JP6039099B2 - 自家移植用オステオトーム - Google Patents

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Description

(関連する出願の相互参照)
本願は2012年11月19日に出願された米国仮出願第61/727,849号の優先権を主張するものであり、且つ、米国において、この出願は、2011年3月23日に出願された米国仮出願第61/466,579号の優先権を主張する、2012年3月22日に出願された米国出願第13/427,391号の一部継続出願である、2012年9月10日に出願された米国出願第13/608,307号の一部継続出願であり、その全体の開示が参照により組み込まれる。
発明の分野。本発明は、一般に、インプラントまたは固定具を受容する孔を準備するための道具に関し、さらに具体的には、骨切り術部位(オステオトミー)を拡張させるための、またはインプラントもしくは他の固定工具を受容するための海綿状物質における孔を拡大させるための、回転式オステオトーム(骨刀)およびそれによって実施される方法に関する。
関連技術の説明。インプラントは、欠損した生物学的構造物と置き換えるため、損傷した生物学的構造物を補助するため、または既存の生物学的構造物を強化するために製造される医療装置である。骨インプラントは患者の骨に埋め込まれるタイプのインプラントである。骨インプラントは、ほんの数例を挙げれば、欠損した、または損傷した歯と交換するための顎骨の歯科インプラント、臀部や膝などの損傷した関節と交換するための関節インプラント、および、骨折を修復し、他の欠損を修正するために取り付けられる強化インプラントを含む、ヒトの骨格系全体に見ることができる。多くの場合、インプラントの配置には、手動によるオステオトーム、または、骨の焼損または圧迫壊死を防止するために高度に調整された速度による精密ドリルのいずれかを使用した骨への前処理が必要とされる。骨がインプラントの表面(または、場合によってはインプラントの固定部)上で増殖することを可能にする可変的な期間が過ぎると、十分な治癒により、患者はリハビリテーション療法を開始でき、または通常の使用に戻ることが可能となり、またはおそらく、復元物または他の接続機構の配置を可能とするであろう。
歯科インプラントの例において、骨インプラントを受容するために孔の前処理または骨切り術が必要とされる。最新技術によると、最初の骨切り術(オステオトミー)を施すために、拡大が必要な無歯の(歯の無い)顎位で、重要な構造物を避けるように配慮しながら、受容骨にパイロット孔があけられる。次いで、パイロット孔はオステオトームと呼ばれる、漸進的に幅広となるエキスパンダ(拡張)装置を使用して拡大され、執刀医によって手動で前進される(典型的には、インプラントの幅と長さによって3つから7つの間の連続する拡大ステップで行われる)。受容孔が適切に作成されると、周囲の骨に負荷がかかり過ぎないように、固定スクリュー(一般にはセルフタッピング)を正確なトルクで配置する。
オステオトーム技術は、パイロット孔の拡大による骨切り術部位の前処理を要する特定の状況において広く使用され始めている。もともと、オステオトーム技術は外傷性処置(traumatic procedure)である。オステオトームは元来、回転しない装置であり、むしろ外科用木槌の衝撃によって前進するものであり、インプラントの配置を可能にする骨切り術部位を準備するプロセスにおいて、骨を加圧成形(コンパクティング)および拡大するものである。例えば下顎部位の治療は、多くの場合、この領域の骨に生じる密度の上昇および柔軟性(可塑性)の減少により制限される。他の歯科分野以外の骨インプラント部位も、同様の困難な密度および柔軟性の特性を有しうる。あるいは、ほんの数例を挙げれば、椎骨や手/手首領域といった小型の骨への応用など、骨の位置がオステオトームの激しい衝撃にはまったく向いていないこともある。さらに、従来のオステオトームはハンマーを用いて挿入されるため、衝撃力の爆発性は、拡大処置に限定的な制御しか与えず、例えば、歯科応用における唇側骨(labial plate)での意図しないずれや骨折をしばしば引き起こす。多くの患者がオステオトーム技術に耐えられず、多くの場合、外科用木槌の衝撃に関する不満を訴える。さらに、報告には、歯科応用における衝撃による外傷に起因して、めまいや目が眼振(すなわち、眼球の、絶えず続くあらゆる方向の不随意の周期的動作)を示すなど様々な合併症を引き起こすことが記載されている。
最近になって、ハンマーによるオステオトームの代替技術が骨への応用に開発され、これによりインプラント部位の外傷的前処理(traumatic preparation)を減らすことができるようになった。これらの代替治療は、MEISINGER社(ノイス、ドイツ)が販売している製品のような、モータ駆動でスクリュータイプの骨エキスパンダの使用に基づいている。最初に、インプラント部位にパイロット孔が穿孔され、次いで、連続する、漸進的なエキスパンダスクリュータップが、手またはモータ駆動の回転により骨に導入される。これは拡大部位へのある程度の制御度合を提供しながら、(ハンマータップと比較して)外科的外傷を軽減する。エキスパンダスクリュータップのねじ山のパターンは、エキスパンダタップが骨稜(osseous crest)へと前進するにつれて、骨を横方向に締め固めるように意図されている。このシステムは、タイプIIおよびIIIのインプラント部位の拡大および前処理、また、タイプIVの骨の加圧成形(コンパクティング)を可能とする。
ANITUA ALDECOAの米国出願第2006/0121415号は、歯科インプラントの取り付けを目的とした、ヒトの骨を拡大するモータ駆動の工具の使用および方法を記載している。上記の漸進的な具体例と同様に、パイロット孔を作成して、次いで漸進的な断面図の円錐/円筒形状を有する、エキスパンダスクリュータップタイプのオステオトームを挿入するためにスタータードリル(starter drill)が使用される。オステオトームを比較的低速で回転するために外科用モータが使用される。この技術の別の例が、2007年7月10日に発行された、NILO他による米国特許第7,541,144号に記載されている。米国特許出願第2006/0121415号および米国特許第7,241,144号は、その全体の開示が参照により組み込まれる。
2008年7月22日に発行された、TURRIによる米国特許第7,402,040号は、非円形オステオトームの構造を使用した、ハンマリングと回転のハイブリッドによるオステオトーム技術を開示している。好ましい実施形態において、この非円形オステオトームは、骨切り術の基部(底部)に打ち付けられ、次いで、全深さに達すると、非円形オステオトームは手動で前後に回転され、最終的な拡大形状を作り出す。しかし、別の実施形態では、骨切り術にオステオトームをより深く突入させるために、衝撃によるハンマリングおよび回転が同時に適用される。骨切り術への前進は、骨部位の内部に向かってオステオトームを前進させやすい「けん引力」を生成するらせん形端部によって促進される(TURRIの第9欄、42行目から43行目を参照)。換言すると、TURRIの別の実施形態のオステオトームは、骨切り術に向けてオステオトームを引き下ろすために、衝動によるハンマリングと電動回転との組み合わせを伴うスクリューのねじ山を使用する。
モータ駆動型骨拡大や、上記のANITUA ALDECOA、NIROおよびTURRIの発明を含む先行技術の構造において、エキスパンダスクリュータップの回転速度は、骨切り術の拡大速度との既定の関係で固定されている。これは、エキスパンダ装置のねじ山が骨に入り込み、回転により、エキスパンダタップを初期骨切り術部位まで深く「引っ張る」からである。したがって、軸方向の前進はねじ山のピッチと回転速度によって制御される。エキスパンダのねじ山のピッチは固定であり、執刀医が適宜変更することはできない。執刀医が骨をよりゆっくり拡大したい場合、エキスパンダをより遅く回すしか方法はない。反対に、執刀医が骨をより速く拡大したい場合、エキスパンダ工具をより速く回すしか選択肢はない。このように、骨拡大の速度は、執刀医がエキスパンダ工具を回す速度の直接的かつ変更できない関数である。また、執刀医は、最適な拡大速度を実現するために、圧力および/または回転速度などの他のパラメータを変えることはできない。
すべての先行技術の回転エキスパンダシステムにおける、工具の回転速度と骨拡大速度との避けられない関係は、インプラント工程での外科的制御を制限するものであり、一部の例では、不要な患者の不快感につながりうる。それゆえ、本技術分野では、すべての骨応用において、より高い外科的制御をもたらし、低価格で、誤差を引き起こしにくく、患者の不快感を軽減する、インプラントを受容する骨切り術部位を拡大するための改良された外科手術、および、そこで使用される工具が必要とされる。
インプラントまたは固定用スクリューを受容するための骨の前処理に関する別の関心領域は、その後のインプラントのオッセオインテグレーション(osseointegration)である。生きた歯と耐荷重性の人工インプラント表面との間の、直接的な構造的および機能的結合は、患者への外科手術の成功の全体的な増加をもたらしている。骨とインプラント表面との直接的な接触を改善するための最新のアプローチは、典型的には多孔構造を含む、工学的セメント(engineered cements)および/または、特許によって保護されるインプラント表面の使用を対象としている。インプラント表面の多孔性は、広範な骨の侵入(bone infiltration)に貢献し、骨芽細胞活性が行われるのを可能にする。さらに、多孔性はインプラント内の軟組織の付着および血管新生を可能にする。オッセオインテグレーションの改良、つまり、セメントとインプラント構造物の使用を目的とした、最新のアプローチの重大な短所は、比較的高額な追加費用である。セメントと工学的インプラントは割増料金で販売される、特許に保護される製品であることが多い。例えば、標準的な固定に応用される場合、1つの骨スクリューに5000USドルがかかることは珍しくはない。
したがって、現在のセメントおよび工学的インプラントの付随する高額な費用を発生させることなくオッセオインテグレーションを容易にする、改良された工具と技術が必要とされている。
さらに、いくつかの航空宇宙応用で使用される金属発泡体のような、他のタイプの非有機的発泡物質(cellular materials)も、骨を作るための医療分野で使用される孔の生成概念から恩恵を得られる固定技術を要する。
本発明の第1の特徴によると、回転式オステオトームは、研削(研磨)によって骨切り術部位を拡大するように、連続的に一方向に回転されるように構成されている。回転式オステオトームは、回転式オステオトームが回転するための縦軸を形成するシャンク(軸部)を含む。本体はシャンクに結合される。本体は、シャンクから遠位に先端部を有し、シャンクに近接する最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状(輪郭)を有する。先端部は少なくとも1つの切れ刃を含む。本体の周囲には複数の溝が配置される。それぞれの溝は、研削面及び反対の切断面を有する。ランドが隣接する溝の間に形成される。それぞれのランドは、1つの溝の研削面と、隣接する溝の切断面とを結合するランド面を有する。少なくとも1つの切れ刃およびランドは、研削方向に連続的に回転され、同時に強制的に骨切り術部位に向かって前進すると、反対の軸方向の反力を生成するように構成されている。反対の軸方向の反力は、骨切り術部位に向かって強制的に前進する方向とは方向的に反対であり、それによって、拡大処置において、オステオトームは執刀医に対して押し返す。この押し返しの現象は、執刀医に、拡大処置での高い抑制力をもたらし、また、骨の拡大速度と工具の回転とを効果的に切り離す。
本発明の第2の特徴によると、回転式オステオトームは、研削によって骨切り術部位を拡大するように、連続的に一方向に回転されるように構成されている。回転式オステオトームは、細長の円筒状シャフトを有するシャンクを含む。本体はシャンクに結合される。本体はシャンクから遠位に先端部を有し、シャンクに近接する最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状を有する。先端部は少なくとも1つの切れ刃を含む。本体の周囲には複数の溝が配置される。それぞれの溝は、研削面と、反対側の切断面を有する。ランドが隣接する溝の間に形成される。この切れ刃は、研削方向に高速で連続的に回転されるとともに、強制的に骨切り術部位に向かって前進すると、骨の自家移植と加圧成形(コンパクティング)を同時に行うように構成されている(すなわち、凝縮機構において、骨構造を横方向および外方向にやさしく押す)。切れ刃の自家移植及び加圧成形動作は、削られた骨材を直接骨切り術部位に移植できるとする有益な特性を維持しながら、回転式オステオトームが、漸進的に頂部から底部へと骨切り術部位を拡大することを可能にし、それにより、その後で配置されるインプラントまたは固定部材の骨結合を促進する。
本発明の第3の特徴によると、回転式工具は、研削によって海綿状物質(骨に限定しない)における孔を拡大するように、連続的に一方向に回転されるように構成されている。回転式工具は、回転式工具の回転の縦軸を定めるシャンクを含む。本体は、シャンクに結合される。本体は、シャンクから遠位に先端部を有し、シャンクに近接する最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状を有する。先端部は少なくとも1つの切れ刃を含む。本体の周囲には複数の溝が配置される。それぞれの溝は研削面と、反対の切断面とを有する。ランドが隣接する溝の間に形成される。それぞれのランドは、1つの溝の研削面と隣接する溝の切断面とを結合するランド面を有する。少なくとも1つの切れ刃およびランドは、研削方向に連続的に回転されるとともに、強制的に骨切り術部位に向かって前進すると、反対の軸方向の反力を生成するように構成されている。この押し返し(プッシュバック)の現象は、ユーザに、拡大処置での高い抑制力をもたらし、また、骨の拡大速度と工具の回転とを効果的に切り離す。
本発明の第4の特徴によると、超音波オステオトームは骨切り術部位を拡大するように構成されている。超音波オステオトームはシャンクを含む。本体はシャンクに結合される。本体は、シャンクから遠位に先端部を有し、シャンクに近接する最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状を有する。先端部は、一方向性の研削構造を含む。自家移植ランプ(ramp、傾斜部)は、本体が高周波振動で強制的に骨切り術部位に向かって前進し、同時に骨が超音波で粉砕された後に、骨を自家移植および加圧成形(コンパクティング)するように構成されている。
本発明の第5の特徴によると、研削により骨切り術部位を拡大する方法が提供される。方法は、縦軸の周囲で回転するために、溝付きの本体を支持するステップを含む。本体は先端部を有し、最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状を有する。さらに、方法は、本体を強制的に骨切り術部位へと前進させるとともに、本体を研削方向に連続的に回転させることを含む。改良点には、本体を骨切り術部位のより深部に進行させながら、先端部で漸進的により大量の骨材を研削するステップ、骨切り術部位内の受容骨(host bone)に研削された骨材を自家移植し、骨切り術部位内の研削された骨材を溝付きの本体で受容骨に加圧成形(押し固め、コンパクティング)するステップが含まれる。自家移植および圧縮動作は、削られた骨材をただちに骨切り術部位に移植できるとする有益な特性を保ちながら、回転式オステオトームが、頂部から底部へと軸方向に漸進的に骨切り術部位を拡大することを可能にし、それにより、配置されるインプラントまたは固定部材の骨結合を促進する。
本発明の第6の特徴によると、研削により骨切り術部位を拡大する方法が提供される。方法は、縦軸の周囲で回転するために、溝付きの本体を支持するステップを含む。本体は先端部を有し、最大部直径から先端部に近接する最小部直径へと減少する円錐状のテーパー形状を有する。さらに、方法は、本体を強制的に骨切り術部位へと前進させるとともに、本体を研削方向に連続的に回転させることを含む。改良点には、本体を骨切り術部位のより深部に進行させながら、先端部で漸進的により大量の骨材を研削するステップ、および、本体が骨切り術部位に向かう進行方向とは逆の、反対の軸方向の反力を生成するステップを含む。反対の軸方向の反力は、骨切り術部位に向かって強制的に前進する方向とは方向的に反対であり、それによって、拡大処置において、オステオトームは執刀医に対して押し返す。この押し返しの現象は、執刀医に、拡大処置での高い抑制力をもたらし、また、骨の拡大速度と工具の回転とを効果的に切り離す。
本発明の上記および他の特徴は、本発明の詳細な説明および図を検討することによって、より完全に理解されるであろう。
本発明の上記および他の特徴と優位点は、以下の詳細な説明、およびそれに付随する図と合わせて検討することで、さらに容易に理解されるであろう。
図1は、インプラントを受容するために拡大が必要な無歯の(歯の無い)顎位での、本発明の例示的応用を表す。
図2は、図1において、漸進的な一連の拡大ステップにおいて、本発明を使用して実現され、その結果、周到に準備された骨切り術部位を表す。
図3は、図1において、本発明の一実施形態に従った回転式オステオトームを用いた、漸進的な拡大ステップを表す。
図4は、図2において、取り付けられたインプラントは、その後に取り付けられる人工装具(図示せず)の当接部または基部を受容する前処理が整ったことを表す。
図5は、例として、本発明に従った、漸進的に直径が大きくなる4つのオステオトームを含む手術キットと、ヒトの顎部に3つの離れた骨切り術部位を同時に準備するための、両方向のドリルモータの使用方法を示した線図である。オステオトームを手術用ドリルモータから取り外すことなく、切断または研削のいずれかによってそれぞれの骨切り術部位を拡大するために、オステオトームの方向を選択的に反転させて使用する。
図6は、本発明の一実施形態に従った回転式オステオトームの側面図である。
図7は、以下「反発力(bounce)」と呼ぶ外科的処置を表す、簡略化された断面図であり、執刀医が臨機応変に拡大速度(およびその他の要因)を調節しながら拡大速度を操ることを可能にしつつ、骨切り術部位を拡大できるように、オステオトームが反復的に回転し続ける一方で、本発明に従ったオステオトームが繰り返し骨切り術部位に押し込まれ、引き抜かれる。
図8は、執刀医(またはユーザ)が、特定の状況に応じて前進力を臨機応変に調節できることを図示するために、3つの異なる処置において、骨切り術部位(または孔)への貫通深さに対して、本体を骨切り術部位へと前進させる、ユーザによって付加される力を表した模範的なグラフである。
図9は、本発明の使用に適した、骨、金属発泡体、その他の母材を概ね表す、簡略化された応力ひずみ曲線である。
図10は、本発明の一実施形態に従った回転式オステオトームの先端部の拡大図である。
図11は、本発明に従った拡大処置の最中、その中に部分的に配置された回転式オステオトームを含む骨切り術部位の断面図を表す。
図12は、図11の12で限定される領域の拡大図であり、この領域は、研削方向のオステオトームの回転に反応して、骨の壁面によって回転式オステオトームに付加される反力(R)で増進(enhance)される。
図13は、図12の反力(R)の図表であり、横力(Rx)と軸力(Ry)に分けて示される。
図14は、本発明の一実施形態に従った回転式オステオトームの先端部の部分斜視図である。
図15は、図6、10および14の回転式オステオトームの先端部の端面図である。
図15Aは、図15の半円線15A−15Aに概ね沿った、本発明に従ったオステオトームの先端部の断面図である。
図16は、図15の16で限定されるランドの拡大図である。
図17は、拡大プロセスのそれぞれの段階で研削、加圧成形および自家移植が行われる骨切り術部位の区域を記述するために、拡大処置の様々な段階で見られる回転式オステオトームの先端部を伴う骨切り術部位の、誇張された断面図である。
図18は、図17の線18―18に概ね沿った断面図である。
図19は、図17の線19―19に概ね沿った断面図である。
図20は、図17の20で限定される領域の拡大図であり、先端部の骨研削および自家移植の特徴を表す。
図21は、図14の先端部の部分斜視図であるが、わずかに異なる視点からの図であり、骨材料が集合し、その後、周囲の骨に返還される(repatriated)先端部の領域を図示している。
図22は、本発明のひな形の回転式オステオトームの試験中に撮られたマイクロCT画像であり、(A、左)先行技術のバー、(B、中央)切断方向に回転する本発明の回転式オステオトーム、および(C、右)研削方向に回転する本発明の回転式オステオトームによって作成された比較孔を有する、ブタ03(Porcine03)脛骨内側プラトーの横方向薄片(slice)を示している。
図23AからDは、本発明のひな形の回転式オステオトームの試験中に撮られたマイクロCT画像であり、先行技術のバー(図23A)、および研削方向に回転する本発明の回転式オステオトーム(図23C)によって作成された、ブタ03脛骨内側プラトーの軸方向薄片と、先行技術のバー(図23B)、および研削方向に回転する本発明の回転式オステオトーム(図23D)によって作成された、ブタ02の内側孔の周辺1cm体積の、平均的な骨塩量投影(projection)の比較用軸方向薄片図(slice view)である。
図24は、回転ではなく高周波振動で構成された、本発明のオステオトームの別の実施形態を表す。
図25は、本発明に従った拡大処置を部分的に実施するよう配置された、図24の別のオステオトームによる骨切り術部位の断面図である。
図26は、図24の別のオステオトームの先端部の拡大図である。
図27は、本発明の新規的なオステオトームが効果的に適用できると思われる領域のいくつかの例をハイライトした、ヒトの骨格の簡略化された図解である。
図27Aは、ヒトの脊椎の拡大図である。
図27Bは、図27Aの脊椎の断面図で、固定スクリューまたはその他のインプラント装置を受容することを目的とした骨切り術部位を拡大するために配置された、本発明の1つの実施形態に準じた回転式オステオトームを含んでいる。
図28は、少なくとも1つの模範的な商業的応用を例証する、本発明に従った回転式オステオトームを用いた、孔の開いた発泡金属の斜視図である。
図面を参照すると、複数の図面において、類似の番号は、類似のまたは対応する部分を示している。図1から図4は歯科インプラントの例を示しており、骨インプラントを受容するために、骨切り術部位の前処理が必要とされる(図4)。当然のことながら、本発明が歯科応用に限定されることなく、広範囲な整形外科応用に応用されうる。さらに、本発明は骨または整形外科応用に限定されず、産業応用および商業応用などのための金属発泡体および他の海綿状物質における孔を準備するために使用されうる。図1では、インプラント34または他の固定装置を受容するために(図4)、骨切り術部位32(図2)として拡大および準備する必要のある無歯の(歯の無い)顎位30が示される。連続するステップには、第1に初期骨切り術部位を形成するために、受容骨にパイロット孔をあけ、次いで、図3で示されるように、一般に36で示される漸進的に広がった回転式エキスパンダ装置を使用して、骨切り術部位を漸進的に拡大することが含まれる。骨切り術部位が準備されると、図4で図示されるように、インプラント34または固定スクリューが所定の位置にねじ込まれる。骨切り術部位の形成のための処置は、2013年1月3日に発行されたHUWAISの米国特許出願第2013/0004918号に記載されており、その全体の開示が参照により組み込まれる。
図5は、例として、本発明に準じた、漸進的に直径が大きくなる4つのオステオトーム36A−36Dを含む処置セットと、ヒトの顎部に3つの離れた骨切り術サイト32A、32B、および32Cをそれぞれ同時に準備するための両方向のドリルモータ38の使用方法を図示した線図である。オステオトーム36を処置用ドリルモータ38から取り外すことなく、切断または研削のいずれかによって、それぞれの骨切り術部位を拡大するために、オステオトームの方向を選択的に反転させて使用する。本例は再度歯科応用に関して示されているが、当業者は、ここに記載された技術は、一般的な関節置換術、骨固定、および発泡金属(図27Bおよび図28を参照)を含むがそれに限定されない歯科分野以外の応用に採用可能であることを当然理解するであろう。
図5の例に戻ると、第1の骨切り術部位32Aは、骨の幅が比較的狭い下顎骨30の前方に位置している。第1の骨切り術部位32Aの領域における骨30の組成物は、主にタイプIIとされうる。第2の骨切り術部位32Bは、幅狭の骨30を有する下顎領域の第1の部位32Aのわずかに後ろに位置している。第2の骨切り術部位32Bの領域における骨30の組成物は、一般にタイプIIとIIIの混合とされうる。第3の骨切り術部位32Cは下顎の臼歯領域に位置しており、比較的幅広な骨30に包囲されている。第3の骨切り術部位32Cの領域における骨30の組成物は、主にタイプIIIとされうる。部位32A、32Bおよび32Cにおける骨30の幅および組成物の違いのため、執刀医は各骨切り術部位32に対してまったく同じ技術や処置を適用することは望まない。本発明を使用することにより、執刀医(または非手術応用のユーザ)は異なる手段で3つすべての骨切り術部位32Aから32Cを同時に準備することができる。
この例では、各骨切り術部位32Aから32Cは、1.5mmのパイロット孔を最初に開けることにより準備された、初期骨切り術部位を有すると推定される(当然のことながら、歯科、非歯科に関わらず、あらゆる手術応用の状況により、初期骨切り術部位の寸法、および他の手術の特性が決定されるであろう)。執刀医は、第1のオステオトーム36Aをドリルモータ38にロック(固定)または設置し、反時計方向に回転方向を設定する。執刀医は彼らの判断における該当する状況の決定に従い、オステオトーム36の回転速度を変更することはできるが、実験結果では、約200〜1200RPMの回転速度と約15〜50Ncmのトルク設定が良好な結果をもたらすことを示している。より好ましくは、約600〜1000RPMの回転速度と約20〜45Ncmのトルク設定が良好な結果をもたらす。また、さらに好ましくは、約800〜900RPMの回転速度と約35Ncmのトルク設定が良好な結果をもたらす。
次いで、執刀医は回転する第1オステオトーム36Aを研削(この詳細は後述される)により拡大するために、第1の骨切り術部位32Aへと押し込む。ただし、第2の骨切り術部位32Bおよび第3の骨切り術部位32Cの異なる組成物特性のため、執刀医は研削ではなく切断によって拡大することを選ぶ。これを反映させるため、執刀医は、ドリルモータ38から第1オステオトーム36Aを取り外すことなく、ドリルモータ38の回転方向を時計回りに反転する。そして、執刀医は同様の押し付ける動作を用いて、必要に応じて摘出(harvest)されてもよい骨材を除去することにより、第2の骨切り術部位32Bおよび第3の骨切り術部位32Cを拡大する。
本仮説例におけるこの段階で、第1の骨切り術部位32Aは執刀医が希望する大きさまで拡大されており、第1の骨切り術部位32Aにはこれ以上の拡大が不要である。ただし、第2の骨切り術部位32Bおよび第3の骨切り術部位32Cはいずれも追加的拡大が必要である。次いで、執刀医は、第2オステオトーム36Bをドリルモータ38に取り付け、回転方向を反時計方向に設定する。執刀医は完了した第1の骨切り術部位32Aを飛ばして、研削により第2オステオトーム36Bを第2の骨切り術部位32Bへと展開する。第3の骨切り術部位32Cの異なる組成物特性のため、執刀医は研削ではなく切断によって拡大することを選ぶ。これを反映するため、執刀医は、ドリルモータ38から第2オステオトーム36Bを取り外すことなく、手術モータ38の回転方向を時計回りに反転する。次いで、執刀医は同様の押し付ける動作を使って、(必要に応じて摘出されてもよい)骨材を除去することにより、第3の骨切り術部位32Cを拡大する。
第2の骨切り術部位32Bおよび第3の骨切り術部位32Cが第2オステオトーム36Bで拡大されると、執刀医は第3オステオトーム36Cをドリルモータ38にロックまたは取着し、回転方向を反時計方向に設定する。再度、完了した第1の骨切り術部位32Aを飛ばして、第2の骨切り術部位32Bおよび第3の骨切り術部位32Cは研削により拡大される。いずれの場合にも、手術モータ38は反時計方向に回転するように設定されている。この時点で、第2の骨切り術部位32Bは執刀医が希望する大きさまで拡大されており、第2の骨切り術部位32Bにはこれ以上の拡大は不要である。ただし、第3の骨切り術部位32Cは追加的拡大が必要である。したがって、執刀医は第4オステオトーム36Dをドリルモータ38に設置し、回転方向を反時計方向に設定する。完了した第1の骨切り術部位32Aおよび第2の骨切り術部位32Bを飛ばして、先述の技術を使用して研削することにより、第3の骨切り術部位32Cを拡大する。この時点で、インプラント34(またはインプラントの固定部分)を、骨切り部位32Aから32Cのそれぞれに設置されることが可能となる。執刀医は3.0mmから3.25mmのインプラント(図示せず)を第1の骨切り術部位32Aに、5.0mmのインプラント(図示せず)を第2の骨切り術部位32Bに、および6.0mmのインプラント(図示せず)を第3の骨切り術部位32Cに配置する。執刀医は、オステオトーム36をドリルモータ38から取り外すことなく、ある部位は研削によって、また別の部位は切断によって拡張する能力を兼ね備えつつ、複数の骨切り術部位32A、32B、32C・・・32nを同時に準備することができる。このように、回転式オステオトーム36は骨切り術を研削で拡大するために、高速で一方向に回転され、および、骨切り術を切断で拡大するために、反対方向に回転されるように構成されている。
次に図6を見ると、本発明の1つの好ましい実施形態に準じた、シャンク(軸部)40及び本体42を含むオステオトーム36が示される。シャンク40は回転式オステオトーム36の回転Aの縦軸を定める細長い筒状シャフトを有する。ドリルモータ38と連結するためのドリルモータ係合用のインターフェイス(接合部)44が、シャフトの遠位端で形成される。インターフェイス44の特定の構成は、使用されるドリルモータ38のタイプによって変化しうる。また、インターフェイス44の特定の構成は、場合によっては、3つまたは4つの顎コレット(jaw collet)がしっかり掴むことが可能な、シャフトのただの滑らかな部分であってもよい。本体42はシャンク40の下端に接合し、この接合はテーパー状またはドーム状の切替部(transition)46によって形成されうる。本切替部46は、執刀医が処置中に水で注水(洗浄)する際に傘のような作用をする。なだらかな切替部46は、オステオトーム36が回転している間も、水はね、または分流を最小限に抑えながら、骨切り術部位への水の流れ(図示せず)を容易にする。
本体42は、シャンク40に隣接する最大直径から先端部48に隣接する最小直径まで減少する、円錐状のテーパー形状を持つ。このように、先端部48はシャンク40から離れている。本体の作業長さまたは有効長さは、テーパー角および、キットに含まれるオステオトーム(36A、36B、36C、36D・・・36n)の寸法と個数に比例関係にある。好ましくは、キットのすべてのオステオトーム36は同一のテーパー角を有し、好ましくは、1つのオステオトーム(例えば36A)の本体42の上端における直径は、次に大きい寸法のオステオトーム(例えば36B)の本体42の先端部に隣接する直径とほぼ等しい。約1°から5°(またはそれ以上)の間のテーパー角は、その応用によっては可能である。さらに好ましくは、約2°から3°の間のテーパー角は、良好な結果をもたらすであろう。そして、さらに好ましくは、2°36‘のテーパー角は、歯科応用において、本体42の長さの典型的要件の範囲内で(例えば、約11mmから15mm)、特筆すべき結果をもたらすことで知られる。
先端部48は、少なくとも1つの、好ましくは一対の切れ刃(リップ)50によって画定される。この切れ刃50は、実際のところ、先端部48の反対側に配置される刃先(エッジ)であるが、図示された実施形態では、共通の平面内に位置していない。換言すると、図14および図15に示されるように、切れ刃50は、縦軸Aを通って中央に延在する短寸のチゼルポイント52により、(直接的な直径方向の整列という点で)わずかにずれている。チゼルポイント52はドリル工具にみられる共通の特徴であるが、チゼルポイント52に対する代替の先端部48の構造は当然可能であり、円形および単純な尖頭形などを含む。先述のとおり、切れ刃50は先端部48から上方および下方に(半径方向に)角度が付けられた刃先である。切れ刃50の角度は特定の応用の性能を最適化するように変更されうる。実際には、切れ刃角度は縦軸Aに対して約60°で測定され、または2つの対向する切れ刃50の間で120°で測定されてもよい。
各切れ刃50は、概ね平面の第1の裾状側面部(trailing flank)54を有する。第1の裾状側面部54は第1の角度でそれぞれの切れ刃50から傾斜をつけて位置する。第1の角度は、性能および特定の応用に最適化するために変化しうる。実際のところ、縦軸Aに対して約45°、または2つの対向する第1の裾状側面部54の間で90°であってもよい。したがって、2つの対向する第1の裾状側面部54は反対方向に取り付けられ、そうすることにより、オステオトーム36が使用中に回転される場合、第1の裾状側面部54は各切れ刃50を先導(リード)するか、その切れ刃の後に追従するかのいずれかであることは当然である。第1の裾状側面部54が各切れ刃50をリードする場合、オステオトームは研削方向に回転するといわれる。反対に、第1の裾状側面部54が各切れ刃50に追従する場合、オステオトームは切断方向に回転する。すなわち、先導する切れ刃50で、骨を切断する、またはスライスするといわれる。研削方向では、第1の裾状側面部54は実際、切れ刃50と接触する点において、骨(またはその他の母材)の細片形成およびせん断変形を最小限に抑えるように、切れ刃50に大きな負のすくい角を形成する(図17および20の例を参照)。
概ね平面の第2の裾状側面部56は第1の角度よりも小さな第2の角度で各第1の裾状側面部54と隣接して形成され、かつ、それぞれ離れて位置する。第1の裾状側面部54が(軸Aに対して)45°で形成される例では、第2の裾状側面部56は40°よりも小さくてもよい。概ね平面のリリーフポケット58(relief pocket)は、第2の角度よりも小さな第3の角度で各第2の裾状側面部56と隣接して形成され、かつ、それぞれ離れて位置する。第2の裾状側面部56が(軸Aに対して)40°で形成される例では、リリーフポケット58(すなわち第3の角度)は30°よりも小さくてもよい。各リリーフポケット58は、第2の裾状側面部56と切れ刃50との間の先端部48の区域に配置される。概ね軸方向に配置された切れ刃面60はリリーフポケット58と隣接する切れ刃50との間に延在する。このことは、おそらく図10の拡大図でもっともわかりやすく示されている。オステオトーム36が切断方向に回転される場合、多量の骨細片がリリーフポケット58の領域に収集される。オステオトーム36が研削方向に回転される場合、リリーフポケット58の領域には、骨細片はごく少量しか、またはまったく収集されない。
図15Aは、極めて簡略化され、例示的な、図15の15A−15Aに概ね沿った、オステオトーム36の先端部48の半円線による断面図である。この簡略化された例示には平面の交点に小点がつけられている。この点は実際には存在しないが、異なる面(54、56、58、60)の境目を際立たせるために、この図面に加えられたものである。他のいくつかの図面および記述と組み合わせて、図15Aは、多様な小平面(facet, 54、56、58、60)、および、小平面の互いの関連性、および小平面と切れ刃50との関連性を当業者に知らしめるものである。
複数の溝62が本体42周辺に配置される。溝62は、好ましくは本体42周囲に均等に取り付けられるが、それに限定されない。本体42の直径は溝62の数に影響しうる。例として、約1.5mmから2.8mmの範囲の本体42は3または4本の溝で形成されうる。約2.5mmから3.8mmの範囲の本体42は5または6本の溝で形成されうる。約3.5mmから4.8mmの範囲の本体42は7または8本の溝で形成されうる。約4.5mmから5.8mmの範囲の本体42は9または10本の溝で形成されうる。当然、溝62の数は性能を最適化し、および/または特定の応用に、より適合するために、ここに挙げられた例と比較して多かれ少なかれ変化してもよい。
図示される実施形態では、溝62はらせん状のねじれによって形成される。切断方向が右手(時計回り)方向であれば、好ましくは、らせんも右手方向である。切断方向とらせん方向の逆転(すなわちLHS−LHC)は、必要に応じて、実質的に同等の結果によってなされうることは当然のことではあるものの、このRHS−RHC構造が全図面を通じて示されている。本体42の直径はらせんの角度に影響を与えうる。例として、約1.5mmから2.8mmの範囲の本体42は9.5°のらせんで形成されうる。約2.5mmから3.8mmの範囲の本体42は11°のらせんで形成されうる。約3.5mmから4.8mmの範囲の本体42は12°のらせんで形成されうる。約4.5mmから5.8mmの範囲の本体42は12.5°のらせんで形成されうる。当然、ねじれ角(spiral angle)は性能を最適化し、および/または特定の応用に、より適合するために、ここに挙げられた例と比較して多かれ少なかれ変化してもよい。
おそらく図15および図16にもっともわかりやすく示されているように、各溝62は研削面64および対向する切断面66を有する。リブまたはランドは、隣接する溝62に間に別の方法で形成される。したがって、例えば、4本溝62のオステオトーム36は4つのランドを有し、10本溝62のオステオトーム36は10個の交互のランドを有することとなる。各ランドは片側の溝62の研削面64と、反対側の溝62の切断面66の間に延在する外側ランド面70を有する。各ランド面70と、それに関連する切断面66との間の端部状の接点は、作用端(working edge)72と呼ばれる。オステオトーム36の回転方向によって、作用端72は骨を切断するか、または骨を研削する、いずれかの機能を示す。つまり、オステオトームが切断方向に回転される場合、作用端72は骨(または他の母材)をスライスし、および掘り出す。オステオトームが研削方向に回転する場合、作用端72はほとんど、または一切切断することなく、骨(または他の母材)を加圧成形し、半径方向に移動する。この加圧成形と半径方向の移動は、縮合機構における骨構造の、横および外方向の穏やかな押圧(gentle pushing)として示される。図15は破断円(broken circle)として重なる、ウェブ(クモの巣状)円形(web circle)74を図示している。ウェブ円形74、または単にウェブ74はすべてのランドが連結する本体42の基礎または中心部分である。ウェブ円形74の直径は本体42のテーパー状の直径により変化する。
好ましい実施形態において、作用端72は実質的にマージンを有さず、完全なクリアランスを提供するために、各ランド面70全体が作用端72の後方で裁断される。標準的な先行技術のバーやドリルでは、一般的にマージンが穴にドリルを誘導し、ドリルの直径を維持するために、作用端の後方に一体化される。一次テーパー状逃げ角(primary taper clearance angle)、すなわち、図16に示されるような、作用端72の接線と各ランド面70の間の角度は、応用によって約1°から30°の間のいずれかとなりうる。より好ましくは、一次テーパー状逃げ角は約5°から20°の間である。本体42の直径は一次テーパー状逃げ角に影響しうる。例として、約1.5mmから2.8mmの範囲の本体42は15°の一次テーパー状逃げ角で形成されうる。約2.5mmから3.8mmの範囲の本体42は15°の一次テーパー状逃げ角で形成されうる。約3.5mmから4.8mmの範囲の本体42は12°の一次テーパー状逃げ角が形成されうる。約4.5mmから5.8mmの範囲の本体42は10°の一次テーパー状逃げ角形成されうる。当然、一次テーパー状逃げ角は性能を最適化し、および/または特定の応用に、より適合するために、ここに挙げられた例と比較して多かれ少なかれ変化してもよい。らせん状のねじれの角度に関連して先に述べたとおり、例えば図14には、実質的にマージンなしの作用端72は、本体42の円錐状のテーパー形状により直径が減少するにつれ、研削方向から逸れる(反対側に向かう)。換言すると、図14で示されるように、研削方向が反時計方向である場合、作用端72のらせん状のねじれ部は、本体42の頂部から先端部48の方向に見て、反時計方向となる。または、その反対に、先端部48から本体42の頂部の方向に見て、ねじれ部は時計方向に見られる。このように、研削方向が反時計方向の場合、すべてのランド面70と溝62が縦軸Aの周囲を反時計方向に周回すると、作用端72が先端部48の下方方向に、各ランド面70と溝62をなぞる(トレースする)ため、作用端72は「研削方向から逸れる(turn away)」。
切断面66は各作用端72のすくい角を形成する。すくい角は、工具の先端面(この場合、作用端72)から、作業対象(例えば、骨切り術の内側骨面)の表面から垂直に伸びる仮想線までを測定した傾斜角度のことである。すくい角は様々な切断や機械加工に使用されるパラメータであり、作業対象に対する切断面の角度を表している。すくい角は、正角、負角およびゼロ°でありうる。作用端72のすくい角は、切断方向に回転する場合、好ましくはゼロ°(0°)である。換言すると、切断面66は、作用端72を介してけがかれた弧の接線に対して概ね垂直の向きである。図16に示されるように、このことにより、オステオトーム36が切断方向に回転される場合、骨を切断/スライスするのに極めて適した、はっきりとした切断エッジ72を形成する。
ただし、オステオトーム36が研削方向に回転する場合、すくい角は作用端72とランド面70との間で形成され、先述のとおり、(例えば)10°から15°の順に大きな負のすくい角となる。(研削方向に回転する場合)作用端72の大きな負のすくい角は、トーストにバターを塗るかのように、接触点よりも手前に圧縮波を生成するために、骨切り術32の壁部と作用端72の間の接触点で、外向きの圧力をかける。執刀医により付加された下方方向の圧力は、作用端72を拡大される骨切り術の骨面と接触させ続ける、すなわち、作用端72圧縮波に押し付け続けるために必要である。上記は、横方向(すなわち、意図する拡大の方向)の圧力を生成するオステオトームおよび工具36のテーパー効果によって補助される。執刀医が強く押しつければ押し付けるほど、より大きな圧力が横方向に付加される。このことにより、執刀医はオステオトーム36の回転速度に大きく依存することなく、拡大速度を完全に制御できるようになる。したがって、研削効果の強度はオステオトーム36に付加される力の量による。より大きな力が付加されると、より速い拡大が実行される。
作用端72が骨を引き込む時、作用端72にかかる力は2つの分力に分解されうる。1つは骨の表面に対する垂線であり、骨を外側方向に押し付け、もう1つは接線であり、骨切り術の内部表面に沿って骨を引き込む。接線成分が増加するにつれ、作用端72には骨に沿って滑らかに動き始める。同時に、垂直抗力はより柔らかい骨材料を変形する。垂直抗力が低い場合、作用端72は骨にこすり付けられるがその表面を恒久的に変化させることはない。この摩擦作用は、抵抗と熱を生み出すが、これは執刀医が臨機応変に回転速度および/または圧力および/または注水を変えることにより、制御可能である。オステオトーム36の本体42がテーパー状であるため、執刀医は、手術中、いつでも作用端72を骨の表面から離し、空冷および/または注水ができるようにする。これは、間断なく進捗をモニタリングし、微修正および微調整を行う執刀医により、一気に圧力が付加される、制御された「反発力」により行われうる。処置中いつでも、骨切り術43の壁部との係合からオステオトームを持ち上げるための力と性能を多様に適用できることを図示した、図7および図8を参照のこと。執刀医によって付加される下方方向の力が増加すると、最終的に骨の表面における圧力は、その降伏強度を超える。降伏強度を超えると、作用端72は表面に溝を掘り、その後方にくぼみを作る。このように、作用端72の溝を掘るこの動作は、骨切り術を漸進的に拡大する。
図9は、骨、および、様々な商業、産業および航空応用に使用されるタイプの発泡金属を含むがそれに限定されない、他の延性材料の一般的な実例となる応力ひずみ曲線を表す。原点(0,0)からBの曲線の直線部分は材料の弾性応答領域を表す。基準点Bは材料の弾性限界を示す。骨の弾性特性は周知であるが、執刀医によって付加される荷重が弾性的に変形する骨の性能を超えない場合、つまり、基準点Bを下回る場合、圧力が除去されれば、骨はただちに元の(変形されない)状態に戻るであろう。一方で、執刀医によって付加される荷重が弾性的に変形する骨の性能を超える場合、骨は変形し、塑性変形により恒久的に形状を変えることになろう。骨における恒久的な形状の変化は、エネルギー放出を許す微小亀裂に関連し、完全な破砕に対する自然免疫能を危険にさらすと考えられている。これらの微小亀裂が小さい場合、骨切り術が拡大しても骨は一体のままである。塑性変形の領域は、材料の降伏点(C)から、破砕点(E)までずっと延在する。降伏点(C)と破砕点(E)の間の曲線のピーク(D)は材料の最大抗張力を示す。材料(例えば骨または発泡金属)が、その降伏点(C)と最大抗張力(D)の間の領域で圧力をかけられる対象となった場合、材料にひずみ硬化が発生する。加工硬化や冷間加工としても知られるひずみ硬化は、塑性変形による延性材料の強化のことである。この強化は、材料の結晶構造内での転移の動き、および転移発生により起こり、骨材料においては上記の微細亀裂に相当する。材料は、その最大抗張力(D)と破砕点(E)の間の領域で圧力がかけられると、ネッキング(necking)が発生する傾向がある。
らせん状のねじれの方向は、執刀医による制御に役立つ役割を果たすように設計されることが可能であり、そうすることにより、拡大処置の最中、最適レベルの圧力が骨(または他の母材)に付加されうる。特に、上記のRHS−RHC構造は、右手の切断方向のための右らせん(または、代替としてLHS−LHC構造、図示せず)を示すものであり、オステオトーム36が研削方向に高速で間断なく回転し、同時に(執刀医により手動で)骨切り術32へと強制的に前進する場合に、有益な反対方向の軸方向反力(R)を課す。この反対方向の軸方向反力(R)は、図11から図13に、骨切り術32の方向に強制的に前進する方向と反対方向に図示される。換言すると、オステオトーム36を使用する執刀医がオステオトーム36を骨切り術32に向かって下方方向に押し付けると、反対方向の軸方向反力(R)が、オステオトームを上方方向に押し上げるために、反対方向に働く。反対方向の軸方向反力(R)は、反力(R)の垂直(または、より正確には、縦軸Aに相対する「軸」)成分であり、この反力(R)は、オステオトーム36の作用端72の全長に対して骨によって付加される、ニュートンの学説の「作用あれば反作用あり(すなわち、ニュートンの運動の第三法則)」である。また、反対方向の軸方向反力(R)は、図20に示されるように、および、図15Aから容易に理解できるように、オステオトーム36が研削方向に回転する場合、切れ刃50における、効果的な負の大きなすくい角によっても生じる。当業者は、好ましい実施形態において、切れ刃50と作用端72の両方が連携して作用するのではなく、切れ刃50単体、または作用端72単体の構造のいずれかによって、反対方向の軸方向反力(R)が生じる、別の実施形態を理解するであろう。
オステオトーム36が研削方向に回転している場合、執刀医は先端部48を骨切り術32の底部へと前進させるために、上記のように、骨を塑性的に変位(displace)/拡大(expand)するのに必要な力を供給することに加え、反対方向の軸方向反力(R)に対して押し込み、かつ圧倒しなければならない。オステオトーム36は、いうなれば、執刀医が研削によって骨切り術を拡大するために、反対方向の軸方向反力(R)に対して間断なく作業しなければならないように設計されている。反対方向の軸方向反力(R)は、拡大処置におけるより大きな制御をもたらす点で、執刀医にとって不利益ではなく、有益である。反対方向の軸方向反力(R)のおかげで、オステオトーム36は、オステオトームを骨部位内部へと前進させがちなけん引力を生成するように設計された、標準的な「アップカット(上向き切削)」のツイストドリルまたはバーで起こりうるような、骨切り術32へと深く引っ張られるような現象は起こらない。執刀医が過度な貫通を防ぐために、彼ら自身が回転するバー上で引き上げていることに図らずして気がつくように、このようなアップカットバーは、バーを骨切り術へとより深く掴んで引っ張る可能性がある。
反対方向の軸方向反力(R)の強度は、執刀医が本体42を骨切り術32へと前進させる際に付加される力の強度に常に比例する。この反対方向の力は、いかなる瞬間でも、大小を問わず力の付加が必要か否かを執刀医に伝えるための、直観的および自然な、即時の触覚フィードバックを生じる。この、同時触覚フィードバックは、オステオトーム36を通じて直接伝わる反力(R、とりわけ軸成分R)を適用することにより、執刀医の繊細な手の感覚に極めて有益である。反対方向の軸方向反力(R)の機械的シミュレーションは、骨(または他の母材)が拡大処置に対してどのように即時に反応するか、ということに基づき、執刀医が拡大処置をより高度に制御することを促進する。
このように、図7から図9に関連する、上記の制御された「反発力(bouncing)」は、反対方向の軸方向反力(R)によって、より効果的に、そして実質的にさらに制御可能になり、執刀医は、拡大の速度を制御し損ねることなく、無意識に進捗をモニタリングでき、また、臨機応変な微修正や、臨機応変な加圧調整ができる。反対方向の軸方向反力(R)からの触覚フィードバックにより、執刀医は、直感的に骨材料に圧力をかけることが可能となり、それによって、ひずみ硬化領域、つまり、降伏点(C)と最大抗張力(D)の間で、好ましくはひずみ応答が存在する。いかなる場合にも、執刀医は(回転式オステオトーム36を通じて執刀医が付加する力によって生成されることから)弾性限界(B)を上回り、破砕点(E)を下回る圧力(ストレス)を維持するよう努めるであろう。当然、付加された圧力が弾性限界(B)を通過するまで、骨は恒久的に変形することはないであろう。そして、破砕点(E)を超える圧力の付加は、骨(または他の母材)が、場合によっては壊滅的に破壊されることにつながるであろう。
図8の模範的なグラフは、3つの異なる手順(A−B−C)で、骨切り術部位32に本体42を前進させるために、骨切り術部位32への貫通深さに対して執刀医が付加する力を描画しており、彼らが直面する特有の状況に応じて、どのようにこれらの臨機応変な調整を行うことができるのかをグラフで示している。上記のとおり、付加される力は、執刀医によって手動で発生される力であり、反対方向の軸方向反力(R)と、骨を拡大/変形するのに必要な力を足した力を上回ることが要求される。付加された力は骨(または他の母材)における圧力を創出し、それにより付加された力は図9に示されるようなひずみ応答を生じさせる。手術中、執刀医は自身のスキルを、付加される圧力を手動で変化することに使い、そうすることで、ひずみ応答は塑性変形領域(B−E)内に残り、より好ましくは、より理想的なひずみ硬化領域(C−D)内に残る。それゆえ、本実施形態のオステオトーム36の構造は、オステオトーム36が間断なく回転し、同時に強制的に骨切り術32へと前進する際、比例する反対方向の軸方向反力(R)を生じさせることによって、(研削による)拡大処置中の執刀医にさらなる制御性をもたらすように設計されている。
次に、図17から図21には、本発明の別の新しい特徴が図示されている。すなわち、オステオトーム36が研削方向に間断なく高速回転し、同時に強制的に骨切り術32へと前進する場合に、回転式オステオトーム36が同時に骨を自家移植し、加圧成形する性能である。加圧成形(押し固め、コンパクティング)の特徴は、横方向かつ外側方向に骨構造をやさしく押圧し、そうすることで骨切り術部位32を包囲する領域全体の組織を凝縮する、と定義されうる。図17では、漸進的に大きくなる各オステオトーム36を用いた、少量の骨(または他の母材)の研削が必要であることを強調するために、本発明によって形成された骨切り術部位32が7°までの順番で、誇張されたテーパー状態で示されている(約2°から3°の範囲の、好ましいテーパー角度との比較として)。
図17では、表面76は、先行する拡大処置で、より小さなサイズのオステオトーム36によって準備された骨切り術部位32の内壁を示す。次に大きなサイズのオステオトーム36の先端部48が実体的に示され、骨切り術部位に進入しようとしており、さらに、仮想的に、およそ2/3が骨切り術部位32に進入している。オステオトーム36は研削方向(例えば、先例では反時計方向)に高速で間断なく回転し、同時に強制的に執刀医の手動労力により骨切り術部位32に前進することが理解されるであろう。作図線78は、先端部48の筒状(つまり、テーパー状ではない)通路を示し、先端部48は骨切り術部位32内の頂部から底部へと移動する。換言すると、先端部48の直径は変化せず、したがって、その通路もまた、先端部48が移動する距離において一定を保つ。実体的に示されているように、最初にオステオトーム36が骨切り術部位32に進入する時、先に作製された骨切り術部位76の内径は先端部48の直径とほぼ等しい。しかし、先に作製された骨切り術部位76の内径は、骨切り術部位の底部に向かって漸進的に狭くなる(すなわち、内方へ漸減する)。ただし、示されているように、先端部48の筒状通路は一定のままである。それゆえ、オステオトーム36が骨切り術部位32の底部に向かって深部に前進すると、前進する(より大きな)オステオトーム36のための空間をつくるために、より多くの骨が研削され、および/または骨が取り除かれる。表面76と78(および先端部48の一部)の間の環状空隙として画定される領域80は、先端部48が骨切り術部位32の全深さに進むにつれ、切れ刃50の最外部の刃によって挽かれる骨材料を表す。挽かれた、または粉砕された領域80はオステオトーム32の側壁だけではなく、下端部をも含む。次の動作(図示せず)で、骨切り術部位32をさらに拡大するために、次に大きいサイズの別のオステオトーム36が使用される時、骨切り術部位32の底部に先端部が押し付けられるにつれ、同様の(ただし、より大きい)領域80が出現し、これが同じように続く。
引き続き図17において、表面82は、オステオトーム36の拡大処置により準備された骨切り術部位の外壁を示し、オステオトーム36の先端部48が実体的および仮想的に図示されている。表面82は実質的に、旋回するオステオトーム本体42に対して完全に負の状態である。換言すると、表面82はオステオトーム本体42と同じテーパーと、図示されるオステオトームの回転する先端部48によって作成される底部の印象を有することになる。表面78と82の間の環状空隙として画定される領域84は、オステオトーム本体42が骨切り術部位32の全深さに進むにつれ、ランドの作用端72によって塑性的に取り除かれる骨材料を表す。領域84内のすべての骨材料は、切断することなく周囲の骨構造に半径方向および外方方向に加圧成形され、緻密化した骨の区域を表す。
ここで、「領域80を占める、挽かれた/粉砕された骨材料には何が起こるのか?」という重要な見解が述べられよう。以前にも示唆したように、オステオトーム36は、回転し、骨切り術部位32に強制的に前進する際に、領域80の挽かれた/粉砕された骨の自家移植と加圧成形を同時に行うように構成されている。自家移植の現象は、骨切り術部位の内壁82の密度をさらに高めるために、上記の基本的な骨加圧成形および凝縮効果を補うものである。さらに、患者自身の骨素材を還元するプロセスである自家移植は、回復を加速させ、骨結合を向上させるための人体の自然治癒性を高める。
次に、図20は、先端部48と受容骨材料の間の境界線を示した拡大図である。回転し、強制的に前進する切れ刃50のそれぞれの最外部の刃が骨に接する位置では、磨滅が、骨が粉砕される原因となる。骨の破片は第2の裾状側面部56で、すなわち、各第1の裾状側面部54のすぐ後方で主に収集される。蓄積された骨の破片のいくらかは、切れ刃50に沿って半径方向および内側方向に移動し、骨切り術部位32の最底部まで運ばれる。蓄積された骨の破片の残りは、執刀医の手動の押圧労力で付加される圧力によって、第2の裾状側面部56に直接交わる溝62に沿って運ばれる。このことは図21に図示されている。骨の破片のごく一部がリリーフポケット58に漏れることはありうるが、ほとんど重要ではない。溝62まで運ばれた骨の破片は、骨の破片が拭き取られ、および骨切り術部位32の海綿状壁部(cellular walls)に押し付けられた、ランド面70に向かって進む。すなわち、骨の破片が回収された場所に近接する患者の骨に、骨の破片を移植することを意味する。骨切り術部位32の底部に運ばれる骨の破片は拭き取られ、骨切り術部位32の底部に押し付けられる。結果として、図17に示されるように、自家移植領域86は圧縮領域84の周囲およびその下部で発達する。興味深いことに、圧縮領域84が最も厚い箇所では自家移植領域86は最も薄く、反対に、圧縮領域84が最も薄い箇所では自家移植領域86は最も厚い。加圧成形が皆無かそれに近い骨切り術部位底部において、密度を高めることができない骨切り術部位32の領域の密度を高める(および、確実に刺激する)働きをする、自家移植86の重要な区域が存在する。それゆえ、自家移植の現象は、インプラント34または他の固定装置を受容する骨切り術部位32を準備する際、基本的な骨の加圧成形および凝縮効果にとって、理想的な補完であることが認められるだろう。
要約すると、本発明は研削(または、回転が反転される場合には切断)によって骨切り術部位32を拡大するための方法を説明している。本発明の基本的なステップは、縦軸Aの周囲を回転する溝付きの本体42を支持することを含み、本体42は先端部48と、先端部48に隣接する最大直径から最小直径まで減少する、筒状にテーパー状の特性とを有する。本体48は、本体42が(執刀医の手動労力によって)同時に強制的に骨切り術部位32へと前進しながら、研削方向に間断なく回転する。特筆すべき改良点は、本体42が骨切り術部位32のより深くに前進しながら、先端部48でより多くの骨材料を漸進的に研削することと、粉砕された骨材料を骨切り術部位32内の受容骨に自家移植することと、粉砕された骨材料を溝付きの本体42で受容骨に加圧成形(コンパクティング)することと、および、反対方向の軸方向反力(R)を、本体42が骨切り術部位32へと前進する方向と反対方向に発生させることを含む。反対方向の軸方向反力(R)は切れ刃50および/または作用端72の構造によって発生される。
本発明の工具と技術は、例えば2004年11月9日発行の、POIRIERの米国特許第6,814,577号(その全体の開示が参照により組み込まれる)における例として記載されているように、コンピュータ処理(CG)のインプラント配置誘導(computer generated implant placement guides)の方法に容易に適合することが可能である。これらの方法に準拠すると、顎骨30の構造細部や、歯茎表面の形状情報、および、歯または歯科の、提案されるプロテーゼ(人工器官)形状情報を提供するコンピュータモデルが創出される。このコンピュータモデルは骨構造、歯茎表面および歯のイメージを、相互に参照しながら表示するので、骨切り術部位32の位置を、骨30における正しい位置決めと、インプラント34に関する正しい位置決めに配慮しながら選択できる。
これらのおよび他の有益性は、オステオトーム36によってもたらされる骨研削の機械的検証を記載した模範的な試験の詳細、および手術準備および骨のインプラント部位の拡大として先述された方法に関する以下の詳細により、理解されるであろう。
(実施例)
手術用ドリルモータ38と、回転速度と深度貫通速度(depth penetration rate)を制御する材料試験機械(material testing machine)を用いた機械的試験が行われ、一方で骨を穿孔(穿設)/研削する処置における力とトルクが計測された。換言すると、執刀医の手動操作による影響は、以下の試験報告には含まれなかった。先行技術のバードリル、「研削モード(研削用オステオトーム)」の溝付きのオステオトーム36、および「穿孔モード(オステオトームドリル)」の溝付きのオステオトーム36を使用した処置が、3.8mmまたは6.0mmのインプラント34の挿入トルクおよび除去トルクで比較された。骨の孔の縁部から1mm遠位にサーモカップルを挿入し、穿孔処置中の熱発生が計測された。処置には、注水(irrigation)を行わない穿孔(900RPM)、注水を行う、または注水を行わない研削(200RPM、400RPM、600RPM、900RPM、および1100RPM)が含まれた。また、インプラント34の安定性はOSSTELL社の共振周波数分析システムによっても計測された。孔の周囲の骨の組織は、光学顕微鏡検査と環境型走査電子顕微鏡(ESEM、登録商標)で画像化され、骨塩量(BMD)および骨量比(BVF)がマイクロトモグラフィー(マイクロCT)画像化によって特定された。準備された骨切り術部位の最終的な直径は、1cm離れた2つの深度レベルで計測された。
詳細な標準操作手順書(SOP)が作成され、すべての機械的試験において順守された。簡潔に言うと、関節面を持つ3つのブタの脛骨プラトーサンプルと、取り除かれた軟骨下骨(約5cmから10cmの厚さ)が、エポキシ樹脂ポッティング(epoxy potting)および特注のクランプシステムに取り付けられた。次いで、クランプは、穿孔/骨切り術処置中に付加された力およびトルクの測定のための、2軸荷重セルを使用した、ElectroPlus E10000(登録商標)材料試験システムに固定された。コントロール可能なモータ速度およびトルクリミッタ(3i Implant Innovations社、WS−75)を有する手術用穿孔機構38が、材料試験システムのクロスヘッドに取り付けられた。
試験システムは、13mmのバー/オステオトームのターゲット深度に到達するまで、漸進的深度で前進および後退する、一定の線形速度を有する変位制御用にプログラムされた。漸進的に孔を拡大するために5つの直径によるステップが使用された。最大直径が1.8、2.8、3.8、4.8および5.2mmの先行技術の手術用穿孔バーが使用され、一方で溝付きオステオトームは最大直径が、1.8、2.8、3.8、4.8および5.8mmであった。これらの拡大ステップが実施された後、7つの穴に直径6.0mmのインプラントが挿入された。3つのケースでは、3.8mmのステップが完了した後に、直径3.8mmのインプラントが挿入され、3.8mmのインプラントが取り除かれた後に、孔の漸進的拡大が継続された。
試験中、孔の縁部から約1mm離れた箇所の骨にサーモカップルを挿入して、熱発生が計測された。6つの試験における穿孔/研削処置の間に、最高温度が記録された。
この処置が完了した後、インプラントが孔に挿入され、一方で挿入に必要な力およびトルクを計測した。OSSTELL社の計測器を用いて、共振周波数分析(RFA)によりインプラントの安定性が計測された。
同様の手順によって、追加のインプラント孔が作成されたが、ここではインプラント34の挿入は行われなかった。孔の間の間隔が、最も狭いところで6mmの、脛骨近位端の内側および外側の列に整列する3つの孔(前部、中央部および後部)に、合計14の試験が実施された。
加圧成形された骨の画像化および特性評価は、マイクロトモグラフィー(マイクロCT)を使用して行われた。高解像度CT薄片は90μmのボクセル解像度で孔の軸に沿って整列された。関心領域が選択され、GE社のマイクロビューソフトウェアを使用して、骨塩量と骨量比が、孔の縁からの距離および深さの係数として定量化された。
加圧成形された骨の画像化および特性評価は、光学的手段およびESEMを使用して行われた。骨サンプルは顕微鏡画像化のために、インプラント孔の中心軸に沿って区分された。骨切り術部位の放射方向の縁部の低倍率画像が、光学顕微鏡で、20倍から50倍の倍率で撮られた。
必要な貫通力およびトルクを増加するために、穿孔と比較した溝付きオステオトームの研削技術が示された(表1)。また、研削中の力およびトルクは拡大ステップの直径と関連付いており、最高値(73Nおよび18.9Ncm)は5.8mmのステップ中に発生した。直径3.8mmのインプラントは穿設孔(最高トルクは15および20Ncm)および、1つの研削孔(インプラントの破損により最高値は計測できず)に挿入された。
Figure 0006039099
直径6.0mmのインプラントでは、穿設孔の挿入および除去トルクはそれぞれ約35Ncmおよび21Ncmで、研削中に大幅にトルクが増加し、それぞれ80Ncmおよび60Ncmであった(表2)。注水を停止した場合には、骨の研削は穿孔よりも高い最高温度を記録した。注水を開始した場合には、研削は華氏約10°(摂氏約−12°)、最高温度を上昇させるだけであった。異なる研削速度での、温度またはインプラント挿入と、除去トルクとの間の大きな差は見受けられなかった。より高速な研削速度で、最大貫通力およびトルクが減少する傾向があり、1100RPMでは最大力はたったの27Nであり、最大トルクはたったの9Ncmであった。
Figure 0006039099
OSSTELL社の「インプラント安定性指数(ISQ)」の計測結果は、穿設孔の直径3.8mmインプラントに対して約73であった。ただし、研削された孔の破損したインプラントでは計測できなかった(表3)。6.0mmインプラントは、穿設孔および研削孔の両方に対して約82と、同等のISQ計測結果を示した。
Figure 0006039099
先行技術のバードリル、または本発明のオステオトーム36(穿孔/切断または研削モードのいずれか)によって作成された孔の直径に、大きな差異はなかったが、これはマイクロCT結像より前に、多くの孔に6.0mmインプラントを挿入したことに起因した可能性がある。オステオトーム36は、先行技術のバーの先端直径と上面直径(それぞれ4.2mmおよび5.2mm)よりも大きな先端直径と上面直径(それぞれ4.8mmおよび5.8mm)を有している。ブタ02の脛骨内側プラトーの場合、マイクロCT結像より前にバードリルまたは溝付きオステオトーム研削技術で作成された孔にインプラントは挿入されなかった。これらの孔の直径は他の孔よりも小さく、オステオトーム36が先行技術のバーよりも大きな直径を有しているにも関わらず、オステオトーム36が除去された後、より大きな弾性回復があり、それゆえ、最終的に、より小さな直径の孔を創出することを証明している。これら2つの工具のサイズに対して、オステオトーム穿孔/切断処置が先行技術のバーよりも小さな直径の孔を作るように見える。
マイクロCT結像は、研削で作成された孔の外周周囲の骨の加圧成形、および相対的に増加した、これらの孔周囲の骨塩量を明らかにした。一方で、本結像は穿設で作成された孔周辺の、相対的に一定の骨塩量を示した。例えば、図22は以下の工具、すなわち、(A―左)先行技術のバードリル、(B―中央)穿孔/切断方向に回転する回転式オステオトーム36、(C―右)研削方向に回転する回転式オステオトーム36で作成された比較孔を有する、ブタ03脛骨内側プラトーの横方向薄片を示すマイクロCT画像である。内側、次いで外側と中央領域の最下部で最も高い骨塩量を示し、脛骨プラトー全体の骨塩量のばらつきが見られた。皮質骨領域には、小柱領域の全深さを通り骨髄腔まで拡大された1つの孔を除き、孔は作成されなかった。骨の1cm容積(1 cm volume of bone)を通じた軸投影は、一定でない小柱密度を平均化することで、加圧成形された骨の「光輪(halo)」を実証した。例えば、マイクロCT画像である23A−23Dは、先行技術のバードリルで作成されたブタ03の脛骨中間プラトーの孔(図23A)、および研削方向に回転する回転式オステオトーム36で作成された脛骨中間プラトーの孔(図23C)の、比較用の軸方向薄片図を示している。さらに、先行技術のバードリル(図23B)および、研削方向に回転する回転式オステオトーム36(図23D)で作成された、ブタ02の内側孔周囲の1cm容積の、平均的な骨塩量映像の比較用軸方向薄片図が示されている。
Figure 0006039099
走査電子顕微鏡画像は、先行技術のバードリルおよび切断/穿孔方向に回転した場合のオステオトーム36によって作成された孔の表面において、比較的同等の粗度を示した。一方で、研削オステオトーム技術は各段に滑らかに見える表面を創出した。骨研削は結果として、骨切り術による孔の長尺の表面上、特に孔の底部表面付近に加圧成形された(すなわち自家移植された)粒状の骨粒子の層となる。
この機械的検証研究の結果は、研削方法が挿入および除去トルクを大幅に増加させ、また、加圧成形された骨粒子の領域および孔外縁周囲の骨塩量の増加を創出することを実証した。骨研削技術は研削された孔の周囲の弾性的特性を生成する。この研削技術は、標準的な穿孔技術と同様の臨床的処置に従っている。貫通力および貫通トルクが増加しても、注水および「反発」方法(図7および図8)が使用された場合には、孔周囲では限られた温度上昇しか見られなかった。OSSTELL社は穿設孔のISQと研削孔のISQとの差異について何も示唆していないが、すべての計測値は「安定」域とみなされた。OSSTELL社の計測器の感度不足は、11mmの長尺インプラントによる直径6.0mmの固定安定性に起因するものと思われる。
試験結果は、本発明の骨研削技術が骨切り術孔の外縁周囲の骨塩量を増加させることを示した。この骨研削技術はインプラントに対してより高い挿入および除去トルクを生成することにより、インプラントの一次安定性を高める。この骨研削技術は、骨切り術孔の全深度に沿って、とりわけ孔の底部に、加圧成形(コンパクティング)を用いて研削粒を再利用することにより、骨を自家移植する。この骨研削技術は、適切な回転速度、貫通速度および注水が使用される場合、先行技術のバードリルと同様の臨床的安全性を有する。この骨研削技術は、オステオトームが孔から除去される時、弾性特性の復元により、穿孔を用いた場合よりも小さな孔を創出する。
(別の実施形態および応用)
図24から図26は本発明の別の実施形態、すなわち、回転せずに骨切り術部位を拡大するように構成された、超音波オステオトーム90を図示している。超音波オステオトーム90はシャンクと隣接する本体92を含む。本体92はシャンクから遠位に先端部94を有する。本体92は全体的に滑らか(すなわち、溝がない)でシャンクに近接する最大部直径から、先端部94に近接する最小部直径へと減少する、円錐形のテーパー状の輪郭を有する。本体92の全体的な大きさと寸法は、先述の実例における本体42と同様である。先端部94は、ごつごつした表面の形状を有しうる、一方向の研削構造を含む。超音波オステオトーム90は(民生の手術用超音波発生装置によって)高周波で振動するため、先端部94は、先述の実施例における先端部48とさほど変わらない方法で、骨のごく一部を研削する効果を有している。本体92は、本体が高周波振動を伴って骨切り術部位へと強制的に前進すると、骨が先端部94によって超音波で粉砕された後に、骨を自家移植および加圧成形するように構成された、自家移植傾斜台(auto−grafting ramp)96をさらに含む。この実例では、自家移植傾斜台96は、本体92の滑らかなテーパー状部分のすぐ下部に配置された、円錐台形部材である。自家移植傾斜台96は本体92のテーパーよりも大きな第1角度で延在し、粒状の骨の破片はくさび形の作用により、骨切り術部位の囲い壁に向かって押し固められる。
図27から図27Bは、当業者に対して、本発明の本質は歯科応用のみに限定されないことを図示することを目的としているが、ヒト(または動物)の身体における骨前処理部位について、その適合性が調査されてもよい。先に述べられた示唆は、脊椎および手/手首への応用は、インプラントの一次安定性、自家移植の有益性、および先行技術の前処理技術との内在する類似性により、本発明の骨研削技術の主要な候補であることを明らかにしている。
さらに、図28で示されるように、本発明の本質は母材としての骨だけに限定されない。実際、本発明の回転工具36はほとんどあらゆるタイプの海綿状物質において、研削により孔を拡大するように構成されうる。この図では、金属海綿状物質98の部分は、航空宇宙、耐熱、および他の重要な応用に、広範囲にわたって使用されるタイプであってもよい。上記の方法に準じた研削によって形成された孔100を含む発泡金属が示されている。結果として、孔100は、ネジまたは他の固定用アンカー(fixation anchor)を受容するために、さらに望ましく準備される。なぜなら、その内壁は本発明の加圧成形変位および自家移植効果によって圧縮されたためである。アルミニウム板やプラスチック板などの、非海綿状物質の無機材料に孔を形成する、いくつかの実験も行われた。それらの非海綿状物質においても、本発明を用いた孔前処理によって一定の有益性が示され、ネジまたはアンカーの保持力を改善する可能性が高く期待される。
先述の発明は、関連する法的基準に準拠して記載されており、本記述は事実上限定するものではなく、むしろ典型例である。開示された実施形態への変更および修正は当業者にとって明白であり、発明の範囲内に収まる。

Claims (15)

  1. 高速で連続的に非切断方向に回転し骨切り術部位を拡大するように構成された回転式オステオトーム(36)であって、
    当該回転式オステオトーム(36)の回転の縦軸(A)を画定するシャンク(40)と、
    前記シャンク(40)から延在する本体(42)であって、前記本体(42)は、前記シャンク(40)から離隔した先端部(48)、及び、前記シャンク(40)に隣接する最大直径から前記先端部(48)に隣接する最小直径まで減少する円錐状のテーパー形状を有し、複数のらせん状の溝(62)が前記本体(42)の周囲に配置され、複数のランドが、前記隣接する溝(62)の間に形成され、前記各ランドは、前記円錐状のテーパー形状の径が減少するにつれて、前記非切断方向の逆の方向に前記本体(42)の周囲でらせん状に捻れた作用端(72)を有する、本体(42)と、
    前記オステオトーム(36)が高速で非切断方向に回転されつつ骨切り術部位(32)に押し付けられたとき、加圧成形を通して周囲の骨材料を半径方向に移動させるように構成された、前記作用端(72)と、
    隣接する前記縦軸(A)から前記作用端(72)の1つに半径方向に延在する少なくとも1つの研削切れ刃(50)を含む、前記本体(42)の前記先端部(48)であって、前記研削切れ刃(50)の半径方向の外側部分が、前記本体(42)が高速な非切断方向に前記骨切り術部位(32)内を前進するときに骨材料を研削するように構成され、前記研削切れ刃(50)は、略平面状の第1の裾状側面部(54)を有し、前記第1の裾状側面部(54)は、第1の角度で前記研削切れ刃(50)から傾いており、略平面状の第2の裾状側面部(56)が、前記第1の角度よりも小さい第2の角度で、前記第1の裾状側面部(54)から離れて延在し、略平面状のリリーフポケット(58)が、前記第2の角度よりも小さい第3の角度で、前記第2の裾状側面部(54)から離れて延在しており、前記先端部(48)が非切断方向への高速回転を伴って骨切り術部位(32)内に押し付けられたときに前記研削切れ刃(50)によって生成された骨の破片を受容して上方に導くように、前記複数の溝(62)が前記第2の裾状側面部(56)に直接的に開口し、前記作用端(72)は、前記周囲の骨材料への還元のために前記溝(62)を通して上方に導かれた前記骨の破片の粒子を自家移植するようにさらに構成されていることを特徴とする回転式オステオトーム。
  2. 前記リリーフポケット(58)から延在する、略軸方向に配置された切れ刃面(60)をさらに含み、前記先端部(48)が切断方向の反対方向への高速回転を伴って骨切り術部位(32)内に押し付けられたときに前記研削切れ刃(50)によって生成された骨の破片を受容するように、前記複数の溝(62)が前記リリーフポケット(58)に直接的に開口していることを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム。
  3. 前記各溝(62)は、研削面(64)および対向する切断面(66)を有し、前記各ランドは、実質的にマージンを有しないインターフェイスに沿って、前記作用端(72)の各々で隣接する前記溝(62)の切断面(66)を結合するランド面(70)を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム。
  4. 前記切断面(66)は、前記縦軸(A)に対してすくい角を形成し、前記すくい角は約ゼロ°であることを特徴とする請求項3に記載の回転式オステオトーム。
  5. 前記複数の溝(62)は、前記本体(42)の周りに周方向に均等に配置され、前記複数の溝(62)は少なくとも4つの溝(62)を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム。
  6. 前記本体(42)は、前記縦軸(A)に対して約1°から5°の間の円錐状のテーパー形状を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム。
  7. 前記溝(62)は、約9.5°、約11°、約12°又は約12.5°のらせんを有することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム。
  8. 高速で連続的に非切断方向に回転し、前進する先端部(48)によって研削された骨の粒子を同時に自家移植しつつ、周囲の骨材料の外側への加圧成形によって、骨切り術部位を拡大するように構成された回転式オステオトーム(36)であって、
    当該回転式オステオトーム(36)の回転の縦軸(A)を画定するシャンク(40)と、
    前記シャンク(40)に結合された本体(42)であって、前記本体(42)は、前記シャンク(40)から離隔した先端部(48)を有し、前記本体(42)は、前記シャンク(40)に隣接する最大直径から前記先端部(48)に隣接する最小直径まで減少する円錐状のテーパー形状を有し、複数のらせん状の溝(62)が前記本体(42)の周囲に配置され、複数のランドが、前記隣接する溝(62)の間にそれぞれ形成され、前記各ランドは、前記円錐状のテーパー形状の径が減少するにつれて、前記非切断方向の逆の方向に前記本体(42)の周囲でらせん状に捻れた作用端(72)を有する、本体(42)と、
    前記オステオトーム(36)が高速で非切断方向に回転されつつ骨切り術部位(32)に押し付けられたとき、加圧成形を通して周囲の骨材料を半径方向に移動させるように構成された、前記作用端(72)と、
    実質的に径方向の反対を向く一対の研削切れ刃(50)を含む、前記本体(42)の前記先端部(48)であって、前記各研削切れ刃(50)は、隣接する前記縦軸(A)から前記作用端(72)の径方向の反対側の対に延在し、前記研削切れ刃(50)の半径方向の外側部分が、前記本体(42)が高速な非切断方向に前記骨切り術部位(32)内を前進するときに骨材料を研削するように構成され、前記各研削切れ刃(50)は、第1の裾状側面部(54)を有し、前記第1の裾状側面部(54)は、第1の角度で前記研削切れ刃(50)から傾いており、前記各研削切れ刃(50)は、前記第1の角度よりも小さい第2の角度で、前記第1の裾状側面部(54)の各々から離れて延在する第2の裾状側面部(56)を有し、リリーフポケット(58)が、前記第2の角度よりも小さい第3の角度で、前記各第2の裾状側面部(54)から離れて延在しており、前記先端部(48)が非切断方向への高速回転を伴って前記骨切り術部位(32)内に押し付けられたときに前記研削切れ刃(50)によって生成された骨の破片を受容して上方に導くように、前記複数の溝(62)が前記第2の裾状側面部(56)の各々に直接的に開口し、前記作用端(72)は、前記周囲の骨材料への還元のために前記溝(62)を通して上方に導かれた前記骨の破片の粒子を自家移植するようにさらに構成されていることを特徴とする回転式オステオトーム。
  9. 前記各リリーフポケット(58)及び隣接する前記研削切れ刃(50)の間に略軸方向に延在する切れ刃面(60)をさらに含み、前記先端部(48)が切断方向の反対方向への高速回転を伴って骨切り術部位(32)内に押し付けられたときに前記研削切れ刃(50)によって生成された骨の破片を受容するように、前記複数の溝(62)が前記リリーフポケット(58)に直接的に開口していることを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
  10. 前記各溝(62)は、研削面(64)および対向する切断面(66)を有し、前記各ランドは、実質的にマージンを有しないインターフェイスに沿って、前記作用端(72)の各々で隣接する前記溝(62)の切断面(66)を結合するランド面(70)を有することを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
  11. 前記切断面(66)は、前記縦軸(A)に対してすくい角を形成し、前記すくい角は約ゼロ°であることを特徴とする請求項10に記載の回転式オステオトーム。
  12. 前記複数の溝(62)は、前記本体(42)の周りに周方向に均等に配置され、前記複数の溝(62)は少なくとも4つの溝(62)を備えることを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
  13. 前記本体(42)は、前記縦軸(A)に対して約1°から5°の間の円錐状のテーパー形状を有することを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
  14. 前記溝(62)は、約9.5°、約11°、約12°又は約12.5°のらせんを有することを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
  15. 前記一対の研削切れ刃(50)は、介在するチゼルポイント(52)によって互いにずれており、前記チゼルポイント(52)は前記縦軸(A)を通って中央に延在していることを特徴とする請求項8に記載の回転式オステオトーム。
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