以下、本発明に係る弾球遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。
パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当りが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当り(「確変当り」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当りが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当りを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当りとして「通常当り」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の外枠6と、遊技盤3を支持した形で外枠6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12が夫々に配設されている。そして、前扉7の上部における両放音装置12,12の間には、演出用照明装置8が配設されている。なお、外枠6及び前扉7等により遊技機本体である遊技機枠1aが構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を外枠6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及び返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部左方には、該皿ユニット16上の遊技球を球発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央部下方には、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。また、皿ユニット16の中央上方には、遊技参加ボタンとして機能する押しボタン装置50が配設されている。
また、前扉7における皿ユニット16の右側下方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、台座部15と灰皿21とが配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の下部左右には、大当り抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当り抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド(始動口ソレノイド27c)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当り発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を(図1中ではアタッカー5により閉じられた大入賞口5aに)入賞させるものであり、大当り発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回(つまり、15ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の付近に風車31が夫々配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。このスルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための普通図柄抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、センター飾り23のステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、その中央部に、遊技盤3側に固定された画像表示装置35を露出する開口36を有し、左上部にワープ導入口37を有し、開口36の下側に上記ステージSを有し、該ステージSの下側に、ステージS上で転動して該ステージSの所定位置の落下孔(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向け放出する放出口49を有している。ワープ導入口37に対向するように、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
次に、本実施例のパチンコ機1の役連作動契機遊技装置60について説明する。なお、以下では「役連作動契機遊技」のことを「役連遊技」と略称する。このことは、上述の役連作動契機遊技装置に限らず、後述する他の同様のもの(役連作動契機遊技手段、役連作動契機遊技演出表示、当り役連作動契機、外れ役連作動契機など)についても同じである。
この役連遊技装置60は、図1中に示すようにパチンコ機1の前面側から見て、遊技盤3の右寄りであって、センター飾り23の側部近傍に位置する部位に装着されている。そして、役連遊技装置60は、センター飾り23の右側を狙って打ち込まれた遊技球Baを受け入れることが可能であるとともに、受け入れた遊技球Baを、遊技盤3の前面側、或いは背面側へ振り分ける機能を備えている。
すなわち、役連遊技装置60は、図2に拡大して示すように、遊技球導入部61、可視通路部62、振分部63、及び遊技球排出部64を備えている。また、可視通路部62と遊技球排出部64との間には、非可視通路部65が形成されている。
これらのうち遊技球導入部61は、透明な中空容器状に形成されたドーム部61aと、このドーム部61aの下部に形成されたクルーン部61bとを有している。ドーム部61aは、最上部に円形の導入口61cを有しており、遊技領域3aとドーム部61aの内部空間とは、この導入口61cを介してしている。そして、導入口61cの開口寸法は、遊技球Baの直径よりも幾分大きく設定されており、遊技領域3aの右側部に打ち込まれて導入口61cに達した遊技球Baを、ドーム部61aの内部に受け入れることが可能となっている。
また、導入口61cの近傍には役連作動ゲートスイッチ61dが設けられており、この役連作動ゲートスイッチ61dは、遊技球Baがドーム部61aの外から中に進入したことを検出する。さらに、クルーン部61bは、円形の皿状に成形されており、その底部は立体的に凹んだ曲面状に成形されている。そして、クルーン部61bの底部の中央にはクルーン穴61eが開口しており、クルーン部61bの底部は、クルーン穴61eに向かって低く傾斜した球転動面となっている。
上記可視通路部62の内部空間は球通路62aとなっており、この球通路62aは、クルーン部61bの下側に形成されてクルーン穴61eに連通した鉛直部62bと、この鉛直部62bの下端に連続した湾曲部62cとにより構成されている。さらに、上記可視通路部62の前面側には、透明な合成樹脂製の透過部62dが設けられており、球通路62a内をパチンコ機1の正面側から視認できるようになっている。
上記振分部63は、可動部63aと、この可動部63aを駆動する駆動部63bとを備えている。可動部63aは、矢印形状に成形された板状の意匠部63cと、この意匠部63cの裏面側に一体に突設されたガイド部63d(図3参照)とを有している。これらのうち意匠部63cは、その長手方向の一端側を可視通路部62の近傍で枢支されており、矢尻となっている他端側を、湾曲部62cの途中の部位から斜め下に向けている。さらに、意匠部63cの前面には「GOGO!」の文字が凹凸及び着色により描かれている。また、ガイド部63dは、図3に示すように、意匠部63cの下側の縁部に沿って延びており、その一端は枢支部の近傍に位置し、他端は意匠部63cの矢尻の近傍に達している。
上記駆動部63bは、ゲートソレノイド63eを駆動し、回転軸63fを所定角度回転させて、可動部63a及びこれに形成されたガイド部63dを下向きの状態から水平に近い状態に回動変位させる。
遊技球排出部64は、遊技球Baの排出口64aを有しており、この排出口64aは遊技盤3の遊技領域3aに開口している。また、遊技球排出部64は、遊技盤3の及び遊技盤3の背後に跨って形成された上記非可視通路部65に連通している。つまり、遊技球排出部64は、非可視通路部65を介して、可視通路部62の湾曲部62cに連通している。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図4を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図4に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、演出表示制御部280、主制御部200、及び払出制御部230がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御部250がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置について、図5に基づいて説明する。図5は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、演出制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板など)は、パチンコ機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、(上記電源ユニット41を介して)図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例のパチンコ機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260、280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当り抽選)を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は2msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継部201と盤面出力中継部202とを有する遊技盤接続基板203が接続されている。盤面入力中継部201には、普通図柄作動ゲート検知32s、始動口入球検知27s、大入賞口入球検知5sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継部202には、特別図柄表示装置51、始動口ソレノイド27c、大入賞口ソレノイド5cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
また、盤面入力中継部201には役連作動ゲートスイッチ61dが接続されており、役連作動ゲートスイッチ61dの信号が主制御部200に入力するように構成されている。また、盤面出力中継部202にはゲートソレノイド63eが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット38等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、パチンコ機1の裏面側に設けられた遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、パチンコ機1の裏面側上部に設けられ賞球タンク43に貯留された遊技球を、遊技球レールを介して遊技球払出装置(賞球装置46)に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータの回転駆動により排出することで行われる。
演出制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御する演出制御手段(進行管理用制御手段)を構成しており、演出制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。演出制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音の制御、及び画像表示装置35による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、演出制御部260を介して、装飾図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。演出制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて演出制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には画像表示装置35(演出表示装置)が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして画像表示装置35の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、画像表示装置35で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
演出制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262(上記演出用照明装置8,11を構成する)が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、演出制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10d(上記放音装置12を構成する)が接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、演出制御部260には、演出ボタン基板103を介して押しボタン装置50の押圧操作を検出する演出操作検出センサ104と、押しボタン装置50を振動させる振動モータ105が接続されている。
演出制御部260は、主制御部200や演出操作検出センサ104からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、画像表示装置35での演出表示のパターンの選択・実行処理、振動モータ105の制御処理等を行う。
上記電源ユニット41には、交流(AC)24Vの電源が接続されている。また、電源ユニット41には、直流(DC)32V、DC12V、DC5V等の電源信号を生成する電源基板(図示しない)が備えられており、この電源基板により生成された電源信号は、主制御部200、払出制御部230、演出制御部260、演出表示制御部280などに供給される。
次に、本パチンコ機1における基本的なゲーム性について説明する。すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
遊技領域3aに打ち出された遊技球の一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球はステージS上に放出された後、該ステージSの傾斜に沿って転動し、或るものはそのまま遊技領域3aに落下し、或るものは放出口49から始動チャッカー27に向けて放出され、高い入賞確率(略100%)で該始動チャッカー27に入賞する。
ところで、始動チャッカー27に入賞した場合、その時点での保留球数が所定数未満であれば、乱数カウンタを用いた大当り抽選が行われるが、該抽選で当選した場合、更に、大当りの種別に対応する変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される当り図柄がセットされる。一方、大当り抽選で外れた場合には、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされる。
そして、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号に基づき、該画像表示装置35が駆動され、大当り抽選結果に関する内容等が演出表示される。画像表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当り決定である場合、アタッカー5が開放され、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンド数だけ繰り返される。この大当り遊技(特別遊技)により、アタッカー5(により閉じられていた大入賞口5a)に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる。
また、本実施例においては、画像表示装置35での図柄表示の他に、上記特別図柄表示装置51での特別図柄表示が行われている。すなわち、主制御部200で行われる大当り抽選や小当り抽選の結果を直接的に報知するための特別図柄の変動停止表示は、特別図柄表示装置51で行われ、特別図柄の表示を基準として演出を付加した装飾図柄の変動停止表示が、上記画像表示装置35で行われる。
そして、大当りの抽選結果の報知は、特別図柄表示装置51及び画像表示装置35の双方を用いて行われる。また、小当りの報知や、高確率状態やその他の遊技者にとって通常よりも有利な状態にあることの報知等は、全く或いは一定の期間、画像表示装置35では行われない場合があるように、演出制御が行われる。
本実施例のパチンコ機1において特別図柄表示装置51は、図6(a)〜(c)に示すように、千鳥配列状に散りばめられた多数(ここでは14個)のLED51a〜51nを有しており、これらのうちの所定のLED51a〜51nを点滅させて特別図柄が変動している態様を表示する。また、特別図柄表示装置51は、所定の位置のLED51a〜51nを点灯させて特別図柄の停止した態様を表示するとともに、点灯したLED51a〜51nの位置の相違により、複数の異なる停止表示態様を暗号化して表す。なお、このような特別図柄表示装置として、所謂ブドウ(ぶどう、葡萄)セグなどと称されるタイプのものを採用することが可能である。
図6(a)に示すのは、本実施例の特別図柄の大当り態様であり、7個のLED51a〜51e、51m,51nが点灯している。また、図6(b),(c)に示すのは外れ態様であり、この外れ態様には、通常外れ態様(図6(b)を参照)と、これとは異なる意義を有する特定外れ態様(図6(c)を参照)とが設定されている。
図6(b)に示す通常外れ態様において、LED51a〜51nのうち点灯されるものは、LED51a〜51gであり、その他のLEDは消灯されている。
また、図6(c)に一例を示す特定外れ態様において、LED51a〜51nのうち点灯されるものは、図6(a)に示す大当り態様と類似するように決められている。すなわち、この特定外れ態様の一例においては、LED51a〜51e、51m,51nのうち、LED51eが消灯されており、このLEDeを除いたLED51a〜51d,51f〜51nが、上記大当り態様との共通構成要素となっている。
ここで、LED51a〜51nとして多色発光のものを使用すれば、これらの組合せの相違によって、より多様な識別情報の表示が可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1においては、後述するように特別図柄の大当り態様と特定外れ態様と間の類似性を利用した報知(混同誘起報知)が実行されるので、特別図柄の種類を十分に数多く設定することが望ましい。すなわち、特別図柄の数を多く設定し、例えば大当り態様と特定外れ態様とに関して、共通の構成要素を多く持った類似の態様を多く設定することにより、識別力を希釈させて、遊技者による区別を難化させることが趣向性の向上につながると考えられる。
また、本実施例において、画像表示装置35に表示される装飾図柄は、例えば図7(a)に示すように、遊技者にとって識別が容易な数字などの3桁の組合せによって構成されている。すなわち、画像表示装置35の表示画面上にはスプライト表示等によって装飾図柄表示領域35aが形成されており、装飾図柄は、この装飾図柄表示領域35aに表示されている。
なお、図7(a)に示されているのは、装飾図柄の変動表示の開始後にリーチ表示(ここでは「3↓3」)が実行された状態であり、図中の「↓」の表記は、装飾図柄における中図柄が変動中で未確定であることを示している。
装飾図柄は、特別図柄の変動開始ともに変動表示され、特別図柄の変動停止に対応して、その変動を停止する。装飾図柄が、例えば図7(b)に示すように大当りの態様(ここでは「333」)で停止表示されることは、特別図柄が大当りの態様で停止表示されることを表し、また、装飾図柄が、外れの態様で停止表示されることは、特別図柄が外れの態様で停止表示されることを表す。
また、本実施例における装飾図柄の表示制御の一例としては、変動の開始及び停止のタイミングを、特別図柄に同期させるものや、特別図柄の変動停止よりも先に装飾図柄が一旦停止し、その後に装飾図柄が別の組合せに変更されるもの等が挙げられる。
さらに、画像表示装置35の動画表示領域35bにおいては、単なる識別性だけでなく物語性を加味した動画による演出表示が行われている。つまり、図7(a)に示すようなリーチ表示が開始されると、動画表示領域35bにおいて、例えば登場人物の行為の成否により、特別図柄の停止表示態様が当りとなるか外れとなるかの違いが報知するといった演出表示が行われる。そして、この種の演出表示においては、登場人物の行為が成功する内容の表示が行われると、装飾図柄が当りの態様で停止表示され、行為が失敗する内容の表示が行われると、装飾図柄が外れの態様で停止表示される。
ここで、装飾図柄として用いられる識別情報には、数字のみでなく、文字、図形、及びこれらの組合せなどを利用できる。また、本実施例では、装飾図柄は装飾図柄表示領域35aに表示されるが、動画表示領域35bに表示される動画と併せて装飾図柄とすることも可能である。さらに、装飾図柄表示領域35aを省略したり、一時的に装飾図柄表示領域35a消去したりすることも可能である。
また、本実施例では、装飾図柄の変動表示中(図柄変動演出の実行中)に、確変昇格演出(パチンコ機1の状態が高確率な状態に変化したことを、演出表示を伴い所定時間をかけて報知するような演出)において、押しボタン装置50を用いるボタン演出が行われる場合がある。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、押しボタン装置50の操作により、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行う演出等が挙げられる。
通常時は押しボタン装置50の操作が無効となっているが、ボタン演出中は押しボタン装置50の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。また、ボタン操作有効期間中は、押しボタン装置50の操作が有効となっている旨を遊技者に報知し、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すボタン操作促進演出が行われる。このボタン操作促進演出は、例えば画像表示装置35の表示領域で押しボタン装置50の図柄を表示することにより実施できる。
次に、前述の役連遊技装置60を用いた役連遊技について説明する。先ず、本実施例のパチンコ機1においては、大当り遊技を実行するには、前段階として役連遊技を行う必要があり、特別図柄表示装置51において大当り態様が表示されるのみでは、アタッカー5を用いる大当り遊技は開始されない。そして、遊技者が大当り遊技を享受できるようになるためには、遊技者自ら役連遊技装置60を狙って遊技球Baを発射し、役連遊技装置60に入球させる必要がある。
言い換えれば、特別図柄表示装置51において、特別図柄が大当りの態様で停止表示されれば条件装置は作動するが、そのままでは役物連続作動装置が作動せず、特別電動役物を作動させて大当り遊技を開始させることができない。
ここで、条件装置、役物連続作動装置、及び特別電動役物は、包括的な概念上の装置であり、本実施例においては、これらの装置を実現させるための制御を司る主制御部200のCPU200b、これらの装置を実現させるための制御プログラムを格納したROM、対応する制御で使用されるRAM、及び上記制御プログラムに従って駆動される各種機器等により構成される。
これらのうち条件装置は、後述する役物連続作動装置を作動させる場合に、作動していることが必要とされるものである。そして、本実施例においては、条件装置の作動条件となっているのは特別図柄の態様であり、特別図柄の特定の組合せ(大当りの組合せ)が表示された場合に条件装置が作動する。
また、役物連続作動装置とは、後述する特別電動役物を連続して作動させること(本実施例ではアタッカー5の開閉動作を所定回繰り返す大当り遊技を実行すること)ができる特別の装置である。本実施例においては、役連遊技装置60は、この役物連続作動装置の一部を構成している。
さらに、特別電動役物は、本実施例ではアタッカー5及びこれを作動させるのに必要な機器(大入賞口ソレノイド33cなど)を含んでいる。
上記条件装置が作動すると、図8(a)に示すように、役連遊技演出表示が行われ、画像表示装置35に「BONUS確定」の文字の画像等が表示され、大当り遊技を享受するための第一段階の条件をクリアしたことが報知される。そして、図8(b)中に矢印Fに示すように、可動部63aが上方に作動して略水平な状態となる。
さらに、図9(a)に示すように、画像表示装置35に、「右打ちしてVを狙ってね!」の文字の画像や、右向きの矢印中に「右打ち」の文字を重ねた画像が表示される。これらの画像は、遊技者に役連遊技装置60への入球を狙うよう、発射ハンドル2の操作量を増して、遊技盤3の右側の領域へ遊技球を強く発射することを促すものである。
役連遊技装置60を狙って遊技球Baが発射されて、遊技領域3aを流下する遊技球Baが遊技球導入部61の導入口61cに進入すると、図2中に示すように、ドーム部61aからクルーン部61bの底部に落下する。さらに、クルーン部61bにおいては、遊技球Baが、導入口61cへ進入した際の速度や向き等の条件に応じて、クルーン部61bの底部で転動し、旋回しながらクルーン穴61eに向かう。速度が落ちてクルーン穴61eに達した遊技球Baは、クルーン穴61eに進入し、可視通路部62を流下して湾曲部62cに達する。
通常、役連作動ゲートスイッチ61dは無効となっている。そして、振分部63において、可動部63aは下向きの状態にあり、遊技球Baは非可視通路65に進入し、遊技球排出部64から排出されて、遊技領域3aに戻される。
しかし、ゲート有効化条件(及び条件装置の作動条件)として、特別図柄の大当りの組合せが表示された場合には、役連作動ゲートスイッチ61dが有効となり、導入口61cに進入した遊技球Baが役連作動ゲートスイッチ61dにより検知されて、前述の役物連続作動装置が作動する。
役連作動ゲートスイッチ61dが有効化された際には、可動部63aは起き上がって水平に近い状態となり、ガイド部63dにより遊技球Baの非可視通路65への進入が阻止される。そして、振分部63に達した遊技球Baは、ガイド部63dを伝い、遊技盤3の裏側へ導かれて、パチンコ機1から遊技機設置島(図示しない)に回収される。
また、画像表示装置35には、図9(a)に示すように振分画像66が表示されている。この振分画像66は、円盤の周方向に五つの穴を等間隔で配置した回転体67の画像を含むものであり、この回転体67の画像の一つの孔がVゾーン68に設定されている。そして、回転体67の周囲に球通路69の画像が配置されており、この球通路69の画像には、球通路69に沿って流下する遊技球Bbの画像が重ねられる。
この遊技球Bbの画像の表示は、役連遊技装置60に進入した実際の遊技球Baが、作動した可動部63aによって案内されるのと同期するよう行われる。すなわち、実際の遊技球Baは遊技盤3の裏側に回収されるが、振分画像66中においては、遊技者に対して、上記遊技球Baが振分画像66中に連続性を持って入り込んだかのような印象を与えるべく、遊技球Bbの動画表示が行われる。
なお、本実施例では、役連作動ゲートスイッチ61dが遊技球Baを検知してから所定の遊技球到達時間が経過すると、遊技球Bbの画像が表示される。遊技球到達時間は、役連作動ゲートスイッチ61dが遊技球Baを検知してから、遊技球Baが可視通路62を通過して視認できなくなるまでの時間を、例えば理論値や実験値から求めて定められた設計値である。
しかし、クルーン部61bの存在により、実際の遊技球到達時間が幾分ばらついて、実際の遊技球Baの動きと、遊技球の画像Bbの動きとが円滑に連続しなくなる場合も考えられる。したがって、画像表示装置35の表示画面に近い部位、例えば振分部63に遊技球到達検知センサを設けて、より高精度に、実際の遊技球Ba及び遊技球Bbの画像の動きの連続性を保つようにしてもよい。
上述の振分画像66においては、回転体67は一定速度で回転している。そして、特別図柄の抽選結果が大当りである場合には、図9(b)に示すように、回転体67のVゾーン68が最下部近傍に達したときに、遊技球Bbが球通路69を流下してVゾーン68に入球する画像となるよう、演出表示が制御される。本実施例においては、遊技球BbがVゾーン68に入球する画像の上段に、パチンコ機1に採用されたコンテンツにおける登場人物(キャラクタ)が喜ぶ画像70が表示されている。
図10(a)は、大当りの場合の役連遊技である当り役連遊技が実行される場合の特別図柄固定時間を示している。特別図柄固定時間は、特別図柄が変動を停止してから次回の変動が開始可能となるまでの時間である。そして、図10(a)中の上段は特別図柄の変動及び停止が複数回行われる期間を表しており、特別図柄が変動している状態がONに対応し、停止している状態がOFFに対応している。また、中段は前述の条件装置の状態を示しており、下段は同じく前述した役物連続作動装置の状態に対応している。
さらに、図10(a)中に示す符号αは、条件装置を作動させるための図柄の組合せ(特別図柄の大当りの組合せ、条件装置作動図柄)が表示されることを意味し、符号θは、役連遊技に対応していない通常外れ図柄が表示されることを意味している。
ここで、特別図柄のOFFとは、特別図柄表示装置51の各LED51a〜51nが消灯されているということではなく、特別図柄が表示されたまま停止しているということを表している。
先ず、遊技の進行に伴って、特別図柄の変動及び停止が順次行われ、停止図柄として通常外れ図柄が選択されている間は、特別図柄の停止している時間である特別図柄固定時間は、通常の特別図柄固定時間にあたるT1(ここでは概ね0.5秒)である。
そして、乱数抽選の結果が大当りとなった場合には、条件装置作動図柄αが停止表示され、その後、特別図柄は、役連遊技や大当り遊技(特別遊技)が終了し、次回の変動の開始条件が成立するまでは停止(OFF)し続ける。
この場合、条件装置は、条件装置作動図柄αが停止表示された後にONし、その後、役連遊技中や大当り遊技中には継続してONしている。さらに、役物連続作動装置は、当り役連遊技中に、役連作動ゲートスイッチ61dを通過するとONする。
このようなゲームの流れによって、役物連続作動装置及び特別電動役物が作動して大当り遊技が可能になったことが報知され、遊技者は短時間で通常よりも多くの遊技球を獲得できるようになる。
以上当り役連遊技について説明したが、本実施例のパチンコ機1においては、図10(b)に示すように、特別図柄が外れとなる場合にも役連遊技(外れ役連遊技)が実行される場合がある。つまり、特別図柄固定時間が複数設定されており、その内訳は、概ね0.5秒(=T1)、5秒(=T2)、10秒(=T3)の三種類(三通り)である。そして、特別図柄固定時間として、通常は前述のようにT1が選択されるが、外れ役連遊技が実行される場合には、相対的に長時間であるT2又はT3の何れかが選択される。
図10(b)に示すように、特定外れ図柄βが停止表示された場合には特別図柄固定時間T2が選択され、特定外れ図柄γが停止表示された場合には、もう一方の特別図柄固定時間T3が選択される。この際、装飾図柄表示領域35aには、例えば「123」等の昇順の並びの組合せが表示され、更に、一旦例えば「チャンス」の文字等の表示が行われ、遊技者に通常の外れとは異なる状態である旨が報知される。そして、当りの場合と同様に、図9(a)に示すように、画像表示装置35に、「右打ちしてVを狙ってね!」の文字の画像や、右向きの矢印中に「右打ち」の文字とを重ねた画像とが表示される。
本実施例ではこの他に、外れ役連遊技が実行される場合の装飾図柄として、「765」等のような降順の並びの組合せや、「331」(サミー)等のような語呂合わせ、などが設定されており、これらが所謂チャンス目とされている。これに加えて本実施例では、当り役連遊技が実行される場合と外れ役連遊技が実行される場合とで同一の装飾図柄が選択される場合もある。したがって、条件装置が作動した場合でも、図8(a)に示すような確定報知はせずに役連遊技が実行されることがある。
役連遊技装置60を狙って遊技球Baが発射されて、遊技領域3aを流下する遊技球Baが遊技球導入部61の導入口61cに進入すると、図2中に示すように、ドーム部61aからクルーン部61bの底部に落下し、旋回しながらクルーン穴61eに向かう。そして、遊技球Baは、クルーン穴61eに進入し、可視通路部62を流下して湾曲部62cに達する。
この際、役連作動ゲートスイッチ61dは有効となっているが、停止した特別図柄は外れの態様であるので、条件装置は作動しておらず、遊技球Baが役連作動ゲートスイッチ61dを通過しても役物連続作動装置は作動しない。したがって、この場合の役連遊技は、アタッカー5の開放の条件(特別電動役物の作動の条件)とはなっていない。
そして、振分部63において、可動部63aは起き上がって水平に近い状態となっており、ガイド部63dにより、遊技球Baは遊技盤3の裏側へ導かれて回収される。
また、画像表示装置35には、当り役連遊技の場合と同様に、振分画像66が表示されている。振分画像66においては、球通路69を流下してきたが遊技球Bbが、一定速度で回転している回転体67のVゾーン68には進入せず、他の四つの外れの穴の何れかに進入する画像が表示される。
そして、特別図柄固定時間(T2又はT3)が終了すると、保留記憶があれば変動開始条件が成立して次回の特別図柄の変動表示が開始される。また、保留記憶がなければ、始動チャッカー27への入球があるまで特別図柄表示装置51は待機する。
なお、本実施例においては、役連遊技演出表示は一通りではなく、役連遊技演出表示が可能な時間毎に複数パターンずつ設定されている。そして、当り外れの別や、役連遊技演出表示が可能な時間などの条件に合った複数の中から、乱数抽選によって選択された一つの役連遊技演出表示パターンが実行され、画像表示装置35に表示されている。
次に、本実施例のパチンコ機1の基本的な制御内容をフローチャートに基づいて説明する。図11は、主制御部200のCPU200bが、CPU200bに内蔵されるROMあるいは主制御基板200aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図11に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示装置40にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(始動チャッカー27を開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、始動チャッカー27を作動させる処理を行う。始動チャッカー27が作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、始動チャッカー27が開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、始動チャッカー27を開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある始動チャッカー27の開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、始動チャッカー27は通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図12〜図14のフローチャートに基づいて説明する。図12に示すように、まず、始動チャッカー27の始動口に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S505の処理に移行する。一方、始動口に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でないと判定された場合には(S502:NO)、S505の処理に移行する。一方、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数を取得して記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、特別図柄保留数が1増加する。
なお、本実施例においては、抽選された特別図柄に対応して、外れ役連遊技の有無や、特別図柄固定時間が決定されるが、これには限されない。例えば特別図柄用乱数に、外れ役連遊技決定乱数、及び特別図柄固定時間決定乱数が含まれるようにし、これらを用いて外れ役連遊技の有無や、特別図柄固定時間を決定してもよい。
次に、図12に示すように、大当り遊技中であるか否かを判定する(S505)。この結果、大当り遊技中であると判定された場合には(S505:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S506)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S507)。この結果、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S507:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S507:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S508)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄変動表示処理を行う(S509)。ここで、特別図柄変動表示処理を図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S509a)、特別図柄当否判定を行う(S509b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を通常よりも高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を低くした通常の状態(通常確率状態)で当否判定を行う。
次に、当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S509c)。この結果、大当りであると判定された場合には(S509c:YES)、大当り変動パターンテーブルをセットし(S509d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている当り図柄決定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S509e)。
一方、外れであると判定された場合には(S509c:NO)、リーチ演出を伴う外れである否かを判定する(S509f)。この結果、リーチ演出を伴う外れである場合には(S509f:YES)、リーチあり外れ変動パターンテーブルをセットし(S509g)、リーチ演出を伴わないリーチ外れである場合には(S509f:NO)、リーチなし外れ変動パターンテーブルをセットする(S509h)。そして、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する(S509i)。
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S509j)。特別図柄の変動パターンは、S509eまたはS509iで取得した変動パターン決定乱数を用いて、S509d、S509g、S509hの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。特別図柄の停止図柄は、S509eで読み出した当り図柄決定乱数またはS509iで取得した外れ図柄決定乱数を用いて特別図柄の停止図柄を確変大当り図柄、通常大当り図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
次に、S509jで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示装置51で特別図柄の変動表示を開始し(S509k)、演出制御部260に特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S509l)。特別図柄の変動パターン指定コマンドは、S509jで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
次に、特別図柄保留数を1減算し(S509m)、この1減算を示す特別図柄保留数コマンドを演出制御部260に送信する(S509n)。
次に、図12に戻り、上記S506で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図12のS510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動を停止し(S511)、図柄停止コマンドを演出制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止図柄表示時間(特別図柄固定時間)を設定する(S513)。図柄停止コマンドを受け取った演出制御部260は、画像表示装置35における装飾図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当り遊技フラグをONにセットする(S516)。これにより、大当り遊技が開始する。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S517)、確変フラグがONであると判定された場合は(S517:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S518)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S517:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S521:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S521:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
上記S515の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でない(外れ図柄である)と判定された場合には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S522:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S522:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S523)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S524)。
この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S524:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S524:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S525)、開放延長フラグをOFFにセットする(S526)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図15のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否かを判定し(S601)、大当り遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口5aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口5aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口5aの開放時間が経過したか否かを判定する(S603)。この結果、大入賞口5aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口5aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口5aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口5aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口5aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技のラウンド数が所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)に達したか否かを判定する(S606)。この結果、大当り遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口5aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口5aを開放させる(S608)。
上記S606で、大当り遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技フラグをOFFに設定して大当り遊技を終了する(S609)。そして、今回の大当り遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(停止表示された大当り図柄の種類)が確変大当りか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当りである(停止表示された大当り図柄が確変大当り図柄である)と判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットし(S611)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
一方、S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変大当りでない(通常大当りである)と判定された場合には(S610:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
次に、演出制御部260が主体となって行う図柄変動演出処理について説明する。図16、図17は、演出制御部260(演出制御基板260aのCPU260b)が、CPU260bに内蔵されるROMあるいは演出制御基板260aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行する図柄変動演出処理の流れを示すフローチャートであり、この処理は演出制御部260が実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。
まず、図16に示すように、S509lの処理(図14参照)で主制御部200が送信する図柄変動開始時コマンド(特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S700)。この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S700:NO)、図柄変動開始時コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄変動開始時コマンドを受信していると判定された場合には(S700:YES)、特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S701)。特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かは、停止情報指定コマンドで指定される特別図柄の停止図柄の種類に基づいて判断することができる。
この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S701:YES)、装飾図柄の当り演出パターンと当り停止図柄を決定する(S702)。一方、特別図柄当否判定が外れであると判定された場合には(S701:NO)、装飾図柄の外れ演出パターンと外れ停止図柄を決定する(S703)。
そして、S702またはS703で決定した演出パターンを示す演出パターン指定コマンドと装飾図柄の停止図柄を示す停止図柄指定コマンドを演出表示制御部280に送信する(S704)。
次に、S512の処理(図15参照)で主制御部200が送信する演出停止コマンドを受信したか否かを判定する(S722)。この結果、演出停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S722:NO)、演出停止コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、演出停止コマンドを受信していると判定された場合には(S722:YES)、演出停止コマンドを演出表示制御部280に送信する(S723)。これにより、演出表示制御部280は、装飾図柄を用いた変動表示演出を終了する。
なお、大当りラウンド数が複数(例えば15ラウンドと7ラウンド)設定され、大当り遊技中にラウンド昇格演出を行う遊技機において、ラウンド昇格演出でボタン演出を行い、昇格確定の場合に振動演出を行うように構成してもよい。
ラウンド昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当りまたは7ラウンド大当りの場合に、装飾図柄が7ラウンド大当りに対応する図柄で停止表示して大当り遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当りであっても、装飾図柄が7ラウンド大当りに対応する図柄で停止表示した後、ラウンド昇格演出で特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当りであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が7ラウンド大当りから15ラウンド大当りに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
あるいは、大当り遊技中に、この大当り遊技の終了後に確率変動機能が作動開始するか否かを報知する確変昇格演出を行う場合、この確変昇格演出でボタン演出を行い、確変昇格確定の場合に振動演出を行うように構成してもよい。確変昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が確変大当りまたは通常大当りの場合に、装飾図柄が通常大当り図柄で停止表示して大当り遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が確変大当りであっても、装飾図柄が通常大当り図柄で停止表示した後、確変昇格演出で特別図柄当否判定の結果が確変大当りであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が通常大当りから確変大当りに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
なお、上記の「ラウンド昇格演出」や「確変昇格演出」は、演出制御部260の制御により実行され、例えば画像表示装置35の画面表示を用いて行うことができる。確変昇格演出の具体的態様としては、例えば味方キャラクタと敵キャラクタの戦闘場面を表示し、味方キャラクタが勝利した場合に「ラウンド昇格」や「確変昇格」等と書かれた文字が現われる場面を表示することで、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当りであることや確変大当りであることを示唆することができる。
以上説明したように本発明に係るパチンコ機1によれば、特別図柄が当りの場合及び外れの場合の何れにも役連遊技が実行され、特別図柄が外れの場合には、特別図柄固定時間中に行われる役連遊技演出表示において、判定結果が外れである旨が報知される。そして、遊技者は、役連遊技において自らの操作によって判定結果を知ることができる。
したがって、外れの場合の特別図柄固定時間を有効に活用して、あたかも当りとなっている(条件装置が作動している)かのような疑似的な当り演出(フェイク演出)を付加することができ、特別図柄が外れ態様で停止表示された場合のゲーム性の多様化が可能となる。
また、本実施例によれば、特別図柄固定時間が複数設定されており、外れの場合には相対的に長い特別図柄固定時間が選択されるので、役連遊技の時間を長く確保できる。そして、当り役連遊技が実行される場合の役連遊技演出表示に近い演出表示を行うことができ、役連遊技演出表示を多様化することが可能となる。
さらに、特図当り態様と共通の構成要素を有する特定外れ態様が表示された場合に、役連遊技が実行されるので、役連遊技が実行される場合の当り及び外れの特別図柄における差異を極力減らすことが可能となる。したがって、遊技者が特別図柄の表示パターンを判読し、特別図柄が外れの場合の特別図柄固定時間の経過前に当否の別を認識しようとしても、その認識は困難であり。そして、役連遊技の判定結果知機能の利用価値が高まり、遊技者に対し、特別図柄が外れの場合の役連遊技の実施を促すことが可能となる。
加えて、本実施例においては特別図柄が暗号化されているので、特別図柄を視認することによる当否結果の確認を難化でき、このことによっても役連遊技の判定結果知機能の利用価値が高められている。
なお、本実施例においては、特別図柄の特定外れ態様に対応する装飾図柄として、「123」等の昇順の並びの組合せ、「765」等のような降順の並びの組合せ、「331」(サミー)等のような語呂合わせ、などがチャンス目として設定されており、これらの装飾図柄によって、遊技者が何らかの予告であると考え得るような図柄の組合せ態様を表示することができる。なお、このチャンス目は、一部の当り態様に対応した装飾図柄としても用いられている。これにより、遊技者による当りの状態となるのか否かの区別がより困難となり、役連遊技への参加を一層促すことが可能となる。
特別図柄が外れの場合に遊技者に役連遊技への参加を促したり煽ったりするためには、役連遊技演出表示は、遊技者に当りへの期待度が高いという認識を抱かせるものが好ましい。そして、当りへの期待度が高いという認識を抱かせる演出表示としては、特別図柄の当りの場合の役連遊技演出表示と結果報知の直前まで同一の内容であるものや、確率上出現頻度の少ない物語や登場人物(キャラクタ)が表示されるものが挙げられる。
また、本実施例においては、画像表示装置35に、特別図柄に関連付けられた装飾図柄が表示され、判定結果が当りの場合と外れの場合とで同一の装飾図柄が選択される場合が設定されているので、遊技者は装飾図柄の表示態様を確認するのみでは特別図柄に係る当否を知ることができない。したがって、これによっても役連遊技の判定結果報知機能の利用価値が高まり、遊技者に対し、特別図柄が外れの場合の役連遊技の実施を促すことが可能となる。
なお、他の捉え方をすれば、本実施例のパチンコ機1は、遊技者に対し、当りの場合の役連遊技を基準として、装飾図柄が外れ態様で停止表示されたとしても、例えばスロットマシンのように、内部の制御上は当たっているかも知れない、という期待を抱かせるための演出制御を実行するものである。そして、パチンコ機1は、遊技者による、一応役連遊技装置60を狙って遊技球を発射させてみよう、という考えを促したり煽ったりしようとするものである。そして、パチンコ機1は、遊技者に対して、当りかどうかを探らせようとするものであり、遊技者に対するこれらの働きかけのために、外れの場合の特別図柄固定時間が活用するものである。
また、本実施例によれば、役連遊技装置60が遊技盤の右寄りの部位に配置されているので、役連遊技の際には、図9(a)中に矢印Gで示すように、所謂右打ちが必要となる。このため、通常の遊技中において始動チャッカー27に入賞させるための所謂左打ちから、右打ちに切り替える時間や遊技者操作が必要となる。したがって、役連遊技が開始されたことを遊技者に認識させ易く、遊技者が役連遊技の発生に気付かないといった事態の発生を防止できる。さらに、このことにより、特別図柄固定時間を過度に長く確保しなくても、遊技者に対し役連遊技の発生を認識するよう働きかけることができる。
なお、外れ態様の特別図柄の表示を長時間に亘って保持しておくことは、保留の消化など、次回以降の遊技への連続性を確保する点では必ずしも好ましいとは言えない。このため本実施例では、新規なゲーム性の実現と遊技の連続性の確保とのバランスを図るため、特別図柄固定時間としてT2(5秒)やT3(10秒)が設定されている。しかし、次回以降の遊技への連続性を十分に確保できる場合には、これ以上の長い時間の特別図柄固定時間を設定することが可能である。
また、外れの場合の特別図柄固定時間の設定は、遊技者が役連遊技装置60を狙って遊技球を発射し、遊技球が役連作動ゲートスイッチ61dによって検知されるまでの時間よりも十分に長く設定するのが好ましい。そして、本実施例の特別図柄固定時間としてT2(5秒)やT3(10秒)は、このような時間を考慮して設定されたものである。
さらに、特図当り態様が停止表示された場合において、役連作動ゲートスイッチ61dにより遊技球が検知されてからアタッカー5が開放するまでの時間(デモ時間)は、特図外れ態様が表示された場合の特別図柄固定時間(T2,T3)に比べて、相対的に長い時間とすることが可能である。しかし、上記デモ時間と特別図柄固定時間(T2,T3)とを可及的に近づけることにより、当り及び外れの双方の場合の役連遊技の差異を少なくすることができる。
また、小当り(例えば特別変動入賞手段の作動条件とはならないもの)が抽選された場合などには、特別図柄固定時間(例えばT2(5秒))に、小当りが発生した場合のデモ表示時間(例えば5秒)を足し合せて得られた時間(10秒)を役連遊技の時間とすることも可能である。
さらに、外れ役連遊技の実行の有無を、保留数に関連付けて決定し、例えば保留数が規定された最大数に達している場合に外れ役連遊技を実行するようにすれば、遊技者が発射を継続する動機づけとなり、所謂止め打ちを防止することが可能となる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
例えば本実施形態においては、多数のLEDの配列により暗号化された特別図柄表示装置51が用いられているが、これ以外にも、動画像表示が可能な液晶その他の画像表示装置、所謂7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置なども適用が可能である。
さらに、数字等の遊技者が識別し易い特別図柄を表示する場合であっても、特別図柄を分離した複数個所に配置したり、桁数を4桁以上としたり、ぞろ目以外の組合わせを当り態様(及び特定外れ態様)としたりすることが可能である。
また、本実施例においては、停止した特別図柄が特定外れの態様である場合にも遊技球Baを遊技盤3の裏側へ回収されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定外れの態様で特別図柄が停止した場合には、遊技球Baを遊技領域3aに戻すよう構成してもよい。そのための具体的な構成の一例としては、振分部63の意匠部63cとガイド部63dとを分離して独立に作動するものが挙げられる。このようなものにおいては、特別図柄が通常外れ態様の場合には、意匠部63cをガイド部63dとを共に作動させず、当り態様である場合には、意匠部63cをガイド部63dとを協働させて遊技球Baを遊技盤3の裏側に案内する制御を行うことが可能である。さらに、特定外れ態様の場合には、意匠部63cのみを水平に近い状態に作動させる一方で、ガイド部63dは通常外れ態様の場合と同様に作動させないよう制御することが可能である。
さらに、当り態様の場合も含め、全ての場合に遊技球Baを遊技領域3aに戻すことも可能である。全ての場合に遊技球Baを遊技領域3aに戻す構成としては、ガイド部63dを省略する構成が考えられる。また、役連遊技装置60の遊技球導入部61、可視通路部62、振分部63、遊技球排出部64、及び非可視通路部65等の構成を全て省略したものとすることも可能である。この場合は、役連作動ゲートスイッチ61dを、例えば通過ゲート等に組み合わせ、遊技者がこの通過ゲートに遊技球Baを通過させることで役連遊技が行われるようなものとすることが、一例として挙げられる。
また、本実施形態においては、パチンコ機が例示されているが、パチンコ機に限らずアレンジボール遊技機や雀球遊技機などの弾球遊技機にも適用が可能である。