JP6055321B2 - 軸流水車の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は軸流水車の運転方法に関する。
軸流水車には、カプラン水車、プロペラ水車、セミカプラン水車、チューブラ水車などがある。このうちカプラン水車(「可動羽根プロペラ水車」とも呼ばれる)のようにランナベーン角度を負荷、落差などに応じて変更することが可能なものは、ガイドベーンからの流れに応じてランナベーン角度を変更することができることから、効率よく運転できるという利点がある。その反面、ランナベーン角度調整機構を設けることにより、構造が複雑化し、高コストとなり、強度的に劣るという欠点がある。また、ランナベーンを可動とするために必然的に設けられるランナボスとランナベーン間の隙間に魚等の小動物が挟み込まれることがあり、いわゆるフィッシュフレンドリーの観点からは不利である。一方、プロペラ水車(「固定羽根プロペラ水車」とも呼ばれる)は、ランナベーンを動作させることなくガイドベーン制御だけで落差、負荷に対応するため、構造は簡単で、カプラン水車に比べて安価であるという長所を有する。ランナベーンとランナボス間には隙間を設ける必要がないため、フィッシュフレンドリー面で有利である。
プロペラ水車は、カプラン水車に比べて、上池、下池の水位変動が少なく、かつ負荷変動が小さい条件での適用に適している。プロペラ水車はカプラン水車に比べて適用落差範囲が大きくないため、同じ条件下(例えばガイドベーン最大開度およびその近傍)でできるだけ大きな出力を出せるということが他機種との差別化のポイントとなる。
特許第3524948号公報 特許第3357962号公報
本発明は、ランナベーンと、開度調整可能なガイドベーンとを有する軸流水車において、高出力を実現する運転方法を提供するものである。
一実施形態によれば、ランナベーンと、開度調整可能なガイドベーンと有する軸流水車の運転方法が提供される。この運転方法に基づき、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率のピーク値が最大値をとるガイドベーン開度以上のガイドベーン開度範囲において当該軸流水車を運転するにあたって、前記ガイドベーン開度範囲のうちの少なくとも一部において、以下の条件を満たすように運転される。回転速度をN、有効落差をH、水車出力をP、水車流量をQとし、N/H1/2を単位落差あたりの回転速度、P/H3/2を単位落差あたりの出力、Q/H1/2を単位落差あたりの流量としたときに、単位落差当たりの回転速度が、与えられたガイドベーン開度において、水車効率がピーク値をとるときの単位落差当たりの回転速度よりも大きく、かつ、単位落差当たりの水車出力が最大値をとるときの単位落差当たりの回転速度以下である。
他の実施形態によれば、ランナベーンと、開度調整可能なガイドベーンと有する軸流水車の他の運転方法が提供される。この運転方法に基づき、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率のピーク値が最大値をとるガイドベーン開度以上のガイドベーン開度範囲において当該軸流水車を運転するにあたって、以下の関係を満足するように運転される。回転速度をN、有効落差をH、水車出力をP、水車流量をQとし、N/H1/2を単位落差あたりの回転速度、P/H3/2を単位落差あたりの出力、Q/H1/2を単位落差あたりの流量としたときに、与えられたガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度に対する水車効率の関係を示している水車効率曲線を、横軸を単位落差あたりの回転速度とし縦軸を水車効率とするグラフ上に互いに異なる複数のガイドベーン開度ごとに描き、前記グラフ上に描かれた複数の水車効率曲線を包絡する包絡線を描いたときに、前記包絡線と、各ガイドベーン開度における水車効率曲線とが接する接点における単位落差あたりの回転速度がそのガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度となる。
軸流水車の一例としてのプロペラ水車の断面図である。 プロペラ水車の効率、流量特性を示す図である。 プロペラ水車の効率、出力特性を示す図である。 プロペラ水車の運転特性を示す図である。 実施形態に係る運転方法を説明するための、プロペラ水車の効率・流量特性を示す図である。 実施形態に係る運転方法を説明するための、プロペラ水車の効率・出力特性を示す図である。 実施形態に係る運転方法を説明するための、プロペラ水車の運転特性を示す図である。
図1に、実施形態に係る運転方法に基づき運転される軸流水車の一例としてのプロペラ水車(固定羽根プロペラ水車)の一例の断面図を示す。上池(図示せず)より導水路によって導かれた水流(白抜き矢印で示す)はケーシング1内を流れ、ステーベーン2及びガイドベーン3により流れを整流され、ランナ4へ流入する。ランナ4は、ランナボス4aと、ランナボス4aに取り付けられた複数のランナベーン4bとを備えている。プロペラ水車の場合、ランナベーン4bはランナボス4aに一体的に固定されている。なお、カプラン水車(可動羽根プロペラ水車)の場合、ランナベーン4bはランナボス4aに羽根角度可変に取り付けられている。ランナ4で仕事をした水流は、吸出し管5へと流れ込み、下池(図示せず)に流出する。ガイドベーン3は、要求負荷に応じた水量を流すための任意の開度に設定される。ランナ4は水のエネルギーを動力に変換し、主軸6を介して上部の発電機7に伝達する。発電機7には、当該発電機7の回転速度(ランナ4の回転速度でもある)をガイドベーン3の開度を変更することなく独立して調整することができる機能を有する電気的若しくは電気機械的な回転速度調節手段8が付設されている。なお、回転速度調節手段8としては、例えばサイクロコンバータを利用するもの等様々な形式のものが既に知られているため、詳細な説明は省略する。
このようなプロペラ水車の一般的な水力特性を図2Aおよび図2Bのグラフに示す。これらのグラフは、プロペラ水車の特性を単位落差あたりの特性として示したものである。水車の回転速度をN、有効落差をH、水車流量をQ、水車出力をPとし、これらのパラメータ値を単位落差当たりの値に換算して、単位落差あたりの回転速度「N/H1/2」、単位落差あたりの流量「Q/H1/2」、単位落差あたりの出力「P/H3/2」としている。
図2Aには、さまざまなガイドベーン開度a〜aにおける、単位落差あたりの回転速度(N/H1/2)の変化に対する単位落差あたりの流量(Q/H1/2)の変化を示した水車流量曲線Qa〜Qa(図2Aの下段に表示)と、単位落差あたりの回転速度(N/H1/2)の変化に対する水車効率(η)の変化を示した水車効率曲線ηa〜ηa(図2Aの上段に表示)が描かれている。また、図2Bには、さまざまなガイドベーン開度a〜aにおける、単位落差あたりの回転速度(N/H1/2)の変化に対する単位落差あたりの出力(P/H3/2)の変化を示した水車出力曲線Pa〜Pa(図2Bの下段に表示)が描かれている。なお、図2Bの上段に示された水車効率曲線は図2Aに示したものと同じものである。
ここで図2A〜図2Cのグラフにおいて、縦軸及び横軸に付した用語の意味は以下の通りである。
「相対ガイドベーン開度」とは、「ガイドベーン開度」を、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率のピーク(最大値)が最大値をとるガイドベーン開度(以下、簡便のため「最高効率ガイドベーン開度」とも呼ぶ)を1としてそれに対する相対値として示した無次元の値である。
「単位落差あたりの相対回転速度」とは、「単位落差あたりの回転速度」を、前記最高効率ガイドベーン開度において水車効率が最大値となる単位落差あたりの回転速度を1としてそれに対する相対値として示した無次元の値である。
「単位落差あたりの相対流量」とは、「単位落差あたりの流量」を、前記最高効率ガイドベーン開度において水車効率が最大値となる単位落差あたりの流量を1としてそれに対する相対値として示した無次元の値である。
「相対水車効率」とは、「水車効率」を、前記最高効率ガイドベーン開度における水車効率のピーク値(最大値)を1としてそれに対する相対値として示した無次元の値である。
「単位落差当たりの相対水車出力」とは、「単位落差当たりの水車出力」を、前記最高効率ガイドベーン開度において水車効率が最大となるときに得られる単位落差当たりの水車出力を1としてそれに対する相対値として示した無次元の値である。
図2Cのグラフは、全ガイドベーン開度範囲において、ガイドベーン開度に関わらず、先に定義した「最高効率ガイドベーン開度」において水車効率が最大値となる単位落差あたりの回転速度(一定回転速度)で運転した場合の、ガイドベーン開度の変化に対する相対水車効率及び単位落差あたりの相対水車出力の変化を示している。なお、図2Cのグラフ上のプロットは、図2A及び図2Bのグラフに示した破線ηC、QC、PC(全ガイドベーン開度においてガイドベーン開度に関わらず「単位落差あたりの相対回転速度=1」の一定回転速度で運転した場合を示す)と水車効率曲線ηa〜ηa及び水車出力曲線Pa〜Paとの交点に対応している。
ここで、図2A に示す単位落差あたりの流量特性に注目すると、回転速度を大きくすることにより流量も増加する傾向にあることがわかる。これは、回転速度を上げることでランナの水をかき出す作用が増加するプロペラ水車の特徴であり、この点においてプロペラ水車はフランシス水車と大きく異なっている。本実施形態ではこの点に着目してプロペラ水車の高出力運転を実現する。すなわち、水車の出力は、落差H、流量Q及び効率ηの積で得られるが、プロペラ水車は回転速度を増加させることで流量が増加する特性を有するので、効率ηだけに着目するのではなく効率ηと流量Qとの積に着目し、これを最適化することにより高出力運転を実現する。
次に、図3A、図3B及び図3Cのグラフを参照して、実施形態についてさらに詳細に説明する。図3A、図3B及び図3Cのグラフの縦軸及び横軸は、図2A、図2B及び図2Cのグラフの縦軸及び横軸と同じである。図3A及び図3Bには、図2A及び図2と同様に、水車効率曲線ηa〜ηa、水車流量曲線Qa〜Qa及び水車出力曲線Pa〜Paが描かれている。各曲線に付された参照符号a,a,a,a,a,a,aは、ガイドベーン開度を意味しており、aが最も大きくaが最も小さい。
図3Aに示された複数の水車効率曲線ηa〜ηaより明らかなように、このプロペラ水車は、ガイドベーン開度がaのときに、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率ηのピーク値(最大値)が最大値ηmaxをとる。すなわち、ηmaxはこのプロペラ水車において達成しうる最大効率であり、「相対水車効率=1」に相当する。本実施形態においては、ガイドベーン開度がa以上のガイドベーン開度範囲において、当該プロペラ水車を運転する際に、高出力が達成されるように運転方法を定める。
ガイドベーン開度a〜aに対応する水車効率曲線ηa〜ηaを包絡する包絡線ηEが、グラフ上に描かれる。そして、図3Bの上段に示すように、包絡線ηEと水車効率曲線ηa〜ηaとの接点(図中「×(バツ)」印で示す)に対応する単位落差あたりの回転速度(相対回転速度)が求められる。そして、a以上のガイドベーン開度範囲(a〜a)において、上記各接点にそれぞれ対応する単位落差あたりの回転速度(相対回転速度)が実現されるように、ガイドベーン開度の変化に従い単位落差あたりの回転速度を変化させる可変速運転を行う。このとき、回転速度の調整には回転速度調節手段8が用いられる。なお、図3A及び図3Bのグラフでは水車効率曲線が7本だけ描かれているが、実際には、水車効率曲線はガイドベーン開度の調整分解能に対応する数だけ、実質的には無数に存在する。従って、より多くの数の水車効率曲線に基づいてガイドベーン開度と単位落差あたりの回転速度との関係をきめ細やかに定めることができる。しかしながら、ある程度の数の水車効率曲線があれば、包絡線ηEを用いた上記の方法でガイドベーン開度ごとの単位落差あたりの回転速度を決定することは可能である。有限個の水車効率曲線を用いた場合には、「ガイドベーン開度」及び「単位落差あたりの回転速度」の組合せの有限個のプロットに基づいて、補完演算により、全てのガイドベーン開度に対する単位落差あたりの回転速度を求めることもできる。
図3A及び図3Bの上段に示した水車効率曲線ηa〜ηaより明らかなように、水車効率ηは、ガイドベーン開度ごとに固有の回転速度でピーク値(図中「○(白抜き丸)」印で示す)を示し、当該ピークの両側で低下する。また、図3Aの下段に示した水車流量曲線Qa〜Qaより明らかなように、回転速度Nの増加に伴い水車効率ηが減少する回転速度域においても、流量Qは回転速度Nの増加に伴い増加する。前述したように水車出力Pは水車効率ηと流量Qの積の増加に伴い増加するので、図3Bの下段に示した出力曲線Pa〜Paより明らかなように、各ガイドベーン開度において、水車出力Pは、水車効率ηが大幅に低下する回転速度域(過回転速度域)に達するまでの間は回転速度Nの増加に伴い増大し、図中「●(黒塗り丸)」で示す最大値をとった後、減少に転じる。つまり、与えられたガイドベーン開度において水車効率ηがピーク値を示す回転速度から回転速度Nを増加させていった場合、ある回転速度に至るまでの間では、流量Qの増加率の方が水車効率ηの低下率よりも大きいのである。このようなプロペラ水車の特性を利用して可変速運転をすることにより、ガイドベーン開度が大きい側において高出力運転を達成することができる。例えば、図示されたうちの最大のガイドベーン開度aにおいては、包絡線ηEを用いて決定した回転速度で運転すると、水車効率ηがピークを呈する回転速度で運転した場合に比べて、流量QがΔQ(図3Aの下段を参照)だけ大きくなり、その結果として、水車出力PがΔP(図3Bの下段及び図3Cの下段を参照)だけ大きくなる。
包絡線ηEを用いた上記の手法によりガイドベーン開度毎の回転速度Nを定めた場合、水車効率曲線の幾何学的形状(上に凸な二次曲線に類似している)に起因して、ガイドベーン開度がa(ガイドベーン開度毎に定まる水車効率ηのピーク値が最大値ηmaxをとるガイドベーン開度)に近いとき(図示例ではガイドベーン開度がa,aのとき)には、そのガイドベーン開度において水車効率ηが最大値を示す回転速度と概ね同じ回転速度Nで水車が可変速運転される。所定ガイドベーン開度よりも大きいガイドベーン開度(図示例ではガイドベーン開度aより大きいガイドベーン開度、例えばガイドベーン開度a,a,a)では、そのガイドベーン開度において水車効率ηが最大値を示す回転速度よりも大きく、かつ、水車出力Pが最大値を示す回転速度以下の(図示例では水車出力Pが最大値を示す回転速度より小さい)回転速度Nで水車が可変速運転される。すなわち、上記実施形態においては、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率ηのピーク値が最大値ηmaxをとるガイドベーン開度a以上のガイドベーン開度範囲のうちの少なくとも一部、好ましくは高開度側端部領域(図示例ではガイドベーン開度がaより大の領域)において、ガイドベーン開度に応じて水車効率ηが最大値を示す回転速度Nで可変速運転する「ピーク運転」よりも高出力が達成されている。このことは、背景技術の項で述べたように、ガイドベーン最大開度およびその近傍でできるだけ大きな出力を出せるという固定羽根プロペラ水車に求められる特性にマッチしている。なお、「ピーク運転」を行った場合における、ガイドベーン開度ごとの水車効率が図3A及び図3Bの上段の曲線ηPKで、ガイドベーン開度ごとの相対回転速度及び相対流量が図3Aの下段の曲線QPKで、ガイドベーン開度ごとの相対回転速度及び相対水車出力が図3Bの下段の曲線PPKで、それぞれ示されている。
包絡線ηEを用いた上記の手法によりガイドベーン開度毎の回転速度Nを定めた場合、ガイドベーン開度が上記の高開度側端部領域にあるときには、与えられたガイドベーン開度に対して水車出力Pが最大値を示す回転速度(図3B下段の「●(黒塗り丸)」に対応する回転速度)より低い回転速度で可変速運転される。回転速度Nを水車出力Pが最大値を示す回転速度まで高めると、水圧脈動、騒音等が過大となる可能性があるので、ガイドベーン開度が高開度側端部領域にあるときには、水車出力Pが最大値を示す回転速度より低い回転速度で可変速運転することが好ましい。包絡線ηEを用いた上記の手法によりガイドベーン開度毎の回転速度Nを定めることにより、高開度側端部領域の運転条件を都合良く設定することができる。
しかしながら、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率ηのピーク値が最大値ηmaxをとるガイドベーン開度であるa以上のガイドベーン開度におけるガイドベーン開度毎の回転速度Nを、包絡線ηEを用いた上記の手法とは異なる手法により決定してもよく、このとき、少なくともガイドベーン開度が高開度端領域にあるときに、水車効率ηが最大値を示す回転速度よりも大きく、かつ、水車出力Pが最大値を示す回転速度以下の回転速度Nで水車が可変速運転されるようになっていればよい。包絡線ηEによらずにガイドベーン開度毎の回転速度を決定する場合には、例えば模型試験結果などに基づいて決定することができる。また、実機水車の振動、騒音は、実機の構造立地条件などにも左右されるため、後述のように、現地の実機水車による試験によりガイドベーン開度毎の回転速度を最終的に決定することも好ましい。
図2Cと同様のグラフである図3Cにおいて、
「○(丸)」はガイドベーン開度に関わらず一定の回転速度(この一定の回転速度とは、ガイドベーン開度毎に定まる水車効率ηの最大値が最大値をとるガイドベーン開度a(すなわち相対ガイドベーン開度=1)において水車効率ηが最大値をとる回転速度である)で水車を定速運転した場合(「一定回転速度運転」とも呼ぶ)、
「△(三角)」は包絡線Eを用いた上記の手法により(但しガイドベーン開度a以下にも適用)決定した回転速度で水車を可変速運転した場合(「包絡線運転」とも呼ぶ)、
「□(四角)」はガイドベーン開度毎に水車効率ηが最大値をとるような回転速度Nで水車を可変速運転した場合(「ピーク運転」とも呼ぶ)、
における相対水車効率及び単位落差あたりの相対水車出力を示している。
この図3Cより、ガイドベーン開度がとりわけ高開度端領域にあるときに水車の出力Pが向上(ガイドベーン開度aにおいて数パーセントの向上)していることがわかる。
一方で、図3Cより明らかなように、ガイドベーン開度a(すなわち相対ガイドベーン開度=1)以下においては、「一定回転速度運転」を採用した場合に水車の出力Pは最も高くなる。これは、回転速度を増加させることで流量が増加する前述したプロペラ水車(軸流水車)の特性に起因するものである。このため、ガイドベーン開度aより小さいガイドベーン開度範囲においては、「一定回転速度運転」を採用することが、変速域が広がりすぎないことや制御簡略化といった観点から好ましい。但し、低脈動及び低騒音等をより重視するのであれば、ガイドベーン開度aより小さいガイドベーン開度範囲においても、「包絡線運転」または「ピーク運転」を採用することもできる。
上述した手法による運転条件、特に可変速運転条件の決定は、一般的には模型水車での検証結果に基づいて行うが、模型試験を実施せずに実物水車の試験結果に基づいて行ってもよい。実物水車の現地試験において、ガイドベーン開度を様々な値に固定した状態で、水車の回転速度を徐々に上昇させながら発電機出力を測定することにより、図3A、図3B及び図3Cに示したようなデータを得ることができるので、そのようなデータに基づいて運転条件を決定することができる。
以上述べたように上記実施形態によれば、プロペラ水車の流量特性に鑑み定めた運転条件に基づき可変速運転を行うことにより、水車の出力を増加させることができる。なお、回転速度を上げることでランナの水をかき出す作用が増加して流量が増加することは軸流水車全般に共通する特徴であるので、上記の実施形態に係る運転方法は、プロペラ水車に限らず、他の形式の軸流水車(カプラン水車、プロペラ水車、セミカプラン水車、チューブラ水車等)にも適用することができる。また、上記の実施形態に係る運転方法は、機械的な流体制御手段が主としてガイドベーンだけであるプロペラ水車等の固定羽根軸流水車において特に有効ではあるが、上記運転方法は、カプラン水車等の可動羽根軸流水車にも有効に適用することができる。この場合には、羽根角度毎に複数の異なるガイドベーン開度に対して水車効率曲線を作成し、羽根角度及びガイドベーン開度の組合せの各々に対して、例えば包絡線Eを用いた上記の手法によりガイドベーン開度毎の回転速度Nを定めればよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、実施形態は例示的なものであり、本発明の範囲は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
3 ガイドベーン
4b ランナベーン

Claims (6)

  1. ランナベーンと、開度調整可能なガイドベーンと有する軸流水車の運転方法であって、
    回転速度をN、有効落差をH、水車出力をP、水車流量をQとし、N/H1/2を単位落差あたりの回転速度、P/H3/2を単位落差あたりの出力、Q/H1/2を単位落差あたりの流量としたときに、
    ガイドベーン開度毎に定まる水車効率のピーク値が最大値をとるガイドベーン開度以上のガイドベーン開度範囲において当該軸流水車を運転するにあたって、
    前記ガイドベーン開度範囲のうちの少なくとも一部において、
    単位落差当たりの回転速度が、
    与えられたガイドベーン開度において、水車効率がピーク値をとるときの単位落差当たりの回転速度よりも大きく、かつ、単位落差当たりの水車出力が最大値をとるときの単位落差当たりの回転速度以下である、
    という条件を満たすように当該軸流水車を可変速運転することを特徴とする、軸流水車の運転方法。
  2. 前記ガイドベーン開度範囲のうちの少なくとも所定ガイドベーン開度よりも大きい開度範囲内において、上記条件を満たすように当該軸流水車を可変速運転することを特徴とする、請求項1記載の軸流水車の運転方法。
  3. 前記ガイドベーン開度範囲において当該軸流水車を運転するにあたって、
    与えられたガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度に対する水車効率の関係を示している水車効率曲線を、横軸を単位落差あたりの回転速度とし縦軸を水車効率とするグラフ上に互いに異なる複数のガイドベーン開度ごとに描き、前記グラフ上に描かれた複数の水車効率曲線を包絡する包絡線を描き、前記包絡線と、各ガイドベーン開度における水車効率曲線とが接する接点における単位落差あたりの回転速度をそのガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度となる関係を満足するように当該軸流水車を可変速運転することを特徴とする、請求項1または2記載の軸流水車の運転方法。
  4. ランナベーンと、開度調整可能なガイドベーンと有する軸流水車の運転方法であって、
    回転速度をN、有効落差をH、水車出力をP、水車流量をQとし、N/H1/2を単位落差あたりの回転速度、P/H3/2を単位落差あたりの出力、Q/H1/2を単位落差あたりの流量としたときに、
    ガイドベーン開度毎に定まる水車効率のピーク値が最大値をとるガイドベーン開度以上のガイドベーン開度範囲において当該軸流水車を運転するにあたって、
    与えられたガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度に対する水車効率の関係を示している水車効率曲線を、横軸を単位落差あたりの回転速度とし縦軸を水車効率とするグラフ上に互いに異なる複数のガイドベーン開度ごとに描き、前記グラフ上に描かれた複数の水車効率曲線を包絡する包絡線を描き、前記包絡線と、各ガイドベーン開度における水車効率曲線とが接する接点における単位落差あたりの回転速度をそのガイドベーン開度における単位落差あたりの回転速度となる関係を満足するように当該軸流水車を可変速運転することを特徴とする、軸流水車の運転方法。
  5. 車効率のピーク値が最大値をとるガイドベーン開度以下のガイドベーン開度では一定速度運転を行うことを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の軸流水車の運転方法。
  6. 現地試験において、互いに異なる複数のガイドベーン開度において、与えられたガイドベーン開度における回転速度の変化に対する水車出力の変化を測定し、この測定結果に基づいて可変速運転の条件を決定することを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の軸流水車の運転方法。
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