JP6052640B1 - 舗装用具セット及び舗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透水性及び防草効果を有し、かつ、趣向性に富んだ舗装を行うことができる舗装用具セット及び舗装方法を提供すること。【解決手段】複数の開口部21を有する透水シート状部材2と、前記透水シート状部材2の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部31に複数の開口部32を有する透水収容部材3とを備えたことを特徴とする舗装用具セット1及びこの舗装用具セット1を用いた舗装方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、舗装用具セット、及びかかる舗装用具セットを用いた舗装方法に関する。
従来より、防草や軟弱化防止を目的に路面を舗装する方法として、例えば、アスファルト舗装、コンクリート舗装等の舗装方法が知られている。ところが、このアスファルト舗装やコンクリート舗装は高い強度を有するため、公園や歩道等を舗装する場合には、歩行者等が転倒した際に怪我をするおそれがあり、また、景観としても好ましいものではなかった。
そこで、これらのアスファルト舗装やコンクリート舗装に代わる舗装方法として、真砂土等を用いた土系舗装が用いられるようになった。この土系舗装は、歩行に適した舗装を行うことができるものであるが、舗装に際して、舗装面が押し固められるため、舗装部分の空隙率が低下し、その結果、透水性が低下するという問題があった。
このような状況下、透水性を有する土系舗装面を形成する方法として透水性舗装が提案されている。例えば、舗装材料として、所定粒径の砂を一定の割合で含む骨材に対して、セメント系固化材及びセメント硬化促進材を混合した舗装材料を用いる舗装方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この舗装方法では、舗装を行う舗装域全体に一様に舗装材料を敷均するため、景観が単調になり趣向性に乏しく、また、透水性も十分なものとはいえなかった。
特許第5711781号
本発明の課題は、高い透水性及び防草効果を有し、かつ、趣向性に富んだ舗装を簡易に行うことができる舗装用具セット、及びこれを用いた舗装方法を提供することにある。
本発明者らは、土系舗装の舗装方法についてさらに鋭意調査・研究した結果、防草効果を有する土系防草領域を形成すると共に、高い透水性を有する透水領域を所定の位置に配置することで、透水性と防草効果の両立を実現し、さらに、趣向性に富んだ舗装面を形成することができることを知見し、これを簡易に実現できる舗装方式を見出すことにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、複数の開口部を有する透水シート状部材と、前記透水シート状部材の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部に複数の開口部を有する透水収容部材と、を備えたことを特徴とする舗装用具セットに関する。
本発明の舗装用具セットにおいては、透水シート状部材が、格子状部材であることが好ましい。
本発明の舗装用具セットは、透水収容部材を透水シート状部材に固定する固定部材を備えていることが好ましい。
本発明の舗装用具セットは、透水シート状部材及び透水収容部材が、それぞれ対応する横ずれ防止手段を備えていることが好ましい。透水シート状部材の横ずれ防止手段が凹部であると共に、透水収容部材の横ずれ防止手段が凸部であることが好ましい。透水シート状部材の横ずれ防止手段である凹部は、透水シート状部材に設けられた開口部であることがより好ましい。
また、本発明の舗装用具セットは、透水収容部材の上部を覆う、複数の開口部を有する被覆手段を備えていることが好ましい。
さらに、本発明の舗装用具セットにおいては、透水収容部材の底部が、透水材料を収容するために開閉可能に構成されていてもよい。
また、本発明は、上記舗装用具セットを用いた舗装方法であって、地盤上に透水シート状部材を載置する載置工程と、透水収容部材の内部に透水材料を収容する収容工程と、透水シート状部材の所定位置に透水収容部材を配置する配置工程と、透水収容部材が配置されていない透水シート状部材上に舗装材料を敷設する敷設工程とを有する舗装方法に関する。
本発明の舗装方法においては、載置工程の前に、地盤上に透水層を形成する透水層形成工程を有することが好ましい。
さらに、固定手段により透水収容部材を透水シート状部材に固定する固定工程を有することが好ましい。
さらに、複数の開口部を有する被覆手段により透水収容部材の上部を覆う被覆工程を有することが好ましい。
本発明の舗装方法においては、収容工程後に配置工程が行われてもよく、また、配置工程後に収容工程が行われてもよい。
透水材料は、砂利を含んでいてもよく、かかる砂利は、川砂利であることが好ましい。また、透水材料は、蓄光材料を含んでいてもよい。
舗装材料は、真砂土、川砂、及びセメント系固化材料を含むことが好ましい。また、舗装材料としては、舗装領域の既設材料を用いることが好ましい。さらに、舗装材料は、臭気成分の分解能(分解能力)を有する微生物を含有する土壌改良剤を含むことが好ましい。
本発明の舗装用具セット及び舗装方法によれば、高い透水性及び防草効果を有し、かつ、趣向性に富んだ舗装を簡易に行うことができる。
実施例1の舗装用具セットの概要構成を示す平面図である。 実施例1の透水収容部材の概要構成を示す図である。(a)は透水収容部材の斜視図であり、(b)は透水収容部材の側面図であり、(c)は底面図である。 実施例1の透水収容部材を透水シート状部材上に配置した状態を示す拡大図である。 実施例1の舗装方法の工程図である。 実施例1の舗装方法の各工程を示す断面図である。 実施例1の舗装方法を用いて形成された舗装面を示す平面図である。 実施例2の舗装用具セットの概要構成を示す図である。(a)は透水収容部材の斜視図であり、(b)は透水収容部材の側面図であり、(c)は底面図である。 実施例2の舗装方法の一工程(収容工程)を示す断面図である。 実施例2の透水材料を収容した状態の透水収容部材を示す斜視図である。 実施例3の舗装用具セットの概要構成を示す図である。 実施例3の透水収容部材を透水シート状部材上に配置した状態を示す拡大図である。
本発明の舗装用具セットは、複数の開口部を有する透水シート状部材と、かかる透水シート状部材の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部に複数の開口部を有する透水収容部材と備えることを特徴とする。
[透水シート状部材]
透水シート状部材(以下、「シート状部材」という場合がある)は、例えば、平面状に形成されたシート状の部材であり、地盤(掘削した地盤を含む)や、地盤上に形成された層(例えば、後述する透水層)などに載置して使用される。
このシート状部材としては、正方形、長方形等の矩形状、円形状、多角形状の部材を例示することができ、シート状部材が矩形状の場合には、縦横50〜300cm程度であることが好ましく、150〜250cm程度であることがより好ましい。また、シート状部材の厚さとしては、0.5〜15cm程度であることが好ましい。これらのシート状部材は、舗装工事を行う領域(舗装域)の大きさに合わせて連結して使用することができ、この場合、シート状部材の端部に連結部を設けることが好ましい。これにより、複数のシート状部材を安定した状態で連結することができる。
また、シート状部材は、例えば、ナイロン等の合成樹脂や金属等の材料から構成される。シート状部材が可塑性を有する材料からなる場合、シート状部材を円筒状等に変形させることができ、搬送が容易となる。一方、シート状部材が、ある程度の硬度を有する材料からなる場合には、所定間隔で屈曲部を設けることで、この屈曲部により折り畳みが可能となり、シート状部材の搬送が容易となる。
シート状部材に設けられた開口部は、例えば、正方形、長方形等の矩形状、円形状、多角形状とすることができる。開口部が矩形状の場合には、縦横0.1〜30cm程度であることが好ましく、1〜10cm程度であることがより好ましい。円形の場合は、直径が0.1〜30cm程度であることが好ましく、1〜10cm程度であることがより好ましい。かかる開口部は、雨水等を地中に排水するための透水孔としての機能を有し、これにより、シート状部材は十分な透水性を備える。また、透水収容部材(以下、「収容部材」という場合がある)をシート状部材の所定位置に配置するための目印としての役割も果たす。したがって、開口部は、規則的に配設されたものであることが特に好ましい。
開口部の形状が矩形状の場合には、シート状部材が格子状部材として構成される。この場合、収容部材の位置決めがより容易となる。
なお、開口部は、収容部材と同様の大きさにすることもできる。開口部をかかる大きさとすることで、収容部材の位置決めがさらに容易になる。
また、開口部の形状や大きさにより、シート状部材全体の開口面積が減少する場合には、上記開口部に加えて、これより小さな他の開口部を設けることで、透水性を確保することができる。
また、シート状部材は、収容部材の横ずれを防止するために、収容部材の横ずれ防止手段と対応する横ずれ防止手段を備えていてもよい。シート状部材の横ずれ防止手段と収容部材の横ずれ防止手段との組み合わせにより、より確実に収容部材の横ずれを防止することができる。
シート状部材の横ずれ防止手段としては、凸部、凹部、環状部を例示することができ、凹部としては、これを独立して設けることもできるが、シート状部材に設けられた透水用の開口部であってもよい。シート状部材の横ずれ防止手段が凹部(凸部)の場合、収容部材が横ずれ防止手段として凸部(凹部)を備えていれば、これらが互いに嵌合されることで、収容部材の横ずれが防止される。また、シート状部材の横ずれ防止手段が環状部の場合、収容部材が横ずれ防止手段として環状部を備えていれば、これら環状部材を重ねて配置し、棒状部材を挿入する等することにより、収容部材の横ずれを防止することができる。
[透水収容部材]
透水収容部材(収容部材)は、その内部に透水材料を収容可能に構成された部材である。収容部材としては、正方形、長方形等の矩形状、円形状、多角形状の部材を例示することができ、収容部材が矩形状の場合には、例えば、縦横20〜70cm(上部開口)、深さ3〜20cm程度であることが好ましく、縦横30〜60cm、深さ5〜15cm程度であることがより好ましい。なお、収容部材の底部の形状と、収容部材の上部の開口の形状は、同一であってもよいが、側面が深さ方向に幅狭のものが好ましい。これにより、複数の収容部材を積み重ねても嵩張ることなく、収容部材の搬送が容易となる。
また、収容部材は、例えば、ナイロン等の合成樹脂や金属等の材料から構成され、本発明の舗装方法に耐え得る強度を有することが好ましい。
また、収容部材の底部には、複数の開口部が形成されており、収容部材は透水性を備えている。収容部材の上部開口から入り込んだ雨水等は、この底部に設けられた複数の開口部から排出される。また、収容部材の側部にも同様の開口部を設けることにより、横方向からも雨水等が流入することとなり、舗装領域全体の透水性をより向上させることができる。収容部材の開口部は、雨水等を流入又は排出することができ、透水材料が流出しない程度の大きさのものであれば特に制限されるものではなく、例えば、正方形、長方形等の矩形状、円形状、多角形状とすることができる。開口部が矩形状の場合には、縦横0.1〜1cm程度であることが好ましく、0.3〜1cm程度であることがより好ましい。円形の場合は、直径が0.1〜1cm程度であることが好ましく、0.3〜1cm程度であることがより好ましい。
また、収容部材の底部は、透水材料を収容するために開閉可能に構成されていてもよい。すなわち、後述する被覆手段により収容部材上部を予め覆った状態としておく態様の場合、この底部から透水材料を収容することができる。具体的に、収容部材の底部には、透水材料を収容するために開閉可能に構成された収容窓が設けられる態様を挙げることができる。ここで、収容部材の収容窓は、透水材料を収容可能な大きさを有していればよく、収容部材の底部全体を開閉部分としてもよく、底部の一部を開閉部分としてもよい。
また、収容部材は、シート部材上での横ずれを防止するために、上記シート状部材の横ずれ防止手段に対応する横ずれ防止手段を備えていてもよい。シート状部材の横ずれ防止手段と収容部材の横ずれ防止手段との組み合わせにより、より確実に収容部材の横ずれを防止することができる。収容部材の横ずれ防止手段としては、シート状部材の横ずれ防止手段に対応する形状であればよく、凹部、凸部、環状部を例示することができる。
(透水材料)
収容部材に収容される透水材料とは、収容部材内部が透水性を有する構成とするために用いられる材料であって、例えば、砕石、砂利、砂等の比較的粒径の大きな塊状のものを挙げることができる。これらは、山、海、河川等で採取されたものを用いることができるが、河川で採取されたものが好ましく、例えば、河川工事や河川の砂利採取で採取した川砂利や川砂を用いることができる。これにより、河川工事等で発生する副産物を有効に活用することができる。
この透水材料の大きさとしては、例えば、0.3〜15cm程度の粒径を有するものが好ましく、0.5〜10cmの粒径を有するものがより好ましい。かかる粒径の比較的大きな塊状の透水材料を収容部材に収容することで、収容部材の内部には適度な空隙が形成され、透水材料を収容した収容部材は十分な透水性を備える。この透水材料は、その他の部分の土系舗装材料と異なる材料であるため、この透水材料が収容された収容部材が舗装域の適当な位置に配置されることにより、景観が単調とならず、全体としての景観が向上する。
また、透水材料の一部又は全部として、化粧材料又は蓄光材料等の装飾性を有する透水材料(以下、「装飾性材料」という)を用いてもよい。露出面にあたる収容部材内の上部に装飾性材料を配置(収容)することで、舗装面の景観がより向上する。また、装飾性材料として蓄光材料を配置することで、日中に蓄積した光を夜間発光させることができ、歩行者が安全に歩行できる。
また、透水材料としては、上述した砕石、砂利等に限定されず、例えば、透水性を有する人工芝等の人工植物であってもよい。装飾性材料として人工植物を配置することで、舗装面の緑地化効果を得ることができ、全体としての景観がより向上する。
[その他の部材]
本発明の舗装用具セットでは、上述した構成に加えて、例えば、収容部材をシート状部材に固定する固定部材を備えていることが好ましい。ここで、固定部材としては、結束バンドや、釘、ねじ、ステップル等の留め具を挙げることができ、接着剤等の固着材も本発明の固定部材に含まれる。
また、本発明の舗装用具セットは、収容部材の上部を覆う、複数の開口部を有する被覆手段を備えていることが好ましい。被覆手段を備えることで、収容部材に収容された透水材料が、人為的又は非人為的に外部に流出することを防止することができる。開口部としては、例えば、正方形、長方形等の矩形状、円形状、多角形状とすることができ、開口部が矩形状の場合には、縦横0.1〜5cm程度であることが好ましく、0.5〜3cm程度であることがより好ましい。円形の場合は、直径が0.1〜5cm程度であることが好ましく、0.5〜3cm程度であることがより好ましい。この被覆手段は、収容部材及び/又はシート状部材に固定して用いることができる。
次に、上述した舗装用具セットを用いた舗装方法について説明する。
[舗装方法]
本発明の舗装方法は、上述した舗装用具セットを用いた舗装方法であって、地盤にシート状部材を載置する載置工程と、収容部材内に透水材料を収容する収容工程と、シート状部材の所定位置に収容部材を配置する配置工程と、収容部材が配置されていないシート状部材上に舗装材料を敷設する敷設工程とを有する。ここで、載置工程、収容工程、及び配置工程の順序は問わず、例えば、載置工程、配置工程、収容工程といった順序であってもよいし、収容工程、載置工程、配置工程といった順序であってもよい。また、載置工程に先立って、地盤上に透水層を形成する透水層形成工程を有することが好ましい。
以下、各工程について具体的に説明する。
(透水層形成工程)
透水層形成工程では、地盤の表面に透水性を有する透水材料を敷設して透水層を形成する。具体的に、例えば、掘削した地盤の表面に透水材料を敷均し、敷均した透水材料をランマーやタンパを用いて転圧して透水層を形成する。透水層は、例えば、2〜30cm程度の厚さであることが好ましく、5〜20cm程度の厚さであることがより好ましい。所定の厚さの透水層を備えることにより、この部分に雨水等を一時的に保持することができ、表面の雨水等の水はけをより向上させることができる。
透水層の形成に用いられる透水材料としては、例えば、砕石、砂利、川砂等、上述した収容部材に収容される透水材料と同様の材料を用いることができる。
(載置工程)
載置工程とは、施工領域にシート状部材を載置する工程である。このとき、舗装域がシート状部材に対して広い場合には、複数のシート状部材を組み合わせて用いることができ、一方、舗装域がシート状部材に対して狭い場合にはシート状部材を切断する等して用いることができる。シート状部材は、上記透水層上に載置することが好ましいが、透水層を介することなく地盤表面に直接載置してもよいし、他の層の上に載置してもよい。
(収容工程)
収容工程とは、収容部材の内部に透水材料を収容する工程である。この収容工程では、複数層に分けて多種類の透水材料を収容部材に収容してもよく、例えば、透水性を備えた基層と、透水性及び装飾性を備えた表層を備える構成とすることができる。このように、舗装表面を構成する表層を設けることで、歩行者等は視覚的な癒し効果等を得ることができる。なお、この収容工程では、収容部材内部が全体として透水性を有する構成となるように透水材料を収容すればよく、一部に透水性に寄与しない材料を収容してもよい。
(配置工程)
配置工程とは、シート状部材の所定位置に収容部材を配置する工程である。この配置工程では、シート状部材の開口部を基準にして収容部材を配置することで、収容部材の位置決めをすることができる。例えば、収容部材の凸部(横ずれ防止手段)を、シート状部材の所定位置の開口部に合致させることで収容部材の位置決めがなされる。このように、本発明の舗装方法では、シート状部材に開口部が設けられていることで、収容部材の位置決めが容易になる。また、収容部材を配置するときに、シート状部材の開口部に収容部材の凸部を嵌合させることで、収容部材の横ずれが防止される。その結果、後述する敷設工程において、表層(土系舗装領域)を転圧した際も、収容部材が横ずれすることなく、所定の位置に保持される。
(敷設工程)
敷設工程とは、収容部材が配置されていないシート状部材上に舗装材料を敷設して表層(土系舗装領域)を形成する工程である。この敷設工程には、例えば、舗装材料を敷均し、この敷均した舗装材料を転圧し、さらに、転圧した舗装材料に散水を行う工程が含まれる。ここで、舗装材料としては、土系舗装の際に通常使用される材料を用いることができ、例えば、真砂土、川砂、及びセメント系固化材料を含む材料を用いることができる。具体的には、舗装材料は、真砂土と川砂を所定の割合で混合した混合土に対して、セメント系固化材を加えて製造されることが好ましい。このとき、真砂土と川砂との混合比としては、70:30〜95:5であることが好ましい。また、セメント系固化材の混合量は、混合土1mに対して、例えば、50〜100kg/m配合することが好ましく、70〜90kg/m配合することがより好ましい。
これら舗装材料としては、その一部又は全部として、当該舗装領域の既設材料を用いることが好ましい。既設材料とは、当該舗装領域(施工領域)にもともと存在する材料のことであり、施工面を切削して発生した土等を挙げることができる。例えば、舗装材料として既設材料だけを用いて施工することもできるが、シート部材上に既設材料を敷設して中間層とし、その上に新たな材料(化粧材料)を敷設することもできる。このような既設材料の有効利用を図ることにより、新たな副産物の発生を抑制し、残土の処理費等を抑えて、安価な施工が可能となる。
また、舗装材料は、臭気成分の分解能を有する微生物を含有する土壌改良剤を含むことが好ましい。これにより、動物、ペットのし尿等の悪臭を有効に防止することができる。また、真砂土等の舗装材料に高分子化合物を混合し、団粒状の材料とすることもできる。これにより、敷設された舗装面においても高い透水性を確保することができる。
このように敷設された箇所は、適度な硬度を有しており、その結果、雑草が繁茂することを防止される。また、アスファルト舗装やコンクリート舗装に比べ、自然に馴染んだ景観となり、景観が向上する。
なお、敷設工程では、転圧を行うときに舗装材料に対して上方から圧力が加わり、その結果として、収容部材に横方向からの圧力が加わるが、シート状部材及び収容部材に横ずれ防止手段を備えることで収容部材の横ずれが防止される。これにより、収容部材を所望の位置に確実に保持することができる。
(その他の工程)
本発明の舗装方法では、上述した工程に加えて、種々の工程を有していてもよい。
例えば、舗装用具セットにおいて説明した固定手段により、収容部材をシート状部材に固定する固定工程を有していることが好ましい。固定手段により収容部材をシート状部材に固定することにより、収容部材をシート状部材上の所望の位置に確実に配置することができる。
また、本発明の舗装方法は、舗装用具セットにおいて説明した複数の開口部を有する被覆手段により収容部材の上部を覆う被覆工程を有することが好ましい。これにより、収容部材に収容された透水材料が、人為的又は非人為的に外部に流出することを防止することができる。なお、被覆工程は、収容工程の前工程であっても、後工程であってもよく、被覆工程が収容工程の前工程の場合、被覆手段は収容部材に予め固定されることとなり、収容部材の上方からの透水材料の収容が困難になることから、例えば、上述の底部に設けられた収容窓等を用いて透水材料を収容する。一方、被覆工程が、収容部材の配置(配置工程)の後に行われる場合、配置前後に収容部材の上方から透水材料を収容でき、被覆手段は、収容部材及び/又はシート状部材に固定することができる。このとき、被覆手段で収容部材を覆うと共に、かかる被覆手段をシート状部材に固定することにより、収容部材上部の被覆(被覆工程)と収容部材のシート状部材への固定(固定工程)を同時に行うことができる。
以上説明したとおり、本発明の舗装用具セット及び舗装方法によれば、シート状部材の所定位置に、底部に複数の開口部を有する収容部材を配置すると共に、収容部材の内部に透水材料を収容することで、収容部材が配置された領域において高い透水性を得ることができる。また、収容部材が配置されていない領域は、舗装材料を敷設することで、雑草の発育を防止することができる(防草効果)。さらに、舗装材料が敷設された一部に透水材料を収容した透水収容部材が配置されることにより、趣向性に富んだ舗装を行うことができ、特に透水材料として装飾性のあるものを用いた場合には、景観がより向上する。
以下、上述した舗装用具セット及び舗装方法の具体的な実施態様について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1の舗装用具セットの概要構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施例の舗装用具セット1は、複数の開口部21を有する透水シート状部材(シート状部材)2と、このシート状部材2の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部31に複数の開口部32を有する透水収容部材(収容部材)3とを備える。また、その他の部材として、被覆手段としての格子状部材(ネット)、及び固定手段としての結束バンドを備える(ともに不図示)。なお、本実施例では、1枚のシート状部材2に4つの収容部材3を配置する態様を説明する。
[透水シート状部材]
透水シート状部材(シート状部材)2は、縦150cm、横150cm程度の大きさを有する。シート状部材2には、縦1.5cm、横1.5cmの大きさを有する正方形状の開口部21が行列状に複数配設され、シート状部材2は全体として格子状に形成されている。
[透水収容部材]
図2は、透水収容部材(収容部材)の概要構成を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は側面図であり、(c)は底面図である。図2に示すように、収容部材3は、内部に透水材料を収容可能に構成された容器(トレイ)であり、例えば、縦40cm、横40cm、深さ8cmの大きさを有する。
また、図2(b)に示すように、収容部材3の側面33は、深さ方向に底部31に向かって幅狭に形成されており、これにより、複数の収容部材3をコンパクトに積み重ねることができる。
また、図2(c)に示すように、収容部材3の底部31には、複数の開口部32が設けられている。なお、図2(a)では、便宜上、開口部32を省略している。
また、収容部材3の底部31には、凸状部材(横ずれ防止手段)34が設けられており、収容部材3をシート状部材2に配置するときは、図3に示すように、シート状部材2の開口部21に嵌合されるようになっている。これにより、敷設工程の転圧作業等による収容部材3の横ずれを防止することができる。なお、図3においても、便宜上、収容部材3の開口部32を省略している。
次に、上述した舗装用具セット1を用いた舗装方法の一例を説明する。図4に示すように、本実施例の舗装方法は、透水層を形成する透水層形成工程(S1)と、地盤上にシート状部材を載置する載置工程(S2)と、収容部材内に透水材料を収容する収容工程(S3)と、シート状部材の所定位置に収容部材を配置する配置工程(S4)と、収容部材が配置されていないシート状部材上に舗装材料を敷設する敷設工程(S5)とを有する。以下、各工程について図面を参照して具体的に説明する。
本実施例の舗装方法では、まず、透水層形成工程(S1)を行う。図5(a)に示すように、この透水層形成工程では、地盤100の表面を掘削すると共に、砕石を敷均して15cm程度の透水層200を形成する。
次に、図5(b)に示すように、載置工程(S2)では、透水層200の表面にシート状部材2を載置する。
次に、収容工程(S3)では、収容部材3の内部に透水材料を収容する。まず、図5(c)に示すように、収容部材3の下部に透水材料として砕石を収容して6cm程度の基層300を形成し、続いて、基層300上に人工芝を敷設して2cm程度の表層400を形成する。
次に、図5(d)に示すように、配置工程(S4)では、シート状部材2の所定位置に収容部材3を配置する。このとき、収容部材3を、横ずれ防止手段34が開口部21と嵌合するように配置する。これにより、敷設工程における収容部材3の横ずれが防止される。
続いて、収容部材3を上方からネット(被覆手段)で覆うと共に、結束バンドでネットをシート部材2に固定する(不図示)。これにより、被覆手段及び収容部材が、シート状部材2に固定される。
最後に、図5(e)に示すように、敷設工程では、シート状部材2における収容部材3が固定配置された部分以外の部分に舗装材料を敷設する。具体的には、真砂土、川砂、及びセメント系固化材を含有する舗装材料を敷均し、この敷均した舗装材料をランマー等を用いて転圧し、さらに、転圧した舗装材料に散水を行い、全体を固める。
上述した工程を経ることにより、例えば、図6に示すような舗装面が形成される。本実施例の舗装方法では、土系舗装領域が形成されると共に、透水性領域(基層300及び表層400)が形成される。なお、図6では、収容部材3(透水性領域)を規則的に配置しているが、ランダムに任意の位置に配置することができる。
次に、実施例2の舗装用具セットについて説明する。図7に示すように、本実施例の舗装用具セット1aは、収容部材3aの底部31aに、開閉可能な収容窓35が形成され、この収容窓35から透水材料を収容できるようになっている点において異なり、その他の構成は舗装用具セット1と同一である。
この舗装用具セット1aを用いた舗装方法の一例を説明する。本実施例の舗装方法は、収容部材3aへの透水材料の収容方法(収容工程)及びかかる収容部材3aの被覆方法(被覆工程)が実施例1の舗装方法と異なり、その他の工程については同様である。なお、本実施例では、透水材料として砕石のみを用いた例を示す。図8(a)に示すように、まず、収容部材3aの上部を格子状部材(ネット)等の被覆部材4により被覆し、収容部材3aの上部周縁部に接着剤等で固着する。次に、図8(b)及び(c)に示すように、収容部材3aを逆さにして、収容部材3aの収容窓35を開き、開口(収容口)から砕石を収容する。続いて、図8(d)に示すように、収容窓35を閉じる。これにより、図9に示すように、被覆部材4により覆われ、砕石(透水材料)が収容された収容部材3aが形成される。
次に、実施例3の舗装用具セットについて説明する。図10に示すように、本実施例の舗装用具セット1bは、透水用シート状部材(シート状部材)2bを備える点において舗装用具セット1と異なり、その他の構成は同一である。以下、本実施例の特徴的な構成であるシート状部材2bについて説明する。
シート状部材2bは、正方形状に形成された複数の開口部21bを有する格子状部材であり、各交点には凹状部材(横ずれ防止手段)22が設けられている。このシート状部材2bは、縦150cm、横150cmの大きさを有し、開口部21bは、縦40cm、横40cmの大きさを有する。この開口部21bは、収容部材3と同等の大きさを有する。
収容部材3をシート状部材2bに配置するときは、図11に示すように、開口部21bに合わせて収容部材3が配置される。このとき、収容部材3の凸状部材34が凹状部材22に嵌合される。なお、図11においては、便宜上、収容部材3の開口部32を省略している。
このように、本実施例の舗装用具セット1bでは、収容部材3が開口部21bに合わせて配置されるため、収容部材3の位置合わせが容易になる。また、収容部材3の凸状部材34が凹状部材22に嵌合されるため、収容部材3の横ずれが防止される。
本発明の舗装用具セット及び舗装方法は、透水性、防草効果及び装飾性を有する舗装を行うことができ、例えば舗装等を行う土木の産業において有用である。
1 舗装用具セット
1a 舗装用具セット
1b 舗装用具セット
2 透水シート状部材
2b 透水シート状部材
21 透水シート状部材の開口部
21b 透水シート状部材の開口部
22 透水シート状部材の凹状部材
3 透水収容部材
3a 透水収容部材
31 透水収容部材の底部
31a 透水収容部材の底部
32 透水収容部材の開口部
33 透水収容部材の側面
34 透水収容部材の凸状部材
35 収容窓
4 被覆部材
100 地盤
200 透水層
300 基層
400 表層
500 表層

Claims (19)

  1. 複数の開口部を有する透水シート状部材と、
    前記透水シート状部材の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部に複数の開口部を有する透水収容部材と、
    を備えた舗装用具セットであって、
    前記透水シート状部材及び透水収容部材が、それぞれ対応する横ずれ防止手段を備え、
    透水シート状部材の横ずれ防止手段が凹部であると共に、透水収容部材の横ずれ防止手段が凸部であることを特徴とする舗装用具セット。
  2. 透水シート状部材の横ずれ防止手段である凹部が、透水シート状部材に設けられた開口部であることを特徴とする請求項記載の舗装用具セット。
  3. 複数の開口部を有する透水シート状部材と、
    前記透水シート状部材の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部に複数の開口部を有する透水収容部材と、
    を備えた舗装用具セットであって、
    透水収容部材の上部を覆う、複数の開口部を有する被覆手段を備えたことを特徴とする舗装用具セット。
  4. 透水収容部材の底部が、透水材料を収容するために開閉可能に構成されたことを特徴とする請求項記載の舗装用具セット。
  5. 透水シート状部材が、格子状部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の舗装用具セット。
  6. 透水収容部材を透水シート状部材に固定する固定部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の舗装用具セット。
  7. 複数の開口部を有する透水シート状部材と、
    前記透水シート状部材の所定位置に配置され、その内部に透水材料を収容可能な、底部に複数の開口部を有する透水収容部材と、
    を備えた舗装用具セットを用いた舗装方法であって、
    地盤上に透水シート状部材を載置する載置工程と、
    透水収容部材の内部に透水材料を収容する収容工程と、
    透水シート状部材の所定位置に透水収容部材を配置する配置工程と、
    透水収容部材が配置されていない透水シート状部材上に舗装材料を敷設する敷設工程と、
    を有することを特徴とする舗装方法。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の舗装用具セットを用いた舗装方法であって、
    地盤上に透水シート状部材を載置する載置工程と、
    透水収容部材の内部に透水材料を収容する収容工程と、
    透水シート状部材の所定位置に透水収容部材を配置する配置工程と、
    透水収容部材が配置されていない透水シート状部材上に舗装材料を敷設する敷設工程と、
    を有することを特徴とする舗装方法。
  9. 載置工程の前に、地盤上に透水層を形成する透水層形成工程を有することを特徴とする請求項7又は8記載の舗装方法。
  10. さらに、固定手段により透水収容部材を透水シート状部材に固定する固定工程を有することを特徴とする請求項7〜9記載の舗装方法。
  11. さらに、複数の開口部を有する被覆手段により透水収容部材の上部を覆う被覆工程を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか記載の舗装方法。
  12. 収容工程後に配置工程が行われることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載の舗装方法。
  13. 配置工程後に収容工程が行われることを特徴とする請求項7〜12のいずれか記載の舗装方法。
  14. 透水材料が、砂利を含むことを特徴とする請求項7〜13のいずれか記載の舗装方法。
  15. 砂利が、川砂利であることを特徴とする請求項14記載の舗装方法。
  16. 透水材料が、蓄光材料を含むことを特徴とする請求項7〜15のいずれか記載の舗装方法。
  17. 舗装材料が、真砂土、川砂、及びセメント系固化材料を含むことを特徴とする請求項7〜16のいずれか記載の舗装方法。
  18. 舗装材料が、舗装領域の既設材料を含むことを特徴とする請求項7〜17のいずれか記載の舗装方法。
  19. 舗装材料が、臭気成分の分解能を有する微生物を含有する土壌改良剤を含むことを特徴とする請求項7〜18のいずれか記載の舗装方法。
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