JP6042965B2 - 試料導入装置 - Google Patents

Description

本発明は、試料導入装置分野に関し、特に試料導入装置に関する。

イオン移動度分光計（ＩＭＳ）は、現在、国際で通常のトレース型検査設備の１つであり、ＩＭＳ技術は、主に、異なるイオンの弱電界作用での移動度の差異により試料を分離して区別する。当該ＩＭＳは、シンプルな構造、高感度、速い分析速度、及び結果の高信頼性等の特徴を有し、オンラインで麻薬、爆発物、毒ガス及び生化学ガス等を急速に検出することができ、軍事（化学戦争用剤のモニタリング）、民事（カウンターテロ、麻薬対策等）等の多くの分野に広く応用されることができ、国家の安全を維持し、社会の安定を維持し、国防力を強化し、人々の生活を維持するために、大きな作用を発揮する。しかし、単一のＩＭＳを採用して多種の成分の複雑な混合物を検査する場合、警報漏れ、警報誤りが発生しやすい。このため、分析機器の解像力を向上させることを目的とする種々の連用技術がそれぞれ生まれてきた。ガスクロマトグラフィ−イオン移動度分光分析（ＧＣ−ＩＭＳ)連用技術は、ＧＣの顕著な分離特徴とＩＭＳの急速応答、高感度の利点を利用して、ＧＣに存在する低区別能力の問題、およびＩＭＳが混合物を検査する場合に存在するクロス感度（ｃｒｏｓｓ ｓｅｎｓｉｔｉｖｉｔｙ）の問題を解決し、クロマトグラム保留時間、ドリフト時間及び信号強度の三次元スペクトルを取得することができ、成分が複雑である試料を効果的に識別することができ、検査がｐｐｂ（十億分率）のレベルに制限され、識別時間は数分間〜数十分間である。他の連用技術に比べて、ＧＣ−ＩＭＳは、インタフェースが簡単であり、維持費用が低く、価格品質比がよい等の様々な特徴を有する。このため、近年、ＧＣ−ＩＭＳ連用技術が急速に発展され、且つ小型化及び携帯性能の面で十分な優位性を表しており、ＧＣ−ＩＭＳ検査技術を急速且つ大幅に発展させることは未来の安全検査技術の重要な発展傾向の１つである。

試料導入器はＧＣ−ＩＭＳに不可欠な部分であり、試料導入器と試料導入方法の良否は機器の使用範囲に影響を及ぼすだけではなく、検査物質に対する機器の応答難易度と精度に影響を及ぼす。単一のＩＭＳに対しては、それにマッチングする試料導入器の種類が多く、技術が比較的成熟である。単一のＧＣに対しては、一般的に、ヘッドスペース試料導入式を採用し、複雑な試料前処理（急速検査に適用する）を省略するが、ヘッドスペース式の試料導入は依然として「破壊的」に一定の量の試料を取得する必要があるので、開梱しない場合の微量ガス現場高速検査に適合しない。特許ＣＮ１２９６５６４Ａには手持ち式のＧＣ−ＩＭＳ検査装置が開示され、表面に試料及ガス試料を付着することに適用する試料のサンプリングおよび導入形態を提供し、それは多孔ベルトを採用するか或いはベルトに吸着材料を塗ることにより、興味がある試料を吸着し、更に、ベルトにおける試料が吸着された部分を脱着ポートに輸送し、試料を析出して検査する。ガス試料に適用され、表面に試料を付着する非開梱の高速検査方法を開示したが、その吸着効果が理想的ではなく、機器の警報漏れ及び警報誤りが発生しやすい。

上記のように、従来のＩＭＳとＧＣの試料のサンプリングおよび導入技術は、いずれも、開梱しない場合におけるＧＣ−ＩＭＳによる現場高速検査に適用せず、開梱しない条件での試料導入装置の開発が急務になっている。

本発明は開梱しない条件で、揮発性、半揮発性及び微粒子状固体試料分子を高速、且つフルタイムに収集するとともに、収集した試料を前濃縮する熱脱着試料導入装置を提供することを目的とする。

上記技術的問題を解決するために、本発明は試料導入装置を提供し、当該試料導入装置は、サンプリング部、吸引ポンプ、吸着部、ピストンシリンダ及び脱着シリンダを含み、
前記脱着シリンダは、脱着チャンバを有し、
前記脱着シリンダには、前記脱着チャンバと連通されるキャリアガス導入口、キャリアガスパージ／スプリット排出口及び分析機器接続口が設けられており、
前記脱着シリンダの外壁には加熱フィルム及び温度センサが設けられており、
前記ピストンシリンダには、２つのピストンチャンバが設けられ、前記ピストンチャンバのそれぞれには、１つの前記吸着部が取り付けられており、
前記ピストンシリンダが前記脱着シリンダに取り付けられ、且つ２つの前記ピストンチャンバはいずれも前記脱着チャンバと連通され、
前記ピストンシリンダには、２つの前記ピストンチャンバと連通される試料吸入口および吸引ポンプ吸入口が設けられており、前記試料吸入口は前記サンプリング部に接続され、前記吸引ポンプ吸入口は前記吸引ポンプに接続されており、
前記吸着部は、それぞれ、吸着スクリーンシリンダおよびピストンロッドを含み、前記吸着スクリーンシリンダは吸着剤を収容することに用いられ、
前記ピストンロッドは、対応したピストンチャンバに摺動可能に取り付けられ、対応した吸着スクリーンシリンダを対応したピストンチャンバに沿って摺動させるとともに前記脱着チャンバに挿入させ、
前記吸着スクリーンシリンダのそれぞれは、前記試料吸入口および吸引ポンプ吸入口に同時に連通可能である。

そのうち、前記脱着シリンダの外壁には、断熱層が更に設けられている。

そのうち、前記試料吸入口は、ジャバラによって前記サンプリング部に接続され、
前記サンプリング部は、ホーン状吸込ヘッドを有し、前記ホーン状吸込ヘッドにはマイクロポーラスフィルターが設けられている。

そのうち、前記吸着スクリーンシリンダには吸着スクリーン口が設けられており、前記吸着スクリーン口は、前記試料吸入口と連通可能である。

そのうち、前記ピストンチャンバのそれぞれには、１つの冷却空気入口が設けられ、前記冷却空気入口のぞれぞれには入口バルブが設けられており、前記ピストンロッドのそれぞれには、冷却空気入口と連通可能な冷却キャビティが設けられ、各ピストンロッドの側壁には、対応した冷却キャビティと接続された通気孔が設けられ、前記通気孔は吸引ポンプの吸入口と連通可能である。

そのうち、前記吸着スクリーンシリンダのそれぞれの底部には、断熱パッドが設置されている。

そのうち、前記吸着部と前記ピストンチャンバとの間には、複数のシールリングが設けられている。

そのうち、前記脱着シリンダの内壁には、ライナーチューブが設けられている。

そのうち、前記ピストンシリンダと前記脱着シリンダとの間には、断熱プレートが設けられている。

そのうち、前記試料吸入口とサンプリング部はコルゲートホースによって接続され、前記コルゲートホースには乾燥剤パックが設けられている。

本発明の試料導入装置は、サンプリング部を採用して検査対象物の表面又はその周囲のガス雰囲気で直接的に吸気してサンプリングし、且つ吸着スクリーンシリンダの中の吸着剤により試料を吸着し、更に蓄積することで、開梱せず試料をサンプリングして検査することを実現でき、試料溶液の調製時間を節約し、種々のヘッドスペースサンプラを簡略し、機器の小型化と携帯式への発展に有利であり、空港、税関等の現場での高速検査に有利である。２つの吸着部が設けられて交替で繰り返して検査を行うことにより、検査対象物をフルタイムに収集することができ、特に、複数の検査対象物品がある場合、前の検査対象物を分析すると同時に、次の検査対象物に対してサンプリングおよび蓄積を行い、試料のサンプリングおよび検査の総計を節約し、分析機器のスループットと検査速度を効果的に向上させ、コストを節約することができる。吸引ポンプで持続的に吸気すると、試料を吸着剤に濃縮することができ、試料に対して濃縮することにより、検査装置（例えばＩＭＳ、ＭＳ、ＤＭＳ）の検査の下限に対する要求を低減させることができ、機器の開発難易度及びコストを低減させるとともに、機器の誤警報率を低減させることができる。

図１は本発明の実施例の模式図である。

以下、図面と実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を更に詳しく説明する。以下の実施例は本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。

図１に示すように、本発明の試料導入装置は、サンプリング部１０、吸引ポンプ２０、吸着部３０、ピストンシリンダ４０及び脱着シリンダ５０を含む。脱着シリンダ５０は脱着チャンバ５６を有し、脱着シリンダ５０には脱着チャンバ５６と連通される分析機器接続口５２、キャリアガス導入口５１及びキャリアガススプリット／パージ接続口５３が設けられており、脱着シリンダ５０の外壁には加熱フィルム及び温度センサ（未図示）が設けられている。分析機器接続口はクロマトグラフィーカラム、ＩＭＳ、ＭＳ或ＤＭＳ等と接続することに用いられ、キャリアガス導入口がキャリアガス供給装置と接続され、キャリアガスを受けることに用いられ、加熱フィルムは脱着チャンバ５６を加熱することに用いられ、温度センサは、外部の温度制御回路と接続され、脱着チャンバ５６の温度をリアルタイムに読み取るとともに、外部温度制御回路と一緒に、温度に対する制御を実現し、コントローラでプログラムによる昇温方法に従って脱着チャンバ５６の温度を制御し、電力消耗を効果的に減少することができる。脱着シリンダ５０にはキャリアガススプリット／パージ接続口５３が設置され、キャリアガススプリット／パージ接続口５３は脱着チャンバ５６と連通され、分析機器が、接続口５２を介して全ての混合試料ガスを完全に受けられない場合、一部分の混合試料ガスはキャリアガススプリット／パージ接続口５３から排出され、また、スプリット／パージ接続口５３を完全に開けると、脱着チャンバをパージすることができる。パージは、脱着チャンバ内の不純物を排除することができ、二次試料導入過程にゴーストピークが出現することを効果的に減少することができる。ピストンシリンダ４０には２つのピストンチャンバ４１が設けられ、各ピストンチャンバ４１に１つの吸着部３０が取り付けられる。ピストンシリンダ４０は、脱着シリンダ５０に取り付けられ、２つのピストンチャンバ４１はいずれも脱着チャンバ５６と連通される。ピストンシリンダ４０の下部は、脱着チャンバ５６の内部まで伸び、脱着チャンバ５６に挿入される。ピストンチャンバ４１の前部は、開口であり、脱着チャンバ５６と連通される。ピストンシリンダ４０には、２つのピストンチャンバ４１と連通される試料吸入口４２および吸引ポンプ吸入口４３が設けられ、試料吸入口４２とサンプリング部１０はコルゲートホース１２により接続され、吸引ポンプ吸入口４３は吸引ポンプ２０に接続される。吸着部３０は互いに接続された吸着スクリーンシリンダ３２とピストンロッド３１を含む。吸着スクリーンシリンダ３２は１つの側壁に細孔が設けられた円筒であり、吸着スクリーンシリンダ３２は吸着剤を収容する。吸着部３０の全体構造は往復可能な円柱状のピストンである。ピストンロッド３１は摺動可能にピストンチャンバ４１に取り付けられ、吸着スクリーンシリンダ３２をピストンチャンバ４１に沿って摺動させて脱着チャンバ５６に挿入させることができ、且つ吸着スクリーンシリンダ３２は同時に試料吸入口４２と吸引ポンプ吸入口４３とに連通されることができる。ピストンロッド３１の引きと押しを便利にするために、ピストンロッドの後端にピストンレバー３１１が設けられる。

使用するとき、吸着スクリーンシリンダ３２に吸着剤を置き、吸着部３０を引き出して、吸着スクリーンシリンダ３２をサンプリング部１０及び吸引ポンプ２０に連通させる。吸引ポンプ２０が吸気し、サンプリング部１０が試料ガスを吸収し、試料ガスが吸着スクリーンシリンダ３２を通過し、試料ガスの中の試料が吸着剤により吸収され、吸着剤における試料量が蓄積された後、吸着部３０を既に予め加熱された脱着チャンバ５６に押し込んで試料を析出し、析出された試料が、脱着チャンバ５６で予め加熱された、キャリアガス導入口５１から熱脱着チャンバ内に流入したキャリアガスと均一に混合した後、分析機器接続口５２からＧＣ−ＩＭＳ、ＩＭＳ、ＧＣ−ＭＳ、ＧＣ−ＤＭＳ又は他の分析機器に入り、検査を行う。本発明の２つの吸着部３０は交替的に使用されることができる。即ち、１つが引き出されて試料のサンプリングをする場合（次の検査対象試料）、他の１つが押し込まれて試料の脱着と検査（前の検査対象試料）を行うことができる。これにより、試料導入装置は、フルタイムに、且つ高速に試料を吸収することができ、特に、複数の検査対象試料を処理する場合、顕著な検査優位性を有する。吸着部３０は試料を濃縮させることができるため、分析機器の検査の精度を向上させる。

更に、吸着スクリーンシリンダ３２に吸着スクリーン口３２１が設けられ、吸着スクリーン口３２１は試料吸入口４２と連通されることができ、試料ガスが入るとき、吸着スクリーン口３２１から吸着スクリーンシリンダに高速に入り込む。吸着スクリーン口３２１の形状のような構造を採用することで、単位時間内の吸着面積を効果的に増加し、試料の蓄積速度を向上させる。好ましくは、試料吸入口４２と吸引ポンプ吸入口４３がピストンチャンバ４１の軸方向に沿って設置され、試料吸入口４２と吸引ポンプ吸入口４３との間の距離が吸着スクリーンシリンダ３２の長さよりわずかに小さくなり、吸着スクリーン口３２１がちょうど試料吸入口４２と相対して連通可能になる。同時に、吸着部の底端部に位置している断熱パッド３３を緩めることにより、吸着スクリーンシリンダ３２の吸着剤を交換してもよい。吸着剤の種類は、検査の要求に応じて選択することができる。

更に、脱着シリンダ５０の外壁に断熱層５４が設けられている。断熱層５４を利用して、脱着シリンダ５０の中の脱着チャンバ５６の熱の過剰損失を防止し、エネルギー消耗を低減させる。ピストンシリンダ４０と脱着シリンダ５０との間には断熱プレート６０が設けられており、脱着シリンダ５０とピストンシリンダ４０との熱伝達を効果的に隔離させることができる。ピストンシリンダ４０及び脱着シリンダ５０と断熱プレート６０とはねじにより密封接続される。断熱プレート６０は多孔質セラミック材料で製造される。

乾燥した試料ガスを取得するために、コルゲートホース１２に混合ガスの中の蒸気を除去するための乾燥剤パック１３を設置した。乾燥剤パック１３は、クロマトグラフィーカラム及び検査装置を保護する役割を果たす。乾燥剤パック１３はコルゲートホース１２に設置された係合溝１４により固定され、取り付けられる。サンプリング部１０はホーン状吸込ヘッド１１を有し、ホーン状吸込ヘッド１１にはマイクロポーラスフィルター１５が設けられている。マイクロポーラスフィルター１５を設置することにより、大きな粒子状物質が入って管路を塞ぐことを防止することができる。

更に、各ピストンチャンバ４１には冷却空気入口４４が設けられており、冷却空気入口４４には入口バルブ４４１が設けられている。ピストンロッド３１には冷却キャビティ３４が設けられており、冷却キャビティ３４は、冷却空気入口４４と連通されることができ、且つピストンロッド３１の側壁には冷却キャビティ３４と接続される複数の通気孔３４１が設けられ、少なくとも一部の通気孔３４１が吸引ポンプの吸入口と連通されることができる。吸着部３０を冷却する必要がある場合、吸着部３０を引き出し、冷却キャビティ３４を冷却空気入口４４に接続させ、入口バルブ４４１を開くと、吸引ポンプの作用により、冷却ガスが冷却空気入口４４から流入し、ピストンロッド３１と吸着スクリーンシリンダ３２を冷却させる。

更に、吸着部３０とピストンチャンバ４１との間には複数の「Ｏ」状のシールリング３５が設けられている。密封作用を果たすととも、冷却キャビティ３４と吸着スクリーンシリンダ３２とを隔離させて、冷却ガスが吸着スクリーンシリンダ３２に入ることを防止することができる。

更に、脱着シリンダ５０の内壁にはライナーチューブ５５が設けられている。脱着シリンダ５０はステンレス鋼で製造されることができ、脱着シリンダ５０には、化学性能が安定しているポリテトラフルオロエチレン材料で製造されたライナーチューブ５５が気密に嵌め込まれている。ライナーチューブ５５は定期的に交換することができる。これにより、試料ガスが金属材料と接触して反応すること、およびそれによる検査試料および検査信号の歪みを防止する一方、大きな粒子状物質がクロマトグラフィーカラムに入ってクロマトグラフィーカラムを塞ぐことを防止することができる。

好ましくは、吸着スクリーンシリンダ３２の底部に脱着チャンバ５６の熱を隔離するための断熱パッド３３を設置して、脱着チャンバ５６の中の熱が吸着スクリーンシリンダ３２へ伝達することを防止する。好ましくは、吸着スクリーンシリンダ３２の底部が開口であり、断熱パッド３３と吸着スクリーンシリンダ３２とがねじにより接続される。吸着部３０を抜き出し、又はピストンシリンダ４０を緩め、且つ吸着部３０の底部に位置している断熱パッドを緩めることで、吸着剤を交換することができる。使用者は異なる検査目的に応じて吸着剤の種類（充填した吸着剤の直径を吸着スクリーンシリンダ３２の綱目の直径より大きくすべきである）を選択することができるため、機器の柔軟性を大幅に向上させる。断熱パッドは、断熱性能が良いポリテトラフルオロエチレン材料で製造されることができ、吸着部３０が試料を蓄積するとき、吸着スクリーンシリンダ３２と吸着剤がほぼ室温にあることを効率的に保証でき、試料の吸着と蓄積に有利である。

好ましくは、本発明における吸着部３０のピストンロッド３１及び吸着スクリーンシリンダ３２は一体に製造され、且つ、化学性能が安定している耐熱材料、例えばポリテトラフルオロエチレンで製造される。ピストンシリンダ４０は、高強度で、耐熱性がよく、化学性能が安定しているポリテトラフルオロエチレン材料で製造される。吸着部３０を安定的にピストンチャンバ４１に沿って移動させるために、ピストンチャンバ４１に密封ガイドレールを設置し、試料のサンプリング、蓄積、空冷、熱脱着試料導入のためにサポート及び密封管路を提供する。

図１に示すように、説明の便宜上、２つの吸着部において、図における左側の吸着部を第１吸着部とし、図における右側の吸着部を第２吸着部とする。検査対象物に対してサンプリングする必要がある場合、まず、脱着シリンダの外壁の加熱フィルムを開けて、温度を設置し、温度が安定になった後、２つの吸着部をすべて脱着チャンバ内に押し込んで吸着剤の浄化を行ってから、２つの吸着部を引き出す。そのうち、第１吸着部を、図１に示す左側の吸着部が位置している位置まで引き、第２吸着部を、吸着スクリーンシリンダの上部がピストンシリンダの上部の試料吸入口よりやや低い位置（吸気通路を形成しないとともに、吸着部の冷却及び後の試料吸着に寄与する）まで引く。サンプリング吸引ポンプの電源を起動し、サンプリング部のホーン状のサンプリングヘッドを検査対象物に近距離で位置合わせし、吸引ポンプの作用により、検査対象物からの揮発性ガスを収集し始め、３−５分間持続的に収集して、サンプリングした試料の蓄積を実現し、試料が蓄積された後、第１吸着部に位置している吸着スクリーンシリンダをすべて脱着チャンバに押し込んで試料の析出を行うとともに、第２吸着部を、再び、試料吸入口、吸着スクリーンシリンダ及び吸引ポンプ吸入口が連通気体通路を形成する位置まで引く。このような操作を繰り返すことにより、複数の検査対象物がある場合のフルタイム、且つ急速な試料の収集、蓄積及び脱着を実現する。析出された検査対象試料がキャリアガス導入口から入ったキャリアガスと急速且つ均一に混合された後、試料排出口に入ることで、試料の脱着と試料の導入を実現し、試料排出口が検査デバイス又は分離デバイスと接続される。

本発明には以下のメリットがある。
（１）本試料導入装置を採用すると、検査対象物の表面又はその周囲のガス雰囲気で直接的に吸気してサンプリングすることができ、開梱する必要がなく、空間と溶液の調製時間を節約し、機器の小型化と携帯式への発展に有利であり、空港、税関等の現場での高速検査に非常に有利である。
（２）本試料導入装置を採用すると、検査対象物に対してフルタイムに収集を行うことができ、特に、複数の検査対象物品がある場合、前の検査対象物を分析すると同時に、次の検査対象物に対してサンプリングと蓄積を行うことができ、試料のサンプリングおよび検査の総計時間を節約し、分析機器のスループットと検査速度を効果的に向上させることができ、コストを節約することができる。
（３）本試料導入装置を採用すると、試料を前濃縮することができ、吸引ポンプを採用して持続的に吸気すると、試料を吸着剤に前濃縮することができ、前濃縮により、ＩＭＳの検査の下限に対する連用機器の要求を低減させることができ、機器の開発難易度及びコストを低減させ、機器の誤警報率を低減させることができる。
以上の記載は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の要旨と原則から逸脱しない場合、行った任意の修正、同等な切り替え、改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。

１０：サンプリング部
１１：ホーン状吸込ヘッド
１２：コルゲートホース
２０：吸引ポンプ
３０：吸着部
３１：ピストンロッド
３１１：ピストンレバー
３２：吸着スクリーンシリンダ
３２１：吸着スクリーン口
３３：断熱パッド
３４：冷却キャビティ
３４１：通気孔
３５：シールリング
４０：ピストンシリンダ
４１：ピストンチャンバ
４２：試料吸入口
４３：吸引ポンプ吸入口
４４：冷却空気入口
４４１：入口バルブ
５０：脱着シリンダ
５１：キャリアガス導入口
５２：分析機器接続口
５３：キャリアガススプリット／パージ接続口
５４：断熱層
５５：ライナーチューブ
５６：脱着チャンバ
６０：断熱プレート

Claims (10)

1. 試料導入装置であって、
   サンプリング部、吸引ポンプ、吸着部、ピストンシリンダ及び脱着シリンダを含み、
   前記脱着シリンダは、脱着チャンバを有し、
   前記脱着シリンダには、前記脱着チャンバと連通されるキャリアガス導入口、キャリアガスパージ／スプリット排出口及び分析機器接続口が設けられており、
   前記脱着シリンダの外壁には加熱フィルム及び温度センサが設けられており、
   前記ピストンシリンダには、２つのピストンチャンバが設けられ、前記ピストンチャンバのそれぞれには、１つの前記吸着部が取り付けられており、
   前記ピストンシリンダは、前記脱着シリンダに取り付けられ、且つ２つの前記ピストンチャンバは、いずれも前記脱着チャンバと連通されており、
   前記ピストンシリンダには、２つの前記ピストンチャンバと連通される試料吸入口および吸引ポンプ吸入口が設けられており、前記試料吸入口は前記サンプリング部に接続され、前記吸引ポンプ吸入口は前記吸引ポンプに接続されており、
   前記吸着部は、それぞれ、吸着スクリーンシリンダおよびピストンロッドを含み、前記吸着スクリーンシリンダは吸着剤を収容することに用いられ、
   前記ピストンロッドは、対応したピストンチャンバに摺動可能に取り付けられ、対応した吸着スクリーンシリンダを、対応したピストンチャンバに沿って摺動させるとともに前記脱着チャンバに挿入させ、
   前記吸着スクリーンシリンダのそれぞれは、前記試料吸入口および吸引ポンプ吸入口に同時に連通可能である、
   ことを特徴とする試料導入装置。
2. 前記脱着シリンダの外壁には、断熱層が更に設けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
3. 前記試料吸入口は、ジャバラによって前記サンプリング部に接続され、
   前記サンプリング部は、ホーン状吸込ヘッドを有し、前記ホーン状吸込ヘッドにはマイクロポーラスフィルターが設けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
4. 前記吸着スクリーンシリンダには吸着スクリーン口が設けられており、
   前記吸着スクリーン口は、前記試料吸入口と連通可能である、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
5. 前記ピストンチャンバのそれぞれには、１つの冷却空気入口が設けられ、前記冷却空気入口のぞれぞれには入口バルブが設けられており、
   前記ピストンロッドのそれぞれには、冷却空気入口と連通可能な冷却キャビティが設けられ、各ピストンロッドの側壁には、対応した冷却キャビティと接続された通気孔が設けられ、前記通気孔は吸引ポンプの吸入口と連通可能である、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
6. 前記吸着スクリーンシリンダのそれぞれの底部には、断熱パッドが設置されている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
7. 前記吸着部と前記ピストンチャンバとの間には、複数のシールリングが設けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
8. 前記脱着シリンダの内壁には、ライナーチューブが設けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
9. 前記ピストンシリンダと前記脱着シリンダとの間には、断熱プレートが設けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。
10. 前記試料吸入口とサンプリング部はコルゲートホースによって接続され、
    前記コルゲートホースには乾燥剤パックが設けられている、
    ことを特徴とする請求項１に記載の試料導入装置。

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