JP6047074B2 - 超音波探触子およびその製造方法 - Google Patents

超音波探触子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6047074B2
JP6047074B2 JP2013162066A JP2013162066A JP6047074B2 JP 6047074 B2 JP6047074 B2 JP 6047074B2 JP 2013162066 A JP2013162066 A JP 2013162066A JP 2013162066 A JP2013162066 A JP 2013162066A JP 6047074 B2 JP6047074 B2 JP 6047074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
inorganic
organic
piezoelectric
organic piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013162066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015029755A (ja
Inventor
和田 隆亜
隆亜 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013162066A priority Critical patent/JP6047074B2/ja
Publication of JP2015029755A publication Critical patent/JP2015029755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6047074B2 publication Critical patent/JP6047074B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Description

この発明は、超音波探触子およびその製造方法に係り、特に、複数の無機圧電素子と複数の有機圧電素子とが互いに積層形成された超音波探触子およびその製造方法に関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波探触子から被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波探触子で受信して、その受信信号を電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
近年、より正確な診断を行うために、被検体の非線形性により超音波波形が歪むことで発生する高調波成分を受信して映像化するハーモニックイメージングが主流となっている。また、近年、超音波を用いた新たな診断方法として、レーザ光を生体に照射し、断熱膨張で発生する微弱で広帯域な弾性波を受信して映像化する、光音響イメージングが脚光を浴びつつある。
このハーモニックイメージングや光音響イメージングに適した超音波探触子として、例えば、特許文献1に開示されているように、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)等の無機圧電体を用いた複数の無機圧電素子とポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の有機圧電体を用いた複数の有機圧電素子とを積層形成したものが提案されている。
無機圧電素子により高出力の超音波ビームを送信し、有機圧電素子により高調波の信号を高感度に受信することができる。また、無機圧電体素子により通常の超音波の受信信号を取得すると共に、有機圧電素子により光音響イメージングの広帯域な信号を高感度に受信することができる。
国際公開第2008/010509号
ここで、複数の無機圧電素子から出力された超音波ビームは、有機圧電体を透過した後、超音波探触子から被検体内に送信されるため、有機圧電体の厚さは、超音波ビームの音響透過率が高まるように設計される。具体的には、有機圧電体は、複数の無機圧電素子から送信される基本波の波長λに対して、例えば、λ/4共振条件を満たす厚さの近傍に設計される。このため、有機圧電体は、厚みを自在に設計することができず、上記の共振条件を満たすためにある程度の厚みを備えて設計する必要があった。
一方、有機圧電体は比較的小さな比誘電率を有するため、有機圧電体の厚さを増大すると、電気容量が小さくなり、有機圧電素子で受信された超音波によって発生する受信信号を、回路上で効率よく取得することが困難であった。また、電気容量が小さいと、熱ノイズが大きくなるため、取得された信号とのS/N比が低下する傾向があった。
また、無機圧電素子の上に有機圧電素子を積層形成する場合、双方の素子の電極位置が互いに音軸方向に対して一致していないと、フォーカスずれや受信効率の低下を招くおそれがある。従って、互いに積層形成された無機圧電素子と有機圧電素子の電極位置を、音軸方向にそろえることが望ましいが、従来の超音波探触子の構成および製造方法では、双方の電極位置を正確に一致させることは困難であった。
さらに、有機圧電体は温度上昇によって徐々に結晶化度が低下するため、キュリー点よりかなり低い温度に使用上限温度がある。例えば、代表的なポリフッ化ビニリデン(PVDF)では使用上限温度は80℃であり、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体(P(VDF-TrFE))では100℃である。従って、プロセス中に、これらの使用上限温度以上の温度に晒されると、強誘電性が劣化し、脱分極を生じるおそれがある。
誘電性の劣化は、再分極により回付させることができるが、有機圧電体の抗電界は極めて大きく、400kV/cm〜450kV/cm程度である。従って、一度脱分極された有機圧電体をデバイス上で再分極するためには、極めて高い電圧を印加する必要があり、実際にはプロセス上困難である。以上のことから、無機圧電素子に有機圧電素子を積層する場合、低い温度プロセスで且つ少ない熱履歴回数で超音波探触子を作製することが望まれるが、従来の超音波探触子の構成および製造方法では困難であった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、複数の無機圧電素子と複数の有機圧電素子を互いに積層形成しながらも、超音波の送受信に対して優れた性能を有する超音波探触子およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る超音波探触子は、バッキング材と、バッキング材の表面上に配列形成された複数の無機圧電素子と、複数の無機圧電素子の上に配置された第1の音響整合層と、第1の音響整合層の上に配置された第2の音響整合層とを備え、第2の音響整合層は、複数の無機圧電素子に対して平行に配列形成された複数の有機圧電素子を含み、それぞれの有機圧電素子は、音軸方向に互いに積層された第1の圧電素子部および第2の圧電素子部を有し、複数の有機圧電素子は、接地電極層を挟んで互いに積層されたシート状の第1および第2の有機圧電体層と、第1の有機圧電体層の接地電極層とは反対側の表面上に互いに分離して配列形成された複数の第1の信号電極層と、第2の有機圧電体層の接地電極層とは反対側の表面上に互いに分離して配列形成された複数の第2の信号電極層とを有し、第1の有機圧電体層と接地電極層と複数の第1の信号電極層により複数の第1の圧電素子部が形成され、第2の有機圧電体層と接地電極層と複数の第2の信号電極層により複数の第2の圧電素子部が形成されているものである。
また、第2の音響整合層は、複数の第1の信号電極層の第1の有機圧電体層とは反対側の表面上に形成されると共に第1の音響整合層の上に配置された複数の第1の樹脂層と、複数の第2の信号電極層の第2の有機圧電体層とは反対側の表面上に形成されたシート状の第2の樹脂層とを含むことが好ましい。
ここで、第1の樹脂層の音響インピーダンスは、第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンス以上の値を有し、第2の樹脂層の音響インピーダンスは、第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンス以下の値を有することが好ましく、さらに、第1の樹脂層および第2の樹脂層は、それぞれ、第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンスに対して±10%の範囲内の音響インピーダンスを有することが好ましい。
第1および第2の有機圧電体層は、フッ化ビニリデン系材料から形成することができる。
複数の無機圧電素子と複数の有機圧電素子は、互いに同一の配列ピッチで且つ音軸方向に対して互いに同じ位置に形成されていることが好ましい。
それぞれの無機圧電素子は、無機圧電体層と、無機圧電体層の表面上に配置された信号電極層と、無機圧電体層の裏面上に配置された接地電極層とを有することが好ましい。
それぞれの無機圧電素子は、複数の無機圧電素子の配列方向に沿って複数のサブダイスに分割されていてもよい。
複数の無機圧電体層は、Pb系のペロブスカイト構造酸化物から形成することができる。
第2の音響整合層の第1の音響整合層とは反対側の表面上に配置された音響レンズをさらに備えることができる。
また、複数の有機圧電素子にそれぞれ直結された複数の有機圧電素子用アンプをさらに備えることが好ましい。
また、被検体に向けて照射光を照射する光照射部をさらに有し、光照射部から照射光が照射されることで被検体から誘発された超音波を複数の有機圧電素子または複数の無機圧電素子で受信することもできる。
この発明に係る超音波探触子の製造方法は、バッキング材の表面上に第1の導電層を介してシート状の無機圧電体層を接合し、無機圧電体層の表面上に第2の導電層を介してシート状の音響整合層を接合し、音響整合層の表面上にシート状の第1の樹脂層を接合すると共に第1の樹脂層の全面上に第3の導電層を形成し、第3の導電層から無機圧電体層まで積層方向に所定のピッチでダイシングすることにより、複数の無機圧電素子を配列形成すると共に第3の導電層を複数の無機圧電素子と同一のピッチで分割し、分割された溝を樹脂で充填した後、第4の導電層を挟んで互いに積層されたシート状の第1および第2の有機圧電体層のうち第1の有機圧電体層を第3の導電層の表面上に接合し、音響レンズと接合されたシート状の第2の樹脂層の音響レンズとは反対側の表面上に形成された第5の導電層を前記所定のピッチでダイシングすることにより、第5の導電層を複数の無機圧電素子と同一のピッチで分割し、複数の無機圧電素子の配列方向における前記第3の導電層と前記第5の導電層の位置を互いに合わせながら第2の樹脂層の表面上に形成されている第5の導電層を第2の有機圧電体層の表面上に接合することにより、それぞれ、第3の導電層と第1の有機圧電体層と第4の導電層からなる第1の圧電素子部と、第5の導電層と第2の有機圧電体層と第4の導電層からなる第2の圧電素子部とが積層され、複数の無機圧電素子と同一のピッチで配列された複数の有機圧電素子を形成する方法である。
第3の導電層と第5の導電層の位置合わせは、複数の無機圧電素子の配列方向における双方の端部で行うことができる。
この発明によれば、複数の無機圧電素子の上に第1の音響整合層が配置され、第1の音響整合層の上に配置された第2の音響整合層が、複数の無機圧電素子に対して平行に配列形成された複数の有機圧電素子を含み、それぞれの有機圧電素子は、音軸方向に互いに積層された複数の圧電素子部を有するので、複数の無機圧電素子と複数の有機圧電素子を互いに積層形成しながらも、超音波の送受信に対して優れた性能を有する超音波探触子が実現される。
この発明の実施の形態1に係る超音波探触子を示す部分斜視図である。 実施の形態1に係る超音波探触子の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る超音波探触子の製造方法を工程順に示す断面図である。 実施の形態2に係る超音波探触子の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る超音波探触子の構成を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、この発明の実施の形態1に係る超音波探触子の構成を示す。
バッキング材1は、超音波探触子の音軸方向をZ方向として、このZ方向に垂直なXY面上に沿って延びる表面1aを有し、バッキング材1の表面1a上に複数の無機圧電素子2が所定のピッチPでX方向に配列形成されている。複数の無機圧電素子2は、互いに分離された複数の無機圧電体21を有し、それぞれの無機圧電体21の一方の面に信号電極層22が接合され、他方の面に接地電極層23が接合されている。すなわち、それぞれの無機圧電素子2は、Z方向に積層された、専用の無機圧電体21と信号電極層22と接地電極層23から形成されている。
このような複数の無機圧電素子2の上に複数の第1の音響整合層3が接合されている。複数の第1の音響整合層3は、複数の無機圧電素子2と同じピッチPでX方向に配列され、それぞれ、対応する無機圧電素子2の直上に配置されている。すなわち、複数の第1の音響整合層3は、複数の無機圧電素子2に対して、複数の無機圧電素子2の配列方向であるX方向の位置が互いに一致するように配列されている。
さらに、第1の音響整合層3の上に第2の音響整合層4が接合されている。第2の音響整合層4は、第1の音響整合層3の表面上に配置され且つ複数の無機圧電素子2と同じピッチPでX方向に配列形成された複数の第1の樹脂層41と、複数の第1の樹脂層41の上に配置された複数の有機圧電素子5と、複数の有機圧電素子5の上に配置されたシート状の第2の樹脂層42とを有している。
複数の有機圧電素子5は、接地電極層51を挟んで互いに音軸方向であるZ方向に積層されたシート状の第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53を有すると共に、第1の有機圧電体層52の接地電極層51とは反対側の表面上に互いに分離してX方向に配列形成された複数の第1の信号電極層54と、第2の有機圧電体層53の接地電極層51とは反対側の表面上に互いに分離してX方向に配列形成された複数の第2の信号電極層55を有している。
複数の第1の信号電極層54および複数の第2の信号電極層55は、複数の無機圧電素子2の配列ピッチPと同一のピッチで且つ複数の無機圧電素子2の配列方向であるX方向における位置が互いに一致するように配列されており、互いに対応する第1の信号電極層54および第2の信号電極層55と、これらの間に配置されている接地電極層51、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53により、それぞれの有機圧電素子5が構成されている。
なお、接地電極層51、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53は、それぞれ、複数の無機圧電素子2の配列方向Xに分割されることなく、複数の有機圧電素子5にわたって延在している。
すなわち、個々の有機圧電素子5は、専用の第1の信号電極層54と、複数の有機圧電素子5に共通の接地電極層51、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53と、専用の第2の信号電極層55から構成される。このため、複数の有機圧電素子5の配列ピッチは、第1の信号電極層54および第2の信号電極層55の配列ピッチのみによって決定され、複数の無機圧電素子2と同一のピッチPで配列されることとなる。
また、個々の有機圧電素子5において、第1の信号電極層54と第1の有機圧電体層52と接地電極層51により第1の圧電素子部5aが形成され、同様に、接地電極層51と第2の有機圧電体層53と第2の信号電極層55により第2の圧電素子部5bが形成されている。すなわち、それぞれの有機圧電素子5が、Z方向に互いに積層された第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bを含んでいる。
複数の無機圧電素子2、複数の第1の音響整合層3、複数の第1の樹脂層41および複数の第1の信号電極層54は、互いに同一のピッチPで且つX方向における位置が互いに一致するように配列されており、複数の無機圧電素子2から複数の第1の信号電極層54までZ方向に積層された積層体Sが、X方向に配列された構成を有している。そして、互いにX方向に隣接する積層体Sの間に第1の分離部6が形成されている。第1の分離部6は、互いに隣接する積層体Sの間に形成された溝の中に充填剤が充填されることで形成されている。第1の分離部6は、それぞれ、第1の信号電極層54の表面上からバッキング材1の表面1a部分まで各層を貫通するように、Z方向に延びており、X方向に配列された積層体Sを互いに分離している。
また、X方向に配列されている複数の第2の信号電極層55の間には、第2の分離部7が形成されている。第2の分離部7は、第2の有機圧電体層53に接触する第2の信号電極層55の表面から第2の樹脂層42の途中まで形成された溝の中に充填剤が充填されることで形成されている。
さらに、第2の音響整合層4の上に音響レンズ8が接合されている。
無機圧電素子2の無機圧電体21は、Pb系のペロブスカイト構造酸化物などの圧電体用の無機材料から形成されている。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)に代表されるPb系の圧電セラミック、または、マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体(PMN−PT)および亜鉛ニオブ酸・チタン酸鉛固溶体(PZN−PT)に代表されるリラクサ系の圧電単結晶から形成することができる。
一方、有機圧電素子5の第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53は、フッ化ビニリデン(VDF)系材料などの圧電体用の有機材料から形成されている。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体(P(VDF-TrFE))等の高分子圧電素子から形成することができる。
バッキング材1は、複数の無機圧電素子2を支持すると共に後方へ放出された超音波を吸収するもので、フェライトゴム等のゴム材から形成することができる。
第1の音響整合層3は、複数の無機圧電素子2から発せられた超音波を効率よく音響レンズ8から被検体内に入射させるためのもので、無機圧電素子2の音響インピーダンスと被検体である生体の音響インピーダンスの中間的な値の音響インピーダンスを有する材料から形成される。
また、第1の音響整合層3の厚さは、例えば、複数の無機圧電素子2から発せられる超音波の基本波(例えば、無機圧電体21の最大感度の−6dB帯域の中心周波数)の波長λに対してλ/4共振条件を満たす値の近傍となるように設定される。
第2の音響整合層4は、第1の音響整合層3と併せて、複数の無機圧電素子2から発せられた超音波を効率よく被検体内に入射させるためのもので、第1の樹脂層41、第1の有機圧電体層52、第2の有機圧電体層53および第2の樹脂層42の計4層により構成されている。
第1の樹脂層41および第2の樹脂層42は、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の音響インピーダンスに近い値の音響インピーダンスを有する樹脂材料から形成される。より具体的には、第1の樹脂層41は、第1の音響整合層3の音響インピーダンスよりも小さく、且つ、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の音響インピーダンスと同等かわずかに大きな音響インピーダンスを有するように設定され、第2の樹脂層42は、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の音響インピーダンスと同等かわずかに小さく、且つ、音響レンズ8の音響インピーダンス以上の音響インピーダンスを有するように設定される。第1の樹脂層41および第2の樹脂層42を、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の形成材料と同じ材料から形成することもできる。
また、第1の樹脂層41、第1の有機圧電体層52、第2の有機圧電体層53および第2の樹脂層42の4層の厚さの和が、例えば、複数の無機圧電素子2から発せられる超音波の基本波の波長λに対してλ/4共振条件を満たす値の近傍となるように設定される。
第1の分離部6および第2の分離部7に用いられる充填剤は、互いに隣接する積層体Sおよび第2の信号電極層55の位置および姿勢を固定するためのもので、例えば、エポキシ樹脂などから形成される。
音響レンズ8は、屈折を利用して超音波ビームを絞り、エレベーション方向であるY方向の分解能を向上させるもので、シリコンゴム等から形成されている。
次に、この実施の形態1に係る超音波探触子の動作について説明する。
動作時には、例えば、複数の無機圧電素子2が超音波の送信専用の振動子として、複数の有機圧電素子5が超音波の受信専用の振動子として使用される。
複数の無機圧電素子2の信号電極層22と接地電極層23の間にそれぞれパルス状または連続波の電圧を印加すると、それぞれの無機圧電素子2の無機圧電体21が伸縮してパルス状または連続波の超音波が発生する。これらの超音波は、第1の音響整合層3、第2の音響整合層4および音響レンズ8を介して被検体内に入射し、互いに合成され、超音波ビームを形成して被検体内を伝搬する。
続いて、被検体内を伝搬して反射された超音波エコーが、音響レンズ8および第2の樹脂層42を介してそれぞれの有機圧電素子5に入射されると、それぞれの有機圧電素子5を構成する第2の圧電素子部5bおよび第1の圧電素子部5aが超音波の高調波成分に高感度に応答し、第2の圧電素子部5bに含まれる第2の有機圧電体層53と第1の圧電素子部5aに含まれる第1の有機圧電体層52がそれぞれ伸縮する。これにより、第2の圧電素子部5bの第2の信号電極層55と接地電極層51の間に電気信号が発生すると共に、第1の圧電素子部5aの接地電極層51と第1の信号電極層54の間に電気信号が発生し、それぞれ受信信号として出力される。
第2の圧電素子部5bで得られた受信信号と第1の圧電素子部5aで得られた受信信号は、互いに加算され、加算された受信信号に基づいて、高調波画像を生成することができる。ここで、複数の無機圧電素子2と複数の有機圧電素子5は、音軸方向であるZ方向に互いに位置がそろうように、すなわち、複数の無機圧電素子2の配列方向Xにおける位置が互いに一致し、且つ互いに同じピッチPで配列形成されているため、超音波ビームの送信位置と同じ配列位置で被検体からの超音波エコーを受信することができ、高精度に高調波画像を生成することができる。
ここで、第1の音響整合層3は、無機圧電素子2の音響インピーダンスと被検体である生体の音響インピーダンスの中間的な値の音響インピーダンスを有すると共に、λ/4共振条件を満たす値の近傍の厚さに形成され、一方、第2の音響整合層4の第1の樹脂層41および第2の樹脂層42は、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の音響インピーダンスに近い値の音響インピーダンスを有すると共に、第1の樹脂層41、第1の有機圧電体層52、第2の有機圧電体層53および第2の樹脂層42の4層の厚さの和がλ/4共振条件を満たす値の近傍に設定されているため、超音波の送受信を効率よく行うことができる。
また、それぞれの有機圧電素子5が、音軸方向であるZ方向に互いに積層された第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bから形成されているため、これら第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bを互いに並列接続することにより、有機圧電素子5としての静電容量を高めることができ、超音波エコーによる受信信号を効率よく取得することが可能となり、熱ノイズを低減すると共に受信信号のS/N比を向上させることができる。
なお、複数の無機圧電素子2を超音波の送受信兼用の振動子として使用することもできる。この場合、音響レンズ8および第2の樹脂層42を介して有機圧電素子5で受信された超音波エコーが、さらに、第1の樹脂層41および第1の音響整合層3を介してそれぞれの無機圧電素子2に入射し、無機圧電体21が主に超音波の基本波成分に応答して伸縮し、信号電極層22と接地電極層23の間に電気信号を発生する。
このようにして複数の無機圧電素子2から得られた基本波成分に対応する受信信号と、有機圧電素子5から得られた高調波成分に対応する受信信号とに基づいて、基本波成分と高調波成分を複合したコンパウンド画像を生成することができる。
このときも、複数の無機圧電素子2と複数の有機圧電素子5が、音軸方向であるZ方向に互いに位置がそろい且つ互いに同じピッチPで配列形成されているため、超音波エコーの基本波成分と高調波成分を同じ配列位置で受信することができ、基本波成分と高調波成分を高精度に複合したコンパウンド画像を生成することができる。
このような超音波探触子は、次のようにして製造することができる。
まず、図3(A)に示されるように、バッキング材1の全域にわたって延びるシート状の無機圧電素子層91aを接着剤等によりバッキング材1の表面1aの上に接合する。この無機圧電素子層91aは、バッキング材1の表面1aにわたって延びる無機圧電体層91の両面に、全面にわたってそれぞれ第1の導電層92および第2の導電層93が形成されたもので、第1の導電層92がバッキング材1の表面1a上に接合される。
次に、図3(B)に示されるように、無機圧電素子層91aの全域にわたって延びるシート状の音響整合層94を、例えば80℃〜100℃の温度で第2の導電層93の上に接合する。
さらに、音響整合層94の上にシート状の第1の樹脂層95が接合される。この第1の樹脂層95は、音響整合層94の全面にわたって延びるだけの大きさを有し、音響整合層94に対向する面とは反対側の表面には全面にわたって第3の導電層96が予め形成されている。
続いて、図3(C)に示されるように、第3の導電層96、第1の樹脂層95、音響整合層94および無機圧電素子層91aの各層を所定のピッチPでダイシングすることにより、各層を複数の断片に分離する。このとき、ダイシングは、第3の導電層96から無機圧電素子層91aまでの各層を完全に分断するように行われるため、分断された各層のそれぞれの断片は音軸方向すなわちZ方向に位置を合わせて整列される。これにより、バッキング材1の表面1a上には配列ピッチPで配列された複数の無機圧電素子2が形成され、それぞれの無機圧電素子2の上に、複数の無機圧電素子2、複数の第1の音響整合層3、複数の第1の樹脂層41および複数の第1の信号電極層54からなる積層体Sが、Z方向に位置をそろえて形成される。また、ダイシングにより、互いにX方向に隣接する積層体Sの間に、Z方向に延びる溝97が形成される。
このように、第3の導電層96から無機圧電素子層91aまでの各層をピッチPでダイシングすることにより、各層が簡便に複数の断片に分離されると共に分離された各層のそれぞれの断片をZ方向にそろえることができる。そして、複数の有機圧電素子5の第1の信号電極層54と、複数の無機圧電素子2の信号電極層22および接地電極層23とを互いに正確に位置合わせすることができる。
次に、図3(D)に示されるように、ダイシングにより形成された複数の溝97の内部に充填剤を充填して、各積層体Sの位置および姿勢を固定する第1の分離部6を形成した後、第3の導電層96の上に、第4の導電層98を挟んで互いに積層されたシート状の第1および第2の有機圧電体層52および53のうち、第1の有機圧電体層52を、例えば80℃程度の温度で圧着させる。
ここで、図3(E)に示されるように、表面上にシート状の第2の樹脂層99および第5の導電層100が順次形成された音響レンズ8に対し、図3(C)におけるダイシングと同一のピッチPで、第5の導電層100の表面からダイシングを行うことにより、第5の導電層100をX方向にピッチPで分割する。このとき、肉薄の第5の導電層100のみを切断することは困難であるため、第5の導電層100の表面から第2の樹脂層99の厚さ方向の途中までダイシングが行われ、互いに隣接する第5の導電層100の間に溝101が形成されると共に、それぞれの溝101が第2の樹脂層99の途中にまで入り込む。
そして、図3(F)に示されるように、複数の溝101の内部に充填剤を充填して、第5の導電層100の位置を固定する第2の分離部7を形成した後、X方向における第3の導電層96と第5の導電層100の位置を互いに合わせながら、第5の導電層100を第2の有機圧電体層53の表面上に接合する。このとき、第3の導電層96と第5の導電層100の位置合わせは、X方向における双方の端部で行うことが望ましい。X方向における第3の導電層96の端部とバッキング材1の端部が一致し、且つ、X方向における第5の導電層100の端部と音響レンズ8の端部が一致する場合には、バッキング材1の端部と音響レンズ8の端部を互いに位置合わせすることで、第3の導電層96と第5の導電層100の位置をそろえることができる。
これにより、図1および図2に示した超音波探触子が製造される
第1の分離部6により分割された無機圧電体層91、第1の導電層92および第2の導電層93が、それぞれ、無機圧電素子2の無機圧電体21、信号電極層22および接地電極層23を形成し、第1の分離部6により分割された音響整合層94、第1の樹脂層95および第3の導電層96が、それぞれ、第1の音響整合層3、第1の樹脂層41および第1の信号電極層54を形成する。また、第4の導電層98、第2の樹脂層99、および第2の分離部7により分割された第5の導電層100が、それぞれ、接地電極層51、第2の樹脂層42および第2の信号電極層55を形成する。
第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53は、温度上昇によって徐々に結晶化度が低下するため、キュリー点よりかなり低い温度に使用上限温度がある。例えば、音響整合層94などの各層を積層する際に使用される80℃〜100℃の高い温度を直接与えると容易に脱分極されてしまうが、第1の有機圧電体層52は、バッキング材1から第3の導電層96までの各層が積層された後に第3の導電層96の上に積層され、また、図3(E)に示される別工程で形成された音響レンズ8と第2の樹脂層99と第5の導電層100の積層体が第2の有機圧電体層53の上に接合される。このため、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53は、他の層を積層する際または充填剤が溝97および101に充填される際等の高い温度に曝されることがなく、脱分極することを抑制することができる。
さらに、バッキング材1から第3の導電層96までの各層を順次接着するまでの間は、第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53が存在しないため、これらの層を互いに高温で接着して高い接着力で積層させることができる。
例えば、複数の無機圧電素子2から送信される超音波の周波数が7MHz程度、第1の音響整合層3の音響インピーダンスが約8.9Mrayl(kg/ms)、および第2の音響整合層4の音響インピーダンスが約4.0Mraylのリニアプローブを作成する場合には、無機圧電体21としてチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)を使用して、この厚みを190μm程度に形成し、第1の音響整合層3の厚み並びに第2の音響整合層4を構成する第1の樹脂層41、第1の有機圧電体層52、第2の有機圧電体層53および第2の樹脂層42の計4層の厚さの和を、それぞれ80μm程度に形成することができる。これにより、第2の音響整合層4が複数の無機圧電素子2に対する共振条件を満たしながらも複数の有機圧電素子5を所望の厚さで形成することができる。
このように、個々の有機圧電素子5をZ方向に互いに積層された第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bから構成し、第1の音響整合層3の厚み並びに第2の音響整合層4を構成する第1の樹脂層41、第1の有機圧電体層52、第2の有機圧電体層53および第2の樹脂層42の計4層の厚さの和を、それぞれ共振条件を満たすように設定することにより、複数の無機圧電素子2から送信される超音波ビームに対して優れた音響透過率を保ちながらも複数の有機圧電素子5における受信信号の取得効率を向上させることができる。さらに、有機圧電素子5としての静電容量を高めることができ、超音波エコーによる受信信号を効率よく取得することが可能となり、熱ノイズを低減すると共に受信信号のS/N比を向上させることができる。
また、複数の無機圧電素子2と複数の有機圧電素子5が互いに音軸方向であるZ方向に位置をそろえて配列されているため、高精度な高調波画像およびコンパウンド画像を生成することができる。
さらに、超音波探触子を製造する際に有機圧電素子5の第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53を高温に曝すことが少ないため、これら第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53が脱分極するのを抑制することができる。
なお、それぞれの無機圧電素子2は、複数のサブダイスに分割することもできる。例えば、個々の無機圧電素子2を構成する無機圧電体21、信号電極層22および接地電極層23が、それぞれ、複数の無機圧電素子2の配列方向であるX方向に沿って複数の断片に分割される。このように、個々の無機圧電素子2を複数のサブダイスに分割することにより、無機圧電素子2の圧電乗数を向上させ、超音波探触子の送受信感度を向上させることが可能となる。
このような超音波探触子を製造するには、図3(C)に示したダイシングの際に、無機圧電素子層91a、または、無機圧電素子層91aから音響整合層94までの各層を音軸方向であるZ方向にさらにダイシングして、サブダイス形成溝を形成すればよい。
実施の形態2
図4に示されるように、それぞれの無機圧電素子2の信号線電極層22に無機圧電素子用A/Dコンバータ9を接続すると共に、有機圧電素子5の第1の圧電素子部5aの第1の信号電極層54および第2の圧電素子部5bの第2の信号電極層55からの引出線を接続点Aで互いに接続して、この接続点Aに有機圧電素子用アンプ10および有機圧電素子用A/Dコンバータ11を順次接続することができる。
ここで、複数の有機圧電素子5の電気容量は、第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bを互いに並列接続することにより、高めることができるが、有機圧電素子用アンプ10で増幅することが望ましい。このとき、有機圧電素子5から有機圧電素子用アンプ10に伝送される間に受信信号が減衰するのを防ぐために、有機圧電素子用アンプ10を有機圧電素子5の第1の信号電極層54および第2の信号電極層55の近傍に接続または直結させるのが好ましい。
なお、音軸方向であるZ方向に沿った第1の有機圧電体層52および第2の有機圧電体層53の分極方向が互いに逆方向であり、第1の圧電素子部5aおよび第2の圧電素子部5bから得られた受信信号が互いに同一の極性になり、図4の接続点Aで互いに加算させることができる。
また、実施の形態2に係る超音波探触子を内蔵する超音波プローブ内にマルチプレクサを配置することで超音波プローブから引き出される信号線の本数を減少させることができる。例えば、無機圧電素子用A/Dコンバータ9および有機圧電素子用A/Dコンバータ11の後段にマルチプレクサを配置し、無機圧電素子用A/Dコンバータ9と有機圧電素子用A/Dコンバータ11から引き出された2本の信号線を1本にまとめることができる。
なお、上記の実施の形態1および2では、それぞれの有機圧電素子5が、音軸方向に互いに積層された2つの圧電素子部5aおよび5bを有していたが、これに限るものではなく、それぞれの有機圧電素子5が、音軸方向に互いに積層された3つ以上の圧電素子部を有するように構成することもできる。3つ以上の圧電素子部を互いに並列接続することにより、有機圧電素子5としての静電容量が高まり、受信信号のS/N比を向上させることが可能となる。
実施の形態3
上記の実施の形態1および2では、複数の無機圧電素子2で発生させた超音波を被検体に向けて送信すると共に被検体内で反射された超音波エコーが複数の無機圧電素子2または複数の有機圧電素子5で受信されたが、図5に示すように、被検体に向けて照射光Lを照射する光照射部31を新たに設けることにより、光照射部31から被検体に向けて照射光Lを照射すると共に照射光Lの照射により被検体から誘発された光音響波U(超音波)を例えば複数の有機圧電素子5で受信することができる。これにより、光音響効果を利用して被検体内を画像化する、いわゆる光音響イメージング(PAI:Photoacoustic Imaging)を行うことができる。
光照射部31は、互いに異なる波長を有する複数の照射光Lを被検体に向けて順次照射するもので、半導体レーザ(LD)、発光ダイオード(LED)、固体レーザ、ガスレーザ等から構成することができる。光照射部31は、例えば、パルスレーザ光を照射光Lとして用い、パルス毎に順次波長を切り換えながら被検体に向けてパルスレーザ光を照射する。
光音響イメージングを行う際には、光照射部31から被検体に向けて照射光Lが照射され、その照射された照射光Lが被検体内の所定の生体組織Vに照射されると、生体組織Vは照射光Lの光エネルギーを吸収することにより弾性波である光音響波U(超音波)を放出する。
例えば、光照射部31から約750nmの波長を有する照射光Lと、約800nmの波長を有する照射光Lを順次被検体に照射する。ここで、ヒトの動脈に多く含まれる酸素化ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン:oxy-Hb)は、波長800nmの照射光Lよりも波長750nmの照射光Lに対して、高い分子吸収係数を有する。一方、静脈に多く含まれる脱酸素化ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビンdeoxy-Hb)は、波長800nmの照射光Lよりも波長750nmの照射光Lに対して、低い分子吸収係数を有する。このため、動脈および静脈に波長800nmの照射光Lおよび波長750nmの照射光Lをそれぞれ照射すると、動脈および静脈の分子吸収係数に応じた強度の光音響波Uがそれぞれ放出されることになる。
動脈または静脈から放出された光音響波Uは、上記の実施の形態1および2と同様にして、超音波探触子の複数の有機雑電素子5で受信される。
このように、超音波探触子は、超音波画像用として使用されるだけでなく、光音響画像用として使用することもでき、1つの超音波探触子を用いて多様な超音波診断を行うことができる。
なお、照射光Lの照射により被検体から誘発される光音響波Uは、複数の無機圧電素子2で受信することもできる。
1 バッキング材、1a バッキング材の表面、2 無機圧電素子、3 第1の音響整合層、4 第2の音響整合層、5 有機圧電素子、5a 第1の圧電素子部、5b 第2の圧電素子部、6,7 分離部、8 音響レンズ、9 無機圧電素子用A/Dコンバータ、10 有機圧電素子用アンプ、11 有機圧電素子用A/Dコンバータ、21 無機圧電体、22 信号電極層、23 接地電極層、31 光照射部、41 第1の樹脂層、42 第2の樹脂層、51 接地電極層、52 第1の有機圧電体層、53 第2の有機圧電体層、54 第1の信号電極層、55 第2の信号電極層、91 無機圧電体層、91a 無機圧電素子層、92 第1の導電層、93 第2の導電層、94 音響整合層、95 第1の樹脂層、96 第3の導電層、97,101 溝、98 第4の導電層、99 第2の樹脂層、100 第5の導電層、P 配列ピッチ、L 照射光、U 光音響波。

Claims (14)

  1. バッキング材と、
    前記バッキング材の表面上に配列形成された複数の無機圧電素子と、
    前記複数の無機圧電素子の上に配置された第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層の上に配置された第2の音響整合層と
    を備え、
    前記第2の音響整合層は、前記複数の無機圧電素子に対して平行に配列形成された複数の有機圧電素子を含み、
    それぞれの前記有機圧電素子は、音軸方向に互いに積層された第1の圧電素子部および第2の圧電素子部を有し、
    前記複数の有機圧電素子は、
    接地電極層を挟んで互いに積層されたシート状の第1および第2の有機圧電体層と、
    前記第1の有機圧電体層の前記接地電極層とは反対側の表面上に互いに分離して配列形成された複数の第1の信号電極層と、
    前記第2の有機圧電体層の前記接地電極層とは反対側の表面上に互いに分離して配列形成された複数の第2の信号電極層と
    を有し、
    前記第1の有機圧電体層と前記接地電極層と前記複数の第1の信号電極層により複数の前記第1の圧電素子部が形成され、
    前記第2の有機圧電体層と前記接地電極層と前記複数の第2の信号電極層により複数の前記第2の圧電素子部が形成されていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記第2の音響整合層は、
    前記複数の第1の信号電極層の前記第1の有機圧電体層とは反対側の表面上に形成されると共に前記第1の音響整合層の上に配置された複数の第1の樹脂層と、
    前記複数の第2の信号電極層の前記第2の有機圧電体層とは反対側の表面上に形成されたシート状の第2の樹脂層と
    を含む請求項に記載の超音波探触子。
  3. 前記第1の樹脂層の音響インピーダンスは、前記第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンス以上の値を有し、前記第2の樹脂層の音響インピーダンスは、前記第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンス以下の値を有する請求項に記載の超音波探触子。
  4. 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層は、それぞれ、前記第1および第2の有機圧電体層の音響インピーダンスに対して±10%の範囲内の音響インピーダンスを有する請求項に記載の超音波探触子。
  5. 前記第1および第2の有機圧電体層は、フッ化ビニリデン系材料から形成される請求項のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  6. 前記複数の無機圧電素子と前記複数の有機圧電素子は、互いに同一の配列ピッチで且つ音軸方向に対して互いに同じ位置に形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  7. それぞれの前記無機圧電素子は、
    無機圧電体層と、
    前記無機圧電体層の表面上に配置された信号電極層と、
    前記無機圧電体層の裏面上に配置された接地電極層と
    を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  8. それぞれの前記無機圧電素子は、前記複数の無機圧電素子の配列方向に沿って複数のサブダイスに分割されている請求項に記載の超音波探触子。
  9. 前記複数の無機圧電体層は、Pb系のペロブスカイト構造酸化物から形成される請求項またはに記載の超音波探触子。
  10. 前記第2の音響整合層の前記第1の音響整合層とは反対側の表面上に配置された音響レンズをさらに備えた請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  11. 前記複数の有機圧電素子にそれぞれ直結された複数の有機圧電素子用アンプをさらに備えた請求項1〜10のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  12. 被検体に向けて照射光を照射する光照射部をさらに有し、
    前記光照射部から照射光が照射されることで被検体から誘発された超音波を前記複数の有機圧電素子または前記複数の無機圧電素子で受信する請求項1〜11のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  13. バッキング材の表面上に第1の導電層を介してシート状の無機圧電体層を接合し、
    前記無機圧電体層の表面上に第2の導電層を介してシート状の音響整合層を接合し、
    前記音響整合層の表面上にシート状の第1の樹脂層を接合すると共に前記第1の樹脂層の全面上に第3の導電層を形成し、
    前記第3の導電層から前記無機圧電体層まで積層方向に所定のピッチでダイシングすることにより、複数の無機圧電素子を配列形成すると共に前記第3の導電層を前記複数の無機圧電素子と同一のピッチで分割し、
    分割された溝を樹脂で充填した後、第4の導電層を挟んで互いに積層されたシート状の第1および第2の有機圧電体層のうち前記第1の有機圧電体層を前記第3の導電層の表面上に接合し、
    音響レンズと接合されたシート状の第2の樹脂層の前記音響レンズとは反対側の表面上に形成された第5の導電層を前記所定のピッチでダイシングすることにより、前記第5の導電層を前記複数の無機圧電素子と同一のピッチで分割し、
    前記複数の無機圧電素子の配列方向における前記第3の導電層と前記第5の導電層の位置を互いに合わせながら前記第2の樹脂層の表面上に形成されている前記第5の導電層を前記第2の有機圧電体層の表面上に接合することにより、それぞれ、前記第3の導電層と前記第1の有機圧電体層と前記第4の導電層からなる第1の圧電素子部と、前記第5の導電層と前記第2の有機圧電体層と前記第4の導電層からなる第2の圧電素子部とが積層され、前記複数の無機圧電素子と同一のピッチで配列された複数の有機圧電素子を形成する
    ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  14. 前記第3の導電層と前記第5の導電層の位置合わせは、前記複数の無機圧電素子の配列方向における双方の端部で行われる請求項13に記載の超音波探触子の製造方法。
JP2013162066A 2013-08-05 2013-08-05 超音波探触子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6047074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013162066A JP6047074B2 (ja) 2013-08-05 2013-08-05 超音波探触子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013162066A JP6047074B2 (ja) 2013-08-05 2013-08-05 超音波探触子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015029755A JP2015029755A (ja) 2015-02-16
JP6047074B2 true JP6047074B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=52515598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013162066A Expired - Fee Related JP6047074B2 (ja) 2013-08-05 2013-08-05 超音波探触子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6047074B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5685214B2 (ja) * 2011-03-16 2015-03-18 富士フイルム株式会社 光音響画像生成装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015029755A (ja) 2015-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5881582B2 (ja) 超音波探触子の製造方法
US20240165666A1 (en) Ultrasound transducer and method for making the same
JP5685214B2 (ja) 光音響画像生成装置及び方法
US8030824B2 (en) Wide bandwidth matrix transducer with polyethylene third matching layer
WO2012124312A1 (ja) 光音響画像化装置および光音響画像化方法並びに光音響画像化装置用プローブ
KR102044705B1 (ko) 복합 구조의 정합층을 가진 초음파 트랜스듀서 및 그 제조방법
US9839411B2 (en) Ultrasound diagnostic apparatus probe having laminated piezoelectric layers oriented at different angles
JP6029731B2 (ja) 超音波探触子
JP6047074B2 (ja) 超音波探触子およびその製造方法
JPH03133300A (ja) 複合圧電型超音波探触子
WO2014112498A1 (ja) 音響波探触子およびその製造方法
US10238366B2 (en) Ultrasound diagnostic apparatus
WO2014077061A1 (ja) 超音波振動子およびその製造方法
JP5480863B2 (ja) 超音波探触子およびその製造方法
JP5530994B2 (ja) 超音波探触子およびその製造方法
JP2024078674A (ja) 超音波探触子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6047074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees