以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射手段としての発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置(大入賞口)32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33B、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33Bなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33Aへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33Bへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
ここで、上始動入賞口33Aが第1始動入球手段を構成し、下始動入賞口33Bが第2始動入球手段(始動入球手段)を構成し、可変入賞装置32が特定入球手段を構成する。
また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これにより、上述した始動入賞口33A,33B等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変入賞装置32は、遊技球が入賞可能な大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材としての矩形平板状の開閉板32bと、当該開閉板32bを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)とを備えている。
可変入賞装置32は、通常、遊技球が大入賞口32aへ入賞不能な閉状態となっている一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイドを励磁することにより、開閉板32bがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となる。
上始動入賞口33Aは、遊技球が常時入賞可能となっている。これに対し、下始動入賞口33Bには、開閉式の入賞補助装置として電動役物37が設けられている。
電動役物37は、下端側を軸として左右方向に回動変位する開閉部材としての左右一対の可動羽根37aと、可動羽根37aを開閉駆動する始動入賞口用ソレノイド(図示略)とを備え、当該可動羽根37aが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞可能な開状態と、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞不能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。
尚、詳しくは後述するが、上始動入賞口33A,下始動入賞口33Bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224A,第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。当該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。
ここで、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図34に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが16回(16ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の0.4秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の3個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球が遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉板32bの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球の発射周期よりも1回の開閉板32bの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球すら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉板32bが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉板32bは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回繰り返し行われた後、さらに「長開放」を1回の特賞状態として、これが15回繰り返し行われる。換言すれば、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目〜16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、電動役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
「高サポートモード」とは、通常時に設定される「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、下始動入賞口33Bの電動役物37における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)電動役物37の可動羽根37aの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37aの一回の開放につき入賞可能となる遊技球の規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球が通過することに起因した電動役物37の開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37aの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)電動役物37の開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、下始動入賞口33Bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
また、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、後述するように変動パターンテーブルを「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回(5ラウンド)繰り返し行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞した場合と、下始動入賞口33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
そして、上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。第1特別表示装置43Lが第1表示手段を構成し、第2特別表示装置43Rが第2表示手段を構成する。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、上始動入賞口33Aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図34参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
図34に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9−」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.−」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1−」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.−」と、「小当たり」に係る停止態様「1−」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「−1.」,「−2」,「−3.」,「−4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「−1」,「−2.」,「−3」,「−4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞口33A,33Bに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上始動入賞口33Aに入賞した遊技球、及び下始動入賞口33Bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞口33A,33Bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下始動入賞口33Bに遊技球が入賞し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、契機入球手段としてのスルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、電動役物37(下始動入賞口33B)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、電動役物37が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。普通図柄表示装置41が本実施形態における第3表示手段を構成する。
さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、下始動入賞口33Bの電動役物37が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、図40に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように装飾図柄表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
また、装飾図柄表示装置42では、上記保留ランプ46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図40等参照)。
尚、本実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、当該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46a,46bが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。従って、遊技者は、専ら装飾図柄表示装置42の表示内容(図柄表示や保留表示等)によって遊技状態や抽選結果等を把握することとなる。
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、上始動入賞口33Aの直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で上始動入賞口33Aに入賞するようになっている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞口33A,33B等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、上始動入賞口33Aには第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、下始動入賞口33Bには第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞口33A,33Bへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
但し、本実施形態においては、「小当たり」に関する情報を出力するための端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態では、「高サポートモード」中は、「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、「小当たり」が発生する度に、常に、発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。従って、例えば「低サポートモード」中など、このような不具合が比較的起きにくい場合には、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
また、「JUB大当たり」の発生情報の出力は、例えば「JUB大当たり」に係る5回の「短開放」の終了後、すなわち「小当たり」の場合と区別ができない状況を脱した後に、例えば後述するオープニングコマンドの出力(大当たり報知演出)等を行うタイミングにおいて、「JUB大当たり」の発生が確定した状態で行うことが好ましい。未だ「小当たり」の場合と区別ができない状況において、「JUB大当たり」の発生情報だけが先に出力されてしまうと、パチンコ機10に対応してホールの島設備に設置された情報表示機器等を見て、遊技者が事前に「JUB大当たり」の発生を把握してしまい、「JUB大当たり」の演出効果が薄れるおそれがある。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際にリーチ状態を発生させるか否かの決定や、発生させるリーチの種別の決定等に使用するリーチ選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定や、装飾図柄表示装置42における変動パターン(演出パターン)の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(下始動入賞口33Bの電動役物37を開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が記憶される特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第1特別変動保留エリアが第1保留手段を構成する。
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアが第2保留手段を構成する。
普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。
かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。従って、かかる処理が第1当否抽選及び第2当否抽選の一部を構成することとなる。
大当たりとなる乱数の値は、「低確率モード」と「高確率モード」とで2種類設定されており、本実施形態では、「低確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、「高確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。すなわち、「低確率モード」においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。これら当選確率が本実施形態における第1の当選確率に相当する。
本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。尚、本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「7〜16、307〜316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
また、本実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用される。「小当たり」となる乱数の値の数は50で、その値は「101〜125、401〜425」である。すなわち、1/12の確率で当否抽選に当選(小当たり状態が発生)することとなる。かかる当選確率が本実施形態における第2の当選確率に相当する。
大当たり種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタC2によって、大当たり種別、すなわち「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合と、下始動入賞口33Bへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
具体的には、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合、第1大当たり種別判定テーブル(図35参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0,1」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定される。
また、大当たり種別決定カウンタC2の値が「2」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「3」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「4」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「5」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタC2の値が「6」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタC2の値が「7」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「8」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「9」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「10」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタC2の値が「11」であれば「16R通常大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタC2の値が「12」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「13」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「14」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタC2の値が「16」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「19」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定される。
すなわち、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
一方、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した場合には、第2大当たり種別判定テーブル(図36参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0〜9」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定され、「10,11」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定され、「12,13」であれば「4R通常大当たりA」の付与が決定され、「14」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「16」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18,19」であれば「JUB大当たり」の付与が決定される。
すなわち、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
尚、大当たり種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタC2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、リーチ選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、リーチ選択カウンタC3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する構成となっている。
リーチ選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、リーチ選択カウンタバッファにリーチ選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、リーチ選択カウンタバッファに格納されているリーチ選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図8中でもこのように表記した。
例えば通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図38参照)においては、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、変動時間など、より細かな変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多様化を容易に実現することができる。勿論、第1変動種別カウンタCS1だけで変動態様を決定したり等することも可能である。
尚、ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がなされないリーチパターンである。スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下始動入賞口33Bの電動役物37が所定時間の間、開状態となる。
本実施形態では、「低サポートモード」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高サポートモード」において、当選となる乱数の値は、「0〜7」の8個である。つまり、「低サポートモード」時には1/5の確率で電動役物37が開状態となり、「高サポートモード」時には4/5の確率で電動役物37が開状態となる。これら当選確率が本実施形態における第3の当選確率に相当する。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
NMI割込み処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
尚、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS301では、各種入賞検出スイッチの読み込み処理を実行する。ここでは主制御装置261に接続されている各種入賞検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、リーチ選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞口33A,33Bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図12のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタC2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、リーチ選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップS501では、遊技球が下始動入賞口33Bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224Bの検知情報に基づき判定する。当該ステップS501で肯定判定された場合、ステップS502において、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。当該ステップS502で否定判定された場合には、ステップS509へ移行する。一方、ステップS502で肯定判定された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第2大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0〜9」のいずれかであった場合には、「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「10,11」のいずれかであった場合には、「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりA」に対応する値「12,13」のいずれかであった場合には、「4R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「14〜17」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「JUB大当たり」に対応する値「18,19」のいずれかであった場合には、「JUB大当たりフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、大当たり終了後の所定期間(本実施形態では変動表示20回分)、付与された「高サポートモード」が「次回まで・高サポートモード」であることを報知しない非報知演出を行なうか否かの演出抽選が例えば1/100程度の抽選確率で行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
さらに続くステップS508では、保留制御コマンドの設定処理を行う。保留制御コマンドとは、第2特別変動保留エリアに保留記憶された各種保留情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)を事前にサブ制御装置262に対して知らせるためのコマンドである。本処理にて設定された保留制御コマンドは、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。保留制御コマンドには、例えば保留情報として、上記大当たり判定処理や大当たり種別判定処理の結果を示す情報、始動入賞口33A,33Bどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報などが含まれる。
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図13を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判定する。尚、図13では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判定するとともに、当該判定で否定判定された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判定し、これらどちらかの判定で肯定判定された場合に、当該ステップS5101で肯定判定され、どちらの判定においても否定判定された場合に、当該ステップS5101で否定判定されることとなる。
ステップS5101で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、ステップS5105へ移行する。ステップS5102において第1特別遊技状態に相当する大当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第1特別遊技状態発生手段が構成される。
一方、ステップS5101で否定判定された場合には、ステップS5103において、後述する抽選モードフラグの値を基に、「高確率モード」中であるか否かを判定する。
ステップS5103で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中である場合には、ステップS5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第2当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値のうち、上記「7」、「307」を除く、「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判定する。尚、当該判定処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判定する。
当該ステップS5104で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中においては大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、そのまま本処理を終了する。
ステップS5101やステップS5104の判定処理が本実施形態における第1当否抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第1抽選手段が構成される。
ステップS5103又はステップS5104で否定判定された場合、すなわち「大当たり」でない場合には、ステップS5105へ移行する。
また、ステップS5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりに対応する値「101〜125、401〜425」と一致するか否かを判定する。
ステップS5105で肯定判定された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5106において小当たり当選フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5105で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS5105の判定処理が本実施形態における第2当否抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第2抽選手段が構成される。また、ステップS5106において第2特別遊技状態に相当する小当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第2特別遊技状態発生手段が構成される。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当選フラグ(大当たり当選フラグ又は小当たり当選フラグ)が設定されたか否かを判定する。ステップS5301で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判定された場合、すなわち当たり状態が発生しない場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判定する。ステップS5302で肯定判定された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判定された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判定する。当該ステップS5304で肯定判定された場合には、ステップS5305において前後外れ以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5304で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図12の説明に戻り、ステップS508の処理の後、又は、ステップS501で否定判定された場合には、ステップS509において、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224Aの検知情報に基づき判定する。当該ステップS509で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップS510において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。当該ステップS510で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判定された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、ステップS513の大当たり判定処理は、小当たり判定を除き、上記ステップS505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの入賞に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第1大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0,1」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「16R確変大当たりB」に対応する値「2〜5」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「6」であった場合には「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりB」に対応する値「7〜10」のいずれかであった場合には「4R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりA」に対応する値「11」であった場合には「16R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりB」に対応する値「12〜15」のいずれかであった場合には「16R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「16〜19」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」又は「4R確変大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、ステップS506と同様、上記非報知演出を行なうか否かの演出抽選が行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、ステップS515のリーチ判定処理は、上記ステップS507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
さらに続くステップS516では、保留制御コマンドの設定処理を行う。その後、本処理を終了する。尚、ステップS516の保留制御コマンドの設定処理は、上記ステップS508の保留制御コマンドの設定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図15のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判定する。
ステップS601で否定判定された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判定された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判定されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判定された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。従って、ステップS604の処理が第3当否抽選の一部を構成することとなる。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判定し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」を遊技状態格納エリアに記憶する。
その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、RAM503に記憶された電源断時の遊技状態を把握するための遊技状態チェック処理を実行する。
続くステップS110では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、上記遊技状態チェック処理にて特定した電源断時の遊技状態に係る情報(後述する遊技状態判定値Xj)が含まれる。
ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ここで、ステップS109の遊技状態チェック処理について図16,17を参照して説明する。図16は、遊技状態チェック処理を示すフローチャートであり、図17は、後述する抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタKj及び遊技状態判定値Xjの対応関係を示す説明図である。尚、遊技状態チェック処理は、後述する変動表示設定処理(ステップS807)や、当たり終了設定処理(ステップS1216)においても実行される。
図16に示すように、ステップS1901では、RAM503にバックアップ記憶された電源断時の遊技状態に係る各種情報の読込み処理を実行する。具体的には、抽選モードフラグの値、サポートモードフラグの値、及び、遊技状態特定カウンタKjの値をそれぞれRAM503から読み込む。
抽選モードフラグとは、抽選モードが「低確率モード」又は「高確率モード」のどちらであるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「50(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定される。尚、抽選モードフラグにおける上位4ビットの値「5」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
サポートモードフラグとは、入賞サポートモードがどのような状態にあるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A0(H)」が設定される。尚、サポートモードフラグにおける上位4ビットの値「A」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
また、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A1(H)」が設定される。
また、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の場合には、フラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A3(H)」が設定される。
遊技状態特定カウンタKjとは、大当たり終了後の変動表示の実行回数を計数し、遊技状態の切替えタイミングを特定するための状態判定情報であり、大当たり終了時に所定の初期値が設定され、変動表示が1回行われる毎に1ずつ減算される。例えば、後述するように遊技状態特定カウンタKjの初期値として「50」が設定され、その後、当該カウンタKjの値が「31」となっていれば、その時点の変動表示は、大当たり終了後、20回目の変動表示であると特定することができる。
本実施形態では、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「50」が設定される。
また、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、初期値として「30」が設定される。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「0」が設定される。但し、上記非報知演出実行フラグがオンとされ、非報知演出が実行される場合には、初期値として「30」が設定される。非報知演出実行フラグは、初期値設定後、オフとされる。
図16の説明に戻り、ステップS1902では、ステップS1901にて読み込んだ抽選モードフラグの値と、サポートモードフラグの値とを加算する。
続くステップS1903では、ステップS1902にて算出した加算値と、所定のマスク値(本実施形態では「07(H)」)との論理積をとって、下位3ビットのデータを取出し、所定の作業エリアに遊技状態判定値Xjとしてセットする。
ステップS1904では、遊技状態判定値Xjの値が「1」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップS1905へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「4」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ステップS1904、又は、ステップS1905で肯定判定された場合には、ステップS1909へ移行する。一方、ステップS1905で否定判定された場合には、ステップS1906へ移行する。
ステップS1906では、遊技状態判定値Xjの値が「2」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップS1907へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「5」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ステップS1906、又は、ステップS1907で肯定判定された場合には、ステップS1912へ移行する。一方、ステップS1907で否定判定された場合には、ステップS1908へ移行する。
ステップS1908では、遊技状態判定値Xjの値が「6」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「次回まで・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合には、ステップS1914へ移行する。一方、否定判定された場合には、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップS1904、又は、ステップS1905で肯定判定され、移行したステップS1909では、遊技状態特定カウンタKjの値が「31」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が20回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合にはステップS1910へ移行する。
ステップS1910では、遊技状態特定カウンタKjの値が「21」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が30回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合には、ステップS1911へ移行する。
ステップS1911では、遊技状態特定カウンタKjの値が「11」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が40回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合にはステップS1912へ移行する。
ステップS1912では、遊技状態特定カウンタKjの値が「1」であるか否かを判定する。すなわち「50回目(初期値「50」の場合)」又は「30回目(初期値「30」の場合)」であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合にはステップS1916へ移行し、遊技状態判定値Xjの値(「1」、「4」、「2」又は「5」)をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップS1912にて肯定判定された場合、すなわち遊技状態特定カウンタKjの値が「1」である場合には、ステップS1913へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「7」に変更する。その後、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「7」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップS1908で肯定判定され、移行したステップS1914では、遊技状態特定カウンタKjの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち入賞サポートモードが、上記非報知演出の行われない「次回まで・高サポートモード」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップS1914にて否定判定された場合、すなわち非報知演出が行われる「次回まで・高サポートモード」である場合には、ステップS1915へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「5」に変更する。その後、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「5」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。これにより、「次回まで・高サポートモード」の状態であっても所定回数(本実施形態では20回)の間は、抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態と同様の演出が行われることとなる。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや電動役物37等の制御内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
例えば、上記各種検出スイッチの検知情報を基に、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判定し、入賞有りの場合には当該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し当該コマンドを出力する。
また、外部出力処理では、上記抽選モードフラグや後述する大当たり中フラグなど各種情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
例えば、入賞エラーが検出された場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、入賞エラーがない場合には、オフ信号が出力される。
また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか当該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の開閉板32bの開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、電動役物制御処理を実行する。この処理では、電動役物37においてどのような制御を行うか当該電動役物37の制御内容の設定が行われる。この電動役物制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
図18において、ステップS801では、詳しくは後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。尚、当たり状態(大当たり状態及び小当たり状態)中には、当たり状態の最中と当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。ここで言う当たり状態終了後の所定時間とは、当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて当たり状態の終了や当たり後に付与される各種遊技状態や各種モードを示す表示などが行われる。また、特別表示装置43L、43R、及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても当たり中に含まれる。
ステップS801で肯定判定された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で否定判定された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップS920参照、ステップS807参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップS814参照)にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判定された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判定する。
ステップS803で肯定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判定処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判定する。当該ステップS808で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判定された場合には、ステップS809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ずステップS900において遊技状態チェック処理を実行する。尚、当該遊技状態チェック処理は、上記ステップS109の遊技状態チェック処理(図16参照)と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップS902へ移行する。
ステップS902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップS912へ移行する。
ステップS903では、上記各種確変大当たりフラグ(「16R確変大当たりAフラグ」、「16R確変大当たりBフラグ」、「4R確変大当たりAフラグ」、「4R確変大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。
ステップS903で肯定判定された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップS904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS905にて「確変大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B1」又は「B2」)を設定する。その後、ステップS920へ移行する。
ステップS903で否定判定された場合には、ステップS906に移行し、上記各種通常大当たりフラグ(「16R通常大当たりAフラグ」、「16R通常大当たりBフラグ」、「4R通常大当たりAフラグ」、「4R通常大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。当該ステップS906で肯定判定された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップS907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS908にて「通常大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B1」又は「B2」)を設定する。その後、ステップS920へ移行する。
但し、本実施形態では、上述したように装飾図柄表示装置42において停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が停止表示されるといったように、変動パターンや停止図柄と、大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではなく、本実施形態では、あくまでも上記各種テーブルにより、例えば「確変大当たり」であれば「奇数図柄」で停止表示されやすいなど、各種大当たりの種別によって所定の変動パターンや図柄の出現率が異なるようにテーブル分けされているだけである。従って、例えば大当たり時には「確変大当たり」や「通常大当たり」などの大当たり種別に関係なく、1つの大当たりテーブルを基に変動パターンや停止図柄を選出する構成としてもよい。
また、ステップS906で否定判定された場合には、ステップS909に移行し、JUB大当たりフラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。当該ステップS909で肯定判定された場合、すなわち「JUB大当たり」である場合には、ステップS910へ移行する。
ステップS910においては、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS911にてチャンス図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B6」)を設定して、ステップS920へ移行する。
また、ステップS902で否定判定された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS912において、前後外れフラグがオンであるか否かを判定する。
ステップS912で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れフラグをオフする。続けてステップS914にて前後外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B3」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
一方、ステップ912で否定判定された場合、ステップS915において、前後外れ以外フラグがオンであるか否かを判定する。当該ステップS915で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れ以外フラグをオフする。続けて、ステップS917にて前後外れ以外図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B4」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
また、ステップS915で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS918にて「完全外れ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS919にて完全外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B5」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
ここで、便宜上、変動パターンテーブル及び変動パターンコマンドについて説明する。本実施形態では、上述した「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり時・変動パターンテーブルという)、「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンテーブル(以下、完全外れ時・変動パターンテーブルという)がそれぞれ遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」〜「7」)に応じて複数設けられている。
例えば、確変大当たり時・変動パターンテーブルに関しては、図37(a)に示すように、基準アドレスとなる「100番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「101番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「102番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「103番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「104番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「105番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「106番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「107番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
また、完全外れ時・変動パターンテーブルに関しては、図37(b)に示すように、基準アドレスとなる「700番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「701番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「702番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「703番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「704番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「705番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「706番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「707番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
図示は省略するが、その他の上記「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルに関しても、上記確変大当たり時・変動パターンテーブル、及び、完全外れ時・変動パターンテーブルの場合と同様に、遊技状態判定値Xjの値「0」〜「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
従って、上記ステップS904、ステップS907、ステップS910、ステップS913、ステップS916、ステップS918において変動パターンを決定する際には、まず上記遊技状態チェック処理(ステップS900)において特定した遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」〜「7」)に対応するテーブルを選出する処理を行う。この際、基準アドレス(例えば確変大当たり時・変動パターンテーブルの場合には「100番地」)に対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することができる。つまり、遊技状態判定値Xjの値がそのままオフセット値の役割を果たす。
そして、選択された変動パターンテーブル(例えば、「100番地」に格納された「通常状態(Xj=0)」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブル:図38参照)を基に変動パターンを決定し、これに対応する変動パターンコマンドを設定する。
本実施形態における変動パターンコマンドは、2バイト構成からなり、上位バイトにおける上位4ビットが、遊技状態を特定する情報によって構成されている。本実施形態では、上記遊技状態判定値Xjの値がそのまま設定される。また、上位バイトの下位4ビットが、大当たり種別などを特定する情報によって構成されて、下位バイトの8ビットが、変動パターン(変動時間やリーチ種別等)を特定する情報によって構成されている。
例えば、通常状態(Xj=0)に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル〔図37(a)参照〕を参照して判るとおり、通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンコマンドでは、上位バイトにおける上位4ビットに遊技状態判定値Xjの値である「0」が設定され、続く下位4ビットに「確変大当たり」を示す「F」が設定されている。そして、残りの下位バイトの8ビットに対し、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動パターンを特定する値が設定される。尚、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動態様(演出パターン)との関係がテーブルで記憶されており、変動パターンコマンドを受信すると、当該変動パターンコマンドに対応する変動パターン(演出パターン)が実行可能となる。
次に、図柄コマンドについて詳しく説明する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるためのコマンドである。本実施形態では、奇数大当たり図柄の組合わせ、偶数大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「B1」,「B2」,「B3」,「B4」,「B5」,「B6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
奇数大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、奇数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに奇数大当たり図柄を示す「B1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
偶数大当たり図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、偶数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに偶数大当たり図柄を示す「B2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B3」が設定される。
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B4」が設定される。
完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B5」が設定される。
また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、上述したように各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「B3」〜「B5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「B3」が図柄コマンドに設定されると、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「B4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「B5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
また、図柄コマンドに「A6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。
尚、上述したように設定された変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、後述する外部出力処理(ステップS201)において出力される。そして、これらのコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
さて、ステップS920では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が開始される。そして、ステップS920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図18の説明に戻り、ステップS802で肯定判定された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判定される。
ステップS813で否定判定された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判定された場合には、ステップS814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。
尚、上記停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。例えば、「16R確変大当たりA」である場合には「9−」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させる。
続いて、ステップS816において変動終了時設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、変動終了時設定処理について、図19を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判定する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、当たり設定を行う。具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、開放数カウンタ及び入賞カウンタVx等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、変動終了時設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(特賞状態の発生時間)や各特賞状態間のインターバル等を計測するための計測手段であり、開閉板32bの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判定する際等に参酌される。ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図39参照)を参酌して、各種当たりに対応した所定値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」のように初回が上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、「JUB大当たり」のように初回が上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。これにより、開閉板32bの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。
尚、開閉パターン制御テーブルには、図39に示すように、各種当たり状態における特賞状態の発生回数(ラウンド数)、各特賞状態(各ラウンド)における開閉板32bの開放時間、各特賞状態間のインターバル時間などが予め設定されている。
開放数カウンタとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判定するための状態判定情報である。ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」の場合には、16回を示す「16」が設定され、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定される。
入賞カウンタVxとは、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数する入賞計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入賞があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報に基づき判定し、可変入賞装置32への入賞があったと判定されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
また、ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、開閉板32bの1開閉動作(一回の特賞状態)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数K1の設定を行う。規定個数K1は、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数K1として「10」、「短開放」であれば規定個数K1として「3」が設定される。
ステップS1002の当たり設定処理では、大当たり又は小当たりの開始を告げるオープニングコマンドの設定なども行われる。但し、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後(後述するステップS1217の特賞状態開始処理等)にオープニングコマンドの設定が行われる。これにより、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後に大当たり報知演出等が行われることとなり、ここまでは、小当たりの場合と区別ができないようになっている。
さて、ステップS1001において、大当たり又は小当たりに対応しない、すなわち上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグがオフであると判定された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。サポート回数カウンタとは、「高サポートモード」の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了後に、各種大当たりに対応する値がカウンタ値として設定される。
ここで、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、サポート回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、高サポートモードの設定中とみなし、ステップS1004において、サポート回数カウンタの値を1減算する処理を行う。ステップS1004では、上記遊技状態特定カウンタKjの値を1減算する処理も併せて行う。その後、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。つまり、今回の変動表示が、大当たり終了後(高サポートモードの付与後)、所定回数目の変動表示であったか否かを判定する。ここで、サポート回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006においてサポートモードフラグの値を「低サポートモード」を示す「A0(H)」に切替える処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。ステップS206の可変入賞装置制御処理を実行する主制御装置261の機能により本実施形態における特定開閉制御手段が構成される。
まずステップS1201において大当たり中フラグ又は小当たり中フラグがオンであるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップS1202で肯定判定された場合には、続くステップS1202において、上記第1可変タイマのカウント値を1減算する。
続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、すなわち可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち開閉板32bの1開閉動作(「長開放」又は「短開放」)あたりの開放時間(規定時間「30秒」又は「0.4秒」)が残されているか否かを判定する。
ステップS1204にて否定判定された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数K1以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態で可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入賞予定数(規定個数「10個」又は「3個」)に達したか否かを判定する。ステップS1205にて否定判定された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(特賞状態終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判定された場合には、ステップS1206に進み、第1可変タイマの設定処理を行う。
ここで、第1可変タイマには、特賞状態の終了から所定時間が経過したか否か(例えば大当たりや小当たりの終了から所定時間が経過したか否か、所定の特賞状態の終了から次の特賞状態が開始されるまでのインターバルが経過したか否か等)を判定するため、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、所定値(例えば「3秒」に相当する値「750」、又は、「1秒」に相当する「250」)がセットされる。
その後、ステップS1207に進み、開放数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達したか否かを判定する。
ステップS1207で肯定判定された場合には、ステップS1210において開放終了設定処理を行い、本処理を終了する。ステップS1210の終了設定処理では、第1可変フラグをオフするとともに、当たり終了フラグをオンする。
ステップS1207で否定判定された場合、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップS1211において、特賞送り処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1211の特賞送り処理では、開放数カウンタの値を1減算すると共に、第1可変フラグをオフにする。これにより、特賞状態の実行回数が上記規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われることとなる。
さて、上記ステップS1203にて否定判定された場合、すなわち特賞状態終了後の所定時間内(当たり終了後の所定時間内、又は、特賞状態間のインターバル中)である場合には、ステップS1212に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1212にて肯定判定された場合、すなわち特賞状態の終了から所定時間が経過し、次の過程(次の特賞状態の開始、又は、通常遊技の開始)へ移行するタイミングに至った場合には、ステップS1215へ移行する。一方、ステップS1212にて否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1215では、上記当たり終了フラグを参酌して、大当たり状態又は小当たり状態を終了するか否かを判定する。
ステップS1215で肯定判定された場合には、ステップS1216において当たり終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
一方、ステップS1215で否定判定された場合には、ステップS1217において特賞状態開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップS1216の当たり終了設定処理では、大当たり中フラグ又は小当たり中フラグをオフするとともに、抽選モードフラグの切替処理、サポートモードフラグの切替処理、サポート回数カウンタの設定処理、遊技状態通知コマンドの設定処理、大当たり又は小当たりの終了を告げるエンディングコマンドの設定処理などが行われる。
抽選モードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、抽選モードフラグの切替設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「高確率モード」が設定される場合(各種「確変大当たりフラグ」又は「JUB大当たりフラグ」がオン)には、「高確率モード」の発生を示す「53(H)」がフラグ値として設定される。一方、「低確率モード」が設定される場合(各種「通常大当たりフラグ」がオン)には、「低確率モード」の発生を示す「50(H)」がフラグ値として設定される。抽選モードフラグの切替処理を行う機能により本実施形態における確率状態切換手段が構成される。
但し、小当たり当選フラグがオンの場合には、抽選モードフラグの切替処理は行われず、元のモードに係るフラグ値がそのまま設定される。例えば小当たり状態の発生前に「高確率モード」が設定されている場合(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)には、小当たり終了後も、そのまま「高確率モード(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)が設定される。
サポートモードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポートモードフラグの切替設定が行なわれる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にはフラグ値として「A1(H)」が設定され、「30回・高サポートモードS」の場合にはフラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合にはフラグ値として「A3(H)」が設定される。サポートモードフラグの切替処理を行う機能により本実施形態における入球状態切換手段が構成される。
サポート回数カウンタの設定処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポート回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値としてそれぞれ変動表示20回分に相当する「20」、変動表示30回分に相当する「30」、変動表示40回分に相当する「40」又は変動表示50回分に相当する「50」が設定される。また、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値として変動表示30回分に相当する「30」が設定される。「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値に、事実上到達し得ない値(例えば、変動表示99999回分に相当する「99999」)が設定される。
遊技状態通知コマンドとは、サブ制御装置262に対し、大当たり終了後に設定される遊技状態を通知するためのコマンドである。当該コマンドを設定するにあたり、まず遊技状態チェック処理を行う。当該遊技状態チェック処理は上記ステップS109の遊技状態チェック処理(図16参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、遊技状態通知コマンドには、上記遊技状態チェック処理により把握された新たな遊技状態に係る遊技状態判定値Xjが含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技状態(遊技状態判定値Xj)を新たな遊技状態(遊技状態判定値Xj)に切換える。尚、遊技状態通知コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げるエンディングコマンド等に遊技状態判定値Xjが含まれる構成としてもよい。
尚、大当たり当選フラグ、小当たり当選フラグ、各種「大当たりフラグ」に関しては、上記抽選モードフラグの切替処理など各種処理の終了後、オフされる。また、図19の変動終了時設定処理において当たり設定(ステップS1002)が行われた場合に、抽選モードフラグを一度リセットし(「50(H)」を設定する)、大当たり中又は小当たり中は「高確率モード」が中断する構成としてもよい。
ステップS1217の特賞状態開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、次の特賞状態に係る開放時間(「7500」又は「100」)を第1可変タイマに設定すると共に、次の特賞状態に係る規定個数K1の設定を行なう。さらに入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口32aを開放する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口32aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが閉状態となる。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
図22において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判定された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判定する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定されているため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されているため、第2表示タイマに「100」が設定される。
当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101で肯定判定された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS2107で肯定判定された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判定される。かかる処理が本実施形態における第3当否抽選を構成し、かかる処理を行う主制御装置261の機能が第3抽選手段を構成する。
具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜9のうち、当選値は「低サポートモード」において「0,1」の2個であり、「高サポートモード」において「0〜7」の8個である。
続いてステップS2110に進み、変動終了時設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、電動役物37の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、電動役物37が開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
第2可変タイマとは、電動役物37の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。尚、本実施形態では、「高サポートモード」と「低サポートモード」とで電動役物37の開放時間が異なり、「高サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、「低サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判定された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の変動表示が実現される。
次に上記ステップS208の電動役物制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において電動役物37が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、第2可変フラグがオンではない(電動役物37が閉状態である)と判定された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判定された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は電動役物37が開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判定する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判定される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判定された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、電動役物37に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には電動役物37に対し可動羽根37aを開放する旨の制御信号が出力され、電動役物37が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には電動役物37に対し可動羽根37aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、電動役物37が閉状態となる。これにより、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞が不可能となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図24を参照して受信割込み処理を説明し、その後図25を参照してメイン処理を説明する。
図24は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図26に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図25を参照して説明する。図25は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図26のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図27を参照して以下に説明する。
図27は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図24参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判定されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判定されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判定される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判定され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図26のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判定される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判定し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判定し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図28を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判定する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、コマンド判定処理を行う。ここで、コマンド判定処理について図31を参照して説明する。
まずステップS4101において、その受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続くステップS4102では当該コマンドが初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップS4103では復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップS4104では保留制御コマンドであるか否かが判定され、ステップS4110では遊技状態通知コマンドであるか否かが判定され、ステップS4111では変動パターンコマンドであるか否かが判定され、ステップS4112では図柄コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、ステップS4105でRAM553をクリアし、ステップS4106でRAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553の遊技状態情報格納エリアには、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」が記憶される。その後、本処理を終了する。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば(ステップS4102:NO、ステップS4103:YES)、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、ステップS4107にて、当該復帰コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」〜「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが保留制御コマンドであれば(ステップS4103:NO、ステップS4104:YES)、ステップS4108において、当該保留制御コマンドに含まれる各種情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報、始動入賞口33A,33Bどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報など)をサブ変動保留エリアに格納する格納処理を行い、本処理を終了する。
サブ変動保留エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられている。つまり、サブ変動保留エリアは、上始動入賞口33Aに対応する第1サブ変動保留エリア及び下始動入賞口33Bに対応する第2サブ変動保留エリアと、1つのサブ実行エリアとを備え、当該2つのサブ変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備えている。
各保留エリアには、保留制御コマンドの受信履歴(受信順序)や、当該保留制御コマンドに含まれる遊技球の入賞履歴(始動入賞口33A,33Bどちらへの入賞に基づくものなのか等)に従って、装飾図柄表示装置42にて実行される変動表示に関連する情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報など)が時系列的に格納される。これにより、サブ制御装置262は、変動表示の保留数やその内容を把握することができる。
主制御装置261から送信されたコマンドが遊技状態通知コマンドであれば(ステップS4104:NO、ステップS4110:YES)、ステップS4107にて、当該遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」〜「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS4110:NO、ステップS4111:YES)、装飾図柄表示装置42にて変動表示を開始するタイミングであるので、ステップS4113にて開始設定処理を行い、ステップS4114へ移行する。
ステップS4113の開始設定処理では、装飾図柄表示装置42にて行う変動表示に係る各種設定を行う。
この開始設定処理では、まず主制御装置261の特別変動保留エリアの場合と同様、サブ変動保留エリアに格納されたデータをサブ実行エリア側へ順にシフトさせる処理を実行する。続いて、上記受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動表示タイマに設定する。変動表示タイマは、装飾図柄表示装置42における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
また、開始設定処理では、装飾図柄表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する際に参酌される変動表示中フラグがオンされる。
本実施形態では、変動パターンコマンドに記憶された変動パターン情報に基づき、装飾図柄の変動表示に係る演出パターンを選出し、当たり種別情報(「外れ」を含む)に基づき、変動時間経過後に停止表示する停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定する。ここで決定された演出パターンや停止図柄に関する情報は、サブ変動保留エリアのサブ実行エリアに追記される。尚、変動時間情報と演出パターンとの対応関係や、大当たり種別情報と停止図柄との対応関係は、サブ制御装置262のROM552にテーブルで記憶されている。
尚、サブ制御装置262においても、主制御装置261と同様、「確変大当たり」に対応する変動パターン、「通常大当たり」に対応する変動パターン、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターン、「前後外れリーチ」に対応する変動パターン、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターン、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンに関して、それぞれ遊技状態判定値Xjの値「0」〜「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
つまり、サブ制御装置262は、装飾図柄表示装置42における表示態様の決定に際し、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」〜「7」)に対応するテーブルを選出することとなる。この際、基準アドレスに対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することに関しては、上記変動パターンテーブルを選出する際と同様である。
主制御装置261から送信されたコマンドが図柄コマンドであれば(ステップS4111:NO、ステップS4112:YES)、ステップS4116において図柄設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS4116の図柄設定処理では、サブ変動保留エリアの保留エリアに記憶された当たり種別情報に基づいて、後述するRAM553のカウンタ用バッファ(図29参照)に格納された図柄を、装飾図柄表示装置42に停止表示させる停止図柄として、上記サブ実行エリアに設定する。
より詳しくは、図柄コマンドに「B1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「B2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「B3」が設定されている場合、前後外れリーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B6」が設定されている場合、装飾図柄表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
さて、ステップS4114では、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが一致するか否かを判定する。ここで、両者の値が一致していれば、そのまま処理を終了する。
一方、両者の値が異なっていれば、ステップS4115にて状態エラーフラグをオンすると共に、ステップS4117にて、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を適正値とみなし、当該遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。状態エラーフラグがオンされることにより、両者の値が異なっている場合には、その旨がエラー表示ランプ104などにより報知されることとなる。勿論、エラー報知手段は、エラー表示ランプ104に限られるものではなく、装飾図柄表示装置42やスピーカSP等によりエラー報知を行う構成としてもよい。
尚、近年の遊技機は主制御装置等がバックアップ機能を備えていることから、停電等により電源が遮断された場合においても、その時の遊技モード(遊技状態)等をはじめとする各種データが記憶保持できるため、仮に高確率モード中に電源が遮断されてしまったとしても、電源復旧時には、遊技者は高確率モードのまま遊技を再開することができる。
しかしながら、上記バックアップ機能を利用すると、遊技ホールにおいて、営業開始時から遊技機を高確率モードに設定しておく行為、俗に言う「モーニング」が可能となる。このような行為は、遊技ホールとって営業開始時の集客力を高めるために行われるのであるが、遊技者の射幸心を悪戯に仰ぐおそれがある。上記行為の設定方法としては種々の方法が考えられるが、一例としては、前日の営業終了時点で遊技モードが高確率モードであった遊技機を初期化リセットしない方法が挙げられる。また、本実施形態のように、パチンコ機の電源投入時等において、サブ制御装置に対し主制御装置から遊技モードに関する情報(遊技状態判定値Xj)が復帰コマンド等により送信される構成においては、電源投入時等において、主制御装置とサブ制御装置とを繋ぐケーブルコネクタを取外しておけば、サブ制御装置は、主制御装置により設定される実際の遊技モードを把握できず、初期設定の遊技モードすなわち「通常モード」に係る制御を行うこととなる。
一般的な遊技機では、液晶表示装置等の表示演出手段において演出を行うにあたり、その表示態様(例えば背景色など)を通常モード中と高確率モード中とで異ならせることにより、遊技者等が現状の遊技モードを把握することを容易にしている。
また、一般的に、液晶表示装置等を制御するサブ制御装置はバックアップ機能を備えていないため、電源が切れると、初期設定の遊技モード(「通常モード」)に係る制御を行うこととなる。
従って、これを利用すれば、主制御装置により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、液晶表示装置の表示態様等を通常モード中のものとすることが可能となる。そうなると、現在の遊技モードを、液晶表示装置等を一目見ただけでは容易に判断できなくなるため、所定の調査等による本行為の確認も実質的に困難となる。
特に、本実施形態の「潜伏確変状態」のように、「通常モード」と表面上、区別し難い高確率モードが設定される遊技機では、当該高確率モードが上記行為により遊技ホールの営業開始時から設定されてしまうと、液晶表示装置の表示態様等からは実際の遊技モードが判別不能となってしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが異なっていれば、その旨をエラー報知すると共に、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。つまり、サブ制御装置262は、その時点の適切な遊技モードを把握することができることができる。これにより、仮に上記「モーニング」等の行為が行われ、主制御装置261により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、サブ制御装置262における演出態様が通常モード中の態様となっていたとしても、変動パターンコマンドを受信した場合には、遊技モードが違っていることが報知され、当該変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjに対応する演出態様となる。結果として、遊技ホールによる上記「モーニング」等の行為を抑制することができる。
図28の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判定された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図29に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、装飾図柄表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり図柄として、5通りの奇数図柄と、5通りの偶数図柄が設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが奇数大当たり図柄の組合わせを示す「B1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、奇数大当たり図柄の組合わせを決定する。
また、図柄コマンドが偶数大当たり図柄の組合わせを示す「B2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に偶数大当たり図柄の組合わせを決定する。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、ステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、上述したようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図30に示すように、ステップS4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判定し、ステップS4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判定する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判定し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判定する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判定し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
尚、本実施形態において、「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
図28の説明に戻り、ステップS3907では装飾図柄表示装置42にて各種表示を行うための表示設定処理を行う。当該表示設定処理では、主として装飾図柄表示装置42にて装飾図柄の変動表示等を行うための変動表示設定処理や、保留表示を行うための保留表示設定処理などが行われる。
まず変動表示設定処理について図32を参照して説明する。図32に示すように、ステップS4301では、上記変動表示中フラグの設定状況を見て、装飾図柄表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、変動表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、変動表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、変動表示中フラグは、上述したとおり装飾図柄表示装置42の変動表示を開始する際(ステップS4113の開始設定処理)にオンにされ、装飾図柄表示装置42の変動表示が停止表示される際(ステップS4305参照)にオフにされる。
ここで肯定判定された場合、すなわち変動開始時又は変動中である場合には、ステップS4302に進み、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS4302では、変動表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、変動表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS4303に進み、上記減算後の変動表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち変動表示タイマの値が「0」となった時にステップS4303が肯定判定される。
ステップS4303で否定判定された場合には、ステップS4304において、装飾図柄表示装置42の変動表示を実行するための変動実行処理を行い、本処理を終了する。
この変動実行処理では、例えばRAM553のサブ変動保留エリアの実行エリアに格納された各種情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。
これによって、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。そして、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンコマンドに対応する変動表示の変動時間が経過するまで(ステップS4113の開始設定処理で設定された変動表示タイマの値が「0」になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
一方、ステップS4303で肯定判定された場合、すなわち変動表示タイマの値が「0」であると判定された場合には、ステップS4305において装飾図柄表示装置42にて停止表示を行うための停止表示設定を行い、本処理を終了する。当該停止表示設定では、変動表示中フラグを解除(オフ)すると共に、表示制御装置45に対し装飾図柄表示装置42における変動表示の停止を指示する停止コマンドの設定等が行われる。
尚、ステップS4304の変動実行処理では、装飾図柄表示装置42における表示態様を遊技状態の種別に応じた態様(演出モード)で行うための演出モード切換設定処理も合わせて行なわれる。
本実施形態における演出モードは、遊技状態(遊技状態判定値Xjの値)に応じて、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、その継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
より詳しくは、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合、すなわち「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される(図40参照)。
また、遊技状態判定値Xjの値が「3」の場合、すなわち所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」又は「7」の場合、すなわち「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」、「30回・高サポートモードS」、「次回まで・高サポートモード」の非報知演出、又は、後述する「サポート継続演出」の期間中には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定される(図42参照)。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合、すなわち「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態(非報知演出期間を除く)には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定される(図43参照)。
次に、保留表示設定処理について図33を参照して詳しく説明する。まずステップS4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33Bに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納された当たり種別情報が小当たりに対応する情報(小当たり情報)であるか否かを判定する。
ここで否定判別された場合、すなわち小当たり情報が含まれていない場合には、ステップS4502において、通常保留表示更新処理を行う。図40に示すように、通常の保留表示では、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bにおいて、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)に対応する保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4が表示される。通常は、各保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
そして、ステップS4502の通常保留表示更新処理では、サブ変動保留エリアにおける保留数の増減に応じて、点灯態様又は消灯態様で表示される保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4の数を増減させる表示更新処理を行うこととなる。
一方、ステップS4501において肯定判別された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1〜第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合には、ステップS4502において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
ステップS4502の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1〜TB4のうち、上記小当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1〜TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。例えば図45に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。
図28の説明に戻り、ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判定された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判定される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判定された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
装飾図柄表示装置42の表示部42aには、通常状態(遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図40参照)。また、変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
保留表示領域W3は、サブ変動保留エリアに対応して設定されている。つまり、保留表示領域W3は、第1サブ変動保留エリア及び第2サブ変動保留エリアに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)に対応する保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4が表示される(図40参照)。
保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様で表示されており(網掛け部分参照)、所定の保留エリアに変動表示が保留された場合に、当該保留エリアに対応する保留画像TA1〜TA4,TB1〜TB4が点灯態様に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
図40に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像TA1及び第2保留画像TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像TA3,TA4,TB1〜TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1サブ変動保留エリアの保留第1エリアと保留第2エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が上始動入賞口33Aに係る「2」個の状態であることが示されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。可変表示装置ユニット35の左側方領域が本実施形態における第1の領域を構成する。
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33Aの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、下始動入賞口33B(電動役物37)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、電動役物37が開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞することはない。可変表示装置ユニット35の右側方領域が本実施形態における第2の領域を構成する。
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞すると、装飾図柄表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」〜「9」の数字の付された装飾図柄Zが表示される。各種装飾図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄表示領域においては、各種装飾図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄Zが停止表示される。
上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となると共に、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図41に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
一方、可変入賞装置32へ入賞せず、当該可変入賞装置32を素通りした遊技球は、上記釘等によって、上始動入賞口33Aや下始動入賞口33Bへ向けて流下することとなる。
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域には、可変入賞装置32までの流下途中において、下始動入賞口33B(電動役物37)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過することとなる。
ここで、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、電動役物37が開状態となり、下始動入賞口33Bへ遊技球が入賞することが可能となる。
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、電動役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
これに伴い、装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われると共に、変動表示領域W1が縮小表示される。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
また、かかるサポート演出中、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図42,43参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「4」の場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「2」又は「5」の場合(非報知演出の場合のXj=「5」を除く)には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。但し、上記非報知演出が行われる場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は電動役物37の開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の装飾図柄表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」の場合における変動時間が、各遊技状態判定値Xjに基づき選択される変動パターンテーブルによって「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「7」の場合における変動時間が、当該遊技状態判定値Xjの値「7」に基づき選択される変動パターンテーブルによって「8秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
上記特定回変動時(8秒変動)の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。ここで、演出ボタン125を遊技者に操作させるような演出を絡めて行ってもよい。
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。当該ルーレット演出では、図44に示すように、ルーレット図柄TRが表示される。ルーレット図柄TRには、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった項目が記載されている。
ルーレット演出では、ルーレット図柄TRが回転し、矢印TYの示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
また、例えば「次回まで・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりA」に当選し、非報知演出が行われ(遊技状態判定値Xjの値が「5」となり)、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」であるので、「次回まで」の項目が選択される。
さて「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様は、通常状態と同様の状態に戻る(図40参照)。従って、表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。
但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1〜TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1〜TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される(図45参照)。図45に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
このため、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻った場合でも、保留エリアに小当たり情報が格納されていれば、上記表示が行われ、遊技者に対して小当たりが発生することが示唆されることとなる。
上述したとおり、小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記小当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞しやすくなるよう釘調整等がされていれば、大当たり終了後の「高サポートモード」中において、遊技者は、より短期間により多くの遊技球を下始動入賞口33Bへ入賞させ、より多くの大当たり抽選機会を得ることができる。結果として、より短期間により多くの大当たりや小当たりに当選することが可能となる。
また、本実施形態では、上始動入賞口33Aへ遊技球が入球した場合よりも、下始動入賞口33Bへ遊技球が入球した場合の方が、より遊技価値の高い大当たりに当選する確率(振分確率)が高くなっている。結果として、「高サポートモード」中において、遊技者は、より有利な遊技価値を有する大当たりをより多く得ることが可能となり、上記作用効果をさらに高めることができる。
さらに、本実施形態では、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)、及び、下始動入賞口33Bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の両方が保留されている場合には、第2変動表示が優先して行われ、保留が消化される構成となっている。このため、上記作用効果をさらに高めることができる。
しかし、仮に下始動入賞口33Bに対し遊技球が入賞し難いように釘調整等が行われてしまうと、遊技者は上記メリットを十分に享受できないおそれがある。特に第1変動表示よりも第2変動表示が優先して行われる構成の下では、遊技者により有利な第2変動表示が行われる頻度が低下し、相対的に、より有利でない第1変動表示が行われ易くなり、遊技者により有利でない大当たりに当選してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、下始動入賞口33Bへの遊技球の一入賞に基づき払い出される賞球の数が1個に設定されていることで、仮に下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞個数が多くなったとしても、遊技者に払出される賞球の払出個数が著しく増加することはなく、下始動入賞口33Bへ遊技球が入球しやすいような釘調整等を遊技店側が行いやすくなるため、前述したような不具合の発生を抑制することができる。
但し、多くの遊技球を下始動入賞口33Bへ入賞させれば、大当たり抽選が行われる機会がより多く得られるものの、下始動入賞口33Bに係る賞球数が1個では、より多くの遊技球が入賞可能な「高サポートモード」中といえども、遊技者の所有する持ち球が減少してしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞することに起因して、比較的当選しやすい確率で小当たり抽選が行われる。そして、小当たり抽選に当選した場合には、可変入賞装置32が開状態となる。つまり、遊技者は、ハンドル18の操作量を変更することなく、「右打ち」を継続したまま、遊技球を可変入賞装置32へ入賞させることができ、適度に賞球を得ることが可能となる。これにより、持ち球の減少が比較的少なくなるため、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、大当たりに当選するための遊技に集中することができる。
結果として、下始動入賞口33Bに係る賞球数を1個に設定したことに伴う遊技者の不利益を補填し、遊技者の持ち球の著しい減少を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
さらに本実施形態では、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが同一の開放態様となっている。つまり、少なくとも「JUB大当たり」の開始当初は、「小当たり」と区別がつかず、その後、「小当たり」よりも遊技者に有利な「JUB大当たり」へと発展していく構成となる。これにより、「JUB大当たり」や「小当たり」が発生した初期段階において、もしかしたら遊技者に有利な大当たり状態に発展するのではないかという期待を遊技者に抱かせることができるという新たな遊技性を提供することができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、遊技者に対して小当たり報知又は示唆が行われる構成となっている。これにより、遊技者は、小当たり状態が発生するよりも前のタイミングで、可変入賞装置32が開放されることを認識又は予測することができる。従って、遊技者は、小当たり状態が発生する前に「右打ち」が可能となり、持ち球を無駄に消費することなく、効率よく、より確実に遊技球を可変入賞装置32へ入球させることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bに関する構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33Bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合には、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が優先して行われ、保留が消化される構成となっているが、これに限らず、上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞順序に従って変動表示が消化される構成としてもよい。
上記実施形態では、2つの始動入賞口(上始動入賞口33A及び下始動入賞口33B)が上下に並設された構成となっているが、これに限らず、例えば始動入賞口は1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。また、2つの始動入賞口を左右に並設した構成としてもよい。下始動入賞口33Bを可変表示装置ユニット35の右側方領域に配置した構成としてもよい。
上記実施形態では、賞球数が、例えば上始動入賞口33Aへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33Bへの入賞があった場合には1個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個などと設定されているが、各入賞口に対する賞球数はこれに限定されるものではない。例えば、上始動入賞口33Aへの入賞があった場合に1個の賞球が払出される構成としてもよい。
上記実施形態では、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞した場合と、下始動入賞口33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるように設定されている。これに限らず、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞した場合と、下始動入賞口33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別が同じとなるように構成してもよい。
上記実施形態では、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して、電動役物37(下始動入賞口33B)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、当該開放抽選にて当選した場合に、電動役物37が開状態となる構成となっているが、これに限らず、例えば「低サポートモード」中は、遊技球がスルーゲート34を通過した場合でも、電動役物37が開状態となることはなく、「高サポートモード」中は、開放抽選を行なうことなく、遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、必ず電動役物37が開状態となる構成となる構成としてもよい。
上記実施形態では、電動役物37が、遊技球の入球不能な閉状態と、遊技球の入球可能な開状態との間で変位可能な構成となっているが、これに限らず、電動役物37が、遊技球の入球困難な閉状態と、遊技球の入球容易な開状態との間で変位可能な構成とし、閉状態においても下始動入賞口33Bへ遊技球が入球可能な構成としてもよい。
上記実施形態では、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した場合のみ、「小当たり」や「JUB大当たり」が発生する構成となっているが、これに限らず、「小当たり」や「JUB大当たり」が上始動入賞口33Aへ遊技球が入賞した場合にも発生し得る構成としてもよい。
(b)当たりの種別や内容等は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
上記実施形態では、各種大当たりの終了後に、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される構成となっているが、「高サポートモード」の継続期間は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば大当たり種別に関係なく、一律に変動表示が100回行なわれる間だけ付与されるなど、異なる構成を採用してもよい。
上記実施形態では、「JUB大当たり」や「小当たり」など、1ラウンド中に可変入賞装置32の「短開放」が複数回(5回)行なわれる場合には、そのうちの1回の「短開放」中に可変入賞装置32へ3個の入賞があった場合に、当該「短開放」を終了する構成となっているが、これに限らず、例えば1ラウンド中(5回の「短開放」)に可変入賞装置32に入賞した遊技球の数の合計が10個となった場合に、当該ラウンドが終了する構成としてもよい。つまり、1ラウンド中に可変入賞装置32の「短開放」が5回繰り返し行われる構成において、例えば4回目の「短開放」に10個目の遊技球が入賞した時点でラウンドが終了し、5回目の「短開放」が行われない構成としてもよい。換言すれば、可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数が設定される所定回数の開放(特賞状態)を1ラウンドととらえてもよい。
また、上記実施形態では、開閉板32bの1開閉動作(一回の特賞状態)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数が、「長開放」であれば「10個」、「短開放」であれば「3個」に設定されている。これに限らず、最大入賞予定数として他の個数を設定してもよい。また、「長開放」及び「短開放」の両者の最大入賞予定数が共に、例えば「8個」に設定されるなど、開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様の違い)によらず、最大入賞予定数が同数に設定される構成としてもよい。
また、装飾図柄表示装置42にて大当たり図柄が停止表示されず、極めて短時間の大当たりを発生させ、その後、高確率モードへ移行するような大当たり、いわゆる「突確大当たり」等が発生する構成としてもよい。かかる場合、「小当たり」の開放態様と、「突確大当たり」の開放態様とが同一の開放態様となっていれば、抽選モード等の遊技状態を遊技者が判断し難くなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
(c)可変入賞装置32の開放態様(開閉パターン)は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、開閉板32bの1回の開放態様(開放時間)は、上記実施形態の「長開放」及び「短開放」の2種類に限定さるものではない。例えば「長開放」よりも開放時間が短く、「短開放」よりも開放時間の長い「中開放」を備えるなど、3種類以上の開放態様を備えた構成としてもよい。
上記実施形態では、「短開放」の開放時間(規定時間)が、発射装置60の発射周期「0.6秒」より短い時間「0.4秒」に設定されているが、「短開放」の開放時間はこれに限定されるものではなく、例えば発射装置60の発射周期「0.6秒」よりも長い時間に設定してもよい。但し、あまりにも長くなり過ぎては入賞数が多くなり過ぎるため、発射周期「0.6秒」の3倍程度である1.8秒以下程度に設定することが好ましい。
また、1回の小当たり発生時における「短開放」の実行回数は、上記実施形態の「5回」に限定されるものではない。例えば1回の小当たり発生時に比較的長め(例えば1.8秒)の「短開放」を一回だけ行なう構成としてもよい。
勿論、「長開放」の構成についても、「短開放」の場合と同様、上記実施形態に限定されるものではなく、開放時間、入賞個数などに関し、上記実施形態とは異なる種々の構成を採用することができる。
(d)特に「小当たり」の開放態様と、「JUB大当たり」の開放態様は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。少なくとも「JUB大当たり」の開始当初は、「小当たり」と区別がつかず、その後、遊技者により有利な大当たり状態へと発展していくような遊技者の興趣が向上する構成となっていればよい。
上記実施形態では、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが同一の開放態様となっている。つまり、上記実施形態では、「小当たり」の開放態様として5回の「短開放」が行われると共に、「JUB大当たり」の1ラウンド目の開放態様として5回の「短開放」が行われる構成となっている。これに限らず、例えば「小当たり」の開放態様、及び「JUB大当たり」の初期開放態様(1ラウンド目の開放態様)として、「短開放」を10回行う構成としてもよいし、「長開放」を1回行う構成としてもよい。
また、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが「同一」とは、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の1ラウンド目の開放態様とが同一であることに限定されるものではない。例えば、「小当たり」の開放態様として5回の「短開放」が行われる構成において、「JUB大当たり」の1ラウンド目に8回の「短開放」が行われる構成等に関しても、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが同一であることに含まれる。また、「小当たり」の開放態様として1回3秒の開放が行われる構成において、「JUB大当たり」の1ラウンド目に1回5秒の開放が行われる構成等に関しても、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが同一であることに含まれる。
ここで、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが「同一」であることには、開放時間や開放回数が同一であることに限定されるものではなく、例えば開閉板32bの開放角度などが同一である場合なども含まれる。例えば、「小当たり」発生時に開閉板32bが45°傾いた位置まで開放される構成において、「JUB大当たり」の1ラウンド目の前半にて、これと同様に、開閉板32bが45°傾いた位置まで開放された後、これに続けて、1ラウンド目の後半にて開閉板32bが90°傾いた位置まで開放されるような構成等に関しても、「小当たり」の開放態様と「JUB大当たり」の初期開放態様とが同一であることに含まれる。
また、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも遊技者に不利な態様となる構成としてもよい。ここで、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも遊技者に不利な態様となるとあるのは、例えば可変入賞装置32への単位時間あたりの遊技球の入賞個数が「小当たり」時よりも少ない状態(入賞割合が「小当たり」時よりも小さい状態)となることを意味する。具体例としては、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも、開閉板32bの開放時間が短いこと、開放回数が少ないこと、開放角度が小さいことなどが挙げられる。
勿論、上記構成とは逆に、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも遊技者に有利な態様となる構成としてもよい。ここで、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも遊技者に有利な態様となるとあるのは、例えば可変入賞装置32への単位時間あたりの遊技球の入賞個数が「小当たり」時よりも多い状態(入賞割合が「小当たり」時よりも大きい状態)となることを意味する。具体例としては、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも、開閉板32bの開放時間が長いこと、開放回数が多いこと、開放角度が大きいことなどが挙げられる。
かかる構成により、「JUB大当たり」の開始当初における可変入賞装置32への入球割合が「小当たり」よりも良くないかな、すなわち「JUB大当たり」が発生するのではないかなと、遊技者に期待を持たせた後に、「JUB大当たり」が発生し、やはりそうだったかと思わせるといった遊技性が生じ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
但し、「JUB大当たり」の初期開放態様が、「小当たり」の開放態様よりも遊技者に有利な態様となる場合には、例えば「小当たり」に係る開閉板32bの開放時間「0.4秒」に対し、「JUB大当たり」に係る開閉板32bの開放時間を「0.5秒」とするなど、「JUB大当たり」の初期開放態様と、「小当たり」の開放態様との有利さに大きな違いを設けないようにすることが好ましい。また、開閉板32bの1開閉動作(又は1ラウンド)中に可変入賞装置32へ入賞する遊技球の球数が、開閉板32bの1開閉動作(又は1ラウンド)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数に達しない程度の時間しか開閉板32bが開放しない構成とすることが好ましい。
(e)遊技盤30の盤面上の構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、スルーゲート34や可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているが、これに限らず、例えばスルーゲート34を可変表示装置ユニット35の左側方領域にも配置した構成としてもよいし、可変入賞装置32を始動入賞口33A,33Bの下方位置に配置した構成としてもよい。
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に上始動入賞口33Aを配置した構成としてもよし、可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に下始動入賞口33Bを配置した構成としてもよい。
(f)特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rの構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、当該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。これに限らず、特別表示装置43L,43R等が視認可能な構成となっていてもよい。但し、特別表示装置43L、43Rは、上記のように遊技領域の下隅といった遊技者の目につきにくい目立たない場所に設けられるとともに、その表示部の大きさも小さく、判別用の文字が停止表示される時間も比較的短い。従って、特別表示装置43L、43Rから目を離さず、注意深く観察していなければ、付与さえる遊技状態を把握することは実質的に不可能である。
(g)装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示演出や表示態様等については、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1〜TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1〜TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の「星型画像」に変更されると共に、指示表示領域W2に「右打ち→」と表示し、遊技者に対して小当たりが発生することを報知又は示唆する構成となっている。
第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合に、その旨を遊技者に対し報知又は示唆する構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、第2保留ランプ46bの点灯色を変更することにより、小当たり報知又は示唆を行なう構成としてもよい。また、装飾図柄表示装置42の表示部42aにて、例えば「小当たりが発生するので、右打ちをしてください。」等の明示的な表示や、「あやしいぞ」等の示唆的な表示を行う構成としてもよい。また、装飾図柄表示装置42における小当たり報知又は示唆に加えて又は代えて、スピーカSPを使用して音声等による小当たり報知又は示唆を行う構成としてもよし、各種ランプの発光態様により小当たり報知又は示唆を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、小当たり情報が保留エリアに格納された場合には、常に小当たり報知又は示唆する構成となっているが、例えば小当たり報知等を行うか否かの抽選に当選した場合など、所定条件が成立した場合のみに実行する構成としてもよい。
尚、小当たり情報が保留エリアに格納されている場合とは無関係に別途、演出抽選を行い、当該抽選結果に基づいて擬似的な小当たり報知又は示唆が行われる構成としてもよい。かかる構成と上記実施形態の構成とを組み合わせることにより、小当たりの当選を偽装する演出を行うことができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
逆に、小当たり情報が保留エリアに格納されている場合であっても、上記所定条件が成立しないかぎり、小当たり報知又は示唆が行われない構成としてもよい。このようにすれば、所定の規則性がくずれることとなる。その結果、前記規則性がくずれた態様等を視認することで、さらなる興趣の向上を図ることができる。
また、小当たり報知又は示唆を開始するタイミングは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」の戻った場合に小当たり報知又は示唆を行う構成としてもよい。また、大当たり終了後に「高サポートモード」が付与されない構成の遊技機においては、大当たり終了時に小当たり報知又は示唆を開始する構成としてもよい。ここで、大当たりの終了タイミングとしては、例えば最終ラウンドの大入賞口32aの開放が終了した時点(開閉板32bが閉鎖された時点)や、エンディングが終了した時点などが挙げられる。
また、上記実施形態では、小当たり報知又は示唆として、第2保留表示領域W3bにおける保留画像TB1〜TB4の表示態様の変更(「星型画像」への変更)と、指示表示領域W2における「右打ち→」の指示表示との両者を併せて行う構成となっている。これに限らず、両者を個別に行う構成としてもよい。
例えば、第2保留表示領域W3bにおいては保留画像TB1〜TB4の「星型画像」への変更を行いつつ、指示表示領域W2では「右打ち→」ではなく、「←左打ち」の指示表示を行う構成としてもよい。
逆に、第2保留表示領域W3bにおいては保留画像TB1〜TB4の表示態様の変更は行わず、指示表示領域W2においては「右打ち→」の指示表示を行う構成としてもよい。
このようにすれば、遊技者は「小当たり」が発生すると思えば「右打ち」を継続し、「小当たり」が発生しないと思えば「左打ち」に戻すといったように、遊技者は自身の意思に基づいて遊技球の発射態様を変更することができ、発射態様の選択といった新たな遊技性を提供することができる。
また、小当たり報知又は示唆に限らず、第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに大当たり情報が格納されている場合に、その旨を遊技者に対し報知又は示唆する構成、すなわち大当たり報知を行う構成としてもよい。
(h)主制御装置261からサブ制御装置262等へ送信されるコマンドは、上記例示したコマンドに限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、変動パターンコマンド及び図柄コマンドが、変動表示開始時に主制御装置261から出力され、変動パターンコマンドが変動開始コマンドの役割を果たす構成となっている。そのため、変動パターンコマンド及び図柄コマンドに対応する情報がサブ実行エリアに直接書き込まれる構成となっている。これに限らず、例えば、これらのコマンドを保留制御コマンド等と共に事前に出力し、予めサブ変動保留エリアの所定の保留エリアに記憶させておき、変動表示開始時に別途、変動開始コマンドを出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、サブ制御装置262に対し装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の確定コマンドを出力しない構成となっているが、確定コマンドを出力する構成としてもよい。このようにすれば、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期がより確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度、装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。
また、上記実施形態では、復帰コマンドや変動パターンコマンドに、遊技状態判定値Xjが含まれる構成となっている。これに限らず、他のコマンドに遊技状態判別情報を含ませる構成としてもよい。変動停止に際してその停止を確定させるためのコマンド(確定コマンド)などを出力する構成においては、当該確定コマンド等に遊技状態判別情報を含ませる構成としてもよい。
(i)変動パターンテーブルなど、各種テーブルの構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、遊技状態を把握するにあたり、遊技状態特定カウンタKjの値を考慮して、遊技状態判定値Xjの値を決定する構成となっているが、これに限らず、例えば抽選モードフラグの値とサポートモードフラグの値とを加算した値をそのまま遊技状態判定値Xjの値として設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、遊技状態判定値Xjの各値「0」〜「7」に対して、抽選モードフラグの値、及び、ポートモードフラグの値がそれぞれ1つだけ特定される構成となっている。例えば遊技状態判定値Xjの各値が「4」であれば、抽選モードフラグの値が「53(H)」で、サポートモードフラグの値が「A1(H)」と特定することができる。
これに限らず、例えば抽選モードフラグの値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「52(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定されると共に、サポートモードフラグの値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A3(H)」が設定され、「高サポートモード」である場合には「A2(H)」が設定される構成として、「低確率モード〔52(H)〕」かつ「低サポートモード〔A3(H)〕」の場合と、「高確率モード〔53(H)〕」かつ「高サポートモード〔A2(H)〕」の場合とで、同じ加算値が算出される、すなわち遊技状態判定値Xjの値が同じ「5」となるようにして、「低確率モード」かつ「低サポートモード」の状態と、「高確率モード」かつ「高サポートモード」の状態とで同様の表示演出が行われるような構成としてもよい。
(j)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。
(k)「小当たり」に関する構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば「大当たり」と同様に、複数種別の「小当たり」を設けた構成としてもよい。加えて、当選した小当たり種別によって、その後の変動表示に係る表示制御処理において選択される変動パターンテーブルが異なる構成としてもよい。
ここで、例えばリーチ演出が発生しやすくなる、又は、1回の変動時間が長くなるなど、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)における単位時間あたりの変動表示実行回数がより少なくなる変動パターンテーブルを選択することができる。かかる変動パターンテーブルを選択した場合には、例えばリーチ演出をたくさん実行したり、1回の変動時間を長くする等して、もしかすると「潜確状態」かもしれないと遊技者に感じさせたりして、変動表示に係る遊技者の期待感を高めることにより、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
逆に、例えばリーチ演出が発生しにくくなる、又は、1回の変動時間が短くなるなど、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)における単位時間あたりの変動表示実行回数がより多くなる変動パターンテーブルを選択することができる。「小当たり」が発生した場合には、変動表示が停止するため、その分、単位時間あたりの変動表示実行回数が減少することとなる。これに対し、「小当たり」の終了後、前記変動パターンテーブルを選択した場合には、所定回数の変動表示の実行に要する時間が「小当たり」が発生しなかった場合に比べても長くならず、「小当たり」の発生により生じた時間のロスを挽回することができる。
また、「小当たり」の発生を契機として、「小当たり」の当選確率を変更可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態において「小当たり」となる場合には、装飾図柄表示装置42の上・中・下図柄表示領域において、予め定められた特定の数字の組合わせ「3」・「4」・「1」がチャンス図柄として停止表示される構成となっている。これに限らず、例えば装飾図柄表示装置42において変動表示される装飾図柄Zに代えて、小当たり専用図柄を所定の図柄表示領域に変動表示させ、当該小当たり専用図柄が停止表示されると、「小当たり」の発生が確定する構成としてもよい。勿論、「JUB大当たり」と区別がつかないように、「JUB大当たり」が発生する際にも、前記小当たり専用図柄が停止表示される構成としてもよい。
尚、装飾図柄Zが最終的に停止表示される中図柄表示領域において、小当たり専用図柄が停止表示されるようにすれば、遊技者は変動表示の最後まで、「小当たり」が発生するのではないかという期待感を持って遊技を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
(l)上記実施形態では、「JUB大当たり」の開始当初と、「小当たり」とが区別つかないようにするため、装飾図柄表示装置42における大当たり報知演出や、外部中継端子板240からの「JUB大当たり」の発生情報の出力が、「JUB大当たり」の1ラウンド目の終了後(5回の「短開放」の終了後)に行われる構成となっている。
つまり、所定の第1特別遊技状態(JUB大当たり)に係る特定入球手段の開閉パターンの開始当初(1ラウンド目)の態様が終了した後、所定のタイミングで、当該所定の第1特別遊技状態(JUB大当たり)が発生する旨の報知が行われる。
装飾図柄表示装置42や外部中継端子板240などの所定の報知手段によって行われる「JUB大当たり」に係る大当たり報知のタイミングは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、「JUB大当たり」の1ラウンド目に、可変入賞装置32へ入球した入球個数が所定個数を超えたタイミングで、「JUB大当たり」に係る大当たり報知を行う構成としてもよい。また、「JUB大当たり」の2ラウンド目の「長開放」が開始されるタイミングや、当該「長開放」に係る所定の演出等が開始されるタイミングで、「JUB大当たり」に係る大当たり報知を行う構成としてもよい。
「JUB大当たり」の報知に代えて又は加えて、「JUB大当たり」が発生する旨の示唆を装飾図柄表示装置42や枠ランプ102などの所定の示唆手段によって行う構成としてもよい。これにより、遊技者に有利な「JUB大当たり」に発展するのではないかという期待感を遊技者により強く抱かせることができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
例えば、示唆手段(音声発生手段)としてのスピーカSPによって、「JUB大当たり」の1ラウンド目(5回の「短開放」中)に、可変入賞装置32へ遊技球が入球した場合に発生させる入球音と、「小当たり」中に可変入賞装置32へ遊技球が入球した場合に発生させる入球音とを異ならせる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、特に言及していないが、例えば「小当たり」中に可変入賞装置32へ遊技球が入賞した場合に、装飾図柄表示装置42において、1入賞につき所定のポイント(例えば、払出個数に相当する「15」ポイント)が付与されていくようなポイント付与演出を行う構成としてもよい。かかる構成の下、「JUB大当たり」が発生する場合には、その示唆演出として、例えば1入賞につき付与されるポイントが「小当たり」の場合よりも多くなる(例えば「150」ポイント)演出を行ってもよい。ここで、「JUB大当たり」の発生により獲得が予想される遊技球の払出個数に相当する程度の多量のポイントが付与される構成としてもよい。このような演出を行うことで、上述したように、遊技者に有利な「JUB大当たり」に発展するのではないかという期待感を遊技者により強く抱かせることができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した特定入球手段(例えば大入賞口)と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記特定入球手段を開閉制御する特定開閉制御手段と、
前記始動入球手段への遊技球の一入球に基づき、当該始動入球手段に対応して予め設定された1個の賞球の払出処理を実行し、前記特定入球手段への遊技球の一入球に基づき、当該特定入球手段に対応して予め設定された所定個数(1個以上、例えば10個)の賞球の払出処理を実行する払出制御手段とを備えた遊技機。
上記手段1によれば、始動入球手段への遊技球の一入球に対する賞球の払出個数が1個に設定されている。このため、始動入球手段への遊技球の入球個数が多くなったとしても、遊技者に払出される賞球の払出個数が著しく増加することはなく、遊技店側の不利益面が大きくなるのを抑制することができる。
換言すれば、始動入球手段への遊技球の入球個数を多くし、遊技者が特別遊技状態の当否抽選を得る機会を増やすような遊技機の釘調整等を遊技店側が行いやすくなる。
その結果、遊技者側としては、短期間により多くの抽選機会を得ることが可能となる。ひいては、より短期間により多くの特別遊技状態を得ることが可能となり、遊技者にとっての興趣の向上が図られる。
さらに、遊技者に対する抽選機会の付与と賞球の払出しとのバランス、すなわち遊技店側と遊技者側の利益バランスを踏まえた遊技機の釘調整等がより容易に行えるようになる。
加えて、本手段では、始動入球手段への遊技球の入球に起因して、遊技者により有利な第1特別遊技状態(例えば大当たり状態)の当否抽選を行うと共に、当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)の当否抽選を第1特別遊技状態の当選確率よりも低い確率で行なう構成となっている。
このため、遊技者は、より当選しにくい第1特別遊技状態に当選するべく遊技を行う過程において、より当選しやすい第2特別遊技状態に当選して、適度に賞球を得ることが可能となる。従って、第2特別遊技状態が比較的頻繁に当選するようにすれば、遊技者が有する遊技球(持ち球)の減少が比較的少なくなり、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、第1特別遊技状態に当選するための遊技に集中することができる。
結果として、始動入球手段に係る賞球の払出個数を1個に設定したことに伴う遊技者の不利益を補填し、遊技者の持ち球の著しい減少を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
なお、賞球の払出しには、現実の遊技球の払出しは勿論のこと、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与することなども含まれる。
手段2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、当該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において設けられ、所定開放条件が成立している場合(例えば高サポートモードが付与された場合や、開放抽選に当選した場合など)に、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
変動表示を行った後、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う第1表示手段と、
変動表示を行った後、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う第2表示手段と、
前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられると共に、当該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した特定入球手段(例えば大入賞口)と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記特定入球手段を開閉制御する特定開閉制御手段と、
前記第1始動入球手段への遊技球の一入球に基づき当該第1始動入球手段に対応して予め設定された所定個数(1個以上、例えば5個)の賞球の払出処理を実行し、前記第2始動入球手段への遊技球の一入球に基づき当該第2始動入球手段に対応して予め設定された1個の賞球の払出処理を実行し、前記特定入球手段への遊技球の一入球に基づき当該特定入球手段に対応して予め設定された所定個数(1個以上、例えば10個)の賞球の払出処理を実行する払出制御手段とを備えた遊技機。
上記手段2によれば、通常時、遊技者は、第1の領域(第1始動入球手段)に向けて遊技球を発射する発射態様で遊技を行いつつ、第1特別遊技状態が発生した場合には、第2の領域(特定入球手段)に向けて遊技球を発射する発射態様に切換えて遊技を行う。
一方、所定開放条件が成立している場合には、遊技者は、より多くの第1当否抽選の機会を得るべく、より入球させ易い第2始動入球手段(第2の領域)に向けて遊技球を発射する発射態様で遊技を行う。結果として、所定開放条件が成立している場合において、上記手段1と同様の作用効果が奏される。また、所定開放条件が成立している場合においては、より短期間により多くの第1当否抽選及び第2当否抽選の機会を得ることができ、より短期間により多くの第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態に当選しやすくなる。
また、遊技者が第2の領域(第2始動入球手段)に向けて遊技を発射する発射態様で遊技を行い、第1特別遊技状態又は第2特別遊技状態に当選した場合には、発射態様を変更することなく、そのまま遊技球を特定入球手段へ入球させることができる。結果として、無駄に持ち球を消費することなく、効率よく遊技を行うことができる。また、賞球の取りこぼしも少ない。
さらに、遊技店側にとっては、始動入球手段が1つだけ設けられた構成と比べ、始動入球手段が複数あることで、遊技者に対する抽選機会の付与と賞球の払出しとのバランス、すなわち遊技店側と遊技者側の利益バランスを踏まえた遊技機の釘調整等がより容易に行えるようになる。特に、第1始動入球手段及び第2始動入球手段に係る賞球の払出個数を異ならせた場合には、その作用効果がより大きくなる。
手段3.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば抽選モード、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高確率モード)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、第1始動入球手段へ遊技球が入球した場合よりも、第2始動入球手段へ遊技球が入球した場合の方が、より遊技価値の高い第1特別遊技状態に当選する確率(振分確率)が高くなる。結果として、上記所定開放条件が成立している場合においては、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい状態となるため、遊技者は、より有利な遊技価値を有する第1特別遊技状態をより多く得ることが可能となる。
しかし、仮に第2始動入球手段に対し遊技球が入球し難いように遊技機の釘調整等が行われてしまうと、遊技者は上記メリットを十分に享受できないおそれがある。これに対し、本手段では、第2始動入球手段への遊技球の一入球に対する賞球の払出個数が1個に設定されることで、第2始動入球手段へ遊技球が入球しやすいような遊技機の釘調整等を遊技店側が行いやすくなるため、前述したような不具合の発生を抑制することができる。
手段4.前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、当該抽選結果に基づき前記第1表示手段にて実行される変動表示を、すでに実行されている変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、当該抽選結果に基づき前記第2表示手段にて実行される変動表示を、すでに実行されている変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段2又は3に記載の遊技機。
上記手段4によれば、上記所定開放条件が成立している場合においては、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい状態となると共に、当該入球に係る変動表示を優先して消化できるようになるため、より短期間により多くの第1当否抽選及び第2当否抽選を実行することができ、より短期間により多くの第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態に当選しやすくなる。
しかしながら、仮に第2始動入球手段に対し遊技球が入球し難いように遊技機の釘調整等が行われてしまうと、遊技者は上記メリットを十分に享受できないおそれがある。特に上記手段3の構成の下では、遊技者により有利な第2始動入球手段に係る抽選(変動表示)が行われる頻度が低下し、相対的に、より有利でない第1始動入球手段に係る抽選(変動表示)が行われ易くなり、遊技者により有利でない第1特別遊技状態に当選してしまうおそれがある。
これに対し、本手段では、第2始動入球手段への遊技球の一入球に対する賞球の払出個数が1個に設定されることで、第2始動入球手段へ遊技球が入球しやすいような遊技機の釘調整等を遊技店側が行いやすくなるため、前述したような不具合の発生を抑制することができる。
手段5.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)と、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して第3の当選確率で第3当否抽選(例えば開放抽選)を行う第3抽選手段と、
変動表示を行った後、前記第3当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う第3表示手段とを備え、
少なくとも前記第3当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記所定開放条件が成立するよう構成され、
前記第2始動入球手段は、
前記所定開放条件が成立した場合に、閉状態から開状態へ切換わり、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が入球した場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能に構成されていることを特徴とする手段2乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段6.少なくとも遊技状態を、前記第2始動入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が相対的に低い低入球状態と、相対的に高い高入球状態との間で切替え可能な入球状態切換手段を備えたことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
上記手段6によれば、高入球状態中においては、第2始動入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が増えるため、低入球状態中に比べて第2入球手段への入賞個数が増える。従って、より短期間により多くの第1当否抽選及び第2当否抽選の抽選機会を得ることができ、より短期間により多くの第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態に当選しやすくなる。また、高入球状態中は、低入球状態に比べて、必然的に総体的な賞球の払出個数も増えるため、持ち球の減少が比較的少なくなり、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態に当選するための遊技に集中することができる。
手段7.前記高入球状態は、以下の(1)〜(5)の構成の少なくとも1つを満たす状態であることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
(1)前記第3表示手段における変動表示時間を前記低入球状態に比べて短縮した状態
(2)前記第2始動入球手段の開閉処理に関わる前記規定時間を前記低入球状態に比べて長くした状態、又は、前記規定個数を前記低入球状態に比べて多くした状態
(3)前記第3当否抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う前記開閉処理の実行回数を前記低入球状態に比べて多くした状態
(4)前記第3当否抽選における当選確率を前記低入球状態の当選確率より高くした状態
上記手段7によれば、前記高入球状態として、(1)〜(4)の構成の任意の組合せ〔例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(4)〕を採用できる。
手段8.少なくとも遊技状態を、前記第1特別遊技状態の当選確率が相対的に高い高確率状態と、相対的に低い低確率状態との間で切替え可能な確率状態切換手段を備えたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、高確率状態中においては、低確率状態中に比べて、より短期間に第1特別遊技状態に当選しやすくなるため、遊技者にとって興趣の向上が図られる。
手段9.手段1乃至8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。パチンコ機の基本構成としては、操作手段としてのハンドルを備えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を遊技領域に発射させる。