<<<本発明による実施の形態の概要>>>
<<コリジョン処理>>
ゲームに使用するゲーム用チップを識別するチップIDを複数のアンテナで読み取ったときには、遊技者がゲーム用テーブルに置いたゲーム用チップの位置が不適切であると判別してエラー処理を実行する。
このようにすることで、一の遊技者が本来所望しているベットとは異なるベットがされたと判別されることを防止できる。また、一の遊技者のベットが他の遊技者のベットであると判別されることを防止できる。
<<選択アンテナ>>
第1のRFリーダと第2のRFリーダとの2つのRFリーダによって複数のアンテナを制御する場合に、第1のRFリーダによって読み取るアンテナは、第2のRFリーダによって読み取るアンテナよりも遠いアンテナを選択する。
第1のRFリーダによって読み取るアンテナと第2のRFリーダによって読み取るアンテナとの間の距離を所定の距離よりも長くすることができ、ゲーム用チップに記憶されているチップIDなどのチップ記憶情報を誤って読み取ることを防止できる。
<<アンテナ動的選択>>
遊技者によりゲーム用テーブルに置かれたゲーム用チップの枚数によって、ゲーム用チップに記憶されているチップIDなどのチップ記憶情報を読み取る時間が異なるため、上記の条件を満たしつつ、最速で読み取りを終了できるように、アンテナの読み取りの順番を動的に変更する。
読み取り時間を短縮して、高速に処理を進めることができる。
<<チップデータベースアクセス>>
ゲーム用チップに記憶されているチップIDなどのチップ記憶情報をアンテナで読み取る処理は、ゲーム用チップ1枚あたりに10数ミリ秒を要する。この読み取り時間を利用して、チップデータベースに情報を要求することで、アンテナの読み取り完了とほぼ同時にチップデータベースへのアクセスを完了する。
ゲーム用チップへの読み取り時間を、チップデータベースへのアクセスとして活用することによって、ゲーム用チップに関する全体の処理を短時間にすることができる。
<<カード識別>>
ゲーム用テーブルに配置されたプレイングカードなどのカードをカメラとスキャナとを用いて識別する。
スキャナは、カードシューに設けられている。ディーラーが遊技者にカードを配るためにカードシューからカードを取り出すときに、スキャナによってカードの画像を読み取る。スキャナによって読み取られたカードの画像は、画像処理など処理を実行することにより、カードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容を取得し記憶する。このようにすることで、ゲームを開始するときに、遊技者に配ったカードの内容を記憶して管理することができる。
カメラは、ゲーム用テーブルの上方に設置され、ゲーム用テーブルの上面を撮影する。カメラによって撮影された撮影データは、画像処理など処理を実行することにより、ゲーム用テーブルに配置されたカードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容を識別する。とくに、ゲームが終了したときには、ゲームに使用されてゲーム用テーブルに配置されたカードは、表向きにされる。この表向きにされたときのカードをカメラによって撮影することができ、ゲームの結果を示すカードの内容をカメラから取得し、記憶して管理することができる。
スキャナによってゲームを開始するときのカードの内容を管理し、カメラによって、ゲームを終了したときのカードの内容を管理することができる。このようにすることで、ゲームの途中でカードが入れ替えられるような不正行為を発見することができ、ゲームの公正・公平を維持することができる。スキャナで取得したカードの内容とカメラで取得したカードの内容との双方が一致したときには、取得したカードの内容をゲームの結果として有効にする。
<<チップ参照用アンテナ>>
ゲーム用チップに管理するためのチップ管理情報(有効、無効、ロック情報、枚数等)をディーラー用のディスプレイに表示するためのアンテナをディーラーの正面に設けた。チップ管理情報は管理サーバで記憶される情報である。チップ参照用アンテナを設けたことにより、ゲーム用チップを登録したり消去したりしたときに、チップ管理情報が最新のものに更新されたか否かをディーラーは確認できる。
たとえば、ゲーム用チップを遊技者に渡すときには、遊技者に渡すゲーム用チップの全てを有効にする必要がある。ゲーム用チップの有効化は登録用アンテナで行う。ゲーム用チップを遊技者に渡す前に、全てのゲーム用チップが有効化されているか否かをチップ参照用アンテナによってディーラーは確認することができる。
また、ゲーム用チップを遊技者から回収したときには、回収した全てのゲーム用チップを無効にする必要がある。ゲーム用チップの無効化は消去用アンテナで行う。ゲーム用チップをチップトレイに収容する前に、全てのゲーム用チップが無効化されているか否かをチップ参照用アンテナによってディーラーは確認することができる。
<<おつり支払い>>
端数のゲーム用チップを遊技者がディーラーに提供すると、ディーラーは、端数のゲーム用チップを受け取り、端数のゲーム用チップに応じた切りのよい金額のチップで遊技者に支払う。
たとえば、ゲームが終了したときの遊技者への配当が98ドルチップである場合には、1ドルチップを2枚追加すれば100ドルチップにとなる。このような場合には、ゲームの進行や結果とは別個に、2枚の1ドルチップを遊技者から受け取ることで、1枚の100ドルチップを配当として遊技者に渡す。このようにすることで、遊技者は、配当として1枚の100ドルチップのみを受け取ればよく、ゲーム用チップの取り扱いを簡便にすることができる。
ディーラーが遊技者に配当を渡すときには、ディーラー用のディスプレイには、配当に関する情報を表示する。たとえば、遊技者に渡す本来の配当の金額と、その本来の配当よりも大きい金額でかつ切りのよい金額と、本来の配当の金額と切りのよい金額との差額などを配当に関する情報として表示する。切りのよい金額は、複数の候補を表示するようにしてもよい。それら複数の候補の各々に対して差額も表示する。このような配当に関する情報をディスプレイに表示することで、ディーラーは遊技者の希望を質問したり、遊技者から受け取ったゲーム用チップの金額が正しいか否か確認したりすることを容易にすることができる。なお、切りが良い金額とは、たとえば、一の位や十の位の数値が0や5である金額をいう。
また、ディーラーが遊技者から差額分のゲーム用チップを受け取った場合には、差額分として受け取ったゲーム用チップであることを示す情報をチップIDとともに管理サーバに送信する。このようにすることで、不正行為で移動したゲーム用チップでないことを管理サーバで管理することができる。
切りのよい金額のゲーム用チップを遊技者が受け取れるようにしたことで、遊技者は、金額の少ないゲーム用チップを多く所有せずに済み、所有するゲーム用チップの数を減らすことができる。遊技店を移動するときなどの便宜を図ることができる。
<<ディーラーへの指示>>
ゲームが終了したときに、遊技者から回収すべきゲーム用チップの位置や、遊技者に渡す配当のチップの位置を、ディーラー用のディスプレイに表示したり、ディーラー用のヘッドフォンに音声を出力したりする。さらに、ゲームの進行中に、ゲームの進行状況に応じて、カードを配る枚数や位置などをディーラー用のディスプレイに表示したり、ディーラー用のヘッドフォンに出力したりしてもよい。
ディーラーによる人為的ミスを防止することができる。ディーラーの経験や熟練度にかかわらず、同程度のサービスを提供することができる。
<<空中浮遊処理>>
ディーラーが配当分のゲーム用チップを遊技者に渡す(ペイアウト時)などのときには、ディーラーは遊技者の複数の箇所のベット領域にゲーム用チップを置く場合がある(図22(a))。たとえば、ディーラーは20枚のゲーム用チップを厚み方向に重ねた状態で手にし、一箇所目のベット領域に3枚のゲーム用チップを置き、二箇所目のベット領域に10枚のゲーム用チップを置き、三箇所目のベット領域に7枚のゲーム用チップを置くような動作をする。このように、ディーラーは、まず、遊技者に渡すべき全ての数のゲーム用チップを手にして、次いで、複数の箇所のベット領域毎に、ベット領域に応じた数のゲーム用チップを順次置いていく動作をするのが一般的である(図22(b))。このようなゲーム用チップの置き方をした場合には、ディーラーが、一箇所目のベット領域に3枚のゲーム用チップを置いたときには、ディーラーの手には、まだ、17枚のゲーム用チップが存在する状態である。このときに、一箇所目のベット領域に対応したアンテナでゲーム用チップを読み取ると、一箇所目のベット領域に置かれた3枚のゲーム用チップのみならず、ディーラーが持っている17枚のゲーム用チップも同時に読み取ってしまう可能性がある。このように、ベット領域に置かれておらず、空中に存在するゲーム用チップを読み取ってしまうことを空中浮遊と称する。
このような空中浮遊が生じているときには、本来、一のベット領域に置かれるはずのゲーム用チップが、一のベット領域とは異なる他のベット領域に対応したアンテナによって読み取られることになる。このため、一のベット領域と他のベット領域との双方で、本来とは異なるゲーム用チップが読み取られて処理される。しかしながら、このように処理されたときには、不正行為によるものであるのか、空中浮遊が生じたことによるものであるのかの判断が困難であった。不正行為があれば、他の遊技者に不利益を与えたり不公平になったりするので、必ず発見しなればならない。しかし、不正行為が行われていないにもかかわらず、不正行為であると判断した場合には、その遊技者に不愉快な思いをさせるだけでなく、遊技店の信用が低下する可能性もあり得る。
遊技者がベットするためにゲーム用チップをゲーム用テーブルに置くときには、遊技者は、ゲーム用チップを手にしているので、ゲーム用チップの位置が定まらない。また、遊技者がベットする位置について思い悩むことが多く、遊技を開始できるまでに、ゲーム用チップの位置が定まらない場合もある。このため、複数のアンテナでゲーム用チップを読み取る場合に、ゲーム用チップの位置が時間とともに変化することがある。このため、いわゆるチャタリングを除去するようにする。具体的には、所定の時間ごとにアンテナでゲーム用チップを複数回読み取り、ゲーム用チップの位置が変化しなくなった回数が所定回数以上になったときに、最終的なベットの位置であるとして、このゲーム用チップの位置やゲーム用チップの枚数を有効にする。
このようにすることで、遊技を開始するときのベットの内容が不安定になることを排除でき、不正を的確に発見したり防止したりすることができる。
<<高額ゲーム用チップ>>
カジノなどの遊技店で扱われるゲーム用チップは、低額から高額まで複数の金額に対応している。所定金額以上のゲーム用チップ、いわゆる高額ゲーム用チップは、価値が高く遊技者が入手したいものである。そのため、高額ゲーム用チップは、不正行為の対象となりやすい。たとえば、低額のゲーム用チップを入手して、高額のゲーム用チップであるかのような改造をされたり偽造されたりして用いられることも十分に想定される。このような不正行為を防いだり発見したりすることで、正当な遊技者の利益を保護することができる。
所定金額以上のゲーム用チップには、セキュリティエリアを設けて、チップIDなどの基本記憶情報をセキュリティエリアに記憶させる。セキュリティエリアは暗号化されている。アンテナで読み取るときには、そのセキュリティエリアにアクセスして基本記憶情報を読み出し復号化する。
所定金額以上のゲーム用チップには、セキュリティエリアを設けたことによって、そのセキュリティエリアが存在しない高額ゲーム用チップは、改造等不正な行為がなされた不正なゲーム用チップであると判別できる。また、高額ゲーム用チップが不正に入手されて解析されるような場合があっても、セキュリティエリアは暗号化されて保護されているので、セキュリティエリアの解析を困難にして、改造や偽造等の不正な行為を未然に防止することができる。
<チップ記憶情報>
本明細書では、チップ記憶情報は、ゲーム用チップに記憶されている情報であり、ゲーム用チップの管理者やチップIDや金額情報などのそのゲーム用チップが特徴付けられる各種の情報である。
<チップ管理情報>
本明細書で、チップ管理情報は、カジノなどの遊技店に設置された管理サーバにゲームに関する各種の情報を記憶させた情報である。ゲーム用チップ自体の情報であるチップ記憶情報だけでなく、遊技店がチップを管理するために必要な情報である。また、現在そのゲーム用チップを所有している遊技者を特定する遊技者IDなどの情報を含めてもよい。たとえば、有効・無効情報、ロック情報、遊技者情報及び額面金額情報などの各種の情報がある。
なお、ゲーム用チップが、読み書き可能な不揮発性メモリを有する場合には、チップ管理情報をゲーム用チップの不揮発性メモリに記憶させるようにしてもよい。チップ管理情報を管理サーバだけでなくゲーム用チップでも記憶することができる。このようにすることで、両者のチップ管理情報を比較することで、不正行為があったことを発見しやすくできる。
<<チップトレイ構造体>>
チップトレイ構造体は、チップトレイと基板カバーとベースとからなる3層構造を有する。さらに、チップトレイを覆うための蓋体を有する。蓋体は、チップトレイに対して施錠することができ、不正行為を未然に防止することができる。チップトレイは、遊技者に渡すチップや、遊技者から回収したチップを収納するトレイである。チップトレイは、所定の人数の遊技者、たとえば6人の遊技者に対応するように、6ブロックに区画されており、遊技者の各々で用いるチップを収納できる。
ベースには、アンテナが設けられている。アンテナは、チップに対してほぼ垂直になるようにベースに配置されており、多くのチップにアクセスできる。アンテナによって、チップトレイに収納されたチップの識別情報を読み取ることができる。
チップトレイは、基板カバーに対して着脱可能に設けることができる。着脱可能にしたことにより、チップトレイをテーブルに固定した営業形態と、チップトレイを店舗内で移動させることできる営業形態との2つの営業形態に対応することができる。また、チップトレイを基板カバーに対して着脱可能にしたことにより、チップトレイを基板カバーから外すときでも、配線をはずす必要がなく操作を簡便にできるようにした。
ベースにはアンテナが設けられており、RFIDチップ内臓のゲーム用チップを読み取ることができる。ディーラーが交代するときなどに、チップトレイにあるゲーム用チップを読み取って、整合性を記録・確認できる。
さらに、ベースにはディーラー用のディスプレイやタッチパネル装置も設けられている。ディスプレイは、ディーラーに向かうように傾斜して設けられているので、ディスプレイへのディーラーの目線と遊技者へのディーラーの目線とを近づけることができ、ディーラーの操作性を向上させることができる。
<<第1の実施の形態の概要>>
図1Aは、第1の実施の形態の概要を示すブロック図である。
遊技者が、偶然に又は故意に、遊技テーブルの不適切な位置に、たとえばベット領域の中間にゲーム用チップを置く場合がある。そのままゲームを開始したときには、どちらにベットしたか否かを明確に区別できないため、遊技者の都合のよいベットに解釈されて、不要にゲーム用チップを遊技者に渡さざるを得ない可能性が生ずる。また、ベット領域について、遊技者と遊技店との間で言い争いが生ずる可能性もある。このため、遊技テーブルの不適切な位置にゲーム用チップを置かれたことを判別して、適正な位置にゲーム用チップを置き直す機会を与えることができる遊技テーブル装置が所望されていた。
第1の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取るための複数のアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348など)と、
前記複数のアンテナのうちの少なくとも2つのアンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたことを判別したときに所定のエラー処理(たとえば、図10のステップS1015、S1017及びS1019など)を実行する遊技制御装置(たとえば、主制御装置210など)と、を含む。
少なくとも2つのアンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたときには、遊技媒体が遊技テーブルの適切な位置に置かれていない可能性があるので、エラー処理を実行するようにした。一の遊技者が所望しているベットとは異なるベットと判別されることを防止できる。また、一の遊技者のベットが他の遊技者のベットであると判別されることを防止できる。このように、遊技媒体が適切な位置に置かれていない場合には、遊技を開始しないようにできるので、遊技を開始するときの不明確で不適切な状態を回避できる。遊技店における混乱や迷惑を避けることができ、不正行為や人為的ミスを未然に防止したり発見したりできる。
また、前記遊技制御装置は、前記所定のエラー処理として、前記複数のアンテナのうちの少なくとも2つの前記アンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたことを示す判別信号を出力するものが好ましい。
さらに、第1の実施の形態による遊技テーブル装置は、前記遊技制御装置から出力された判別信号によって、少なくとも2つの前記アンテナにより一の媒体識別情報が読み取られたことを示す情報を表示する(たとえば、図10のステップS1015)表示装置(ディーラー用ディスプレイ150)を、さらに含むものが好ましい。
また、第1の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記複数のアンテナのうちの1つのアンテナを選択する読み取り制御装置(たとえば、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360)であって、
前記1つのアンテナを示す選択信号を発する制御部(たとえば、制御部352)と、
前記選択信号を受信して、前記選択信号が示す前記1つのアンテナを前記複数のアンテナから選択する選択装置(アンテナ切り替え部358)と、を有する読み取り制御装置を含むものが好ましい。
読み取り制御装置によって、複数のアンテナの各々を順次選択して、複数のアンテナの各々から発せられた媒体識別情報を遊技制御装置によって読み取ることができる。
また、一の媒体識別情報を読み取った少なくとも2つのアンテナが一定のアンテナであるか否かを判断するのが好ましい。少なくとも2つのアンテナが一定でない場合には、遊技媒体が移動している可能性が高い。このような場合には、一の媒体識別情報を少なくとも2つのアンテナで読み取る可能性が高く、遊技テーブルの不適切な位置にゲーム用チップが置かれたか否かを判断することは困難である。したがって、まず、一の媒体識別情報を読み取った少なくとも2つのアンテナが一定のアンテナであるか否かを判断して、一の媒体識別情報が記憶された遊技媒体が遊技テーブルの一定の位置に置かれて静止した状態であることを確定するのが好ましい。
さらに、少なくとも2つのアンテナが一定のアンテナであるか否かを、所定の時間に所定の回数、判断するのが好ましい。この所定の時間に所定の回数、一定のアンテナであると判別することで、遊技媒体が静止した状態であることをより的確に判断することができる。
また、少なくとも2つのアンテナによって読み取られた一の媒体識別情報が、所定の時間に所定の回数、一定の媒体識別情報であるか否かを判断するのが好ましい。遊技テーブルの不適切な位置にゲーム用チップが置かれた状態が維持されていると判断することができる。
さらに、少なくとも2つのアンテナによって読み取られた一の媒体識別情報が記憶された遊技媒体の数が一定であるか否かを判断してもよい。遊技媒体が数を判断することによっても、遊技テーブルの不適切な位置にゲーム用チップを置かれた状態が維持されているか否かを的確に判断することができる。
少なくとも2つのアンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたことを示す情報を表示装置に表示するだけでなく、管理サーバに遊技テーブル装置が接続されている場合には、この情報を管理サーバに送信するのが好ましい。少なくとも2つのアンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたことを管理サーバに履歴として残すことができ、不正行為が過去に行われたか否か、行われた可能性があるか否かを判断することできる。
さらに、ゲーム用チップが置かれた位置が、遊技テーブルにおける遊技者のベット領域の中間である場合には、その遊技者の遊技者用のディスプレイに、少なくとも2つのアンテナによって一の媒体識別情報が読み取られたことを示す情報を表示するのが好ましい。このようにすることで、遊技テーブルの適切でない位置にゲーム用チップが置かれたことを、遊技者に認識させることができる。
<<第2の実施の形態の概要>>
図1Bは、第2の実施の形態の概要を示すブロック図である。
遊技テーブルにはゲーム用チップをベットするための複数のベット領域が設けられている。遊技者が所望するベット領域にゲーム用チップが置かれる。複数のベット領域のうちのいずれのベット領域にゲーム用チップを置くかは、遊技者の意思によって行われるものである。したがって、複数のベット領域の全てに対して、置かれたゲーム用チップを読み取る必要がある。複数のベット領域の全てに対して読み取るための時間が必要となる。このため、複数のアンテナを使って並行して同時に読み取るのが好ましい。しかしながら、近接した複数のアンテナを使った場合には、干渉などの障害を起こす可能性が高い。このような障害を起こすことなく、複数のアンテナを同時に使ってチップを読み取ることで、読み取る時間を短くできる遊技テーブル装置が所望されている。
第2の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取るための複数のアンテナであって、互いに離隔した位置に配置された複数のアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348など)と、
前記複数のアンテナのうちの第1のアンテナを選択したときに、前記複数のアンテナのうちの前記第1のアンテナから所定の距離だけ離れた第2のアンテナを選択する読み取り装置(たとえば、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360や主制御装置210)と、を含む。
複数のアンテナは、互いに離隔した位置に配置されており、各々の位置で遊技媒体の媒体識別情報を読み取ることができる。しかし、選択する2つのアンテナの距離が所定の距離よりも短い場合には、無線通信で干渉を起こして媒体識別情報を読み取ることが困難になることもありえる。したがって、第1のアンテナから所定の距離だけ離れた第2のアンテナを選択することで、媒体識別情報を的確に読み取ることができる。
また、第2の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記複数のアンテナのうち、前記読み取り装置が同時に選択しないアンテナの組合せを定めた選択禁止情報(たとえば、同時アクセス禁止リストなど)が記憶された記憶装置(たとえば、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360や主制御装置210のRAMやハードディスク装置など)を、さらに含み、
前記読み取り装置は、前記選択禁止情報を参照し、同時に選択する少なくとも2つのアンテナを決定するものが好ましい。
また、第2の実施の形態による遊技テーブル装置において、
前記読み取り装置は、第1の読み取り制御装置(たとえば、第1のRFリーダ350)と、前記第1の読み取り制御装置とは異なる第2の読み取り制御装置(たとえば、第2のRFリーダ360)とを有し、
前記複数のアンテナは、少なくとも2つのアンテナからなる第1のアンテナ群(PLAYERベット用アンテナ340a〜340c、BANKERベット用アンテナ342a〜342c、TIEベット用アンテナ344a〜344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346c及びBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cなど)と、前記第1のアンテナ群とは異なりかつ少なくとも2つのアンテナからなる第2のアンテナ群(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340d〜340f、BANKERベット用アンテナ342d〜342f、TIEベット用アンテナ344d〜344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346f及びBANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348fなど)とを有し、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの各々は1つのアンテナからなり、
前記第1の読み取り制御装置は、前記第1のアンテナを示す第1の選択信号を発する第1の制御部(たとえば、第1のRFリーダ350の制御部352)と、前記第1の選択信号を受信して、前記第1の選択信号が示す前記第1のアンテナを前記第1のアンテナ群から選択する第1の選択装置(たとえば、第1のRFリーダ350のアンテナ切り替え部358)と、を有し、
前記第2の読み取り制御装置は、前記第2のアンテナを示す第2の選択信号を発する第2の制御部(たとえば、第2のRFリーダ360の制御部352)と、前記第2の選択信号を受信して、前記第2の選択信号が示す前記第2のアンテナを前記第2のアンテナ群から選択する第2の選択装置(たとえば、第2のRFリーダ360のアンテナ切り替え部358)と、を有し、
前記第1の読み取り制御装置は、前記第1の選択装置によって選択された前記第1のアンテナを介して前記媒体識別情報を無線通信により読み取り、
前記第2の読み取り制御装置は、前記第2の選択装置によって選択された前記第2のアンテナを介して前記媒体識別情報を無線通信により読み取るものが好ましい。
第1の読み取り制御装置によって、第1のアンテナ群を制御するとともに、第2の読み取り制御装置によって、第2のアンテナ群を制御するので、第1のアンテナ群のアンテナと第2のアンテナ群のアンテナとの間で干渉を生じにくくして、媒体識別情報を的確に読み取ることができる。
<<第3の実施の形態の概要>>
図1Cは、第3の実施の形態の概要を示すブロック図である。
第2の実施の形態の概要で説明したように、複数のベット領域の全てに対して、複数のアンテナを使って並行して同時に読み取るのが好ましい。しかしながら、近接した複数のアンテナを使った場合には、干渉などの障害を起こす可能性が高い。このような障害を起こすことなく、複数のアンテナを同時に使ってチップを読み取ることで、読み取る時間を短くできる遊技テーブル装置が所望されている。
第3の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取るための複数のアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348など)と、
前記複数のアンテナのうち、同時に選択しないアンテナの組合せを定めた選択禁止情報(たとえば、同時アクセス禁止リストなど)が記憶された記憶装置(たとえば、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360や主制御装置210のRAMやハードディスク装置など)と、
前記複数のアンテナを所定の順序で選択し、選択されたアンテナによって媒体識別情報を読み取って取得する遊技制御装置であって、前記選択禁止情報を参照して一のアンテナを選択できるか否かを判断し、前記一のアンテナが選択できないときに、前記所定の順序に従って前記一のアンテナの次の他のアンテナを選択できるか否かを判断し、かつ、前記一のアンテナの選択の順番を変更する(たとえば、図11のステップS1145など)読み取り装置(たとえば、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360や主制御装置210)と、を含む。
一のアンテナが選択できなかったときに、次の他のアンテナを選択できるか否かを判断するとともに、一のアンテナの選択の順番を変更するので、読み取り順番を動的に変更することができ、待機することなく順次読み取り動作させて、読み取りの時間を短縮することで、処理を高速化することができる。
また、前記読み取り装置は、前記複数のアンテナのうちの第1のアンテナを選択したときに、前記選択禁止情報を参照して、前記第1のアンテナと前記一のアンテナとを同時に選択できるか否かを判断し、前記第1のアンテナと前記一のアンテナとを同時に選択できない場合に、前記所定の順序に従って前記他のアンテナを選択できるか否かを判断し、かつ、前記一のアンテナの選択の順番を最後に変更する(たとえば、図11のステップS1145など)ことが好ましい。
さらに、第3の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記複数のアンテナのうち同時に選択することを禁止したアンテナの組合せを示す選択禁止情報(たとえば、同時アクセス禁止リスト)が記憶された記憶装置(たとえば、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360や主制御装置210のRAMやハードディスク装置など)を、さらに含み、
前記第1のアンテナ群のアンテナのうち前記第1の読み取り制御装置が選択候補として定めた第1の選択候補アンテナと、前記第2のアンテナ群のアンテナのうち前記第2の読み取り制御装置が選択候補として定めた第2の選択候補アンテナとの組合せが、前記選択禁止情報によって禁止されている組合せでないときに、前記第1の読み取り制御装置は、前記第1の選択候補アンテナを前記第1のアンテナとして選択し、前記第2の読み取り制御装置は、前記第2の選択候補アンテナを前記第2のアンテナとして選択するものが好ましい。
選択禁止情報によって、同時に選択できるアンテナを定めることができ、第1のアンテナ群のアンテナと第2のアンテナ群のアンテナとの間で干渉を生じにくくして、媒体識別情報を的確に読み取ることができる。
さらにまた、第3の実施の形態による遊技テーブル装置において、
前記第1の読み取り制御装置が、前記第1のアンテナを選択して読み取り動作をするときには、前記第1の読み取り制御装置が前記第1のアンテナによって読み取り動作をしていることを示す情報を相互検査記憶領域(たとえば、後述する相互検査領域)に記憶させ、
前記第2の読み取り制御装置は、前記第2の選択候補アンテナを選択したときに、前記相互検査記憶領域を参照し、前記第1のアンテナによって読み取り動作がされている場合に、前記第2の選択候補アンテナと前記第1のアンテナとが前記選択禁止情報によって禁止されている組合せでないときに、前記第2の選択候補アンテナを前記第2のアンテナとして選択するものが好ましい。
このように相互検査記憶領域を設けて参照することによって、第1の読み取り制御装置と第2の読み取り制御装置とは、互いの動作状態を取得でき、第1の読み取り制御装置と第2の読み取り制御装置との動作状態に応じて選択禁止情報を参照して、読み取り動作をさせることができるアンテナを的確かつ迅速に選択することができる。
また、第3の実施の形態による遊技テーブル装置において、
相互検査記憶領域は、上述した記憶装置(たとえば、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360や主制御装置210のRAMやハードディスク装置など)に形成されているものが好ましい。
<<第4の実施の形態の概要>>
図1Dは、第4の実施の形態の概要を示すブロック図である。
遊技テーブルにはゲーム用チップをベットするための複数のベット領域が設けられている。複数のベット領域のうちのいずれのベット領域にゲーム用チップを置くかは、遊技者の意思によって行われるものである。このため、複数のベット領域の全てに対して、置かれたゲーム用チップを読み取る必要がある。媒体識別情報(たとえば、チップID)の読み取りには、ある程度の時間を要する。また、媒体識別情報を読み取るだけでなく、読み取ったゲーム用チップの各種の管理情報を取得して、ベットに用いられたゲーム用チップが適切なものであるか否かを判断する必要もある。このため、媒体識別情報の読み取りの時間を活用してベットの処理に要する時間を短時間で済ますことができる遊技テーブル装置が所望されていた。
第4の実施の形態の態様による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取るための複数のアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348など)と、
一のアンテナが媒体識別情報を読み取ったときに、遊技媒体を管理するための媒体管理情報が記憶された管理情報データベース(たとえば、ゲーム用チップサーバ410)にアクセスして(たとえば、図12のステップS1213)、前記媒体管理情報を前記管理情報データベースから読み出す(たとえば、図12のステップS1215)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210)と、を含む。
一のアンテナが媒体識別情報を読み取ったときに、媒体管理情報を管理情報データベースから読み出すので、次の媒体識別情報を読み取る時間に媒体管理情報を管理情報データベースから受け取ることができ、複数のアンテナの全ての読み取りを完了するとほぼ同時に管理情報データベースへのアクセスも完了することができる。
また、前記遊技制御装置は、複数のアンテナから一つのアンテナを順次選択し、選択した一つのアンテナが媒体識別情報を読み取る度に前記媒体管理情報を前記管理情報データベースから読み出すことが好ましい。
さらに、前記管理情報データベースは、管理サーバに記憶され、前記管理サーバ(たとえば、ゲーム用チップサーバ410)と通信可能に接続されたことが好ましい。
さらにまた、少なくとも1つの遊技媒体の媒体識別情報を読み取った後に、前記管理情報データベースへのアクセスを開始するものが好ましい。少なくとも1つの遊技媒体の媒体識別情報を読み取っているので、管理情報データベースにアクセスでき、媒体識別情報の読み取り時間を有効に活用することができる。また、複数の遊技媒体の媒体識別情報を読み取った後に、前記管理情報データベースへのアクセスを開始してもよい。媒体識別情報の読み取り時間に応じて、ある程度の数の媒体識別情報が蓄積されてから、アクセスを開始することができる。いずれにしても、遊技媒体の媒体識別情報を読み取り動作と、管理情報データベースへのアクセスとを並行して実行できるようにすることで、管理情報データベースへのアクセスへの開始のタイミングを、少なくとも1つの遊技媒体の媒体識別情報を読み取った後にすることができる。
<<第5の実施の形態の概要>>
遊技テーブルにおいて、プレイングカードなどのカードを読み取るスキャナは、ディーラーがカードを並べたり配ったりするときにのみ、カードの内容を取得できる。しかしながら、カードが、一旦、遊技テーブルに並べられたり、遊技者に配られたりした後、ゲームの途中においては、カードの移動などがあっても、カードを回収するまでは、カードを追跡することができなかった。このため、ゲームの途中で、カードが取り替えられるような不正行為があっても、どのようなタイミングで誰が不正行為をしたのかを十分に追求することができない場合が多かった。したがって、カードを遊技テーブルに並べたり、遊技者に配ったりしたときから、カードを回収するまでのゲームの全工程において、ゲームに使用したカードの全てを追跡できる遊技テーブル装置が所望されていた。
第5の実施の形態による遊技テーブル装置は、
カードゲームを行うためにカードが配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルを撮影するためのカメラ(たとえば、カード識別カメラ110)と、
前記カードの表面の絵柄を画像データ化して取り込むカードデータ取り込み装置(たとえば、カード識別用シュー120のスキャナ)と、
前記カードを遊技者に配るときに前記カードデータ取り込み装置によって取り込まれた画像データにより遊技者に配られたカードの内容を取得し、ゲームが終了したときに前記遊技テーブルに配置されたカードを前記カメラによって撮影された撮影データから前記カードの内容を取得し、前記画像データによるカードの内容と前記撮影データによるカードの内容とが一致するか否かを比較する(たとえば、図13のステップS1335)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210)と、を含む。
また、第5の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記カメラによって撮影された撮影データの明暗の差に基づいて、カードが撮影されたカード候補領域を抽出し、カード候補領域の一の方向に沿った辺の長さと、前記一の方向とは異なる他の方向に沿った長さとの比が所定の比であるときに、カード候補領域をカードが存在するカード領域とするものが好ましい。
このようにしたことで、複数のカードが遊技テーブルに並べられたときに、複数のカードの各々とカメラとの間の距離が異なるように配置される。カメラまでの距離が異なる場合には、撮影されたカードは、カードの大きさや形状が異なって撮影される可能性がある。たとえば、本来、長方形のカードが、台形などの歪んだ形状で撮影される場合がある。しかしながら、縦横の比率によってカードであるか否かを判断するので、カードの大きさや形状が多少異なって撮影された場合であっても、遊技テーブルに並べられたカードであると判別することができる。
<<第6の実施の形態の概要>>
ディーラーが遊技者にゲーム用チップを渡すときには、ゲーム用チップをゲームに使うことができるように、有効化するとともにロックを解除する必要がある。ゲーム用チップを有効化しかつロックを解除するときには、登録用アンテナが用いられる。一方、ディーラーが遊技者からゲーム用チップを回収したときには、そのゲーム用チップをゲームに使うことができないように、無効化するとともにロックする必要がある。ゲーム用チップを無効化しかつロックするときには、消去用アンテナが用いられる。
登録用アンテナが用いられたときには、原則、ゲーム用チップは有効化されかつロックが解除されている。また、消去用アンテナが用いられたときには、原則、ゲーム用チップは無効化されかつロックされている。ゲーム用チップの状態をディーラーが確認したい場合がある。このため、登録用アンテナや消去用アンテナの動作を本来の動作から確認用の動作に切り替えることによって、登録用アンテナや消去用アンテナを代用することもできる。しかしながら、ディーラーは、動作を切り替えるための操作をする必要があり、ディーラーの操作が煩雑にならざるを得なかった。
さらに、複数の遊技者の複数のゲーム用チップに対して、動作の切り替えの操作などの操作をするときには、ディーラーの人為的ミスが発生する可能性も高まり、遊技店の信頼性の低下に発展する可能性も生ずる。
このように、ディーラーの操作が煩雑になることなく、かつ、ディーラーの人為的ミスが発生しにくい遊技テーブル装置が所望されていた。
第6の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)を含む媒体記憶情報が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技媒体の前記媒体記憶情報を無線通信により読み取るアンテナ(たとえば、参照用アンテナ330など)と、
遊技者に渡すときの遊技媒体又は遊技者から回収したときの遊技媒体を前記アンテナによって読み取った前記媒体記憶情報が適切であるか否かを判断する(たとえば、図14のステップS1415)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210)と、を含む。
また、第6の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記遊技制御装置による判断の結果に応じた情報を表示する表示装置(たとえば、ディーラー用ディスプレイ150)をさらに含み、
前記遊技制御装置は、遊技者に渡すときには前記遊技媒体が有効であるか否かを、遊技者から回収したときには前記遊技媒体が無効であるか否かを判断し、その判断結果を表示装置に表示する(たとえば、図14のステップS1417)ものが好ましい。
<<第7の実施の形態の概要>>
遊技者が、カジノなどの遊技店でゲームをしていると、次第に、複数種類の金額に対応したゲーム用チップが増えていく場合が多い。特に、小さい金額に対応したゲーム用チップが増えていく傾向がある。このような場合には、遊技店のキャッシャーなどで大きい金額に対応したゲーム用チップに交換してもらうことができる。しかしながら、ゲームの合間にキャッシャーなどに行くのは極めて煩雑であるので、大抵の遊技者は、不便ではあるが、複数種類の金額に対応した複数毎のゲーム用チップを所持して、遊技店を移動していた。
このようなことから、ゲームの結果に基づいて、ディーラーがキャッシャーの機能をも果たすことができるシステムや遊技テーブル装置が所望されていた。
第7の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)を含む媒体記憶情報が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技媒体の前記媒体記憶情報を無線通信により読み取るアンテナ(たとえば、参照用アンテナ330など)と、
遊技者に配当として渡す配当用の遊技媒体の有価価値を示す数値の端数を切り上げた数値を示す切り上げ情報を生成する(たとえば、図15のステップS1515)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210)と、を含む。
また、第7の実施の形態による遊技テーブル装置は、
前記切り上げ情報を表示する表示装置(たとえば、ディーラー用ディスプレイ150)と、
各種の情報を記憶する記憶装置(たとえば、主制御装置210のRAMやハードディスク装置)と、をさらに含み、
前記遊技制御装置は、
前記端数分の遊技媒体を遊技者からディーラーが受け取ったことを示す情報と、
ディーラーが前記端数を切り上げた数値の遊技媒体を遊技者に配当として渡す情報と、を前記記憶装置に記憶させる(たとえば、図15のステップS1521及びS1523)ものが好ましい。
さらに、遊技媒体の有価価値を示す数値の所定の桁よりも下位の桁の数を前記端数とするものが好ましい。さらにまた、前記表示装置に前記端数と前記切り上げ情報とを表示する(たとえば、図15のステップS1517)ものが好ましい。
<<第8の実施の形態の概要>>
カジノなどの遊技店では、不正行為の発見や防止のため、処理の自動化などのために各種の情報機器が導入されてきている。しかしながら、ゲームの進行については、人間であるディーラーが介在せざるを得ない。このため、ディーラーの経験や知識などによっては、円滑にゲームを進めることができない可能性も生じる。また、熟練したディーラーであっても、人間である以上、勘違いなどの人為的ミスを犯す可能性も十分にある。
このような観点から、ディーラーの経験や知識などによることなく、また、人為的ミスを低減させて、円滑にゲームを進めることができるシステムや遊技テーブル装置が所望されている。
第8の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取る複数のアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340、BANKERベット用アンテナ342、TIEベット用アンテナ344、PLAYER PAIRベット用アンテナ346、BANKER PAIRベット用アンテナ348、消去用アンテナ310、登録用アンテナ320、参照用アンテナ330など)と、
ゲームの進行に応じたディーラーの動作を示す対応動作情報が記憶された動作情報記憶手段(たとえば、主制御装置210のRAMやハードディスク装置)と、
前記動作情報記憶手段に記憶された対応動作情報を参照して、ゲームの進行に応じてディーラーの動作を指示するための指示情報を出力する(たとえば、図16のステップS1619、S1621、S1623など)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210など)と、
出力された指示情報をディーラーが認識できるように発する認識装置(ディーラー用ディスプレイ150)と、を含む。
<<第9の実施の形態の概要>>
ディーラーが遊技者にゲーム用チップを渡すときには、迅速に処理を進めることができるように、まず、遊技者に渡すべき全ての数のゲーム用チップを手にして、次いで、複数の箇所のベット領域毎に、ベット領域に応じた数のゲーム用チップを順次置いていくのが一般的である(図22(b))。
このため、ディーラーが遊技者にゲーム用チップを渡す動作をしている間に、遊技テーブルに既に置かれたゲーム用チップと、ディーラーが手にしているゲーム用チップとの双方を、アンテナが読み取ってしまう可能性がある(空中浮遊)。このため、実際に遊技テーブルに置かれているゲーム用チップの数や金額とは異なる情報を収集されてしまい、不正行為によるものであるのか、空中浮遊が生じたことによるものであるのかの判断が困難であった。
このような観点から、空中浮遊が生じたことを判断して、実際に遊技テーブルに置かれているゲーム用チップの数や金額を取得できる遊技テーブル装置が所望されている。
第9の実施の形態による遊技テーブル装置は、
媒体識別情報(たとえば、チップID)が記憶された遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500)が配置される遊技テーブル(たとえば、ゲーム用テーブル100)と、
前記遊技テーブルに配置された前記遊技媒体の前記媒体識別情報を無線通信により読み取るアンテナ(たとえば、PLAYERベット用アンテナ340、BANKERベット用アンテナ342、TIEベット用アンテナ344、PLAYER PAIRベット用アンテナ346、BANKER PAIRベット用アンテナ348、消去用アンテナ310、登録用アンテナ320、参照用アンテナ330など)と、
前記アンテナの読み取り動作を所定の期間行い、前記所定の期間のうちの一の期間に亘って一の媒体識別情報を読み取ることができたときには、前記一の媒体識別情報の存在を有効にする(たとえば、図17のステップS1725など)遊技制御装置(たとえば、主制御装置210など)と、を含む。
遊技者によって遊技媒体が移動されても的確に遊技媒体を検出して読み取ることができる。一の期間は、所定の期間のうちの一部の期間でも全ての期間でもよい。一の期間は、連続した一定の期間が望ましい。一の期間は、不連続な複数の期間を総和した期間でもよい。
また、第9の実施の形態による遊技テーブル装置において、
前記遊技制御装置は、前記アンテナの読み取り動作を複数回行い、前記複数回のうちの所定の回数に亘って一の媒体識別情報を読み取ることができたときには、前記一の媒体識別情報の存在を有効にするものが好ましい。
さらに、第9の実施の形態による遊技テーブル装置において、
前記遊技制御装置は、前記アンテナの読み取り動作を前記所定の期間内の所定の時間ごとに行い、所定の回数に亘って一の媒体識別情報を読み取ることができたときには、前記一の媒体識別情報の存在を有効にするものが好ましい。
<<第10の実施の形態の概要>>
カジノなどの遊技店で扱われるゲーム用チップは、低額から高額まで複数の金額に対応している。この中で、特に、高額ゲーム用チップは、不正行為の対象として狙われやすい。このため、改造や偽造がしにくいゲーム用チップが所望されている。
第10の実施の形態による遊技媒体は、
識別するための媒体識別情報(たとえば、チップIDなど)と、
所定の有価価値を有することを示す価値情報(たとえば、金種データや金額データなど)と、
前記有価価値が前記所定価値以上であることを示す確認用情報(たとえば、セキュリティエリアやセキュリティコードなど)と、を記憶する記憶領域を含む。
確認用情報の有無や内容を調べることで、改造された遊技媒体や偽造された遊技媒体ではなく、正当な遊技媒体であることを確認して保証することができる。
また、前記確認用情報は、符号化データに変換されて前記記憶領域に記憶されているものが好ましい。
この遊技媒体の信頼性を高めることができる。
<<第11の実施の形態の概要>>
カジノなどの遊技店は、ゲームに用いるゲーム用チップを収納するためのチップトレイが用いられる。チップトレイには、複数枚のゲーム用チップが収納できるので、所持や保管などの管理を十分にする必要がある。
遊技店では、チップトレイをテーブルに固定した営業形態と、チップトレイを店舗内で移動させることできる営業形態との2つの営業形態が存在する。特に、チップトレイを店舗内で移動させる場合には、施錠などの管理も必要になる。また、チップトレイを店舗内で移動させる場合には、このような管理だけでなく、ディーラーなどの店員による取り扱いを簡便にできるようにするのが好ましい。
第11の実施の形態による遊技媒体収納体(たとえば、チップトレイ構造体600など)は、
基部をなす収納基体(たとえば、ベース630など)と、
前記収納基体を覆う収納被覆体(たとえば、基板カバー620など)と、
前記遊技媒体が出し入れ可能に所定の態様で収容され、前記収納被覆体に着脱可能に載置される遊技媒体配置体(たとえば、チップトレイ610など)と、を含む。
また、第11の実施の形態による遊技媒体収納体(たとえば、チップトレイ構造体600など)は、
遊技媒体収納体(たとえば、チップトレイ構造体600など)は、媒体識別情報が記憶された遊技媒体を出し入れ可能に収容される遊技媒体配置体(たとえば、チップトレイ610など)と、
遊技媒体配置体を着脱可能に収納する収納被覆体(たとえば、基板カバー620など)と、
前記収納被覆体が収納される収納基体であって、前記遊技媒体配置体に収容された遊技媒体の媒体識別情報を無線通信により読み取り可能に設けられた複数のアンテナを備えた収納基体(たとえば、ベース630など)と、を含む。
また、第11の実施の形態による遊技媒体収納体(たとえば、チップトレイ構造体600など)において、
前記遊技媒体配置体は、遊技媒体(たとえば、ゲーム用チップ500など)を出し入れ可能に形成された開口部を有し、
前記遊技媒体配置体に着脱可能に載置され前記開口部を覆う蓋体(たとえば、蓋体660など)をさらに有するものが好ましい。
さらに、第11の実施の形態による遊技媒体収納体(たとえば、チップトレイ構造体600など)において、
前記収納被覆体は、収納された前記遊技媒体配置体を所定の位置で係止する係止部(たとえば、突起628a、628b、628c及び628dなど)を有し、
前記遊技媒体配置体は、前記係止部によって係止される被係止部(たとえば、貫通孔618a、618b、618c及び618dなど)を有するものが好ましい。
<<<本発明による実施の形態>>>
以下に、本発明による実施の形態について図面に基づいて説明する。
<<ゲーム用テーブル100の概略>>
図2は、ゲーム用テーブル100の構成を示す斜視図である。図3は、ゲーム用テーブル100の構成を示す平面図である。図4は、ゲーム用テーブル100を含むゲーム用テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
ゲーム用テーブル100は、RFタグを埋め込んだゲーム用チップ500を使用して、ディーラーによって進められるゲーム(バカラやブラックジャック等)を行うテーブルゲームを行うためのテーブルである。ゲーム用チップ500は、ゲームに利用できる有効化されたゲーム用チップ500と、ゲームで利用できない無効化されたゲーム用チップ500とに分類できる。有効化されたゲーム用チップ500も無効化されたゲーム用チップ500も、ゲーム用チップサーバ410によって管理される。ゲーム用チップ500については、後述する。
遊技者が、ゲーム用テーブル100にゲーム用チップ500を置いてベットすると、ゲーム用テーブル100の下に配置されたチップ読み取りアンテナ群300がゲーム用チップ500を読み取り、後述する制御装置200の主制御装置210は、ゲーム用チップ500についてゲーム用チップサーバ410に問い合せる。ゲーム用チップサーバ410への問い合せの内容は、そのゲーム用チップ500は、有効化されているか、無効化されているか、又はゲーム用チップ500の金額等の情報である。
ゲームをスタートさせると、各遊技者のベット金額やエリアが確定する。
ゲームの結果が確定すると、ゲームに負けた遊技者がベットしていたゲーム用チップ500は、無効化されてディーラーに回収される。ゲーム用チップ500の無効化の処理は、ゲーム用チップ500を消去用アンテナ310によって読み取らせることで行われる。消去用アンテナ310によって読み取られたゲーム用チップ500のチップIDは、ゲーム用チップサーバ410に送信される。ゲーム用チップサーバ410は、送信されたチップIDを受信し、そのチップIDのゲーム用チップ500は無効であることを登録する。
一方、ゲームに勝った遊技者には、ディーラーからゲーム用チップ500が配当として渡される。ディーラーから渡されるゲーム用チップ500は有効化されている。ゲーム用チップ500の有効化の処理は、ゲーム用チップ500を登録用アンテナ320によって読み取らせることで行われる。登録用アンテナ320によって読み取られたゲーム用チップ500のチップIDは、ゲーム用チップサーバ410に送信される。ゲーム用チップサーバ410は、送信されたチップIDを受信し、そのチップIDのゲーム用チップ500は有効であることを登録する。
ゲームに用いるプレイングカードなどのカードのディールやゲーム用チップ500の回収・配当はすべてディーラーが行う。ただし、後述するように、これらのディーラーの動作は、すべて制御デバイスからディーラーに指示される。ディーラーは、その指示に従って行動することでゲームの進行に必要な各種の動作をすることができる。
ゲーム用テーブル100をこのような構成にしたことで、ゲームに負けたときのゲーム用チップ500を遊技者が不正に持ち帰っても、ゲーム用チップサーバ410で無効にされているためゲームに利用したり換金したりすることはできないので、遊技者の不正行為を防止することができる。また、ディーラーから特定の遊技者へ不正に多くゲーム用チップ500を支払うことができないので、ディーラーの不正行為や人為的なミスを防止することができる。
<<ゲーム用テーブル100の構成>>
図2、図3及び図4に示すように、ゲーム用テーブル100は、主に、カード識別カメラ110と、カード識別用シュー120と、制御装置200と、ビルバリデータ(紙幣識別装置)130と、遊技者用ディスプレイ140と、ディーラー用ディスプレイ150と、チップ読み取りアンテナ群300と、を有する。チップ読み取りアンテナ群300は、消去用アンテナ310と、登録用アンテナ320と、参照用アンテナ330と、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348と、を有する(図6参照)。
<<制御装置200>>
制御装置200は、後述する図4に示すように、主制御装置210と、第1副制御装置220と、第2副制御装置230と、第3副制御装置240と、遊技者追跡装置250と、遊技者追跡装置260と、からなる。これらの主制御装置210と、第1副制御装置220と、第2副制御装置230と、第3副制御装置240と、遊技者追跡装置250と、遊技者追跡装置260とは、互いにLAN270によって送受信可能に接続されている。
主制御装置210と、第1副制御装置220と、第2副制御装置230と、第3副制御装置240と、遊技者追跡装置250と、遊技者追跡装置260とは、たとえば、コンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置によって実現される装置である。この情報処理装置は、演算処理装置(CPU)(図示せず)、主メモリ(RAM)(図示せず)、読出し専用メモリ(ROM)(図示せず)、入出力装置(I/O)(図示せず)、及び必要な場合にはハードディスク装置(図示せず)等の外部記憶装置を有する。
<主制御装置210>
主制御装置210は、主として、ゲームの進行を制御する。主制御装置210は、後述する各種のサブルーチンを実行する。主制御装置210のROMやハードディスク装置等には、これらのサブルーチンを実行するためのプログラムが記憶されている。主制御装置210のCPUは、プログラムを読み出して、各種の処理を実行することができる。
たとえば、主制御装置210は、ゲーム用チップ500の移動状況などに基づいて、ゲームの進行状態を判定する。さらに、主制御装置210は、判定結果に基づいてディーラーに取るべき行動を指示する情報である指示情報を生成して、指示情報をディーラー用ディスプレイ150に表示する。
主制御装置210には、ディーラー用ディスプレイ150とタッチパネル装置152が接続されている。
<ディーラー用ディスプレイ150>
ディーラー用ディスプレイ150は、図19〜図21にも示すように、チップトレイ構造体600に設けられている。ディーラー用ディスプレイ150をチップトレイ構造体600に設けたことにより、ディーラーは、視線を大きく変更することなく、ゲーム用テーブル100と遊技者とディーラー用ディスプレイ150とを容易に視認することができる。
ディーラー用ディスプレイ150は、主制御装置210に接続されている。主制御装置210によって処理された各種の情報がディーラー用ディスプレイ150に表示される。ディーラー用ディスプレイ150に表示される情報は、ディーラーのためのものであり、遊技の進行状態を表示したり、ディーラーに次の指示を出したり、ディーラーが確認したり、ディーラーを補助したりするための情報である。
たとえば、遊技者がベットした金額やゲーム用チップ500の枚数を遊技者毎に表示したり、遊技者から回収するゲーム用チップ500の枚数や遊技者に渡す配当などの情報を表示したりする。
ディーラー用ディスプレイ150は、主制御装置210から発せられた指示情報を表示し、ディーラーに指示内容を伝える機能を有する。指示内容は映像などによって、ディーラーに伝えられればよい。ディーラー用ディスプレイ150は、たとえば、液晶ディスプレイ装置などである。指示内容としては、ゲームに負けた遊技者からのゲーム用チップ500の回収や、ゲームに勝った遊技者へのゲーム用チップ500の付与や、プレイングカードなどカードのドロウ、スタンド等ゲームの進行の全てに関して指示情報として扱う。
また、ディーラー用ディスプレイ150のほかに、ディーラーに指示内容を伝えることができるヘッドセット(インカム)等を主制御装置210と通信可能に接続するようにしてもよい。このようにすることで、指示内容を音声などによってもディーラーに伝えることができる。
<タッチパネル装置152>
タッチパネル装置152は、ディーラー用ディスプレイ150に表示された各種の情報に応じて、ディーラーが処理を選択したり情報を入力したりするための装置である。ディーラーによって選択されたり入力されたりした各種の情報は、主制御装置210に供給されて処理される。タッチパネル装置152は、ディーラー用ディスプレイ150に重畳するように設けられている。ディーラーは、ディーラー用ディスプレイ150に表示された各種の情報に応じて、タッチパネル装置152を操作することができる。このようにしたことにより、ディーラーは、ゲーム用テーブル100と遊技者とに向き合った状態を維持して操作をすることができる。
<第1副制御装置220>
第1副制御装置220は、ICカードリーダ/ライタ226やカード識別用シュー120などの周辺装置を制御する。第1副制御装置220には、ディスプレイ222と、タッチパネル装置224と、ICカードリーダ/ライタ226と、カード識別用シュー120とが接続されている。
ディスプレイ222には、ICカードリーダ/ライタ226やカード識別用シュー120などの周辺装置に関する情報が表示される。ディーラーは、表示された各種の情報を視認して、適切に遊技が進行しているか否かを判断することができる。タッチパネル装置224は、ディスプレイ222に表示された各種の情報に応じて、ディーラーが処理を選択したり情報を入力したりするための装置である。ディーラーによって選択されたり入力された各種の情報は、第1副制御装置220に供給されて処理される。ディスプレイ222は、主として、ディーラーの背後にいるマネージャーが視認するためのディスプレイである。たとえば、ディーラーと遊技者とが組んで不正行為が行われた場合であっても、ディスプレイ222に表示された内容をマネージャーが視認することによって不正行為を発見しやすくできる。
<ICカードリーダ/ライタ226>
ICカードリーダ/ライタ226は、ディーラーが所有するIDカードに読み書きをするための装置である。図2に示す制御装置200を構成するラックには、7つのカードスロットが設けられている。そのうちの1つのカードスロットがICカードリーダ/ライタ226のスロットである。
ディーラーが所有するIDカードは、ディーラーを識別したり特定したりするためのディーラーIDが記憶されている。ディーラーがゲーム用テーブル100でゲームを進めるときには、ICカードリーダ/ライタ226によってディーラーIDを読み取り、ディーラーがそのゲーム用テーブル100でゲームを進めることを登録する。登録情報は、第1副制御装置220のハードディスク装置(図示せず)等に記憶されたり、テーブルログサーバ420やPTSサーバ430に記憶されたりする。このようにすることで、遊技者だけでなく、ディーラーも管理することができ、ディーラーと遊技者とが組んで行われる不正行為を防止することができる。
<カード識別用シュー120>
カード識別用シュー120は、ゲームで使うプレイングカードなどのカードを収容しておくケースである。カード識別用シュー120には、細長い開口が設けられている。ディーラーは、その開口からカードを1枚ずつとり出してゲームを進める。
開口の近くにはスキャナ(ラインセンサ)(図示せず)が設けられている。カードがカード識別用シュー120から取り出されるときには、スキャナによってカードの画像が読み取られる。スキャナによって読み取られたカードの画像データは、第1副制御装置220に供給され、画像処理などの処理が実行される。この処理によって、カードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容を取得でき、第1副制御装置220のRAMやハードディスク装置(図示せず)等に記憶される。このようにすることで、ゲームを開始するときに、ディーラーが遊技者に配ったカードの内容を記憶して管理することができる。
<第2副制御装置230>
第2副制御装置230は、そのゲーム用テーブル100で行なわれた過去のゲームの情報を記憶してゲームの履歴を管理する。第2副制御装置230には、ディスプレイ232が接続されている。ディスプレイ232には、過去のゲームの履歴に関する情報が表示される。ディスプレイ232は、主として、遊技者に向くように配置されている。そのゲーム用テーブル100で行われた過去の履歴を遊技者に視認させることによって、そのゲーム用テーブル100でゲームを行うか否かを遊技者に判断させやすくできる。
<第3副制御装置240>
第3副制御装置240には、LAN270を介してカード識別カメラ110が接続されている。第3副制御装置240は、カード識別カメラ110から送られた撮影データに画像認識処理などのカード識別カメラ110の制御をする。
<カード識別カメラ110>
カード識別カメラ110は、ゲーム用テーブル100の上方にアーム112を介して設けられている。カード識別カメラ110は、ゲーム用テーブル100の上面102を撮影するように下向きに配置されている。カード識別カメラ110は、主に、ゲーム用テーブル100の上面102に配置されたカードを撮像する。また、カード識別カメラ110は、カードだけでなく、ゲーム用テーブル100でゲームをする遊技者やディーラーを撮影してもよい。遊技者やディーラーを撮影することで遊技者やディーラーの行動も監視することができる。
カード識別カメラ110は、LAN270(図4参照)に接続されている。カード識別カメラ110によって撮影された撮影データは、LAN270を介して、制御装置200のうちの第3副制御装置240(図4参照)に供給される。第3副制御装置240は、カード識別カメラ110から送られた撮影データに画像認識処理などの処理をすることで、ゲーム用テーブル100の上面102に配置されたカードの数値やスートの種類を示すマークなどカードの内容を取得する。このようにして、ゲームの結果を示すカードの内容をカメラから取得し、記憶して管理することができる。
また、カード識別カメラ110は、ベット領域も撮影している。ベット領域に置かれたゲーム用チップ500の動きを取得でき、撮影データからゲーム用チップ500に対する不正行為を発見することができる。
<<サーバ群400>>
サーバ群400は、ゲーム用チップサーバ410とテーブルログサーバ420とPTSサーバ430とからなる。ゲーム用チップサーバ410とテーブルログサーバ420とPTSサーバ430とは、LAN270を介して通信可能に互いに接続されている。また、ゲーム用チップサーバ410とテーブルログサーバ420とPTSサーバ430とは、LAN270を介して、制御装置200(主制御装置210、第1副制御装置220、第2副制御装置230、第3副制御装置240、遊技者追跡装置250及び遊技者追跡装置260)とも通信可能に接続されている。
サーバ群400は、カジノなどの遊技店の店員のみが入れる部屋などに設置されている。なお、遊技者に触れることのできない場所に設置されていればよく、遊技店とは異なる建物内に通信可能に設置されていてもよい。
<ゲーム用チップサーバ410>
ゲーム用チップサーバ410は、遊技店で扱われる全てのゲーム用チップ500の情報を管理する。
<テーブルログサーバ420>
テーブルログサーバ420は、遊技店に設置されている複数のゲーム用テーブル100の各々で行われたゲームの履歴の情報を管理する。この履歴の情報を調べることによって、不正があったか否かを追跡することができ、どのゲーム用テーブル100で、いつ、どのような遊技者及びディーラーで問題が生じたかを発見することができる。
<PTSサーバ430>
PTSサーバ430は、遊技者を管理するサーバで、所持したゲーム用チップ500のチップIDやゲームの種類や来店した日時など、遊技者に関連する情報を記憶して遊技者の行動を管理する。PTSサーバ430は、主に、後述するPTS250及びPTS260によって収集された各種の情報を記憶する。
<プレーヤトラッキングシステム250及び260>
プレーヤトラッキングシステム250及び260(以下、PTS250及びPTS260と称する。)は、いわゆる個人追跡装置であり、遊技店でゲームをする遊技者の行動を記録することで、遊技者を管理するための装置である。
PTS250には、ICカードリーダ/ライタ252と、ビルバリデータ130とが接続されている。
ICカードリーダ/ライタ252は、上述したICカードリーダ/ライタ226と同様の構成である。ICカードリーダ/ライタ252は、遊技者が所有するIDカードに読み書きをするための装置である。上述したように、図2に示す制御装置200が収納されるラックには、7つのカードスロットが設けられている。そのうちの6つのカードスロットがICカードリーダ/ライタ252のスロットである。ICカードリーダ/ライタ252は、ゲーム用テーブル100でゲームを行う遊技者の人数に対応して設けられている。
遊技者が所有するIDカードは、遊技者を識別したり特定したりするための遊技者IDが記憶されている。ICカードリーダ/ライタ252は、ディーラーの操作によって登録するための装置である。遊技者がゲーム用テーブル100でゲームをするときには、遊技者は、自分のIDカードをディーラーに渡す。ディーラーは、遊技者から渡されたIDカードを、遊技者の位置に対応したICカードリーダ/ライタ252で読み取らせる。ICカードリーダ/ライタ252によって遊技者IDを読み取り、その遊技者がそのゲーム用テーブル100でゲームをすることを登録する。登録情報は、PTS250を介して、第1副制御装置220のハードディスク装置(図示せず)等に記憶されたり、テーブルログサーバ420やPTSサーバ430に記憶されたりする。このようにすることで、ICカードリーダ/ライタ252を使って、ゲーム用テーブル100でゲームをした遊技者を管理することができる。
<ビルバリデータ130>
ビルバリデータ130は、紙幣を識別する紙幣識別装置である。ビルバリデータ130は、スキャナを有する。ビルバリデータ130は、スキャナによって、紙幣の画像データを生成する。ディーラーは遊技者から紙幣を受け取ったときには、ビルバリデータ130に受け取った紙幣を読み込ませる。ビルバリデータ130は、読み込んだ紙幣の真贋を判断し、真の紙幣である場合には、その紙幣の金額を読み取り、ディーラー用ディスプレイ150に読み取った金額を表示する。ディーラーは、ディーラー用ディスプレイ150に表示された金額のデータに対応するゲーム用チップ500に交換する。
<遊技者用ディスプレイ140>
PTS260には、遊技者用ディスプレイ140が接続されている。
遊技者用ディスプレイ140は、遊技者が視認できるものである。遊技者用ディスプレイ140は、1台のゲーム用テーブル100で遊技をすることができる遊技者の人数分、たとえば6人分の遊技者の各々に向かうように設けられている。遊技者用ディスプレイ140は、遊技者追跡装置260に接続されている。遊技者追跡装置260からその遊技者のベットの状態やゲームの勝敗や配当などの情報が遊技者用ディスプレイ140に供給される。
遊技者用ディスプレイ140の各々には、その遊技者のベットの状態やゲームの勝敗や配当などの情報が表示される。ゲーム用テーブル100で遊技する遊技者は、自分に対応した遊技者用ディスプレイ140を視認することで、その遊技者に関する遊技の進行を認識することができる。
<<チップ読み取りアンテナ群300>>
上述したように、チップ読み取りアンテナ群300は、消去用アンテナ310と、登録用アンテナ320と、参照用アンテナ330と、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348と、を有する(図6参照)。これらの各々は、ゲーム用テーブル100の上面102の下側に設けられている。
消去用アンテナ310と登録用アンテナ320と参照用アンテナ330とは、ディーラーが使うもので、1つずつディーラーの近い位置に設けられている。たとえば、消去用アンテナ310はディーラーの左側に、登録用アンテナ320はディーラーの右側に、参照用アンテナ330はディーラーの正面に配置されている。
PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348とは、遊技者がベットをするときに使うものである。これらの6種類のアンテナは、1台のゲーム用テーブル100で遊技をすることができる複数の遊技者、たとえば6人の遊技者の各々に対応するように設けられている。すなわち、複数の遊技者の別個に、6種類のPLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348とが設けられている。
ゲーム用テーブル100は、いわゆるバカラ用のテーブルである。遊技者がベットするための領域として、6つのベット用領域、すなわち、PLAYERベット用領域と、BANKERベット用領域と、TIEベット用領域と、PLAYER PAIRベット用領域と、BANKER PAIRベット用領域とが、ゲーム用テーブル100に形成されている。
<消去用アンテナ310>
図2及び図3に示すように、消去用アンテナ310は、ゲーム用テーブル100のチップ消去用領域の下部に設けられている。消去用アンテナ310は、第2のRFリーダ360に接続されている。ディーラーがチップ消去用領域にゲーム用チップ500を置くと、第2のRFリーダ360は、消去用アンテナ310を介して、置かれたゲーム用チップ500のチップIDを読み取る。第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに無効化すべき旨の情報をゲーム用チップサーバ410に送信する。ゲーム用チップサーバ410は、そのゲーム用チップ500を無効にすべく、チップIDに対応するチップ管理情報を更新する。
さらに、このときに、チップIDに対応付けられていた遊技者IDとの対応付けの情報もクリアしてチップ管理情報を更新する。このようにすることでチップ消去用領域に置かれたゲーム用チップ500を無効にして、有効化されるまでゲームに使えないようにできる。なお、チップIDと遊技者IDとの対応付けの情報は、完全に削除せず、過去の履歴情報としてゲーム用チップサーバ410に残しておくのが好ましい。不正行為などの問題行為が後で発見されたときなどに、問題を起こした遊技者を特定しやすくできる。
たとえば、ディーラーが遊技者からゲーム用チップ500を回収したときには、ディーラーは、ゲーム用チップ500を消去用アンテナ310によって無効化する。このようにすることで、無効化されたゲーム用チップ500を不正に入手された場合でも、直ちにゲームに使うことができず、ゲームを開始するときなどのときに不正行為があったことを発見しやすくできる。
上述した遊技者IDは、カジノなどの遊技店で発行されるIDカードに予め記憶されている情報である。ゲーム用テーブル100でゲームを開始する前に、ディーラーにIDカードを渡すことで、ゲーム用チップサーバ410や主制御装置210などに遊技者IDが登録される。ディーラーは、遊技者から渡されたIDカードをICカードリーダ/ライタ252で読み取ることで、その遊技者(遊技者ID)を登録することができる。また、キャッシャーなどで現金をゲーム用チップ500に交換するときなどにも、ゲーム用チップサーバ410や主制御装置210などに遊技者IDが登録される。ゲーム用チップサーバ410では、チップIDと遊技者IDとが対応付けられて記憶される。
<登録用アンテナ320>
図2及び図3に示すように、登録用アンテナ320は、ゲーム用テーブル100のチップ登録用領域の下部に設けられている。登録用アンテナ320は、第2のRFリーダ360に接続されている。ディーラーがチップ登録用領域にゲーム用チップ500を置くと、第2のRFリーダ360は、登録用アンテナ320を介して、置かれたゲーム用チップ500のチップIDを読み取る。第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに有効化すべき旨の情報をゲーム用チップサーバ410に送信する。ゲーム用チップサーバ410は、そのゲーム用チップ500を有効にすべく、チップIDに対応するチップ管理情報を更新する。このようにすることでチップ登録用領域に置かれたゲーム用チップ500を有効にして、次に無効化されるまでゲームに使えるようにできる。
たとえば、ディーラーが遊技者にゲーム用チップ500を配当として渡すときや、現金と引き換えにゲーム用チップ500を渡すときには、ゲーム用チップ500を登録用アンテナ320によって有効化する。このようにすることで、遊技者は、ディーラーから渡されたゲーム用チップ500を安心してゲームに使うことができる。
<参照用アンテナ330>
図2及び図3に示すように、参照用アンテナ330は、ゲーム用テーブル100のチップ参照用領域の下部に設けられている。参照用アンテナ330は、第2のRFリーダ360に接続されている。ディーラーがチップ参照用領域にゲーム用チップ500を置くと、第2のRFリーダ360は、参照用アンテナ330を介して、置かれたゲーム用チップ500のチップIDを読み取る。第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDをゲーム用チップサーバ410に送信する。ゲーム用チップサーバ410は、受信したチップIDに対応するチップ管理情報を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、ディーラー用ディスプレイ150にチップ管理情報を表示する。
たとえば、ディーラーが遊技者から複数のゲーム用チップ500を回収して消去用アンテナ310で無効化したときには、ディーラーは、参照用アンテナ330を使って、全てのゲーム用チップ500が無効化されてチップ管理情報が的確に更新されているか否かを確認することができる。同様に、ディーラーが、ゲーム用チップ500を登録用アンテナ320で有効化して遊技者に渡すときには、ディーラーは、参照用アンテナ330を使って、全てのゲーム用チップ500が有効化されてチップ管理情報が的確に更新されているか否かを確認することができる。
このように、参照用アンテナ330を用いることで、チップ管理情報が最新のものに更新されたか否かをディーラーは迅速かつ容易に確認できる。
<PLAYERベット用アンテナ340>
図6に示すように、PLAYERベット用アンテナ340は、6個のPLAYERベット用アンテナ340a、PLAYERベット用アンテナ340b、PLAYERベット用アンテナ340c、PLAYERベット用アンテナ340d、PLAYERベット用アンテナ340e、及びPLAYERベット用アンテナ340fからなる。これらの6個のPLAYERベット用アンテナ340a〜340fは、ゲーム用テーブル100のPLAYERベット用領域の下部に6人の遊技者に対応するように設けられている。遊技者の各々は、バカラのゲームを開始するときに、「PLAYER」にベットをする場合には、PLAYERベット用領域に所望する種類のゲーム用チップ500を所望する枚数だけ置く。
図3に示すように、6個のPLAYERベット用アンテナ340a〜340fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように設けたことで、PLAYERベット用アンテナ340a及び340dと、PLAYERベット用アンテナ340b及び340eと、PLAYERベット用アンテナ340c及び340fとは、おおよそ同じ距離だけ離隔して配置される。
以下では、6個のPLAYERベット用アンテナ340a〜340fの各々を区別する必要がないときには、単に、PLAYERベット用アンテナ340と称する。
図6に示すように、3個のPLAYERベット用アンテナ340a〜340cは、第1のRFリーダ350に接続されている。3個のPLAYERベット用アンテナ340d〜340fは、第2のRFリーダ360に接続されている。遊技者が、PLAYERベット用領域にゲーム用チップ500を置くと、そのPLAYERベット用領域に対応する第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、PLAYERベット用領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDと金種情報と枚数とを読み取る。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに金額毎の枚数を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、遊技者IDに対応付けてチップIDと金額毎の枚数とを記憶しゲーム用チップサーバ410に送信する。
<BANKERベット用アンテナ342>
図6に示すように、BANKERベット用アンテナ342は、6個のBANKERベット用アンテナ342a、BANKERベット用アンテナ342b、BANKERベット用アンテナ342c、BANKERベット用アンテナ342d、BANKERベット用アンテナ342e、及びBANKERベット用アンテナ342fからなる。これらの6個のBANKERベット用アンテナ342a〜342fは、ゲーム用テーブル100のBANKERベット用領域の下部に6人の遊技者に対応するように設けられている。遊技者の各々は、バカラのゲームを開始するときに、「BANKER」にベットをする場合には、BANKERベット用領域に所望する種類のゲーム用チップ500を所望する枚数だけ置く。
図3に示すように、6個のBANKERベット用アンテナ342a〜342fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように設けたことで、BANKERベット用アンテナ342a及び342dと、BANKERベット用アンテナ342b及び342eと、BANKERベット用アンテナ342c及び342fとは、おおよそ同じ距離だけ離隔して配置される。
なお、以下では、6個のBANKERベット用アンテナ342a〜342fの各々を区別する必要がないときには、単に、BANKERベット用アンテナ342と称する。
図6に示すように、3個のBANKERベット用アンテナ342a〜342cは、第1のRFリーダ350に接続されている。3個のBANKERベット用アンテナ342d〜342fは、第2のRFリーダ360に接続されている。遊技者が、BANKERベット用領域にゲーム用チップ500を置くと、そのBANKERベット用領域に対応する第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、BANKERベット用領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDと金種情報と枚数とを読み取る。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに金額毎の枚数を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、遊技者IDに対応付けてチップIDと金額毎の枚数とを記憶しゲーム用チップサーバ410に送信する。
<TIEベット用アンテナ344>
図6に示すように、TIEベット用アンテナ344は、6個のTIEベット用アンテナ344a、TIEベット用アンテナ344b、TIEベット用アンテナ344c、TIEベット用アンテナ344d、TIEベット用アンテナ344e、及びTIEベット用アンテナ344fからなる。これらの6個のTIEベット用アンテナ344a〜344fは、ゲーム用テーブル100のTIEベット用領域の下部に6人の遊技者に対応するように設けられている。遊技者の各々は、バカラのゲームを開始するときに、「TIE」にベットをする場合には、TIEベット用領域に所望する種類のゲーム用チップ500を所望する枚数だけ置く。
図3に示すように、6個のTIEベット用アンテナ344a〜344fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように設けたことで、TIEベット用アンテナ344a及び340dと、TIEベット用アンテナ344b及び344eと、TIEベット用アンテナ344c及び344fとは、おおよそ同じ距離だけ離隔して配置される。
以下では、6個のTIEベット用アンテナ344a〜344fの各々を区別する必要がないときには、単に、TIEベット用アンテナ344と称する。
図6に示すように、3個のTIEベット用アンテナ344a〜344cは、第1のRFリーダ350に接続されている。3個のTIEベット用アンテナ344d〜344fは、第2のRFリーダ360に接続されている。遊技者が、TIEベット用領域にゲーム用チップ500を置くと、そのTIEベット用領域に対応する第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、TIEベット用領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDと金種情報と枚数とを読み取る。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに金額毎の枚数を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、遊技者IDに対応付けてチップIDと金額毎の枚数とを記憶しゲーム用チップサーバ410に送信する。
<PLAYER PAIRベット用アンテナ346>
図6に示すように、PLAYER PAIRベット用アンテナ346は、6個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a、PLAYER PAIRベット用アンテナ346b、PLAYER PAIRベット用アンテナ346c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d、PLAYER PAIRベット用アンテナ346e、及びPLAYER PAIRベット用アンテナ346fからなる。これらの6個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346fは、ゲーム用テーブル100のPLAYER PAIRベット用領域の下部に6人の遊技者に対応するように設けられている。遊技者の各々は、バカラのゲームを開始するときに、「PLAYER PAIR」にベットをする場合には、PLAYER PAIRベット用領域に所望する種類のゲーム用チップ500を所望する枚数だけ置く。
図3に示すように、6個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように設けたことで、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a及び346dと、PLAYER PAIRベット用アンテナ346b及び346eと、PLAYER PAIRベット用アンテナ346c及び346fとは、おおよそ同じ距離だけ離隔して配置される。
以下では、6個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346fの各々を区別する必要がないときには、単に、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と称する。
図6に示すように、3個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346cは、第1のRFリーダ350に接続されている。3個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346fは、第2のRFリーダ360に接続されている。遊技者が、PLAYER PAIRベット用領域にゲーム用チップ500を置くと、そのPLAYER PAIRベット用領域に対応する第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、PLAYER PAIRベット用領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDと金種情報と枚数とを読み取る。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに金額毎の枚数を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、遊技者IDに対応付けてチップIDと金額毎の枚数とを記憶しゲーム用チップサーバ410に送信する。
<BANKER PAIRベット用アンテナ348>
図6に示すように、BANKER PAIRベット用アンテナ348は、6個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a、BANKER PAIRベット用アンテナ348b、BANKER PAIRベット用アンテナ348c、BANKER PAIRベット用アンテナ348d、BANKER PAIRベット用アンテナ348e、及びBANKER PAIRベット用アンテナ348fからなる。これらの6個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348fは、ゲーム用テーブル100のBANKER PAIRベット用領域の下部に6人の遊技者に対応するように設けられている。遊技者の各々は、バカラのゲームを開始するときに、「BANKER PAIR」にベットをする場合には、BANKER PAIRベット用領域に所望する種類のゲーム用チップ500を所望する枚数だけ置く。
図3に示すように、6個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように設けたことで、BANKER PAIRベット用アンテナ348a及び348dと、BANKER PAIRベット用アンテナ348b及び348eと、BANKER PAIRベット用アンテナ348c及び348fとは、おおよそ同じ距離だけ離隔して配置される。
以下では、6個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348fの各々を区別する必要がないときには、単に、BANKER PAIRベット用アンテナ348と称する。
3個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cは、第1のRFリーダ350に接続されている。3個のBANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348fは、第2のRFリーダ360に接続されている。遊技者が、BANKER PAIRベット用領域にゲーム用チップ500を置くと、そのBANKER PAIRベット用領域に対応する第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、BANKER PAIRベット用領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDと金種情報と枚数とを読み取る。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、読み取ったチップIDとともに金額毎の枚数を主制御装置210に送信する。主制御装置210は、遊技者IDに対応付けてチップIDと金額毎の枚数とを記憶しゲーム用チップサーバ410に送信する。
<チップ読み取りアンテナ群300と遊技者と第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360との対応>
図6は、チップ読み取りアンテナ群300と遊技者と第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360との対応を示すブロック図である。
図3に示すように、単一のゲーム用テーブル100は、最大で6人の遊技者(第1の遊技者〜第6の遊技者)がディーラーと向かい合ってバカラゲームを行えるように構成されている。図6の「Player 1」は、6人の遊技者のうちの第1の遊技者に対応するアンテナ群を示し、「Player 2」は、第2の遊技者に対応するアンテナ群を示し、「Player 3」は、第3の遊技者に対応するアンテナ群を示し、「Player 4」は、第4の遊技者に対応するアンテナ群を示し、「Player 5」は、第5の遊技者に対応するアンテナ群を示し、「Player 6」は、第6の遊技者に対応するアンテナ群を示す。
図6に示すように、「Player 1」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340aとBANKERベット用アンテナ342aとTIEベット用アンテナ344aとPLAYER PAIRベット用アンテナ346aとBANKER PAIRベット用アンテナ348aとからなる。
「Player 2」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340bとBANKERベット用アンテナ342bとTIEベット用アンテナ344bとPLAYER PAIRベット用アンテナ346bとBANKER PAIRベット用アンテナ348bとからなる。
「Player 3」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340cとBANKERベット用アンテナ342cとTIEベット用アンテナ344cとPLAYER PAIRベット用アンテナ346cとBANKER PAIRベット用アンテナ348cとからなる。
「Player 4」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340dとBANKERベット用アンテナ342dとTIEベット用アンテナ344dとPLAYER PAIRベット用アンテナ346dとBANKER PAIRベット用アンテナ348dとからなる。
「Player 5」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340eとBANKERベット用アンテナ342eとTIEベット用アンテナ344eとPLAYER PAIRベット用アンテナ346eとBANKER PAIRベット用アンテナ348eとからなる。
「Player 6」のアンテナ群は、PLAYERベット用アンテナ340fとBANKERベット用アンテナ342fとTIEベット用アンテナ344fとPLAYER PAIRベット用アンテナ346fとBANKER PAIRベット用アンテナ348fとからなる。
「Player 1」〜「Player 3」のアンテナ群は、第1のRFリーダ350に接続されている。「Player 4」〜「Player 6」のアンテナ群は、第2のRFリーダ360に接続されている。さらに、消去用アンテナ310、登録用アンテナ320及び参照用アンテナ330も第2のRFリーダ360に接続されている。このように、第1のRFリーダ350には、15個のアンテナが接続され、第2のRFリーダ360には、18個のアンテナが接続されている。後述するように、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360は、接続されているアンテナを選択的に切り替えて読み取り動作をする。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、LAN270に接続されている。上述した各種のアンテナによって読み取られたチップIDなどのチップ記憶情報は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360を介してLAN270に送信される。主制御装置210やゲーム用チップサーバ410は、LAN270を介して、チップIDなどのチップ記憶情報を受信し、ゲーム用チップ500の管理をすることができる。
<第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360>
図7は、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の構成を示すブロック図である。なお、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は同じ構成を有している。図7の説明では、代表として第1のRFリーダ350を説明する。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、ゲーム用チップ500の内部に設けられているICチップ510(図8参照)に記憶されたチップ記憶情報を無線通信によって読み取りを行う装置である。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、制御部352と送受信部354とを有する。送受信部354は、制御部352に接続されている。制御部352は、主制御装置210から発せられた命令を、LAN270を介して受け取る。制御部352は、受け取った命令に応じて送受信部354を駆動する。送受信部354は、駆動されることで、ICチップ510から発せられたチップ記憶情報を読み取る。制御部352は、読み取ったチップ記憶情報を、LAN270を介して主制御装置210に送信する。制御部352は、たとえば、CPU、ROM及びRAM(図示せず)を有するマイクロコンピュータによって構成される。
送受信部354は、変調部355と復調部356とを有する。変調部355は、制御部352から受け取った所定のコマンドやリクエストや命令などの情報に応じたべース信号でキャリア波を所定の変調方式で変調した変調波を生成する。復調部356は、ICチップ510が記憶しているチップ記憶情報に応じたべース信号に基づいて負荷変調された磁界を復調し、チップ記憶情報に応じたべース信号を取り出し制御部352に渡す。送受信部354は、たとえば、変調回路や復調回路を有するRFモジュールなどである。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、アンテナ切り替え部358を有する。第1のRFリーダ350には、15個のアンテナが選択的に接続され、第2のRFリーダ360には、18個のアンテナが選択的に接続されている。アンテナ切り替え部358は、制御部352に接続されている。制御部352は、選択すべきアンテナを示す選択制御信号をアンテナ切り替え部358に発する。アンテナ切り替え部358は、受信した選択制御信号が示すアンテナを選択する。ICチップ510のチップ記憶情報は、アンテナ切り替え部358によって選択されたアンテナにより読み取られ、アンテナ切り替え部358を介して送受信部354の復調部356に供給される。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360のアンテナ切り替え部358の動作を以下でより詳細に説明する。
第1のRFリーダ350には、「Player 1」のアンテナ群を構成する5個のアンテナと、「Player 2」のアンテナ群を構成する5個のアンテナと、「Player 3」のアンテナ群を構成する5個のアンテナとの計15個のアンテナが選択的に接続されている。上述したように、第1のRFリーダ350は、制御部352とアンテナ切り替え部358とを有する。第1のRFリーダ350の制御部352は、アンテナ切り替え部358が選択すべき1つのアンテナを示す選択制御信号をアンテナ切り替え部358に発する。アンテナ切り替え部358は、受信した選択制御信号が示す1つのアンテナを選択し、第1のRFリーダ350は、選択した1つのアンテナを用いてICチップ510のチップ記憶情報を読み取る。
同様に、第2のRFリーダ360には、「Player 4」のアンテナ群を構成する5個のアンテナと、「Player 5」のアンテナ群を構成する5個のアンテナと、「Player 6」のアンテナ群を構成する5個のアンテナとの計15個のアンテナが選択的に接続されている。上述したように、第2のRFリーダ360は、制御部352とアンテナ切り替え部358とを有する。第2のRFリーダ360の制御部352は、アンテナ切り替え部358が選択すべき1つのアンテナを示す選択制御信号をアンテナ切り替え部358に発する。アンテナ切り替え部358は、受信した選択制御信号が示す1つのアンテナを選択し、第2のRFリーダ360は、選択した1つのアンテナを用いてICチップ510のチップ記憶情報を読み取る。
第2のRFリーダ360には、「Player 4」〜「Player 6」のアンテナ群を構成する15個のアンテナのほかに、消去用アンテナ310と、登録用アンテナ320と、参照用アンテナ330との3つのディーラー用のアンテナが選択的に接続されている。第2のRFリーダ360の制御部352は、これらの3つのディーラー用のアンテナを選択するための選択制御信号もアンテナ切り替え部358に発する。第2のRFリーダ360の制御部352が、これらの3つのディーラー用のアンテナのうちの少なくとも1つのアンテナを選択するための選択制御信号をアンテナ切り替え部358に発するときには、第2のRFリーダ360の制御部352は、「Player 4」〜「Player 6」のアンテナ群を構成する15個のアンテナのいずれも選択しないように制御する。
また、第2のRFリーダ360の制御部352は、LAN270を介して第1のRFリーダ350に接続されている。第2のRFリーダ360の制御部352が、選択制御信号をアンテナ切り替え部358に発するときには、アンテナ禁止命令を第1のRFリーダ350に送信する。アンテナ禁止命令は、第1のRFリーダ350が、「Player 4」〜「Player 6」のアンテナ群を構成する15個のアンテナのいずれも選択しないように制御するための命令である。
このようにすることによって、第2のRFリーダ360の制御部352が、消去用アンテナ310と、登録用アンテナ320と、参照用アンテナ330との3つのディーラー用のアンテナのうちの少なくとも1つのアンテナを選択するときには、「Player 1」〜「Player 6」のアンテナ群を構成するアンテナのいずれも選択されることはない。このようにすることで、「Player 1」〜「Player 6」の計30個のアンテナが、ゲーム用テーブル100のチップ消去用領域やチップ登録用領域やチップ参照用領域に置かれたゲーム用チップ500を誤って読み取ることを防止し、消去用アンテナ310や登録用アンテナ320や参照用アンテナ330を使ったディーラーの操作の信頼性を高めることができる。特に、ディーラーがゲーム用チップ500をチップ消去用領域やチップ登録用領域やチップ参照用領域に移動させる最中に、「Player 1」〜「Player 6」を構成するアンテナが読み取ってしまうことを防止できる。
<ゲーム用チップ500>
ゲーム用チップ500は、カジノなどの遊技店で現金の代わりにディーラーや遊技者などの間でやり取りされる遊技媒体である。ゲーム用チップ500は、一般的には、樹脂などを円板状などに成形した媒体である。ゲーム用チップ500は、内部に埋設されたICチップ510を有する。
ICチップ510は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360から発せられた読み取り信号によって読み出し可能なチップ記憶情報を記憶している。なお、一般には、ICチップ510は、チップ記憶情報を読み書き可能に保持する。ICチップ510は、必要に応じて、記憶しているチップ記憶情報を読み出したり、チップ記憶情報を更新したりできるように構成されている。チップ記憶情報には、そのゲーム用チップ500を識別するためのチップID(たとえば、IDシリアルナンバー)が含まれる。
図8は、ICチップ510の構成を示す機能ブロック図である。ICチップ510は、メモリ512と、制御部514と、送受信部516と、アンテナ518とを有する。
メモリ512は、チップIDなどのチップ記憶情報を記憶する記憶装置である。制御部514は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360から発せられたコマンドやリクエストや命令などを解釈し、これに応答する動作を実行する。送受信部516は、変調部(図示せず)、復調部(図示せず)を有する。送受信部516は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360と無線によりチップ記憶情報などの各種の情報の送受信を行うために信号の変調/復調を行う。
アンテナ518は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360に接続された各種のアンテナからの変調波を受信する。受信した変調波によって送受信部516は給電される。アンテナ518は、送受信部516からの変調信号を受け取り、これを空中に放射する。空中に放射された変調信号は、上述したチップ読み取りアンテナ群300に受信され、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360に供給される。このようにすることで、ICチップ510に記憶されたチップ記憶情報は、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360によって読み取られる。
上述したメモリ512の所定の記憶領域には、チップIDなどのチップ記憶情報が記憶されている。アンテナ518を介してメモリ512の所定の記憶領域に記憶されているチップ記憶情報が読み取られる。また、メモリ512に、所定の記憶容量のセキュリティエリア(図18)を設け、セキュリティエリアにチップ記憶情報を記憶させてもよい。セキュリティエリアは暗号化されている。アンテナ518を介して制御部514にデータ送信要求信号が入力されると、制御部514はセキュリティエリアに記憶されているチップ記憶情報を、アンテナ518を介して出力する。チップ記憶情報は、ゲーム用チップの管理者やチップIDや金額情報などのそのゲーム用チップが特徴付けられる各種の情報である。第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360は、ゲーム用チップ500から取得したチップ記憶情報と、チップデータベースに予め記憶されているチップ管理情報とを照合する。このようにデータが適切であるか否かを処理するために、ゲーム用チップ500のICチップ510として、I.CODE-SLI(Phillips Semiconductors社製、ISO 15693準拠、ユーザーメモリ容量は112バイト)の無線ICチップを採用している。たとえば、所定金額以上のゲーム用チップ500のメモリ512は、セキュリティエリアを設けてチップ記憶情報を保護することができる。
セキュリティエリアが存在しない高額ゲーム用チップ500は、改造や偽造等の不正な行為がなされた不正なゲーム用チップ500であると容易に判別できる。また、高額ゲーム用チップ500が不正に入手されて解析されるような場合があっても、セキュリティエリアは暗号化されて保護されているので、セキュリティエリアの解析を困難にして、改造や偽造等の不正な行為を未然に防止することができる。
<第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の動作>
図6に示すように、第1のRFリーダ350には15個のアンテナが接続され、第2のRFリーダ360には18個のアンテナが接続されている。
すなわち、第1のRFリーダ350にはPLAYERベット用アンテナ340a〜340c、BANKERベット用アンテナ342a〜342c、TIEベット用アンテナ344a〜344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346c及びBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cの15個のアンテナが接続されている。また、第2のRFリーダ360にはPLAYERベット用アンテナ340d〜340f、BANKERベット用アンテナ342d〜342f、TIEベット用アンテナ344d〜344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346f、BANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348f、消去用アンテナ310、登録用アンテナ320及び参照用アンテナ330の18個のアンテナが接続されている。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の読み取りの動作は、ゲームの開始時、すなわち、遊技者がゲーム用チップをベットするときにおける動作と、ゲームの終了時、すなわち、ディーラーが配当分のゲーム用チップを遊技者に渡すとき(ペイアウト時)の動作とは異なる。
まず、遊技者がゲーム用チップをベットするときにおける第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の読み取りの動作は、以下の通りである。
<ゲーム開始時における動作>
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、1個ずつアンテナを時系列的に順次読み取る。たとえば、第1のRFリーダ350は、原則として、「Player 1」についてPLAYERベット用アンテナ340a、BANKERベット用アンテナ342a、TIEベット用アンテナ344a、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a、BANKER PAIRベット用アンテナ348aの順に読み取る。次に、「Player 2」についてPLAYERベット用アンテナ340b、BANKERベット用アンテナ342b、TIEベット用アンテナ344b、PLAYER PAIRベット用アンテナ346b、BANKER PAIRベット用アンテナ348bの順に読み取る。最後に、「Player 3」についてPLAYERベット用アンテナ340c、BANKERベット用アンテナ342c、TIEベット用アンテナ344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346c、BANKER PAIRベット用アンテナ348cの順に読み取る。
同様に、第2のRFリーダ360は、原則として、「Player 4」についてPLAYERベット用アンテナ340d、BANKERベット用アンテナ342d、TIEベット用アンテナ344d、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d、BANKER PAIRベット用アンテナ348dの順に読み取る。次に、「Player 5」についてPLAYERベット用アンテナ340e、BANKERベット用アンテナ342e、TIEベット用アンテナ344e、PLAYER PAIRベット用アンテナ346e、BANKER PAIRベット用アンテナ348eの順に読み取る。最後に、「Player 6」についてPLAYERベット用アンテナ340f、BANKERベット用アンテナ342f、TIEベット用アンテナ344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346f、BANKER PAIRベット用アンテナ348fの順に読み取る。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、同時に読み取りを順次行う。したがって、たとえば、アンテナの各々で読み取る時間が同じである場合には、第1のRFリーダ350の読み取り動作と第2のRFリーダ360の読み取り動作とは、同期する。具体的には、第1のRFリーダ350がPLAYERベット用アンテナ340aを読み取っているときには、第2のRFリーダ360はPLAYERベット用アンテナ340dを読み取っている。また、第1のRFリーダ350がTIEベット用アンテナ344cを読み取っているときには、第2のRFリーダ360はTIEベット用アンテナ344fを読み取っている。このように、アンテナの各々で読み取る時間が同じである場合には、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とが同期しつつアンテナを順次読み取ることができる。
上述したように、6個のPLAYERベット用アンテナ340a〜340fや、6個のBANKERベット用アンテナ342a〜342fや、6個のTIEベット用アンテナ344a〜344fや、6個のPLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346fや、6個のBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348fは、互いに隣り合うアンテナの距離がおおよそ同じになるようにゲーム用テーブル100に設けられている。このように、遊技者がゲーム用チップをベットするときには、遊技者がゲーム用チップをどのベット領域に置くかが不明であるので、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とが同期しつつ全てのベット領域に対応するアンテナを順次読み取るようにした。第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とを上述したように動作させることで、第1のRFリーダ350で読み取るアンテナと第2のRFリーダ360で読み取るアンテナとの距離を常に所定の間隔以上にでき、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とで同時に読み取り動作をしても干渉が生じにくくでき、アンテナを的確に読み取ることができる。
<ゲーム終了時(ペイアウト時)における動作>
上述したように、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の読み取りの動作は、ゲームの開始時における動作とゲームの終了時における動作とは異なる。ゲームの終了時、すなわち、ディーラーが配当分のゲーム用チップを遊技者に渡すとき(ペイアウト時)における第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の読み取りの動作は、以下の通りである。
ペイアウト時には、既にゲームが終了してゲーム結果が確定しているので、ディーラーが配当分のゲーム用チップを置いたベット領域は既に決定している。したがって、ゲーム結果に応じて必要になったベット領域のみを読み取ればよい。すなわち、必要になったベット領域に対応したアンテナのみを順次選択して、そのベット領域に置かれたゲーム用チップを読み取ればよい。このようにしたことで、ゲーム開始時のように、全てのベット領域の各々に対応したアンテナの全てを順次読み取る必要はなく、短時間で読み取りを終了させることができる。したがって、配当分のゲーム用チップの金額の計算などのペイアウト時に必要な処理の全体を早く済ませることができる。
ディーラーがタッチパネル装置152を操作することによって、各種のベット領域に置かれたゲーム用チップ500のチップIDは、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360により、ベット領域に対応して設けられたアンテナを介して読み取られる。読み取られたチップIDは、LAN270を介してゲーム用チップサーバ410に送信される。チップIDをゲーム用チップサーバ410に送信することで、そのゲーム用チップ500のチップ管理情報を問い合せることができる。問い合せられたチップ管理情報によって、ゲーム用チップ500が適正なものであるか否かを判断することができる。チップ管理情報は、主制御装置210に送信され、ゲーム用チップ500が適正なものであるか否かの判断結果がディーラー用ディスプレイ150に表示される。
チップ管理情報は、有効・無効情報、ロック情報、遊技者情報及び額面金額情報などのゲーム用チップ500に関する各種の情報からなる。
有効・無効情報は、ゲーム用チップ500がその遊技店における有価価値を有しているか否かを示す情報である。ゲーム用チップ500が有効化されているときには、遊技店での有価価値を有している状態である。ゲーム用チップ500が無効化されているときには、遊技店での有価価値を有していない状態である。ゲームを行うためにディーラーから渡されたゲーム用チップ500や、配当としてディーラーから渡されたゲーム用チップ500は、ディーラーによって有効化処理がされている。また、ゲームに負けてディーラーに回収されたときに、チップ遊技用は無効化される。さらに、キャッシャーにてゲーム用チップ500を現金に交換したときにも無効化される。
有効・無効情報を含むチップ管理情報は、ゲーム用チップサーバ410に記憶されている。したがって、有効・無効情報を変更するときは、ゲーム用チップ500のチップIDと有効・無効情報を変更する情報とを主制御装置210からゲーム用チップサーバ410に送信し、ゲーム用チップサーバ410は、有効・無効情報を変更する情報を受信して、有効・無効情報をチップIDに対応付けて更新する。
ロック情報は、そのゲーム用チップ500がロックされているか否かを示す情報である。ゲーム用チップ500がロックされたときには、有効・無効情報や遊技者情報などのチップ管理情報の変更を禁止する。すなわち、ゲーム用チップ500がロックされたときには、ゲーム用チップ500を有効化したり又は無効化したりする変更ができない。同様に、ゲーム用チップ500がロックされたときには、遊技者情報を変更できない。
ゲーム用テーブル100でゲームが行われているときに、ゲーム用チップ500をロックする。具体的には、以下の通りである。まず、遊技者がゲーム用チップ500を単に所持しているときには、ゲーム用チップ500は有効化されているとともにロックも解除されている。さらに、ゲームを始めるために遊技者がゲーム用チップ500を所望するベット領域に置く時点でも、ゲーム用チップ500はロックされていない。その後、遊技者によるベットが終了してゲームが始まるときに、ゲーム用チップ500はロックされる。ゲームが始まったときには、ディーラーがタッチパネル装置152などを操作してゲームが始まったことが主制御装置210に入力される。ゲーム用チップ500のロックは、このゲームが始まったことが主制御装置210に入力されたことに応じて行われる。このように、ゲームが始まるときにゲーム用チップ500はロックされるので、ゲームが行われている間では、有効・無効情報は更新できず、ゲーム用チップ500の有効化された状態が維持される。
次に、ゲームが終了したときには、ディーラーがタッチパネル装置152などを操作してゲームが終了したことが主制御装置210に入力される。ゲーム用チップ500のロックの解除は、このゲームが終了したことが主制御装置210に入力されたことに応じて行われる。
このように、ゲーム用テーブル100でゲームが行われているときに、ゲーム用チップ500をロックする。このようにしたことで、ゲーム中にゲーム用チップ500がすり替えられるようなことがあっても、ロック情報によって有効・無効情報が維持されているので、そのままではゲーム用チップ500を使用することできない。また、ロックされているゲーム用チップ500を使用した場合には、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、ゲーム用チップ500は、無効化されたときにもロックされる。たとえば、ゲームが終わってディーラーに回収されて、ゲーム用チップ500が無効化されたときには、同時にロックされ、無効化された状態を維持できる。このようにすることで、回収されたゲーム用チップ500を不正に用いることを困難にできる。無効化されたゲーム用チップ500やロックされたゲーム用チップ500は、ゲームに使用したり現金化したりすることはできない。
ロック情報も、ゲーム用チップサーバ410に記憶されている。したがって、ロック情報を変更するときには、ゲーム用チップ500のチップIDとロック情報を変更する情報とを主制御装置210からゲーム用チップサーバ410に送信し、ゲーム用チップサーバ410は、ロック情報を変更する情報を受信して、ロック情報をチップIDに対応付けて更新する。
遊技者情報は、その時点でゲーム用チップ500を所有している遊技者を示す情報である。遊技者情報は、遊技者IDを含む情報である。上述したように、遊技者IDは、遊技者が所有するIDカードに記憶されている。ICカードリーダ/ライタ252によってIDカードを読み取ることにより遊技者IDを取得することができる。このようにすることで、ゲーム用チップ500と遊技者とを紐付けることができ、ゲーム用チップ500に対応する遊技者を管理することができる。
額面金額情報は、そのゲーム用チップ500の有価価値を示す額面金額の情報である。額面金額情報は、ゲーム用チップ500の各々で一定に定まっている情報であり、ゲーム用チップサーバ410で額面金額情報が更新されることはない。額面金額情報は、参照などのために、ゲーム用チップサーバ410から読み出される。
上述した例では、ゲーム用チップサーバ410にチップ管理情報を記憶する場合を示したが、ゲーム用チップ500にチップ記憶情報のほかにチップ管理情報も記憶させるようにしてもよい。この場合には、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の代わりに、読み書きできるリーダ/ライタを用いればよい。このようにすることで、ゲーム用チップサーバ410に記憶させたチップ管理情報とゲーム用チップ500に記憶させたチップ管理情報とを比較することができ、不正行為が行われたか否かをより容易に判断することができる。
<ゲーム用チップ500の払出し(ゲーム用チップ500の有効化)>
ゲーム用チップ500の払出しは、最初に、「Player 1」のPLAYERベット用アンテナ340a、BANKERベット用アンテナ342a、TIEベット用アンテナ344a、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a、BANKER PAIRベット用アンテナ348aの順に行う。次に、「Player 2」のアンテナについて同様の順番で行い、「Player 3」、「Player 4」、「Player 5」、「Player 6」の順に行う。
具体的な動作は、まず、ディーラーは、チップトレイ610から配当分のゲーム用チップ500(無効化された状態のゲーム用チップ500)を取り出す。次に、ディーラーは、ゲームに勝ったベットのベット領域にゲーム用チップ500を置く。置かれたゲーム用チップ500を読み取り、読み取ったゲーム用チップ500の配当金額と、主制御装置210が計算した配当金額と同額であるときには、そのチップを有効化するとともにロックの解除を行う。
<<ゲームの概略>>
図5は、ゲーム用テーブル100で行われるゲームの概略を示すフローチャートである。このフローチャートは、ゲームの進行を示すものであるので、ディーラーや遊技者の動作と、制御装置200の動作との双方が含まれている。具体的には、以下に示すステップS511、S513、S519、S523、S529及びS533がディーラーや遊技者の動作を示す処理である。
最初に、遊技者によるベットの受付が開始される(ステップS511の「遊技者BET受付開始」)。このベットの受付には、現金(ICカード)からゲーム用チップ500の交換やゲーム用チップ500の両替等の動作も含まれる。遊技者が所望するベット領域に所望する有価価値のゲーム用チップ500を置くとベットの受付が終了する(ステップS513の「遊技者BET受付終了」)。これ以降、ベットの追加や変更は禁止される(図5の「No more BET」)。
ディーラーは、ベットの受付が終了したことを遊技者に伝えて、ベット領域に置かれたゲーム用チップ500の読み取りを開始する(ステップS515の「BETチップのロード」)。全てのベット領域の読み取りをしたか否かを判断する(ステップS517の「無効チップあるか?」)。全てのベット領域の読み取りをしていない場合には、残りのベット領域に置かれたゲーム用チップ500を読み取る(ステップS515)。
全てのベット領域の読み取りをした場合には、ゲームが開始される(図5の「START GAME」)。まず、ディーラーによってプレイングカード(カード)が所定の位置に配置される(ステップS519の「トランプのディール」)。ゲーム用テーブル100は、バカラ用のテーブルであり、「PLAYER」領域と「BANKER」領域とにプレイングカードが配置される。
上述したように、プレイングカードが配置されるときには、カード識別用シュー120の開口から1枚ずつカードが取り出される。そのとき、スキャナによってカードの画像が読み取られ、取り出されたカードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容が第1副制御装置220に記憶される。
また、カード識別カメラ110によって、配置されたプレイングカードが撮影されており、配置されたカードの数値やスートの種類を示すマークなどカードの内容が第3副制御装置240に記憶される。
主制御装置210は、第1副制御装置220に記憶されているカードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容と、第3副制御装置240に記憶されているカードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容とを比較する(ステップS521の「トランプの識別あっているか?」)。比較結果は、ディーラー用ディスプレイ150に表示される。ディーラーは、その比較結果を視認して、一致しているか否かを認識する。一致していない場合には、ディーラーの操作によって、適切なカードの内容に変更される(ステップS523の「トランプの識別修正」)。
一致している場合、又は適切なカードの内容に変更されたときには、ゲームの結果が確定される(ステップS525の「ゲーム結果確定」)。そのゲームの結果に応じて、ゲームに負けた遊技者のゲーム用チップ500が無効化される(ステップS527の「負けたチップの無効化」)。この処理は、負けた遊技者のゲーム用チップ500のチップIDと無効化すべき情報とをゲーム用チップサーバ410に送信して、ゲーム用チップサーバ410に記憶されているチップ管理情報を更新する処理である。
次に、ゲームに負けた遊技者のゲーム用チップ500が回収される(ステップS529の「負けた遊技者のBET回収」)。ゲームに負けた全ての遊技者のゲーム用チップ500を回収したか否かを判断する(ステップS531の「回収終了?」)。
次に、ゲームに勝った遊技者にゲーム用チップ500を配当して渡す(ステップS533の「勝った遊技者へ配当」)、ゲームに勝った遊技者に渡すゲーム用チップ500の有価価値が配当と一致するか否かを判断する(ステップS535の「配当一致?」)。この判断は、参照用アンテナ330に遊技者に渡そうとするゲーム用チップ500を読み取らせて、主制御装置210が配当と一致するか否かを判断する処理である。配当と一致するときには、参照用アンテナ330で読み取らせたゲーム用チップ500が、ゲームに勝った遊技者に渡すべきゲーム用チップ500であるので、登録用アンテナ320によって、それらのゲーム用チップ500を有効化し(ステップS537の「配当チップを有効処理」)、ゲームに勝った遊技者にゲーム用チップ500を配当して渡す。
ゲーム用チップ500の有効化の処理は、ゲーム用チップ500のチップIDと有効化すべき情報とをゲーム用チップサーバ410に送信して、ゲーム用チップサーバ410に記憶されているチップ管理情報を更新する処理である。
ゲームに勝った全ての遊技者への配当が終了したか否かを判断する(ステップS539の「全遊技者終了?」)。全ての遊技者への配当が終了していない場合には、ディーラーによって配当処理が続けられる(ステップS533)、全ての遊技者への配当が終了したときには、ゲームを終了する(図5の「ゲーム終了」)。
<<コリジョン処理>>
図10は、コリジョン処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、主制御装置210のCPUは、チップIDテーブルに記憶されている全てのチップIDをチップIDテーブルから読み出す(ステップS1011)。
図9は、チップIDテーブルの例を示す図である。PLAYERベット用アンテナ340a〜340c、BANKERベット用アンテナ342a〜342c、TIEベット用アンテナ344a〜344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346c及びBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cの15個のアンテナを第1のRFリーダ350で読み出した結果と、PLAYERベット用アンテナ340d〜340f、BANKERベット用アンテナ342d〜342f、TIEベット用アンテナ344d〜344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346f、BANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348fの15個のアンテナを第2のRFリーダ360で読み出した結果とが、チップIDテーブルとして記憶される。
チップIDテーブルには、これらの30個のアンテナで読み出したゲーム用チップ500のチップIDが全て記憶される。単一のアンテナで複数のゲーム用チップ500を検出した場合、すなわち、単一のベット領域に複数のゲーム用チップ500が置かれてベットされた場合には、検出したすべてのゲーム用チップ500のチップIDがチップIDテーブルの対応する領域に記憶される。
チップIDテーブルは、主制御装置210のRAMの所定の領域に記憶されている。第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360によって読み取られた結果は、LAN270を介して主制御装置210に送信される。また、チップIDテーブルに、チップIDだけでなく、ゲーム用チップ500に記憶されているチップ記憶情報を記憶させてもよい。これらの各種の情報によって、ゲーム用チップ500を管理することができる。
なお、第1のRFリーダ350のRAM(図示せず)に、PLAYERベット用アンテナ340a〜340c、BANKERベット用アンテナ342a〜342c、TIEベット用アンテナ344a〜344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346c及びBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cの15個のアンテナ分のチップIDテーブルを記憶させ、第2のRFリーダ360のRAM(図示せず)に、PLAYERベット用アンテナ340d〜340f、BANKERベット用アンテナ342d〜342f、TIEベット用アンテナ344d〜344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346f及びBANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348fの15個のアンテナ分のチップIDテーブルを記憶させるようにしてもよい。第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360で別個にチップIDなどのチップ記憶情報を管理することができる。
図10のフローチャートの説明では、チップ読み取りアンテナ群300を構成する各々のアンテナを単にアンテナと称する。
次に、主制御装置210のCPUは、異なるアンテナに同じチップIDが登録されているか否かを判断する(ステップS1013)。アンテナの各々は、異なるベット領域に対応するようにゲーム用テーブル100の裏側に設けられている。したがって、原則、アンテナが異なれば、異なるチップIDが登録され、同じチップIDが登録されることはない。しかしながら、2つのベット領域の間の位置にゲーム用チップ500が置かれるような場合もある。このような場合には、これらの2つのベット領域に対応した2つのアンテナに同じチップIDが登録される可能性が高くなる。ステップS1013の判断処理は、このような状態を判断するための処理である。
主制御装置210のCPUは、異なるアンテナに同じチップIDが登録されていないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
主制御装置210のCPUは、異なるアンテナに同じチップIDが登録されていると判別したときには(YES)、異なるアンテナに同じチップIDが登録されていることを示すメッセージをディーラー用ディスプレイ150に表示する(ステップS1015)。ディーラーは、表示されたメッセージを視認したときには、該当するゲーム用チップ500を置いた遊技者にその旨を伝え、遊技者にゲーム用チップ500を置き直してもらう。
次に、主制御装置210のCPUは、再度、アンテナを介してチップIDを読み取り直し(ステップS1017)、読み取ったチップIDでチップIDテーブルを更新し(ステップS1019)、上述したステップS1011に処理を戻す。
この後、異なるアンテナに同じチップIDが登録されていなければ、ゲーム用チップ500が適切なベット領域に置かれてベットされたことになり、本サブルーチンを終了する。
<<アンテナ動的選択処理>>
図11は、アンテナ動的選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。上述したように、チップ読み取りアンテナ群300のうち、遊技者がベットをするときに使うアンテナは、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348とである。
第1のRFリーダ350にはPLAYERベット用アンテナ340a〜340c、BANKERベット用アンテナ342a〜342c、TIEベット用アンテナ344a〜344c、PLAYER PAIRベット用アンテナ346a〜346c及びBANKER PAIRベット用アンテナ348a〜348cの15個のアンテナが接続されている。また、第2のRFリーダ360には、遊技者がベットをするときに使うアンテナとして、PLAYERベット用アンテナ340d〜340f、BANKERベット用アンテナ342d〜342f、TIEベット用アンテナ344d〜344f、PLAYER PAIRベット用アンテナ346d〜346f及びBANKER PAIRベット用アンテナ348d〜348fの15個のアンテナが接続されている。
第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、1個ずつアンテナを時系列的に順次読み取る。アンテナの各々で読み取る時間が同じである場合には、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とを同期させて読み取り動作をさせることができる。しかしながら、遊技者によってベットされるゲーム用チップ500の数は、複数のベット領域において、不均一に置かれることが多い。したがって、あるベット領域の読み取り時間が長くなったような場合には、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とを同期させて読み取り動作をさせることが困難になることが想定される。
この図11に示したアンテナ動的選択処理は、読み取り動作のために選択するアンテナを動的に適宜変更して、アンテナの読み取り動作を全体的に迅速かつ円滑に処理するためのものである。
図11に示したフローチャートは、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で実行される。第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とは、LAN270を介して接続されており、自身の状態を示す情報を互いに伝えることができる。図11に示したフローチャートのプログラムは、上位のアプリケーションプログラムと並行して動作できる。上位のアプリケーションプログラムからアンテナの読み出し動作が指定され、図11に示したフローチャートを実行することによって、その読み出し結果が上位のアプリケーションプログラムに伝えられる。上位のアプリケーションプログラムは、主制御装置210で実行されるのが好ましい。読み出し動作の指定や読み出し結果などの各種の情報が、LAN270を介して、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360と主制御装置210との間で通信される。また、上位のアプリケーションプログラムは、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360で実行されてもよい。
以下の図11の説明においては、RFリーダを単にリーダと称する。また、自身のリーダ及び他のリーダは、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とのうちのどちらでもよい。第2のRFリーダ360に消去用アンテナ310、登録用アンテナ320及び参照用アンテナ330が接続されている点を除き、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との構成及び機能は全く同じである。たとえば、自身のリーダが第1のRFリーダ350であるときには、他のリーダは、第2のRFリーダ360であり、自身のリーダが第2のRFリーダ360であるときには、他のリーダは、第1のRFリーダ350である。第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で、図11に示したフローチャートが同時に実行されている。
最初に、リーダのCPUは、自身のリーダ用のリクエストFIFOが空であるか否かを判断する(ステップS1111)。リクエストFIFOは、第1のRFリーダ350や第2のRFリーダ360のRAM(図示せず)の所定の範囲の記憶領域に定められている。リーダのCPUが、自身のリーダ用のリクエストFIFOが空であると判別したときには(YES)、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、リーダのCPUが、自身のリーダ用のリクエストFIFOが空でないと判別したときには(NO)、自身のリーダ用のリクエストFIFOから先頭の記憶領域に記憶されているアンテナ番号を読み出す(ステップS1113)。ここで、アンテナ番号は、PLAYERベット用アンテナ340と、BANKERベット用アンテナ342と、TIEベット用アンテナ344と、PLAYER PAIRベット用アンテナ346と、BANKER PAIRベット用アンテナ348によって構成される計30個のアンテナの各々を識別するための番号である。
次に、リーダのCPUは、相互検査領域への書き込みが禁止されているか否かを判断する(ステップS1115)。相互検査領域は、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方が情報を読んだり書き込んだりできる領域である。この相互検査領域は、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方のRAMの所定の領域に定められている。互いに参照する情報であるので、第1のRFリーダ350における相互検査領域が変更されたときには、LAN270を介して、直ちに、第2のRFリーダ360における相互検査領域も変更するようにし、逆に、第2のRFリーダ360における相互検査領域が変更されたときには、LAN270を介して、直ちに、第1のRFリーダ350における相互検査領域も変更するようにされている。なお、相互検査領域を主制御装置210のRAMの所定の領域に定めるようにしてもよい。
リーダのCPUは、相互検査領域への書き込みが禁止されていると判別したときには(YES)、ステップS1115に処理を戻す。
一方、リーダのCPUは、相互検査領域への書き込みが禁止されていないと判別したときには(NO)、他のリーダの相互検査領域への読み書きを禁止し(ステップS1117)、相互検査領域に書き込まれている情報を読み出す(ステップS1119)。相互検査領域に書き込まれている情報が、他のリーダが読み出していることを示す情報であるか否かを判断する(ステップS1121)。
リーダのCPUは、相互検査領域に書き込まれている情報が、他のリーダが読み出していることを示す情報でないとき(NO)、すなわち、他のリーダが読み出していない状態であるときには、自身のリーダがアンテナを読み出し動作をしていることを示す情報を相互検査領域に書き込む(ステップS1123)。ついで、リーダのCPUは、他のリーダの相互検査領域への読み書きを許可する(ステップS1125)。
次に、リーダのCPUは、ステップS1113の処理で読み出したアンテナ番号が示すアンテナの読み取り動作を実行する(ステップS1127)。
次に、リーダのCPUは、相互検査領域ヘの読み書きが禁止されているか否かを判断する(ステップS1129)。リーダのCPUは、相互検査領域ヘの読み書きが禁止されていると判別したときには(YES)、ステップS1129に処理を戻す。
一方、リーダのCPUは、相互検査領域ヘの読み書きが禁止されていないと判別したときには(NO)、他のリーダの相互検査領域ヘの読み書きを禁止し(ステップS1131)、自身のリーダが読み出し動作をしていないことを示す情報を相互検査領域に書き込み(ステップS1133)、他のリーダの相互検査領域ヘの読み書きを許可する(ステップS1135)。
ついで、リーダのCPUは、読み取り動作を終了したアンテナ番号を自身のリーダ用のリクエストFIFOから削除し(ステップS1137)、ステップS1111に処理を戻す。
上述したステップS1121の判断処理で、リーダのCPUは、相互検査領域に書き込まれている情報が、他のリーダが読み出していることを示す情報であるとき(YES)、すなわち、他のリーダが読み出している状態であるときには、同時アクセス禁止リストを読み出す(ステップS1139)。
同時アクセス禁止リストは、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360とが同時にアクセスすることが禁止されているアンテナの組合せを示すデータである。具体的には、第1のRFリーダ350が選択して読み取り動作をしようとしているアンテナと、第2のRFリーダ360が選択して読み取り動作をしようとしているアンテナとの組合せが、不適切である場合には、同時アクセス禁止リストによって、そのアンテナの組合せが同時に選択されて読み取り動作をすることを禁止する。
この同時に読み取り動作をすることを禁止するのは、同時にアクセスすることで干渉が生じ、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で的確に読み取ることができなくなることを防止するためである。たとえば、同時にアクセスすることが禁止されているアンテナの組合せは、互いの距離が所定の距離以下で配置されているアンテナによって定められる。所定の距離以下で配置されているアンテナを同時にアクセスすると干渉が生じやすくなるからである。さらに、同時にアクセスすることを禁止するアンテナの組合せは、距離だけで定めるのではなく、アンテナの特性やアンテナの向きや大きさなどの各種の特徴で定めてもよい。この同時アクセス禁止リストを参照して、アンテナを選択することによって、アンテナ間で干渉が生じることを防止して、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で同時に的確に読み取ることができる。
リーダのCPUは、ステップS1139の処理で読み出した同時アクセス禁止リストから同時に読み出すことができるアンテナ同士であるか否かを判断する(ステップS1141)。他のリーダも同様に、この図11に示したサブルーチンを実行しており、他のリーダのCPUが図11の処理を実行することにより、読み取り動作をすべきアンテナ番号を読み出している。
次に、リーダのCPUは、他のリーダの相互検査領域ヘの読み書きを許可する(ステップS1143)。
次に、リーダのCPUは、今回読み出し動作をすることができなかったアンテナ番号を、自身のリーダ用のリクエストFIFOの最後に移動させて、リクエストFIFOを更新し(ステップS1145)、ステップS1113に処理を戻す。
この図11に示したサブルーチンを実行することによって、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で、同時にアンテナの読み取り動作をさせることができるともに、干渉が生ずるなどの不適切なアンテナが選択されることを未然に防止することができる。このようにすることで、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360との双方で同時に的確に読み取ることができる。
また、読み取り動作を禁止されたアンテナは、読み取り動作の順番の最後に変更されるので、アンテナを動的に選択することができ、読み取り動作に要する時間を短縮することができる。
<アンテナ動的選択処理の具体例>
以下では、上述したアンテナ動的選択処理の具体例を説明する。なお、以下では、簡単のために、第1のRFリーダ350には、3つのアンテナa,b及びcが接続され、第2のRFリーダ360には、3つのアンテナA,B及びCが接続されているものとする。
また、同時アクセス禁止リストの具体例として、アンテナaに対してアンテナAは同時アクセス禁止とし、アンテナbに対してアンテナA,Bが同時アクセス禁止とし、アンテナcに対してはアンテナA,B,Cが同時アクセス禁止とする。近接したアンテナを同時に駆動すると相互に干渉してチップの読み取りが困難になるので、このような同時アクセス禁止リストを用いる。
図11に示したフローチャートの上位のアプリケーションプログラムは、アンテナと第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360の間の接続情報は持っていないので、上位のアプリケーションプログラムは、単純にa,b,c,A,B,Cの読み出し依頼を順番に発行する。上位のアプリケーションプログラムは、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360からの結果を待たずに他の処理を実行する。第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360からの結果は、その後、読み取り処理が終了したアンテナから随時上位のアプリケーションプログラムにもたらされる。
アンテナ読み出し依頼制御プログラムは、第1のRFリーダ350と第2のRFリーダ360にリクエストをふりわけ、それぞれのリクエスト待ち行列(FIFO)に依頼アンテナ番号を記憶させる。この例の場合には、第1のRFリーダ350のリクエストFIFO=a,b,cとなり、第2のRFリーダ360のリクエストFIFO=A,B,Cとなる。
まず、第1のRFリーダ350は、リクエストFIFOからアンテナaを取り出す(ステップS1113)。第2のRFリーダ360との相互検査領域を調べ(ステップS1115)、第2のRFリーダ360がアンテナ読み出しを実行していないことを確認すると(ステップS1121)、第2のRFリーダ360との相互検査領域に「現在アンテナaを読み出し中」いう情報を書き込む(ステップS1123)。相互検査領域を調べるところから書き込むところまで、第2のRFリーダ360からの相互検査領域への読み書きを禁止する(ステップS1117及びステップS1125)。
次に、第2のRFリーダ360は、リクエストFIFOからアンテナAを取り出し(ステップS1113)、相互検査領域を読み書き禁止にして(ステップS1117)から調べようと試みる(ステップS1121)。しかし、第1のRFリーダ350によって先に読み書き禁止にされている(ステップS1117)ので、読み書き禁止制御が失敗し、待ち状態になる(ステップS1115)。
第1のRFリーダ350が、相互検査領域の読み書き禁止状態を解除すると(ステップS1125)、第2のRFリーダ360は待ち状態が解除され、相互検査領域を読み書き禁止にして(ステップS1117)、調べる(ステップS1121)。
すると、第1のRFリーダ350が「現在アンテナaを読み出し中」という情報が得られるので、第2のRFリーダ360は、同時アクセス禁止リストと照合し(ステップS1139)、アンテナAを読み出すことができない。
次に、第2のRFリーダ360は、リクエストFIFOにアンテナAを戻し(ステップS1145)、次のリクエストを取り出す(ステップS1113)。
この時点で、第1のRFリーダ350のリクエストFIFOは、b,cであり、第2のRFリーダ360のリクエストFIFOは、B,C,Aである。
第2のRFリーダ360の次のリクエストのアンテナBについて、第1のRFリーダ350の読み出し中のアンテナがaであることを知った第2のRFリーダ360は相互検査領域に「現在アンテナBを読み出し中」いう情報を書き込む(ステップS1123)。
第1のRFリーダ350は、アンテナaによってゲーム用チップ500を読み取り(ステップS1127)、第2のRFリーダ360は、アンテナBによってゲーム用チップ500を読み取る(ステップS1127)。
次に、読み出しを終了した第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360は、同様の処理を実行して、「読み出しアンテナなし」という情報を相互検査領域に書き込む(ステップS1133)。
リクエストFIFOにリクエストが存在する限り、上述した処理を繰り返す。各アンテナに置かれたゲーム用チップ500の数が均一で、読み出し時間のばらつきがない場合には、アンテナの読み取り動作は、(a,B)、(b,C)、(c,−)、(A,−)の順に進む。カッコ内のアンテナが同時にアクセスされる。カッコ内の左側が、第1のRFリーダ350の読み取りを示し、カッコ内の右側が、第2のRFリーダ360の読み取りを示す。
図11に示したような動的スケジューリングがない場合には、第1のRFリーダ350がアンテナaを読み出すと、第2のRFリーダ360はアンテナAを読めないので、第2のRFリーダ360は、第1のRFリーダ350がアンテナaを読み終わるのを待つ。さらに、第2のRFリーダ360がアンテナAを読み始めると、第1のRFリーダ350は次にリクエストされたアンテナbが読めないので、第1のRFリーダ350は、第2のRFリーダ360がアンテナAを読み終わるのを待つことになる。結局、単一のRFリーダで6つのアンテナa,b,c,A,B,Cを順に読み出したのと同じ時間を要することになる。
さらに、上述したように、第2のRFリーダ360には15個の遊技者用のアンテナとは別に、ディーラー用アンテナである3つの消去用アンテナ310、登録用アンテナ320及び参照用アンテナ330が接続されており、これらの3つのアンテナは、随時読み出しが行われている。これらの消去用アンテナ310、登録用アンテナ320及び参照用アンテナ330にも同時アクセス禁止リストが設定されている。遊技者用のアンテナの読み出しリクエストが発行されたときに、これらのディーラー用アンテナを読み取り途中の場合があり、その場合ディーラー用アンテナもスケジューリング対象となる。
<<チップデータベースアクセス処理>>
図12は、チップデータベースにアクセスする処理を示すサブルーチンである。ゲーム用チップ500を読み取った後、チップデータベースにアクセスして、読み取ったゲーム用チップ500のチップ管理情報を取得するための処理である。この図12に示したサブルーチンは、主に、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360によって実行される。なお、この図12に示したサブルーチンを、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360以外の主制御装置210などの制御装置で実行してもよい。いずれにしても、LAN270を介してゲーム用チップサーバ410にアクセスできる制御装置ならばよい。
この図12に示したサブルーチンは、上述した図11に示したアンテナ動的選択処理のサブルーチンと同時に実行され、たとえば、並行処理によって実行される。図11に示したアンテナ動的選択処理によって、「Player 1」〜「Player 6」のアンテナ群を構成する計30個のアンテナにより、ゲーム用テーブル100の各種のベット領域に置かれたゲーム用チップ500のチップ記憶情報が順次読み取られる。具体的には、図11のステップS1127の処理で、リーダのCPUによって読み取り動作が実行され、ゲーム用チップ500のチップ記憶情報、たとえば、チップIDが順次読み取られる。ステップS1127では、読み取られたチップIDを、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のRAM(図示せず)に記憶する処理も実行する(図示せず)。このようにして、ゲーム用テーブル100に置かれたゲーム用チップ500のチップIDを取得して記憶させることができる。
最初に、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のCPUは、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のRAMに記憶されたチップIDが示すゲーム用チップ500のうち、チップ管理情報を取得していないチップが存在するか否かを判断する(ステップS1211)。第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のCPUは、チップ管理情報を取得していないチップが存在しないと判別したとき(NO)、すなわち、全てのチップに対してチップ管理情報を取得したと判別したときには、本サブルーチンを直ちに終了する。
一方、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のCPUは、チップ管理情報を取得していないチップが存在すると判別したとき(YES)、すなわち、全てのチップに対してチップ管理情報を未だに取得していないと判別したときには、チップIDをゲーム用チップサーバ410に送信し、ゲーム用チップサーバ410に記憶されているチップデータベースにアクセスする(ステップS1213)。このステップS1213の処理によって、ゲーム用チップサーバ410は、送信されたチップIDに対応するチップ管理情報をチップデータベースから読み出して、チップIDを送信した第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のいずれかに送信する。
次に、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のCPUは、ゲーム用チップサーバ410から送信されたチップ管理情報を受信して取得する(ステップS1215)。
次に、第1のRFリーダ350又は第2のRFリーダ360のCPUは、チップデータベースから取得したチップ管理情報をRAM(図示せず)などに記憶させ(ステップS1217)、ステップS1211に処理を戻す。
上述したように、チップデータベースは、ゲーム用チップサーバ410に記憶されている。チップデータベースは、主に、チップ管理情報からなる。チップ管理情報は、上述したように有効・無効情報、ロック情報、遊技者情報及び額面金額情報などの情報からなる。
上述したように、図11に示したアンテナ動的選択処理のサブルーチンと同時に、図12に示したチップデータベースにアクセスする処理を実行する。したがって、アンテナ動的選択処理によって、順次、ゲーム用テーブル100に置かれたゲーム用チップ500のチップIDを取得しつつ、図12に示したチップデータベースアクセス処理によって、取得したチップIDを用いて、チップデータベースにアクセスして、ゲーム用チップ500のチップ管理情報を順次取得する。このように、チップIDを取得する処理と、チップ管理情報を順次取得する処理とを、別個に実行することによって、チップIDを取得する処理を実行している時間を利用して、取得したチップIDのゲーム用チップ500のチップ管理情報を取得できるので、ゲーム用テーブル100に置かれた全てのゲーム用チップ500のチップIDを取得し終わった後、チップ管理情報の取得も直ちに終えることができる。このようにすることで、ゲーム用チップ500の読み取り時間を活用して、ゲーム用チップ500に関する全体の処理を短時間にすることができる。
上述した例では、図11に示したアンテナ動的選択処理のサブルーチンと同時に、図12に示したチップデータベースアクセス処理を実行する場合を示した。しかし、ゲーム用チップ500のチップIDを取得するたびに、そのゲーム用チップ500のチップ管理情報を取得するようにしてもよい。このようにしても、ゲーム用チップ500の読み取り時間を活用して、ゲーム用チップ500に関する全体の処理を短時間にすることができる。
また、一般に、ゲーム用チップ500の読み取り時間は、チップデータベースにアクセスする時間よりも長い。したがって、図11に示したアンテナ動的選択処理によって取得したチップIDの数が所定の数以上になったときから、図12に示したチップデータベースアクセス処理を開始するようにしてもよい。このようにしても、ゲーム用チップ500の読み取り時間を活用して、ゲーム用チップ500に関する全体の処理を短時間にすることができる。
<<プレイングカード識別処理>>
図13は、プレイングカードを識別するための処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートは、主制御装置210で実行される。ゲーム用テーブル100に配置されたプレイングカードなどのカードを、カード識別カメラ110とカード識別用シュー120のスキャナとを用いて識別する。
最初に、主制御装置210のCPUは、第1副制御装置220を介して、カード識別用シュー120のスキャナにカードが通過したか否かを判断する(ステップS1311)。主制御装置210のCPUは、カード識別用シュー120のスキャナにカードが通過したと判別したときには(YES)、第1副制御装置220に、以下のステップS1313〜S1319の処理を実行させる。
第1副制御装置220のCPUは、スキャナでカードの表面の絵柄を取得する(ステップS1313)。第1副制御装置220のCPUは、取得した絵柄の画像データを画像処理し(ステップS1315)、カードの表面に描かれている数値とスートの種類を示すマークとを抽出する(ステップS1317)。次に、第1副制御装置220のCPUは、抽出した数値とスートの種類を示すマークとを主制御装置210に送信する(ステップS1319)。
主制御装置210のCPUは、カード識別用シュー120のスキャナにカードが通過していないと判別したときには(NO)、ゲーム用テーブル100でのゲームが終了したか否かを判断する(ステップS1321)。主制御装置210のCPUは、ゲーム用テーブル100でのゲームが終了していないと判別したときには(NO)、ステップS1321に処理を戻す。
主制御装置210のCPUは、ゲーム用テーブル100でのゲームが終了したと判別したときには(YES)、カード識別カメラ110でゲーム用テーブル100の上面102を撮影する(ステップS1323)。主制御装置210のCPUは、LAN270を介して、カード識別カメラ110によって撮影された画像データを取得して画像処理をし(ステップS1325)、カードの画像を抽出して(ステップS1327)、カードの表面に描かれている数値とスートの種類を示すマークとを抽出し(ステップS1329)、抽出した数値とスートの種類を示すマークとを記憶する(ステップS1331)。
上述したステップS1325〜S1329の処理の詳細は、以下の通りである。まず、カードが置かれるゲーム用テーブル100の上面102の色及びカードの色によって生ずるコントラストによりカードの隅角を認識した後に、カードと推定される画像の領域の縦横の比率が所定の比率になっているか否かを判断する。カード識別カメラ110は固定されているので、カード識別カメラ110とカードとの間の距離が異なる場合には、カードの大きさが異なって撮影される可能性がある。しかしながら、縦横の比率によってカードであるか否かを判断するので、カードの大きさが多少異なって撮影された場合であってもカードであることを判別できる。カードであると判別したときには、その領域の隅角部分の画像から数値やスートの種類を示すマークをパターン認識によって抽出する。
本実施の形態では、ゲームとしてバカラを想定しており、カードが置かれる範囲は比較的狭い。しかしながら、カード識別カメラ110に広角レンズを使用することによって、プレーヤごとにカードが配られてカードの位置が広範囲に分散するようなゲームであっても、カードの種類をカメラで識別することができる。
主制御装置210のCPUは、ゲーム用テーブル100に置かれている全てのカードについて処理をしたか否かを判断する(ステップS1333)。主制御装置210のCPUは、ゲーム用テーブル100に置かれている全てのカードについて処理をしていないと判別したときには(NO)、ステップS1329に処理を戻す。
主制御装置210のCPUは、ゲーム用テーブル100に置かれている全てのカードについて処理をしたと判別したときには(YES)、カード識別用シュー120のスキャナから得られた結果と、カード識別カメラ110から得られた結果とが一致するか否かを判断する(ステップS1335)。すなわち、カード識別用シュー120のスキャナから得られたカードの数値及びスートの種類を示すマークと、カード識別カメラ110から得られたカードの数値及びスートの種類を示すマークとが一致するか否かを判断する。
主制御装置210のCPUは、カード識別用シュー120のスキャナから得られた結果と、カード識別カメラ110から得られた結果とが一致すると判別したときには(YES)、直ちに本サブルーチンを終了する。一致した場合には、特に問題は発生していないので処理を終了する。
一方、主制御装置210のCPUは、カード識別用シュー120のスキャナから得られた結果と、カード識別カメラ110から得られた結果とが一致しないと判別したときには(NO)、ディーラー用ディスプレイ150にカード修正画面を表示する(ステップS1337)。なお、ディーラー用ディスプレイ150に、カード修正画面を表示する前に、アラートを表示するようにしてもよい。ディーラーの注意を引くことができる。
カード修正画面は、たとえば、図23に示すような画面である。カード修正画面には、「PLAYER」領域に置かれたカードを示す画像と、「BANKER」領域に置かれたカードを示す画像とが表示される。スキャナから得られた結果とカード識別カメラ110から得られた結果とが一致しないと判別されたカードを示す画像は、目立つ態様、たとえば、点滅する態様や反転した態様でディーラー用ディスプレイ150に表示される。
また、カード修正画面には、ディーラーが操作するための「キー」を示す文字の画像も表示される。たとえば、プレイングカードの1から13の数値を入力するための「1」〜「10」並びに「J」、「Q」及び「K」の画像や、プレイングカードのスートの種類を示す「H」、「S」、「D」及び「C」の画像が表示される。ディーラーは、ディーラー用ディスプレイ150に重畳して設けられているタッチパネル装置152を操作することによって、これらの数値やスートの種類を入力することができる。
ステップS1337の処理の後、主制御装置210のCPUは、ディーラーの操作によってカードの内容が修正されたか否かを判断する(ステップS1339)。主制御装置210のCPUは、カードの内容が修正されていないと判別したときには(NO)、ステップS1339に処理を戻す。
主制御装置210のCPUは、カードの内容が修正されたと判別したときには(YES)、ディーラーの操作によってカードの内容が修正されたことを示す情報を主制御装置210のRAMやハードディスク装置などに記憶させ(ステップS1341)、本サブルーチンを終了する。ディーラーの操作によってカードの内容が修正されたことを示す情報を記憶させることにより、その情報を遊技店のマネージャーなどが確認することで、ディーラーと遊技者とが組んで不正行為が行われた場合であっても、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。ディーラーの操作によってカードの内容が修正されたことを示す情報は、主制御装置210のRAMやハードディスク装置だけでなく、テーブルログサーバ420などに記憶させるのが好ましい。カードの内容が修正されたことを履歴として保存することができ、不正行為の傾向などの分析に役立たせることができる。
カード識別用シュー120のスキャナから得られた結果と、カード識別カメラ110から得られた結果とが一致しない場合は、ゲームの途中で、カードがすり替えられた可能性が高く、不正行為が発生したものとして、ディーラー用ディスプレイ150に表示し、ディーラーが対応できるようにしたものである。
カード識別用シュー120のスキャナから得られた結果は、ゲームを開始するときのカードの内容を示すデータである。一方、カード識別カメラ110から得られた結果は、ゲームを行っている最中や、ゲームが終了したときのカードの内容を示すデータである。このように、ゲームを開始するときだけでなく、ゲームを行っている最中や、ゲームが終了したときのカードの内容も判断の対象とすることで、ゲームの開始から終了までの全体にわたって不正行為が行われたか否かを的確に判断して発見することができる。
<<参照用アンテナ処理>>
図3に示したように、ゲーム用テーブル100には参照用アンテナ330が設けられている。参照用アンテナ330は、ゲーム用チップ500に管理するためのチップ管理情報(有効、無効、ロック情報、枚数等)をディーラー用ディスプレイ150に表示するためのアンテナである。上述したように、参照用アンテナ330は、第2のRFリーダ360に接続されている。したがって、ゲーム用チップ500の読み取りそのものは、第2のRFリーダ360によって行われ、読み取った情報がLAN270を介して主制御装置210に送信され、主制御装置210で処理が行われる。
図14は、参照用アンテナ330の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、主制御装置210は、第2のRFリーダ360を介して参照用アンテナ330を動作させて、ゲーム用チップ500からチップ記憶情報を読み取る(ステップS1411)。第2のRFリーダ360は、ゲーム用チップ500から読み取ったチップ記憶情報を、LAN270を介して主制御装置210に送信し、主制御装置210は、読み取ったチップ記憶情報をディーラー用ディスプレイ150に表示する(ステップS1413)。チップ記憶情報は、チップIDや金銭データなどのそのゲーム用チップ500を特徴付ける情報である。
主制御装置210は、読み取ったチップ記憶情報に不正な情報が含まれているか否かを判断する(ステップS1415)。主制御装置210は、読み取ったチップ記憶情報に不正な情報が含まれていると判別したときには(YES)、その旨をディーラー用ディスプレイ150に表示し(ステップS1417)、本サブルーチンを終了する。一方、主制御装置210は、読み取ったチップ記憶情報に不正な情報が含まれていないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
ゲーム用チップ500を遊技者に渡すときには、ディーラーは、遊技者に渡すゲーム用チップ500の全てを有効にする必要がある。ゲーム用チップ500の有効化は登録用アンテナ320で行う。参照用アンテナ330を用いることによって、遊技者に渡す前に、全てのゲーム用チップが登録用アンテナ320によって有効化されたか否かをチップディーラーは確認することができる。
また、ゲーム用チップ500を遊技者から回収したときには、ディーラーは、回収したゲーム用チップ500の全てを無効にする必要がある。ゲーム用チップ500の無効化は消去用アンテナ310で行う。参照用アンテナ330を用いることによって、チップトレイ610にゲーム用チップ500を収納する前に、全てのゲーム用チップが消去用アンテナ310により無効化されたか否かをチップディーラーは確認することができる。
さらに、主制御装置210は、ゲーム用チップサーバ410にアクセスして、参照用アンテナ330を用いて読み取ったゲーム用チップ500についてチップ管理情報を取得して、読み取ったチップ記憶情報とチップ管理情報との双方から不正な行為が行われていないかを判断するようにしてもよい。
<<おつり支払処理>>
端数のゲーム用チップ500を遊技者がディーラーに提供したときに、ディーラーは、端数のゲーム用チップ500を受け取り、端数のゲーム用チップ500に応じた切りのよい金額のチップで遊技者に支払う。
図15は、おつり支払処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、主制御装置210のCPUは、ディーラーの操作に応じて、遊技者に配当を付与するか否かを判断する(ステップS1511)。ディーラーの操作には、たとえば、タッチパネル装置152などの操作がある。なお、ディーラーの操作ではなく、主制御装置210が遊技の進行を判断して、遊技者に配当を付与するか否かを判断するようにしてもよい。主制御装置210のCPUは、遊技者に配当を付与しないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
主制御装置210のCPUは、遊技者に配当を付与すると判別したときには(YES)、遊技者に付与する配当に端数があるか否かを判断する(ステップS1513)。主制御装置210のCPUは、遊技者に付与する配当に端数がないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、主制御装置210のCPUは、遊技者に付与する配当に端数があると判別したときには(YES)、端数を切り上げた金額を算出する(ステップS1515)。次に、主制御装置210のCPUは、本来の配当の金額と、端数を切り上げた金額との双方をディーラー用ディスプレイ150に表示する(ステップS1517)。このように、本来の配当の金額と端数を切り上げた金額との双方を表示することによって、ディーラーは、配当を遊技者に渡すときに、端数分を切り上げることで、切りのよい金額になることを遊技者に伝えることができる。
次に、主制御装置210のCPUは、遊技者から端数分のゲーム用チップ500を受け取ったか否かを判断する(ステップS1519)。端数を切り上げることで切りのよい金額の配当を受け取ることができることをディーラーから聞いた場合に、切りのよい金額の配当を望む遊技者は、端数分のゲーム用チップ500をディーラーに渡す。この場合には、ディーラーは、端数分のゲーム用チップ500を受け取ったことを、タッチパネル装置152を操作して入力する。上述したステップS1519の判断処理は、ディーラーの入力操作があったか否かを判断する処理である。
主制御装置210のCPUは、ステップS1519の判断処理で、遊技者から端数分のゲーム用チップ500を受け取っていないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、主制御装置210のCPUは、遊技者から端数分のゲーム用チップ500を受け取ったと判別したときには(YES)、遊技者から端数分のゲーム用チップ500を受け取ったことを示す情報を記憶する(ステップS1521)。主制御装置210のCPUは、遊技者から端数分のゲーム用チップ500を受け取ったことを示す情報をゲーム用チップサーバ410に送信し管理するようにしてもよい。端数分のゲーム用チップ500の受け取りは、本来、ゲームの結果とは関係のないものであるので、ゲーム用チップ500の授受が不正にあったわけではないことを明確に残しておく必要がある。このため、主制御装置210やゲーム用チップサーバ410にその事実を履歴として残しておくのが遊技店の管理上好ましい。
次に、主制御装置210のCPUは、端数を切り上げた金額のゲーム用チップ500を配当として遊技者に渡したことを示す情報を記憶し(ステップS1523)、本サブルーチンを終了する。この端数を切り上げた金額のゲーム用チップ500を配当として遊技者に渡したことを示す情報は、ディーラーがタッチパネル装置152を操作することで入力される情報である。このように、端数を切り上げた金額のゲーム用チップ500を配当として遊技者に実際に渡したことも履歴として記憶させることによって、不正にゲーム用チップ500の授受があったわけではないことを明確に残すことができる。
遊技者は、端数のある配当をそのまま受け取った場合に、端数分の細かい金額のゲーム用チップ500を所持せざるを得ない。しかしながら、切りのよい金額のゲーム用チップ500を遊技者が受け取れるようにしたことで、遊技者は、端数分のゲーム用チップ500を所持せずに済むので、ゲーム用チップ500の数を減らすことができる。このようにすることで、遊技者が遊技店を移動するときなどの便宜を図ることができる。
<<ディーラーへの指示処理>>
ゲームの進行に応じてディーラーがすべき動作を指示することによって、適切かつ円滑にゲームを進行させることができるようにするのが好ましい。
図16は、ディーラーへの指示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、主制御装置210のCPUは、タッチパネル装置152などに対してディーラーの操作があったか否かを判断する(ステップS1611)。
次に、主制御装置210のCPUは、タッチパネル装置152などに対してディーラーの操作がなかったと判別したときには(NO)、カード識別用シュー120のスキャナが動作したか否かを判断する(ステップS1613)。
次に、主制御装置210のCPUは、カード識別用シュー120のスキャナが動作していないと判別したときには(NO)、カード識別カメラ110の撮影データに変化があったか否かを判断する(ステップS1615)。
次に、主制御装置210のCPUは、カード識別カメラ110の撮影データに変化がないと判別したときには(NO)、その他の各種のセンサから検出信号が発せられたか否かを判断する(ステップS1617)。
次に、主制御装置210のCPUは、その他の各種のセンサから検出信号が発せられていないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS1611の判断処理で、タッチパネル装置152などに対してディーラーの操作があったと判別したとき、ステップS1613の判断処理で、カード識別用シュー120のスキャナが動作したと判別したとき、ステップS1615の判断処理で、カード識別カメラ110の撮影データに変化があったと判別したとき、又はステップS1617の判断処理で、その他の各種のセンサから検出信号が発せられたと判別したときには、主制御装置210のCPUは、取得できたそれらの情報に応じて、ゲーム用テーブル100で行われているゲームの進度を決定する(ステップS1619)。
主制御装置210のCPUは、決定したゲームの進度からディーラーの動作を決定し(ステップS1621)、決定した動作をディーラー用ディスプレイに表示し(ステップS1623)、本サブルーチンを終了する。
ゲーム用テーブル100で行われているゲームの進度からディーラーの動作を決定するので、ディーラーがすべき動作をディーラーに伝えることができ、適切かつ円滑にゲームをディーラーによって進行させることができる。このようにすることで、ディーラーによる人為的ミスを防止することができる。また、ディーラーの経験や熟練度にかかわらず、均質なサービスを遊技者に提供することができる。
<<空中浮遊対策処理>>
図17は、空中浮遊対策処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
主制御装置210のCPUは、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360を介して、ベット領域に置かれた全てのゲーム用チップ500のチップIDを読み取る(ステップS1711)。
主制御装置210のCPUは、読み取ったチップIDを主制御装置210のRAMの第1の記憶領域に記憶させる(ステップS1713)。
次に、主制御装置210のCPUは、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS1715)。主制御装置210のCPUは、所定時間経過していないと判別したときには(NO)、ステップS1715に処理を戻す。
一方、主制御装置210のCPUは、所定時間経過したと判別したときには(YES)、再び、第1のRFリーダ350及び第2のRFリーダ360を介して、ベット領域に置かれた全てのゲーム用チップ500のチップIDを読み取り(ステップS1717)、読み取ったチップIDを主制御装置210のRAMの第2の記憶領域に記憶させる(ステップS1719)。
次に、主制御装置210のCPUは、第1の記憶領域に記憶させたチップIDの全てと、第2の記憶領域に記憶させたチップIDの全てとが一致するか否かを判断する(ステップS1721)。
主制御装置210のCPUは、第1の記憶領域に記憶させたチップIDの全てと、第2の記憶領域に記憶させたチップIDの全てとが一致すると判別したときには(YES)、一致した回数が第1の所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS1723)。
主制御装置210のCPUは、一致した回数が第1の所定回数以上であると判別したときには(YES)、第1の記憶領域に記憶させたチップIDを、チップIDテーブルに記憶させる(ステップS1725)。このようにチップIDテーブルに記憶させることでベット領域に置かれた全てのゲーム用チップ500のチップIDを確定することができる。
主制御装置210のCPUは、チップIDが確定したことをディーラー用ディスプレイ150に表示し(ステップS1727)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS1721の判断処理で、主制御装置210のCPUは、第1の記憶領域に記憶させたチップIDの全てと、第2の記憶領域に記憶させたチップIDの全てとが一致していないと判別したときには(NO)、不一致の回数が第2の所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS1729)。
主制御装置210のCPUは、ステップS1723の判別処理で、一致した回数が第1の所定回数以上でないと判別したとき(NO)、又はステップS1729の判別処理で、不一致の回数が第2の所定回数以上でないと判別したときには(NO)、第2の記憶領域に記憶させたチップIDを第1の記憶領域に記憶させたチップIDにコピーし(ステップS1731)、ステップS1715に処理を戻す。
ステップS1729の判断処理で、不一致の回数が第2の所定回数以上であると判別したときには(YES)、チップIDが確定できないことをディーラー用ディスプレイ150に表示し(ステップS1733)、本サブルーチンを終了する。
遊技を開始するときのベットの内容が不安定になることを排除でき、不正を的確に発見したり防止したりすることができる。
<<チップトレイ構造体600>>
図19〜図21は、チップトレイ構造体600を示す斜視図である。図19は、チップトレイ構造体600の上部に蓋体660が置かれた状態を示す斜視図である。図20は、チップトレイ構造体600の全体を示す斜視図である。図21は、チップトレイ構造体600を構成するチップトレイ610と基板カバー620とベース630とを分解して示す分解斜視図である。
図21に示すように、チップトレイ構造体600は、チップトレイ610と基板カバー620とベース630とからなる3層構造を有する。さらに、図19に示すように、チップトレイ610の上部を覆うための蓋体660を有する。蓋体660は、チップトレイ610に対して施錠することができ、ディーラーなどの店員以外の者は蓋体660を開錠できない。このようにすることで、不正行為を未然に防止することができる。
チップトレイ610は、遊技者に渡すゲーム用チップ500や、遊技者から回収したゲーム用チップ500を収納するためのトレイである。図20及び図21に示すように、チップトレイ610にはゲーム用チップ500を収納するための複数の溝612、たとえば18本の溝612が手前側から奥側に向かって形成されている。チップトレイ610は、所定の人数の遊技者、たとえば6人の遊技者に対応するように形成されている。すなわち、18本の溝612のうちの3本の溝612が1人の遊技者に対応するように6ブロックに区画化されている。1ブロック分の隣り合う3本の溝612が、1人の遊技者に渡すゲーム用チップ500や、1人の遊技者から回収したゲーム用チップ500のために使用される。1本の溝612には、30枚のゲーム用チップ500を収納することができる。
チップトレイ610は、光を透過させる部材、たとえば、透明な部材によって形成されている。ベース630には光カプラ基板634が設けられている。この光カプラ基板634には、発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とが設けられている。発光部と受光部との間で通信を行うことによって、基板間の通信が行われる。
チップトレイ610の奥側には、開口614が形成されている。後述するように、ベース630にディーラー用ディスプレイ150が設けられている。このディーラー用ディスプレイ150の表示面が開口614に位置づけられる。
チップトレイ610の左右の側部に突出部616a及び616bが形成されている。ディーラーなどの店員は、突出部616a及び616bに指を係止させることで、チップトレイ610を把持できる。このようにして、チップトレイ610を基板カバー620に対して着脱することができる。
チップトレイ610の左右の側部の各々に、貫通孔618a、618b、618c及び618dが形成されている。後述する基板カバー620の対応する箇所には、突起628a、628b、628c及び628dが形成されている。突起628aが貫通孔618aに挿入され、突起628bが貫通孔618bに挿入され、突起628cが貫通孔618cに挿入され、突起628dが貫通孔618dに挿入されるようにすることで、基板カバー620やベース630に対して一定の位置になるようにチップトレイ610を着脱可能に係止させることができる。一定の位置にチップトレイ610を係止させることで、後述するアンテナ632に対して対応する溝612が常に一定の位置になるようにチップトレイ610を位置づけることができる。
チップトレイ610には、施錠部619が設けられている。チップトレイ610の上部に蓋体660が設けられたときに、施錠部619によってチップトレイ610を施錠することができる。施錠部619には鍵穴が設けられており、鍵穴にキーを差し込んで回転させることで、施錠部619から係合体(図示せず)を手前側から奥行き方向に向かって延出させる。延出した係合体は、蓋体660の上面と係合する。係合体が蓋体660と係合することによって、蓋体660によりチップトレイ610を施錠することができる。
施錠部619は、蓋体660によってチップトレイ610を施錠するものであり、チップトレイ610の上部を蓋体660で覆った状態を維持して、チップトレイ610を基板カバー620と着脱できる。このように、チップトレイ610にゲーム用チップ500が収納されている場合でも、蓋体660で覆うことで、ゲーム用チップ500に対する不正行為を防止できる。ゲーム用チップ500が収納されたチップトレイ610を安全に店内で移動させることができる。
また、蓋体660によってチップトレイ610の上部を覆われたときには、貫通孔618a、618b、618c及び618dも蓋体660によって覆われる。このようにして、蓋体660によって貫通孔618a、618b、618c及び618dを保護することができ、基板カバー620やベース630に対する係止状態を維持することができる。
蓋体660は、光を透過させる部材、たとえば、透明なプラスチックなどの部材によって形成されている。光を透過させる部材で蓋体660を形成したことにより、チップトレイ610が蓋体660で覆われて施錠された状態になっても、チップトレイ610に収納されたゲーム用チップ500の状態を容易に視認することができ、不正行為を未然に防止したり、不正行為を迅速に発見したりすることができる。
基板カバー620は、チップトレイ610の下部を収納することができるとともに、ベース630を覆うように形成されている。チップトレイ610は、基板カバー620を介してベース630に設けることができる。
基板カバー620は、光を透過させない部材、たとえば、不透明なプラスチックなどの部材によって形成されている。なお、基板カバー620も、光を透過させる部材、たとえば、透明なプラスチックなどの部材によって形成してもよい。このようにすることで、ベース630の状態を視認しやすくできる。
チップトレイ610は、基板カバー620に対して着脱可能に設けることができる。着脱可能にしたことにより、チップトレイ610をゲーム用テーブル100に固定して使用する営業形態と、チップトレイ610を店舗内で移動させて使用する営業形態との2つの営業形態に対応することができる。また、チップトレイ610を基板カバー620に対して着脱可能にしたことにより、チップトレイ610を基板カバー620から外すときでも、ベース630に設けた配線をはずす必要がなくなり、チップトレイ610に関する操作を簡便にできるようにした。
基板カバー620は、ベース630に対してネジなどの固定部材によって設けられている。このようにしたことで、基板カバー620によってベース630を封止できる。後述するように、ベース630には、6組のアンテナ632や6組の光カプラ基板634などの各種の電子部品が設けられている。基板カバー620によってベース630を封止するので、ベース630に設けられた電子部品に対して不正な操作をすることを困難にできる。また、これらの電子部品の交換などを容易にするために、基板カバー620は、ベース630に対して着脱可能に設けられているのが好ましい。
ベース630には、複数個のアンテナ632が設けられている。2つのアンテナ632によって1組のアンテナ対を構成する。1組のアンテナ対は、1つのブロック(3本の溝612)を挟んで向かい合わせになるようにベース630に配置されている。具体的には、1組のアンテナ対を構成する2枚のアンテナ632の双方が、溝612に収納されたゲーム用チップ500の円形の表面に対して平行になるように配置される。このようにすることで、2枚のアンテナ632の双方が、ゲーム用チップ500の表面と常に向かい合うようにすることできる。このように、1組のアンテナ対を1つのブロック(3本の溝612)に対応させることができる。1組のアンテナ対によって、1組のアンテナ対に対応した1つのブロック(3本の溝612)に収納されているゲーム用チップ500を読み取ることができる。アンテナ632は、RFIDチップ内臓のゲーム用チップ500を読み取ることができる。ディーラーが交代するときなどに、チップトレイ610にあるゲーム用チップ500を読み取って、整合性を記録・確認できる。
ベース630には、複数個の光カプラ基板634も設けられている。光カプラ基板634の各々は、対応するアンテナ632に接続されている。アンテナ632によって読み取られたチップIDなどのチップ記憶情報は、光カプラ基板634を介して、ベース630に設けられているベース制御回路(図示せず)に供給される。ベース制御回路は、LAN270に接続されている。LAN270を介して、チップ記憶情報は、主制御装置210などに送信される。光カプラ基板634を使用したことによって、電磁波の発生を抑えて、アンテナ632の良好な電波状態を確保することができ、チップIDなどのチップ記憶情報を的確に主制御装置210などに出力することができる。
さらに、ベース630にはディーラー用ディスプレイ150も設けられている。ディーラー用ディスプレイ150は、ディーラーに向かうように傾斜して設けられているので、ディーラー用ディスプレイ150へのディーラーの目線と遊技者へのディーラーの目線とを近づけることができ、ディーラーの操作性を向上させることができる。ディーラー用ディスプレイ150に重畳するようにタッチパネル装置152が設けられている。ディーラーは、ディーラー用ディスプレイ150に表示された各種の情報に応じて、タッチパネル装置152を操作することができる。
ベース630の裏面からは、アンテナ632や光カプラ基板634に接続されている配線が延出している。これらの配線は、LAN270を介して主制御装置210に接続されている。アンテナ632から発せられた出力信号は、光カプラ基板634とベース制御回路とLAN270を介して主制御装置210に供給される。主制御装置210は、溝612に収納されたゲーム用チップ500のチップIDなどチップ記憶情報や、1つのブロックにゲーム用チップ500が収納されているか否かの情報を取得できる。
また、上述したように、ベース630には、ベース制御装置(図示せず)も設けられている。ベース制御装置には、アンテナ632などのほかに、ディーラー用ディスプレイ150も接続されている。ディーラー用ディスプレイ150には、溝612に収納されたゲーム用チップ500のチップIDなどチップ記憶情報や、1つのブロックにゲーム用チップ500が収納されているか否かの情報を表示することができる。
このようなチップトレイ610を用いることで、チップトレイ610を基板カバー620に対して着脱可能に設けることができる。チップトレイ610をゲーム用テーブル100に固定して使用する営業形態と、チップトレイ610を店舗内で移動させて使用する営業形態との双方の営業形態に対して、チップトレイ610のみで対応することができる。このように、営業形態別にチップトレイを別個に準備する必要がないので、遊技店における維持費や管理費を低く抑えることができる。また、異なる営業形態のチップトレイを誤って用いるような人為的なミスを未然に防止することができる。
また、ベース630にアンテナ632を設けたことで、チップトレイ610に置かれたゲーム用チップ500をアンテナ632によって読み取ることができ、チップトレイ610に接続するための配線を不要にした。このようにしたことで、チップトレイ610への配線に気を配ることなく、チップトレイ610を基板カバー620に対して着脱可能にでき、チップトレイ610を基板カバー620から外すときでも、配線をはずす必要がなく操作を簡便にできるようにした。