以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、携帯電話機1の外観構成を示す図である。図1(a)、(b)は、それぞれ、正面図および側面図である。
携帯電話機1は、正面および背面を含むキャビネット10を有する。キャビネット10の正面には、タッチパネルが配されている。タッチパネルは、画像を表示するディスプレイ11と、ディスプレイ11に重ねられるタッチセンサ12とを備える。
ディスプレイ11は、表示部に相当する。ディスプレイ11は、液晶パネル11aと、液晶パネル11aを照明するパネルバックライト11bにより構成されている。液晶パネル11aは、画像を表示するための表示面11cを有し、表示面11cが外部に現れる。表示面11cの上にタッチセンサ12が配されている。なお、液晶パネル11aに代えて有機ELなど他の表示素子が用いられてもよい。
タッチセンサ12は透明なシート状で形成される。タッチセンサ12を透して表示面11cを見ることができる。タッチセンサ12は、マトリクス状に配された第1透明電極、第2透明電極およびカバーを備えている。タッチセンサ12は、第1および第2透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザが触れた表示面11c上の位置(以下、「入力位置」と言う。)を検出し、その入力位置に応じた位置信号を後述のCPU100へ出力する。これにより、タッチセンサ12は、第1表示面11cに対するユーザの入力を受け付ける受付部に相当する。なお、タッチセンサ12は、静電容量式のタッチセンサ12に限られず、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等のタッチセンサ12であってもよい。
なお、ユーザが表示面11cに触れるとは、たとえば、ユーザがペンなどの接触部材や指によって表示面11cをタッチしたり、スライドしたり、フリックしたりすることである。また、表示面11cに触れるとは、実際には、タッチセンサ12を覆うカバーの表面における表示面11cの画像が映る領域を触れることである。「スライド」とは、ユーザが表示面11cに接触部材や指を接触したまま動かす動作を言う。「フリック」とは、ユーザが接触部材を弾くように素早く表示面11cからリリースするように、表示面11cに接触部材や指を接触したまま、短時間に短距離だけ接触部材や指を動かす動作を言う。
キャビネット10の正面には、マイクロホン(以下、「マイク」と言う。)13およびスピーカ14が配されている。ユーザは、スピーカ14からの音声を耳で捉え、マイク13に対して音声を発することにより通話を行うことができる。
キャビネット10の背面には、カメラモジュール15(図2参照)のレンズ窓(図示せず)が配されている。レンズ窓から被写体の画像がカメラモジュール15に取り込まれる。
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、バックライト駆動回路304、映像デコーダ305、音声デコーダ306およびクロック307を備えている。
カメラモジュール15は、CCD等の撮像素子を有し、画像を撮影する撮影部を含む。カメラモジュール15は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ301は、カメラモジュール15からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
マイク13は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。音声エンコーダ302は、マイク13からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
通信モジュール303は、CPU100からの情報を無線信号に変換し、アンテナ303aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ303aを介して受信した無線信号を情報に変換してCPU100へ出力する。
バックライト駆動回路304は、CPU100からの制御信号に応じた電圧信号をパネルバックライト11bに供給する。パネルバックライト11bは、バックライト駆動回路304からの電圧信号により点灯し、液晶パネル11aを照明する。
映像デコーダ305は、CPU100からの映像信号を液晶パネル11aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル11aに出力する。液晶パネル11aは、映像信号に応じた画像を表示面11c上に表示する。
音声デコーダ306は、CPU100からの音声信号、着信音やアラーム音等の各種報知音の音信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号に変換してスピーカ14に出力する。スピーカ14は、音声デコーダ306からの音声信号や音信号に基づいて音声や報知音などを再生する。
クロック307は、時間を計測し、計測した時間に応じた信号をCPU100へ出力する。
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。かかる制御プログラムには、ディスプレイ11に表示される内容画像400の端がディスプレイ11の表示面11cの端に達したことを報知するための制御プログラムが含まれる。
メモリ200には、データファイルが記憶されている。データファイルとしては、たとえば、カメラモジュール15で撮影した情報、通信モジュール303を介して外部から取り込んだ情報、ユーザ操作によりタッチセンサ12を介して入力された情報などが挙げられる。たとえば、連絡先情報を記憶したデータファイルは名称、電話番号およびメールアドレスなどの情報を含み、これらの情報が互いに対応付けられている。
メモリ200には、位置定義テーブルが記憶されている。位置定義テーブルには、表示面11cに表示されている画像の位置と、画像が示す内容とが対応付けられている。画像には、たとえば、文字と、アイコンやボタンなどの絵とが含まれる。画像が示す内容には、ファイルやプログラムに関する処理などが含まれる。
メモリ200には、操作移動量特定情報が記憶されている。後述するように、スライドやフリックによりユーザが入力位置を変化させると、それに応じて、図3(b)に示すように、内容画像400が表示領域402に対して移動する。内容画像400の中で、表示面11cに表示されるべき画像の範囲を、説明の便宜上、表示領域402とする。操作移動量特定情報は、これらのスライドやフリックにおいて指等が表示面11cからリリースされる前の所定時間の間に入力位置が移動する距離(以下、「入力位置の変位距離IL」と言う。)からリリース後の内容画像400の操作移動量Wを特定するための情報である。
たとえば、操作移動量特定情報は、入力位置の変位距離ILと内容画像400の操作移動量Wとが対応付けられたテーブルである。また、操作移動量特定情報は、入力位置の変位距離ILから内容画像400の操作移動量Wを計算するための演算式であってもよい。
なお、所定時間は、適宜設定され得る。たとえば、所定時間として、前回の制御タイミングから今回の制御タイミングまでの時間(以下、単に「制御タイミング間」という)が設定される。また、操作移動量Wは、ユーザによるスライドやフリックに基づいて、内容画像400が表示領域402に対して移動する距離(以下、「操作移動距離WL」と言う。)、速さ(以下、「操作移動速度WS」と言う。)および時間(以下、「操作移動時間WT」と言う。)などの量を表わす。
操作移動量特定情報では、入力位置の変位距離ILが大きいほど、内容画像400の操作移動速度WSが速くなり、操作移動距離WLが長くなるように設定される。これにより、ユーザが表示面11cにタッチした指を速く移動させるほど、内容画像400は速く長く移動する。
CPU100は、メモリ200の位置定義テーブルを参考にしつつ、タッチセンサ12からの位置信号に基づき、ユーザから入力された情報を特定する。CPU100は、入力情報に従って制御プログラムにより、カメラモジュール15、マイク13、通信モジュール303、パネルバックライト11b、液晶パネル11a、スピーカ14を動作させる。これにより、通話機能および電子メール機能などの各種アプリケーションが実行される。
CPU100は、表示制御部として、ユーザからタッチセンサ12を介して入力された情報などに基づき、ディスプレイ11を制御する。たとえば、CPU100は、パネルバックライト11bに電圧を供給する制御信号をバックライト駆動回路304に出力し、パネルバックライト11bを点灯する。また、CPU100は、映像信号を映像デコーダ305に出力し、液晶パネル11aの表示面11cに画像を表示させる。一方、CPU100は、パネルバックライト11bに電圧を供給させない制御信号をバックライト駆動回路304に出力することにより、パネルバックライト11bを消灯する。また、CPU100は、液晶パネル11aの表示面11cから画像を消す制御を行う。
たとえば、CPU100は、データファイルをメモリ200から読み出し、データファイル内の情報を用いて、図3(b)に示す内容画像400を生成する。内容画像400が表示領域402より大きい場合、CPU100は、内容画像400の中で表示領域402内に納まっている画像部分を部分画像401として抽出する。そして、図3(a)に示すように、CPU100は、抽出した部分画像401を表示面11cに表示する。なお、内容画像400および、内容画像400の一部である部分画像401は、本発明の「情報を含む画面」に相当する。情報は、絵または文字を含む。絵としは、絵画、図、写真、アイコンなどがある。文字としては、言葉や数字などを表わす記号、符号、標章などがある。
また、部分画像401を表示面11cに拡大して表示する場合、たとえば、CPU100は、図4(b)に示すように、表示領域402の長さHxを基本長さH1から短く設定する。CPU100は、こうして縮小した表示領域402の中の部分画像401を抽出して、抽出した部分画像401を表示面11cに拡大して表示する。なお、表示領域402の長さHx、基本長さH1は、表示領域402の上端から下端までの長さである。表示領域402の長さは縦方向の距離を示し、縦方向は図面に示すY軸方向に相当する。
このとき、CPU100は、部分画像401内において、部分画像401の拡大率を部分画像401の位置に応じて変化させることができる。たとえば、CPU100は、Y軸が示す方向(図4(b)の下方向)に沿って、部分画像401の拡大率が徐々に小さくなるように設定する。これにより、図4(a)に示すように、下方に向かうほど部分画像401が小さく表示され、部分画像401は上端を基点として下に向かって伸びるように表示される。
表示面11cに対する部分画像401の表示制御は、部分画像401の画像データを画像表示用の画像メモリにマッピングする際のマッピング制御によって行われる。画像メモリには、基本長さH1に対応するメモリ領域が設定され、このメモリ領域にマッピングされた画像が表示面11cに表示される。図3(b)に示す内容画像400の画像データは、たとえば、図3(b)のように一方向に並ぶ状態で、メモリ200に展開される。このように展開された画像データから所定の領域が切り出され、切り出された画像データが、画像メモリのメモリ領域にマッピングされる。なお、画像メモリもメモリ200内に設定される。
通常倍率の表示では、基本長さH1の部分画像401の画像データが内容画像400の画像データから切り出され、切り出された画像データが画像メモリのメモリ領域にマッピングされる。
拡大表示の場合には、基本長さH1よりも短い長さ、たとえば長さHxの部分画像401の画像データが内容画像400の画像データから切り出され、切り出された画像データが画像メモリのメモリ領域にマッピングされる。この場合、切り出された画像データのサイズは画像メモリのメモリ領域のサイズよりも小さいため、図4(b)のX軸方向の各ラインの画像データが繰り返しメモリ領域にマッピングされる。各ラインの繰り返し回数を調節することにより、図4(a)に示すように、下方に向かうほど部分画像401が小さく表示され、部分画像401が上端を基点として下に向かって伸びるように表示される。
なお、後述のように、スライドやフリックによって、表示面11cに表示される部分画像401が変化する。これは、内容画像400の画像データに対する部分画像401の画像データの切り出し領域が変化することにより行われる。
このように、表示面11cに対する部分画像401の表示制御は、画像メモリに対する画像データのマッピング制御によって行われる。以下では、説明を簡易にするために、画像データではなく内容画像400、部分画像401および表示領域402を用いて、表示面11cに対する部分画像401の表示制御の説明を行う。
CPU100は、ユーザからタッチセンサ12を介して入力された情報に応じて、表示面11cに表示される部分画像401を移動させる制御を行う。
具体的には、スライドやフリックが行われると、CPU100は、クロック307およびタッチセンサ12からの信号を受け、これら信号に基づいて、タッチセンサ12に対する入力位置を特定しながら、制御タイミング間におけるY軸方向の入力位置の変位距離ILを求める。CPU100は、変位距離ILに基づいて、制御タイミング間の内容画像400の操作移動距離WLをそれぞれ特定する。
たとえば、スライドやフリックにおいて、ユーザの指が表示面11cにタッチしている間、入力位置の変位距離ILをそのまま内容画像400の操作移動距離WLに設定する。
また、スライドの後にユーザの指が表示面11cからリリースされた後、または、フリックにおいて指が表示面11cからリリースされた後には、CPU100は、メモリ200の操作移動量特定情報に基づいて、リリース前の入力位置の変位距離ILから操作移動距離WLを特定する。
なお、図3(b)に示すY軸の方向と同じ方向へ入力位置が変位する場合、操作移動方向はY軸の方向と同じ方向に設定される。これにより、入力位置の変位方向がY軸方向であれば、部分画像401は表示領域402に対してY軸方向に移動する。
CPU100は、内容画像400と表示領域402との位置関係を判断する。図3(b)に示すように、内容画像400の幅と表示領域402の幅とが等しい場合、CPU100は、内容画像400の上端と表示領域402の上端との間隔hを取得する。なお、幅は横方向の距離を示し、横方向は図面に示すX軸方向に相当する。
図5(a)に示すように、CPU100は、間隔h:0であれば、内容画像400の上端と表示領域402の上端とが一致すると判断する。図5(b)に示すように、CPU100は、間隔h:H2−H1であれば、内容画像400の下端と表示領域402の下端とが一致すると判断する。なお、H2は、内容画像400の上端から下端までの長さである。
<第1の実施形態の処理手順>
図6および図7は、データファイルを開いた後の画像を表示する処理手順を示すフローチャートである。図8および図9は、連絡先リストを表示面11cに表示した図である。
ユーザが連絡先情報のデータファイルを開くと、CPU100は連絡先情報のデータファイルをメモリ200から読み出す。CPU100は、データファイル内の情報を用いて、連絡先情報が一覧表にされた連絡先リストの内容画像400を生成する(S101)。
CPU100は、図5(a)に示すように、内容画像400の上端と表示領域402の上端との間隔hを初期値の“0”に設定する。また、CPU100は、表示領域402の長さを基本長さH1に設定する。そして、CPU100は、表示領域402内の部分画像401を内容画像400の中から抽出し、図8(a)に示すように、部分画像401を表示面11cに表示する(S102)。これにより、連絡先リストのトップにあるDATA1からDATA4までの画像が表示面11cに表示される。
ユーザが表示面11cを指でタッチすると、CPU100は、タッチセンサ12からの位置信号により入力位置を特定する。ユーザが指を移動させると、CPU100は、入力位置の変化があったと判断する(S103:YES)。
図8(a)に示すように、指が表示面11cにタッチしたまま上へスライドされると、CPU100は、制御タイミング間の入力位置のY軸方向の変位距離IL:Dy1を求める(S104)。
ここで、タッチセンサ12からの位置信号が入力されていれば、CPU100は、指が表示面11cからリリースされていないと判断する(S105:NO)。
CPU100は、変位距離IL:Dy1から内容画像400の操作移動距離WL:Dy1を取得する(S106)。また、CPU100は、入力位置の変位方向を内容画像400の移動方向とする。このとき、入力位置の変位方向はY軸が指す方向と反対方向であるため、内容画像400の移動方向もY軸が指す方向と反対方向となる。これにより、内容画像400は、表示領域402に対して、操作移動距離WLだけ、Y軸が指す方向と反対方向、すなわち上方向に移動するよう、ユーザによって操作されている。
CPU100は、このユーザによる内容画像400を表示する位置の移動操作によって、内容画像400が表示領域402の端より先へ移動されようとしているか否かを判断する(S107)。このため、CPU100は、現在の間隔h:0に操作移動距離WL:Dy1を加算し、移動後の間隔h:Dy1を求める。次に、CPU100は、移動後の間隔h:Dy1が、“0≦Dy1≦H2−H1”であるか否かを判断する。この場合、移動後の間隔h:Dy1は、“0≦ Dy1≦H2−H1”である。このため、操作移動距離WL:Dy1に従って、表示領域402に対して内容画像400を移動させても、内容画像400の端が表示領域402の端に到達しない。よって、CPU100は、内容画像400が表示領域402の端より先へ移動されようとしていないと判断する(S107:NO)。
そこで、CPU100は、内容画像400を表示領域402に対して操作移動距離WL:Dy1だけ下方に移動させ、間隔h:Dy1を設定する。CPU100は、移動後の表示領域402内にある内容画像400から部分画像401を抽出し、部分画像401を表示面11cに表示する(S108)。これにより、ユーザが表示面11c上において指を上方に移動したのに応じて、内容画像400が上方に移動するように表示面11cに表示される。
ユーザのスライドにより、指がタッチセンサ12にタッチされている間、制御タイミングごとに、CPU100は、ステップS103からステップS108までの処理を繰り返す。これにより、指を上方へ移動させるスライドに応じて、図8(b)に示すように、内容画像400が表示領域402に対して上方へ移動していき、表示面11cの下端より下側に隠れていた、DATA5〜7の画像が表示面11cに表示されるようになる。
一方、図8(c)に示すように、間隔hが“0”に設定され、内容画像400の上端が表示領域402の上端が一致している状態で、ユーザが表示面11cに指をタッチしたまま下へスライドすると、CPU100は入力位置の変化を検出する(S103:YES)。CPU100は、入力位置の制御タイミング間の変位距離IL:Dy2を求める(S104)。
ここで、指が表示面11cからリリースされていないため、CPU100はリリース動作がなされていないと判断する(S105)。
CPU100は、変位距離IL:Dy2から操作移動距離WL:Dy2を取得する(S107)。この場合、入力位置は、Y軸が指す方向と同じ方向へ変位していることにより、CPU100は、移動前の間隔hから操作移動距離WL:Dy2が引いて、移動後の間隔h:0−Dy2を求める。CPU100は、移動後の間隔hが0以下であることから、内容画像400の端より先へ部分画像401が移動されようとしていると判断する(S107:YES)。
図4(b)に示すように、CPU100は、基本の長さH1から操作移動距離WL:Dy2だけ縮め、表示領域402の長さHx:H1−WLと設定する。CPU100は、縮小後の表示領域402内の部分画像401を内容画像400から抽出して、部分画像401を表示面11cに表示する。これにより、部分画像401は、操作移動距離WLだけ拡大されて表示される。
このとき、CPU100は、部分画像401を拡大する割合を部分画像401の上端に近いほど大きく設定する。これにより、部分画像401が表示画面の上端から伸びるように、部分画像401が表示される(S109)。
CPU100は、指が表示面11cからリリースされたか否かを判断する。指がリリースされていないと、CPU100はリリース動作がないと判断する(S110:NO)。再び、ステップS103の処理が実行される。ユーザが指を表示面11c上で下方へスライドし続けると、入力位置は変位する(S103:YES)。CPU100は、入力位置の変位距離IL:Dy3を求め(S104)、リリース動作がないと判断する(S105:NO)。CPU100は、変位距離ILから操作移動距離WL:Dy3を取得し(S106)、内容画像400の端より先へ部分画像401を移動させようとしていると判断する(S107:NO)。ここで、表示領域402の長さHx:H1−Dy2が設定され、表示領域402のサイズが縮小されている。このため、CPU100は、縮小された表示領域402の長さHx:H1−Dy2から操作移動距離WL:Dy3だけ縮め、表示領域402の長さHx:H1−Dy2−Dy3と設定する。CPU100は、さらに縮小された表示領域402内の部分画像401を内容画像400から抽出して、部分画像401を表示面11cに表示する。これにより、部分画像401は、さらに拡大されて表示される。
部分画像401の拡大後、指がリリースされるまで、CPU100は、S103〜S107およびS109の処理を繰り返す。これにより、指が表示面11c上を移動するごとに、表示領域402が徐々に縮小されるため、部分画像401が徐々に伸びるように、部分画像401が表示される。
一方、スライド後に指が表示面11cからリリースされると、CPU100は、表示領域402の長さHxを基本の長さH1まで徐々に変化させながら、部分画像401を表示面11cに表示する(S111)。これにより、部分画像401が縮むように表示される。
また、図9(a)に示すように、ユーザが表示面11cに指をタッチしたまま下方へスライドすると、CPU100は入力位置の変化を検出し(S103:YES)、入力位置の変位距離IL:Dynを求める(S104)。ユーザがスライドに続いて表示面11cから指をリリースすると、タッチセンサ12からの位置信号が入力されなくなり、CPU100は、指が表示面11cからリリースされたと判断する(S105:YES)
CPU100は、操作移動量特定情報に基づき、リリース直前の入力位置の変位距離IL:Dynから操作移動速度WSおよび操作移動距離WL:ynを求める(S112)。これにより、リリース動作から操作移動距離WL:ynまでの間、内容画像400は操作移動速度WSで移動することになる。
CPU100は、移動前の間隔h:hnから操作移動距離WL:ynを減算し、移動後の間隔h:hn−ynを求める。CPU100は、移動後の間隔hが“0”と“H1−H2”との間であるか否かを判断する(S113)。たとえば、移動後の間隔hが上端と下端との間であれば、上記と同様に、CPU100は、内容画像400の端より先が表示されようとしていないと判断する(S113:NO)。CPU100は、内容画像400を操作移動距離WLだけ移動させ、移動後の表示領域402内にある部分画像401を抽出し、部分画像401を表示面11cに表示する(S114)。そして、CPU100は、ステップS103の処理に戻る。
一方、移動後の間隔hが“0”と“H1−H2”との間でなれば、内容画像400の端より先が表示されようとしていると判断する(S113:YES)。
そこで、CPU100は、表示領域402の端まで内容画像400を操作移動速度WSで移動させながら、部分画像401を表示面11cに表示する(S115)。これにより、部分画像401が間隔h:hnだけ移動し、表示領域402の上端が内容画像400の上端に到達する。
表示領域402の上端が内容画像400の上端に到達しても、操作移動距離WLは“yn−hn”残っている。このため、図9(b)に示すように、CPU100は、内容画像400の端が表示領域402の端に到達したことを報知するため、画像を処理する。
図4(b)に示すように、CPU100は、表示領域402の長さHxを、基本の長さH1から操作移動距離WL:yn−hnだけ徐々に縮めていく。CPU100は、縮小後の表示領域402内の部分画像401を内容画像400から抽出して、部分画像401を表示面11cに表示する(S116)。これにより、部分画像401は、操作移動距離WLに応じて徐々に拡大されていくように表示される。このため、部分画像401が徐々に伸びるように、表示面11cに表示される。さらに、部分画像401を拡大する割合は、部分画像401の上端に近い領域ほど大きくなるよう設定される。これにより、部分画像401が、その上端を基点として下に伸びるように、表示される。
表示領域402の長さHxが“H1−(yn−hn)”まで達し、部分画像401が拡大された後、CPU100は、表示領域402の長さHxを“H1−(yn−hn)”から0まで徐々に変化させる。CPU100は、表示領域402のサイズを戻しながら、部分画像401を表示面11cに表示する(S111)。これにより、部分画像401が表示画面の上端へ縮むように、部分画像401が表示される。図9(c)に示すように、部分画像401は元のサイズに戻る。
なお、ユーザが表示面11cを下方向へフリックすることにより、部分画像401を移動させることもできる。フリックでは、表示面11cに対する指のタッチからリリースまでの時間および入力位置の変位距離ILが、スライドの場合の時間および入力位置の変位距離ILに比べて非常に短い。しかしながら、上記のスライドの場合の処理と同様に、表示面11cに対する指のタッチからリリースまでは、入力位置の変位距離ILにより操作移動距離WLが求められ、操作移動距離WLに従って内容画像400は移動させられる。また、表示面11cに対する指のリリース後は、リリース直前の入力位置の変位距離ILにより操作移動距離WLが求められ、操作移動距離WLに従って内容画像400は移動させられる。
以上、本実施形態によれば、内容画像400の端から先を表示させようとすると、部分画像401が伸縮するように表示される。このため、ユーザは、内容画像400の端が表示領域402の端に達しており、かつユーザの入力が受け付けられていることがわかる。
さらに、本実施形態によれば、部分画像401の端ほど大きく伸ばされていることにより、部分画像401の中の端の位置がわかり易くなる。
また、本実施の形態では、内容画像400を表示する位置を移動させる操作の距離が大きいほど、部分画像401の伸びる量が大きくなる。このように、ユーザの操作量に応じて表示面11cに表示される画像の伸びる量が変化することで、ユーザは、入力が受け付けられていることをより良く理解することができる。
さらに、拡大した部分画像401のサイズが元のサイズに戻ることにより、内容画像400が端へ到達したとの報知が終了したことを、ユーザが容易に理解できる。
また、本実施形態によれば、内容画像400が端へ到達したことを報知するためのマークなどが表示面11cに表示されない。このため、到達を報知するためのマークにより、表示面11cにおいて内容画像400が表示される面積が狭くなることが防がれる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、内容画像400の端への到達を報知した後に、図10(a)に示すように内容画像400をループ状とするためのループマークMの画像を表示することもできる。ループマークMがユーザの指によりタッチされると、内容画像400の上端と下端とが繋がる。これにより、内容画像400の上端より先に移動する操作がなされると、図10(b)に示すように、内容画像400の下端が内容画像400の上端に続くような部分画像401が表示面11cに表示される。これにより、内容画像400の上端に達した後、内容画像400の下端が簡単に表示され得る。なお、図10(c)に示すように、ループマークMは、内容画像400の下端が表示領域402の下端に到達した場合も同様に、表示面11cに表示される。このループマークMがタッチされた後に、内容画像400の上端より先に移動する操作がなされると、図10(d)に示すように、内容画像400の上端が内容画像400の下端に続くような部分画像401が表示面11cに表示される。
また、内容画像400の端への到達を報知した後に、内容画像400を移動させる位置を予め設定しておくこともできる。たとえば、部分画像401が伸縮する動作
が連続して繰り返された場合、繰り返し回数がカウントされる。繰り返し回数が所定回数を超えると、内容画像400は設定された位置に移動する。なお、移動させる位置をユーザが予め設定しておくこともできる。また、内容画像400が表示領域402の端に到達する前に部分画像401が所定時間以上表示されていた位置を、部分画像401の移動先として設定されてもよい。
上記実施形態では、内容画像400の端に表示領域402の端が到達した際、操作移動距離WLが残っていると、表示領域402が端に移動した後、それに続いて残る操作移動距離WLに応じて部分画像401が拡大された。これに対して、内容画像400の端に表示領域402の端が到達した際、操作移動距離WLが残っていても、その回の操作においては、残る操作移動距離WLに基づく部分画像401の拡大を行わないようにすることもできる。これにより、内容画像400の端に表示領域402の端が達すると、一度は部分画像401が停止して表示される。内容画像400の端の端に表示領域402の端が一致した状態で、再び、スライドやフリックなどが行われ、内容画像400の端より先が表示されるように操作されると、操作移動距離WLに応じて、部分画像401が拡大される。
また、上記実施形態では、内容画像400の幅と表示領域402の幅とが等しい場合について例示し、内容画像400を表示領域402に対してY軸方向のみに移動させた。これに対し、図11(a)に示すように、内容画像400のサイズが表示領域402のサイズよりX軸およびY軸の両方向で大きい場合、内容画像400を表示領域402に対してX軸およびY軸のいずれの方向に移動させることができる。図9(b)に示すように、内容画像400の上端および左端が、それぞれ表示領域402の上端および左端に一致している。この状態において、ユーザが指を表示面11c上で下にスライドさせると、図11(c)に示すように、図に示すY軸方向に部分画像401が拡大されて表示される。また、指が右方向へ表示面11c上でスライドされると、図11(d)に示すように、図に示すX軸方向に部分画像401が拡大されて表示される。さらに、指が右下の方向へ表示面11c上でスライドされると、図11(e)に示すように、図に示すX軸およびY軸の両方向に部分画像401が拡大されて表示される。そして、拡大された画像は、指が表示面11cからリリースされると、図11(b)に示すように、元のサイズに戻る。これにより、Y軸およびX軸の方向の内容画像400の端がユーザに報知される。
また、上記実施形態では、部分画像401の全体が拡大されたが、部分画像401の一部が拡大されてもよい。たとえば、部分画像401の端からユーザがタッチしている表示面11c上の位置までを拡大することもできる。
さらに、上記実施形態では、端に近いほど拡大率が大きくなるように、部分画像401が拡大された。これに対して、部分画像401の拡大率を均等にすることもできる。
また、上記実施形態では、内容画像400の端よりも先に内容画像400が移動させられようとすると、部分画像401が伸びるように変形された。これに対し、内容画像400の端よりも先に内容画像400が移動させられようとすると、部分画像401が縮むように変形され得る。この場合、図4(b)に示す表示領域402の長さHxが基本長さH1より長く設定される。このため、長く伸ばされた表示領域402の中の部分画像401が抽出されると、部分画像401が表示面11cに縮小して表示される。このように、部分画像401が縮むことにより、今まで表示面11cに表示されていなかった内容画像400が表示される。そして、内容画像400の端が表示領域402の端に達し、かつユーザの入力が受け付けられていることがわかる。
また、上記実施形態では、部分画像401が伸びた後に元のサイズまで縮むように表示された。これに対して、部分画像401が伸びた後に元のサイズより小さくなるまで縮み、さらに元のサイズまで伸びるように表示されてもよい。
さらに、上記実施形態では、入力位置の変位距離ILに基づいて、内容画像400を移動する操作移動距離WLが求められた。これに対して、入力位置が変位する速度に基づいて操作移動距離WLが求められてもよい。
なお、上記実施形態では、内容画像400の端よりも先に内容画像400を移動させるような移動操作が行われると、内容画像400の端を基点として、移動操作による内容画像400の移動方向に内容画像400が伸びた。これに対し、かかる操作が行われた場合に、移動操作の方向に内容画像400の端も移動しながら、移動操作の方向に内容画像400が伸びるようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、内容画像400のサイズが表示領域402のサイズより大きい場合、内容画像400の中を表示領域402が移動する。そして、内容画像400の端に表示領域402の端が到達した際に、部分画像401が拡大して表示された。これに対して、内容画像400のサイズが表示領域402のサイズと同じ場合も上記と同様の処理を実行することができる。この場合、内容画像400の端と表示領域402の端とが一致するため、ユーザにより表示領域402を移動する操作がなされると、内容画像400の中を表示領域402が移動せずに、部分画像401が拡大して表示される。
さらに、上記実施形態では、携帯電話機1を用いたが、PDAやPHSなどの携帯端末装置を用いることもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。