JP6041659B2 - 近接センサー装置とドア - Google Patents
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Description
携帯機に対して認証のためのリクエスト信号を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナより送信された電波により誘導されて電界を発生する誘導電極と、前記誘導電極に近接して配置され前記誘導電極に静電結合される受信電極とを備え、前記受信電極の出力信号から、前記誘導電極または前記受信電極への人体の近接を検出することを特徴とする。
「前記誘導電極は、閉ループに形成されていること」、
「前記受信電極は、前記誘導電極に囲まれていること」、
「前記送信アンテナは、バーアンテナであり、
前記バーアンテナの長手方向と前記誘導電極面は略平行に配置され、
前記誘導電極は、前記バーアンテナの長手方向中央部に非配置であること」、
「前記携帯機が前記リクエスト信号を受信し、前記携帯機からのレスポンス信号をマイクロコンピュータが受信した後、
前記送信アンテナは、前記リクエスト信号の振幅値を所定期間小さくした信号を送信すること」、
を含む。
本発明の実施形態例を図1ないし図7を用いて説明する。
本実施形態例は、車両用のドアに関するものであり、本例のドア101は、ドアハンドル102とアウターパネル103との間に挿入された利用者の手を検出する近接センサー装置1を備え、その検出結果に基づいてロック機構の解錠と施錠を行うものである。
このドアハンドル102は、利用者が手を触れるグリップ104と、このグリップ104の一方の端部に設けたヒンジ部105と、他方の端部に設けたアーム部106を有する。
アウターパネル103内には、ドア101の解錠と施錠を行う不図示のロック機構が設けられている。
この誘導電極11は、本例では、縦Yが30mm、横Xが30mm、厚み0.8mmとなっている。
この送信アンテナ30は、グリップ104内に設けられると共に、誘導電極11と近接して(数mm離されて)配されている。
なお、本例では、利用者の手がドアハンドル102とアウターパネル103との間に挿入された際、人の手を感度良く検出するため、誘導電極11面と受信電極12面はグリップ104の長手方向と略平行に配置している。よって、誘導電極11面と送信アンテナ30の長手方向は、略平行に配される。
整流回路は、ダイオードと平滑コンデンサを有する全波整流回路である。この整流回路の入力には、受信電極12の出力が接続されており、この整流回路は、受信電極12に現れる電圧波形を直流に変換し、最大電圧値V1を出力する。
コンパレータは、最大電圧値V1と、後述の基準電圧値V2と、を比較した結果を出力するものである。このコンパレータの入力は、前記整流回路の出力に接続されており、このコンパレータの出力は、後述のマイクロコンピュータ60の入力に接続されている。
解錠制御ルーチンの概要を図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、マイクロコンピュータ60は、送信部20にリクエスト信号の送信を行わせる制御信号を出力する。これに従い、送信部20は、140kHz程度のLF(low frequency)帯域の搬送波を用いてドアIDや施錠状態であること等を示す情報等が付与されたリクエスト信号を生成し、送信アンテナ30から車外に向けて送信する(S101)。
具体的には、誘導電極11または受信電極12に人の手が近接していないときは、誘導電極11と受信電極12によってコンデンサが形成されているため、図6(a)に示すように、受信電極12の出力に、振幅の高い変調波形(振幅H1)が現れる。
一方、誘導電極11または受信電極12間に人の手が近接しているときは、人の手が第3の電極として機能して、誘導電極11と受信電極12と人の手とともにコンデンサが形成される。そして、誘導電極11と人の手によるコンデンサは大地へのバイパスコンデンサとして機能することになり、図6(b)に示すように、受信電極12の出力に、振幅の低い変調波形(振幅H2)が現れる。
すなわち、誘導電極11または受信電極12に人の手が近接すると、誘導電極11と受信電極12間の静電容量が変化して、この静電容量の変化が変調波形の振幅値の変化として検出される。したがって、変調波形の振幅の変化を静電容量検出手段により検出することにより、人の手の近接の有無に対応した出力信号が得られる。
より具体的には、受信電極12に現れる最大電圧値V1と、基準電圧値V2(誘導電極11または受信電極12に人の手が近接していない場合の最大電圧値V3より低く、誘導電極11または受信電極12に人の手が近接した場合の最大電圧値V4より高い電圧値)が、前記コンパレータにそれぞれ入力されている。そして、最大電圧値V1が基準電圧値V2より低いと、前記コンパレータは例えばローレベルを出力し、マイクロコンピュータ60は、誘導電極11または受信電極12付近に人体の有ることを検出する。また、最大電圧値V1が基準電圧値V2より高いと、前記コンパレータは例えばハイレベルを出力して、マイクロコンピュータ60は、誘導電極11または受信電極12付近に人体の無いことを検出する。
次に、施錠制御ルーチンを図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ドアが開閉され利用者が車外に出たかどうか判断される(S201)。そして、利用者が車外に出てドアが閉じられた場合、マイクロコンピュータ60は、送信部20にリクエスト信号の送信を行わせる制御信号を出力する。これに従い、送信部20は、140kHz程度のLF(low frequency)帯域の搬送波を用いてドアIDや解錠状態であること等を示す情報等が付与されたリクエスト信号を生成し、このリクエスト信号を送信アンテナ30から車外に向けて送信する(S202)。
このように、本例の近接センサー装置1は、リクエスト信号を送信する送信アンテナの電波を利用して誘導電極に電界を発生させ、この誘導電極と受信電極間の静電容量の変化を検知することにより人体の近接を検出する。このため、従来例のような検出電極に入力される高周波信号の生成回路(発振回路)が不要となる。
そのため、本例の近接センサー装置をドアに装着すると、ドア内の配置スペースが小さくてすみ、低コスト化ができる。
また、送信アンテナの電波を用いて誘導電極に電界を誘導していることにより、従来例のような信号線が不要となるため、送信アンテナと誘導電極を配置する設計自由度が向上して、軽量化ができる。
すなわち、誘導電極11がバーアンテナの長手方向中央部に配されてしまうと、バーアンテナの長手方向中央部は弱い電波となるため、誘導電極11に誘導される電界が低下してしまう恐れがある。
一方、図2の例のように、誘導電極11をバーアンテナの長手方向中央部(図2中のセンターラインC上)を避けて配することにより、誘導電極11はバーアンテナの長手方向両端部にて発生する強い電波により誘導されやすくなり、検知感度を向上できる。
すなわち、本例では、利用者が携帯する携帯機Sは、ドアハンドル102に装着された送信アンテナ30から数m離れても電波を受信できるように設計され、ドアハンドル102内に設けられた誘導電極11は、送信アンテナ30から数mm離れて配置されている。このような状態にあって、誘導電極11は携帯機Sに比べ非常に近く配されて誘導されやすいため、人の手が近接した際の受信電極の出力波形の動作点が高くなって飽和しやすくなり、その結果、電界の変化率が小さくなり、検知感度が低下してしまう場合がある。
一方、携帯機Sがリクエスト信号を受信し、携帯機Sからのレスポンス信号をマイクロコンピュータ60が受信した後、リクエスト信号の振幅値を所定期間小さくした信号を送信するようにした場合には、人の手が近接した際の受信電極の出力波形の動作点が低くとれ、電界の変化率が大きくなり、検知感度を向上できる。
具体的な手段として、マイクロコンピュータ60は、利用者が携帯する携帯機Sに対して認証のためのリクエスト信号の振幅値を所定期間小さくして(図8(a)のT1、H3)出力する。そして、送信部20は、このリクエスト信号で140kHz程度の帯域の搬送波(図8(b))を振幅変調し、送信アンテナ30にこの変調波形を出力し、送信アンテナ30は、この変調波形(図8(c))を送信する。
例えば、誘導電極11は、渦巻状の銅箔パターンとして形成されているが、図9(a)に示すように、誘導電極11Aは、中抜きされた四角形状の銅箔パターン(閉ループ形状)として形成されてもいい。
また、受信電極12は、誘導電極11に囲まれているが、図9(b)に示すように、誘導電極11Bと受信電極12Bが、それぞれ、中抜きされた四角形状の銅箔パターン(閉ループ形状)として形成され、誘導電極11Bは、受信電極12Bに囲まれるように形成されてもよい。
また、閉ループ形状に比べて発生する電界が減少するが、誘導電極11は、開口端のあるC字状の形状でもよい。
11 誘導電極
11A 誘導電極
11B 誘導電極
12 受信電極
12B 受信電極
13 絶縁体基板
14 共振用コンデンサ
20 送信部
30 送信アンテナ
40 静電容量検出手段
50 受信部
51 受信アンテナ
60 マイクロコンピュータ
101 ドア
102 ドアハンドル
103 アウターパネル
104 グリップ
105 ヒンジ部
106 アーム部
S 携帯機
Claims (6)
- 携帯機に対して認証のためのリクエスト信号を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナより送信された電波により誘導されて電界を発生する誘導電極と、前記誘導電極に近接して配置され前記誘導電極に静電結合される受信電極とを備え、前記受信電極の出力信号から、前記誘導電極または前記受信電極への人体の近接を検出することを特徴とする近接センサー装置。
- 前記誘導電極は、閉ループに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の近接センサー装置。
- 前記受信電極は、前記誘導電極に囲まれていることを特徴とすることを特徴とする請求項1または2に記載の近接センサー装置。
- 前記送信アンテナは、バーアンテナであり、
前記バーアンテナの長手方向と前記誘導電極面は略平行に配置され、
前記誘導電極は、前記バーアンテナの長手方向中央部に非配置であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の近接センサー装置。 - 前記携帯機が前記リクエスト信号を受信し、前記携帯機からのレスポンス信号をマイクロコンピュータが受信した後、
前記送信アンテナは、前記リクエスト信号の振幅値を所定期間小さくした信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の近接センサー装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近接センサー装置を備えるドア。
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