JP6042370B2 - モデル推定装置、行動予測装置、方法、及びプログラム - Google Patents

モデル推定装置、行動予測装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、モデル推定装置、行動予測装置、方法、及びプログラムに係り、特に、外部刺激に対する個体の反応時刻を予測するためのモデル推定装置、行動予測装置、方法、及びプログラムに関する。
従来より、顧客の購買時刻を予測する技術が存在する(例えば、非特許文献1)。非特許文献1では、次の2種類の変動因子を採用した上で各顧客の影響度パラメータを購買データから推定し、各顧客が次に購買を行う時刻を予測している。第1に、商品の定価、値引き、陳列、顧客の在庫状況をマーケティング刺激として採用している。第2に、直前の購買時刻のみを履歴依存性として採用している。具体的には、購買時刻の間隔が指数分布あるいはErlang−2分布に従うと仮定している。
また、変動因子としてEメール、ダイレクトメール、TV広告のマーケティング刺激と、顧客間の相互作用を採用し、購買時刻の予測を行う技術が存在する(例えば、非特許文献2)。ただし、顧客間の相互作用の大きさはデータから推定され、購買履歴の依存性は考慮していない。
Sunil Gupta, "Stochastic Models of Interpurchase Time With Time-Dependent Covariates", Journal of Marketing Research, Vol. 28, No. 1, pp. 1-15, 1991. Rikiya Takahashi, Hideyuki Mizuta, Naoki Abe, Ruby L. Kennedy, Vincent J. Jeffs, Ravi Shah, Robert H. Crites, "Collective Response Spike Prediction for Mutually Interacting Consumers", Data Mining (ICDM), 2013 IEEE 13th International Conference on, pp.727-736, 2013.
しかしながら、従来技術の非特許文献1及び2では、予測装置の数理的な取り扱いやすさを保つ目的で、マーケティング刺激あるいは顧客間の相互作用が区分的に定常であるという仮定を置いている、という問題がある。
ここで「区分的に定常」とは、ある決められた時間幅内では変動因子の時間変動が無視できる(定常である)ことを指す。具体的には、非特許文献1では一週間、非特許文献2では購買と購買の間の各期間、をその時間幅に設定している。この仮定が有効であるための条件は、変動因子が、定常であると設定した時間幅に比べて十分に遅い時間スケールで変動していることであるが、この条件は現実の条件に合わない可能性が高い。
例えば、広告によって顧客の購買意欲を高める例を考えると、新聞チラシやテレビコマーシャルによって喚起された購買意欲が1週間以上減衰することなく持続するという仮定は、扱う商品によっては当てはまらない可能性がある。また、顧客によって平均的な購買間隔は異なり、購買間隔が一ヶ月以上になる場合も十分に考えられるが、その期間一回のテレビコマーシャルの効果が定常的に働くと考えるのは不自然である。
また、上記と同様に、予測装置の数理的な取り扱いやすさを保つため、非特許文献1では、現在の行動頻度関数が直前の購買時刻にのみ影響を受けるというマルコフ的挙動を仮定として置いている。非特許文献2では、現在の行動頻度関数は過去の購買履歴に影響を受けないという仮定を置いている。しかし、現実の顧客の購買行動は過去の一連の購買履歴の影響を受けると考えるのが自然であり、その不自然な仮定が推定及び予測精度を悪化させる可能性がある。
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、外部刺激に対する個体の反応時刻を精度よく予測するためのモデルパラメータを推定することができるモデル推定装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
また、外部刺激に対する個体の反応時刻を精度よく予測できる行動予測装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明に係るモデル推定装置は、入力として、個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、個体uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記個体uが反応行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記個体が前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記反応行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、それぞれが独立事象であって、かつ、前記外部刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化する階層的モデル化部と、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定する全体パラメータ推定部と、前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記個体毎の前記影響度パラメータを推定する個別パラメータ推定部と、を含んで構成されている。
ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
また、第1の発明に係るモデル推定装置において、前記全体パラメータ推定部は、前記個体毎の、観測された前記個体の反応行動の発生時刻の時系列に対する前記個体の影響度パラメータの尤度関数を乗算した値から設定された周辺尤度関数が、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データに対して最尤化されるように、前記全体パラメータを推定してもよい。
第1の発明に係る行動予測装置は、入力として、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、第1の発明に係るモデル推定装置によってモデル化された、前記個体の各々に対する前記個体が前記反応行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、前記推定された前記個体毎の前記影響度パラメータと、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体の各々について、前記行動頻度関数λ(t)を推定する行動確率推定部と、前記行動確率推定部によって推定された前記個体の各々についての前記行動頻度関数λ(t)と、前記外部刺激の発生予定時刻とに基づいて、前記個体毎に、個体uが前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、前記個体uの反応行動の発生時刻を予測する行動時刻予測部と、を含んで構成されている。
第2の発明に係るモデル推定装置は、入力として、顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、顧客uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記顧客uが購買行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記顧客が前記購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記購買行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記購買行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、それぞれが独立事象であって、かつ、前記マーケティング刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記購買行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化する階層的モデル化部と、前記入力部によって受け付けた、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記顧客毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記顧客における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、顧客全体における分布を表す全体パラメータを推定する全体パラメータ推定部と、前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記顧客毎の前記影響度パラメータを推定する個別パラメータ推定部と、を含んで構成されている。
ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
第2の発明に係る行動予測装置は、入力として、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、第2の発明に係るモデル推定装置によってモデル化された、前記顧客の各々に対する前記顧客が前記購買行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、前記推定された前記顧客毎の前記影響度パラメータと、前記入力部によって受け付けた、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記顧客の各々について、前記行動頻度関数λ(t)を推定する行動確率推定部と、前記行動確率推定部によって推定された前記顧客の各々についての前記行動頻度関数λ(t)と、前記外部刺激の発生予定時刻とに基づいて、前記顧客毎に、顧客uが前記購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、前記顧客uの購買行動の発生時刻を予測する行動時刻予測部と、を含んで構成されている。
第1の発明に係るモデル推定方法は、入力部、階層的モデル化部、全体パラメータ推定部、個別パラメータ推定部を含むモデル推定装置におけるモデル推定方法であって、前記入力部が、入力として、個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付けるステップと、前記階層的モデル化部が、個体uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記個体uが反応行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記個体が前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記反応行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、それぞれが独立事象であって、かつ、前記外部刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化するステップと、前記全体パラメータ推定部が、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定するステップと、前記個別パラメータ推定部が、前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記個体毎の前記影響度パラメータを推定するステップと、を含んで実行することを特徴とする。
ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
第1の本発明に係るプログラムは、コンピュータに、上記の第1の発明に係るモデル推定装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
第1の本発明に係るプログラムは、コンピュータに、上記の第1の発明に係る行動予測装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
本発明のモデル推定装置、方法、及びプログラムによれば、個体が反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))をモデル化する場合において、少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層関係を与え、因数関数rを直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化し、個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定し、個体毎の影響度パラメータを推定することで、外部刺激に対する個体の反応時刻を精度よく予測するためのモデルパラメータを推定することができる、という効果が得られる。
また、本発明の行動予測装置、プログラムによれば、モデル化された、前記個体の各々に対する前記個体が前記反応行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、前記推定された前記個体毎の前記影響度パラメータと、に基づいて、個体の各々について行動頻度関数λ(t)を推定し、個体u毎に反応行動の発生時刻を予測することで、外部刺激に対する個体の反応時刻を精度よく予測することができる、という効果が得られる。
本発明の実施の形態に係るモデル推定装置の主要構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるモデル推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 HTRMにおける時間軸のスケーリングの例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る行動予測装置の主要構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における行動予測処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 顧客毎に推定した行動頻度関数の出力例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<本発明の実施の形態の概要>
まず、本発明の実施の形態の概要を説明する。
本発明の実施の形態は、顧客が単位時間当たりに購買決定を行う確率、すなわち行動頻度関数を各時刻で算出し、その確率に基づき顧客の購買時刻を予測する技術に関するものである。
従来の技術においては、数理的な取り扱いやすさを保つかわりに変動因子の定常性を仮定したり履歴依存性を単純なものに限定したりしているために、推定及び予測精度を悪化させていた。
そこで、本発明の実施の形態では、後述する「Time−rescaling Theorem(時間伸縮理論)」と呼ばれる確率理論(非特許文献3参照)を階層的に用いることで、マーケティング刺激や過去の購買履歴、顧客間の相互作用といったさまざまな変動因子の影響を、連続時間軸上でかつ多様な形式で取り入れることを可能とする柔軟な予測装置を開発し、上記の課題を解決する。
[非特許文献3]:E. N. Brown, R. Barbieri, et al., “The Time-Rescaling Theorem and Its Application to Neural Spike Train Data Analysis”, Neural Computation, Vol. 14, No. 2, pp. 325-346, 2002.
ここで、行動頻度関数とは、単位時間当りに顧客が購買決定を行う確率のことである。
また、マーケティング刺激とは、セール、テレビ広告、ダイレクトメールなど事業者が購買促進を目的として顧客に対して行う施策のことである。なお、マーケティング刺激が、外部刺激の一例である。
また、変動因子とは、行動頻度関数を時間変動させる原因である。原因として、マーケティング刺激や顧客の購買履歴などを想定するが、これらの原因に限定されるものでなく、他の様々な原因を採用することができる。なお、本実施の形態では、変動因子として何を採用するか特段の指定はしないものとする。
モデル推定装置100は、一定期間内において顧客の各々が購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、行動頻度関数λ(t)のもとでモデル化し、全ての顧客間における分布の形状を決める全体パラメータ(パラメータ値の非一様性)を推定し、推定された全体パラメータに基づいて顧客毎の影響度パラメータを推定し、その結果を出力とする。
行動予測装置200は、顧客の各々について、行動頻度関数を推定し、推定した行動頻度関数に基づいて、顧客毎に購買行動の発生時刻の系列を予測し、その結果を出力とする。
なお、本実施の形態では、顧客の購買行動モデルを学習し、学習した購買行動モデルを用いて、顧客の購買行動の発生時刻を予測する装置として説明するが、これに限定されるものではなく、外部の刺激に対する個体の反応行動の発生時刻を予測するためのモデル推定装置、及び行動予測装置として、様々な応用が可能である。
<本発明の実施の形態に係るモデル推定装置の構成>
本発明の実施の形態に係るモデル推定装置100の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るモデル推定装置100は、CPUと、RAMと、後述するモデル推定処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。このモデル推定装置100は、機能的には図1に示すように入力部10と、演算部20と、出力部50とを備えている。
入力部10は、入力として、顧客の各々について観測された、顧客毎の購買行動の購買時刻及び購買内容(購買価格、購買数など)の時系列データと、観測された、顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける。顧客の各々の購買時刻及び購買内容の時系列データは、具体的には、観測された顧客の各々を識別するための顧客識別情報である顧客ID(uと表記)、顧客uの購買行動発生時刻の系列({t }=(t ,t1 ,t2 ,…)と表記)、顧客uの各時刻での購買内容({m }=(m ,m1 ,m2 ,…)と表記)、観測時間(開始時刻を0、終了時刻をTとして[0,T]と表記)から構成される時系列データの集合として受け付ける。
ただし、購買内容は装置使用者が選択した変動因子の入力を受け付け、受け付けた購買内容に従って適時決められるものとする。例えば、購買金額による購買確率の変動を考慮する場合は、m =購買金額となる。また、購買金額のほかに、購買商品数、購買商品ブランドなども変動因子として想定しうる。なお、マーケティング刺激は必須でないものとする。
また、入力部10は、入力として、階層的モデル化部32において用いる、少なくとも3つ以上の変動因子の選択を受け付ける。また、入力部10は、入力として、選択された変動因子の各々に対応する因数関数、及び因数関数間の階層関係の設定を受け付ける。なお、選択された変動因子の各々に対応する因数関数の各々は、入力として受け付けるのではなく、予めデータベースに記憶しているものを用いてもよい。
また、入力部10は、入力として、分布型選択部34において用いる確率分布型の選択を受け付ける。
演算部20は、顧客購買行動モデル学習部30と、パラメータ記憶部40とを含んで構成されている。
パラメータ記憶部40には、全体パラメータの推定に用いるパラメータ群(例えば、a,b,a,bなど)が、入力部10により受け付けた因数関数の各々と対応付けて格納される。本実施の形態では、パラメータ群をまとめてθ≡(a,b,a,b,…)と表記し、以後、影響度パラメータと呼ぶこととする。影響度パラメータは、変動因子の各々と行動頻度関数の関係を、因数関数の各々に従って数理モデル化する際に定義されるパラメータであり、変動因子の各々の行動頻度関数に対する影響の強さを表す。
顧客購買行動モデル学習部30は、一定期間内において顧客が購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))をモデル化する場合において、入力部10により受け付けた因数関数の各々、及び因数関数間の階層関係の設定に基づいて、行動頻度関数を、受け付けた各因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く一定期間内に購買行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数rから順番に一定期間の時間積分値を解析的に算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化する。そして、入力部10により受け付けた購買時刻及び購買内容の時系列データとマーケティング刺激の時系列データとに基づいて、顧客全体に対する全体パラメータを推定し、推定した全体パラメータに基づいて、顧客毎の影響度パラメータとを推定する。そして、学習の結果として、確率p({t }|λ(t))のモデルで用いる行動頻度関数と、全体パラメータと、影響度パラメータの各々とを出力する。
顧客購買行動モデル学習部30は、階層的モデル化部32と、分布型選択部34と、全体パラメータ推定部36と、個別パラメータ推定部38とを含んで構成されている。
階層的モデル化部32は、入力部10により受け付けた因数関数の各々、及び因数関数間の階層関係の設定に基づいて、少なくとも3つ以上の変動因子の各々と行動頻度関数λ(t)との関係を階層的にモデル化する。
ここで、本実施の形態における階層的モデル化の原理について説明する。
行動頻度関数λ(t)に基づく予測装置の数理的な取り扱いの難しさは、期間[t ,T]で購買時系列{t }が観測される確率、
の中の積分計算、
に起因する。ただし、Πj=1λ(t)の項は、各時刻tで購買イベントが発生する確率、
は、各時刻点tを除く区間[t ,T]で購買イベントが発生しない確率を表している。本実施の形態におけるモデルの学習及び予測は、上記の(1)式により求まる確率に基づいて行われるので、上記(2)式の積分計算は解析的に求められなければならない。
そこで、本実施の形態では、行動頻度関数λ(t)を以下(4)式、及び(5)式の形式で表す。
ただし、r(Λ(t))は、それぞれ独立したl番目の変動因子による時間軸Λ(t)を説明変数とする因数関数r(Λ(t))の積として説明できると仮定する。また、Lは変動因子lの全体の個数である。一方でこのとき、l+1番目の因数関数rl+1Λl+1(t)(≧0)はl番目の因数関数rΛ(t)によってスケーリングされた時間軸Λl+1(t)の関数となるように設計されている。
以上のように、変動因子ごとに分離した単位で階層的にスケーリングされた時間軸の因数関数rl+1Λl+1(t)の積として行動頻度関数を表現するモデルを、本実施の形態では、Hierarchical Time−Rescaling Model(階層的時間伸縮モデル、以後、HTRMと表記)と呼ぶこととする。
以下(6)式の展開で示されるように、HTRMでは、上記(2)式の積分計算は時間軸Λl+1(t)と一致する。
すなわち、各因数関数rl−1(Λl−1(t))の積分であるΛ(t)が解析的に得られることが、上記(2)式の積分計算の解析解が存在するための条件となる。HTRMの利点は、複数の因数関数の積で表現される行動頻度関数は複雑に時間変動することができる一方で、上記(2)式の積分計算の解は解析的に保証されるという点にある。
図3にHTRMにおいて時間軸がスケーリングされる様子を示す。各階層の垂線の上側の目盛りが購買時刻、上側の波形が行動頻度関数、下側の目盛りが実時間軸を表している。各階層において、新しい時間軸Λl+1(t)が現在の時間軸Λ(t)を因数関数r(Λ(t))でスケーリングすることが表されている。階層が進むごとに、その時間軸での行動頻度関数は因数関数r(Λ(t))を失っていき、すなわち時間変動は緩やかになっていき、最終的に行動頻度関数の値は1となる。
従来技術において、2階層のHTRMに相当するモデルは非特許文献1、及び非特許文献4(S. Shimokawa, S. Shinomoto,“Estimating Instantaneous Irregularity of Neuronal Firing”, Neural Computation, Vol. 21, No. 7, pp. 1931-1951, 2009.)に例がみられるが、任意の階層での定式化及び3階層以上での応用を行った例は存在しない。従来技術で2階層のモデルのみが考えられてきたのは、刺激と履歴依存性をモデルに同時に導入できる最も単純なモデルであったためであるが、2階層以上の複雑なモデルは解析的に扱えないため提案されてこなかった。今回、本発明の実施の形態におけるHTRMが従来の2階層モデルの単なる拡張ではないことは以下の2点から明らかである。
1点目は、定式化についてである。従来の2階層化(λ(t)と表記)は、
を再実行してモデルを3階層(λ(t)と表記)に拡張しようとすると、
となるが、このときλ(t)はtの複雑な関数の積分で与えられるので、Λ(t)を解析的に得ることが不可能である。
つまり、階層(すなわち独立事象である変動因子)を3以上に設定し、より複雑なモデルを実現するために、L(≧3)個の因数の積として、因数関数を定義し、さらに各因数関数r(Λ(t))を直前の因数関数rl−1(Λl−1(t))の積分の関数として定義する、というのが本実施の形態における階層的モデル化の成果である。
2点目は、3階層以上での応用についてである。複数の変動因子が存在する場合を考えると、本発明の実施の形態では、行動頻度関数に対する変動因子の各々の効果をすべて積の形で導入することが可能である。その結果、1度の積で表される2階層モデルでは表現できない、複雑な時間変動を許容する行動頻度関数のモデルを本発明では実現することができる。そのため、マーケティング刺激などに対する人間の非線形な応答を表現する上で、本発明の実施の形態に係るHTRMは強力なツールとなる。
以上が、本実施の形態における階層的モデル化の原理である。
、階層的モデル化部32による行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)のモデル化の例について説明する。ただし、簡単のため、t を単にtと表記する。4つの例について説明する。
例1では、変動因子として、セールによって購買が促進される効果、過去の購買の影響、及び直前の購買の影響を用いて、それぞれ、r(Λ(t))=r(t),r(t),r(t)の中でモデル化する。
このとき行動頻度関数は、
で表現される。
まず、セールによって購買が促進される効果を表す因数関数r(t)については、セールが開始されると、行動頻度関数の値が上昇し、その効果が時間とともに減少していく状況をα関数で表現する場合、以下(8)式によりモデル化する。
ただし、cは基礎レート、sはi番目のセール開始時刻、a(≧0)はセールのインパクトの強さ、1/b(≧0)はセール効果の持続時間を表す。なお、α関数以外の関数であっても良く、状況に応じて決めることができる。
次に、過去の購買行動に促進される効果を表す因数関数r1(Λ1(t))については、非特許文献5(T. Iwata, A. Shah, Z. Ghahramani, “Discovering Latent Influence in Online Social Activities via Shared Cascade Poisson Processes”, Proceedings of the 19th ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining, pp. 266-274, 2013.)に記載されているHawkes過程によって、以下(9)式によりモデル化する。
ただし、tは顧客のj番目の購買時刻、a(≧0)はインパクトの強さ、1/b(≧0)は効果の持続時間、N(t)は時刻tまでに発生した購買イベントの回数を表す。なお、インパクトの強さaが購買内容mに依存すると仮定することも可能である。
次に、直前の購買の影響を表す因数関数r2(Λ2(t))については、ワイブル分布、fΚ(x)=κxΚ−1exp(−xΚ),のハザード率で表現する場合、ワイブル分布の累積分布をFΚ(x)=1−exp(−x)として、以下(10)式によりモデル化する。
ただし、κはワイブル分布の形状パラメータである。なお、ワイブル分布ではなく別の分布を用いることも可能であり、実用例としては、Erlang−2分布が挙げられる(非特許文献1参照)。
また、どの分布が適切であるかはデータごとに精査されるべきものであり、各パラメータc、s、a、b、a、b、κは、後述する個別パラメータ推定部38において推定される。
上記のように3つの因数関数をモデル化したとき、上記(6)式の積分計算における、スケーリングされた時間軸Λ(t)、Λ(t)、Λ(t)は、それぞれ、下記(11)式〜(13)式によって与えられる。
ただし、max(x,y)はxとyのいずれか大きい方を取る関数である。このように、本実施の形態における学習及び予測時に必要な上記(2)式の積分計算は解析関数Λ(T)によって与えられるといえる。
なお、仮に、3つの変動因子を同一時間軸tの上で発生するものとして非階層的に、
で取り入れた場合、積分計算∫ λ(t)dtはそのままでは実行できず、r(t)とr(t)が購買イベント[t,tj+1]で定常であると仮定して計算しなくてはならない。この場合、仮定した状況で作成したモデルは、顧客の実態を十分に反映していない問題を生じやすい。
次に、例2として、さらに広告(テレビCMや新聞チラシ)に接触したことによる購買確率の変動を取り入れてモデル化する例について説明する。もっとも単純な取り入れ方は、例1のr(t)を、接触の効果が指数関数的に減衰すると仮定して、
とするものである。ただし、wはk番目の広告接触時刻、aは広告のインパクトの強さ、1/bは広告効果の持続時間を表す。指数関数exp[−b(t−w)]ではなく、より複雑なα関数(t−w)exp[−b(t−w)]でモデル化する、あるいは人間の記憶の減衰の仕方(非特許文献5参照)を考慮してベキ関数、
でモデル化する方法も考えられる。もちろん広告の種類に応じてインパクトの強さを表すパラメータaを別々に用意することも可能である。
次に、例3として、例えば1分間と10分間のテレビCMでは1回のイベントで与えるインパクトは異なりうるが、その差異をモデル化する例について説明する。差異を取り入れる方法の1つとして、例1のr(t)を、以下(16)式とする。
ここで、w start、w endはそれぞれk番目の広告の接触開始時刻と接触終了時刻である。接触時間が長いとそれだけ受ける影響が大きくなる。g(t−t´)は畳み込み関数であり、例2と同様に指数関数やベキ関数などを当てはめることができる。広告だけでなく例1で示したセール効果においても同様のモデル化が可能である。
次に、例4として、ある顧客uの購買イベントが別の顧客u´の行動頻度関数に影響を与えるようにモデル化する例について説明する。以下の項をいずれかの階層の因数関数rl(Λ,(t))に組み込んで導入することにより実現される。
ただし、
は顧客u´のju´番目の購買イベント時刻、g(x)は畳み込み関数を表している。畳み込み関数については、非特許文献2ではベキ関数、非特許文献5では指数関数が用いられている。この相互作用の項をどの階層に導入するかは装置使用者の裁量に任される。例1あるいは例2のr(t)に加える場合は実時間軸上で効果をモデル化することになり、r1(Λ(t))に加える場合はセールや広告の変動因数でスケーリングした時間軸上でモデル化することになる。どちらにせよ、例1で挙げた履歴依存性を同時に考える場合は、HTRMでないと積分計算∫ λ(t)dtの実行は容易ではなく、区分的定常性を仮定しなくてはならない。
以上のように、階層的モデル化部32は、入力部10により受け付けた因数関数の各々、及び因数関数間の階層関係の設定に基づいて、顧客uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに顧客uが購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、上記(1)式に従って、各時刻tに購買行動が発生する確率と、各時刻tを除く一定期間内に購買行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、上記(6)式に従って、少なくとも3つ以上の変動因子lに対して与えられた少なくとも3つ以上の因数関数rに、少なくとも3つ以上の階層からなる階層関係を与え、因数関数rを直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、行動頻度関数λ(t)を、上記(4)式に従って、少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻tを除く一定期間内に購買行動が発生しない確率における上記(3)式の積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うように、上記(4)式〜(6)式に従って、行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)をモデル化し、モデルをパラメータ記憶部40に格納すると共に、結果を出力部50に出力する。
分布型選択部34は、入力部10により受け付けた確率分布型の選択に基づいて、顧客全体に対する影響度パラメータの確率分布形状を選択する。
指数分布族には代表的なものに、正規分布(S(x)=x,S(x)=x)、ガンマ分布(S(x)=x,S(x)=log(x))、逆正規分布(S(x)=x,S(x)=x−1)などがあり、非特許文献1と非特許文献2ではガンマ分布が用いられている。本実施の形態では、正規分布(S(x)=x,S(x)=x)、ガンマ分布(S(x)=x,S(x)=log(x))、逆正規分布(S(x)=x,S(x)=x−1)の何れかを選択しても良いが、特定の指数分布族に限定するものではない。
全体パラメータ推定部36は、入力部10により受け付けた顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、階層的モデル化部32によりモデル化した行動頻度関数のモデルと、パラメータ記憶部40に格納されている影響度パラメータと、分布型選択部34により選択した確率分布型とに基づいて、顧客の購買行動及び行動内容の時系列データに対して最尤化されるように全体パラメータμとνを推定し、推定した全体パラメータμとνをパラメータ記憶部40に格納すると共に、結果を出力部50に出力する。
本実施の形態では、セールや広告に対する反応の大きさや購買履歴に対する依存性は顧客毎に異なりうる。つまり、影響度パラメータθは顧客毎に異なりうるので、顧客uの影響度パラメータを特にθと表記する。
顧客間での影響度パラメータの違いをモデル化するため、影響度パラメータθ=(θ ,θ ,θ …)の各成分θ の顧客間分布を2変数指数分布族、p(θ |μ,ν)=exp[μ(θ )+ν(θ )−B(μ,ν)+C(θ )], l=1,2,3,…でモデル化する。ただし、S(θ )とS(θ )は2変数指数分布族を特徴付ける十分統計量、μとνは分布の形状を決める2つのパラメータである。このとき影響度パラメータθの従う確率分布は以下の(18)式で表現される。
ここで、μ=(μ,μ,μ,…)とν=(ν,ν,ν,…)は顧客全体におけるθの分布形状を決める全体パラメータである。
全体パラメータ推定部36では、経験ベイズ法を用いて、全体パラメータμとνを推定する。まず、顧客毎の影響度パラメータの尤度関数p({t |θ})は、階層的モデル化部32において影響度パラメータθの関数としてモデル化された行動頻度関数λ(t|θ)を用いて、
と計算する。これは点過程と呼ばれる確率理論から導かれる。この尤度関数と(104)で選択したθの確率分布p(θ|μ,ν)から、ベイズの定理に基づき(μ,ν)に対する周辺尤度関数が以下(20)式のようにして計算する。
ただし、Dは全顧客のデータを表す。(μ,ν)はこの周辺尤度関数p(D|μ,ν)を最尤化されるように推定する。このように、周辺尤度関数などを用いてモデルパラメータをすべてデータから推定する方法を経験ベイズ法と呼ぶ。
周辺尤度関数p(D|μ,ν)の最尤化は解析的には不可能であるので、EM法を用いて実行する。EM法の下、周辺尤度を最尤化する(μ,ν)は次の更新ルールを繰り返し実行することで得られる。
ただし、(μ,ν)はp番目の更新値を表し、E[Z(θ|{t ,ν)]は以下(23)式で定義されるθについての事後平均を表す。
ただし、Z(θ)は任意のθの関数である。
個別パラメータ推定部38は、全体パラメータ推定部36で推定された全体パラメータ(^μ,^ν)に基づいて、以下(24)式に従って、顧客毎の影響度パラメータを事後平均として推定し、推定した顧客毎の影響度パラメータをパラメータ記憶部40に格納すると共に、結果を出力部50に出力する。
<本発明の実施の形態に係る行動予測装置の構成>
図4に示すように、本実施の形態に係る行動予測装置200は、CPUと、RAMと、後述する行動予測処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この行動予測装置200は、機能的には図4に示すように入力部210と、演算部220と、出力部250とを備えている。
入力部210は、入力として、顧客の各々について観測された、顧客毎の購買行動の購買時刻及び購買内容の時系列データと、観測された、顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、マーケティング刺激の発生予定時刻とを受け付ける。
演算部220は、行動確率推定部230と、行動時刻予測部232と、パラメータ記憶部40とを含んで構成されている。
パラメータ記憶部240には、モデル推定装置100によりモデル化された、顧客の各々に対する顧客が購買行動を時系列t に発生する確率p({t }|λ(t))で用いられる行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)と、推定された全体パラメータと、推定された顧客毎の影響度パラメータとが格納されている。
行動確率推定部230は、顧客uの各々に対して、入力部210により受け付けた当該顧客u毎の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、パラメータ記憶部240に記憶された行動頻度関数λ(t)と、時間軸Λ(t)と、全体パラメータと、及び当該顧客uの影響度パラメータ^θとに基づいて、行動頻度関数λ(t|^θ)を推定する。
図6に、影響度パラメータθに基づき顧客毎の行動頻度関数λ(t|^θ)を推定したときの分布を可視化した例を示す。なお、図6は、モデル推定装置100における例1のモデル化によって得られた確率p({t }|λ(t))と、推定した顧客毎の影響度パラメータ^θとを用いた場合の出力例である。
図6(A)はセールの影響度パラメータ(a,b)、図6(B)は履歴依存性の影響度パラメータ(a,b,κ)の推定値をプロットしたものである。各プラス印が顧客毎のパラメータ値を表している。3人の顧客に対して、推定された影響度パラメータから顧客毎の行動頻度関数を推定し、顧客毎にグラフ化したものが図6(C−1)〜図6(C−3)である。横軸は時間、縦軸はレートの大きさ、短い縦棒の列は観測された購買時刻の系列を示している。行動頻度関数の推定値が高い時期は実際に購買決定を行う可能性が高い。図6(C−1)の顧客はセールや購買履歴にあまり反応しないが、図6(C−2)と図6(C−3)の顧客はセール(セール開始時刻はSiで示す)にも購買履歴にも大きく影響を受けているのが分かる。図6(C−2)の顧客は購買直後に購買レートが下がる特徴が見られる。逆に図6(C−3)の顧客は購買直後に行動頻度関数の推定値が上昇している。図6の例のように、HTRMは顧客一人一人の購買特性を詳細に抽出することができる。変動因子の定常性を仮定したり履歴依存性を単純なものに限定する従来の技術では、このような詳細な購買特性を抽出することはできない。
行動時刻予測部232は、行動確率推定部230により推定された顧客の各々についての行動頻度関数λ(t|^θ)と、パラメータ記憶部240に記憶された時間軸Λ(t)と、入力部210により受け付けたマーケティング刺激の発生予定時刻とに基づいて、顧客毎に、顧客uが購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、顧客uの次の購買行動の発生時刻を予測し、予測した顧客毎の予測値を出力部250により出力する。
ここで、入力部210により受け付けた、マーケティング刺激の発生予定時刻をI(t>T)と表記することとする。なお、モデル推定装置100における例1において挙げた行動頻度関数λ(t)のモデル化のように、顧客全体向けのマーケティング刺激を用いる場合には、I(t)=I(t)である。
行動時刻予測部232は、具体的には、期間[0,T]で観測された顧客uの購買が{t }=(t ,t ,t ,t ,…,t )であったとすると、次の購買行動の発生時刻tn+1 (>T)の予測分布を、
によって求める。ただし、Λ(t)はHTRMで最も深い階層のスケーリング時間である。行動頻度関数は事業者が入力するマーケティング刺激の発生予定時刻に応じて、予測値^tn+1 が予測分布の平均で与えられる。
ただし、平均操作に必要な積分が容易に実行できない場合は、モンテカルロシミュレーションを用いて、以下(27)式に示すように、予測分布からtn+1 のサンプルτを十分な個数(z=1,2,…NMC)生成し、サンプル平均を行う。
また、直後の購買時刻だけでなく購買時刻の系列(tn+1 ,tn+2 ,…,tn+k ,…)を予測したい場合も、モンテカルロシミュレーションを用いて、
のようにして予測値を求めることができる。ただしτ は、z回目のモンテカルロシミュレーションによって予測分布から生成された購買時刻の系列の(n+k)番目の購買時刻である。
<本発明の実施の形態に係るモデル推定装置の作用>
次に、本発明の実施の形態に係るモデル推定装置100の作用について説明する。入力部10において、顧客毎の購買行動の購買時刻及び購買内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、少なくとも3つ以上の変動因子の選択と、選択された変動因子の各々に対応する因数関数、及び因数関数間の階層関係の設定と、確率分布型の選択とを受け付けると、モデル推定装置100は、図2に示すモデル推定処理ルーチンを実行する。
まず、ステップS100では、選択された変動因子の各々に対応する因数関数の各々、及び因数関数間の階層関係の設定を取得する。
次に、ステップS102では、ステップS100で取得した因数関数の各々、及び因数関数間の階層関係の設定に基づいて、上記(4)式〜(6)式に従って、行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)をモデル化し、パラメータ記憶部40に格納する。
ステップS104では、入力部10により受け付けた確率分布型の選択に基づいて、顧客全体に対する影響度パラメータの確率分布形状を選択する。
ステップS106では、入力部10により受け付けた顧客の購買行動の発生時刻及び購買内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、パラメータ記憶部40に格納されている影響度パラメータとを取得する。
そして、S108では、ステップS106で取得した、顧客の購買行動の発生時刻及び購買内容の時系列データ、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データ、及び影響度パラメータと、ステップS102でモデル化した行動頻度関数のモデルと、ステップS104で選択した確率分布形状とに基づいて、上記(21)式〜(22)式に従って、全体パラメータμとνの更新を繰り返すことにより、全体パラメータμとνを推定し、パラメータ記憶部40に格納する。
ステップS110では、ステップS108で推定した全体パラメータに基づいて、上記(24)式に従って、顧客毎に影響度パラメータを推定し、パラメータ記憶部40に格納する。
そして、ステップS112では、ステップS102でモデル化した行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)と、ステップS108で推定した全体パラメータと、ステップS110で推定した顧客毎の影響度パラメータとを、出力部50により出力して処理を終了する。
<本発明の実施の形態に係る行動予測装置の作用>
次に、本発明の実施の形態に係る行動予測装置200の作用について説明する。入力部210において、顧客毎の購買行動の購買時刻及び購買内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、マーケティング刺激の発生予定時刻とを受け付けると、行動予測装置200は、図5に示す行動予測処理ルーチンを実行する。
まず、ステップS200では、入力部210により受け付けた顧客毎の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データとを取得すると共に、パラメータ記憶部240に記憶された行動頻度関数λ(t)と、時間軸Λ(T)と、全体パラメータと、及び顧客u毎の影響度パラメータθと、マーケティング刺激の発生予定時刻とを取得する。
次に、ステップS202では、顧客uの各々について、ステップS200で取得した、顧客u毎の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、マーケティング刺激の発生時刻の時系列データと、行動頻度関数λ(t)と、時間軸Λ(T)と、全体パラメータと、及び当該顧客uの影響度パラメータθとに基づいて、行動頻度関数λ(t|^θ)を推定する。
次に、ステップS204では、ステップS202で推定した顧客uの各々についての行動頻度関数λ(t|^θ)と、ステップS200で取得した時間軸Λ(T)及びマーケティング刺激の発生予定時刻とに基づいて、顧客u毎に、上記(25)式に従って、次の購買行動の発生時刻の予測分布を計算し、上記(26)式に従って、次の購買行動の発生時刻の予測値を計算する。
そして、ステップS206では、ステップS204で計算した、顧客毎の次の購買時刻の予測値を出力部250により出力し処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係るモデル推定装置によれば、顧客が購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))をモデル化する場合において、少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層関係を与え、因数関数rを直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、各時刻t を除く一定期間内に購買行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化し、顧客における変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、顧客全体における分布を表す全体パラメータμとνを推定し、顧客毎の影響度パラメータθを推定することで、マーケティング刺激に対する顧客の購買時刻を精度よく予測するためのモデルパラメータを推定することができる。
また、本実施の形態に係る行動予測装置によれば、モデル化された、顧客の各々に対する顧客が購買行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、推定された顧客毎の影響度パラメータと、に基づいて、顧客の各々について行動頻度関数λ(t)を推定し、顧客u毎に次の購買行動の発生時刻を予測することで、マーケティング刺激に対する顧客の購買時刻を精度よく予測することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、外部の刺激に対する個体の反応行動の発生時刻を予測するためのモデル推定装置、及び行動予測装置に、本発明を適用してもよい。この場合には、モデル推定装置の入力部は、入力として、個体の各々について観測された、個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける。また、階層的モデル化部は、個体uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記個体uが反応行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記個体が前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、上記(1)式に従って、各時刻t に前記反応行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、それぞれが独立事象であって、かつ、前記外部刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うように、行動頻度関数λ(t)及び時間軸Λ(t)をモデル化する。また、全体パラメータ推定部は、入力部によって受け付けた、個体の各々について観測された、個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、個体毎に用意された、少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定する。また、個別パラメータ推定部は、全体パラメータ推定部によって推定された全体パラメータに基づいて、個体毎の影響度パラメータを推定する。
また、行動予測装置の行動確率推定部は、モデル化された、個体の各々に対する個体が反応行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、推定された個体毎の影響度パラメータと、入力部によって受け付けた、個体の各々について観測された、個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、個体の各々について、行動頻度関数λ(t)を推定する。また、行動確率推定部は、行動確率推定部によって推定された個体の各々についての行動頻度関数λ(t)と、外部刺激の発生予定時刻とに基づいて、個体毎に、個体uが反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、個体uの反応行動の発生時刻を予測する。
10、210 入力部
20、220 演算部
30 顧客購買行動モデル学習部
32 階層的モデル化部
34 分布型選択部
36 全体パラメータ推定部
38 個別パラメータ推定部
40、240 パラメータ記憶部
50、250 出力部
100 モデル推定装置
200 行動予測装置
230 行動確率推定部
232 行動時刻予測部

Claims (8)

  1. 入力として、個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、
    個体uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記個体uが反応行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記個体が前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記反応行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、
    それぞれが独立事象であって、かつ、前記外部刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化する階層的モデル化部と、
    前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定する全体パラメータ推定部と、
    前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記個体毎の前記影響度パラメータを推定する個別パラメータ推定部と、
    を含むモデル推定装置。

    ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
  2. 前記全体パラメータ推定部は、前記個体毎の、観測された前記個体の反応行動の発生時刻の時系列に対する前記個体の影響度パラメータの尤度関数を乗算した値から設定された周辺尤度関数が、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データに対して最尤化されるように、前記全体パラメータを推定する請求項1記載のモデル推定装置。
  3. 入力として、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、
    請求項1又は2記載のモデル推定装置によってモデル化された、前記個体の各々に対する前記個体が前記反応行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、前記推定された前記個体毎の前記影響度パラメータと、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体の各々について、前記行動頻度関数λ(t)を推定する行動確率推定部と、
    前記行動確率推定部によって推定された前記個体の各々についての前記行動頻度関数λ(t)と、前記外部刺激の発生予定時刻とに基づいて、前記個体毎に、個体uが前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、前記個体uの反応行動の発生時刻を予測する行動時刻予測部と、
    を含む行動予測装置。
  4. 入力として、顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、
    顧客uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記顧客uが購買行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記顧客が前記購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記購買行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記購買行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、
    それぞれが独立事象であって、かつ、前記マーケティング刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記購買行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化する階層的モデル化部と、
    前記入力部によって受け付けた、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるためのマーケティング刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記顧客毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記顧客における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、顧客全体における分布を表す全体パラメータを推定する全体パラメータ推定部と、
    前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記顧客毎の前記影響度パラメータを推定する個別パラメータ推定部と、
    を含むモデル推定装置。

    ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
  5. 入力として、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付ける入力部と、
    請求項4記載のモデル推定装置によってモデル化された、前記顧客の各々に対する前記顧客が前記購買行動を時系列に発生する確率p({t }|λ(t))と、前記推定された前記顧客毎の前記影響度パラメータと、前記入力部によって受け付けた、前記顧客の各々について観測された、前記顧客の購買行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記顧客に購買行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記顧客の各々について、前記行動頻度関数λ(t)を推定する行動確率推定部と、
    前記行動確率推定部によって推定された前記顧客の各々についての前記行動頻度関数λ(t)と、前記外部刺激の発生予定時刻とに基づいて、前記顧客毎に、顧客uが前記購買行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))に従って、前記顧客uの購買行動の発生時刻を予測する行動時刻予測部と、
    を含む行動予測装置。
  6. 入力部、階層的モデル化部、全体パラメータ推定部、個別パラメータ推定部を含むモデル推定装置におけるモデル推定方法であって、
    前記入力部が、入力として、個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとを受け付けるステップと、
    前記階層的モデル化部が、個体uの各々について、時刻tにおいて単位時間当たりに前記個体uが反応行動を発生させる確率を表す行動頻度関数λ(t)のもとで、一定期間内において前記個体が前記反応行動を各時刻t に発生する確率p({t }|λ(t))を、以下の式に従って、各時刻t に前記反応行動が発生する確率と、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率との乗算値としてモデル化する場合において、
    それぞれが独立事象であって、かつ、前記外部刺激に対応する変動因子を含む少なくとも3つの変動因子lに対して与えられた少なくとも3つの因数関数rに、少なくとも3つの階層からなる階層関係を与え、前記因数関数rを、直前の階層の因数関数rl−1の積分の関数として定義し、前記行動頻度関数λ(t)を、前記少なくとも3つの因数関数rの乗算値とし、各時刻t を除く前記一定期間内に前記反応行動が発生しない確率における積分計算を、低位階層の因数関数rから順番に前記一定期間の時間積分値を算出することを繰り返すことにより行うようにモデル化するステップと、
    前記全体パラメータ推定部が、前記入力部によって受け付けた、前記個体の各々について観測された、前記個体の反応行動の発生時刻及び行動内容の時系列データと、観測された、前記個体に反応行動を発生させるための外部刺激の発生時刻の時系列データとに基づいて、前記個体毎に用意された、前記少なくとも3つの因数関数rで用いられるパラメータであって、前記個体における前記変動因子lの影響度を表す影響度パラメータの、個体全体における分布を表す全体パラメータを推定するステップと、
    前記個別パラメータ推定部が、前記全体パラメータ推定部によって推定された前記全体パラメータに基づいて、前記個体毎の前記影響度パラメータを推定するステップと、
    を含むモデル推定方法。

    ただし、区間[t ,T]が、前記一定期間を表す。
  7. コンピュータを、請求項1又は2に記載のモデル推定装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
  8. コンピュータを、請求項3に記載の行動予測装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
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