以下に、本発明に係る遊技機の一例であるパチスロ機について図面に基づいて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示したように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU73)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、開始操作検出手段としてのスタートスイッチ57(図6参照)によるスタートレバー16に対する単位遊技の開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。「入賞」に係るものは、主制御回路71で管理される遊技状態の移行を伴う図柄の組合せの種別である後述のリプレイ1、2および特殊リプレイ1〜3の再遊技役や、小役1〜6を含んでいる。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが押されると、停止制御手段は、内部当籤役とストップボタン17L、17C、17Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン17L、17C、17Rを押す停止操作が実行されたときから規定時間内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインとしての入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、表示役判定手段(後述のメインCPU73)は、入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。すなわち、表示役判定手段は、停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞判定ライン8a、8b上に停止した図柄の組合せに基づいて役の成立または不成立を判定する。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って表示された図柄が、入賞に係るもののうちのリプレイ2および小役2である場合には、後述する図9に示した遊技状態の間を移行する。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置10により行う映像の表示、ランプ(LED)20により行う光の出力、スピーカ48L、48R、49L、49Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。また、当籤役に応じた告知音がスピーカ48L、48R、49L、49Rから出力されるようになっている。この告知音は、ストップボタン17L、17C、17Rが押されたタイミングで出力される。これにより、ストップボタン17L、17C、17Rの操作が終了したのちに行われる演出と告知音とが競合しないようになっている。
遊技者によりスタートレバー16が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のメインCPU73、またはサブCPU82)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出手段(後述の液晶表示装置10、後述のスピーカ48L、48R、49L、49R、後述のランプ(LED)20)は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。演出の一部に関しては、操作手段としてのベットボタン(MAXBETボタン12、1BETボタン14)が操作されることを条件として実行される。演出手段は、内部当籤役が小役3〜5である場合には、左リール3Lに停止させるべき図柄が赤7、青7、および黄7のいずれであるかを報知する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知るあるいは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
<外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の外観構造を示す斜視図である。
パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球またはトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図2に示すように、パチスロ機1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて表示されている。
フロントドア2bは、その正面右側に設けられたドアキー15によってロック解除を行うことができるようになっている。ドアキー15は、ロック解除を行う機能に加えて、打止解除およびエラー解除の操作を行う機能をも有している。ドアキー15を左に回すことで、打止解除およびエラー解除を行うこともできる。
フロントドア2bの中央には、液晶表示装置10が設けられている。この液晶表示装置10は、図柄表示手段としての図柄表示領域4L、4C、4Rを含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。本実施の形態では、図柄表示領域4L、4C、4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域4L、4C、4Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられている。この図柄表示領域4L、4C、4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L、3C、3Rのそれぞれに表示された複数の図柄の一部を外部から視認可能なように表示するものである。以下、図柄表示領域4L、4C、4Rを、それぞれ、左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4R(これらを総称して、表示窓4L、4C、4Rともいう)という。
表示窓4L、4C、4Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、各リール3L、3C、3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段および下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。各表示窓4L、4C、4Rが有する上段、中段および下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる疑似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、2つの入賞判定ライン8a、8bが設けられている。入賞判定ライン8aは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの下段の組合せからなる。入賞判定ライン8bは、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの上段の組合せからなる。
液晶表示装置10の表示画面の側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。選択ボタン9aおよび決定ボタン9bは、液晶表示装置10に表示されるホールメニュー(図示省略)内の項目を選択するためのものである。メダル投入口11は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられている。メダル投入口11に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けられる(いわゆるクレジット機能)。
MAXBETボタン12は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技において投入可能な最大の規定数分を投入するために設けられている。1BETボタン14は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に1枚のメダルを投入するために設けられている。清算ボタン(図示せず)は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に排出するために設けられている。なお、清算ボタンは、フロントドア2bの正面部に設けられており、MAXBETボタン12、1BETボタン14などと同様に、フロントドア2bを開けることなく、外部から操作可能なボタンである。
スタートレバー16は、全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始するために設けられている。ストップボタン17L、17C、17Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応付けられ、対応するリールの回転を停止するために設けられている。また、ストップボタン17L、17C、17Rは、後述する前兆ゲーム数選択フラグがオンになった場合において、遊技者選択ゲーム数(後述)を選択する場合に用いられる。以下、ストップボタン17L、17C、17Rを、それぞれ、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
メダル払出口18は、後述のホッパー装置34の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口18から排出されたメダルは、メダル受皿19に貯められる。ランプ(LED等)20は、演出内容に応じた点消灯のパターンによって光を出力する。スピーカ用孔21L、21R、22L、22Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図3は、パチスロ機1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが解放され、フロントドア2bの裏面側の構造およびキャビネット2aの内部の構造が示されている。図4は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図5は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
図4に示すように、キャビネット2a内部の上側には、主制御回路71(図7参照)を構成する主制御基板31が配設されている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L、3C、3Rの回転および停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット2aの内部の中央には、3つのリール3L、3C、3Rが設けられている。なお、図4では、各リール3L、3C、3Rからシート材を取り除いてリール本体を露出させた状態を示している。3つのリール3L、3C、3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
キャビネット2a内部を正面から見て、右リール3Rの右側には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33が配設されている。
設定用鍵型スイッチ32は、パチスロ機1の設定値を変更もしくは確認を行う際に使用するものである。したがって、設定用鍵型スイッチ32により設定値の変更が可能となっている。設定値は、遊技者にとって有利さの度合いを示す値で、例えば「1」〜「6」の6段階に設定することができる。後述するメインCPU73は、当該設定値に基づいて、後述する内部抽籤テーブルを選択することにより、BBやRB等の各役が内部当籤役に決定される確率を変化させる。なお、設定値は、遊技者にとって不利な方から順に並べると「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」となる。すなわち、設定値が「6」である場合が遊技者にとって最も有利となる。設定用鍵型スイッチ32は、設定値変更手段を構成している。
外部集中端子板33は、キャビネット2aの側板に取り付けられている。この外部集中端子板33は、メダル投入信号、メダル払出信号およびセキュリティ信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置としてのホッパー装置34が設けられている。このホッパー装置34は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、または清算ボタンが押圧されてメダルの清算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置34によって払い出されたメダルは、メダル払出口18(図2参照)から排出される。ここで、本実施の形態において、ホッパー装置34および後述するメインCPU73は、遊技価値付与手段を構成する。
キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の右側には、ホッパー装置34から溢れたメダルを収納するメダル補助庫35が配設されている。また、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の左側には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供するための電源装置36が設けられている。この電源装置36は、電源スイッチ36aと、電源基板36b(図6参照)とを有している。
また、ホッパー装置34と3つのリール3L、3C、3Rとの間には、サブスピーカ37が配設されている。
図3および図5に示すように、フロントドア2bの裏面における上側には、副制御基板41(図6参照)を収容する副制御基板ケース42が配設されている。副制御基板41は、副制御基板ケース42を介してキャビネット2aの内部の主制御基板31に対向している。そして、副制御基板41は、副制御回路81(図8参照)を構成する。副制御回路81は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路81の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース42の右側方には、副中継基板43が配設されている。この副中継基板43は、副制御基板41と、この副制御基板41の周辺に配設された基板との配線を中継する基板である。なお、副制御基板41の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板45A、45B、45CやサウンドI/O基板46が挙げられる。
LED基板45Aは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の上方に配設されている。また、LED基板45Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副中継基板43の右側方に配設されており、LED基板45Cは、副中継基板43の右側方に配設されている。これらLED基板45A、45B、45Cは、副制御回路81(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、点滅パターンを表示する。
サウンドI/O基板46は、フロントドア2bの裏面における中央(表示窓4L、4C、4Rの下側)に配設されている。このサウンドI/O基板46は、後述するスピーカ48L、48R、49L、49Rへの音声の出力を行う。
サウンドI/O基板46の下側には、遊技動作表示基板47が配設されている。この遊技動作表示基板47は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L、3C、3Rが回動可能なときおよび再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させるための基板である。
サウンドI/O基板46および遊技動作表示基板47の左側および右側には、上部スピーカ48L、48Rが配設されている。そして、フロントドア2bの裏面における下側には、下部スピーカ49L、49Rが配設されている。上部スピーカ48L、48Rは、それぞれスピーカ用孔21L、21Rに対向しており、下部スピーカ49L、49Rは、それぞれスピーカ用孔22L、22Rに対向している。
上部スピーカ48Rと下部スピーカ49Rとの間には、セレクタ51と、ドア開閉監視スイッチ52が配設されている。セレクタ51は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口11に受け入れられた適正なメダルをホッパー装置34へ案内する。セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダル通過センサ(図示せず)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の左側に配置されている。このドア開閉監視スイッチ52は、パチスロ機1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号を出力する。
フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の右側には、ドア中継基板53が配設されている。このドア中継基板53は、主制御基板31(図4参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板41(図6参照)、遊技動作表示基板47およびセレクタ51との配線を中継する基板である。なお、各種のボタンおよびスイッチとしては、例えば、MAXBETボタン12、1BETボタン14、清算ボタン(図示せず)、ドア開閉監視スイッチ52、出玉率を予め定められた6段階中の1つに切り替えるための設定変更スイッチ(リセットスイッチ)(図示せず)、後述する1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55Bおよびスタートスイッチ57等を挙げることができる。
ドア中継基板53の下側には、24hドア開閉監視ユニット54が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット54は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したとき、またはセレクタ51を取り外したときに、液晶表示装置10にエラー表示を行うための信号を副制御基板41(副制御回路81)に出力する。
<パチスロ機が備える制御系>
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ機1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ機1は、キャビネット2aに配設された主制御基板31と、フロントドア2bに配設された副制御基板41とを有している。主制御基板31には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、ホッパー装置34と、モータ駆動回路38aと、リール位置検出回路38bと、電源装置36の電源基板36bと、メダル補助庫スイッチ39とが接続されている。設定用鍵型スイッチ32、外部集中端子板33およびホッパー装置34については、上述したため、説明を省略する。
電源装置36の電源基板36bには、電源スイッチ36aと電源プラグ36cとが接続されている。電源プラグ36cと、この電源プラグ36cと電源基板36bを接続するコードは、キャビネット2aの背面部に設けられた貫通孔(図示せず)から引き出される。そして、電源プラグ36cは、パチスロ機1の外部に設けられた電源コンセントの差し込み口に差し込まれる。
モータ駆動回路38aは、主制御回路71(図7参照)からの指令信号に応じて、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられた各ステッピングモータ38cを回転させるための駆動信号を出力する回路である。
リール位置検出回路38bは、図示しないホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの回転位置を検出し、検出結果に応じた信号を主制御回路71に出力する。
これらモータ駆動回路38a、リール位置検出回路38b、ステッピングモータ38c、主制御回路71は、スタートスイッチ57により行われる開始操作の検出に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rにより表示される複数の図柄を変動させる図柄変動手段を構成している。
また、モータ駆動回路38a、リール位置検出回路38b、ステッピングモータ38c、主制御回路71は、内部当籤役決定手段(後述するメインCPU73)により決定された内部当籤役と停止操作検出手段(後述するストップスイッチ基板58)により回転しているリールの停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、同リールの回転を停止させることにより表示窓4L、4C、4R(図1参照)に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段を構成している。
メダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35に設けられている。このメダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
また、主制御基板31には、ドア中継基板53を介して、セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52、遊技動作表示基板47、1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B、清算スイッチ56、スタートスイッチ57、ストップスイッチ基板58、打止解除スイッチ63および副中継基板43が接続されている。セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52および遊技動作表示基板47については、上述したため、説明を省略する。主制御基板31とドア中継基板53との間、ドア中継基板53と副中継基板43との間は、それぞれ光ケーブルにより接続されている。主制御基板31とドア中継基板53との間は、双方向通信が行われるようになっている。ドア中継基板53と副中継基板43との間は、ドア中継基板53から副中継基板43への一方向通信が行われるようになっている。これにより、副中継基板43にボードトゥボード(BOARD TO BOARD)で接続されている副制御基板41と、主制御基板31との間においては、主制御基板31から副制御基板41への一方向通信が行われる。
1BETスイッチ55Aは、1BETボタン14が遊技者により押されたことを検出する。MAXBETスイッチ55Bは、MAXBETを行うために操作されるMAXBETボタン12の操作結果を検出する。清算スイッチ56は、清算ボタン(図示せず)が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ57は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。打止解除スイッチ63は、打ち止めを解除する際に操作されるスイッチである。この打止解除スイッチ63は、フロントドア2bをロック/ロック解除するためのドアキー15(図2)に設けられ、このキーを左に回すことで打止解除を行うことができる。ちなみに、ドアキー15を左に回すことで、打止解除の他に、エラー解除を行うこともできるようになっている。
ストップスイッチ基板58は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを構成する基板である。このストップスイッチ基板58には、各リール3L、3C、3Rに対応した各ストップボタン17L、17C、17Rごとにストップスイッチが設けられている。これらストップスイッチは、各ストップボタン17L、17C、17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。つまり、ストップスイッチ基板58は、各リール3L、3C、3Rを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段を構成している。
また、ストップスイッチ基板58は、ストップボタン17L、17Rが押下された場合に、後述する遊技者選択ゲーム数(3ゲームまたは33ゲーム)を現在選択されている一方の遊技者選択ゲーム数から他方の遊技者選択ゲーム数に変更し、ストップボタン17Cが押下された場合に、現在選択されている遊技者選択ゲーム数に前兆遊技回数が決定された旨の入力状態コマンドを、メインCPU73からサブCPU82に送信する。
ストップスイッチ基板58からの入力状態コマンドがメインCPU73から送信されることにより、サブCPU82は、後述する前兆ゲーム数選択フラグがオンになった場合において、遊技者選択ゲーム数を遊技者が決定した遊技者選択ゲーム数に決定する。つまり、ストップボタン17L、17C、17Rおよびストップスイッチ基板58は、前兆遊技状態選択手段を構成している。
遊技動作表示基板47には、7セグ表示器6とLED59が接続されている。LED59は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板41は、ドア中継基板53と副中継基板43を介して主制御基板31に接続されている。この副制御基板41には、副中継基板43を介して、LED基板45A、45B、45C、サウンドI/O基板46、24hドア開閉監視ユニット54が接続されている。サウンドI/O基板46には、スピーカ48L、48R、49L、49Rに加えて、選択スイッチSW1および決定スイッチSW2が接続されている。選択スイッチSW1および決定スイッチSW2は、図3において上述した選択ボタン9aおよび決定ボタン9bの操作結果を受けるスイッチであり、ホールメニュー内の項目を選択するためのものである。LED基板45A、45B、45Cには、LED20に加えて、可動体装置64A、64Bが接続されている。可動体装置64A、64Bは、副制御基板41によって制御される演出用の可動体である。LED基板45A、45B、45C、サウンドI/O基板46および24hドア開閉監視ユニット54については、上述したため、説明を省略する。
また、副制御基板41には、ロムカートリッジ基板61と、液晶中継基板62とが接続されている。これらロムカートリッジ基板61および液晶中継基板62は、副制御基板41と共に副制御基板ケース42に収容されている。ロムカートリッジ基板61は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板45A、45B、45Cおよび通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板62は、副制御基板41と液晶表示装置10との配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板31により構成される主制御回路71について、図7を参照して説明する。図7は、パチスロ機1の主制御回路71の構成例を示すブロック図である。
主制御回路71は、主制御基板31上に設置されたマイクロコンピュータ72を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ72は、メインCPU73、メインROM74およびメインRAM75により構成される。
メインROM74には、メインCPU73により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路81に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM75には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU73には、クロックパルス発生回路76、分周器77、乱数発生器78およびサンプリング回路79が接続されている。クロックパルス発生回路76および分周器77は、クロックパルスを発生する。メインCPU73は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器78は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路79は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU73は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU73は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM75に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM75に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路38b(図6参照)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板41により構成される副制御回路81について、図8を参照して説明する。図8は、パチスロ機1の副制御回路81の構成例を示すブロック図である。
副制御回路81は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路81は、基本的に、サブCPU82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86を含んで構成されている。
サブCPU82は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板61に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板61は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU82が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定および登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10(図6参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ(LED)20による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ48L、48R、49L、49Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU82、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85およびドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置10に表示させる。
また、サブCPU82は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ48L、48R、49L、49Rにより出力させる。また、サブCPU82は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ(LED)20の点灯および消灯を制御する。
副制御基板41は、副制御基板ケース42に収納されている。副制御基板ケース42は、ケース本体の外面全体にメッキ部を形成しており、電波遮断シートを用いるよりもコストの削減を図ることができる。
[メイン側の遊技状態変移]
図9に示したように、パチスロ機1には、主制御回路71において制御される遊技状態として、低確率遊技状態としてのRT1遊技状態および高確率遊技状態としてのRT2遊技状態がある。
RT1遊技状態は、リプレイ1およびリプレイ2の当籤確率が後述するRT2遊技状態よりも低い低RT遊技状態であり、図14におけるRT1遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT1遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しないリプレイ1と、RT1遊技状態からRT2遊技状態へのの移行に関係するリプレイ2と、RT1遊技状態内において、通常の遊技状態から本前兆遊技状態またはガセ前兆遊技状態への移行に関係する特殊リプレイ1〜3とに内部当籤する。
RT1遊技状態は、RT2遊技状態において小役2が入賞した場合に、RT2遊技状態から移行する。図13に示すように、小役2は、内部当籤役の当籤番号が5〜7の場合に、ストップボタン17R以外のストップボタンを最初に停止操作し、かつ左リール3Lに小役3〜5に対応する表示図柄でないとき、すなわち3つある7図柄(「赤7」、「青7」、「黄7」)のうち、当籤役に対応する7図柄を引き込まない位置でストップボタン17Lを停止操作したときに停止表示される小役である。
本前兆遊技状態およびガセ前兆遊技状態は、いずれもRT1遊技状態において特殊リプレイ1〜3に入賞した場合に、RT1遊技状態におけるサブ側の通常の遊技状態から副制御回路81によって移行するサブ側の遊技状態であり、それぞれの前兆遊技状態に対応した前兆演出が実行される。ここで、本実施の形態において、特殊リプレイ1〜3に入賞することは、所定の条件の成立を構成する。
ここで、前兆演出とは、規定遊技回数(本実施の形態では33ゲーム)の単位遊技後に、前兆遊技状態からART状態に移行する可能性を示唆する演出である。また、本前兆遊技状態およびガセ前兆遊技状態は、本実施の形態における前兆遊技状態を構成するものである。また、本実施の形態において、本前兆遊技状態は、所定の前兆遊技状態を構成し、ガセ前兆遊技状態は、特定の前兆遊技状態を構成する。
なお、本実施の形態において、規定遊技回数として33ゲームが設定されているが、本発明は、これに限定されるものではない。また、以下の説明において、規定遊技回数は、33ゲームを意味する。
本前兆遊技状態は、RT1遊技状態において特殊リプレイ1〜3が入賞し、副制御回路81が図20(a)〜(c)の特殊リプレイ1〜3入賞時ART抽籤テーブルに記載された抽籤値でART当籤の抽籤を実行した結果、ART当籤「あり」に決定した場合に、RT1遊技状態における通常の遊技状態から移行する遊技状態である。本前兆遊技状態では、遊技者が選択した遊技者選択ゲーム数の単位遊技が実行される間、本前兆遊技状態用の前兆演出が実行される。ここで、本実施の形態において、副制御回路81は、ART当籤「あり」に決定した場合、所定の開始条件の成立を意味する。
ガセ前兆遊技状態は、RT1遊技状態において特殊リプレイ1〜3が入賞し、副制御回路81が図20(a)〜(c)の特殊リプレイ1〜3入賞時ART抽籤テーブルに記載された抽籤値でART当籤の抽籤を実行した結果、ART当籤「なし」に決定した場合、RT1遊技状態における通常の遊技状態から移行する遊技状態である。ガセ前兆遊技状態では、遊技者が選択した遊技者選択ゲーム数の単位遊技が実行される間、ガセ前兆遊技状態用の前兆演出が実行される。
RT2遊技状態は、リプレイ1およびリプレイ2の当籤確率がRT1遊技状態よりも高い高RT遊技状態であり、図14におけるRT2遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT2遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しないリプレイ1と、RT1遊技状態からRT2遊技状態への移行に関係するリプレイ2とに当籤し、RT1遊技状態において通常の遊技状態から本前兆遊技状態またはガセ前兆遊技状態への移行に関係する特殊リプレイ1〜3には当籤しない。
RT2遊技状態は、RT1遊技状態において、リプレイ2に入賞した場合に移行する。また、RT1遊技状態においてサブ側の遊技状態が本前兆遊技状態に移行した場合、副制御回路81は、規定遊技回数の単位遊技が実行された後に、遊技状態をART状態にする。ここで、ART状態は、メイン側のRT2遊技状態において、サブ側がAT遊技状態に移行することで実行される遊技者にとって有利な特定の遊技状態であり、メインCPU73とサブCPU82とにより実現される。
また、通常の遊技状態から本前兆遊技状態へ移行する場合に、遊技者が規定遊技回数よりも少ない前兆遊技回数(本実施の形態では3ゲーム)を選択した場合、副制御回路81は、選択された前兆遊技回数の単位遊技が実行された後に、遊技状態を所定の遊技状態としてのART準備状態に移行する。ここで、ART準備状態は、メイン側のRT2遊技状態において、サブ側がストップボタン17Rを第1停止操作(後述)する演出を実行する遊技状態であり、メインCPU73とサブCPU82とにより実現される。
ここで、RT1遊技状態およびRT2遊技状態は、ゲーム数管理のRTではなく、移行条件が成立したときにのみ他の遊技状態に移行する。その意味において、RT1遊技状態およびRT2遊技状態は、無限RTである。
[メイン側の各種のデータテーブル]
図10〜図19は、メインROM74に記憶されている各種のデータテーブルである。
<図柄配置テーブル>
図10に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。図柄の種類としては、「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、および「リプレイ」を含んでいる。
「赤7」、「青7」および「黄7」(以下、これらを総称して「7図柄」という場合がある)は、各リール3L、3C、3Rにおいて6駒間隔で配置されている。内部当籤役が特殊リプレイ1〜3(3択リプレイ)、または小役3〜5(3択ベル)である場合には、適切なタイミングでストップボタン17L、17C、17Rを操作することにより、内部当籤役を入賞させることが可能である。
例えば、特殊リプレイ1および小役3に関しては、左リール3Lの表示図柄が「赤7」であるが、図柄位置データが16番のリプレイから図柄位置データが1番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、左リール3Lにおいて入賞判定ライン8a、8bを規定する上段または下段に「赤7」が停止し、特殊リプレイ3および小役1を入賞させることが可能となる。
同様に、特殊リプレイ2および小役4に関しては、図柄位置データが2番のリプレイから図柄位置データが8番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、入賞判定ライン8a、8bを規定する上段または下段に「青7」が停止して特殊リプレイ2および小役4を入賞させることが可能となる。
同様に、特殊リプレイ3および小役5に関しては、図柄位置データが9番のリプレイから図柄位置データが15番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、入賞判定ライン8a、8bを規定する上段または下段に「黄7」が停止して特殊リプレイ3および小役5を入賞させることが可能となる。
つまり、本実施の形態に係るパチスロ機1は、左リール3Lの中段を停止操作の基準として考えれば、図柄位置データ16番〜1番が「赤7」停止領域、図柄位置データ2番〜8番が「青7」停止領域、図柄位置データ9番〜15番が「黄7」停止領域ということになる。
「スイカ」、「ベル」、および「リプレイ」は、各リール3L、3C、3Rにおいて、2駒または3駒間隔で配置されているため、どのタイミングでストップボタン17L、17C、17Rを操作しても入賞判定ライン8a、8bに停止させることが可能である。なお、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図11に示した図柄コードによって規定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。
図10に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄(表示窓の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リールの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。このように、表示窓4L、4C、4Rの中段を基準にすることで、表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
図11に示した図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードが格納している。本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、および「リプレイ」の6種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「黄7」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。「スイカ」図柄(図柄コード4)に対しては、データとして「00000100」が割り当てられている。「ベル」図柄(図柄コード5)に対しては、データとして「00000101」が割り当てられている。「リプレイ」図柄(図柄コード6)に対しては、データとして「00000110」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図12に示した図柄組合せテーブルは、図柄組合せ、入賞作動フラグ、および払出枚数との対応関係を規定している。
本実施の形態のパチスロ機1では、有効化された入賞判定ライン8a、8bに沿って並んだ図柄組合せが、入賞や作動のための判断の対象となる。すなわち、有効化された入賞判定ライン8a、8b(図2参照)に沿って並んだ図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せと一致するか否か判断される。この予め定められた所定の図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄組合せである。有効化された入賞判定ライン8a、8bに沿って並んだ図柄の組合せが、所定の図柄の組合せと一致する場合には、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動、あるいは遊技状態の移行等が行われる。
<図柄組合せ>
図柄組合せは、左リール3Lの上段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの下段の図柄との組合せ、および左リール3Lの下段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの上段の図柄との組合せからなる。上述したように、この図柄組合せテーブルの図柄組合せが、右下がりまたは右上がりである入賞判定ライン8a、8bに沿って並んだ図柄の組合せと一致するか否か判断される。入賞判定の対象となる役(表示役)としては、「リプレイ役」および「小役」である。
「リプレイ役」は、遊技を行うために投入したメダルと同数のメダルでの遊技を、新たなメダルの投入を行うことなく行える役であり、入賞判定時の払い出し枚数は0枚である。「リプレイ役」は、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」を含んでいる。
「リプレイ1」は、入賞判定ライン8a、8bに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される通常リプレイである。
また、「リプレイ1」は、内部当籤役が「2」〜「4」である場合に、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」と同時に当籤する。図18(a)を参照して後に説明するように、「リプレイ1」は、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」に比べて引込優先順位が低い。そのため、「リプレイ1」は、内部当籤役が「2」〜「4」である場合に、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」を取りこぼしたときに表示される。
「リプレイ2」は、本実施の形態における第1の図柄組合せを構成し、入賞ライン8a、8bに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ2」に入賞することにより、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。
「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」は、左リール3Lの7図柄が正解のときに入賞判定されるリプレイ役であり、それぞれ入賞判定ライン8a、8bに沿って「赤7−リプレイ−リプレイ」、「青7−リプレイ−リプレイ」、および「黄7−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。これらの「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」は、同時に当籤することはなく、左リール3Lにおける表示図柄が「赤7」、「青7」および「黄7」のいずれかであるという点で異なっている。
左リール3Lにおいては、上述のように「赤7」、「青7」および「黄7」は、6駒間隔で配置されており、「赤7」、「青7」および「黄7」のいずれかを入賞判定ライン8a、8bに表示させることは可能である。そのため、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」および「特殊リプレイ3」は、左リール3Lの7図柄の種別に関する報知がない状況では、三択リプレイとなる。
「小役」は、メダルの投入枚数が3枚のときの払出枚数が1枚の小役1、小役6、払出枚数が3枚の小役2および払出枚数が15枚の小役3〜5を含んでいる。
小役1は、入賞判定ライン8a、8bに沿って「リプレイ−ベル−スイカ」が並んだ場合に入賞判定される一枚役である。
小役2は、本実施の形態における第2の図柄組合せを構成し、入賞判定ライン8a、8bに沿って「ベル−ベル−ベル」が並んで表示されるハズレ役であり、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態へ移行させるものである。
小役3〜5は、左リール3Lの7図柄が正解のときに入賞判定されるベル役であり、それぞれ入賞判定ライン8a、8bに沿って「赤7−ベル−ベル」、「青7−ベル−ベル」、および「黄7−ベル−ベル」が並んだ場合に入賞判定される3択ベルである。これらの小役3〜5に内部当籤し、それぞれの小役3〜5に対応する7図柄を左リール3Lに停止させることができなかったときには、表示役はRT移行図柄の小役2となる。
小役6は、入賞判定ライン8a、8bに沿って「ベル−ベル−スイカ」が並んだ場合に入賞判定される一枚役である。
<入賞作動フラグ>
入賞作動フラグは、表示役を示すために固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データおよび格納領域種別を含んでいる。格納識別データは、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに関するデータを含んでいる。各図柄の組合せ(表示役)は、格納領域識別データと1バイトデータによって区別される。
本実施の形態においては、図12に示すように、図柄の組合せは8種類を超えているため、入賞作動フラグを構成する1バイト(8ビット)のデータのみでは、全ての図柄の組合せを特定したり識別したりすることができない。このため、本実施の形態においては、格納領域種別1、2(図16(a)参照)を用いて1バイトデータを区別する。このようにすることで、1バイトデータの値が同一であっても、格納領域識別データ1、2のうちのいずれか1つを指定することによって、8種類を超える図柄の組合せを異なる図柄の組合せとして扱うことができる。
表示役がリプレイ1、2、特殊リプレイ1〜3および小役1〜3については、格納領域種別1が割り当てられ、表示役が小役4〜6については、格納領域種別2が割り当てられている。1バイトデータに関しては、割り当てられた格納領域種別について、各表示役に対応するビットが「1」とされ、残りのビットが「0」とされる。
例えば、格納領域種別の値を「1」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「リプレイ1」を指定することができ、格納領域種別の値を「2」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「小役6」を指定することができる。
<払出枚数>
払出枚数は、図柄の組合せの各々に対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。入賞判定ライン8a、8bに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー装置34の駆動によるメダルの排出や、クレジットカウンタの加算が行われる。
リプレイ役の払出枚数は0枚、3択ベルの払出枚数は15枚、一枚役の払出枚数は1枚、ハズレ役の払出枚数は3枚である。
<入賞役等の表示>
図13は、押し順とリプレイ・小役の入賞役等の関係を示す図である。なお、図13における第1停止操作とは、スタートレバー16が開始操作された後に、ストップボタン17L、17C、17Rのうち最初に押下操作(停止操作)が実行されることをいう。また、図13における「−」は、停止操作タイミングに関係無く第1停止操作が実行されたストップボタン17C、17Rに対応するリール3C、3Rにリプレイ図柄が表示され、リール3Lに表示される図柄によって入賞する当籤役が異なることを意味する。ここで、本実施の形態において、パチスロ機1は、後述するART準備中フラグまたはARTフラグがオンではない場合に、ストップボタン17Rが第1停止操作されるとペナルティが発生する。
ペナルティは、発生すると規定ゲーム数(本実施の形態では、6ゲーム)の間特殊リプレイ1〜3に入賞しても、後述する図45のステップS320で実行される入賞した特殊リプレイに応じた特殊リプレイ入賞時ART抽籤テーブル(図20参照)を用いたART抽籤を実行しない状態となるものである。なお、本実施の形態において、ペナルティが発生する規定ゲーム数を6ゲームに規定しているが、本発明は、これに限定されない。また、パチスロ機1は、ペナルティが発生した場合に、ストップボタン17Rを第1停止操作してはならないことを遊技者に報知するペナルティ演出を、実液晶表示装置10による液晶表示およびスピーカ48L、48R、49L、49Rによる音によって実行するよう構成してもよい。
当籤番号1は、内部当籤役がリプレイ1、2である。リプレイ1は、第1停止操作をストップボタン17L、17Cにした場合に、リール3L、3C、3Rの停止操作位置に関係なく入賞判定ライン8a、8bに入賞する。
リプレイ2は、第1停止操作をストップボタン17Rにした場合に、リール3L、3C、3Rの停止操作位置に関係なく入賞判定ライン8a、8bに入賞する。ここで、リプレイ2は、当籤番号が「1」であるときに、第1停止操作をストップボタン17Rにすると必ず入賞するため、ART準備中フラグまたはARTフラグがオンではない状態でストップボタン17Rが第1停止操作された場合、ペナルティが発生する。
このため、パチスロ機1は、ART準備中フラグおよびARTフラグがオフであり、当籤番号1に内部当籤し、ストップボタン17Rに第1停止操作が実行されることによりリプレイ2が入賞して、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行した場合、RT2遊技状態を維持するために継続してストップボタン17Rが第1停止操作されると、都度ペナルティ演出が実行される。このため、パチスロ機1は、遊技者にストップボタン17L、17Cを第1停止操作させるよう促すことができる。これにより、パチスロ機1は、後述する小役2を入賞させて遊技状態をRT1遊技状態に戻すことができる。
当籤番号2は、内部当籤役が特殊リプレイ1およびリプレイ1である。特殊リプレイ1は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に赤7を停止可能な場合(正解時)に、リプレイ1よりも優先引込順位が高いため入賞する。一方、左リールの正解位置に赤7を停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ1が入賞する。ここで、正解位置とは、最大滑り駒数である4駒滑りの範囲で、入賞判定ライン8a、8bに目的とする図柄が停止可能な位置をいう。
当籤番号3は、内部当籤役が特殊リプレイ2およびリプレイ1である。特殊リプレイ2は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に青7を停止可能な場合(正解時)に、リプレイ1よりも優先引込順位が高いため入賞する。一方、左リールの正解位置に青7を停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ1が入賞する。
当籤番号4は、内部当籤役が特殊リプレイ3およびリプレイ1である。特殊リプレイ3は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に黄7を停止可能な場合(正解時)に、リプレイ1よりも優先引込順位が高いため入賞する。一方、左リールの正解位置に黄7を停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ1が入賞する。
当籤番号5は、内部当籤役が小役1〜3および小役6である。小役1および小役6は、第1停止操作をストップボタン17Rにした場合に入賞する。また、小役2は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に赤7を停止させることができない場合(不正解時)、または第1停止操作をストップボタン17Cに実行した場合に入賞する。一方、小役3は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に赤7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号6は、内部当籤役が小役1、小役2、小役4および小役6である。小役1および小役6は、第1停止操作をストップボタン17Rにした場合に入賞する。また、小役2は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に青7を停止させることができない場合(不正解時)、または第1停止操作をストップボタン17Cに実行した場合に入賞する。一方、小役4は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に青7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号7は、内部当籤役が小役1、小役2、小役5および小役6である。小役1および小役6は、第1停止操作をストップボタン17Rにした場合に入賞する。また、小役2は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に黄7を停止させることができない場合(不正解時)、または第1停止操作をストップボタン17Cに実行した場合に入賞する。一方、小役5は、第1停止操作をストップボタン17Lに実行し、左リール3Lの正解位置に黄7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
<内部抽籤テーブル>
図14は、RT1遊技状態およびRT2遊技状態用の内部抽籤テーブルである。図14に示す内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応して遊技状態ごとの抽籤値とデータポインタとを規定するテーブルである。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、デークポインタ)が決定される確率が高い。減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、予め定められた最大回数を超えた場合、内部抽籤処理の結果は、「ハズレ」となる。
なお、所定の確率としての各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。すなわち、データポインタは、図15に示す小役リプレイ用当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別および1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、複数の当籤番号の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタが個別に規定されている。
図14に示すように、RT1遊技状態およびRT2遊技状態用の内部抽籤テーブルは、RT1遊技状態およびRT2遊技状態のそれぞれの抽籤値を規定している。これらの遊技状態では、リプレイ1、2および特殊リプレイ1〜3の抽籤値が異なっており、小役1〜6の抽籤値は同一である。RT1遊技状態では、当籤番号1〜7のすべてに抽籤値の振り分けがある。一方、RT2遊技状態では、当籤番号1、5〜7に抽籤値の振り分けがあるものの、当籤番号2〜4の振り分けはない。また、当籤番号1に関しては、RT2遊技状態における抽籤値が、RT1遊技状態における抽籤値と比較して大きい値となっている。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図15に示した小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(小役)や、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(リプレイ)などを規定する。
内部当籤役の内容は、小役・リプレイ用データポインタ「0」〜「7」に応じて決定される。小役・リプレイ用データポインタは、ハズレに対応する「0」を除く「1」〜「7」が図13に示した当籤番号に一致している。
各データポインタは、3つの1バイトデータに対応している。例えば、リプレイ1に対応するデータポインタ1は、格納領域1が「00000001」、格納領域2が「00000000」であり、小役1〜3と小役6の重複当籤に対応するデータポイント5は、格納領域1が「11100000」、格納領域2が「00000100」である。
<格納領域>
図16(a)〜図16(f)は、メインRAM75に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
<内部当籤役格納領域>
図16(a)に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1、2の2つの格納領域によって構成される。内部当籤役格納領域1、2の各々の格納領域の大きさは、1バイトである。したがって、内部当籤役格納領域1、2の全体の大きさは2バイトである。内部当籤役格納領域1、2には、図14に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域1のビット0は、リプレイ1に対応し、ビット1は、リプレイ2に対応し、ビット2は、特殊リプレイ1に対応し、ビット3は、特殊リプレイ2に対応し、ビット4は、特殊リプレイ3に対応し、ビット5は、小役1に対応し、ビット6、は小役2に対応し、ビット7、は小役3に対応している。同様に、内部当籤役格納領域2のビット0は、小役4に対応し、ビット1は、小役5に対応し、ビット2は、小役6に対応している。本実施の形態では、内部当籤役格納領域2のビット3〜7は未使用になっている。
<表示役格納領域>
図16(b)に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1、2の2つの格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1、2の各々の格納領域の大きさは、1バイトである。したがって、表示役格納領域1、2の全体の大きさは2バイトである。表示役格納領域1、2には、図12に示す図柄組合せテーブルが規定する表示役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0は、リプレイ1に対応し、ビット1は、リプレイ2に対応し、ビット2は、特殊リプレイ1に対応し、ビット3は、特殊リプレイ2に対応し、ビット4は、特殊リプレイ3に対応し、ビット5は、小役1に対応し、ビット6は、小役2に対応し、ビット7は、小役3に対応している。同様に、表示役格納領域2のビット0は、小役4に対応し、ビット1は、小役5に対応し、ビット2は、小役6にに対応している。
<作動ストップボタン格納領域>
図16(c)に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン17L、17C、17R、すなわち有効なストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。ビット0〜2は、有効なストップボタン17L、17C、17Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3およびビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン17L、17C、17Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン17L、17C、17Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図16(d)に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン17L、17C、17Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜5が使用され、ビット6およびビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
<遊技状態フラグ格納領域>
図16(e)に示した遊技状態フラグ格納領域は、遊技状態がRT1遊技状態、RT2遊技状態のいずれであるかを示すためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。この遊技状態フラグ格納領域は、ビット0、1が使用され、ビット2〜7は未使用、すなわち遊技状態に関係なく「0」である。ビット0は、RT1遊技状態に関するものであり、ビット1は、RT2遊技状態に関するものである。
RT1遊技状態である場合には、ビット0が「1」(オン)とされ、RT2遊技状態である場合には、ビット1が「1」(オン)とされる。すなわち、遊技状態フラグ格納領域のデータは、RT1遊技状態では「00000001」、RT2遊技状態では「00000010」となる。
<引込優先順位テーブル選択テーブル>
図17に示す引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択データごとに、停止操作の順序を示す停止操作種別に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択テーブル番号「01」では、第1停止操作が「左」、「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号「01」が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号「02」では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号「03」が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号「04」が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号「05」が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル>
図18(a)に示す引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄(内部当籤役として決定されている役に対応する図柄)が複数ある場合に、どの図柄を優先して引込むかを表している。なお、図18(a)では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せの引込みの優先順位を示す引込データが表されている。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位をメインCPU73が識別するために設けられた情報である。
ここで、「引込み」とは、最大の滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞ライン8a、8bに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、入賞作動フラグ「リプレイ1」と入賞作動フラグ「リプレイ2」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「リプレイ2」より「リプレイ1」の方が優先順位が高いため、「リプレイ1」を優先して引込むようにリール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
<引込優先順位データ格納領域>
図18(b)に示した引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、および右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。なお、中リール用引込優先順位データ格納領域および右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データ(図10参照)のそれぞれについて、引込優先順位データを格納可能である。例えば図柄位置データ0に対しては、図18(a)の優先順位1〜4に規定する役(例えばデータ008Hとして「リプレイ1、2および特殊リプレイ1〜3」から002Hの「小役1、6」)およびデータ000Hとしての「エンドコード」が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役および他のリール3C、3Rに停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データが格納される。これにより、左リール3Lは、当籤役に対応する図柄を入賞判定ライン8a、8bに停止させ、あるいは停止させないように制御される。
なお、図柄位置データ1〜20についても同様に、データ008Hからデータ000Hに対応する内容が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役および他のリール3L、3C、3Rに停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データを格納する。
<リール停止初期設定テーブル>
図19に示すリール停止初期設定テーブルでは、内部当籤役に対して、引込優先順位テーブル選択テーブル番号または引込優先順位テーブル番号と、停止テーブル選択データ群とが対応付けられている。これらの各種のデータは、1単位遊技の進行の状況に応じてリール3L、3C、3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
引込優先順位テーブル選択データは、図17に示す引込優先順位テーブル選択テーブルを選択するための番号である。「引込優先順位テーブル番号」は、図18(a)に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。
「停止テーブル選択データ郡」については、詳細を省略するが、リール押下位置と滑り駒数とを対応付けて記憶する停止テーブルなどを選択するための番号である。これらの番号は、1単位遊技の進行の状況に応じて、「滑り駒数決定データ」の決定、すなわち、3つのリール3L、3C、3Rを停止する位置をそれぞれ決定するために用いるデータである。
リール停止初期設定テーブルでは、停止操作の順序により異なる停止制御が行われるデータポインタに対応する内部当籤役に対しては、引込優先順位テーブル選択データが対応付けられ、停止操作の順序に関わらず停止制御が変わらないデータポインタに対応する内部当籤役に対しては、引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
[サブ側の各種のデータテーブル]
図20〜図22は、サブROM87に記憶されている各種のデータテーブルである。
<特殊リプレイ入賞時ART抽籤テーブル>
図20(a)に示す特殊リプレイ1入賞時ART抽籤テーブルは、特殊リプレイ1に入賞した場合におけるART当籤の有無を規定したものである。すなわち、サブCPU82は、特殊リプレイ1が入賞した場合に、特殊リプレイ1入賞時ART抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づき、規定遊技回数の単位遊技の実行後に遊技状態をART状態に移行するか否かを決定する。
また、図20(a)に示すように、特殊リプレイ1入賞時ART抽籤テーブルは、サブCPU82にART当籤「あり」に決定される確率と比べて、ART当籤「なし」に決定される確率が高く規定されている。
図20(b)に示す特殊リプレイ2入賞時ART抽籤テーブルは、特殊リプレイ2に入賞した場合におけるART当籤の有無を規定したものである。すなわち、サブCPU82は、特殊リプレイ2が入賞した場合に、特殊リプレイ2入賞時ART抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づき、規定遊技回数の単位遊技の実行後に遊技状態をART状態に移行するか否かを決定する。
また、図20(b)に示すように、特殊リプレイ2入賞時ART抽籤テーブルは、サブCPU82にART当籤「なし」に決定される確率と比べて、ART当籤「あり」に決定される確率が高く規定されている。
図20(c)に示す特殊リプレイ3入賞時ART抽籤テーブルは、特殊リプレイ3に入賞した場合におけるART当籤の有無を規定したものである。すなわち、サブCPU82は、特殊リプレイ3が入賞した場合に、特殊リプレイ3入賞時ART抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づき、規定遊技回数の単位遊技の実行後に遊技状態をART状態に移行するか否かを決定する。
また、図20(c)に示すように、特殊リプレイ3入賞時ART抽籤テーブルは、図20(b)に示す特殊リプレイ2入賞時抽籤テーブルよりも、ART当籤「あり」の当籤確率が高く規定されている。
[制御処理]
主制御回路71のメインCPU73は、図21〜図47に示すフローチャートにしたがって各種のプログラムを実行する。
<メインCPUのメイン制御>
図21は、メイン制御処理を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU73は、後述する図22に示す電源投入時処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S10)。この電源投入時処理は、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU73は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この処理において、例えば、一遊技終了時の初期化の格納領域を指定して初期化する。この初期化処理によって、メインRAM75の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU73は、後述する図23に示すメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S12)。このメダル受付・スタートチェック処理によって、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、および開始操作を検出する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S13)。次に、メインCPU73は、後述する図24に示す内部抽籤処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S14)。この内部抽籤処理によって、内部当籤役決定手段における処理が構成される。
次に、メインCPU73は、後述する図25に示すリール停止初期設定制御処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S15)。このリール停止初期設定処理によって、内部当籤役に基づいてリール停止情報群(図19参照)を決定する処理が行われる。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リールの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)を格納する。
次に、メインCPU73は、スタートコマンドデータを、主制御基板31から副制御基板41へ送信するスタートコマンド送信処理を実行する(S16)。スタートコマンドには、内部当籤役等の演出に必要な各種の情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、ウェイト処理を実行する(S17)。このウェイト処理は、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かを判断し、所定時間を経過していないと判断した場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間を消化する処理である。ウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、通常は、例えば前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU73は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリール3L、3C、3Rの回転開始の処理を実行する(S18)。このリール回転開始処理によって、遊技開始指令手段における処理が構成される。さらに、このリール回転開始処理に伴って、図16(c)に示す作動ストップボタン格納領域に「01110000」を格納する。
上述したステップS18のリール回転開始処理は、割込処理(図29のS204)によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ミリ秒)で実行される処理である。この割込処理によって、各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転を開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達するまで加速を行う。さらに、その後、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU73は、リール回転開始コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するリール回転開始コマンド送信処理を実行する(S19)。このリール回転開始コマンド送信処理により、副制御回路81では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU73は、後述する図26に示すリール停止制御処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S20)。この処理によって、リール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理を実行する(S21)。この入賞検索処理は、全てのリールが停止した後に、入賞判定ライン8a、8bに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合して、入賞判定ライン8a、8bごとに表示された図柄組合せを判定する処理である。具体的には、図柄コード格納領域(図示略)に格納されたデータと、図12に示す図柄組合せテーブルのデータとを照合し、その結果を、表示役格納領域(図16(b))に格納する。具体的には、図柄コード格納領域のデータを表示役格納領域にそのまま複写する。その際に、図柄組合テーブルを参照して、払出枚数を求める。この入賞検索処理によって、全てのリールが停止したことで図柄表示手段に表示される図柄の組合せを特定する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払出しを実行する(S22)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー装置34の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。
次に、メインCPU73は、表示コマンドデータを、主制御基板31から副制御基板41へ送信する表示コマンド送信処理を実行する(S23)。表示コマンドには、表示役などの情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、後述する図27に示すRT制御処理を実行する(S24)。RT制御処理によって、RT1遊技状態、RT2遊技状態の間で遊技状態が更新される。
次に、メインCPU73は、後述する図28に示すリプレイ作動チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S25)。このリプレイ作動チェック処理によって、リール3L、3C、3Rにより表示された図柄の組合せに基づいてリプレイの作動を行う処理が行われる。ステップS25の処理を実行した後、メインCPU73は、上述したステップS11に処理を戻す。
このように、本実施の形態において、メインCPU73は、遊技価値付与手段を構成する。
<電源投入時処理>
図22は、図21に示したメイン制御処理のステップS10で呼び出される電源投入時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、バックアップが正常であるか否かを判断する(S30)。この判断処理において、メインCPU73は、チェックサム値を用いた誤り検出を行うことにより、バックアップが正常であるか否かを判断する。例えば、電源オフ時にパチスロ機1の設定値(出玉率を予め定められた6段階の1つに設定する値)およびその設定値から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM75に格納しておき、電源投入時の当該判断処理において、メインRAM75に格納されている設定値およびチェックサム値を読み出す。読み出された設定値から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較する。比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU73は、バックアップが正常であると判断したときには(YES)、バックアップされた設定値をセットする(S31)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS31の処理の後、またはステップS30において、バックアップが正常でないと判断したとき(NO)、メインCPU73は、設定変更スイッチがオンであるか否かを判断する(S32)。メインCPU73は、設定変更スイッチがオンでないと判断したときには(NO)、バックアップが正常であるか否かを判断する(S38)。
ステップS38の処理において、バックアップが正常でないと判断されると(NO)、メインCPU73は、電源投入時エラー処理を実行する(S40)。この処理において、メインCPU73は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。因みに、メインCPU73は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチまたはリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除する。
これに対して、ステップS32において、設定変更スイッチがオンであると判断すると(YES)、メインCPU73は、ステップS33に処理を移して、設定変更時の初期化処理を実行する。
この設定変更時の初期化処理において、メインCPU73は、例えば、メインRAM75の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されているデータをクリアするとともに、設定値をクリアする。
ステップS33の処理の後、メインCPU73は、ステップS34へ処理を移して、初期化コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信する初期化コマンド送信処理を実行する。初期化コマンドデータには、例えば設定値変更の有無、設定値情報等が含まれる。
続いて、メインCPU73は、ステップS35へ処理を移して、設定値変更処理を実行する。設定値変更処理において、メインCPU73は、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値を予め定められている1〜6のうちから選択し、これに続いて操作されるスタートレバー16の操作結果に基づいて設定値を確定させる。
設定値変更処理(S35)の後、メインCPU73は、ステップS36へ処理を移して、設定変更スイッチはオン状態であるか否かを判断し、オン状態でない判断結果が得られるまで、当該処理(S36)を繰り返す。設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果(NO)が得られた場合、このことは、設定変更スイッチの操作が完了したことを意味しており、メインCPU73は、ステップS37へ処理を移して、初期化コマンドデータを送信する初期化コマンド送信処理を実行する。
メインCPU73は、ステップS37の処理の後、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS38においてバックアップが正常であると判断されると(YES)、メインCPU73は、ステップS39へ処理を移して、メインRAM75に格納されているバックアップデータに基づいて、電断前の状態に復帰させる。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図23は、図21に示したメイン制御処理のステップS12の処理で呼び出されるメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、自動投入要求があるか否かを判断する(S50)。前回の単位遊技でリプレイに入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS50の判断処理は、この前回の単位遊技でリプレイに入賞したか否か判断するのと等価である。
メインCPU73は、ステップS50の判断処理で、自動投入要求があると判断したときには(YES)、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する処理を実行する(S51)。具体的には、メインCPU73は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
次に、メインCPU73は、メダル投入コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するメダル投入コマンド送信処理を実行して(S52)、この処理が終了した場合には、ステップS57に処理を移す。
メインCPU73は、ステップS50の判断処理で、自動投入要求がないと判断したときには(NO)、メダル受付許可を実行する(S53)。具体的には、メインCPU73は、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。
メインCPU73は、ステップS53の処理を実行した後、ステップS54へ処理を移して、メダル受付許可があるか否かをチェックし、メダル受付許可があるとの判断結果が得られるまで、当該処理(S54)を繰り返す。メダル受付許可があるとの判断結果が得られた場合(YES)、メダルを受け付けることが可能であることを意味しており、メインCPU73は、ステップS55に処理を移し、投入されたメダルをチェックする。
メインCPU73は、ステップS54の判断処理で、メダル受付許可があると判断したときには(YES)、投入されたメダルの枚数をチェックする(S55)。この処理によって、チェックしたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値を更新する。
メインCPU73は、ステップS55の処理を実行した後、ステップS56へ処理を移して、メダル投入コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するメダル投入コマンド送信処理を実行する(S56)。
次に、メインCPU73は、ステップS57へ処理を移して、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する。すなわち、メインCPU73は、投入されたメダルの投入枚数が所定の枚数としての3枚であるかを判断する。
メインCPU73は、ステップS57の判断処理で、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断したときには(NO)、上述したステップS54に処理を戻す。
メインCPU73は、ステップS57の判断処理で投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判断したときには(YES)、スタートスイッチ57がオンであるか否かを判断する(S58)。
メインCPU73は、ステップS58の判断処理でスタートスイッチ57がオンでないと判断したときには(NO)、上述したステップS54に処理を戻す。
メインCPU73は、ステップS58の判断処理でスタートスイッチ57がオンであると判断したときには(YES)、メダル受付禁止を行い(S59)、本サブルーチンを終了する。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わずに、投入口に投入されたメダルをメダル払出口18からの排出を促す。
<内部抽籤処理>
図24は、図21に示したメイン制御処理のステップS14の処理で呼び出される内部抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S60)。本実施の形態では、遊技状態がRT1遊技状態またはRT2遊技状態のいずれである場合にも、図14に示す遊技状態内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU73は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S61)。
次に、メインCPU73は、ステップS60の処理でセットされた内部抽籤テーブルの所定領域を用いて、当籤番号に応じた抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S62)。すなわち、メインCPU73は、内部当籤役を照合する。
次に、メインCPU73は、減算結果が0より小さいか否かを判断する(S63)。
メインCPU73は、ステップS63の判断処理で、減算結果が0より小さくないと判断したとき(NO)、すなわち、いわゆる桁借りが行われていないと判断したときには、乱数値および当籤番号を更新する(S64)。
次に、メインCPU73は、使用している内部抽籤テーブルの全ての当籤番号をチェックしたか否かを判断する(S65)。この処理において、全ての当籤番号をチェックしていないと判断した場合には(NO)、メインCPU73は、上述したステップS62に処理を戻す。
一方、ステップS65の判断処理で、全ての当籤番号をチェックしたと判断した場合には(YES)、メインCPU73は、データポインタの値として0をセットする(S66)。すなわち、メインCPU73は、内部抽籤の結果、表示役をハズレであると判定する。
次に、上述したステップS63の判断処理で、減算結果が0より小さいと判断した場合(YES)、すなわち、いわゆる桁借りが行われたと判断した場合には、メインCPU73は、使用している内部抽籤テーブルを参照して小役・リプレイ用データポインタの値を取得する(S67)。
次に、メインCPU73は、上述したステップS66またはステップS67の処理を実行した後、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図15参照)を参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S68)。このステップS68の処理は、上述したステップS66またはステップS67の処理で決定した小役・リプレイ用データポインタの値を用いて、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す3バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU73は、取得した内部当籤役を、対応する内部当籤役格納領域(図16(a)参照)に格納する(S69)。このステップS69の処理は、ステップS68の処理で決定した内部当籤役を示す3バイトのデータ値を、内部当籤役格納領域(格納領域1、2)に格納する処理である。ステップS73の処理を実行したときには、本サブルーチンを終了する。
このように、本実施の形態において、メインCPU73は、内部当籤役決定手段を構成する。
<リール停止初期設定処理>
図25は、図21に示したメイン制御処理のステップS15において呼び出されるリール停止初期設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、リール停止初期設定テーブル(図19参照)を参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S80)。
ステップS80の処理において、メインCPU73は、例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リール3L、3C、3Rが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
停止テーブルには、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的または間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、かつ、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
次に、メインCPU73は、メインRAM75の図柄コード格納領域の各格納領域に回転中の識別子を格納し(S81)、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S82)、リール停止初期設定処理を終了する。
<リール停止制御処理>
図26は、図21に示したメイン制御処理のステップS20の処理で呼び出されるリール停止制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、引込優先順位格納処理を実行する(S90)。この引込優先順位格納処理によって、メインCPU73は、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定する。すなわち、内部当籤役に基づいて、回転中の各リールの各図柄位置ごとに、停止情報を格納する。例えば、停止許可の場合には、優先順位テーブルに基づいてその引込優先順位データを格納する。他方、停止不許可の場合(例えば、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU73は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(S91)。この処理は、ストップスイッチ基板58に設けられたストップスイッチから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU73は、有効なストップボタンが押されていないと判断したときには(NO)、ステップS91の処理を繰り返す。
メインCPU73は、ステップS91の判断処理で、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押されたと判断したときには(YES)、押されたストップボタン17L、17C、17Rに応じて、図16(c)に示す作動ストップボタン格納領域と、図16(d)に示す押下順序格納領域とを更新する(S92)。
メインCPU73は、第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、図16(d)に示す押下順序納領域に格納し、押し順格納領域を参照することで、ストップボタン17L、17C、17Rの押し順を判断することができる。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S93)。
次に、メインCPU73は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S94)。
次に、メインCPU73は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する(S95)。停止開始位置は、ストップスイッチによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、リール停止コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するリール停止コマンド送信処理を実行する(S96)。このリール停止コマンドには、停止されるリールの種別、停止開始位置および滑り駒数(または停止予定位置)等の情報も含まれる。
次に、メインCPU73は、リール停止初期設定処理(図25参照)で取得した各情報と、引込優先順位データと、停止開始位置とに基づいて停止予定位置を決定し格納する(S97)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(S98)。
メインCPU73は、ステップS98の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断したときには(NO)、引込優先順位格納処理を実行し(S99)、ステップS91に処理を戻す。
メインCPU73は、S98の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断したときには(YES)、直ちに本サブルーチンを終了する。
<RT制御処理>
図27は、図21に示したメイン制御処理のステップS24の処理で呼び出されるRT制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、小役2が入賞したか否かを判断する(S100)。ここで、小役2(「ベル−ベル−ベル」)は、RT1遊技状態への移行図柄であるため(図9、図12参照)、ステップS100の判断処理で、遊技状態をRT1遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、ステップS100の判断処理で、小役2が表示されたと判断されたときには(YES)、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(S101)、本サブルーチンを終了する。
ステップS100において、小役2が入賞していないと判断した場合には(NO)、メインCPU73は、リプレイ2が入賞したか否かを判断する(S102)。ここで、リプレイ2は、遊技状態が後述するART準備状態またはART状態であり、ストップボタン17Rに第1停止操作を実行できる場合にのみペナルティを生じることなく入賞することができる昇格リプレイである。つまり、メインCPU73は、ステップS102の判断処理で、遊技状態をRT2遊技状態に移行させるかを判断する。
ステップS102において、リプレイ2が入賞したと判断した場合には(YES)、メインCPU73は、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(S103)、RT制御処理を終了する。また、ステップS102において、リプレイ2が入賞していないと判断した場合には(NO)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
このように、小役2は、RT2遊技状態からRT1遊技状態へ遊技状態を移行させるものであるため(図9参照)、小役2の入賞に伴って、遊技状態がRT1遊技状態に更新される。また、リプレイ2は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させるものであるため(図9参照)、リプレイ2の入賞に伴って、遊技状態がRT2遊技状態に更新される。また、本実施の形態において、メインCPU73は、遊技状態移行手段を構成する。
<リプレイ作動チェック処理>
図28は、図21に示すメイン制御処理のステップS25の処理で呼び出されるリプレイ作動チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、リプレイ1、2または特殊リプレイ1〜3のいずれかが入賞したかを判断する(S110)。リプレイ1、2および特殊リプレイ1〜3のいずれにも入賞していないと判断した場合(NO)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
一方、リプレイ1、2または特殊リプレイ1〜3のいずれかが入賞したと判断した場合には(YES)、メインCPU73は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S111)、本サブルーチンを終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図29は、メインCPU73の制御による割込処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒ごとに呼び出されて実行される。
最初に、メインCPU73は、レジスタの退避を行う(S120)。続いて、メインCPU73は、入力ポートチェック処理を行う(S121)。この処理では、メインCPU73は、マイクロコンピュータ72へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU73は、スタートスイッチ57、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理ごとに格納する。また、メインCPU73は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報およびストップスイッチ基板58より送信される各ストップボタン17L、17C、17Rの操作情報を含む入力状態コマンドをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路81に送信される。これにより、スタートレバー16やストップボタン17L、17C、17Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU73は、タイマ更新処理を行う(S122)。次に、メインCPU73は、コマンドデータ送信処理を行う(S123)。この処理では、入力状態コマンドを含むコマンドデータを副制御基板41の副制御回路81へ送信する。続いて、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する処理を行う(S124)。より詳細には、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU73は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(S125)。例えば、メインCPU73は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU73は、レジスタの復帰を行い(S126)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路81のサブCPU82は、図30〜図44に示すフローチャートにしたがって各種のプログラムを実行する。
<電源投入時の処理>
図30は、電源投入時の処理の副制御回路81の動作を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化処理を実行する(S130)。この処理では、サブCPU82は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、およびVSYNC(VerticalSynchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU82は、図31に示すランプ制御タスクを起動する(S131)。ランプ制御タスクは、サブCPU82が、サブCPU82に対して2ミリ秒ごとに送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図32に示すサウンド制御タスクを起動する(S132)。サウンド制御タスクは、サブCPU82が、スピーカ48L、48R、49L、49Rからの出音状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図33に示すマザータスクを起動し(S133)、処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置10で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置10から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<ランプ制御タスク>
図31は、ランプ制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、タイマ割込初期化処理を実行する(S140)。
次に、サブCPU82は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S141)。
次に、サブCPU82は、タイマ割込み待ちを実行する(S142)。この処理では、サブCPU82が2ミリ秒ごとにタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU82は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)が挙げられる。
次に、サブCPU82は、図32に示すサウンド制御タスクを実行する(S143)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。実施例では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS143では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS143では、図32に示すサウンド制御タスクのうち、ステップS152およびステップS153の処理が行われる。
次に、サブCPU82は、ランプデータ解析処理を実行する(S144)。
次に、サブCPU82は、ランプ点灯制御処理を実行し(S145)、ステップS142に処理を戻す。
<サウンド制御タスク>
図32は、サウンド制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、スピーカ48L、48R、49L、49Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S150)。
次に、サブCPU82は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S151)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータの解析処理を実行する(S152)。
次に、サブCPU82は、サウンド演出実行処理を行い(S153)、ステップS151に処理を戻す。
<マザータスク>
図33は、マザータスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、メインタスクの起動を実行する(S160)。
次に、サブCPU82は、主基板通信タスクの起動を実行する(S161)。
次に、サブCPU82は、アニメタスクを起動し(S162)、処理を打ち切る。
<メインタスク>
図34は、メインタスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、VSYNC割込初期化処理を実行する(S170)。
次に、サブCPU82は、VSYNC割込待ちを実行する(S171)。
次に、サブCPU82は、描画処理を実行し(S172)、ステップS171に処理を戻す。
<主基板通信タスク>
図35は、主基板通信タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、通信メッセージキューの初期化を実行する(S180)。
次に、サブCPU82は、受信コマンドのチェックを実行する(S181)。次に、サブCPU82は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S182)。
サブCPU82は、ステップS182の判断処理で前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断したときには(NO)、上述のステップS181へ処理を移す。これに対して、前回とは異なるコマンドを受信したと判断したときには(YES)、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、ステップS183へ処理を移し、受信したコマンドから遊技情報を作成し、格納する。
そして、サブCPU82は、図36に示すコマンド解析処理のサブルーチンを呼び出して実行し(S184)、上述のステップS181へ処理を移す。
<コマンド解析処理>
図36は、図35に示す主基板通信タスクのステップS184の処理で呼び出されるコマンド解析処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、演出内容決定処理を実行する(S190)。
次に、サブCPU82は、ランプデータ決定処理を実行する(S191)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータ決定処理を実行する(S192)。
次に、サブCPU82は、決定された各データを登録し(S193)、本サブルーチンを終了する。
<アニメタスク>
図37は、アニメタスクを示すフローチャートである。
初めに、サブCPU82は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S200)。具体的には、サブCPU82は、割込み処理(図29参照)によって更新された現在の遊技情報が、前回までの割込み処理においてサブRAM83に登録されている遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
続いて、サブCPU82は、オブジェクト制御処理を実行する(S201)。具体的には、上述のステップS200において、遊技状態が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU82は、当該遊技状態の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU82は、アニメタスク管理処理を実行し(S202)、上述のステップS200へ処理を移す。具体的には、パチスロ機1のキャビネット2a内に設けられている設定変更スイッチがオン状態のときに電源が投入されると、その旨を表す初期化コマンドが、主制御回路71から副制御回路81へ送信されることにより、サブCPU82は、アニメタスク管理処理(S202)において、当該初期化コマンドに応じたホールメニュータスクの実行要求を行う。これにより、初期化コマンドを受信すると、液晶表示装置10に、ホールメニューが表示される。
<演出内容決定処理>
図38は、図36に示すコマンド解析処理のステップS190の処理で呼び出される演出内容決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化コマンド受信時であるか否かを判断する(S210)。
ステップS210の判断処理で初期化コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、図44に示す初期化コマンド受信時処理を呼び出して実行し(S211)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、初期化コマンドとして、設定値変更の有無や設定値の情報を送信する。サブCPU82は、ステップS211の処理で、これらを初期化コマンドとして受信する。
一方、ステップS210の判断処理で初期化コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判断する(S212)。
ステップS212の判断処理でメダル投入コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(S213)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、メダル投入コマンドとして、メダル投入の有無、投入枚数カウンタ・クレジットカウンタの値を送信する。サブCPU82は、ステップS213の処理で、これらをメダル投入コマンドとして受信する。
一方、ステップS212の判断処理でメダル投入コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、スタートコマンド受信時であるか否かを判断する(S214)。
ステップS214の判断処理でスタートコマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、図39に示すスタートコマンド受信時処理を呼び出して実行し(S215)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、スタートコマンドとして、遊技状態フラグの種別、内部当籤役の種別、特殊出力フラグの有無を送信する。サブCPU82は、ステップS215の処理で、これらをスタートコマンドとして受信する。
一方、ステップS214の判断処理でスタートコマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判断する(S216)。
ステップS216の判断処理でリール回転開始コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S217)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、リール回転開始コマンドとして、リールの回転が開始された旨を送信する。サブCPU82は、ステップS217の処理で、これをリール回転開始コマンドとして受信する。
一方、ステップS216の判断処理でリール回転開始コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判断する(S218)。
ステップS218の判断処理でリール停止コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(S219)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、リール停止コマンドとして、停止リールの種別、停止開始位置および滑り駒数(または停止予定位置)を送信する。サブCPU82は、ステップS219の処理で、これらをリール停止コマンドとして受信する。
一方、ステップS218の判断処理でリール停止コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、表示コマンド受信時であるか否かを判断する(S220)。
ステップS220の判断処理で表示コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、図44に示す表示コマンド受信時処理を実行し(S221)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、表示コマンドとして、表示役の種別等を送信する。サブCPU82は、ステップS221の処理で、これらを表示コマンドとして受信する。
一方、ステップS220の判断処理で表示コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、入力状態コマンド受信時であるか判断する(S222)。
ステップS222の判断処理で入力状態コマンド受信時であると判断したときには(YES)、サブCPU82は、入力状態コマンド受信時処理を実行し(S223)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかといった情報や、ストップスイッチ基板58より送信される各ストップボタン17L、17C、17Rの操作情報を送信する。サブCPU82は、ステップS223の処理で、これらを入力状態コマンドとして受信する。
一方、S222の判断処理で入力状態コマンド受信時でないと判断したときには(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図39は、図38に示す演出内容決定処理のステップS215の処理で呼び出されるスタートコマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、ARTフラグがオンであるか否かを判断する(S230)。ステップS230の処理において、ARTフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART中処理を実行し(S231)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS230の処理において、ARTフラグがオンではないと判断する場合には(NO)、サブCPU82は、本前兆中フラグがオンであるか否かを判断する(S232)。ステップS232の処理において、本前兆中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、本前兆中処理を実行し(S233)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS232の処理において、本前兆中フラグがオンではないと判断する場合には(NO)、サブCPU82は、ガセ前兆中フラグがオンであるか否かを判断する(S234)。ステップS234の処理において、ガセ前兆中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ガセ前兆中処理を実行し(S235)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS234の処理において、ガセ前兆中フラグがオンではないと判断する場合には(NO)、サブCPU82は、ART準備中フラグがオンであるか否かを判断する(S236)。ステップS236の処理において、ART準備中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART準備中処理を実行し(S237)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS236の処理において、ART準備中フラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、内部当籤役の当籤番号に基づいて通常時用演出データを決定する(S238)。この処理では、サブCPU82は、内部当籤役が2〜4である場合、すなわち特殊リプレイ1〜3に当籤した場合に、特殊リプレイ1〜3に入賞できるよう液晶表示装置10において、特殊リプレイ1〜3に当籤したことを報知する演出を実行する。ステップS238の処理を実行した後、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
<ART中処理>
図40は、図39に示すスタートコマンド受信時処理のステップS231の処理で呼び出されるART中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、現在の遊技状態がRT1遊技状態であるか否かを判断する(S240)。ステップS240の処理において、現在の遊技状態がRT1遊技状態であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、内部当籤役の当籤番号が「1」であるか否かを判断する(S241)。
ステップS241の処理において、当籤番号が「1」であると判断した場合(YES)には、サブCPU82は、RT2遊技状態に移行する押し順ナビ演出を実行する(S242)。ここで、押し順ナビ演出とは、ストップボタン17L、17C、17Rを停止操作する順番を報知し、所定のリプレイや小役を入賞させる演出である。
ステップS242の処理では、サブCPU82は、押し順ナビ演出として、ストップボタン17Rを第1停止操作させ(図13参照)、右リール3Rを最初に停止させるよう遊技者に報知する演出を実行する。リプレイ2が入賞することにより、メインCPU73は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。
ステップS240の処理において、現在の遊技状態がRT1遊技状態ではないと判断した場合(NO)またはステップS241の処理において、当籤番号が「1」ではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、ART中の押し順ナビ演出を実行する(S243)。この処理では、サブCPU82は、当籤番号5〜7に対応する小役3〜5を入賞させる押し順ナビ演出、つまりストップボタン17Lに第1停止操作させ(図13参照)、左リール3Lを最初に停止させるよう遊技者に報知する演出を実行する。
これにより、メインCPU73は、小役3〜5を成立させる7図柄が左リール3Lの停止時に表示された場合に、小役3〜5を入賞させてRT2遊技状態を維持し、小役3〜5を成立させる7図柄が左リール3Lの停止時に表示されなかった場合に、小役2を入賞させて遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行する(図27参照)。
ステップS242の処理を実行した後またはステップS243の処理を実行した後、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタを1減算する(S244)。次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S245)。この処理において、サブCPU82は、ART状態において特定の遊技回数(本実施の形態では、50ゲーム)の単位遊技が実行されたか否かを判断する。
ステップS245の処理において、ARTゲーム数カウンタが0ではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。この処理により、サブCPU82は、遊技状態がRT1遊技状態に降格した場合であっても、ART状態を維持する。
一方、ARTゲーム数カウンタが0であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART状態において50ゲームの単位遊技が実行され所定の終了条件が成立したことから、ARTフラグをオフにし(S246)、本サブルーチンを終了する。この処理により、サブCPU82は、ART状態を終了する。
このように、本実施の形態において、サブCPU82は、特定遊技状態制御手段を構成する。
<本前兆中処理>
図41は、図39に示すスタートコマンド受信時処理のステップS233の処理で呼び出される本前兆中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、第1停止操作をストップボタン17Rに実行することを禁止する演出を実行する(S250)。この処理により、サブCPU82は、当籤番号1に内部当籤した場合であっても、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行するリプレイ2に入賞することなく(図13参照)、RT1遊技状態を維持することができる。また、この処理において、サブCPU82は、当籤番号5〜7に当籤した場合、小役3〜5に入賞させる押し順ナビ演出を実行する。
次に、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタを1減算する(S251)。次に、サブCPU82は、ストップボタン17Rが第1停止操作されたか否かを判断する(S252)。この処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されたと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ペナルティ演出を実行し(S253)、前兆ゲーム数カウンタを0にするとともに、本前兆中フラグをオフにし(S254)、本サブルーチンを終了する。
ここで、ステップS253において実行されるペナルティ演出は、ストップボタン17Rを第1停止操作してはならないことを遊技者に報知するとともに、前兆遊技状態が終了することを報知する演出であり、前兆遊技状態中にストップボタン17Rが第1停止操作されることで前兆遊技状態が終了することを報知することにより、遊技者がストップボタン17Rを第1停止操作することを抑止することができる。
ステップS252の処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされているか否かを判断する(S255)。ここで、遊技者選択ゲーム数は、前兆遊技状態において単位遊技が実行される回数を設定するものであり、後述する入力状態コマンド受信時処理(図46参照)のステップS333またはステップS334によって、サブRAM83の遊技者選択ゲーム数を格納する領域にセットされる。また、本実施の形態において、遊技者選択ゲーム数は、前兆遊技回数を構成するものである。
ステップS255の処理において、遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値が30であるか否かを判断する(S256)。この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が30でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。一方、この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が30であると判断した場合には(YES)、本前兆遊技状態において、遊技者選択ゲーム数である3ゲームの単位遊技が実行されたことから、サブCPU82は、当籤報知としてのART当籤の報知選出を実行し(S257)、本前兆中フラグをオフにし、ART準備中フラグをオンにし(S258)、本サブルーチンを終了する。ここで、ART当籤の報知演出とは、後述する通常時処理(図45参照)のステップS320において実行される内部抽籤によりART当籤が「あり」に決定していることを報知する演出である。
ステップS255の処理において遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(S259)。この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS259の処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART当籤の報知演出を実行する(S260)。ここで、ステップS260において実行されるART当籤の報知演出は、後述する通常時処理(図45参照)のステップS320において実行される内部抽籤によりART当籤が「あり」に決定していることを報知する演出であり、ステップS257において実行されるART当籤の報知演出と同様のものでも、別のものでもよい。
次に、サブCPU82は、本前兆中フラグをオフにし、ARTフラグをオンにし(S261)、ARTゲーム数カウンタにに50をセットし(S262)、本サブルーチンを終了する。この処理において、サブCPU82は、遊技状態を本前兆遊技状態からART状態に移行させる。
<ガセ前兆中処理>
図42は、図39に示すスタートコマンド受信時処理のステップS235の処理で呼び出されるガセ前兆中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、第1停止操作をストップボタン17Rに実行することを禁止する演出を実行する(S270)。この処理により、サブCPU82は、当籤番号1に内部当籤した場合であっても、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行するリプレイ2に入賞することなく(図13参照)、RT1遊技状態を維持することができる。また、この処理において、サブCPU82は、当籤番号5〜7に当籤した場合、小役3〜5に入賞させる押し順ナビ演出を実行する。
次に、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタを1減算する(S271)。次に、サブCPU82は、ストップボタン17Rが第1停止操作されたか否かを判断する(S272)。この処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されたと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ペナルティ演出を実行し(S273)、前兆ゲーム数カウンタを0にするとともに、ガセ前兆中フラグをオフにし(S274)、本サブルーチンを終了する。
ここで、ステップS273において実行されるペナルティ演出は、ストップボタン17Rを第1停止操作してはならないことを遊技者に報知するとともに、前兆遊技状態が終了することを報知する演出であり、前兆遊技状態中にストップボタン17Rが第1停止操作されることで前兆遊技状態が終了することを報知することにより、遊技者がストップボタン17Rを第1停止操作することを抑止することができる。
ステップS272の処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされているか否かを判断する(S275)。ここで、遊技者選択ゲーム数は、後述する入力状態コマンド受信時処理(図46参照)のステップS333またはステップS334によって、サブRAM83の遊技者選択ゲーム数を格納する領域にセットされる。
ステップS275の処理において、遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値が30であるか否かを判断する(S276)。この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が30でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。一方、この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が30であると判断した場合には(YES)、ガセ前兆遊技状態において、遊技者選択ゲーム数である3ゲームの単位遊技が実行されたことから、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値を0にする(S277)。
ステップS277の処理を実行した後またはステップS275の処理において遊技者選択ゲーム数に「3」がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(S278)。この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS278の処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART非当籤の報知演出を実行し(S279)、ガセ前兆中フラグをオフにし(S280)、本サブルーチンを終了する。ここで、ART非当籤の報知演出は、規定遊技回数の単位遊技が実行されたことにより、後述する通常時処理(図45参照)ステップS320において実行される内部抽籤によりART当籤が「なし」に決定していることを報知する演出である。
このように、サブCPU82は、本前兆中処理(図41参照)におけるステップS250の処理およびガセ前兆中処理(図42参照)のステップS270において、各前兆遊技状態中において、当籤番号が5〜7である場合には15枚のメダルの払い出しがある小役3〜5を入賞させる押し順ナビ演出が実行されるよう構成されている。
これにより、本発明に係るパチスロ機1は、遊技者が前兆遊技状態の遊技回数を選択することができ、遊技者選択ゲーム数として33ゲームを選択することで、小役3〜5に入賞する機会を得ることができ、前兆遊技状態における遊技の興趣を享受することができる。
また、サブCPU82は、本前兆中処理(図41参照)におけるステップS255〜ステップS257の処理において、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択され、本前兆遊技状態において3ゲームの単位遊技が実行された場合に、ART当籤の報知を実行するとともに、ガセ前兆中処理(図42参照)におけるステップS275〜ステップS279の処理において、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択され、ガセ前兆遊技状態において3ゲームの単位遊技が実行された場合に、ART非当籤の報知演出を実行しガセ前兆遊技状態を終了するよう構成されている。
これにより、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技者が遊技者選択ゲーム数として3ゲームを選択することにより、遊技店の閉店時間が迫っている場合に、3ゲームの前兆遊技状態の終了後にART当籤の報知演出またはART非当籤の報知演出が実行されることで、ART当籤の有無を把握することができ、遊技を継続するか否かを判断することができるため、遊技者の遊技に対する興趣が削がれてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、前兆遊技状態制御手段と、特定遊技状態制御報知手段とを構成する。
<ART準備中処理>
図43は、図39に示すスタートコマンド受信時処理のステップS237の処理で呼び出されるART準備中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、第1停止操作をストップボタン17Rにする押し順操作ナビ演出を実行する(S290)。この処理により、サブCPU82は、当籤番号5〜7に内部当籤した場合であっても、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行する小役2に入賞することなく(図13参照)、RT2遊技状態を維持することができる。
次に、サブCPU82は、ART準備中のムービー演出を実行する(S291)。この処理により、サブCPU82は、ART準備状態において、ART準備状態においてのみ実行されるムービー演出を実行することにより、遊技者の演出内容に対する興趣を高めることができる。
次に、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタを1減算する(S292)。次に、サブCPU82は、前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(S293)。この処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS293の処理において、前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART準備中フラグをオフにし、ARTフラグをオンにし(S294)、ARTゲーム数カウンタに50をセットし(S295)、本サブルーチンを終了する。この処理において、サブCPU82は、本前兆遊技状態が始まってから規定遊技回数の単位遊技が実行されたことにより、遊技状態をART準備状態からART状態に移行する。
このように、本実施の形態において、サブCPU82は、所定遊技状態制御手段を構成する。
このように、本実施に形態に係るパチスロ機1は、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択された場合であっても33ゲームの単位遊技を実行しなければART状態に移行できないが、30ゲームの間の遊技状態が遊技価値が減少しにくいART準備状態になるため、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択された場合に遊技者がメダルを消耗することがないとともに、遊技者選択ゲーム数として33ゲームおよび3ゲームのいずれを選択した場合であっても、遊技者が享受できる遊技の利益の期待値をほぼ同一にすることができる。
<表示コマンド受信時処理>
図44は、図38に示す演出内容決定処理のステップS221の処理で呼び出される表示コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、ARTフラグがオンであるか否かを判断する(S300)。この処理において、ARTフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART中用演出を実行し(S301)、本サブルーチンを終了する。ここで、ART中用演出は、本単位遊技がART状態であることを報知する演出である。
一方、ステップS300の処理において、ARTフラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本前兆中フラグがオンであるか否かを判断する(S302)。この処理において、本前兆中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、本前兆中用演出を実行し(S303)、本サブルーチンを終了する。ここで、本前兆中用演出は、本単位遊技が前兆遊技状態であることを示す演出である。
一方、ステップS302の処理において、本前兆中フラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、ガセ前兆中フラグがオンであるか否かを判断する(S304)。この処理において、ガセ前兆中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ガセ前兆中用演出を実行し(S305)、本サブルーチンを終了する。ここで、ガセ前兆中用演出は、本単位遊技が前兆遊技状態であることを示す演出であり、本前兆中用演出と類似しかつ本前兆中用演出との差異を有する演出である。また、本前兆中用演出とガセ前兆中用演出との差異は、遊技者が容易に判別できない差異である。
一方、ステップS304の処理において、ガセ前兆中フラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、ART準備中フラグがオンであるか否かを判断する(S306)。この処理において、ART準備中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ART準備中用演出を実行し(S307)、本サブルーチンを終了する。ここで、ART準備中用演出は、本単位遊技がART準備状態であることを報知する演出である。
一方、ステップS306の処理において、ART準備中フラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、通常時処理を実行し(S308)、本サブルーチンを終了する。
<通常時処理>
図45は、図44に示す表示コマンド受信時処理のステップS308の処理で呼び出される通常時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、ストップボタン17Rが第1停止操作されたか否かを判断する(S310)。この処理において、サブCPU82は、リール停止コマンド受信時処理(図38のステップS219参照)において受信したリール停止コマンドより、遊技者にストップボタン17Rが第1停止操作されたか否かを判断する。
また、この処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されたと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ペナルティフラグをオンにし(S311)、ペナルティ演出を実行し(S312)、ペナルティゲーム数カウンタに6をセットし(S313)、本サブルーチンを終了する。ここで、ペナルティ演出は、ストップボタン17Rを第1停止操作してはならないことを遊技者に報知する演出であり、通常時にストップボタン17Rが第1停止操作される都度実行されることで、遊技者がストップボタン17Rを第1停止操作することを抑止することができる。
また、ステップS313の処理において、サブCPU82は、ストップボタン17Rが第1停止操作された場合、ペナルティゲーム数カウンタに格納されてる値によらず、ペナルティゲーム数カウンタに格納されている値を6に変更する。これにより、サブCPU82は、ペナルティ中に再度ストップボタン17Rが第1停止操作された場合に、ペナルティゲーム数を6ゲームに戻すことができる。
一方、ステップS310の処理において、ストップボタン17Rが第1停止操作されていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、ペナルティフラグがオンであるか否かを判断する(S314)。この処理において、ペナルティフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ペナルティゲーム数カウンタを1減算する(S315)。
次に、サブCPU82は、ペナルティゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S316)この処理において、ペナルティゲーム数カウンタが0であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ペナルティフラグをオフにし(S317)、本サブルーチンを終了する。一方、この処理において、ペナルティゲーム数0でないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
ステップS314の処理において、ペナルティフラグがオンではないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3が入賞したか否かを判断する(S318)。この処理において、特殊リプレイ1〜3が入賞していないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS318の処理において、特殊リプレイ1〜3が入賞したと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、特殊リプレイ入賞演出を実行する(S319)。ここで、特殊リプレイ入賞演出は、RT1遊技状態における通常の遊技状態から前兆遊技状態に移行させる特殊リプレイに入賞したことを、遊技者に報知する演出である。
次に、サブCPU82は、入賞した特殊リプレイに応じて、特殊リプレイ入賞時ART抽籤テーブル(図20参照)を参照し、ART当籤の抽籤を実行する(S320)。次に、サブCPU82は、ART当籤があるか否かを判断する(S321)。
ステップS321において、ART当籤が「あり」であると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、本前兆中フラグをオンにする(S322)。この処理において、サブCPU82は、ART当籤が「あり」であることから、前兆遊技状態終了後にART状態に遊技状態を移行させるために、RT1遊技状態における通常の遊技状態から移行させる前兆遊技状態として、本前兆遊技状態を選択する。
一方、ステップS321の処理において、ART当籤が「なし」であると判断した場合には(NO)、サブCPU82は、ガセ前兆中フラグをオンにする(S323)。この処理において、サブCPU82は、ART当籤が「なし」であることから、前兆遊技状態終了後にART状態に遊技状態を移行させないために、RT1遊技状態における通常の遊技状態から移行させる前兆遊技状態として、ガセ前兆遊技状態を選択する。
ステップS322またはステップS323の処理を実行した後、サブCPU82は、遊技者選択ゲーム数演出を実行する(S324)。ここで、遊技者選択ゲーム数演出は、それぞれゲーム数が異なる複数の遊技者選択ゲーム数(本実施の形態では3ゲームまたは33ゲーム)を液晶表示装置10に表示し、ストップボタン17L、17Rを押下して複数の遊技者選択ゲーム数のいずれかから選択し、ストップボタン17Cを押下して決定するよう報知する演出である。なお、本実施の形態において、遊技者選択ゲーム数として3ゲームまたは33ゲームが設定されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
次に、サブCPU82は、前兆ゲーム数選択ボタンフラグをオンにし(S325)、本サブルーチンを終了する。この処理において、サブCPU82は、前兆ゲーム数選択ボタンフラグをオンにすることにより、ストップスイッチ基板58からメインCPU73によって送信される各ストップボタン17L、17C、17Rの操作情報を、遊技者選択ゲーム数の選択、決定操作が実行されたものとして処理するようになる。
このように、サブCPU82は、ART当籤が「あり」に決定した場合に遊技状態を本前兆遊技状態に移行し、ART当籤が「なし」に決定した場合に遊技包帯をガセ前兆遊技状態に移行する。また、サブCPU82は、本前兆遊技状態である場合に本前兆中用演出を実行し(ステップS303参照)、ガセ前兆遊技状態である場合にガセ前兆中用演出を実行する(ステップS305参照)よう構成されている。また、本前兆中用演出およびガセ前兆中用演出は、上述した通り、互いに類似しているものの差異を有する演出となるよう構成されている。
これにより、本実施の形態に係るパチスロ機1は、規定遊技回数の単位遊技の実行後にART状態に移行する場合と移行しない場合とでそれぞれ異なる前兆遊技状態に移行することにより、遊技者に現在の前兆遊技状態が本前兆遊技状態とガセ前兆遊技状態とのいずれであるか関心を持たせ、遊技者の前兆演出に対する興趣を高めることができる。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、特定遊技状態制御抽籤手段を構成する。
<入力状態コマンド受信時処理>
図46は、図38に示す演出内容決定処理のステップS223の処理で呼び出される入力状態コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、前兆ゲーム数選択ボタンフラグがオンであるか否かを判断する(S330)。この処理において、前兆ゲーム数選択ボタンフラグがオンでないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS330の処理において、前兆ゲーム数選択ボタンフラグがオンであると判断した場合には(YES)、サブCPU82は、ストップボタン17Cが押下されたか否かを判断する(S331)。この処理において、ストップボタン17Cが押下されていないと判断した場合には、サブCPU82は、遊技者が遊技者選択ゲーム数を決定していないことから、ステップS331の処理を繰り返す。また、ストップボタン17Cが押下されるまでの間、サブCPU82は、ストップボタン17L、17Rが押下される度に、現在選択されている一方の遊技者選択ゲーム数から他方の遊技者選択ゲーム数に選択対象を変更する。
一方、ステップS331の処理において、ストップボタン17Cが押下されたと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、遊技者選択ゲーム数が「3」に決定されたか否かを判断する(S332)。この処理において、遊技者選択ゲーム数が「3」に決定されたと判断した場合には(YES)、サブCPU82は、サブRAM83の遊技者選択ゲーム数を格納する領域に「3」をセットする(S333)。一方、この処理において、遊技者選択ゲーム数が「3」に決定されていないと判断した場合には(NO)、サブCPU82は、サブRAM83の遊技者選択ゲーム数を格納する領域に「33」をセットする(S334)。
ステップS333の処理またはステップS334の処理を実行した後、サブCPU82は、前兆ゲーム数選択ボタンフラグをオフにし(S335)、前兆ゲーム数カウンタに33をセットし(S336)、本サブルーチンを終了する。ステップS336の処理により、サブCPU82は、前兆遊技状態における規定遊技回数が決定される。
このように、本実施の形態において、サブCPU82は、前兆遊技状態選択手段を構成する。
以上のように、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技者が前兆遊技状態の遊技回数を選択することができ、遊技者選択ゲーム数として33ゲームを選択することで、小役3〜5に入賞する機会を得ることができ、前兆遊技状態における遊技の興趣を享受することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技者が遊技者選択ゲーム数として3ゲームを選択することにより、遊技店の閉店時間が迫っている場合に、3ゲームの前兆遊技状態の終了後にART当籤の報知演出またはART非当籤の報知演出が実行されることで、ART当籤の有無を把握することができ、遊技を継続するか否かを判断することができるため、遊技者の遊技に対する興趣が削がれてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施に形態に係るパチスロ機1は、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択された場合であっても33ゲームの単位遊技を実行しなければART状態に移行できないが、30ゲームの間の遊技状態が遊技価値が減少しにくいART準備状態になるため、遊技者選択ゲーム数として3ゲームが選択された場合に遊技者がメダルを消耗することがないとともに、遊技者選択ゲーム数として33ゲームおよび3ゲームのいずれを選択した場合であっても、遊技者が享受できる遊技の利益の期待値をほぼ同一にすることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、規定遊技回数の単位遊技の実行後にART状態に移行する場合と移行しない場合とでそれぞれ異なる前兆遊技状態に移行することにより、遊技者に現在の前兆遊技状態が本前兆遊技状態とガセ前兆遊技状態とのいずれであるか関心を持たせ、遊技者の前兆演出に対する興趣を高めることができる。
なお、本実施の形態において、サブCPU82は、遊技者選択ゲーム数として3ゲームと33ゲームとの2種類のうちいずれかを選択するよう構成されているが、これに限らず、2種類以上の遊技者選択ゲーム数(例えば、3ゲーム、10ゲームまたは33ゲーム)のうちいずれか1を選択するよう構成されていてもよい。また、この場合、サブCPU82は、ストップボタン17Lが押下された場合に、液晶表示装置10に表示されている複数の遊技者選択ゲーム数のうち、現在選択されている遊技者選択ゲーム数から左隣に位置する遊技者選択ゲーム数に選択対象を移行し、ストップボタン17Rが押下された場合に、現在選択されている遊技者選択ゲーム数から右隣に位置する遊技者選択ゲーム数に選択対象を移行するよう構成してもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3が入賞した場合にART抽籤を実行するよう構成されているが、これに限らず、例えば、特殊リプレイ1〜3のうちいずれか1つが入賞した場合には、ART当籤が確定し、遊技者選択ゲーム数として0ゲームが選択可能になるよう構成してもよい。また、ART当籤が確定する図柄組合せは、特殊リプレイ1〜3のいずれとも異なる別の図柄組合せでもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、本前兆遊技状態であり、かつ遊技者選択ゲーム数が3ゲームに決定されている場合に、本前兆遊技状態における3ゲームの単位遊技後にART当籤の報知を実行するよう構成されているが、これに限らず、例えば、本前兆遊技状態の開始時にART当籤の報知を実行するよう構成されていてもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3が入賞した場合にART抽籤を実行し、再度特殊リプレイ1〜3に入賞するまでART抽籤を実行しないよう構成されているが、これに限らず、例えば、遊技者選択ゲーム数として規定遊技回数と同数の規定前兆遊技回数が決定された場合、本前兆遊技状態およびガセ前兆遊技状態のいずれの前兆遊技状態であっても、前兆遊技状態中に再度ART抽籤を行うよう構成されていてもよい。
これにより、パチスロ機1は、遊技者が、3ゲームの遊技者選択ゲーム数を選択しすぐにART状態に移行するか否かの抽籤の結果を知ることができるとともに、規定遊技回数である33ゲームと同数の規定前兆遊技回数としての33ゲームの遊技者選択ゲーム数を選択することで前兆遊技状態中に再度ART抽籤が実施されるため、例えば特殊リプレイ1〜3のうちART状態に移行する確率が低い特殊リプレイ1に入賞した場合に、再度抽籤を実行することで遊技者がART状態の利益を享受することができる機会を増えるため、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、各前兆遊技状態において遊技者が決定した遊技者選択ゲーム数の単位遊技を実行するが、これに限らず、例えば、各前兆遊技状態中に前兆ゲーム数カウンタの値を減算するか否かを内部抽籤し、抽籤によって決定された減算値によって前兆ゲーム数カウンタの値を減算することで、各前兆遊技状態における前兆ゲーム数を削減するよう構成してもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、ART準備状態においてムービー演出を各単位遊技ごとに実行するが、これに限らず、例えば、ART準備状態における1回目の単位遊技においてムービー演出を実行し、移行の単位遊技においてはムービー演出を更新することなく既に実行しているムービー演出を継続するよう構成してもよい。
これにより、サブCPU82は、ART準備状態の開始から終了まで1つのムービー演出を行うため、ストーリー性を有する長時間の演出を実行することができ、遊技者の演出内容に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、ART状態のゲーム数として50ゲームが設定されているが、これに限らず、例えば、特殊リプレイ1〜3の入賞時に、ART状態の遊技回数を抽籤するよう構成してもよく、また本前兆遊技状態中にART状態の遊技回数を抽籤するよう構成してもよい。また、サブCPU82は、ART状態において、一定の条件を満たした場合に、ART状態の遊技回数が増加するよう構成してもよい。
また、本実施の形態において、パチスロ機1は、ストップボタン17L、17C、17Rを前兆遊技状態選択手段として構成し、ストップボタン17L、17Rを押下することによって液晶表示装置10に表示されている複数の遊技者選択ゲーム数のうちいずれか1つの遊技者選択ゲーム数を選択し、ストップボタン17Cを押下することによって選択した遊技者選択ゲーム数に決定するよう構成されているが、これに限らず、例えば、選択ボタン9aおよび決定ボタン9bを前兆遊技状態選択手段として構成し、選択ボタン9aを押下して遊技者選択ゲーム数を選択し、決定ボタン9bを押下して遊技者選択ゲーム数を決定するよう構成してもよい。また、パチスロ機1は、MAXBETボタン12および1BETボタン14を前兆遊技状態選択手段として構成し、1BETボタン14を押下して遊技者選択ゲーム数を選択し、MAXBETボタン12を押下して遊技者選択ゲーム数を決定するよう構成してもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、所定の条件として、特殊リプレイ1〜3の入賞を契機として前兆遊技状態に移行するよう構成しているが、これに限らず、例えば、特殊リプレイ1〜3に当籤したことを契機として前兆遊技状態に移行するように構成してもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3に当籤した場合に、特殊リプレイ1〜3に入賞できるよう液晶表示装置10において、特殊リプレイ1〜3に当籤したことを報知する演出を実行するよう構成しているが、これに限らず、例えば、特殊リプレイ1〜3の当籤時に特殊リプレイ1〜3に当籤したことを報知する演出を実行するか否かを抽籤によって決定するよう構成してもよい。また、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3に当籤したことを報知する演出を実行するか否かを抽籤する場合において、抽籤値が異なる複数のテーブルのうち1つを選択し、該テーブルに規定の抽籤値に基づき報知を実行するよう構成してもよい。
また、本実施の形態において、遊技者にとって有利な特定の遊技状態は、ART状態として構成されているが、これに限らず、例えば、AT遊技状態であってもよい。また、遊技者にとって有利な特定の遊技状態は、BB遊技状態や、RB遊技状態といったいわゆるボーナスゲームであってもよい。
また、本実施の形態において、サブCPU82は、特殊リプレイ1〜3に入賞することによりART状態の当籤の有無を抽籤により決定するが、これに限らず、ART状態の抽籤の契機になりうる図柄組合せであればよい。
また、本実施の形態において、有効ラインは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの下段の組合せからなる入賞判定ライン8aと、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの上段の組合せからなる入賞判定ライン8bとから構成されているが、これに限らず、例えば、左表示窓4Lの中段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの中段の組合せからなる入賞判定ラインから構成されてもよい。また、パチスロ機1は、上記すべての入賞判定ラインを有する構造でもよい。