消える時に2つの雑音が現在存在すると宣言し、出現する時に新しい雑音インスタンスを作成する。雑音の出現/消えることに関するこれらのタイプのパターンは、複数の雑音が存在する時に予測可能であり、この問題は、永続性モジュールが、どの雑音が出現し、どの雑音が消滅するのかを宣言するためにより長い時間スケールを調べる時に、簡単に訂正され得る。
したがって、ステップ1006で、1秒あたりの状態機械は、定位置に配置され、雑音シグネチャが図10bで説明されるように更新された後に、毎秒走行する。この状態機械の目的は、出現する(App)雑音が、正当に出現しつつあり、消える雑音として誤って検出された他の消える(Van)雑音の結果ではないことを保証することである。消える雑音が、新しい雑音が出現する時に同時に出現する時には必ず、状態機械は、データベースの一貫性ことをチェックし、出現する雑音または消える雑音のシグネチャをそれ相応に更新する。1つの雑音が出現し、2つの他の雑音が消える場合に、このプロセスは、誤検出が発生しなかったかどうかと、新しい雑音が、2つの消える雑音の連結に過ぎないこととをチェックする。そのために、2つの消える雑音の周波数が、加算され、新しい雑音の周波数と比較される。等しい(または非常に近い)場合に、このアルゴリズムは、2つの消える雑音をアクティブとして再確立することによってそれらの連結を訂正し、それ相応におよび新しい雑音シグネチャインスタンスをデータベースから除去することによって、それらを更新する。同様のプロセスが、新しい雑音が出現し、別の雑音が消える時に行われる。このアルゴリズムは、消える周波数雑音と新しい雑音からの周波数とを相互チェックすることによって、新しい雑音が消える雑音を含まないことをチェックする。そうである場合には、このアルゴリズムは、アクティブとして消える雑音を再確立し、新しいアクティブ雑音をそれ相応に更新する。
スレッド2の状態機械の拡張が、非同期に発生する雑音の、複数の秒ウィンドウにまたがるSingle Electrical Impulse Noise(SEIN)としての分類である。本発明人は、特定のエンティティとして雑音シグネチャデータベース内のSEIN雑音を考慮に入れないことの問題を認識する。スレッド1から来るすべての雑音は、REIN雑音として分類され、1秒のスケールで推定されたその周波数と長さとによって特性を表される。したがって、SEIN雑音が出現する時に、そのSEIN雑音は、1秒の間のみ存在するREINとしてデータベース内に存在する(Hits=1、Duration=1)。したがって、ブロック416の諸実施形態は、すべての1秒REIN雑音を、そこからSEINヒストグラムが構成されるSEINと指名される1つのIN雑音シグネチャに連結する。このヒストグラムは、SEIN DMTシンボル長に関係するx軸と、観察ウィンドウのスケールでのSEINのヒット数に関係するy軸とによって定義される。
事実上、SEIN雑音シグネチャは、10秒おき(現在のデフォルト値)に更新される。10秒おきに、データベースが、通読され、その間に、1秒のみのすべての消えたREIN雑音(Hits=1、Duration=1)が、その長さと周波数とに基づいてSEINヒストグラムに追加され、その後、1秒のみの消えたREIN雑音は、データベースから削除される。
ブロック416の実施形態によって実行されるスレッド3〜4(すなわち、IATおよびカウンタ)処理が、これから説明される。
IAT(到着間間隔)処理の1つの目的は、インパルスの2つのクラスタの間で到着時刻を推定できることである。到着間間隔アルゴリズムは、2つのインパルスクラスタの間の到着間時間を判定することと、クラスタ長を判定することとからなる。INMステップとINMオフセット標準パラメータに基づいてこの判定を行う再帰アルゴリズムの一例が、図11に示されている。
システムカウンタは、すべての秒に、スレッド3〜4処理から使用可能である。雑音が出現する(間欠的としてフラグを立てられる)時に、10秒平均ウィンドウが、雑音の出現中に観察される1秒あたりのCRC/FECカウントを推定する。10秒ウィンドウ中に、累積された値は、雑音出現に関連する「システムCRC/FEC」として雑音シグネチャに保存される。10秒後に、平均値が、計算され、「システムCRC/FEC」として雑音シグネチャに保存される。それらは、その後には更新されず、雑音のシグネチャと到着時の影響との一部になる。カウンタ収集のためのこの10秒ウィンドウが提案されるのは、ほとんどの間欠的雑音の到着について、モデムは、10秒後にリトレインする(リトレイン判断基準により)か、あるいは、モデムがリトレインせず、もはやリトレイン事象のトリガにつながったはずの連続的エラー(SES)などを生じなくなるように、そのオンライン構成を調整し終えている(SRA/SOSまたはビットスワップを介して)かのいずれかになることが期待されるからである。雑音が消える時に、システムカウンタは、雑音レコードに関連付けられ、雑音の次の出現のためにクリアされる。雑音構成記述の規約では、システムカウンタは、回線の安定性に対するこの雑音の影響の特性表現に使用され得るサブパラメータを表す。代替案では、雑音の存在に関連する「SES/ES/CRC/FEC」のカウンタは、雑音出現に続く最初の10秒ウィンドウだけではなく、雑音の存在の持続時間全体の間に収集され得る。雑音の持続時間にわたるこの連続的なカウンタ収集は、雑音の到着時と、観察ウィンドウの持続時間全体にわたるその存在の全体での、雑音の存在に起因するありそうなカウンタ増加の関連付けを可能にする。
ブロック418の実施形態によるスレッド5(すなわち、ロギング)処理が、これから説明される。
諸実施形態では、ロギング出力レコードは、上で提示された表に従って実施される。スレッド4から入手されたシグネチャ抽出に基づいて、15分ウィンドウあたりのデータログが、抽出される。ブロック418は、いくつかの間欠的雑音が同一の性質を有するかどうかを、それらのシグネチャに基づいて判定する。そうである場合には、特定の同一の雑音の発生の回数が、増分される。その結果、ログデータは、同一の雑音に関する重複した情報を担持してはならない。単一の雑音源によって所与のパターンに従って作成されたデータベース内の複数の独立の雑音をリンクし、これを合成雑音として報告するのも、スレッド5である。そのような合成雑音源のそのような形容の例は、その送信中に短いバーストと長いバーストとのさまざまなシグネチャを作成することによって現れるHPAVの形容である。そのようなバーストおよび間欠的雑音の出現のスペクトル的、持続時間、および経時的シーケンスは、合成雑音を構成する要素雑音のシグネチャの電力線通信システムの合成雑音に似るゆえに、雑音が単一の合成雑音源として分類されることを可能にする。
CPEにまたがる実際の雑音源の識別および相関とCPEごとの経時的な相関とのための雑音分析レコードとシグネチャとの使用
諸実施形態では、エンジン402などの雑音分析エンジンを用いる雑音の検出および分析は、実際の雑音源識別に向かう中間ステップである。エンジン402によって作られる15分出力レコードは、DSL回線上の雑音事象の後にCPEによって検出される雑音のさまざまなカテゴリを分類するためのすべての必要な情報を含む。雑音事象は、個々のCPEのエンジン402によって追跡できるDSL回線に影響する雑音源の存在と、離脱と、出現と、徐々の変化として定義される。雑音のクラス、その主シグネチャ情報、および副シグネチャ情報は、15分レコード内で符号化された雑音の存在の時間情報(持続時間、ヒット数)と一緒に、クラウドベースのエキスパートシステムがオペレータのDSLネットワーク内で実際の雑音源の特性を表すことを可能にする。
図12は、本発明のこれらの追加の態様による例のシステムアーキテクチャを示す。図示されているように、このアーキテクチャは、本発明の雑音分析エンジン402と共に適合されたSmartCPE1202を含む。これらの診断コンポーネントは、CPEの設置中と動作中とに使用される。下でより詳細に説明される追加のコンポーネントは、CPEに影響する配線と雑音との障害を分析するために、CPE上とCOのクラウドソフトウェア1204上とで実行し、結果をクラウドに格納する。この情報は、オペレータのOSS、NMS、およびCRMシステム1206から使用可能にされる。
図12に示されたアーキテクチャは、Single Ended Line Testing(SELT)UER、Dual Ended Line Testing(DELT)、Impulse Noise Monitoring(INM)などのさまざまな標準DSLパラメータおよびプロプライエタリDSLパラメータと、ShowLN、ShowHLOGなどのプロプライエタリPHYパラメータとを毎秒収集する、上で説明されたものなどのデータ収集エンジンを含む。その後、このデータは、CPE自体での配線障害と雑音障害とについて分析され、分析の結果は、クラウドに転送される。これらの結果は、クラウドでの追加分析の結果と一緒に、Representational State Transfer(REST)APIを介してオペレータのOSS/NMSに提供される。
図13は、OSS(Operation Suport System)またはNMS(Network Management System)との相互作用とインターフェースとをさらに示す。SmartCPEクラウドソフトウェア1204は、1つまたは複数のCPEの時間にまたがるデータを格納し、分析する。各CPE1302(上で説明されたものなどの雑音分析エンジンを備える)は、階層データベースに格納されるタイムスタンプ付きの15分レコードをクラウドに転送する。クラウドソフトウェアは、ヒストリカルデータがオンデマンドで格納され、取り出され、表示されることを可能にする。クラウドソフトウェアは、時間と顧客とにまたがる情報を単純化し、管理するためのインテリジェンスとツールとを有する。情報は、再帰する問題を識別し、複数の顧客に影響する問題を相関させるために、REST(Representational State transfer)/XML(eXtensible Markup Language)ベースのインターフェースを介してオペレータのOSS/ACS(Auto−Configuration Server)/NMSと共有され得る。1つのそのようなツールが、各CPEによって提供される雑音レコードのヒストリカルデータを顧客の実際の機器に対応する雑音のありそうな源に関連付ける能力を与える。
15分出力レコードがクラウドに提供された状態で、雑音ファインダは、分析を実行し、上でより詳細に説明されたものなどの3つの次元に従って雑音環境を記述することと、各雑音を分類することによって、「雑音環境メイクアップ(noise environment make up)」(「ループトポロジメイクアップ(loop topology make up)」に類似する)を提供する。
分類次元を超えて、各SmartCPE1302は、15分出力レコード内で、雑音の構造とDSL回線に対するその影響とに基づく、雑音ごとのシグネチャを提供する。このシグネチャは、強力なデータ分析を提供するのに使用され得る。たとえば、このシグネチャは、DSL回線を乱す、トレッドミルのDCモータのパルス幅変調速度コントローラの周波数など、雑音源の特定の出所(雑音シグネチャデータベース内で維持される)を識別するのに使用され得る。このシグネチャは、矯正のためにありそうな源を分離するのを助けるために特定の雑音の再出現を確認するのにも使用され得る。最後に、SmartCPEクラウドは、複数の住戸にまたがって雑音を生じるトレッドミルなど、複数の顧客に影響しつつある雑音シグネチャを判定するのに使用される。
オペレータが、特定の機器と顧客器具とに関する現場の問題の再出現を経験する時に、問題のある雑音源のデータベースは、豊かにされ得る。これは、オペレータが、彼らのネットワーク内の支配的な雑音源をより効率的に識別し、新しい既知の妨害の広まった影響を予想することを可能にする。
上で説明されたものなどの雑音分析エンジンによって実行されるSmartCPE雑音モニタは、動作している間に、DSL回線を連続的に監視する。その主目的は、間欠的雑音源の出現と消滅とをログ記録し、それらの出現の時刻を正確に検出し、それらが顧客のDSL回線の安定性に対して有する可能な影響を定量化すると同時に、永久的雑音源に対する変化を監視することである。雑音モニタリトレインレポートに取り込まれるリトレイン事象に関連するタイムスタンプ、ならびに各雑音の出現に関連する1分あたりヒットおよび持続時間カウンタ情報が、雑音事象の発生を経時的に追跡するのに使用される。この情報は、SmartCPEクラウドソフトウェア1204によって格納もされ、その結果、オペレータは、情報を再検討し、そのような雑音が発生する時に関するパターンを識別することができるようになる。
雑音の存在とDSL回線に対するその影響とを動的に診断することに加えて、SmartCPE雑音モニタは、雑音のタイプを判定し、その特性に関する詳細を提供し、顧客のサービスプロファイルに対する変更を提案する。サービスプロファイルは、INP、遅延、マージン、およびトーンブラックアウトなどのパラメータを含む。
クラウドSmartCPEソフトウェア1204では、複数のプロセスが、オペレータが実際の雑音源を識別し、CPEにまたがる雑音源相関を実行することを可能にするために実施される。
ソフトウェア1204によって実行される第1のプロセスは、図20に関連してこれから説明されるように、実際の雑音源の識別である。
第1のステップ2002では、問題のある雑音源であることがオペレータに知られている、ある機器と顧客器具とに固有の実際の雑音源の基準データベースが、まず作成される。データベースは、CPEに搭載された雑音モニタモジュールによって投入される雑音データベースと全く同じ形で編成され、同一の雑音クラスタイプを有し、主シグネチャフィールドと副シグネチャフィールドとを投入される。
一例として、公表された情報に基づいて、NB干渉源のリストが、データベースに以下の情報を事前に投入するのに使用される。たとえば、この情報は、任意の特定の地理的区域の、AM無線周波数と、より対線上でDMモードで受信された関連する電力と、アクティビティとのリストを含むことができる。この情報は、さらに、任意の特定の地理的区域内でより対線上でDMモードで受信される期待される電力を有する、アマチュア無線と予約された政府通信システムとに関連する所与の周波数のリストを伴う、ハム無線送信のリストを含むことができる。この情報は、さらに、高いレート(たとえば、200KHz)と閉じこめられたスペクトル(confined spectrum)とを有する非同期周期的スイッチングデバイスを有する機器のリストを含むことができる。
同様に、EMI規制に準拠せず、DSL回線に影響する可能性がある既知の機器の特性表現に基づいて、既知の広帯域妨害源のシグネチャが、データベースに含まれ得る。例は、DSL回線に対する広帯域の影響を有すると期待される、トレッドミルなどの家庭機器を含む。より対線に対して期待される通常のPSDレベル(およびその周波数範囲)と一緒にトレッドミルのDCモータのパルス幅変調速度コントローラに関連する15マイクロ個のパルスの16kHzでの基礎になる反復パルストレインなど、PSDの副特性が、雑音データベースに投入される。もう1つの例は、特定のFEXT PSDレベルとNEXT PSDレベル(およびその周波数帯)を伴う、既知の異種DSLサービス(非自己FEXT)のシグネチャである。もう1つの例は、その影響を受けるDSLシステムによって経験される、送信PSDとその持続時間の通常の特性を有する、HP−AVなどの既知の電力線通信システムのシグネチャである。もう1つの例は、特定のPSD特性と、パルスの特性すなわちガウシアンまたは決定論的を有する基礎になる反復パルストレインなどの副シグネチャとを有する、フラットLCDモニタなどのTV機器のリストである。
最後に、インパルスを作成する機器の既知の源が、それらが生成するインパルスの特性と共にデータベースに含まれる。例は、ある持続時間の同期(100Hz/120Hz)REINを作成する、欠陥のあるモデム電源ユニットを含む。もう1つの例は、バースト性を有する非周期的インパルス性雑音を作ることが知られている家庭環境内の機器タイプである。そのような機器の挙動は、それらが作成するインパルスの長さと、そのPSDのレベルと、smartCPE雑音モニタによってインパルス性雑音の分類の一部として実施されるクラスに対応するクラス内で表されるインパルスの構造(プラグの挿抜、サーモスタットのオン/オフ、モータのオン/オフ…など)とによって特性を表される。
データベースを完成させるために、基準データベース内の雑音のそれぞれは、あるタイミング情報に関連付けられ、このタイミング情報は、その間に機器の1つが使用される通常の持続時間と、それがオンおよびオフにどれほどしばしば切り替えられるのかと、それがどの時刻であるのかとの特性を表す。例は、トレッドミルが、通常は10分から30分まで続く持続時間の間に、より確かには午前7時から8時までと午後5時から6時までとの時刻にオンになる可能性がある、庭の照明が、夕方にオンにされ、夜に向かって4時間から5時間の間オンにされる、TVセットが、主に夕方の午後6時の後に、30分から3時間までの通常の持続時間の間オンにされる、である。
初期基準データベースが構成された後に、smartCPE雑音モニタによって提供された雑音出力レコードに対する実際の雑音源の一致の検索が、行われ得る。照合のプロセスは、次の次元に沿って行われる。クラス一致、主シグネチャ一致、および副シグネチャ一致を含む個々の雑音特性と、時間的特性(すなわち、1分ウィンドウ、15分ウィンドウ、または24時間ウィンドウの過程にわたるヒット数と持続時間と)と、発生の時刻(すなわち、1日のどの時刻か)と。
ステップ2004では、主シグネチャ照合と副シグネチャ照合とを伴うクラス照合が、smartCPE雑音分析エンジンのスレッド2での出現する雑音を既存のアクティブ雑音またはインアクティブ雑音と照合するプロセスに似た形でクラウド内で行われる。データベース内の異なる雑音の間で区別するのに使用される、各雑音クラス(NB、WB、インパルス性、…)に関連するディスクリミネータに基づいて、ファジイ論理に基づく比較プロセスが、報告された15分出力レポート内の雑音とオペレータ候補基準データベースとのありそうな一致を見つけるために、開発される。このプロセスの出力は、雑音ディスクリミネータに対して使用されるしきい値および信頼度の範囲などのファジイ論理パラメータを与えられて、データベースからの基準雑音源が、CPEによって報告された雑音に対する候補一致である可能性があるかどうかを示す。
クラス、サブクラス、または機器の1つが分離された後に、ステップ2006では、乱す機器の時間的特性と1分レコードおよび15分レコードからの観察された雑音の時間的特性とに基づいて、照合プロセスが行われる。この論理は、smartCPE出力レコード内で報告された持続時間とヒット数と持続時間とを、候補機器の基準データベース内にログ記録された持続時間の範囲およびヒットと照合することを試みる。このプロセスの出力は、候補妨害源が観察された雑音事象の実際の源である可能性があることの確認または否を提供する。
最後に、ステップ2008では、特定のCPEについてログ記録されたヒストリカル雑音データにまたがる検索が、特定の雑音の発生レートを判定するために実行され、最終的な照合プロセスが、雑音の発生が、データベースに取り込まれた機器の期待される使用(たとえば、何時にどれほど長くオンにされると期待されるか)と一致する可能性が高いかどうかを判定する。
全体的な照合プロセスは、主に、smartCPE雑音分析エンジンから15分ごとに収集されたSmartCPE出力データレコードのフィールドと要素との使用における、DSL下線に影響する可能性のある機器の1つを識別することと完全に一致する。これらのレコードを既知の機器の同様に投入されたデータベースに対して照合することによって、問題が、より分離され得る。オペレータが、特定の機器と顧客器具とに関する現場の問題の再出現を経験する時に、問題のある雑音源のデータベースが、豊かにされ得る。これは、オペレータが、彼らのネットワーク内の支配的な雑音源をより効率的に識別し、新しい既知の妨害の広まった影響を予想することを可能にする。
外部事象に対する雑音発生のさらなる相関は、smarCPE雑音モジュールによってその15分レコード内で報告されるシグネチャの徐々の変化を環境条件または人間の行う挙動などの外部情報と照合することによっても判定され得、そのような相関の例は、電離圏の日中の伝送特性変化または伝送特性のそのような変化に応答する夜間中に発生するAM送信器のスケジューリングされた増やされた電力レベルに起因する、smartCPEモジュールによってその15分レコード内で報告される永久的RFI NB妨害源の知覚される電力の徐々の変化である。smartCPE15分レコードの徐々の変化の、そのような傾向とのクラウド内での相関は、オペレータが、1つのCPEに関連する雑音環境の徐々の変化の原因を識別し、確認することを可能にする。
本発明の諸実施形態によるクラウドソフトウェア1204の諸実施形態によって実行されるもう1つのプロセスは、CPEにまたがる相互相関を含む。
CPEにまたがって可視の雑音を照合するプロセスは、ありそうな源へのあるCPEの観察された雑音の前の照合プロセスの拡張である。これは、次の次元すなわち、クラス照合と主シグネチャ照合と副シグネチャ照合とを含む個々の雑音特性と、時間的特性(すなわち、1分ウィンドウ、15分ウィンドウ、または24時間ウィンドウの過程にわたるヒット数と持続時間と)と、発生の時刻とに沿っても行われる。
いくつかの雑音源が、その主シグネチャのうちの1つによってよく特性を表されるので、クラウドSW内のCPEにまたがる照合プロセスは、smartCPE雑音分析エンジンのスレッド2で、出現する雑音を既存のアクティブ雑音またはインアクティブ雑音と照合するプロセスに似た形に基づく。データベース内の異なる雑音の間で区別するのに使用される各雑音クラス(NB、WB、インパルス性、…)に関連するディスクリミネータに基づいて、しきい値とファジイ論理とに基づく比較プロセスが、複数のCPEによって報告される対応する15分出力レコード内の雑音のありそうな一致を見つけるために開発される。そのような雑音の例は、よく定義された既知に周波数での強いAM雑音局であり、強いAM雑音は、同一のケーブルバンドルを共有する複数のCPEで感知される可能性が高い。複数のCPEにまたがるその周波数での永久的NB雑音の存在の照合は、雑音源の共通性の証拠を提供する。広帯域妨害源に関するものなどの他の状況では、雑音が各CPEに影響する周波数範囲での照合プロセスが、CPEごとに異なる可能性があるケーブルアンバランスに起因して同一ケーブル内で異なる可能性があるので、照合プロセスは、基礎になる反復パルストレインのよく定義された特性などの副雑音特性にまたがって行われる。一例として、16kHz反復インパルストレインがすべての影響されるCPEの雑音レコードについて雑音の本来の特性として報告されるが、この雑音15分出力データレコードのPSDフィールドで可視のその影響が、CPEごとに異なる可能性があるので、トレッドミルによって引き起こされる広帯域雑音の存在をCPEにまたがって相関させることは、関連する15分出力データレコード内のこの雑音の副シグネチャに対して実行される。この相違を除けば、比較プロセスは、それでもしきい値とファジイ論理とに基づき、複数のCPEによって報告される対応する15分出力レコード内の雑音のありそうな一致を見つけるために開発される。
各CPEに関連する15分レコードに基づく、クラウド内でCPEにまたがって照合するプロセスの重要で強力な態様は、雑音事象が各CPEによって取り込まれる時の雑音事象の時間整合性に存する。複数のCPEに影響する1つの雑音事象は、各CPEによってクラウドに提供されるレコードの一部であるすべて現在の1分カウンタと15分カウンタとに同時に記録される。事象の発生の時刻の整合性は、すべてのCPEの1分レコードと15分レコードとからの観察された雑音ごとの時間的特性に対して行われる照合プロセスである。この論理は、各雑音と1つのCPEとに関するsmartCPE出力コード内で報告される持続時間とヒット数とを、それに対する相関が実行されるすべての他のCPEの雑音ごとのsmartCPE出力レコード内で報告されるヒット数と持続時間とに照合することを試みる。このプロセスの出力は、複数のCPEが観察された同一の雑音事象を見ることの確認または否を提供する。このプロセスの出力は、ありそうな配列されたCPEのセットが、同一の雑音源によって影響されまたはコモンループアンバランスに悩むことを確認することをも可能にする。
複数のCPEの照合論理は、すべてのCPEの1分レコードと15分レコードとからの各観察された雑音の時間的特性を使用して行われるが、絶対時間基準に対する照合も、CPEにまたがって発生し、絶対時刻に発生することが既知の雑音事象に関して行われ得る。実際に、各15分雑音レポートは、15分雑音レコードがあるCPEについて任意の時刻内の15分持続時間のどれをカバーするのかを示す所与のタイムスタンプに関連する。複数のCPEにまたがって15分レコードを相関させる時に、各CPE15分レコードに関連するタイムスタンプ情報内のオフセットは、1分カウンタをより正確に整列させ、これによって、1分の精度で任意のCPE上の雑音事象の発生をより正確に判定するのに使用される。回線リトレインにつながる雑音事象などのいくつかの事象について、すべての影響される回線がリトレインする時の正確な瞬間に作成される雑音レコードのタイムスタンピングは、雑音出現の同一の源に起因するリトレイン事象を2〜3秒の精度で相関させることを可能にする。この結果が、図14に示されており、図14では、タイムスタンプは、同一の雑音源によって影響される3つのCPE上のリトレイン事象に関連する雑音モニタレポートにおいて導出される。各CPEの15分レコードの1分カウンタの整列と、CPEにまたがる雑音事象のまたは絶対時刻を決められた事象に対する判定との例のプロセスが、図21に示されている。
CPEにまたがる雑音事象の相関のすべての場合に、このプロセスは、雑音特性の情報の可用性と、15分雑音レコードを用いて提供されるそのタイミング情報とに起因して、可能にされる。レコードの絶対時刻を導出するプロセスは、下で詳細に説明され、その基本原理は、ある既知の時点からの相対オフセットを計算することである。既知の時点は、CPEがレポートを送信する(クラウドがそれを受信する)点である。相対時刻を利用してレポートの作成時刻とレポートの送信時刻との両方にタイムスタンプを付けることと、両方を送信することとによって、相対送信時刻および相対作成時刻は、クラウド内の時間のデルタの計算を可能にする。インターネットを介するタイムソースへの接続を介して既知の時刻を有するクラウド内の到着時に、サーバは、単純に現在時刻からデルタを減算し、レポート時刻を絶対時刻に変換する。
本発明の諸実施形態でsmartCPE1302および/またはソフトウェア1204によって実行される新しいプロセスは、単一のCPEの事象を時間にまたがって相関させることを含む。
単一のCPEの複数の15分レコードにまたがって可視の雑音を照合するプロセスは、上で説明された照合プロセスの拡張と考えられ得る。雑音分析エンジン(たとえば、エンジン402)内で実施され、CPE自体に組み込まれる照合プロセスも、企図されている。CPE内では、雑音のデータベースが、複数の15分レコードにまたがって維持され、このデータベースは、本発明の一実施形態では、通常は24時間期間にまたがる。24時間の終わりに、データベースは、リセットされ、あるいはその代わりに、24時間を超えてインアクティブである雑音が、最も最近に出現する雑音レコードを保存するためにデータベースから削除される。雑音が出現する時には必ず、組込み分析エンジンのスレッド2プロセスが、24時間データベースから既存のレコードに対する一致があるかどうかを判定し、一致がない場合には、新しい検出された雑音を用いてデータベースを増補する。組込み分析エンジンのスレッド5は、雑音の状況を永久的または間欠的に更新するために連続する15分レコードを比較し、クラウドに送られるその15分レコード内で、アクティブ雑音と、その現在の24時間データベースからのその雑音の一意識別子とを報告する。
所与の24時間ウィンドウ内で、クラウドSW1204照合プロセスは、15分レコードを介して雑音分析エンジン組込み雑音データベースから提供される雑音の一意識別子の正確な一致について24時間ウィンドウをスキャンすることによって、再帰する雑音事象のパターンを簡単に判定する。クラウドによって報告される2つの雑音事象の照合プロセスの精度は、このシナリオでは、CPEの組込み分析エンジンの照合プロセスと、CPE自体の上で走行するファジイ論理とに依存する。クラウドSW1204は、単純に、雑音識別子の正確な一致を検索する。代替実施形態では、クラウドSW1204は、次の次元すなわち、クラス照合と主シグネチャ照合と副シグネチャ照合とを含む個々の雑音特性と、時間的特性(すなわち、1分ウィンドウ、15分ウィンドウ、または24時間ウィンドウの過程にわたるヒット数と持続時間と)と、発生の時刻とにおいて、15分レコードの個々のエントリに対しても照合プロセスを実行する。
この代替照合処理は、クラウドSW1204が、CPE自体によって実行される雑音照合関連付けの変形形態を実行することを可能にする。これは、smartCPE雑音分析エンジンのスレッド2で、出現する雑音を既存のアクティブ雑音またはインアクティブ雑音と照合するプロセスに類似するが、smartCPE組込み分析エンジンによって使用されるものとは異なるしきい値とファジイ論理とのセットを用いて行われ得る。クラウドSW1204照合論理は、smartCPE組込み分析エンジンによって提供されるものの相補的な結果を提供し、クラウドに提供されるsmartCPE15分レコード内の複数の独立の雑音エントリを系統的に生成する合成雑音事象が発生する時に必ず、再帰するパターン照合プロセスで複数の雑音コンポーネントを関連付けることができる。また、クラウドSW1204照合プロセスは、日、週、または月によって分離され、組み込まれたものからの特定の再帰する雑音の雑音識別子が変化した、複数の15分雑音データレコードにまたがる一致をも検索する。最後に、15分レコードタイムスタンピングに関連するタイムスタンプとそれと共に提供される1分ヒットカウンタおよび持続時間カウンタとに基づいて、1分の精度でクラウドベースのSWによって再構成され得る雑音事象の発生の正確な絶対時刻は、雑音事象の雑音特性に関わりなく、その正確な発生の時刻だけに基づく雑音事象の照合を可能にする。これは、いくつかのシナリオで重要であり、異なる時刻に発生する同一の雑音事象は、smartCPE組込み分析エンジンによって、完全に2つの異なる雑音特性を有するものとして解釈され、したがって、対応する出現中にクラウドに提供される15分データレコード内で2つの完全に異なる雑音エンティティとして報告され得る。対応する2つの15分データレコードからのこの2つの明白な雑音エンティティは、事象が発生したのが絶対時刻(15分データレコードとその1分カウンタとに関連するタイムスタンプから再構成され得る)のおかげで1日または1週間内ではない場合に、クラウドヒストリデータベース内でおおまかにのみ照合され得る。そのようなシナリオの例は、環境条件に基づいて異なる度合でDSLリンクの安定性を劣化させる広帯域雑音を生成する、規則的な時刻のスプリンクラシステムの開始である。smartCPE組込み分析エンジンによる雑音識別プロセスは、お互いにおおまかに類似する2つの異なるまたはより多くの雑音レコードをもたらす可能性があるが、15分データレコードとその1分ヒットカウンタとに関連するタイムスタンプから再構成された正確なタイミング情報は、スプリンクラシステムの開始に対応する各雑音事象の絶対時間基準の導出を可能にする。数日、数週間、または数カ月にまたがる所与の時刻での観察の狭いウィンドウ内の任意の再帰する事象の検索は、smartCPE組込み分析エンジンデータベース内の完全に異なるエントリとして出現した元々は出現した雑音事象の肯定の照合結果を生じる。
この相違を除いて、上で説明された比較プロセスは、それでも、しきい値とファジイ論理とに基づき、各CPEによって報告される15分出力レコードにまたがる雑音のありそうな一致を見つけるために開発される。
CPE上のリアルタイム雑音データベースの管理と維持
CPE内で雑音をアーカイブするために、本発明の実施形態では、雑音シグネチャのデータベースが、CPE上で作成され、毎秒管理され、更新される。ある雑音の最初の発生中に、関連する雑音シグネチャ構造が作成される。実際には、各雑音シグネチャ構造は、独立の構造または、順序付きリンクリスト(ordered link list)、配列、もしくは任意の他のグループエンティティのアイテム部分とすることができる。各雑音シグネチャは、前にリストしたように、たとえば、雑音スペクトルの中心周波数、雑音のスペクトル帯域幅、雑音帯域幅にわたる集計雑音電力、ならびにインパルス雑音の場合に、時間領域パルス持続時間およびそれに関連する周波数など、雑音の特性を表す必須フィールドからなる。
各雑音シグネチャは、雑音の存在に起因する推定容量損失、雑音の存在に起因する関連するSES、ES、CRC、FEC、または任意の他のカウンタの増分、雑音の存在に起因するマージン劣化などのシステムパラメータに関連する。
各雑音シグネチャは、雑音のタイムスタンプ存在を関係付けるパラメータ構造すなわち、Hitsすなわち雑音出現の回数と、Per min Hits配列すなわち、1分あたりスロット上で分解された、雑音が出現する回数の配列と、Durationすなわち、雑音が存在する時間の個数と、Per min Duration配列すなわち、1分あたりスロット上で分解された、雑音が存在する時間の個数の配列とを用いて構成される。
雑音シグネチャは、Noise_IDすなわち、雑音が出現する時に雑音に関連付けられる一意ID識別子(このIDが、増分する形で関連付けられる場合に、このIDは、他の雑音と比較したこの特定の雑音の相対雑音出現をも表す)、Composite Noise ID(HPAVなどの妨害源が複数の雑音シグネチャを作成する時に、CPEは、検出の後にこの特定の雑音シグネチャが合成雑音に関連付けられることを意味する合成IDを雑音シグネチャのパッケージに関連付けることができる)などの異なるインデックスからもなる。したがって、同一の妨害源に関連付けられるすべての雑音シグネチャは、同一の合成雑音IDに帰せられるようになる。
組込みデータベース内での雑音シグネチャの作成の後に、このシグネチャは、現在の雑音検出に基づいて毎秒更新され、フィールドは、更新され、洗練される。このタスクは、スレッド2内で行われる。
しかし、データベースは、その全体を管理される必要もある。そのために、クロスシグネチャ処理が行われる。たとえば、15分おきに、データベースは、クラウドに送られるメッセージを生成するために読み取られる。あるいは、24時間おきに、データベースは、新しい24時間ウィンドウを開始するためにクリアされる。代替案では、24時間より古い雑音レコードが、データベースを最新に保つためにデータベースから削除される。定期的なインターバルに、雑音重複を避けるために、データベースは、完全に読み取られ、我々は、その基本パラメータ(周波数、電力、スペクトル、パルスレート、…)に基づいて重複したすべての雑音を検索する。雑音が重複している場合には、重複したインスタンスは消去され、残る1つが更新される。このプロセスは、クラウドレポートを生成する前の10秒おきまたは15分おきなど、経験的な時間持続時間の後に実行され得る。
インパルス雑音の場合に、1秒の雑音が出現するたびに、雑音シグネチャが作成される。すべてのこれらのSEINインパルスを集計されたヒストグラムに連結するために、データベースは、経験的持続時間(たとえば10秒)の後にも読み取られ、1回だけ発生するすべてのインパルス雑音が検索される。見つかる場合には、雑音シグネチャが、データベースから消去され、関連する雑音情報が、SEIN雑音シグネチャに投入される。同一のプロセスが、SHINE雑音カテゴリまたは短雑音カテゴリについて行われる。
データベースを介するクロス処理のもう1つの例は、合成雑音を照合するために行われる。異なる雑音シグネチャがたとえば同一のタイムスタンプを共有するかどうかを特定の時に検索することは、CPEがそれらの合成雑音IDをそれ相応に更新することを可能にする。
上で説明された処理の例のすべてが、正確な組込みリアルタイム雑音シグネチャデータベースを管理し、維持するために必要である。受信された15分ウィンドウ雑音データベースに基づいて、15分ウィンドウのスケールとしてまたは15分ウィンドウデータベースの間で雑音クロス処理を走行させることができる同様のプロセスが、クラウドに拡張され得る。上のプロセスのそれぞれが、そのままでクラウドに拡張され得る。
雑音モニタのためのL0プリミティブの導出
上で説明された実施形態では、雑音分析エンジンのスレッドの入力は、「L0プリミティブ」と呼ばれるものである。上で説明されるように、L0プリミティブは、DSLハードウェア(HW)トランシーバを制御し、DSLプロトコルスタックの物理媒体依存層(PMD:physical medium dependent layer)レベルとTransport Protocol Specific − Transmission Convergence(TPS−TC)レベルとでDSL接続の状況と品質とを監視する、基礎になるファームウェア(FW)によって作られるITU−T DSL標準化されたまたはプロプライエタリな品質メトリックスである。
雑音モニタ分析エンジンについて、L0プリミティブは、2つのカテゴリすなわち、DSLリンクの挙動の特性を表す状況パラメータと、DSL回線の雑音環境の特性を表すメトリックとに分離され得る。前者は、DSL接続が雑音のある条件によってどのように影響されるのかに関し、後者は、DSL接続の存在または不在の際に何であるのかに関して雑音環境を記述することを試みる。DSLの品質に関するプリミティブは、たとえば、達成可能なビットレート、マージン(集計、帯域あたり、トーンあたり)、カウンタ(たとえば、SES、ES、CRC、RS、再送信カウント、パケット消失、…)、ならびに障害および欠陥(信号消失(LOS:Los of Signal)、フレーム消失(LOF:Los of Frame)、…)である。
雑音環境の記述に関するプリミティブは、たとえば、LN(推定された周波数領域雑音サンプルの平均値に基づくトーンあたりの回線雑音PSD基準配列)、STATSN(「クラウンレシオ」係数、平均値、分散、ひずみ度、尖度、その他などの周波数領域雑音サンプルに基づく代替のトーンあたり統計モーメント)、INM(インパルスのシンボルあたり持続時間と到着時間間隔情報とに基づいて作られるインパルス雑音監視ヒストグラム)、INM−TD(シンボルあたりの検出されたインパルスの代替の時間領域インパルス雑音配列)、およびERBデータ(同期シンボルエラーの生データ)である。
DSLリンク状況と雑音メトリックとの両方が、1秒ごとに収集され、後処理され、上で示された分析エンジンのスレッド1と3とに供給される。DSLリンク状況がそれによって導出される手段は、標準化されているが、雑音環境の記述に関するプリミティブの導出は、大部分がプロプライエタリのままである。これらのメトリックが、smartCPE雑音分析エンジンによる雑音環境の特性表現の目的を満足するために導出される手段の説明は、次のようにより詳細に提示される。
雑音環境関連プリミティブについて満足される必要がある第1の要件は、雑音分類について重要な3つの次元すなわち周波数(NB/WB)と時間(連続的/インパルス性)と永続性(間欠的/徐々に変化/永久的)とに沿った雑音の検出を可能にすることである。
永続性弁別について、雑音プリミティブは、毎秒、前の秒と独立に計算され、1秒のレートでのプリミティブのポーリングが、雑音の永続性の検出を可能にするようになっている。周波数弁別について、PSDと他の統計モーメントとのトーンあたり配列が、周波数軸に沿った雑音源の周波数弁別を可能にするために導出される。時間弁別について、雑音の定常特性またはインパルス性特性を取り込んだ2つの多少独立なメトリックすなわち、PSDおよび他の関連するモーメントなどの平均化されたトーンあたりのメトリックまたは集計メトリックと、シンボルあたりのINMヒストグラムまたはその代替の時間領域配列とが、導出される。
時間弁別(雑音の定常特性またはインパルス性特性)を可能にするために、PSDおよび他の関連するモーメントなどのトーンあたりの平均をとられるメトリックと、シンボルあたりのINMヒストグラムまたはその代替の時間領域配列とがそれによって生成されるプロセスは、注意深い設計から生じる。この設計の目標は、1つのセットが本質的に連続的定常雑音の特性に関して報告し、第2のセットが本質的にインパルス性雑音源の特性に関して報告する、直交メトリックの2つのセットを導出することである。この目標を達成するために、シンボルあたりのインパルスディテクタが、検出されるすべてのインパルスの影響を連続雑音メトリックからフィルタリングによって除去するのに使用される。これは、どのDMTシンボルがインパルスによって影響されるのかを検出することと、連続的なトーンあたりの平均をとられた雑音メトリックを提供する平均プロセスからこれを破棄することとによって実現される。その一方で、INMヒストグラムまたは代替の時間領域インパルス配列の投入は、構成パラメータとして連続的雑音のレベルを取る同一のインパルスディテクタに基づき、連続的な雑音が、インパルスディテクタをトリガしないようになっており、このインパルスディテクタは、連続的な雑音が出現する時に必ずインパルス性雑音を検出するのみである。この設計プロセスは、1秒のレートでポーリングされる2つのプリミティブが、直交に近いことと、AEの後続層での後処理が、他の雑音タイプメトリック(たとえば、連続的)へのあるタイプの雑音(たとえば、インパルス性)のまたはその逆の影響を元に戻すために、ほとんど不要であることとを保証する。
連続的雑音源を記述する平均をとられたメトリックPSDまたは他の統計モーメントからのインパルスの影響を受けるシンボルのフィルタリングは、雑音分析エンジンスレッドでの雑音源のよりよい弁別を可能にし、一例として、一実施形態では、3つのトーンあたりのPSD配列が、1秒ウィンドウ内でのインパルス性雑音源と連続的雑音源とのよりよい検出を可能にするために、計算され、分析エンジンのスレッド1に提供され得る。
第1の配列は、インパルスによって影響されるすべてのシンボルの周波数領域雑音サンプルの1秒ウィンドウにわたる平均であるインパルスの影響を受けるシンボルPSD配列である。次の配列は、インパルスによって影響されないすべてのシンボルの周波数領域雑音サンプルの1秒ウィンドウにわたる平均であるインパルスの影響を受けないシンボルPSDである。第3の配列は、インパルスによって影響されまたは影響されないすべてのシンボルのすべての周波数領域雑音サンプルの1秒ウィンドウにわたる平均である、1秒ウィンドウにわたって平均をとられたPSDである。
3つのPSDまたは代替の統計モーメント配列は、連続雑音源とインパルス性雑音源との直交検出を提供するために、上で示されたように回線雑音分析エンジンスレッド1に供給される。
対応して、インパルス雑音検出能力に対する連続雑音の到着の影響がそれによって世話されなければならないプロセス。IN分析エンジンに提示される最終的な1秒INMヒストグラムプリミティブへの間欠的連続雑音の表明は、フィルタリングによって除去されなければならない。間欠的連続雑音源のフィルタリングプロセスは、500msを超える長さの連続雑音の到着をヒストグラムレポート内で破棄することに存する。また、そのような連続的雑音が500ミリ秒以上の持続時間にわたって出現する時に、インパルスディテクタパラメータの再構成が行われ、インパルス検出器の感度レベルが、現在の不連続雑音レベルに調整されるようになっている。そのような構成の結果は、任意の他のディスクリミネータ要因の不在の下で、その瞬間的電力レベルが背景雑音のPSDのレベルをあるマージンだけ超えるインパルスだけが、インパルス雑音ディテクタによって検出可能であり、効果的に検出されることを保証する。その結果、IN AEのL1スレッドのL0プリミティブは、一貫して検出可能であるインパルスが、連続的背景雑音よりあるレベルだけ上にあるので、それらのインパルスだけを報告する。
インパルスディテクタとプリミティブとがそれによって連続雑音の影響から調整される例のプロセスと、回線参照雑音および代替の連続雑音プリミティブがそれによってインパルスなしに生成されるプロセスとは、メトリックの2セットの直交性を保証し、雑音モニタ分析エンジン402が、そのそれぞれの特性についてインパルス性雑音源と連続雑音源とにより独立に作用することを可能にし、追跡が、図18および図19に示されている。
図18は、INMIAEQヒストグラムとインパルス/無インパルスPSD配列とを生成するのに使用されるインパルスフラグを生成する、インパルス雑音の存在の検出の流れ図説明を表す。すべての受信されたシンボルで、瞬間的エネルギまたはスライサエラー(雑音監視)またはFFT出力(雑音ファインダ)が、ステップ1802ですべてのトーンについて計算される。多数決手法が、一例としてここで使用される。各トーンエネルギは、1804で、以前に推定された背景雑音分散の推定値などの基準(しきい値1)と比較される。瞬間的エネルギがしきい値より大きい場合には、トーンは、雑音によって影響されるものとしてマークされ、雑音によって影響されるトーンの個数に関係するカウンタが、1806で1つ増やされる。各トーンを処理した後に、雑音によって影響されるトーンの個数に関係するカウンタが、しきい値2(トーンの総数の20%など)より大きい場合には、1808で、シンボルが、インパルスによって影響されるものとしてマークされる(インパルスフラグ=1)。そうでない場合には、シンボルは、インパルスによって影響されないものとしてマークされる(インパルスフラグ=0)。
ディテクタを継続的にトリガする連続雑音の出現を追跡するために、インパルスによって影響されるものとしてマークされた連続するシンボルの個数をカウントするローカルカウンタが、導入され、インパルスが検出されるたびに増やされる。インパルスによって影響されるものとしてマークされた連続するシンボルの個数が、しきい値3(2000、短雑音の限度など)より大きい場合には、連続雑音環境が宣言され、インパルスディテクタが現在の連続雑音でトリガするのを避けるために、しきい値1が、それに従って増やされる。また、インパルスによって影響される連続するシンボルのリセットローカルカウンタが、0にリセットされ、連続雑音がINMIAEQヒストグラムの投入に影響しないようになっている。
インパルス検出の後に、現在のインパルスフラグが、図19に示されているように、INMヒストグラムとインパルス/無インパルスPSDとを作成するのに使用される。インパルスが検出される(インパルス=1)時に、インパルスPSD平均値は、現在のシンボル入力を考慮に入れる。INMIAEQヒストグラムを計算するために、インパルスによって影響される連続するシンボルのローカルカウンタが、1902で1つ増分される。類似するプロセスが、インパルスが検出されない時に行われ、インパルスシンボルは、無インパルスPSD平均値推定で使用されず、IATヒストグラムを作成するために、IATデルタ時間ローカルカウンタが、1904で増分される。
これらの2つのローカルカウンタに基づいて、IATヒストグラムとINMIAEQヒストグラムとが投入される。インパルスが検出される時に、IATデルタ時間ローカルカウンタに関係するIATヒストグラムビンは、1つ増やされ、IATデルタ時間ローカルカウンタは、0にリセットされる。同様に、インパルスが検出されない時には、インパルスによって影響される連続するシンボルのローカルカウンタに関係するINMAIEQヒストグラムビンは、1つ増やされ、インパルスによって影響される連続するシンボルのローカルカウンタは、0にリセットされる。
DSLマルチキャリア受信器実施態様では、インパルス性雑音および連続雑音のINMヒストグラムおよびトーンあたり統計モーメントなどの雑音メトリックが、モデムがデータモード動作である間に、送信された有用なDSL信号がデータシンボルに基づいて推定された後に、周波数領域で入手されるスライサエラーに基づいて作成される。これらのエラーサンプルは、有用なDSL信号が正しく推定され、データシンボルの復調/復号プロセスで復号エラーが出現しないならば、DSLチャネル上の雑音サンプルの忠実な表現である。その一方で、ショータイムに有用なデータシンボルの間で規則的に送信される既知の同期シンボルパターンなどの、既知の送信された信号シンボルまたは既知のシンボルのシーケンスが復調されつつある時には必ず、計算されるエラーサンプルは、正確であり、雑音サンプルの信頼性に関わりなく回線上の特定の雑音特性について使用され得る。たとえば、データシンボルだけに基づくREINインパルスによって作られたインパルス雑音PSDの導出は、影響されるデータシンボル上で入手されたエラーサンプルが高レベルREIN雑音シナリオの下でスライシングエラーに起因して信頼できないものである尤度に起因して、不正確である。その代わりに、REIN環境内で、インパルスによって影響され、PSD推定のために収集された同期シンボルだけが考慮されつつある時には必ず、インパルスの影響を受けるシンボルの忠実なPSDを推定するのに、同期シンボル上で収集されたエラーサンプル(ERB(Error Reporting Block)と称する)を利用することができる。インパルスディテクタのインジケータに基づく同期シンボル上でのエラーサンプルの収集は、それに関連する背景雑音と一緒の、ショータイムでの周期的インパルス雑音PSDの信頼できる推定を可能にする。代替の統計モーメントおよびプリミティブは、インパルスによって影響されるシンボルもしくはインパルスによって影響されないシンボルのいずれかまたは一時に両方に関する、同期シンボルエラーに基づいて作成もされ得る。
雑音ファインダのためのL0プリミティブの導出
モデムが、ショータイムではなくリスニングモードである(すなわち、雑音ファインダセッション内にある)時には必ず、インパルス雑音プリミティブと連続雑音プリミティブとを投入するのに使用されるサンプルは、もはや、未知のまたは既知の送信されたデータ上のスライサエラーデータからなるのではない。smart CPEの雑音ファインダモジュールは、主に、モデムがインアクティブである間に収集されるデータに頼る。モデムのインアクティブ状態は、収集される雑音のよりよい精度(回線上のすべてのCO TX信号とCPE TX信号とがない)と、時間領域サンプルおよび周波数領域サンプルのよりよい信号処理と、延ばされた時間期間にわたって検出される雑音の後処理のために自由に使えるより多くのメモリおよびリソースとを可能にする。任意の有用なデータがない場合には、時間領域からの変換の後にFFT出力で入手される周波数領域サンプルが、インパルス性雑音プリミティブと連続雑音プリミティブとを作成するための唯一の必要なメトリックを構成する。雑音モニタモジュール(すなわち、ショータイム中に動作する雑音分析エンジン)のショータイム周波数領域雑音サンプルから導出されるプリミティブに似て、雑音ファインダのプリミティブは、ヒストグラムを投入し、回線参照雑音プリミティブからのインパルスのフィルタリングを可能にするインパルスディテクタに頼る。プリミティブは、同一のスレッド分析が雑音ファインダプリミティブの出力に対して走行できるように、回線参照雑音とインパルスヒストグラムプリミティブとに同一にされる。
例のプロセスが、図15に関連して示される。
図示されているように、本発明の諸実施形態による雑音ファインダモジュール(すなわち、リスニングモードで動作する雑音分析エンジン)の処理は、上で雑音モニタモジュール(すなわち、ショータイム中に動作する雑音分析エンジン)について説明された処理に似る。雑音ファインダの目的は、本質的に雑音モニタの目的と同一であり、回線がDSL伝送に使用されていない間に、識別と分類との後に、DSL回線上に存在するさまざまなタイプの雑音を列挙することに存する。観察のウィンドウは、通常、1分であるが、回線がショータイムである間の監視中に通常使用される観察のウィンドウを複製するために、15分に延長され得る。観察ウィンドウの出力結果は、雑音モニタの観察ウィンドウの出力結果と同一であるが、分析が回線上のDSL信号の存在から損害を受けないので、おそらくは回線上の雑音のシグネチャと感度とのより多くの詳細を有する。この時にDSLデータ処理専用ではないプロセッサの可用性に起因して、よりよい雑音特性のための追加の信号処理が可能である。処理の入力データは、本質的に周波数領域で収集されるシンボルあたりのエラーサンプルからなるので、雑音モニタの入力データに似ている。要件により、雑音モニタAE用に設計された雑音分析処理スレッドの構造は、雑音ファインダのデータに同一にあてはまるように保存される。同一の分析エンジンが、回線が使用中であれDSLサービスについて使用中でない間であれ、雑音環境の一貫した分析を提供するために、ショータイムの間に雑音ファインダまたは雑音モニタのいずれかからデータを受け取る。
図16は、CPE上の雑音ファインダセッションのSWアーキテクチャ走行の高水準記述であるが見える。この図は、雑音分析エンジンに関連する状態機械と処理と、具体的にはスレッド0がどのように実施されるのかを示す。この図示のSWアーキテクチャのさまざまな要素は、次の通りである。
シンボルベースの状態機械1602。L0データ収集は、DMA割込みから使用可能なFFT出力データの可用性によってトリガされるシンボルベースの状態機械上で動作する。シンボルカウンタは、同期シンボルと1秒事象との処理を可能にする。
インパルスディテクタ1604:インパルス検出は、時間領域情報または周波数領域情報に基づいて各シンボルに対して実行される。このインパルス検出は、帯域にまたがって、帯域ごとに、またはサブバンドごとに行われ得る。帯域全体に分散されたすべてのトーンまたはトーンのサブセットの電力を合計することによる、単一のしきい値またはマルチレベルしきい値と比較される、基準レベル(たとえば、背景雑音)とのシンボルあたり平均電力比較。サブバンド、帯域のトーンの電力を合計することによる、帯域あたり、サブバンドあたり基準レベルと比較される、シンボルあたり帯域(DS1、DS2、DS3)またはサブバンド(16個のトーン)あたり。代替案では、各トーンの分散の比較が、しきい値と比較され得、論理動作が、すべてのトーンの比較出力に対して実行され得る。
Quiet Line Noise(QLN)モニタ1606:QLN測定は、回線雑音分析エンジン404に関して類似するプリミティブを提供するための、1秒ウィンドウにわたる雑音の電力のトーンあたり平均からなる。平均は、1つまたは複数のインパルスディテクタフラグに基づいて条件的に行われる。インパルスディテクタフラグは、n(n TBD)を超える連続するシンボルが連続雑音によって影響される場合に、平均化プロセスでFFT出力を考慮することを可能にするはずの最大消去持続時間のパラメータを用いてマスクされる。スレッド0でのある連続持続時間(たとえば、500ミリ秒)を超える回線参照雑音からの「インパルス事象」のアンマスキングは、連続的な性質の短い連続雑音源を取り込むことが意図されたものである。代替のオプションは、スレッド1レベルで、長い持続時間のインパルス性雑音と短い連続雑音との間の区別を判定するために、PSDの配列((a)インパルスなし、b)インパルスを伴う、c)インパルスを伴うもののみ)を生成することである。
INMヒストグラム1608:INMヒストグラムは、入力としてインパルスディテクタフラグを使用して投入され得る。複数のディテクタフラグが使用可能である(たとえば、帯域あたり、サブバンドあたり)場合には、同数の対応するヒストグラムまたは代替の時間プリミティブ配列が作られる。ショータイムで導出されるものに似た、帯域全体に基づく、帯域あたりの、サブバンドディテクタあたりの、INMEQ/INMATヒストグラムは、分析エンジンのスレッド1に渡されるために1秒ウィンドウにわたって投入される。帯域全体に基づく、帯域あたりの、またはサブバンドあたりの、2進またはマルチレベルのディテクタフラグを使用するシンボルプリミティブ(4096個のシンボルの配列)による代替シンボルが、1秒ウィンドウにわたって投入され得る。
非同期シンボル状態機械およびコピー1610:状態機械(SM)が、シンボルのサブセットに対する可能な非同期後処理を可能にするために、1秒ウィンドウ内のシンボルのサブセット(サイズn)上の不連続シンボルをコピーするために設けられる。SMは、シンボルをコピーし、バッファを管理する(クリア、バッファリングされたシンボルカウンタ、バッファ満杯インジケータフラグ、…)。どのシンボルを格納すべきかの条件は、通常、たとえば、インパルスディテクタ出力(たとえば、帯域あたりインパルスディテクタ)と、どのディテクタおよび条件コピーの使用許可が分析エンジンのスレッド3の制御下にあるのかの選択とに依存する。制限された個数のシンボルが、格納される(たとえば、1秒あたりまたは1スーパーフレームあたり10個未満のシンボル)。バッファリングされたデータの管理は、SMバッファ満杯インジケータによってフラグを立てられる、格納されるデータの量または使用可能なスペースに達した後に、スレッド3の制御下にある。
非同期シンボル処理1612:非同期に格納されたシンボルの処理は、背景スレッド4処理の一部として、またはおそらくは256個のシンボルおきに、のいずれかで実行され得る。スレッド4非同期処理の例は、既知の雑音パターンとのインパルスの相関を確認するための、事前定義の基準シンボルシグネチャ(事前に格納された波形)のセットとの個々のシンボルの相関である。たとえば、インパルスは、1つまたは少数のみの別個の源から発生するので、少数の別個の形状または波形を有すると期待される。個々のインパルス源とその個数とを、そのシグネチャを区別することによって識別する試みが行われる。
時間領域データへのアクセスは、雑音モニタが、その時間領域の展望からインパルス雑音の特性を表すことを可能にする。その代わりに、周波数領域サンプルのIFFTが、インパルス雑音の特性を表す時間領域波形を作ることができる。収集されたデータサンプルとの格納された以前に収集されたインパルス波形の系統的相関は、別個の源の個数の判定と、DSL回線へのそれらの相対影響レベルの確認とを可能にすることができる。
インパルスのシグネチャを判定する例のプロセスは、初期候補インパルス波形を格納することと、新しいインパルス波形が回線に影響する時にそれらを収集することと、別個のインパルス雑音源の一致を判定するために候補インパルス波形との新しいインパルス波形のマッチトフィルタリングを実行することと、初期候補インパルス波形を格納することとを含む。
このプロセスは、候補インパルス波形の初期セットを判定することを含むので、この判定は、反復的であり、経時的に洗練される。候補基準インパルス波形の初期セットは、インパルス雑音ディテクタのトリガの後に、初期観察期間内に収集され得る。これらの波形は、DS1、DS2、またはDS3などの帯域の一部のみに制限され得る。個々の波形の、帯域内のお互いとの相互相関が無視できるものである場合には、直交波形のセットが、帯域ごとにこれらのセットから選択される。直交波形の残りのセットは、帯域のそれぞれの候補インパルス波形セットを構成する。
関連するインパルスディテクタによって、新しいインパルスが回線に影響すると判定される時に、帯域の対応する周波数エラーサンプルが、リアルタイムで収集され、基準インパルス波形のセットと相関される。
インパルス到着時間がそれらの存在が検出されたDMTシンボル内で変化し得る間の、時間領域でインパルスを相関させるプロセスは、下に示されるように、当該の帯域にわたってトーン対トーン乗算を実行することによって、時間相関のプロセスが周波数領域で考慮される場合に、単純化される。
ここで、Yは、当該の帯域内の収集されたデータサンプルの周波数領域データサンプルである。X*は、当該の帯域内の基準インパルス波形のうちの1つの周波数領域データサンプルの共役である。逆FFTが、時間領域の相関の測定値を提供する。その後、相関のピークの振幅が、基準インパルス波形自体の自己相関のピークの振幅と比較される。
その後、照合プロセスの判定は、サンプリングされた波形の相関のピークの相対振幅の、すべての可能な候補基準波形およびその自己相関ピークの振幅との比較に頼る。同一の源から発するインパルスの発生が、どちらかといえば一定の大きさを有すると期待されるので、入力データ電力の正規化プロセスは、必要ではない可能性がある。ある期待される範囲内の相関のピークの大きさに基づく弁別は、既に、基準インパルスの存在の尺度である。代替案では、相関のピークの幅が、基準インパルスとの高い相関を確認するのに使用され得る。これは、収集されたインパルス雑音データのインパルス応答がDMTシンボルの境界をまたぐ時に必ず、必要になる可能性がある。マッチトフィルタリングプロセスの出力は、やはり弁別プロセスで使用され得る基準候補波形に関するサンプリングされた波形の相対オフセットに関する情報を作るピーク位置をも提供することができる。
相関プロセスの出力は、当該の帯域内で観察された、各別個のインパルス雑音源に対応する候補インパルス波形の配列である。インパルス波形は、観察のウィンドウ内で1回または2回を超えて観察される場合に、重要と宣言される。そうではない場合には、インパルス波形は、分離された事象と考えられ、破棄される。候補インパルス波形の配列に関連して、ヒットカウント数が、格納されたインパルス雑音波形ごとに、観察ウィンドウにわたって維持される。このヒットカウント数は、現在の1秒ウィンドウ内の関連するインパルスの判定のために、分析エンジンのスレッド1に毎秒の基礎で提供される。
同期シンボルSMおよびコピー1614:ショータイム雑音モニタと互換になるために、256個のシンボルに1回の特定の処理(別名、同期シンボルエラー)が、雑音ファインダ内で実施される。これは、同期シンボルに適用され得るシグネチャ方式の開発を可能にし、その例は、FEXTなし回線雑音導出になるはずである。すべての同期(256番目)シンボルをコピーし、特定の処理を可能にする状態機械:たとえば、N個の同期シンボルのハイパーフレーム持続時間にわたる同期シンボルの系統的平均(ただし、N(たとえば265)は、スレッド3の制御の下にある)。平均値を初期化し、同期シンボルの個数をカウントし、分析エンジンの上位スレッドによる消費のために結果の二重出力バッファ内に計算の出力を置く論理が、設計される。
STATSN(同期シンボル処理)1616:トーン基礎あたりのすべての同期シンボルまたは256番目のDMTシンボルについてFFT出力データ上の平均電力を超える、雑音の他の統計が、計算され得る。この統計(STATSNと呼ばれる)は、その電力メトリックを超える雑音統計の特性表現を可能にする。これらの統計は、雑音の特定のシグネチャを導出するために注目される。この統計の導出が、MIPS的に高価になると期待されるので、提案は、シンボルのサブセットのみ、したがって、256個おきのシンボルに対してこの計算を実行することである。この処理は、平均値および分散の系統的平均と、より高次のモーメント(尖度、ひずみ度)と、X/Y相互相関と、「クラウンレシオ」とも呼ばれる、コンステレーションの半径エスティメータおよび半径の分散に対する雑音コンステレーションの推定された半径のべき乗の比率とからなるものとすることができる。
PSDに関して、処理の2つの出力すなわち、インパルスの影響を受けない同期シンボルに関する出力と、インパルスの影響を受ける同期シンボルに関する出力とを収集することができる。複数のインパルスディテクタ(たとえば、帯域ごとのディテクタ)を使用する可能性に基づいて、インパルスの影響を受けるシンボルに関する帯域の処理は、3つの帯域の同一のシンボルに対して実行されないものとすることができる。トーンあたりSTATN配列の処理は、特定の雑音の存在を検出するためにスレッド1で、または特定の雑音シグネチャの判定のためにスレッド4で、行われる。そのような使用の例は、「クラウンレシオ」配列に関し、AM無線などのある種の雑音源は、それらが乱す関連するトーンのFFT出力で雑音サンプルの分布のクラウン効果を誘導する。「クラウンレシオ」メトリックのしきい値化に基づくスレッド1のディテクタは、ガウシアン広帯域背景雑音内のAM無線の優秀なディテクタを構成する。さらに、「クラウンレシオ」メトリックは、広帯域雑音または狭帯域雑音の雑音シグネチャを導出するのに使用され得る。一例として、トレッドミルDCモータPCM電流インジェクタに関連する16kHzパルストレインは、トーンあたり「クラウンレシオ」配列内に、基礎になる16kHz反復トレインがそれから簡単に導出され得る反復パターンを作る。基礎周波数の倍数での高い「クラウンレシオ」は、決定論的バーストの反復をも明らかにする。
1秒状態機械1618:雑音モニタの諸実施形態では、分析エンジンは、秒あたり状態機械に作用する。1秒ティックは、等価な4kシンボルカウンタ上で計算される。
雑音ファインダL0スレッドによって生成されるすべてのプリミティブが、LNAE404とINAE406とのために雑音モニタL0スレッドによってデータモードで生成されるプリミティブと同一とは限らないので、インターフェースは、それ相応に適合される。その目的は、雑音モニタが類似するL0入力プリミティブを用いて提供するものと同一の機能性を可能にすることである。
雑音分析エンジン1620のスレッド1から5:図15に示されているように、雑音ファインダのQLN等価プリミティブおよびINM等価プリミティブの処理は、好ましくは、ショータイム雑音モニタ分析エンジン402に関連する同一のL1分析エンジンとL2分析エンジンとを用いて行われる。毎秒QLNデータとINMデータとをポーリングし、それらをデータモードでの雑音の検出と分類とのために実施されるものと同一の5スレッドプロセスを用いて処理する1秒状態機械が、実施される。雑音ファインダは、異なるまたは追加のL0プリミティブを有する場合があるので、分析エンジン402のスレッド1から4までは、これらの新しいプリミティブを活用するように拡張され得る。また、安定性カウンタなどのDSL回線統計は、雑音ファインダセッション中には収集されない。雑音ファインダプロセスの出力は、雑音モニタを用いて作成されたものと同一の形で雑音データベースに投入する雑音レコードのセットである。15分レコードの同等物が、2秒と数分以上との間だけ存続することができる雑音ファインダセッションの持続時間の間に作成される。同等の15分レコードは、タイムスタンプされ、モデムが次のDSL接続でショータイムに達した時にクラウドデータベースにアップロードされる。
配線監視のための組込み診断アプリケーション
図12に示されているように、SmartCPE1202の諸実施形態は、配線モニタモジュールを含む。配線モニタモジュールの例の目的は、ショータイムである間に配線障害の可能な徐々の変化(直接径路またはエコー径路の低速の変化または突然の変化)、たとえば、ケーブルの温度の上昇に起因する減衰の徐々の変化または不確かな接続に続くエコーの突然の増加を監視することと、スタートアップの間の変化を追跡するために、モデムがスタートアップしつつあるかショータイムである間に、チャネル(直接径路、エコー径路)の分析を実行することとを含む。
第2の目的は、回線がリトレインする時に必ずスタートアップの前に系統的に実行される、SELTセッションおよびDELTセッションとそれらの後分析との持続時間全体の間に回線をサービスに使用不能に保つ、「SELT/DELT配線インスペクタ」セッションに関連する分裂を軽減することを試みる。「配線モニタ」モジュールセッションは、ダウンタイムを追加せず、リトレインにつながる配線故障事象について、リトレインにつながった配線障害の特性表現は、障害が残る場合に、かつ、回線リトレイン事象の前にまだ診断されていない場合に、次のスタートアップで特性を表される。
本発明の諸実施形態の配線モニタモジュールは、回線が接続できない(たとえば、回線切断)時に必ず、またはCPEがSELTセッションおよび/もしくはDELTセッションの持続時間の間の回線をダウンに保つことができる破壊的な保守モードに入ることを許される時に必ず、それでも呼び出され得る「配線インスペクタ」モジュールの代用品ではない。
配線モニタモジュールの2つのユースケースが、下で説明される。
ショータイムユースケース:モデムが動作している(ショータイム)間のモデム動作に影響する配線トポロジの低速のまたは突然の変化を追跡するため。雑音モニタと同様に、異なる重大性レベルの2つの状況すなわち、DSL回線の安定性を劣化させるのみであり、雑音マージンの現象、CV、ESなどの出現を引き起こす配線条件の変化と、回線の安定性に破滅的に影響し、リトレインの原因である配線条件の変化とが期待される。このカテゴリに含まれると期待される配線条件バリエーションの例は、1)ループの温度変動に起因する直接チャネル減衰とエコーチャネル減衰との低速の徐々の変化と、2)知覚される遠端信号とエコー電力信号レベルとに間欠的に影響する突然の配線接続変化(不良スプライス、ゆるんだコネクタ)とである。これらの変化を追跡するために、毎秒の基礎で、2つのプリミティブすなわち、DS RX帯域内のRX信号のRX信号電力ならびに/または大きさおよび位相プリミティブと、US TX帯域内のTX信号のエコー信号電力ならびに/または大きさおよび位相プリミティブとが監視されなければならない。連続する秒にまたがるこれらのプリミティブの徐々の変化は、突然の配線接続性問題の検出を可能にし、数分または数時間にまたがる観察は、配線変化の低速の徐々の変化を追跡し、ログ記録する能力を提供する。
スタートアップユースケース:スタートアップ時に配線トポロジを分析し、配線トポロジが以前のスタートアップ配線モニタセッションまたは以前の基準配線インスペクタセッションに関してどの範囲まで徐々に変化したのかを判定するため。スタートアップ時に監視され得るプリミティブは、Hlog、Hlin(DS)、または対応するインパルス応答と、周波数領域または時間領域の正規化されたエコー応答(すなわち、AGC利得などのRxpath構成変化と、Txシンボル境界変化およびRxシンボル境界変化による遅延とを用いて正規化された)とである。配線モニタプロセスは、収集されたプリミティブを以前のスタートアップに入手されたプリミティブと比較し、所与のしきい値を超えるすべての変動にフラグを立てる。また、配線モニタプロセスは、DELT−Hlog分析エンジンとSELT−UER分析エンジンとに似た分析エンジンモジュールにこれらのプリミティブを渡し、この分析エンジンモジュールでは、入力が、DS Hlog(US+DS Hlogではなく)、あるいは、スタートアップ時に発見中もしくはトレーニング中に関連するU0帯、U1帯、U2帯でまたはR−P−Line Probeシグナリング中にどのプロプライエタリ帯であれそのプロプライエタリ帯内で、取り込まれたのみであるエコーのいずれかに制限される。この分析の出力は、プロービング信号(HlogではDS、Line−ProbeではUS)の帯域制限、および/またはシグナリングの持続時間(SELT UERより大幅に短い)、および/または送信信号レベルの制約(たとえば、UPBO)のいずれかに起因して、おそらくは配線インスペクタより低い精度を有する、配線インスペクタセッションによって入手されるものに類似する情報(ループ長推定値、BTタップ検出など)を提供する。この精度に関わりなく、スタートアップ時の配線モニタの目的は、配線条件の変化を検出することと、破壊的な形でSELTとDELTとを使用して配線インスペクタセッションによってさらに特性を表され得る配線の可能な変化の第1の表示を与えることとである。
図17は、本発明の実施形態による配線モニタの「ショータイム」要件を実施する例のプロセスを示す。図17に示されているように、これは、上でより詳細に説明された雑音モニタ処理と同一の6スレッド構造に編成されている。流れ図の左側の処理1702は、雑音分析エンジンに関連する。流れ図の右側の処理1704は、配線監視分析エンジンに関連する。両方の分析エンジンは、リトレイン事象時に、環境雑音変化または配線変化がリトレインの源であるかどうかを判定するリトレイン事象プロファイリング分析エンジン1706に相互接続される。
配線モニタの関連するスレッド1704が、下で詳細に示される。
最下位スレッドは、L0データ収集である。これは、反復スレッドであり、その唯一の目的は、分析が実行されなければならない生のL0データをFW/HWから取り出すことである。検出が実行されるデータの取出のこのスレッドの特性は、指定される最小時間粒度、たとえば同期シンボルレートと、直接に次のスレッドの検出プロセスが実行される主データタイプの収集と、スレッド3データ収集プロセスが配線変化のスレッド4シグネチャ推定のために実行される副データタイプの収集とである。
スレッド0は、毎秒1回またはより高速のレートで要求される状況をポーリングする状態機械として実施され得る。ポーリングされるプリミティブは、次の通りである。
SATN−pb:帯域あたりの信号減衰は、第mのDS帯内の信号減衰の測定されたものである。
LOS欠陥:信号消失欠陥は、受信器で受信される遠端リモート信号の不在または消失を報告するプロプライエタリ欠陥である。この欠陥の徐々の変化の監視は、COとCPEとの間の任意の点での回線の分裂のよい表示である。エコーインジケータ:エコーインジケータは、TXエコー信号のプロプライエタリメトリックである(USトーンのサブセットにまたがるエコーの電力など)。ショータイムである間のこのメトリックの徐々の変化の監視は、エコー電力変化がCPEに影響するインピーダンスの変化によって引き起こされるので、CPEに近い点での回線の分裂のよい表示である。
Hlog/Hlin:Hlog/Hlinは、FFT出力信号電力から導出される、かつまたはFEQ係数位相と振幅とを介して間接的に導出される、のいずれかとすることができる。これは、DS帯内のトーンあたり直接チャネル減衰の正確な表示を与える。Hlog/HlinのまたはそのIFFT変換の分析は、ループトポロジの推定を提供するのを助けることができる。Hlog/Hlin伝達関数またはその対応する時間領域インパルス応答の監視は、経時的な温度に起因する直接チャネル伝達関数の変動に関する情報を提供する。FEQ係数に基づいて計算されたHlogは、FEQが凍結されるか、不確かな接続が瞬間的に誘導し得る瞬間的チャネル減衰を平均化によって除く場合に、不確かな接続に関してなど、ループ条件の突然の変化の検出を可能にする場合とそうでない場合がある。Echolog/Echolin(Echo):Echolog/Echolinは、FFT出力信号電力から導出される、かつまたはEC係数位相および大きさを介して間接的に導出される、のいずれかとすることができ、US帯内のトーンあたりエコーチャネル減衰の正確な表示を与える。エコーのまたはそのIFFT変換の分析は、SELT−UERと同一の形で、ループトポロジの推定を提供するのを助けることができる。エコー伝達関数またはその対応する時間領域インパルス応答の監視は、経時的な温度に起因するエコーチャネル伝達関数の変動に関する情報を提供する。
配線モニタ1704スレッド1は、配線事象が発生したかどうかを配線プリミティブ内で検出するプロセスである。一般に、配線事象は、配線パラメータの値が所与のしきい値を超えること、または、追跡されつつある配線プリミティブ内の特徴すなわち大きいエコー信号の存在に存することができる。
配線モニタ1704スレッド2は、一般に配線パラメータに関して形容され得る雑音事象または配線プリミティブの特徴の徐々の変化において雑音事象について検出する永続性テストである。それぞれの例は、連続する秒の間にスレッド1で検出されるLOS信号の永続性である。数時間にわたるループの温度変化に続くエコー電力プリミティブ上のエコーレベルの徐々の変化。雑音監視に似て、再帰する配線事象が24時間の過程にわたってそれに対して照合される配線事象データベースが、作成される。
処理1704スレッド1および2の結果に基づいて、配線モニタスレッド3は、配線事象のシグネチャのさらなる特性表現のためにスレッド4に提供される追加情報を収集する。たとえば、カウンタ情報が、検出された配線事象との関連付けのために取り出され得る。
配線モニタ1704スレッド4は、配線事象を形容し、この事象のシグネチャを抽出する。そのような特性表現の例は、1日の過程にわたる最小Hlog減衰と最大log減衰とを判定するための、15分ウィンドウにわたるループのHlog減衰のログ記録である。
リトレインモニタ論理と協力して、スレッド5は、配線事象によって引き起こされた可能なリトレインの理由を判定する。また、スレッド5は、15分ウィンドウ内に発生する配線事象のレポートを提供し、雑音モニタモジュールと同一の形で、1分ヒットカウンタと1分持続時間カウンタに投入する。
本発明が、その好ましい実施形態を参照して詳しく説明されたが、形態および詳細における変更および修正が、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに行われ得ることが、当業者には明白であるに違いない。添付の特許請求の範囲が、そのような変更と修正とを包含することが意図されている。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との通信に影響する雑音に関する情報を収集し、周波数と時間と永続性との次元に従って前記雑音を分類する、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジン
を備えるCPE装置。
[2] 前記雑音は、狭帯域干渉源と広帯域干渉源とのうちの1つとして分類され、インパルス性と連続とのうちの1つとしてさらに分類される、[1]に記載のCPE装置。
[3] 前記通信は、DSL伝送システムを備える、[2]に記載のCPE装置。
[4] 前記通信は、Multi−Media over COAX、HPNA、IEEE P1901、HPAV、ITU−T G.hnのうちの1つである有線伝送システムを備える、[2]に記載のCPE装置。
[5] 前記組込み雑音分析エンジンは、前記分類された雑音の出現と消滅とをさらに追跡し、前記永続性次元での前記分類は、永久的と間欠的と徐々に変化とのうちの1つとして前記雑音を分類することをさらに含む、[2]に記載のCPE装置。
[6] 前記組込み雑音分析エンジンは、前記通信に影響する複数の雑音源のうちの1つとしての前記雑音の構成の記述構造を備える出力をさらに作る、[5]に記載のCPE装置。
[7] 前記組込み雑音分析エンジンは、前記雑音源のそれぞれの存在に関連する15分カウンタレポートを備える出力をさらに作る、[5]に記載のCPE装置。
[8] 前記15分カウンタレポートは、前記雑音源のそれぞれの影響の持続時間に関する情報を含む、[7]に記載のCPE装置。
[9] 前記雑音源の前記影響の前記持続時間情報は、各1分インターバルにわたる前記雑音源のヒットの個数をカウントする1分カウンタを含む、[8]に記載のCPE装置。
[10] 前記個々の雑音源の前記影響の前記持続時間情報は、前記雑音源がその間に1分インターバルにわたって存在すると宣言される秒の数をカウントする1分カウンタを含む、[8]に記載のCPE装置。
[11] 前記組込み雑音分析エンジンは、前記分類に基づいて組込み雑音シグネチャデータベースを維持する、[1]に記載のCPE装置。
[12] 前記組込み雑音シグネチャデータベースは、前記雑音について毎秒更新される、[11]に記載のCPE装置。
[13] 前記組込み雑音シグネチャデータベースの内容全体は、非同期にまたは周期的に更新される、[11]に記載のCPE装置。
[14] 通信に影響する雑音に関するデータを集めることと、
前記集められたデータを使用して前記雑音を検出することと、
前記雑音の永続性を判定することと、
前記雑音のシグネチャを判定することと、
前記雑音のレポートをログ記録することと
を備える、雑音を分類する方法。
[15] 前記雑音は、回線雑音であり、前記データは、回線雑音プリミティブを含む、[14]に記載の方法。
[16] 前記雑音は、インパルス雑音であり、前記データは、インパルス雑音プリミティブを含む、[14]に記載の方法。
[17] 前記集められたデータは、INMヒストグラムと、回線参照雑音と、スライス化されたシンボルエラーと、G.ploamカウンタとを備える、[14]に記載の方法。
[18] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との通信に影響する雑音事象に関する情報を収集し、前記雑音事象を雑音シグネチャの内部データベースに相関させる、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジン
を備えるCPE装置。
[19] 前記相関は、前記雑音事象の主シグネチャに基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記主シグネチャは、中心周波数と、帯域幅と、インパルス反復レートとを備える、[18]に記載のCPE装置。
[20] 前記相関は、雑音の副シグネチャに基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記副シグネチャは、基礎になるパルスレートを含む、[18]に記載のCPE装置。
[21] 前記相関は、タイミング情報に基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記タイミング情報は、前記雑音事象の出現または消滅の時刻を含む、[18]に記載のCPE装置。
[22] CPE装置との通信に影響する雑音の15分レコードを作る、前記CPE装置内の雑音モニタアプリケーションと、
前記レコードを受信し、前記雑音の相関を実行するクラウドベースのアプリケーションと
を備えるシステム。
[23] 前記相関は、単一のCPE装置について時間にまたがって実行される、[22]に記載のシステム。
[24] 雑音データベースをさらに備え、前記相関は、24時間ウィンドウにまたがって前記データベース内の前記雑音の一意識別子IDに基づいて実行される、[23]に記載のシステム。
[25] 雑音データベースをさらに備え、前記相関は、前記データベース内の前記雑音の共通合成雑音識別子に基づいて実行される、[23]に記載のシステム。
[26] 前記相関は、雑音の主シグネチャに基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記主シグネチャは、中心周波数と、帯域幅と、インパルス反復レートとを備える、[23]に記載のシステム。
[27] 前記相関は、雑音の副シグネチャに基づいてファジイ論理を使用して実行され、前記副シグネチャは、基礎になるパルスレートを備える、[23]に記載のシステム。
[28] 前記相関は、タイミング情報に基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記タイミング情報は、前記雑音に関連する1分あたりヒットカウンタまたは持続時間カウンタを含む、[23]に記載のシステム。
[29] 前記相関は、複数のCPE装置にまたがって実行される、[22]に記載のシステム。
[30] 前記相関は、前記雑音の主シグネチャに基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記主シグネチャは、中心周波数と、帯域幅と、インパルス反復レートとを備える、[29]に記載のシステム。
[31] 前記相関は、雑音の副シグネチャに基づいてファジイ論理を使用して実行され、前記副シグネチャは、基礎になるパルスレートを含む、[29]に記載のシステム。
[32] 前記相関は、タイミング情報に基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記タイミング情報は、前記雑音に関連する1分あたりヒットカウンタまたは持続時間カウンタを備える、[29]に記載のシステム。
[33] 前記タイミング情報は、前記1分あたりヒットカウンタまたは前記持続時間カウンタと、前記CPE装置によって作成された前記雑音の前記15分レコードに関連するタイムスタンプとから導出される、[32]に記載のシステム。
[34] 前記相関は、既知の外部の人間によって作られた事象または環境事象に対して実行される、[32]に記載のシステム。
[35] 前記相関は、外部情報を使用して実行され、前記外部情報は、ケーブルバインダ情報または空間位置を備える、[29]に記載のシステム。
[36] 実際の雑音源のデータベースをさらに備え、前記相関は、前記データベースに対して実行される、[22]に記載のシステム。
[37] 前記相関は、前記雑音の主シグネチャに基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記主シグネチャは、中心周波数と、帯域幅と、インパルス反復レートとを備える、[36]に記載のシステム。
[38] 前記相関は、雑音の副シグネチャに基づいてファジイ論理を使用して実行され、前記副シグネチャは、基礎になるパルスレートを含む、[36]に記載のシステム。
[39] 前記相関は、タイミング情報に基づいてファジイ/比較論理を使用して実行され、前記タイミング情報は、前記雑音に関連する1分あたりヒットカウンタまたは持続時間カウンタを含む、[36]に記載のシステム。
[40] 前記タイミング情報は、前記1分あたりヒットカウンタまたは前記持続時間カウンタと、前記CPE装置によって作成された前記雑音の前記15分レコードに関連するタイムスタンプとから導出される、[39]に記載のシステム。
[41] 前記相関は、既知の外部の人間によって作られた事象または環境事象に対して実行される、[36]に記載のシステム。
[42] 前記相関は、外部情報を使用して実行され、前記外部情報は、環境情報または空間位置情報を備える、[36]に記載のシステム。
[43] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との通信に影響する雑音事象に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記雑音事象の連続雑音メトリックとインパルス雑音メトリックとのうちの1つを作成する、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジン
を備えるCPE装置。
[44] 前記1つのメトリックは、毎秒計算される、[43]に記載のCPE装置。
[45] 前記連続雑音メトリックは、前記情報内のインパルス雑音の影響を受けるデータを破棄することによって計算される、[43]に記載のCPE装置。
[46] 前記インパルス雑音メトリックは、前記情報内の連続雑音の影響を受けるデータを破棄することによって計算される、[43]に記載のCPE装置。
[47] インパルス雑音ディテクタをさらに備え、インパルス雑音は、連続雑音に関連するパラメータを導出することによって、前記インパルス雑音ディテクタによって検出される、[43]に記載のCPE装置。
[48] 前記1つのメトリックは、前記影響を受ける通信のデータシンボルに基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[49] 前記1つのメトリックは、前記影響を受ける通信の同期シンボルに基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[50] 前記1つのメトリックは、前記影響を受ける通信のクワイエットシンボル(quiet symbol)に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[51] 前記連続雑音メトリックは、前記収集された情報内の周波数領域サンプルの電力の平均値に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[52] 前記連続雑音メトリックは、前記収集された情報内の周波数領域サンプルのモーメントの平均値に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[53] 前記連続雑音メトリックは、前記収集された情報内の周波数領域サンプルの推定されたクラウンレシオに基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[54] 前記インパルス雑音メトリックは、前記収集された情報内の周波数領域サンプルの電力の平均値に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[55] 前記インパルス雑音メトリックは、前記収集された情報内の周波数領域サンプルのモーメントの平均値に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[56] 前記インパルス雑音メトリックは、前記周波数領域サンプルの帯域あたり平均値、サブバンドあたり平均値、または集計平均値に基づいて計算される、[53]に記載のCPE装置。
[57] 前記インパルス雑音メトリックは、前記収集された情報内のインパルス長ヒストグラムまたはインパルス到着間間隔ヒストグラムに基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[58] 前記インパルス雑音メトリックは、1秒インターバルにわたる前記影響を受ける通信のインパルスによって影響されるシンボルを記録する配列に基づいて計算される、[44]に記載のCPE装置。
[59] インパルスによって影響されるシンボルの前記記録された配列は、事前定義のパターンと照合される、[58]に記載のCPE装置。
[60] 前記インパルス雑音メトリックは、時間領域ディテクタ出力に基づいて計算される、[43]に記載のCPE装置。
[61] 前記1つのメトリックは、前記影響を受ける通信からの時間領域シンボルまたは周波数領域シンボルのサンプルからなる、[43]に記載のCPE装置。
[62] 前記1つのメトリックは、事前定義のパターンと照合される、[61]に記載のCPE装置。
[63] 前記平均値は、前記1つのメトリックを使用して検出されたインパルス雑音ごとに計算される、[55]に記載のCPE装置。
[64] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との伝送回線がサービス中である間に雑音に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記雑音の分類を実行する、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジン
を備えるCPE装置。
[65] 前記雑音分析エンジンは、前記分類に基づいて前記雑音に関連する回線リトレインの理由に関して報告する、[64]に記載のCPE装置。
[66] 前記伝送回線は、DSLリンクを備え、前記雑音の前記分類は、前記DSLリンクの品質に対するその影響の推定を含む、[64]に記載のCPE装置。
[67] 前記影響の前記推定は、前記雑音の存在にわたって累積された集計エラーカウントを含む、[66]に記載のCPE装置。
[68] 前記影響の前記推定は、前記検出された雑音の重要な帯域内の推定されたマージン消失を含む、[67]に記載のCPE装置。
[69] 前記影響の前記推定は、集計チャネル容量推定値を含む、[67]に記載のCPE装置。
[70] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との伝送回線がサービス中ではない間に雑音に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記雑音の分類を実行する、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジン
を備えるCPE装置。
[71] 前記情報は、伝送回線がサービス中である間に情報が収集されるレートと同一であるレートで収集される、[70]に記載のCPE装置。
[72] 前記収集される情報は、インパルスデータを含み、前記組込み雑音分析エンジンは、以前に取り込まれたか既知の基準データに対して前記インパルスデータを相関させることによって分類を実行する、[70]に記載のCPE装置。
[73] 前記相関させることは、事前に定義されたインパルス雑音カテゴリへの前記インパルスデータの分類を可能にする、[72]に記載のCPE装置。
[74] 前記組込み雑音分析エンジンは、それぞれが前記雑音の雑音成分として分類される、複数の雑音源のそれぞれの存在に関連するレポートをさらに提供する、[70]に記載のCPE装置。
[75] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との伝送回線がサービス中である間に配線事象に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記配線事象の分類を実行する、モデムチップセットによって実施される組込み分析エンジン
を備えるCPE装置。
[76] 前記組込み分析エンジンは、前記分類に基づいて前記配線事象に関連する回線リトレインの理由に関して報告する、[75]に記載のCPE装置。
[77] 前記伝送回線は、DSLリンクを備え、前記配線事象の前記分類は、前記DSLリンクの品質に対するその影響の推定を含む、[75]に記載のCPE装置。
[78] 前記影響の前記推定は、前記配線事象の持続時間にわたって累積された集計エラーカウントを含む、[77]に記載のCPE装置。
[79] 前記影響の前記推定は、前記検出された配線事象の重要な帯域内の推定されたマージン消失を含む、[78]に記載のCPE装置。
[80] 前記影響の前記推定は、集計チャネル容量推定値を含む、[78]に記載のCPE装置。
[81] 前記分類は、15分レポート内で報告される、[78]に記載のCPE装置。
[82] 前記15分カウンタレポートは、前記配線事象に関連する1分あたりヒットと持続時間とを含む、[81]に記載のCPE装置。
[83] 前記15分カウンタレポートは、前記配線事象の前記影響に関する情報を含む、[81]に記載のCPE装置。
[84] 前記組込み分析エンジンは、スタートアップの間の前記配線の徐々の変化をさらに監視する、[78]に記載のCPE装置。
[85] 前記収集される情報は、HLOG、HLIN、帯域あたりのSATN、エコー電力、RX電力のうちの1つを備える、[78]に記載のCPE装置。
[86] 前記組込み分析エンジンは、前記収集される情報を毎秒計算する、[78]に記載のCPE装置。
[87] 顧客構内設備(CPE)装置であって、
前記CPE装置との通信に影響する雑音に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記雑音の分類を実行する、モデムチップセットによって実施される組込み雑音分析エンジンと、
前記CPE装置との伝送回線がサービス中である間に配線事象に関する情報を収集し、前記情報に基づいて前記配線事象の分類を実行する、前記モデムチップセットによって実施される組込み配線分析エンジンと
を備えるCPE装置。
[88] 前記分析エンジンは、分類された雑音事象と分類された配線事象とに基づいてリトレインプロファイリングを判定するためにさらに相互作用する、[87]に記載のCPE装置。