JP6055983B2 - 電池用集電体およびリチウムイオン電池 - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、長時間振動を加え続けても破断することを抑制することができる電池用集電体、およびこの電池用集電体を備えた耐振動性が高いリチウムイオン電池を提供する。
また、本発明は、正極と負極とをセパレータを挟んで積層した構造を有する発電要素と、前記正極に接続された正極集電体と、前記負極に接続された負極集電体と、非水電解液と、前記発電要素と前記正極集電体と前記負極集電体と前記非水電解液とを収容する電池ケースとを備え、前記正極集電体または前記負極集電体は、前記電池ケースに固定された板状の基部と、前記基部から延びる板状の足部とを有し、前記足部は、正極または負極に接続されている接続部と、前記基部と前記接続部との間に設けられた屈曲部とを有し、前記基部と前記屈曲部との間に緩衝部が設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池を提供する。
また、本発明のリチウムイオン電池は、正極と負極とをセパレータを挟んで積層または巻回した構造を有する発電要素と、前記正極に接続された正極集電体と、前記負極に接続された負極集電体と、非水電解液と、前記発電要素と前記正極集電体と前記負極集電体と前記非水電解液とを収容する電池ケースとを備え、前記正極集電体または前記負極集電体は、前記電池ケースに固定された板状の基部と、前記基部から延びる足部とを有し、前記足部は、正極または負極に接続される接続部と、前記基部と前記接続部との間に設けられた屈曲部とを有し、前記基部と前記屈曲部との間に緩衝部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、リチウムイオン電池の部品数を減らすことができ、製造コストを低減することができる。また、基部と足部との間に抵抗要因となりうる接続部分がないため、導電抵抗を低減することもできる。
本発明のリチウムイオン電池において、前記緩衝部は、基部または屈曲部に接して設けることが好ましい。
このような構成によれば、屈曲部にかかる振動応力を確実に緩衝部に分散することができる。
本発明のリチウムイオン電池において、前記緩衝部は、前記基部に切欠き部を設けることにより形成され、前記切欠き部は、前記基部の蓋部材側の面に平行な方向に設けることが好ましい。また、前記切欠き部は、基部(緩衝部なし)の足部の付け根の少なくとも一方の側部に接するように設けることが好ましい。
このような構成によれば、従来足部の屈曲部に集中していた振動応力を緩衝部に分散することができる。
このような構成によれば、発電要素を集電体とつなぐ電極の電極接続部23を発電要素の上部ではなく、側部に設けることが可能となる。
本発明のリチウムイオン電池において、前記接続部は、コの字形の断面またはN字形の断面を有することが好ましい。
このような構成によれば、発電要素に無理な変形を強いることなく、多数の電極を集電体につなぐことができ、リチウムイオン電池に含まれる正極および負極の数を多くすることができる。このことにより、リチウムイオン電池のエネルギー容量を大きくすることができる。
このような構成によれば、正負極の集電体に短絡電流が流れることを抑制することができる。
このような構成によれば、リチウムイオン電池に振動が加えられた際に足部が破断することを抑制することができる。
本発明のリチウムイオン電池において、熱収縮させたシュリンクチューブをさらに備え、前記シュリンクチューブは、前記正極集電体と前記負極集電体と前記発電要素とを一体に束ねることが好ましい。
このような構成によれば、発電要素の膨らみやズレを抑えることができ、発電要素に含まれる正極や負極がばらばらになることを防止することができる。
このような構成によれば、短絡電流が流れることを防止することができる。また、リチウムイオン電池が複数の正極と複数の負極を有することができ、リチウムイオン電池のエネルギー容量を大きくすることができる。
本発明のリチウムイオン電池において、前記電池ケースは、開口を有する容器と前記開口を塞ぐ蓋部材とを備え、前記正極集電体および前記負極集電体は、前記蓋部材に固定されたことが好ましい。
このような構成によれば、正極集電体、負極集電体および発電要素を蓋部材に固定した状態で容器内に挿入することができ、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1は本実施形態のリチウムイオン電池の概略上面図であり、図2は本実施形態のリチウムイオン電池の概略側面図であり、図3は図1の点線A−Aにおけるリチウムイオン電池の概略断面図である。また、図4は図1の点線B−Bにおけるリチウムイオン電池の概略断面図であり、図5は図2の一点鎖線C−Cにおけるリチウムイオン電池の概略断面図である。
図6は、本実施形態のリチウムイオン電池に含まれる発電要素の構成を説明する説明図であり、図7(a)は本実施形態のリチウムイオン電池に含まれる正極の概略平面図であり、図7(b)は図7(a)の点線D−Dにおける正極の概略断面図である。図8(a)は本実施形態のリチウムイオン電池に含まれる負極の概略平面図であり、図8(b)は図8(a)の点線E−Eにおける負極の概略断面図である。
図9(a)は、本実施形態のリチウムイオン電池に含まれる正極集電体または負極集電体の概略上面図であり、図9(b)はその概略側面図であり、図9(c)は図9(a)の一点鎖線F−Fにおける集電体の概略断面図である。なお、図9は、集電体7を蓋部材2に固定する前の状態の図であり、図9に示した集電体7に含まれる突起部31は、蓋部材2に固定される際のかしめ加工により変形する。
図10は、本実施形態のリチウムイオン電池に含まれる正極集電体または負極集電体の概略斜視図である。
以下、本実施形態のリチウムイオン電池20について説明する。
電池ケース17は、発電要素12を収容するための容器1を備える。また、電池ケース17は、蓋部材2を備えてもよい。
容器1は、内部に発電要素12、正極集電体3(集電体7)、負極集電体4(集電体7)および非水電解液5を収容することができ、蓋部材2と接合することができる。
容器1の材料は、内部に発電要素12、正極集電体3、負極集電体4および非水電解液5を収容しても大きく変形しない材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属材料、該金属材料にニッケル、スズ、クロム、亜鉛等をメッキしたものや、硬質プラスチックなどである。
容器1の形状は、角型でも円筒形でも良い。
容器1は、発電要素12を容器1の内部に挿入するための開口を有する。また、この開口は、蓋部材2により塞がれる。このことにより、容器1の内部に発電要素12を収容することができる。
発電要素12は、電池ケース17内部に充填された非水電解液5と共に電池反応をする。この電池反応によりリチウムイオン電池20は、放電、充電をすることができる。発電要素12は、セパレータ24と、セパレータ24を介して配置された正極21および負極22を備える。発電要素12は、例えば、図6のように、つづら折りされたセパレータ24と、セパレータ24の各谷溝に配置され、かつ、セパレータ24を介して交互に配置された正極21および負極22とを備えることができる。ここでは、上記構造を示したが、通常使われているセパレータ24と、セパレータ24を介して配置された正極21および負極22を巻いた巻回タイプや、セパレータ24を介して配置された正極21および負極22を重ね合わせた積層タイプでもよい。
なお、1つの発電要素12に含まれる正極21または負極22の積層数は、例えば、7層以上20層以下である。
正極活物質層25は、正極活物質に導電剤、結着剤などを添加し、塗布法などにより正極集電シート27の上に形成することができる。正極活物質は、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCo1-xO2(x=0.01〜0.99)、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoxMnyNizO2(x+y+z=1)又はオリビン型のLiFePO4やLixFe1-yMyPO4(但し、0.05≦x≦1.2、0≦y≦0.8であり、MはMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nbのうち少なくとも1種以上である)などが一種単独もしくは複数種を混合して使用することができる。
負極活物質層26は、負極活物質に導電剤、結着剤などを添加し、塗布法などにより負極集電シート28の上に形成することができる。負極活物質は、例えば、リチウム二次電池の場合、グラファイト、部分黒鉛化した炭素、LiTiO4、Sn合金等が一種単独もしくは複数種を混合して使用することができる。
正極集電体3は、発電要素12に含まれる正極21と外部接続端子8aとを電気的に接続する部材である。
負極集電体4は、発電要素12に含まれる負極22と外部接続端子8bとを電気的に接続する部材である。
集電体7(正極集電体3または負極集電体4)は、電池ケース17に固定された板状の基部32(図9(a)、図11、図12の点線で囲まれた部分)と、基部32から延びる板状の足部33と、基部32と足部33との間に設けられた緩衝部35とを有する。また、集電体7は、基部32から突出し蓋部材2に設けられた開口を貫通する突出部31を有することもできる。足部33は、基部32の端が延長するように基部32から突出していてもよい。また、足部33は、棒状であっても、板状であってもよい。
ここで、足部33とは、基部32から突出した部分であり、屈曲部36と屈曲部36を介して基部32から延出している部分である。また、板状とは、比較的薄い厚さを有する形状であり、加工により曲げられたり穴が形成されたりしもよい。
集電体7は、例えば、図9〜12のような形状を有することができる。
集電体7が有する基部32は、電池ケース17に固定される部分である。基部32は、板状であり、蓋部材2側の上面とその裏面である下面とを有する。基部32の上面から突出部31が突出している。突出部31は、例えば金属板を絞り加工することにより形成することができる。突出部31は後述のように蓋部材2の開口などを貫通させた後、端部がかしめ工具により加工される。
正極集電体3、負極集電体4の製造方法は、特に限定されないが、例えば、金属板をプレス加工することにより製造することができる。金属板は、例えば1.5mm以上2.5mm以下の厚さを有するものを使用することができる。
なお、集電体7は、内部絶縁部材11と咬合する形状を有しており、内部絶縁部材11は蓋部材2と咬合する形状を有しており、蓋部材2は外部絶縁部材10と咬合する形状を有しており、外部絶縁部材10は外部接続端子8と咬合する形状を有している。このため、ねじ部6a、6bや外部接続端子8に力が加わったとしても、集電体7、内部絶縁部材11、外部絶縁部材10、外部接続端子8は、突起部31を軸として蓋部材2に対して回転することを防止できる。
また、基部32の上面は、蓋部材2の内面の10%以上40%以下の面積を有することができる。このことにより、集電体7を蓋部材2にしっかり固定することができる。
足部33は、1つの基部32に対して少なくとも1つ形成されていればよく、複数形成されてもよい。また、足部33は、途中で分岐してもよい。
足部33は、電極(正極21または負極22)が接続する接続部37と、基部32と接続部37との間に設けられた屈曲部36とを有する。また、基部32と屈曲部36との間に緩衝部35が設けられる。
また、接続部37を有することで、発電要素の極板を曲げることなく集電体7に接続でき、発電要素に無理な力が加わることを防ぐことができる。
さらに、正極集電体3が有する接続部37および負極集電体4が有する接続部37は、発電要素12の両側端に発電要素12を挟むように設けることができる。発電要素12の1つの端部で正極集電体3の接続部37と正極21の電極接続部23とが接続することができ、発電要素12の前記端部の反対側の端部で負極集電体4の接続部37と負極22の電極接続部23とが接続することができる。このような構成より、正負極の集電体に短絡電流が流れることを抑制することができる。
また、正極集電体3が有する接続部37に複数の正極21の電極接続部23を接続し、負極集電体4が有する接続部37に複数の負極22の電極接続部23を接続することができる。この場合、複数の電極接続部23を重ねて集電体7の電極接続部23に接続することができる。
屈曲部36の角度は、例えば、45度以上110度以下とすることができる。また、屈曲部36にはRを持たせることが好ましく、その際の屈曲部36に設けるRの円弧半径(内側の面)は、0.01mm以上5mm以下とすることができる。
緩衝部35は、図13に示した緩衝部35が設けられていない集電体107に含まれる基部132の足部133の付け根の少なくとも一方の側部に接するように切欠き部40を設けることにより形成されてもよい。切欠き部40は、基部132の蓋部材側の面に平行な方向に切欠いた部分であってもよい。緩衝部35を設けることにより、振動応力を前記屈曲部から分散することができる。
緩衝部35は例えば、図9(a)、図10、図11(a)、図12(a)に示したような斜線部分である。基部32にこのような緩衝部35を設けることにより、リチウムイオン電池20に振動が加えられた際に集電体7が破断することを抑制することができる。以下にこのことを説明する。
リチウムイオン電池20は、発電要素12、正極集電体3および負極集電体4を一体に束ねるシュリンクチューブ15を備えることができる。
シュリンクチューブ15は、管状の樹脂フィルムであり、発電要素12と正極集電体3と負極集電体4を一体に束ねて熱収縮させている。また、シュリンクチューブ15は発電要素12と正極集電体3と負極集電体4を覆っている。
また、シュリンクチューブ15は、熱融着させた継ぎ目を有してもよく、継ぎ目を有していないシームレスチューブであってもよい。シュリンクチューブ15を設けることにより、発電要素12の膨らみやズレを抑えることができ、発電要素12に含まれる正極21や負極22がばらばらになることを防止することができる。特に発電要素12が積層構造である場合、シュリンクチューブ15は、正極21及び負極22を固定する部品となる、つまり、シュリンクチューブ15は、発電要素12の形状維持部材としても機能している。
また、シュリンクチューブ15は、発電要素12、正極集電体3および負極集電体4に密着することができる。このことにより、正極集電体3と負極集電体4と発電要素12を一体化することができ、電池の耐振動性を向上させることができる。
シュリンクチューブ15を構成するフィルムの厚さは、30μm以上200μm以下とすることができる。シュリンクチューブ15の厚さを30μm以上とすることにより、シュリンクチューブ15が十分な強度を有することができ、電池を振動させてもシュリンクチューブ15が裂けることを防止することができる。また、シュリンクチューブ15の厚さを200μm以下とすることにより、シュリンクチューブ15を熱収縮させる時間を短くすることまたは熱収縮させる際の温度を低くすることができ、熱収縮させる際に加える熱が発電要素12に影響を与えることを抑制することができる。
シュリンクチューブ15を構成するフィルムの厚さは、さらに好ましくは50μm以上150μm以下である。このことにより、シュリンクチューブが十分な強度を有することができ、熱収縮させる際の発電要素への影響をさらに小さくすることができる。
図6に示したような発電要素を有する図1〜5に示したようなリチウムイオン電池であって、正極集電体および負極集電体の形態を変えた3種類のリチウムイオン電池(実施例1〜3)をそれぞれ5個ずつ作製し、振動実験を行った。また、比較例として、図6に示したような発電要素を有する図1〜5に示したようなリチウムイオン電池であって、集電体に緩衝部を設けていない2種類のリチウムイオン電池(比較例1、2)をそれぞれ5個ずつ作製し、振動実験を行った。
シュリンクチューブの材質は、ポリエチレンとした。また、正極集電体および負極集電体の接続部の長さは8cmとした。また、正極集電体は厚さ1.5mmのアルミニウムの金属板を加工することにより作製し、負極集電体は厚さ1.5mmの銅の金属板を加工することにより作製した。
作製したリチウムイオン電池を振動装置のプラットフォーム(振動台)にしっかりと固定し、プラットフォームを正弦波形で振動させリチウムイオン電池の振動試験を行った。振動試験は、電池のX方向、Y方向、Z方向に対してそれぞれ振動試験サイクルを12回ずつ行った。1回の振動試験サイクルは、7Hz→200Hz→7Hzを15分で対数掃引することにより周波数を変化させながら電池を振動させた。すなわち、各方向に3時間ずつ電池を振動させた。
振動試験サイクルでは、周波数7Hz〜18Hzにおいては、ピーク加速度を1Gに維持し、周波数18Hz〜50Hzでは、振動幅を0.8mm(全振幅1.6mm)に保ち、ピーク加速度が8Gとなるまで加速度を増加させた。周波数50Hz〜200Hzでは、ピーク加速度を8Gに維持した。
比較例1では、図13に示したような緩衝部を設けていない形状を有する正極集電体および負極集電体を用いてリチウムイオン電池を作製し、振動試験を行った。また、シュリンクチューブは、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、このポリエチレンフィルムを熱収縮させることにより設けた。
振動試験後のリチウムイオン電池を分解すると、試験を行った電池すべてで、集電体の足部が屈曲部で破断したことが確認された。
比較例1で作製したリチウムイオン電池の集電体は、基部と屈曲部とが隣接しているため、振動により集電体の接続部に力が加わると接続部は、屈曲部を支点として振動すると考えられる。このため、屈曲部に振動応力が集中し金属疲労が生じたため、集電体の足部は破断したと考えられる。
比較例2では、図13に示したような緩衝部を設けていない形状を有する正極集電体および負極集電体を用いてリチウムイオン電池を作製し、振動試験を行った。また、シュリンクチューブは、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、さらに、その上から厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、これらのポリエチレンフィルムを熱収縮させることにより設けた。
振動試験後のリチウムイオン電池を分解すると、試験を行った電池すべてで、集電体の足部が屈曲部で破断したことが確認された。
実施例1では、図9に示したような緩衝部を設けた形状を有する正極集電体および負極集電体を用いてリチウムイオン電池を作製し、振動試験を行った。また、シュリンクチューブは、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、このポリエチレンフィルムを熱収縮させることにより設けた。
振動試験後のリチウムイオン電池を分解すると、試験を行った電池すべてで、集電体の足部が破断することもなく、ひびも入らないことが確認された。
実施例1で作製したリチウムイオン電池の集電体は、基部と屈曲部との間に緩衝部を設けているため、基部と接続部との間に生じる振動応力が分散され、集電体の足部は破断しなかったものと考えられる。
実施例2では、図11に示したような緩衝部を設けた形状を有する正極集電体および負極集電体を用いてリチウムイオン電池を作製し、振動試験を行った。また、シュリンクチューブは、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、このポリエチレンフィルムを熱収縮させることにより設けた。
振動試験後のリチウムイオン電池を分解すると、試験を行った電池すべてで、集電体の足部が破断することもなく、ひびも入らないことが確認された。
実施例2で作製したリチウムイオン電池の集電体は、基部と屈曲部との間に緩衝部を設けているため、基部と接続部との間に生じる振動応力が分散され、集電体の足部は破断しなかったものと考えられる。
実施例3では、図12に示したような緩衝部を設けた形状を有する正極集電体および負極集電体を用いてリチウムイオン電池を作製し、振動試験を行った。また、シュリンクチューブは、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで発電要素、正極集電体および負極集電体を一重に巻き重なり合う部分を熱融着させ、このポリエチレンフィルムを熱収縮させることにより設けた。
振動試験後のリチウムイオン電池を分解すると、試験を行った電池すべてで、集電体の足部が破断することもなく、ひびも入らないことが確認された。
実施例3で作製したリチウムイオン電池の集電体は、基部と屈曲部との間に緩衝部を設けているため、基部と接続部との間に生じる振動応力が分散され、集電体の足部は破断しなかったものと考えられる。
103:正極集電体 104:負極集電体 107:集電体 131:突起部 132:基部 133:足部 136:屈曲部 137:接続部 145:開口 151:凸部
Claims (15)
- 板状の基部と、前記基部から延びる足部とを有し、
前記足部は、正極または負極を接続する接続部と、前記基部と前記接続部との間に設けられた屈曲部とからなり、
前記基部と前記屈曲部との間に緩衝部が設けられ、
前記緩衝部は、前記基部に隣接して設けられ、
前記基部と前記緩衝部との間の境界部の幅は、前記屈曲部の幅よりも広いことを特徴とする電池用集電体。 - 前記緩衝部は、前記屈曲部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池用集電体。
- 前記境界部の幅方向と前記屈曲部の幅方向とは、平行ではない請求項2に記載の電池用集電体。
- 前記基部、前記足部および前記緩衝部は、金属板を加工することにより一体に形成された請求項1〜3のいずれか1つに記載の電池用集電体。
- 前記緩衝部は、前記基部に切欠き部を設けることにより形成され、
前記切欠き部は、前記基部における前記足部の付け根の少なくとも一方の側部に接し、前記基部の蓋部材側の面に平行な面内において切欠いた部分である請求項1〜4のいずれか1つに記載の電池用集電体。 - 前記屈曲部は、45度以上110度以下の角度で屈曲した部分である請求項1〜5のいずれか1つに記載の電池用集電体。
- 前記屈曲部は、Rを有しており、前記Rの円弧半径(内側の面)は、0.01mm以上5mm以下である請求項1〜6のいずれか1つに記載の電池用集電体。
- 前記緩衝部は、前記接続部が振動した際、前記屈曲部にかかる振動応力を緩衝部へ分散するように設けられた請求項1〜7のいずれか1つに記載の電池用集電体。
- 前記接続部は、コの字形の断面またはN字形の断面を有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の電池用集電体。
- 正極と負極とをセパレータを挟んで積層または巻回した構造を有する発電要素と、前記正極に接続された正極集電体と、前記負極に接続された負極集電体と、非水電解液と、前記発電要素と前記正極集電体と前記負極集電体と前記非水電解液とを収容する電池ケースとを備え、
前記正極集電体または前記負極集電体は、請求項1〜9のいずれか1つに記載の電池用集電体であることを特徴とするリチウムイオン電池。 - 正極と負極とをセパレータを挟んで積層または巻回した構造を有する発電要素と、前記正極に接続された正極集電体と、前記負極に接続された負極集電体と、非水電解液と、前記発電要素と前記正極集電体と前記負極集電体と前記非水電解液とを収容する電池ケースとを備え、
前記電池ケースは、前記発電要素を収容するための容器と蓋部材とを備え、
前記正極集電体は、前記蓋部材に固定された板状の基部と、前記正極集電体の基部から延びる足部とを有し、
前記正極集電体の足部は、前記正極と接続する接続部と、前記正極集電体の基部と接続部との間に設けられた屈曲部とを含み、
前記正極集電体の基部と屈曲部との間に緩衝部が設けられ、
前記正極集電体の基部と緩衝部は、同一面内に位置し、
前記負極集電体は、前記蓋部材に固定された板状の基部と、前記負極集電体の基部から延びる足部とを有し、
前記負極集電体の足部は、前記負極と接続する接続部と、前記負極集電体の基部と接続部との間に設けられた屈曲部とを含み、
前記負極集電体の基部と屈曲部との間に緩衝部が設けられ、
前記負極集電体の基部と緩衝部は、同一面内に位置し、
前記正極集電体の基部及び前記負極集電体の基部は、前記発電要素の上側に配置され、
前記正極集電体の接続部及び前記負極集電体の接続部は、前記発電要素の側部に配置され、前記発電要素を挟むように設けられたリチウムイオン電池。 - 前記発電要素は、正極と負極が対向する異なる端部においてそれぞれ集電されており、一端部で前記正極集電体の接続部と、他端部で前記負極集電体の接続部と接続されている請求項10又は11に記載のリチウムイオン電池。
- 熱収縮させたシュリンクチューブをさらに備え、
前記シュリンクチューブは、前記正極集電体と前記負極集電体と前記発電要素とを一体に束ねる請求項10〜12のいずれか1つに記載のリチウムイオン電池。 - 前記セパレータは、つづら折りされた形状を有し、
前記正極および前記負極は、前記セパレータの各谷溝に配置され、かつ、前記セパレータを介して交互に配置される請求項10〜13のいずれか1つに記載のリチウムイオン電池。 - 前記電池ケースは、開口を有する容器と前記開口を塞ぐ蓋部材とを備え、
前記正極集電体および前記負極集電体は、前記蓋部材に固定された請求項10〜14のいずれか1つに記載のリチウムイオン電池。
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