JP6039969B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、吸入室の圧力と吸入通路の圧力との差に応じて吸入通路の開度を変化させる吸入絞り弁を備えた圧縮機に関する。
特許文献1には、蒸発器出口から圧縮機吸入室に至る冷媒回路の開度を、冷媒流量の増減に応じて変化させる吸入絞り弁が開示されている。
上記の吸入絞り弁は、冷媒の低流量時に、圧縮機吸入弁の自励振動に起因する吸入圧力脈動が、蒸発器出口から圧縮機吸入室に至る冷媒回路を通り蒸発器に伝播して騒音を発生させるのを、蒸発器出口から圧縮機吸入室に至る冷媒回路の開度を絞ることにより防止するものである。
特開2006−214396号公報
しかし、吸入絞り弁は、吸入通路側の圧力(上流側圧力、一次側圧力)と吸入室側の圧力(下流側圧力、二次側圧力)との圧力差に応じて動作し、かつ、弁体を弾性部材(バネ)によって閉弁方向に付勢する構造であるため、吸入絞り弁が圧力損失を生じさせ、係る圧力損失が冷媒回路の性能低下の要因となっていた。
特に、吸入室が環状に配置される圧縮機では、吸入室内で大きな圧力分布が生じ、吸入絞り弁近傍の吸入室内の領域は、吸入通路との接続領域であるため他の吸入室内の領域より圧力が高い領域となり、従来の吸入絞り弁の弁体は、この吸入室内で最も高い圧力を受けて動作するため、圧力損失を拡大させる要因となっていた。
そこで、本発明は、吸入絞り弁による圧力損失を低減できる、圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧縮機は、区画壁によって吐出室と隔てられ、駆動軸の軸回りに環状に形成された吸入室と、冷凍装置の低圧側冷媒回路と前記吸入室とを連通する吸入通路と、が形成されたシリンダヘッドと、前記吸入通路と前記吸入室との間に配置され、有底円筒状の弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネと、前記弁体及び前記圧縮コイルバネを収容し、前記弁体の一端側に前記吸入通路と連通する入口孔が形成され、円筒面に前記吸入室に臨む出口孔が形成され、底部に前記吸入室と連通する連通孔が形成された有底円筒状の弁ハウジングと、を有し、前記弁体の上流側に前記吸入通路の圧力が導入され、前記弁体の下流側に前記吸入室の圧力が導入されて、前記吸入通路の圧力と前記吸入室の圧力との圧力差に応じて前記吸入通路の開度を変化させる吸入絞り弁と、を備え、前記吸入通路は、前記シリンダヘッドの径方向外側から前記吸入室に向かって延設され、前記吸入絞り弁が、前記吸入通路の延長領域に配設された圧縮機であって、前記区画壁には、前記吸入絞り弁の底部を収容する凹部が形成され、前記吸入絞り弁の底部が前記凹部に収容されることによって、前記連通孔が開口する前記凹部内の領域を、前記吸入絞り弁の出口孔近傍の前記吸入室の領域と画成すると共に、前記連通孔が開口する前記凹部内の領域と、前記吸入室内に圧力分布が生じたときに前記吸入絞り弁の出口孔近傍の前記吸入室の領域より圧力が低くなる領域とを連通する、圧力導入通路を備え、前記圧力導入通路は、前記凹部から前記駆動軸の径方向に沿って前記吸入通路の延長領域に形成される領域を有する。
本発明に係る圧縮機によれば、吸入絞り弁に対して閉弁側に作用することになる吸入室の圧力として、吸入絞り弁近傍よりも低い圧力が導入されるので、吸入絞り弁による圧力損失を低減することができる。
本発明の実施形態における圧縮機の断面図である。 図1の吸入絞り弁の部分を拡大した図である。 図1に示したシリンダヘッドの構造を示す図である。 本発明の実施形態における吸入絞り弁の構造を示す断面図である。 本発明の他の実施形態における圧力導入通路を示す図である。 本発明の他の実施形態における吸入絞り弁の装着部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜3は、圧縮機の一例として、可変容量圧縮機100を示す。
可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を備える。
駆動軸110は、シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって形成されるクランク室140内を横断して設けられている。
駆動軸110の軸方向の中間部分の周囲には、斜板111が配置されている。
斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112に対してリンク機構120を介して連結し、駆動軸110に対する傾角が変更可能となっている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動可能に連結され、他端が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動可能に連結されたリンクアーム121と、を備える。
斜板111の貫通孔111bは、斜板111が最大傾角(θmax)と最小傾角(θmin)の範囲で傾動可能な形状に形成され、貫通孔111bには駆動軸110と当接する最小傾角規制部が形成されている。
斜板111が駆動軸110に対して直交するときの斜板111の傾角を0degとした場合、貫通孔111bの最小傾角規制部は、斜板111を略0degまで傾角変位が可能に形成されている。
ロータ112と斜板111の間には、斜板111を最小傾角に向けて付勢する傾角減少バネ114が装着され、また、斜板111と駆動軸110に設けたバネ支持部材116との間には、斜板111の傾角を増大する方向に付勢する傾角増大バネ115が装着されている。
ここで、最小傾角における傾角増大バネ115の付勢力は、傾角減少バネ114の付勢力より大きく設定されていて、駆動軸110が回転していないときは、斜板111は、傾角減少バネ114の付勢力と傾角増大バネ115の付勢力とがバランスする傾角に位置する。
駆動軸110の一端は、フロントハウジング102のボス部102a内を貫通してフロントハウジング102の外側まで延在し、図示しない動力伝達装置に連結される。
尚、駆動軸110とボス部102aとの間には、軸封装置130が挿入され、クランク室140の内部と外部空間とを遮断している。
駆動軸110及びロータ112は、ラジアル方向に軸受131、132で支持され、スラスト方向に軸受133、スラストプレート134で支持されている。尚、駆動軸110のスラストプレート134が当接する部分とスラストプレート134との隙間は、調整ネジ135によって所定の隙間に調整される。
そして、外部駆動源からの動力が動力伝達装置に伝達され、駆動軸110は動力伝達装置と同期して回転する。
シリンダボア101a内には、ピストン136が配置され、ピストン136のクランク室140側に突出している端部の内側空間には、斜板111の外周部が収容され、斜板111は、一対のシュー137を介して、ピストン136と連動する。従って、斜板111の回転によりピストン136がシリンダボア101a内を往復動する。
シリンダヘッド104には、中央部に円環状の区画壁104aで画成された吐出室142と、区画壁104aと外周壁104bとで画成され、吐出室142を環状に取り囲む吸入室141とが形成される。
吸入室141は、バルブプレート103に設けられた吸入孔103a及び吸入弁(図示せず)を介してシリンダボア101aと連通し、吐出室142は、バルブプレート103に設けられた吐出孔103b及び吐出弁(図示せず)を介してシリンダボア101aと連通する。
上記のフロントハウジング102、センターガスケット(図示せず)、シリンダブロック101、シリンダガスケット(図示せず)、バルブプレート103、ヘッドガスケット(図示せず)、シリンダヘッド104などが複数の通しボルト105によって締結され、圧縮機ハウジングが形成される。
シリンダヘッド104には、冷凍装置(例えば車両用エアコンシステム)の低圧側冷媒回路と吸入室141とを連通させる吸入通路104cが形成され、これによって吸入室141は、冷凍装置の低圧側冷媒回路と接続される。
吸入通路104cは、シリンダヘッド104(駆動軸110)の外側から吸入室141に向かって駆動軸110の径方向に沿って延設される。
吸入通路104cは、低圧側冷媒回路が接続する吸入ポート104c1と、吸入ポート104c1と吸入室141とを接続する連通孔104c2から成り、連通孔104c2と吸入室141との間には吸入絞り弁200が配置されている。
吸入絞り弁200は、吸入通路104c(上流側)と吸入室141(下流側)との圧力差に応じて動作し、圧力差が所定値以下、つまり冷媒流量が少ないときは、吸入通路104cの開口面積(開度)を最小まで絞り、冷媒流量が増大し、圧力差が所定値を越えて増大すると吸入通路104cの開口面積(開度)を増大させる。
そして、吸入絞り弁200は、冷媒流量が少ない領域において吸入通路104cを絞ることで、吸入室141の圧力脈動が低圧側冷媒回路を介して蒸発器に伝播するのを抑制する。
また、吐出室142は、吐出通路104dを介して冷凍装置の吐出側外部冷媒回路と接続されている。吐出通路104dは、シリンダヘッド104の外側から、駆動軸110の径方向内側に向けて延設され、吸入室141を横断して吐出室142に連通される。
シリンダヘッド104には、さらに制御弁300が設けられている。
制御弁300は、吐出室142とクランク室140とを連通する連通路145の開度を調整し、クランク室140への吐出ガス導入量を制御する。
また、クランク室140内の冷媒は、連通路101b、空間101c、バルブプレート103に形成されたオリフィス103cで形成される連通路146を経由して吸入室141へ流れる。
これにより、制御弁300によってクランク室140の圧力を変化させ、斜板111の傾斜角、つまりピストン136のストロークを変化させることにより、可変容量圧縮機100の吐出容量を可変制御することができるようになっている。
冷凍装置の作動時、つまり可変容量圧縮機100の作動状態では、制御弁300に内蔵されるソレノイドの通電量が外部信号に応じて調整され、連通路104eを介して制御弁300に導入される吸入室141の圧力が所定値になるように、吐出容量が可変制御される。
以下では、図2〜4を参照して、吸入絞り弁200の構造を詳細に説明する。
吸入絞り弁200は、円筒状の第1ハウジング201、有底円筒状の第2ハウジング204、有底円筒状の弁体202、圧縮コイルバネ203で構成される。
第1ハウジング201には、入口孔201a、弁座201b及びフランジ201cが形成される。
第2ハウジング204は、弁体202と圧縮コイルバネ203を収容する円筒状の空間204aを有し、円筒面には弁座201b側に向けて頂角を有する略五角形の複数の出口孔204bが形成され、一端側204cが第1ハウジング201の入口孔201aの外周に嵌合固定される。
弁体202は、空間204a内を軸方向に移動可能に第2ハウジング204内に収容され、弁体202の内部空間の底側と、第2ハウジング204の底側とに間に、圧縮コイルバネ203を圧縮状態で設けてあり、これによって、圧縮コイルバネ203は、弁体202を弁座201bに着座する方向、つまり閉弁方向に向けて付勢する。
第2ハウジングの一端側204cの内周面には環状凹部が形成され、またこれに対応する第1ハウジング201の外周面には環状凸部が形成されており、これらが嵌合することによって第2ハウジング204が第1ハウジング201に固定される。
尚、第1ハウジング201、第2ハウジング204及び弁体202は樹脂成型品である。
また、吸入絞り弁200の一端側をなす第1ハウジング201のフランジ201cの外周面には環状凸部が形成されており、これが吸入通路104cの連通孔104c2に形成されている環状凹部に嵌合することにより、吸入絞り弁200が吸入通路104c内に位置決め固定される。
吸入絞り弁200は、出口孔204bが吸入室141内に臨むように、吸入通路104cの延長領域に配設される。
弁体202は、弁座201bに当接する一端面202aと円筒外周面202bとを有し、第2ハウジング204の円筒内周面に摺動可能に支持され、円筒状の空間204aを、吸入通路104cと吸入室141とを連通させる第1空間204a1と、第2空間204a2とに画成する。
そして、弁体202が、第2ハウジング204内を軸方向に移動することにより、出口孔204bの開口面積、つまり、吸入通路104cの開口面積(開度)が変化する。
尚、第1ハウジング201の弁座201bの一部には所定幅の溝201dが凹陥形成され、出口孔204bの頂角部は、溝201dの内部空間と連通している。
従って、弁体202の一端面202aが弁座201bに着座したときに、吸入通路104cは完全に遮断されず、吸入通路104cは、入口孔201a、溝201d、出口孔204bの頂角部を介して吸入室141と連通する。
弁体202の一端面202aが弁座201bに着座したときの出口孔204bの頂角部の開口面積は、溝201dの流路面積より小さく、このときの出口孔204bの頂角部の開口面積が最小開口面積(最小開度)となる。
前記最小開口面積は、冷媒流量が非常に少ない領域での弁体202の自励振動を防止できる面積として設定されているが、冷媒封入前の可変容量圧縮機100内部の真空引きを考慮して、少なくともオリフィス103cの開口面積より大きな値に設定される。
また、第2ハウジング204の底壁には連通孔204dが形成され、連通孔204dは第2ハウジング204と弁体202とで画成された第2空間204a2と吸入室141とを連通する。
吸入絞り弁200の第2ハウジング204の底部は、吸入通路104cの延長領域にある吐出室142と吸入室141とを画成する区画壁104aを、吐出室142側に凹陥形成した凹部104fに収容される。
そして、凹部104f内は、吐出室142を横断して形成される圧力導入通路104gを介し、吸入絞り弁200が設けられる吸入室141の領域とは吐出室142を挟んで反対側の吸入室141の領域(図3の領域A)に連通している。
圧力導入通路104gは、吸入通路104cの延長領域、つまり駆動軸110の径方向に沿って直線的に形成され、凹部104fの底壁側の開口端は連通孔204dに対向するように配置されている。
ここで、第2ハウジング204の外周面と凹部104fの内周面との隙間150の断面積は、連通孔104gの最小断面積より小さく設定されており、隙間150は、凹部104f内の連通孔204dと圧力導入通路104gの接続領域と、吸入絞り弁200の出口孔204b近傍の吸入室141内の領域(図3の領域B)とを画成する。
これにより、第2空間204a2には、圧力導入通路104g、凹部104f及び連通孔204dを経由して、駆動軸110の軸心を挟んで対向する吸入室141の領域Aの圧力が作用する。
尚、隙間150に、Oリングなどのシール部材を配設することができ、シール部材を設けることで、第2空間204a2に対し吸入室141の領域Aの圧力をより確実に作用させることができる。
上記のように、吸入絞り弁200は、弁体202の上流側に吸入通路104cの圧力が導入され、弁体202の下流側に吸入室141の領域Aの圧力が導入され、これらの圧力差、つまり冷媒循環量の変化に追従して、吸入通路104cの開度を調整する。
弁体202が動作する圧力差は、弁体202の受圧面積と圧縮コイルバネ203の付勢力とで決定されるが、例えば100kPa前後の微小な圧力差で開弁動作するように、弁体202の受圧面積と圧縮コイルバネ203の付勢力とを設定してある。
上記の吸入絞り弁200を備えた可変容量圧縮機100を含む冷凍装置では、可変容量圧縮機100が動作して冷媒が冷媒回路を循環しているとき、その冷媒循環量に追従して吸入絞り弁200が吸入通路104cの開度を調整し、冷媒循環量が増大すれば吸入通路104cの開度を増大させ、冷媒循環量が減少すれば吸入通路104cの開度が小さくなる。
例えば、冷凍装置が車両用のエアコンシステムである場合、車両の熱負荷が大きい所謂高負荷条件では冷媒循環量が増大し、吸入室141が環状に形成されていると吸入室141内に圧力分布が生じるが、吸入絞り弁200近傍の吸入室141内の領域(図3の領域B)は吸入通路104cとの接続領域であるため他の吸入室141内の領域より上流に位置し、吸入室141の中で最も圧力が高い領域となる。
しかし、吸入絞り弁200の弁体202に作用する吸入室141の圧力は、領域Aの圧力であり、領域Aは、最も圧力が高い領域Bから離れて下流側に位置し、領域Bよりも圧力が低くなる。
従って、弁体に吸入室141の領域Bの圧力が作用する吸入絞り弁に比べ、弁体202に吸入室141の領域Aの圧力が作用する吸入絞り弁200は、弁体202の前後差圧がより大きくなって開度がより大きくなる。その結果、吸入絞り弁200での圧損が低減し、吸入絞り弁200を備えることによる性能低下を抑制できる。
図3に示した例では、吸入絞り弁200が設けられる吸入室141の領域Bとは駆動軸110の軸心を挟んで対向する領域Aに、圧力導入通路104gを接続し、吸入絞り弁200に対して吸入室141の圧力として領域Aの圧力を導入させるようにしたが、圧力導入通路104gを接続させる領域は前記領域Aに限定されず、吸入絞り弁200が設けられる吸入室141の領域Bから離れた、領域Bよりも圧力がより低い領域とすることができる。
但し、圧力導入通路104gが開口する吸入室141の領域は、高負荷条件において領域Bの圧力より所定圧(例えば100kPa)以上圧力が低くなる領域とし、特に、吸入室141の中で最も圧力の低い領域とすることで、圧損の低減効果を高めることができる。
従って、圧力導入通路104gは、駆動軸110の径方向に直線的に形成される構造に限定されるものではなく、途中に屈曲部を備える構造とすることができる。
但し、環状に形成される吸入室141であって、その内側に吐出室142が配置される圧縮機100においては、前述したように、圧力導入通路104gを、駆動軸110の軸方向の投影において吐出室142を横切って延設されるようにシリンダヘッド104に一体的に設けることで、領域Bから離れた圧力がより低い領域の圧力を、シリンダヘッド104の外径を大きくすることなく、短い距離で吸入絞り弁200に導くことができる。
環状の吸入室141の断面積が略一様である場合には、吸入絞り弁200が設けられる吸入室141の領域Bと対向する領域付近、つまり、領域Bから最も離れた領域Aの圧力が最も低くなるため、図3に示した例では、領域Aに圧力導入通路104gを接続した。
尚、上記吸入絞り弁200では、高負荷条件での開度が、領域Bの圧力に基づき動作する吸入絞り弁に比べて大きくなり、圧力脈動を低減する効果は低下する傾向となるが、車両用エアコンシステムの場合、高負荷条件では車室内で騒音として顕在化する吸入室141内の圧力脈動レベルは小さく、実質的には問題とならない。
また、熱負荷が小さくなれば冷媒循環量が減少し、その結果、吸入室141内での圧力分布(圧力ばらつき)が小さくなるので、領域Aの圧力は領域Bの圧力に近づき、吸入絞り弁200の開度は、領域Bの圧力に応じて動作する場合に近づくことになる。
吸入室141内の圧力脈動レベルは、冷媒循環量が減少する低負荷条件で大きくなる傾向があるので、圧力脈動の低減効果が必要とされる低負荷条件では、領域Bの圧力に応じて動作する場合と同程度の圧力脈動の低減効果が得られる。
つまり、吸入絞り弁200は、吸入室141の中で圧力分布が生じたときに、その中で圧力が低い領域の圧力が弁体202に作用するように構成されているので、特に冷媒循環量が増大する高熱負荷条件において、吸入圧力脈動に起因する車室内騒音の低減効果を損なうことなく、吸入絞り弁200を装着することによる性能低下を抑制できる。
ところで、吐出通路104dが吸入室141を横断し、吸入室141の流路断面積が吐出通路104dで極端に狭められて狭窄部が形成される場合、吸入室141内で最も圧力が低い領域が、吸入絞り弁200が設けられる吸入室141の領域Bと対向する領域Aではなく、図5に示す領域AA、つまり、吸入室141の狭窄部を挟む領域AA,BBのうち、吸入絞り弁200近傍の吸入室141の領域Bから遠い側の領域AAが、吸入室141の中で最も圧力の低い領域となる場合がある。
このような場合には、領域Bから吸入通路104cの延長領域に形成されている圧力導入通路104g1に向け、領域AAからシリンダヘッド104の径方向に延設される圧力導入通路104g2を形成し、圧力導入通路104g1と圧力導入通路104g2とを連通させ、領域AAの圧力を吸入絞り弁200に導入させることができる。
ここで、第2ハウジング204の連通孔204dに連通する圧力導入通路104g1は、吸入通路104cの延長領域、つまり、シリンダヘッド104(駆動軸110)の径方向に沿って径方向の中心付近にまで延設されるので、領域Bから離れた圧力がより低い領域がどの角度位置の領域であっても、当該領域から径方向に圧力導入通路104g2を延設することで、圧力導入通路104gを形成できる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
図2に示した例では、隙間150が、凹部104f内の連通孔204dと圧力導入通路104gの接続領域と、吸入絞り弁200の出口孔204b近傍の吸入室141内の領域(図3の領域B)とを画成するが、図6に示すように、第2ハウジング204の底部と凹部104fの底壁との間の環状隙間160によって、前記領域間の画成を行わせることができる。ここで、環状隙間160にOリング等のシール部材を配設することができる。
更に、第2ハウジング204の底部と凹部104fの底壁とを当接させて、係る環状の当接部によって、凹部104f内の連通孔204dと圧力導入通路104gの接続領域と、吸入絞り弁200の出口孔204b近傍の吸入室141内の領域(図3の領域B)とを画成することができ、この場合、前記当接部は、吸入絞り弁200の位置決めとしても機能することになる。
また、吸入絞り弁200の他端側(第2ハウジング204の底壁側)を凹部104fに収容する構造に限定されるものではない。例えば吐出室142と吸入室141とを区画する区画壁104aと一体で第2ハウジング204の底壁に対応する平面を形成し、この平面と第2ハウジング204の底壁との間の隙間を区画手段とすることができる。
また、吸入通路104cの軸線はシリンダヘッド104の径方向外側から吸入室141に向かって駆動軸110の軸線に直交する平面にある設定とすることができる他、駆動軸110の軸線に直交する平面に対して吸入通路104cの軸線が傾斜する設定とすることができる。
また、吸入絞り弁200は、弁体202の一端面202aが弁座201bに着座したときに、吸入通路104cを完全に遮断しないが、吸入通路104cを全閉する構造とすることができる。
また、連通孔204dは、第2ハウジング204の底壁に形成できる他、第2ハウジング204の底壁に近い円筒面に形成することができる。
また、圧縮機100は、斜板式の可変容量圧縮機の他、揺動板式の可変容量圧縮機とすることができる。更に、本願発明は、電磁クラッチを装着した可変容量圧縮機、電磁クラッチの無いクラッチレス圧縮機、固定容量型の往復動圧縮機、モータで駆動される往復動圧縮機などの公知の種々の圧縮機に適用できる。
100…可変容量圧縮機、101…シリンダブロック、102…フロントハウジング、104…シリンダヘッド、104c…吸入通路、104g…圧力導入通路、110…駆動軸、141…吸入室、142…吐出室、200…吸入絞り弁、201…第1ハウジング、204…第2ハウジング、202…弁体、203…圧縮コイルバネ

Claims (6)

  1. 区画壁によって吐出室と隔てられ、駆動軸の軸回りに環状に形成された吸入室と、冷凍装置の低圧側冷媒回路と前記吸入室とを連通する吸入通路と、が形成されたシリンダヘッドと、
    前記吸入通路と前記吸入室との間に配置され、有底円筒状の弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネと、前記弁体及び前記圧縮コイルバネを収容し、前記弁体の一端側に前記吸入通路と連通する入口孔が形成され、円筒面に前記吸入室に臨む出口孔が形成され、底部に前記吸入室と連通する連通孔が形成された有底円筒状の弁ハウジングと、を有し、前記弁体の上流側に前記吸入通路の圧力が導入され、前記弁体の下流側に前記吸入室の圧力が導入されて、前記吸入通路の圧力と前記吸入室の圧力との圧力差に応じて前記吸入通路の開度を変化させる吸入絞り弁と、
    を備え、
    前記吸入通路は、前記シリンダヘッドの径方向外側から前記吸入室に向かって延設され、前記吸入絞り弁が、前記吸入通路の延長領域に配設された圧縮機であって、
    前記区画壁には、前記吸入絞り弁の底部を収容する凹部が形成され、
    前記吸入絞り弁の底部が前記凹部に収容されることによって、前記連通孔が開口する前記凹部内の領域を、前記吸入絞り弁の出口孔近傍の前記吸入室の領域と画成すると共に、前記連通孔が開口する前記凹部内の領域と、前記吸入室内に圧力分布が生じたときに前記吸入絞り弁の出口孔近傍の前記吸入室の領域より圧力が低くなる領域とを連通する、圧力導入通路を備え、
    前記圧力導入通路は、前記凹部から前記駆動軸の径方向に沿って前記吸入通路の延長領域に形成される領域を有することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記圧力導入通路は、前記吸入絞り弁が設けられる前記吸入室の領域とは前記吐出室を挟んで反対側の前記吸入室の領域に連通することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記連通孔は、前記弁ハウジングの底部を成す底壁に形成されており、前記弁ハウジングの底部側の外周面と前記凹部の内周面との間の環状隙間の断面積は、前記圧力導入通路の最小断面積より小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記弁ハウジングの底部側の外周面と前記凹部の内周面との間の環状隙間に、シール部材が配設されていることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記連通孔は、前記弁ハウジングの前記底部を成す底壁に形成されており、前記弁ハウジングの底壁と前記凹部の底壁との間の環状隙間によって、前記連通孔が開口する前記凹部内の領域を、前記吸入絞り弁の出口孔近傍の前記吸入室の領域と画成するように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  6. 前記環状隙間にシール部材を配設したことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機。
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