以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図3を参照して説明する。
図1ないし図3において、11は電動送風機を示し、この電動送風機11は、例えば電気掃除機の掃除機本体に収容されて吸塵用の送風動作を行う、電気掃除機用の電動送風機11である。そして、この電動送風機11は、電動機13と、この電動機13と一体に設けられた整流体(整流板)としてのディフューザ14と、電動機13により回転されるファンである遠心ファン15と、この遠心ファン15を覆って電動機13に取り付けられるファンカバー16とを備えている。
電動機13は、電動機本体21と、この電動機本体21を収容保持するケース体としての胴体ケースであるフレーム22とを有している。
電動機本体21は、例えば四角形枠状の固定子(ステータ)25の内方に回転子(ロータ)26が配置されて構成されたインナロータ型のものであり、本実施形態では、ブラシ装置27,27を用いる整流子モータとするが、例えばブラシレスモータなどでもよい。
固定子25は、ステータ、あるいはフィールドとも呼ばれるもので、界磁巻線29により周方向に複数の固定磁極を形成する。
回転子26は、ロータ、あるいは電機子すなわちアーマチュアとも呼ばれるもので、回転中心となる出力軸である回転軸31に、ブラシ装置27と摺接する整流子(アーマチュア)32、および、この整流子32に電気的に接続され回転磁極を形成する回転子本体としてのアーマチュアコア33が一体的に形成されている。
回転軸31は、両端側が(一方および他方の)ベアリング35,36によりそれぞれ回転自在に保持されており、一端側に位置するベアリング35がフレーム22に保持され、他端側に位置するベアリング36がディフューザ14に保持されている。また、この回転軸31は、他端側がディフューザ14に挿通され、この他端部に遠心ファン15が接続されている。
フレーム22は、略有底円筒状に形成され、例えばマグネシウム合金などの金属によってディフューザ14と一体に射出成形されている。また、このフレーム22は、内部に固定子25を保持している。さらに、このフレーム22の一端側には、各ブラシ装置27が取り付けられるブラシ取付孔41が互いに対向する位置に開口形成されているとともに、これらブラシ取付孔41の間の位置に、複数の排気口42が開口形成されている。また、このフレーム22の一端側の中央部には、ベアリング35および回転子26を軸方向に付勢するスラストばね43を保持する円筒状のモータヘッド部44が同軸状に形成されている。そして、このフレーム22の他端側の周縁部には、径方向に突出する縁部としてのフランジ部45が全周に亘って連続している。このフランジ部45は、フレーム22(電動機13)の軸方向に対して交差(直交)する方向に沿って平面状に延びている。
各ブラシ装置27は、図示しない電源に対して電気的に接続される角柱状のカーボンブラシ47を内部に移動可能に保持しており、このカーボンブラシ47の先端側が整流子32に圧接されて電気的に接続されている。
ディフューザ14は、遠心ファン15から外周側へと吹き出された空気を整流して電動機13側へと導くもので、電動機13と遠心ファン15との間に位置している。また、このディフューザ14は、整流体本体(整流板本体)としてのディフューザ本体51と、このディフューザ本体51の遠心ファン15側(ファンカバー16側)に突出する複数の上流側ブレード52と、ディフューザ本体51の電動機13側に突出する複数、例えば上流側ブレード52と同数の下流側ブレード53とを一体に有している。さらに、このディフューザ14には、ディフューザ本体51の中央部に、ベアリング36を保持する円筒状の保持部54がフレーム22の内部に向けて突設されている。
ディフューザ本体51は、遠心ファン15が位置する円形状のファン嵌合部56が一面側の中央部に凹設され、この一面側のファン嵌合部56の外部が、このファン嵌合部56の全周を囲む円環状のブレード形成部57となっている。したがって、このブレード形成部57は、ファン嵌合部56に対してファンカバー16側に段差状に突出し、ディフューザ14(電動機13)の中心軸に対して交差(直交)する方向に沿って平面状となっている。また、ファン嵌合部56の中央部には、保持部54と連通する丸孔状の挿通孔58がディフューザ本体51を厚さ方向に貫通して設けられている。
各上流側ブレード52は、遠心ファン15の周囲に対向し、この遠心ファン15から周囲に吹き出された空気をディフューザ14の外周側へと整流するものである。これら上流側ブレード52は、ディフューザ本体51のブレード形成部57に形成されており、遠心ファン15の外周に対して離間されてこの遠心ファン15の外周と対向している。また、これら上流側ブレード52は、ディフューザ14(ディフューザ本体51)の径方向に対して交差する方向に傾斜した円弧状にそれぞれ形成されており、互いに離間されている。
各下流側ブレード53は、各上流側ブレード52により整流された空気をディフューザ14の中心側から電動機13へと整流するものである。これら下流側ブレード53は、ディフューザ本体51の他面(電動機13側の面)に形成されており、ディフューザ14(ディフューザ本体51)の径方向に対して交差する方向に傾斜した円弧状にそれぞれ形成されて互いに離間されている。さらに、これら下流側ブレード53は、平面視で(ディフューザ14を軸方向から見て)上流側ブレード52と交差する方向に沿って延びており、外周端(上流端)である外縁53aがディフューザ本体51の外縁部および上流側ブレード52の外周端(下流端)である外縁52aとそれぞれ連続しているとともに、内周端(下流端)である内縁53bが保持部54近傍に延びている。また、これら下流側ブレード53の外縁53aは、フランジ部45の外周よりも内方に位置し、このフランジ部45の外周から離間されている。さらに、これら下流側ブレード53の内縁53bは、フランジ部45の内周よりも内方に突出している。そして、これら下流側ブレード53は、電動機13のフレーム22のフランジ部45に対して、端面53cの上流側すなわち外縁側の位置が連続している。すなわち、ディフューザ14は、各下流側ブレード53によって、別途の部材を介することなくフレーム22に直接連続している。
そして、電動機13のフレーム22とディフューザ14とは、電動送風機11(電動機13)の軸方向に沿う面、すなわち中心軸を含む仮想的な平面に沿って複数、例えば2つのケース体部59,59に分割されており、これらケース体部59,59を図示しない接着剤などにより互いに接着して組み合わせることで構成されている。
ここで、各ケース体部59は、フレーム22の一部(半分)に対応する例えば半円筒状のケース部としてのフレーム部61と、ディフューザ14の一部(半分)に対応する半円板状の整流体部(整流板部)としてのディフューザ部62とを一体に備えている。また、各ケース体部59のディフューザ部62の互いに対向して組み合わせられる端面62aには、各ケース体部59の組み合わせの際に互いに嵌合される嵌合部としての凹部63および嵌合部としての凸部64がそれぞれ形成されている。
凹部63および凸部64は、ディフューザ部62の端面62aのうち、特にディフューザ本体51および上流側ブレード52に対応する位置を厚さ方向に二分して形成されている。すなわち、これら凹部63および凸部64は、ディフューザ本体51および上流側ブレード52の位置での端面62aの厚さ方向に互いに隣接して形成されている。このため、各ケース体部59の凸部64が、各ケース体部59を組み合わせる際に端面62aから突出して互いにラップするラップ代となっている。また、これら凹部63および凸部64は、各ケース体部59において、電動機13(電動送風機11)の中心軸に対して一側(図1中の左側)と他側(図1中の右側)とで互いに対をなすように形成されている。すなわち、各ケース体部59において、一側に位置する凹部63および凸部64の配置と、他側に位置する凹部63および凸部64の配置とは、互いに反対になっている。換言すれば、各ケース体部59において、一側に位置する凹部63および凸部64の位置は、他側に位置する凸部64および凹部63の位置と、中心軸に対して互いに線対称となっている。したがって、各ケース体部59は例えば同一形状の金型を用いて同一形状に形成されており、これらケース体部59,59を互いに組み合わせる際に、一方のケース体部59の凹部63および凸部64が、他方のケース体部59の凸部64および凹部63の位置に対応して、一方のケース体部59の凹部63および凸部64が、他方のケース体部59の凸部64および凹部63と嵌合するようになっている。
また、遠心ファン15は、回転軸31と一体的に回転するもので、例えばアルミニウムなどの金属により形成されている。この遠心ファン15は、円板状の一方および他方のファンプレート(シュラウド)66,67と、これらファンプレート66,67間に一体的に挟持固定された平面視で渦巻状のブレードである複数のファン翼68とを備えている。
電動機13側に位置するファンプレート66は、中央部に丸孔状の孔部70が形成されており、この孔部70に挿通された回転軸31の上端部が、ワッシャ71,71およびナット72を介して遠心ファン15と一体的に連結される。
ファンカバー16側に位置するファンプレート67は、中央部に吸込口74を備え、周縁部からこの吸込口74へと徐々に上方すなわちファンプレート66から離間される側へと突出するように形成されている。
各ファン翼68は、吸込口74の外方から、各ファンプレート66,67の周縁部近傍に亘って円弧状に湾曲して延びている。さらに、各ファン翼68は、各ファンプレート66,67に対して面方向が略直交するように配置され、各ファンプレート66,67に対して例えばかしめなどによって一体的に固定されている。
ファンカバー16は、例えば亜鉛めっき鋼板などの金属によりプレス成形されており、電動機13のフレーム22のフランジ部45の外縁部に圧入嵌合される。このファンカバー16は、円筒状の外板部81と、この外板部81の端部から中心側へと延びる整流板対向部である延出部82と、この延出部82の中心側に連続するカバー突出部83と、このカバー突出部83から中心側に連続する遠心ファン対向部である傾斜部84と、この傾斜部84から中心側へと伸びる平板部85とを一体に有しており、この平板部85の中央部に、円筒状の筒部86が一体に形成され、この筒部86の内側が丸孔状のカバー吸気口87となっている。なお、延出部82、カバー突出部83、傾斜部84および平板部85により、外板部81に連続しディフューザ14および遠心ファン15の上流側を覆う覆い部88が形成されている。
外板部81は、ファンカバー16の最外周を構成するものであり、カバー吸気口87の外部に位置し、フレーム22のフランジ部45の外縁部に対して下端部が圧入固定される。
延出部82は、カバー吸気口87の外部に位置し、ファンカバー16(外板部81)の軸方向に対して交差(直交)する方向に沿って平面状に形成されており、ディフューザ14の上流側ブレード52の上端部が圧接されることで、互いに隣接する上流側ブレード52,52との間に流路を形成するものである。
カバー突出部83は、外板部81と同軸状に形成された円筒状の部分であり、カバー吸気口87の外部に位置し、遠心ファン15よりもわずかに大きい径寸法を有している。そして、このカバー突出部83は、遠心ファン15との干渉を避けるように、遠心ファン15に対して離間される方向へと延出部82に対して突出している。
傾斜部84は、カバー吸気口87の外部に位置し、カバー突出部83側から平板部85側へと、徐々に傾斜が大きくなるように湾曲した湾曲板状に形成されている。
平板部85は、カバー吸気口87の外縁部に位置し、ファンカバー16の軸方向に対して交差(直交)する方向に沿って平面状に形成されている。
筒部86は、外板部81およびカバー突出部83と同軸状に形成されている。また、この筒部86の先端部には、円環状のシール部材89が取り付けられている。このシール部材89は、遠心ファン15から外周方向へと吹き出された空気の吸込口74への循環流を遮断するもので、遠心ファン15およびファンカバー16を構成する部材よりも軟質で、かつ、弾性、耐熱性および滑り性を有する部材などにより形成されている。
カバー吸気口87は、シール部材89により遠心ファン15の吸込口74と気密に接続されている。
次に、電動送風機11の組み立て手順を説明する。
まず、一対のケース体部59,59を、マグネシウム合金などの金属を用い、所定の金型によって、チクソモールディング法(半溶融射出成形法)により射出成形する。このとき、各ケース体部59のディフューザ部62の下流側ブレード53に対応する部分については、スライドコアなどを用いることで適宜形成できる。
このように形成したケース体部59,59を、予め形成して電気的に接続した固定子25、回転子26およびスラストばね43などを間に挟みながら、互いに凹部63と凸部64とを嵌合させるように組み合わせ、接着剤などにより固定する。このとき、回転子26のベアリング35がスラストばね43とともにフレーム22のモータヘッド部44に嵌合保持されるとともに、ベアリング36がディフューザ14の保持部54に嵌合保持され、回転軸31が挿通孔58に挿通されてディフューザ14のファン嵌合部56に突出する。
そして、この回転軸31を一方のワッシャ71に挿通させるとともに遠心ファン15の孔部70に挿通させ、この遠心ファン15の一方のファンプレート66上で回転軸31を他方のワッシャ71に挿通させ、ナット72を締め付けて遠心ファン15を回転軸31に接続固定する。
この後、シール部材89を取り付けたファンカバー16を、外板部81をフレーム22のフランジ部45に圧入嵌合することで遠心ファン15およびディフューザ14を覆って電動機13に取り付ける。この結果、シール部材89が遠心ファン15の吸込口74に圧接され、吸込口74とカバー吸気口87とが気密に接続される。
さらに、フレーム22のブラシ取付孔41にブラシ装置27を取り付けて、カーボンブラシ47の先端を整流子32の外周に圧接する。
次に、電動送風機11の動作を説明する。
外部からの給電により電動機13を駆動させると、回転軸31に連結された遠心ファン15が回転することで負圧を発生させ、カバー吸気口87および吸込口74を介して空気を遠心ファン15へと吸い込む。この後、各ファン翼68により導かれた空気は、遠心ファン15から外周方向へと吹き出され、ディフューザ14の上流側ブレード52により整流されつつディフューザ14の外周方向へと流れる。さらに、ディフューザ14の外周方向へと流れた空気は、ディフューザ14の下流側ブレード53により整流されつつフレーム22内へと流入し、電動機13(の電動機本体21および各ブラシ装置27など)を冷却した後、各排気口42から排気される。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、電動機13のフレーム22を、ディフューザ14と一体に金属により射出成形するとともに、これらフレーム22とディフューザ14とを、軸方向に沿う面により複数のケース体部59に分割して、これらケース体部59を互いに組み合わせて構成することで、軽量化が可能で製造性が良好であるとともに、フレーム22とディフューザ14との間のシール性を確保できる。
次に、第2の実施形態を図4ないし図6を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
図4ないし図6に示す第2の実施形態は、上記第1の実施形態において、ディフューザ14の上流側ブレード52がファンカバー16と、例えばマグネシウム合金などの金属により一体に射出成形されているものである。
すなわち、ディフューザ14は、ファンカバー16と一体の上流側ブレード52と、フレーム22と一体のディフューザ本体51および下流側ブレード53とに分割されている。上流側ブレード52は、一端面全体がファンカバー16の延出部82と一体に連続しており、この一端面と反対側の他端面52b全体がディフューザ本体51のブレード形成部57に対して分割され、このブレード形成部57に対して接着剤などを介して接続される。
また、ディフューザ本体51および下流側ブレード53は、フレーム22とともに各ケース体部59に分割されている。
そして、電動送風機11を組み立てる際には、まず、予め射出成形した一対のケース体部59,59を、予め形成して電気的に接続した固定子25、回転子26およびスラストばね43などを間に挟みながら、互いに凹部63と凸部64とを嵌合させるように組み合わせ、接着剤などにより固定する。次いで、挿通孔58に挿通された回転軸31を一方のワッシャ71に挿通させるとともに遠心ファン15の孔部70に挿通させ、この遠心ファン15の一方のファンプレート66上で回転軸31を他方のワッシャ71に挿通させ、ナット72を締め付けて遠心ファン15を回転軸31に接続固定する。
この後、上流側ブレード52と一体に予め射出成形したファンカバー16にシール部材89を取り付け、このファンカバー16を、上流側ブレード52の他端面52bに接着剤を塗布した状態で、外板部81をフレーム22のフランジ部45に圧入嵌合することで遠心ファン15およびディフューザ14を覆って電動機13に取り付ける。この結果、シール部材89が遠心ファン15の吸込口74に圧接され、吸込口74とカバー吸気口87とが気密に接続されるとともに、上流側ブレード52がディフューザ本体51のブレード形成部57に接着固定されてディフューザ14が完成する。さらに、フレーム22のブラシ取付孔41にブラシ装置27を取り付けて、カーボンブラシ47の先端を整流子32の外周に圧接する。
このように、上流側ブレード52をファンカバー16と一体に射出成形することで、上流側ブレード52とファンカバー16との間のシール性を確保するための別途の部材が不要となるので、より軽量化が可能になる。
また、上流側ブレード52がファンカバー16と一体であるため、ディフューザ14の上流側ブレード52,52がない状態で電動機13に対して遠心ファン15を取り付けできる(図6)ので、この取り付け後のファンカバー16を取り付ける前の段階で遠心ファン15を回転駆動させて回転バランスを修正することができる。したがって、遠心ファン単体で回転バランスの修正を行っていた従来の場合と比較して、遠心ファン15の回転バランスをより良好に調整でき、駆動時の振動をより低減できる。
なお、上記各実施形態において、電動送風機11は、電気掃除機の他にも、例えばブロワなど、任意の機器に適用できる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態では、電動機13のフレーム22を、ディフューザ14の少なくとも下流側ブレード53と一体に金属により射出成形するとともに、これらフレーム22と少なくともディフューザ14の下流側ブレード53とを、軸方向に沿う面により複数のケース体部59に分割して、これらケース体部59を互いに組み合わせて構成した。このため、例えば電動機のフレームとディフューザとを別個に形成する場合と比較して、ディフューザ14をフレーム22に固定するための部材が不要になるとともに、ディフューザ14をフレーム22に組み付ける工程も不要になるので、軽量化が可能で製造性が良好であるとともに、フレーム22(フランジ部45)とディフューザ14の下流側ブレード53とが一体的に連続するのでこれらフレーム22(フランジ部45)とディフューザ14との間に隙間が生じず、フレーム22とディフューザ14、特に下流側ブレード53との間のシール性を確保できる。
また、ケース体部59は、金属を射出成形して形成することにより、複雑な形状でも形成可能であるだけでなく、従来樹脂で成形していたディフューザと比較して、ディフューザ14の剛性を向上できるので、ディフューザ14(保持部54)によってベアリング36を直接保持でき、このベアリング36の保持用の部材も不要となってより軽量化が可能になる。すなわち、従来、フレームにディフューザを固定するための部材を金属により形成して、この部材を用いてベアリングを保持していたが、この部材が不要となることで電動送風機11の軽量化が可能となる。また、このフレームにディフューザを固定するための部材は、ディフューザ14(下流側ブレード53,53間)を通過した空気がフレーム22の内部に流入する箇所に位置することとなるため、この部材が不要となることにより、ディフューザ14からフレーム22へと円滑に空気が流入し、この部材での風路損失を抑制でき、電動送風機11の効率をより向上できる。
しかも、金属として実用金属中で最も軽量なマグネシウム合金を用いることで、電動送風機11を確実に軽量化できるだけでなく、マグネシウム合金は、例えば鉄やアルミニウムなどを用いる場合と比較して溶融温度が低いので、鋳物にすることなく、樹脂と同様に鉄製の金型によって射出成形が可能となる。さらに、マグネシウム合金は、振動吸収性、強度および耐力などに優れているため、特に駆動により振動が発生する電動送風機11の電動機13およびディフューザ14に用いることで、振動を効果的に吸収できるだけでなく、ブレード52,53を薄く形成しても充分な強度を得ることができ、これらブレード52,53による空気抵抗を抑制して効率を向上できるとともに、特に各上流側ブレード52の外縁52aを薄く形成できるので、上流側ブレード52,52間に流入する気流がこれら上流側ブレード52,52の上流側で剥離しにくく、この剥離に起因する非周期的な騒音の発生を抑制できる。
さらに、ケース体部59は、軸方向に沿う面、すなわち上流側ブレード52,52間や下流側ブレード53,53間を通過する気流に対して交差(直交)する方向に沿う面で分割しているので、例えば気流に沿う方向に分割する場合と比較して、ケース体部59,59を互いに接合する箇所でのシールすべき面積が少なくて済み、シール性をより向上できる。
また、各ケース体部59のディフューザ14の一部(ディフューザ本体51および上流側ブレード52)に対応する位置に、ケース体部59,59を組み合わせる際に互いに嵌合される凹部63および凸部64を設けることにより、ケース体部59,59を互いに接合する箇所での空気漏れを抑制でき、シール性をより向上できる。
そして、凹部63および凸部64は、各ケース体部59において、電動機13(電動送風機11)の中心軸に対称に配置したので、フレーム22およびディフューザ14(ディフューザ本体51および下流側ブレード53)を二分割するケース体部59,59をそれぞれ同一形状の金型により成形できる。したがって、複数の異なる形状の金型を必要とせず、製造コストをより低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。