JP6048649B2 - 摩擦圧接装置 - Google Patents

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本発明は摩擦圧接装置に係り、詳しくは把持装置により把持された一対の接合部材の間に加熱コイルを挿入して電磁誘導作用により予備加熱し、把持装置を駆動して当該一対の接合部材を互いに突き合わせて摩擦圧接法により接合する摩擦圧接装置に関する。
摩擦圧接法は、接合対象物である一対の接合部材を突き合わせて押圧力(アプセット圧力、フォージ圧力)を作用させながら相対運動を起こさせ、このとき発生する摩擦熱によって接合面を昇温して固相状態のまま接合する方法である。例えば特許文献1の技術では、航空機エンジンの圧縮機又はタービンのロータとして適用される一体型翼車(ブリスク、ブリング)を修理するために摩擦圧接法を用いている。この種の一体型翼車は、ディスクの外周に多数のブレードを一体的に列設して構成されている。何れかのブレードが損傷したときには、破損したブレードを基部から切除した上で、切除後の基部に補修用のブレードを接合することで修理している。
補修用ブレードの接合には線形摩擦圧接法(LFW:Linear Friction Welding)が用いられ、ディスクの基部に対して補修用ブレードを突き合わせて押圧力を作用させながら、直線上で往復動させて基部との間に摩擦熱を発生させて接合している。このような線形摩擦圧接法は一体型翼車の修理のみならず一体型翼車を製造するときにも利用され、ディスクの外周に列設された多数の基部に対して順にブレードを線形摩擦圧接法により接合している。
以上のような摩擦圧接法は他の溶接法に比較して、接合部材の温度上昇を抑制できるため接合部材への熱影響が少なく、また接合箇所の酸化物等が摩擦により余盛として押し出されるので欠陥が発生し難いという長所を有する。その反面、摩擦熱により接合部材の接合箇所を軟化させるには強力な押圧力が必要なため、必然的に堅牢且つ機構的に大掛かりな装置を要して製造コストが嵩むという問題がある。
このような問題の解決策として、事前に接合部材の両方又は一方を誘導加熱により予備的に加熱し(以下、予備加熱という)、その後に摩擦圧接法を実施する手法が提案されている。例えば特許文献2には、回転摩擦圧接法を用いた技術が開示されている。当該技術では、一対の棒状をなす接合部材を突き合わせて周囲を包囲するように加熱コイルを配設し、加熱コイルの電磁誘導作用により当該一対の接合部材の接合部位を予備加熱した後に、両接合部材を相対回転させて接合している。この予備加熱により回転摩擦圧接法の際に要求される押圧力を軽減し、装置の規模の縮小を図っている。さらに当該特許文献2では、融点の異なる接合部材を摩擦圧接するにあたり、まず高融点の接合部材を低融点の接合部材の融点近傍まで予備加熱することによって、接合時に低融点の接合材に大量に生じる余盛の発生を極力抑えることとしている。
このような予備加熱は、線形摩擦圧接法を用いた接合、例えば前記ディスクに対するブレードの接合等にも応用できる。ディスクの基部にブレードを突き合わせた状態では、加熱コイルを配置するスペースの確保が困難である。そこで、まずディスクの基部に対してブレードを離間配置し、両部材の間に加熱コイルを挿入して接合面を予備加熱し、次いで間隙内から加熱コイルを離脱させた後に、ブレードをディスクの基部に突き合わせて線形摩擦圧接法を実施する手順を採ることが考えられる。
特開2009−39746号公報 特開平10−202373号公報
ところで、前記のような加熱コイルによる予備加熱は、双方の接合部材の接合面を均一に目標温度まで昇温させることが重要であり、それぞれの到達温度に誤差が生じたり、接合面の温度分布が不均一になったりした場合には、その後の摩擦圧接が想定した条件の下で行われなくなって接合強度が低下する可能性が生じる。
前記特許文献2のように、まず高融点の接合部材を低融点の接合部材の融点近傍まで予備加熱することで、異なる融点の接合部材における温度分布を均一化する方法も考えられるが、これは少なくとも2度の予備加熱を行う必要があり、工数が増加するという問題が生じる。また、合計の予備加熱時間が増える場合、熱伝導による熱影響範囲の拡大が懸念される。
また、予備加熱時において、それぞれの接合部材の把持治具からの突き出し量や把持治具の形状が異なると、加熱コイルと接合部材の加熱面(接合面)との間に生じる磁場分布が非対称となり、接合部材の加熱面への鎖交磁束数とその分布が一対の接合部材間で異なることとなる。鎖交磁束によって接合部材内に渦電流が発生することでジュール発熱することから、両接合部材間で鎖交磁束数や分布が非対称となれば、発熱密度分布も異なることとなり、両接合部材の温度分布は不均一になる。例えば、両接合部材の突き出し量に数十mmの差が生じただけで予備加熱による温度差が数百℃となる場合もある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、摩擦圧接する以前に行われる予備加熱において、一対の接合部材間における突き出し量や形状、材質等の違いに関わらず、一度の予備加熱により両接合部材の温度分布を適切に調整することができ、理想的な条件で摩擦圧接を行うことができる摩擦圧接装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の摩擦圧接装置では、一対の接合部材を摩擦圧接する摩擦圧接装置であって、前記接合部材を把持し、当該接合部材同士を突き合わせて相対運動させることで摩擦熱を発生させ、押圧力を作用させる把持手段と、前記摩擦圧接を行う以前に、前記一対の接合部材を電磁誘導加熱により予備加熱する誘導加熱手段と、前記一対の接合部材のうちの少なくとも一方の接合部材側に、当該接合部材と交差するようにして設けられ、前記予備加熱中に前記誘導加熱手段により発生する磁気を遮蔽して、当該一対の接合部材の温度分布を調整する磁気遮断手段と、を備え、前記磁気遮断手段は、前記誘導加熱手段に対する前記接合部材における前記把持部又は前記磁気遮断手段からの突き出し量が、前記一対の接合部材で同一になる位置に設けられることで、前記一対の接合部材の温度分布を調整することを特徴としている。
請求項2の摩擦圧接装置では、請求項1において、前記磁気遮断手段は、前記接合部材の外周面と隙間を有して、当該接合部材と交差するようにして設けられていることを特徴としている。
請求項の摩擦圧接装置では、請求項1又は2において、前記磁気遮断手段は、取り外しのために分割可能な板部材であることを特徴としている。
請求項の摩擦圧接装置では、請求項において、前記磁気遮断手段は、分割部分が互いに重なり合う構成をなしていることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明によれば、一対の接合部材を摩擦圧接する以前に電磁誘導加熱により予備加熱する場合において、当該一対の接合部材のうちの少なくとも一方の接合部材側に、当該接合部材と交差するように磁気遮断手段を設けることで、誘導加熱手段により発生する磁気を遮蔽して、当該一対の接合部材の温度分布を調整する。
このように、磁気遮断手段を設けることで、一対の接合部材間における突き出し量や形状、材質等の違いに関わらず、一度の予備加熱で当該一対の接合部材の温度分布を適切に調整することができ、理想的な条件で摩擦圧接を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る摩擦圧接装置を示す全体構成図である。 図1のA−A線に沿う断面を含む部分斜視図である。 (a)図2の矢印Bから視た正面図、(b)図2の矢印Cから視た上面図である。 (a)磁気シールド板の平面図、(b)(a)のD−D線に沿う断面図、(c)磁気シールド板の分離時における断面図である。
以下、本発明を線形摩擦圧接装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の摩擦圧接装置を示す全体構成図、図2は接合部材と加熱コイルとの位置関係を示す部分斜視図である。以下、説明の便宜上、図1の上下方向を上下、図1の左右方向を前後、図1の紙面と直交する方向を左右として規定する。
全体として摩擦圧接装置は、接合対象物である一対の接合部材W1、W2(図1では一方の接合部材W1のみを記載)を把持して線形摩擦圧接法により接合する摩擦圧接部1、及び接合部材W1、W2の接合に先立って加熱コイル8により予備加熱する予備加熱部2から構成されており、装置のベース3上にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、当該接合部材W1、W2は、航空機等に使用されるガスタービンエンジンのディスクの外周に複数設けられるブレードであり、当該摩擦圧接装置は、ディスクから突出しているブレード根元部分の接合部材W1とブレード先端側の接合部材W2とを接合するものとする。
摩擦圧接部1の一対の把持部4a、4b(図1では一方の把持部4aのみを記載)は左右方向に相対向して配置され、それぞれ接合部材W1、W2が脱着可能に把持されている。一対の把持部4a、4b(把持手段)はそれぞれ駆動装置4に支持されており、駆動装置4は線形摩擦圧接法による接合部材W1、W2の接合のために両把持部4a、4bを左右方向及び前後方向に駆動するようになっている。具体的には、左右方向、即ち接合部材W1、W2の両接合面が相対向する方向への駆動は、一対の把持部4a、4bを接近或いは離間させるように行われる。予備加熱後には、把持部4a、4bは図2に示す離間状態から互いに接近し、一対の接合部材W1、W2の接合面を互いに突き合わせて押圧力を作用させ得るようになっている。
また、把持部4a、4bの前後方向、即ち接合部材W1、W2の接合面の長手方向への駆動は、接合部材W1、W2を直線上で相対的に往復動させるように行われ、前記接合面を突き合わせた状態で押圧力を作用させながら両接合部材W1、W2を往復動させることにより、両接合部材W1、W2の接合面に摩擦熱を発生させて接合させ得るようになっている。
なお、本実施形態では一対の把持部4a、4bを共に接離及び往復動させているが、これに限ることはない。例えば何れか一方の把持部4a、4bを固定し、この把持部4a、4bに対して他方の把持部4a、4bを相対的に接離及び往復動させるように構成してもよい。
前記予備加熱部2は摩擦圧接部1の後方位置に配置されている。ベース3上には予備加熱部2の直動ステージ5が設置され、この直動ステージ5上に配設された制御ボックス6が直動ステージ5に沿って前後方向に移送されるようになっている。制御ボックス6からは前方に向けて水平に支持アーム7が延設され、支持アーム7の先端は二股状に分岐して加熱コイル8の両端が接続されている。加熱コイル8は左右方向に延びる螺旋状をなしている。
結果として加熱コイル8は支持アーム7の先端に支持され、加熱コイル8の上下位置は前記予備加熱部2の接合部材W1、W2の高さと一致している。制御ボックス6と共に加熱コイル8は直動ステージ5に沿って移送され、前側のストローク端では、図1に仮想線で示すように把持部4a、4bに把持されている一対の接合部材W1、W2の間に挿入され、後側のストローク端では、実線で示すように一対の接合部材W1、W2の間から後方に離脱するようになっている。
制御ボックス6内には高周波誘導加熱回路が収容され、この高周波誘導加熱回路は電力線9を介して高周波電源10に接続されると共に、ブスバー11を介して前記加熱コイル8と電気的に接続されている。高周波誘導加熱回路は高周波電源10からの電力供給によりブスバー11を通じて加熱コイル8に高周波電流を流す。その結果、加熱コイル8と接合部材W1、W2との間、及び接合部材W1、W2内に磁束が生起され、接合部材W1、W2内の磁束を妨げる渦電流の発生により接合部材W1、W2の接合面が加熱されるようになっている。
また、接合部材W1、W2の予備加熱時には把持部4a、4bからの突き出し量が大きい一方の接合部材W1側に、磁気シールド板12(磁気遮断手段)が設けられる。
詳しくは、図2〜4に基づき、接合部材W1、W2の予備加熱時における両把持部4a、4b間の構成について説明する。
図2には図1のA−A線に沿う断面を含む部分斜視図が示されており、図3(a)には図2の矢印Bから視た正面図、図3(b)には図2の矢印Cから視た上面図がそれぞれ示されている。なお、これらの図において加熱コイル8は図示を簡略化して2つの矩形の環として示している。
図2、3に示すように、左側の把持部4aがブレード根元側の接合部材W1を把持し、右側の把持部4bがブレード先端側の接合部材W2を把持している。
ブレード根元側の接合部材W1は図示しないディスクから突出している基部W1aが左側の把持部4aにより把持されている。当該基部W1aは矩形の先端面を有しており、当該先端面からは断面翼形状をなしたブレード根元部W1bが突き出している。一方、ブレード先端側の接合部材W2は、ブレード根元部W1b先端の接合面と同一の断面翼形状をなしている。また、両接合部材W1、W2は同種の金属からなる。
図3(a)、(b)に示されているように、ブレード根元側の接合部材W1における把持部4aからの突き出し量L1aは、ブレード先端側の接合部材W2における把持部4bからの突き出し量L2aよりも大きい。
この突き出し量の大きい接合部材W1に、当該接合部材W1が突き出している方向と垂直に交差するようにして磁気シールド板12が設けられている。当該磁気シールド板12は、ブレード根元側の接合部材W1における当該磁気シールド板12からの突き出し量L1bが、ブレード先端側の接合部材W2の突き出し量L2aと同一になる位置(L1b=L2a)に設けられている。
磁気シールド板12は電気伝導体であり、加熱コイル8からの磁束を遮断する。当該磁気シールド板12が設けられていることで、加熱コイル8からの磁束は、当該磁気シールド板12表面において生じる渦電流により、当該磁気シールド板12裏面側の接合部材W1及び把持部4aへと向かうのが遮られる。当該磁気シールド板12の厚さは、把持部4a側への磁束を十分に遮ることができるよう、表皮効果における表皮深さの2倍から4倍程度にすることが好ましい。また、表皮深さは透磁率に応じても変化することから磁気シールド板12を磁性材としてより薄い磁気シールド板としても良い。
ここで図4を参照すると、図4(a)には磁気シールド板の平面図、図4(b)には図4(a)のD−D線に沿う断面図、図4(c)には磁気シールド板の分離時における断面図がそれぞれ示されている。
当該図4(a)に示すように、磁気シールド板12は、長方形の板の中央に接合部材W1の断面形状に合わせた孔13が形成されている。当該孔13の開口縁は、接合部材W1の外周面と隙間を有しており、つまりは接合部材W1の断面積よりも大きい開口面積をなしている。この隙間の間隔は、例えば予備加熱や摩擦圧接により接合部材W1及び磁気シールド板12が熱膨張した場合にも、当該接合部材W1及び磁気シールド板12が接触しない程度に設定されている。
また、磁気シールド板12は、長手方向に沿った分割面を有し、磁気シールド板12の幅方向(上下方向)に分離可能な第1板部12a及び第2板部12bから構成されている。
図4(b)(c)に示すように分割部分の断面を視ると、第1板部12aの分割面には凹部14aが形成され、第2板部12bの分割面には凸部14bが形成されており、当該凹部14aと凸部14bとが嵌合することで磁気シールド板12は一体をなしている。
当該磁気シールド板12は、接合部材W1、W2の予備加熱を行う際には、図示しない支持部材を介して例えば把持部材4aに接続され、ブレード根元側の接合部材W1と交差するよう配置される。そして摩擦圧接終了後に、第1板部12aと第2板部12bとに分離して取り外される。
次に、以上のように構成された線形摩擦圧接装置による接合部材W1、W2の接合作業を説明する。
まず、直動ステージ5上で制御ボックス6を後方に移送して加熱コイル8を退避位置に切り換えた上で、摩擦圧接部1の両把持部4a、4bを互いに離間させて接合部材W1、W2を把持させる。そして、ブレード根元側の接合部材W1における磁気シールド板12からの突き出し量L1bが、ブレード先端側の接合部材W2の突き出し量L2aと同一になる位置に磁気シールド板12を設置する。
この状態で直動ステージ5に沿って制御ボックス6を前方に移送して加熱コイル8を挿入位置に切り換える。当該加熱コイル8は、図3(a)、(b)に示すように、接合部材W1、W2のそれぞれの接合面と加熱コイル8との間隔が等しくなるよう、両接合面間の中央位置に配置される。
次いで、高周波誘導加熱回路により加熱コイル8に高周波電流を流し、接合部材W1、W2の接合面を予備加熱する。予備加熱時の電流値及び予備加熱の継続時間は、予め試験により求められた値に基づき制御される。
このとき、磁気シールド板12が設置されていることで加熱コイル8に対する左右の接合部材W1、W2の突き出し量は等しくなるよう調整されており、当該左右の接合部材W1、W2の断面形状及び材質も同じであることから、磁束変化によってそれぞれの接合部材W1、W2に誘起される渦電流による発熱密度分布はほぼ等しくなり、誘導加熱による温度分布もほぼ等しくなる。また、磁気シールド板12は、加熱による熱変形を考慮して接合部材W1の外周面と隙間を有していることから、予備加熱により磁気シールド板12及び接合部材W1が膨張等しても接合部材W1に悪影響を及ぼすことはない。
予備加熱を完了すると、制御ボックス6を直動ステージ5に沿って後方に移送する。加熱コイル8は一対の接合部材W1、W2の間から離脱して退避位置に切り換えられる。その後に駆動装置4により両把持部4a、4bを互いに接近方向に駆動し、それぞれの接合部材W1、W2の接合面を突き合わせた上で押圧力を作用させ、両把持部4a、4b材を直線上で逆方向に往復動させる。これにより一対の接合部材W1、W2の接合面の間に摩擦熱が発生し、接合面が軟化して接合可能な温度に到達すると、一対の接合部材W1、W2を予め設定された相対位置で停止させてアプセット圧力(フォージ圧力)を加えて接合する。
接合部材W1、W2が接合した後は、磁気シールド板12を第1板部12aと第2板部12bとに分離して取り外し、把持部4a、4bの把持を解除する。以上で一連の圧接作業が完了する。
このように本実施形態の線形摩擦圧接装置によれば、一対の接合部材W1、W2の把持部4a、4bからの突き出し量L1a、L2aが異なっており、予備加熱による温度分布が非対称となる場合に、突き出し量の大きい一方の接合部材W1側に磁気シールド板12を設けることで、予備加熱中に加熱コイル8により発生する磁気を遮断して、当該一対の接合部材W1、W2の温度分布を調整することができる。
具体的には、当該磁気シールド板12を設けて、加熱コイル8に対する突き出し量L1b、L2aを一対の接合部材W1、W2で等しくすることで、一度の予備加熱により、温度分布を等しくすることができる。これにより、予備加熱による一対の接合部材W1、W2の温度差を最小限に抑えることができ、その後の摩擦圧接を理想的な条件で行うことができることとなる。
また、磁気シールド板12は、孔13の開口縁が接合部材W1の外周面と隙間を有し、互いに接触しないよう構成されており、当該磁気シールド板12は第1板部12a及び第2板部12bに分離可能であることから、当該磁気シールド板12の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
さらに、磁気シールド板12の分割面においては、図4(b)、(c)に示したように、凹部14aと凸部14aが嵌合し、当該分割部分が互いに重なり合うように結合している。これにより、磁気シールド板12を分割したことによる当該磁気シールド板12における電気抵抗の増加にともなう渦電流の減少を軽減することができ、分割構造による磁気遮断の効率の低下を抑制することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態における接合部材W1、W2は同種の金属及び同種の接合面形状をなしているが、異種金属であったり、接合面形状が異なることにより、予備加熱による温度分布が非対称となる場合にも適用することができる。例えば一対の接合部材のうち昇温しやすい又は融点の低い接合部材側、場合によってはそれらの反対側に、磁気シールド板を設けることで、昇温し難い又は融点の高い接合部材と温度分布を調整することができる。
また、上記実施形態では、把持部4aからの突き出し量L1aの大きい接合部材W1側にのみ磁気シールド板12を設けているが、それぞれの接合部材側に磁気シールド板を設けて予備加熱による温度分布の調整を図っても構わない。
また、上記実施形態における接合部材W1、W2はガスタービンエンジンのディスクとし、線形摩擦圧接法による接合について説明したが、接合部材及び摩擦圧接法はこれに限られるものではない。例えば、軸形状又は筒形状の接合部材を突き合わせ、相対回転させることで摩擦熱を発生させる摩擦圧接法にも適用することができる。また、加熱コイルを離脱させることなく、予備加熱と同時期に摩擦圧接を開始することのできる摩擦圧接法にも適用することができる。
さらに、上記実施形態では把持部4a、4bを左右に配置し、当該把持部4a、4bにより接合部材W1、W2が前後方向を断面長手方向として把持されているが、把持部材及び接合部材等の配置はこれに限られるものではなく、接合部材を摩擦圧接法により接合可能であれば他の配置であってもよい。
また、上記実施形態では、摩擦圧接による接合後に磁気シールド板12を取り外しているが、予備加熱後に加熱コイルの離脱とともに磁気シールド板12を取り外しても構わない。
また、上記実施形態における磁気シールド板12は長方形の板部材であるが、磁気遮断手段はこれに限られるものではない。例えば、円形の板部材であったり、断面形状が波形をなした板部材であったり、メッシュ材等であっても構わない。
1 摩擦圧接部
2 予備加熱部
4 駆動装置
4a、4b 把持部(把持手段)
8 加熱コイル
12 磁気シールド板(磁気遮断手段)
12a 第1板部
12b 第2板部
13 孔
14a 凹部
14b 凸部

Claims (4)

  1. 一対の接合部材を摩擦圧接する摩擦圧接装置であって、
    前記接合部材を把持し、当該接合部材同士を突き合わせて相対運動させることで摩擦熱を発生させ、押圧力を作用させる把持手段と、
    前記摩擦圧接を行う以前に、前記一対の接合部材を電磁誘導加熱により予備加熱する誘導加熱手段と、
    前記一対の接合部材のうちの少なくとも一方の接合部材側に、当該接合部材と交差するようにして設けられ、前記予備加熱中に前記誘導加熱手段により発生する磁気を遮蔽して、当該一対の接合部材の温度分布を調整する磁気遮断手段と、
    を備え
    前記磁気遮断手段は、前記誘導加熱手段に対する前記接合部材における前記把持部又は前記磁気遮断手段からの突き出し量が、前記一対の接合部材で同一になる位置に設けられることで、前記一対の接合部材の温度分布を調整することを特徴とする摩擦圧接装置。
  2. 前記磁気遮断手段は、前記接合部材の外周面と隙間を有して、当該接合部材と交差するようにして設けられていることを特徴とする請求項1記載の摩擦圧接装置。
  3. 前記磁気遮断手段は、取り外しのために分割可能な板部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の摩擦圧接装置。
  4. 前記磁気遮断手段は、分割部分が互いに重なり合う構成をなしていることを特徴とする請求項記載の摩擦圧接装置。
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