JP6047402B2 - ヒトの母乳を搾り出すための装置及び方法 - Google Patents

Description

本発明は請求項１の前提部によるヒトの母乳を搾り出すための装置、請求項１２の前提部による真空ポンプ、及び請求項１４の前提部によるヒトの母乳を搾り出すための装置の操作方法に関する。

ヒトの母乳を搾り出すための装置は良く知られている。原則として、２つの異なるタイプがある。第一の装置のタイプは、手動操作がなされるものであり、すなわち搾出操作に必要な陰圧が、真空ポンプの手動作動により発生する。第二のタイプの装置では、真空ポンプを電力供給ネットワークに接続することを可能にし、及び／又は、蓄電池若しくは他のエネルギーアキュムレーターによって操作することを可能にして、真空ポンプは電気的に操作される。この例には、ＷＯ９６／２２１１６、ＵＳ２００９／００９９５１１、ＵＳ２００８／０２８７０３７、ＵＳ７０９４２１７、及びＵＳ２００８／００３９７８１が含まれる。

前記真空ポンプは乳房シールドに直接又は真空ラインを通じて接続される。乳房シールドは、乳首を含む母親の乳房の一部を受けるための漏斗状部を通常は有している。一般に、前記漏斗状部はある部分と合体する。その部分は、空洞の円柱状であり、第一に真空ポンプが直接に又は吸引ラインを通じてその部分に接続され、第二にその部分は同様に直接に又は乳ラインを通じて乳収集容器に接続される。乳房シールドを乳房のサイズに応じて選択することが知られている。特に、母親によって漏斗状部のサイズの選択を可能にした乳房シールドセットが知られている。

比較的小さな乳房シールドもまた、先行技術において知られている。ＵＳ６３７９３２７は、「ハンズフリー」搾出装置と呼ばれる持ち運び可能なものを開示している。この文脈において、「ハンズフリー」とは、一度スイッチをオンにすると、搾出装置の全てが手を使わずに機能することを意味する。すなわち、ポンプも乳房シールドも手で持つ必要が無い。ＵＳ３２７では、この目的のために、小さな漏斗状の乳房シールドが、ストラップを用いて乳房に固定される。第一のラインが、乳房シールドから真空ポンプにつながり、ベルトに保持される。第二の管は、乳房シールドから乳収集容器内につながり、それは同じベルトに保持することができる。

ＷＯ０２／１０２４３７とＷＯ２００８／１３７６７８は、同様に「ハンズフリー」搾出装置を示している。ここでは、乳房シールドは、それぞれのケースにおいてポンプの筐体に統合され、同時に陰圧を発生させるための隔膜としての役割を果たしている。

ＵＳ９４９４１４は、ブラジャーの下に配置され得る漏斗状部の乳房シールドを開示している。真空が付与されるのではなく、管が、乳房シールドから、管を吸うことにより所望の乳を得ることを意図する赤ちゃんに導かれている。

ＵＳ６４４０１００は、ブラジャーの下に着用可能な小さい乳房シールドを備えた母乳を搾り出すための装置を示す。乳管は、乳房シールドから乳収集容器につながる。乳収集容器は、真空管を通じて真空源へ接続される。陰圧が乳管を通じて乳房シールドに付与され、乳収集容器は、真空源によって空にされる。乳収集容器内に行き渡る陰圧によって、搾り出された乳は、乳管を通じて今度は乳収集容器へ入っていく。代替手段として、乳収集容器それ自体を真空ポンプとして用いることもできる。前記装置は、比較的大きな容積の乳収集容器が同様に空にされる必要があるという不利益を有している。その「死容積」は、装置の性能を制限すると考えられる。

本発明の目的は、ヒトの母乳を搾り出すための改良された装置と改良された方法を提供することである。

この目的は、請求項１の特徴を有する装置、請求項１２の特徴を有する真空ポンプ、及び請求項１４の特徴を有する方法により達成される。

ヒトの母乳を搾り出すための本発明による装置は、母親の乳房にあてるための乳房シールド、真空を発生させるための真空ポンプ、乳房シールドをポンプチャンバーに接続し、発生した真空を乳房シールドへ送るライン（line）、及びチャンバーを有する。ラインのポンプ側は前記チャンバーにおける第一のポートで終わる。本発明によれば、チャンバーは乳収集容器に接続するための第二のポートを有している。チャンバーの２つのポートは、流体連結により互いに接続される。搾出操作の間、ラインは乳房シールドで搾り出された母乳をチャンバーへ移送するための乳ラインを形成する。乳は、続いてチャンバーから乳収集容器へ運ばれる。

ヒトの母乳を搾り出すための装置を操作する本発明による方法において、真空が真空ポンプによって乳房シールド内に発生し、発生した真空がチャンバーからラインを通じて乳房シールドへ導かれ、搾り出された乳は乳房シールドを通じて乳収集容器へ導かれる。本発明によれば、搾出操作の間、真空の伝送に用いられた同じラインが、乳房シールドにおいて搾り出された乳をチャンバーへ運び、搾出操作の間、乳はさらにチャンバーから乳収集容器に運ばれる。

それ故に、前記装置は最初の空気圧ポンピングシステムから水圧ポンピングシステムへと変化し、同じラインが使用される。この場合において、搾り出された乳は、乳房からさらに乳を搾り出すための作動流体としての役割を果たす。さらに、既に搾り出された前記乳は乳房シールドを暖め、これは母親に心地よさを与える。

本発明による装置及び本発明による方法では、たとえ乳収集容器が乳房シールドに直接配置されていなくても、一つの管接続のみが必要とされる。それ故に、前記装置はまた「ハンズフリー」装置として構成され、使用される。乳房シールドは、小さく設計することができ、ブラジャーの中に固定できる。その一つだけのラインは、衣服の中に別個に隠すことができる。

システム全体が乳で溢れ、典型的な意味での真空ラインはもはや存在しないため、乳を搾り出すために、より低いポンピング力が必要とされる。空気出力の典型的な値は、最大で５００ｍｌ／ｍｉｎであり、乳出力の典型的な値は、最大で１００ｍｌ／ｍｉｎである。それ故に、真空ポンプはより小さく、より軽く構成することができる。これは、すなわち、見る者に対してより目立たないことを意味する。母親は前記真空ポンプをより控えめに使用できる。さらに、より小さなポンピング力しか要求されないため、使用している間、真空ポンプはより静かであり、それはすなわち快適さと控えめさを増加させる。

システム全体が、すなわち真空ポンプのポンピングユニット側又は駆動部側の領域以外のシステム全体が、乳で溢れ、空気で満たされたデッドスペースが非常に小さな部分のみしか存在しないため、どのようなものであれ付加された真空は、より簡単に制御することができる。乳房シールドに存在する陰圧はまた、真空ポンプで発生する真空により早く対応する。

前記乳ラインは様々な方法で実現できる。好ましい実施形態において、間仕切り壁が存在し、これが真空ポンプ駆動部とラインを互いに分離している。結果として、チャンバーは間仕切り壁によって乳房シールド側領域と駆動部側領域とに分離される。その２つの領域は互いに完全に分離され、隔壁を通じてのみ互いに連絡する。それ故、乳は真空ポンプの駆動部側領域に入り込むことがなく、また駆動部側領域からの汚れや空気が乳誘導ラインに入り込まず、よって乳房シールドにも乳収集容器にも入り込まないことが保証される。前記間仕切り壁は、好ましくは隔壁である。

好ましい実施形態において、前記隔壁が駆動されて、搾り出された乳を運搬する役割を果たす。結果として、乳は、乳房シールド、乳収集容器、及び真空ポンプの互いの相対位置から独立して、搾り出すことができる。母親は、例えば横になっていてさえ搾乳できる。母親は、屈んでさえよく、一般に非常に自由に動いてよいため、これは特に「ハンズフリー」の実施形態において最適である。

非常に幅広い種類の真空ポンプが、本発明の真空伝送及び乳誘導ラインと共に用いることができる。必須ではないが好ましくは、一つの隔壁が、乳の移送と媒体の分離の両方の各ケースにおいて用いられる。

真空ポンプは好ましくは隔壁ポンプであり、チャンバーは真空ポンプの真空発生ポンプチャンバーであり、隔壁は真空発生のために用いられるポンプチャンバーの隔壁である。

乳房シールドによってヒトの母乳を搾り出す、本発明による好ましい真空ポンプは、駆動部及び駆動部により周期的に駆動される隔壁を有し、その隔壁はチャンバー内に配置されて、チャンバーを駆動部側部分と乳房シールド側部分とに分離し、その乳房シールド側部分は乳房シールドへの接続を作り出す真空ポートを有している。本発明によれば、チャンバーの乳房シールド側部分は、さらに乳収集容器への接続を作り出す乳ポートを備えており、真空ポートと乳ポートは、チャンバーの乳房シールド側部分を通じて流体連結によって互いに連結される。好ましくは、前記真空ポンプは隔壁ポンプであり、チャンバーは真空発生ポンプチャンバーである。

前記真空ポンプは、上述した真空伝送及び乳誘導ラインを備えて良いが、必須ではない。前記真空ポンプにおいて、前記乳房シールドをチャンバーの第一のポートに直接接続することもまた可能である。

好ましい実施形態において、真空ポンプは電気隔壁ポンプである。この場合、隔壁ポンプにおける隔壁は、好ましくは、乳の駆動推進と間仕切り壁としての役割を果たす上述した隔壁を形成する。隔壁の駆動は、好ましくは同時にポンプチャンバー内に真空を発生させ、乳の流れを運ぶ役割を果たす。隔壁の３つの機能によって、真空はより良く制御され得る。

隔壁は、好ましくは実質的に円形の輪郭を有している。隔壁は、好ましくはその中心領域において駆動され、好ましくはその中心において駆動される。

駆動システムとして例えば平面コイル、又は移動コイルを有する、他のタイプの隔壁ポンプもまた、用いることができる。隔壁のない代替ポンプもまた使用しても良い。さらに、手動ポンプを使用しても良い。

好ましくは、チャンバーと乳収集容器の間に接続を作り出す、逆止めバルブ又は他の一方向バルブが存在する。結果として、乳収集容器への接続は、残りのシステムが既に乳でできるだけ完全に満たされたとき、又はチャンバー内に十分に大きな圧力が存在するときにのみ開かれる。空気に満たされた、生じ得る死容積による真空ポンプの重負荷は、さらにここでまた防がれる。第二のポートとそれ故にまたバルブは、真空ポンプの操作の正確な位置で、底に配置される。バルブはチャンバーの乳房シールド側領域に配置され、その領域はまたライン側領域とも呼ばれる。それに対して、第一のポートはチャンバーの上部領域に配置されることが好ましい。結果として、チャンバーからの空気は乳収集容器に導かれ、システム内において空気に満たされた死容積及び気泡が防がれる。

本発明による装置及び本発明による方法は、すべてのタイプの乳房シールドとともに用いることができる。しかしながら、死容積をここでまたできる限り小さく維持するため、小さな乳房シールドを用いることが好ましい。

乳首と最大でも乳輪のみを取り囲む乳房シールドを用いることが好ましい。前記乳房シールドは、例えばブラジャーに保持できるというように「ハンズフリー」システムにおいて簡単に用いられるだけでなく、その小さいサイズによって空気に満たされた領域をもほとんど有しない。小さなサイズは、より小さなパワーしか要求せず、それ故により静かに操作できるため、真空ポンプに肯定的な効果をもたらす。さらに、前記理由のため、前記真空ポンプはまた、より小さくすることができる。

さらに、このタイプの乳房シールドは、シールド内で乳房の組織の動きを少なくできるという利点を有している。結果として、乳房シールドは、その組織によりぴったりと密着することができる。より小さなポンピング力が結果として要求される。ポンプは、さらにより小さく、より静かに操作できるように設計され得る。

本発明によれば、この装置は、ヒトの母親の乳房の形にそれ自体最適に適合し、それ故に必要に応じて乳房にきつい又はより緩いきつさの結合を作り出す乳房シールドを有する。

本発明によるこのような乳房シールドは、管状コネクターとその上に一体的に形成され、母親の乳房上に置くことを意図された漏斗状部を有している。漏斗状部は、コネクターから離れるその自由な側へ向けて広っている。また、漏斗状部の乳房側端部から前記乳房側端部の反対側のコネクターのポンプ側端部まで連続的に延び、母親の乳房に真空を与えて搾り出された母乳を流れ出させる通路がある。本発明によると、漏斗状部は、コネクターよりも柔軟に設計され、通路の第一開口角を有する、その長さの大部分を超えて延びる主領域を有し、通路の第二開口角を有する、乳房側端部領域を備えている。使用しないときは、第一開口角は、第二開口角よりも小さく、使用する状態において、少なくとも第一開口角は、乳房シールドの軸方向の圧力によって拡大され得る。

前記乳房シールドはまた、母乳を搾り出すための他の装置でも使用でき、真空伝送と乳運搬を同時に行うラインの使用、又は上述したチャンバーでの使用に限定されない。

公知の乳房シールド及び赤ちゃんの天然の吸い付きとは対照的に、このタイプの乳房シールド内の乳首は、通例その長さの２．５倍にまで伸びない。これは、母親にとっては、特に乳首に痛みがある場合に、喜ばしい。

使用しないとき、乳房シールドの第一開口角の典型的な値は５°以下（５°より小さいか又は等しい）であり、第二開口角のそれは９０°〜１６０°である。使用中は、付与される軸方向の圧力次第で、少なくとも第二開口角は１２０°まで、好ましくは１６０°まで広げることができる。

漏斗状部は、好ましくは５ｍｍから４０ｍｍの乳房側直径と、１０ｍｍから４０ｍｍの長さを有し、それ故に使用状態において、乳首と最大で乳輪が乳房シールドによって囲まれる。乳房組織の乳管は、好ましくは乳房シールドに囲まれない。

コネクターと漏斗状部の間には、好ましくは、通路の第三開口角を備えた移行領域が存在しており、第三開口角は装置が使用されないときは第一開口角よりも大きい。

第三開口角の典型的な値は、６０°から１５０°である。

主領域は、好ましくは移行領域に直接隣接する。末端領域もまた、好ましくは主領域に直接隣接する。

好ましい実施形態において、コネクターは漏斗状部の壁厚よりもずっと大きい壁厚を有している。追加又は代替として、コネクターはまたずっと大きなショア硬さを有する材料からなるものとして良い。

コネクターと漏斗状部の間の移行領域において、好ましくはコネクターの外周上へ突き出す外側止め部が存在する。

もし、コネクターの外周が、漏斗状部に向かって円錐状に広がるように設計されると、コネクターは、凹部に容易に挿入することができる。

本発明による前記乳房シールドは、好ましくはシリコーンから製造され、好ましくは３０から７０のショアＡ硬さを有している。漏斗状部は、約５０のショアＡ硬さを有することが好ましい。コネクターは、約７０のショアＡ硬さを有することが好ましい。

前記比較的小さくコンパクトな乳房シールドを容易に手で持つことができるように、接続部を乳房シールドセットに備えることが好ましい。接続部は密閉形式で乳房シールドコネクターを受ける役割を果たし、前記接続部は円筒状のデザインで、コネクターを受けるためのブラインドホールが形成されるように、底部によって一方の側が閉じられている。流体連結によって乳房シールドの通路に接続されるポート開口部が存在する。

組み立てられた状態で、乳房シールドから離れたコネクターの端部側は、接続部の底部から離れて終わることが好ましい。ポート開口部は、接続部に偏心状に配置されることが好ましい。

もし、ポート開口部が接続部の上部領域に配置され、接続部が「こちら側が上」を示す印を備えているならば、搾出操作中において、接続部における残気泡が防止され、空気に満たされた死容積が排除される。

円錐形のコネクターをより容易に挿入可能にするために、接続部のブラインドホールもまた、底に向かって直径がテーパー状になっている。

接続部は、堅い設計にすることが好ましく、これはコネクターの挿入を容易にし、安定性を向上させる。それ故に、その部分は、より持ちやすく、又は固定し易くなり得る。

・真空伝送及び乳運搬ライン
・３つの機能を備えたポンプチャンバー隔壁
・小さいデザインで死容積を防ぐ乳房シールド
の３つの要素の組み合わせによる結果、極端に小さく、静かで、さらにどのようなタイプでの使用、特に「ハンズフリー」での使用に最適な装置が得られる。

方法のさらなる有利な実施形態及び変形例は、従属項に示される。

本発明の好ましい実施形態は、以下に図面を参照して説明されるが、それは単なる説明であって、限定して解釈されるべきものではない。図において、同じ部分には同じ符号を付与している。
図１は、本発明による装置の第一実施形態の分解図であり、真空ポンプの側壁は描かれていない。 図２は、使用のために組み立てられた図１による装置を示し、真空ポンプの側壁は描かれていない。 図３は、第一の側面から見た真空ポンプの分解図を示す。 図４は、第二の側面から見た図３の真空ポンプを示す。 図５は、使用のために組み立てられた図３による真空ポンプを示しているが、側壁は備えられていない。 図６は、本発明による装置の第二実施形態を示し、真空ポンプの側壁は描かれていない。 図７ａは、ヒトの乳房に比較的大きな接触圧でとりつけた、本発明による乳房シールドの縦断面図である。 図７ｂは、ヒトの乳房により小さな接触圧でとりつけた、図７ａの本発明による乳房シールドの縦断面図である。 図８は、第一実施形態における接続部を備えた、図７ｂの乳房シールドの縦断面図である。 図９は、第二実施形態における接続部の縦断面図である。 図１０は、第三実施形態における接続部の縦断面図である。 図１１は、図８による接続部の縦断面図である。 図１２は、第三実施形態におけるポンプユニットを備えた本発明による装置の一部の分解図である。 図１３は、図１２による装置の一部の縦断面図である。 図１４は、第一実施形態における、図１２によるポンプユニットの縦断面図である。 図１５は、第二実施形態におけるポンプユニットの縦断面図である。

図１から５は、本発明による装置の第一実施形態を示している。前記装置は、真空ポンプ１、第一のライン２、接続部３，乳房シールド４、逆止めバルブ５，第二のライン６、及び乳収集容器７を有している。

乳房シールド４は、接続部３と第一の柔軟ライン２を通じて真空ポンプ１に接続している。第二の柔軟ライン６は、真空ポンプ１から乳収集容器７へ接続し、前記接続部には逆止めバルブ５が設けられる。２つの柔軟ライン２，６は、好ましくはチューブであり、特にシリコンからなるものである。

図６において説明されるように、乳収集容器７はまた、もう一つの方法として、真空ポンプ１に直接固定しても良い。この目的のために、乳収集容器７上に適切な形状のアダプター７０があることが好ましく、前記アダプターは、真空ポンプの筐体１０に着脱可能に接続される。

真空ポンプ１は、上述した筐体１０を有しており、図において筐体１０の側壁は図示されていない。その結果、筐体１０の内部を見ることができる。これは図３〜５において容易に見ることができる。筐体１０には電気モータ１１がある。前記電気モータは、主電源及び／又はバッテリーにより操作され得る。

動力転送部１２は、ここではモータに接続するピストン棒であり、モータの回転運動を直線運動に転送する。接続棒１２は、その第二端部で隔壁１４に接続されている。隔壁１４は、ポンプチャンバーの一部を形成する、筐体１０の凹部１１２に配置されている。筐体１０に着脱可能に接続されるカバー１３は、その位置で隔壁１４を固定する。

前記駆動部の代わりに、他のタイプの駆動部、特に手動駆動のものも用いることができる。

カバー１３は、好ましくは筐体１０にねじ止めされる。その他のタイプの接続もまた可能である。カバー１３は、前記カバーがポンプチャンバーの第二の部分を形成するように、凹部１３３もまた有している。ポンプチャンバーの２つの部分は隔壁１４によって互いに分離されている。カバー１３は一つの部品又はいくつかの部品によって形成することができる。

隔壁ポンプの操作の原理は、よく知られているため、ここでは詳細について説明しない。駆動手段によって、ここではモータ１１と接続棒１２によって、隔壁は、周期的に往復運動し、ポンプチャンバーの乳房シールド側又はカバー側部分に、陰圧が発生する。ここで説明した駆動部に変えて、隔壁１４を周期的に運動させるために適切な他のタイプの駆動部もまた使用可能である。ポンプと制御要素の操作に必要な電子装置はここでは説明しない。公知の手段を使用して良い。ポンプは時間的に一定の周期で操作でき、又は従来知られているように、吸引カーブの形状、頻度、及び強さを、赤ちゃんの吸引行動及び／又は母親の要求に合わせることができる。

カバー１３において、言い換えればバルブプレートにおいて、第一の排気口１３０があり、これは環境をポンプチャンバーのカバー側部分につなぐ。前記排気口１３０は、第一のライン２のための第一のポートとしての役割を果たす。第二の排気口１３１は、これもまたポンプチャンバーのカバー側部分と乳房シールド側部分を環境にそれぞれつなげ、第二のポートとして設計されている。前記第二のポートには、逆止めバルブ５が備えられている。ここではカモノハシバルブが使用され、これはコネクターにプラグ接続される。しかしながら、他のタイプのバルブもまた使用できる。

もし装置が使用されるなら、乳房シールド４は少なくとも乳首を取り囲むように母親の乳房に配置される。好ましくは、最大で乳輪が追加的に乳房シールド４によって取り囲まれる。真空ポンプ１は公知の方法で電源が入れられ操作される。ポンプチャンバーで発生した真空は第一のライン２から空気を抜き、乳房シールド４に陰圧が生じる。結果として、母親の乳房から乳が搾乳され、乳房シールド４と接続部３を通過して、第一のライン２に入る。乳は第一のポート１３０を通過してポンプチャンバーのカバー側部分に流れ込む。搾られた乳はポンプチャンバーから出て第二のポート１３１と逆止めバルブ５を通過し、第二のライン６を経由して（図２参照）、あるいは実施形態によっては直接に（図６参照）、乳収集容器に入り込む。それ故に、乳を移送するための別個のラインは存在しない。第一のライン２が吸引ラインと乳移送ラインとしての役割を同時に果たす。従って、初期の空気式のポンプ動作の後、装置は水力式のポンプ動作に変わる。これは赤ちゃんの自然な吸引に一層近いものである。

ポンプチャンバーの隔壁１４は３つの機能を有している。第一に、それは隔壁真空ポンプの隔壁を形成し、それによってポンプチャンバーに真空を発生する。第二に、それはポンプチャンバーのポンプ側部分における空気と、ポンプチャンバーのカバー側部分における乳の間の間仕切り壁としての役割を果たす。それ故に、それは分離媒体の手段としての役割を果たす。その結果、それは乳がポンプユニットへ入り込み得ることを防止する。しかしながら、それはまたポンプユニットからの汚れが第一及び第二のライン２，６へ入り込み得ることも防止する。第三に、ポンプチャンバーにおける前記隔壁の周期運動が、隔壁による乳の運搬と移送をもたらす。隔壁１４の前記第三の機能によって、搾乳の間、乳収集容器７、乳房シールド４、及び真空ポンプ１は、お互いに独立した位置に配置することができる。例えば、乳収集容器７は、真空ポンプ１及び／又は乳房シールド４の上に配置させることができる。真空ポンプ１はまた乳収集容器７及び／又は乳房シールド４の上に配置して良い。これにより母親は寝そべっている間でさえも搾乳可能となり、あるいは座っている場合に、乳収集容器７と真空ポンプ１を棚や小さい子供の手が届かない他の高い台に置くことができる。

図１から６の例では、０〜３００ｍｍＨｇの陰圧が好ましくは発生する。ポンピングの周期は、毎分５から１２０サイクルにすることが好ましい。

逆止めバルブ５は、十分な圧力がある時、すなわちポンプチャンバーが十分に乳に満たされている時にのみ開くことが好ましい。その結果、排除されるべき死容積を、最小限に保つことができる。

さらに、乳首を囲むのみで、残りの乳房は全く囲まないか、又はできるだけ小さい部分しか囲まない小さい乳房シールド４を用いることで、死容積を低減させることができる。本発明による適切な乳房シールド４が、図面に示されている。前記乳房シールドとその接続部３は、図７〜１１において容易に見ることができる。

図７ａは、女性の乳房Ｂに当てられた本発明による乳房シールド４を示している。乳房シールド４は、コネクター４０，漏斗状部４２、及びこれら２つに接続する移行領域４４を有している。コネクター４０と漏斗状部４２の間には、好ましくは、半径方向外側に突出するフランジ４１がある。連続する通路４３は、乳房シールド４全体を通じて延び、それは２つの対向する端部で開口するように設計されている。乳房シールド４は、好ましくは回転対称に設計されている。

乳房シールド４は、一つの部品として設計されることが好ましい。それは、通常はプラスチック、好ましくはシリコーンからなる。

コネクター４０は、固形の設計で、言い換えれば比較的堅いデザインであり、接続部３への接続の役割を果たす。それは漏斗状部４２の壁厚よりもずっと大きな壁厚を有している。この例において、コネクター４０は、その外周において円錐形のデザインをしており、回転対称に設計することが好ましい。円錐形状（conicity）は、接続部３への挿入を容易にし、さらに接続部３への接続の密着性を増加させる。その材料により接続部においてわずかに圧迫されるコネクター４０によって、さらに密着性が得られる。この目的のため、コネクター４０の外側の直径は、接続部３の内側の直径よりもわずかに大きくしてある。コネクター４０の典型的な外側の直径は、８ｍｍから４０ｍｍである。典型的な長さは、５ｍｍから４０ｍｍである。

漏斗状部４２は母親の乳房を受ける役割を果たす。前記漏斗状部は、非常に柔軟に構成することが好ましい。それは実質的にコネクター４０よりもより柔軟で柔らかいデザインになっている。その柔軟性により、前記漏斗状部はその形状を乳房の形状に適合させることができる。それはここではコネクター４０の壁厚よりもずっと薄い壁厚を有している。もう一つの方法として、コネクター４０と漏斗状部４２はまた同じ壁厚を有していても良く、この場合、コネクター４０はより大きなショア硬さを有する材料から作られるか又は補強を有することが好ましい。漏斗状部４２は、約５０のショアＡ硬さを有することが好ましく、コネクター４０は、約７０のショアＡ硬さを有することが好ましい。

図８は、使用されていないときの乳房シールド４を示している。漏斗状部４２は、主領域４２０と前方の乳房シールド側端部領域４２１の少なくとも２つの領域を有している。使用されていないとき、主領域４２０は第一開口角α_１を有し、端部領域は第二開口角α_２を有している。第一開口角α_１は、第二開口角α_２よりも小さい。さらに、壁面は、端部領域４２１において外側に折れ曲がっていることが好ましい。図７ａ及び７ｂに見ることができるように、第一開口角α_１は、端部領域４２１が最適に乳房の形状に適合できるように、乳房上の軸方向の接触圧により拡大されることができる。

図に見られるように、主領域４２０は、端部領域４２１に直接接している。他の端部において、主領域４２０は、移行領域４４に直接接している。

移行領域４４には、さらに第三開口角α_３があり、これはまた主領域４２０の第一開口角α_１よりも大きい。前記第一開口角は主領域のための、角度を広げるための予め決定された値としての役割を果たす。

使用されていないときの角度は、好ましくは第一開口角α_１が５°以下（α_１≦5°）、第二開口角α_２が９０°〜１６０°、第三開口角α_３が６０°〜１５０°である。使用されるとき、少なくとも第一開口角α_１は１０°の角度まで広げられ得る。

漏斗状部４２は、１０ｍｍから４０ｍｍまでの長さＬを有する。前端部領域の直径Ｄは、好ましくは５ｍｍから４０ｍｍであり、より好ましくは２０ｍｍから４０ｍｍである。結果として、それは乳首と最大でさらに乳輪の一部又は全部を取り囲む小さなサイズになっている。これは、赤ちゃんにより口に入れられる乳房部分にだいたい一致する。漏斗状部４２は、コネクター４０の領域で円錐台（frustoconical）に設計され、前記漏斗状部は乳房に向かって開口している。前方、すなわちその乳房側の縁は、コネクター側部分よりもより大きく外側に広がっている。

乳房シールド４又は少なくとも漏斗状部４２は柔軟に構成されるため、母親は接触圧を選択することにより、実際に乳房シールド４により乳房をどの程度囲むかを自分で選択することができる。接触圧は、漏斗状部４２への軸方向の圧力と母親の乳房からの反対圧力から生み出される。図７ａにおいて、接触圧は比較的大きく、漏斗状部４２は拡張されている。また、図７ｂでは、圧力はより小さく、漏斗状部４２は単に乳首を取り囲んでいる。接触圧を選択することにより、乳房への密着性もまた、調整することができ、それ故に搾出操作は母親にとってできるだけ心地よいように調整できる。

図８に見ることができるように、乳房シールド４は接続部３に差し込まれている。接続部３はまた、小さく、しかし可能な限り堅く構成することが好ましい。前記接続部は、その外周においては円筒状に設計することが好ましく、その内周においては円錐台又は円錐にすることが好ましい。それはＵ字型の断面、すなわち一つの端部で開口し、他の端部で閉じる設計になっている。それ故、ブラインドホールが存在し、これに乳房シールド４のコネクター４０を係止部４１まで押し込むことができる。図８において、乳房シールド４はまだ完全には押し込まれていない。しかしながら、見ての通り、完全に押し込まれた状態では、コネクター４０の端部と接続部３の後壁との間には隙間があり、その隙間は通路４３から接続部３のポート開口部３１への液体通路を形成することがわかる。

前記ポート開口部３１は、第一のライン２の接続のための役割を果たす。第一のライン２は、ここに差し込まれるだけでも良いし、接続部３に固定的に接続されても良いし、あるいは、第一のライン２へ接続するための例えばコネクターなどのプラグイン又はプラグオン手段があっても良い。

ポート開口部３１は、異なる場所に設けても良い。図８では、それは接続部３の後壁の上部領域に配置されている。図９では、それは後壁の中央に配置されている。図１０では、ケーシングに配置されているが、後壁に近い後部領域に配置されている。好ましくはそれはまた上部領域に配置される。図１１は再度、乳房シールド４が差し込まれていない、図８による状況を示している。

もし、ポート開口部３１が最上部に配置されると、接続部３の残留空気が乳と共に吸引されて死容積は再度低減する。使用状態において、乳房シールド４と接続部３はもはやどのような空気チャンバーも有しない。その隙間（clearances）は、もしまだ存在すれば、乳で満たされる。ポート開口部３１が、使用中に実際に上方を向くように、相応の印が、例えば接続部３上に示され得る。

図１２〜１４は、他の実施形態を示している。吸引ライン２はここでも乳ラインを形成する。搾り出された乳は、乳房側で乳房シールド４から第一のラインを通じてチャンバー８へ移送され、そこからさらに乳収集容器７へ移送される。さらに、隔壁１４’は、ここでもチャンバー８内に配置され、隔壁はチャンバー８を乳房シールド側領域と、駆動側又はユニット側領域に分離している。

しかしながら、前記隔壁１４’は、今度は前の例におけるような真空ポンプの隔壁ではなく、追加の隔壁である。しかしながら、前述同様に、それは媒体を分離する機能を有し、使用中に乳で満たされる乳房シールド側部分８１と、陰圧を有して、空気で満たされるユニット又はポンプ側部分８０の間の間仕切り壁の役割を果たす。さらに、前述同様に、隔壁１４’は、周期的に動く。これについては後述する。結果として、乳房シールド４、真空ポンプ９、及び乳収集容器７の互いの相対的位置に関わりなく、それは乳を乳房シールド４から乳房シールド側部分８１を通じて乳収集容器７へ移送する。そのシステムはこの場合も、空気ポンプから水圧ポンプへと変化する。

ここで示される隔壁１４’は、円形の輪郭を有しており、隔壁は横方向に突出する翼１４０’を有している。ここでは３つの翼１４０’がある。次に、真空ポンプハウジングの一部であって良い底板１０’は、側方係止部１１０’を有し、その間に前記翼１４０’が保持される。結果として、隔壁１４’はチャンバー８の明白な場所に保持することができる。これは組み立てを容易にする。前記翼はまた、図１〜１１を参照して説明される実施形態でも用いることができる。

ここで説明された実施形態は、分離隔壁ポンプであり、ここではポンプユニット９と称されている。隔壁１４’は、真空ライン１２’を通じてポンプユニット９に接続され、真空ライン１２’において周期的に変化する圧力に基づいて、ポンプユニット９により駆動される。

カバー１３’は、第一のライン２及び第二のライン６のためと、乳収集容器７のそれぞれのための２つのポート１３０’及び１３１’を有している。しかしながら、この場合、第二のポート１３１’はまた、逆止めバルブ５を備えることが好ましい。次に、ポンプ筐体１０の一部になって良い反対プレート（counterplate）への接続は、好ましくはスナップ取り付け方式又はねじ接続によって行われ、対応する穴に図１２の符号１３２’と１１１が付けられている。

本発明によるポンプユニット９は、今度は図１４において容易に見ることができる。それは、好ましくは金属又はプラスチックから製造される筐体９０を有している。筐体９０は、好ましくは立方体のデザインを有している。平らな鉄心９１１とそれに取り付けられた永久磁石９１が、筐体９０の一つの側に配置される。鉄心９１１は、永久磁石９１がハウジングの凹部に位置するように、筐体９０に置かれる。永久磁石９１は２つの部分からなり、これらの部分の間に凹部９１０が存在するように、これらは互いに離されている。

同一の構成物がハウジングの反対側にも存在する。鉄心９１１とこれに取り付けられた永久磁石９１がここにもまた配置される。

周囲にコイル９２１を巻き付けた平坦なコイル形成部９２は、互いに対向する前記２つの永久磁石９１の間に延びる。コイル形成部９２は、実質的に棒形状又は板形状のデザインである。一端において、それは案内軸受９３内に固定された位置に保持される。案内軸受９３は、筐体９０に対して、またそれ故に筐体９０の縦軸に沿う永久磁石９１に対して、コイル９２１を含むコイル形成部９２と一緒に置き換え可能である。この目的のため、筐体９０は、滑り軸受９００を有している。コイル形成部９２の動きは、図１４において両方向矢印によって示されている。

コイル形成部９２の他の端部は、ここでは真空隔壁９４と見なされる隔壁に固定的に接続される。真空隔壁９４は、筐体９０の前面端部に当接し、筐体９０とバルブプレート９５の間で堅く締め付けられる。隔壁９４はコイル形成部９２からポンプチャンバー９６を分離する。真空隔壁９４は、円形の輪郭を有することが好ましく、それは好ましくは隔壁真空ポンプの隔壁にとって慣例の形状を有している。バルブプレート９５は、筐体９０とカバー９９の間に保持される。前記３つの部分は、好ましくは、互いに着脱可能又は着脱不可能な方法で堅く接続され、例えばねじ止めにされる。対応する穴には、カバー９９において、参照番号９９１が付されている。カバー９９は、ポンプチャンバー９６に接続する真空ライン１２’のためのポート開口部９９０を有している。カバー９９の空気吸い込み開口部９９２もまたバルブプレート９５を通じて、その環境をポンプチャンバー９６に接続している。バルブプレート９５は、隔壁真空ポンプにとって慣例のバルブ、吸い込み口、及び排気口を備えている。これらはここでは詳細に説明しない。

交流電流がコイルを流れると、電磁場が変化し、コイル形成部９２は永久磁石９１に対して相対的に移動する。コイル形成部９２はピストン又はラムのように作動し、真空隔壁９４を周期的に往復移動させる。この場合、真空隔壁９４に作用する力は、コイルに付与される電流に比例する。真空隔壁９４の運動によって、周期的に変化する真空が、ポンプチャンバー９６において作られる。圧力の前記変化は、真空ライン１２’を通じてチャンバー８へと伝えられ、隔壁１４’が似たように運動する。

それ故に、ポンプユニット９の真空隔壁９４は、電磁的に発生した直線運動により駆動される。他の慣例の回転駆動に比較すると、その運動は、より静かで振動と固体伝搬音の発生がより少なく、有利である。先行技術とは大きく異なり、ストロークの長さを変えることができる。それは、電子的に制御できる。これは、低い真空レベルでさえも正確な制御を可能にする。

ストロークの長さを特定の方法で制御可能にするために、コイル形成部９２の変位と位置がそれぞれ監視される。位置及び／又は運動センサがこの目的のために用いられる。この例では、これは位置目盛を検出する光学センサによって行われる。位置目盛９２０は、好ましくはコイル形成部９２上に設けられる。光源９７は、その光をコイル形成部９２の長手軸方向に対して垂直に反対側の検出器９８へ送り、前記光は位置目盛９２０を通過する。コイル形成部は、その領域において透明である。光源９７と検出器９８は、好ましくは永久磁石９１の凹部９１０に配置される。他の種類の位置測定も可能である。測定された信号は、真空ポンプの電子制御部へ送られ、前記信号に応じてコイルに電流が付与される。結果として、位置、偏位振幅、及び頻度は、互いに独立して制御できる。通常０〜３００ｍｍＨｇの真空値が得られる。頻度は通常毎分０〜１５０サイクルである。

代替として、案内軸受９３に変えて、真空隔壁９４と類似する又は同一のデザインの第二の隔壁を設けても良い。これによって、筐体９０内におけるコイル形成部９２の誘導とそれ故直線運動もまた確実にする対称の構造が得られる。さらに、第二の隔壁を、真空を作るのに使用することもでき、流量を増やすことができる。

図１５は、隔壁の直線駆動の動きを電子的に発生させる真空ポンプのさらなる実施形態を示す。上述した平坦なコイルとは大きく異なり、ここでは可動コイルが用いられる。磁石とコイルは、それぞれ環状又は円筒状のデザインである。筐体９０’もまた存在する。永久磁石９１’が乳房シールドから離れた可動コイルの後端部で保持される。前記永久磁石を鉄心９１１’が通り抜け、鉄心は永久磁石９１’の第一の端部に当接する。永久磁石９１’の反対側の端部には鉄輪９１２’が当接する。コイル形成部９２’は、鉄心９１１’の周囲に係合し、前記鉄心により軸方向に誘導される。コイル形成部９２’は、鉄心９１１’と永久磁石９１’又は鉄輪９１２’の間に延びる。前記コイル形成部は、永久磁石９１’と鉄輪９１２’のそれぞれに接触することなく誘導される。巻きコイル９２１’は、この領域においてコイル形成部９２’を取り囲む。

ここでもまた、コイル形成部９２’は、真空隔壁９４’に固定的に接続し、真空隔壁９４’の直線駆動のためのピストンとして作動する。ポンプチャンバーには、参照番号９６’が付与され、バルブプレートには参照番号９５’が付与され、カバーには参照番号９９’が付与されている。ポート開口部は参照番号９９０’を有し、空気吸い込み開口部は参照番号９９２’を有している。真空を制御するためにここでもまた、やはり位置センサがあり、センサはマグネット９１’に対するコイル形成部９２’の位置と、それ故に真空隔壁９４’の動きと位置のそれぞれを、制御装置に伝える。光源はここで参照番号９７’によって示され、検出器は９８’によって、位置目盛は９２０’によって示される。位置目盛は、位置目盛は、透明のデザインであることが好ましい。前の例とは大きく異なり、前記センサはここでは永久磁石９１’の領域の外側に配置される。

図１２〜１５を参照して説明される２つの真空ポンプは、公知の乳房ポンプにおいても使用できる。すなわち、例えば真空ポンプと乳房シールド間の吸引ラインが乳の流れから分離されたシステムにおいて使用できる。

上述した実施形態の要素は、さらなる実施形態を構成するために、個々に又はグループで互いに組み合わせることができる。

１ 真空ポンプ
１０ ハウジング
１１ モータ
１１０’ 側方係止部
１１１，１１１’ 穴
１１２ 凹部
１２ 力伝達ユニット
１２’ 真空ライン
１３，１３’ カバー
１３０，１３０’ 第一のポート
１３１，１３１’ 第二のポート
１３２，１３２’ 穴
１３３，１３３’ 凹部
１４，１４’ 隔壁
１４０’ 側方翼
２ 第一のライン
３ 接続部
３０ 基本体
３１ ポート開口部
４ 乳房シールド
４０ コネクター
４１ 係止部
４２ 漏斗状部
４２０ 主領域
４２１ 移行領域
４３ 通路
４４ 移行領域
５ 逆止めバルブ
６ 第二のライン
６０ バルブキャップ
７ 乳収集容器
７０ アダプター
８ ポンプチャンバー
８０ 駆動側チャンバー部
８１ 乳房シールド側チャンバー部
９，９’ ポンプユニット
９０，９０’ ハウジング
９００ 滑り軸受
９１，９１’ 永久磁石
９１０ 凹部
９１１，９１１’ 鉄心
９１２’ 鉄輪
９２，９２’ コイルを備えたコイル形成部
９２０，９２０’ 位置目盛
９２０，９２１’ コイル
９３ 案内軸受
９４，９４’ 真空隔壁
９５，９５’ バルブプレート
９６，９６’ ポンプチャンバー
９７，９７’ 光源
９８，９８’ 検出器
９９，９９’ カバー
９９０ ポート開口部
９９１ 穴
９９２ 空気吸い込み開口部
Ｂ 乳房
Ｄ 漏斗状部の末端領域の直径
Ｌ 漏斗状部の長さ
α_１ 第一開口角
α_２ 第二開口角
α_３ 第三開口角

Claims (16)

1. ヒトの母乳を搾り出すための装置であって、前記装置は、母親の乳房にあてる乳房シールド（４）、真空を発生させる真空ポンプ（１，９，９’）、前記真空ポンプ（１，９，９’）を前記乳房シールド（４）に接続し、発生した真空を前記乳房シールド（４）へ移送することを意図されたライン（２）、及びチャンバー（１３３，１１２；８）を有し、前記ライン（２）のポンプ側は、前記チャンバー（１３３，１１２；８）の第一のポート（１３０，１３０’）で終わり、前記チャンバー（１３３，１１２；８）は、乳収集容器（７）へ接続するための第二のポート（１３１，１３１’）を有し、前記チャンバー（１３３，１１２；８）の２つのポート（１３０，１３０’，１３１，１３１’）は、流体連結によって互いに接続され、搾出操作の間、前記ライン（２）は前記乳房シールド（４）において搾り出された母乳を前記チャンバー（１３３，１１２；８）へ移送するための乳ラインを形成し、
   前記装置は、当初の空気圧ポンピングシステムから水圧ポンピングシステムへと変化し、当該両システムは、同一の前記ライン（２）を使用し、絞り出された乳を、乳房からさらに乳を絞り出すための前記水圧ポンピングシステムの作動流体として使用し、
   前記チャンバー（１３３，１１２；８）を駆動部側領域（１１２，８０）と乳房側領域（１３３，８１）に分離する隔壁（１４，１４’）が備えられ、前記第一及び第二のポート（１３０，１３０’，１３１，１３１’）が前記乳房シールド側領域（１３３，８１）に配置され、
   前記隔壁（１４，１４’）が搾り出された乳を運ぶために、駆動され、設計される
   ことを特徴とするヒトの母乳を搾り出すための装置。
2. 前記真空ポンプ（１）が隔壁ポンプであり、前記チャンバー（１３３，１１２）が前記真空ポンプ（１）のポンプチャンバーであり、前記隔壁（１４’）が前記チャンバー（１３３，１１２）を、上述の２つの領域に分離する請求項１に記載の装置。
3. 前記隔壁（１４）の駆動が、前記ポンプチャンバー（１３３，１１２）における真空の発生と、乳の流れの運搬を同時に行う役割を果たす請求項１又は２に記載の装置。
4. 前記隔壁（１４，１４’）が実質的に丸い輪郭を有する請求項１〜３のいずれかに記載の装置。
5. 前記隔壁（１４，１４’）が、その中央領域、好ましくはその中央で駆動される請求項１〜４のいずれかに記載の装置。
6. 前記第二のポート（１３１，１３１’）に、吸引された乳が前記乳収集容器（７）から前記チャンバー（１３３，１１２；８）へ流れ戻ることを防止する一方向弁（５）を備えた請求項１〜５のいずれかに記載の装置。
7. 前記乳房シールド（４）が管状コネクター（４０）とその上に一体的に形成されて母親の乳房上に置かれることを意図される漏斗状部（４２）を有し、前記漏斗状部（４２）は前記コネクター（４０）から離れるその自由な側に向かって広がり、通路（４３）があり、この通路は前記漏斗状部（４２）の乳房側端部から前記コネクター（４０）の、前記乳房側端部の反対側のポンプ側端部まで連続して延び、かつ母親の乳房に真空を適用して、搾り出された母乳を流れ出させるための役割を果たし、前記漏斗状部（４２）は前記コネクター（４０）よりも柔軟なデザインであり、前記漏斗状部（４２）は、前記通路（４３）の第一開口角（α_１）を備えたその長さの大部分にわたって延びる主領域（４２０）と、前記通路（４３）の第二開口角（α_２）を備えた乳房側端部領域（４２１）を有し、使用していないときに、前記第一開口角（α_１）は、前記第二開口角（α_２）よりも小さく、使用状態において、少なくとも前記第一開口角（α_１）は、前記乳房シールド（４）上の軸方向の圧力によって拡大され得る請求項１〜６のいずれかに記載の装置。
8. 前記乳房シールド（４）は、管状コネクター（４０）とその上に一体的に形成され、母親の乳房に置かれることを意図される漏斗状部（４２）とを有し、前記漏斗状部（４２）は５ｍｍ〜４０ｍｍの乳房側直径（Ｄ）と、１０ｍｍ〜４０ｍｍの長さ（Ｌ）を有し、使用状態において、乳首及び最大で乳輪が前記乳房シールド（４）によって囲まれる請求項１〜７のいずれかに記載の装置。
9. 前記乳房シールド（４）が、接続部（３）に配置され、この接続部（３）は当該接続部の上部領域を示す印を有しており、この上部領域が、前記ライン（２）の接続のためのポート（３１）を有する請求項１〜８のいずれかに記載の装置。
10. 乳房シールド（４）によってヒトの母乳を搾り出すための真空ポンプ（１）であって、前記真空ポンプ（１）は、駆動部（１１，１２）と、この駆動部（１１，１２）によって周期的に駆動され得る隔壁（１４）を有し、前記隔壁（１４）は、チャンバー（１３３，１１２）に配置され、前記チャンバー（１３３，１１２）を駆動側部分（１１２）と乳房シールド側部分（１３３）に分離し、前記乳房シールド側部分（１３３）は前記乳房シールド（４）への接続を作り出すためのライン（２）のための真空ポート（１３０）を有し、前記チャンバー（１３３，１１２）の乳房シールド側部分（１３３）はさらに乳収集容器（７）への接続を作り出すための乳ポート（１３１）を有し、前記真空ポート（１３０）と前記乳ポート（１３１）は前記チャンバー（１３３，１１２）の乳房シールド側部分（１３３）を通じて流体連結によって互いに接続され、
    前記真空ポンプは、搾出動作の間に、当初の空気圧ポンピングシステムから水圧ポンピングシステムへと変化し、当該両システムは、同一の前記真空ポート（１３０）及び同一の前記ライン（２）を使用し、絞り出された乳を、乳房からさらに乳を絞り出すための前記水圧ポンピングシステムの作動流体として使用し、
    前記隔壁は、前記空気圧ポンピングシステムにおいて真空を生成し、かつ、前記水圧ポンピングシステムにおいて乳を運ぶように形成される真空ポンプ。
11. 前記真空ポンプは隔壁ポンプ（１）であり、前記チャンバー（１３３，１１２）が真空を発生するために用いられる前記隔壁ポンプ（１）のポンプチャンバーであり、前記隔壁（１４）が前記隔壁ポンプ（１）の隔壁である請求項１０に記載の真空ポンプ。
12. 前記ライン（２）が柔軟ラインである請求項１０又は１１に記載の真空ポンプ。
13. ヒトの母乳を搾り出すための装置の操作方法であって、真空ポンプ（１，９，９’）によって真空が乳房シールド（４）内に発生し、発生した真空は、第一のポート（１３０，１３０’）を有するチャンバー（１３３，１１２；８）から、前記第一のポート（１３０，１３０’）が端部となるライン（２）を通じて乳房シールド（４）へ導かれ、搾り出された乳が前記乳房シールド（４）を通じて乳収集容器（７）に集められ、搾出操作の間、真空を移送するために用いられる同じライン（２）が、前記乳房シールド（４）で搾り出された乳を前記チャンバー（１３３，１１２；８）へ運び、搾出操作の間、乳はさらに前記チャンバー（１３３，１１２；８）から、当該チャンバー（１３３，１１２；８）に備えられる第二のポート（１３０，１３０’）を通じて運ばれ、
    前記チャンバー（１３３，１１２；８）を駆動部側領域（１１２，８０）と乳房側領域（１３３，８１）に分離する隔壁（１４，１４’）が備えられ、前記第一及び第二のポート（１３０，１３０’，１３１，１３１’）が前記乳房シールド側領域（１３３，８１）に配置され、
    搾出動作の間に、当初の空気圧ポンピングから水圧ポンピングへと搾出方法が変化し、当該両方法において、同一の前記真空ポート（１３０）及び同一の前記ライン（２）が使用され、絞り出された乳が、乳房からさらに乳を絞り出すための前記水圧ポンピングシステムの作動流体として使用され、
    前記隔壁が、前記空気圧ポンピングシステムにおいて真空を生成し、かつ、前記水圧ポンピングシステムにおいて乳を運ぶ方法。
14. 前記チャンバー（１３３，１１２；８）内に十分な圧力があるとき、前記チャンバー（１３３，１１２；８）と前記乳収集容器（７）間に接続を作り出す逆止めバルブ（５）が使用される請求項１３に記載の方法。
15. 請求項１〜９のいずれかに記載の装置の接続部（３）であって、前記接続部（３）は乳房シールド（４）をライン（２）に接続し、前記ライン（２）は前記乳房シールド（４）を真空ポンプ（１，９，９’）に接続し、前記ライン（２）は搾り出された母乳を移送するための乳ラインを形成し、前記接続部（３）は前記ライン（２）の接続のためのポートを有することを特徴とする接続部。
16. 請求項１５に記載の接続部を備えた乳房シールドユニット。

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