以下、本発明の実施例の説明は図面を参照しながら行う。ただし、以下の実施例はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に、実施例1における電子機器100の構成の一例を示す。電子機器100は、電源101、制御部102、検出部103、信号処理回路104、ROM105、センサ106、タイマー107及びRAM108を有する。
電源101は、電子機器100に電力を供給する。電源101は、例えば、商用電源を直流電源に変換するACアダプタや、電池、電子機器100にケーブルを介して電力を供給する外部電源装置などである。電源101が外部電源装置である場合、外部電源装置は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して電力を電子機器100に供給する。外部電源装置は、例えば、パーソナルコンピュータやハードディスクドライブ等である。
制御部102は、電源101から供給された電力を電子機器100の各部に供給するための回路を含む。さらに、制御部102は、信号処理回路104に供給する電圧の制御を行う。なお、制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro−Processing Unit)を含む。
検出部103は、電源101の種類を検出する。検出部103は、電源101が電子機器100に接続されている場合、接続されている電源101の種類が、ACアダプタであるか、電池であるか、外部電源装置であるかを検出する。検出部103は、例えば、電源101から供給される電圧に基づいて、電源101の種類を検出する。検出部103によって検出された電源101の情報は、検出部103から制御部102に供給される。また、検出部103は、電池を接続するための端子、ACアダプタを接続するための端子、外部電源装置を接続するための端子のいずれか一つに電源101が接続されたか否かを検出することで、電源101の種類を検出してもよい。
信号処理回路104は、電子機器100に所定の動作を行わせるための回路である。例えば、電子機器100が撮像手段を有する撮像装置である場合、所定の動作は、撮像動作であり、信号処理回路104は、撮像手段を制御する信号を処理したり、撮像手段によって得られた画像信号を制御するための信号を処理する。撮像手段は、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子や画像処理手段を含む。
また、例えば、電子機器100が再生手段を有する再生装置である場合、所定の動作は、再生動作であり、信号処理回路104は、再生手段を制御する信号を処理したり、再生手段によって再生された画像信号を制御するための信号を処理する。
ROM105は、特定の処理を制御部102に実行させるためのコンピュータプログラムや電子機器100の各部に関するデータを格納する。ROM105は、信号処理回路104の特性データを格納する。信号処理回路104の特性データとは、信号処理回路104に含まれるトランジスタの性能を示すデータであり、リングオシレータの回転数によって示される。リングオシレータの回転数は、信号処理回路104に含まれるトランジスタの遅延特性を示す。リングオシレータの回転数が所定の回転数よりも小さい場合、信号処理回路104の遅延時間が大きく、信号処理回路104に電流が流れにくいことを示す。リングオシレータの回転数が所定の回転数以上である場合、信号処理回路104の遅延時間が小さく、信号処理回路104に電流が流れやすいことを示す。信号処理回路104の特性データは、信号処理回路104に含まれるトランジスタや素子の製造時のばらつきや、印加される電圧による特性の変化を示す。
なお、信号処理回路104の特性データは、電子機器100の固有の値であって、電子機器100と同一のデバイスであっても、信号処理回路104の特性データは異なるものである。
センサ106は、信号処理回路104に供給される電圧を検出する。センサ106によって検出された電圧の情報は、センサ106から制御部102に供給される。タイマー107は、電子機器100によって行われる処理に関する時間を計測する。タイマー107によって計測された時間を示す情報は、タイマー107から制御部102に供給される。
RAM108は、電子機器100によって行われる動作に使用されるパラメータや時間を格納する。
電子機器100は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置であってもよく、DVDプレイヤー等の再生装置であってもよい。また、電子機器100は、携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器等であってもよい。
次に、図2を参照して、実施例1に係る電子機器100によって行われる制御処理について説明する。なお、制御処理は、電子機器100と電源101とが接続されている場合に実行される。実施例1では、制御部102が、ROM105に格納されているコンピュータプログラムに従って制御処理を制御する場合を説明する。
S201において、制御部102は、電子機器100と電源101とが接続されているか否かを検出する。制御部102によって、電子機器100と電源101とが接続されている場合(S201でYes)、本フローチャートは、S201からS202に進む。制御部102によって、電子機器100と電源101とが接続されていない場合(S201でYes)、本フローチャートは、終了する。
S201において、制御部102は、検出部103から供給される情報に応じて、電子機器100に接続された電源101の種類を検出する。制御部102によって、電源101の種類が検出された場合、電源101の種類を示す情報をRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S201からS202に進む。
S203において、制御部102は、ROM105に記録されている信号処理回路104の特性データを読み出す。この場合、本フローチャートは、S203からS204に進む。
S204において、制御部102は、電源101が電池であるか否かを検出する。制御部102によって、電源101が電池であると検出された場合(S204でYes)、本フローチャートは、S204からS205に進む。制御部102によって、電源101が電池でないと検出された場合(S204でNo)、本フローチャートは、S204からS211に進む。
S205において、制御部102は、電源101が電池である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを設定する。なお、この場合、制御部102は、信号処理回路104に供給される電圧が所定の基準電圧値になるように制御する。なお、所定の基準電圧値とは、RAM108に記録されている値である。電源101が電池である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを以下「第1のマージンM1」と呼ぶ。制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧が電子機器100の動作に必要な電圧を下回らないようにするために、第1のマージンM1を設定する。第1のマージンM1は、電池から信号処理回路104に供給される電圧の最小値と、電池から信号処理回路104に供給される電圧の最大値との範囲である。なお、第1のマージンM1の値は、リングオシレータの回転数によって示される。第1のマージンM1が小さければ小さいほど、必要以上の電圧が信号処理回路104に供給されなくなるため、電子機器100の消費電力を低減させることができる。
制御部102は、電源101である電池の劣化を考慮して、第1のマージンM1を設定する。なお、第1のマージンM1は、後述の電源101がACアダプタである場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンよりも小さくなるように制御部102によって設定される。なお、電源101がACアダプタである場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを以下「第2のマージンM2」と呼ぶ。さらに、第1のマージンM1は、後述の電源101が外部電源装置である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンよりも小さくなるように制御部102によって設定される。なお、電源101が外部電源装置である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを以下「第3のマージンM3」と呼ぶ。
なお、制御部102は、電源101が電池である場合、電池の種類に応じて、第1のマージンM1を設定する。例えば、電源101が電池である場合、電池がアルカリマンガン電池である場合、第1のマージンM1は、電池がリチウムイオン電池である場合に設定される第1のマージンM1よりも小さくなるように設定されるようにする。これにより、急に電圧降下が発生する電池が電源101として電子機器100に接続されたとしても、制御部102は、信号処理回路104に適正なマージンを設定することができる。
なお、第1のマージンM1は、電子機器100の動作モードや電子機器100によって行われる動作が変更された場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。また、第1のマージンM1は、電源101である電池の残容量が所定の残容量以下になった場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。電源101である電池の残容量が第1の残容量以下になった場合、制御部102は、第1のマージンM1を設定し直すようにしてもよい。また、電池101である電池の残容量が第1の残容量よりも低い第2の残容量以下になった場合、制御部102は、再び、第1のマージンM1を設定し直すようにしてもよい。この場合、制御部102は、電源101である電池の残容量が第1の残容量以下になった場合と、電源101である電池の残容量が第2の残容量以下になった場合とで、第1のマージンM1の値を異ならせるようにしてもよい。この場合、例えば、電源101である電池の残容量が第2の残容量以下になった場合、制御部102は、第1のマージンM1の値が、電源101である電池の残容量が第1の残容量以下になった場合における第1のマージンM1の値よりも小さくなるようにする。さらに、制御部102は、電源101である電池の残容量が所定値以下になった場合、電子機器100で行われる処理を制限するようにしてもよい。
第1のマージンM1が設定された場合、制御部102は、第1のマージンM1を示す値をRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S205からS206に進む。
S206において、制御部102は、第1の供給電圧と第2の供給電圧との誤差を検出する。第1の供給電圧は、現時点で、電源101から信号処理回路104に供給される電圧である。第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第1のマージンM1、第2のマージンM2及び第3のマージンM3のいずれか一つが加算されたデータを用いて設定される信号処理回路104への供給電圧である。
電源101が電池である場合、第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第1のマージンM1が加算された値を用いて、設定される信号処理回路104への供給電圧である。また、電源101がACアダプタである場合、第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第2のマージンM2が加算された値を用いて、設定される信号処理回路104への供給電圧である。また、電源101が外部電源装置である場合、第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第3のマージンM3が加算された値を用いて、設定される信号処理回路104への供給電圧である。
制御部102は、特性データに第1のマージンM1、第2のマージンM2及び第3のマージンM3のいずれか一つが加算されたデータを用いて、センサ106を駆動させ、第1の供給電圧と、第2の供給電圧との誤差を検出する。センサ106は、信号処理回路104に供給されている電圧のリングオシレータの回転数と、特性データに第1のマージンM1、第2のマージンM2及び第3のマージンM3のいずれか一つが加算されたデータのリングオシレータの回転数とを比較する。制御部102は、センサ106からの比較結果として、誤差eを示すデータを供給される。誤差eの値は、百分率によって示される。
制御部102は、センサ106から供給される誤差eを示すデータをRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S206からS207に進む。
S207において、制御部102は、S206で検出された誤差eに応じて、信号処理回路104に供給する供給電圧Vaを設定する。制御部102は、以下の式(1)を用いて、信号処理回路104に供給する供給電圧Vaを算出する。
Va=Vc*(1+e/100) (1)
式(1)のVaは、信号処理回路104に供給する電圧を示す。式(1)のVcは、現時点で、信号処理回路104に供給されている電圧を示す。式(1)のeは、S206によって検出された誤差eを示す。
制御部102は、算出された供給電圧Vaを示すデータをRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S207からS208に進む。
S208において、制御部102は、電源101が電池であるか否かを検出する。制御部102によって、電源101が電池であると検出された場合(S208でYes)、本フローチャートは、S208からS209に進む。制御部102によって、電源101が電池でないと検出された場合(S208でNo)、本フローチャートは、S208からS216に進む。
S209において、制御部102は、第1の制御処理を行う。制御部102は、電源101から供給される電圧がS207において検出された供給電圧Vaになるように制御されてから信号処理回路104に供給されるようにする。電源101が電池である場合、外部電源装置やACアダプタに比べて、大きな負荷を加えることができない。このため、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変更する場合、制御部102は、信号処理回路104に供給電圧Vaを供給するために、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。さらに、制御部102は、信号処理回路104に供給する電圧を電圧Vaに変化させるまでの間隔が長くなるようにする。なお、電源101である電池から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧の変化量を「変化量V1」と呼び。なお、電源101である電池から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧を変化量V1分変化させるまでの時間を「時間T1(第1の時間)」と呼ぶものとする。なお、電池から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、制御部102は、タイマー107により計測される時間が時間T1に達するまでの間、信号処理回路104に供給される電圧が変化量V1分変化するようにするための制御を行う。
なお、制御部102は、電源101である電池の残容量に応じて、変化量V1及び時間T1の少なくとも一つを設定し直してもよい。なお、制御部102は、電源101である電池の残容量が第3の残容量以下である場合、ますます大きい負荷をかけることができなくなる。このため、制御部102は、電源101である電池の残容量が第3の残容量以下である場合の変化量V1が、電源101である電池の残容量が第3の残容量以下でない場合の変化量V1よりも小さくなるように、変化量V1の値を設定してもよい。また、制御部102は、電源101である電池の残容量が第3の残容量以下である場合の時間T1が、制御部102は、電源101である電池の残容量が第3の残容量以下でない場合の時間T1よりも長くなるように、時間T1の値を設定してもよい。
制御部102によって、第1の制御処理が行われた場合、本フローチャートは、S209からS210に進む。
S210において、制御部102は、電源101の種類が変更されたか否かを検出する。電源101の種類が変更されたと検出された場合とは、例えば、電池が電源101である場合にACアダプタまたは外部電源装置が電子機器100に接続された場合や、電池が電源101である場合に電池が電子機器100から取り外された場合である。制御部102によって、電源101の種類が変更されたと検出された場合(S210でYes)、本フローチャートは、S210からS201に戻る。制御部102によって、電源101の種類が変更されていないと検出された場合(S210でNo)、本フローチャートは、終了する。
S211において、制御部102は、電源101がACアダプタであるか否かを検出する。制御部102によって、電源101がACアダプタであると検出された場合(S211でYes)、本フローチャートは、S211からS212に進む。制御部102によって、電源101がACアダプタでないと検出された場合(S211でNo)、本フローチャートは、S211からS213に進む。
S212において、制御部102は、電源101がACアダプタである場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧の第2のマージンM2を設定する。制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧が電子機器100の動作に必要な電圧を下回らないようにするために、第2のマージンM2を設定する。第2のマージンM2は、ACアダプタから信号処理回路104に供給される電圧の最小値と、ACアダプタから信号処理回路104に供給される電圧の最大値との範囲である。なお、第2のマージンM2の値は、リングオシレータの回転数によって示される。第2のマージンM2が小さければ小さいほど、必要以上の電圧が信号処理回路104に供給されなくなるため、電子機器100の消費電力を低減させることができる。電源101がACアダプタである場合、信号処理回路104への電圧の供給が安定して行える。
このため、制御部102は、第2のマージンM2が第1のマージンM1よりも大きくなるように設定し、第2のマージンM2が第3のマージンM3以上になるように設定する。さらに、制御部102は、最も消費電力が高い動作が電子機器100によって行われる際に、信号処理回路104に供給するための電圧に応じて、第2のマージンM2を設定するようにしてもよい。なお、この際、電子機器100によって行われる動作に必要な電圧に対して、信号処理回路104に供給される電圧が第1の電圧以上大きい場合、制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧を低下させるように制御してもよい。さらに、この場合、制御部102は、低下させた分の電圧によって、電子機器100に接続される電池の充電を行うようにしてもよい。
なお、制御部102は、電子機器100によって起動動作が行われた際に、第2のマージンM2の設定を1回行い、ACアダプタと電子機器100との接続が切断されるまで、第2のマージンM2の再設定を行わないようにしてもよい。
また、第2のマージンM2は、電子機器100の動作モードや電子機器100によって行わる動作が変更された場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。
第2のマージンM2が設定された場合、制御部102は、第2のマージンM2を示す値をRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S212からS206に進む。
S213において、制御部102は、電源101が外部電源装置であるか否かを検出する。制御部102によって、電源101が外部電源装置であると検出された場合(S213でYes)、本フローチャートは、S213からS214に進む。制御部102によって、電源101が外部電源装置でないと検出された場合(S213でNo)、本フローチャートは、S213からS215に進む。
S214において、制御部102は、電源101が外部電源装置である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧の第3のマージンM3を設定する。制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧が電子機器100の動作に必要な電圧を下回らないようにするために、第3のマージンM3を設定する。第3のマージンM3は、外部電源装置から信号処理回路104に供給される電圧の最小値と、外部電源装置から信号処理回路104に供給される電圧の最大値との範囲である。なお、第3のマージンM3の値は、リングオシレータの回転数によって示される。第3のマージンM3が小さければ小さいほど、必要以上の電圧が信号処理回路104に供給されなくなるため、電子機器100の消費電力を低減させることができる。電源101が外部電源装置である場合、外部電源装置が電子機器100に電力を供給する給電モードである場合、外部電源装置から信号処理回路104への電圧の供給が安定して行える。
制御部102は、電源101である外部電源装置の電力供給能力に応じて、第3のマージンM3を設定する。このため、制御部102は、第3のマージンM3が第1のマージンM1以上になるように設定し、第3のマージンM3が第2のマージンM2以下になるように設定する。制御部102は、外部電源装置が供給することができる電力が所定の電力以上である場合、第3のマージンM3の値が第2のマージンM2の値に近づくように設定する。また、制御部102は、外部電源装置が供給することができる電力が所定の電力以上でない場合、第3のマージンM3の値が第1のマージンM1の値に近づくように設定する。
この際、電子機器100によって行われる動作に必要な電圧に対して、信号処理回路104に供給される電圧が第2の電圧以上大きい場合、制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧を低下させるように制御してもよい。さらに、この場合、制御部102は、低下させた分の電圧によって、電子機器100に接続される電池の充電を行うようにしてもよい。
なお、制御部102は、電子機器100によって起動動作が行われた際に、第3のマージンM3の設定を1回行い、外部電源装置と電子機器100との接続が切断されるまで、第3のマージンM3の再設定を行わないようにしてもよい。
また、第3のマージンM3は、電子機器100の動作モードや電子機器100によって行わる動作が変更された場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。また、第3のマージンM3は、電源101である外部電源装置の動作モードや動作が変更された場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。
第3のマージンM3が設定された場合、制御部102は、第3のマージンM3を示す値をRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S214からS206に進む。
S215において、制御部102は、電源101の種類を検出できなかった場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを設定する。電源101の種類が検出できなかった場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを以下「第4のマージンM4」と呼ぶ。制御部102は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧が電子機器100の動作に必要な電圧を下回らないようにするために、第4のマージンM4を設定する。第4のマージンM4は、電源101から信号処理回路104に供給される電圧の最小値と、電源101から信号処理回路104に供給される電圧の最大値との範囲である。なお、第4のマージンM4の値は、リングオシレータの回転数によって示される。第4のマージンM4が小さければ小さいほど、必要以上の電圧が信号処理回路104に供給されなくなるため、電子機器100の消費電力を低減させることができる。
電源101の種類が検出できない場合、電源101から信号処理回路104への電圧の供給が安定して行えない可能性がある。このため、制御部102は、第4のマージンM4が第2のマージンM2、第3のマージンM3及び第1のマージンM1よりも小さくなるように設定する。
また、第4のマージンM4は、定期的に制御部102によって設定し直されるようにしてもよい。また、第4のマージンM4は、電源101から供給される電圧が第3の電圧以下になった場合、制御部102によって再び設定し直されるようにしてもよい。
第4のマージンM4が設定された場合、制御部102は、第4のマージンM4を示す値をRAM108に記録する。この場合、本フローチャートは、S215からS206に進む。
S216において、制御部102は、電源101がACアダプタであるか否かを検出する。制御部102によって、電源101がACアダプタであると検出された場合(S216でYes)、本フローチャートは、S216からS217に進む。制御部102によって、電源101がACアダプタでないと検出された場合(S216でNo)、本フローチャートは、S216からS218に進む。
S217において、制御部102は、第2の制御処理を行う。制御部102は、電源101から供給される電圧がS207において検出された供給電圧Vaになるように制御されてから信号処理回路104に供給されるようにする。電源101から信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変更する場合、制御部102は、信号処理回路104に供給電圧Vaを供給するために、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。さらに、制御部102は、信号処理回路104に供給する電圧を電圧Vaに変化させるまでの間隔に応じて、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。なお、電源101であるACアダプタから信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧の変化量を「変化量V2」と呼ぶ。なお、電源101であるACアダプタから信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧を変化量V2分変化させるまでの時間を「時間T2(第2の時間)」と呼ぶものとする。なお、ACアダプタから信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、制御部102は、タイマー107により計測される時間が時間T2に達するまでの間、信号処理回路104に供給される電圧が変化量V2分変化するようにするための制御を行う。電源101がACアダプタである場合、電池に比べて、大きな負荷を加えることができる。このため、変化量V2は、変化量V1よりも大きくなり、時間T2は、時間T1よりも短くなる。
制御部102によって、第2の制御処理が行われた場合、本フローチャートは、S217からS210に進む。
S218において、制御部102は、電源101が外部電源装置であるか否かを検出する。制御部102によって、電源101が外部電源装置であると検出された場合(S218でYes)、本フローチャートは、S218からS219に進む。制御部102によって、電源101が外部電源装置でないと検出された場合(S218でNo)、本フローチャートは、S218からS220に進む。
S219において、制御部102は、第3の制御処理を行う。制御部102は、電源101から供給される電圧がS207において検出された供給電圧Vaになるように制御されてから信号処理回路104に供給されるようにする。電源101から信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変更する場合、制御部102は、信号処理回路104に供給電圧Vaを供給するために、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。さらに、制御部102は、信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変化させるまでの間隔に応じて、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。なお、電源101である外部電源装置から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧の変化量を「変化量V3」と呼び。なお、電源101である外部電源装置から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧を変化量V3分変化させるまでの時間を「時間T3(第3の時間)」と呼ぶものとする。外部電源装置から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、制御部102は、タイマー107により計測される時間が時間T3に達するまでの間、信号処理回路104に供給される電圧が変化量V3分変化するようにするための制御を行う。
電源101が外部電源装置である場合、外部電源装置の電力供給能力に応じて、大きな負荷を加えることができる。このため、外部電源装置が供給することができる電圧が第4の電圧以上である場合、変化量V3は、変化量V1よりも大きくなり、変化量V3は、変化量V2以下となる。外部電源装置が供給することができる電圧が第4の電圧以上である場合、時間T3は、時間T2よりも長く、時間T3は、時間T1以下となる。また、外部電源装置が供給することができる電圧が第4の電圧以上でない場合、変化量V3は、変化量V1以下となり、変化量V3は、変化量V2よりも小さくとなる。外部電源装置が供給することができる電圧が第4の電圧以上でない場合、時間T3は、時間T2よりも長く、時間T3は、時間T1以下となる。
制御部102によって、第3の制御処理が行われた場合、本フローチャートは、S219からS210に進む。
S220において、制御部102は、第4の制御処理を行う。制御部102は、電源101から供給される電圧がS207において検出された供給電圧Vaになるように制御されてから信号処理回路104に供給されるようにする。電源101から信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変更する場合、制御部102は、信号処理回路104に供給電圧Vaを供給するために、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。さらに、制御部102は、信号処理回路104に供給する電圧を供給電圧Vaに変化させるまでの間隔に応じて、信号処理回路104に供給する電圧を段階的に変化させる。なお、電源の種類が検出されていない電源101から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧の変化量を「変化量V4」と呼ぶ。この場合、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、信号処理回路104に供給する電圧を変化量V4分変化させるまでの時間を「時間T4」と呼ぶものとする。この場合、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を変更する場合、制御部102は、タイマー107により計測される時間が時間T4に達するまでの間、信号処理回路104に供給される電圧が変化量V4分変化するようにするための制御を行う。
電源101の種類が検出されていない場合における電源101には、電池と同様に、大きな負荷を加えることができない。このため、変化量V4は、変化量V1以下であり、変化量V4は、変化量V2よりも小さくなる。さらに、時間T4は、時間T2よりも長く、時間T4は、時間T1以下となる。なお、電源101の種類が検出されていない場合、制御部102は、電源101から供給される電圧に応じて、信号処理回路104に電圧を供給する処理を変更しないようにする。
制御部102によって、第4の制御処理が行われた場合、本フローチャートは、S220からS210に進む。
図2の制御処理において、S215の処理が行われてからS206の処理が行われる場合、第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第4のマージンM4が加算された値を用いて設定される信号処理回路104への供給電圧となる。
次に、図3を用いて、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合を一例とした場合について説明を行う。図3の(a)には、電源101が電池である場合に、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の変化量V1と時間T1との関係が示される。図3の(b)には、電源101がACアダプタである場合に、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の変化量V2と時間T2との関係が示される。図3の(c−1)には、電源101が外部電源装置である場合で、外部電源装置の電力供給能力が高い場合に、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の変化量V3と時間T3との関係が示される。図3の(c−2)には、電源101が外部電源装置である場合で、外部電源装置の電力供給能力が低い場合に、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の変化量V3と時間T3との関係が示される。図3の(d)には、電源101の種類を検出することができなかった場合に、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の変化量V4と時間T4との関係が示される。
この場合、時間T1は、時間T2よりも長く、時間T4とほぼ同一の時間となる。また、変化量V1は、変化量V2よりも小さく、変化量V4とほぼ同一の電圧となる。
図3に電源101から信号処理回路104に供給する電圧を降下させる場合の例を示したが、電源101から信号処理回路104に供給する電圧を上昇させる場合も同様であるものとする。
なお、制御部102は、電源101の種類が電池、ACアダプタ及び外部電源装置のいずれか一つであるか否かを検出するようにした。しかし、これに限られないものとする。例えば、制御部102は、電源101の種類が無線給電を行う給電装置であるか否かをさらに検出するようにしてもよい。
この場合、例えば、電源101が外部電源装置でないと検出された場合(S213でNo)、制御部102は、電源101が無線給電を行う給電装置であるか否かを検出するものとする。制御部102は、電源101が給電装置である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを設定する。電源101が給電装置である場合に、信号処理回路104に供給する供給電圧のマージンを以下「第5のマージンM5」と呼ぶ。第5のマージンM5は、給電装置から信号処理回路104に供給される電圧の最小値と、給電装置から信号処理回路104に供給される電圧の最大値との範囲である。なお、第5のマージンM5の値は、リングオシレータの回転数によって示される。第5のマージンM5が小さければ小さいほど、必要以上の電圧が信号処理回路104に供給されなくなるため、電子機器100の消費電力を低減させることができる。
この場合、制御部102は、給電装置の電力供給能力に応じて、第5のマージンM5を設定する。この場合、制御部102は、給電装置の電力供給能力を検出するために、電源101が給電装置であると検出した場合、給電装置がどの給電方式に対応しているか否かを判定する。この場合、制御部102は、給電装置が電磁誘導による給電方式に対応しているか否かと、給電装置が電波による給電方式に対応しているか否かと、給電装置が電磁界共鳴による給電方式に対応しているか否かとを判定することができる。制御部102は、給電装置が電磁界共鳴による給電方式に対応している場合、給電装置が電磁誘導による給電方式に対応している場合よりも、給電装置の電力供給能力が高いと判定する。例えば、制御部102は、給電装置が電磁界共鳴による給電方式に対応している場合、第5のマージンM5が、第1のマージンM1以上になるように設定し、第3のマージンM3以下になるように設定し、第2のマージンM2以下になるように設定する。なお、電源101が給電装置である場合に、信号処理回路104に供給するための電圧を制御するための処理は、例えば、S209で行われる第1の制御処理と同様の処理であるものとする。
この場合に、S206の処理が行われる場合、第2の供給電圧は、S203に読み出された特性データに第5のマージンM5が加算された値を用いて設定される信号処理回路104への供給電圧となる。
このように、実施例1に係る電子機器100は、電子機器100に電力を供給する電源の種類に応じて、特定の動作を行うために用いられる信号処理回路104に供給する電圧を制御するようにした。
これにより、電池が電子機器100に電力を供給する場合、電子機器100での消費電力を低減させるように信号処理回路104に供給する電圧を制御することができる。さらに、この場合、電池の負荷を考慮しながら、信号処理回路104に供給する電圧を変更するように制御することもできる。このため、電子機器100は、低消費電力を実現しながら、電池に負荷をかけることなく、信号処理回路104を用いた特定の動作を行うことができる。
また、ACアダプタが電子機器100に電力を供給する場合、電子機器100での消費電力の大きい動作を保証するように、信号処理回路104に供給する電圧を制御することができる。このため、電子機器100は、信号処理回路104を用いた特定の動作をスムーズに行うことができる。
また、外部電源装置が電子機器100に電力を供給する場合、外部電源装置の電力供給能力に応じて、信号処理回路104に供給する電圧を制御することができる。このため、電子機器100は、外部電源装置の電力供給能力に応じて、信号処理回路104を用いた特定の動作をスムーズに行うことができる。
なお、実施例1に係る電子機器100は、信号処理回路104に供給する電圧を電源101の種類に応じて、制御するようにしたが、信号処理回路104以外の回路に供給する電圧も電源101の種類に応じて、制御するようにしてもよい。
さらに、実施例1に係る電子機器100は、信号処理回路104に含まれるトランジスタの性能を示す特性データを用いて、信号処理回路104に供給する電圧を制御するようにしたが、これに限られないものとする。例えば、電子機器100は、信号処理回路104に含まれるトランジスタ以外の回路素子の性能を示す特性データを用いて、信号処理回路104に供給する電圧を制御するようにしてもよい。また、電子機器100は、信号処理回路104に含まれるトランジスタの性能を示すデータ及び信号処理回路104に含まれるトランジスタ以外の回路素子の性能を示す特性データを用いて、信号処理回路104に供給する電圧を制御するようにしてもよい。
なお、実施例1において、商用電源を直流電源に変換するものを「ACアダプタ」と呼ぶようにしたが、「ACアダプタ」を「電源変換装置」と言い換えてもよいものとする。
[他の実施例]
本発明に係る電子機器は、実施例1で説明した電子機器100に限定されるものではない。本発明に係る電子機器は、例えば、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1において説明した処理、構成、機能及びシステムは、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムによって実現することもできる。この場合、当該コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から当該コンピュータによって読み出され、当該コンピュータで実行される。また、この場合、当該コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。なお、当該コンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置から当該コンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。