JP6038056B2 - 電極の耐湿性評価方法およびこれに用いられる評価装置 - Google Patents

電極の耐湿性評価方法およびこれに用いられる評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、電極の耐湿性評価方法およびこれに用いられる装置にかかり、特に半導体や固定抵抗器などの電子基板実装部品、太陽電池などに使用されている、アルミニウム、銅、銀などの材料で構成される電極の耐湿性を迅速に評価する方法とその装置に関する。
従来、半導体や固定抵抗器などの電子基板実装部品、太陽電池などに使用されている電極の耐湿性を評価する方法として、高温高湿試験やPCT(Pressure Cooker Test)などの技術が開示されている(例えば、特許文献1,2)。
特開2012−209392号公報 特許第4847154号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、評価試験に1000時間以上という長時間を要している。電極材料の開発を加速させるためには、迅速な評価試験が必要である。これらの耐湿性評価試験は、長時間、例えば1000時間以上を要する。そのため、生産性の向上が困難であるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試験に要する時間を低減し、生産性の高い、電極の耐湿性評価方法およびこれに用いられる評価装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の電極の耐湿性評価方法は、
(a)評価すべき基板に対し、2本以上の電極を形成したものを試料とし、試料を試験水に浸漬するステップと、
(b)試料を試験水に浸漬した状態で電極間の電気抵抗を測定し、電気抵抗が変化し始めるまでの時間を計測するステップと、
(c)基板上に設けられた電極間の電気抵抗が変化し始めるまでの時間の長短から耐湿性の優劣を判断するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、迅速に、電極の耐湿性を評価できるという効果を奏する。
図1(a)および(b)は、本発明の実施の形態1の耐湿性を評価するための試料の上面図および断面図である。 図2は、耐湿性試験によって生成する亀裂を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1の耐湿性評価方法で用いられる電気抵抗の測定による耐湿性評価装置を示す図である。 図4は、電気抵抗測定のためのプローブを示す図である。 図5は、本発明の実施の形態1の耐湿性評価方法を示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態2および3の耐湿性評価方法で用いられる断面観察および表面/界面切削による耐湿性評価装置を示す図である。 図7は、指標とする亀裂長さの定義を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態2の耐湿性評価方法を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態3の耐湿性評価方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる電極の耐湿性評価方法及びそれに用いられる評価装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態1.
図1(a)および(b)は、本発明の実施の形態1にかかる耐湿性を評価するための試料の上面図および断面図である。この試料1は、表面に一対の電極2が形成された半導体層3を有する基板4からなる。このような試料1に対して、加速劣化を生じさせるような浸水環境を与え、図2に示すように、局所的に欠陥(亀裂5)を生じることで、電極2の耐湿性を評価するものである。
本実施の形態で用いられる評価装置は、図3に断面図を示すように、試料1を浸漬する浸漬用容器6と、プローブ7と、プローブ7を担持しこの浸漬用容器6に符合するプローブ付蓋11と、プローブに電圧を印加する電源装置12と、プローブ7を介して電極2a,2b間の抵抗をモニターするモニター装置13とを具備している。ここで浸漬用装置6には、30mL〜10L程度の試験水14が充填され、この試験水のpH及び温度を調整することで、電極の接着状況の劣化を加速するようになっている。
浸漬用容器6のプローブ付蓋11には、電極2の電気抵抗を測定するためのプローブ7が備えられている。そして図4に要部拡大断面図を示すように、プローブ7は、外筒8、アルミニウム、銅、銀などの金属を主成分材料とする導体部9および絶縁体10で構成されている。このプローブ7は、導体部9と、導体部9を覆う絶縁体10とで構成され、端面において、導体部9が露出部を有する。電極-プローブ間の接触部Sのみの導体部9が露出され、その他の導体部9表面は絶縁体10で覆われている。外筒8の形状は筒状であり、長さ2cm〜35cm程度、太さは直径15μm〜6mm程度が望ましく、プローブ付蓋11に任意の位置で固定する。外筒8内の導体部9および絶縁体10の形状は棒状であり、長さ1cm〜30cm程度、太さは直径10μm〜5mm程度が望ましく、外筒8内で上下に可動である。外筒8、導体部9、絶縁体10の長さが、上述した望ましいサイズの範囲外である場合、2本のプローブを目的の電極に接触させられない可能性がある。測定する電極2の幅や厚み、および電極間の距離などのサイズにあわせて、プローブ7の位置あるいは、導体部9および絶縁体10の位置をあわせて電気抵抗を測定する。
なお絶縁体10はゴムなどの弾性材料で構成してもよい。そして、導体部9と絶縁体10との端面はほぼ同一となっていて、導体部9が被検査体である電極2に接触部Sで接触した状態で、導体部9の周りで電極2に絶縁体10が弾性的に接触し導体部9を保護するように構成するのが望ましい。かかる構成をとることで、導体部9の保護効果を良好に確保しつつ導体部9の電極への接触を確保することが可能となる。
次に、ここで用いる試料1について説明する。検査すべきデバイスを構成する基板4に検査対象となる半導体層3を形成し、検査対象となる電極2a,2bを形成したものを用いればよい。基板4としては、シリコンなどの半導体基板、ガラス、樹脂などの絶縁体基板のいずれでも適用可能であり、基板4の大きさは、1cm2(1cm四方)〜225cm2(15cm四方)程度が望ましい。1cm2(1cm四方)に満たない場合は、浸漬水に試料が十分に沈まない可能性がある。一方、225cm2(15cm四方)を超えた場合、必要な浸漬水が多量になり、試験水が試験温度に達するまで長時間を要する可能性がある。この基板4上には、少なくとも2本以上の電極2(2a,2b)が設けられており、隣接する2本の電極間の距離は、10μm〜10cmが望ましい。10μmに満たない場合、電気抵抗を測定するためのプローブ7自身の体積により、2本のプローブ7を目的の電極2に接触させられない可能性がある。半導体層3の不純物濃度にもよるが、例えば太陽電池用のpn接合を形成する半導体層3の場合、10cmを超えると半導体層3の抵抗が大きくなり、電極と基板の接触抵抗を正確に抽出できなくなる可能性がある。
電極2としては、スパッタリング法、CVD法、めっき法などで成膜した薄膜、金属などの導電性成分を含有する導電性ペーストを塗布して焼成することで形成される厚膜などが適用可能である。例えば厚膜の材料となる導電性ペーストは、アルミニウム、銅、銀などの金属が主成分であり、鉛、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、テルル、亜鉛などの金属を添加物として含んでいる。
電極2は、幅が20μm〜1cm程度、厚みが10μm〜5mm程度の帯状が望ましい。電極2の幅が20μmに満たない場合、プローブ7と十分な接触面積をとることができず、電気抵抗を測定できない可能性があり、1cmを超えた場合、プローブを押し当てた部分を中心に評価すべき試料1が反って、電気抵抗を正確に測定できない可能性がある。
電極2の厚みが10μmに満たない場合、プローブ押し当て時にプローブ7と基板4(あるいは半導体層3)が直接触れてしまう可能性があり、5mmを超えると、電極内部の電気抵抗が大きくなり、電極2a,2bと基板4の接触抵抗を正確に抽出できなくなる可能性がある。
図3に記載の試験水14は、酸性、中性、塩基性であり、pH4〜10が望ましい。pH4に満たないあるいは10を超える、強酸、強塩基の場合は、腐食速度が大きすぎて試料間の有意差を判別できない可能性がある。試験水14の温度は40℃〜150℃が望ましく、ステンレス鋼やテフロン(登録商標)樹脂などを材料とする浸漬用容器6に、30mL〜10L程度充填される。試験水14の温度が40℃に満たない場合、電極の劣化速度が遅すぎる。一方試験水14の温度が150℃を超えた場合、電極の劣化速度が速すぎる。このため、いずれの場合も試料間の有意差を判別できない可能性がある。試験水の量が30mLに満たない場合、試料1を試験水14に完全に浸漬できない可能性があり、試験水の量が10Lを超えると、試験水が試験温度に達するまで長時間を要する可能性がある。この試験水14の量及び組成、温度は、検査対象となるデバイスによって適宜変更可能である。
次に本実施の形態の評価方法について説明する。本実施の形態による電気抵抗の測定による耐湿性の評価では、図3に示す電気抵抗測定による耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬したまま、任意の2本の電極2a,2b間の電気抵抗を測定する。電源装置12によって電圧を印加し、モニター装置13によって電気抵抗の経時変化をモニタリングしながら、電気抵抗が変化し始めるまでの時間を測定する。
図5は電極の耐湿性評価方法のフローチャートである。まず、準備した試料1を図3の評価装置の試験水14に浸漬する(ステップS101)。そして電極2a,2b間の電気抵抗を測定する(ステップS102)。測定は連続的でもいいし、所定時間ごとでもよい。そして電気抵抗が変化し始めたか否か(ステップS103)の判断を行う。電気抵抗が変化し始めていないと判断された場合(No)、再度電気抵抗の測定ステップS102に戻る。また電気抵抗が変化し始めたと判断された場合(Yes)、このときの試験水14への浸漬開始からの経過時間を計測する(ステップS104)。そしてこの経過時間が、あらかじめ測定された標準時間を超えているか否か(ステップS105)の判断を行う。そして標準時間を超えている(Yes)と判断されたとき、耐湿性は十分である(耐性あり)と評価される(ステップS106)。一方標準時間を超えていない(No)と判断されたとき、耐湿性は不十分である(耐性なし)と評価される(ステップS107)。
このようにして、電気抵抗が変化し始めるまでの時間の長短により、耐湿性の優劣を評価する。電気抵抗の測定による耐湿性の評価でモニター面研磨といった分析のための加工が不要で、浸漬を行いながら同時に測定ができる。
例えば、予め、試験水のpH,温度に応じて、電気抵抗が変化し始めるまでの時間の標準値を測定しておき、これを標準時間とする。この標準時間を超えるか否かによって評価し電気抵抗が変化し始めるまでの時間が標準時間を超えたとき、耐湿性は十分であると評価する。
さらに試験時間を短縮するためには、pHを調整して、酸性または、塩基性の強いものとするかあるいは、試験水の温度を高くし、標準時間を測定しておくことで、さらなる検査時間の短縮を行うことができる。
実施の形態2.
次に断面観察による耐湿性評価方法について説明する。断面観察による耐湿性の評価では、図6に示す評価装置を用いる。断面観察耐湿性評価装置は、図3に示した電気抵抗測定による耐湿性評価装置におけるプローブ付蓋11に設けられているプローブ7がないもので、蓋15が用いられる点が異なるのみである。この装置は浸漬用容器6、蓋15および試験水14によって構成されている。断面観察による耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬後の試料1の断面を、CP(Cross section Polisher)、研磨、FIB(Focused Ion Beam)などの手法によって作製し、SEM(Scanning Electron Microscope)、TEM(Tunneling Electron Microscope)、光学顕微鏡などを用いて断面を観察し、亀裂5の長さ(L1,L2)を測定する。ここで亀裂5の長さとは、図7に示すように、電極2と半導体層3を有している試料1の界面に生成した亀裂の長さとする。この亀裂5の長短により耐湿性の優劣を評価する。断面観察による耐湿性の評価では、断面加工の工程が必要となるが、電気抵抗の変化が起こり始める前の段階で耐湿性の評価を行うことができるので、浸漬時間は短くなる。なお、亀裂については、電極と基板の界面だけでなく、基板上に設けられた電極の内部、もしくは、基板に生成した亀裂の長さについても測定することで、評価することも可能である。
次に本実施の形態2の評価方法について説明する。本実施の形態による断面観察による耐湿性の評価では、図6に示す耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬し、引き上げて乾燥した後、亀裂5の長さを測定する。そして亀裂5の長さが標準値の範囲内であるか否かによって評価を行う。
図8は本実施の形態2の電極の耐湿性評価方法のフローチャートである。まず、準備した試料1を図6の評価装置の試験水14にあらかじめ決定しておいた一定時間浸漬する(ステップS201)。そして試料を引き上げ乾燥する(ステップS202)。この後試料を薄片化する(ステップS203)。そして亀裂5の長さを測定し亀裂長さの和L1+L2が、あらかじめ測定された標準値以下であるか否か(ステップS204)の判断を行う。そして標準値以下である(Yes)と判断されたとき、耐湿性は十分である(耐性あり)と評価される(ステップS205)。一方標準値を超えている(No)と判断されたとき、耐湿性は不十分である(耐性なし)と評価される(ステップS206)。
このようにして、亀裂の大きさによって耐湿性を評価することができる。
断面観察による耐湿性の評価では、図6に示した耐湿性評価装置を用いる。断面観察による耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬後の試料1における基板4に対して電極2(2a,2b)の亀裂長さを測定する。基板4に対する電極2の剥離長さの大小により、耐湿性の優劣を評価する。
試験水については前記実施の形態1と同様であり、適宜調整可能である。
また、実施の形態1の耐湿性評価と実施の形態2の耐湿性評価とを併用することも可能であり、実施の形態1の耐湿性評価を行った後、実施の形態2の耐湿性評価を実施するようにしてもよい。この場合は、完全に剥離してしまわなくても、抵抗値が大きく変化する場合があり、そのような場合の抵抗値変化を測定することで耐湿性評価を行った後、試験水から試料をひきあげ、薄片化して、亀裂の長さを測定する。なお、実施の形態2の耐湿性評価を行った後、実施の形態1の耐湿性評価を実施するようにしてもよい。この場合実施の形態1における試験水に浸漬する工程の一部は実施の形態2の評価工程と共用することができ、検査時間の節減が可能となる場合もある。
実施の形態3.
次に剥離強度の測定による耐湿性評価方法について説明する。剥離強度の測定による耐湿性の評価においても、図6に示す評価装置を用いる。ここでも表面/界面切削による耐湿性評価装置は、実施の形態2で説明した断面観察の場合と同様、図3に示した電気抵抗測定による耐湿性評価装置におけるプローブ付蓋11に設けられているプローブ7がないもので、蓋15が用いられる点が異なるのみである。この装置は浸漬用容器6、蓋15および試験水14によって構成されている。試料1を上記試験水14に浸漬し、引き上げて乾燥した後、SAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System)と呼ばれる、被着体の剥離強度とせん断強度を測定する装置を用いて剥離強度を測定する。浸漬後の試料1における電極2(2a,2b)と基板4の界面において、外側から内部にかけて鋭利な切刃を用いて超低速で切削及び剥離して行う。測定するデータは、切刃にかかる水平力と垂直力、及び垂直変位である。切刃の材質は焼結合金や単結晶ダイヤモンドを用い、剥離強度は刃幅あたりの水平力で求め、せん断強度は切削理論に基づいて計算する。このせん断強度の大きさにより耐湿性の優劣を評価する。せん断強度の測定による耐湿性の評価では、浸漬を行いながらの測定はできないが、電気抵抗の変化が起こり始める前の段階で耐湿性の評価を行うことができるので、電気抵抗の変化を測定する実施の形態1の評価方法に比べ、浸漬時間は短くなる。
次に本実施の形態3の評価方法について説明する。本実施の形態による剥離強度の測定による耐湿性の評価では、図6に示す耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬し、引き上げて乾燥した後、測定する。そしてせん断強度が標準値を超えているか否かによって評価を行う。
図9は本実施の形態2の電極の耐湿性評価方法のフローチャートである。まず、準備した試料1を図6の評価装置の試験水14に浸漬する(ステップS301)。そして試料1を引き上げ乾燥する(ステップS302)。この後試料1を切削・剥離する(ステップS303)。そして剥離強度を測定し(ステップS304)、この値が、あらかじめ測定された標準値以上であるか否か(ステップS305)の判断を行う。そして標準値以上である(YES)と判断されたとき、耐湿性は十分である(耐性あり)と評価される(ステップS306)。一方標準値に満たない(NO)と判断されたとき、耐湿性は不十分である(耐性なし)と評価される(ステップS307)。
このようにして、せん断強度によって耐湿性を評価することができる。
本実施の形態3の方法による、表面/界面切削による耐湿性の評価では、図6の耐湿性評価装置を用いる。界面切削による耐湿性評価装置を用いて試料1を試験水14に浸漬し、浸漬後の試料1における基板4に対して電極2(2a,2b)の剥離強度を表面/界面切削によって測定する。基板4に対する電極2の剥離強度の大小により、耐湿性の優劣を評価する。浸漬を行いながらの測定はできないが、断面研磨といった分析のための加工が不要である。
本実施の形態においても、試験水については前記実施の形態1と同様であり、適宜調整可能である。
<実施例1>
実施の形態1で説明した評価装置を用いた評価方法の実施例として、電気抵抗の測定によって電極Aと電極Bの耐湿性の優劣を比較評価する。ここで、電極Aは、銅を主成分とし、カルシウムを添加している電極材料から成り、電極Bは、銅を主成分とし、鉛を添加している電極材料から成る。電極A、Bはともに、幅1mm、厚み0.5mm、長さ2cmであり、隣接する電極2間の距離が5mmとなるように、3cm四方のガラス基板上に、4本ずつ焼成されている。電極Aが設けられている基板Aと電極Bが設けられている基板Bからなる試料1を、導電率0.1μS/cm以下の純水1Lが満たされた浸漬用容器6としてのステンレス容器に浸漬する。この評価用容器6には、電極2間の電気抵抗を測定するためのプローブ7が備わっている。(図3参照)プローブ7の先端が、抵抗を測定する2本の電極2の表面に接触するようにプローブ7の位置と基板4位置を調整し、浸漬用容器6を密閉し、120℃のオーブンに24時間保持する。電極2を設けた基板4を浸漬しながら、2本の電極2間の抵抗を測定する。その結果、電気抵抗が増加し始めるまでに、電極Aは12時間要し、電極Bは24時間要した。以上の結果から、電極Bのほうが耐湿性に優れていると判断される。以上から、短時間で耐湿性の優劣を評価できた。
<実施例2>
実施の形態2で説明した評価装置を用いた評価方法の実施例として、断面観察によって電極Aと電極Bの耐湿性の優劣を比較評価する。ここで、電極Aは、銀を主成分とし、鉛を添加している電極材料から成り、電極Bは、銀を主成分とし、鉛を添加していない電極材料から成る。電極A、Bはともに、幅1mm、厚み0.5mm、長さ4cmであり、隣接する電極2間の距離が3mmとなるように、5cm四方のガラス基板上に、20本焼成されている。電極Aが設けられている基板Aと電極Bが設けられている基板Bを導電率2〜3μS/cm程度の純水5Lが満たされた浸漬用容器6としてのステンレス容器に浸漬し、密閉して120℃のオーブンに24時間保持する。24時間経過後に、基板を回収し、断面研磨によって電極の観察断面を作製し、SEMを用いた観察によって、電極と基板の界面に生成した亀裂の長さを測定する。その結果、電極Aと基板Aの界面には、0.5mmの亀裂が生成されており、電極Bと基板Bの界面には、0.05mmの亀裂が生成されていた。以上の結果から、亀裂長さの長短を比較することにより、電極Bのほうが耐湿性に優れていると判断できる。以上から、短時間で耐湿性の優劣を評価できた。
<実施例3>
実施の形態3で説明した評価装置を用いた評価方法の実施例として、表面/界面切削装置による剥離強度の測定によって電極Aと電極Bの耐湿性の優劣を比較評価する。ここで、電極Aは、銅を主成分とし、鉛を添加している電極材料から成り、電極Bは、銀を主成分とし、鉛を添加している電極材料から成る。電極A,Bはともに、幅1mm、厚み0.5mm、長さ4cmであり、隣接する電極間の距離が3mmとなるように、5cm四方のガラス基板上に、20本焼成されている。電極Aが設けられている基板Aと電極Bが設けられている基板Bを導電率2〜3μS/cm程度の純水5Lが満たされた浸漬用容器6としてのステンレス容器に浸漬し、密閉して120℃のオーブンに24時間保持する。24時間経過後に、基板を回収し、表面/界面切削装置によって電極Aおよび電極Bそれぞれの剥離強度を測定する。その結果、電極Aの剥離強度は0.5kN/m、電極Bの剥離強度は50kN/mであった。以上の結果から、電極Bのほうが耐湿性に優れていると判断できる。以上から、短時間で耐湿性の優劣を評価できた。
以上説明してきたように、本実施の形態1〜3の方法は、電極だけでなく、所望の膜について適用可能である。ただし、実施の形態1の方法については、導電性材料または半導体材料のみを対象とするもので、導体または半導体膜の場合にのみ適用可能である。
例えば、上記実施の形態1から実施の形態3またはそれぞれに示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決できる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1から実施の形態3にわたる構成要件を適宜組み合わせてもよい。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 試料、2,2a,2b 電極、3 半導体層、4 基板、5 亀裂、6 浸漬用容器、7 プローブ、8 外筒、9 導体部、10 絶縁体、11 プローブ付蓋、12 電源装置、13 モニター装置、14 試験水、15 蓋、S 接触部。

Claims (11)

  1. (a)基板に対し、2本以上の電極を形成したものを試料とし、前記試料を試験水に浸漬するステップと、
    (b)前記試料を前記試験水に浸漬した状態で前記電極間の電気抵抗を測定し、電気抵抗が変化し始めるまでの時間を計測するステップと、
    (c)前記基板上に設けられた前記電極間の電気抵抗が変化し始めるまでの時間の長短から耐湿性の優劣を判断するステップとを有する、
    電極の耐湿性評価方法。
  2. 前記試験水は、pH4から10、温度が40℃から150℃である請求項1に記載の電極の耐湿性評価方法。
  3. 前記電極の材料は、銅アルミニウム、銀などの金属を含む厚膜である請求項1または2に記載の電極の耐湿性評価方法。
  4. (a)基板に対し、2本以上の電極を形成したものを試料とし、前記試料を試験水に一定時間浸漬するステップと、
    (b)前記試料を前記試験水に浸漬した後に、前記試料の断面を作製し、前記基板上に設けられた前記電極の内部または前記電極と前記基板の界面に生成した複数の亀裂の長さを測定するステップと、
    (c)前記基板上に設けられた電極の内部または電極と基板の界面に生成した亀裂の長さの和が、あらかじめ決められた標準値以下であるか否かを評価することにより、前記亀裂の長さの和の長短から耐湿性の優劣を判断するステップとを有する、
    電極の耐湿性評価方法。
  5. 前記試験水は、pH4から10、温度が40℃から150℃である請求項4に記載の電極の耐湿性評価方法。
  6. 前記電極の材料は、銅アルミニウム、銀などの金属を含む厚膜である請求項4または5に記載の電極の耐湿性評価方法。
  7. (a)評価すべき基板に対し、2本以上の電極を形成したものを試料とし、前記試料を試験水に一定時間浸漬するステップと、
    (b)前記試料を前記試験水に浸漬した後に、前記基板上に設けられた前記電極の剥離強度を測定するステップと、
    (c)前記基板に対する前記電極の剥離強度の大小から耐湿性の優劣を判断するステップとを有する、
    電極の耐湿性評価方法。
  8. 前記試験水は、pH4から10、温度が40℃から150℃である請求項7に記載の電極の耐湿性評価方法。
  9. 前記電極の材料は、銅アルミニウム、銀などの金属を含む厚膜である請求項7または8に記載の電極の耐湿性評価方法。
  10. 試験水の充填された試験槽と、
    評価すべき基板に対し、2本以上の電極を形成した試料を、前記試験水に浸漬されるように、支持する支持部と、
    前記基板上の電極にあてるプローブと、通電するための電源装置と、前記試験水に浸漬してから前記電極間の電気抵抗が変化し始めるまでの時間をモニタリングするためのモニターとを備えた耐湿性評価装置。
  11. 前記プローブは、導体部と、前記導体部を覆う絶縁部とで構成され、端面において、前記導体部が露出部を有する請求項10に記載の耐湿性評価装置。
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