(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。本実施の形態では、回路構成及び回路特性を変更可能な半導体装置に対し最適な設定を行うため、半導体装置と同じ回路についてシミュレーションを行う。
本実施の形態に係るシミュレータの理解を助けるため、まず、シミュレーション対象の回路を含む半導体装置について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体装置を含むセンサシステムの構成を示している。
図1に示すように、このセンサシステムは、センサ2と、センサに接続された半導体装置1とを備えている。
センサ2には、検出結果に応じた電流を出力する電流出力型センサや、検出結果に応じた電圧を出力する電圧出力型センサ、検出結果に応じて微弱な差動信号出力するセンサなど様々なセンサを利用することが可能である。
半導体装置1は、MCU部200とAFE部100とを有している。例えば、半導体装置1は、MCU部200の半導体チップと、AFE部100の半導体チップとを1つの半導体装置に搭載したSoC(System-on-a-chip)である。なお、MCU部200とAFE部100とを含む1チップの半導体装置としてもよい。また、MCU部200のみを含む半導体装置と、AFE部100のみを含む半導体装置としてもよい。後述のシミュレータでは、センサ2と半導体装置1内のAFE部100がシミュレーションの対象となる。以下、AFE部100及びMCU部200を含む装置を半導体装置1と称する場合もあり、AFE部100のみ含む装置を半導体装置1と称する場合もある。なお、以降でMCU部200とAFE部100に分けて説明する機能は、その所属(MCU部200もしくはAFE部100)を入れ替える場合もある。
MCU部(制御部)200は、AFE部100を介して入力されるセンサ2の測定信号(検出信号)をA/D変換し、検出結果に応じた制御処理を行うマイクロコントローラである。また、MCU部200は、AFE部100の構成及び特性を設定変更するための制御信号をAFE部100へ出力する。
AFE部(アナログ入力部)100は、センサ2が出力する測定信号に対し、増幅やフィルタリング等のアナログフロントエンド処理を行い、MCU部200で処理可能な信号とするアナログ回路である。また、AFE部100は、図1に示すように、トポロジ(回路構成)が変更可能であり、さらに、パラメータ(回路特性)も変更可能である。
図1の例のように、オペアンプ回路の構成から、I/Vアンプ、減算(差動)アンプ、加算アンプ、反転アンプ、非反転アンプ、計装アンプの構成に変更できる。また、非反転アンプのパラメータ例のように、動作点の変更、利得(ゲイン)の変更、オフセット調整を行うことができる。
本実施の形態に係る半導体装置1は、AFE部100の内部回路の構成により、各用途に適した複数の種類(TYPE)の半導体装置を構成することができる。図2〜図20を用いて、汎用システム向けであるTYPE0の半導体装置1について説明し、図21〜図22を用いて、一般計測器向けであるTYPE1の半導体装置1について説明し、図23〜図25を用いて、モータ制御向けであるTYPE2の半導体装置1について説明する。なお、TYPE0〜2のいずれかを単に半導体装置1と称する場合もある。
図2は、TYPE0の半導体装置1の回路ブロックを示している。図2に示すように、MCU部200は、CPUコア210、メモリ220、オシレータ230、タイマ240、入出力ポート250、A/Dコンバータ260、SPI(Serial Peripheral Interface)インタフェース270を備えている。なお、MCU部200は、マイクロコントローラの機能を実現するためのその他の回路、例えば、DMAや各種演算回路等を備えている。
CPUコア210は、メモリ220に格納されたプログラムを実行しプログラムに従った制御処理を行う。メモリ220は、CPUコア210で実行するプログラムや各種データを格納する。オシレータ230は、MCU部200の動作クロックを生成し、また、必要に応じてAFE部100へクロックを供給する。タイマ240は、MCU部200の制御動作に利用される。
入出力ポート250は、半導体装置1の外部の装置とデータ等の入出力を行うためのインタフェースであり、例えば、後述のように外部のコンピュータ装置等と接続可能である。
A/Dコンバータ260は、AFE部100を介して入力されるセンサ2の測定信号をA/D変換する。また、A/Dコンバータ260の電源は、AFE部100から供給されている。
SPI(Serial Peripheral Interface)インタフェース270は、AFE部100とデータ等の入出力を行うためのインタフェースである。なお、SPIインタフェース270は、汎用的なシリアルインタフェースであり、SPIに対応していれば、他のマイクロコントローラ/マイクロコンピュータであっても、AFE部100と接続することができる。
図2のTYPE0の半導体装置1は、汎用的な用途に対応可能な構成となっている。具体的には、様々な種類や特性のセンサを接続できるように、センサ用AFE回路一式を搭載している。すなわち、AFE部100は、コンフィギュラブル・アンプ110、同期検波対応増幅アンプ(増幅アンプともいう)120、SC型ローパス・フィルタ(ローパス・フィルタともいう)130、SC型ハイパス・フィルタ(ハイパス・フィルタともいう)140、可変レギュレータ150、温度センサ160、汎用アンプ170、SPIインタフェース180、を備えている。
コンフィギュラブル・アンプ110は、センサ2等の外部から入力される信号を増幅する増幅回路であり、MCU部200からの制御にしたがって回路構成及び特性、動作が設定可能である。コンフィギュラブル・アンプ110は、3chのアンプ、すなわち、3つのアンプを有している。この3つのアンプにより多くの回路構成を実現することができる。
増幅アンプ120は、コンフィギュラブル・アンプ110の出力や、センサ2等の外部から入力される信号を増幅する同期検波対応の増幅回路であり、MCU部200からの制御にしたがって特性、動作が設定可能である。
ローパス・フィルタ130は、コンフィギュラブル・アンプ110や増幅アンプ120の出力、センサ2等の外部から入力される信号に対し、高周波成分を除去し低周波成分を通過させるSC型のフィルタであり、MCU部200からの制御にしたがって特性、動作が設定可能である。ハイパス・フィルタ140は、コンフィギュラブル・アンプ110や増幅アンプ120の出力、センサ2等の外部から入力される信号に対し、低周波成分を除去し高周波成分を通過させるSC型のフィルタであり、MCU部200からの制御にしたがって特性、動作が設定可能である。
可変レギュレータ150は、MCU部200のA/Dコンバータ260へ電圧を供給する可変電圧源であり、MCU部200からの制御にしたがって特性、動作が設定可能である。温度センサ160は、半導体装置1の温度を測定するセンサであり、MCU部200からの制御にしたがって動作が設定可能である。
汎用アンプ170は、センサ2等の外部から入力される信号を増幅するアンプであり、MCU部200からの制御にしたがって動作が設定可能である。SPIインタフェース180は、MCU部200とデータ等の入出力を行うためのインタフェースであり、MCU部200のSPIインタフェース270とSPIバスを介して接続されている。なお、半導体装置1がMCU部200を有さない場合、SPIインタフェース180を半導体装置1の外部端子に接続し、外部端子経由で外部のマイクロコントローラやエミュレータ等とAFE部100とを接続する。
次に、TYPE0の半導体装置1におけるAFE部100の構成について詳細に説明する。図3は、AFE部100の各回路の接続関係を示している。SPIインタフェース180は、SPIバスに接続された外部端子(CS、SCLK、SDO、SDI)に接続されて、レジスタ(制御レジスタ)181を有している。MCU部200から、SPIインタフェースを介して、回路の構成・特性を変更するための構成情報(設定情報)が入力され、レジスタ181に格納される。レジスタ181は、AFE部100内の各回路に接続されており、レジスタ181の構成情報に応じてAFE部100内の各回路の構成・特性が設定される。
コンフィギュラブル・アンプ110は、個別アンプAMP1、AMP2、AMP3を有しており、アンプの入出力を切り替えるスイッチSW10〜SW15が接続されている。
個別アンプAMP1は、一方の入力端子がスイッチSW10を介してMPXIN10またはMPXIN11に接続され、他方の入力端子がスイッチSW11を介してMPXIN20またはMPXIN21に接続され、出力端子がAMP1_OUTに接続されている。同様に、個別アンプAMP2は、一方の入力端子がスイッチSW12を介してMPXIN30またはMPXIN31に接続され、他方の入力端子がスイッチSW13を介してMPXIN40またはMPXIN41に接続され、出力端子がAMP2_OUTに接続されている。
また、個別アンプAMP3は、一方の入力端子がスイッチSW14を介してMPXIN50、MPXIN51またはAMP1の出力端子に接続され、他方の入力端子がスイッチSW15を介してMPXIN60、MPXIN61またはAMP2の出力端子に接続され、出力端子がAMP3_OUTに接続されている。AMP1〜AMP3の出力端子は、増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140にも接続されている。
コンフィギュラブル・アンプ110は、レジスタ181の設定値に応じて、スイッチSW10〜SW15が切り替えられて、AMP1〜AMP3の接続構成が変更され、内部の回路構成・特性も後述のように変更される。
図4、図5は、スイッチSW10〜SW15によるAMP1〜AMP3の接続切り替え例である。図4では、レジスタ181の設定により、スイッチSW10,11を切り替えて、AMP1の入力端子をMPXIN10,MPXIN20に接続し、スイッチSW12,13を切り替えて、AMP2の入力端子をMPXIN30,MPXIN40に接続し、スイッチSW14,15を切り替えて、AMP3の入力端子をMPXIN50,MPXIN60に接続する。このように接続することで、AMP1、AMP2、AMP3をそれぞれ独立のアンプとして動作させることができる。
図5では、レジスタ181の設定により、スイッチSW10を切り替えて、AMP1の一方の入力端子をMPXIN10に接続し、スイッチSW13を切り替えて、AMP2の一方の入力端子をMPXIN40に接続し、スイッチSW11、SW12を切り替えて、AMP1の他方の入力端子とAMP2の他方の入力端子とを接続し、スイッチSW14,15を切り替えて、AMP3の一方の入力端子をAMP1の出力端子に接続し、AMP3の他方の入力端子をAMP2の出力端子に接続する。このように接続することで、AMP1〜AMP3を接続した計装アンプを構成することができる
また、図3に示すように、増幅アンプ120には、入力を切り替えるスイッチSW16、SW17が接続されている。増幅アンプ120は、入力端子がスイッチSW16、SW17を介してAMP1〜AMP3の出力端子、または、スイッチSW17を介してGAINAMP_INに接続され、出力端子がGAINAMP_OUTに接続されている。増幅アンプ120の出力端子は、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140にも接続されている。なお、SW16により、AMP1〜AMP3の出力端子と、外部端子及び増幅アンプとの接続を切り替えてもよい。
ローパス・フィルタ130には、入力を切り替えるスイッチSW18、SW19が接続され、ハイパス・フィルタ140にも、入力を切り替えるスイッチSW18、SW20が接続されている。ローパス・フィルタ130は、入力端子がスイッチSW16、SW17、SW18,SW19を介してAMP1〜AMP3の出力端子、増幅アンプ120の出力端子、SC_IN、またはスイッチSW19を介してハイパス・フィルタ140の出力端子に接続され、出力端子がLPF_OUTに接続されている。ハイパス・フィルタ140は、入力端子がスイッチSW16、SW17、SW18,SW20を介してAMP1〜AMP3の出力端子、増幅アンプ120の出力端子、SC_IN、またはスイッチSW19を介してローパス・フィルタ130の出力端子に接続され、出力端子がHPF_OUTに接続されている。なお、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140の出力端子と外部端子との間にスイッチを設けて、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140の出力端子と、外部端子及びSW19、SW20との接続を切り替えてもよい。
増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140は、レジスタ181の設定値に応じて、スイッチSW16〜SW20が切り替えられて、増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140の接続構成が変更され、内部の特性も後述のように変更される。
図6、図7は、スイッチSW17〜SW20による増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140の接続切り替え例である。図6では、レジスタ181の設定により、スイッチSW17を切り替えて、増幅アンプ120の入力端子をAMP1〜AMP3のいずれかの出力端子に接続し、スイッチSW18,SW19を切り替えて、ローパス・フィルタ130の入力端子を増幅アンプ120の出力端子に接続し、スイッチSW20を切り替えて、ハイパス・フィルタ140の入力端子をローパス・フィルタ130の出力端子に接続する。このように切り替えることで、AMP1〜AMP3のいずれか、増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140の順に接続した回路を構成することができる。
図7では、レジスタ181の設定により、スイッチSW17を切り替えて、増幅アンプ120の入力端子をGAINAMP_INに接続し、スイッチSW18、SW20を切り替えて、ハイパス・フィルタ140の入力端子をSC_INに接続し、スイッチSW19を切り替えて、ローパス・フィルタ130の入力端子をハイパス・フィルタ140の出力端子に接続する。このように切り替えることで、増幅アンプ120を1つの独立したアンプとして動作させ、また、ハイパス・フィルタ140、ローパス・フィルタ130の順に接続した回路を構成することができる。
また、図3に示すように、可変レギュレータ150は、出力端子がBGR_OUTとLDO_OUTに接続されている。可変レギュレータは、レジスタ181の設定値に応じて後述のように特性が変更される。
温度センサ160は、出力端子がTEMP_OUTに接続されている。温度センサ160は、レジスタ181の設定値に応じて後述のように特性が変更される。
汎用アンプ170は、一方の入力端子がAMP4_IN_NEに接続され、他方の入力端子がAMP4_IN_POに接続され、出力端子がAMP4_OUTに接続されている。汎用アンプは、1つのオペアンプにより構成されており、レジスタ181の設定値に応じて、電源ON/OFFが設定される。
次に、図8〜図14を用いて、コンフィギュラブル・アンプ110の具体的な回路構成について説明する。
コンフィギュラブル・アンプ110は、センサ出力信号を増幅するためのアンプであり、制御レジスタの設定に応じて、トポロジ(回路構成)を変更できるとともに、パラメータ(回路特性)を変更できる。特性の変更としてゲインを可変に設定することができる。例えば、個別アンプを独立して使用する場合、ゲインを6dB〜46dBまで2dB単位で設定でき、計装アンプとして使用する場合、ゲインを20dB〜60dBまで2dB単位で設定できる。また、スルーレートを可変に設定することもでき、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
図8は、コンフィギュラブル・アンプ110の個別アンプAMP1の回路構成を示している。なお、AMP2、AMP3も同様の構成である。
図8に示すように、個別アンプAMP1は、オペアンプ111を有し、オペアンプ111の各端子に接続される可変抵抗112a〜112d、スイッチ113a〜113c、DAC114を有しており、図3のようにマルチプレクサ(スイッチ)SW10、SW11が接続されている。
レジスタ181の設定値に応じて、マルチプレクサSW10、SW11によりオペアンプ111の入力を切り替え、スイッチ113a、113bにより可変抵抗(入力抵抗)112a、112bの有無を切り替え、スイッチ113cによりDAC114の接続を切り替えることができる。なお、オペアンプ111の出力は、図3のようにSW16、SW17、SW18により、増幅アンプ120、ローパス・フィルタ130、ハイパス・フィルタ140との接続が切り替えられる。また、レジスタ181の設定値に応じて、可変抵抗112a、112b、112c、112dの抵抗値、DAC114の設定を変えることで、AMP1のゲイン、動作点、オフセット等を変更することができる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、電源オン/オフを制御できる。また、レジスタ181の設定値に応じて、オペアンプの動作モードを高速モード、中速モード、低速モードに変更することで、スルーレートを制御することができる。
各スイッチ、マルチプレクサの切り替えにより、I/Vアンプ、反転アンプ、減算(差動)アンプ、非反転アンプ、加算アンプを構成することができる。
図9は、I/Vアンプを構成する例である。レジスタ181の設定に応じて、マルチプレクサSW10を切り替えて外部入力端子(MPXIN10)を反転入力端子に接続し、スイッチ113aをオンして可変抵抗112aを短絡する。この接続によりI/Vアンプが構成される。また、レジスタ181の設定により、可変抵抗112a、112dの抵抗値を変えることでアンプのゲインを設定する。このI/Vアンプは、外部入力端子から電流型センサの信号が入力されると、入力電流を電圧に変換して出力する。
図10は、減算(差動)アンプを構成する例である。レジスタ181の設定に応じて、マルチプレクサSW10、SW11を切り替えて外部入力端子(MPXIN10)を反転入力端子に接続し、外部入力端子(MPXIN20)を非反転入力端子に接続する。この接続により減算アンプが構成される。また、レジスタ181の設定により、可変抵抗112a、112b、112dの抵抗値を変えることでアンプのゲインを設定する。この減算アンプは、外部入力端子から2つの信号(V1,V2)が入力されると、一方の入力電圧から他方の入力電圧を差し引いた電圧(V2−V1)を出力する。
図11は、加算アンプを構成する例である。なお、ここでは、可変抵抗112bと反転入力端子の間にスイッチ113dを有しているものとする。レジスタ181の設定に応じて、マルチプレクサSW10、SW11、スイッチ113dを切り替えて外部入力端子(MPXIN10)と外部入力端子(MPXIN20)を反転入力端子に接続する。この接続により加算アンプが構成される。また、レジスタ181の設定により、可変抵抗112a、112b、112dの抵抗値を変えることでアンプのゲインを設定する。この加算アンプは、外部入力端子から2つの信号(V1,V2)が入力されると、一方の入力電圧と他方の入力電圧を加算した電圧(V1+V1)を出力する。
図12は、反転アンプを構成する例である。レジスタの設定に応じて、マルチプレクサSW10を切り替えて外部入力端子(MPXIN10)を反転入力端子に接続し、スイッチ113cをオンにしてDAC114の出力を非反転入力端子に接続する。この接続により反転アンプが構成される。また、レジスタ181の設定により、可変抵抗112a、112dの抵抗値を変えることでアンプのゲインを設定し、DACの出力電圧を変えることで、アンプの動作点やオフセットを調整する。この反転アンプは、外部入力端子から電圧型センサの信号が入力されると、入力電圧を反転増幅した電圧を出力する。
図13、非反転アンプを構成する例である。レジスタの設定に応じて、マルチプレクサSW10を切り替えてDAC114の出力を反転入力端子に接続し、マルチプレクサSW11を切り替えて外部入力端子(MPXIN20)を非反転入力端子に接続する。この接続により非反転アンプが構成される。また、レジスタ181の設定により、可変抵抗112a、112dの抵抗値を変えることでアンプのゲインを設定し、DACの出力電圧を変えることで、アンプの動作点やオフセットを調整する。この非反転アンプは、外部入力端子から電圧型センサの信号が入力されると、入力電圧を非反転増幅した(入力と同相の)電圧を出力する。
図14は、AMP1〜AMP3により計装アンプを構成する例である。図5で説明したように、レジスタ181の設定に応じて、マルチプレクサ(スイッチ)SW10〜SW15によりAMP1〜AMP3を接続することで、図14の計装アンプを構成できる。なお、各スイッチの図示を省略しているが、AMP1では、スイッチ113bをオンして可変抵抗112bを短絡し、AMP2では、スイッチ113bをオンして可変抵抗112bを短絡し、AMP3では、スイッチ113cをオンし、DAC114を非反転入力端子に接続している。
また、レジスタ181の設定により、AMP3の可変抵抗112a〜112dの抵抗値を変えることで計装アンプのゲインを設定し、DAC114の出力電圧を変えることで、計装アンプの動作点やオフセットを調整する。この計装アンプは、外部入力端子から微弱な差動信号が入力されると、この差動信号を、AMP1、AMP2によりそれぞれ非反転増幅し、さらに、AMP3により差動増幅した電圧を出力する。
次に、図15〜図20を用いて、AFE部100内のその他の回路の具体的な回路構成について説明する。
図15は、増幅アンプ120の回路構成を示している。増幅アンプ120は、同期検波機能に対応しており、入力信号の増幅や同期検波を行う。特性の変更として、増幅アンプ120は、ゲインを可変に設定することができる。例えば、ゲインを6dB〜46dBまで2dB単位で設定できる。また、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
図15に示すように、増幅アンプ120は、オペアンプAMP21、AMP22を有し、オペアンプAMP21、AMP22の各端子に接続される可変抵抗121a、121c、固定抵抗121b、122a、122b、122c及びDAC123を有している。また、図3のようにマルチプレクサ(スイッチ)SW17が接続されている。さらに、同期検波を行うための同期検波制御部として、同期検波スイッチ124、固定抵抗125を有している。
レジスタ181の設定値に応じて、マルチプレクサSW17が制御されて増幅アンプ120の入力を切り替える。また、レジスタ181の設定値に応じて、可変抵抗121a、121cの抵抗値、DAC123の設定を変えることでAMP21のゲイン、AMP21、AMP22の動作点、オフセット等を変更することができる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、オペアンプAMP21,AMP22の電源オン/オフを制御できる。
増幅アンプ120では、AMP1〜AMP3、または外部入力端子から信号が入力されると、AMP21により反転増幅され、さらにAMP22により反転増幅された信号が、GAINAMP_OUTへ出力される。
また、MCU部200から同期クロックCLK_SYNCHが入力され、同期クロックCLK_SYNCHのタイミングで、同期検波スイッチ124の接続が切り替わり、AMP21とAMP22のいずれかの出力信号がSYNCH_OUTへ出力される。
図16は、増幅アンプ120の出力動作を示すタイミングチャートである。図16(a)のように、AMP21は、入力信号の反転信号を出力し、図16(b)のように、AMP22は、さらに反転した信号を出力する。このAMP22の出力信号が、増幅アンプ120の出力としてGAINAMP_OUTへ出力される。
MCU部200は、GAINAMP_OUTに接続されており、GAINAMP_OUTの信号に応じたクロックを生成する。ここでは、図16(c)のように、GAINAMP_OUTが基準値よりもハイレベルの場合に、ハイレベルとなるCLK_SYNCHを生成する。そして、この同期クロックCLK_SYNCHを増幅アンプ120へ供給する。
同期検波スイッチ124は、このCLK_SYNCKに応じて、AMP21、AMP22とSYNCH_OUTとの接続を切り替える。クロックCLK_SYNCHがローレベルの場合、AMP21と接続してAPM21の出力をSYNCH_OUTへ出力し、クロックCLK_SYNCHがハイレベルの場合、AMP22と接続してAMP22の出力をSYNCH_OUTへ出力する。そうすると、図16(d)のように、同期検波し、全波整流された信号が、SYNCH_OUTから出力される。
図17は、ローパス・フィルタ130の回路構成を示している。ローパス・フィルタ130は、カットオフ周波数可変のSC(スイッチトキャパシタ)型ローパス・フィルタであり、入力信号のフィルタリングに用いられる。
ローパス・フィルタ130の特性は、Q値が固定値であり、例えば0.702である。特性の変更として、カットオフ周波数fcを可変に設定することができる。例えば、9Hz〜900Hzまで設定できる。また、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
図17に示すように、ローパス・フィルタ130は、スイッチング信号を生成するスイッチング信号生成部131と、スイッチング信号に応じて入力信号をフィルタリングするフィルタ部132とを有している。
スイッチング信号生成部131は、フリップフロップ133と複数のインバータ134を有している。フィルタ部132は、複数のオペアンプ135を有し、複数のオペアンプ135に接続される複数のスイッチ136、コンデンサ137、DAC138に制御される可変電源139を有している。また、図3のようにマルチプレクサ(スイッチ)SW19が接続されている。
レジスタ181の設定値に応じて、マルチプレクサSW19が制御されてローパス・フィルタ130の入力を切り替える。また、レジスタ181の設定値に応じて、DAC138の設定を変えることで可変電源139を制御し、アンプの動作点、オフセット等を変更することができる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、ローパス・フィルタ130の電源をオン/オフを制御できる。
ローパス・フィルタ130では、スイッチング信号生成部131において、外部からクロックCLK_LPFが入力され、フリップフロップ133とインバータ134によりスイッチング信号Φ1、Φ2が生成される。フィルタ部132において、外部入力端子や増幅アンプ120等から信号が入力されると、3つのオペアンプ135を介して信号が出力され、その際、スイッチング信号Φ1、Φ2によりスイッチ136がオン/オフしてコンデンサ137の接続が切り替わる。そうすると、入力信号のカットオフ周波数よりも高周波成分を除去した信号が出力されることになる。
このカットオフ周波数は、MCU部200により外部から入力されるクロックCLK_LPFにより変更することができる。具体的には、カットオフ周波数fc=0.009×fs(スイッチング周波数 1/2f CLK_LPF)である。
図18は、ハイパス・フィルタ140の回路構成を示している。ハイパス・フィルタ140は、カットオフ周波数可変のSC型ハイパス・フィルタであり、入力信号のフィルタリングに用いられる。
ハイパス・フィルタ140の特性は、Q値が固定値であり、例えば0.702である。特性の変更として、カットオフ周波数fcを可変に設定することができる。例えば、8Hz〜800Hzまで設定できる。また、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
図18に示すように、ハイパス・フィルタ140は、スイッチング信号を生成するスイッチング信号生成部141と、スイッチング信号に応じて入力信号をフィルタリングするフィルタ部142とを有している。
スイッチング信号生成部141は、フリップフロップ143と複数のインバータ144を有している。フィルタ部142は、複数のオペアンプ145を有し、複数のオペアンプ145に接続される複数のスイッチ146、コンデンサ147、DAC148に制御される可変電源149を有している。また、図3のようにマルチプレクサ(スイッチ)SW20が接続されている。
レジスタ181の設定値に応じて、マルチプレクサSW20が制御されてハイパス・フィルタ140の入力を切り替える。また、レジスタ181の設定値に応じて、DAC148の設定を変えることで可変電源149を制御し、アンプの動作点、オフセット等を変更することができる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、ハイパス・フィルタ140の電源をオン/オフを制御できる。
ハイパス・フィルタ140では、スイッチング信号生成部141において、外部からクロックCLK_HPFが入力され、フリップフロップ143とインバータ144によりスイッチング信号Φ1、Φ2が生成される。フィルタ部142において、外部入力端子や増幅アンプ120等から信号が入力されると、3つのオペアンプ145を介して信号が出力され、その際、スイッチング信号Φ1、Φ2によりスイッチ146がオン/オフしてコンデンサ147の接続が切り替わる。そうすると、入力信号のカットオフ周波数よりも低周波成分を除去した信号が出力されることになる。
このカットオフ周波数は、MCU部200により外部から入力されるクロックCLK_HPFにより変更することができる。具体的には、カットオフ周波数fc=0.008×fs(スイッチング周波数 1/2f CLK_HPF)である。
図19は、可変レギュレータ150の回路構成を示している。可変レギュレータ150は、出力電圧を可変にするレギュレータであり、MCU部200のA/Dコンバータ260の基準電源生成回路である。例えば、特性の変更として、可変レギュレータ150は、出力電圧を2.0V〜3.3Vまで、±5%の精度で、0.1V単位で設定することができる。また出力電流は15mAで、出力電源のオン/オフを制御することができる。
図19に示すように、可変レギュレータ150は、オペアンプ151を有し、オペアンプ151の入力側に接続されるバンドギャップリファレンスBGR、オペアンプ151の出力側に接続されるトランジスタ152、153、固定抵抗154、可変抵抗155を有している。
レジスタ181の設定値に応じて、BGRの電圧が設定され、可変抵抗155の抵抗値を変えることで出力電圧が変更できる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、オペアンプ151の電源オン/オフ、トランジスタ153のオン/オフが切り替えられ、出力電圧の出力開始/停止が制御される。
可変レギュレータ150では、BGRの電圧がBGR_OUTから出力される。BGRの電圧と可変抵抗155の電圧に応じてオペアンプ151が動作してトランジスタ152が制御され、固定抵抗154と可変抵抗155の比に応じた電圧が出力される。
図20は、温度センサ160の回路構成を示している。温度センサ160は、半導体装置1の温度を測定するセンサであり、MCU部200がこの測定結果に基づいて温度特性の補正等するために用いることができる。例えば、温度センサ160の特性として、出力温度係数は、−5mV/℃である。また、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
図20に示すように、温度センサ160は、オペアンプ161を有し、オペアンプ161の入力側に接続される電流源162、ダイオード163、オペアンプ161の出力側に接続される固定抵抗164、165を有している。レジスタ181の設定値に応じて、オペアンプ161の電源をオン/オフすることができる。
温度センサ160は、温度に応じてダイオード163の電圧が−2mV/℃で変化し、この電圧をオペアンプ161が非反転増幅して、−5mV/℃として出力する。
このように、TYPE0の半導体装置1は、半導体装置内部のAFE部100の回路構成や特性を可変に設定することができる。このため、一つの半導体装置で様々なセンサ等を接続することができ、多くの応用システム(アプリケーション)で使用することができる。
例えば、コンフィギュラブル・アンプ110の回路構成を、非反転アンプとした場合、電圧出力型のセンサを接続可能であるため、赤外線センサ、温度センサ、磁気センサ等を用いた応用システムに使用できる。一例として、赤外線センサを備えたデジタルカメラ、温度センサを備えたプリンタ、磁気センサを備えたタブレット端末、赤外線センサを備えたエアコン等に使用することができる。
また、コンフィギュラブル・アンプ110の回路構成を、計装アンプとした場合、微弱な差動出力のセンサを接続可能となるため、圧力センサ、ジャイロセンサ、ショックセンサ等を用いた応用システムに使用できる。一例として、圧力センサを備えた血圧計、圧力センサを備えた体重計、ジャイロセンサを備えた携帯電話、ショックセンサを備えた液晶テレビ等に使用することができる。
さらに、コンフィギュラブル・アンプ110の回路構成を、I/Vアンプとした場合、電流出力のセンサを接続可能なため、フォトダイオード、人感センサ、赤外線センサ等を用いた応用システムに使用できる。一例として、フォトダイオードを備えたデジタルカメラ、人感センサを備えた監視カメラ、人感センサを備えた便座、赤外線センサを備えたバーコードリーダ等に使用することができる。
図21は、TYPE1の半導体装置1の回路ブロックを示している。図2のTYPE0の半導体装置では、用途を汎用システム向けとして、多くのセンサで必要となるAFE回路を全て備える構成とした。これに対し、TYPE1の半導体装置では、用途を一般計測器向けとして、一般計測器のセンサでのみ必要となるAFE回路に限定した構成としている。
図21に示すように、TYPE1の半導体装置1は、MCU部200の構成については図2と同様であり、AFE部100は、計装アンプ190、可変レギュレータ150、温度センサ160、SPIインタフェース180、を備えている。図2の半導体装置と比べると、コンフィギュラブル・アンプ、同期検波対応増幅アンプ、SC型ローパス・フィルタ、SC型ハイパス・フィルタ、汎用アンプを有しておらず、代わりに計装アンプのみ有する構成となっている。可変レギュレータ150、温度センサ160、SPIインタフェース180については、図2と同様である。
計装アンプ190は、一般計測器のセンサに対応して、微弱な差動信号を増幅可能な増幅回路である。計装アンプ190は、図2のコンフィギュラブル・アンプ110が構成可能としていた計装アンプと同様の回路である。計装アンプ190は、回路構成は固定であり、特性のみ変更可能である。
図22は、TYPE1の半導体装置1におけるAFE部100の各回路の接続関係を示している。可変レギュレータ150、温度センサ160、SPIインタフェース180については、図3と同様である。
計装アンプ190は、回路構成が固定であるため、構成を切り替えるためのスイッチ(マルチプレクサ)を有していない。計装アンプ190は、一方の入力端子がAMP_IN1に接続され、他方の入力端子がAMP_IN2に接続され、出力端子がAMP_OUTに接続されている。なお、複数の外部端子との接続を選択するためのスイッチを備えていてもよい。
TYPE1の半導体装置におけるAFE部100の各回路の具体的な回路構成は図2の半導体装置と同様であるため説明を省略する。すなわち、計装アンプ190の回路構成は、図14で示した構成であり、計装アンプ190は、図14のように、抵抗値を変えることでゲインを設定でき、DACの設定を変えることで、動作点やオフセット等を変更できる。
このように、TYPE1の半導体装置1は、AFE部100の回路構成は固定であり特性のみを可変に設定することができる。このため、一つの半導体装置で特性が異なる特定のセンサに対応することができ、特定の応用システムで使用することができる。
例えば、TYPE1の半導体装置で計装アンプを構成した場合と同様に、微弱な差動出力のセンサである圧力センサ、ジャイロセンサ、ショックセンサ等を用いた応用システムに使用可能である。
図23は、TYPE2の半導体装置1の回路ブロックの他の例を示している。図2のTYPE0の半導体装置では、用途を汎用システム向けとして、多くのセンサで必要となるAFE回路を全て備える構成とした。これに対し、TYPE2の半導体装置では、用途をモータ制御向けとして、モータ制御でのみ必要となるAFE回路に限定した構成としている。
図23に示すように、TYPE2の半導体装置1は、MCU部200の構成については図2と同様であり、AFE部100は、コンパレータ内蔵高速計装アンプ191、温度センサ160、SPIインタフェース180を備えている。図2の半導体装置と比べると、コンフィギュラブル・アンプ、同期検波対応増幅アンプ、SC型ローパス・フィルタ、SC型ハイパス・フィルタ、汎用アンプ、可変レギュレータを有しておらず、代わりにコンパレータ内蔵高速計装アンプ191のみ有する構成となっている。温度センサ160、SPIインタフェース180については、図2と同様である。
コンパレータ内蔵高速計装アンプ(高速計装アンプともいう)191は、モータ制御に対応して、微弱な差動信号を高速に増幅可能な増幅回路であり、さらに、出力電圧を比較するコンパレータを内蔵している。AFE部100は、多相モータの制御を可能にするため、高速計装アンプ191を複数(多ch)有しており、ここでは4つ(4ch)の計装アンプを有している。高速計装アンプ191は、回路構成が固定であり、特性のみ変更可能である。
図24は、TYPE2の半導体装置1におけるAFE部100の各回路の接続関係を示している。温度センサ160、SPIインタフェース180については、図3と同様である。
高速計装アンプ191は、回路構成が固定であるため、構成を切り替えるスイッチ(マルチプレクサ)を有していない。4つの高速計装アンプ191−1〜191−4は、それぞれ独立した構成となっている。
すなわち、高速計装アンプ191−1〜191−4は、一方の入力端子がそれぞれAMP_IN10,20,30,40に接続され、他方の入力端子がそれぞれAMP_IN11,21,31,41に接続され、アンプの出力端子がそれぞれAMP_OUT1〜4に接続され、コンパレータの出力端子がそれぞれCOMP_OUT1〜4に接続されている。なお、複数の外部端子との接続を選択するためのスイッチを備えていてもよい。
図25は、高速計装アンプ191の具体的な回路構成を示している。高速計装アンプ191は、モータ制御向けコンパレータ内蔵高速計装アンプであり、モータ制御に使用されるセンサの出力信号の増幅と電圧比較を行う。特性の変更として、高速計装アンプ191は、ゲインを可変に設定することができる。例えば、ゲインを10dB〜34dBまで2dB単位で設定できる。また、スルーレートを可変に設定することもでき、パワーオフ・モードにより電源のオン/オフを切り替えることができる。
また、高速計装アンプ191は、高速計装アンプ出力比較用コンパレータを内蔵しており、このコンパレータはヒステリシス電圧及び基準電圧が可変である。
図25に示すように、高速計装アンプ191は、計装アンプとして動作するオペアンプ192a及び192b、ヒステリシスコンパレータとして動作するオペアンプ192cを有し、オペアンプ192a〜192cに接続される可変抵抗193a〜193c、固定抵抗194a〜194b及びDAC195a、195bを有している。
レジスタ181の設定値に応じて、可変抵抗193a〜193cの抵抗値、DAC195aの設定を変えることで高速計装アンプ191のゲイン、アンプの動作点、オフセット等を変更することができる。また、DAC195bの設定により、コンパレータのヒステリシス電圧(基準電圧)を変更することができる。さらに、レジスタ181の設定値に応じて、オペアンプ192a〜192cの電源オン/オフを制御できる。
高速計装アンプ191では、外部入力端子AMPINMn、AMPINPn(AMPIN10,11〜AMPIN40,41に対応)から差動信号が入力されると、オペアンプ192a、192bから構成される2段の計装アンプにより高速に非反転増幅された信号が、AMPOUTn(AMPOUT1〜AMPOUT4に対応)へ出力される。さらに、オペアンプ192cから構成されるヒステリシスコンパレータにより、AMPOUTnの出力信号と基準電圧とを比較した比較信号が出力される。なお、MCU部200はAMPOUTn及びCOMPOUTnの信号に応じてモータ制御を行う。
このように、TYPE2の半導体装置1は、AFE部100の回路構成は固定であり特性のみを可変に設定することができる。このため、一つの半導体装置で特性が異なる特定のセンサの特定に対応することができ、特定の応用システムで使用することができる。特に、多相モータの駆動回路などに接続できる。
以上説明したような半導体装置1によって次のような効果が得られる。まず、小型化と低消費電力化を図ることができる。半導体装置1の内部にMCUとAFE回路を含めた構成としたため、実装基板上に複数のアナログ回路ICを実装する場合と比べて、小型化が可能である。また、低消費電力モードに対応して、AFE部の電源をオフし、MCU部のスリープモードとすることができるため、消費電力を低減することが可能である。
また、アナログICの開発工程を短縮することができる。センサに適したアナログ回路を開発するためには、通常、回路設計、マスク設計、マスク製作、サンプル製作の工程が必要となるため、3〜8月程度かかる場合がある。半導体装置1の設定を変更するだけで、センサに対応したアナログ回路を構成することができるため、回路設計〜サンプル製作までの開発工程を行わずに半導体装置の開発が可能である。したがって、センサシステムを短期に開発し、早期にタイムリーに市場投入することができる。
また、同一の半導体装置1で複数の応用システムに対応することができる。半導体装置1では、回路構成を自由に変更することができるようにしたため、一つの半導体装置で電流型センサや電圧型センサ等の様々なセンサを接続することが可能である。センサごとに別々の半導体装置を開発する必要がないため、開発期間を短縮することができる。
さらに、TYPE1の半導体装置1では、一般計測器向けとして、一般計測器に必要となる計装アンプ等のみを備え、TYPE2の半導体装置1では、モータ制御向けとして、モータ制御に必要となる高速計装アンプ等のみを備えることとした。このため、半導体装置に不要な回路を有していないため、回路構成が簡素となり、さらに半導体装置の小型化を図ることができ、低消費電力化も可能である。
以上のような半導体装置1では、接続するセンサに応じてAFE部100の構成及び特性を決定する必要があるため、センサと半導体装置1を用いたセンサシステムの設計開発において、センサ及び半導体装置1の動作についてシミュレーションが行われる。以下、センサと半導体装置1からなるセンサシステムの開発工程で行われるシミュレーションについて説明する。ここでは、主にAFE部100のみを含む半導体装置1をシミュレーション対象として説明するが、AFE部100及びMCU部200を含む半導体装置1についても同様にシミュレーションを行うことができる。
図26は、本実施の形態に係る半導体装置1の動作をシミュレーションするためのシミュレーションシステム(設計支援システム)の構成を示している。
図26に示すように、このシミュレーションシステムは、ネットワーク6を介して通信可能に接続されたユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5、システム開発者端末8を備えている。ユーザ端末3は、シミュレーションシステムのユーザが操作する端末であり、ユーザの操作に応じてウェブシミュレータ4へアクセスし、ユーザ所望の構成による半導体装置1のシミュレーションの実行を要求する。センサベンダ端末5は、センサを製造/販売するセンサベンダが操作する端末であり、センサベンダの操作に応じてウェブシミュレータ4へアクセスし、センサベンダ所望のセンサに関する情報の登録/更新/削除を要求し、さらに半導体装置1のシミュレーションの実行を要求する。システム開発者端末(管理端末)8は、ウェブシミュレータ4を開発(管理)するシステム開発者(管理者)が操作する端末であり、システム開発者の操作に応じてウェブシミュレータ4へアクセスし、センサに関する情報の登録/更新/削除を要求し、さらに半導体装置1のシミュレーションの実行を要求する。ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3、センサベンダ端末5、システム開発者端末8からの要求に応じて半導体装置1のシミュレーションを実行し、また、センサベンダ端末5、システム開発者端末8からの要求に応じてセンサに関する情報を記憶部420(データベース)に登録/更新/削除(以下、更新には削除を含む場合がある)する。なお、本実施の形態では、主に、センサに関する情報の登録または更新に関して説明するが、センサに関する情報を削除する場合についても更新と同様に本実施の形態を適用することが可能である。
ユーザ端末3は、主に、ウェブブラウザ300a、記憶部310aを有している。ウェブシミュレータ4は、主に、ウェブサーバ400、シミュレーション制御部410、記憶部420を有している。センサベンダ端末5は、主に、ウェブブラウザ300b、記憶部310bを有している。システム開発者端末8は、主に、ウェブブラウザ300c、記憶部310cを有している。
ネットワーク6は、例えばインターネット等であり、ユーザ端末3、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8と、ウェブシミュレータ4との間でウェブページ情報が伝送可能なネットワークである。ネットワーク6は、有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよい。
ユーザ端末3のウェブブラウザ300aは、ウェブサーバ400から受信したウェブページ情報に基づいてウェブページを表示装置に表示する。ウェブブラウザ300aは、ユーザからの操作を受け付け、ユーザの操作に応じてウェブサーバ400にアクセスし、ウェブシミュレータ4でシミュレーションを実行するためのユーザインタフェースでもある。
ユーザ端末3の記憶部310aは、ユーザ端末3の機能を実現するための各種データやプログラム等が記憶される。また、記憶部310aは、後述のように、半導体装置1のレジスタ181に設定するためのレジスタ情報をウェブシミュレータ4からダウンロードし記憶する。
センサベンダ端末5のウェブブラウザ300bは、ウェブサーバ400から受信したウェブページ情報に基づいてウェブページを表示装置に表示する。ウェブブラウザ300bは、センサベンダからの操作を受け付け、センサベンダの操作に応じてウェブサーバ400にアクセスし、ウェブシミュレータ4にセンサに関する情報を登録/更新、またはシミュレーションを実行するためのセンサベンダ(ユーザ)インタフェースでもある。センサベンダ端末5の記憶部310bは、センサベンダ端末5の機能を実現するための各種データやプログラム等が記憶される。
システム開発者端末8のウェブブラウザ300cは、ウェブサーバ400から受信したウェブページ情報に基づいてウェブページを表示装置に表示する。ウェブブラウザ300cは、システム開発者からの操作を受け付け、システム開発者の操作に応じてウェブサーバ400にアクセスし、ウェブシミュレータ4にセンサに関する情報を登録/更新、またはシミュレーションを実行するためのシステム開発者(ユーザ)インタフェースでもある。システム開発者端末8の記憶部310cは、システム開発者端末8の機能を実現するための各種データやプログラム等が記憶される。
なお、ウェブブラウザ300a、300b及び300cは同様の構成であるため、いずれか/全てを単にウェブブラウザ300と称する場合がある。また、記憶部310a、310b及び310cも同様の構成であるため、いずれか/全てを単に記憶部310と称する場合がある。
ウェブシミュレータ4のウェブサーバ400は、ウェブブラウザ300にウェブシミュレータのウェブサービスを提供するサーバである。ウェブサーバ400は、ウェブブラウザ300からのアクセスを受け付け、アクセスに応じてウェブブラウザ300に表示するためのウェブページ情報を送信する。
ウェブシミュレータ4のシミュレーション制御部410は、センサ及び半導体装置1のシミュレーション機能を実現する。後述のように、ウェブシミュレータ4は、シミュレーション対象であるセンサ及び半導体装置1の回路構成を設定し、シミュレーションに必要なパラメータを設定し、シミュレーションを実行する。
ウェブシミュレータ4の記憶部420は、ウェブシミュレータ4の機能を実現するための各種データやプログラム等が記憶される。後述のように、記憶部420は、選択可能なセンサの情報やセンサに適したバイアス回路の情報、センサ及びバイアス回路に適したアナログ回路の情報等を記憶する。
ユーザ端末3、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8は、クライアント装置として動作するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、ウェブシミュレータ4は、サーバ装置として動作するワークステーションなどのコンピュータ装置である。図27は、ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8を実現するためのハードウェア構成の例を示している。なお、ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8は、それぞれ単一のコンピュータでなくとも、複数のコンピュータによって構成することも可能である。
図27に示すように、ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8は、一般的なコンピュータ装置であり、中央処理装置(CPU)31とメモリ34とを含んでいる。CPU31とメモリ34は、バスを介して補助記憶装置としてのハードディスク装置(HDD)35に接続される。ユーザ端末3、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8は、ユーザ・インターフェース・ハードウェアとして、例えば、ユーザまたはセンサベンダが入力するためのポインティング・デバイス(マウス、ジョイスティック等)やキーボード等の入力装置32や、GUI等の視覚データをユーザに提示するためのCRTや液晶ディスプレイなどの表示装置33を有している。ウェブシミュレータ4についても、ユーザ端末3、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8と同様にユーザ・インタフェース・ハードウェアを有しても良い。
HDD35等の記憶媒体はオペレーティングシステムと協働してCPU31等に命令を与え、ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8の機能を実施するためのブラウザプログラムやシミュレーションプログラムを記憶することができる。このプログラムは、メモリ34にロードされることによって実行される。
また、ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8は、外部装置と接続するための入出力インタフェース(I/O)36やNIC(Network Interface Card)37を有している。例えば、ユーザ端末3は、入出力インタフェース36として半導体装置1等に接続するためのUSB等を備えている。ユーザ端末3、ウェブシミュレータ4、センサベンダ端末5及びシステム開発者端末8は、ネットワーク6に接続するためのNIC37としてイーサネット(登録商標)カード等を備えている。
図28A及び図28Bは、ウェブシミュレータ4におけるシミュレーション制御部410の機能ブロックと、記憶部420に記憶される各種データを示している。なお、図28A及び図28Bは一例であり、後述する本実施の形態に係る処理や画面表示が実現できればその他の構成であってもよい。
シミュレーション制御部410は、CPU31がシミュレーションプログラムを実行することでシミュレーションのための各部の機能を実現している。図28Aに示すように、シミュレーション制御部410は、主に、ウェブページ処理部411、回路設定部412、パラメータ設定部413、シミュレーション実行部415、レジスタ情報生成部416、認証処理部417、センサ登録更新部418を有している。
記憶部420は、HDD35やメモリ34により実現されている。図28Bに示すように、記憶部420は、センサデータベース421、センサバイアス回路データベース422、コンフィギュラブルアナログ回路データベース423、AFEデータベース424、ウェブページ情報記憶部425、回路情報記憶部426、パラメータ記憶部427、結果情報記憶部428、レジスタ情報記憶部429、入力パターン記憶部430、アカウントデータベース431を有している。なお、各データベースや各記憶部は、必要に応じて分割または統合してもよい。例えば、センサデータベース421とセンサバイアス回路データベース422を1つのセンサデータベースとしてもよい。また、センサバイアス回路データベース422を登録用データベースとシミュレーション用データベースに分けてもよい。
センサデータベース(センサ情報記憶部)421は、半導体装置1に接続するセンサに関するセンサ情報を格納するデータベースである。センサ情報は、各種センサのデータシートの情報であり、センサのタイプ(種類)や特性、出力信号の種別を示す出力形体や端子数等の情報が含まれている。センサデータベース421には、センサとタイプ及び特性とが関連付けて記憶されている。また、センサをセンサデータベース421に登録したセンサベンダも関連付けられており、センサを登録したセンサベンダのみが、当該センサ情報を更新することができる。また、センサデータベース421では、各センサ情報にフラグ(データフラグ)が関連付けられている。このフラグは、少なくともセンサベンダがセンサ情報にアクセスし確認したことを示し、センサ情報が正確である(保証する)ことを意味するフラグである。例えば、フラグには、センサ情報を登録したことを示す登録フラグ、センサ情報を更新したことを示す更新フラグ、センサ情報をセンサベンダが確認したことを示す確認済フラグ等が含まれる。
センサバイアス回路データベース(バイアス回路情報記憶部)422は、各種センサで使用可能なバイアス回路(バイアス方法)を格納するデータベースである。バイアス回路の情報として、バイアス回路を構成する素子や、各素子の接続関係、出力端子等の情報が含まれている。センサバイアス回路データベース422には、センサデータベース421に登録されたセンサとバイアス回路とが関連付けて記憶されている。
特に、センサバイアス回路データベース422は、センサをセンサデータベース421に登録するために使用される登録用バイアス回路データ(第1のバイアス回路情報)422aと、シミュレーションを行うセンサを選択するために使用されるシミュレーション用バイアス回路データ(第2のバイアス回路情報)422bを含んでいる。登録用バイアス回路データ422aは、センサベンダがセンサを登録(更新)する場合に、センサベンダが選択可能なバイアス回路を表示するため、センサの種類とバイアス回路が関連付けられている。シミュレーション用バイアス回路データ422bは、ユーザがシミュレーションを行う場合に、シミュレーション対象としてユーザが選択可能なバイアス回路を表示するため、各センサとバイアス回路が関連付けられている。また、センサバイアス回路データベース422(422a及び422b)に格納されたバイアス回路は、バイアス回路を登録したセンサベンダと関連付けられており、バイアス回路を登録したセンサベンダとシステム開発者(管理者)のみが、当該バイアス回路情報を更新・選択することができる。
コンフィギュラブルアナログ回路データベース423は、センサとセンサバイアス回路に最適なアナログ回路を選択するためのデータベースである。コンフィギュラブルアナログ回路の情報として、半導体装置1のコンフィギュラブル・アンプ110の構成や入力端子等の情報が含まれている。コンフィギュラブルアナログ回路データベース423には、センサ及びバイアス回路と、コンフィギュラブル・アンプ110の構成とが関連付けられている。
AFEデータベース424は、半導体装置1のデータシートを格納するデータベースである。特に、半導体装置1のAFE部100のシミュレーションを行うため、データシートにはAFE部100の構成や特性等の情報が含まれている。AFEデータベース424には、半導体装置1とAFE部100の構成とが関連付けられている。例えば、AFEデータベース424には、上記のTYPE0〜TYPE2の半導体装置1のデータシートが格納されている。
ウェブページ情報記憶部425は、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8のウェブブラウザ300に各種画面を表示するためのウェブページ情報を記憶する。ウェブページ情報は、後述のように半導体装置1をシミュレーションするためのGUIを含むウェブページ(画面)を表示するための情報である。
回路情報記憶部(回路設定ファイル記憶部)426は、シミュレーションの対象となる回路の回路設定ファイル(回路情報)を記憶する。この回路設定ファイルには、センサやバイアス回路、AFE部100の回路素子や各素子の接続関係等の構成情報が含まれ、回路パラメータ等の特性情報も含まれている。回路情報記憶部426には、複数の回路設定ファイルが格納される。この例では、デフォルト回路設定ファイル426a、ベンダ回路設定ファイル426b、ユーザ回路設定ファイル426cが含まれる。デフォルト回路設定ファイル426aは、ウェブシミュレータがセンサ及びバイアス回路に基づいて自動的に設定する(自動接続する)デフォルトの回路情報である。ベンダ回路設定ファイル426bは、センサ及びバイアス回路に適した設定としてセンサベンダが設定する(センサベンダが推奨する)回路情報である。ユーザ回路設定ファイル426cは、シミュレーションを行うためにユーザが設定する回路情報である。
パラメータ記憶部427は、シミュレーション条件として、シミュレーションの実行に必要なシミュレーションパラメータを記憶する。このシミュレーションパラメータには、物理量などの入力情報等が含まれている。
結果情報記憶部428は、シミュレーションの実行結果である結果情報を記憶する。この結果情報には、過渡解析、AC解析、フィルタ効果解析、同期検波解析のシミュレーション結果として、AFE部100の各回路の入出力波形が含まれている。レジスタ情報記憶部429は、半導体装置1のレジスタ181に設定するレジスタ情報(構成情報)を記憶する。入力パターン記憶部430は、センサに入力する信号の複数の波形パターンの情報を記憶する。入力パターン記憶部430には、入力パターンとして、後述するような正弦波や方形波、三角波、ステップ応答などのパターンが記憶されている。
アカウントデータベース431は、ウェブシミュレータ4にログインしデータベースへアクセスするためのアカウント情報を記憶する。アカウントデータベース431は、アカウント情報として、ユーザやセンサベンダごとに割り当てたアカウントIDとパスワードを関連付けた認証テーブル431aを記憶する。また、アカウントIDごとにデータベース(記憶部)へのアクセス権限が設定されたアクセス権限テーブル431bを記憶する。なお、認証テーブル431a及びアクセス権限テーブル431bは、システム開発者により予め登録されている。
図29は、アクセス権限テーブル431bの一例を示している。図29に示すように、アクセス権限テーブル431bでは、アカウントIDごとにアクセス権限が設定されている。また、各アカウントIDのアクセス権限は、登録/更新するデータに対してセンサベンダごとに設定されている。これにより、センサに関連するセンサベンダのアカウントIDのみのアクセスを可能にし、他のセンサベンダのアカウントIDのアクセスを不可とする。アクセス権限には、センサデータベース421に各センサベンダのセンサを登録・更新(変更)する権限、センサバイアス回路データベース422に各センサベンダのバイアス回路を登録・更新する権限、センサバイアス回路データベース422に登録されている各センサベンダのバイアス回路を選択・更新する権限、シミュレーションを実行する権限が含まれる。センサバイアス回路データベース422の登録・更新する権限により、登録用バイアス回路データ422aにバイアス回路を登録・更新することが可能となり、センサバイアス回路データベース422の選択・更新する権限により、シミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路を選択・更新することが可能となる。
アクセス権限テーブル431bにより、アカウントIDに応じて、センサベンダ、ユーザ、システム開発者のいずれかを識別し、アクセス権限を判定(決定)できる。図29の例では、システム開発者、センサベンダA社のアカウントA1及びA2、センサベンダB社のアカウントB1及びB2、ユーザのアクセス権限が設定されている。システム開発者のアカウントIDの場合、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422を含む全てのデータベースの登録・更新(修正)が可能となるように設定されている。具体的には、システム開発者は、センサデータベース421にA社及びB社のセンサの登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(登録用バイアス回路データ422a)に共用(各社共通)のバイアス回路、A社及びB社のセンサに対応するバイアス回路の登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(シミュレーション用バイアス回路データ422b)にA社及びB社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能であり、また、登録済みの全てのセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能である。
センサベンダのアカウントIDの場合、センサデータベース421に記憶されているセンサのうち、当該センサベンダが登録したセンサのみ更新(修正)可能に設定され、センサバイアス回路データベース422に記憶されているバイアス回路のうち、当該センサベンダが登録したセンサに対応するバイアス回路のみ更新(修正)可能に設定されている。センサベンダのアカウントごとにアクセス権限を設定することにより、他のセンサベンダのセンサ情報を誤って更新することを防ぎ、センサ情報の信頼性を向上させる。
この例では、センサベンダA社のアカウントA1の場合、センサデータベース421にA社のセンサの登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(登録用バイアス回路データ422a)にA社のセンサに対応するバイアス回路の登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(シミュレーション用バイアス回路データ422b)にA社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能であり、また、登録済みのA社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能である。アカウントA1では、B社のセンサ及びバイアス回路の登録・更新・選択、共用のバイアス回路の登録・更新についてアクセス権限がないため行うことができない。センサベンダA社のアカウントA2の場合、センサデータベース421にA社のセンサの登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(シミュレーション用バイアス回路データ422b)にA社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能であり、また、登録済みのA社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能である。アカウントA2では、B社のセンサ及びバイアス回路の登録・更新・選択、共用及びA社のバイアス回路の登録・更新についてアクセス権限がないため行うことができない。
センサベンダB社のアカウントB1の場合、センサデータベース421にB社のセンサの登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(登録用バイアス回路データ422a)にB社のセンサに対応するバイアス回路の登録・更新が可能であり、センサバイアス回路データベース422(シミュレーション用バイアス回路データ422b)にB社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能であり、また、登録済みのB社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能である。アカウントB1では、A社のセンサ及びバイアス回路の登録・更新・選択、共用のバイアス回路の登録・更新についてアクセス権限がないため行うことができない。センサベンダB社のアカウントB2の場合、センサバイアス回路データベース422(シミュレーション用バイアス回路データ422b)にB社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能であり、また、登録済みのB社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能である。アカウントB2では、A社のセンサの登録・更新、B社のセンサ及びバイアス回路の登録・更新・選択、共用及びA社のバイアス回路の登録・更新についてアクセス権限がないため行うことができない。
なお、バイアス回路の登録/更新するためには、シミュレータのシミュレーションモデルの知識も必要であり、シミュレーションツールの変更の有無について判断できなければバイアス回路を登録/更新することができない。このため、例えば、アカウントA1及びB1は、シミュレータにも精通した者に割り当てて、バイアス回路の登録/更新を可能とし、アカウントA2及びB2は、シミュレータの知識が無い者に割り当てて、バイアス回路の選択/登録のみを可能とする。
ユーザのアカウントIDの場合、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422において、一般公開されたデータに対し参照のみ可能で、更新(修正)は不可能に設定されている。ユーザのアカウントIDの場合、登録済みの一般公開されているセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能であり、センサ及びバイアス回路の登録・更新・選択についてアクセス権限がないため行うことができない。なお、ユーザは、センサベンダのセンサを登録・更新することはできないが、ユーザ独自のセンサ(カスタムセンサ)をセンサデータベース421に登録・更新することが可能である。
ウェブページ処理部(ウェブページ表示部)411は、ウェブページ情報記憶部425に記憶されたウェブページ情報を、ウェブサーバ400を介してユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8へ送信することで、ウェブブラウザ300にGUIを含むウェブページ(画面)を表示し、さらに、ユーザ、センサベンダまたはシステム開発者によるウェブページのGUIへの入力操作をユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8から受け付ける。
すなわち、ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8との入出力をGUIにより実現する入出力インタフェースである。ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8からのアクセスを受け付け、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8との入出力を行うアクセスインタフェース410aを含んでいる。
アクセスインタフェース410aは、認証処理部417により判定されたアクセス権限に応じて、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422へアクセスする。センサベンダは、センサデータベース421へセンサ情報を登録/更新可能なアクセス権限を有するように設定されており、センサベンダがセンサベンダ端末5を操作してセンサデータベース421へセンサ情報を登録/更新することができる。ユーザは、センサデータベース421のセンサ情報を参照可能なアクセス権限を有するように設定されており、ユーザがユーザ端末3を操作してセンサデータベース421において、一般公開されたセンサ情報を参照し、そのセンサ情報を使用してシミュレーションを行うことができる。
なお、ウェブページ処理部411がユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8に表示する各画面は、アクセスインタフェース410aで実現される。なお、センサベンダ端末5にのみ表示される画面は、センサベンダ入出力インタフェースで実現し、ユーザ端末3にのみ表示される画面は、ユーザ入出力インタフェースで実現し、システム開発者端末8にのみ表示される画面は、開発者入出力インタフェースで実現し、センサベンダ端末5、ユーザ端末3及びシステム開発者端末8に表示される画面は、アクセスインタフェース410aで実現してもよい。
言い換えると、ウェブページ処理部411は、各画面を表示するための表示部を有しているともいえる。すなわち、ウェブページ処理部411は、センサ表示部411a、バイアス回路表示部411b、AFE表示部411c、入力パターン表示部411dを有している。センサ表示部411(選択部)aは、センサデータベース421を参照して、ユーザまたはセンサベンダが選択したセンサのタイプ(もしくは出力形体等)に対応する複数のセンサを表示する。また、センサ表示部411aは、アクセス権限が許可されているセンサのみを選択し、例えば、アクセスしているセンサベンダに関連するセンサのみを表示する。バイアス回路表示部(選択部)411bは、センサバイアス回路データベース422を参照して、選択(入力)されたセンサに対応する複数のバイアス回路を表示する。また、バイアス回路表示部411bは、アクセス権限が許可されているバイアス回路のみを選択し、例えば、アクセスしているセンサベンダに関連するバイアス回路のみを表示する。AFE表示部(半導体装置表示部)411cは、AFEデータベース424を参照して、設定された回路構成のコンフィギュラブル・アンプ110を有する複数の半導体装置1を表示する。入力パターン表示部411dは、入力パターン記憶部430に記憶されている複数の波形パターンを表示する。また、ウェブページ処理部411は、各画面に対応したその他の表示部、センサリスト画面を表示するセンサリスト表示部、各画面にフラグを表示するフラグ表示部等を有する。
回路設定部412は、ユーザまたはセンサベンダによるウェブページ(画面)の入力操作に応じて、回路設定ファイル(回路情報)を生成し、回路情報記憶部426に記憶する。回路設定部412は、センサ、バイアス回路、半導体装置1の選択に応じて回路設定ファイルを生成する。例えば、回路設定部412は、センサ選択部412a、バイアス回路選択部412b、AFE選択部412c、接続構成設定部412dを有している。
センサ選択部(センサ情報入力部)412aは、ウェブページ処理部411が表示した、センサデータベース421に含まれる複数のセンサからユーザ、センサベンダまたはシステム開発者の操作により選択されたセンサの情報に基づいて回路設定ファイルを生成する。また、センサ選択部412aは、選択されたセンサに特性等の必要な情報をユーザ、センサベンダまたはシステム開発者から入力され、入力された情報に基づいて回路設定ファイルを生成する。センサ選択部412aは、センサベンダ(アクセスインタフェースを介して)がセンサデータベース421に登録/更新するセンサ情報を入力するセンサ情報入力部でもある。また、センサ選択部412aは、ユーザ(アクセスインタフェースを介して)がユーザ独自のセンサ(カスタムセンサ)をセンサデータベース421に登録/更新するセンサ情報を入力するセンサ情報入力部でもある。
バイアス回路選択部412bは、ウェブページ処理部411が表示した、選択されたセンサに適した複数のバイアス回路から、アクセス権限に基づいて、ユーザまたはセンサベンダの操作により選択されたバイアス回路の情報に基づいて回路設定ファイルを生成する。
AFE選択部(半導体装置選択)412cは、ウェブページ処理部411が表示した、AFEデータベース424に含まれる複数の半導体装置1からユーザまたはセンサベンダの操作により選択された半導体装置1の情報に基づいて回路設定ファイルを生成する。接続構成設定部(回路構成設定部)412dは、コンフィギュラブルアナログ回路データベース423を参照し、選択されたセンサ及びバイアス回路に適したコンフィギュラブル・アンプ110の構成及び接続関係を特定し、また、ユーザまたはセンサベンダの操作によりコンフィギュラブル・アンプ110の構成及び接続関係を設定し、回路設定ファイル(構成情報)を生成する。また、接続構成設定部412dは、ユーザまたはセンサベンダの操作により設定されたコンフィギュラブル・アンプ110の特性に基づいて回路設定ファイル(特性情報)を生成する。
パラメータ設定部413は、ユーザまたはセンサベンダによるウェブページ(画面)の入力操作に応じて、シミュレーションを実行するためのパラメータを生成し、パラメータ記憶部427に記憶する。パラメータ設定部(入力パターン選択部)413は、ウェブページ処理部411が表示した複数の波形パターンの中からユーザ操作にしたがって選択された、センサに入力される物理量の入力パターンの情報を生成する。
シミュレーション実行部415は、回路情報記憶部426及びパラメータ記憶部427を参照し、記憶されている回路設定ファイル(回路情報)及びパラメータに基づいてシミュレーションを実行する。シミュレーション実行部415は、物理量変換部(物理量対電気特性換算機能)450、自動設定部451、過渡解析部452、AC解析部453、フィルタ効果解析部454、同期検波解析部455を有している。
物理量変換部450は、センサの入力情報である物理量をセンサ出力の電気信号に変換する。物理量変換部450は、パラメータ記憶部427を参照し、設定された物理量の入力パターンにしたがい、時系列の順に変動する物理量に対応してセンサの出力信号を生成する。
自動設定部(回路特性設定部)451は、AFE部100の回路特性を自動的に設定し、設定した回路設定ファイル(特性情報)を回路情報記憶部426に記憶する。自動設定部451は、回路情報記憶部426の回路設定ファイルの構成情報を参照し、設定されたセンサ及びバイアス回路、コンフィギュラブル・アンプ110の回路構成において、自動的に適切なコンフィギュラブル・アンプ110のゲイン・オフセットを設定する。自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110の動作をシミュレーションし、最適なゲイン・オフセットとなるように、コンフィギュラブル・アンプ110のDAC電圧やゲイン等の回路パラメータを調整する。
過渡解析部452は、過渡特性を解析するためAFE部100の入出力特性をシミュレーションし、シミュレーション結果を結果情報記憶部428に記憶する。過渡解析部452は、回路情報記憶部426及びパラメータ記憶部427を参照し、各パラメータをシミュレーション条件として設定された構成の回路動作をシミュレーションし、入出力特性を示す波形を生成する。過渡解析部452は、時系列に入力される物理量の入力パターンについて物理量変換部450が変換したセンサ出力信号をAFE部100の入力信号として、AFE部100の動作をシミュレーションし、AFE部100の各回路の時系列の出力信号を生成する。
AC解析部453は、AC特性を解析するためAFE部100の周波数特性をシミュレーションし、シミュレーション結果を結果情報記憶部428に記憶する。AC解析部453は、回路情報記憶部426及びパラメータ記憶部427を参照し、各パラメータをシミュレーション条件として設定された構成の回路動作をシミュレーションし、周波数特性を示す波形を生成する。AC解析部453は、周波数ごとに物理量の入力パターンを生成し、物理量変換部450が変換したセンサ出力信号をAFE部100の入力信号として、AFE部100の動作をシミュレーションし、AFE部100の各回路の周波数ごとの出力信号を生成する。
フィルタ効果解析部454は、フィルタ効果を解析するためノイズが発生する環境におけるAFE部100の入出力特性をシミュレーションし、シミュレーション結果を結果情報記憶部428に記憶する。フィルタ効果解析部454は、回路情報記憶部426及びパラメータ記憶部427を参照し、各パラメータをシミュレーション条件として設定された構成の回路動作をシミュレーションし、ノイズ環境における入出力特性を示す波形を生成する。フィルタ効果解析部454は、時系列に入力される物理量の入力パターンにノイズを付加し、ノイズを付加した信号を物理量変換部450が変換したセンサ出力信号をAFE部100の入力信号として、AFE部100の動作をシミュレーションし、AFE部100の各回路の時系列の出力信号を生成する。
同期検波解析部455は、同期検波動作を解析するためAFE部100の同期検波動作をシミュレーションし、シミュレーション結果を結果情報記憶部428に記憶する。同期検波解析部455は、回路情報記憶部426及びパラメータ記憶部427を参照し、各パラメータをシミュレーション条件として設定された構成の回路動作をシミュレーションし、同期検波動作を示す波形を生成する。同期検波解析部455は、時系列に入力される物理量の入力パターンと、図16で示したような同期クロックを入力として、AFE部100の動作をシミュレーションし、AFE部100の各回路の時系列の出力信号を生成する。
レジスタ情報生成部416は、半導体装置1のレジスタ181に設定するレジスタ情報を生成し、レジスタ情報記憶部429に記憶する。レジスタ情報生成部416は、回路情報記憶部426の回路設定ファイルを参照し、設定されているAFE部100の回路構成及び回路特性に応じてレジスタ情報を生成する。
認証処理部417は、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8からログイン要求を受け付け、認証処理を行う。認証処理部417は、アカウントデータベース431の認証テーブル431aを参照し、ウェブブラウザ300に入力されたアカウントIDとパスワードに基づいてアカウントの認証を行う。また、認証処理部417は、アカウントデータベース431のアクセス権限テーブル431bを参照し、アカウントIDにより利用者がセンサベンダ、ユーザ、あるいはシステム開発者であるのかを識別し、それぞれのアクセス権限にしたがって、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422へのデータの登録・更新を可能とする。
図30Aは、図29のアクセス権限テーブル431bにおけるアカウントA1及びB2によるアクセスに対する認証処理の概要を示している。センサベンダ端末5によりアカウントA1でウェブシミュレータ4にアクセスすると、アクセスインタフェース410aがアクセスを受け付け、認証処理部417が認証を行う。認証処理部417は、認証テーブル431aを参照し、アカウントA1とパスワードが一致した場合に認証成功と判定する。さらに、認証処理部417は、アクセス権限テーブル431bを参照し、アカウントA1のアクセス権限を判定する。図29のアクセス権限テーブル431bにより、アカウントA1は、センサデータベース421にA社のセンサの登録・更新が可能となり、センサバイアス回路データベース422にA社のセンサに対応するバイアス回路の登録・更新が可能となり、センサバイアス回路データベース422にA社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能となり、登録済みのA社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能となる。また、アカウントB2は、センサバイアス回路データベース422にB社のセンサに対応するバイアス回路の選択・更新が可能となり、登録済みのB社のセンサ及びバイアス回路を用いてシミュレーションを実行することが可能となる。また、センサバイアス回路データベース422には、共用のバイアス回路が登録されており、システム開発者は、図29のアクセス権限テーブル431bにより、共用、A社、B社の全てのバイアス回路の登録・更新、選択・更新が可能である。
図30Bは、センサバイアス回路データベース422に登録されているバイアス回路データの関連付けのイメージを示している。図30Bに示すように、例えば、共用のバイアス回路d1〜d6、A社のバイアス回路d7〜d10、B社のバイアス回路d11〜d13が登録用バイアス回路データ422aに登録されている。登録用バイアス回路データ422aでは、各バイアス回路はセンサベンダに関連付けられるとともに、センサの種類とも関連付けられている。例えば、A社のセンサに適したバイアス回路として、共用のバイアス回路とA社のバイアス回路のうち、バイアス回路d1〜d4、d6〜d10が関連付けられており、センサベンダが選択可能なバイアス回路としてd1〜d4、d6〜d10が画面表示される。センサベンダは、バイアス回路d1〜d4、d6〜d10の中から、センサのシミュレーションに適切なバイアス回路として、バイアス回路d1、d4、d8、d9を選択すると、シミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路d1、d4、d8、d9とセンサが関連付けて登録される。これらのバイアス回路d1、d4、d8、d9がシミュレーション時に選択可能なバイアス回路として画面表示され、ユーザが、バイアス回路d8を選択すると、センサとバイアス回路d8がシミュレーション対象の回路として関連付けられて、シミュレーションが行われる。
センサ登録更新部(センサ情報登録部)418は、アクセス権限に基づいて、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8から入力されたセンサ情報を、入力するアカウントのセンサベンダ等に関連付けてセンサデータベース421に登録/更新する。また、センサ登録更新部418は、アクセス権限に基づいて、ユーザ端末3、センサベンダ端末5またはシステム開発者端末8から入力されたセンサに関連するバイアス回路の情報(シミュレーション用バイアス回路データ422b)を、入力するアカウントのセンサベンダ等に関連付けてセンサバイアス回路データベース422に登録/更新する。
また、図28Cのように、図28A及び図28Bに示したブロックのうちの一部のブロックによりウェブシミュレータ4を構成してもよい。例えば、図28Cに示すように、ウェブシミュレータ4は、センサデータベース(センサ情報記憶部)421と、アカウントデータベース(アカウント情報記憶部)431と、認証処理部(アクセス権限特定部)417と、センサ登録更新部(センサ書き込み部)418と、シミュレーション実行部415とを備えている。
図28Cでは、センサデータベース421は、第1のアクセスグループ(例えば、センサベンダA社)に属する第1のセンサ情報と第2のアクセスグループ(例えば、センサベンダB社)に属する第2のセンサ情報を記憶する。アカウントデータベース431は、第1のアクセスグループに属するアカウントに対して、第1のアクセスグループへ第1のセンサ情報の書き込み(登録または書き込み)を許可し、かつ、第2のアクセスグループへ第2のセンサ情報の書き込みを拒否するアクセス権限テーブル431b(第1のアクセス権限情報)を記憶する。認証処理部417は、記憶されたアクセス権限テーブル431bを参照して、受け付けたアクセスのアカウントに応じて第1のアクセスグループ及び第2のアクセスグループへのアクセス権限を特定する。センサ登録更新部418は、特定されたアクセス権限に基づき書き込みが許可された第1のアクセスグループへ、アクセスに応じて第1のセンサ情報の書き込みを行う。シミュレーション実行部415は、前記アクセスに応じて、前記書き込まれた第1のセンサ情報のセンサと、回路構成が変更可能なアナログフロントエンド回路を有する半導体装置1とを含む回路のシミュレーションを実行する。
次に、本実施の形態に係るシミュレーションシステムで実行されるシミュレーション方法について説明する。このシミュレーション方法は、主にウェブシミュレータ4で各処理が実行され、ユーザ端末3またはセンサベンダ端末5の表示装置に画面表示を行うことで実現されるため、以下ではウェブシミュレータ4で実行される処理について説明する。なお、以下では、主にユーザ端末3またはセンサベンダ端末5からアクセスがあった場合の動作について説明するが、システム開発者端末8からアクセスがあった場合については、全てのデータベースに対して登録・更新が可能となる点を除いて、ユーザ端末3及びセンサベンダ端末5と同様であるため、説明を省略する。
図31のフローチャートは、本実施の形態に係るシミュレーション処理の全体の流れを示している。このシミュレーション処理では、まず、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5にログイン画面を表示させ、ユーザまたはセンサベンダがログインを行う(S101)。ユーザ端末3またはセンサベンダ端末5のウェブブラウザ300において、ユーザまたはセンサベンダがウェブシミュレータ4のURLを指定すると、ウェブブラウザ300がウェブサーバ400にアクセスし、ウェブシミュレータ4においてシミュレーションプログラムが起動する。そうすると、ウェブページ処理部411は、ログイン画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300にログイン画面を表示させる。そして、ウェブブラウザ300にユーザまたはセンサベンダがアカウントIDとパスワードを入力すると、認証処理部417がアカウントデータベース431の認証テーブル431aを参照しアカウントの認証を行う。また、認証処理部417は、アクセス権限テーブル431bを参照し、アカウントIDによりセンサベンダかユーザかを識別してアクセス権限を判定し、以降の処理では、アクセス権限に応じた処理が実行される。
なお、ログイン画面はユーザとセンサベンダで共通でも、独立していてもどちらでも構わない。また、シミュレーション処理において、ユーザとセンサベンダとでログイン処理を異なる処理としてもよい。例えば、ウェブシミュレータ4のURLをセンサベンダとユーザで別々に設定し、センサベンダ用のURLにアクセスした場合、S101のログイン処理を実行し、ユーザ用のURLにアクセスした場合、S101のログイン処理は省略して次のS102のガイダンス画面から処理を開始してもよい。
次いで、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5にガイダンス画面を表示させる(S102)。S101のログインによりアカウントの認証が成功すると、ウェブページ処理部411は、シミュレータの開始ページであるガイダンス画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300にガイダンス画面を表示させる。
次いで、ウェブシミュレータ4(回路設定部412、センサ登録更新部418)は、センサ及びバイアス回路登録選択処理を実行する(S103)。S101のガイダンス画面において、ユーザまたはセンサベンダがセンサを選択するための操作を行うと、アカウントのアクセス権限に応じた処理、すなわち、アカウントがセンサベンダの場合、センサ登録更新部418は、センサ及びバイアス回路のデータベースへの登録及び更新する処理を実行し、アカウントがユーザの場合、回路設定部412は、センサ及びバイアス回路を選択する処理を実行する。センサ及びバイアス回路登録選択処理の詳細については後述する。回路設定部412は、センサ及びバイアス回路選択処理により選択(登録/更新)されたセンサ及びバイアス回路を、シミュレーション対象の回路として回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5に物理量入力画面を表示させ、ユーザまたはセンサベンダが物理量を入力する(S104)。S103のセンサ選択画面やバイアス回路選択画面において、ユーザまたはセンサベンダがセンサの物理量を入力するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザまたはセンサベンダがセンサの物理量を入力するための物理量入力画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300に物理量入力画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサに入力する物理量を時系列に入力するための複数の入力パターン(入力波形)を物理量入力画面に表示し、ユーザまたはセンサベンダがシミュレーションで使用する入力パターンを選択する。また、ウェブページ処理部411は、センサデータベース421を参照し、選択されたセンサに応じた物理量の入力範囲を物理量入力画面に表示し、ユーザまたはセンサベンダが物理量の入力範囲を設定する。物理量入力画面において、ユーザまたはセンサベンダがセンサに入力する物理量の入力パターンと入力範囲を入力すると、パラメータ設定部413は、入力されたパラメータをパラメータ記憶部427に設定する。
次いで、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5にAFE選択画面を表示させ、ユーザまたはセンサベンダがAFE(半導体装置)を選択する(S105)。S102のガイダンス画面やS103のセンサ選択画面等において、ユーザまたはセンサベンダが半導体装置1(AFE部100)を選択するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザまたはセンサベンダが半導体装置1を選択するためのAFE選択画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300にAFE選択画面を表示させる。
ウェブページ処理部411は、AFEデータベース424を参照し、選択されたセンサ及びバイアス回路に適したコンフィギュラブル・アンプ110の構成を含む半導体装置1を抽出する。このとき、コンフィギュラブルアナログ回路データベース423を参照し、選択されたセンサ及びバイアス回路に適したコンフィギュラブル・アンプ110の構成を決定し、決定した構成のコンフィギュラブル・アンプ110を含む半導体装置1を抽出する。さらに、ウェブページ処理部411は、ユーザまたはセンサベンダが半導体装置1の構成などの絞り込み条件を指定すると、AFEデータベース424から絞り込み条件に該当する半導体装置1を抽出し、抽出した半導体装置1のリストをAFE選択画面に表示する。AFE選択画面において表示された半導体装置1のリストの中からユーザまたはセンサベンダが使用する半導体装置1(AFE部100)を選択すると、回路設定部412(AFE選択部412c)は、選択された半導体装置1のAFE部100をシミュレーション対象の回路として回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(回路設定部412)は、コンフィギュラブル・アンプ110の構成と接続関係を決定する(S106)。S103でセンサ及びバイアス回路が選択され、S105で半導体装置1が選択されると、回路設定部412は、コンフィギュラブルアナログ回路データベース423を参照し、選択されたセンサ及びバイアス回路に適したコンフィギュラブル・アンプ110の構成を決定し、センサ及びバイアス回路とコンフィギュラブル・アンプ110との接続関係(接続端子)をデフォルト(自動接続)の構成として決定する。回路設定部412(接続構成設定部412d)は、決定したコンフィギュラブル・アンプ110の構成と接続関係の情報を回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aに記憶する。アカウントがセンサベンダの場合、1つのセンサに対し複数のバイアス回路が選択可能であるため、バイアス回路ごとに接続関係を決定し、バイアス回路ごとの複数のデフォルト回路設定ファイル426aに記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(回路設定部412)は、センサAFE接続処理を実行する(S107)。S105で半導体装置1が選択され、S106でセンサ及びバイアス回路とコンフィギュラブル・アンプ110との接続関係が決定すると、ユーザまたはセンサベンダがシミュレーション対象の回路の接続を選択できるようにするためセンサAFE接続処理を実行する。このセンサAFE接続処理の詳細については後述する。回路設定部412は、選択された接続関係をシミュレーション対象の回路の接続関係として回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(自動設定部451)は、自動設定処理を実行する(S108)。S103〜S107でセンサ及びバイアス回路、コンフィギュラブル・アンプ110の構成及び接続関係が決定すると、自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110のデフォルト値を自動的に設定するため、自動設定処理を実行する。この自動設定処理の詳細については後述する。自動設定部451は、自動設定処理により設定されたコンフィギュラブル・アンプ110のDAC出力やゲイン等の回路パラメータを回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(シミュレーション実行部415)は、シミュレーション実行処理を行う(S109)。S103〜S108でセンサ及びバイアス回路、半導体装置1(AFE部100)の構成及び接続関係が決定すると、シミュレーション実行部415はユーザまたはセンサベンダの操作にしたがって過渡解析、AC解析、フィルタ効果解析、同期検波解析などのためのシミュレーションを実行する。このシミュレーション実行処理の詳細については後述する。シミュレーション実行部415は、シミュレーション実行処理により得られたシミュレーション結果を結果情報記憶部428に記憶する。
次いで、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5に部品リスト画面を表示させる(S110)。S102のガイダンス画面やS109のシミュレーション画面(後述)において、ユーザまたはセンサベンダが部品リスト(BOM:Bills of Materials)を表示するための操作を行うと、ウェブページ処理部411は部品リストを表示するための部品リスト画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300に部品リスト画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426の回路設定ファイルを参照し、シミュレーション対象に選択されたセンサ及び半導体装置1を含む部品リストを部品リスト画面に表示する。表示する部品リストは部品の購入サイトにリンクが設定されており、部品リスト画面において、ユーザが部品を選択すると部品の購入サイトにアクセスされ、部品を購入することができる。
次いで、ウェブシミュレータ4(レジスタ情報生成部416)は、レジスタ情報を生成する(S111)。S103〜S109で半導体装置1(AFE部100)の回路構成及び回路特性が決定すると、レジスタ情報生成部416は半導体装置1のレジスタ181に設定するためのレジスタ情報を生成する。レジスタ情報生成部416は、回路情報記憶部426の回路設定ファイルを参照して半導体装置1の回路構成及び回路特性に基づいてレジスタ情報を生成し、生成したレジスタ情報をレジスタ情報記憶部429に記憶する。なお、レジスタ情報はレポート画面に表示されるため、S111のレジスタ情報の生成は、レポート画面の表示までに実行されていればよい。
次いで、ウェブシミュレータ4(ウェブページ処理部411)はユーザ端末3またはセンサベンダ端末5にレポート画面を表示させる(S112)。S102のガイダンス画面やS109のシミュレーション画面等において、ユーザまたはセンサベンダがシミュレーション結果を出力するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はシミュレーション結果を含むレポート画面のウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300にレポート画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、結果情報記憶部428を参照し、シミュレーション結果をレポート画面に表示する。また、ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426、パラメータ記憶部427、レジスタ情報記憶部429を参照し、シミュレーション対象のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成、接続関係、パラメータを表示し、半導体装置1のレジスタ情報も表示する。さらに、レポート画面において、ユーザまたはセンサベンダの操作に応じてレジスタ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5へダウンロードすることができる。
図32は、本実施の形態に係るセンサ及びバイアス回路登録選択処理を示しており、図31のS103の処理に相当し、特に、センサベンダ用の処理を示している。すなわち、S103において、アカウントがセンサベンダの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ選択画面を表示させ、センサベンダがセンサの種類を選択する(S11)。図31のS101のガイダンス画面において、センサベンダがセンサを選択するための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサを選択するためのセンサ選択画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサ選択画面を表示させる。そして、センサ選択画面において、センサベンダがセンサの種類を選択すると、センサ登録更新部418は、選択されたセンサの種類を、登録/更新/削除するセンサの種類として識別する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサ選択画面に対するセンサベンダの操作を判定する(S12)。ここでは、センサベンダがセンサの登録または更新の操作を行ったか否か判定する。アカウントのアクセス権限が、センサデータベース421の登録・更新可能、センサバイアス回路データベース422の登録・更新可能の場合、センサベンダの操作に応じて、S13以降の処理が実行されてセンサベンダ自身のセンサ及びバイアス回路の登録が行われ、もしくは、S18以降の処理が実行されてセンサベンダ自身のセンサ及びバイアス回路の更新が行われる。アカウントのアクセス権限がセンサバイアス回路データベース422の選択・更新可能の場合、センサベンダの操作に応じて、S18以降の処理が実行されてセンサベンダ自身のバイアス回路の選択・更新が行われる。例えば、表示画面において、アクセス権限に応じて入力操作が制限されていてもよい。
S12において、センサベンダがセンサの登録を選択した場合、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ特性画面を表示させ、センサベンダがセンサの特性を入力する(S13)。S11のセンサ選択画面において、センサベンダがセンサ登録のための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサの特性を設定するためのセンサ特性画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサ特性画面を表示させる。センサ特性画面において、センサベンダがセンサの特性を設定すると、センサ登録更新部418は、設定されたセンサの特性情報をセンサデータベース421に記憶する。また、センサ登録更新部418は、S11で選択されたセンサの種類もセンサデータベース421に記憶する。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示させ、センサベンダがバイアス回路を選択する(S14)。S13のセンサ特性画面において、センサベンダがバイアス回路を設定するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はバイアス回路選択画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにバイアス回路選択画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aを参照し、S11で選択したセンサの種類に適した複数のバイアス回路を抽出し、バイアス回路選択画面に表示する。バイアス回路選択画面において表示された複数のバイアス回路の中からセンサベンダがバイアス回路を選択すると、センサ登録更新部418は、選択されたバイアス回路をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する。シミュレーション用バイアス回路データ422bには、1つのセンサと複数のバイアス回路とを関連付けることが可能である。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ名入力画面を表示させ、センサベンダがセンサ名を入力する(S15)。S14のバイアス回路選択画面においてバイアス回路が選択されると、ウェブページ処理部411は、センサ名入力画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサ名入力画面を表示させる。センサベンダは、センサ名入力画面に入力操作することで、任意のセンサ名を設定することができる。
次いで、センサ登録更新部418は、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422にセンサに関する情報を登録する(S16)。S15のセンサ名入力画面においてセンサ名が入力されると、センサ登録更新部418は、S11〜S15で設定された、センサの種類、特性及びセンサ名の情報をセンサデータベース421へ登録し、バイアス回路の情報をセンサバイアス回路データベース422へ登録する。なお、これらのセンサに関する情報は、S11〜S15の各入力時にデータベースに登録してもよいし、S16でまとめてデータベースに登録してもよい。また、センサ登録更新部418は、センサデータベース421にセンサ情報を登録したことを示す登録フラグを設定する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5にフラグ付きのセンサリスト画面を表示させる(S17)。S16においてデータベースへの登録が完了すると、ウェブページ処理部411は、センサリスト画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサリスト画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサデータベース421を参照し、操作中のセンサベンダが既に登録済みのセンサを抽出し、今回、登録したセンサも含めてセンサリスト画面に表示する。また、センサリストの各センサについてデータフラグを参照し、データフラグの状態を表示する。ここでは、S16でセンサを登録したため、登録フラグが設定されており、登録されたことを示すフラグマークを表示する。
一方、S12において、センサベンダがセンサの更新を選択した場合、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5にセンサリスト画面を表示させ、センサベンダがセンサを選択する(S18)。S11のセンサ選択画面において、センサベンダがセンサ更新のための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサリスト画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサリスト画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサデータベース421を参照し、操作中のセンサベンダがアクセス権のある更新可能なセンサ、すなわち、操作中のセンサベンダが登録を行ったセンサを抽出し、センサリスト画面に表示する。そして、センサベンダが、センサリストの中から更新するセンサを選択する。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ特性画面を表示させ、センサベンダがセンサの特性を入力する(S19)。S18のセンサリスト画面において、センサベンダが更新するセンサを選択すると、ウェブページ処理部411は、センサの特性を設定するためのセンサ特性画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサ特性画面を表示させる。センサ特性画面において、センサベンダがセンサの特性を変更し設定すると、センサ登録更新部418は、設定されたセンサの特性情報により、センサデータベース421の該当するセンサ情報を更新する。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示させ、センサベンダがバイアス回路を選択する(S20)。S19のセンサ特性画面において、センサベンダがバイアス回路を設定するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はバイアス回路選択画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにバイアス回路選択画面を表示させる。S14と同様に、ウェブページ処理部411は、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aを参照し、S11で選択したセンサの種類に適した複数のバイアス回路を抽出し、バイアス回路選択画面に表示する。バイアス回路選択画面において表示された複数のバイアス回路の中からセンサベンダがバイアス回路について選択の追加/削除を行うと、センサ登録更新部418は、バイアス回路の追加/削除をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する。
次いで、センサ登録更新部418が、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422のセンサに関する情報を更新する(S21)。S20のバイアス回路選択画面においてバイアス回路が更新されると、センサ登録更新部418は、S11、S18〜S20で設定された、センサの種類、特性の情報をセンサデータベース421へ更新し、バイアス回路の情報をセンサバイアス回路データベース422へ更新する。なお、これらのセンサに関する情報は、S11、S18〜S20の各入力時にデータベースに登録してもよいし、S21でまとめてデータベースに登録してもよい。また、センサ登録更新部418は、センサデータベース421にセンサの情報を更新したことを示す更新フラグを設定する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5にフラグ付きのセンサリスト画面を表示させる(S22)。S21においてデータベースの更新が完了すると、ウェブページ処理部411は、センサリスト画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサリスト画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサデータベース421を参照し、操作中のセンサベンダが既に登録(更新)済みのセンサを抽出し、今回、更新したセンサも含めてセンサリスト画面に表示する。また、センサリストの各センサについてデータフラグを参照し、データフラグの状態を表示する。ここでは、S21でセンサを更新したため、更新フラグが設定されており、更新されたことを示す印を表示する。以上、センサ及びバイアス回路を更新する方法について詳細に説明したが、センサ及びバイアス回路を削除する方法も同様の手順で実現できる事は言うまでもない。例えば、S18のように表示したセンサリスト画面で選択したセンサを削除する操作を行うと、対応するセンサ及びバイアス回路の情報がセンサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422から削除される。
図33は、本実施の形態に係るセンサ及びバイアス回路登録選択処理を示しており、図31のS103の処理に相当し、特に、ユーザ用の処理を示している。すなわち、S103において、アカウントがユーザの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にセンサ選択画面を表示させ、ユーザがセンサの種類を選択する(S23)。図32のセンサベンダの場合と同様に、図31のS101のガイダンス画面において、ユーザがセンサを選択するための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサを選択するためのセンサ選択画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサ選択画面を表示させる。そして、センサ選択画面において、ユーザがセンサの種類を選択すると、センサ登録更新部418または回路設定部412は、選択されたセンサの種類を、登録またはシミュレーション対象に設定するセンサの種類として識別する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサ選択画面において、ユーザがセンサの登録またはシミュレーション対象への選択の操作を行ったか否か判定する(S24)。ユーザは、ユーザ独自のセンサ(カスタムセンサ)の登録・更新のみ可能であるため、ユーザの操作に応じて、S25以降の処理が実行されてユーザ独自のセンサ及びバイアス回路の登録が行われる。
S24において、ユーザがセンサの登録を選択した場合、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にセンサ特性画面を表示させ、ユーザがセンサの特性を入力する(S25)。S23のセンサ選択画面において、ユーザがセンサ登録のための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサの特性を設定するためのセンサ特性画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサ特性画面を表示させる。センサ特性画面において、ユーザがセンサの特性を設定すると、センサ登録更新部418は、設定されたセンサの特性情報をセンサデータベース421に記憶する。また、センサ登録更新部418は、S23で選択されたセンサの種類もセンサデータベース421に記憶する。
なお、ユーザが登録するセンサ情報等は、ウェブシミュレータ4の記憶部420に記憶してもよいし、ユーザ端末3の記憶部310aに記憶してもよい。すなわち、ユーザ端末3の記憶部310aに、ユーザのみが使用するデータを記憶するために、センサデータベース421やセンサバイアス回路データベース422、回路情報記憶部426等を備えていてもよい。
次いで、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にバイアス回路選択画面を表示させ、ユーザがバイアス回路を選択する(S26)。S25のセンサ特性画面において、ユーザがバイアス回路を設定するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はバイアス回路選択画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにバイアス回路選択画面を表示させる。図32のS14と同様に、ウェブページ処理部411は、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aを参照し、S23で選択したセンサの種類に適した複数のバイアス回路を抽出し、バイアス回路選択画面に表示する。バイアス回路選択画面において表示された複数のバイアス回路の中からユーザがバイアス回路を選択すると、センサ登録更新部418は、選択されたバイアス回路をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する。シミュレーション用バイアス回路データ422bには、1つのセンサと1つのバイアス回路のみ関連付けることが可能である。
次いで、センサ登録更新部418は、センサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422にセンサに関する情報を登録する(S27)。S26のバイアス回路選択画面においてバイアス回路が入力されると、センサ登録更新部418は、S23〜S26で設定された、センサの種類、特性の情報をセンサデータベース421へ登録し、バイアス回路の情報をセンサバイアス回路データベース422へ登録する。なお、これらのセンサに関する情報は、S23〜S26の各入力時にデータベースに登録してもよいし、S27でまとめてデータベースに登録してもよい。なお、ユーザが登録するセンサに関する情報は、ユーザ端末3の記憶部301aに記憶してもよい。
一方、S24において、ユーザがシミュレーション対象の選択を行った場合、ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3にセンサリスト画面を表示させ、ユーザがセンサを選択する(S28)。S23のセンサ選択画面において、ユーザがシミュレーション対象選択のための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサリスト画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサリスト画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサデータベース421を参照し、S23で選択したセンサの種類に該当するセンサを抽出し、センサリスト画面に表示する。そして、ユーザが、センサリストの中からシミュレーション対象とするセンサを選択する。回路設定部412は、選択されたセンサをシミュレーション対象の回路として回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに記憶する。
次いで、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にセンサ特性設定(参照)画面を表示させる(S29)。S28のセンサリスト画面において、ユーザがセンサ特性を参照するための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、センサの参照するためのセンサ特性画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサ特性画面を表示させる。センサ特性参照画面において、ユーザはセンサの特性を参照してシミュレーションを行うセンサの特性を確認する。
次いで、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にバイアス回路選択画面を表示させ、ユーザがバイアス回路を選択する(S30)。S29のセンサ特性設定(参照)画面において、ユーザがバイアス回路を設定するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はバイアス回路選択画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにバイアス回路選択画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bを参照し、特定のセンサに適したバイアス回路を抽出し、バイアス回路選択画面に表示する。バイアス回路選択画面において表示された複数のバイアス回路の中からユーザがバイアス回路について選択を行うと、回路設定部412は、選択されたバイアス回路をシミュレーション対象の回路として回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに記憶する。
図34は、本実施の形態に係るセンサAFE接続処理を示しており、図31のS107の処理に相当し、特に、センサベンダ用の処理を示している。すなわち、S107において、アカウントがセンサベンダの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5にセンサAFE接続画面を表示させる(S31)。図31のS105のAFE選択画面において、センサベンダがセンサと半導体装置1を接続するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はセンサベンダがセンサと半導体装置1とを接続するためのセンサAFE接続画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサAFE接続画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、選択されたセンサ及びバイアス回路の出力端子と、選択された半導体装置1(AFE部100)の入力端子とを表示し、センサベンダがセンサ及びバイアス回路と半導体装置1との接続関係を選択できるように表示する。アカウントがセンサベンダの場合、1つのセンサに対して複数のバイアス回路を選択できるため、複数のバイアス回路ごとに接続関係を設定できるように表示する。
また、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5のセンサAFE接続画面に自動接続の接続関係を表示させる(S32)。ウェブページ処理部411は、デフォルトの自動接続の接続状態として、図31のS106で決定した接続関係によりセンサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続するように、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照し、接続関係を表示する。ウェブページ処理部411は、複数のバイアス回路ごとに自動接続の接続関係を表示する。
さらに、回路設定部412は、センサベンダの操作に従い、センサベンダ推奨接続の設定及び登録を行う(S33)。センサAFE接続画面において、センサベンダはユーザに推奨する推奨接続を設定する。センサベンダがセンサ及びバイアス回路と半導体装置1との接続関係を選択すると、回路設定部412(接続構成設定部412d)は、選択された接続関係をセンサベンダ推奨接続として回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶する。複数のバイアス回路ごとにセンサベンダ推奨接続の接続関係を設定し、回路情報記憶部426の複数のベンダ回路設定ファイル426bに記憶する。
図35は、本実施の形態に係るセンサAFE接続処理を示しており、図31のS107の処理に相当し、特に、ユーザ用の処理を示している。すなわち、S107において、アカウントがユーザの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3にセンサAFE接続画面を表示させる(S34)。図31のS105のAFE選択画面において、ユーザがセンサと半導体装置1を接続するための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザがセンサと半導体装置1とを接続するためのセンサAFE接続画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサAFE接続画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、選択されたセンサ及びバイアス回路の出力端子と、選択された半導体装置1(AFE部100)の入力端子とを表示し、ユーザがセンサ及びバイアス回路と半導体装置1との接続関係を選択できるように表示する。アカウントがユーザの場合、1つのセンサに対して1つのバイアス回路を設定できるため、1つのバイアス回路について接続関係を設定できるように表示する。
また、ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3のセンサAFE接続画面に自動接続及びセンサベンダ推奨接続の接続関係を表示させる(S35)。ウェブページ処理部411は、デフォルトの自動接続の接続状態として、図31のS106で決定した接続関係によりセンサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続するように、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照し、接続関係を表示する。さらに、ウェブページ処理部411は、センサベンダ推奨接続の接続状態として、図34のS33でセンサベンダが選択した接続関係によりセンサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続するように、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bを参照し、接続関係を表示する。ウェブページ処理部411は、1つのバイアス回路について、自動接続及びセンサベンダ推奨接続の接続関係を表示する。
さらに、回路設定部412は、ユーザの操作に従い、ユーザが接続するユーザ接続のシミュレーション対象回路の設定を行う(S36)。センサAFE接続画面において、ユーザがセンサ及びバイアス回路と半導体装置1との接続関係を選択すると、回路設定部412(接続構成設定部412d)は、選択された接続関係をシミュレーション対象の回路の接続関係として回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに記憶する。1つのバイアス回路について1つの接続関係を設定し、回路情報記憶部426の1つユーザ回路設定ファイル426cに記憶する。
図36は、本実施の形態に係るシミュレーション実行処理を示しており、図31のS109の処理に相当し、特に、センサベンダ用の処理を示している。すなわち、S109において、アカウントがセンサベンダの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にシミュレーション画面を表示させる(S201)。図31のS109においてシミュレーション実行処理が開始されると、ウェブページ処理部411はシミュレーションを実行するためのシミュレーション画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにシミュレーション画面を表示させる。
また、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5のシミュレーション画面に自動接続及びベンダ推奨接続の接続関係を表示させる(S202)。図34で表示したセンサAFE接続画面と同様に、ウェブページ処理部411は、デフォルトの自動接続の接続状態として、図31のS106で決定した接続関係によりセンサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続するように、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照し、接続関係を表示する。また、ウェブページ処理部411は、センサベンダ推奨接続の接続状態として、図34のS33でセンサベンダが選択した接続関係によりセンサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続するように、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bを参照し、接続関係を表示する。ウェブページ処理部411は、センサに対応する複数のバイアス回路ごとに、自動接続及びセンサベンダ推奨接続の接続関係を表示する。
S201及びS202のシミュレーション画面におけるセンサベンダの操作に応じて、以下のS204〜S211の各処理が実行される(S203)。これらの処理は、シミュレーション画面が表示されている間繰り返し実行されている。
シミュレーション画面において、センサベンダがパラメータ入力のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にパラメータ入力のための画面表示を行い、センサベンダがシミュレーションに必要なパラメータを入力する(S204)。シミュレーション画面において、センサベンダがパラメータ入力のためのパラメータ入力ボタン等をクリックすると、ウェブページ処理部411は、パラメータ入力画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにパラメータ入力画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、パラメータ記憶部427に既に設定されているパラメータやデフォルト値をパラメータ入力画面に表示する。パラメータ入力画面において、センサベンダがパラメータを入力し決定すると、パラメータ設定部413は、入力されたパラメータをパラメータ記憶部427に記憶する。
シミュレーション画面において、センサベンダがコンフィギュラブル・アンプ110の設定のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にアンプ設定画面を表示させ、センサベンダがコンフィギュラブル・アンプ110の設定を行う(S205)。この設定により、センサベンダ推奨接続の構成及び特性を設定する。シミュレーション画面で自動接続またはベンダ推奨接続が表示された状態において、センサベンダがアンプのアイコン等をクリックすると、ウェブページ処理部411は、コンフィギュラブル・アンプ110の詳細を設定するためのアンプ設定画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにアンプ設定画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aまたはベンダ回路設定ファイル426bに既に設定されているアンプの回路構成及び回路特性をアンプ設定画面に表示する。ベンダ推奨接続のアンプ設定画面において、センサベンダがコンフィギュラブル・アンプ110の構成及び特性を設定し決定すると、回路設定部412は、コンフィギュラブル・アンプ110の構成及び特性を回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに設定する。
シミュレーション画面において、センサベンダがセンサの設定のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ設定画面を表示させ、センサベンダがセンサの設定を行う(S206)。この設定により、センサベンダ推奨接続の構成及び特性を設定する。シミュレーション画面で自動接続またはベンダ推奨接続が表示された状態において、センサベンダがセンサの設定ボタン等をクリックすると、ウェブページ処理部411は、センサ設定画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにセンサ設定画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aまたはベンダ回路設定ファイル426bに既に設定されているセンサの情報をセンサ設定画面に表示する。ベンダ推奨接続のセンサ設定画面において、センサベンダがセンサの情報を設定し決定すると、回路設定部412は、センサの回路情報を回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに設定する。
シミュレーション画面において、センサベンダが自動設定のための操作を行うと自動設定処理を実行し(S207)、センサベンダが過渡解析のための操作を行うと過渡解析処理を実行し(S208)、センサベンダがAC解析のための操作を行うとAC解析処理を実行し(S209)、センサベンダがフィルタ効果解析のための操作を行うとフィルタ効果解析処理を実行し(S210)、センサベンダが同期検波解析のための操作を行うと同期検波解析処理を実行する(S211)。これらの処理の詳細については後述する。
図37は、本実施の形態に係るシミュレーション実行処理を示しており、図31のS109の処理に相当し、特に、ユーザ用の処理を示している。すなわち、S109において、アカウントがユーザの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にシミュレーション画面を表示させる(S212)。図31のS109においてシミュレーション実行処理が開始されると、図36のS201と同様に、ウェブページ処理部411はシミュレーションを実行するためのシミュレーション画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにシミュレーション画面を表示させる。
また、ウェブページ処理部411は、ユーザ端末3のシミュレーション画面に自動接続及びベンダ推奨接続の接続関係を表示させる(S213)。図36のS202と同様に、ウェブページ処理部411は、デフォルトの自動接続の接続状態として、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照し、センサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続して表示する。また、図36のS202と同様に、ウェブページ処理部411は、センサベンダ推奨接続の接続状態として、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bを参照し、センサ及びバイアス回路と半導体装置1とを接続して表示する。ウェブページ処理部411は、センサに対応する1つのバイアス回路について、自動接続及びセンサベンダ推奨接続の接続関係を表示する。
S212及びS213のシミュレーション画面におけるユーザの操作に応じて、以下のS215〜S217、S207〜S211の各処理が実行される(S214)。これらの処理は、シミュレーション画面が表示されている間繰り返し実行されている。
シミュレーション画面において、ユーザがパラメータ入力のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にパラメータ入力のための画面表示を行い、ユーザがシミュレーションに必要なパラメータを入力する(S215)。図36のS204と同様に、ウェブページ処理部411は、パラメータ入力画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにパラメータ入力画面を表示させる。パラメータ入力画面において、ユーザがパラメータを入力し決定すると、パラメータ設定部413は、入力されたパラメータをパラメータ記憶部427に記憶する。
シミュレーション画面において、ユーザがコンフィギュラブル・アンプ110の設定のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にアンプ設定画面を表示させ、ユーザがコンフィギュラブル・アンプ110の設定を行う(S216)。この設定により、シミュレーション対象回路であるユーザ接続の構成及び特性を設定する。図36のS205と同様に、ウェブページ処理部411は、コンフィギュラブル・アンプ110の詳細を設定するためのアンプ設定画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにアンプ設定画面を表示させる。自動接続またはベンダ推奨接続のアンプ設定画面において、ユーザがコンフィギュラブル・アンプ110の構成及び特性を設定し決定すると、回路設定部412は、コンフィギュラブル・アンプ110の構成及び特性を回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに設定する。
シミュレーション画面において、ユーザがセンサの設定のための操作を行うと、ウェブページ処理部411はユーザ端末3にセンサ設定画面を表示させ、ユーザがセンサの設定を行う(S217)。この設定により、シミュレーション対象回路であるユーザ接続の構成及び特性を設定する。図36のS206と同様に、ウェブページ処理部411は、センサ設定画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにセンサ設定画面を表示させる。自動接続またはベンダ推奨接続のセンサ設定画面において、ユーザがセンサの情報を設定し決定すると、回路設定部412は、センサの回路情報を回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに設定する。
図36と同様に、シミュレーション画面において、ユーザが自動設定のための操作を行うと自動設定処理を実行し(S207)、ユーザが過渡解析のための操作を行うと過渡解析処理を実行し(S208)、ユーザがAC解析のための操作を行うとAC解析処理を実行し(S209)、ユーザがフィルタ効果解析のための操作を行うとフィルタ効果解析処理を実行し(S210)、ユーザが同期検波解析のための操作を行うと同期検波解析処理を実行する(S211)。これらの処理の詳細について以下に説明する。
図38は、本実施の形態に係る自動設定処理を示しており、図31のS108,図36及び図37のS207の処理に相当する。例えば、シミュレーション画面においてユーザまたはセンサベンダが自動設定ボタンをクリックすると自動設定処理が開始される。
まず、自動設定部451は、自動設定を行うコンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲を取得する(S301)。自動設定部451は、AFEデータベース424を参照し、半導体装置1内のコンフィギュラブル・アンプ110の出力動作が可能なターゲット範囲(ダイナミックレンジ)を取得する。
次いで、自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110の入力に接続されるDACを初期設定し(S302)、コンフィギュラブル・アンプ110のゲインを初期設定する(S303)。自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110の入力信号がセンター値(中央値)となるようにDACの出力電圧を初期設定する。また、自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110のゲインを任意の値に初期設定する。
次いで、自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110のシミュレーションを実行する(S304)。自動設定部451は、センサの出力信号、DACの出力電圧、コンフィギュラブル・アンプ110のゲインをシミュレーション条件に設定して、コンフィギュラブル・アンプ110の動作をシミュレーションする。例えば、自動設定部451は、センサの出力信号の最小値、最大値やセンター値をコンフィギュラブル・アンプ110に入力したときの、コンフィギュラブル・アンプ110の出力信号を算出する。
次いで、自動設定部451は、DACの出力電圧を調整する(S305)。自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110の出力電圧のセンター値が電源電圧のセンター値となるようにDACの出力電圧を調整する。自動設定部451は、コンフィギュラブル・アンプ110の出力電圧のセンター値と電源電圧のセンター値とを比較し、比較結果に大小応じて、DACの出力電圧を大きく、または、小さくする。
次いで、自動設定部451は、シミュレーション結果がコンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲内かどうか判定する(S306)。自動設定部451は、シミュレーションによるコンフィギュラブル・アンプ110の出力信号の最小値及び最大値とターゲット範囲を比較する。入力信号が最小値のときのコンフィギュラブル・アンプ110の出力信号とターゲット範囲の最小値とを比較し、ターゲット範囲の最小値よりもシミュレーション結果の方が小さい場合に範囲外と判定し、シミュレーション結果の方が大きい場合に範囲内と判定する。入力信号が最大値のときのコンフィギュラブル・アンプ110の出力信号とターゲット範囲の最大値とを比較し、ターゲット範囲の最大値よりもシミュレーション結果の方が大きい場合に範囲外と判定し、シミュレーション結果の方が小さい場合に範囲内と判定する。
シミュレーション結果がコンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲外の場合、自動設定部451はアンプのゲインを再設定する(S307)。例えば、コンフィギュラブル・アンプ110の出力信号の最小値がターゲット範囲の最小値よりも小さい場合、アンプのゲインを大きくし、コンフィギュラブル・アンプ110の出力信号の最大値がターゲット範囲の最大値よりも大きい場合、アンプのゲインを小さくする。そして、再度コンフィギュラブル・アンプ110のシミュレーションを実行(S304)、DACの調整(S305)、ターゲット範囲の判定(S306)を繰り返す。
シミュレーション結果がコンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲内の場合、自動設定部451は、適切なゲイン・オフセットが設定されたため、自動設定処理を終了する。このときのコンフィギュラブル・アンプ110のゲイン及びDACの設定情報を、回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶する。
図39及び図40を用いて、自動設定処理の具体例について説明する。図39は、コンフィギュラブル・アンプ110で1つのDACを使用して非反転アンプを構成した場合の例であり、図13と同様の回路構成である。すなわち、図39のコンフィギュラブル・アンプ110では、オペアンプOP1の反転入力端子に抵抗R1を介してDAC2を接続し、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子とを抵抗R2を介してフィードバック接続し、オペアンプOP1の非反転入力端子にセンサ2を接続する。
図39のコンフィギュラブル・アンプ110を自動設定する場合、まず、DAC2の出力電圧を、センサの出力電圧(Vin±x)のセンター値に設定し(S302)、オペアンプOP1のゲインを任意に設定する(S303)。
次いで、オペアンプOP1の動作をシミュレーションしつつDAC2の出力電圧を調整する(S304,S305)。オペアンプOP1の出力電圧がVccのセンター値(Vcc/2)となるようにDAC2の出力電圧を調整する。
次いで、コンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲は例えばVcc/2±0.8V〜Vcc/2±1Vであり、オペアンプOP1の出力電圧がターゲット範囲内かどうか判定する(S306)。オペアンプOP1の出力電圧がターゲット範囲内であれば自動設定処理を終了し、ターゲット範囲外であれば、ターゲット範囲内となるまでオペアンプOP1のゲイン再設定(S307)、DAC調整(S305)を繰り返す。
図40は、コンフィギュラブル・アンプ110で2つのDACを使用して差動アンプを構成した場合の例であり、図10と同様の回路構成である。すなわち、図40のコンフィギュラブル・アンプ110では、オペアンプOP1の反転入力端子に抵抗R1を介してDAC2を接続し、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子とを抵抗R2を介してフィードバック接続し、オペアンプOP1の非反転入力端子に抵抗R3を介してセンサ2を接続するとともに抵抗R4を介してDAC1を接続する。
図40のコンフィギュラブル・アンプ110を自動設定する場合、まず、DAC1の出力電圧をVCCのセンター値(Vcc/2=2.5V)に設定し、DAC2をセンサの出力電圧(Vin±x)のセンター値に設定する(S302)。そして、オペアンプOP1のゲインを任意に設定する(S303)。
次いで、オペアンプOP1の動作をシミュレーションしつつDAC1の出力電圧を調整する(S304,S305)。オペアンプOP1の出力電圧がVccのセンター値(Vcc/2)となるようにDAC1の出力電圧を調整する。
次いで、コンフィギュラブル・アンプ110のターゲット範囲は例えばVcc/2±0.8V〜Vcc/2±1Vであり、オペアンプOP1の出力電圧がターゲット範囲内かどうか判定する(S306)。オペアンプOP1の出力電圧がターゲット範囲内であれば自動設定処理を終了し、ターゲット範囲外であれば、ターゲット範囲内となるまでオペアンプOP1のゲイン再設定(S307)、DAC調整(S305)を繰り返す。
図41は、本実施の形態に係る過渡解析処理を示しており、図36及び図37のS208の処理に相当する。例えば、シミュレーション画面においてユーザまたはセンサベンダが過渡解析ボタンをクリックすると過渡解析処理が開始される。
まず、過渡解析部452は、シミュレーションを行う回路の回路情報を取得する(S311)。過渡解析部452は、回路情報記憶部426を参照し、センサ及びバイアス回路、半導体装置1(AFE部100)の回路構成及び接続関係を取得する。
次いで、過渡解析部452は、シミュレーションを行うためのパラメータを取得する(S312)。過渡解析部452は、パラメータ記憶部427を参照し、センサに入力される物理量の入力パターンや、シミュレーションする回路のパラメータを取得する。
次いで、過渡解析部452は、センサに入力される物理量を初期設定する(S313)。過渡解析部452は、センサに入力される物理量の入力パターンにより、最初に入力される物理量を設定する。物理量は時系列順に入力するため、時刻情報も初期化する。
次いで、過渡解析部452は、半導体装置1(AFE部100)のシミュレーションを実行する(S314)。物理量変換部450が入力される物理量に対応したセンサの出力信号を算出し、過渡解析部452は、このセンサの出力信号やアンプのゲイン等をシミュレーション条件として、半導体装置1の動作をシミュレーションする。
次いで、過渡解析部452は、シミュレーションの結果を記憶する(S315)。過渡解析部452は、シミュレーションの結果として半導体装置1の各回路の出力信号を、現在の時刻情報と対応させて結果情報記憶部428に記憶する。
次いで、過渡解析部452は、物理量の入力パターンが終了かどうか判定する(S316)。過渡解析部452は、現在の時刻情報と、物理量の入力パターンが終了する最大時刻とを比較し、物理量の入力が終了かどうか判定する。
物理量の入力パターンが終了ではない場合、過渡解析部452は入力する物理量を更新する(S317)。過渡解析部452は、時刻情報を次の時刻に進め、入力パターンから時刻に対応する物理量を設定する。更新した物理量により、シミュレーション実行(S314)、結果記憶(S315)を行い、物理量の入力パターンが終了するまで繰り返す。
物理量の入力パターンが終了の場合、過渡解析部452はシミュレーション結果を表示し(S318)、過渡解析処理を終了する。過渡解析部452は、結果情報記憶部428を参照し、記憶しておいたシミュレーション結果を時系列順に並べてプロットした信号の波形をシミュレーション画面に表示する。
図42は、本実施の形態に係るAC解析処理を示しており、図36及び図37のS209の処理に相当する。例えば、シミュレーション画面においてユーザがAC解析ボタンをクリックするとAC解析処理が開始される。
まず、AC解析部453は、シミュレーションを行う回路の回路情報を取得する(S321)。AC解析部453は、回路情報記憶部426を参照し、センサ及びバイアス回路、半導体装置1(AFE部100)の回路構成及び接続関係を取得する。
次いで、AC解析部453は、シミュレーションを行うためのパラメータを取得する(S322)。AC解析部453は、パラメータ記憶部427を参照し、センサに入力される物理量の入力パターンや、シミュレーションする回路のパラメータを取得する。
次いで、AC解析部453は、センサに入力される物理量の値を設定する。次にAC解析を行う周波数を初期設定する(S323)。AC解析部453は、AC解析の周波数の初期値として最小値または最大値に設定する。
次いで、AC解析部453は、半導体装置1(AFE部100)のシミュレーションを実行する(S324)。物理量変換部450が入力される物理量に対応したセンサの出力信号を算出し、AC解析部453は、このセンサの出力信号やアンプのゲイン等をシミュレーション条件として、半導体装置1の動作をシミュレーションする。
次いで、AC解析部453は、シミュレーションの結果を記憶する(S325)。AC解析部453は、シミュレーションの結果として半導体装置1の各回路の出力信号を、現在の周波数情報と対応させて結果情報記憶部428に記憶する。
次いで、AC解析部453は、AC解析の周波数が終了かどうか判定する(S326)。AC解析部453は、現在のAC解析の周波数情報と、AC解析の周波数情報の最大値または最小値とを比較し、AC解析の周波数の入力が終了かどうか判定する。
AC解析の周波数が終了ではない場合、AC解析部453は周波数を更新する(S327)。AC解析部453は、周波数情報を次の周波数に更新し、更新した周波数においてシミュレーションの実行(S324)、結果記憶(S325)を行い、周波数が終了となるまで繰り返す。
AC解析の周波数が終了の場合、AC解析部453はシミュレーション結果を表示し(S328)、AC解析処理を終了する。AC解析部453は、結果情報記憶部428を参照し、記憶しておいたシミュレーション結果を周波数順に並べてプロットした信号の波形をシミュレーション画面に表示する。
図43は、本実施の形態に係るフィルタ効果解析処理を示しており、図36及び図37のS210の処理に相当する。例えば、シミュレーション画面においてユーザがフィルタ効果ボタンをクリックするとフィルタ効果解析処理が開始される。
まず、フィルタ効果解析部454は、シミュレーションを行う回路の回路情報を取得する(S331)。フィルタ効果解析部454は、回路情報記憶部426を参照し、センサ及びバイアス回路、半導体装置1(AFE部100)の回路構成及び接続関係を取得する。
次いで、フィルタ効果解析部454は、シミュレーションを行うためのパラメータを取得する(S332)。フィルタ効果解析部454は、パラメータ記憶部427を参照し、センサに入力される物理量の入力パターンや、シミュレーションする回路のパラメータを取得する。
次いで、フィルタ効果解析部454は、物理量の入力パターンにノイズを付加する(S333)。フィルタ効果解析部454は、フィルタ効果のシミュレーションを行うために、ノイズパターンを生成し、センサに入力される物量の入力パターンにノイズを付加する。
次いで、フィルタ効果解析部454は、センサに入力される物理量を初期設定する(S334)。フィルタ効果解析部454は、ノイズを付加した物理量の入力パターンにより、最初に入力される物理量を設定する。物理量は時系列順に入力するため、時刻情報も初期化する。
次いで、フィルタ効果解析部454は、半導体装置1(AFE部100)のシミュレーションを実行する(S335)。物理量変換部450が入力される物理量に対応したセンサの出力信号を算出し、フィルタ効果解析部454は、このセンサの出力信号やアンプのゲイン等をシミュレーション条件として、半導体装置1の動作をシミュレーションする。
次いで、フィルタ効果解析部454は、シミュレーションの結果を記憶する(S336)。フィルタ効果解析部454は、シミュレーションの結果として半導体装置1の各回路の出力信号を、現在の時刻情報と対応させて結果情報記憶部428に記憶する。
次いで、フィルタ効果解析部454は、物理量の入力パターンが終了かどうか判定する(S337)。フィルタ効果解析部454は、現在の時刻情報と、ノイズを付加した物理量の入力パターンが終了する最大時刻とを比較し、物理量の入力が終了かどうか判定する。
物理量の入力パターンが終了ではない場合、フィルタ効果解析部454は物理量を更新する(S338)。フィルタ効果解析部454は、時刻情報を次の時刻に進め、ノイズを付加した入力パターンから時刻に対応する物理量を設定する。更新した物理量により、シミュレーション実行(S335)、結果記憶(S336)を行い、物理量の入力パターンが終了するまで繰り返す。
物理量の入力パターンが終了の場合、フィルタ効果解析部454はシミュレーション結果を表示し(S339)、フィルタ効果解析処理を終了する。フィルタ効果解析部454は、結果情報記憶部428を参照し、記憶しておいたシミュレーション結果を時系列順に並べてプロットした信号の波形をシミュレーション画面に表示する。
図44は、本実施の形態に係る同期検波解析処理を示しており、図36及び図37のS211の処理に相当する。例えば、シミュレーション画面においてユーザが同期検波ボタンをクリックすると過渡解析処理が開始される。
まず、同期検波解析部455は、シミュレーションを行う回路の回路情報を取得する(S341)。同期検波解析部455は、回路情報記憶部426を参照し、センサ及びバイアス回路、半導体装置1(AFE部100)の回路構成及び接続関係を取得する。
次いで、同期検波解析部455は、シミュレーションを行うためのパラメータを取得する(S342)。同期検波解析部455は、パラメータ記憶部427を参照し、センサに入力される物理量の入力パターンや、シミュレーションする回路のパラメータを取得する。
次いで、同期検波解析部455は、入力される同期検波パターンを初期設定する(S343)。同期検波解析部455は、センサに入力される物理量の入力パターンにより、最初に入力される物理量を設定する。また、同期検波パターンとして、同期検波のために入力する同期クロックCLK_SYNCHを初期設定する。
次いで、同期検波解析部455は、半導体装置1(AFE部100)のシミュレーションを実行する(S344)。物理量変換部450が入力される物理量に対応したセンサの出力信号を算出し、同期検波解析部455は、このセンサの出力信号やアンプのゲイン等をシミュレーション条件として、半導体装置1の動作をシミュレーションする。
次いで、同期検波解析部455は、シミュレーションの結果を記憶する(S345)。同期検波解析部455は、シミュレーションの結果として半導体装置1の各回路の出力信号を、現在の時刻情報と対応させて結果情報記憶部428に記憶する。
次いで、同期検波解析部455は、物理量の入力パターンもしくは同期検波パターンが終了するかどうか判定する(S346)。同期検波解析部455は、現在の時刻情報と、物理量の入力パターンもしくは同期検波パターンが終了する最大時刻とを比較し、物理量もしくは同期検波の入力が終了かどうか判定する。
物理量もしくは同期検波の入力が終了ではない場合、同期検波解析部455は物理量及び同期検波入力を更新する(S347)。同期検波解析部455は、時刻情報を次の時刻に進め、入力パターンから時刻に対応する物理量を設定し、同期検波パターンから時刻に対応する同期クロックを設定する。更新した物理量、同期クロックにより、シミュレーション実行(S344)、結果記憶(S345)を行い、物理量もしくは同期検波入力が終了するまで繰り返す。
物理量もしくは同期検波の入力が終了の場合、同期検波解析部455はシミュレーション結果を表示し(S348)、同期検波解析処理を終了する。同期検波解析部455は、結果情報記憶部428を参照し、記憶しておいたシミュレーション結果を時系列順に並べてプロットした信号の波形をシミュレーション画面に表示する。
次に、本実施の形態に係るシミュレーションシステムの具体的な動作例について、ユーザ端末3またはセンサベンダ端末5に表示される画面例を参照しつつ説明する。なお、各画面例は、本実施の形態に係るシミュレーション処理のためにユーザまたはセンサベンダのインタフェースとして表示される画面であり、主にウェブシミュレータ4のウェブページ処理部411等が画面を表示するためのウェブページ情報をユーザ端末3またはセンサベンダ端末5に送信することで各画面表示が実現される。
以下、(動作例1)センサベンダによるセンサ情報の登録動作例、(動作例2)センサベンダによるセンサ情報の更新動作例、(動作例3)センサベンダによる推奨接続設定及びシミュレーション動作例、(動作例4)ユーザによるセンサ情報の登録動作例、(動作例5)ユーザによるシミュレーション動作例について、順に説明する。
(動作例1)センサベンダによるセンサ情報の登録動作例
まず、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にログイン画面を表示する(図31のS101)。図45は、このログイン画面の表示例である。図45に示すように、ウェブブラウザ300bのウィンドウ全体にログイン画面P110が表示される。ログイン画面P110には、アカウント情報入力エリアP111と「ログイン」ボタンP115が表示される。アカウント情報入力エリアP111には、アカウント名(ユーザが入力するユーザ名またはセンサベンダが入力するセンサベンダ名)を入力するためのユーザ名入力ボックスP112、パスワードを入力するためのパスワード入力ボックスP113、ログイン状態の保持を指定するためのログイン状態保持チェックボックスP114が表示される。
センサベンダが、ユーザ名入力ボックスP112にアカウント名(アカウントID)を入力し、パスワード入力ボックスP113にパスワードを入力した後、「ログイン」ボタンP115をクリックするとウェブシミュレータ4でアカウントの認証が行われ、また、アクセス権限が決定する。
次いで、ウェブシミュレータ4は、アカウントの認証が成功すると、センサベンダ端末5にガイダンス画面を表示する(図31のS102)。図46は、このガイダンス画面の表示例である。図46に示すように、ウェブブラウザ300bのウィンドウ全体にウェブシミュレータ画面P100が表示され、ウェブシミュレータ画面P100の内部にシミュレーションに必要な処理のための各画面が表示される。
ウェブシミュレータ画面P100は、上部に各画面に共通して表示されるタブ表示エリアP10を有する。タブ表示エリアP10には、各画面表示を選択するためのタブP11〜P17が表示される。タブ表示エリアP10は、各画面に共通で表示されるため、どの画面からでもユーザまたはセンサベンダ所望の任意の画面表示へ切り替えることができる。
例えば、「ガイダンス」タブP11をクリックするとガイダンス画面が表示され、「センサ選択」タブP12をクリックするとセンサ選択状態画面が表示され、「AFE選択」タブP13をクリックするとAFE選択画面が表示され、「センサAFE接続」タブP14をクリックするとセンサAFE接続画面が表示され、「シミュレーション」タブP15をクリックするとシミュレーション画面が表示され、「部品リスト」タブP16をクリックすると部品リスト表示画面が表示され、「レポート」タブP17をクリックするとレポート画面が表示される。
図46に示すように、ログイン成功時や「ガイダンス」タブP11が選択された場合、ウェブシミュレータ画面P100の略中央部にガイダンス画面P101が表示される。
ガイダンス画面P101には、ユーザまたはセンサベンダがウェブシミュレータの使用方法について一目でわかるように、ウェブシミュレータの使用方法の流れを示すフローチャートイメージP102が表示され、また、「シミュレーションスタート」ボタンP103が表示される。例えば、ガイダンス表示のフローチャートイメージP102は、図31で説明したウェブシミュレータの動作に対応しており、また、タブP11〜P17で表示される各画面にも対応している。
ガイダンス画面P101に表示されるフローチャートイメージP102の各ステップには、ユーザまたはセンサベンダが各内容を把握し易いようにアイコン(不図示)や概要の説明文が表示される。例えば、ステップ1の「センサ選択」では、センサ品名とバイアス回路、センサ入力条件を設定することが表示される。ステップ2の「AFE選択」では、センサへ接続するAFE(半導体装置1)を選択することが表示される。ステップ3の「センサ接続」では、センサとAFE(半導体装置1)の接続を設定することが表示される。ステップ4の「シミュレーション」では、シミュレーション実行と表示を行うことが表示される。ステップ5の「部品リスト」では、シミュレーションした部品リストを表示することが表示される。ステップ6の「レポート」では、シミュレーション結果を表示することが表示される。ステップ7の「設計管理」では、シミュレーションの内容を保存することが表示される。
また、「シミュレーションスタート」ボタンP103をクリックすると、シミュレーションを開始するために必要な画面が表示される。例えば、シミュレーションの開始として、センサを選択するためセンサ選択画面が表示される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサ選択画面を表示する(図32のS11)。図47は、このセンサ選択画面の表示例である。図47に示すように、「シミュレーションスタート」ボタンP103のクリックや「センサ選択」タブP12が選択された場合、ウェブシミュレータ画面P100の略中央部にセンサ選択画面P200が表示される。
図47や他の画面にも共通するように、ウェブシミュレータ画面P100の右端の上部と下部には、2つの進むボタンP21が表示され、左端の上部と下部には、2つの戻るボタンP22が表示される。進むボタンP21をクリックすると次の操作画面が表示され、戻るボタンP22をクリックすると前の操作画面が表示される。例えば、センサ選択画面P200が表示されている場合、進むボタンP21をクリックするとAFE選択画面が表示され、戻るボタンP22をクリックするとガイダンス画面が表示される。
図47に示すように、センサ選択画面P200には、現在のセンサの選択状態が表示される。センサ選択画面P200には、センサ単位にセンサの選択状態を示すセンサ選択フレームP210が表示される。センサ選択フレームP210のセンサ名表示エリアP211に、現在選択されているセンサタイプとセンサ名が表示される。図47では、センサがまだ選択されていないため、センサ名に「未選択」と表示されている。
センサ選択フレームP210のセンサタイププルダウンメニューP212は、複数のセンサタイプをプルダウンリスト表示し、ユーザがプルダウンリストからセンサタイプ(センサ種別)を選択する。「詳細設定」ボタンP213は、センサの詳細を設定するセンサ詳細画面を表示するためのボタンである。センサ詳細画面により、プルダウンメニューP212で選択したタイプのセンサについて詳細に設定する。
センサ選択フレームP210の下方に「センサ追加」ボタンP215が表示される。「センサ追加」ボタンP215は、センサを追加して選択するためのボタンである。「センサ追加」ボタンP215をクリックする毎に、センサ選択フレームP210の表示が追加される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサ詳細画面及びセンサ特性画面を表示する(図32のS12及びS13)。図48は、図47のセンサ選択画面P200からセンサの詳細を設定するために表示されるセンサ詳細画面P220及びセンサ特性画面P280の表示例である。この例では、図47のようなセンサ選択画面P200と図48のようなセンサ詳細画面P220の2つの画面でセンサを選択するため、2つの画面がセンサ選択画面であるとも言える。
図48に示すように、センサ詳細画面P220は、ウェブシミュレータ画面P100から独立したポップアップ画面である。センサ詳細画面P220は、図47のセンサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213をクリックしたときにポップアップ表示される。
センサ詳細画面P220は、各画面に共通する表示として、上部にセンサタイプ表示エリアP221、部品検索/登録選択エリアP222、タブ表示エリアP230を有し、右下に「Save」ボタンP223及び「Cancel」ボタンP224が表示される。
センサタイプ表示エリアP221には、センサ選択画面P200のセンサタイププルダウンメニューP212で選択したセンサタイプが表示される。図48では、選択されたセンサタイプとして圧力センサが表示されている。
部品検索/登録選択エリアP222には、センサデータベース421に登録されている中からセンサを検索する「部品検索」ラジオボタンP222a、センサベンダがセンサデータベース421にセンサを新規登録する「新規登録部品」ラジオボタンP222bが表示される。「部品検索」ラジオボタンP222aと「新規登録部品」ラジオボタンP222bのいずれかを選択できる。
タブ表示エリアP230には、各画面表示を選択するためのタブP231〜P234が表示される。例えば、「センサ選択」タブP231をクリックするとセンサリスト画面(センサ詳細選択画面)が表示され、「バイアス回路」タブP232をクリックするとバイアス回路選択画面が表示され、「センサ入力」タブP233をクリックすると物理量入力画面が表示され、「センサ特性」タブP234をクリックするとセンサ特性画面が表示される。
「Save」ボタンP235をクリックすることにより、センサ詳細画面P220の各画面で設定した内容がウェブシミュレータ4に保存される。すなわち、センサやバイアス回路の情報が、センサデータベース421、センサバイアス回路データベース422に格納される。
センサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「新規登録部品」ラジオボタンP222bが選択された場合や「センサ特性」タブP234が選択された場合、センサ詳細画面P220内にセンサ特性画面P280が表示される。センサ特性画面P280には、特性グラフP281と特性プロット入力エリアP282が表示される。特性グラフP281で、グラフの各プロットをクリックやドラッグ操作することで特性を設定する。また、特性プロット入力エリアP282では、挿入ボタンP282cによりプロットを追加し、各プロットの座標ボックスP282aに数値入力することで特性を設定する。さらに、プロット削除ボタンP282bにより、プロットを削除できる。例えば、アカウントのアクセス権限が、センサデータベース421の登録・更新可能な場合に、センサ特性画面P280が表示及び操作可能となり、登録するセンサの特性が入力できる。
図48の例は、センサに圧力センサが選択された場合の表示例である。特性グラフP281には、x軸を検出圧力、y軸を出力電圧として、検出する圧力に対する出力電圧の特性が表示される。特性プロット入力エリアP282で6個のプロットの座標が設定され、このプロットの特性が特性グラフP281に表示されている。この状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に当該センサの特性が登録される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示する(図32のS14)。図49は、このバイアス回路選択画面の表示例である。図49に示すように、センサ詳細画面P220において「バイアス回路」タブP232が選択された場合、バイアス回路選択画面P250が表示される。バイアス回路選択画面P250には、S14で説明したように、選択したセンサに適したバイアス回路が表示される。センサに応じたバイアス回路を表示することにより、簡単な操作で最適なバイアス回路を選択することができる。例えば、アカウントのアクセス権限が、センサバイアス回路データベース422の登録・更新可能、センサバイアス回路データベース422の選択・更新可能な場合に、バイアス回路選択画面P250が表示及び操作可能となり、バイアス回路を選択できる。
バイアス回路選択画面P250には、回路一覧P251と選択回路P252が表示される。回路一覧P251には、センサに使用可能な全てのバイアス回路の回路イメージが表示され、選択回路P252には、回路一覧P251でセンサベンダ(ユーザ)が選択したバイアス回路の回路イメージが表示される。センサベンダは、回路一覧P251から複数のバイアス回路を選択することができる。
図49は、センサに圧力センサが選択された場合のバイアス回路選択画面P250の表示例であり、回路一覧P251に、圧力センサに適したバイアス回路としてバイアス回路P251a〜P251eが表示されている。センサベンダ(ユーザ)がバイアス回路P251bを選択すると、選択回路P252にバイアス回路P251bと同じ回路イメージが表示される。
図50は、図49のバイアス回路選択画面P250において、センサベンダが2つのバイアス回路を選択する例を示している。すなわち、センサベンダがバイアス回路を設定する場合、実際にセンサに接続可能な全てのバイアス回路を選択するため、センサに応じて複数のバイアス回路が選択される。回路一覧P251に、バイアス回路P251a〜P251eが表示されており、センサベンダがバイアス回路P251d、P251eを選択し、選択回路P252にバイアス回路P251d、P251eと同じ回路イメージが表示される。この状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、選択したバイアス回路をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する。
図51〜図53は、バイアス回路選択画面P250に表示するセンサに適したバイアス回路の抽出方法の例を示している。例えば、図51〜図53のようにセンサバイアス回路データベース422に16種類のバイアス回路が用意されており、この中からセンサの種類に応じてバイアス回路を抽出する。センサバイアス回路データベース422において、各バイアス回路とセンサの種類とが関連付けられており、センサの種類に対応してバイアス回路が特定される。センサの種類に応じたバイアス回路を表示しセンサベンダが選択可能とすることにより、最適なバイアス回路を簡易かつ正確に設定することができる。なお、ここでは、センサの種類に応じて表示するバイアス回路を選択するが、その他のセンサ情報に応じてバイアス回路を選択してもよい。例えば、差動出力や電圧出力、電流出力等のセンサの出力形体に応じてバイアス回路を選択してもよいし、センサの種類及びセンサの出力形体に応じてバイアス回路を選択してもよい。例えば、センサバイアス回路データベース422において、各バイアス回路とセンサの出力形体とを関連付けておけば、センサの出力形体に対応してバイアス回路を特定できる。センサの出力形体に応じたバイアス回路を表示しセンサベンダが選択可能とした場合も、センサの種類と同様に、最適なバイアス回路を簡易かつ正確に設定することができる。
図51は、圧力センサに適したバイアス回路を抽出する例である。圧力センサには「差動電圧出力型」と「電圧出力型」があるため、これらのセンサに接続可能なバイアス回路、ここでは5個のバイアス回路を抽出し、センサベンダが選択可能とする。差動電圧出力型の圧力センサには、差動電圧用のバイアス回路501及び503、ブリッジ型のバイアス回路502が接続可能であり、電圧出力型の圧力センサには、電圧出力用のバイアス回路504及び505が接続可能であり、これらのバイアス回路を抽出する。
例えば、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aに、圧力センサとバイアス回路501〜505が関連付けられており、登録用バイアス回路データ422aを参照することで、圧力センサに応じたバイアス回路を抽出し表示する。
センサベンダは、表示されたバイアス回路501〜505の中から、登録するセンサの出力形体によって「差動電圧出力型」もしくは「電圧出力型」のバイアス回路を選択し、ユーザがシミュレーションで使用するバイアス回路として、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに登録する。センサベンダが登録した「差動電圧出力型」もしくは「電圧出力型」の複数のバイアス回路の中から、ユーザがシミュレーションを行う1つのバイアス回路を選択する。
図52は、温度センサに適したバイアス回路を抽出する例である。温度センサには「電圧出力型」と「電流出力型」があるため、これらのセンサに接続可能なバイアス回路、ここでは4個のバイアス回路を抽出し、センサベンダが選択可能とする。電圧出力型の温度センサには、電圧出力用のバイアス回路506及び507が接続可能であり、電流出力型の温度センサには、電流出力用のバイアス回路508及び509が接続可能であり、これらのバイアス回路を抽出する。
例えば、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aに、温度センサとバイアス回路506〜509が関連付けられており、登録用バイアス回路データ422aを参照することで、温度センサに応じたバイアス回路を抽出し表示する。
センサベンダは、表示されたバイアス回路506〜509の中から、登録するセンサの出力形体によって「電圧出力型」もしくは「電流出力型」のバイアス回路を選択し、ユーザがシミュレーションで使用するバイアス回路として、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに登録する。センサベンダが登録した「電圧出力型」もしくは「電流出力型」の複数のバイアス回路の中から、ユーザがシミュレーションを行う1つのバイアス回路を選択する。
図53は、フォトトランジスタに適したバイアス回路を抽出する例である。フォトトランジスタには「電圧出力型」と「電流出力型」があるため、これらのセンサに接続可能なバイアス回路、ここでは4個のバイアス回路を抽出し、センサベンダが選択可能とする。電圧出力型のフォトトランジスタには、電圧出力用のバイアス回路511及び512が接続可能であり、電流出力型のフォトトランジスタには、電流出力用のバイアス回路510及び513が接続可能であり、これらのバイアス回路を抽出する。
例えば、センサバイアス回路データベース422の登録用バイアス回路データ422aに、フォトトランジスタとバイアス回路510〜513が関連付けられており、登録用バイアス回路データ422aを参照することで、フォトトランジスタに応じたバイアス回路を抽出し表示する。
センサベンダは、表示されたバイアス回路510〜513の中から、登録するセンサの出力形体によって「電圧出力型」もしくは「電流出力型」のバイアス回路を選択し、ユーザがシミュレーションで使用するバイアス回路として、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに登録する。センサベンダが登録した「電圧出力型」もしくは「電流出力型」の複数のバイアス回路の中から、ユーザがシミュレーションを行う1つのバイアス回路を選択する。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサ名入力画面を表示する(図32のS15)。図54は、このセンサ名入力画面の表示例である。ここでは、センサ名入力画面として、図47と同じセンサ選択画面P200を使用する。センサの特性やバイアス回路を設定すると、センサ選択フレームP210のセンサ名表示エリアP211には、デフォルトのセンサ名(「XXXXXX」など)が表示される。例えば、センサ名表示エリアP211のセンサ名をクリックすると、入力状態となり、センサ名を入力する。
さらに、センサ選択画面P200には、「Save」ボタンP216が表示され、「Save」ボタンをクリックすると、センサの種類、特性及びセンサ名がセンサデータベース421へ登録され、バイアス回路がセンサバイアス回路データベース422へ登録される(図32のS16)。このとき、アカウントIDに対応するセンサベンダが、センサ及びバイアス回路に関連付けられて登録される。すなわち、アクセスしているセンサベンダ自身のセンサ及びバイアス回路のみが登録可能である。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にフラグ付きのセンサリスト画面を表示する(図32のS17)。図55は、このセンサリスト画面P240の表示例である。図55に示すように、センサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「部品検索」ラジオボタンP222aが選択された場合や「センサ選択」タブP231が選択された場合、センサ詳細画面P220内にセンサリスト画面(センサ詳細選択画面)P240が表示される。
センサリスト画面P240の上部には、センサ絞り込み条件P243及びセンサリストP244が表示される。絞り込み条件P243として、「品番による検索」エリアP243aと「センサ検索」エリアP243bが表示される。
「品番による検索」エリアP243aでは、「品番」入力ボックスに検索したいセンサの品番を入力する。「センサ検索」エリアP243bには、センサタイプに応じた絞り込み条件が表示される。図55では、センサタイプが圧力センサであるため、「メーカ」プルダウンメニュー、「出力タイプ」プルダウンメニュー、「圧力」入力ボックスが表示される。
「メーカ」プルダウンメニューには、特定のメーカのセンサを検索対象とするためにメーカ名を指定したり、全てのメーカのセンサを検索対象とするために「Any」を指定できる。「出力タイプ」プルダウンメニューには、特定の出力タイプのセンサを検索対象とするために電流出力タイプや電圧出力タイプを指定したり、全ての出力タイプのセンサを検索対象とするために「Any」を指定できる。「圧力」入力ボックスには圧力センサの特性によりセンサを検索するため、圧力センサが検出可能な圧力の最小値と最大値を設定する。
絞り込み条件P243とセンサリストP244の間に、「検索」ボタンP245と「リセット」ボタンP246が表示される。「検索」ボタンP245をクリックすることにより、絞り込み条件P243で設定した条件によりセンサデータベースの検索が行われ、検索結果がセンサリストP244に表示される。「リセット」ボタンP246をクリックすると、絞り込み条件P243で設定した絞り込み条件(検索条件)がリセットされ、画面表示が何も設定されていない初期状態となる。
センサリストP244には、絞り込み条件P243で設定した条件に該当するセンサのリストが表示される。「品番による検索」エリアP243aで品番を設定した場合、センサデータベース421の中から、センサタイプが圧力センサであり、かつ、設定した品番に該当するセンサが表示される。「センサ検索」エリアP243bでメーカ、出力タイプ、圧力を設定した場合、センサデータベースの中から、センサタイプが圧力センサであり、かつ、設定した、メーカ、出力タイプ、圧力に該当するセンサが表示される。ここでは、操作中のセンサベンダが既に登録を行った全てのセンサが表示される。
センサリストP244には、センサタイプに応じて、複数の欄に各センサの情報が表示される。図55では、圧力センサであるため、センサごとに品番(Part#)、メーカ(Manufacturer)、データシート(Datasheet)、詳細説明(Description)、圧力特性(Pressure)が表示される。データシートの欄にはPDFアイコンが表示され、PDFアイコンをクリックするとデータシートのPDFファイルが表示される。詳細説明の欄には、高精度センサやシリコンセンサ等の種別が表示され、圧力特性の欄には、検出圧力の最小値及び最大値が表示される。
センサタイプや絞り込み条件を指定してセンサリストP244を表示することにより、簡単な操作で所望のセンサを選択することができる。
さらに、センサリストP244にS17で説明したデータフラグの状態を示すフラグマークP244aを表示する。図55では、センサベンダが登録した圧力センサの左側に、新規登録を示すフラグマークP244aが表示されている。フラグマークを表示することにより、どのセンサが登録(更新)されたのかを一目で認識することができる。なお、新規登録(更新)されたセンサを識別できればよいため、フラグマークに限らず、センサの表示部分の色等を変更して表示してもよい。このフラグマークP244aを確認した後、「Save」ボタンP223をクリックして、センサを登録してもよい。以上でセンサベンダによるセンサ情報の登録が完了する。
(動作例2)センサベンダによるセンサ情報の更新動作例
上記センサベンダがセンサ情報を登録する動作例1と同様に、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5に、図45のログイン画面P110を表示し(図31のS101)、図46のガイダンス画面P101を表示し(図31のS102)、図47のセンサ選択画面P200を表示する(図32のS11)。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサリスト画面を表示する(図32のS12及びS18)。図56は、このセンサリスト画面P240の表示例であり、ここでは、登録(更新)前のため、フラグを示すフラグマークP244aは表示されていない。すなわち、図56のセンサリスト画面P240は、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図55と同様の画面表示である。すなわち、センサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「部品検索」ラジオボタンP222aが選択された場合や「センサ選択」タブP231が選択された場合、センサ詳細画面P220内にセンサリスト画面P240が表示される。
「品番による検索」エリアP243aと「センサ検索」エリアP243bによる絞り込み条件P243にしたがってセンサリストP244が表示される。ここでは、S18で説明したように、センサリストP244には、更新可能なアクセス権限のあるセンサ、すなわち、操作中のセンサベンダが登録を行ったセンサ(同じベンダのセンサ)のみが表示される。センサリストには更新可能なセンサのみ表示されるため、選択操作が容易になるとともに、他のセンサベンダのセンサを誤って選択することを防ぐことができる。そして、センサベンダはセンサリストP244の中から更新するセンサをクリックし選択する。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサ特性画面を表示する(図32のS19)。図57は、この特性画面P280の表示例である。図57のセンサ特性画面P280は、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図48のセンサ特性画面P280と同様の画面表示である。センサリスト画面P240でセンサが選択され、「センサ特性」タブP234が選択された場合に、センサ特性画面P280が表示される。例えば、アカウントのアクセス権限が、センサデータベース421の登録・更新可能な場合に、センサ特性画面P280が表示及び操作可能となり、更新するセンサの特性が入力できる。
まず、選択されたセンサについて、センサデータベース421に登録されているセンサの特性が特性グラフP281及び特性プロット入力エリアP282に表示される。そして、センサベンダは、特性グラフP281のプロットを操作したり、特性プロット入力エリアP282に入力することで特性を変更する。例えば、図57の例では、プロットが2点しかないため、挿入ボタンP282cをクリックしてプロットを追加し、座標ボックスP282aに数値を入力することで、図48のような特性に変更する。この状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に当該センサの特性が更新される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示する(図32のS20)。図58は、このバイアス回路選択画面の表示例である。図58のバイアス回路選択画面P250は、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図49のバイアス回路選択画面P250と同様であり、さらに、バイアス回路を追加/削除するための「追加」ボタンP252a及び「削除」ボタンP252bが表示される。センサリスト画面P240でセンサが選択され、「バイアス回路」タブP232が選択された場合、バイアス回路選択画面P250が表示される。例えば、アカウントのアクセス権限が、センサバイアス回路データベース422の登録・更新可能、センサバイアス回路データベース422の選択・更新可能な場合に、バイアス回路選択画面P250が表示及び操作可能となり、バイアス回路を選択できる。
まず、選択されたセンサについて、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに登録されているバイアス回路が、選択回路P252に表示され、センサの種類に応じた選択可能なバイアス回路が回路一覧P251に表示される。なお、センサの種類に限らず、その他のバイアス回路を選択したい場合には、全てのバイアス回路を表示するようにしてもよい。バイアス回路を追加する場合、回路一覧P251で追加するバイアス回路を選択し、「追加」ボタンP252aをクリックすると、選択したバイアス回路の回路イメージが選択回路P252に表示される。バイアス回路を削除する場合、選択回路P252または回路一覧P251で削除するバイアス回路を選択し、「削除」ボタンP252bをクリックすると、選択したバイアス回路の回路イメージが選択回路P252から消去される。この状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、追加または削除後のバイアス回路により、センサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bが更新される(図32のS21)。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にフラグ付きのセンサリスト画面を表示する(図32のS22)。センサベンダがセンサ情報を登録する際の図55と同様に、部品検索/登録選択エリアP222で「部品検索」ラジオボタンP222aが選択された場合や「センサ選択」タブP231が選択された場合、センサ詳細画面P220内にP240が表示される。
そして、センサリストP244にS22で説明したデータフラグの状態を示すフラグマークP244aを表示する。図55のように、センサベンダが更新した圧力センサの左側に、更新されたことを示すためにフラグマークP244aが表示されている。なお、センサを新規登録した場合のフラグマークとセンサの登録情報を更新した場合のフラグマークを異なるようにしてもよい。例えば、センサベンダが、フラグマークP244aをクリックして新規登録のフラグマークか更新のフラグマークを選択するようにしてもよい。このフラグマークP244aを確認した後、「Save」ボタンP223をクリックして、センサを登録してもよい。以上でセンサベンダによるセンサ情報の更新が完了する。
(動作例3)センサベンダによる推奨接続設定及びシミュレーション動作例
動作例3では、上記動作例1または動作例2でセンサベンダが登録または更新したセンサ及びバイアス回路を半導体装置1に接続してシミュレーションを行う。センサベンダがシミュレーションを行うことで、センサやバイアス回路の登録内容の確認や、センサベンダ推奨接続の登録内容を確認することができる。動作例1の図48〜図50のように、センサ詳細画面P220によりセンサの特性及びバイアス回路を登録する。また、動作例2の図57〜図58のように、センサ詳細画面P220によりセンサの特性及びバイアス回路を更新する。
その後、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5に物理量入力画面を表示する(図31のS104)。図59は、この物理量入力画面の表示例である。図59に示すように、センサ詳細画面P220において「センサ入力」タブP233が選択された場合、センサ詳細画面P220内に物理量入力画面P260が表示される。なお、ここでは、センサ詳細画面において物理量の入力設定を行うが、シミュレーションを実行するまでに設定が完了していればよいため、シミュレーション画面などその他の画面において物理量の入力設定を行ってもよい。
物理量入力画面P260には、入力パターン一覧P261と入力パラメータエリアP262が表示される。入力パターン一覧P261には、センサに入力される物理量の入力パターンとして選択可能なパターンが表示され、入力パラメータエリアP262には選択した入力パターンを詳細に設定するパラメータが表示される。図31のS104で説明したように、設定された入力パターン及びパラメータがパラメータ記憶部427に記憶される。
入力パターン一覧P261では、所定の入力パターンP261a〜P261dと、ユーザ(センサベンダ)が任意の入力パターンを定義する「ユーザ定義」パターンP261eが選択できる。所定の入力パターンとして、正弦波の「サイン」パターンP261a、方形波の「パルス」パターンP261b、ステップ応答波形の「ステップ」パターンP261c、三角波の「三角波」パターンP261dが選択できる。
入力パラメータエリアP262には、入力パターン一覧P261で選択したパターンと、センサ選択画面で選択したセンサ(登録または更新したセンサ)に応じたパラメータが表示される。図59の例は、センサに温度センサが選択され、かつ、入力パターンとして正弦波の「サイン」パターンP261aが選択されている。正弦波の入力パターンであるため、入力パラメータエリアP262には、入力パラメータとして、最小値、最大値及び周波数の入力ボックスが表示され、センサが圧力センサであるため最小値及び最大値の単位は「℃」となる。
図60は、図59の物理量入力画面P260の他の例である。図60では、センサに圧力センサが選択され、かつ、入力パターンとして正弦波の「サイン」パターンP261aが選択されている。正弦波の入力パターンであるため、入力パラメータエリアP262には、入力パラメータとして、最小値、最大値及び周波数の入力ボックスが表示され、センサが圧力センサであるため最小値及び最大値の単位は「Pa」となる。
図61は、図59の物理量入力画面P260の他の例である。図61では、センサにフォトトランジスタが選択され、かつ、入力パターンとして正弦波の「サイン」パターンP261aが選択された例である。正弦波の入力パターンであるため、入力パラメータエリアP262には、入力パラメータとして、最小値、最大値及び周波数の入力ボックスが表示され、センサがフォトトランジスタであるため最小値及び最大値の単位は「w/m2」となる。
また、入力パラメータエリアP262では、選択された入力パターンに応じた入力パラメータを表示し設定することで、各入力波形のパターンを正確に特定することができる。例えば、入力パターンが正弦波の場合、上記のように最小値、最大値及び周波数を設定する。入力パターンが方形波の場合、最小値、最大値、立上り速度及び立下り速度を設定する。入力パターンが三角波の場合、最小値、最大値及び周波数を設定する。入力パターンがステップ応答の場合、最小値、最大値、立上りタイミング及び立上り速度を設定する。また、入力パラメータの最小値及び最大値には、デフォルトとし選択したセンサの特性に応じた値が表示される。すなわち、センサデータベース421に登録されたセンサ情報を参照し、センサが検出可能な最小値及び最大値を取得して表示する。これにより、ユーザ(センサベンダ)がセンサの特性を調べる必要がなく、また、誤ってセンサの性能を超えて入力範囲を指定することを防ぐことができる。
物理量入力画面P260に、複数の入力波形を表示し、所定の入力波形のパターンによりセンサに入力される物理量を選択することにより、アナログ回路の様々な特性を簡易に解析することができる。一例として、図59〜図61で選択可能な各入力波形の特徴を説明する。
図62(a)は、正弦波の入力パターンでアナログ回路(半導体装置1)の動作をシミュレーションする場合の入力信号と出力信号を示している。正弦波の場合、入力信号と同相の同相信号P262aと、シミュレーション結果である出力信号P262bとを比較することで、歪の有無や位相差など全般的な確認を最適に行うことができる。また出力信号波形がクリップしているかどうかを確認することもできる。シミュレーション結果の表示画面で、図62(a)のように波形を重ねて表示することにより、ユーザ(センサベンダ)が一目で周波数特性を確認できる。
すなわち、正弦波の入力パターンを使用することで、その周波数における周波数特性をユーザが容易に確認でき、確認結果に応じて適切にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することができる。
また、シミュレーション実行部415が、シミュレーション結果により位相差などを検出し、検出結果に応じて自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することも可能である。シミュレーション実行部415は、正弦波の入力パターンを入力した場合のコンフィギュラブル・アンプ110のシミュレーションを行い、シミュレーション結果の周波数特性に応じて、コンフィギュラブル・アンプ110の接続段数を設定する。シミュレーション実行部415は、必要な周波数において、適正な増幅性能が実現できない場合は、コンフィギュラブル・アンプ110を多段のアンプ構成とする。例えば、正弦波の周波数100kHzにおいて、30dBの増幅性能が必要な場合、一段のコンフィギュラブル・アンプ110では増幅性能が未達となる場合がある。その場合は、コンフィギュラブル・アンプ110を二段構成として、AMP1(15dB)とAMP2(15dB)とを接続した構成とすることで、所望の周波数特性を得ることができる。
図62(b)は、方形波の入力パターンでアナログ回路(半導体装置1)の動作をシミュレーションする場合の入力信号と出力信号を示している。方形波の場合、入力信号と同相の同相信号P262cと、シミュレーション結果である出力信号P262dを比較することで、応答性能の確認を最適に行うことができる。シミュレーション結果の表示画面で、図62(b)のように波形を重ねて表示することにより、ユーザ(センサベンダ)が一目で応答性能を確認できる。
すなわち、方形波の入力パターンを使用することで、応答性能をユーザ(センサベンダ)が容易に確認でき、確認結果に応じて適切にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することができる。
また、シミュレーション実行部415が、シミュレーション結果により信号の歪みや遅延などを検出し、検出結果に応じて自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することも可能である。シミュレーション実行部415は、方形波の入力パターンを入力した場合のコンフィギュラブル・アンプ110のシミュレーションを行い、シミュレーション結果の応答性能に応じて、コンフィギュラブル・アンプ110の動作モードを設定する。シミュレーション実行部415は、応答性が足りずに立ち上がり特性が歪んでいる場合には、コンフィギュラブル・アンプ110の動作モードを変更する。動作モードは、消費電流とトレードオフとなるため、方形波で応答性能を確認して最適な動作モードを選択する。例えば、最初にコンフィギュラブル・アンプ110の設定が低速モードで応答性能が未達の場合には、コンフィギュラブル・アンプ110の設定を中速モードまたは高速モードに変更することで、所望の応答特性を得ることができる。
図62(c)は、三角波の入力パターンでアナログ回路(半導体装置1)の動作をシミュレーションする場合の入力信号と出力信号を示している。三角波の場合、入力信号と同相の同相信号P262eと、シミュレーション結果である出力信号P262fを比較することで、電源範囲外のクリップの確認を最適に行うことができる。シミュレーション結果の表示画面で、図62(c)のように波形を重ねて表示することにより、ユーザ(センサベンダ)が一目でクリップ状態を確認できる。
すなわち、三角波の入力パターンを使用することで、アンプのオフセットやゲインが正しいか確認することができる。出力信号のクリップ状態をユーザ(センサベンダ)が容易に確認でき、確認結果に応じて適切にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することができる。
また、シミュレーション実行部415が、シミュレーション結果により信号の最小値及び最大値のクリップを検出し、検出結果に応じて自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することも可能である。シミュレーション実行部415は、三角波の入力パターンを入力した場合のコンフィギュラブル・アンプ110のシミュレーションを行い、シミュレーション結果のクリップ状態に応じて、コンフィギュラブル・アンプ110のオフセットまたはゲインを設定する。シミュレーション実行部415は、出力信号の波形の上下どちらかにクリップが発生している場合にはアンプのオフセット量を変更することで、所望の範囲の出力信号を得ることができる。上下両方にクリップが発生している場合には、コンフィギュラブル・アンプ110増幅度が大き過ぎるため、アンプのゲインを下げることで、所望の範囲の出力信号を得ることができる。
図62(d)は、ステップ応答波形の入力パターンでアナログ回路(半導体装置1)の動作をシミュレーションする場合の入力信号と出力信号を示している。ステップ応答波形の場合、入力信号と同相の同相信号P262gと、シミュレーション結果である出力信号P262hとを比較することで、応答性能の確認に最適に行うことができる。シミュレーション結果の表示画面で、図62(d)のように波形を重ねて表示することにより、ユーザ(センサベンダ)が一目で応答性能を確認できる。
すなわち、ステップ応答波形の入力パターンを使用することで、方形波のように同時に立ち上りと立ち下がりは確認できないが、パルス幅を考慮する必要がなく簡便に応答特性を確認することができる。またステップ応答波形により、電源投入直後の応答の確認に使用することができる。ステップ応答波形の入力パターンを使用することで、応答性能をユーザ(センサベンダ)が容易に確認でき、確認結果に応じて適切にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することができる。また、シミュレーション実行部415が、シミュレーション結果により信号の歪みや遅延などを検出し、検出結果に応じて自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成や特性を設定することも可能である。
図63は、図59の物理量入力画面P260において、「ユーザ定義」パターンP261eが選択された場合の表示例である。図63に示すように「ユーザ定義」パターンP261eが選択されると、物理量入力画面P260には、図59の入力パラメータエリアP262に代えて、ユーザ定義入力エリアP270が表示される。
ユーザ定義入力エリアP270には、選択されたセンサに応じた、入力パターングラフP271とプロット入力エリアP272が表示される。入力パターングラフP271では、グラフの各プロットをクリックやドラッグ操作することで入力パターンを設定する。プロット入力エリアP272では、グラフの各プロットを数値入力することで入力パターンを設定する。なお、入力パターングラフのプロット数は、プロット挿入(追加)ボタン等により任意に追加することができる(不図示)。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にAFE選択画面を表示する(図31のS105)。図64は、このAFE選択画面の表示例である。図64に示すように、ウェブシミュレータ画面P100において「AFE選択」タブP13が選択された場合、AFE選択画面P300が表示される。
AFE選択画面P300は、上部にAFE絞り込み条件P310が表示され、下部にAFEリストP320が表示される。AFE絞り込み条件P310には、選択されたセンサ及びバイアス回路により特定された半導体装置1をさらに絞り込むための条件が表示される。
図64では、AFE絞り込み条件P310として、「増幅器」エリアP311、「フィルタ」エリアP312、「その他」エリアP313、「DAC」エリアP314が表示される。「増幅器」エリアP311には、反転アンプを検索条件とするための「反転」チェックボックス、非反転アンプを検索条件とするための「非反転」チェックボックス、差動アンプを検索条件とするための「差動」チェックボックス、IVアンプを検索条件とするための「IV」チェックボックス、計装アンプを検索条件とするための「計装」チェックボックスが表示される。「増幅器」エリアP311では、コンフィギュラブル・アンプ110の構成により半導体装置1を検索するため、検索条件に該当するチェックボックスをクリックしてチェックする。
「フィルタ」エリアP312には、ローパス・フィルタを検索条件とするための「ローパス・フィルタ」チェックボックス、ハイパス・フィルタを検索条件とするための「ハイパス・フィルタ」チェックボックスが表示される。「フィルタ」エリアP312では、フィルタの構成により半導体装置1を検索するため、検索条件に該当するチェックボックスをクリックしてチェックする。
「その他」エリアP313には、電源レギュレータ(可変レギュレータ150)を検索条件とするための「電源レギュレータ」、電源リファレンスを検索条件とするための「電源リファレンス」、温度センサを検索条件とするための「温度センサ」が表示される。「その他」エリアP313では、電源レギュレータ等の構成により半導体装置1を検索するため検索条件に該当するチェックボックスをクリックしてチェックする。
「DAC」エリアP314には、DACの「分解能」プルダウンメニュー、「Ch数」プルダウンメニューが表示される。「分解能」プルダウンメニューには、特定ビットの分解能の半導体装置1を検索対象とするためにビット数を指定したり、全ての分解能の半導体装置1を検索対象とするために「Any」を指定する。「Ch数」プルダウンメニューには、特定のCh数の半導体装置1を検索対象とするためにCh数を指定したり、全てのCh数の半導体装置1を検索対象とするために「Any」を指定する。
絞り込み条件P310とAFEリストP320の間に、「検索」ボタンP315と「リセット」ボタンP316が表示される。「検索」ボタンP315をクリックすることにより、絞り込み条件P310で設定した条件によりAFEデータベースの検索が行われ、検索結果がAFEリストP320に表示される。「リセット」ボタンP316をクリックすると、絞り込み条件P310で設定した絞り込み条件(検索条件)がリセットされ、画面表示が何も設定されていない初期状態となる。
AFEリストP320には、選択(登録/更新)したセンサ及びバイアス回路に適した半導体装置1であり、かつ、絞り込み条件P310で設定した絞り込み条件に該当する半導体装置1のリストが表示される。図31のS106で説明したように、センサ及びバイアス回路が選択されると(登録または更新されると)、センサに接続可能な半導体装置1が決定する。AFEデータベース424から、センサに接続可能であり、かつ、設定した絞り込み条件に該当する半導体装置1が表示される。
AFEリストP320には、複数の欄に各半導体装置1の情報が表示される。図64では、半導体装置1ごとに品番(Part Number)、説明(Description)、データシート(Datasheet)、パッケージタイプ(Package)、チャンネル数(Channels)、DAC構成(DAC)、電源電圧(VDD)が表示される。データシートの欄にはPDFアイコンが表示され、PDFアイコンをクリックするとデータシートのPDFファイルが表示される。
AFEリストP320に、センサ及びバイアス回路に適した半導体装置1を表示し、かつ、絞り込み条件に該当する半導体装置1を表示することにより、簡単な操作で所望の半導体装置1を選択することができる。ユーザ(センサベンダ)は、表示されている情報をもとにAFEリストP320の中から使用する半導体装置1をクリックし選択する。図31のS105のように、AFEリストP320からセンサを選択すると半導体装置1の回路情報が回路情報記憶部426の回路設定ファイルに記憶される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にセンサAFE接続画面を表示する(図34のS31)。図65は、このセンサAFE接続画面の表示例である。図65に示すように、ウェブシミュレータ画面P100において「センサAFE接続」タブP14が選択された場合、センサAFE接続画面P400が表示される。
センサAFE接続画面P400は、上部にバイアス回路選択エリアP401を有する。バイアス回路選択エリアP401には、バイアス回路選択画面P250でセンサベンダが設定したバイアス回路を選択するためのタブが表示される。図65では、「バイアス回路B1」タブP401aと「バイアス回路B2」タブP401bが表示されている。「バイアス回路B1」タブP401aをクリックすると、センサ及びバイアス回路B1と半導体装置1を接続する構成がセンサAFE接続画面P400に表示されて、バイアス回路B1を含む回路の接続関係が設定可能となる。また、「バイアス回路B2」タブP401bをクリックすると、センサ及びバイアス回路B2と半導体装置1を接続する構成がセンサAFE接続画面P400に表示されて、バイアス回路B2を含む回路の接続関係が設定可能となる。
センサAFE接続画面P400では、左側に、自動接続とセンサベンダ推奨接続を選択する接続選択フレームP410が表示される。ここでは、自動接続のセンサ及びバイアス回路の接続状態を示す接続選択フレームP410a、センサベンダ推奨接続のセンサ及びバイアス回路の接続状態を示す接続選択フレームP410bが表示されている。接続選択フレームP410は、図47のセンサ選択フレームP210と同様、センサ名表示エリアP411に選択されているセンサタイプ及びセンサの品番が表示され、「詳細設定」ボタンP412が表示される。
さらに、接続選択フレームP410には、バイアス回路の情報が表示される。接続選択フレームP410には、バイアスを設定するバイアスプルダウンメニューP413が表示される。例えば、バイアスプルダウンメニューP413には、選択したバイアス回路に応じてバイアスの供給方法のリストが表示され、VDDやGNDなどの供給方法が選択できる。さらに、接続選択フレームP410には、選択したバイアス回路に応じた出力信号を表示する出力信号表示P414と、半導体装置1の入力端子を表示する入力端子表示P415とが、接続関係に対応して表示されている。
センサAFE接続画面P400では、接続選択フレームP410の右側に、半導体装置1の回路構成のイメージを示す半導体装置イメージP420が表示され、半導体装置イメージP420の各入力端子に対応する位置に入力端子プルダウンメニューP430が表示される。
半導体装置イメージP420は、半導体装置1の入出力端子と、半導体装置1の内部の各回路との接続関係が表示されている。半導体装置イメージP420は、図3で説明したような実際の半導体装置1の接続関係と対応して表示されている。
入力端子プルダウンメニューP430には、各入力端子に接続されるセンサ及びバイアス回路の出力信号が表示される。入力端子プルダウンメニューP430をクリックしてセンサの出力信号を選択することができ、また、センサの出力信号表示P414のアイコンをプルダウンメニューP430へドラッグ操作して接続関係を設定することもできる。
入力端子プルダウンメニューP430の上方には、センサと半導体装置1とを自動接続するための「自動接続」ボタンP431、センサベンダ推奨接続を設定するための「センサベンダ推奨接続」ボタンP432が表示される。
図31のS106で説明したように、センサ及びバイアス回路が選択(登録/更新)されると、コンフィギュラブル・アンプ110の構成と接続関係が決定し、センサAFE接続画面P400では、S106で決定した接続関係が自動的にデフォルトで表示される。「自動接続」ボタンP431をクリックすると、このデフォルトの接続関係が表示される。また、接続選択フレームP410の「詳細設定」ボタンP412によりセンサの設定を変更した場合に、「自動接続」ボタンP431をクリックすることにより、設定変更したセンサに対応して新たにセンサと半導体装置1とを自動的に接続する。
「センサベンダ推奨接続」ボタンP432をクリックすると、センサベンダ推奨接続の接続関係をセンサベンダが設定可能となる。例えば、入力端子プルダウンメニューP430によりセンサと半導体装置1との接続関係を選択する。自動接続の接続関係を表示する場合とセンサベンダ推奨接続の接続関係を表示する場合とで、接続を示す線や文字を別の色で表示するようにしてもよい。センサAFE接続画面P400の右下には、「Save」ボタンP402が表示されており、「Save」ボタンP402をクリックすると、図34のS33で説明したように、選択した接続関係が回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶される。
図65の例の接続関係を説明する。自動接続の接続選択フレームP410aでは圧力センサとバイアス回路の選択により2出力であり、この2出力とコンフィギュラブル・アンプ110の個別アンプとが自動的に接続される。具体的には、圧力センサの出力信号(出力端子)S_1が半導体装置1の入力端子MPXIN40に接続され、圧力センサの出力信号(出力端子)S_2が半導体装置1の入力端子MPXIN20に接続されている。半導体装置1では、MPXIN40がCH2のAMP(コンフィギュラブル・アンプ110の個別アンプAMP2)の非反転入力端子に接続され、MPXIN20がCH1のAMP(コンフィギュラブル・アンプ110の個別アンプAMP1)の非反転入力端子に接続されている。CH1〜CH3は計装アンプ(Instrumentation)を構成し、圧力センサの出力信号S_1及びS_2は、この計装アンプにより増幅されて出力端子AMP3_OUTから出力される。また、この例では、ベンダ推奨接続でも同様の接続関係となっている。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にシミュレーション画面を表示する(図36のS201)。図66は、このシミュレーション画面の表示例である。図66に示すように、ウェブシミュレータ画面P100において「シミュレーション」タブP15が選択された場合、シミュレーション画面P500が表示される。シミュレーション画面P500は、シミュレーションの各種設定のための表示と、シミュレーション実行結果とを表示することができ、図66は、シミュレーション実行前の状態を示している。
シミュレーション画面P500は、左上部にバイアス回路選択エリアP501を有する。バイアス回路選択エリアP501には、図65のセンサAFE接続画面P400のバイアス回路選択エリアP401と同様、バイアス回路選択画面P250でセンサベンダが設定したバイアス回路を選択するためのタブが表示される。図66では、「バイアス回路B1」タブP501aと「バイアス回路B2」タブP501bが表示されている。「バイアス回路B1」タブP501aをクリックすると、センサ及びバイアス回路B1と半導体装置1を接続する構成がシミュレーション画面P500に表示されて、バイアス回路B1を含む回路の設定及びシミュレーションが可能となる。また、「バイアス回路B2」タブP501bをクリックすると、センサ及びバイアス回路B2と半導体装置1を接続する構成がシミュレーション画面P500に表示されて、バイアス回路B2を含む回路の設定及びシミュレーションが可能となる。
シミュレーション画面P500では、左側に、自動接続とセンサベンダ推奨接続を選択する接続選択フレーム(タブ)P510が表示される。ここでは、自動接続のセンサ及びバイアス回路の接続状態を示す接続選択フレーム(自動接続タブ)P510a、センサベンダ推奨接続のセンサ及びバイアス回路の接続状態を示す接続選択フレーム(センサベンダ推奨接続タブ)P510bが表示されている。
接続選択フレームP510は、図65の接続選択フレームP410と同様、センサ名表示エリアP511に選択されているセンサタイプ及びセンサの品番が表示され、バイアス供給方法P513、出力信号と入力端子の接続関係P514、「詳細設定」ボタンP516が表示される。また、接続選択フレームP510には、設定されている物理量の入力パターンのイメージを示す入力波形イメージP512、設定されているバイアス回路の回路イメージを示すバイアス回路イメージP515が表示される。
シミュレーション画面P500では、接続選択フレームP510の右側に、半導体装置1の各回路を設定する半導体装置設定エリアP520が表示される。半導体装置設定エリアP520には、半導体装置1の構成に対応した回路ブロックが表示される。
個別アンプブロックP521〜P523は、半導体装置1のコンフィギュラブル・アンプ110のCH1〜CH3の個別アンプAMP1〜AMP3の設定を行うための設定メニューを表示する。個別アンプブロックP521〜P523では、「AMP Enable」チェックボックスによりアンプのオン/オフを設定し、「Config」プルダウンメニューによりアンプの構成を設定し、「Gain」プルダウンメニューによりアンプのゲインを設定し、「DAC Enable」チェックボックスによりDACのオン/オフを設定し、「DAC」プルダウンメニューによりDACの出力電圧を設定する。
例えば、「Config」プルダウンメニューでは、「Differential」を選択するとアンプの構成が差動アンプとなり、「Inverting」を選択するとアンプの構成が反転アンプとなり、「Non-Inverting」を選択するとアンプの構成が非反転アンプとなり、「I/V」を選択するとアンプの構成がIVアンプとなる。この例では、「InstAMP」(計装アンプ)が選択されている。また、図38の自動設定処理で説明したように、選択されたアンプ及びバイアス回路に応じて、アンプのゲイン及びオフセット自動設定される。個別アンプブロックP521〜P523では、自動設定処理により設定されたゲイン及びDAC出力電圧がデフォルトで表示される。
また、個別アンプブロックP521〜P523の「Zoom」をクリックすると、アンプのブロック図を参照しながら各種設定が可能である。具体的には、図67のように、アンプ設定画面P600をポップアップ表示し設定する。アンプ設定画面P600では、実際の半導体装置1のアンプと同じ回路イメージが表示され、例えば、図8で示したアンプの回路構成が表示される。
アンプ設定画面P600では、プルダウンメニューP601〜P604によりアンプの入力端子、出力端子の接続先が設定され、プルダウンメニューP605によりアンプのゲインが設定され、プルダウンメニューP606〜P608により入力抵抗の有無、DACの接続が設定され、チェックボックスP609及びプルダウンメニューP610によりDACのオン/オフと出力電圧が設定される。アンプ設定画面P600の右下には、「Save」ボタンP620が表示されており、「Save」ボタンP620をクリックすると、図36のS206で説明したように、設定したアンプの構成及び特性が回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶される。
図66のゲインアンプブロックP524は、半導体装置1の増幅アンプ120の設定を行うための設定メニューを表示する。ゲインアンプブロックP524では、個別アンプブロックP521〜P523と同様にアンプの設定を行う。ゲインアンプブロックP524では、「AMP Enable」チェックボックスによりアンプのオン/オフを設定し、「Gain」プルダウンメニューによりアンプのゲインを設定し、「DAC Enable」チェックボックスによりDACのオン/オフを設定し、「DAC」プルダウンメニューによりDACの出力電圧を設定する。
フィルタブロックP525は、半導体装置1のローパス・フィルタ130及びハイパス・フィルタ140の設定を行うための設定メニューを表示する。フィルタブロックP525では、「Order」プルダウンメニューにより、フィルタ回路の通過順序を設定し「LPF Enable」チェックボックスによりローパス・フィルタのオン/オフを設定し、「LPF Cutoff」プルダウンメニューにより、ローパス・フィルタのカットオフ周波数を設定し、「HPF Enable」チェックボックスによりハイパス・フィルタのオン/オフを設定し、「HPF Cutoff」プルダウンメニューにより、ハイパス・フィルタのカットオフ周波数を設定する。
例えば、「Order」プルダウンメニューでは、「LPF」を選択すると、ローパス・フィルタのみ通過する構成となり、「HPF」を選択すると、ハイパス・フィルタのみ通過する構成となり、「LPF→HPF」を選択すると、ローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタの順に通過する構成となり、「HPF→LPF」を選択した場合、 ハイパス・フィルタ、ローパス・フィルタの順に通過する構成となる。
DACブロックP526は、各アンプに接続されるDACの基準電圧の設定を行うための設定メニューを表示する。DACブロックP526では、「DACVRT」プルダウンメニューにより、DACの設定電圧上限値を設定し、「DACVRB」プルダウンメニューにより、DACの設定電圧下限値を設定する。
可変レギュレータブロックP527は、半導体装置1の可変レギュレータ150の設定を行うための設定メニューを表示する。可変レギュレータブロックP527では、「Enable」チェックボックスにより、可変レギュレータのオン/オフを設定し、「LDO」プルダウンメニューには、可変レギュレータの出力電圧を設定する。
温度センサブロックP528、半導体装置1の温度センサ160の設定を行うための設定メニューを表示する。温度センサブロックP528では、「Enable」チェックボックスにより、温度センサのオン/オフを設定する。汎用アンプブロックP529は、半導体装置1の汎用アンプ170の設定を行うための設定メニューを表示する温度センサブロックP528では、「Enable」チェックボックスにより、汎用アンプのオン/オフを設定する。
半導体装置設定エリアP520の右下には、「Save」ボタンP502が表示されており、「Save」ボタンP502をクリックすると、図36のS206で説明したように、設定したアンプの構成及び特性が回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶される。
半導体装置設定エリアP520の上部領域には、各回路の共通設定エリアP530が表示される。共通設定エリアP530には、「VDD」プルダウンメニューにより電源電圧を設定し、「Amp Mode」プルダウンメニューによりアンプモードを設定し、「Temperature」入力ボックスにより半導体装置1の温度が設定できる。「Amp Mode」プルダウンメニューでは、アンプ動作モードとして高速モードを示す「High」や低速モードを示す「Low」を選択する。
共通設定エリアP530の上方には、シミュレーションを実行するためのボタンP531〜P536が表示されている。「自動設定」ボタンP531は、図38の自動設定処理を実行するためのボタンである。接続選択フレームP510の「詳細設定」ボタンP516により設定変更した場合に、「自動設定」ボタンP531をクリックすることにより、設定変更したセンサに対応した構成でアンプのゲイン及びオフセットを調整し、アンプのゲイン及びDAC出力電圧を自動的に設定する。
「解析の設定」ボタンP532は、図36のS204でシミュレーションパラメータを入力するためのボタンである。例えば、「解析の設定」ボタンP532をクリックすると、設定可能なパラメータの一覧がポップアップ表示され、各パラメータを設定する。図36のS204で説明したように、設定したパラメータがパラメータ記憶部427に記憶される。
「過渡解析」ボタンP533は、図41の過渡解析処理を実行するためのボタンである。「過渡解析」ボタンP533をクリックすると、図41で説明したように、設定された回路情報及びパラメータをシミュレーション条件として、半導体装置1に物理量を時系列で入力した場合の動作をシミュレーションし、シミュレーションした結果をシミュレーション画面P500に表示する。
「AC解析」ボタンP534は、図42のAC解析処理を実行するためのボタンである。「AC解析」ボタンP534をクリックすると、図42で説明したように、設定された回路情報及びパラメータをシミュレーション条件として、半導体装置1に周波数ごとに物理量を入力した場合の動作をシミュレーションし、シミュレーションした結果をシミュレーション画面P500に表示する。
「フィルタ効果」ボタンP535は、図43のフィルタ効果解析処理を実行するためのボタンである。「フィルタ効果」ボタンP535をクリックすると、図43で説明したように、設定された回路情報及びパラメータをシミュレーション条件として、半導体装置1にノイズを付加した物理量を入力した場合の動作をシミュレーションし、シミュレーションした結果をシミュレーション画面P500に表示する。
「同期検波回路」ボタンP536は、図44の同期検波解析処理を実行するためのボタンである。「同期検波回路」ボタンP536をクリックすると、図44で説明したように、設定された回路情報及びパラメータをシミュレーション条件として、半導体装置1に物理量及び同期信号を入力した場合の動作をシミュレーションし、シミュレーションした結果をシミュレーション画面P500に表示する。
図68A〜図68Cは、図66のシミュレーション画面P500に接続選択フレームP510a(自動接続タブ)選択時の過渡解析結果が追加表示された場合の表示例である。なお、図68A〜図68Cは、連続して表示される画面を分割して図示している。
図68A〜図68Cに示すように、図66のシミュレーション画面P500において、自動接続の接続選択フレームP510aをクリックし、「過渡解析」ボタンP533をクリックし過渡解析処理を実行すると、シミュレーション画面P500には、半導体装置設定エリアP520の下側に過渡解析結果P700が表示される。
過渡解析結果P700では、結果グラフP701〜P705にそれぞれシミュレーション結果の信号波形がまとめて表示される。結果グラフP701は、センサの出力信号の波形をまとめて表示する。例えば、過渡解析結果P700は、自動接続の構成のシミュレーション結果である。図68Bの結果グラフP701では、センサの出力信号SENSE_OUT1及びSENSE_OUT2(センサの出力信号S_1及びS_2)が表示されている。
結果グラフP702は、アンプの出力信号の波形をまとめて表示する。図68Bの結果グラフP702では、AMP3_OUT及びAMP1_OUT(CH3及びCH1のアンプの出力信号)が表示されている。
結果グラフP703は、ゲインアンプとフィルタの出力信号の波形をまとめて表示する。図68Bの結果グラフP703では、HPF_OUT(ハイパス・フィルタの出力信号)、LPF_OUT(ローパス・フィルタの出力信号)、SYNCH_OUT(同期検波回路の出力信号)、GAINAMP_OUT(ゲインアンプの出力信号)が表示されている。
結果グラフP704は、DACとその他の出力信号の波形をまとめて表示する。図68Bの結果グラフP704では、TEMP_OUT(温度センサの出力信号)、LDO_OUT(電源レギュレータの出力信号)、DAC4_OUT、DAC3_OUT及びDAC1_OUT(DAC4,DAC3及びDAC1の出力信号)が表示されている。
結果グラフP705は、全ての出力信号の波形をまとめて表示する。図68Cの結果グラフP705では、結果グラフP701〜P704に表示された、TEMP_OUT、LDO_OUT、DAC4_OUT、DAC3_OUT、DAC1_OUT、HPF_OUT、LPF_OUT、SYNCH_OUT、GAINAMP_OUT、AMP3_OUT、AMP1_OUT、SENSE_OUT2、SENSE_OUT1が表示されている。
図69A〜図69Cは、図66のシミュレーション画面P500に接続選択フレームP510b(センサベンダ推奨接続タブ)選択時の過渡解析結果が追加表示された場合の表示例である。なお、図69A〜図69Cは、連続して表示される画面を分割して図示している。
図69A〜図69C示すように、図66または図68A〜図68Cのシミュレーション画面P500において、センサベンダ推奨接続の接続選択フレームP510bをクリックし、さらに「過渡解析」ボタンP533をクリックし過渡解析処理を実行すると、シミュレーション画面P500には、半導体装置設定エリアP520の下側に過渡解析結果P710が表示される。
過渡解析結果P710は、過渡解析結果P700と同様に、結果グラフP711〜P715にそれぞれシミュレーション結果の信号波形がまとめて表示される。例えば、過渡解析結果P700は自動接続の構成のシミュレーション結果であり、過渡解析結果P710はセンサベンダ推奨接続の構成のシミュレーション結果である。
図69Bの結果グラフP711では、センサの出力信号SENSE_OUT1が表示されている。図69Bの結果グラフP712では、AMP3_OUT及びAMP2_OUTが表示されている。図69Bの結果グラフP713では、HPF_OUT、LPF_OUT、SYNCH_OUT、GAINAMP_OUTが表示されている。図69Bの結果グラフP714では、TEMP_OUT、LDO_OUT、DAC4_OUT、DAC3_OUT及びDAC2_OUTが表示されている。図69Cの結果グラフP715では、結果グラフP711〜P714に表示された、TEMP_OUT、LDO_OUT、DAC4_OUT、DAC3_OUT、DAC2_OUT、HPF_OUT、LPF_OUT、SYNCH_OUT、GAINAMP_OUT、AMP3_OUT、AMP2_OUT、SENSE_OUT1が表示されている。
図70は、図43のフィルタ効果解析処理の結果として表示される結果グラフの表示例である。「フィルタ効果」ボタンP535をクリックしフィルタ効果解析処理を実行すると、シミュレーション画面P500の下側にフィルタ効果結果画面が表示される。フィルタ効果結果画面には、過渡解析結果と同様に複数の結果グラフが表示され、その結果グラフの一つとして図70の結果グラフP720が表示される。
結果グラフP720では、ノイズを含むセンサのセンサ出力信号P721、センサ出力信号P721をアンプにより増幅したアンプ出力信号P722、アンプ出力信号P722をフィルタによりノイズを除去したフィルタ出力信号P723をまとめて(重ねて)表示する。フィルタ適用前のセンサ出力信号P721及びアンプ出力信号P722と、フィルタ適用後のフィルタ出力信号P723とを重ねて表示することで、フィルタ前後の波形を簡易に比較でき、フィルタの効果を一目で確認することができる。
従来、フィルタの効果を確認するためには、横軸を周波数軸として周波数特性により確認していたため、フィルタの効果が視覚的に分かり難かった。これに対し、図70のように表示することで、ユーザがフィルタ効果をすぐに確認できるため、ユーザにとって利便性が高い。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5に部品リスト画面を表示する(図31のS110)。図71は、この部品リスト画面の表示例である。図71に示すように、ウェブシミュレータ画面P100において、「部品リスト」タブP16が選択された場合、部品リスト画面P800が表示される。
部品リスト画面P800には、部品購入先を選択するタブP810、P820が表示される。「Chip1Stop」タブP810を選択すると、部品リストP811が表示される。部品リストP811には、センサベンダが登録/更新したセンサ、シミュレーションで選択した半導体装置1の一覧が表示される。部品リストP811では、複数の欄に各部品の情報が表示される。図71では、部品ごとに、部品名(Ref)、部品数(Qty)、品番(Find Part Number)、メーカ(Manufacturer)、説明(Description)、価格(In Stock-Price)が表示されている。「CHECKOUT」ボタンP822をクリックすることで、部品を購入することができる。
次いで、ウェブシミュレータ4は、センサベンダ端末5にレポート画面を表示する(図31のS112)。図72A〜図72Fは、このレポート画面の表示例である。なお、図72A〜図72Fは、連続して表示される画面を分割して図示している。図72A〜図72Fに示すように、ウェブシミュレータ画面P100において、「レポート」タブP17が選択された場合、レポート画面P900が表示される。
レポート画面P900は、上部にバイアス回路選択エリアP903を有する。バイアス回路選択エリアP903には、バイアス回路選択画面P250でセンサベンダが設定したバイアス回路を選択するためのタブが表示される。図72Aでは、「バイアス回路B1」タブP903aと「バイアス回路B2」タブP903bが表示されている。「バイアス回路B1」タブP903aをクリックすると、センサ及びバイアス回路B1と半導体装置1を接続した構成のシミュレーション結果等がレポート画面P900に表示される。また、「バイアス回路B2」タブP903bをクリックすると、センサ及びバイアス回路B2と半導体装置1を接続した構成のシミュレーション結果等がレポート画面P900に表示される。
レポート画面P900では、バイアス回路選択エリアP903の下に、シミュレーションで使用した半導体装置を識別するための半導体装置識別エリアP901が表示される。半導体装置識別エリアP901には、AFE選択画面で選択されてシミュレーションが行われた半導体装置1の品番が表示される。図72Aの例では、半導体装置識別エリアP901に選択された半導体装置1の品番「RAA730500Z」が表示されている。
また、半導体装置識別エリアP901の右側には、PDFアイコンP902が表示されている。PDFアイコンP902をクリックすると、レポート画面P900全体をPDF形式の1つのファイルとしたPDFファイルがセンサベンダ端末5(ユーザ端末3)にダウンロードされる。すなわち、レポート画面P900に表示される、半導体装置識別エリアP901、センサ表示エリアP910、レジスタ表示エリアP920、接続表示エリアP930、スマートアナログ表示エリアP940、部品リスト表示エリアP950、結果表示エリアP960の全体が1つのPDFファイルに含まれてダウンロードされる。
レポート画面P900では、半導体装置識別エリアP901の下にセンサ表示エリアP910が表示される。センサ表示エリアP910は、センサ選択画面でセンサベンダが登録/更新し、シミュレーションが行われたセンサについて、センサタイプ及び品番、メーカが表示され、さらに、バイアス回路選択画面でセンサベンダが登録/更新し、シミュレーションが行われたバイアス回路がセンサごとに表示される。図72Aの例では、センサ表示エリアP910に、センサベンダが登録/更新した圧力センサ及びバイアス回路が表示されている。
レポート画面P900では、センサ表示エリアP910の下にレジスタ表示エリアP920が表示される。レジスタ表示エリアP920には、センサごとにレジスタ情報P921、「ダウンロード」ボタンP922が表示される。「ダウンロード」ボタンP922をクリックするとレジスタ情報P921に表示されているレジスタ情報がセンサベンダ端末5(ユーザ端末3)にダウンロードされる。
レジスタ情報P921には、シミュレーション画面で設定されてシミュレーションが行われた半導体装置1の構成に対応するレジスタ情報が表示される。図31のS111で説明したように設定されている回路情報やパラメータに基づいて、半導体装置1のレジスタ181に設定するレジスタ情報が生成される。なお、自動接続の構成におけるレジスタ情報及びベンダ推奨接続におけるレジスタ情報を表示してもよい。
レポート画面P900では、レジスタ表示エリアP920の下に接続表示エリアP930が表示される。接続表示エリアP930には、センサAFE接続画面でセンサベンダが設定しシミュレーションが行われたセンサベンダ推奨接続における、センサと半導体装置1との接続関係が表示される。接続表示エリアP930には、センサAFE接続画面と同様に、接続選択フレームP931と半導体装置イメージP932が表示される。なお、自動接続の接続関係及びベンダ推奨接続の接続関係を表示してもよい。
レポート画面P900では、接続表示エリアP930の下にスマートアナログ(半導体装置)表示エリアP940が表示される。スマートアナログ表示エリアP940には、センサごとに半導体装置1の設定情報P941が表示される。
設定情報P941には、シミュレーション画面で設定されてシミュレーションが行われた半導体装置1の構成に対応する設定情報が表示される。設定情報P941には、シミュレーション画面で設定した半導体装置1の各パラメータの設定値が表示される。また、設定情報P941と上記のレジスタ表示エリアで表示されるレジスタ情報P921とは対応しており、レジスタ情報P921で設定される内容を設定情報P941により確認することもできる。なお、自動接続の構成における設定情報及びベンダ推奨接続における設定情報を表示してもよい。
レポート画面P900では、スマートアナログ表示エリアP940の下に部品リスト表示エリアP950が表示される。部品リスト表示エリアP950には、部品リスト画面と同様に、シミュレーションで使用された半導体装置1及びセンサの部品リストが表示される。部品リスト表示エリアP950には、部品リスト画面P800と同様に部品名(Others)、部品数(Quantity)、品番(Description)、メーカ(Additional Parameters)が表示される。
レポート画面P900では、部品リスト表示エリアP950の下に結果表示エリアP960が表示される。結果表示エリアP960には、シミュレーション画面でシミュレーションが行われて表示されたシミュレーション結果が表示される。図72D〜図72Fでは、図68B〜図68C、図69B〜図69Cと同様に、自動接続の過渡解析結果P961、ベンダ推奨接続の過渡解析結果P962が表示されている。過渡解析結果P961には、図68B〜図68Cの結果グラフP701〜P705と同様の結果グラフP961a〜P961eが表示され、過渡解析結果P962には、図69B〜図69Cの結果グラフP711〜P715と同様の結果グラフP962a〜P962eが表示されている。以上でセンサベンダによるシミュレーション動作が終了する。
(動作例4)ユーザによるセンサ情報の登録動作例
まず、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にログイン画面を表示する(図31のS101)。ユーザ端末3に図45と同様のログイン画面P110を表示し、ユーザがアカウント名及びパスワードを入力する。次いで、ウェブシミュレータ4は、アカウントの認証が成功すると、ユーザ端末3に図46と同様のガイダンス画面を表示する(図31のS102)。次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3に図47と同様のセンサ選択画面を表示し(図33のS23)、ユーザがセンサタイプを選択する。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にセンサ特性画面を表示する(図33のS24及びS25)。図73は、このセンサ特性画面の表示例である。図73のセンサ特性画面P280は、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図48と同様の画面表示であり、部品検索/登録選択エリアP222の「新規登録部品」ラジオボタンP222bの代わりに、ユーザがセンサデータベース421にセンサを登録するための「未登録/カスタム部品」ラジオボタンP222cが表示される。
図47のセンサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「未登録/カスタム部品」ラジオボタンP222cが選択された場合や「センサ選択」タブP231が選択された場合、センサ詳細画面P220内にセンサ特性画面P280が表示される。ユーザは、ユーザ独自のセンサのみ登録・更新可能であるため、センサ特性画面P280により、ユーザ独自のセンサの特性が入力できる。
センサ特性画面P280では、図48と同様に、特性グラフP281及び特性プロット入力エリアP282が表示され、ユーザが特性を設定する。そして、設定した状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に当該センサの特性が登録される。このとき、アカウントIDのユーザが、センサに関連付けられて登録される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にバイアス回路選択画面を表示する(図33のS26)。図74は、このバイアス回路選択画面の表示例である。図74のバイアス回路選択画面P250は、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図49と同様の画面表示であり、部品検索/登録選択エリアP222の「新規登録部品」ラジオボタンP222bの代わりに、ユーザがセンサデータベース421にセンサを登録するための「未登録/カスタム部品」ラジオボタンP222cが表示される。ここでは、「未登録/カスタム部品」ラジオボタンP222cが選択されている。
図74のバイアス回路選択画面P250には、S26で説明したように、選択したセンサに適した、センサの種類に応じたバイアス回路が回路一覧P251に表示される。なお、センサの種類に限らず、その他のバイアス回路を選択したい場合には、全てのバイアス回路を表示するようにしてもよい。ユーザがバイアス回路を設定する場合、シミュレーションを行うための回路を選択するため、ユーザは、回路一覧P251から登録するバイアス回路を一つだけ選択することができる。
図74の例では、回路一覧P251に、バイアス回路P251a〜P251eが表示されており、ユーザがバイアス回路P251bを選択し、選択回路P252にバイアス回路P251bと同じ回路イメージが表示される。この状態で「Save」ボタンP223をクリックすると、選択したバイアス回路をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する(図33のS27)。このとき、アカウントIDのユーザが、バイアス回路に関連付けられて登録される。
図75は、ユーザがセンサを登録した後のセンサ選択画面P200の表示例を示している。図75に示すように、ユーザがセンサの特性及びバイアス回路を設定し登録すると、センサ選択フレームP210のセンサ名表示エリアP211には所定の登録名(「Custom」など)が表示される。なお、センサベンダがセンサ情報を登録する際の図54と同様に、センサ名をユーザが編集可能としてもよい。
(動作例5)ユーザによるシミュレーション動作例
動作例5では、上記動作例1または動作例2でセンサベンダが登録または更新したセンサ及びバイアス回路や、上記動作例4でユーザが登録したセンサ及びバイアス回路を半導体装置1に接続して、ユーザがシミュレーションを行う。動作例4と同様に、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3に、図45のログイン画面P110を表示し(図31のS101)、図46のガイダンス画面P101を表示し(図31のS102)、図47のセンサ選択画面P200を表示する(図33のS23)。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にセンサリスト画面P240を表示する(図33のS24及びS28)。図76は、このセンサリスト画面P240の表示例である。図76のセンサリスト画面P240は、センサベンダがセンサ情報を登録/更新する際の図55や図56と同様である。すなわち、センサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「部品検索」ラジオボタンP222aが選択された場合や「センサ選択」タブP231が選択された場合、センサ詳細画面P220内にセンサリスト画面P240が表示される。
「品番による検索」エリアP243aと「センサ検索」エリアP243bによる絞り込み条件P243にしたがってセンサリストP244が表示される。ここでは、S28で説明したように、センサリストP244には、ユーザが選択したセンサの種類の全てのセンサが表示される。
図55や図56は、センサタイプとして圧力センサを選択した場合の表示例であったのに対し、図76は、センサタイプとして温度センサを選択した場合の表示例である。図76では、センサタイプ表示エリアP221に温度センサが表示され、「センサ検索」エリアP243bには、温度センサに対応した絞り込み条件(検索条件)が表示される。図76では、「メーカ」プルダウンメニュー、「出力タイプ」プルダウンメニュー、「温度」入力ボックスが表示される。「温度」入力ボックスには温度センサの特性によりセンサを検索するため、温度センサが検出可能な圧力の最小値と最大値を設定する。
センサリストP244は、温度センサに対応して、センサごとに品番(Part#)、メーカ、データシート、詳細説明(Description)、温度特性(Temperature)が表示される。詳細説明の欄には、電圧出力や電流出力の出力タイプ等が表示され、温度特性の欄には、検出温度の最小値及び最大値が表示される。
なお、その他のセンサにおいても図76と同様、センサリスト画面P240ではセンサタイプに応じた表示及び検索が行われる。例えば、センサタイプがフォトトランジスタの場合、絞り込み条件(検索条件)やセンサリストの表示欄として、暗電流IDやピーク感度波長λp、検出レンジ等が表示され、検索が可能である。
ユーザは、表示されている情報をもとにセンサリストP244の中から使用するセンサをクリックし選択する。ユーザがセンサリストP244からセンサを選択するとセンサの回路情報が回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに記憶される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にバイアス回路選択画面を表示する(図33のS30)。図77は、このバイアス回路選択画面の表示例である。図77のバイアス回路選択画面P250は、ユーザがセンサ情報を登録する際の図74と同様の画面表示である。バイアス回路選択画面P250には、図33のS30で説明したように、選択したセンサに適した、センサベンダが登録済みのバイアス回路が表示される。センサに応じたバイアス回路を表示することにより、簡単な操作で最適なバイアス回路を選択することができる。
バイアス回路選択画面P250には、回路一覧P251と選択回路P252が表示される。回路一覧P251には、センサに使用可能な全てのバイアス回路の回路イメージが表示され、選択回路P252には、回路一覧P251でユーザが選択したバイアス回路の回路イメージが表示される。
図77は、センサにフォトトランジスタが選択された場合のバイアス回路選択画面P250の表示例であり、回路一覧P251に、フォトトランジスタに適したバイアス回路としてバイアス回路P253a〜P253dが表示されている。すなわち、センサベンダがシミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路P253a〜P253dを登録している場合の表示例である。ユーザがバイアス回路P253aを選択し選択回路P252にバイアス回路P253aと同じ回路イメージが表示されている。図33のS30で説明したように、選択したバイアス回路の回路情報が回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに記憶される。
バイアス回路選択画面P250に、センサに応じた複数のバイアス回路を表示することにより、センサの使用用途や使用環境に応じた最適なバイアス回路を選択することができる。一例として、図77で選択可能な各バイアス回路の特徴を説明する。バイアス回路P253b及びP253cは、電流出力型センサを電圧出力に変換して接続するときに適したバイアス回路であり、バイアス回路P253a及びP253dは、電流出力型センサをそのまま電流出力として接続するのに適したバイアス回路である。
バイアス回路P253cは、電流出力側センサに対しコレクタ共通型でバイアス供給する回路である。バイアス回路P253cでは、フォトトランジスタのコレクタにバイアス電源が供給され、エミッタが抵抗を介して接地されている。エミッタに接続される抵抗の両端がセンサ出力端子であり、半導体装置1の入力端子に接続される。バイアス回路P253cは、外部電源によりバイアスを供給して照度を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、非反転アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P253cを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が非反転アンプに設定され、バイアス回路P253cと非反転アンプが接続するように設定される。バイアス回路P253cは、照度が小さい時、電圧小の方向の信号を出力するため、照度が小さいアプリケーションに最適である。
バイアス回路P253bは、電流出力側センサに対しエミッタ共通型でバイアス供給する回路である。バイアス回路P253bでは、フォトトランジスタのエミッタが接地され、コレクタが抵抗を介してバイアス電源に接続されている。コレクタに接続される抵抗の両端がセンサ出力端子であり、半導体装置1の入力端子に接続される。バイアス回路P253bは、外部電源によりバイアスを供給して照度を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、非反転アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P253bを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が非反転アンプに設定され、バイアス回路P253bと非反転アンプが接続するように設定される。バイアス回路P253bは、照度が大きい時、電圧小の方向の信号を出力するため、照度が大きいアプリケーションに最適である。
バイアス回路P253aは、電流出力側センサに対しコレクタにバイアス供給する回路である。バイアス回路P253aでは、フォトトランジスタのコレクタがセンサ出力端子であり半導体装置1の入力端子に接続され、エミッタが接地されている。バイアス回路P253aは、外部からバイアスを供給せずに、照度を電流として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、IVアンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P253aを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成がIVアンプに設定され、バイアス回路P253aとIVアンプが接続するように設定される。バイアス回路P253aは、照度が小さいときのコンフィギュラブル・アンプ110のオペアンプの出力はほぼオペアンプの基準電圧となり、照度が増加するにつれて、オペアンプの電圧は増加する。このため、バイアス回路P253aは照度が小さいアプリケーションに最適である。
バイアス回路P253dでは、フォトトランジスタのコレクタにバイアス電源を供給し、エミッタがセンサ出力端子であり半導体装置1の入力端子に接続されている。バイアス回路P253dは、外部からバイアスを供給せずに、照度を電流として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、IVアンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P253dを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成がIVアンプに設定され、バイアス回路P253dとIVアンプが接続するように設定される。バイアス回路P253dは、照度が小さいときのコンフィギュラブル・アンプ110のオペアンプの電圧はほぼオペアンプの基準電圧となり、照度が増加するにつれて、オペアンプの電圧は減少する。このため、バイアス回路P253dは照度が大きいアプリケーションに最適である。
図78は、図77のバイアス回路選択画面P250の他の例である。図78は、センサにホイートストンブリッジ型の圧力センサが選択された場合の表示例であり、圧力センサに適したバイアス回路として、回路一覧P251に一つのバイアス回路P254が表示されている。すなわち、センサベンダがシミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路P254を登録している場合の表示例である。回路一覧P251に一つしかバイアス回路P254が表示されていないため、このバイアス回路P254が選択回路P252に表示されている。
また、図79に示すように、図78のバイアス回路P254に加えて他のバイアス回路を表示し、選択できるようにしてもよい。図79の例では、バイアス回路選択画面P250にホイートストンブリッジ型の圧力センサのバイアス回路として、回路一覧P251にバイアス回路P254a及び254bが表示されており、選択されたバイアス回路P254aが選択回路P252に表示されている。すなわち、センサベンダがシミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路P254a〜P254bを登録している場合の表示例である。
バイアス回路P254aは、電圧出力型圧力センサにバイアス電源を直接供給する回路である。バイアス回路P254aでは、圧力センサであるホイートストンブリッジは、上端にバイアス電源が供給され、下端が接地され、右端及び左端がセンサ出力端子となって半導体装置1の入力端子に接続される。バイアス回路P254aは、外部電源によりバイアスを供給して圧力を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、計装アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P254aを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が計装アンプに設定され、バイアス回路P254aと計装アンプが接続するように設定される。
バイアス回路P254bは、電圧出力型圧力センサに抵抗を介してバイアス電源を供給する回路である。バイアス回路P254bでは、圧力センサであるホイートストンブリッジは、上端に抵抗を介してバイアス電源が供給され、下端が接地され、右端及び左端がセンサ出力端子となって半導体装置1の入力端子に接続される。バイアス回路P254bは、外部電源によりバイアスを供給して圧力を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110は、計装アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P254bを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が計装アンプに設定され、バイアス回路P254bと計装アンプが接続するように設定される。
図80は、図77のバイアス回路選択画面P250の他の例である。図80は、センサとして電流トランスデューサ型の圧力センサが選択された場合の表示例であり、圧力センサに適したバイアス回路として、回路一覧P251にバイアス回路P254c及びP254dが表示されている。すなわち、センサベンダがシミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路P254c〜P254dを登録している場合の表示例である。選択回路P252には、選択されたバイアス回路P254cが表示されている。
バイアス回路P254cは、電流出力型圧力センサから検出信号として電流を取り出す回路である。バイアス回路P254cでは、圧力センサは、一端にバイアス電源が供給され、他端がセンサ出力端子となって半導体装置1の入力端子に接続される。バイアス回路P254cは、外部からバイアスを供給せずに、出力信号を電流として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、IVアンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P254cを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成がIVアンプに設定され、バイアス回路P254cとIVアンプが接続するように設定される。
バイアス回路P254dは、電流出力型圧力センサに検出信号として電流を引き込む回路である。バイアス回路P254dでは、圧力センサは、一端がセンサ出力端子となって半導体装置1の入力端子に接続し、他端を接地する。バイアス回路P254dは、外部からバイアスを供給せずに、出力信号を電流として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、IVアンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P254dを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成がIVアンプに設定され、バイアス回路P254dとIVアンプが接続するように設定される。
図81は、図77のバイアス回路選択画面P250の他の例である。図81は、センサに温度センサが選択された場合の表示例であり、温度センサに適したバイアス回路として、回路一覧P251にバイアス回路255a及びP255bが表示されている。すなわち、センサベンダがシミュレーション用バイアス回路データ422bにバイアス回路P255a〜P255bを登録している場合の表示例である。選択回路P252には、選択されたバイアス回路P255aが表示されている。
バイアス回路255aは、電圧出力型の温度センサにバイアス電源を供給し出力信号を直接出力する回路である。バイアス回路255aでは、温度センサは、一端にバイアス電源が供給され、他端が接地され、出力端子が半導体装置1の入力端子にのみ接続される。例えば、バイアス回路255aは、外部電源によりバイアスを供給して温度を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、非反転アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P255aを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が非反転アンプに設定され、バイアス回路P255aと非反転アンプが接続するように設定される。
バイアス回路255bは、電圧出力型の温度センサにバイアス電源を供給し、接地抵抗を介して出力信号を出力する回路である。バイアス回路255bでは、温度センサは、一端にバイアス電源が供給され、他端が接地され、出力端子が接地抵抗に接続されるとともに半導体装置1の入力端子に接続される。例えば、バイアス回路255bは、外部電源によりバイアスを供給して温度を電圧として取り出す例であるため、センサに接続するコンフィギュラブル・アンプ110の構成は、非反転アンプを用いることが好ましい。したがって、バイアス回路P255bを選択すると自動的にコンフィギュラブル・アンプ110の構成が非反転アンプに設定され、バイアス回路P255bと非反転アンプが接続するように設定される。またバイアス回路255bは、電流出力型の温度センサにも用いられ、電流出力を接地抵抗で電圧に変換する際に使用される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3に物理量入力画面を表示する(図31のS104)。ユーザ端末3は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図59と同様に物理量入力画面P260を表示し、ユーザは物理量の入力パターン及びパラメータを設定する。
また、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にセンサ特性画面P280を表示する。図82は、このセンサ特性画面P280の表示例である。センサ特性画面P280は、ユーザがセンサ情報を登録する際の図48と同様の画面表示であり、センサ詳細画面P220において「センサ特性」タブP234が選択された場合に表示される。特性グラフP281にはセンサの物理量に対する入出力特性が表示され、特性プロット入力エリアP282には動作可能なレンジが表示される。ユーザは、センサ特性画面P280により使用するセンサの特性を確認する。
図82の例は、センサに温度センサが選択された場合の表示例である。特性グラフP281には、x軸を検出温度、y軸を出力電圧として、検出する温度に対する出力電圧の特性が表示される。特性グラフP281の表示範囲と同じ温度の範囲及び出力電圧の範囲が特性プロット入植エリアP282に表示されている。
図83は、図82のセンサ特性画面P280の他の例である。図83は、センサにフォトトランジスタが選択された場合の表示例である。特性グラフP281には、x軸を検出照度、y軸を出力電流として、検出する照度に対する出力電流の特性が表示される。特性グラフP281の表示範囲と同じ照度の範囲及び出力電流の範囲が特性プロット入力エリアP282に表示されている。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にAFE選択画面を表示する(図31のS105)。ユーザ端末3は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図64と同様にAFE選択画面P300を表示し、ユーザはAFEリストから半導体装置1を選択する。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にセンサAFE接続画面を表示する(図35のS34)。図84は、このAFE接続画面の表示例である。図84のセンサAFE接続画面P400は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図65と同様の画面表示であり、図65と比べてバイアス回路選択エリアP401及び「Save」ボタンP402を有していない。
図65と同様に、図84のセンサAFE接続画面P400には、「自動接続」ボタンP431、「センサベンダ推奨接続」ボタンP432、自動接続用の接続選択フレームP410a、センサベンダ推奨接続用の接続選択フレームP410bが表示される。
ユーザが「自動接続」ボタンP431をクリックすると、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aに基づき、自動接続用の接続選択フレームP410aのセンサ及びバイアス回路と半導体装置イメージP420とが、デフォルトの自動接続の接続関係で接続される。ユーザが「センサベンダ推奨接続」ボタンP432をクリックすると、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに基づき、センサベンダ推奨接続用の接続選択フレームP410bのセンサ及びバイアス回路と半導体装置イメージP420とが、センサベンダが設定した接続関係で接続される。
また、自動接続またはセンサベンダ推奨接続の接続関係が表示された状態で、ユーザが入力端子プルダウンメニューP430によりセンサと半導体装置1との接続関係を選択することができる。ユーザが接続関係を選択すると、図35のS36で説明したように、選択した接続関係が回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに設定される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にシミュレーション画面を表示する(図37のS212)。図85は、このシミュレーション画面の表示例である。図85のシミュレーション画面P500は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図66と同様の画面表示であり、図66と比べてバイアス回路選択エリアP501及び「Save」ボタンP502を有していない。
図66と同様に、図85のシミュレーション画面P500には、自動接続用の接続選択フレームP510aとセンサベンダ推奨接続用の接続選択フレームP510bが表示される。ユーザが自動接続用の接続選択フレームP510aを選択すると、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aに基づき、半導体装置設定エリアP520の各回路ブロックがデフォルト値に設定された状態で表示される。ユーザがセンサベンダ推奨接続用の接続選択フレームP510bを選択すると、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに基づき、半導体装置設定エリアP520の各回路ブロックがセンサベンダ推奨接続の設定値に設定された状態で表示される。また、自動接続またはセンサベンダ推奨接続の設定値が表示された状態で、ユーザが各回路ブロックの設定値を変更することができる。ユーザが設定値を変更すると、図37のS216で説明したように、設定したパラメータが、回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cに設定される。
そして、「過渡解析」ボタンP533、「AC解析」ボタンP534、「フィルタ効果」ボタンP535、「同期検波回路」ボタンP536をクリックすると、設定した構成でシミュレーションが実行され、シミュレーション画面P500にシミュレーション結果が表示される。シミュレーション結果は、図68A〜68C、図69A〜図69Cと同様に、半導体装置設定エリアP520に下に表示される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3に部品リスト画面を表示する(図31のS110)。ユーザ端末3は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図71と同様に部品リスト画面P800を表示し、ユーザが選択しシミュレーションを行ったセンサ及び半導体装置1の一覧が表示される。
次いで、ウェブシミュレータ4は、ユーザ端末3にレポート画面を表示する(図31のS112)。ユーザ端末3は、センサベンダがシミュレーションを行う際の図72A〜図72Fと同様のレポート画面P900を表示する。なお、ユーザはバイアス回路を1つしか選択できないため、バイアス回路選択エリアP903は表示されない。
レポート画面P900では、半導体装置識別エリアP901に、AFE選択画面でユーザが選択した半導体装置1が表示される。センサ表示エリアP910には、センサ選択画面でユーザが選択したセンサ、バイアス回路選択画面でユーザが選択したバイアス回路が表示される。レジスタ表示エリアP920、接続表示エリアP930、スマートアナログ表示エリアP940には、センサAFE接続画面及びシミュレーション画面でユーザが設定した構成及び特性の情報が表示される。部品リスト表示エリアP950には、ユーザが選択しシミュレーションを行ったセンサ及び半導体装置1の一覧が表示される。結果表示エリアP960には、ユーザの設定によるシミュレーション結果が表示される。以上でユーザによるシミュレーション動作が終了する。
以上のように本実施の形態では、回路構成及び回路特性を変更可能な半導体装置1の動作をウェブシミュレータによりシミュレーションすることとした。ウェブシミュレータ上でシミュレーションを実行するため、ユーザ端末(センサベンダ端末)にシミュレータの環境が不要であり、手軽にユーザ(センサベンダ)がシミュレーションを行うことができる。回路構成及び回路特性を変更可能な半導体装置1と同じアナログ回路(AFE)についてシミュレーションを行うため、ユーザ(センサベンダ)の簡単な操作で、様々な構成や特性のアナログ回路についてシミュレーションを行うことができる。
特に、本実施の形態では、ウェブシミュレータに対してユーザやシステム開発者の他にセンサベンダがアクセスすることができる。センサベンダは、ウェブシミュレータにアクセスし、設定されたアクセス権限の範囲で、センサやバイアス回路の情報をデータベース(センサデータベース、センサバイアス回路データベース)に登録/更新可能である。これにより、アクセスするセンサベンダに関連するセンサの情報のみをデータベースに登録/更新することができるため、誤ったセンサ情報の登録/更新を防ぐことができる。したがって、ユーザは、この情報を用いてシミュレーションを精度よく行うことができる。
従来は、シミュレータ開発者のみがセンサデータベースを登録/更新/削除していた。この場合、シミュレータ開発者が大量のセンサをデータベースに全て正確に登録することや、登録した情報を管理することは非常に困難である。シミュレータ開発者は、大量のセンサを登録することにより、多くのユーザに利用されることを望むため、センサデータベースのデータ登録/更新/削除の管理は大きな課題であった。また、センサベンダにとっては、誤ったセンサ情報によりシミュレーションが行われるとセンサの販売等に影響がある。センサベンダは、センサに最も詳しいため、センサの正確な情報をユーザに提供し、多くのユーザが正しくセンサを使用することを望んでいる。さらに、ユーザは、大量のセンサが登録されている信頼性の高いシミュレータを利用したいと考え、正確なセンサの情報により精度よくシミュレーションを行うことを望んでいる。これらの課題を解決するため、本実施の形態では、シミュレータ開発者以外のセンサベンダがセンサデータベースに対しセンサベンダ自身に関連するセンサ情報について登録/更新/削除を可能とした。
すなわち、従来のシステムでは、センサデータベースの情報は、一般的な仕様からの参照に留まり、センサ製品個別の特性を網羅するのは困難であった。そのため、ユーザがシミュレーション出力結果の妥当性を判断するためには、実センサでの検証結果を補足しなければならなかった。これに対し本実施の形態では、センサベンダがセンサデータベースに自信に関連するセンサを登録することができる。したがって、センサデータベースの情報をセンサ製品個別の特性に正確に対応させることができ、また、センサベンダからの製品リリースにリアルタイムに対応することができるため、シミュレーション結果の信頼性が向上する。
また、センサベンダがセンサを登録する場合に、センサの種類などに基づきセンサに対応した複数のバイアス回路が自動的にセンサベンダに表示される。センサベンダは、表示された複数のバイアス回路からセンサに最適なバイアス回路を選択しデータベースに登録できる。このように、センサベンダが全てのバイアス回路から選択する必要はなく、センサに最適なバイアス回路を簡易に正確に選択することができる。さらに、ユーザは、センサベンダが登録したバイアス回路を利用してシミュレーションを行うため、最適な回路構成で精度よくシミュレーションを行うことができる。
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と比べてレポート画面の表示処理が異なり、その他は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、図31のS112において、ウェブページ処理部411は、次のレポート表示処理を実行する。
図86は、本実施の形態に係るレポート表示処理を示しており、図31のS112の処理に相当し、特に、センサベンダ用の処理を示している。すなわち、S112において、アカウントがセンサベンダの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411は、センサの特性がセンサベンダによって更新されたか否か判定する(S401)。S109のシミュレーション画面等において、センサベンダがシミュレーション結果を出力するための操作を行うと、レポート画面の表示内容を決めるため、センサデータベース421を参照し、センサの特性の更新について判定する。
S401において、センサの特性が更新されていない場合、ウェブページ処理部411は、自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S402)。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照して、自動接続のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、自動接続のシミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、自動接続のレジスタ情報を取得する。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S403)。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bを参照して、ベンダ推奨接続のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、ベンダ推奨接続のシミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、ベンダ推奨接続のレジスタ情報を取得する。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等と、ベンダ推奨の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を比較したレポート画面をセンサベンダ端末5に表示させる(S404)。ウェブページ処理部411は、S402の内容とS403の内容を含むレポート画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにレポート画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、S402で取得した自動接続とS404で取得したベンダ推奨のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を、並べて対比するようにレポート画面に表示させる。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を対比して表示する。
一方、S401において、センサの特性が更新されている場合、ウェブページ処理部411は、センサの特性の更新(変更)前後について、自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S405)。本実施の形態では、センサの特性の更新前の構成やシミュレーション結果等を回路情報記憶部426や結果情報記憶部428に記憶している。
ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のデフォルト回路設定ファイル426aを参照して、センサの特性の変更前後における自動接続のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、センサの特性の変更前後における自動接続のシミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、センサの特性の変更前後における自動接続のレジスタ情報を取得する。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、センサの特性の変更前後における自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサの特性の更新(変更)前後について、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S406)。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bを参照して、センサの特性の変更前後におけるベンダ推奨接続のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、センサの特性の変更前後におけるベンダ推奨接続のシミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、センサの特性の変更前後におけるベンダ推奨接続のレジスタ情報を取得する。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、センサの特性の変更前後における、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサの特性の更新(変更)前後について、自動接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等と、ベンダ推奨の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を比較したレポート画面をセンサベンダ端末5に表示させる(S407)。ウェブページ処理部411は、S405の内容とS406の内容を含むレポート画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにレポート画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサの特性の変更前後について、S405で取得した自動接続とS406で取得したベンダ推奨のセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を、並べて対比するようにレポート画面に表示させる。1つのセンサに対して複数のバイアス回路が設定されている場合、複数のバイアス回路ごとに、センサの特性の変更前後における、ベンダ推奨接続の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を対比して表示する。
図87は、本実施の形態に係るレポート表示処理を示しており、図31のS112の処理に相当し、特に、ユーザ用の処理を示している。すなわち、S112において、アカウントがユーザの場合に、この処理が実行される。
まず、ウェブページ処理部411は、センサの特性がユーザによって更新されたか否か判定する(S408)。S109のシミュレーション画面等において、ユーザがシミュレーション結果を出力するための操作を行うと、レポート画面の表示内容を決めるため、センサデータベース421を参照し、センサの特性の更新について判定する。
S408において、センサの特性が更新されていない場合、ウェブページ処理部411は、シミュレーションを行った回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S409)。ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cを参照して、センサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、シミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、レジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、シミュレーションを行った回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を含むレポート画面をユーザ端末3に表示させる(S410)。ウェブページ処理部411は、S409の内容を含むレポート画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにレポート画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、S409で取得したセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報をレポート画面に表示させる。
一方、S408において、センサの特性が更新されている場合、ウェブページ処理部411は、センサの特性の更新(変更)前後について、シミュレーションを行った回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を取得する(S411)。本実施の形態では、センサの特性の更新前の構成やシミュレーション結果等を回路情報記憶部426や結果情報記憶部428に記憶している。
ウェブページ処理部411は、回路情報記憶部426のユーザ回路設定ファイル426cを参照して、センサの特性の変更前後におけるセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性を取得し、結果情報記憶部428を参照して、センサの特性の変更前後におけるシミュレーション結果を取得し、レジスタ情報記憶部429を参照して、センサの特性の変更前後におけるレジスタ情報を取得する。
次いで、ウェブページ処理部411は、センサの特性の更新(変更)前後について、シミュレーションを行った回路構成及び回路特性、シミュレーション結果等を含むレポート画面をユーザ端末3に表示させる(S412)。ウェブページ処理部411は、S411の内容を含むレポート画面のウェブページ情報をユーザ端末3へ送信し、ウェブブラウザ300aにレポート画面を表示させる。ウェブページ処理部411は、センサの特性の変更前後について、S411で取得したセンサ及びバイアス回路、半導体装置1の回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を対比してレポート画面に表示させる。センサの特性の変更前後において、シミュレーションを行った回路構成及び回路特性、シミュレーション結果、レジスタ情報を対比して表示する。
図88A〜図88Cは、本実施の形態に係るレポート画面の表示例である。図88A〜図88Cは、例えば、センサベンダがセンサの特性を更新した場合の表示例である。図88A〜図88Cに示すように、レポート画面P900に、センサの特性の更新前と更新後のレポート内容を左右に画面横方向に並べて表示する。なお、ユーザが登録したセンサ(カスタムセンサ)を更新した場合も同様に表示される。
レポート画面P900の左側のレポートエリアP900aは、センサの特性更新前のレポート内容を表示するエリアであり、レポート画面P900の右側のレポートエリアP900bは、センサの特性更新後のレポート内容を表示するエリアである。レポートエリアP900a及びP900bには、それぞれ図72A〜図72Dと同様に、センサ表示エリアP910、レジスタ表示エリアP920、接続表示エリアP930、スマートアナログ表示エリアP940、部品リスト表示エリアP950、結果表示エリアP960を表示する。
以上のように本実施の形態では、ウェブシミュレータが表示するレポート画面において2つのレポートを並べて表示するようにした。特に、センサ特性の更新前及び更新後や、自動接続及びベンダ推奨接続を表示する。これにより、センサ特性の更新前と更新後とのレポートや、自動接続とベンダ推奨接続とのレポートを、センサベンダ(ユーザ)が簡単に比較することができる。シミュレーションを行った構成やシミュレーション結果の違いを一目で認識できる。このため、センサベンダ(ユーザ)が回路構成や特性を変更する必要があるかどうかを容易に判断でき、シミュレーションを行うセンサ、バイアス回路、半導体装置を適切に設定することができる。
(実施の形態3)
以下、図面を参照して実施の形態3について説明する。図89は、本実施の形態に係るウェブシミュレータの構成を示している。
図89に示すように、ウェブシミュレータ4は、実施の形態1の図28A及び図28Bと比べて、シミュレーション制御部410にフォーマット変換部440、フォーマットエラー判定部441を備えており、記憶部420にフォーマット情報記憶部432を備えている。
フォーマット情報記憶部432は、入力される入力センサデータベース(センサ情報)を、ウェブシミュレータ4のシミュレータセンサデータベース(センサデータベース421)のフォーマットに変換するために必要なフォーマット情報を記憶する。例えば、フォーマット情報には、入力センサデータベースのフォーマットを分析するための分析データや、入力センサデータベースのフォーマットを変換するための変換データ等が含まれる。分析データは、シミュレータセンサデータベースの項目(フィールド)を含むフォーマット(テンプレート)等である。変換データは、データベースの各項目の変換パターンや変換ルール等である。
フォーマット変換部(変換アダプタ)440は、センサベンダから入力された入力センサデータベース(センサ情報)のフォーマットを、ウェブシミュレータ4のシミュレータセンサデータベース(センサデータベース421)のフォーマットに変換する。フォーマット変換部440は、フォーマット情報記憶部432の分析データに基づいて入力センサデータベースのフォーマットを分析し、さらにフォーマット情報記憶部432の変換データに基づいて入力センサデータベースをシミュレータセンサデータベースのフォーマットに変換する。
フォーマットエラー判定部441は、フォーマット変換後の入力センサデータベース(センサ情報)について、フォーマットエラー等のエラーの有無を判定する。フォーマットエラー判定部441は、シミュレーションデータベースの各項目についてエラーを判定する。
図90は、本実施の形態に係るセンサ及びバイアス回路登録選択処理を示しており、図31のS103の処理に相当し、特に、センサベンダ用の処理を示している。すなわち、S103において、アカウントがセンサベンダの場合に、この処理が実行される。
まず、実施の形態1の図32と同様にウェブページ処理部411がセンサベンダ端末5にセンサ選択画面を表示させ、センサベンダがセンサの種類を選択する(S11)。次いで、ウェブページ処理部411は、センサ選択画面に対するセンサベンダの操作を判定する(S501)。ここでは、センサベンダがセンサの登録、更新またはファイル入力の操作を行ったか否か判定する。S501において、登録操作または更新操作を行った場合は、図32と同様の処理となる。
S501において、センサベンダがファイル入力の操作を行った場合、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にファイル入力画面を表示させ、センサベンダがセンサ情報を含むセンサ情報ファイルを入力する(S502)。S501の操作判定(センサ選択画面)において、センサベンダがファイル(データベース)入力のための操作を行うと、ウェブページ処理部411は、ファイルを入力するためのファイル入力画面のウェブページ情報をセンサベンダ端末5へ送信し、ウェブブラウザ300bにファイル入力画面を表示させる。ファイル入力画面において、センサベンダがセンサ情報を含む入力センサデータベースのファイルを入力すると、入力センサデータベースのファイルがセンサベンダ端末5からウェブシミュレータ4へ入力(アップロード)される。
次いで、フォーマット変換部440は、センサベンダから入力された入力センサデータベースのフォーマットを分析し(S503)、フォーマット分析結果に基づいて、入力センサデータベースのフォーマットを変換する(S504)。フォーマット変換部440は、フォーマット情報記憶部432の分析データを参照し入力センサデータベースのフォーマットを分析する。例えば、入力センサデータベースを検索し、分析データに含まれる項目の文字列が含まれるか否か判定する。フォーマット変換部440は、フォーマット情報記憶部432の変換データを参照し、フォーマット分析結果に基づいて入力センサデータベースをシミュレータセンサデータベースのフォーマットに変換する。例えば、入力センサデータベースに分析データの項目の文字列が含まれる場合、変換データで定義された文字列に置換する。
図91A及び図91Bは、フォーマット変換部440によるフォーマット変換イメージを示している。なお、ここでは、入力センサデータベースとして複数のセンサ情報を一度に入力しているが、1つのセンサ情報のみを入力してもよい。
図91Aのように、例えば、入力センサデータベースD101が入力されると、フォーマット変換部440は、入力センサデータベースD101のフォーマットを分析する。フォーマット変換部440は、入力センサデータベースD101の項目が横並びか縦並びが判定し、この場合、横並びの欄から項目の文字列を抽出する。フォーマット変換部440は、抽出した項目を分析データの項目比較し、項目の一致/不一致や項目の順番を判定する。フォーマット変換部440は、一致する項目について項目の順番を特定し、不一致の項目について変換データに基づいて置換する文字列を特定する。
図91Aでは、シミュレータセンサデータベースD103は、項目が横並びの順に、"No"、"センサ種類"、"メーカ"、"型名"、"入力範囲(MIN)"、"入力範囲(MAX)"、"単位"、"出力形体"が並んでいる。これに対し、入力センサデータベースD101は、項目が横並びの順に、"No"、"型名"、"センサ種類"、"入力範囲(MIN)"、"入力範囲(MAX)"、"出力形体"が並んでいる。なお、センサデータベースには、その他、必要な情報が格納される。例えば、特性グラフ、出力端子数、バイアス回路等を格納してもよい。
入力センサデータベースD101とシミュレータセンサデータベースD103を比較して、入力センサデータベースD101の"No"、"型名"、"センサ種類"、"入力範囲(MIN)"、"入力範囲(MAX)"、"出力形体"の項目が、シミュレータセンサデータベースD103に存在するため、その項目の順番を特定する。また、入力センサデータベースD101には、シミュレータセンサデータベースD103の"メーカ"、"単位"の項目は、D101には存在しない。この場合、変換パターンの例として、"メーカ"の項目は、センサベンダのアカウントから取得し、"単位"の項目は、入力範囲の各文字列を解析して取得する。
これらの変換ルールにしたがって入力センサデータベースD101をシミュレータセンサデータベースD103のフォーマットに変換する。すなわち、一致する項目について、"No"は1番目の項目、"型名"は4番目の項目、"センサ種類"は2番目の項目、"入力範囲(MIN)"は5番目の項目、"入力範囲(MAX)"は6番目の項目、"出力形体"は8番目の項目にそれぞれ変換する。さらに、不一致の項目について、"メーカ"の項目には、センサベンダのアカウント名を登録し、"単位"の項目には、入力範囲の末尾の文字列から取得した単位を登録する。
図91Bでは、シミュレータセンサデータベースD103のフォーマットはB89Aと同様である。入力センサデータベースD102は、項目が縦並びの順に、"No"、"型名"、"センサ種類"、"出力形体"、"入力範囲(MIN)"、"入力範囲(MAX)"、"単位"が並んでいる。
入力センサデータベースD102とシミュレータセンサデータベースD103を比較して、入力センサデータベースD102の"No"、"型名"、"センサ種類"、"出力形体"、"入力範囲(MIN)"、"入力範囲(MAX)"、"単位"の項目が、シミュレータセンサデータベースD103に存在するため、その項目の順番を特定する。また、入力センサデータベースD102には、"メーカ"の項目は存在しない。例えば、図91Aと同様に、変換パターンの例として、"メーカ"の項目は、センサベンダのアカウントから取得する。
これらの変換ルールにしたがって入力センサデータベースD102をシミュレータセンサデータベースD103のフォーマットに変換する。すなわち、一致する項目について、項目を横並びにするとともに、"No"は1番目の項目、"型名"は4番目の項目、"センサ種類"は2番目の項目、"出力形体"は8番目の項目、"入力範囲(MIN)"は5番目の項目、"入力範囲(MAX)"は6番目の項目、"単位"は7番目の項目にそれぞれ変換する。さらに、不一致の項目について、"メーカ"の項目には、センサベンダのアカウント名を登録する。
次いで、フォーマットエラー判定部441は、変換された入力センサデータベースについてエラーの有無を判定し、エラーリストの表示及びエラー修正を行う(S505)。フォーマットエラー判定部441は、フォーマット変換後の入力センサデータベースについて、センサデータベース421に登録するために、異常なデータが存在しないかどうかエラーを判定する。
例えば、センサの種類が、ウェブシミュレータ4の認識できない種類かどうか、入力範囲が、ウェブシミュレータ4が許容範囲外かどうか、センサ特性が、プロット数やプロットの変動により異常な特性かどうか等を判定する。フォーマットエラー判定部441がエラーと判定した場合、センサベンダ端末5にエラーリストを表示し、センサベンダがエラー箇所のデータを修正する。
また、入力されたデータと、以前に登録されたデータとを比較し、異なる情報の部分をエラーと判定してもよい。例えば、入力されたセンサと同じグループのセンサが登録されている場合、同じグループのセンサの情報と大きく異なる情報についてエラーと判定してもよい。なお、同じグループのセンサは、型名の先頭の文字列により識別することができる。
次いで、センサ登録更新部418は、エラー修正後のセンサリスト(入力センサデータベース)をセンサデータベース421及びセンサバイアス回路データベース422に登録し(S506)、ウェブページ処理部411は、センサベンダ端末5にフラグ付きのセンサリスト画面を表示させる(S507)。
次に、本実施の形態に係るシミュレーションシステムにおけるセンサベンダ端末5に表示される画面例について説明する。
図92は、図90のS502で表示されるファイル入力画面の表示例である。図92に示すように、本実施の形態では、センサ詳細画面P220の上部の部品検索/登録選択エリアP222に、「部品検索」ラジオボタンP222a、「新規登録部品」ラジオボタンP222bに加えて、「新規部品一括登録」ラジオボタンP222dが表示される。
センサ選択画面P200で「詳細設定」ボタンP213がクリックされ、部品検索/登録選択エリアP222で「新規部品一括登録」ラジオボタンP222dが選択された場合、センサ詳細画面P220内にファイル入力画面P290が表示される。ファイル入力画面P290には、ファイル入力ボックスP291、「インポート」ボタンP292が表示される。ファイル入力ボックスP291に入力するファイル名(入力センサデータベース名)を入力し、「インポート」ボタンP292をクリックすると、ファイルがウェブシミュレータ4に取り込まれる。入力センサデータベースが入力されると、フォーマット変換部440がフォーマット変換を行う。
なお、フォーマット変換部440でウェブシミュレータに登録可能な形式に変換するため、入力するファイルのフォーマットは任意のフォーマットでよい。例えば、エクセル(登録商標)ファイル、XMLファイル、CSVファイル等でもよい。また、データシートのPDFファイルや、データシートをスキャナで読み込んだデータでもよい。
図93は、図90のS505で表示されるエラーリストの表示例である。ここでは、エラーリストとして、センサリスト画面P240のセンサリストP244にエラーフラグを付して表示する。入力センサデータベースのファイルが入力され、フォーマット変換がおこなわれると、センサ詳細画面P220内にセンサリスト画面P240が表示される。センサリストP244にフォーマットエラー判定部441のエラー判定に基づいて、エラーが存在するセンサの左側に、入力エラーを示すフラグマークP244bが表示される。なお、エラーと判定されたセンサを識別できればよいため、フラグマークに限らず、センサの表示部分の色等を変更して表示してもよい。
図94A及び図94Bは、センサ特性にエラーがある場合のエラーの詳細を表示するエラー詳細画面の表示例である。ここでは、エラー詳細画面として、センサ特性画面にエラーフラグを付して表示する。図93のセンサリスト画面P240において、エラーが表示されているセンサを選択すると、図94A及び図94Bのように、センサ特性画面が表示され、画面右端に入力エラーを示すフラグマークP283が表示される。
図94Aは、"MIN"と"MAX"が"0"で、特性をプロットすることができないため、特性エラーと判定される例である。図94Bは、特性のプロットが異常な値となっているため、特性エラーと判定される例である。センサの特性は、入力物理量が増加するにしたがって出力電圧も増加すべきところ、図94Bでは、入力物理量の増加に伴い、出力電圧が増加した後、減少しているためエラーと判定される。また、センサ特性の理想値を予測し、入力された特性が予測から大きく外れた場合にエラーと判定してもよい。
図94A及び図94Bのセンサ特性画面において、センサ特性の更新(図33のS19)と同様に、特性グラフP281や特性プロット入力エリアP282を操作し、センサ特性を修正することで、特性のエラーを取り除く。
図95は、バイアス回路にエラーがある場合のエラーの詳細を表示するエラー詳細画面の表示例である。ここでは、エラー詳細画面として、バイアス回路選択画面にエラーフラグを付して表示する。図93のセンサリスト画面P240において、エラーが表示されているセンサを選択すると、図95のように、バイアス回路選択画面が表示され、画面上部に入力エラーを示すフラグマークP252dが表示される。
図95のバイアス回路選択画面には、全くバイアス回路が表示されていないため、バイアス回路を選択可能にする「選択」ボタンP252cが表示されている。「選択」ボタンP252cをクリックすると、図96のように全てのバイアス回路が回路一覧P251に表示され、バイアス回路が選択可能となる。回路一覧P251からバイアス回路を選択し、選択回路P252に選択されたバイアス回路が表示することで、バイアス回路のエラーを取り除く。
図97は、図90のS507で表示されるフラグ付きのセンサリスト画面の表示例である。入力センサデータベースのフォーマットが変換され、エラーが修正されると、センサ詳細画面P220内にセンサリスト画面P240が表示される。センサベンダがセンサを新規登録する場合と同様に、センサリストP244の全てのセンサの左側に、一括新規登録を示すフラグマークP244aが表示されている。このフラグマークP244aを確認した後、「Save」ボタンP223をクリックして、全てのセンサをセンサデータベースに一括登録する。
以上のように本実施の形態では、センサ情報をファイル(データベース)により入力(インポート)することを可能とし、入力されるセンサ情報(データベースファイル)のフォーマットを、ウェブシミュレータのセンサデータベースのフォーマットに変換することとした。これにより、様々なフォーマットでセンサ情報を入力できるため、簡易な操作でセンサ情報を入力することができる。複数のセンサ情報をまとめて入力することも可能なため、大量なセンサ情報を一括で登録することができる。
(実施の形態4)
以下、図面を参照して実施の形態4について説明する。実施の形態1では1つのセンサに対し1つのセンサ特性を登録してシミュレーションを行ったのに対し、本実施の形態では1つのセンサに対し複数の使用環境(物理環境条件)ごとのセンサ特性を登録してシミュレーションを行う。
図98は、圧力センサにおける圧力に対する出力電圧の特性の一例を示している。また、図98は、一定の駆動条件の下、−40℃の低温における特性T1、25℃の常温における特性T2、125℃の高温における特性T3を示している。図98に示すように、温度によって特性の傾きが異なりセンサ感度が変動する。−40℃の場合、25℃と比べて特性の傾きが急であるため感度が高く、125℃の場合、25℃と比べて特性の傾きが緩やかであるため感度が低い。
そうすると、常温(25℃)のみのセンサ特性を用いてシミュレーションを行うと、ユーザの使用環境が低温(−40℃)や高温(125℃)の場合にはセンサ特性が変化しているため、使用環境に応じて精度よくシミュレーションを行うことができない。
そこで、本実施の形態では、25℃の特性に加えて、低温(−40℃)、高温(125℃)の特性も登録し、使用環境に応じたシミュレーションを行う。例えば、−40℃の時のセンサ感度は25℃に対して約10%増加(ゲインにして0.8dB増加)することから、25℃に対してアンプのゲインを0.8dB減少させた設定ファイルを生成し、また、125℃の時のセンサ感度は25℃に対して約12%減少(ゲインにして1.1dB減少)することから、25℃に対してゲインを1.1dB増加させた設定ファイルを生成し、シミュレーションを行う。
図99は、フォトトランジスタにおける照度に対する出力電流(光電流)の特性を示し、図100は、一定の駆動条件の下、フォトトランジスタにおける温度に対する相対的な出力電流(光電流)の特性を示している。図100に示すように、温度によって出力電流が異なりセンサ感度が変動する。低温の場合、高温と比べて出力電流が小さくなるため感度が低く、高温の場合、低温と比べて出力電流が大きくなるため感度が高い。
そうすると、圧力センサと同様に、常温のみのセンサ特性を用いてシミュレーションを行うと、使用環境に応じて精度よくシミュレーションを行うことができない。そこで、本実施の形態では、常温(25℃)の特性に加えて、低温、高温の特性も登録し、使用環境に応じたシミュレーションを行う。例えば、0℃の時のセンサ感度は25℃に対して約14%減少(ゲインにして1.3dB減少)することから、25℃に対してアンプのゲインを1.3dB増加させ、さらにオフセットを変更した設定ファイルを生成し、また、60℃時のセンサ感度は25℃に対して約20%増加(ゲインにして1.6dB減少)することから、25℃に対してアンプのゲインを1.6dB増加させ、さらにオフセットを変更した設定ファイルを生成、シミュレーションを行う。
なお、センサの使用環境として、圧力センサやフォトトランジスタにおける温度の例を説明するが、その他、センサ特性に影響を与える物理環境であればよく、光センサにおける距離や、赤外センサにおける圧力等についても同様に本実施の形態を適用可能である。
以下、本実施の形態を実現するウェブシミュレータの具体例について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と比べて使用環境ごとのセンサ特性を登録しシミュレーションを行う点のみが異なり、その他は実施の形態1と同様である。
例えば、本実施の形態では、図101のように、図28A及び図28Bに示したブロックのうちの一部のブロックによりウェブシミュレータ4を構成してもよい。図101のウェブシミュレータ4は、センサデータベース(センサ情報記憶部)421と、回路設定部(選択部)412と、シミュレーション実行部415とを備えている。
図101では、センサデータベース421は、一定の駆動条件、かつ、異なる複数の物理環境条件で動作するセンサが有する前記複数の物理環境条件に対応した複数のセンサ特性、すなわち、センサ特性に影響を与える物理環境条件ごとのセンサ特性を記憶する。回路設定部412は、センサ特性のセンサと回路構成が変更可能なアナログフロントエンド回路を含む半導体装置1とを接続した接続回路の構成を設定する設定ファイルを、物理環境条件ごとに生成する。また、回路設定部412は、複数の物理環境条件の中からシミュレーションを行う物理環境条件を選択する。シミュレーション実行部415は、物理環境条件ごとのセンサ特性及び設定ファイルに基づいて、選択された物理環境条件に対応するセンサ特性のセンサと、半導体装置1とを含む接続回路のシミュレーションを物理環境条件ごとに実行する。
また、ウェブシミュレータ4は、その他、物理環境条件ごとにセンサ特性を表示するセンサ特性表示部、表示されたセンサ特性に対する入力操作に応じて当該センサ特性の登録/更新を行うセンサ登録更新部、物理環境条件ごとに接続回路の構成を表示する接続表示部、表示された接続回路の構成に対する入力操作に応じて設定ファイルの登録/更新を行う設定ファイル登録更新部等を備えていてもよい。
本実施の形態では、図32のセンサ及びバイアス回路登録選択処理において、使用環境ごとに複数のセンサ特性を登録・更新する。すなわち、図32のS12において、センサベンダがセンサの登録を選択した場合、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ特性画面を表示させ、センサベンダが複数のセンサ特性を入力する(S13)。このとき、センサ特性画面に1つのセンサに対して使用環境ごとに複数のセンサ特性を入力できるように表示する。センサ特性画面において、センサベンダが使用環境ごとにセンサ特性を設定すると、センサ登録更新部418は、設定された複数のセンサ特性情報を使用環境に関連付けてセンサデータベース421に記憶する。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示させ、センサベンダがバイアス回路を選択する(S14)。実施の形態1と同様に、センサ登録更新部418は、バイアス回路選択画面でセンサベンダに選択されたバイアス回路をセンサバイアス回路データベース422のシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶する。ここでは、シミュレーション用バイアス回路データ422bに、1つのセンサに対し複数のバイアス回路を選択するが、1つのセンサの複数のセンサ特性に対しそれぞれ複数のバイアス回路を選択してもよい。例えば、バイアス回路選択画面において、センサベンダが使用環境ごとにバイアス回路を選択し、センサ登録更新部418が、選択されたバイアス回路を使用環境に関連付けてシミュレーション用バイアス回路データ422bに記憶してもよい。
一方、図32のS18において、センサベンダがセンサリストからセンサを選択すると、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にセンサ特性画面を表示させ、センサベンダが複数のセンサ特性を入力する(S19)。S13のセンサ特性の登録と同様に、センサ特性画面において、センサベンダが使用環境ごとにセンサ特性を変更し設定すると、センサ登録更新部418は、設定された複数のセンサ特性情報により、センサデータベース421の該当するセンサ情報を更新する。
次いで、ウェブページ処理部411はセンサベンダ端末5にバイアス回路選択画面を表示させ、センサベンダがバイアス回路を選択する(S20)。S14と同様に、1つのセンサに対し複数のバイアス回路を選択してもよいし、1つのセンサの複数のセンサ特性に対しそれぞれ複数のバイアス回路を選択してもよい。例えば、バイアス回路選択画面において、センサベンダが使用環境ごとにバイアス回路を更新(追加/削除)すると、センサ登録更新部418が、シミュレーション用バイアス回路データ422bの該当するバイアス回路を更新する。
また、本実施の形態では、図34のセンサAFE接続処理において、使用環境ごとに接続関係を設定する。すなわち、図34のように、センサベンダ端末5にセンサAFE接続画面を表示し(S31)、センサAFE接続画面に自動接続の接続関係を表示し(S32)、さらに、回路設定部412は、センサベンダの操作に従い、複数のセンサベンダ推奨接続の設定及び登録を行う(S33)。センサAFE接続画面において、使用環境ごとに複数のセンサベンダ推奨接続を設定できるように表示する。センサAFE接続画面において、センサベンダはユーザに推奨する推奨接続を使用環境ごとに設定すると、回路設定部412は、選択されたセンサベンダ推奨接続の接続関係を使用環境に関連付けて回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶する。なお、複数のバイアス回路が設定されている場合、バイアス回路ごとにセンサベンダ推奨接続を設定するため、バイアス回路及び使用環境の組み合わせごとにそれぞれセンサベンダ推奨接続を設定し記憶する。
また、本実施の形態では、図36〜図43のシミュレーション処理において、使用環境ごとにシミュレーションを行う。すなわち、図36及び図37のように、センサベンダ端末5またはユーザ端末3にシミュレーション画面を表示し(S201、S212)、シミュレーション画面に自動接続及びベンダ推奨接続の接続関係を表示し(S202、S213)、センサベンダまたはユーザの操作に応じて、各シミュレーション処理が実行される(S203、S214)。シミュレーション画面において、使用環境ごとにシミュレーションを実行できるように表示する。使用環境ごとのセンサ特性、接続関係に基づいてシミュレーションを行う。図38では使用環境ごとに自動設定処理(アンプのゲイン設定)を実行し、図41では使用環境ごとに過渡解析処理を実行し、図42では使用環境ごとにAC解析処理を実行し、図43では使用環境ごとにフィルタ効果解析処理を実行し、図44では使用環境ごとに同期検波解析処理を実行する。
次に、本実施の形態に係る画面表示の具体例について説明する。図102は、本実施の形態に係るセンサ詳細画面P220内のセンサ特性画面P280の表示例である。このセンサ特性画面P280により、センサベンダが使用環境ごとにセンサ特性を登録・更新する。
図102のセンサ特性画面P280は、実施の形態1と比べて、上部に使用環境選択エリアP284を有する。使用環境選択エリアP284には、センサを使用する環境を選択するためのタブが表示される。図102は、圧力センサの使用環境の一例として、使用環境選択エリアP284に、「−40℃」タブP284a、「25℃」タブP284b、「125℃」タブP284cが表示されている。
図102のように、「−40℃」タブP284aをクリックすると、−40℃のセンサ特性の入力状態となる。この状態で、センサベンダが、図98のようなデータシートの特性をもとにして、特性グラフP281及び特性プロット入力エリアP282にセンサ特性を設定し、「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に−40℃のセンサ特性が登録・更新される。また、図103のように、「25℃」タブP284bをクリックすると、25℃のセンサ特性の入力状態となる。この状態で、センサベンダが、図98のようなデータシートの特性をもとにして、特性グラフP281及び特性プロット入力エリアP282にセンサ特性を設定し、「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に25℃のセンサ特性が登録・更新される。また、図104のように、「125℃」タブP284cをクリックすると、125℃のセンサ特性の入力状態となる。この状態で、センサベンダが、図98のようなデータシートの特性をもとにして、特性グラフP281及び特性プロット入力エリアP282にセンサ特性を設定し、「Save」ボタンP223をクリックすると、センサデータベース421に125℃のセンサ特性が登録・更新される。
なお、図99及び図100のようなデータシートの特性をもとに、フォトトランジスタの温度ごとの複数のセンサ特性を登録・更新してもよい。また、図99のような常温時のセンサ特性と、図100のような温度特性とをセンサベンダが入力し、ウェブシミュレータ4が温度特性をもとに温度ごとの複数のセンサ特性を生成し、登録・更新してもよい。
図105は、本実施の形態に係るセンサAFE接続画面P400の表示例である。このセンサAFE接続画面P400により、センサベンダが使用環境ごとのベンダ推奨接続を設定する。
図105のセンサAFE接続画面P400は、実施の形態1と比べて、上部に使用環境選択エリアP403を有する。使用環境選択エリアP403には、センサを使用する環境を選択するためのタブが表示される。使用環境選択エリアP403には、図102で登録したセンサ特性に対応したタブが表示され、図105では、使用環境選択エリアP403に、「−40℃」タブP403a、「25℃」タブP403b、「125℃」タブP403cが表示されている。なお、センサAFE接続画面P400には、実施の形態1と同様に、バイアス回路選択エリアP401にバイアス回路を選択するタブを表示してもよい。
「−40℃」タブP403aをクリックすると、−40℃における接続関係の入力状態となる。この状態で、センサベンダが、入力端子プルダウンメニューP430等を操作してセンサと半導体装置1の接続関係を設定し、「Save」ボタンP402をクリックすると、選択した接続関係が−40℃のベンダ推奨接続として、回路情報記憶部426のベンダ回路設定ファイル426bに記憶される。
図106は、本実施の形態に係るシミュレーション画面P500の表示例である。このシミュレーション画面P500により、センサベンダまたはユーザが使用環境ごとのシミュレーションを行う。
図106のシミュレーション画面P500は、実施の形態1と比べて、上部に使用環境選択エリアP503を有する。使用環境選択エリアP503には、センサを使用する環境を選択するためのタブが表示される。使用環境選択エリアP503には、図102で登録したセンサ特性に対応したタブが表示され、図106では、使用環境選択エリアP503に、「−40℃」タブP503a、「25℃」タブP503b、「125℃」タブP503cが表示されている。なお、シミュレーション画面P500には、実施の形態1と同様に、バイアス回路選択エリアP501にバイアス回路を選択するタブを表示してもよい。
「−40℃」タブP503aをクリックすると、−40℃におけるシミュレーションの実行可能状態となる。この状態で、センサベンダまたはユーザが、「過渡解析」ボタンP533等をクリックすると、−40℃のセンサ特性及び接続関係でシミュレーションが実行される。
なお、実施の形態2のように、レポート画面において、使用環境ごとのシミュレーション結果を並べて表示してもよい。
また、実施の形態3のように、複数のセンサの使用環境ごとのセンサ特性を一括で登録してもよい。図107は、一括登録するための入力センサデータベースD110の例である。図107では、図91Aと比べて、"出力単位"、"環境依存"、"依存範囲"、"センサ特性"の項目が追加されている。"環境依存"には、温度や距離、圧力などの使用環境の種類が格納され、"依存範囲"には、使用する環境条件が格納され、"センサ特性"に使用環境ごとのセンサ特性が格納される。このようなファイルをインポートすることで、複数のセンサの使用環境ごとのセンサ特性を一度に登録することができる。
以上のように本実施の形態では、使用環境(物理環境条件)ごとにセンサ特性を登録し、設定ファイルを生成しシミュレーションを行うようにした。これにより、使用環境に合わせた適切なシミュレーション条件でシミュレーションを行うことができるため、精度よくシミュレーションを行うことができる。
(実施の形態5)
図108は、本実施の形態に係る半導体装置の設定システムの構成の一例を示している。この設定システムは、実施の形態1〜4のように、センサベンダまたはユーザが登録したセンサを用いてユーザがシミュレーションを行い、その後、ユーザ端末3がウェブシミュレータ4から取得したレジスタ情報を半導体装置1に設定するシステムである。図108に示すように、この設定システムは、半導体装置1を搭載する評価ボード10、センサ2を搭載するセンサボード、ユーザ端末3及びエミュレータ7を備えている。
評価ボード10は、USBインタフェース11、センサインタフェース12を備えている。ユーザ端末3はエミュレータ7を介してUSBケーブルによりUSBインタフェース11に接続され、USBインタフェース11を介して、ユーザ端末3及びエミュレータ7と半導体装置1との間で入出力可能に接続される。センサボード20はセンサインタフェース12により接続され、センサインタフェース12を介して、センサ2と半導体装置1とが入出力可能に接続される。
エミュレータ7は、半導体装置1のMCU部200に接続されて、MCU部200をエミュレートする。ユーザ端末3は、エミュレータ7に接続することで、AFE部100のレジスタ情報や、MCU部200のプログラムの書き込みが可能である。
図109は、図108の設定システムにおいて半導体装置1の設定を行う方法を示している。実施の形態1のように、まず、半導体装置1の動作についてウェブシミュレータ4でシミュレーションを行う(S601)。ユーザ端末3はウェブシミュレータ4にアクセスし、ウェブシミュレータ4上でシミュレーションを実行する。実施の形態1のように、ユーザ端末3はウェブシミュレータ4のシミュレーション画面を操作することにより、ウェブシミュレータ4でセンサ及びバイアス回路に応じて設定した半導体装置1の動作をシミュレーションする。
次いで、ユーザ端末3はレジスタ情報をダウンロードする(S602)。実施の形態1のように、ユーザ端末3はウェブシミュレータ4のレポート画面を操作することにより、ウェブシミュレータ4で生成された半導体装置1のレジスタ情報をダウンロードする。ユーザ端末3はダウンロードしたレジスタ情報を記憶部310に記憶する。
次いで、ユーザ端末3は部品を購入する(S603)。実施の形態1のように、ユーザ端末3はウェブシミュレータ4の部品リスト画面を操作し、シミュレーションを行ったセンサ及び半導体装置1を部品販売業者から購入する。ユーザは購入したセンサをセンサボード20へ接続するとともに半導体装置1を評価ボード10へ接続し、図108の設定システムを構築する。
次いで、ユーザ端末3は半導体装置1にレジスタ情報を書き込む(S604)。構築した図108の設定システムにおいて、ユーザ端末3は、ウェブシミュレータ4からダウンロードしたレジスタ情報を、半導体装置1のレジスタ181へエミュレータ7を介して書き込む。
これにより、半導体装置1のAFE部100の設定が完了する。その後、半導体装置1を起動すると、レジスタ181に書き込まれたレジスタ情報のよってAFE部100の構成及び特性が設定され、AFE部100が動作を開始する。すなわち、シミュレーションを行った構成により半導体装置1を動作させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で 種々変更可能であることはいうまでもない。