JP6061126B2 - 測定子 - Google Patents

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Description

本発明は、形状が複雑な部品測定に用いる測定子に関し、とくに形状が複雑な部品の径測定に適した測定子に関する。
任意の寸法を接触にて測定する場合は、ダイヤルゲージ、接触式変位センサを用いることが一般的である。ここで、接触式変位センサとは、例えば、非特許文献1に示す接触式デジタルセンサを挙げることができる。また、円筒の内径や孔の内径を専門に測定する機器としてシリンダゲージなどが知られている(非特許文献2参照)。
株式会社キーエンス 高精度接触式デジタルセンサ GT2シリーズカタログ 2011年
株式会社ミツトヨ 精密測定機器・総合カタログ 内径測定器
内径を有する部品のうち、内面に溝やネジが刻まれているなど、内面形状が複雑な場合、内側の溝による径の測定がシリンダゲージでは困難であった。また、内面にらせん状の溝が形成されている場合は、螺旋の山もしくは谷にて径を測定する場合(有効径やボール中心径と呼ばれている)、略円筒形状体の軸方向に垂直な方向は、山もしくは谷同士で一直線状に並ばないため、シリンダゲージにて測定できなかった。また、繰り返し誤差が、例えば1μm以下の高精度にて径を測定する際は、使用するセンサの精度以上に、測定子の当て方、測定の方法、測定子の構造に、繰り返し精度を向上する工夫が必要となる。
また、略円筒形状体内面にらせん状の溝が形成されているボールネジのナットにおいて、内側の径を測定する場合、該ナットは、例えば、図14に示すように、円筒の周方向外部から内側の径に通じる孔(壁面孔)があれば、針状または棒状の測定子を挿入して谷から谷への径を計測できる。しかしながら、壁面孔を複数備えない場合や、壁面孔の位置が測定に適していない場合は、測定が困難であった。
すなわち、本発明の目的は、溝やネジが刻まれているなど、形状が複雑な場合の径などを測定するのに適した測定子を提供することにある。
第1観点の発明では、表面に溝が形成された支持体と、該支持体の溝内に、該溝の軸方向に沿って移動可能に設けられた球体と、を備えており、前記球体は、その直径が、前記溝の深さよりも長いものであることを特徴とする測定子を提供する。
第2観点の発明では、第1観点の測定子において、前記溝は、前記球体の接触する部分の底が、平らに形成されていることを特徴とする測定子を提供する。
第3観点の発明では、第1または第2観点の測定子において、前記支持体は、前記球体が前記溝から脱落することを防止する脱落防止部を備えており、該脱落防止部は、前記溝内に収容された前記球体における、前記溝よりも突出している部分の一部を覆う絞り部分を有することを特徴とする測定子を提供する。
第4観点の発明では、第3観点の測定子において、該絞り部分は、前記溝の軸方向の長さが、前記球体の直径よりも短くなるように形成されていることを特徴とする測定子を提供する。
第5観点の発明では、第1乃至4の観点いずれかの測定子において、前記脱落防止部が、前記溝の軸方向における前記球体の移動量を制限するストッパ部分を有しており、該ストッパ部分は、前記溝の軸方向において、前記絞り部分よりも外方に設けられていることを特徴とする測定子を提供する。
第6観点の発明では、第1乃至5の観点いずれかの測定子において、前記溝の中に前記球体が複数個支持されることを特徴とする測定子を提供する。
第7観点の発明では、第1乃至6の観点いずれかの測定子において、外部に通じる孔または穴を持つ部品の内側の径測定に用いることを特徴とする測定子を提供する。
第8観点の発明では、第7観点の測定子において、ボールナット機構のナット部分のボール軌道部分による径の測定に用いることを特徴とする測定子を提供する。
第9観点の発明では、第1乃至6の観点いずれかの測定子において、外側の径測定に用いることを特徴とする測定子を提供する。
第10観点の発明では、第1乃至6の観点いずれかの測定子において、形状測定に用いることを特徴とする測定子を提供する。
第1観点の測定子によれば、球体の径の長さよりも浅い溝を有する支持体が、被測定箇所に接触する球体を溝の中で移動可能に支持している。溝は、球体を2面の壁面にて挟み込むことで、球体が溝の軸方向に移動する際、安定して支持することを可能としている。ここで、安定して支持可能とするには、溝の深さが球体の半径よりも長い必要がある。また、溝の深さは、球体の径の長さよりも浅いことにより、球体の一部が溝より突出する形となる。ただし、溝の深さは、球体を支持できる箇所かつ、測定時に球体が位置する箇所における深さであり、球体が接しない位置または測定時に球体が位置しない箇所にて、球体の径よりも深い深さを示す部分は、本発明における溝の深さとしない。なお、溝の深さは、球体の移動方向に対して一定の深さにし、球体が移動した際に溝の深さ方向にて球体の変動を少なく抑えることが好ましい。このため、被測定箇所の形状に合わせて球体が移動可能であり、支持体の位置を動かさずとも、被測定箇所の形状に沿って球体が落ち着く場所に移動する。このため、測定を繰り返した時の測定値のばらつきが小さくなる。特に、支持体の溝の軸方向にて、支持体の位置決めが容易でないとともに、繰返し精度の良い測定が求められる場合に本測定子が有効である。
第2観点の測定子によれば、第1観点の測定子に加え、溝の底の、球体が接触する範囲を平らな面とする。これにより、溝幅を球体の径よりも大きめに設定して溝の軸方向と直交する方向にて球体の移動を可能とした場合に、球体が移動した際の溝の深さ方向の変動を少なく抑えることができる。溝幅を球体の径よりも大きめに設定することは、被測定箇所の形状に測定子の位置を沿わすことが完全にできなかった時に、球体が溝の軸方向のみならず、軸方向と直交した方向においても、被測定箇所の形状に沿って移動できることから、場合によっては、繰返し精度の良い測定に有効である。
第3観点の測定子によれば、第1または第2観点の測定子に加え、溝から球体が脱落しないように、球体の溝から突出している部分の一部を覆う絞り部分を脱落防止部として備える。これにより、測定子を溝の軸を中心とする方向に傾けても、溝から球体が転げ落ちることがないため、使いやすくなる利点がある。
第4観点の測定子によれば、第3観点の測定子に加え、絞り部分を、溝の長さ方向において、それほど長くなく、球体の直径未満とすることで、絞り部分が、被測定箇所の凹凸の凸部分に干渉することを防ぐことができる。絞り部分の幅を狭く制限することは、絞り部分の高さ、即ち、球体のどの高さにまで絞り部分を設けるかを検討する際、被測定箇所の凹凸に干渉しにくくなるため、制限無く絞り部分を設ける場合に比べて高い場所にまで、絞り部分を設ける余裕ができる。このことは、絞り部分の厚みを確保することを可能とし、耐久性を向上させるとともに、絞り部分の加工精度に余裕を持たせられる。すなわち、製作コストの低減、管理コストの低減につながる。
第5観点の測定子によれば、第1乃至4のいずれかの観点の測定子に加え、溝の軸方向に球体が転がって溝から脱落してしまうことを防ぐストッパを脱落防止部として備える。溝加工においては、支持体において溝の軸方向に溝を通しにて切り流すほうが、溝を掘るよりも容易な場合がある。また、角材などを組み合わせて溝を形成する場合も、支持体において溝が軸方向に通しで形成するほうが容易な場合もある。このため、製造の効率化により、溝が軸方向に通しで抜けている支持体を形成した場合においては、脱落防止部として溝の軸方向にストッパを設けることが有効である。さらに、第3または第4観点の測定子においてストッパを備えた場合は、いろいろな角度に傾けて使用しても、溝から球体が転げ落ちることなく使用できる利点がある。
第6観点の測定子によれば、第1乃至5のいずれかの観点の測定子において球体を複数個用いること、すなわち、被測定箇所の形状を考慮して、球体の個数を決めることが、安定した測定を行うのに有利な場合がある。例えば、ボールネジのナットのボール軌道部分のように、螺旋状の溝が対向する被測定物は、測定子を軌道部分に挿入した際、開口からの距離で言えば、対向する溝(軌道部分)の位置が互い違いになっている。この場合、1つの球体を有する測定子と2つの球体を有する測定子とを使用し、被測定物の螺旋状の溝で言えば、3点設置のような雰囲気で測定子を使用することで、測定子のすわりを安定させるとともに、2つの測定子間の距離、すなわち螺旋の溝の谷と谷との距離であって内径の進行方向に対し直交方向の距離(ボール中心径、ピッチ円径、有効径、軌道径などと呼ばれる値)が、斜めの距離になってしまうことを防ぐことができる。測定する精度が、1μm以下のサブミクロンオーダーにて求められる場合であれば、二つの測定子において、力の不均等なかかり方により、測定子が非対称に傾いたり歪んだりすることが測定結果に影響することもある。このため、球体を適宜複数個用いてバランス良く測定子を接触できる条件を整えることが有利な場合がある。
第7観点の測定子によれば、第1乃至6のいずれかの観点の測定子を、内径や孔の内面の溝による径(例えば、ボール軌道部分による径)のように、外部から測定箇所の目視による確認が容易でない場合の測定に用いる。被測定箇所において、溝を有した測定子と溝の中を移動可能な球体により、被測定箇所の形状が複雑な場合であっても、被測定箇所の形状に沿った位置に球体の位置をなじませることができるため、外部から測定箇所の目視できない場合であっても、測定を繰返し精度良く行える利点がある。
第8観点の測定子によれば、第7観点の測定子を、被測定物の穴が、円弧状断面の溝が螺旋状に連なる壁面を有する孔である、ボールナット機構(ボールネジを含む)のナット部分の螺旋の溝の谷による径(ボール軌道部分による径)の測定に用いる。これにより、ボールナット機構を精密に組上げるためのボール径の選定、シャフトの選定を適切に行えるようになる。また、容易に、精度良く、測定を行うことができるため、ボールナット機構のナット部分の製造工程において、測定値を加工データに容易にフィードバックできるため、加工寸法の制御を高精度にて行うことができる。これにより、精度良くボールナット機構を製造する効率を上げることができる。
第9観点の測定子によれば、第1乃至6のいずれかの観点の測定子を外側の径測定に用いる。ボールナット機構のシャフトのように外周に螺旋溝を有する被測定物では、外周面での径、すなわち外側の径として、溝の山部分による径(いわゆる外径)のほかに、溝の内面(谷部分)での径測定(有効径、ボール中心径、軌道径などと呼ばれる値)が求められる。本発明では、シャフトの長さ方向に、測定子の溝の長さ方向を合わせて測定子をシャフトの溝に接触させることにより、測定子の支持体の位置決めが確実に行われていなくとも、球体の移動により、測定箇所に沿う利点がある。このため、従来であれば、計測装置の製造において、精度の良い測定子の配置や精度良く測定物をセットする機構を付加する工夫が必要であったのに対し、シャフトの長さ方向において測定子の位置決め制御の精度に余裕をもたせることができるため、構成の簡素化や精度出しの工数を減少させることができる利点がある。また、シャフトの製造工程に計測結果を反映させて、製品精度を向上させることもできる。
第10観点の測定子によれば、第1乃至6のいずれかの観点の測定子を移動させながら測定値の連続取得をすることにより、被測定物の形状把握、即ち形状測定に使用する。測定子の溝に沿って球体が移動することが、測定したい形状にマッチングする場合には、本測定子を用いることで高精度の測定が可能となるため有利である。
本発明の一実施形態である測定子の構造説明図である。 実施形態の説明図である。 実施形態の説明図である。 実施形態の説明図である。 本発明の他の実施形態である測定子の構造説明図である。 実施形態の説明図である。 本発明の他の実施形態である測定子の構造説明図である。 本発明の他の実施形態である測定子の構造説明図である。 実施形態の説明図である。 実施形態の説明図である。 実施形態の説明図である。 実施形態の説明図である。 本発明の形状例である。 解決しようとする課題の説明図である。
次に、本発明の実施形態の一例を、図面に基づいて説明する。
なお、本出願の図面では、実施形態の例を模式的に示しており、発明を図面の大きさや配置に限定しない。また、部品を固定する機構や構造体において、本測定子の発明において特徴とならないものについては、図示を省略する。
なお、測定子を可動可能に支持する機構は、高精度のスライドガイドや、クロスローラガイドなどを用いることができる。また、測定子を被測定物に接触させる際、バネの力や、空気の圧力等、を用いることもできる。
第1および/または第2観点の測定子では、例えば、図1に示す測定子100の形状とできる。
この測定子100は、支持体102と球体103とを備えている。
支持体102は、図1中に示す、山形の陵線部分に溝101を備えた形状の102を有している。この溝101は、球体103を収容するための溝であり、球体103の直径よりも深さが浅くなっている。つまり、溝101に球体103を入れた状態で、球体103の一部が溝101から突出するようになっている。ここで、球体を安定して支持するには、溝の深さが球体の半径よりも長い必要がある。ただし、溝の深さは、球体を支持できる箇所かつ、測定時に球体が位置する箇所における深さであり、球体が接しない位置または測定時に球体が位置しない箇所にて、球体の径よりも深い深さ示す部分は、本発明における溝の深さとしない。たとえば、V時断面の溝や、深いスリット状の溝を設けた場合の最も深い部分の長さを溝の深さとはしない。また、測定に関係しない箇所にて、球体が部分的または全体にはまり込むポケットを設けた場合も、この部分の深さは、本発明の溝の深さとしない。
なお、支持体102は、図1の形状のほかに、図13に示すように、直方体の上面中央付近に溝を備えた102a、102aにおいて溝に平行な2辺の面取りを行った形状の102b、円筒の中央付近に溝を備えた形状の102c、102cの溝の有する面にて面取りを行った102dなど、様々な形状とできる。
また、支持体102に形成された溝101は、図1に示すように、平らな底面101cおよび、底面に垂直な側面101a、101bにて形成されている。この2面により、球体が溝の中にて軸方向に移動する際、球体を安定して支持することを可能としている。ここで、側面101aと101bとは向かい合う関係にあるが、側面101aと101bとの間隔は、球体の径に近い幅であればとくに限定されない。例えば、間隔を球体103の直径よりも少し大きくしておけば、溝101の幅方向にも球体103の移動が可能となるので、球体103の移動方向を溝の軸方向に限定したくない場合に有効である。
なお、底面101cは、上記のような平面に限られない。例えば、球体の移動方向を溝の軸方向に限定したい場合、平面の変わりに、球体の形状に沿った円弧断面とすることもできる。また、球体の2点受けを可能とするV字断面の溝を部分的または全面に備える面とすることもできる。V字断面の溝は、測定に影響する異物を逃す溝としての働きを兼ねることができる。また、V字断面の溝に限らず、球体の径よりも小さいスリット状の溝を設けて、球体の2点受けや異物の逃しと作用させることができる。また、球体の移動方向を溝の軸方向に限定したい場合は、溝の幅と球体の径の大きさとの差を詰めることが有効になる。逆に、球体の移動方向を溝の軸方向に限定したくない場合は、溝の幅と球体の径の大きさとの差を広げるとともに、溝の底面における球体の接する面を平らに形成し、球体が移動したときの球体の溝の深さ方向の変動(つまり、支持体102上面からの球体の突出量(出代)の変動。ただし、支持体102上面が球体の接する面と平行と仮定する。)を小さくすることが好ましい。また、溝は、図1に示すように、支持体上を通り抜けた形状のほかに、溝が通りぬけていない形状(例えば図13の102e)とすることもできる。
また、球体103は、測定誤差を減らすために、真球度の高いものが好ましい。また、被測定箇所の大きさや形状を考慮し、被測定箇所に適した径を選定することが好ましい。
図1においては、球体103は、溝101の側面101a、側面101b、底面101cのいずれかにより支持されるため、溝の長さ方向104に移動可能である。
なお、球体103の径が溝101の深さよりも大きい径であるため、球体103の一部が溝より突出し、被測定箇所に接触可能となっている。
また、球体103の径および溝101の深さ、即ち球体103の溝からの出代についても、対象とする測定箇所の形状および大きさに応じて、被測定箇所に届く、即ち接触可能なものに決定することが好ましい。なお、被測定物200は、理解しやすくするために、透過図としている。
また、底面101bを平面とし、溝101の幅、即ち側面101aと側面101bとの距離を球体103の径に対して大きくし、溝の長さ方向104に直交かつ底面101cに平行な方向105にも、球体103が移動可能とした場合は、球体103が方向104および/または105の方向にて移動可能であることより、被測定物200に測定子を接触させる際、球体103を被測定箇所201になじませる自由度をあげることができるため、測定の安定性を向上できる場合がある。この、溝の幅と球体の径との関係、すなわち溝と球体との隙間は、測定子の位置決めが精度よく可能な場合には、隙間を少なくする方向にすればよい。ラフな場合では、例えば、0.01mmオーダーにて隙間を設けることができる。
測定の様子の一例を図2に示す。
図2に示すように、測定子100を接触式の変位センサ300に対してその移動(傾きや回転)が固定されるように取り付ける。その状態で、測定子100を被測定物200に接触させる。そして、測定子100をつないだ接触式の変位センサ300の変位(即ち値)301を読み取れば、任意の基準位置との距離を測定することができる。
また、図3左図に示すように、被測定物210を上下から挟み込む形で測定子100および変位センサ300を一対配置すれば、被測定物210の任意の位置の厚みを測定することができる。これは、図3右図に示すように、被測定物210を左右から挟みこむ形に測定子100および変位センサ300を配置して幅の測定に用いるなど、測定子の配置は限定されない。
また、同様に、被測定物220が、対向するように配置されている場合には、図4左図に示すようにすれば、2つの測定子100を使用することによって、被測定物220の隙間距離、即ち、内寸や径を測定することができる。
また、変位センサ300は、例として図示しているように、測定子100の溝101の背面に直接配置する形態に限らず、例えば、図4右図に示すように、測定子100の溝の長さ方向に延長した棒110にて変位を測定することができる。
また、変位センサ300は、接触式のものに限らず、非接触式のものでも良く、また、変位の測定原理も、光学的、電気的、磁気的、機械的な原理など、変位を測定できるものであれば、限定しない。
なお、図1〜4に示すように、被測定物200の測定箇所201が溝状である場合、測定箇所201の溝方向と測定子の溝101の方向とを平行ではなく、直角の関係にすることや任意の角度をもたせることにより、測定子100において球体103が溝101の中を溝方向に転がり、測定箇所201の位置に測定子103をうまく移動させることができる。
第3、4および/または第5観点の測定子では、例えば、図5に示す形状とできる。
第1観点の測定子例の図1に加え、脱落防止部として絞り部分106を溝の側面101aおよび/または101bの上端に、球体103の表面の一部を覆う形に設けている。これら図において、絞り部分の間隔107を球体103の直径よりも狭くすることで、球体103が溝101から抜け落ちることを防ぐことができる。
なお、図5左図に示すように、絞り部分106を溝の両側面に設けることができる。また、図5右図に示すように、片側の溝だけに設けることも可能である。
また、同図において、絞り部分106における溝方向の長さ108はとくに限定されないが、球体103の径よりも小さい長さとすることが好ましい。なお、球体の径は、例えば、被測定箇所が円弧状断面の溝である場合には、被測定箇所の曲率半径より小さな半径のものに決定すると、球体と被測定箇所が沿いやすくなる。図7に示すように、測定子100および被測定物200を溝側面に平行な向きにて模式的に見た時、絞り部分を溝の長さ方向において球体103の径未満の長さ108とすることにより、被測定物200の被測定箇所201に球体103が沿う時に、絞り部分106が被測定物200に接触することを防ぐことができる。ただし、被測定箇所の形状が、浅い溝形状であれば、この限りではない。つまり、絞り部分106における溝方向の長さ108を球体103の径よりも長くすることもできる。例えば、玉軸受けの内輪や外輪、車輪のハブには、浅い溝形状のものがある。一方、ボールネジ機構や、スライドガイド、クロスローラガイド(V字断面の溝)などは、深い溝形状のものが多い。すなわち、絞り部分106の溝方向の長さ108は、被測定箇所の溝深さを考慮して決定することが好ましい。
さらに、球体103が溝101の長さ方向に転がる際、球体103が絞り部分106の範囲108より外に移動しない位置にストッパ部分109を設けてもよい。
これにより、図6に示すように、例えば、測定子100を溝101の軸方向にて直立する向きに配置した際に、球体103が溝101から抜け落ちることを防ぐことができ、使い易さの向上および使い方の自由度を上げることができる。図6は、測定子100が溝101の軸方向に直立した配置例であるが、測定子の100を配置する向きは、この限りでなく、例えば球体103が下になる向きなど、制限無く自由な向きにて配置することができる。
なお、図5におけるストッパ部分109の形状および形成方法は図示するイメージに限らず、例えば、支持体102にピンを差し込むことや、支持体102にブロックや板を接着するなどにより実現することができる。
また、ストッパ部分は、球体を被測定箇所に配置させるまでに、溝への差込により一時的に配置し、被測定箇所の形状により球体が脱落不能に支持された後、引き抜いて取り外す、などの仮設的使用も可能である。
第6観点の測定子では、例えば、図8に示すように、球体103を2個用いている。
なお、図8は、被測定物を理解しやすいように、透過図としている。
球体103を2個用いれば、図8左図に、2個の球体103の間隔を、2箇所の被測定箇所の間隔に合わせて配置することができる。すると、2個の測定子の球体103を、2箇所の被測定箇所201に沿わせることができる。
なお、図8左図においては、ストッパ部分109を、2個の球体103のそれぞれの両側に設けることで、2箇所の被測定箇所201の間隔に合うように、球体103の移動範囲を制限している。
また、図8右図に示すように、球体103の径の倍以上の断面幅232の被測定箇所231を備える被測定物230を測定する場合には、図のように球体103を2個並べて、ストッパ部分109を、左の球体103の左側および右の球体103の右側に設けることで、被測定箇所231に球体103すなわち測定子100を沿わせることができる。
以上のように、図8に示す例のように、被測定箇所の形状によっては、被測定物に測定子100を沿わせるために球体103を複数個用いることが有効な場合がある。
なお、球体の数は、2個に限定されず、3個以上設けてもよい。また、全ての球体を測定に使用する必要もない。例えば、3個設けて、うち、いずれか2個を被測定箇所に沿わすなどしてもよい。
また、図8左図に示すような場合には、一対のストッパ部分109と、一対のストッパ部分109の間に球体103と絞り部分106を設けた接触部セットを複数設ければ、被測定物230の被測定箇所231の範囲によらず、測定が可能である。
なお、接触部セットを設ける数も、2箇所に限定されず、3箇所以上設けてもよい。また、全ての接触部セットを測定に使用する必要もない。例えば、接触部セットを3箇所設けて、うち、いずれか2個を被測定箇所に沿わすなどしてもよい。
第7観点の測定子では、例えば、図9に示すように、2つの測定子100を、測定子の溝101の面の背面にて対向させるとともに対向の方向111にて移動可能に配置し、測定子100の溝の長さ方向に延長した棒110を、変位センサ300による変位計測に用いる形態にて提供できる。
図9において被測定物240は、円筒状または略円筒状の穴241により外部と通じる内径を有し、その内径または内径表面に形成された溝(図示しない)の内面を被測定箇所241とする。なお、被測定物240の穴241は、円弧状断面や台形状断面、V字状断面などの溝が螺旋状やリング状にて連なる壁面形状の被測定箇所であっても良く、その形状を限定しない(このとき、溝による径は、有効径、ボール中心径、軌道径などと呼ばれる)。例えば、円弧状断面であれば、玉軸受けや車輪のハブ、ボールネジ、台形形状であれば、台形ネジ、V字形状であれば、Oリング溝などがある。
図9において、測定子100の球体103が、穴241の中にて位置するように、測定子100または被測定物204を図示する112の方向に移動させることで、円筒状の穴241の内側の径(すなわち、内径または溝による径)測定ができる。
なお、棒110は、例えば、測定子100の支持体102を、溝101の方向に長く延長することで、棒状に限定しない形状とできる。また、場合によれば、測定子100を溝の長さ方向に延長せずとも、光学的、磁気的、または電気的な原理を用いて非接触により測定子100の対向方向111の変位即ち移動量を取得することで径を測定することもできる。なお、径測定においては、内径の曲率により被測定物と干渉しないように、支持体の溝を有する面において、被測定物と干渉するエッジをなくすための、内径の曲率に応じた面取りもしくは曲面取りが行われた形状とすることが好ましい。
第8観点の測定子では、被測定物の孔が、円弧状断面の溝が螺旋状に連なる壁面を有する孔である、ボールナット機構(ボールネジを含む)のナット部分のボール軌道部分による径(すなわち、ボール中心径、有効径、軌道径などと呼ばれる値)の測定に用いることができるものである。
図10左図にボールナット機構のナット部分250の例を示す。ボールナット機構は、ナット部分におけるボール軌道部分による径(軌道部分の溝と溝とによる径)が、ボールナット機構を精度良く組上げるために把握しておきたい数値である。本測定子を用いれば、ボール軌道部分による径を精度良く測定することが可能となる。
図10右図に、ボールナット機構のナット部分の断面例を示す。ボールナット機構は、ナット部分250とネジ軸部分901が、ボール902を介してつながっている。このため、各構成部分の寸法の把握が精度良い組み付けに有効となる。
ボールナット機構のナット部分のボール軌道部分による径の測定をする場合には、球体103を1個備えた測定子100を2つ使用して測定することも可能であるが、以下のような測定子100を使用すれば、より精度度よく測定することができる。
図11に、球体103を1個備える測定子100と、球体103を2個備える測定子100と、を用いて、被測定物であるボールナット機構のナット部分250のボール軌道部分による径251を測定する場合の測定子配置例を、断面図および部分的に透過した図にて示す。なお、図中、の破線113は、球体103の溝における可動範囲を示している。
図11にて、球体103を2個備える測定子100における球体103と球体103との中間位置が、対向する測定子100の球体103とほぼ同位置にて対向するため、測定子100を被測定物250に接触させるための力をバランス良く伝えることができる。したがって、ボールナット機構のナット部分のボール軌道部分による径をより精度よく測定することができる。
第9観点の測定子では、例えば、図12に示すように、対となる測定子100によりボールナット機構のシャフト部分である被測定物260を挟み込むことで外径を測定することができる。
100 測定子
101 溝
101a 溝の側面
101b 溝の側面
101c 溝の底面
102 支持体
102a 支持体の一例
102b 支持体の一例
102c 支持体の一例
102d 支持体の一例
102e 支持体の一例
103 球体
104 溝の軸方向
105 104に直交かつ101cに平行な方向
106 絞り部分
107 絞り部分の間隔
108 絞り部分の範囲
109 ストッパ部分
110 棒
111 測定子の移動方向
112 測定子または被測定物の移動方向
113 球体103の溝における可動範囲
200 被測定物
201 被測定箇所
210 被測定物
220 被測定物
230 被測定物
231 被測定箇所
232 被測定箇所の断面幅
240 被測定物
241 被測定箇所
250 ボールナット機構のナット部分
251 ボールナット機構のナット部分のボール軌道面による径
300 変位センサ
301 変位センサの値(変位)
901 ボールナット機構のネジ軸部分
902 ボールナット機構のボール

Claims (10)

  1. 表面に溝が形成された支持体と、
    該支持体の溝内に、該溝の軸方向に沿って移動可能に設けられた球体と、を備えており、
    前記球体は、
    その直径が、前記溝の深さよりも長いものであり、
    前記溝の幅が、前記球体の直径と同等またはわずかに長くなるように設けられている
    ことを特徴とする測定子。
  2. 請求項1に記載の測定子において、
    前記溝は、
    前記球体の接触する部分の底が、平らに形成されている
    ことを特徴とする測定子。
  3. 請求項1または2に記載の測定子において、
    前記支持体は、
    前記球体が前記溝から脱落することを防止する脱落防止部を備えており、
    該脱落防止部は、
    前記溝内に収容された前記球体における、前記溝よりも突出している部分の一部を覆う絞り部分を有する
    ことを特徴とする測定子。
  4. 請求項3に記載の測定子において、
    前記絞り部分は、
    前記溝の軸方向の長さが、前記球体の直径よりも短くなるように形成されている
    ことを特徴とする測定子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の測定子において、
    前記脱落防止部は、
    前記溝の軸方向における前記球体の移動量を制限するストッパ部分を有しており、
    該ストッパ部分は、
    前記溝の軸方向において、前記絞り部分よりも外方に設けられている
    ことを特徴とする測定子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の測定子において、
    前記溝の中に前記球体が複数個支持されることを特徴とする測定子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の測定子において、
    外部に通じる孔または穴を持つ部品の内側の径測定に用いることを特徴とする測定子。
  8. 請求項7に記載の測定子において、ボールナット機構のナット部分のボール軌道部分による径の測定に用いることを特徴とする測定子。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の測定子において、
    外側の径測定に用いることを特徴とする測定子。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載の測定子において、
    形状測定に用いることを特徴とする測定子。
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