JP6053585B2 - 光学センサ性能評価装置及び光学センサ性能評価方法 - Google Patents
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Description
PSFは、点光源を結像したときに、ぼけによって広がる像の強度分布を示す関数であり、通常、最大値が1になるように正規化されて表される。
また、光学センサの性能を評価する指標として、空間周波数応答関数MTF(Modulation Transfer Function)がある。
MTFは、PSFがフーリエ変換された光学伝達関数OTF(Optical Transfer Function)の絶対値であり、像の空間周波数に対する応答関数を示すものである。
例えば、衛星や航空機などに搭載される光学センサは、姿勢制御の誤差や、揺動のような回転・並進の影響で、観測対象の位置測定精度が低下する。
特に、光学センサとして1次元アレイセンサを用いる場合、1次元アレイセンサが撮像するライン方向は、撮像時刻が同期しているため、同一ライン上の相対位置精度は高くなる。
しかし、1次元アレイセンサのスキャン方向は、スキャン速度の変動や機体の揺動の影響を受けるため、スキャン方向に対するライン間の相対位置精度が低くなる可能性がある。
また、以下の非特許文献1には、カーブミラーにより反射された太陽光を点光源とみなし、衛星センサが検知する放射輝度値を用いて、PSFを測定する光学センサ性能評価方法が開示されている。
非特許文献1に開示されている光学センサ性能評価方法では、結像面の各点像に対してガウス関数でフィッティングすることで、点像の中心位置を推測しており、ライン間の影響は小さいと考えられる。しかし、点像のサイズが小さいため、雑音の影響やサンプリングの影響を受けやすく、点像の中心位置を精度よく検出することが困難である。
図1はこの発明の実施の形態1による光学センサ性能評価装置を示す構成図である。
また、図2は光学性能評価用パターン及び位置検出用パターンの配置例を示す説明図である。
図1及び図2において、第1の点群である光学性能評価用パターン1は、光学センサ3の結像面の画素より小さいサイズの点Apmの集合(画素サイズのフットプリントより小さい点群)である。
p=−P,−P+1,・・・,−1,0,1,・・・,P−1,Pであり、ライン方向に(2P+1)個の点が並んでいる。図2の例では、P=1(p=−1,0,1)であるため、ライン方向に3個の点が並んでいる。
また、m=−M,−M+1,・・・,−1,0,1,・・・,M−1,Mであり、スキャン方向に(2M+1)個の点が並んでいる。図2の例では、M=2(m=−2,−1,0,1,2)であるため、スキャン方向に5個の点が並んでいる。
q=−Q,−Q+1,・・・,−1,1,・・・,Q−1,Qであり、ライン方向に(2Q個の点が並んでいる。図2の例では、Q=2(q=−2,−1,1,2)であるため、ライン方向に4個の点が並んでいる。
また、m=−M,−M+1,・・・,−1,0,1,・・・,M−1,Mであり、スキャン方向に(2M+1)個の点が並んでいる。図2の例では、M=2(m=−2,−1,0,1,2)であるため、スキャン方向に5個の点が並んでいる。
したがって、例えば、光学性能評価用パターン1における点A-12,点A02,点A12と、位置検出用パターン2における点B-22,点B-12,点B12,点B22とは、同じライン(図2中、1番上のライン(2))上に配置されている。
同様に、例えば、光学性能評価用パターン1における点A-10,点A00,点A10と、位置検出用パターン2における点B-20,点B-10,点B10,点B20とは、同じライン(図2中、上から3番目のライン(0))上に配置されている。
1次元アレイセンサ4は環境のライン方向を撮像して、1次元の撮像画像を取得する処理を実施する。
スキャナ5は1次元アレイセンサにより撮像されるラインをスキャン(1次元アレイセンサ4の視線方向を走査)する装置である。
1次元アレイセンサ4により得られる各ラインの1次元の撮像画像から2次元の撮像画像が得られる。
なお、スキャナ5は、1次元アレイセンサ4の視線方向を走査する機構であれば、どのような機構でもよいが、例えば、1次元アレイセンサ4を平行移動させる機構や、1次元アレイセンサ4を回転させる機構などが考えられる。
位置検出用パターン検出部7は光学センサ3により得られた2次元の撮像画像から位置検出用パターン2における各々の点Bqmの位置を検出する処理を実施する。
ライン中心位置算出部8は位置検出用パターン検出部7により検出された各点Bqmの位置から各々のライン(m)の中心位置L0mを算出する処理を実施する。
なお、位置検出用パターン検出部7及びライン中心位置算出部8からライン中心位置算出手段が構成されている。
PSF解析部11は点像中心位置算出部10により算出された点像の中心位置Cpmと、光学センサ3による2次元の撮像画像から得られる上記点像を含む画素の光強度とを用いて、PSF解析を実施することで、サブピクセル単位の光強度分布画像(PSFの強度分布)を求める処理を実施する。なお、PSF解析部11はPSF解析手段を構成している。
信号処理部6がコンピュータで構成されている場合、位置検出用パターン検出部7、ライン中心位置算出部8、光学性能評価用パターン検出部9、点像中心位置算出部10及びPSF解析部11の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図3はこの発明の実施の形態1による光学センサ性能評価装置の処理内容(光学センサ性評価方法)を示すフローチャートである。
最初に、光学性能評価用パターン1及び位置検出用パターン2について説明する。
光学性能評価用パターン1は、上述したように、光学センサ3の結像面の画素より小さいサイズの点Apmの集合(画素サイズのフットプリントより小さい点群)であり、各点 Apmの中心位置が画素内の様々な位置になるように配置されている。
また、位置検出用パターン2は、光学センサ3の結像面の画素より大きいサイズの点 Bqmの集合(画素サイズのフットプリントと同程度以上の点群)である。
この実施の形態1では、光学センサ3の1次元アレイセンサ4が、同時に撮像することが可能な1列のデータをラインと称する。
また、光学性能評価用パターン1における各点Apmの位置の検出精度を高めるために、光学性能評価用パターン1が配置されている領域の外側に位置検出用パターン2を配置するようにしている。また、各々のライン上に位置検出用パターン2の点を複数配置するようにしている。
また、スキャン方向と平行に近い方向である並進ベクトルby mの方向には、(2M+1)個の点(図2の例では、5個の点)が、その並進ベクトルby mが示す間隔(等間隔)で配置されている。
光学性能評価用パターン1における各点Apmは、上述したように等間隔で配置されているが、スキャナ速度の変動や機体の揺動によって、ライン毎に異なるベクトルに変化する。
したがって、位置検出用パターン2における点B-qmと点Bqm(例えば、点B-2mと点 B2m)は、点A0mを中心にして点対称に配置されている。
光学センサ3の1次元アレイセンサ4は、スキャナ5の指示の下、光学性能評価用パターン1と位置検出用パターン2が配置されている環境を撮像して、その撮像画像を取得する(図3のステップST1)。
即ち、1次元アレイセンサ4は、ライン単位に、1次元の撮像画像を取得して、その撮像画像を信号処理部6に出力する。
信号処理部6は、1次元アレイセンサ4から全ラインの撮像画像を取得することで、光学性能評価用パターン1と位置検出用パターン2が配置されている環境の2次元の撮像画像を得ることができる。
図2の例では、ライン(2)→ライン(1)→ライン(0)→ライン(−1)→ライン(−2)の順番に、ライン(2)〜(−2)の1次元の撮像画像を取得して、2次元の撮像画像を取得する。
位置検出用パターン2における点Bqmのサイズは、光学センサ3の結像面の画素より大きいサイズであるため、点Bqmの位置は、光学センサ3の撮像画像から高精度に検出することができる。撮像画像から点Bqmの位置を検出する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
式(3)では、点A0mの位置を「A0m」で表している。
点A0mの位置の算出誤差は、同じライン上に配置されている位置検出用パターン2の点の数2Qが多ければ多いほど小さくなる。
並進ベクトルbx mの解析誤差δは、下記の式(5)のように表される。
位置検出用パターン2における点B-qmと点Bqmの距離Dが、光学性能評価用パターン1における各点Apmの並進距離dと比べて、大きければ大きいほど、並進ベクトルbx mの方向の解析精度が向上する。
したがって、距離Dが最大になる点B-qmと点Bqmの位置を用いて、並進ベクトルbx mを求めるようにすればよい。
式(6)から明らかなように、距離Dが大きく、かつ、同一ライン上の点の数が多い位置検出用パターン2を配置することで、光学性能評価用パターン1における各点Apmの位置算出誤差Δを小さくすることができる。
式(7)において、floorは床関数(小数点以下を切り捨てる関数)である。
サブピクセル単位の光強度分布画像は、光学センサ3の結像性能を表す点広がりを示しており、光強度分布画像から光学センサ3の光学性能を評価することができる。
位置検出用パターン2における2つの点の距離がD、位置検出用パターン2における2つの点を結ぶ直線とスキャン方向がなす角がθであるとする。
また、位置検出用パターン2における2つの点の半径がr、画素のフットプリントの大きさがbであるとする。
距離D及び半径rは、位置検出用パターン2の作成時に任意に決定できるパラメータとし、なす角θ及びフットプリントの大きさbは、撮像条件によって任意に決定できるパラメータであるとする。
このとき、下記の式(8)を満足する条件の下で、光学性能評価用パターン1と位置検出用パターン2を同じライン上に配置して撮像することで、スキャン速度の変動や揺動による光学性能評価用パターン1の算出位置の誤差を抑制することができる。
また、この実施の形態1では、スキャン方向に依存しない円形の点の位置検出用パターン2を示したが、その点の形状は円形に限るものではない。
図5はこの発明の実施の形態2による光学センサ性能評価装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ライン補正部20は光学センサ3により得られた撮像画像から、スキャナ5によりスキャンされたライン間の変動量cx m,cy mを算出し、その変動量cx m,cy mがゼロになるように、スキャナ5による1次元アレイセンサ4の視線方向の走査量を制御することで、1次元アレイセンサ4により撮像されるラインを補正する処理を実施する。なお、ライン補正部20はライン補正手段を構成している。
ライン補正部20を実装している点以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、ライン補正部20の処理内容だけを説明する。
ライン補正部20は、光学性能評価用パターン検出部9が、ライン(m)の中心に配置されている点A0mの位置と並進ベクトルbx mからライン(m)上に配置されている各点 Apmの位置を算出する際に並進ベクトルbx m,by mを求めると、下記の式(9)に示すように、その並進ベクトルbx m,by mからスキャナ5によりスキャンされた各々のラインの間の変動量cx m,cy mを算出する。
式(9)において、θはスキャン方向と並進ベクトルbx mのなす角である。
この実施の形態2によれば、ライン毎に積算される検出位置誤差を抑制することができるため、更に高精度な光強度分布画像を求めることが可能になる。
Claims (6)
- 結像面の画素より小さいサイズの点の集合である第1の点群と、複数の点からなる第2の点群とが、同じライン上に2次元配置されている環境を撮像して、その撮像画像を得る光学センサと、
上記光学センサにより得られた撮像画像から上記第2の点群における各点の位置を検出し、上記位置の検出結果から各々のラインの中心位置を算出するライン中心位置算出手段と、
上記ライン中心位置算出手段により算出されたラインの中心位置と、上記ライン上に配置されている上記第1の点群における各点の配置間隔及び配置方向を示す並進ベクトルとから、上記ライン上に配置されている上記第1の点群における各点の位置を算出する点位置算出手段と、
上記点位置算出手段により算出された第1の点群における各点の位置から、上記結像面の画素内のサブピクセル単位の点像の中心位置を算出する点像中心位置算出手段と、
上記点像中心位置算出手段により算出された点像の中心位置と、上記撮像画像から得られる上記点像を含む画素の光強度とからサブピクセル単位の光強度分布画像を求めるPSF解析手段と
を備えた光学センサ性能評価装置。 - 第2の点群を構成している複数の点は、結像面の画素より大きなサイズの点であることを特徴とする請求項1記載の光学センサ性能評価装置。
- 第2の点群は、第1の点群が配置されている領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光学センサ性能評価装置。
- 光学センサは、1次元の撮像画像を得る1次元アレイセンサと、上記1次元アレイセンサにより撮像されるラインをスキャンするスキャナとから構成され、
上記1次元アレイセンサにより得られた各ラインの1次元の撮像画像から2次元の撮像画像を得る
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の光学センサ性能評価装置。 - 光学センサにより得られた撮像画像から各々のラインの間の変動量を算出し、各々のラインの間の変動量がゼロになるようにスキャナを制御して、1次元アレイセンサにより撮像されるラインを補正するライン補正手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の光学センサ性能評価装置。
- 光学センサが、結像面の画素より小さいサイズの点の集合である第1の点群と、複数の点からなる第2の点群とが、同じライン上に2次元配置されている環境を撮像して、その撮像画像を得る撮像画像取得処理ステップと、
ライン中心位置算出手段が、上記撮像画像取得処理ステップで得られた撮像画像から上記第2の点群における各点の位置を検出し、上記位置の検出結果から各々のラインの中心位置を算出するライン中心位置算出処理ステップと、
点位置算出手段が、上記ライン中心位置算出処理ステップで算出されたラインの中心位置と、上記ライン上に配置されている上記第1の点群における各点の配置間隔及び配置方向を示す並進ベクトルとから、上記ライン上に配置されている上記第1の点群における各点の位置を算出する点位置算出処理ステップと、
点像中心位置算出手段が、上記点位置算出処理ステップで算出された第1の点群における各点の位置から、上記結像面の画素内のサブピクセル単位の点像の中心位置を算出する点像中心位置算出処理ステップと、
PSF解析手段が、上記点像中心位置算出処理ステップで算出された点像の中心位置と、上記撮像画像から得られる上記点像を含む画素の光強度とからサブピクセル単位の光強度分布画像を求めるPSF解析処理ステップと
を備えた光学センサ性能評価方法。
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