JP6057271B2 - 電磁波素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波長の大きく異なる2つの波長帯域で使用される電磁波素子に関する。
人が感じることのできる電磁波である可視光により、人は物の形状や色を認識している。また、人が感じることのできない電磁波のうち、赤外光からは温度由来の情報を、ミリ波を使えば物体までの距離情報を得ることができる。これらの電磁波を波長ごとに利用すると、温度由来の情報や、距離情報を得ることができる。
そこで、通常のカメラにより撮影した可視光画像と、赤外線やミリ波等により検出した画像とを重ねて表示させることで、様々な有用な情報を得ることができる。例えば、可視光画像と赤外線カメラとを用いて、食材や料理をオーブンで過熱する際に、色と温度の分布を同時に知ることができれば、こうした情報をフィードバックして、より効率的な加熱を行うことができる。また、車載カメラに温度分布の情報を加えることで、服装が背景に同化してしまっている人でも確実に認識することができ、自動車の安全性向上につながる。
ここで、物体の任意の点の距離や温度等の情報を知るためには、一般に視差のある2つのカメラで物体から出る電磁波を計測した画像において、物体の同一の点がそれぞれの画像の画素にどう写るかという関係、すなわち「対応付け」を求めることが必要となる。例えば、2つの視差のある可視光カメラで物体を見て、それぞれの画像での物体の同一点を「対応付け」するには、物体の輪郭などの特徴点を用いて計算を行う。
一方、物質には分散があり、電磁波に対する応答(屈折率、吸収率など)は電磁波の周波数に応じて異なる。とりわけ、周波数による屈折率のわずかな変化は収差をもたらし、レンズ等の電磁波素子の性能を制限する。このため、可視光の場合は、色収差を取り除くために、正負の屈折力をもつ複数のレンズを組み合わせた色消しレンズ系が用いられる(例えば、特許文献1参照)。また、曲率をもつレンズの表面に回折面を形成することにより、色収差を抑制することも行われている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4125179号公報 特開平10−73760号公報
しかしながら、波長の大きく異なる多波長の電磁波を利用する場合は、可視光、赤外光、ミリ波などに対応して、それぞれ異なる撮像素子を用いることになり、同一点としての「対応付け」はより困難となる。また、単一の撮像素子により大きく異なる複数の波長帯の電磁波が検出できたとしても、対象物を撮像素子に結像させる電磁波素子は、通常、波長の大きく異なる複数の波長帯の電磁波に対して異なる屈折率を有するので、色収差の発生が可視光のみの場合と比べてもさらに問題となる。
図5は、色収差を説明するための模式図である。結像レンズ101(電磁波素子)および撮像素子102からなる撮像システム100において、結像レンズ101は所定の波長λの電磁波を用いて良好な結像がなされるように設計されている。したがって、物体103上の1点から発した光は、結像レンズ101のそれぞれ異なる領域を通過した後に、撮像素子102の検出面上で像104の1点に収束する(図中の実線で示す光路)。しかし、λとは大きく異なる波長λの電磁波に対して、結像レンズ101を構成する媒質は異なる屈折率を示すので、同じ撮像システムにより良好な撮像を行うことができない(図中の点線で示す光路)。図5では、波長λにおける屈折率が、波長λにおける屈折率よりも大きい場合が図示されている。
この問題を解決するため、色収差を抑制する目的で結像レンズ101を色消し用の電磁波素子として構成すると、装置を大型化させてしまい、望ましくない。また、結像レンズ101の表面に回折面などを形成することも、ノイズの増大、製造工程の複雑化、などの問題をもたらす。また、こうした改良を行ったとしても、物質に分散がある以上、色収差をゼロにすることはできない。特に、可視光と赤外光、可視光とミリ波などのように、対象とする2つの電磁波の帯域が大きく異なる場合は、同じ物質の屈折率は大きく変化し、上記のような方法で色収差を抑制することがさらに難しくなる(E.D. Palik (ed.), "Handbook of Optical Constants of Solids," Academic Press, London, UK(1998)参照)。
したがって、これらの点に着目してなされた本発明の目的は、単純な構成で、波長の大きく異なる複数の帯域の電磁波に対して収差の影響を低減した電磁波素子を提供することにある。
上記目的を達成する電磁波素子の発明は、
第1の誘電体中に前記第1の誘電体とは誘電率の異なる第2の誘電体を分散させてなる複合誘電体で構成された電磁波素子であって、
前記電磁波素子は、所定の第1の波長の電磁波および前記第1の波長よりも長い所定の第2の波長の電磁波に対して略等しい有効誘電率を有し、
前記第2の誘電体の平均的な粒径および平均的な間隔は、前記第1の波長よりも小さいことを特徴とするものである。
好ましくは、前記第1の誘電体と前記第2の誘電体の少なくともいずれか一方は、前記第1の波長と前記第2の波長との間に、誘電率が大きく変化する共振波長を有する。
さらに好ましくは、前記電磁波素子は、前記第1の波長と前記第2の波長とを予め定め、前記第1の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率を、前記第2の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率と略等しくなるように、前記第2の誘電体の平均的な粒径を決定して生成することができる。
また、前記第1の波長および前記第2の波長の電磁波に対応する前記有効誘電率は、
Figure 0006057271
によって与えられ、b,θおよびF(θ)は、それぞれ
Figure 0006057271
により定義され、ここにおいて、aは、前記第2の誘電体の平均的な粒径であり、εおよびεは、それぞれ前記第1の誘電体と前記第2の誘電体との誘電率であり、fは前記複合誘電体の全体に占める前記第2の誘電体の体積占有率であり、λは電磁波の波長である。
また、前記第2の波長は前記第1の波長の少なくとも10倍であることが望ましい。
好適には、前記電磁波素子は、前記第1の波長の電磁波および前記第2の波長の電磁波に対して、正の屈折力を有する電磁波素子として構成される。
本発明によれば、電磁波素子を、第1の誘電体中に前記第1の誘電体とは誘電率の異なる第2の誘電体を分散させてなる複合誘電体で構成し、第1の波長の電磁波および前記第1の波長よりも長い第2の波長の電磁波に対して略等しい有効誘電率を有するようにしたので、単純な構成で、波長の大きく異なる複数の帯域の電磁波に対して収差の影響を低減することができる。
本発明の実施形態に係る電磁波素子を構成する複合誘電体の構成を示す模式図である。 図1の電磁波素子の有効誘電率を2πa/λの関数として表したグラフである。 本発明の電磁波素子を適用した撮像システムの結像性能を説明するための模式図である。 誘電体の誘電率の波長依存性を模式的に示す図である。 色収差を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施形態に係る電磁波素子を構成する複合誘電体の構成を示す模式図である。この複合誘電体は、第1の誘電体1中に第1の誘電体1とは誘電率の異なる第2の誘電体2が分散されている。ここで、第1の誘電体1の誘電率をε、第2の誘電体2の誘電率をεとする。簡単のために、第2の誘電体2は全て半径aの球体であり、図には示されていないが、3次元的に配置されて周期p(>a)の正方格子を形成しているものと仮定する。この場合、全体に占める誘電体2の体積占有率は、(1)式で与えられる。
Figure 0006057271
このfを、以後、単に体積占有率と呼ぶ。このような複合誘電体を、2つの異なる波長の電磁波に対して使用するものとし、使用するそれぞれの電磁波の真空中における波長をλおよびλとする。第2の誘電体2が配列された格子の周期pと第1および第2の電磁波の波長λ,λとの間には、(2)の関係が成立するものとする。
Figure 0006057271
この場合、複合誘電体に対して実効的な誘電率を定義することができる。これを有効誘電率と呼びεeffで表す。有効誘電率εeffは、(3)式で表されることが知られている(C. L. Holloway et al., IEEE Transactions on Antenna and Propagation, Vol. 51, p.2596-2603 (2003)参照)。
Figure 0006057271
ここで、F(θ)は(4)式で定義される。
Figure 0006057271
図2は、第1の波長であるλを500nmとしたときの(3)式で表される有効誘電率を、2πa/λを横軸にとって表したグラフである。第1の誘電体1としてSiO(ε(λ)=2.14)を、第2の誘電体2としてZnS(ε(λ)=5.86)をそれぞれ用い、体積占有率をf=0.268とした。第1の誘電体1および第2の誘電体2の誘電率ε(λ)およびε(λ)は、波長λ=500nmに対する値である。このグラフの左端(2πa/λ=0)での有効誘電率はε eff(λ)=2.84である。グラフの左端から2πa/λが増大するにつれて有効誘電率は増大し、2πa/λ=1.39の近傍で、急峻に増大し発散する。これは、第2の誘電体2により構成される誘電率εの誘電体球が共振器として作用することに起因しており、この領域では、複合誘電体の構造周期を調整することによって、2.84以上の任意の有効誘電率を実現することができる。
一方、第2の波長λを100μmとしたとき、第1の誘電体1および第2の誘電体2の誘電率は、それぞれ、ε(λ)=3.88、ε(λ)=9.36である。この場合も、第2の波長λに対する有効誘電率のグラフは図2と同様に、所定の2πa/λで発散する曲線となる。ここで、λはλの、200倍であることを考慮すれば、第2の波長λの電磁波に対して、有効誘電率が発散する第2の誘電体2の半径aの値は、第1の波長λの電磁波に対して、有効誘電率が発散する半径aの値よりもかなり(2桁程度)大きくなる。したがって、0<2πa/λ<1.39を満たすaの範囲では、第2の波長λに対する発散は発生せず、有効誘電率は、εeff(λ)=4.97でほぼ一定値となる。
したがって、半径aを適切な値に設定することによって、第1の波長λの電磁波の有効誘電率εeffを、第2の電磁波の有効誘電率εeffと略一致させることが可能である。具体的には、図2において2πa/λ=1.18 のとき、εeff=4.98となるので、波長λ=500nmに対しても、波長λ=100μmに対しても、ほぼ同じ値の有効誘電率が得られることになる。誘電体は磁気的応答を示さないため、複合誘電体の実効的な屈折率(有効屈折率)は有効誘電率の平方根に等しい。したがって、上記の例では、複合誘電体は波長λおよびλのいずれに対してもほぼ同じ値の有効屈折率を示す。
図3は、本願の電磁波素子を適用した撮像システムの結像性能を説明するための模式図である。この撮像システム10は結像レンズ11と、撮像素子12とを含む。結像レンズ11は、正のパワーを有する本実施の形態の電磁波素子であり、物体13の像14を撮像素子12上に結像させる。撮像素子12は、第1の波長λおよび第2の波長λの双方の電磁波を検出することができる素子である。例えば、第1の波長λと第2の波長λとのそれぞれに感受性を有する素子を受光面上に交互に2次元アレー状に配置すること等により構成される。図3において、実線は第1の波長λ(=500nm)の電磁波を示し、破線は第2の波長λ(=100μm)の電磁波を示す。物体から出射した第1の波長λの電磁波と、第2の波長λの電磁波とは、ほぼ同じ有効屈折率を有するので、同一の撮像素子12の受光面上に結像させることが可能となり、図5に示したような色収差は発生しない。
なお、上記の説明では、2πa/λ=1.39の近傍で、第2の誘電体2を構成する球体の半径aを調整し、第1の波長λの電磁波に対する有効誘電率εeffを、第2の波長λの有効誘電率εeffと同じ値となるようにした。一方、同じく2πa/λ=1.39の近傍で、第1の波長λを調整することによっても、有効誘電率εeffを変化させることが可能である。
本発明の電磁波素子では、複合誘電体の第2の誘電体2を構成する誘電体球と電磁波との共振が起こる波長では、有効誘電率が無限大に発散することを利用する。すなわち、第1の波長λを共振波長の近傍とし、複合誘電体の構造、具体的には第2の誘電体2の粒径、または第1の波長λを調整することによって、第1の波長λの電磁波に対する有効誘電率を第2の波長λの電磁波に対する有効誘電率に一致させる。このような設計を可能とするためには、共振の発生しない領域で、第2の波長λに対する有効誘電率が、第1の波長λに対する有効誘電率よりも高くならなければならない。λ<λの条件において、一般的に、この条件が満たされることを、誘電体の電気的性質に基づいて以下に説明する。
図4は、誘電体の誘電率の波長依存性を模式的に示した図である(D. Palik (ed.), "Handbook of Optical Constants of Solids," Academic Press, London, UK(1998)参照)。図4には、誘電率の実数部(実線)と虚数部(破線)が示されているが、両者の間にはクラマース・クローニッヒの関係と呼ばれる相関がある。すなわち、実数部があまり変化しない領域では虚数部が小さな値をとり、誘電体は透明(波長領域A、C、E)となる。一方、実数部が変化する領域では虚数部が大きな値をとり、誘電体は不透明(波長領域B、D)となる。誘電体中には電子やフォノンの運動に起因する共鳴準位が複数あり、それぞれが固有の波長の光に共鳴して、入射した光を吸収する。こうした共鳴準位のない波長領域では、誘電率の実数部は概ね一定値をとるが、その値は波長が長いほど大きくなり、図4の例ではεとなる。これは、入射する光の波長(周波数)より短波長側(高周波側)にある共鳴準位は全て、電磁波の電場に対して即座に分極する(したがって誘電率の値を増大させる方向に作用する)ためである。つまり、少なくとも1つの共鳴準位を挟んだ2つの透明領域を比較すると、誘電体の種類によらず一般的に次の(5)式が成り立つ。
Figure 0006057271
本実施の形態の複合誘電体は、第1の誘電体1および第2の誘電体2から構成されるが、少なくとも第1の誘電体1または第2の誘電体2のいずれかが、前記第1の波長と前記第2の波長との間に、誘電率が大きく変化する共振波長を有することによって、複合誘電体全体としても(5)式を満たすことができる。また、SiOの屈折率によれば、通常電磁波の波長帯域が10倍程度異なれば、(5)式の関係が成り立つことが知られている(例えば、D. Palik (ed.), "Handbook of Optical Constants of Solids," Academic Press, London, UK (1998)参照)。
上記の実施の形態では、相対的に短い第1の波長のλ(=500nm)に対して複合誘電体の有効誘電率が図2で与えられることを計算したが、このグラフの左端(2πa/λ=0)での有効誘電率はε eff(λ)=2.84である。一方、相対的に長い波長λ(=100μ)で同様の計算を行うと、2πa/λ=0における有効誘電率はε eff(λ)=4.97である。したがって、ε eff(λ)<ε eff(λ)となることから、0<2πa/λ<1.39の範囲で、双方の波長の電磁波に対して有効誘電率を一致させることができる。
このように、複合誘電体においても、(5)式で示したλ<λならばε eff(λ)<ε eff(λ)なる関係が、必然的に成立するので、本発明の複合誘電体は、誘電体1と誘電体2の種類によらず、多く種類の誘電体を用いて構成することが可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電磁波素子を、第1の誘電体1中に前記第1の誘電体1とは誘電率の異なる第2の誘電体2を分散させてなる複合誘電体で構成し、第1の波長λの電磁波および前記第1の波長λよりも長い第2の波長λの電磁波に対して略等しい有効誘電率を有するようにしたので、単純な構成で、波長の大きく異なる複数の帯域の電磁波に対して収差の影響を低減し、双方の電磁波に対して、優れた結像性能を有することができる。したがって、本発明の電磁波素子を撮像装置に適用した場合、異なる複数の波長の電磁波に対して、画像の同位置にある画素が、観察対象の物体の同一点であるので、「対応付け」が不要になり、装置全体を単純に構成することもできる。
また、本実施の形態に係る電磁波素子を用いて構成した図3の撮像システムでは、電磁波系の製造時に動作波長λおよびλを設定して、双方に対して良好な結像性能が得られるように設計および製造を行うが、製造誤差や環境変化によって結像性能が劣化したとしても、例えば物体を照明する第1の波長λをわずかに変化させることで、容易に補正することができるという効果も有している。これは、2πa/λ=1.39の近傍で有効誘電率が大きく変化するという特性に基づいており、誘電率が波長に対してゆるやかにしか変化しない通常の誘電体レンズでは得られない効果である。
複合誘電体を結像レンズとして用いるこのような撮像システムは、例えば、イメージングに単色光を用いる蛍光顕微鏡やレーザー走査型顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、光記録システムにおいて、特に効果的に機能する。あるいは、本発明の電磁波素子は、CD、DVD およびBlue-ray といった異なる規格の記録メディアを単一のシステムで読み書きする必要がある光記録システムに適用することも可能である。さらに、今後、ホログラフィックメモリーや2光子記録といった新たなシステムが組み込まれたときに、より広い波長帯域で記録メディアを読み書きする光学系の収差を補正する技術として適用することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記の実施例では、第1の誘電体に、第2の誘電体の誘電体球を正方格子状に配置することで複合誘電体を構成しているが、本発明に関わる複合誘電体およびそれを用いた電磁波素子の効果は、第1の誘電体および第2の誘電体の形状、配置に関わりなく得られる。その理由は、波長に比べて小さな誘電体球を分散させた構造体では、有効誘電率はそれを構成する誘電体の誘電率(上記の実施例ではεおよびε)と体積占有率f によって決まり、誘電体球の寸法や配置にはよらないからである(例えば、F. Capolino (ed.), "Metamaterials Handbook - Theory and Phenomena of Metamaterials,"CRC Press, NW (2009), Chapter 9参照)。したがって、複合誘電体内の第2の誘電体は球形に限られず、正方格子のように規則正しく配置される必要もない。
また、上記の実施の形態では、電磁波素子を正のパワーを有する結像レンズとしたが、電磁波素子は負のパワーを有していても良く、あるいは、複数の電磁波素子を組み合わせて使用しても良い。また、第1の波長と第2の波長の帯域は、可視光および赤外光に限られず、テラヘルツ波やミリ波、マイクロ波等を含む種々の組合せとすることが可能である。また、本発明による電磁波素子は、撮像システムや記録メディアへのデータの書き込み、読み出しの他、電磁波の検出、または、電磁波を用いた加工等の用途など、種々の用途に適用することが可能である。
1 第1の誘電体
2 第2の誘電体
10 撮像システム
11 結像レンズ
12 撮像素子
13 物体
14 撮像素子
100 撮像システム
101 結像レンズ
102 撮像素子
103 物体
104 像

Claims (3)

  1. 複合誘電体で構成された電磁波素子の製造方法であって、
    第1の誘電体中に前記第1の誘電体とは誘電率の異なる第2の誘電体を分散させて複合誘電体を生成するステップを含み、
    前記電磁波素子は、所定の第1の波長の電磁波および前記第1の波長よりも長い所定の第2の波長の電磁波に対して略等しい有効誘電率を有し、
    前記第1の誘電体と前記第2の誘電体の少なくともいずれか一方は、前記第1の波長と前記第2の波長との間に、誘電率が大きく変化する共振波長を有し、
    前記第2の誘電体の平均的な粒径および平均的な間隔は、前記第1の波長よりも小さい
    電磁波素子の製造方法において、
    前記第1の波長と前記第2の波長とを予め定めるステップと、
    前記第1の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率を、前記第2の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率と略等しくなるように、前記第2の誘電体の平均的な粒径を決定するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記第2の波長は前記第1の波長の少なくとも10倍であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波素子の製造方法。
  3. 第1の誘電体中に前記第1の誘電体とは誘電率の異なる第2の誘電体を含む複合誘電体で構成された電磁波素子の製造方法であって、
    第1の波長と該第1の波長の少なくとも10倍である第2の波長とを予め定めるステップと、
    前記第1の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率を、前記第2の波長の電磁波に対する前記複合誘電体の有効誘電率と略等しくなるように、前記第2の誘電体の平均的な粒径を決定するステップと、
    前記第1の誘電体中に前記第2の誘電体を分散させて前記複合誘電体を生成するステップと
    を含み、前記第2の誘電体の平均的な粒径および平均的な間隔は、前記第1の波長よりも小さいことを特徴とする方法。
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