JP6043099B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極と負極との間にセパレータを介在させてなる電極体を正極外部端子及び負極外部端子を有するケーシング内に収容した電池に関する。
従来、ニッケル水素電池などのように、正極外部端子及び負極外部端子を有するケーシング内に、正極活物質シートと負極活物質シートとを電解質を含むセパレータを介して渦巻き状に捲回した複数の電極体を収容した電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−103350号公報
ところで、電池の寿命を長くするためには、一般にはケーシング内に電解液を多く入れてドライアウトを抑制することが考えられる。しかし、電解液が多いとガス吸収速度が遅くなるので、ケーシング内の圧力は高くなりやすくなる。また、電解液が減ることで電解液はケーシング内の下方に偏るため、電池の設置角度によって、電極体に対する電解液の接触箇所の分布に大きな偏りが生じうる。そうすると、電極体のうち電解液との接触が少ない部分において内部抵抗が増加することとなる。特に、ケーシング内に電極体を複数設けた場合には、ケーシング内の一部の電極体において内部抵抗の増加が進み、電池が早く劣化してしまう。
そこで本発明は、ドライアウトと内圧上昇との両方が抑制された寿命の長い電池を提供することを目的としている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る電池は、正極と負極との間にセパレータを介在させてなる1以上の電極体と、両側に一対の開口部が形成された枠状のケーシング本体と、前記正極に電気的に接続される正極外部端子と、前記負極に電気的に接続される負極外部端子とを有し、1以上の前記電極体を水系の電解液とともに前記ケーシング本体に収容し、前記正極外部端子及び前記負極外部端子を、前記一対の開口部をそれぞれ閉鎖するように前記ケーシング本体に固定してなるケーシングと、前記電解液を保持した状態で前記ケーシング内に収容された前記セパレータとは別個の部材である保液材と、を備え、前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容されており、前記保液材は、複数の前記電極体の隣接する隙間に配置されている
前記構成によれば、電解液を保持した保液材をケーシング内に収容しているため、保液材に保持された電解液によりドライアウトを抑制することができる。かつ、電解液は保液材に保持させるようにしたため、保液材なしで電解液をケーシング内に満たす場合に比べて、ガス吸収速度が遅くならず、ケーシング内の圧力上昇も抑制することができる。また、電解液は保液材に保持させているため、電池の設置角度によって、ケーシング内における電解液の配置バランスが崩れることが抑制され、内部抵抗の増加による劣化も抑制することができる。さらに、ケーシング内に電極体とは別に保液材を収容する構成としたことで、ケーシング内のデッドスペースに保液材を配置することが可能となり、ケーシング内における電極体の配置密度を高く保って、高い電池容量を実現することもできる。また、前記構成によれば、電極体の隣接する隙間を有効活用しながら、保液材が隣接する複数の電極体に対してバランス良く電解液を伝達させることができる。
前記保液材は、その内部に多数の空隙が形成された可撓性部材であってもよい。
前記構成によれば、電極体が収容されるケーシング内のデッドスペースを活用して保液材を容易に収容させることができる。また、保液材には多数の空隙が形成されているため、毛管現象を利用して保液材に電解液をバランス良く保持させることができる。
前記保液材は、その少なくとも一部が前記電極体の表面との接触により圧縮された状態で前記ケーシングに収容されていてもよい。
前記構成によれば、保液材の少なくとも一部が電極体の表面により圧縮されることで、保液材の外形を電極体の外形に沿わすことができ、保液材の配置スペースが歪な形状であっても、当該スペースに簡単に保液材を装填することができる。また、保液材の外形を電極体の外形に沿わすことで、ケーシング内における電極体の配置密度(電池容量)を高く保ちながら保液材を収容することができる。
前記保液材は、親水加工されていてもよい。
前記構成によれば、電解液が保液材の内部を伝達していき易くなり、電解液を保液材にバランス良く保持せることが容易になる。
また、本発明に係る電池は、正極と負極との間にセパレータを介在させてなる1以上の電極体と、両側に一対の開口部が形成された枠状のケーシング本体と、前記正極に電気的に接続される正極外部端子と、前記負極に電気的に接続される負極外部端子とを有し、1以上の前記電極体を水系の電解液とともに前記ケーシング本体に収容し、前記正極外部端子及び前記負極外部端子を、前記一対の開口部をそれぞれ閉鎖するように前記ケーシング本体に固定してなるケーシングと、前記電解液を保持した状態で前記ケーシング内に収容された前記セパレータとは別個の部材である保液材と、を備え、前記保液材は、前記電極体と前記ケーシングの間又は複数の前記電極体の間に配置されており、前記セパレータ、前記正極及び前記負極は、シート状であり、前記電極体は、前記正極と前記負極とが前記セパレータを挟んで渦巻き状に捲回されたものであり、前記電極体は、その中心に隙間が形成されるように捲回されており、前記保液材は、さらに前記電極体の中心の隙間に配置されてい
前記構成によれば、省スペースで効率的に電極体を構成することができる。また、前記構成によれば、捲回された電極体の中心の隙間に保液材を配置するので、デッドスペースを有効利用することが可能となり、ケーシング内における電極体の配置密度(電池容量)を低下させずに保液材を収容することができる。
前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容され、それら電極体は、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されており、前記ケーシング本体の内面には、前記複数の電極体のうち外側にある電極体の外周面に沿うように部分的に外側に向けて窪んだ凹部が形成されていてもよい。
前記構成によれば、捲回された複数の電極体を並列的に横に並べて配置することで、それらの束の最外周の輪郭が歪になっても、ケーシング内に電極体を出来るだけ多く収容することが可能となり、電池容量を向上させることができる。
前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容され、それら電極体は、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されており、複数の前記電極体は、互いに外径の異なる電極体を含んでいてもよい。
前記構成によれば、複数の電極体が互いに外径の異なる電極体を含むことで、捲回された電極体をケーシング内に効率良く収容することが可能となり、デッドスペースを減らして電池容量を向上させることができる。
前記正極外部端子及び前記負極外部端子は、前記ケーシング本体の両側に形成された一対の開口部をそれぞれ閉鎖するように前記ケーシング本体に固定され、前記ケーシング本体の前記正極外部端子との接触面、及び、前記ケーシング本体の前記負極外部端子との接触面の少なくとも一方には、前記開口部を囲むように閉ループ状のリブが設けられていてもよい。
前記構成によれば、正極外部端子又は負極外部端子の接触面に対して閉ループ状のリブが接触して開口部が封止されることになり、ケーシング内の電解液が外部にリークすることを好適に防止することができる。
前記負極外部端子と前記電極体との間、及び、前記正極外部端子と前記電極体との間の少なくともいずれか一方に介在している導電性の緩衝部材をさらに備えていてもよい。
前記構成によれば、電池の厚み方向の圧力が吸収され、負極外部端子及び正極外部端子の少なくとも一方と電極体との間の導電接触を安定させることができる。
前記ケーシング本体は、荷重たわみ温度が100℃以上、体積抵抗が10の10乗Ω・cm以上、かつ絶縁破壊強度が10kV/mm以上である特性を有した熱可塑性樹脂により構成されていてもよい。
前記構成によれば、複数の電池を積層して電池モジュールとして使用する場合に、電池温度と電池内圧とが同時に上昇することによってケーシング本体の圧縮降伏強さが維持されなくなり、ケーシング本体内の電解液が外部へリークすることを好適に防止できる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ドライアウトと内圧上昇との両方が抑制された寿命の長い電池を提供することができる。さらに、電池の設置角度によって、ケーシング内における電解液の配置バランスが崩れることも抑制できる。また、ケーシング内のデッドスペースに保液材を配置して高い電池容量を実現することもできる。
本発明の第1実施形態における電池モジュールの構造例を示す部分破断側面図である。 図1に示す電池モジュールの主要部分であるモジュール本体を部分的に破断して示す斜視図である。 図2のIX−IX線断面図である。 図1に示す電池モジュールにおける圧力調整機構の構成例を示す平面図である。 図1に示す電池モジュールのセルを示す分解斜視図である。 図1に示すセルの電極体の断面斜視図である。 図6Aに示す電極体の平面図である。 図1に示すセルの集電体(外部端子)を取り外した状態の平面図である。 図1に示すセルのケーシングの要部断面図である。 2種類の熱可塑性樹脂の温度と圧縮降伏強さとの関係を表すグラフである。 水の沸点と大気圧との関係を表すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るセルの集電体を取り外した状態の要部平面図である。 本発明の第3実施形態に係るセルの集電体を取り外した状態の平面図である。 本発明の第4実施形態に係るセルの集電体を取り外した状態の平面図である。 本発明の第5実施形態に係るセルの電極体の平面図である。 本発明の第6実施形態に係るセルの要部断面図である。 図14のセルの変形例を示す要部断面図である。 本発明の第7実施形態に係るセルの断面図である。 図16に示すセルの集電体を取り外した状態の平面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、充電式の単電池(single cell)は、充電により再使用可能な二次電池単体のことであり、その充電可能な電圧は一般的に数ボルト以下と低い。このため、高電圧の二次電池が必要となる場合には、複数の単電池を互いに直列に接続してなる組電池(assembled battery)が使用されている。なお、単電池は、素電池(unit cell)、セル(cell)又は電池(battery)と称されることがある。本願では、これらの称呼のうちセル又は電池を用いるとともに、充電式のセル又は電池のことを単にセル又は電池と呼んで説明する。また、組電池は、電池パック(battery pack)、電池システム(battery system)若しくは電池モジュール(battery module)と称されることがある。本願では、これらの称呼のうち電池モジュールを用いるとともに、充電式の電池モジュールのことを単に電池モジュールと呼んで説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電池モジュールBの構造例を示す部分破断側面図である。なお、以下の説明において、セル積層体1の正極側(図1の左側)を前側と呼び、負極側(図1の右側)を後側と呼ぶ。また、前後方向(後述の積層方向X)と直交する方向(後述の上下方向Z)に沿って、後述のガス排出口23を具備するセル積層体1の面側を上側と呼び、後述のガス排出口23を具備しないセル積層体1の面側を下側と呼ぶ。
図1に示す電池モジュールBは、例えば電車に搭載されるニッケル水素電池やリチウムイオン電池であり、その主要な構成要素として、密閉式の角形電池であるセルCを該セルCの厚み方向に複数個積層して形成されたセル積層体1と、セル積層体1を積層方向Xに締め付け固定するための側面板30、圧縮板35、及び締付けボルト37とを備えている。なお、これら主要な構成要素(1,30,35,37)は絶縁素材からなるケーシング39によって覆われている。なお、図1に示すセル積層体1は、2つのセルCに対して1つの割合で、セル積層体1を構成するセルCを冷却するための放熱板31が介在している。放熱板31を介在させる位置や個数は適宜変更してもよい。
図2は、図1に示す電池モジュールBの主要部分であるモジュール本体47を部分的に破断して示す斜視図である。図2に示すように、セル積層体1の両側面それぞれを覆うように、積層方向Xに沿って延びる一組の板状の部材として形成された側面板30が配置されている。積層方向Xに直交する上下方向Zに沿って互いに対向する側面板30は、その上端部30a及び下端部30bがセル積層体1側にほぼ直角に折り曲げられることにより、浅いU字形の断面形状を有している。積層方向Xに沿って互いに対向する側面板30の前端部30c及び後端部30dの各近傍には、板状の圧縮部材である圧縮板35が側面ボルト32によって固定されている。つまり、側面板30の前端部30cおよび後端部30dの各近傍に位置する圧縮板35によって、積層方向Xに沿って互いに対向するセル積層体1の前面及び後面が覆われている。
また、上下方向Zに沿って互いに対向するセル積層体1の上方部及び下方部には、積層方向Xに沿って延びる板状部材である上面板33及び下面板34がそれぞれ配置されている。上面板33及び下面板34は、その左右の各端部がほぼ直角に折り曲げられることにより、浅いU字形の断面形状を有している。このように折り曲げられた上面板33及び下面板34の両側部が、側面板30の上端部30a及び下端部30bにそれぞれ重なり合うように配置されている。そして、このように重なり合っている部分の数箇所をボルト連結することにより、上面板33及び下面板34が側面板30に固定されている。
図3は、図2のIX−IX線に沿った電池モジュールBの断面図である。図3に示すように、セル積層体1の積層方向Xの前側最前部に位置するセルCの前側の蓋部材(後述の正極集電体5)には、正極側の集電部材となる第1集電板55がセルCに重ね合わせて配置されている。さらに、第1集電板55の前側には、絶縁板57及び絶縁板保護板59がこの順番で重ね合わせて配置されている。
圧縮板35は、側面板30及び側面板30とセル積層体1との間に介在する側面絶縁板41を挿通する複数の側面ボルト32によって、側面板30の前端部に固定されている。圧縮板35のねじ孔60には、複数の締付部材である締付けボルト37が、前方からセル積層体1の積層方向Xに螺合して、圧縮板35を貫通している。締付けボルト37の先端が、絶縁板保護板59に当接し、絶縁板保護板59、絶縁板57及び第1集電板55を介してセル積層体1を積層方向Xの後側に押し付けている。
セル積層体1の積層方向Xの後側最後部も、図3に示したセル積層体1の積層方向Xの前側最前部と同様の構造を有しており、セル積層体1の後側最後部に位置するセルCの後側の蓋部材が、締付けボルト37によって、絶縁板保護板59、絶縁板57及び第2集電板(図示せず)を介して積層方向Xの前側に押し付けられている。すなわち、前後の各圧縮板35に支持された締付けボルト37によって、セル積層体1が積層方向Xの前後からそれぞれ締め付けられている。
締付ボルト37として、図3に示した頭部を有するボルトの代わりに、頭部を有しない軸部のみからなるねじ部材(例えば、すりわりつき止めねじや、六角穴つき止めねじ)を使用してもよい。このような頭部を有しないねじ部材を用いることにより、各頂面が圧縮板35の表面から突出しないように設定して、電池モジュールBの積層方向寸法を小さくすることができる。また、前後の各圧縮板35に支持されて、セル積層体1を積層方向Xに締め付けるための部材は、締付けボルト37のようなねじ部材に限られない。例えば、圧縮板35と絶縁板保護板59との間にバネのような弾性部材を介在させてもよい。
絶縁板57及び絶縁板保護板59の各中央部には、円形の開口57a,59aが形成されており、この開口57a,59a内で、第1集電板55のほぼ中央部のねじ孔44に、電池モジュールBの正極側端子として機能する正極端子ボルト45が螺合されている。また、圧縮板35の中央部には、正極端子ボルト45に接続する外部からの部材を通すための開口35aが形成されている。
図4は、図1に示す電池モジュールBにおける圧力調整機構の構成例を示す平面図である。図4に示すように、電池モジュールBは、セル積層体1の内圧、すなわち各セルCの内圧の総和が所定の値に達すると、セルC内のガスを外部に排出する圧力調整機構70を備えている。各セルCのケーシング2に設けられた各ガス排出口23の二又の排出部23aのそれぞれが、隣接するセルCのガス排出口23の排出部23aの一方と、連通路を形成する可撓性のチューブ71を介して順次接続されている。また、末端のセルCの一方の排出部23aが、圧力監視用の圧力計Pおよび圧力調整弁73に連通されている。先端のセルCの一方の排出部23aは、盲栓により閉塞する。これらのガス排出口23、可撓性の連通部材であるチューブ71、圧力計P、及び圧力調整弁73が、電池モジュールBの圧力調整機構70を構成している。圧力調整弁73としては、例えば、ポペット弁にスプリングを組み合わせたもののほか、一般に用いられている任意の機構を使用することができる。圧力調整弁73は安全弁として動作する。なお、圧力計Pは省略してもよく、さらに、セル積層体1の内圧が所定の値に達する可能性が低い場合には、圧力調整機構70を省略してもよい。 図5は、図1に示す電池モジュールBのセルCを示す分解斜視図である。図5に示すように、セルCは、例えば、水酸化ニッケルを主要な正極活物質とし、水素吸蔵合金を主要な負極活物質とし、アルカリ系水溶液を電解液とするニッケル水素二次電池として構成される。セルCは、後述する負極11、正極12及びセパレータ13,14(図6A,B参照)で構成された略円筒状の複数の電極体10と、それら電極体10を収容する角形のケーシング2とを備えている。ケーシング2は、絶縁素材からなる矩形枠状の枠部材3(ケーシング本体)と、枠部材3の一方側の開口部3aを覆って閉鎖する略平板状の負極集電体4(負極外部端子)と、枠部材3の他方側の開口部3bを覆って閉鎖する略平板状の正極集電体5(正極外部端子)とを備えている。即ち、負極集電体4と正極集電体5とは、枠部材3を介して互いに絶縁状態で対向配置されており、これら集電体4,5によりケーシング2の内部空間Sに収容された電極体10が挟まれている。
枠部材3の負極集電体4との接触面3cは、一方側の開口部3aを囲むように設けられており、その接触面3cには、後述するリブ3g(図7,8参照)が形成されている。枠部材3の正極集電体5との接触面3dは、他方側の開口部3bを囲むように設けられており、その接触面3dにも、後述するリブ3h(図7,8参照)が形成されている。枠部材3を形成する絶縁素材として、本実施形態では変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を用いているが、機械的強度、耐熱性及び耐電解液性が十分であれば他の絶縁材料を適宜選択することができる。
負極集電体4は、枠部材3の一方側の開口部3aを閉鎖して接触面3cとシール剤を介して密着する主板部4aと、その主板部4aの端縁から枠部材3の側面に沿うように突出する側板部4bとを有している。正極集電体5は、枠部材3の他方側の開口部3bを閉鎖して接触面3dとシール剤を介して密着する主板部5aと、その主板部5aの端縁から枠部材3の側面に沿うように突出する側板部5bとを有している。また、両集電体4,5を形成する素材として、本実施形態ではニッケルめっきを施した鋼板を用いているが、電気化学的特性、機械的強度及び耐食性が十分であれば、他の導電素材を適宜選択することができる。また、シール剤としては、例えば、アスファルトピッチやタールピッチなどのピッチ剤が用いられる。
図6Aは、図1に示すセルCの電極体10の断面斜視図であり、図6Bは、電極体10の平面図である。図6A,Bに示すように、電極体10は、負極活物質を含む負極活物質シートからなる負極11と、正極活物質を含む正極活物質シートからなる正極12と、負極11と正極12との間に介在して負極11と正極12とを電気絶縁すると共にその中に含まれる電解液を介してイオンを伝導させるシート状の第1セパレータ13と、第1セパレータ13との間に正極12を挟み込むシート状の第2セパレータ14とを備えている。負極11、第1セパレータ13、正極12及び第2セパレータ14は、この順に密着するように重ね合わされており、電極体10の最外周層が負極11になるように渦巻き状に捲回されている。即ち、第1セパレータ13と第2セパレータ14とは、電極体10の径方向内方に向かって負極11と正極12との間に交互に介在する。また、電極体10は、その中心に隙間A1が形成されるように捲回されている。
電極体10の最外周に位置しない一方の電極12(本例では正極)の内周面に接する第2セパレータ14は、その捲回方向における外端部14cが、その電極12の捲回方向における外端部12cに比べて捲回方向の外側に突出している。また、電極体10の最外周に位置する他方の電極11(本例では負極)の内周面に接する第1セパレータ13は、その捲回方向における外端部13cが負極11、正極12及び第2セパレータ14に比べて捲回方向の外側に突出し、その突出した外端部13cが、一方の電極12(本例では正極)の外端部12c及び第2セパレータ14の外端部14cを覆っている。
また、電極体10の最内周に位置する一方の電極12(本例では正極)の内周面に接する第2セパレータ14は、その捲回方向における内端部14dが、その電極12の捲回方向における内端部12dに比べて捲回方向の内側に突出している。また、電極体10の他方の電極11(本例では負極)の内周面に接する第1セパレータ13は、その捲回方向における内端部13dが負極11、正極12及び第2セパレータ14に比べて捲回方向の内側に突出している。
以上により、複数の電極体10を並設してケーシング2に収容したときに負極11と正極12との間の短絡が好適に防止されることになる。特に、本例では、正極12が電極体10の最外周層にならないように配置され、その正極12の外端部12cが、第2セパレータ14の外端部14cよりも長く突出した第1セパレータ13の外端部13cにより覆われているので、正極12の他部品への意図しない導通が十分に防止される。なお、ここでは、電極体10の最外周層を負極11としたが正極12としてもよい。
電極体10の軸方向の一端部(図6A中、上方の端部)には、負極11の端子部となる一端部11aが、正極12の一端部12b及びセパレータ13,14の一端部13a,14aよりも突出している。これにより、負極11の一端部11aが、負極集電体4の主板部4aに接触して電気的に接続される。電極体10の軸方向の他端部(図6A中、下方の端部)には、正極12の端子部となる他端部12aが、負極11の他端部11b及びセパレータ13,14の他端部13b,14bよりも突出している。これにより、正極12の他端部12aが、正極集電体5の主板部5aに接触して電気的に接続される。また、負極11の他端部11bは、セパレータ13,14の他端部13b,14bよりも軸方向の内方に埋没しており、正極12の一端部12bは、セパレータ13,14の一端部13a,14aよりも軸方向の内方に埋没している。これにより、負極11と正極12との間の短絡が防止されている。
負極11は、導電性の発泡ニッケルやパンチングメタルなど板状体に水素吸蔵合金粉末(負極活物質)を塗布して発泡ニッケルの細孔に充填し又はコーティングし、乾燥したあと所定の厚みに圧延して形成されている。正極12は、導電性の発泡ニッケルなどの板状体に水酸化ニッケル(正極活物質)を塗布して発泡ニッケルの細孔に充填し、乾燥したあと所定の厚みに圧延して形成されている。第1セパレータ13及び第2セパレータ14は、電気絶縁物質であるポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドなどから構成される。また、両セパレータ13,14としては、耐電解液性(耐アルカリ性)を有して多数の空隙が形成された可撓性部材(例えば、不織布又はメッシュ部材など)を用いることが好ましい。なお、電解質としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、又はそれらの混合液が使用される。
図7は、図5に示すセルCの集電体4,5を取り外した状態の平面図である。図7に示すように、枠部材3には、多数の電極体10が同方向を向くように並列して収容されている。即ち、それら電極体10は、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されている。本例では、電極体10が4列に並んでいる。電極体10の各々は、その外径が互いに略同一である。電極体10の中心の隙間A1には、電解液が浸み込まされた保液材15が挿入されている。また、枠部材3と電極体10との隙間A2にも、電解液が浸み込まされた保液材16が介装されている。さらに、複数の電極体10の隣接する隙間A3にも、電解液が浸み込まされた保液材17が介装されている。このように、複数の電極体10が収容されたケーシング2内の隙間A1〜A3を有効利用して保液材15〜17を配置することで、ケーシング2内における電極体10の配置密度を低下させずに保液材15〜17が収容される。なお、保液材15〜17は、電解液を含浸したものであるが、セパレータ13,14のように負極11と正極12とで挟まれたものではない。
保液材15〜17は、その内部に多数の空隙が形成された可撓性部材(例えば、不織布又はメッシュ部材など)を所定形状にしたものであり、耐電解液性(耐アルカリ性)を有し、親水加工がされている。これにより、保液材15〜17には、電解液が毛管現象を利用してバランス良く浸み込むこととなる。具体的には、保液材15〜17は、電気絶縁物質であるポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミド等の樹脂から構成された不織布としている。なお、本実施形態では、セパレータ13,14と同一の材料を用いている。
また、シート状の保液材16,17は、枠部材3の長辺に沿う方向に延びるように互いに略同一方向(図7中、左右方向)に向けて配置されている。保液材16は、枠部材3と電極体10との隙間A2において、電極体10の列方向に沿って電極体10群の一端から他端まで延在するように配置されている。保液材17は、電極体10の隣り合う列ごとの各隙間A3において、電極体10の列方向に沿って電極体10群の一端から他端まで延在するように配置されている。これにより、各電極体10への電解液の伝達度合に偏りが生じることが抑制される。また、保液材15〜17は、その少なくとも一部が電極体10の表面との接触により圧縮された状態でケーシング2内に収容されている。これにより、保液材15〜17の外形が複数の電極体10の外形に沿うこととなり、保液材15〜17の配置スペース(隙間A1〜A3)が歪な形状であっても、電極体10の配置密度を高く保ちながら保液材15〜17を容易に装填可能にしている。また、セルCに外部から振動が伝達されても保液材16,17で振動吸収でき、ケーシング2内の電極体10が揺れ動くことが抑制される。なお、図7の例では、平坦な保液材16,17が電極体10に押されて圧縮されることで、保液材16,17が電極体10の外形に沿うように弾性変形し、隙間A2,A3が埋められているが、他の形態でもよい。例えば、保液材16,17の表面形状を予め電極体10の外形に沿うように波形にしておいてもよい。
図8は、図1に示すセルCのケーシング2の要部断面図である。図7及び8に示すように、枠部材3の接触面3c,3dには、開口部3a,3bを囲むように閉ループ状のリブ3g,3hが複数本(本例では3本)突設されている。リブ3g,3hは、負極集電体4の主板部4a又は正極集電体5の主板部5aに向かって先細りした断面略三角形状である。リブ3g,3hの高さは、例えば10〜200μmである。負極集電体4及び正極集電体5が枠部材3の開口部3a,3bを閉鎖した状態で、リブ3g,3hの先端は、負極集電体4の主板部4a又は正極集電体5の主板部5aに対して当接する。そして、複数のセルCを積層して電池モジュールBを形成する際に、セルCの厚み方向に外部から(締付けボルト37により)圧縮力を加えることで、リブ3g,3hの接触圧が高まることとなる。これにより、閉ループ状のリブ3g,3hが、ケーシング2内の電解液の外部へのリークを防止することとなる。
電池モジュールBは複数のセルCを積層方向Xに沿って圧縮して構成されているので、セルCの材料の特性として圧縮降伏強さが重要である。この圧縮降伏強さがなくなれば電池モジュールBの圧縮構造を維持できなくなる。また、セルC内の電極体10はケーシング2による標準大気圧以上の圧力への耐性を有する密閉構造を呈しており、標準大気圧における水の沸点100℃以下で圧縮降伏強さがなくなるような事態が発生する場合、セルC内が標準大気圧でなくなり、セルCの密閉構造の意味をなさなくなる。そこで、100℃以上でも圧縮降伏強さを維持しているセルCの枠部材3の材料、言い換えると荷重たわみ温度が100℃以上であるセルCの枠部材3の材料であれば、標準大気圧以上の圧力となってもセルCの密閉構造を維持できることとなる。従って、ケーシング2の枠部材3を形成する絶縁素材としては、荷重たわみ温度が標準大気圧における水の沸点100℃以上であり、体積抵抗(Ω・cm)が10の10乗Ω・cm以上であり、かつ絶縁破壊強度(kV/mm)が10kV/mm以上である条件を満足するような、変性ポリフェニレンエーテル(Polyphenylen Ether)の熱可塑性樹脂を採用することとする。なお、変性ポリフェニレンエーテルの他に、前述の条件を満たすような、ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene Sulfide)、ポリスルホン(Polysulfone)、又はポリエーテルスルホン(Poly Ether Sulphone)の熱可塑性樹脂であってもよい。
以下、今回採用するセルCの枠部材3の材料の具体例を図9A、図9Bを用いて説明する。なお、図9Aは、2種類の熱可塑性樹脂の温度と圧縮降伏強さとの関係を表すグラフであり、図9Bは、水の沸点と大気圧との関係を表すグラフである。
図9Aに示すように、熱可塑性樹脂Aの場合、83℃において圧縮降伏強さがなくなるので、荷重たわみ温度が100℃より低い83℃である。つまり、熱可塑性樹脂Aの場合、セルCの内圧が密閉構造により標準大気圧を維持していても、電池温度の上昇により83℃以上となれば、圧縮降伏強さがなくなるので、セルC内の内圧が標準大気圧を維持できなくなる。
一方、熱可塑性樹脂Bの場合、144℃において圧縮降伏強さがなくなるので、荷重たわみ温度が100℃より高い144℃である。つまり、熱可塑性樹脂Bの場合、電池温度が上昇しても、標準大気圧における水の沸点100℃以下で圧縮降伏強さがなくなるような事態が発生することはない。なお、図9Bに示すように、144℃のときの気圧は0.4MPaなので、熱可塑性樹脂Bを採用したセルCの枠部材3の耐圧は0.4MPaである。これにより、例えば、図4に示した圧力調整機構として、セル積層体1の内圧、すなわち各セルCの内圧の総和が0.4MPaに達すると、セルC内のガスを外部に排出するように設計すればよい。よって、セルCの枠部材として熱可塑性樹脂Bを採用すれば、電池温度とセルCの内圧とが同時に上昇することによりケーシング2内の電解液が外部へリークすることを防止することができる。 以上に説明した構成によれば、電解液が浸み込まされた保液材15〜17をケーシング2内に収容しているため、保液材15〜17に保持された電解液によりドライアウトを抑制することができる。かつ、電解液は保液材15〜17に浸み込ませるようにしたため、保液材なしで電解液をケーシング内に満たす場合に比べて、ガス吸収速度が遅くならず、ケーシング2内の圧力上昇も抑制することができる。また、電解液は保液材15〜17に浸み込ませているため、セルCの設置角度によって、ケーシング2内における電解液の配置バランスが崩れることが抑制され、内部抵抗の増加による劣化も抑制することができる。さらに、ケーシング2内に電極体10とは別に保液材15〜17を収容し、ケーシング2内のデッドスペースに保液材15〜17を配置したため、ケーシング2内における電極体10の配置密度を高く保って、高い電池容量を実現することができる。なお、本実施形態では、ケーシング2内の隙間A1〜A3の全てに保液材15〜17を配置したが、保液材15、保液材16及び保液材17の少なくとも一部を用い、隙間A1〜A3の一部に保液材を配置してもよい。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係るセルの集電体4,5を取り外した状態の要部平面図である。図10に示すように、第2実施形態のセルでは、それぞれの電極体10同士を直接的に隣り合わせて配置し、枠部材3に対しても電極体10を直接的に隣り合わせて配置している。そして、電極体10の外形が円筒形であることにより、枠部材3に沿って並んだ2つの電極体10と枠部材3との間、及び、三角配置された互いに隣接する3つの電極体10の間には、略三角柱状の隙間A2,A3が形成されている。そして、それらの隙間A2,A3に、略三角柱状の保液材116,117が個別に挿入されている。このような構成とすることで、ケーシング2内に複数の電極体10を高密度に配置しながらも、ケーシング2内に保液材15,116,117をバランス良く配置することできる。なお、隙間A2,A3に個別に挿入する保液材116,117は、略三角柱状でなくとも、例えば、円柱状等であってもよい。
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係るセルの集電体4,5を取り外した状態の平面図である。図11に示すように、第3実施形態のセルでは、複数の電極体10が、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されており、その複数列に並んだ電極体10群の列方向最端部の電極体10のうち列方向外側に食み出した電極体10の外周面に沿うように、枠部材103の内面には列方向外側に向けて円弧状に窪んだ凹部103iが形成されている。これにより、複数の電極体10の束の最外周の輪郭が歪になっても、ケーシング内に電極体10を出来るだけ多く収容することが可能となり、電池容量を向上させることができる。また、枠部材103の外面は、凹部103iに対応する部分も平坦なままである。即ち、枠部材103は、凹部103iに対応する部分は、凹部103iの形状に倣うように薄肉化されている。これにより、枠部材103は、外から見て第1実施形態の枠部材3と同じように平坦な矩形枠の形状が保たれ、取扱いを容易にすることができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態に係るセルの集電体4,5を取り外した状態の平面図である。図12に示すように、第4実施形態のセルでは、略同一外径の電極体10を枠部材3内に複数並べて配置してできたデッドスペースに、それら電極体10よりも外径の小さい電極体110を配置している。このように、複数の電極体10,110が互いに外径の異なるものを含むことで、捲回された電極体10,110をケーシング内に効率良く収容することが可能となり、デッドスペースを減らして電池容量を向上させることができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第5実施形態)
図13は、本発明の第5実施形態に係るセルの電極体110の平面図である。図13に示すように、第5実施形態の電極体110では、電極体110の最外周に位置しない一方の電極12(本例では正極)の内周面に接する第2セパレータ114は、その捲回方向における外端部114cが、その電極12の捲回方向における外端部12cに比べて捲回方向の外側に突出している。また、電極体110の最外周に位置する電極(本例では負極11)の内周面に接する第1セパレータ113が、負極11及び正極12に比べて捲回方向の外側に1周以上にわたって延長されている。即ち、第1セパレータ113の捲回方向外側の延長部113cが保液材として電極体110の最外周を全周覆うように巻かれており、2つの電極11,12のうち外側に位置する電極(本例では負極11)の捲回方向の外端部11cまで覆っている。また、第1セパレータ113及び第2セパレータ114の捲回方向における内側部分は、連結部150aにより、電極体10の最内周に位置する電極12の内端部12dを覆うように互いに連結されている。即ち、本例の第1セパレータ113及び第2セパレータ114は、1つのセパレータ150を使用して構成されている。以上のような構成により、負極11と正極12との間の短絡が防止されている。なお、本実施形態では、延長部113cは、電極体10の外周を概ね1周巻いているが、1周以上であれば複数周巻いてもよい。
また、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第6実施形態)
図14は、本発明の第6実施形態に係るセルの要部断面図である。図14に示すように、第6実施形態のセルでは、負極集電体4と電極体10との間、及び、正極集電体5と電極体10との間に、それぞれ導電性の緩衝部材50を介在させている。緩衝部材50は、電池の厚み方向(負極集電体4と正極集電体5の対向方向)に塑性変形可能なシート状の導電性部材である。緩衝部材50は、緩衝シート部51と接触シート部52とが積層されてなる。緩衝シート部51は、厚み方向に塑性変形可能な導電素材(例えば、発泡ニッケル)で形成されており、集電体4,5に接するように配置されている。接触シート部52は、平滑な主面を有する導電素材(例えば、ニッケルめっきを施した鋼板や発泡ニッケルのプレス成形品)で形成されており、電極体10の負極11又は正極12の端子部11a,12aに接するように配置されている。
緩衝部材50は、緩衝シート部51により厚み方向の圧力を吸収する機能を果たし、接触シート部52により内部短絡を防止しつつ電極体10との良好な接触性を確保する機能を果たす。しかも、電極体10は捲回電池であり、その軸方向の両端に負極11及び正極12の端子部となる端部11a,12aが突出しているので、接触シート部52と電極体10との接触性が更に安定している。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。また、図15に示すように、緩衝部材は、接触シート部52を廃止して緩衝シート部51のみとする構成としてもよい。そうすれば、緩衝部材の構成を簡素化することができる。
(第7実施形態)
図16は、本発明の第7実施形態に係るセルCの断面図である。図17は、図16に示すセルCの集電体4,5を取り外した状態の平面図である。図16及び11に示すように、第7実施形態のセルCでは、複数の短冊状の負極211と複数の短冊状の正極212とが、プリーツ状に曲げられた波形のセパレータ213を介してセルCの厚み方向に直交する方向に交互に積層されて電極体210を構成している。即ち、負極集電体4側から見ると、負極211は露出しているが、正極212は露出せずにセパレータ213で覆われている。他方、正極集電体5側から見ると、正極212が露出しているが、負極211は露出せずにセパレータ213で覆われている。
図17に示すように、枠部材3と電極体210との隙間には、電解液が浸み込まされた保液材16が介装されている。具体的には、保液材16は、負極211及び正極212の配列方向に沿うように電極体210の一端側から他端側まで配置されている。これにより、電極体210への電解液の伝達度合に偏りが生じることが抑制されている。また、保液材16は、電極体210の表面との接触により圧縮された状態でケーシング2内に収容されている。よって、電極体210をケーシング2内に収容し易いように枠部材3の内部空間よりも少し小さくした場合に、セルCに外部から振動が伝達されても保液材16で振動吸収することができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。前記各実施形態は互いに任意に組み合わせてもよく、例えば1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよい。
以上のように、本発明に係る電池は、ドライアウトと内圧上昇との両方が抑制された寿命の長い電池を提供することができる優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる ニッケル水素電池等に広く適用すると有益である。
2 ケーシング
3,103 枠部材(ケーシング本体)
3g,3h リブ
4 負極集電体(負極外部端子)
5 正極集電体(正極外部端子)
10,110,210 電極体
11,211 負極
12,212 正極
13,14,213 セパレータ
15〜17,216 保液材
103i 凹部
150 緩衝部材
B 電池モジュール
C セル(電池)

Claims (10)

  1. 正極と負極との間にセパレータを介在させてなる1以上の電極体と、
    両側に一対の開口部が形成された枠状のケーシング本体と、前記正極に電気的に接続される正極外部端子と、前記負極に電気的に接続される負極外部端子とを有し、1以上の前記電極体を水系の電解液とともに前記ケーシング本体に収容し、前記正極外部端子及び前記負極外部端子を、前記一対の開口部をそれぞれ閉鎖するように前記ケーシング本体に固定してなるケーシングと、
    前記電解液を保持した状態で前記ケーシング内に収容された前記セパレータとは別個の部材である保液材と、を備え、
    前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容されており、
    前記保液材は、複数の前記電極体の隣接する隙間に配置されている、電池。
  2. 前記保液材は、その内部に多数の空隙が形成された可撓性部材である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記保液材は、その少なくとも一部が前記電極体の表面との接触により圧縮された状態で前記ケーシングに収容されている、請求項2に記載の電池。
  4. 前記保液材は、親水加工されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の電池。
  5. 正極と負極との間にセパレータを介在させてなる1以上の電極体と、
    両側に一対の開口部が形成された枠状のケーシング本体と、前記正極に電気的に接続される正極外部端子と、前記負極に電気的に接続される負極外部端子とを有し、1以上の前記電極体を水系の電解液とともに前記ケーシング本体に収容し、前記正極外部端子及び前記負極外部端子を、前記一対の開口部をそれぞれ閉鎖するように前記ケーシング本体に固定してなるケーシングと、
    前記電解液を保持した状態で前記ケーシング内に収容された前記セパレータとは別個の部材である保液材と、を備え、
    前記保液材は、前記電極体と前記ケーシングの間又は複数の前記電極体の間に配置されており、
    前記セパレータ、前記正極及び前記負極は、シート状であり、
    前記電極体は、前記正極と前記負極とが前記セパレータを挟んで渦巻き状に捲回されたものであり、
    前記電極体は、その中心に隙間が形成されるように捲回されており、
    前記保液材は、さらに前記電極体の中心の隙間に配置されている、電池。
  6. 前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容され、それら電極体は、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されており、
    前記ケーシング本体の内面には、前記複数の電極体のうち外側にある電極体の外周面に沿うように部分的に外側に向けて窪んだ凹部が形成されている、請求項に記載の電池。
  7. 前記電極体は、前記ケーシング内に複数収容され、それら電極体は、その軸線方向に直交する方向に並べて配列されており、
    複数の前記電極体は、互いに外径の異なる電極体を含んでいる、請求項5又は6に記載の電池。
  8. 前記ケーシング本体の前記正極外部端子との接触面、及び、前記ケーシング本体の前記負極外部端子との接触面の少なくとも一方には、前記開口部を囲むように閉ループ状のリブが設けられている、請求項1乃至のいずれかに記載の電池。
  9. 前記負極外部端子と前記電極体との間、及び、前記正極外部端子と前記電極体との間の少なくともいずれか一方に介在している導電性の緩衝部材をさらに備えている、請求項1乃至のいずれかに記載の電池。
  10. 前記ケーシング本体は、荷重たわみ温度が100℃以上、体積抵抗が10の10乗Ω・cm以上、かつ絶縁破壊強度が10kV/mm以上である特性を有した熱可塑性樹脂により構成されている、請求項1乃至のいずれかに記載の電池。
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