JP6064120B2 - 耐磨耗複合ライナの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は機械加工用刃物や機械部品として使用され、使用後は産業廃棄物として大部分廃棄されているサーメットチップや超硬チップなどの耐磨耗材を有効利用するものであり、耐磨耗材を粉砕して耐磨耗材粒を生成しハイクロム鋳鉄などの鋳物金属に鋳込むことにより、耐磨耗材と鋳物金属の複合ライナを製造方法する方法に関するものである。
耐磨耗性を要求される設備の摩耗対策としては、硬化肉盛り法が多用されており、手棒肉盛り、TIG溶接、MIG溶接などにより溶接肉盛りされている。硬化肉盛りは、靱性が低く衝撃で割損し剥離する欠点があり厚く肉盛りできないことから、比較的短周期で繰り返し肉盛りする必要があった。又、硬化肉盛り法は職人技能に左右され、ある程度経験を積み重ねないと所要の硬度や品質を確保できない問題がある。又、最近は3K作業が敬遠され、汚い・熱い、寒い・危険な現場で根気のいる長時間作業をやる職人が激減している問題が顕在化しつつある。他に溶射やセラミックスライニング、ハイクロムライナ、浸炭・窒化処理などがあるが、過去の経験則から寿命とコストを勘案した場合耐磨耗ライナが優れている。耐磨耗ライナはオフラインで製造したライナを現場に持ち込んで取り付けるだけであり、特に技能的な要求はないので今後このような整備スタイルが拡大していくものと推察される。
ライニング材の代表的なものはハイクロム鋳鉄製ライナ(ハイクロムライナ)である。ハイクロムライナは耐磨耗性に優れ大荷重、大衝撃に耐えるので昔から耐磨耗ライニングの主流を占めている。ハイクロムライナの寿命を長くするには厚みを厚くするのが効率的であるが、重たくなるので取り付け作業性や安全性が低下する問題がある。又、現場のホッパーやシュートは広い面積をライニングしなければならないが、鋼板溶接構造であるため、経年的に熱や荷重で変形し、取り付けボルト位置がずれてしまう欠点があり、位置合わせ作業に長時間を要する問題がある。このため、ハイクロムライナの現場取り付け作業は作業者にとって、溶接と同様な3K作業となっていた。ハイクロムライナの重量を軽減し取り付け作業を容易にすることや、寿命を延長し取り換え作業の回数を減らしていくことは製造業の整備様式を根本から改善するものであり極めて重要なことである。ハイクロムライナの寿命を延長する方法として、クロム炭化物などの炭化物含有量を多くしたり、厚みを厚くする方法がとられてきたが限界に近づいており大きな飛躍は望めない。
特開2012−086225号広報において、超硬合金をハイクロム鋳鉄に鋳込む方法において、超硬合金の表面に銅メッキを施し、銅メッキの上に少なくとも複数のフッ化物とホウ化物を溶媒に溶解して生成した液体フラックスを塗布し、液体フラックスを乾燥せしめてフラックス結晶を生成せしめて、超硬合金をハイクロム鋳鉄に鋳込むことを特徴とするハイクロム鋳鉄と超硬合金の鋳込み方法が示されている。この方法においては、厚み3〜8mm、10〜15mm□の回収超硬合金チップを使用しているため鋳造時の急激な加熱を受けて、超硬が割損しやすく品質が安定しない問題や、破片がハイクロム鋳鉄中に偏在し欠陥とな衝撃荷重で割れやすい問題があった。又、超硬は300℃以上になると酸化し、硬度も低下するので高温環境下では使用できなかった。
特開2000−343203号広報において、サーメット材を鋳造用金属材に鋳造する際に、鋳造用金属の比重をサーメット材と略同一に調整して鋳造する方法が示されている。この方法においては、サーメット材が必ずしも鋳型上部にきれいに浮き上がらないので、サーメット材の層が高密度に集積せず耐磨耗性能が劣るとともに、鋳造金属の中間部にサーメット材が偏在するので品質欠陥となり強度低下を呈していた。又、第4実施例では、サーメット材を入れたステンレス金網を鋳型の底近傍に載置し溶湯を流し、サーメットを金網の間から上方に浮上させる方法が示されている。この方法においては、先ず溶湯が鋳型内に充満した後、金網によって平面方向に均等に分散されてサーメット材が浮上するのであるが、溶湯の粘度により鋳型上部にきれいに集積しないので、サーメット材の密度が薄くなり耐磨耗性が劣る問題やサーメット材が偏在することによる品質欠陥が発生する問題があった。
特開2004−290998号広報において、粉粒状のサーメット材を金網などの保持体で付設してサーメット塊を形成し、鋳型内に配置した後溶融鋳物金属を注湯する方法が示されている。この方法においては、サーメット塊の中に溶湯が侵入していかないので、サーメット材を鋳物金属で強力に鋳包むことができず、サーメット塊が衝撃で割損する問題があった。
特開2012−086225号広報 特開2000−343203号広報 特開2004−290998号広報
本発明の課題は以下である。1)耐磨耗材をハイクロム鋳鉄やステンレス鋳鋼などの鋳物金属に鋳込む方法においては、例えば、サーメットのような比重の軽い材料は鋳造中に溶湯内で撹拌され浮き上がり、溶湯全体に拡散し、ライナの片側面に均一且つ高密度で集積せしめることができず、長寿命で強度の高い耐磨耗複合ライナを製造することは困難であった。又、超硬のような比重の重い材料はあらかじめ鋳型底に敷き詰めておく方法があるが、超硬を厚く敷き詰めると、溶湯が超硬間に浸透せず、マトリックスによる超硬保持力が弱くなるので、超硬の積層厚みを薄くせざるを得ず寿命が短かった。本発明では、マトリックスとなる鋳物金属に対して、比重の軽いサーメット粒や比重の重い超硬粒などの耐磨耗材を耐磨耗ライナの片側面に高密度に集積して、強度が高く長寿命の耐磨耗複合ライナを製造することにある。2)従来の耐磨耗ライナは長寿命になるほど厚くなるため重量が重くなり、取り換え作業者にとって重労働であった。ハイクロム鋳鉄にサーメットや超硬のような耐磨耗材を鋳込むことにより耐磨耗性が向上するので、耐磨耗ライナの厚みを薄くできることから重量が軽くなり、取り換え作業の肉体的負荷を大幅に改善する。3)金属切削用バイトに使用されているサーメットチップや超硬チップは再利用方法が少なく大半が産業廃棄物として廃棄されている。超硬チップは部分的に回収されタングステンカーバイトを抽出し再利用されつつあるが、サーメットチップは殆ど再利用の目途が立っていないため、廃棄物として毎年増大していく方向にある。本発明は、これら使用済み金属切削用バイトの再利用方法を具現化することにある。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、耐磨耗材を鋳物金属で鋳込んだ耐磨耗複合ライナの製造方法において、前記耐磨耗材を上部を開口した金属容器に充填し、前記金属容器の下面と鋳型底の間に注湯用空間を形成して、前記金属容器を鋳型内に浮かせて保持し、前記鋳物金属の初期の溶湯を前記注湯用空間に注入し、前記金属容器を溶融せしめて、前記耐磨耗材を前記鋳型の鋳型天井に浮上せしめ、もしくは前記鋳型底に沈降せしめて、前記耐磨耗材を前記鋳物金属に鋳込むことを特徴とする耐磨耗複合ライナの製造方法である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記耐磨耗材にメッキしていること
を特徴とする耐磨耗複合ライナの製造方法である。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 前記金属容器は、前記鋳型に水平方向に支持された複数の金属棒で保持されていることを特徴とする耐磨耗複合ライナの製造方法である。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、 前記鋳物金属よりも比重の小さな前記耐磨耗材を充填した前記金属容器を、鋳型底に垂直に設けた複数の金属棒で支持していることを特徴とする耐磨耗複合ライナの製造方法である。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、耐磨耗複合ライナは、溶湯よりも比重の小さな耐磨耗材は耐磨耗複合ライナの上部に浮き上がり集積し、耐磨耗材と鋳物金属の混合層と鋳物金属の単一層が形成されており、もしくは溶湯よりも比重の大きな耐磨耗材は耐磨耗複合ライナの下部に沈降して集積し、耐磨耗材と鋳物金属の混合層と鋳物金属の単一層が形成されていることを特徴とする耐磨耗複合ライナである
第1の解決手段による効果は以下である。1)鋳物金属に対する比重の大小にかかわらず、耐磨耗材を耐磨耗ライナの片側面に高密度に集積せしめて、長寿命で強度の高い耐磨耗複合ライナを製造できる。金属容器の上部を開放しているので、サーメット粒のように比重の軽い耐磨耗材粒は、溶融金属に浸漬されると上方に障害物がないので、円滑に浮上し鋳型天井に高密度で集積できる。2)ハイクロム鋳鉄などの鋳物金属にサーメットや超硬のような耐磨耗材を鋳込むことにより耐磨耗性が向上するので、耐磨耗ライナの厚みが薄くなることから重量が軽くなり取り換え作業の肉体的負荷を大幅に改善する。3)産業廃棄物として廃棄されている切削バイト用の使用済みサーメットチップや超硬チップの有効利用が可能となる。4)金属容器が融点の低い銅線からなる金網で形成されていることから、溶湯が鋳型に流入し、金網に接触すると瞬時に溶融するので、金網に載置されていた金属鋳物よりも比重の小さな耐磨耗材(例えばサーメット)は、溶湯中に拡散しながら浮上し、鋳型天井に均一に且つ高密度で集積するので高強度で耐磨耗性に優れた耐磨耗複合ライナができる。5)金属鋳物よりも比重の大きな耐磨耗材(例えば超硬)は、溶湯中に沈降し鋳型底に高密度で集積するので高強度で耐磨耗性に優れた耐磨耗複合ライナができる。
第2の解決手段による効果は以下である。1)耐磨耗材の濡れ性が向上し、耐磨耗材の間隙に溶湯が浸透しやすくなる。2)メッキは、耐磨耗材表面に極薄い合金層を形成しやすいので金属鋳物と耐磨耗材を強固に接合できる。3)メッキはサーメットや超硬などの耐磨耗材のヒートショックを低減する効果がある。1550〜1650℃の高温のハイクロム鋳鉄溶湯が湯道より堰を伝って一気に流れ込むため鋳型内は一瞬にして1500±50℃となるが、耐磨耗材の表面には、複数のメッキを積層した厚手のメッキ層が形成されていることから瞬間的な入熱に対して断熱作用を果たし、ヒートバリヤとなって耐磨耗材の割損を防止する。
第3の解決手段による効果は以下である。1)鋳型に水平に渡した複数の金属棒で金網などの金属容器を支持しているので、溶湯流入や耐磨耗材が浮上したりもしくは沈降したりする場合の抵抗になりにくい。2)耐磨耗複合ライナの中に金属棒を残さない場合は、融点の低い銅や熱容量の小さな細い炭素鋼を素材として使用することができる。又、耐磨耗複合ライナの補強材として金属棒を残す場合は、融点の高いステンレス棒や太い炭素鋼を素材として使用すればよい。
第4の解決手段による効果は以下である。1)垂直方向に金属容器を支持する金属棒は、鋳造後耐磨耗複合ライナの補強材となる。2)金属棒をボルトにすることにより、耐磨耗複合ライナを機械装置に取り付ける場合の取り付けボルトとして流用できる。
第5の解決手段による効果は、耐磨耗性に優れた軽量で高強度の耐磨耗複合ライナにより、設備の長寿命化や整備作業負荷の軽減、整備費用の削減を実現できることである。
耐磨耗材を充填した金属容器を水平金属棒で支持した鋳型の断面図。 図1のA−A断面図。 耐磨耗材を充填した金属容器を金属棒で支持した鋳型の断面図。 図3のB−B断面図。 金属容器を垂直金属棒で支持した鋳型の断面図。 サーメット粒を鋳物金属に鋳込んだ耐磨耗複合ライナの断面図。 超硬粒を鋳物金属に鋳込んだ耐磨耗複合ライナの断面図。 サーメット粒とボルトを金属鋳物に鋳込んだ耐磨耗複合ライナの断面図。
以下、本発明の実施の形態を請求項1〜請求項8及び図1〜図8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、耐磨耗材20を鋳物金属30で鋳込んだ耐磨耗複合ライナ10の製造方法において、前記耐磨耗材20を上部40aを開口した金属容器40に充填し、前記金属容器40の下面41と鋳型底51の間に注湯用空間50aを形成して、前記金属容器40を鋳型内50に浮かせて保持し、前記鋳物金属30の初期の溶湯を前記注湯用空間50aに注入し、前記金属容器40を溶融せしめて、前記耐磨耗材20を前記鋳型50の鋳型天井52に浮上せしめ、もしくは前記鋳型底51に沈降せしめて、前記耐磨耗材20を前記鋳物金属30に鋳込むことを特徴とする耐磨耗複合ライナ10の製造方法である。
図1、図3は、耐磨耗材20を、上部40aが開口した金属容器40に充填し、金属容器40の下面41を複数の水平金属棒60で支持して、金属容器40の下面41と鋳型底51に注湯用空間50aを設け、金属容器40を浮かせた状態で鋳型50に固定している場合の断面図である。溶湯は、受け口54から注入され、湯口55や湯道56を通り、堰57から鋳型50に流入し、金属容器40と鋳型底51の注湯用空間50aに充満し鋳型50内を上昇していき、金属容器40を溶融せしめて、金属容器40に充填した耐磨耗材20を溶湯中に拡散せしめて、鋳型天井52もしくは鋳型底51に集積させる。図2は、図1のA−A断面図である。図4は図3のB−B断面図である。
金属容器40の下面41は堰57よりも高くしており、鋳込み開始時の初期溶湯が、金属容器40にぶつかることなく円滑に金属容器40と鋳型底51の注湯用空間50aに流入し、金属容器40の下面41に到達するまで均等に充満するようにしている。湯面の上昇に伴い、金属容器40の下面41は溶湯に浸漬し溶融する。この場合、金属容器40に充填されていた耐磨耗材20が例えばサーメット粒21の様に鋳物金属30よりも比重が小さい場合は浮上し、溶湯で撹拌されながら鋳型天井52に集積し均一に張り付く。サーメット粒21は比重が鋳物金属30の約半分であり、鋳込む時に溶湯中で強く撹拌され、鋳物金属溶湯とサーメット粒21が十分に混合されながら、鋳型天井52に浮き上がり集積する。金属容器40は上部40aを開放しているので、サーメット粒21のように比重の小さな耐磨耗材粒20は、未溶融の金属容器40に邪魔されることなく円滑に上方に浮上することができる。図6に示すように、耐磨耗複合ライナ10の上部11にはサーメット粒21が集中しており、サーメット粒21と鋳物金属30の混合層が形成されるとともに、耐磨耗複合ライナ10の下部12は鋳物金属30の単一層になる。反対に耐磨耗材20が例えば超硬22の様に鋳物金属30よりも比重が大きい場合は、金属容器40が溶融すると同時に、溶湯に撹拌されながら沈降し、鋳型底51に沈降し集積する。図7に示すように、耐磨耗複合ライナ10の下部12は超硬粒22が集中しており、超硬粒22と鋳物金属30の混合層が形成されるとともに、上部11は鋳物金属30だけの単一層になる。耐磨耗材20が浮上する場合も、沈降する場合も、耐磨耗材20は溶湯と十分に混ざり合うので、溶湯が凝固した時には、耐磨耗材20は鋳物金属30のマトリックスに強固に保持される。
図1、図2において、水平金属棒60によって金属容器40の下面41は支持されている。金属容器40は上部40aが開口しており、耐磨耗材20が充填してある。金属容器40の上部40aを開口しないと、サーメット粒21のような比重の小さな耐磨耗材粒20の円滑な浮上が阻害されるからである。金属容器40と鋳型天井52は空間50bを形成しておくのがよい。又、金属容器40と鋳型側壁53は空間50cを形成しておくのがよい。耐磨耗材20が鋳型天井52や鋳型側壁53に拡散、浮上しながら溶湯と混合できるからである。耐磨耗材粒20を金属鋳物30のマトリックスで強固に包み込むためには、耐磨耗材粒20と溶湯が鋳型天井52もしくは鋳型底51に集積する前にしっかりと混合されることが必要である。水平金属棒60を金属容器40の下部に設けることにより、水平金属60が棒耐磨耗材20が浮上する際の障害にならないことから、サーメット21のように鋳物金属30よりも比重の小さな耐磨耗材20は、溶湯に撹拌され鋳型側壁53方向や鋳型天井52方向に拡散しながら浮上し鋳型天井52に高密度に集積する。
図3、図4において、水平金属棒60が金属容器40の上方を支持している。鋳型底51から上昇してきた溶湯によって金属容器40が溶融すると、超硬22のように鋳物金属30よりも比重の大きな耐磨耗材20は、溶湯に撹拌され鋳型側壁53方向や鋳型底51方向に拡散しながら沈降し、鋳型底51に高密度に集積する。水平金属棒60は超硬22よりも上部にあるので、耐磨耗材20が沈降する際の障害にならない。
図5において、垂直金属棒61が金属容器40の下面41を支持している。鋳型底51から上昇してきた溶湯によって金属容器40が溶融すると、サーメット21のように鋳物金属30よりも比重の小さな耐磨耗材20は、溶湯に撹拌され鋳型側壁53方向や鋳型天井52方向に拡散しながら浮上し鋳型天井52に高密度に集積する。垂直金属棒61はサーメット21よりも下部にあるので、耐磨耗材20が浮上する際の障害にならない。又、超硬22のように鋳物金属30よりも比重の大きな耐磨耗材20は、鋳型側壁53方向や鋳型底51方向に拡散しながら沈降するが、垂直金属棒61を細い炭素鋼棒や銅棒にすることにより、容易に溶融して溶湯中に拡散するので、耐磨耗材20が沈降する際の障害になることはない。
図6は、耐磨耗材20としてサーメット粒21を使用している耐磨耗複合ライナ10の断面図である。サーメット粒22が耐磨耗複合ライナ10の上部11に高密度に集積している状態を示している。図7は、耐磨耗材20として超硬粒22を使用している耐磨耗複合ライナ10の断面図である。超硬粒22が耐磨耗複合ライナ10の下部12に高密度に集積している状態を示している。図8は、耐磨耗材20としてサーメット粒21を使用している耐磨耗複合ライナ10の断面図である。サーメット粒22が耐磨耗複合ライナ10の上部11に高密度に集積している状態を示している。垂直金属棒61を耐磨耗複合ライナ10内に残留させることにより、強度部材や取り付けボルトの役割を果たす。
耐磨耗材20は、金属切削用バイトに使用後の廃棄物であるサーメットチップや超硬チップを粉砕したサーメット粒21や超硬粒22を使用できる。サーメットチップは炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)などのチタン化合物をニッケル(Ni)やコバルト(Co)で結合したものが多く用いられる。超硬チップは炭化タングステン(WC)をCoやNiで結合したものが多く用いられる。サーメット粒21や超硬粒22などの耐磨耗材粒20の形状は様々であるが、縦、横、高さが略1〜5mmがよい。1mmより細かいと耐磨耗材20の表面積が小さくなり、鋳物金属30による保持力が小さくなり脱落しやすい。又、5mmより大きいと鋳造時に割損する。耐磨耗材チップをあらかじめ細かく粉砕して粒状にしておくことにより、耐磨耗材粒20が熱衝撃で割損することがなくなる。又、チップを粉砕したサーメット粒21や超硬粒22は表面に細かな凹凸が生じるので、鋳物金属30との接合面積が大きくなり強固に接合できる。又、チップ表面には通常、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンアルミナイトライド(TiALN)、アルミクロムナイトライド(ALCrN)などの硬質物質を化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)などにより皮膜形成した真空薄膜がコーティングしてある。このためメッキが困難であるが、粉砕することにより清浄な面が露出するのでメッキが可能となる。又、粒度の異なる耐磨耗材粒20を使用することにより、耐磨耗複合ライナ10中における耐磨耗材粒20充填率が大きくなり耐磨耗性が向上する。又、耐磨耗材チップはいろいろな種類があり品質がばらついているが、粒状にすることにより適度に混合され耐磨耗複合ライナ10全体の品質が均一化される効果がある。
鋳物金属は30、例えば、Cr、Mn、Si、V、Ni、Mo、Feなどを適宜配合した耐磨耗性に優れたハイクロム鋳鉄、ハイクロム鋳鋼やステンレス鋳鋼が用いられる。例えば、ハイクロム鋳鉄の化学成分は一般的に重量%で、C:2.5〜3.5%、Si:0.3〜0.5%、 Mn:0.4〜0.6、P: 0.02以下、S: 0.02以下、Cr:24〜28、Ni:1〜2%、 残Feであり、炭化クロムCr2C7を主力としている。用途に応じてMo、Nb、V、W、Ti、ALなどを添加する場合がある。例えば、従来のハイクロム鋳鉄の化学成分を基本にして、これに炭化物を形成する元素を添加してハイクロム鋳鉄の硬度向上を図ることも可能である。従来の主成分である炭化クロム(Cr2C7)に加えて、炭化ニオブ(NbC2)、炭化モリブデン(MoC)、炭化バナジウム(VC)、炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)などの炭化物を析出させた組織構造とすることによりハイクロム鋳鉄の硬度はHv900〜1200を実現できる。添加元素の内、Ti、V、Ni、Moは硬度向上の他に結晶微細化剤としての働きもある。ハイクロム鋳鉄は急熱急冷すると針状炭化物となるため割れやすいが、Ti、V、Ni、Moなどの結晶微細化を促進する元素を添加することにより、マルテンサイトやセメンタイト中にセミオーステナイトが生まれるので緩衝材の役割を果たし割れにくくなる。硬度向上のための主な炭化物はCr2C7、NbC2、WCでありこれらがハイクロム鋳鉄中の炭化物の95%程度を占めている。ハイクロム鋳鉄に各種炭化物形成元素を添加すると耐磨耗材20との接合性低下やクラックが入りやすいなどの問題があるが、耐磨耗材20にメッキ処理することにより溶湯からの熱衝撃を低減し、耐磨耗材20が割れにくくなる。
金属容器40は溶湯の熱で容易に溶融するように金属薄板や金網で形成する。金属薄板や金網は炭素鋼板、炭素鋼線、銅板、銅線などが使用できる。金属薄板に耐磨耗材粒20がこぼれない程度のパンチ穴を設けてもよい。金属薄板の厚みは、耐磨耗材20を保持できればよいことからできるだけ薄くするのがよい。望ましくは1mm以下である。又、金属網用の金属線はできるだけ細くする。望ましくは1mm以下である。
金属金網は銅金網が好適である。銅の融点は1085℃である。一方、鋳物金属30は、例えば、ハイクロム鋳鉄やステンレス鋳鋼などの鋳込み温度は一般的に1550〜1650℃である。このため、銅の金網は溶湯注入直後に瞬時に溶融するので、耐磨耗材20は銅金網の拘束から解放され溶湯中に拡散する。銅はロウ材として作用し、耐磨耗材20と金属鋳物30の濡れ性を改善し接合性を向上する作用がある。鋳物金属30より比重の軽いサーメット粒21などの耐磨耗材20は浮上し、鋳物天井52に高密度で集積し凝固する。鋳物金属30より比重の重い超硬粒22などの耐磨耗材20は沈降し、鋳物底51に高密度で沈降し集積する。銅金網を形成する銅線の径は熱容量を小さくして溶融しやすいように1mm以下がよい。
金属容器40は、図1から図4に示すように、鋳型50内に水平に配置した複数の水平金属棒60で支持する。水平金属棒60は炭素鋼、SUS、銅などを使用できる。水平金属棒60は溶湯に浸漬することにより溶融させることができる。又、鋳造後、耐磨耗複合ライナ10の中に補強材として水平金属棒60を残留させることができる。水平金属棒60を溶融させる場合は、炭素鋼や銅を使用するのがよい。水平金属棒60の径は5mm以下がよい。水平金属棒60を残留させる場合は、炭素鋼やSUSを使用するのがよい。水平金属棒60の径は5〜10mm程度がよい。水平金属棒60の径が10mm以上になると、溶湯の流動抵抗となり、サーメット粒21のように比重の軽い耐磨耗材20が鋳型天井52に均一に集積しにくくなる。
金属容器40は、図5に示すように鋳型底51に垂直に突き立てた垂直金属棒61で支持してもよい。サーメット21のような比重の軽い耐磨耗材20は障害物に邪魔されることなく均一に鋳物天井52に向かって浮上できる。鋳物金属30よりも比重の大きな耐磨耗材20を使用する場合は、熱容量の小さな垂直金属棒61を使用するのがよい。垂直金属棒61を溶湯で溶融せしめて、金属容器40に充填した耐磨耗材20が鋳型底51に向かって障害物に邪魔されることなく沈降できるようにする。垂直金属棒61を溶融させて耐磨耗複合ライナ10内に残留さない場合は、炭素鋼や銅を使用するのがよい。この場合の垂直金属棒61の径は5mm以下がよい。垂直金属棒61を耐磨耗複合ライナ10内に残留させる場合は、炭素鋼やSUSを使用するのが好適あり、垂直金属棒61の径は5〜10mm程度がよい。耐磨耗複合ライナ10内に残留させた垂直金属棒61は補強材となり、耐磨耗複合ライナ10の割損防止の役割をする。又、垂直金属棒61をボルトにすることにより、耐磨耗複合ライナ10を機械装置に取り付ける際の取り付けボルトとして流用できる。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記耐磨耗材20にメッキしている
ことを特徴とする耐磨耗複合ライナ10の製造方法である。
耐磨耗材20の表面にメッキすることにより耐磨耗材の濡れ性が向上し、耐磨耗材20の間隙に溶湯が浸透しやすくなる。メッキにはCu、Ni、Crなどの電気メッキやNi−Pなどの無電解メッキが使用できる。Cu(銅)メッキは、耐磨耗材20表面に極薄い合金層を形成しやすいので金属鋳物30と耐磨耗材20を強固に接合できる。溶湯が、耐磨耗材20同士の狭い空間に毛細管現象により流れ込む際、表面張力が抵抗となるが、耐磨耗材20に銅メッキしていると、銅メッキと溶湯が接触した瞬間に、銅メッキが溶湯側に吸収された瞬間に合金を作り、その際に、カーケンドール効果と毛細管現象により表面張力を突き破って溶湯を耐磨耗材20間の小さな隙間に引き込むため、溶湯と耐磨耗材20が均一に混ざり合い強固に接合する。又、メッキはサーメットや超硬などの耐磨耗材のヒートショックを低減する効果がある。例えば、耐磨耗材20の表面に、(Zn+Cu+Zn+Cu+Zn+Cu+Ni−P)のような黄銅(Zn+Cu)を主体とした7層メッキを施し0.18〜0.21mmの厚手メッキを形成する。1550〜1650℃の高温の鋳物金属30溶湯が湯道より堰を伝って一気に流れ込むため鋳型50内は一瞬にして1500±50℃となるが、耐磨耗材20の表面には、複数のメッキを積層した厚手のメッキ層が形成されていることから瞬間的な入熱に対して断熱作用を果たし、ヒートバリヤとなって耐磨耗材20の割損を防止する。複数のメッキ層は900〜950℃にて溶解し、(Zn+Cu+Ni)のようにニッケル入り黄銅合金ができる。耐磨耗材20にヒートクラックが入ったとしてもその割れ目に沿って黄銅合金が流れ込み黄銅ロウ付けを完了する。
耐磨耗材20としてサーメット21を使用する場合は、メッキ層を積層して溶融させロウ合金(ロウ材として作用)を形成しサーメット粒21と鋳物金属30(例えばハイクロム鋳鉄)を接合する方法を用いている。ロウ材は複数の金属元素を組み合わせることにより自由に溶融温度を変えることができる。例えば、Zn+Cu+Agは3元銀ロウを作るメッキであり溶融温度は750℃である。Zn+Cu+Ag+Snは4元銀ロウを作るメッキであり溶融温度は700℃である。このように、下地メッキの種類と厚みと元素を変えることで自由にメッキロウ材が作れる。比較的よく知られているのが銀ロウ及び金ロウ及び銅ロウ及びニッケルロウであるが、特に3元〜4元素を主とする銀ロウがよく用いられる。このように、複数の種類の金属メッキを選択して交互にメッキ層を積層することによって、ロウ材の溶融温度を調整することができる。
高溶融温度のロウ合金を形成するメッキ層の組み合わせにおける具体的な金属含有量は例えば以下のようなものがある。Ni(残)+Cr(13〜14wt%)+B(2.75〜3.5wt%)+Si(4〜5wt%)+Fe(4〜5wt%)の溶融温度は1038℃である。即ち、サーメット粒上にSn、Zn、Cu、Ag、Mn、Cr、Si、B、Feなどの電気メッキ、無電解Ni−Pメッキの中から複数のメッキを選択して交互にメッキ層を積層して厚手のメッキ膜を形成することにより、ハイクロム鋳鉄などの鋳物金属30と鋳込むことが可能である。銀ロウは高価であることから、Zn+Cu+Snからなるメッキを使用するのが望ましい。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 前記金属容器40は、前記鋳型50に水平方向に支持された複数の水平金属棒60で保持されていることを特徴とする耐磨耗複合ライナ10の製造方法である。
金属容器40は、図1から図4に示すように、鋳型50内に水平に配置した複数の水平金属棒60で支持する。水平金属棒60は炭素鋼、SUS、銅などを使用できる。水平金属棒60は溶湯に浸漬することにより溶融させることができる。又、鋳造後、耐磨耗複合ライナ10の中に補強材として水平金属棒60を残留させることができる。水平金属棒60を溶融させる場合は、炭素鋼や銅を使用するのがよい。水平金属棒60の径は5mm以下がよい。水平金属棒60を残留させる場合は、炭素鋼やSUSを使用するのがよい。水平金属棒60の径は5〜10mm程度がよい。水平金属棒60の径が10mm以上になると、溶湯の流動抵抗となり、サーメット粒21のように比重の軽い耐磨耗材20が鋳型天井52に均一に集積しにくくなる。
サーメット粒21のように、鋳物金属30よりも比重が小さい場合は、水平金属棒60はサーメット粒21よりも下方に取り付けるのがよい。未溶融の水平金属棒60がサーメット粒21の浮上を阻害しないからである。又、超硬粒22のように、鋳物金属30よりも比重が大きい場合は、水平金属棒60は超硬粒22の上方に取り付けるのがよい。未溶融の水平金属棒60が超硬粒22の沈降を阻害しないからである。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記金属容器40を、鋳型底51に垂直に設けた複数の垂直金属棒61で支持していることを特徴とする耐磨耗複合ライナ10の製造方法である。
金属容器40は、図5に示すように鋳型底51に垂直に突き立てた垂直金属棒61で支持する。サーメット21のような比重の軽い耐磨耗材20は障害物に邪魔されることなく均一に鋳物天井52に向かって浮上できる。鋳物金属30よりも比重の大きな耐磨耗材20を使用する場合は、熱容量の小さな垂直金属棒61を使用し、垂直金属棒61を溶湯で溶融せしめて、金属容器40に充填した耐磨耗材20が鋳型底51に向かって未溶融の垂直金属棒61に邪魔されることなく沈降できるようにする。垂直金属棒61を溶融させて耐磨耗複合ライナ10内に残留さない場合は、細径の炭素鋼や銅を使用するのがよい。この場合は、垂直金属棒61の径は5mm以下がよい。垂直金属棒61を耐磨耗複合ライナ10内に残留させる場合は、炭素鋼やSUSが好適であり、径は5〜10mm程度がよい。耐磨耗複合ライナ10内に残留させた垂直金属棒61は補強材となり、耐磨耗複合ライナ10の割損防止の役割をする。又、垂直金属棒61をボルトにすることにより、耐磨耗複合ライナ10の取り付けボルトとして流用することができる。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、耐磨耗複合ライナ10は、溶湯よりも比重の小さな耐磨耗材20は耐磨耗複合ライナ10の上部に浮き上がり集積し、耐磨耗材20と鋳物金属30の混合層と鋳物金属30の単一層が形成されており、もしくは溶湯よりも比重の大きな耐磨耗材20は耐磨耗複合ライナ10の下部に沈降して集積し、耐磨耗材20と鋳物金属30の混合層と鋳物金属30の単一層が形成されていることを特徴とする耐磨耗複合ライナ10である
本発明の耐磨耗複合ライナ10は、耐磨耗材20を上部40aを開口した金属容器40に充填し、金属容器40の下面41と鋳型底51の間に注湯用空間50aを形成して、金属容器40を鋳型内50に浮かせて保持し、鋳物金属30の初期の溶湯を注湯用空間50aに注入し、金属容器40を溶融せしめて、耐磨耗材20を鋳型50の鋳型天井52に浮上せしめ、もしくは鋳型底51に沈降せしめて、耐磨耗材20を鋳物金属30に鋳込むことにより製造方法できる。あるいは、耐磨耗材20にメッキして鋳込むことにより製造できる。あるいは、金属容器40は、鋳型50に水平方向に支持された複数の金属棒60で保持することにより製造できる。あるいは、金属容器40を、鋳型底51に垂直に設けた複数の金属棒61で支持することにより製造できる。
図6は、耐磨耗材20として鋳物金属30より比重の小さなサーメット粒21を使用して鋳物金属30に鋳込んだ場合の耐磨耗複合ライナ10の断面図である。耐磨耗複合ライナ10の上部11にサーメット粒21が高密度で集積するので優れた耐磨耗性を発揮する。図7は、耐磨耗材20として鋳物金属30より比重の大きな超硬粒22を使用して鋳物金属30に鋳込んだ場合の耐磨耗複合ライナ10の断面図である。耐磨耗複合ライナ10の下部12に超硬粒21が高密度で集積するので優れた耐磨耗性を発揮する。図8は、垂直金属棒61で金属容器40を支持し、且つ垂直金属棒61を残留させた場合の耐磨耗複合ライナ10の断面図である。
耐磨耗複合ライナ10の厚みは15〜50mmである。これに対する耐磨耗材20の層厚は5〜30mmがよい。耐磨耗材20の層厚が5mmより薄いと耐磨耗寿命が短くなる。層厚が30mmより厚いと脆くなり耐磨耗複合ライナ10が割損する問題がある。
本発明の耐磨耗複合ライナ10は、鉄鋼、電力、セメントなどの各種製造業で使用される原料ホッパー内のライニングライナ、ベルトコンベアのシュートライナなどの高衝撃力を受けて摩耗する装置のライナとして幅広く使用できる。
10:耐磨耗複合ライナ
11:(耐磨耗複合ライナ)上部
12:(耐磨耗複合ライナ)下部
20:耐磨耗材
21:サーメット粒
22:超硬粒
30:鋳物金属
40:金属容器
40a:上部
41:(金属容器)下面
50:鋳型
50a:注湯用空間
50b:空間
50c:空間
51:鋳型底
52:鋳型天井
53:鋳型側壁
54:受け口
55:湯口
56:湯道
57:堰
60:水平金属棒
61:垂直金属棒

Claims (5)

  1. 耐磨耗材を鋳物金属で鋳込んだ耐磨耗複合ライナの製造方法において、前記耐磨耗材を、上部を開口した金属容器に充填し、前記金属容器の下面と鋳型底の間に注湯用空間を形成して、前記金属容器を鋳型内に浮かせて保持し、前記鋳物金属の初期の溶湯を前記注湯用空間に注入し、前記金属容器を溶融せしめて、前記耐磨耗材を前記鋳型の鋳型天井に浮上せしめ、もしくは前記鋳型底に沈降せしめて、前記耐磨耗材を前記鋳物金属に鋳込むことを特徴とする耐磨耗複合ライナの製造方法。
  2. 前記耐磨耗材にメッキしていることを特徴とする請求項1記載の耐磨耗複合ライナ
    の製造方法。
  3. 前記金属容器は、前記鋳型に水平方向に支持された複数の金属棒で保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の耐磨耗複合ライナの製造方法。
  4. 前記金属容器を、鋳型底に垂直に設けた複数の金属棒で支持していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の耐磨耗複合ライナの製造方法。
  5. 耐磨耗複合ライナは、溶湯よりも比重の小さな耐磨耗材は耐磨耗複合ライナの上部に浮き上がり集積し、耐磨耗材と鋳物金属の混合層と鋳物金属の単一層が形成されており、もしくは溶湯よりも比重の大きな耐磨耗材は耐磨耗複合ライナの下部に沈降して集積し、耐磨耗材と鋳物金属の混合層と鋳物金属の単一層が形成されていることを特徴とする耐磨耗複合ライナ
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